JP2024073552A - 脳卒中治療用組成物、及びそれをスクリーニングする方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脳卒中治療用組成物、及びそれをスクリーニングする方法を提供する。【解決手段】炎症細胞におけるIL-1RA(インターロイキン-1受容体拮抗剤)の発現を増大させる物質を有効成分として含む、脳卒中治療用薬学的組成物、ここで、前記炎症細胞におけるIL-1RAの発現を増大させる物質は臍帯由来間葉幹細胞であり、かつ、該臍帯由来間葉幹細胞は、TGF-β-1、HGF、及びIDOからなる群より選択される1以上の因子を分泌するものであり、かつ、該因子それぞれの分泌レベルは、VEGFの分泌レベルよりも高いレベルである、前記組成物を提供する。【選択図】図8

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)Experimental & Molecular Medicine,volume 50,Article number: 22,Interleukin-1 receptor antagonist-mediated neuroprotection by umbilical cord-derived mesenchymal stromal cells following transplantation into a rodent stroke model 発表日:2018年4月13日
本発明は、脳卒中治療用組成物、及びそれをスクリーニングする方法に関する。
統計庁で2010年発表した資料によれば、韓国は、2011年、65歳以上の老齢人口が総人口で占める比重が11.4%に達し、2050年には、37.4%になり、超高齢化社会に入り込むと見られている。そのように、最近、高齢化問題が社会的なイシューとして話題に上るにつれ、高齢人口の特性、住居、保健、文化、余暇のような老人福祉への国民の関心が高まり、それに対する統計需要も増えている。特に、これまでの50年余り、死亡の主な原因になっていた急性伝染性疾病に比べ、慢性退行性疾病がさらに大きい問題として注目されている。また、慢性退行性疾病のうち、脳血管疾患は、単一疾患による死亡率のうち2位となっている非常に重要な疾患のうち一つであり、それへの関心が高まっている。
そのような脳血管疾患は、大きく見て、2種形態で分類される。一つは、脳出血などに見られる出血性脳疾患であり、他の一つは、脳血管の閉鎖などによって示される虚血性脳疾患である。出血性脳疾患は、交通事故などによって主に示され、虚血性脳疾患は、主に高齢者にしばしば示される疾患である。
大脳に一時的な脳梗塞または脳出血が誘発される場合、酸素及びブドウ糖の供給が遮断され、神経細胞においては、ATP低下及び浮腫(edema)が生じ、結局、脳の広範囲な損傷が誘発される。神経細胞の死滅は、脳梗塞などの発生後、相当な時間が経過した後に示されるのであるが、それを遅延性神経細胞死(delayed neuronal death)と言う。スナネズミ(Mongolian gerbil)を利用した一過性前脳梗塞モデル(transient forebrain ischemic model)を介した実験で見れば、該遅延性神経細胞死は、5分間の脳梗塞誘導4日後、海馬(hippocampus)のCA1領域において、神経細胞死が観察されたと報告されている。
一方、これまで最も広く知られている脳梗塞による神経細胞死メカニズムには、2種が知られている。一つは、脳梗塞により、細胞外に、過度なグルタメート(glutamate)が蓄積され、そのようなグルタメートが細胞内に流入し、結局、過度な細胞内カルシウムの蓄積により、神経細胞死が誘発されるという興奮性神経細胞死メカニズムであり、他の一つは、梗塞再貫流の時、急な酸素供給による生体内ラジカルの増加により、DNA及び細胞質に損傷を負って誘発されるという酸化性神経細胞死である。そのようなメカニズム的な研究を基にして、脳梗塞時に示される神経細胞死を効果的に抑制する物質を探索したり、該物質に係わるメカニズムを明らかにする研究が多く行われている。しかし、これまでのところ、効果的に脳卒中を治療することができる物質は、ほとんどないという実情である。
そのような技術的背景下、新たな分子的メカニズムに基づく脳卒中治療用組成物に係わる研究が活発に進められているが(韓国登録特許10-1532211)、まだ十分ではない実情である。
一様相は、IL-1(interleukin-1)受容体拮抗剤を有効成分として含む脳卒中の治療用薬学的組成物を提供することである。
他の様相は、脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、IL-1RA(interleukin-1 receptor antagonist)の発現レベルを測定する段階と、前記測定されたIL-1RAの発現レベルを、前記候補物質と接触していない対照群個体の試料内IL-1RAの発現レベルと比較する段階を含む脳卒中治療剤をスクリーニングする方法を提供することである。
さらに他の様相は、臍帯由来間葉基質細胞を含むIL-1受容体拮抗剤を提供することである。
さらに他の様相は、臍帯由来間葉基質細胞を含むCREB(cAMP-response element-binding)タンパク質活性増加剤を提供することである。
一様相は、IL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤を有効成分として含む、脳卒中の治療用薬学的組成物を提供する。
本明細書で使用される用語「治療」は、一実施例による組成物の投与により、脳卒中に対する症状が好転したり、好ましく変更されたりする全ての行為を意味する。
前記組成物の投与によって治療される対象疾病である「脳卒中(stroke)」は、一般的に中風とも言い、脳に血液を供給している血管が詰まったり破れたりし、損傷を受けた部位の脳細胞が死滅し、それによる意識消失、言語障害、半身マヒのような身体障害を伴う神経学的症状を意味する。前記脳卒中は、虚血性脳卒中及び出血性脳卒中をいずれも含む。
一実施例によれば、脳卒中の急性段階、すなわち、脳梗塞後または脳出血後、約24時間以内、前記IL-1受容体拮抗剤の投与は、単に、炎症反応を阻害させるに留まるのではなく、神経損傷の回復及び機能改善に寄与することができ、それを介して、脳卒中の病理学的進行を防ぐだけではなく、それと係わる後遺症を最小化させることができるということを確認することができた。従って、一実施例によるIL-1受容体拮抗剤は、脳卒中治療のための有効物質としても活用される。
一具体例において、前記IL-1受容体拮抗剤は、細胞に発現されているIL-1受容体とIL-1との結合を妨害することにより、それによる作用の一部または全部を減殺させる役割を行う物質を指称する。前記IL-1受容体拮抗剤としては、例えば、臍帯由来間葉基質細胞、またはIL-1RA(Interleukin-1 receptor antagonist)タンパク質でもあり、その以外にも、IL-1に対する抗体、アプタマー、アンチセンスヌクレオチドでもある。
一具体例において、前記IL-1受容体拮抗剤は、脳卒中病変組織内炎症細胞に作用し、IL-1媒介の炎症反応を阻害させるものでもあり、ここで、前記炎症細胞は、病変組織内の小膠細胞または大食細胞でもある。
