JP2024070482A - 海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法 - Google Patents

海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】純度の高い水酸化マグネシウムを優れたエネルギー効率で得られる海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法を提供する。【解決手段】中性海水から酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置1と、海水に前記酸性化濃縮海水が導入され酸性化海水を生成する酸性化タンク2と、前記酸性化海水から二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を生成する二酸化炭素分離ユニット3と、前記酸性化海水を塩基性液で中和して二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和タンク4と、バイポーラ膜電気透析装置1から前記塩基性化濃縮海水が導入され、水酸化マグネシウムの沈殿を生成する水酸化マグネシウム沈殿槽5とを備え、バイポーラ膜電気透析装置1に導入される中性海水は、中和タンク4で生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水である。【選択図】図1

Description

本発明は、海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法に関する。
海水中には金属資源としてナトリウム(1.1質量%)、マグネシウム(0.13質量%)、カルシウム(0.04質量%)、カリウム(0.04質量%)、ストロンチウム(7.8質量ppm)、リチウム(0.17質量ppm)などが含まれており、種々の方法で、これらの金属資源を濃縮し、分離することが行われてきた。
特にマグネシウムについては、海水から回収する様々な技術が開発されてきた。
例えば水酸化マグネシウムを得る手法として、海水に塩基性鉱物を添加して水酸化マグネシウムの沈殿を得る手法(特許文献1)、濃縮海水から、電気透析によりマグネシウムを濃縮した画分を得、これに、塩基性溶液を添加して水酸化マグネシウムの沈殿を得る手法(特許文献2)、濃縮海水を電気分解して、得られた塩基性化海水中のマグルシウムイオンを水酸化マグネシウムとして沈殿させる手法(特許文献3、4)が提案されている。
これらは、いずれも海水の塩基性化により水酸化マグネシウムの沈殿を回収する方法であるが、水酸化マグネシウムを沈殿させる際に、溶存している二酸化炭素とカルシウムから炭酸カルシウムが同時に生成してしまうと、マグネシウム化合物の純度が低下する問題がある。
そこで、海水の塩基性化に先立ち、特許文献4では、海水を加熱沸騰させたり電解したりすることにより溶存二酸化炭素を除去することが提案されている。また、特許文献5では、海水に酸と気泡剤を吹き込んで、溶存二酸化炭素を除去することが提案されている。
特開昭64-37415号公報 特開2012-213767号公報 特表2015-513899号公報 特開2021-70861号公報 特開昭55-75782号公報
しかし、特許文献4、5では、溶存二酸化炭素を除去するために、多量のエネルギーを必要としていた。
本発明は、上記事情に鑑みて、純度の高い水酸化マグネシウムを優れたエネルギー効率で得られる海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]中性海水が導入され、酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置と、
海水が導入されると共に、前記バイポーラ膜電気透析装置から前記酸性化濃縮海水が導入されることにより、酸性化海水を生成する酸性化タンクと、
前記酸性化タンクから前記酸性化海水が導入され、気体状の二酸化炭素を分離することにより、二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を生成する二酸化炭素分離ユニットと、
前記二酸化炭素分離ユニットから二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水が導入されると共に、塩基性液が導入されることにより、二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和タンクと、
前記バイポーラ膜電気透析装置から前記塩基性化濃縮海水が導入され、水酸化マグネシウムの沈殿を生成する水酸化マグネシウム沈殿槽とを備え、
前記バイポーラ膜電気透析装置に導入される中性海水は、前記中和タンクで生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水である、海水中のマグネシウム回収システム。
