JP2024073237A - 印刷物、印刷物の製造方法、プログラム、及び印刷装置 - Google Patents

印刷物、印刷物の製造方法、プログラム、及び印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷物によって、多様な意匠を適切に表現する。【解決手段】複数のインクの層が重なる印刷物52であって、画像層202及び透過率制御層204を備え、透過率制御層204は、低透過領域302及び高透過領域306を有することで、観察面側から画像層202を観察する観察者に対し、背面光が照射されることで高透過領域306の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、背面光が照射されない場合には高透過領域306の形状に対応する模様が目立たなくなるように、印刷物52に対して光を透過させる。【選択図】図2

Description

本発明は、印刷物、印刷物の製造方法、プログラム、及び印刷装置に関する。
従来、様々な構成の印刷物を印刷する方法が知られている。例えば、特許文献1には、第1の図柄印刷層と第2の図柄印刷層との間に第1の遮蔽用印刷層及び第2の遮蔽用印刷層を形成する構成が開示されている。
特開2019-45835号公報
印刷物においては、様々な意匠を表現することが望まれる場合がある。また、この場合において、従来の印刷物では表現が難しい意匠を表現するために、新たな構成の印刷物を用いることが望まれる場合がある。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷物、印刷物の製造方法、プログラム、及び印刷装置を提供することを目的とする。
本願の発明者は、印刷物によって多様な意匠を表現する方法について、鋭意研究を行った。そして、位置によって透過率を異ならせたインクの層を形成することで、透かし模様状の表現を実現し得ることを見出した。また、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。
上記の課題を解決するために、本発明は、複数のインクの層が重なる印刷物であって、所定の観察面側から観察される画像がインクで描かれる前記インクの層である画像層と、前記画像層に対して前記観察面側と反対の側に形成される前記インクの層であり、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される低透過領域と、前記低透過領域よりも光の透過率が高くなるように形成される高透過領域とを有する透過率調整層とを備え、前記透過率調整層は、光の透過率が互いに異なる前記低透過領域及び前記高透過領域を有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、前記観察面側と反対の側から前記印刷物に照射される光である背面光が照射されることで前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、かつ、前記背面光が照射されない場合には前記高透過領域の形状に対応する模様が目立たなくなるように、前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする。
このように構成した場合、例えば、透過率調整層における高透過領域の形状に対応する模様の見え方について、背面光を照射するか否かに応じて変化させることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、印刷物において、透かし模様状の表現を適切に実現することができる。また、これにより、例えば、印刷物により、多様な意匠を適切に表現することができる。また、この場合、例えば、印刷物におけるインクの層を過度に多くすることなく、印刷物における意匠の表現を適切に行うこともできる。
この構成において、媒体としては、例えば透明なフィルム等の透光性の媒体を好適に用いることができる。また、画像層は、例えば、カラーインクで画像を描く層である。画像層については、例えば、所定の観察面側から観察される画像である観察画像がインクで描かれる層等と考えることもできる。また、背面光が照射されることについては、例えば、実質的に背面光が照射されること等と考えることができる。背面光が照射されないことについては、例えば、実質的に背面光が照射されないこと等と考えることができる。また、背面光が照射されない場合において、高透過領域の形状に対応する模様が目立たなくなることについては、例えば、印刷物で表現しようとする意匠の精度等に応じて、実質的に模様が目立たなくなること等と考えることができる。
また、この構成において、透過率調整層は、例えば、光反射性のインクを用いて形成される。光反射性のインクとしては、例えば、白色のインクを用いることが考えられる。また、この場合、透過率調整層において、単位面積あたりの光反射性のインクの量について、高透過領域における光反射性のインクの量を低透過領域における光反射性のインクの量よりも少なくすることで、低透過領域の透過率と高透過領域の透過率とを異ならせることが考えられる。このように構成すれば、例えば、透過率調整層を適切に形成することができる。また、この場合、光反射性のインクを用いて透過率調整層を形成することで、透過率調整層について、例えば、画像層の背景として機能させること等も考えられる。この場合、透過率調整層について、例えば、光反射層を兼ねると考えることができる。
また、光反射性のインクを用いて上記のように透過率調整層を形成する場合、例えば光反射性のインクのみで透過率調整層を形成すると、位置によって単位面積あたりの光反射性のインクの量に差が生じることで、透過率調整層に意図しない凹凸が生じる場合がある。また、この場合、透過率調整層の上に重ねて画像層を形成すると、この凹凸の影響が画像層に生じ、例えば背面光を照射しない場合でも、凹凸による陰影によって高透過領域の形状に対応する模様が目立つおそれもある。これに対し、透過率調整層については、例えば、無色で透光性のインクであるクリアインクを更に用いて形成することも考えられる。この場合、例えば、単位面積あたりのクリアインクの量について、高透過領域におけるクリアインクの量が低透過領域におけるクリアインクの量よりも多くなるように、透過率調整層を形成することが考えられる。このように構成すれば、例えば、透過率調整層や画像層における凹凸を生じ難くすることができる。また、これにより、例えば、凹凸による陰影によって高透過領域の形状に対応する模様が目立つことを適切に防止することができる。また、この場合、高透過領域及び低透過領域におけるクリアインクの量について、光反射性のインクの量の違いを補填するように設定することが好ましい。このように構成すれば、例えば、透過率調整層や画像層に意図しない凹凸が生じることをより適切に防止することができる。また、このような透過率調整層としては、例えば、厚さが一定の層を形成することが好ましい。このように構成すれば、例えば、透過率調整層に意図しない凹凸が生じることをより適切に防止することができる。層の厚さが一定であることについては、例えば、印刷物で表現しようとする意匠の精度等に応じて、実質的に厚さが一定であること等と考えることができる。また、層の厚さが一定であることについて、例えば、設計上の厚さが一定であること等と考えることもできる。
また、印刷物で表現しようとする意匠によっては、例えば、透過率調整層や画像層に対して上記のような凹凸を意図的に形成すること等も考えられる。また、媒体上に先に画像層を形成し、その上に透過率調整層を形成する場合には、透過率調整層に凹凸が生じたとしても、大きな問題にならない場合がある。そのため、これらの場合等には、例えば、クリアインクを用いずに、透過率調整層を形成すること等も考えられる。
また、印刷物によってより多様な印象を表現しようとする場合、例えば、透過率調整層の位置による透過率の違いをより多くの段階で異ならせること等も考えられる。この場合、透過率調整層は、例えば、低透過領域よりも光の透過率が高く、高透過領域よりも光の透過率が低い領域である中透過領域を更に有する。中透過領域は、例えば、単位面積あたりの光反射性のインクの量について、高透過領域における光反射性のインクの量よりも多く、低透過領域における光反射性のインクの量よりも少なくして形成される。この場合、透過率調整層は、中透過領域を更に有することで、観察面側から画像層を観察する観察者に対し、例えば、相対的に強い背面光が照射された場合には、高透過領域の形状に対応する模様に加えて、中透過領域の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、相対的に弱い背面光が照射された場合には、中透過領域の形状に対応する模様を目立たせずに、高透過領域の形状に対応する模様が観察面側から視認されるように、印刷物に対して光を透過させる。このように構成すれば、例えば、印刷物において、より多様な意匠を適切に表現することができる。
また、上記のような構成の印刷物では、例えば画像層の色によって、模様の透け方に差が生じる場合もある。この場合、特に、中間の透過率に設定する中透過領域の形状に対応する模様の透け方について、画像層の色の影響が生じやすくなることが考えられる。そのため、中透過率領域の透過率について、例えば、画像層の色に応じて調整すること等も考えられる。また、この場合、例えば、中透過領域における単位面積あたりの光反射性のインクの量について、画像層における対応位置に着色される色に応じて異ならせる。このように構成すれば、例えば、中透過領域の形状に対応する模様の透け方を適切に調整することができる。また、この場合、例えば、低透過領域及び高透過領域における単位面積あたりの光反射性のインクの量については、画像層における対応位置に着色される色によらず、領域毎に予め設定された量とすることが考えられる。また、印刷物の構成や、使用するインクの特性等によっては、高透過率領域の透過率について、画像層の色に応じて調整すること等も考えられる。この場合、高透過領域における単位面積あたりの光反射性のインクの量について、例えば、画像層における対応位置に着色される色に応じて異ならせる。このように構成すれば、例えば、高透過領域の形状に対応する模様の透け方を適切に調整することができる。また、この場合、低透過領域における単位面積あたりの光反射性のインクの量については、例えば、画像層における対応位置に着色される色によらず、所定の量とすることが考えられる。
また、印刷物においては、例えば、複数の画像層を用いた意匠を表現すること等も考えられる。この場合、印刷物は、例えば、透過率調整層の一方側で透過率調整層と重なる第1の画像層と、透過率調整層の他方側で透過率調整層と重なる第2の画像層とを備える。このような印刷物の場合、例えば、第1の画像層に対する観察面側と、第2の画像層に対する観察面側とを個別に考えることができる。また、透過率調整層について、例えば、第1の画像層に対して第1の画像層に対応する観察面側と反対の側に形成され、かつ、第2の画像層に対して第2の画像層に対応する観察面側と反対の側に形成されると考えることができる。このように構成した場合、例えば、印刷物の一方側及び他方側のいずれの側から印刷物を観察するかという観察方向の違いと、印刷物の一方側及び他方側いずれの方が明るいかという環境の影響により、観察者から見える画像を様々に変化させることができる。また、これにより、例えば、より多様な意匠を適切に表現することができる。