前記薬学的組成物は、有効成分以外に、薬学的に許容される担体を含んでもよい。そのとき、薬学的に許容される担体は、製剤時、一般的に利用されるものであり、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシア、ゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メティルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルなどを含んでもよく、それ以外にも、ウイルスベクター、非ウイルス性ベクター及び生体適合性ポリマーなども含んでもよい。前記成分以外に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁液剤、保存剤などを追加して含んでもよい。
前記薬学的組成物は、目的とする方法により、経口投与したり非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内または局所に対する適用)したりし、投与量は、患者の状態、並びに体重、疾病程度、薬物形態、投与経路及び時間によって異なるが、当業者によって適切に選択されるのである。
前記薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。前記「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/危険の比率でもって、疾患を治療するに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者の疾患種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与の経路及び排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含んだ要素、並びにその他医学分野に周知の要素によっても決定される。前記薬学的組成物は、個別治療剤として投与するか、あるいは他の治療剤と併用しても投与され、従来の治療剤とは、順次にも同時にも投与され、単一または多重にも投与される。前記要素をいずれも考慮し、副作用なしに最小限量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、それは、当業者によって容易に決定されるのである。
前記薬学的組成物の有効量は、患者の年齢、性別、状態、体重、体内への活性成分吸収度、不活性率及び排泄速度、疾病種類、併用される薬物によっても異なるが、一般的には、体重1kg当たり1ないし500mg、または治療学的に有効量の細胞またはベクターを、毎日または隔日に投与するか、あるいは1日に1回ないし5回に分けて投与することができる。しかし、投与経路、肥満の重症度、性別、体重、年齢などにより、増減されるので、前記投与量が、いかなる方法によっても、本発明の範囲を限定するものではない。
一様態として、前記薬学的組成物を個体に投与する段階を含む脳卒中の治療方法を提供する。前記「個体」とは、疾病治療を必要とする対象を意味し、さらに具体的には、ヒト、または非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、犬、猫、馬及び牛などの哺乳類を意味する。
他の様相は、脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、IL-1RA(interleukin-1 receptor antagonist)の発現レベルを測定する段階と、
前記測定されたIL-1RAの発現レベルを、前記候補物質と接触していない対照群個体の試料内IL-1RAの発現レベルと比較する段階を含む、脳卒中治療剤をスクリーニングする方法を提供する。
前記スクリーニングする方法に係わる説明で言及された用語または要素のうち、すでに言及されたところと同一なものは、前述の通りである。
本明細書で使用される用語「候補物質」は、脳卒中の治療に効果を示すと期待される物質であり、例えば、任意の物質(substance)、分子(molecule)、元素(element)、化合物(compound)、実在物(entity)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、タンパク質、ポリペプチド、低分子有機化合物(small organic molecule)、多糖類(polysaccharide)、ポリヌクレオチドなどを含んでもよい。また、自然産物(natural product)、合成化合物または化学化合物、または2個以上の物質の組み合わせでもある。
前記方法において、「接触(contacting)」は、一般的な意味であり、2個以上の製剤(例えば、2個のポリペプチド)を結合させたり、製剤及び細胞(例えば、タンパク質及び細胞)を結合させたりすることなどを指することができる。該接触は、試験管内(in vitro)でも起こる。例えば、試験管(test tube)、または他のコンテナ(container)において、2個以上の製剤を結合させたり、試験製剤及び細胞、または細胞溶解物及び試験製剤を結合させることができる。また、該接触は、細胞またはインシト(in situ)でも起こる。例えば、2個のポリペプチドを暗号化する組み換えポリヌクレオチドを細胞内で共同発現(coexpression)させることによち、細胞または細胞溶解物において、2個のポリペプチドを接触させることができる。また、テストしようとするタンパク質が固定相の表面に配列されたタンパク質チップ(protein chip)やタンパク質アレイ(protein array)を利用することもできる。
前記試料は、個体から分離された血液、血漿、血清、尿、大便、唾液、涙、脳脊髄液、細胞、組織、またはその組み合わせでもある。前記試料は、個体の染色体を含むものでもある。前記組織は、脳、脳神経または末梢血管でもある。前記細胞は、炎症細胞、例えば、小膠細胞または大食細胞でもある。
前記個体は、哺乳動物でもある。また、前記個体は、そこから分離された組織または細胞を含む意味に使用される。前記哺乳動物は、ヒト、霊長類、マウス、ラット、牛、豚、馬、羊、犬、猫、またはその組み合わせでもある。
前記方法において、個体の試料から測定されたIL-1RAの発現レベルが、接触していない対照群に比べて上昇した場合、脳卒中治療剤として決定したり選定したりする段階をさらに含んでもよい。前記発現レベル変化は、個体の発現レベルが、非処理の対照群または陰性対照群に比べ、類似したレベル、または1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%及び1,000%以上上昇するものを含んでもよい。
前記IL-1RAの発現レベルを測定する段階は、当業界で公知された多様な方法を介しても遂行され、例えば、ウェスタンブロッティング(western blotting)、ドットブロッティング(dot blotting)、酵素免疫分析法(enzyme-linked immunosorbent assay)、放射能免疫分析法(RIA)、放射免疫拡散法、オクタロニー免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動、免疫組織化学染色、免疫沈澱法(immunoprecipitation)、補体固定分析法、流細胞分析法(FACS)またはタンパク質チップ方法などが使用される。