[2]前記中和タンクに導入される前記塩基性液が、前記水酸化マグネシウム沈殿槽において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、[1]に記載の海水中のマグネシウム回収システム。
[3]さらに、前記水酸化マグネシウム沈殿槽において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離ユニットで分離された気体状の二酸化炭素が導入され、炭酸塩鉱物の沈殿を生成する炭酸塩鉱物沈殿槽を備え、
前記中和タンクに導入される前記塩基性液が、前記炭酸塩鉱物沈殿槽において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、[1]に記載の海水中のマグネシウム回収システム。
[4]中性海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成する透析工程と、
海水に前記酸性化濃縮海水を添加して酸性化海水を生成する酸性化工程と、
前記酸性化工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程と、
前記二酸化炭素分離工程で二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を塩基性液で中和して二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和工程と、
前記透析工程で得られた前記塩基性化濃縮海水を水酸化マグネシウム沈殿槽に導入して水酸化マグネシウムを沈殿させる水酸化マグネシウム沈殿工程とを備え、
前記透析工程で使用する中性海水は、前記中和工程で生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水である、水酸化マグネシウムの製造方法。
[5]前記中和工程で使用する前記塩基性液が、前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、[4]に記載の水酸化マグネシウムの製造方法。
[6]さらに、前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離工程で分離された気体状の二酸化炭素を炭酸塩鉱物沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる炭酸塩鉱物沈殿工程を備え、
前記中和工程で使用する前記塩基性液が、前記炭酸塩鉱物沈殿工程において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、[4]に記載の水酸化マグネシウムの製造方法。
本発明の海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法によれば、純度の高い水酸化マグネシウムを優れたエネルギー効率で得られる。
本発明の第1実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システムの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システムで使用するバイポーラ膜電気透析装置の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システムの概略構成図である。
<第1実施形態>
[海水中のマグネシウム回収システム]
本発明の第1実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システムを図1に基づいて説明する。なお、図1において、波線の矢印は気体の経路、一重線の矢印は液体の経路、二重線の矢印は固体の経路を示す。
図1に示すように、本実施形態の海水中のマグネシウム回収システムは、バイポーラ膜電気透析装置1と、酸性化タンク2と、二酸化炭素分離ユニット3(図中では、「CO分離ユニット」と表示)と、中和タンク4と、水酸化マグネシウム沈殿槽5と、真空ポンプ7とから概略構成されている。
バイポーラ膜電気透析装置1には、中和タンク4から中性海水が導入されるようになっている。また、電極液タンク9から電極液が循環供給されるようになっている。そして、中性海水から、バイポーラ膜電気透析装置1により、酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水と脱塩海水が生成するようになっている。バイポーラ膜電気透析装置1の詳細については後述する。
酸性化タンク2には、海水タンク8から海水が導入されると共に、バイポーラ膜電気透析装置1で生成した酸性化濃縮海水が導入され、混合されて酸性化海水が得られるようになっている。
得られた酸性化海水は二酸化炭素分離ユニット3に導入され、二酸化炭素分離ユニット3において、酸性化海水から気体状の二酸化炭素が分離されるようになっている。