また、この構成において、印刷物は、例えば、透過率調整層とは別に、光反射性のインクで形成される光反射層を更に備えてもよい。この場合、透過率調整層は、例えば、光反射層を挟んで画像層と重なる。このように構成した場合も、例えば、過度に複雑にならない構成の印刷物によって、多様な意匠を適切に表現することができる。また、この場合、透過率調整層として、例えば、光吸収性のインクを用いて形成される層を用いることが考えられる。光吸収性のインクとしては、例えば、無彩色で光吸収性のインクを用いることが考えられる。このような光吸収性のインクとしては、例えば、黒色のインク等を用いることが考えられる。また、この場合、単位面積あたりの光吸収性のインクの量について、例えば、高透過領域における光吸収性のインクの量を低透過領域における光吸収性のインクの量よりも少なくすることで、低透過領域の透過率と高透過領域の透過率とを異ならせる。このように構成した場合も、例えば、透過率調整層を適切に形成することができる。
また、光吸収性のインクを用いて透過率調整層を形成する場合も、透過率調整層は、中透過領域を更に有してよい。この場合、中透過領域は、例えば、単位面積あたりの光吸収性のインクの量について、高透過領域における光吸収性のインクの量よりも多く、低透過領域における光吸収性のインクの量よりも少なくして形成される。また、透過率調整層は、中透過領域を更に有することで、観察面側から画像層を観察する観察者に対し、例えば、相対的に強い背面光が照射された場合には、高透過領域の形状に対応する模様に加えて、中透過領域の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、相対的に弱い背面光が照射された場合には、中透過領域の形状に対応する模様を目立たせずに、高透過領域の形状に対応する模様が観察面側から視認されるように、印刷物に対して光を透過させる。このように構成した場合も、例えば、印刷物において、より多様な意匠を適切に表現することができる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷物の製造方法、プログラム、及び印刷装置等を用いることも考えられる。この場合、印刷物の製造方法については、例えば、上記の構成の印刷物を製造する方法等と考えることができる。プログラムについては、例えば、印刷装置による印刷の動作を制御するための印刷データを生成するための処理をコンピュータに行わせるプログラム等と考えることができる。このような処理としては、例えば、画像層データ生成処理及び透過率調整層データ生成処理等をコンピュータに行わせることが考えられる。画像層データ生成処理については、例えば、画像層を示すデータを生成する処理等と考えることができる。透過率調整層データ生成処理については、例えば、透過率調整層を示すデータを生成する処理等と考えることができる。また、この場合、画像層データ生成処理では、例えば、観察画像を示す画像データに基づき、画像層を示すデータを生成する。透過率調整層データ生成処理では、例えば、所定の条件に応じて印刷物において透けて見える画像である透過画像を示す画像データに基づき、透過率調整層を示すデータを生成する。また、印刷装置については、例えば、上記の構成の印刷物を印刷する装置等と考えることができる。この場合、印刷装置は、例えば、印刷ヘッド及び制御部等を備える。
本発明によれば、例えば、印刷物によって、多様な意匠を適切に表現することができる。
本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の一例を示す図である。図1(a)は、印刷システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷システム10における印刷装置12の構成の一例を示す。図1(c)は、印刷装置12におけるヘッド部102の構成の一例を示す。 、印刷物52の一例について説明をする図である。図2(a)は、印刷物52の構成の一例を示す。図2(b)は、印刷物52における透過率制御層204の構成の一例を示す。図2(c)は、透過率制御層204に対する光の透過の仕方の一例を示す。 印刷物52において表現する意匠の一例を示す図である。図3(a)は、印刷物52における画像層202及び透過率制御層204の構成の一例を示す。図3(b)は、印刷物52によって表現する意匠の一例を示す。 透過率制御層204の構成の様々な変形例について説明をする図である。図4(a)~(c)は、透過率制御層204の構成の変形例を示す。 透過率制御層204の構成の更なる変形例について説明をする図である。図5(a)は、透過率制御層204の構成の更なる変形例を示す。図5(b)は、ライト弱~中の強度でバックライトをオンにした場合に観察者から見える意匠の例を示す。図5(c)は、透過率制御層204の構成の更なる変形例を示す。 印刷物52の構成の変形例について説明をする図である。図6(a)、(b)は、印刷物52の構成の変形例を示す。図6(c)は、図6(b)に示す構成の印刷物52の用い方の一例を示す。 印刷物52及び透過率制御層204の構成の更なる変形例について説明をする図である。図7(a)は、印刷物52の構成の変形例を示す。図7(b)は、透過率制御層204の構成の一例を示す。 印刷システム10において印刷物52を作成する動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の一例を示す。図1(a)は、印刷システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷システム10における印刷装置12の構成の一例を示す。図1(c)は、印刷装置12におけるヘッド部102の構成の一例を示す。以下において説明をする点を除き、本例の印刷システム10及び印刷システム10の各構成は、公知の印刷システム及び公知の印刷システムの各構成と同一又は特徴を有してよい。
本例において、印刷システム10は、印刷対象の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行うシステムであり、印刷装置12及び制御PC14を備える。印刷装置12は、媒体50に対してインクを吐出する印刷の動作を実行するインクジェットプリンタであり、制御PC14の制御に応じて、媒体50への印刷の動作を実行する。制御PC14は、印刷装置12の動作を制御するコンピュータであり、印刷すべき画像を示す印刷データを印刷装置12へ供給することにより、印刷装置12の動作を制御する。また、より具体的に、制御PC14は、例えば、RIP(Raster Image Processor)処理を行うことで印刷データを生成し、生成した印刷データを印刷装置12へ供給する。印刷データの生成については、制御PC14以外のコンピュータで行ってもよい。この場合、制御PC14は、例えば、このコンピュータから印刷データを受け取り、その印刷データを印刷装置12へ供給する。
また、上記のように、本例において、印刷システム10は、複数の装置である印刷装置12及び制御PC14を備える。印刷システム10の構成の変形例においては、例えば、1台の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。この場合、例えば、制御PC14の機能を兼ねた印刷装置12を用いること等が考えられる。また、印刷システム10の構成の更なる変形例においては、3台以上の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。この場合、例えば、複数の印刷装置12及び制御PC14により印刷システム10を構成すること等が考えられる。また、例えば、印刷装置12又は制御PC14の一部の機能を有する他の装置を更に用いて、3台以上の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。
また、本例において、印刷装置12は、例えば図1(b)に示すように、ヘッド部102、プラテン104、主走査駆動部106、副走査駆動部108、及び制御部110を有する。ヘッド部102は、媒体50に対してインクを吐出する部分である。本例において、ヘッド部102は、例えば図1(c)に示すように、複数のインクジェットヘッド122及び複数の紫外線光源124を有する。また、複数のインクジェットヘッド122として、イエロー色(Y色)、マゼンタ色(M色)、シアン色(C色)、ブラック色(K色)、及び白色(W色)の各色のインク用及びクリアインク用インクジェットヘッド122を有する。
この場合、クリアインクについては、例えば、クリア色(CL色)のインク等と考えることができる。また、クリアインクについて、例えば、無色で透明なインク等と考えることもできる。クリアインクについて、無色で透明であることについては、例えば、意図的に着色を行っていないこと等と考えることができる。意図的に着色を行っていないことについては、例えば、意図的に色材を添加していないこと等と考えることができる。また、これらのインクのうち、クリアインク及び白色のインク以外の色のインクについては、例えば、有色のカラーインク等と考えることができる。この場合、白色のインク及びクリアインクについては、例えば、カラーインク以外の無色のインク等と考えることができる。また、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、及びブラック色の各色のインクは、プロセスカラーの各色のインクの一例である。プロセスカラーについては、例えば、カラー印刷での基本色等と考えることができる。また、本例において、黒色のインクは、光吸収性のインクの一例である。黒色のインクについては、例えば、無彩色で光吸収性のインク等と考えることもできる。また、白色のインクは、光反射性のインクの一例である。