前記方法において、脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、CREB(cAMP-response element-binding)タンパク質の活性レベルを測定し、かつ前記測定されたCREBタンパク質の活性レベルを、接触していない対照群個体の試料内CREBタンパク質の活性レベルと比較する段階をさらに含んでもよい。ここで、個体の試料から測定されたCREBタンパク質の活性レベルが、非処理の対照群に比べて上昇した場合、脳卒中治療剤として決定したり選定したりする段階をさらに含んでもよい。また、例えば、IL-1RAの発現レベル、及びCREBタンパク質の活性レベルが非処理の対照群に比べて上昇した場合、脳卒中治療剤として決定したり選定したりすることができる。
前記CREBタンパク質の活性レベルを測定する段階は、当業界で公知された多様な方法を介しても遂行されし、例えば、逆転写重合酵素連鎖反応(reverse transcriptase-polymerase chain reaction)、リアルタイム重合酵素連鎖反応(real time-polymerase chain reaction)、ウェスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、酵素免疫分析法、放射免疫拡散法(radioimmunodiffusion)及び免疫沈澱法などが使用されることができる。
前記スクリーニング方法を介して得た対象試料内IL-1RAの発現レベルを上昇させ、かつ/またはCREBタンパク質の活性レベルを上昇させる候補物質は、脳卒中治療のための有効物質にもなる。そのような脳卒中治療のための候補物質は、その後、脳卒中治療剤の開発過程において、先導物質(leading compound)として作用し、前記先導物質がさらに有効な脳卒中治療効果を示すように、その構造を変形させて最適化させることにより、新たな脳卒中治療剤を開発することができる。
さらに他の様相は、臍帯由来間葉基質細胞を含むIL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤を提供する。
一具体例において、前記臍帯由来間葉基質細胞は、炎症細胞、例えば、小膠細胞内または大食細胞内のIL-1RAの発現を増大させ、それを介して、IL-1受容体拮抗剤としての役割を遂行するということを確認することができた。従って、前記臍帯由来間葉基質細胞は、標的細胞内分子メカニズムの調節にも使用され、さらに、脳卒中治療のための有効物質としても活用される。
さらに他の様相は、臍帯由来間葉基質細胞を含む、CREB(cAMP-response element-binding)タンパク質活性増加剤を提供する。
一具体例において、前記臍帯由来間葉基質細胞は、炎症細胞、例えば、大食細胞内のリン酸化されたCREBタンパク質の発現を増大させ、それを介して、CREBタンパク質活性増加剤として役割を遂行するということを確認することができた。従って、前記臍帯由来間葉基質細胞は、標的細胞内分子メカニズムの調節に使用され、さらに、脳卒中治療のための有効物質としても活用される。
一様相による組成物によれば、IL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤を含み、脳卒中急性段階において、前記組成物の投与は、神経損傷の回復及び機能改善に大きく寄与することができるが、脳卒中の治療にも有用に利用される。
一様相によるスクリーニングする方法によれば、核心的分子メカニズムに基づき、優秀な治療効果を有する脳卒中治療物質を発掘することができる。
一実施例による臍帯由来間葉幹細胞(hMSCs)によるVEGF、TGF-β1、HGF及びIDOの分泌レベルを測定した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、臍帯由来間葉幹細胞(hMSCs)の用量、及び投与時点による機能的変化を確認したものであり、Aは、行動学的テスト結果であり、Bは、梗塞サイズ変化を測定した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、hMSCsの静脈投与による治療効果を確認したものであり、Aは、行動学的テスト結果であり、Bは、梗塞サイズ変化を測定した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、hMSCsの静脈投与による神経細胞死滅抑制効果を、TUNELオセイを介して確認した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、免疫組織化学検査を実施し、hMSCsの静脈投与による脳梗塞組織の病理学的変化を確認したものであり、Aは、ED-1-陽性細胞及びIba-1-陽性細胞の数を比較した結果であり、Bは、ED-1-陽性細胞内iNOS細胞の比率を比較した結果であり、Cは、ELANE陽性細胞の数を比較した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)に対するELISAを実施し、hMSCsの静脈投与による脳梗塞組織の病理学的変化を確認した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、リアルタイム重合酵素連鎖反応(PCR)を実施し、hMSCsの静脈投与による脳梗塞組織内炎症性サトカインの発現変化を確認したものであり、Aは、IL1Bの発現変化を比較した結果であり、Bは、TNFの発現変化を比較した結果であり、Cは、MMP9の発現変化を比較した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、hMSCsの静脈投与による脳梗塞組織内遺伝子の発現変化を確認した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、hMSCsの静脈投与による脳組織内遺伝子発現変化を定量的に比較したものであり、Aは、IL1RN mRNAの発現変化を比較した結果であり、Bは、IL-1raタンパク質の発現変化を比較した結果である。 脳卒中動物モデルを対象に、hMSCsの静脈投与によるIL-1raの上向き調節に寄与する細胞亜集団を確認したものであり、Aは、ED-1-陽性細胞内IL-1ra陽性細胞を免疫組織化学検査を介して確認した結果であり、Bは、D-1-陽性細胞内IL-1ra陽性細胞の比率を定量的に比較した結果である。 Raw 264.7細胞を対象に、LPS及びhUMSCs-CMの共同処理による炎症性サトカインの発現変化を確認したものであり、Aは、IL-1βの発現変化を確認した結果であり、Bは、IL-1raの発現変化を確認した結果である。 Raw 264.7細胞を対象に、hUMSCs媒介IL-1ra発現とcAMP反応要素結合性タンパク質(CREB)との関連性を確認したものであり、Aは、p-CREBタンパク質などの発現をウェスタンブロットで確認した結果であり、Bは、p-CREBタンパク質の発現を定量的に比較した結果であり、Cは、p-NF-κBの発現を定量的に比較した結果である。 Raw 264.7細胞を対象に、LPSとhUMSCs-CMとの共同処理によるp-CREB及びp-NF-κBの発現変化を免疫組織化学検査を介して確認した結果である。 Raw 264.7細胞に、hUMSCs-CM及びCREB阻害剤(KG501)を共同処理した場合、IL-1raの発現変化を確認した結果である。 Raw 264.7細胞に、CREBsiRNA(siCREB)を形質感染させた場合、それによるIL-1raの発現変化を確認した結果である。 LPSに刺激されたRaw 264.7細胞に、CREBsiRNA(siCREB)を形質感染させた後、hUMSCs-CMの処理によるIL1RNの発現変化を確認した結果である。
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
