JP2024067488A - 中空円筒状部材の検査システム、及び検査方法 - Google Patents

中空円筒状部材の検査システム、及び検査方法 Download PDF

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哲也 豊内
正浩 渡辺
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Abstract

【課題】中空円筒の内面の傷又は錆を見逃すことなく、短時間で中空円筒の内面を検査する。【解決手段】円筒内面検査システム1は、中空円筒10の内面を撮像する画像検査装置20と、中空円筒10の内径を計測する内径計測装置30と、画像検査装置20及び内径計測装置30を、中空円筒10の中空空間内で中空円筒10の軸方向に沿って搬送する搬送装置40と、を備える。これにより、中空円筒の内面の傷又は錆を見逃すことなく、短時間で中空円筒の内面を検査する。【選択図】図1

Description

本開示は、中空円筒状の部材の内面を検査する検査システム、及び検査方法に関する。
使用された機械部品を再利用する際は、部品の損傷状態の評価が必須となる。部品種別により必要な検査項目は異なるが、例えば油圧シリンダのシリンダチューブのような中空円筒状の部材の損傷としては、円筒内面に生じる傷、錆、及び摩耗などがあり、中空円筒内面の傷又は錆の有無、傷の深さ、錆の凹凸、及び内面の摩耗量の定量評価が求められる。
中空円筒状の部材の円筒内面に生じる傷、錆、及び摩耗などの定量評価のためには、円筒の全長にわたって内径を計測する必要がある。内径を計測するためには、例えば非接触光学式の内径計測装置が有効な手段となる。
非接触光学式の内径計測装置として、例えば、特許文献1には、「内径測定装置1は、レーザー変位計2及び光学鏡筒5を回転させて、測定対象8における測定孔81の内径を測定する。回転機構4は、レーザー変位計2、コリメートレンズ61、結像レンズ62、プリズム63、ケース本体部3及び光学鏡筒5を、ケース本体部3内及び光学鏡筒5内を通過する光軸中心線Cの回りに一体的に回転させる。演算手段71は、光学鏡筒5が測定対象8の測定孔81に配置された状態で、受光器27によって合焦が検出されるときの、結像レンズ62から測定孔81の内壁面までの焦点距離を測定するとともに、回転機構4を回転させて測定孔81の周方向の各点について行った焦点距離の測定結果に基づいて測定孔81の内径を算出する。」と記載されている。
また、特許文献2には、「距離測定装置は、測定光を出力する発光部と、前記発光部から出力された前記測定光の偏光状態を制御する第1偏光状態制御部と、前記第1偏光状態制御部によって偏光状態が制御された前記測定光の偏光状態を制御する第2偏光状態制御部と、前記第2偏光状態制御部により偏光状態が制御された前記測定光の出射方向を選択する光路切り替え素子と、を備え、前記第2偏光状態制御部は、前記光路切り替え素子から複数の前記出射方向に向かって前記測定光を射出するように前記測定光の偏光状態を制御し、前記光路切り替え素子は、出射した前記測定光が対象物にて反射した反射光を取り込むことを特徴とする。」と記載されている。
特開2014-126395号公報 特開2020-8496号公報
しかし、上記した定量評価を行うためには、特許文献1及び特許文献2のいずれの技術でも、中空円筒状の部材の全長が長くなると内径を計測する計測断面の数が増加する。特に、傷又は錆の検査については、見逃しを防止するために、中空円筒状の部材の軸方向の全体にわたって狭ピッチでの内径計測が求められ、建設機械などに用いられる大型の油圧シリンダなどにあっては、検査時間の長時間化が課題となる。
そこで、本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、中空円筒状の部材の内面の傷又は錆を見逃すことなく、短時間で中空円筒状の部材の内面を検査することが可能な中空円筒状部材の検査システム及び検査方法を提供することを目的とする。
本開示に係る中空円筒状部材の検査システムは、中空円筒状の部材の内面を撮像する画像検査装置と、中空円筒状の部材の内径を計測する内径計測装置と、画像検査装置及び内径計測装置を、部材の中空空間内で中空円筒の軸方向に沿って搬送する搬送装置と、を備える。
また、本開示に係る中空円筒状部材の検査方法は、中空円筒状の部材の内面を撮像する画像検査装置を、部材の中空空間内で中空円筒の軸方向に沿って搬送し、1又は複数の位置で部材の内面を撮像すること、及び中空円筒状の部材の内径を計測する内径計測装置を、軸方向に沿って搬送し、1又は複数の位置で部材の内径を計測すること、を有する。