また、本例において、複数のインクジェットヘッド122は、吐出ヘッドの一例であり、紫外線の照射に応じて硬化する紫外線硬化型インク(UVインク)を吐出する。この場合、例えば、公知の紫外線硬化型インク等を好適に用いることができる。また、本例において、プロセスカラー用のインクジェットヘッド122は、印刷装置12において予め設定された副走査方向(図中のX方向)における位置を揃えて、副走査方向と直交する主走査方向(図中のY方向)へ並べて配設される。副走査方向については、例えば、ヘッド部102に対して媒体50を送る方向(フィード方向)と平行な方向等と考えることができる。主走査方向については、例えば、以下において説明をする主走査動作でのヘッド部102の相対移動の方向(スキャン方向)と平行な方向等と考えることができる。また、本例において、プロセスカラー以外の色用のインクジェットヘッド122である白色のインク用及びクリアインク用のインクジェットヘッド122は、副走査方向における位置がプロセスカラー用のインクジェットヘッド122と重ならない位置で、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。ヘッド部102の構成の変形例においては、複数のインクジェットヘッド122の配置について、上記と異ならせてもよい。
また、ヘッド部102において、複数の紫外線光源124は、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を照射する光源である。紫外線光源124としては、例えばUVLEDを有する構成等を好適に用いることができる。また、本例において、紫外線光源124は、ヘッド部102における複数のインクジェットヘッド122の並びに対して、主走査方向における一方側及び他方側に配設される。また、これにより、紫外線光源124は、例えば、以下において説明をする主走査動作中に媒体50上のインクへ紫外線を照射して、媒体50に対してインクを定着させる。また、本例において、複数の紫外線光源124は、インクの定着手段の一例である。また、印刷装置12の構成の変形例においては、紫外線硬化型インク以外のインクを用いること等も考えられる。この場合、紫外線光源124に代えて、使用するインクに合わせた定着手段を用いることが考えられる。例えば、インク中の溶媒を蒸発させるインク(蒸発乾燥型のインク)を用いる場合、定着手段として、ヒータ等を用いることが考えられる。
プラテン104は、媒体50を上面に載置する台状部材であり、ヘッド部102における複数のインクジェットヘッド122と対向させた状態で媒体50を保持する。主走査駆動部106は、ヘッド部102に主走査動作を行わせる駆動部である。主走査動作については、例えば、主走査方向へ媒体50に対して相対的に移動しつつインクを吐出する動作等と考えることができる。また、ヘッド部102に主走査動作を行わせることについては、例えば、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド122に主走査動作を行わせること等と考えることができる。主走査動作時において、主走査駆動部106は、例えば、制御部110の制御に応じて、印刷の解像度に応じて設定される吐出位置に対し、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド122にインクを吐出させる。副走査駆動部108は、ヘッド部102に副走査動作を行わせる駆動部である。副走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に副走査方向へ移動する動作等と考えることができる。また、副走査動作について、例えば、主走査動作の合間に副走査方向へ媒体50を送る動作等と考えることもできる。また、ヘッド部102に副走査動作を行わせることについては、例えば、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド122に副走査動作を行わせること等と考えることができる。
制御部110は、例えば印刷装置12におけるCPU等を含む部分であり、印刷装置12の各部の動作を制御する。また、上記においても説明をしたように、本例において、主走査駆動部106は、制御部110の制御に応じて、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド122にインクを吐出させる。この場合、制御部110について、例えば、インクジェットヘッド122の動作を制御することで、印刷装置12に印刷物を作成させていると考えることができる。また、本例において、制御部110は、制御PC14から受け取る印刷データに基づき、各回の主走査動作において、インクジェットヘッド122にインクを吐出させる。また、これにより、各回の主走査動作において、印刷データの少なくとも一部に対応する画像をインクジェットヘッド122に描かせる。本例によれば、例えば、媒体50に対する印刷の動作を印刷装置12に適切に実行させることができる。
続いて、印刷装置12において実行する印刷の動作によって作成される印刷物について、詳しく説明をする。この場合、印刷物については、例えば、媒体50に対してインクで画像を描くことで作成される印刷の成果物等と考えることができる。印刷物について、例えば、印刷装置12によって媒体50上にインクの層が形成されることで作成されると考えることもできる。また、本例において、印刷装置12は、例えば図2に示す構成の印刷物を作成する。
図2は、印刷装置12(図1参照)によって作成する印刷物52の一例について説明をする図である。図2(a)は、印刷物52の構成の一例を示す。図2(b)は、印刷物52における透過率制御層204の構成の一例を示す。図2(c)は、透過率制御層204に対する光の透過の仕方の一例を示す。本例において、透過率制御層204は、透過率調整層の一例である。また、印刷装置12は、透光性の媒体50に対してインクを吐出することで、印刷物52を作成する。媒体50としては、例えば、透明なフィルム等を好適に用いることができる。また、印刷物52は、複数のインクの層が重なる印刷物であり、媒体50上に、画像層202及び透過率制御層204を備える。画像層202は、印刷物52における所定の観察面側において画像を表現する層である。この場合、観察面側については、例えば、印刷物52で表現する意匠を観察する観察者の方を向く側等と考えることができる。また、画像層202については、例えば、観察面側から観察される画像がインクで描かれるインクの層等と考えることもできる。画像層202について、例えば、カラーインクで画像を描く層等と考えることもできる。
透過率制御層204は、所定の条件に応じて印刷物52において透けて見える画像である透過画像(透かし画像)を表現するための層である。また、本例において、透過率制御層204は、画像層202に対して観察面側と反対の側に形成されるインクの層であり、白色のインク及びクリアインクを用いて形成される。この場合、光反射性のインクである白色のインクを用いて透過率制御層204を形成することで、透過率制御層204について、例えば、画像層202の背景として機能すると考えることができる。また、透過率制御層204について、例えば、光反射層を兼ねるインクの層である等と考えることもできる。また、白色のインク及びクリアインクについては、例えば、光に対する透過性が互いに異なる無色のインク等と考えることができる。そのため、本例において、透過率制御層204については、例えば、光に対する透過性が互いに異なる複数種類の無色のインクで形成されていると考えることができる。また、透過率制御層204は、例えば、光の透過率が互いに異なる複数の領域を有することで、位置によって光の透過率を異ならせている。より具体的に、本例において、透過率制御層204は、媒体50と画像層202との間に形成されるインクの層であり、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306を有する。低透過領域302は、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される領域である。本例において、低透過領域302については、例えば、中透過領域304及び高透過領域306よりも光の透過率を低くした領域等と考えることができる。また、中透過領域304は、低透過領域302よりも光の透過率が高く、かつ、高透過領域306よりも光の透過率が低い領域である。高透過領域306は、低透過領域302及び中透過領域304よりも光の透過率が高くなるように形成される領域である。
また、本例においては、媒体50上での単位面積あたりの白色のインク量を互いに異ならせることで、低透過領域302、中透過領域304、及び中透過領域304について、光の透過率を互いに異ならせる。より具体的に、この場合、透過率制御層204において、単位面積あたりの白色のインクの量について、高透過領域306における白色のインクの量を低透過領域302における白色のインクの量よりも少なくすることで、低透過領域302の透過率と高透過領域306の透過率とを異ならせる。また、中透過領域304における白色のインクの量を低透過領域302における白色のインクの量よりも少なくすることで、中透過領域304の透過率と低透過領域302の透過率とを異ならせる。更に、この場合において、高透過領域306における白色のインクの量を中透過領域304における白色のインクの量よりも少なくすることで、中透過領域304の透過率と高透過領域306の透過率とを異ならせる。この場合、中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量について、例えば、高透過領域306における白色のインクの量よりも多く、かつ、低透過領域302における白色のインクの量よりも少なくなっていると考えることができる。また、各領域における単位面積あたりの白色のインクの量については、例えば、主走査動作において白色のインクを吐出する吐出位置の数を異ならせることで、領域毎に異ならせることが考えられる。白色のインクを吐出する吐出位置については、例えば、印刷装置12の制御部110(図1参照)において、印刷データに基づいて決定することが考えられる。
また、上記においても説明をしたように、本例において、印刷装置12は、白色のインクの他にクリアインクを更に用いて、透過率制御層204を形成する。また、本例においては、少なくとも中透過領域304及び高透過領域306について、白色のインクとクリアインクとを用いて形成する。そして、中透過領域304及び高透過領域306におけるクリアインクの量について、図中にCL補填として模式的に示すように、白色のインクの量の違いを補填するように設定する。この場合、単位面積あたりのクリアインクの量について、例えば、各領域における単位面積あたりの白色のインクの量に応じて変化させると考えることができる。より具体的に、この場合、単位面積あたりのクリアインクの量に関し、高透過領域306におけるクリアインクの量について、中透過領域304及び低透過領域302におけるクリアインクの量よりも多くする。中透過領域304におけるクリアインクの量について、低透過領域302におけるクリアインクの量よりも多くする。このように構成すれば、例えば、領域による白色のインクの違いによって透過率制御層204に意図しない凹凸が生じること等を適切に防止することができる。また、これにより、例えば、透過率制御層204に重ねて形成する画像層202に意図しない凹凸が生じることを適切に防止することができる。そのため、本例によれば、例えば、媒体50上に画像層202及び透過率制御層204を適切に重ねて形成できる。