参考例1.実験準備及び実験過程
(1)hUMSCの準備、及びそれらの特性確認
臍帯由来間葉幹細胞(hUMSC)を、健康な寄贈者の同意下、チャ盆唐医療センター(城南、大韓民国)に保管中の臍帯(へその緒)から採取した。hUMSCの準備は、GMP施設で行われ、hUMSCの分離及び拡張は、Master Cell BankのGCP(Good Clinical Practice)ガイドラインによって行われた。まず、採取されたhUMSCから、臍帯血管を除去した後、Wharton’s jellyを1~5mmの移植片にスライスし、hUMSCsを分離した。分離されたhUMSCsを、10% FBS(HyClone、IL)、FGF4(R&D Systems、MN)、及びヘパリン(Sigma-Aldrich、MO)が添加されたα-MEM(HyClone、IL)を含む培養プレートに付着させ、それを培養させ、前記培地は3日ごとに交替された。そこから15日経過後、臍帯切片を捨て、前記hUMSCをTrypLE(Invitrogen、MA)と共に継代培養させ、サブコンフルエント(80~90%)に逹するまで拡張させた。前記hUMSCは、低酸素条件(3% O、5% CO及び37℃)下でインキュベーションされ、7継代のhUMSCが本実験に使用された。
その後、核型分析を介して、前記hUMSCが正常なヒト核型を含んでいることを確認した。また、逆転写重合酵素連鎖反応を使用し、細胞ペレット内ウイルス性病源菌(ヒト免疫欠乏症ウイルス-1及びヒト免疫欠乏症ウイルス-2、サイトメガロウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、ヒトTリンパ球ウイルス、エプスタインバールウイルス、及びマイコプラズマ)がないことを確認した。蛍光標識細胞分類器(FACS)分析を行い、前述のように、hUMSCsの免疫表現型を確認した。前記hUMSCは、MSCs(CD44、CD73、CD90及びCD105)と係わる細胞表面マーカーを高いレベルに発現したが、造血幹細胞(CD31、CD34及びCD45)及びHLA-DRに係わるマーカーの発現は、無視してもよいレベルであった。hUMSCs(n=3)が100%コンフルエントに逹したとき、それらを無血清培地で48時間培養し、そこからhUMSCs-CMを得た。その後、hUMSCs-CMに由来したTGF-β1(Human TGF-β1 ELISA kit、R&D Systems、MN)、VEGF(Human VEGF ELISA kit、R&D Systems、MN)、HGF(Human HGF ELISA kit、Cloud-Clone Corp.、TX)及びIDO(Human IDO ELISA kit、BlueGene Biotech.、Shanghai、中国)のタンパク質濃度を、商業的に利用可能な酵素結合免疫吸着法(ELISA)キットを使用し、製造社の指針に従って測定した。その結果、図1に示されているように、hUMSCsは、高レベルのTGF-β1、HGF及びIDOを分泌した。そのような実験データは、hUMSCsが、MSCの特性を有し、免疫反応及び組織回復と係わるサトカイン及び栄養因子を分泌することができるということを示すものである。
(2)脳卒中動物モデルの構築
本実験において、270~300gの体重を有する総151匹の雄Sprague-Dawleyラットが使用され、Longa et al.によって報告されている方法により、前記ラットに、中脳動脈閉塞(MCAo:middle cerebral artery occlusion)を誘発させた。
(3)統計分析及び倫理的規定
統計分析は、Statistical Analysis System program(Enterprise 4.1;SAS Korea)及びMedCalc statistical software(MedCalc software、ver.11.6、Mariakerke、ベルギー)を使用して行われた。組織学的、または梗塞サイズ測定において、2グループ間の統計的な有意性は、Mann-Whitney U testによって分析された。リアルタイムPCRまたはELISAに対する多重比較の統計的有意性は、下位グループの双対比較に係わるa post hoc Conover’s testと共に、Kruskal-Wallis testを使用して分析された。機能性テストの分析は、分散(混合したANOVA)テストの双方向混合分析を使用して行われた。統計学的有意性は、p<0.05及びp<0.001で考慮され、全ての値は、平均±標準誤差(SEM)で示された。マイクロアレイデータの統計学的分析は、以前の実験と同一方法で評価した。
また、本実験では、臍帯(umbilical cord)使用のために、チャ盆唐医療センターの臨床試験審査委員会(Institutional Review Board)の承認を受け(IRB no.:BD2013-004D)、全ての実験動物は、チャ医科大学校の実験動物運営委員会から提供されたガイドラインによって操作された。
実験例1.脳卒中動物モデルにおけるhUMSCsによる神経損傷減少及び機能改善効果の確認
本実験例においては、行動学的テスト、梗塞サイズの評価、及びTUNELを実施し、hUMSCsの静脈投与(IV-hUMSCs)による脳梗塞の急性段階において、神経損傷減少及び機能改善効果を確認しようとした。
(1)hUMSCsの静脈投与
IV-hUMSCsの用量及び投与時点による機能的変化を評価するために、前述の脳卒中動物モデル(MCAoが誘発されたラット)を、hUMSCsの用量及び投与時点によって総5個のグループに分類した。
グループ1(G1):MCAo誘発の後24時間目、生理食塩水を投与したラット
グループ2(G2):MCAo誘発の後24時間目、1×10個のIV-hUMSCsを投与したラット
グループ3(G3):MCAo誘発の後24時間目、5×10個のIV-hUMSCsを投与したラット
グループ4(G4):MCAo誘発の後24時間目、1×10個のIV-hUMSCsを投与したラット
グループ5(G5):MCAo誘発の後7日目、1×10個のIV-hUMSCsを投与したラット
前記それぞれの投与時点(MCAo24時間目またはMCAo7日目)において、500μlの生理食塩水と混合したhUMSCsを、当該グループの尾静脈に5分間投与した。投与過程において、激しい出血はなく、全てのラットの生体信号は、手術中、安定していた。全てのラットには、投与前日から細胞投与後8週目まで、シクロスポリンA(5mg/kg)が腹腔内注射された。
また、IV-hUMSCsの用量及び投与時点による機能的変化を評価した後、それと独立して実験を実施し、IV-hUMSCs投与による治療効果を確認しようとした。脳梗塞を誘発した日から総4週にわたり、MCAo24時間後から、1×10個のIV-hUMSCsが投与され(IV-hUMSCグループ、n=10)、対照群としては、生理食塩水が投与された(salineグループ、n=10)。
(2)行動学的テスト
行動学的テストは、各グループに係わる情報が盲検である遂行者によって遂行され、ロタロドテスト及びmNSSテストは、以前と同一方式によって行われた。ロータロッドテストにおいて、それぞれのラットに対して、MCAo誘発前、3日間、1日に3度ずつ事前訓練を実施し、動物間の変異を最小化させた。ロータロッドホイール上に、ラットを位置させ、ホイール上での持久力時間を測定した。ロータロッド装置のロッド速度は、2分間4rpmから40rpmまで漸進的に増加させた。その後、回転するタイヤからラットが落ちるのにかかる時間を記録し、総3回の実験において、それらの平均時間を計算した。前記テストは、MCAo前1日(pre)、MCAo誘導された日(D0)、MCAo誘発後2日目(D2)に実施された。その後、前記テストは、総8週にわたり、1週間に1回ずつ実施された。