本開示によれば、内径計測装置に画像検査装置を組み合わせることによって、画像検査装置が中空円筒状の部材の内面を撮像して、画像検査装置によって撮像された撮像画像から中空円筒状の部材の内面の傷又は錆をスクリーニングすることができる。そして、スクリーニングした傷又は錆が存在する位置で内径計測装置が部材の内径を計測することによって、中空円筒状の部材の内面の傷又は錆を見逃すことなく、短時間で中空円筒状の部材の内面を検査することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
実施例1の円筒内面検査システム1のブロック図である。 実施例1の円筒内面検査システム1の全体構成図である。 実施例1のコントローラ60のハードウェアブロック図である。 実施例1の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例1の内径計測制御部401の構成図である。 実施例1の計測ヘッド案内機構301の拡大図である。 実施例1の計測ヘッド案内機構301の正面図である。 実施例1のガイド304の正面図である。 実施例1のワーク固定台305の詳細図である。 実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法1)を示したフローチャートである。 実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法2)を示したフローチャートである。 実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法3)を示したフローチャートである。 実施例2の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例3の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例4の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例5の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例5の第1偏光状態制御部と、第2偏光状態制御部と、光路切り替え素子との関係を説明するための図である。 実施例5の第1偏光状態制御部と、第2偏光状態制御部と、光路切り替え素子との関係を説明するための図である。 実施例6の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。 実施例7の画像検査装置20のカメラの配置図である。 実施例7のカメラの移動機構の概要図である。 実施例8の円筒内面検査システム1の全体構成図である。 実施例8の円筒内面検査システムによる中空円筒10の内面の検査方法を示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
以下、実施例を図1~図23を用いて説明する。
[実施例1]
以下、実施例1の円筒内面検査システム1及び円筒内面検査システム1で実行される検査方法を、図1~図12を用いて説明する。
(円筒内面検査システム1)
図1は、実施例1の円筒内面検査システム1のブロック図である。実施例1の円筒内面検査システム1は、本発明の検査システムの一例である。実施例1の円筒内面検査システム1は、検査対象となる中空円筒状の部材(以下、中空円筒10とする)の内面を撮像し、撮像画像に基づいて傷又は錆の位置を特定し、特定した傷又は錆がある位置の内径を計測するシステムである。円筒内面検査システム1が検査対象とする中空円筒状の部材は、外観の形状が円筒の部材だけでなく、円筒以外(例えば、角筒)の部材であってもよい。すなわち、中空円筒状の部材は、外観の形状は限定されず、部材に設けられた中空空間が円柱形状であればよい。実施例1では、外観が円筒形状で、且つ中空空間が円柱形状の中空円筒10を検査対象とする。なお、中空円筒10は、例えば再利用の候補となる使用済みのシリンダであるが、使用済みの部材に限らず、未使用の部材であってもよい。中空円筒10は、建設機械等に用いられる油圧シリンダのシリンダチューブを想定する。
円筒内面検査システム1は、図1に示すように、中空円筒10の内面を撮像する画像検査装置20と、中空円筒10の内径を計測する内径計測装置30と、画像検査装置20及び内径計測装置30を中空円筒10の中空空間内で中空円筒の軸方向に沿って搬送する搬送装置40と、中空円筒10が設置されるワーク設置装置50と、これらの装置(例えば、画像検査装置20、内径計測装置30及び搬送装置40)を制御するコントローラ60と、を備える。