また、本例において、透過率制御層204としては、厚さが一定の層を形成する。このように構成すれば、例えば、透過率制御層204に意図しない凹凸が生じることをより適切に防止することができる。層の厚さが一定であることについては、例えば、印刷物52で表現しようとする意匠の精度等に応じて、実質的に厚さが一定であること等と考えることができる。また、層の厚さが一定であることについて、例えば、設計上の厚さが一定であること等と考えることもできる。より具体的に、本例のように、透過率が互いに異なる複数の領域(低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306)を有する透過率制御層204の場合、厚さが一定であることについては、例えば、これらの複数の領域の設計上の厚さに差が無いこと等と考えることができる。また、この場合、例えば、これらの複数の領域の設計上の厚さが同じになるように、上記のようなクリアインクによる補填を行うことが考えられる。
ここで、低透過領域302については、例えば、クリアインクを用いずに、白色のインクのみで形成することが考えられる。この場合、低透過領域302におけるクリアインクの量については、例えば、ゼロになっていると考えることができる。また、図2(b)においては、図示の便宜上、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306の形成に用いる白色のインクの量について、図中に大、中、小の膜厚として示すように、白色のインクが異なる厚さで重なるかのように図示をしている。また、白色のインクに関するこのような表現に合わせて、領域毎のクリアインクの量についても、クリアインクが異なる厚さで重なるかのように図示をしている。しかし、実際の透過率制御層204の形成時には、例えば図示した構成のように白色のインクの層とクリアインクの層とが明確に分離する状態ではなく、白色のインクとクリアインクとが適宜混じり合うように、透過率制御層204の各領域を形成してもよい。より具体的に、上記においても説明をしたように、本例において、白色のインク用及びクリアインク用のインクジェットヘッド122(図1参照)は、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。この場合、白色のインク用及びクリアインク用のインクジェットヘッド122について、例えば、媒体50における同じ位置に対して同じ回の主走査動作でインクを吐出することが考えられる。また、この場合、透過率制御層204について、同じインクの層に中に白色のインク及びクリアインクの両方を含む構成になると考えることができる。このように構成した場合も、例えば、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306について、単位面積あたりの白色のインクを互いに異ならせることで、光の透過率を適切に異ならせることができる。
また、透過率制御層204の形成の仕方の変形例においては、中透過領域304及び高透過領域306について、例えば、白色のインクの層とクリアインクの層とが分かれた構成で形成すること等も考えられる。この場合、例えば、白色のインクの層とクリアインクの層とを異なる回の主走査動作で形成することで、白色のインクの層及びクリアインクの層のうちの一方を先に形成し、他方をその上に形成する。この場合も、例えば、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306を有する透過率制御層204を適切に形成できる。
また、本例においては、これらの領域における光の透過率について、例えば図2(c)に示すように、照射する光の強さに応じた透け方が異なるように設定をする。より具体的に、図2(c)においては、図中にライト弱、ライト中、及びライト強として示すような複数段階の強さで光を照射する場合について、単位面積あたりの白色のインクの量に対応するパラメータであるW入力を横軸とし、W入力の値に対応するインクの層に対して光を照射した場合に光の透過が生じる光の強度に対応するパラメータである透過濃度を縦軸としたグラフを示している。そして、本例において、低透過領域302については、所定の強さのライト強の光を照射した場合でも光が透けないように形成する。中透過領域304については、ライト強の光を照射した場合には光が透け、かつ、ライト強よりも弱いライト中以下(ライト弱~中)の光の照射では光が透けないように形成する。そして、高透過領域306については、ライト弱~中の光を照射した場合でも光が透けるように形成する。
また、本例においては、このような構成の透過率制御層204と画像層202とを重ねて形成することで、印刷物52において、例えば、図3に示すような意匠の表現を行う。図3は、印刷物52において表現する意匠の一例を示す。図3(a)は、印刷物52における画像層202及び透過率制御層204の構成の一例を示す。図3(b)は、印刷物52によって表現する意匠の一例を示す。図示した構成において、画像層202では、太陽を示すイラストが表現されている。また、透過率制御層204では、一部を中透過領域304及び高透過領域306とし、他の部分を低透過領域302とすることで、中透過領域304及び高透過領域306によって透過画像に対応するパターンが表現されている。また、透過画像に対応するパターンとして、中透過領域304により、画像層202における太陽のイラストと重なる位置に、スマイルマークにおける目及び口を示すパターンが表現されている。そして、高透過領域306により、画像層202における太陽のイラストの周囲になる位置に、雲を示すパターンが表現されている。
この場合、観察面側と反対の側から印刷物52に照射される光である背面光を印刷物52へ照射すると、背面光の強さに応じて透過率制御層204の一部に光が透過することで、観察面側において、透かし模様が見えることになる。例えば、上記においてライト強と説明したような強度の背面光を印刷物52へ照射した場合、中透過領域304及び高透過領域306に対応する透かし模様が見えることになる。また、上記においてライト弱~中と説明したような強度の背面光を印刷物52へ照射した場合、高透過領域306に対応する透かし模様が見えることになる。より具体的に、図3(b)においては、背面光を照射するための光源であるバックライトを用いる場合について、バックライトのオン・オフやバックライトの強さを変化させることで生じる印刷物52の意匠の変化の例を示している。この場合、バックライトをオフにすると、透過率制御層204における中透過領域304及び高透過領域306の影響が目立たなくなることで、観察面側から印刷物52を観察する観察者にとって、画像層202で表現されている画像のみが見えることになる。また、ライト弱~中の強度でバックライトをオンにした場合、バックライトから照射される光が透過率制御層204における高透過領域306を透過することで、観察面側から印刷物52を観察する観察者にとって、画像層202で表現されている画像に重ねて、高透過領域306の形状に応じた模様が透かし模様状に見えることになる。更に、ライト強の強度でバックライトをオンにした場合、バックライトから照射される光が透過率制御層204における中透過領域304及び高透過領域306を透過することで、観察面側から印刷物52を観察する観察者にとって、画像層202で表現されている画像に重ねて、中透過領域304及び高透過領域306の形状に応じた模様が透かし模様状に見えることになる。
このように、本例においては、観察面側から印刷物52を観察した場合に観察者から見える印刷物52の意匠に関し、例えば、透過率制御層204における高透過領域306の形状に対応する模様の見え方について、背面光を照射するか否かに応じて変化させることができる。また、中透過領域304の形状に対応する模様の見え方について、背面光を照射する強度に応じて変化させることができる。また、これにより、印刷物52において、例えば、多様な透かし模様状の表現を適切に実現することができる。また、この場合、上記の説明等から理解できるように、インクの層を過度に多くすることなく、印刷物52における意匠の表現を適切に行うことができる。そのため、本例によれば、例えば、過度に複雑にならない構成の印刷物52によって、多様な意匠を適切に表現することができる。
また、このような本例の特徴については、例えば、光の透過率が互いに異なる低透過領域302及び高透過領域306を透過率制御層204が有することで、観察面側から画像層202を観察する観察者に対し、背面光が照射されることで高透過領域306の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、背面光が照射されない場合には高透過領域306の形状に対応する模様が目立たなくなるように、印刷物52に対して光を透過させていると考えることができる。また、この場合において、中透過領域304を透過率制御層204が更に有することで、例えば、観察面側から画像層202を観察する観察者に対し、相対的に強い背面光が照射された場合には高透過領域306の形状に対応する模様に加えて中透過領域304の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、相対的に弱い背面光が照射された場合には中透過領域304の形状に対応する模様を目立たせずに、高透過領域306の形状に対応する模様が観察面側から視認されるように、印刷物52に対して光を透過させていると考えることができる。
また、本例において、バックライト等で印刷物52に対して背面光が照射されることについては、例えば、実質的に背面光が照射されること等と考えることができる。背面光が照射されないことについては、例えば、実質的に背面光が照射されないこと等と考えることができる。実質的に背面光が照射されることについては、例えば、背面光の照射によって印刷物52で表現しようとする意匠において必要となる強度の背面光が照射されること等と考えることができる。実質的に背面光が照射されないことについては、例えば、背面光の照射によって印刷物52で表現しようとする意匠において必要となる強度の背面光が照射されないこと等と考えることができる。また、背面光が照射されない場合において、高透過領域306の形状に対応する模様が目立たなくなることについては、例えば、印刷物52で表現しようとする意匠の精度等に応じて、実質的に模様が目立たなくなること等と考えることができる。相対的に弱い背面光が照射された場合において、中透過領域304の形状に対応する模様が目立たなくなることについては、例えば、印刷物52で表現しようとする意匠の精度等に応じて、実質的に模様が目立たなくなること等と考えることができる。実質的に模様が目立たなくなることについては、例えば、表現しようとする意匠の設計上で模様が目立たなくなる状態等と考えることができる。また、印刷物52において表現しようとする意匠等に応じて、中透過領域304や高透過領域306の形状に対応する模様が目立たなくなることについては、例えば、必要な強度の背面光を照射して透かし模様状の表現を行う状態と比べて相対的に模様が目立たなくなった状態等と考えることもできる。また、印刷物52において表現しようとする意匠によっては、中透過領域304や高透過領域306の形状に対応する模様が目立たなくなることについて、模様が実質的に見えなくなること等と考えることもできる。模様が実質的に見えなくなることについては、例えば、印刷物52物で表現しようとする意匠の精度等に応じて、設計上で模様が見えなくなること等と考えることができる。