修正された神経学的重症度点数(mNSS)テストにおいて、それぞれのラットは、MCAo誘発後1日目からテストされ、細胞投与後、総8週にわたって実施された。前記ラットに対して、それぞれの神経学的テスト点数の合計である点数が与えられた。高点数は、最も深刻な状態を示す一方、低点数は、正常状態を意味する。
(3)梗塞サイズの測定及びTUNEL分析
MCAo8週目、クレシルバイオレット染色を使用し、MCAoモデルにおいて、梗塞体積を測定した(各グループに対して、n=7)。独立したin vivo実験グループにおいて、MCAo後72時間目(IV-hUMSC投与48時間後)、IV-hUMSCと生理食塩水との投与グループ(各グループに対して、n=5)の梗塞サイズを、塩化2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムを使用して比較した。細部的な組織の準備方法は、以前と同一方式によって遂行された。その後、梗塞サイズを、損傷されていない対側性半球に対する百分率で評価し、下記数式1を介して算出した。
(数1)
推定された梗塞サイズ(%)=[1-(残存する同側性半球の部分/損傷されていない対側性半球の部分)]×100
目的部分(areas of interest)は、ImageJ ソフトウェア(ImageJ、National Institutes of Health)によって測定され、前記測定された値は、脳当たり6個の連続的な冠状片について合算した結果を示す。
細胞死滅に係わるTUNEL分析は、以前と同一方式によって行われた。対象組織は、核マーカー、4’,6-ジアミジン-29-フェニルインドールジヒドロクロリド(DAP6I)で対照染色された。蛍光標識された試料は、共焦点レーザスキャニング顕微鏡(LSM510;Carl Zeiss Microimaging Inc.、Munchen、ドイツ)上で観察された。
(4)実験結果
IV-hUMSCsの用量及び投与時点による機能的変化を評価した結果、ロータロッドテスト及びmNSSテストにおいて、図2のAに示されているように、MCAo誘発後24時間目、1×10投与用量のhUMSCsを投与したラット(G4グループ)は、対照群であるG1グループ(生理食塩水投与グループ)に比べ、有意的な神経機能の改善効果を示した。また、梗塞サイズの評価においても、図2のBに示されているように、G1グループに比べ、G4グループにおいて、有意的に低下しているということを確認することができた(G4対G1:33.6±3.3%対49.4±1.5%、p=0.004)。ただし、G4グループと同一用量のhUMSCを処理したにもかかわらず、脳卒中の後期段階(G5グループ)においては、機能的テストなどにおいて、いかなる有意的効果も観察されなかった。
また、IV-hUMSCs投与による治療効果を確認した結果、図3のA及びBに示されているように、MCAo誘発後24時間目、1×10投与用量のIV-hUMSCsを投与したラット(IV-hUMSCグループ)は、前述の行動学的検査において、4週にわたって有意的な改善効果を示し、MCAo誘発後72時間目、梗塞サイズが、対照群に比べ、格段に低減されていることを確認することができた。
最後に、神経細胞死滅に対するIV-hUMSCsの効果を調査するために、TUNEL(terminal deoxynucleotidyl transferase dUTP nick-end labeling)アッセイを実施した結果、図4に示されているように、生理食塩水処理グループにおいては、梗塞周囲部分に、多くのTUNEL陽性細胞が存在し、広範囲の神経細胞死滅を観察することができた一方、IV-hUMSC投与グループにおいて、MCAo誘導後72時間目、梗塞周囲部分に存在するTUNEL陽性細胞の数は、生理食塩水処理グループより有意的に少なく観察された(IV-hUMSCs対saline:22.1±1.9%対39.5±3.8%、p=0.006)。
従って、一連の実験結果は、急性段階の脳梗塞組織に対する約1×10個のhUMSCs静脈投与は、損傷部位、すなわち、梗塞サイズの低減だけではなく、有意的な神経機能の改善をもたらすということを示すものである。
一方、以下の実験例においては、MCAo誘発後24時間目、1×10個のhUMSCsを静脈投与したラット(IV-hUMSCs)と、対照群として、生理食塩水のみを処理したラット(salineグループ)とを対象にする生化学的及び/または組織学的な分析を実施した。
実験例2.脳梗塞の急性段階におけるhUMSCsによる炎症緩和効果確認
本実験例においては、免疫組織化学検査、及びリアルタイムPCRなどを実施し、hUMSCsの静脈投与(IV-hUMSCs)による炎症緩和効果を確認しようとした。
(1)免疫組織化学検査及びMPO分析
MCAo誘発後72時間目、免疫組織化学検査を実施し、脳梗塞組織の病理学的変化を観察した(各グループに対してn=5)。大食細胞(macrophages)/小膠細胞(microglia)(Iba-1、iNOS及びCD206)、好中球(ELANE)のような免疫組織化をマーカーを使用し、IV-hUMSC投与後、梗塞された脳組織内関連因子の変化を評価した。また、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)分析キット(Hycult Biotech、Uden、オランダ)を使用し、ラット脳組織の上澄み液において、MPOを測定した。ELISA手続きは、製造社の指針に従って遂行され、それぞれ異なる日に独立した実験が2回実施された。
(2)リアルタイム重合酵素連鎖反応(real-time polymerase chain reaction)
MCAo誘発後72時間目、MCAo処理された同側性半球(ipsilateral hemisphere)を対象に、リアルタイムPCRを実施し、IL1B(interleukin-1β coding gene)、TNF(TNF-α coding gene)、MMP9(matrix metalloproteinase 9 coding gene)を含む脳卒中病態生理と係わる炎症性サトカインの変化を調査した。本実験において、対照群として、生理食塩水が処理されたMCAoラット脳組織だけではなく、正常ラット脳組織由来のRNAを対象にしても実験を実施し、IV-hUMSCsの投与による脳梗塞組織内の炎症性遺伝子発現の変化を調査した。総RNAsは、SuperScript(登録商標) II First-Strand Synthesis System(Invitrogen、MA)を使用し、相補的なDNA鎖に逆転写された。mRNAの発現は、CFXTM real-time system(Bio-Rad Laboratories、CA)及びQuantitect(登録商標) SYBR Green PCR kit(Qiagen、Hilden、ドイツ)を使用して定量化された。リアルタイムPCRは、各遺伝子に対して2回実施され、それらの平均値が統計分析に使用された。選択された遺伝子のmRNAレベルは、GAPDHを正規化された。倍数差は、比較臨界(CT)周期方法によって算術された2-ddCT値で示した。
(3)実験結果