図2は、実施例1の円筒内面検査システム1の全体構成図である。次に、図2を参照して、円筒内面検査システム1の画像検査装置20、内径計測装置30、搬送装置40、及びワーク設置装置50の概要を説明する。
(画像検査装置20)
画像検査装置20は、主として、カメラ101a及び101b、環状照明102、並びにライトガイド103を有する。画像検査装置20は、中空円筒10の内面を撮像して、中空円筒10の内面の傷又は錆の有無を検出する。環状照明102は、円環形状の照明であって、ライトガイド103に円環状の光を照射する。ライトガイド103は、円筒形状の導光体であって、環状照明102からライトガイド103の一端に照射された光は、ライトガイド103によって導光され、ライトガイド103の他端から中空円筒10の内面に向かって照射される。中空円筒10の内面に照射された光は、中空円筒10の内面で反射し、カメラ101a及びカメラ101bの撮像素子で受光される。
コントローラ60の画像検査制御部402は、接続ケーブル410を介して、カメラ101a及び101b、並びに環状照明102を制御する。また、画像検査制御部402は、接続ケーブル410を介して、カメラ101a及び101bが撮像した撮像画像を取り込み、画像処理により中空円筒10の内面の傷又は錆の有無を検出し、傷又は錆の位置を示す座標を算出する。傷又は錆の有無の検出結果、及び傷又は錆の位置を示す座標は、装置全体制御部400に送信される。画像検査制御部402は、カメラ101a及び101bの電源部(図示せず)を有し、この電源部は、接続ケーブル410を介してカメラ101a及び101bに電源を供給する。また、画像検査制御部402は、環状照明102の電源部を有し、この電源部は、接続ケーブル410を介して環状照明102に電源を供給する。
(内径計測装置30)
内径計測装置30は、主として、測距プローブ210、レンズ部221(図4参照)、回転部222(図4参照)、及び光路変更素子223(図4参照)を有する。内径計測装置30は、中空円筒10の1又は複数の内径計測断面において、中空円筒10の内径を円周方向に沿って計測し、中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成する。本実施例の内径計測装置30は、画像検査装置20によって検出された傷又は錆の位置で中空円筒10の内径を計測し、傷又は錆がない位置での中空円筒10の内径の計測を省略することができる。接続ケーブル410によって導かれた光は、測距プローブ210に導入された後、測距プローブ210の先端で光路が変更され、中空円筒10の内面に照射される。光路変更素子223で光路が変更された測定光211は、中空円筒10の内面に照射される。中空円筒10の内径を計測するために、回転部222は、測距プローブ210を回転させる。これにより、中空円筒10の内面に照射された光は中空円筒10の円周方向に沿って走査される。
中空円筒10の内面で反射された反射光は、測定光211とは逆順で、測距プローブ210及び接続ケーブル410を介して、内径計測制御部401に導かれる。
本実施例の内径計測装置30は、距離計測の原理として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Waves)を用いるが、その他の手法を用いてもよい。例えば、TOF(Time Of Flight)法、Phase・Shift法、光コム測距法、白色共焦点法など複数の方法を採用することができる。
コントローラ60の内径計測制御部401は、中空円筒10の内径を円周方向に沿って計測するために、接続ケーブル410を介して、回転部222の回転を制御する。
画像検査装置20のライトガイド103と内径計測装置30の測距プローブ210とは、測距プローブ・ライトガイド連結部120によって連結されている。ライトガイド103と測距プローブ210とを連結することによって、測距プローブ210の回転に伴ってライトガイド103を回転させることができる。ライトガイド103には、中空円筒10の内面に照射される測定光211及び中空円筒10の内面で反射した光が通過する開口部104(図4参照)が形成されている。測距プローブ210の回転に伴ってライトガイド103を回転させることによって、中空円筒10の内面に照射される光及び中空円筒10の内面で反射した光の光路上に、常に開口部104を配置することができる。
(搬送装置40)