また、上記のような構成によって中透過領域304及び高透過領域306に対応する透かし模様状の表現をしようとする場合、例えば画像層202の色によって、模様の透け方に差が生じる場合もある。この場合、特に、中間の透過率に設定する中透過領域304の形状に対応する模様の透け方について、画像層202の色の影響が生じやすくなることが考えられる。そのため、画像層202において透過率制御層204の中透過領域304と重なる部分の色によっては、ライト弱~中の強度でバックライトをオンにした場合に、例えば図3(b)に破線で示したように、中透過領域304に対応する模様がわずかに透けて見えること等も考えられる。しかし、このような場合も、中透過領域304の形状に対応する模様について、実質的に目立たなくなっていると考えることができる。また、この場合、例えば画像層202の色に応じて中透過領域304の透過率を調整することで、中透過領域304に対応する模様の透け方に対する調整を行うことも考えられる。このような調整については、後に更に詳しく説明をする。
また、透過率制御層204の具体的な構成については、上記においても説明をした構成に限らず、様々に変更を行うことも可能である。この場合、例えば、透過率制御層204における光の透過率について、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306の三段階で変化させるのではなく、より多くの段階で変化させること等も考えられる。このように構成すれば、例えば、背面光の強さをより多くの段階で変化させて、印刷物52において、より多様な意匠を表現することができる。また、透過率制御層204光の透過率について、例えば、2段階で変化させること等も考えられる。この場合、透過率制御層204について、例えば、中透過領域304を有さずに、低透過領域302及び高透過領域306を有すると考えることができる。
また、透過率制御層204の構成の変形例としては、例えば、図4に示す構成を用いること等が考えられる。図4は、透過率制御層204の構成の様々な変形例について説明をする図である。図4(a)~(c)は、透過率制御層204の構成の変形例を示す。以下に説明をする点を除き、図4において、図1~3と同じ符号を付した構成は、図1~3における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
上記においては、主に、透過率制御層204が低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306によって構成されている例について、説明をした。そして、この場合、低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306については、例えば、少なくとも白色のインクを用いて形成される領域等と考えることができる。これに対し、透過率制御層204は、例えば図4(a)に示すように、クリア領域308を更に有してもよい。この場合、クリア領域308については、例えば、白色のインクを用いずに、クリアインクのみで形成される領域等と考えることができる。また、クリア領域308について、例えば、透過率制御層204において光を反射しない部分等と考えることもできる。このように構成した場合も、透過率制御層204が低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306を有することで、印刷物52において、例えば、透かし模様状の表現を適切に実現することができる。また、この場合、透過率制御層204がクリア領域308を更に有することで、例えば、より多様な意匠を表現することが可能になると考えることができる。
また、上記においては、透過率制御層204における中透過領域304及び高透過領域306の形成の仕方について、主に、白色のインクに加えてクリアインクを用い、中透過領域304及び高透過領域306におけるクリアインクの量について、白色のインクの量の違いを補填するように設定する場合の例について、説明をした。この点に関し、透過率制御層204が低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306を有する場合において、例えば白色のインクのみで透過率制御層204を形成すると、位置によって単位面積あたりの白色のインクの量に差が生じることで、透過率制御層204に意図しない凹凸が生じることが考えられる。そして、この場合、透過率制御層204の上に重ねて画像層202を形成すると、画像層202にも意図しない凹凸が生じることで、例えば背面光を照射しない場合でも、凹凸による陰影によって透過率制御層204における高透過領域306等の形状に対応する模様が目立つおそれもある。これに対し、上記のようにクリアインクでの補填を行う場合、例えば、透過率制御層204や画像層202に意図しない凹凸が生じることを適切に防止することができる。また、これにより、例えば、凹凸による陰影によって高透過領域306等の形状に対応する模様が目立つことを適切に防止することができる。
しかし、印刷物52で表現しようとする意匠によっては、このような凹凸を利用して意匠の表現を行うこと等も考えられる。そして、このような場合、例えば図4(b)に示すように、クリアインクを用いずに、白色のインクのみで中透過領域304及び高透過領域306を形成することが考えられる。このように構成すれば、例えば、透過率制御層204や画像層202に対し、中透過領域304及び高透過領域306に対応する凹凸を形成することができる。また、これにより、例えば、凹凸を利用した意匠の表現を適切に行うことができる。
また、透過率制御層204としては、一層分の印刷動作で形成される単一の層に限らず、2層印刷等で形成される複数のインクの層を形成してもよい。また、この点に関し、上記においても説明をしたように、透過率制御層204の形成の仕方の変形例においては、高透過領域306等について、例えば、白色のインクの層とクリアインクの層とが分かれた構成で形成すること等も考えられる。そして、この場合、例えば図4(c)に示すように、透過画像層212及び均一透過率層214を有する透過率制御層204を形成することが考えられる。この場合、透過画像層212は、クリアインクによって透過画像を表現するインクの層である。また、この場合、例えば図中に示すように、透過画像層212において、透過画像に対応する部分をクリアインクのみで形成し、その他の部分について、白色のインクで形成することが考えられる。また、均一透過率層214は、全体が均一の透過率になるように形成されるインクの層である。この場合、均一透過率層214については、例えば、白色のインクのみで形成することが考えられる。また、均一透過率層214について、一定の割合で白色のインクとクリアインクとを用いて形成してもよい。また、この場合、透過画像層212と均一透過率層214とが重なる構成で透過率制御層204を形成することで、例えば、透過率制御層204において、低透過領域302及び高透過領域306を適切に形成することができる。
また、上記においても説明をしたように、中透過領域304や高透過領域306を用いて透かし模様状の表現をしようとする場合、例えば画像層202の色によって、模様の透け方に差が生じる場合もある。そして、この場合、上記においても説明をしたように、中透過領域304等に対応する模様の透け方に対する調整を行うことも考えられる。また、この場合、例えば図5に示す構成の透過率制御層204を用いることで、模様の透け方に対する調整を行うことが考えられる
図5は、透過率制御層204の構成の更なる変形例について説明をする図である。図5(a)は、透過率制御層204の構成の更なる変形例を示す。図5(b)は、ライト弱~中の強度でバックライトをオンにした場合に観察者から見える意匠の例を示す。以下に説明をする点を除き、図5において、図1~4と同じ符号を付した構成は、図1~4における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。本変形例において、透過率制御層204は、例えば図中に中透過領域304a、bと区別して示すように、単位面積あたりの白色のインクの量を互いに異ならせた複数種類の中透過領域304を有する。また、この場合において、中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量について、画像層202における対応位置に着色される色に応じて異ならせる。この場合、画像層202における対応位置に着色される色については、例えば、画像層202においてその中透過領域304と重なる部分の色等と考えることができる。また、この場合、例えば、画像層202における色が明度の高い色(明るい色)であると、中透過領域304の形状が透けて見えやすくなると考えることができる。そのため、画像層202における明度の高い色の部分と重なる中透過領域304については、例えば図中の中透過領域304aのように、単位面積あたりの白色のインクの量を相対的に多くして、中透過領域304の透過率を相対的に小さくすることが考えられる。また、画像層202における明度の低い色の部分と重なる中透過領域304については、例えば図中の中透過領域304bのように、単位面積あたりの白色のインクの量を相対的に少なくして、中透過領域304の透過率を相対的に大きくすることが考えられる。
本変形例において、画像層202における色の明度については、例えば、その色をLab表色系で示した場合のL値によって判断することが考えられる。この場合、例えばイエロー色等について、明度の高い色と考えることができる。また、例えば黒色等について、明度の低い色と考えることができる。単位面積あたりの白色のインクの量については、例えば、基準の量を予め決めておき、画像層202における色が透けやすい色の場合には中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量を基準の量よりも大きくして、画像層202における色が透け難い色の場合には中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量を基準の量よりも少なくすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、中透過領域304の形状に対応する模様の透け方を適切に調整することができる。また、単位面積あたりの白色のインクの量と基準の量との関係については、例えば、画像層202における色が透けやすい色の場合、又は画像層202における色が透け難い色の場合のいずれか一方の場合のみに、単位面積あたりの白色のインクの量を基準の量と異ならせてもよい。また、低透過領域302及び高透過領域306における単位面積あたりの白色のインクの量については、例えば、画像層202における対応位置に着色される色によらず、領域毎に予め設定された量とすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、透過率制御層204の構成が過度に複雑になること等を適切に防止することができる。