二酸化炭素分離ユニット3としては、酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離して取り出せるものであれば特に限定はない。例えば、酸性化海水と気相とを膜を解して接触させる膜接触器(例えば、スノーピュア社製Liqui-Cel)を使用できる。また、酸性化海水を噴霧するシャワーヘッド設備と酸性化海水を撹拌する手段との少なくとも一方を有し、気相から気体を採取できるタンクを使用してもよい。
本実施形態では、真空ポンプ7が二酸化炭素分離ユニット3の気相に通じた気体経路中に設けられ、二酸化炭素分離ユニット3の気相を減圧できるようになっている。これにより、二酸化炭素分離ユニット3における気体状の二酸化炭素の分離が促進されるようになっている。なお、真空ポンプ7は、省略することもできる。
中和タンク4には、二酸化炭素分離ユニット3において気体状の二酸化炭素が分離された後の酸性化海水と、塩基性液とが導入されるようになっている。そして、中和タンク4内で、酸性化海水と塩基性液とが混合されることより、中和され、かつ二酸化炭素濃度が低減した中性海水が得られるようになっている。バイポーラ膜電気透析装置1には、この中和タンク4で得られた中性海水が導入されるようになっている。
一方、バイポーラ膜電気透析装置1で生成した塩基性化濃縮海水は水酸化マグネシウム沈殿槽5に導入されるようになっている。
水酸化マグネシウム沈殿槽5では、導入された塩基性化海水から水酸化マグネシウムが沈殿し、沈殿した水酸化マグネシウムが外部に取り出されて回収できるようになっている。
水酸化マグネシウム沈殿槽5において水酸化マグネシウムが回収された後の塩基性化濃縮海水は、塩基性液として、中和タンク4に導入されるようになっている。
バイポーラ膜電気透析装置1は、図2に示すように、陽極21と陰極22との間に、複数のバイポーラ膜11と複数のアニオン交換膜12と複数のカチオン交換膜13が配置されて構成されている。
具体的には、陽極21に最も近い側にはアニオン交換膜12が配置され、その後は、陽極21側から、カチオン交換膜13、バイポーラ膜11、アニオン交換膜12と順に配置された3種の膜を1セットとする繰り返しで配置される。
すなわち、アニオン交換膜12はバイポーラ膜11の陰極22側に、カチオン交換膜13はバイポーラ膜11の陽極21側に配置される。
バイポーラ膜11は、アニオン交換層とカチオン交換層の2つを張り合わせた構造の複合イオン交換膜である。具体的には、基材の一方の面にアニオン交換層を積層又は含浸させ、他方の面にカチオン交換層を積層又は含浸させたものを使用できる。
バイポーラ膜11は、陽極21側がアニオン交換層、陰極22側がカチオン交換層となるように配置される。
アニオン交換膜12としては、基材にアニオン交換層を積層又は含浸させたものが使用できる。カチオン交換膜13は、基材にカチオン交換層を積層又は含浸させたものを使用できる。
バイポーラ膜11としては、例えばアストム社製ネオセプタBP-1を使用できる。アニオン交換膜12としては、例えばアストム社製ネオセプタASEを使用できる。カチオン交換膜13としては、例えば、アストム社製ネオセプタCSEを使用できる。
バイポーラ膜11と、その陰極22側において隣接するアニオン交換膜12との間には、酸室16が形成されている。バイポーラ膜11と、その陽極21側において隣接するカチオン交換膜13との間には、塩基室17が形成されている。アニオン交換膜12とカチオン交換膜13との間には、脱塩室18が形成されている。
また、最も陽極21側に配置されたアニオン交換膜12と陽極21との間には、陽極室23が形成されている。最も陰極22側に配置されたアニオン交換膜12と陰極22との間には、陰極室24が形成されている。
酸室16と塩基室17と脱塩室18には、中和タンク4から中性海水が流入するようになっている。また、酸室16では、酸性化濃縮海水が生成され、生成した酸性化濃縮海水は酸性化タンク2に供給されるようになっている。塩基室17では、塩基性化濃縮海水が生成され、生成した塩基性化濃縮海水は水酸化マグネシウム沈殿槽5に供給されるようになっている。脱塩室18では脱塩海水が生成され、海洋に放出されるようになっている。
陽極室23と陰極室24には、各々電極液が電極液タンク9から流入し、また、電極液タンク9に戻るようになっている。
[水酸化マグネシウムの製造方法]
本実施形態の海水中のマグネシウム回収システムでは、以下の(i)~(v)の工程により、水酸化マグネシウムを製造する、水酸化マグネシウムの製造方法が実施できる。
(i)中性海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成する透析工程。
(ii)海水に前記酸性化濃縮海水を添加して酸性化海水を生成する酸性化工程。
(iii)前記酸性化工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程。
(iv)前記二酸化炭素分離工程で二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を塩基性液で中和して二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和工程。