搬送装置40は、主として、計測ヘッド案内機構301、シャフト302、及びy軸ステージ303を有する。搬送装置40は、画像検査装置20及び内径計測装置30を中空円筒10の中空空間内で中空円筒の軸方向(y方向)に沿って搬送する。y軸ステージ303は、シャフト302を軸方向(y方向)に移動させることによって、シャフト302に連結された画像検査装置20及び内径計測装置30を軸方向(y方向)に沿って移動させる。計測ヘッド案内機構301の詳細は、後述する。
(ワーク設置装置50)
ワーク設置装置50は、主として、ガイド304、ワーク固定台305、及びワーク固定台306を有する。ガイド304は、画像検査装置20及び内径計測装置30を中空円筒10の中空空間内に案内し、且つ画像検査装置20及び内径計測装置30の中心軸を調整する。ワーク固定台305及び306は、外径が異なる複数の中空円筒10が固定可能である。ガイド304、ワーク固定台305、及びワーク固定台306の詳細は、後述する。
本実施例では、中空円筒10の全長が長いため、中空円筒10の設置時の安定性を鑑み、水平面(xy平面)に対して中空円筒10の中心軸Oが平行になるように画像検査装置20及び内径計測装置30を設置する。すなわち、図2においては、中空円筒10の中心軸Oがxy平面と平行となる。ただし、中空円筒10の設置方法は、中空円筒10の中心軸Oが平行となる場合に限定しない。例えば、中空円筒10は、中空円筒10の中心軸Oが、水平面(xy平面)に対して垂直となるように設置してもよい。
(コントローラ60)
コントローラ60は、装置全体制御部400、内径計測制御部401、画像検査制御部402、及びステージ制御部403などの機能部を有する。装置全体制御部400は、コントローラ60と通信可能に接続された検査結果表示部404の表示処理、検査結果記憶部405へのデータの書込処理、及び検査結果記憶部405からのデータの読出処理などを実行する。内径計測制御部401は、接続ケーブル410を介して、内径計測装置30の動作を制御する。内径計測制御部401の詳細は、後述する。画像検査制御部402は、接続ケーブル410を介して、画像検査装置20の環状照明102の発光制御、及びカメラ101a及びカメラ101bが撮像した撮像画像に対する画像処理などを実行する。画像検査制御部402は、例えば画像処理によって得られた輝度情報に基づいて、中空円筒10の内面の傷や錆の有無を検出する。
コントローラ60は、軸方向(y方向)の1又は複数の位置で中空円筒10の内面を撮像するよう画像検査装置20及び搬送装置40を制御し、画像検査装置20によって撮像された撮像画像に画像処理を行う。そして、コントローラ60は、中空円筒10の内面の欠陥(傷や錆)の位置を特定し、当該位置で中空円筒10の内径を計測するよう内径計測装置30及び搬送装置40を制御する。
ステージ制御部403は、搬送装置40及びワーク設置装置50の動作を制御する。ステージ制御部403は、中空円筒10の中心軸Oと計測ヘッド100や測距プローブ210の中心軸とを一致させるため、ワーク設置装置50のワーク固定台305及び306を自動で調節する。また、ステージ制御部403は、ワーク設置装置50のガイド304を自動で調節する。なお、ワーク固定台305、ワーク固定台306、及びガイド304を手動で操作してもよい。また、ステージ制御部403は、y軸ステージ303を制御し、搬送装置40の計測ヘッド案内機構301を中空円筒10の中空空間内の所定の位置に搬送する。なお、計測ヘッド案内機構301の搬送を、手動で実施してもよい。
図3は、実施例1のコントローラ60のハードウェアブロック図である。ここで、コントローラ60のハードウェア構成を説明する。コントローラ60は、図3に示すように、プロセッサ61と、主記憶部62と、補助記憶部63と、入出力I/F64と、通信I/F65と、を有する。プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などである。I/Fは、インターフェースの略である。主記憶部62は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などである。補助記憶部63は、ROM(Read Only Memory)などである。入出力I/F64は、ビデオI/FやSATA(Serial ATA)インターフェースであって、検査結果表示部404や検査結果記憶部405と通信可能に接続される。また、通信I/F65は、ネットワークコントローラなどであって、有線又は無線により外部装置とネットワークを介して通信可能に接続される。
検査結果表示部404は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、検査結果記憶部405は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)装置又はSSD(Solid State Drive)装置である。