免疫組織化学検査結果、図5のAに示されているように、MCAo誘発後72時間目、対照群(生理食塩水投与グループ)において、ED-1(ヒトCD68のラット同族体)陽性細胞、及びイオン化されたカルシウム結合タンパク質アダプダ分子1(Iba-1)陽性細胞が、梗塞周囲部分で多量発見されたが、そのようなED-1陽性細胞(IV-hUMSCs対saline:20.2±2.1%対39.3±2.9%、p=0.006)及びIba-1陽性細胞(IVhUMSCs対saline:25.6±2.1%対34.9±2.9%、p=0.017)の数は、IV-hUMSCs投与グループにおいて、有意的に減少した。また、図5のBに示されているように、ED-1陽性細胞において、誘導性酸化窒素合成酵素陽性細胞(iNOS)の比率は、IV-hUMSC投与グループが対照群に比べて低かった一方(IV-hUMSCs対saline:43.7±4.3%対60.3±5.1%、p=0.003)、ED-1陽性細胞において、CD206陽性細胞の比率は、IV-hUMSC投与グループが対照群に比べて高かった(IVhUMSCs対saline:66.5±3.3%対34.1±4.3%、p<0.001)。併せて、IV-hUMSC投与後、梗塞部分に浸潤された好中球の変化を、好中球エラスターゼ(ELANE)免疫染色を介して評価した結果、図5のCに示されているように、IV-hUMSC投与グループで観察されたELANE陽性細胞の数が、対照群に対して、有意的に少なく観察された(IVhUMSCs対saline:4.9±0.9%対16.7±1.9%、p=0.001)。
次に、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)に対するELISAを実施した結果、図6に示されているように、MCAo誘発後72時間目MPOのレベルは、IV-hUMSC投与グループが、対照群に比べてさらに低く観察された(IV-hUMSCs対saline:74.1±4.8pg/ml対225.1±4.7pg/ml、p<0.001)。
最後に、炎症関連遺伝子に対するリアルタイム重合酵素連鎖反応(PCR)分析においては、図7に示されているように、脳梗塞組織において、IL1B、TNF及びMMP9のいずれの発現も上向き調節されたが、そのような傾向は、IV-hUMSC投与グループにおいて、いずれも格段に低減された。
従って、一連の実験結果は、急性段階の脳梗塞組織に対するhUMSCs静脈投与は、当該部位の炎症を緩和させるのに寄与するということを示すものである。
実験例3.急性段階の脳梗塞組織で内人性IL-1raの発現変化
本実験例においては、マイクロアレイ分析やリアルタイムPCRなどを実施し、hUMSCsの静脈投与(IV-hUMSCs)による治療効果と密接な関連がある因子を導出しようとした。
(1)マイクロアレイ分析
MCAo誘発後72時間目、MCAo処理された同側性半球を、mRNAマイクロアレイ分析に使用した。RNAは、MCAo非誘発のラット(対照グループ、n=5)内、MCAo誘発後24時間目、1×10 IV-hUMSCsが投与されたラット(n=6)内、及びMCAo誘発後24時間目、生理食塩水が投与されたMCAoラット内の同側性半球に対して、TRIzol(登録商標) 試薬(Thermo Fisher Scientific、MA)及びRNeasyカラム(Qiagen、Hilden)で均質化し、できる限り迅速に分離された。シャム(sham)対照群に追加し、本発明者らは、追加対照群として、MCAo非誘発の正常ラット脳を使用し、脳梗塞組織において、IV-hUMSCs処理後、炎症性遺伝子発現の変化を調査した。RNA品質を保証するために、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies、CA)を使用し、260nm/280nmの光学密度が1.08以上を示す試料だけがマイクロアレイ分析に使用された。RNA標識及び精製を行い、前記サンプルは、製造社の指針に従って、AgilentラットmRNAマイクロアレイチップ(SurePrint G3 Rat Gene Expression 8X60k、Agilent Inc.、CA)に混成化させた。前記アレイは、Agilent Technologies G2600DSG12494263(Agilent Inc.、CA)を使用してスキャンされた。アレイデータの送出過程及び分析過程は、Agilent Feature Extraction software(v100.0.1.1)を使用して遂行された。前記データは、ログの変化及び量子化の正規化を介してフィルタリングされた。前記アレイデータは、それぞれのグループ間の双対比較のために、false discovery rate correction(Benjamini-Hochberg test)を介したStudent’s t-testを使用して統計学的に分析された。差別的に発現された転写体は、複合比較仮説を考慮し、2倍以上の差(FD)と、補正されたp値(p)<0.01の有意の差とを有する遺伝子と記述された。差別的に発現された転写体に係わる全てのデータ分析及び視覚化は、R 3.0.1(www.r-project.org)を使用して行われた。マイクロアレイデータは、GEOリポジトリに登録された(accession no.GSE78731)。
(2)免疫組織化学検査など
IL-1ra上向き調節に寄与する細胞亜集団を確認するために、脳梗塞組織を対象に、IL-1ra及びED-1(小膠細胞マーカー)、NeuN(ニューロン性マーカー)またはReca-1(内皮細胞マーカー)に対する抗体を使用し、そのうち免疫化学検査を実施した。また、MCAo誘発後72時間目、MCAo処理された同側性半球を対象にリアルタイムPCRを実施し、IL-1媒介炎症調節因子、すなわち、IL1RN及びIL-1raの発現を確認した。一方、具体的な実験は、前記実験例2の(1)及び(2)と同一方式で実施された。
(3)実験結果
MCAo誘発後72時間目、IV-hUMSC投与グループ及び生理食塩水投与グループに由来した脳組織を対象に、mRNAマイクロアレイを実施した。その結果、図8に示されているように、MCAo誘発後72時間目、対照グループと生理食塩水投与グループとの遺伝子発現比較を介して、総595個の転写体(そのうち、553個の転写体は、上向き調節され、42個の転写体は、下向き調節される)がIV-hUMSC投与グループにおいて、差別的に発現された。また、IV-hUMSC投与グループと生理食塩水投与グループとの遺伝子発現プロファイルを比較したとき、総85個の転写体(そのうち、77個の転写体は、上向き調節され、8個の転写体は、下向き調節される)が差別的に発現された。特に、そのうちでも、インターロイキン-1受容体拮抗剤(IL-1ra)をコーディングする遺伝子であるIL1RNは、生理食塩水投与グループに比べ、IV-hUMSC投与グループにおいて、非常に力強く上向き調節された遺伝子のうち一つであった。
一方、IL-1raは、IL-1の天然拮抗剤として、脳梗塞組織において、IL-1媒介炎症を調節すると知られている。従って、前記の実験結果に基づいて、IV-hUMSCの投与による脳梗塞治療効果は、IL-1raによって媒介されるとの前提下で、IV-hUMSC投与後、脳梗塞組織において、IL1RN mRNA及びIL-1raタンパク質の発現変化を確認した。その結果、図9に示されているように、MCAo誘発後IV-hUMSCの投与は、IL1RN mRNAを上向き調節し、それにより、IL-1raタンパク質のレベルが有意的に増加されるということを確認することができた(IV-hUMSCs対saline:237.5±49.0pg/ml対119.6±15.6pg/ml、p=0.01)。