(v)前記透析工程で得られた前記塩基性化濃縮海水を水酸化マグネシウム沈殿槽に導入して水酸化マグネシウムを沈殿させる水酸化マグネシウム沈殿工程。
(i)は、中性海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成する透析工程である。
(i)の透析工程は、図2に示したバイポーラ膜電気透析装置1で行われる。
本実施形態の海水中のマグネシウム回収システムによる水酸化マグネシウムの製造方法では、(i)の透析工程における中性海水として、(iv)の中和工程で生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水を使用する。
電極液タンク9から陽極室23、陰極室24に供給する電極液としては、例えば、硫酸水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液などを用いることができる。
陽極21と陰極22の間に電圧を印加すると、酸室16と塩基室17に導入された中性海水中の水分子は、バイポーラ膜11内に侵入してHとOHに解離される。この内Hは、陰極22側に引かれて、バイポーラ膜11のカチオン交換層を通過し、酸室16に移動する。一方、OHは、陽極21側に引かれて、バイポーラ膜11のアニオン交換層を通過し、塩基室17に移動する。
また、脱塩室18及び陰極室24内のCl等のアニオンは、陽極21側に引かれて、アニオン交換膜12を通過して酸室16に(最も陽極21側の脱塩室18内のアニオンは陽極室23に)移動する。
また、脱塩室18内のNa、K、Li等のカチオンは、陰極22側に引かれて、カチオン交換膜13を通過して塩基室17に移動する。
その結果、酸室16に導入された中性海水は、酸性化濃縮海水となり、塩基室17に導入された中性海水は、塩基性化濃縮海水となり、脱塩室18に導入された中性海水は脱塩海水となる。
酸室16から流出する酸性化濃縮海水のpHは、3.0~5.0が好ましく、4.0~5.0がより好ましく、4.5前後が特に好ましい。酸室16から流出する酸性化濃縮海水のpHが好ましい上限値以下であれば、(ii)の酸性化工程において、導入された海水を充分に酸性化できるので、(iii)の二酸化炭素分離工程において、効率的に二酸化炭素を分離できる。酸室16から流出する酸性化濃縮海水のpHが好ましい下限値以上であれば、電気透析におけるエネルギー消費量を抑えることができる。
塩基室17から流出する塩基性化濃縮海水のpHは、9.5~11.0が好ましく、10.0~10.5がより好ましく、10.2前後が特に好ましい。塩基室17から流出する塩基性化濃縮海水のpHが好ましい下限値以上であれば、(v)の沈殿工程において、効率的に水酸化マグネシウムを沈殿させることができる。塩基室17から流出する塩基性化濃縮海水のpHが好ましい上限値以下であれば、塩基室17内で沈殿が生じてしまうことを回避しやすい。
塩基性化濃縮海水は、塩基室17内で必要以上に滞留させない方が好ましい。塩基性化濃縮海水は、塩基性化濃縮海水中のCO 2-イオンとカルシウムイオンやマグネシウムイオン等とが沈殿を形成可能な程度に塩基性化された状態で、必要以上に滞留させてしまうと、塩基室17内で沈殿が生じてしまうからである。一旦塩基室17内で沈殿が生じてしまうと、その沈殿が種結晶となり、さらなる沈殿を引き起こすので好ましくない。
酸室16から流出する酸性化濃縮海水のpHと塩基室17から流出する塩基性化濃縮海水のpHは、例えば、印加電圧と電流、酸室16、塩基室17内を通過する海水の流量等によって調整できる。バイポーラ膜電気透析装置1に再循環させることで調整してもよい。
(ii)は、海水に前記酸性化濃縮海水を添加して酸性化海水を生成する酸性化工程である。
(ii)の酸性化工程は、酸性化タンク2で行われる。海水タンク8から酸性化タンク2に供給する海水は、予め濁質を除去する前処理を施しておくことが好ましい。濁質除去には、例えば、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ナノ濾過膜を用いた濾過装置が使用できる。
酸性化濃縮海水は、バイポーラ膜電気透析装置1の酸室16から供給される。酸性化タンク2で酸性化濃縮海水を混合された後の海水(酸性化海水)のpHは、3.0~5.0が好ましく、4.0~5.0がより好ましく、4.5前後が特に好ましい。酸性化海水のpHが好ましい上限値以下であれば、海水中に溶存する大部分のHCO イオン及びCO 2-イオンがCOに転換されるので、(iii)の二酸化炭素分離工程において、効率的に二酸化炭素を分離できる。
バイポーラ膜電気透析装置1からの酸性化濃縮海水を混合しただけでは、酸性化海水のpHを充分に下げられない場合は、別途用意した酸性液を追加的に酸性化タンク2に導入してもよい。その場合の酸性液としては、例えば、塩酸、硫酸等が使用できる。
(iii)は、(ii)の酸性化工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程である。