図4は、実施例1の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。なお、図4では、計測ヘッド案内機構301の図示を省略している。次に、図4を参照して、計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の詳細を説明する。
(計測ヘッド100の詳細)
カメラ101a及び101b、環状照明102、レンズ部221、測距プローブ210、及び回転部222は、中空円筒10の中空空間内に導入される計測ヘッド100と一体的に構成される。計測ヘッド100は、コントローラ60と画像検査装置20及び内径計測装置30とを接続するケーブル類などが収容する。計測ヘッド100は、コントローラ60と物理的に分離されているが、計測ヘッド100とコントローラ60とは、複数のケーブルの束線である接続ケーブル410で通信可能に接続されている。接続ケーブル410は、カメラ101a及び101bへの電源供給用のケーブル410a、カメラ101a及び101bとの通信用のケーブル410b、環状照明102への電源供給用のケーブル410c、測距プローブ210へ測定光211を導く光ファイバケーブル410d、及び回転部222の回転を制御する制御ケーブル410eを有している。これらのケーブル410a~410eが計測ヘッド100内に収容されている。
また、計測ヘッド100には、光ファイバケーブル410dによって導入された光を集束するレンズ部221(光学素子)が収容されている。また、計測ヘッド100には、測距プローブ210及びライトガイド103を回転させる回転部222が収容されている。
画像検査装置20の電源及び内径計測装置30の光源は、計測ヘッド100に収容されておらず、コントローラ60に設けられる。このように、画像検査装置20の電源及び内径計測装置30の光源を計測ヘッド100の外側に設けることによって、計測ヘッド100の小型化を図ることができ、径が小さい中空円筒10にも計測ヘッド100を挿入することが可能となる。
(画像検査装置20の詳細)
カメラ101a及び101bの各々のレンズの中心は、環状照明102の中心と同心円の円周上に配置される。また、カメラ101a及び101bは、環状照明102の中心点を挟んで180°対抗するように配置される。また、中空円筒状のライトガイド103は、環状照明102のy軸方向の直下に配置される。なお、環状照明102と、ライトガイド103と、測距プローブ210とは、中心軸が概略一致するように配置される。
ライトガイド103は、環状照明102の照明光102aが透過する透明の素材である。なお、ライトガイド103の内径は、測距プローブ210の直径より大きく、ライトガイド103の内面には、測距プローブ210が干渉しない。また、ライトガイド103の外側面の表面粗さは、ライトガイド103によって導かれる照明光102aの波長より十分大きいものとする。環状照明102から照射された照明光102aは、ライトガイド103を通過して、ライトガイド103の先端面103aに到達する。ライトガイド103の先端面103aは、頂点がライトガイド103の中心軸に略一致する円錐の表面に対応するように形成されている。ライトガイド103の先端面103aに到達した照明光102aは、先端面103aで反射し、ライトガイド103の外側面から拡散反射して、中空円筒10の内面の検査面Tを照射する。先端面103aで反射した照明光102aは、検査面Tの範囲に拡散される。先端面103aを鏡面加工することによって、先端面103aでの反射光率を上げ、検査面Tを効率的に照射することが可能となる。あるいは、ライトガイド103の臨界角をθとすると、上記した円錐の頂角αは、α<180°-2θの条件を満たし、かつ先端面103aの表面粗さが照明光102aより十分小さい場合、照明光102aは、先端面103aにて全反射し、検査面Tを効率的に照射することができる。
なお、ライトガイド103の先端面103aの頂角αを概ね90°以上にすると、ライトガイド103の外側面から出射する照明光102aは、図4のy軸負の方向を中心に拡散する。このとき、カメラ101a及び101bに入射する光が検査面Tからの正反射光102bではなく、乱反射光102cが主成分となるよう角度α及びライトガイド103の長さを調節する。これにより、中空円筒10の内面に発生した傷の凹凸による乱反射の光成分をカメラ101a及び101bで感度よく検出し、傷を明線として検出することができる。錆については、錆からの乱反射光成分の色情報又は錆の凹凸による散乱反射から検出することができる。