前述の実験結果から、IL-1raは、hUMSCsの静脈投与(IV-hUMSCs)による治療効果と密接な関連性があるということが分かった。
また、IL-1ra上向き調節に寄与する細胞亜集団を確認するために、免疫組織化学検査を実施した結果、図10に示されているように、IV-hUMSC投与グループのED-1陽性細胞内IL-1ra陽性細胞の比率が、生理食塩水投与グループに比べ、有意的に高いということを確認することができた(IV-hUMSCs対saline:34.8±2.5%対22.1±3.4%、p=0.01)。特に、MCAo誘発後の72時間目及び4週目、脳梗塞組織にIV投与されたhUMSCsがほとんど検出されていないということを、ヒト特異的核抗体を使用した免疫染色によって観察することができ(投与された細胞のうち1%未満)、ELISA実験においても、IL-1raは、hUMSCsの条件化された培地(hUMSCs-CM)で検出されなかった(<3.2pg/ml)。
そのような一連の実験結果は、前記hUMSCsの静脈投与(IV-hUMSCs)によるIL-1raの上向き調節は、移植された細胞に由来するものではなく、小膠細胞及び大食細胞のような脳梗塞組織内炎症細胞から起因したものであるということを提示する。
実験例4.大食細胞でのhUMSCsによるCREB活性及びIL-1ra放出変化
(1)Raw 264.7細胞に対するhUMSCsの条件化された培地の処理
マウス大食細胞細胞株(Raw 264.7細胞、ATCC、VA)は、製造社の指針に従って培養された。前記Raw 264.7細胞は、LPS(100ng/ml、Sigma-Aldrich、MO)またはhUMSCs-CMと共に、LPSで24時間処理され、各処理グループから上澄み液を分離した。
(2)ウェスタンブロット分析
Raw 264.7細胞を均質化させた後、タンパク質溶解緩衝液(PRO-PREPTM Intron Biotechnology、Seongnam、韓国)を使用してタンパク質を分離し、製造社の指針に従って、免疫ブロット分析を実施した。全体タンパク質を、SDS-PAGEゲル上で分離し、一次抗体を使用し、免疫ブロッティングを実施した。使用された一次抗体は、次の通りである:(1)anti-CREB及びanti-p-CREB(1:1,000、Cell Signaling Technology、MA)、(2)anti-NF-κBp65及びanti-p-NF-κBp65(1:1,000、Santa Cruz Biotechnology、TX)及び(3)anti-IL-1ra(1:500、Santa Cruz Biotechnology、TX)。GAPDH(1:5,000、Santa Cruz Biotechnology、TX)が内部対照群として使用され、バンドの定量化は、NIH ImageJプログラムを使用して行われた。それぞれ異なる日に独立した実験が3回実施された。
(3)p-CREBの阻害
Raw 264.7細胞(2×105)をプレート上にシーディングした後、それを24時間インキュベーティングさせた。前記細胞を、KG501(2,5及び10μM、Sigma-Aldrich、MO)を含む無血清培地に45分間前処理した。その後、培養皿から上澄み液を除去し、LPS(200ng/ml)存在下で、hUMSCs-CMを前記細胞に処理した。前記上澄み液は、IL-1ra ELISA分析のために使用された。それぞれ異なる日に独立した実験が3回実施された。
(4)CREBのノックダウン
Raw 264.7細胞(2X10)を6ウェルプレートにプレーティングした後、製造社の指針に従い、Lipofectamine 3000 reagent(Invitrogen、MA)を使用し、100nMのCREB siRNA(siCREB)及び対照群(siCtr)で48時間形質感染させた。前記siCREB(センス:5’-CCACAAAUCAGAUUAAUUUUU-3”、アンチセンス:5’-AAAUUAAUCUGAUUUGUGGUU-3”)及びsiCtr(センス:5-ACGUGACACGUUCGGAGAA-3’、アンチセンス:5’-UUCUCCGAACGUGUCACGU-3”)は、Genolution Pharmaceuticals, Inc.から入手した。形質感染後、前記RNA及びタンパク質を分離し、それぞれPCR及びウェスタンブロットのために使用された。
(5)酵素結合免疫吸着法(ELISA)
商業的に利用可能なELISAキット(IL-1βQuantikine ELISA及びIL-1raQuantikine ELISA kits、R&D Systems、MN)を使用し、Raw 264.7細胞の上澄み液でIL-1β及びIL-1raレベルを測定した。
(6)実験結果
中枢神経系の小膠細胞と共に、循環する大食細胞も、脳の実質に侵透し、前炎症性サトカインを放出することにより、脳梗塞後に引き起こされる炎症反応に重要な役割を行う。また、MSCは、循環する大食細胞を抗炎症性表現型に分極化させ、損傷された組織の治療に寄与する多くの炎症細胞を集めると知られている。従って、マウス大食細胞株(Raw 264.7細胞)のIL-1ra発現に対するhUMSCs-CMの影響を調査した。まず、リポポリサッカライド(LPS)の処理は、Raw 264.7細胞において、Il-1β及びIL-1raのいずれの発現も力強く増大させ、それにより、IL-1raの発現は、IL-1β活性化、補償的メカニズムのような炎症性環境下において、炎症反応に関与するNF-κB信号により、上向き調節されると予想された。しかし、図11に示されているように、Raw 264.7細胞に、LPS及びhUMSCs-CMと共同処理したとき、IL-1βのレベルは、低下し一方、IL-1raレベルは、かえって上昇し、全く異なる傾向を示したが、そのような結果から、hUMSCs-CMの処理によるIL-1raの上向き調節は、NF-κB以外の他のメカニズムが関与するということが分かった。
それにより、大食細胞内hUMSCs媒介IL-1ra発現に、cAMP反応要素結合性タンパク質(CREB)の影響を追加して確認した。ウェスタンブロット分析結果、図12に示されているように、Raw 264.7細胞に、hUMSCs-CM及びLPSを共同処理したとき、リン酸化されたCREB(p-CREB)タンパク質の発現が有意的に増大された一方、リン酸化されたNF-κB(p-NF-κB)は、低減した。また、図13に示されているように、p-CREB及びp-NF-κBに対する免疫組織化学検査結果、Raw 264.7細胞において、LPSとhUMSCs-CMとの共同処理は、LPS単独処理に比べ、p-CREBの発現を力強く増大させるということを示している。
一方、図14及び図15に示されているように、hUMSCs-CMを、CREB阻害剤(KG501)と共に処理した場合、hUMSCs-CM処理によるIL-1ra発現増大が、CREB阻害剤の用量依存的に阻害され、CREBsiRNA(siCREB)での形質感染は、Raw 264.7細胞において、IL-1raタンパク質の発現を低減させた。また、図16に示されているように、LPSに刺激されたRaw 264.7細胞において、CREBのノックダウンは、hUMSCs-CMの処理によって誘導されたIL1RNの増大された発現を低減させた。
そのような一連の実験結果は、大食細胞を含む炎症細胞内IL-1raの発現増大は、脳卒中治療に寄与し、前述の発現はCREBによって媒介されるということを示すものである。
本開示は以下の配列情報を包含する。
<110> CHA University Industry-Academic Cooperation Foundation
CHA BIOTECH CO., LTD.