二酸化炭素分離工程は、図1に示した二酸化炭素分離ユニット3で行われる。二酸化炭素分離ユニット3には、酸性化タンク2から酸性化海水が導入される。そして、酸性化海水に含まれる溶存COは、気体COとして分離される。真空ポンプ7により減圧状態とすることにより、溶存COから気体COへの転換が促進され、効率的に酸性化海水から気体COを分離できる。
(iv)は、(iii)の二酸化炭素分離工程で二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を塩基性液で中和して中性海水を生成する中和工程である。
中和工程は、図1に示した中和タンク4で行われる。本実施形態では、塩基性液として、(v)の水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の塩基性化濃縮海水が使用される。
水酸化マグネシウムが回収された後の塩基性化濃縮海水を混合しただけでは、酸性化海水を充分に中和できない場合は、別途用意した塩基性液を追加的に酸性化タンク2に導入してもよい。その場合の追加的な塩基性液としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が使用できる。
(v)は、(i)の透析工程で得られた塩基性化濃縮海水を水酸化マグネシウム沈殿槽5に導入して水酸化マグネシウムを沈殿させる水酸化マグネシウム沈殿工程である。
水酸化マグネシウム沈殿工程は、水酸化マグネシウム沈殿槽5で行われる。水酸化マグネシウム沈殿槽5には、バイポーラ膜電気透析装置1の塩基室17から塩基性化濃縮海水が導入される。
塩基性化濃縮海水中のマグネシウムイオンは、水酸化マグネシウム沈殿槽5内で水酸化マグネシウムとして析出し沈殿する。このとき、塩基性化濃縮海水は、CO 2-イオン濃度が低減されているので、炭酸カルシウムが同時に生成することが抑制される。そのため、純度の高い水酸化マグネシウムの沈殿が得られる。
水酸化マグネシウム沈殿槽5における塩基性化濃縮海水のpHは、9.5以上であることが好ましく、9.5~11.0であることがより好ましく、10.0~10.5であることがさらに好ましい。水酸化マグネシウム沈殿槽5における塩基性化濃縮海水のpHが好ましい下限値以上であれば、水酸化マグネシウムを効率的に沈殿させて回収することができる。水酸化マグネシウム沈殿槽5における塩基性化濃縮海水のpHが好ましい上限値以下であれば、他の水酸化鉱物(例えば、塩基性塩化マグネシウム、及び、水酸化カルシウム)の沈殿を防ぐことができる。
バイポーラ膜電気透析装置1から供給された塩基性化濃縮海水のpHが充分に高くない場合は、別途用意した塩基性液を追加的に水酸化マグネシウム沈殿槽5に導入してもよい。その場合の追加的な塩基性液としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が使用できる。
水酸化マグネシウム沈殿槽5においては、水酸化マグネシウムが充分に沈殿できるよう、充分な滞留時間をとることが好ましい。
沈殿した水酸化マグネシウムは、固液分離により、水酸化マグネシウム沈殿槽5から回収することができる。これにより、金属資源として有用な水酸化マグネシウムを得ることができる。得られた水酸化マグネシウムは、例えば、耐火材や吸着材、ゴムやプラスチックの配合剤、重金属処理剤、水質改善剤の用途に活用できる。
水酸化マグネシウム沈殿槽5での水酸化マグネシウムの沈殿を促進するために、水酸化マグネシウム沈殿槽5には、予め水酸化マグネシウムの種結晶を導入しておくことが好ましい。
また、固液分離により、水酸化マグネシウム沈殿槽5から回収した炭酸塩鉱物の一部は、種結晶として水酸化マグネシウム沈殿槽5に戻すことが好ましい。
本実施形態の水酸化マグネシウムの製造方法によれば、二酸化炭素濃度が低減した塩基性化濃縮海水から沈殿を得るので、純度の高い水酸化マグネシウムが得られる。
また、塩基性化濃縮海水のCO 2-イオンは、水酸化マグネシウム沈殿槽5において沈殿させ、塩基室17内で沈殿させないため、バイポーラ膜11やアニオン交換膜12の目詰まり等の問題も生じにくい。
<第2実施形態>
[海水中のマグネシウム回収システム]
本発明の第2実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システムを図3に基づいて説明する。なお、図3において、図1と同様の構成部材については、図1と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図1と同様に、波線の矢印は気体の経路、一重線の矢印は液体の経路、二重線の矢印は固体の経路を示す。
図3に示すように、本実施形態の海水中のマグネシウム回収システムは、バイポーラ膜電気透析装置1と、酸性化タンク2と、二酸化炭素分離ユニット3(図中では、「CO分離ユニット」と表示)と、中和タンク4と、水酸化マグネシウム沈殿槽5と、炭酸塩鉱物沈殿槽6と、真空ポンプ7とから概略構成されている。
すなわち、本実施形態のマグネシウム回収システムは、炭酸塩鉱物沈殿槽6が設けられている点が第1実施形態のマグネシウム回収システムと相違する。