さらに、ライトガイド103を用いて照明光102aを中空円筒10の内側面の検査面Tまで導光しているため、環状照明102の直径が小さい場合でも、効率よく中空円筒10の内面の検査面Tを照射することができる。仮に、ライトガイド103を用いず、環状照明102のみを用いる場合は、環状照明102からの照明光102aの一部は、中空円筒10の底面側(y軸正側)に照射され、中空円筒10の内面への照射量が低下する。以上より、ライトガイド103を用いることで環状照明102の小型化、及び計測ヘッド100の小型化を図ることができる。
(内径計測装置30の詳細)
レンズ部221は、内径計測制御部401から接続ケーブル410を介して導光された光を絞り、測定光211として測距プローブ210へと導く。測距プローブ210は、測定光211の光路が中空となっており、先端には光路変更素子223が格納されている。測距プローブ210の先端には、方向501b(xz平面に平行な方向)側に開口部(図示せず)が形成されている。測距プローブ210に導光された測定光211は、光路変更素子223にて測定光211の進行方向(y軸方向)に対して略直交する方向501b(xz平面に平行な方向)に反射する。光路変更素子223には、例えばミラー、プリズム、偏光ビームスプリッタなどが用いられる。測定光211は、ライトガイド103の側面方向(方向501b)に形成された開口部104を通って、中空円筒10の内面の計測点T0へと照射される。測距プローブ210の先端の開口部とライトガイド103の開口部104とは、測距プローブ210の中心点を通る同一直線状に配置されている。計測点T0から反射した測定光211は、中空円筒10の内面への照射とは逆の経路、すなわち、開口部104、光路変更素子223、測距プローブ210、レンズ部221、及び接続ケーブル410を経て、内径計測制御部401に到達する。
内径計測制御部401では、到達した測定光を所定の電気信号に変換して中空円筒10の計測点T0までの距離を算出する。なお、測距プローブ210の構造は、上述した例に限らない。例えば、測距プローブ210を透過する材料で構成することで、測距プローブ210の先端の開口部が不要となる。
回転部222は、モータ等の回転駆動部を有する。回転部222は、内径計測制御部401の制御に従い、モータ等を回転駆動して、レンズ部221から出力される測定光211と平行な回転軸の回りに測距プローブ210を回転させる。また、測距プローブ210とライトガイド103とは、測距プローブ・ライトガイド連結部120を介して連結されており、測距プローブ210の回転に合わせてライトガイド103も同時に回転する。このため、測距プローブ210の回転時でも、測定光211の光路上には、ライトガイド103の開口部104が存在する。測距プローブ210を回転させ、中空円筒10の内径を円周方向に沿って計測することによって、中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成することができる。
なお、ライトガイド103には必ずしも開口部104を設ける必要はない。例えば、ライトガイド103が測定光211を透過する材料で構成されている場合、測距プローブ210の先端の開口部から照射された測定光211は、ライトガイド103を透過し、中空円筒10の検査面Tで反射される。そして、検査面Tで反射された光は、再びライトガイド103を透過し、測距プローブ210の先端の開口部へと戻る。また、ライトガイド103が測定光211を透過する材料で構成されている場合は、ライトガイド103を回転させる必要がなく、測距プローブ・ライトガイド連結部120は不要となる。
(内径計測制御部401の詳細)
図5は、実施例1の内径計測制御部401の構成図である。図5を参照して、内径計測制御部401の詳細を説明する。内径計測制御部401は、光ファイバケーブル410d及び制御ケーブル410eを含む接続ケーブル410を介して、計測ヘッド100と接続されている。また、内径計測制御部401は、装置全体制御部400と接続されている。
内径計測制御部401は、発光部421、発振部422、ビームスプリッタ423、参照ミラー424、コネクタ425、受光器426、FFTアナライザ427、回転制御部428、及び距離演算部429を有する。