また、この場合、本変形例の透過率制御層204を有する印刷物52に対して、ライト弱~中の強度でバックライトをオンにした場合、例えば図5(b)に示すように、観察面側から印刷物52を観察する観察者にとって、画像層202で表現されている画像に重ねて、高透過領域306の形状に応じた模様が透かし模様状に見えることになる。また、この場合、例えば図3(b)に関連して上記において説明をした場合と異なり、中透過領域304に対応する模様がわずかに透けて見えること等を適切に防止することも可能になる。そのため、本変形例によれば、例えば、多様な意匠をより高い品質で表現すること等が可能になる。
また、印刷物52の構成や、使用するインクの特性等によっては、中透過領域304に限らず、高透過領域306の透過率について、例えば図5(c)に示すように、画像層202の色に応じて調整すること等も考えられる。この場合、透過率制御層204は、例えば図中において高透過領域306a、bと区別して示すように、単位面積あたりの白色のインクの量を互いに異ならせた複数種類の高透過領域306を有する。また、この場合において、高透過領域306における単位面積あたりの白色のインクの量について、例えば、画像層202における対応位置に着色される色に応じて異ならせる。このように構成すれば、例えば、高透過領域306の形状に対応する模様の透け方を適切に調整することができる。また、この場合、低透過領域302における単位面積あたりの白色のインクの量については、例えば、画像層202における対応位置に着色される色によらず、所定の量とすることが考えられる。また、中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量については、例えば、例えば図5(a)に示す場合と同一又は同様に、画像層202における対応位置に着色される色に応じて異ならせることが考えられる。また、中透過領域304における単位面積あたりの白色のインクの量について、例えば、画像層202における対応位置に着色される色によらず、所定の量とすること等も考えられる。また、低透過領域302における単位面積あたりの白色のインクの量を調整する構成については、例えば、中透過領域304を有さない構成の透過率制御層204において用いること等も考えられる。
また、印刷物52の構成に関しても、上記において説明をした構成に限らず、様々に変形することが可能である。図6は、印刷物52の構成の変形例について説明をする図である。図6(a)、(b)は、印刷物52の構成の変形例を示す。図6(c)は、図6(b)に示す構成の印刷物52の用い方の一例を示す。以下に説明をする点を除き、図6において、図1~5と同じ符号を付した構成は、図1~5における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
上記において主に説明をした印刷物52に構成に関し、例えば図2(a)では、媒体50上に透過率制御層204を形成し、その上に画像層202を形成する場合の例を図示している。これに対し、印刷物52においては、例えば図6(a)に示すように、媒体50と透過率制御層204との間に画像層202を形成すること等も考えられる。このような構成の印刷物52については、例えば、媒体50上に画像層202を形成し、その上に透過率制御層204を形成した構成等と考えることができる。また、この場合、例えば、媒体50において画像層202及び透過率制御層204が形成されている側と反対の側が観察面側になり、透光性の媒体50を介して画像層202が観察者に観察されると考えることができる。このように構成した場合も、画像層202に対して観察面側と反対の側に透過率制御層204を形成することで、印刷物52において、例えば、透かし模様状の表現を適切に実現することができる。
また、図6(a)に示す構成のように、媒体50上に先に画像層202を形成し、その上に透過率制御層204を形成する場合、例えば、単位面積あたりの白色のインクの量の違い等によって透過率制御層204に凹凸が生じたとしても、既に形成されている画像層202に凹凸が生じることはない。そのため、この場合、透過率制御層204に凹凸が生じたとしても、画像層202の見え方への影響が生じ難いと考えることができる。そのため、図6(a)に示す構成のように画像層202及び透過率制御層204を重ねる場合には、補填用のクリアインクを用いずに、透過率制御層204を形成すること等も考えられる。
また、印刷物52の構成の更なる変形例においては、例えば図6(b)に示すように、複数の画像層202を用いた意匠を表現すること等も考えられる。本変形例において、印刷物52は、媒体50上に、二つの画像層202と、一つの透過率制御層204とを備える。この場合、透過率制御層204は、二つの画像層202の間に形成される。また、二つの画像層202のうちの一方については、例えば、透過率制御層204の一方側で透過率制御層204と重なる第1の画像層202と考えることができる。二つの画像層202のうちの他方については、例えば、透過率制御層204の他方側で透過率制御層204と重なる第2の画像層202と考えることができる。また、この場合、印刷物52に対し、例えば、第1の画像層202に対する観察面側と、第2の画像層202に対する観察面側とを個別に考えることができる。そして、第2の画像層202に対する観察面側について、例えば、第1の画像層202に対する観察面側と反対の側になると考えることができる。また、この場合、透過率制御層204について、例えば、第1の画像層202に対して第1の画像層202に対応する観察面側と反対の側に形成され、かつ、第2の画像層202に対して第2の画像層202に対応する観察面側と反対の側に形成されると考えることができる。このように構成した場合、例えば、印刷物52の一方側及び他方側のいずれの側から印刷物52を観察するかという観察方向の違いと、印刷物52の一方側及び他方側いずれの方が明るいかという環境の影響により、観察者から見える画像を様々に変化させることができる。
より具体的に、本変形例の印刷物52については、例えば図6(c)に示すように、窓ガラス150に貼り付けて使用することが考えられる。この場合、印刷物52について、例えば、ウィンドサイン向けの透かし印刷がされた印刷物等と考えることができる。また、印刷物52における二つの画像層202について、例えば、屋外側の画像層202、及び、屋内側の画像層202になると考えることができる。そして、この場合、窓ガラス150に対する屋外側から印刷物52の観察を行うと、屋内側から印刷物52へ入射する光が、背面光になる。また、窓ガラス150に対する屋内側から印刷物52の観察を行うと、屋外側から印刷物52へ入射する光が、背面光になる。そのため、例えば昼間等において、屋外側が相対的に明るく、屋内側が相対的に暗い状態で、屋外側から印刷物52を観察すると、背面光が照射されない条件と同様の条件になり、透かし効果が生じない状態で、屋外側にある画像層202で表現されている画像が観察者に見えることになる。また、この状態で、屋内側から印刷物52を観察すると、背面光が照射されている条件になり、透かし効果が生じることで、透過率制御層204によって表現される透過画像と共に、屋内側にある画像層202で表現されている画像が観察者に見えることになる。また、例えば夜間等において、屋外側が相対的に暗く、照明が点灯された屋内側が相対的に明るい状態で、屋外側から印刷物52を観察すると、背面光が照射されている条件になり、透かし効果が生じることで、透過率制御層204によって表現される透過画像と共に、屋外側にある画像層202で表現されている画像が観察者に見えることになる。また、この状態で、屋内側から印刷物52を観察すると、背面光が照射されない条件と同様の条件になり、透かし効果が生じない状態で、屋内側にある画像層202で表現されている画像が観察者に見えることになる。そのため、このように構成すれば、例えば、より多様な意匠を適切に表現することができる。
また、上記においては、主に、白色のインクを用いて透過率制御層204を形成する場合について、印刷物52の構成の例を説明した。これに対し、印刷物52の構成の変形例では、黒色のインク等の光吸収性のインクの特性を利用して、透過率制御層204を形成すること等も考えられる。また、この場合、印刷物52及び透過率制御層204の構成について、例えば、図7に示す構成を用いることが考えられる。図7は、印刷物52及び透過率制御層204の構成の更なる変形例について説明をする図である。図7(a)は、印刷物52の構成の変形例を示す。図7(b)は、本変形例の印刷物52における透過率制御層204の構成の一例を示す。以下に説明をする点を除き、図7において、図1~6と同じ符号を付した構成は、図1~6における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例において、印刷物52は、画像層202、透過率制御層204、及び光反射層206を備える。この場合、印刷物52について、例えば、透過率制御層204とは別に光反射層206を備えていると考えることができる。また、本変形例において、透過率制御層204は、光反射層206を挟んで画像層202と重なる。この場合、例えば図中に示すように、媒体50上に、透過率制御層204、光反射層206、及び画像層202をこの順番で形成することが考えられる。また、印刷物52の構成の更なる変形例では、例えば、媒体50上に、画像層202、光反射層206、透過率制御層204について、この順番で形成することも考えられる。また、本変形例において、光反射層206は、白色のインクを用いて形成される光反射性の層である。光反射層206については、例えば、画像層202に対して観察面側の反対側に形成されることで、画像層202の背景として機能すると考えることができる。また、本変形例において、光反射層206としては、例えば、所定の強さ以上背面光が照射された場合にある程度の光を均一に透過する層を形成する。