炭酸塩鉱物沈殿槽6には、水酸化マグネシウム沈殿槽5から、水酸化マグネシウムが回収された後の塩基性化濃縮海水が導入されるようになっている。また、二酸化炭素分離ユニット3で分離された気体状の二酸化炭素も、真空ポンプ7を介して導入されるようになっている。
炭酸塩鉱物沈殿槽6では、導入された塩基性化濃縮海水に対して、気体状の二酸化炭素を吹き込めるようになっている。そして、炭酸塩鉱物が沈殿し、沈殿した炭酸塩鉱物が外部に取り出されて回収できるようになっている。
なお、真空ポンプ7と炭酸塩鉱物沈殿槽6との間には気体状の二酸化炭素を濃縮する装置を設けてもよい。濃縮装置としては、例えば、UBE製のUBE CO SEPARATORを使用できる。
炭酸塩鉱物沈殿槽6において炭酸塩鉱物が回収された後の塩基性化濃縮海水は、塩基性液として、中和タンク4に導入されるようになっている。
その他の点は第1実施形態と同様である。
[水酸化マグネシウムの製造方法]
本実施形態の海水中のマグネシウム回収システムでは、以下の(i)~(vi)の工程により、水酸化マグネシウムを製造すると共に、炭酸塩鉱物も製造する、水酸化マグネシウムの製造方法が実施できる。
(i)中性海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成する透析工程。
(ii)海水に前記酸性化濃縮海水を添加して酸性化海水を生成する酸性化工程。
(iii)前記酸性化工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程。
(iv)前記二酸化炭素分離工程で二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を塩基性液で中和して二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和工程。
(v)前記透析工程で得られた前記塩基性化濃縮海水を水酸化マグネシウム沈殿槽に導入して水酸化マグネシウムを沈殿させる水酸化マグネシウム沈殿工程。
(vi)前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離工程で分離された気体状の二酸化炭素を炭酸塩鉱物沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる炭酸塩鉱物沈殿工程。
(i)~(iii)、(v)の工程は、第1実施形態と同様である。(iv)の中和工程は、塩基性液として、(vi)の炭酸塩鉱物沈殿工程において、水酸化マグネシウムが回収され、さらに炭酸塩鉱物が回収された後の塩基性化濃縮海水が使用される点が第1実施形態と異なる。
なお、本実施形態でも、水酸化マグネシウムが回収され、さらに炭酸塩鉱物が回収された後の塩基性化濃縮海水を混合しただけでは、酸性化海水を充分に中和できない場合は、別途用意した塩基性液を追加的に酸性化タンク2に導入してもよい。
(vi)は、前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離工程で分離された気体状の二酸化炭素を炭酸塩鉱物沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる炭酸塩鉱物沈殿工程である。
沈殿工程は、炭酸塩鉱物沈殿槽6で行われる。
炭酸塩鉱物沈殿槽6には、水酸化マグネシウム沈殿槽5から水酸化マグネシウムが回収された後の塩基性化濃縮海水が導入される。また、二酸化炭素分離ユニット3から、真空ポンプ7を介して気体COが導入される。炭酸塩鉱物沈殿槽6内において、塩基性濃縮海水に気体COが吹き込まれることにより、塩基性化濃縮海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと、気体COが塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
また、塩基性化濃縮海水中のCO 2-イオンも、炭酸塩鉱物沈殿槽6内で充分な滞留時間をとることにより、塩基性化濃縮海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
沈殿した炭酸塩鉱物は、固液分離により、炭酸塩鉱物沈殿槽6から回収することができる。これにより、海水中の二酸化炭素を固定化できると共に、金属資源として有用な炭酸塩鉱物を得ることができる。得られた炭酸塩鉱物は、例えば、建築材料、製紙材料、プラスチック添加物等として活用できる。
炭酸塩鉱物沈殿槽6での炭酸塩鉱物の沈殿を促進するために、炭酸塩鉱物沈殿槽6には、予め炭酸塩鉱物の種結晶を導入しておくことが好ましい。
また、固液分離により、炭酸塩鉱物沈殿槽6から回収した炭酸塩鉱物の一部は、種結晶として炭酸塩鉱物沈殿槽6に戻すことが好ましい。
本実施形態によれば、水酸化マグネシウムを製造できるだけでなく、炭酸塩鉱物も製造でき、さらには、海水中の二酸化炭素を固定化でき、ひいては、大気中の二酸化炭素の低減に寄与できる。