<120> COMPOSITION FOR TREATING STROKE AND METHOD FOR SCREENING THE
SAME

<130> PA24-135

<140>
<141> 2019-04-15

<150> KR10-2018-0095737
<151> 2018-08-16

<160> 4

<170> KoPatentIn 3.0

<210> 1
<211> 21
<212> RNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> siCREB_sense


<400> 1
ccacaaauca gauuaauuuu u 21


<210> 2
<211> 21
<212> RNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> siCREB_antisense


<400> 2
aaauuaaucu gauuuguggu u 21


<210> 3
<211> 19
<212> RNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> siCtr_sense


<400> 3
acgugacacg uucggagaa 19


<210> 4
<211> 19
<212> RNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> siCtr_antisense


<400> 4
uucuccgaac gugucacgu 19
そのような一連の実験結果は、大食細胞を含む炎症細胞内IL-1raの発現増大は、脳卒中治療に寄与し、前述の発現はCREBによって媒介されるということを示すものである。
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] IL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤を有効成分として含む脳卒中治療用薬学的組成物。
[2] 前記IL-1受容体拮抗剤は、臍帯由来間葉基質細胞(臍帯由来間葉間質細胞)、IL-1RA(Interleukin-1 receptor antagonist)タンパク質、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[3] 前記IL-1受容体拮抗剤は、IL-1に対する抗体、アンチセンスヌクレオチド、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[4] 前記組成物は、病変組織内炎症細胞に作用することを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[5] 前記炎症細胞は、小膠細胞または大食細胞であることを特徴とする実施形態4に記載の薬学的組成物。
[6] 前記組成物は、脳梗塞後24時間以内に投与されることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[7] 脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、IL-1RA(Interleukin-1 receptor antagonist)の発現レベルを測定する段階と、
前記測定されたIL-1RAの発現レベルを、前記候補物質と接触していない対照群個体の試料内IL-1RAの発現レベルと比較する段階と、を含む脳卒中治療剤をスクリーニングする方法。
[8] 前記測定されたIL-1RAの発現レベルが、接触していない対照群に比べて上昇した場合、前記候補物質を、脳卒中治療剤と決定する段階をさらに含むことを特徴とする実施形態7に記載の方法。
[9] 前記方法は、脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、CREB(cAMP-response element-binding)タンパク質の活性レベルを測定し、
前記測定されたCREBタンパク質の活性レベルを、接触していない対照群個体の試料内CREBタンパク質の活性レベルと比較する段階をさらに含むことを特徴とする実施形態7に記載の方法。
[10] 測定されたCREBタンパク質の活性レベルが、接触していない対照群に比べて上昇した場合、前記候補物質を脳卒中治療剤と決定する段階をさらに含むことを特徴とする実施形態9に記載の方法。
[11]前記試料は、脳組織、または前記組織から分離された炎症細胞であることを特徴とする実施形態7に記載の方法。
[12] 前記炎症細胞は、小膠細胞、大食細胞、及びそれらの組み合わせであることを特徴とする実施形態11に記載の方法。
[13] 臍帯由来間葉基質細胞を含むIL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤。
[14] 前記IL-1受容体拮抗剤は、脳卒中治療のためであることを特徴とする実施形態11に記載の拮抗剤。
[15] 臍帯由来間葉基質細胞を含むCREB(cAMP-response element-binding)タンパク質活性増加剤。

Claims (15)

  1. IL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤を有効成分として含む脳卒中治療用薬学的組成物。
  2. 前記IL-1受容体拮抗剤は、臍帯由来間葉基質細胞、IL-1RA(Interleukin-1 receptor antagonist)タンパク質、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記IL-1受容体拮抗剤は、IL-1に対する抗体、アンチセンスヌクレオチド、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記組成物は、病変組織内炎症細胞に作用することを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 前記炎症細胞は、小膠細胞または大食細胞であることを特徴とする請求項4に記載の薬学的組成物。
  6. 前記組成物は、脳梗塞後24時間以内に投与されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  7. 脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、IL-1RA(Interleukin-1 receptor antagonist)の発現レベルを測定する段階と、
    前記測定されたIL-1RAの発現レベルを、前記候補物質と接触していない対照群個体の試料内IL-1RAの発現レベルと比較する段階と、を含む脳卒中治療剤をスクリーニングする方法。
  8. 前記測定されたIL-1RAの発現レベルが、接触していない対照群に比べて上昇した場合、前記候補物質を、脳卒中治療剤と決定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記方法は、脳卒中治療のための候補物質と接触された個体の試料から、CREB(cAMP-response element-binding)タンパク質の活性レベルを測定し、
    前記測定されたCREBタンパク質の活性レベルを、接触していない対照群個体の試料内CREBタンパク質の活性レベルと比較する段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 測定されたCREBタンパク質の活性レベルが、接触していない対照群に比べて上昇した場合、前記候補物質を脳卒中治療剤で決める段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記試料は、脳組織、または前記組織から分離された炎症細胞であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  12. 前記炎症細胞は、小膠細胞、大食細胞、及びそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 臍帯由来間葉基質細胞を含むIL-1(Interleukin-1)受容体拮抗剤。
  14. 前記IL-1受容体拮抗剤は、脳卒中治療のためであることを特徴とする請求項11に記載の拮抗剤。
  15. 臍帯由来間葉基質細胞を含むCREB(cAMP-response element-binding)タンパク質活性増加剤。
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