また、本変形例において、透過率制御層204は、黒色のインクを用いて形成される層であり、単位面積あたりの黒色のインクを互いに異ならせた複数種類の領域である低透過領域302、中透過領域304、及び高透過領域306を有する。この場合、単位面積あたりの黒色のインクの量について、例えば、高透過領域306における黒色のインクの量を低透過領域302における黒色のインクの量よりも少なくすることで、低透過領域302の透過率と高透過領域306の透過率とを異ならせる。また、中透過領域304における黒色のインクの量を低透過領域302における黒色のインクの量よりも少なくすることで、中透過領域304の透過率と低透過領域302の透過率とを異ならせる。更に、この場合において、高透過領域306における黒色のインクの量を中透過領域304における黒色のインクの量よりも少なくすることで、中透過領域304の透過率と高透過領域306の透過率とを異ならせる。この場合、中透過領域304における単位面積あたりの黒色のインクの量について、例えば、高透過領域306における黒色のインクの量よりも多く、かつ、低透過領域302における黒色のインクの量よりも少なくなっていると考えることができる。
また、より具体的に、図7(b)においては、K100、K50、及びK20と示すように、単位面積あたりの黒色のインクの量について、低透過領域302における黒色のインクの量を100とした場合に中透過領域304における黒色のインクの量が50になり、高透過領域306における黒色のインクの量が20になる場合について、透過率制御層204の構成の例を示している。このように構成した場合も、光の透過率が互いに異なる複数の領域を有する透過率制御層204を用いることで、例えば、背面光を照射するか否かや背面光の強さに応じて、多様な意匠を表現することができる。より具体的に、この場合、例えば、観察面側から画像層202を観察する観察者に対し、相対的に強い背面光が照射された場合には高透過領域306の形状に対応する模様に加えて中透過領域304の形状に対応する模様が観察面側から視認され、かつ、相対的に弱い背面光が照射された場合には中透過領域304の形状に対応する模様を目立たせずに、高透過領域306の形状に対応する模様が観察面側から視認されるように、印刷物52に対して光を透過させることができる。本変形例においても、画像層202及び透過率制御層204を用いることで、例えば、過度に複雑にならない構成の印刷物52によって、多様な意匠を適切に表現することができる。
また、上記のように、本変形例の場合、画像層202と透過率制御層204との間には、光反射層206が形成される。そして、この場合、例えば単位面積あたりの黒色のインクの量の違い等によって透過率制御層204に意図しない凹凸等が生じた場合にも、画像層202への影響が小さくなることが考えられる。そのため、本変形例では、クリアインクでの補填を行わずに、透過率制御層204を形成することが考えられる。この場合、例えば、黒色のインクのみで透過率制御層204を形成することが考えられる。また、印刷物で表現しようとする意匠の精度等によっては、黒色のインクに加えて補填用のクリアインクを更に用いて、透過率制御層204を形成してもよい。
続いて、印刷システム10(図1参照)において印刷物52を作成(製造)する動作について、更に詳しく説明をする。図8は、印刷システム10において印刷物52を作成する動作の一例を示すフローチャートである。上記においても説明をしたように、本例の印刷システム10では、制御PC14(図1参照)から供給される印刷データに基づいて印刷装置12(図1参照)が印刷の動作を実行することで、印刷物52を作成する。そして、この場合、例えば、これらの動作に先立ち、媒体50のデザイン担当者であるデザイナ等が、印刷物52のデザインを決定する(S102)。この場合、例えば制御PC14又は他のコンピュータにおいて、完成後の印刷物52の状態をイメージできるプログラム(アプリケーションソフトウェア等)を実行し、デザイナの指示に基づき、印刷物52のデザインを決定する。このようなプログラムとしては、例えば、市販されている公知のデザインソフトウェア等を用いることが考えられる。また、このようなプログラムとして、例えば、制御PC14等において印刷データを生成するために用いるソフトウェアに対するプラグインソフトウェア等を用いること等も考えられる。また、本例のステップS102において、このプログラムを実行するコンピュータは、デザイナの指示に応じて、作成すべき印刷物52を示す画像を生成する。また、このような画像として、画像層202(図2参照)において観察面側から観察される画像である観察画像を示す画像データと、透過率制御層204(図2参照)によって表現する透過画像を示す画像データとを生成する。観察画像については、例えば、画像層202においてインクで描かれる画像等と考えることができる。
また、この場合、例えば制御PC14等のコンピュータにおいて、印刷データを生成するための処理をコンピュータに行わせるプログラムを実行することで、ステップS102で生成された画像に基づき、印刷データを生成する(S104)。この場合、このコンピュータにおいて、観察画像及び透過画像を示す画像データに対し、印刷装置12での印刷時に用いる印刷の条件に合わせてRIP処理等を行うことで、印刷データを生成する。また、本例のS104において、このプログラムを実行するコンピュータは、画像層データ生成処理及び透過率調整層データ生成処理を行って、印刷データを生成する。この場合、画像層データ生成処理については、例えば、画像層202を示すデータを生成する処理等と考えることができる。透過率調整層データ生成処理については、例えば、透過率制御層204を示すデータを生成する処理等と考えることができる。また、より具体的に、画像層データ生成処理では、例えば、ステップS102で生成された観察画像を示す画像データに基づき、この画像データに対してRIP処理を行うことで、画像層202を示すデータを生成する。透過率調整層データ生成処理では、例えば、ステップS102で生成された透過画像を示す画像データに基づき、この画像データに対してRIP処理を行うことで、透過率制御層204を示すデータを生成する。また、これらの動作により、このコンピュータにおいて、画像層202及び透過率制御層204を示すデータを含む印刷データを生成する。
また、ステップS104で印刷データが生成された後には、印刷データを印刷装置12へ供給することで、印刷装置12に印刷の動作を実行させ、印刷物52を作成する(S106)。本例によれば、例えば、画像層202及び透過率制御層204を備える印刷物52を適切に作成することができる。また、これにより、例えば、透かし模様状の表現が可能な印刷物52を適切に作成することができる。また、上記においても説明をしたように、印刷物52としては、例えば、複数の画像層202を備える構成の印刷物52や、光反射層を更に備える構成の印刷物52を作成すること等も考えられる。これらの場合、ステップS102において、印刷物52の構成に合わせてデザインを決定し、ステップS104において、印刷物52の構成に合わせて印刷データを生成することが考えられる。これらの場合も、例えば、画像層データ生成処理及び透過率調整層データ生成処理等を行って印刷データを生成することで、透かし模様状の表現が可能な印刷物52を適切に作成することができる。
続いて、上記において説明をした構成に関する補足説明等を行う。以下においては、説明の便宜上、上記において説明をした変形例等を含めて、本例という場合がある。上記においても説明をしたように、本例においては、画像層202及び透過率制御層204等を備える印刷物52を作成する。そして、この場合、画像層202や透過率制御層204については、一つのインクの層(単一のインクの層)で形成してもよく、複数のインクの層で形成してもよい。この場合、一つのインクの層については、例えば、印刷条件において指定されるパス数分の主走査動作によって形成されるインクの層等と考えることができる。また、複数のインクの層については、例えば、このように考えた一つのインクの層が複数重なった状態等と考えることができる。
また、上記においても説明をしたように、透過率制御層204については、例えば、白色のインクとクリアインクとを用いた構成や、黒インクを用いた構成で形成することが考えられる。そして、これらの場合、透過率制御層204について、例えば、無彩色のインクで形成されていると考えることができる。また、透過率制御層204の構成の更なる変形例においては、例えば、透過率制御層204の少なくとも一部について、有彩色のインクを用いて形成すること等も考えられる。この場合、有彩色のインクとしては、例えば、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色のうちの少なくともいずれかの色のインクを用いることが考えられる。また、この場合、透過率制御層204の一部について、有彩色のインクで着色して形成すること等が考えられる。このように構成すれば、例えば、印刷物52によって、より多様な意匠を表現することができる。また、この場合、例えば、図4(a)に示す構成におけるクリア領域308や図4(c)に示す構成におけるクリアインクで形成する部分について、クリアインクに変えて有彩色のインクで形成すること等が考えられる。
また、白色のインクとクリアインクとを用いて透過率制御層204を形成する場合、上記においても説明をしたように、単位面積あたりの白色のインクの量の違いを補填するようにクリアインクを用いることで、透過率制御層204や画像層202に意図しない凹凸が生じることを適切に防止することでできる。そして、この場合、このような凹凸の発生を防止することで、例えば、印刷物52に対してラミネート加工等を行う場合に、より適切に加工を行うこと等も可能になる。また、この場合、ラミネート加工等を行うことで、例えば、屋外広告等に適した耐候性の高い印刷物52をより適切に作成すること等も可能になる。
また、黒色のインクを用いて透過率制御層204を形成する場合においても、例えば図6(b)、(c)を用いて説明をした印刷物52のように、複数の画像層202を備える印刷物52を作成すること等も考えられる。この場合、図6(b)に示す構成に対し、黒色のインクを用いて透過率制御層204を形成する構成への変更を行った上で、透過率制御層204の上下に光反射層を更に追加することが考えられる。この場合、透過率制御層204の一方側及び他方側の画像層202について、間に光反射層を挟んで透過率制御層204と重なると考えることができる。また、印刷物52について、5層の構成になると考えることができる。このように構成した場合も、例えば、ウィンドサイン向けの透かし印刷がされた印刷物52等を適切に作成することができる。
本発明は、例えば印刷物に好適に用いることができる。
10・・・印刷システム、102・・・ヘッド部、104・・・プラテン、106・・・主走査駆動部、108・・・副走査駆動部、110・・・制御部、12・・・印刷装置、122・・・インクジェットヘッド、124・・・紫外線光源、14・・・制御PC、150・・・窓ガラス、202・・・画像層、204・・・透過率制御層、206・・・光反射層、212・・・透過画像層、214・・・均一透過率層、302・・・低透過領域、304・・・中透過領域、306・・・高透過領域、308・・・クリア領域、50・・・媒体、52・・・印刷物