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。上記実施形態に係る海水中のマグネシウム回収システム及び水酸化マグネシウムの製造方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」および「13.気候変動に具体的な対策を」の目標などの達成に貢献し得る。
1 バイポーラ膜電気透析装置
2 酸性化タンク
3 二酸化炭素分離ユニット
4 中和タンク
5 水酸化マグネシウム沈殿槽
6 炭酸塩鉱物沈殿槽
7 真空ポンプ
8 海水タンク
9 電極液タンク
11 バイポーラ膜
12 アニオン交換膜
13 カチオン交換膜
16 酸室
17 塩基室
18 脱塩室
21 陽極
22 陰極
23 陽極室
24 陰極室

Claims (6)

  1. 中性海水が導入され、酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置と、
    海水が導入されると共に、前記バイポーラ膜電気透析装置から前記酸性化濃縮海水が導入されることにより、酸性化海水を生成する酸性化タンクと、
    前記酸性化タンクから前記酸性化海水が導入され、気体状の二酸化炭素を分離することにより、二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を生成する二酸化炭素分離ユニットと、
    前記二酸化炭素分離ユニットから二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水が導入されると共に、塩基性液が導入されることにより、二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和タンクと、
    前記バイポーラ膜電気透析装置から前記塩基性化濃縮海水が導入され、水酸化マグネシウムの沈殿を生成する水酸化マグネシウム沈殿槽とを備え、
    前記バイポーラ膜電気透析装置に導入される中性海水は、前記中和タンクで生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水である、海水中のマグネシウム回収システム。
  2. 前記中和タンクに導入される前記塩基性液が、前記水酸化マグネシウム沈殿槽において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、請求項1に記載の海水中のマグネシウム回収システム。
  3. さらに、前記水酸化マグネシウム沈殿槽において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離ユニットで分離された気体状の二酸化炭素が導入され、炭酸塩鉱物の沈殿を生成する炭酸塩鉱物沈殿槽を備え、
    前記中和タンクに導入される前記塩基性液が、前記炭酸塩鉱物沈殿槽において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、請求項1に記載の海水中のマグネシウム回収システム。
  4. 中性海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水を生成する透析工程と、
    海水に前記酸性化濃縮海水を添加して酸性化海水を生成する酸性化工程と、
    前記酸性化工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程と、
    前記二酸化炭素分離工程で二酸化炭素濃度が低減した酸性化海水を塩基性液で中和して二酸化炭素濃度が低減した中性海水を生成する中和工程と、
    前記透析工程で得られた前記塩基性化濃縮海水を水酸化マグネシウム沈殿槽に導入して水酸化マグネシウムを沈殿させる水酸化マグネシウム沈殿工程とを備え、
    前記透析工程で使用する中性海水は、前記中和工程で生成した二酸化炭素濃度が低減した中性海水である、水酸化マグネシウムの製造方法。
  5. 前記中和工程で使用する前記塩基性液が、前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、請求項4に記載の水酸化マグネシウムの製造方法。
  6. さらに、前記水酸化マグネシウム沈殿工程において水酸化マグネシウムが回収された後の前記塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離工程で分離された気体状の二酸化炭素を炭酸塩鉱物沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる炭酸塩鉱物沈殿工程を備え、
    前記中和工程で使用する前記塩基性液が、前記炭酸塩鉱物沈殿工程において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化濃縮海水である、請求項4に記載の水酸化マグネシウムの製造方法。
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