Claims (14)

  1. 複数のインクの層が重なる印刷物であって、
    所定の観察面側から観察される画像がインクで描かれる前記インクの層である画像層と、
    前記画像層に対して前記観察面側と反対の側に形成される前記インクの層であり、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される低透過領域と、前記低透過領域よりも光の透過率が高くなるように形成される高透過領域とを有する透過率調整層と
    を備え、
    前記透過率調整層は、光の透過率が互いに異なる前記低透過領域及び前記高透過領域を有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、
    前記観察面側と反対の側から前記印刷物に照射される光である背面光が照射されることで前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、
    かつ、前記背面光が照射されない場合には前記高透過領域の形状に対応する模様が目立たなくなるように、
    前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする印刷物。
  2. 前記透過率調整層は、光反射性のインクを用いて形成される層であり、単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記高透過領域における前記光反射性のインクの量を前記低透過領域における前記光反射性のインクの量よりも少なくすることで、前記低透過領域の透過率と前記高透過領域の透過率とを異ならせていることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記透過率調整層は、無色で透光性のインクであるクリアインクを更に用いて形成される層であり、単位面積あたりの前記クリアインクの量について、前記高透過領域における前記クリアインクの量が前記低透過領域における前記クリアインクの量よりも多くなるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の印刷物。
  4. 前記透過率調整層は、前記低透過領域よりも光の透過率が高く、前記高透過領域よりも光の透過率が低い領域である中透過領域を更に有し、
    前記中透過領域は、単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記高透過領域における前記光反射性のインクの量よりも多く、前記低透過領域における前記光反射性のインクの量よりも少なくして形成され、
    前記透過率調整層は、前記中透過領域を更に有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、
    相対的に強い前記背面光が照射された場合には、前記高透過領域の形状に対応する模様に加えて、前記中透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、
    かつ、相対的に弱い前記背面光が照射された場合には、前記中透過領域の形状に対応する模様を目立たせずに、前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認されるように、
    前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする請求項2に記載の印刷物。
  5. 前記中透過領域における単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記画像層における対応位置に着色される色に応じて異ならせ、
    前記低透過領域及び前記高透過領域における単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記画像層における対応位置に着色される色によらず、領域毎に予め設定された量とすることを特徴とする請求項4に記載の印刷物。
  6. 前記高透過領域における単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記画像層における対応位置に着色される色に応じて異ならせ、
    前記低透過領域における単位面積あたりの前記光反射性のインクの量について、前記画像層における対応位置に着色される色によらず、所定の量とすることを特徴とする請求項2に記載の印刷物。
  7. 前記透過率調整層は、厚さが一定の層であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物。
  8. 前記透過率調整層の一方側で前記透過率調整層と重なる第1の前記画像層と、
    前記透過率調整層の他方側で前記透過率調整層と重なる第2の前記画像層と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  9. 光反射性のインクで形成される光反射層を更に備え、
    前記透過率調整層は、前記光反射層を挟んで前記画像層と重なることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  10. 前記透過率調整層は、光吸収性のインクを用いて形成される層であり、単位面積あたりの前記光吸収性のインクの量について、前記高透過領域における前記光吸収性のインクの量を前記低透過領域における前記光吸収性のインクの量よりも少なくすることで、前記低透過領域の透過率と前記高透過領域の透過率とを異ならせていることを特徴とする請求項9に記載の印刷物。
  11. 前記透過率調整層は、前記低透過領域よりも光の透過率が高く、前記高透過領域よりも光の透過率が低い領域である中透過領域を更に有し、
    前記中透過領域は、単位面積あたりの前記光吸収性のインクの量について、前記高透過領域における前記光吸収性のインクの量よりも多く、前記低透過領域における前記光吸収性のインクの量よりも少なくして形成され、
    前記透過率調整層は、前記中透過領域を更に有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、
    相対的に強い前記背面光が照射された場合には、前記高透過領域の形状に対応する模様に加えて、前記中透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、
    かつ、相対的に弱い前記背面光が照射された場合には、前記中透過領域の形状に対応する模様を目立たせずに、前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認されるように、
    前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
  12. 印刷物を作成する印刷物の製造方法であって、
    印刷装置によって媒体へインクを吐出することで、複数のインクの層が重なる前記印刷物を作成し、
    前記印刷物は、
    所定の観察面側から観察される画像がインクで描かれる前記インクの層である画像層と、
    前記画像層に対して前記観察面側と反対の側に形成される前記インクの層であり、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される低透過領域と、前記低透過領域よりも光の透過率が高くなるように形成される高透過領域とを有する透過率調整層と
    を備え、
    前記透過率調整層は、光の透過率が互いに異なる前記低透過領域及び前記高透過領域を有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、
    前記観察面側と反対の側から前記印刷物に照射される光である背面光が照射されることで前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、
    かつ、前記背面光が照射されない場合には前記高透過領域の形状に対応する模様が目立たなくなるように、
    前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする印刷物の製造方法。
  13. 印刷装置による印刷の動作を制御するための印刷データを生成するプログラムであって、
    所定の観察面側から観察される画像である観察画像がインクで描かれるインクの層である画像層を示すデータを生成する画像層データ生成処理と、
    前記画像層に対して前記観察面側と反対の側に形成される前記インクの層であり、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される低透過領域と、前記低透過領域よりも光の透過率が高くなるように形成される高透過領域とを有する透過率調整層を示すデータを生成する透過率調整層データ生成処理と
    をコンピュータに行わせ、
    前記画像層データ生成処理において、前記観察画像を示す画像データに基づき、前記画像層を示すデータを生成し、
    前記透過率調整層データ生成処理において、所定の条件に応じて印刷物において透けて見える画像である透過画像を示す画像データに基づき、前記透過率調整層を示すデータを生成することを特徴とするプログラム。
  14. 印刷を行う印刷装置であって、
    インクを吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドの動作を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記吐出ヘッドの動作を制御することで、複数のインクの層が重なる印刷物を作成させ、
    前記印刷物は、
    所定の観察面側から観察される画像がインクで描かれる前記インクの層である画像層と、
    前記画像層に対して前記観察面側と反対の側に形成される前記インクの層であり、光の透過率を相対的な低い透過率にして形成される低透過領域と、前記低透過領域よりも光の透過率が高くなるように形成される高透過領域とを有する透過率調整層と
    を備え、
    前記透過率調整層は、光の透過率が互いに異なる前記低透過領域及び前記高透過領域を有することで、前記観察面側から前記画像層を観察する観察者に対し、
    前記観察面側と反対の側から前記印刷物に照射される光である背面光が照射されることで前記高透過領域の形状に対応する模様が前記観察面側から視認され、
    かつ、前記背面光が照射されない場合には前記高透過領域の形状に対応する模様が目立たなくなるように、
    前記印刷物に対して光を透過させることを特徴とする印刷装置。
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