発振部422は、発光部421に対して三角波電流を注入し、駆動電流を変調する。発光部421は、変調された駆動電流により一定の変調速度で時間的に周波数掃引されたFM(Frequency Modulated)光420を発生して、ビームスプリッタ423に出射する。ビームスプリッタ423に入射したFM光420は、測定光211と参照光212とに分割される。測定光211は、コネクタ425を介して光ファイバケーブル410dに入射し、接続ケーブル410を経由して、レンズ部221、測距プローブ210、光路変更素子223の順に入射し、中空円筒10の計測点T0に照射される。一方、参照光212は、参照ミラー424で反射する。測定光211の中空円筒10の計測点T0からの戻り光と参照光212の参照ミラー424からの戻り光とを干渉させた干渉光213を、受光器426にて検出する。受光器426が検出した干渉ビート信号は、FFTアナライザ427にて解析される。
測定光211の戻り光及び参照光212の戻り光は、中空円筒10の計測点T0及び参照ミラー424までの距離の差Lに応じて、受光器426に到達するまでの時間差が生じるため、受光器426上で光周波数差が生じ、その周波数差に応じた干渉ビート信号が発生する。ビート周波数fb、測定光211の戻り光と参照光212の戻り光との受光器426への到着時間の差Δt、周波数掃引幅Δν、及び変調周期Twには、次式(1)の関係がある。
Δt=(Tw/Δν)×fb (1)
中空円筒10の計測点T0及び参照ミラー424までの距離の差Lは、Δtの間に光が進む距離の半分なので、大気中の光速度cを用いて、次式(2)のように算出することができる。
L=(cTw/2Δν)×fb (2)
FFTアナライザ427にて干渉光213の周波数解析を実施し、ビート周波数fbを求め、距離演算部429において式(2)を用いて計算することで距離の差Lを算出することができる。また、事前に内径が既知のサンプルで校正を実施すれば、内径の絶対値を算出することができる。以上により、内径計測装置30にて中空円筒10の内径の計測が可能となる。なお、上述した内径計測制御部401の構造は一例であり、その他、目的に応じ、改変可能である。
(搬送装置40の詳細)
図6は、実施例1の計測ヘッド案内機構301の拡大図であり、図7は、実施例1の計測ヘッド案内機構301の正面図である。次に、図6及び図7を参照して、計測ヘッド100を中空円筒10の軸方向に搬送する搬送装置40の詳細を説明する。図6は、計測ヘッド100、計測ヘッド案内機構301、及びシャフト302の平面図である。図5は、計測ヘッド案内機構301をシャフト302側から見た正面図である。
計測ヘッド案内機構301は、シャフト302側に設けられた4つの脚部307a、307b、307c及び307dと、計測ヘッド100側に設けられた4つの脚部308a、308b、308c及び308dと、を有する。計測ヘッド案内機構301は、中空円筒10の中空空間内を軸方向(y方向)に移動する。計測ヘッド案内機構301は、計測ヘッド100及びシャフト302と連結している。y軸ステージ303を用いてシャフト302をy方向に移動させることで、計測ヘッド100及び計測ヘッド案内機構301を中空円筒10の軸方向の任意の位置に移動させることができる。なお、y軸ステージ303がシャフト302を移動させることが可能な距離(移動可能距離)は、中空円筒10の全長より長いものとする。また、計測ヘッド案内機構301の脚部307a~307dのそれぞれは、計測ヘッド案内機構301の中心点を中心に半径方向に変位可能である。脚部307a~307dのそれぞれの位置を調節することで、中空円筒10の内径と、脚部307a~307dの車輪の当接面を含む外接円の直径と、を一致させることができる。これにより、異なる内径の中空円筒10に計測ヘッド案内機構301を挿入することができる。なお、本実施例では、脚部307a~307dは、自動位置決め機構(図示しない)と接続されており、自動位置決め機構は、接続ケーブル411によってステージ制御部403と接続されている。装置全体制御部400は、事前に登録された設定に従い、ステージ制御部403を介して、脚部307a~307dのそれぞれの位置を、中空円筒10の内径に適した位置に移動する。また、脚部308a~308dの構成も、上記した脚部307a~307dと同様であるので、その説明を省略する。
また、脚部307a~307dの各車輪の当接面を含む外接円、及び脚部308a~308dの各車輪の当接面を含む外接円は、中空円筒10の内径と一致するように配置される。そのため、計測ヘッド100が自重でz軸マイナス方向に倒れることを防ぐことができる。なお、計測ヘッド100が中空円筒10の中心軸Oに対して傾くと、測距プローブ210が中空円筒10の中心軸Oに対して傾いた状態で回転するため、中空円筒10の内径の測定データが楕円形状となり、正しく中空円筒10の内径を計測できなくなる。
さらに、脚部307a~307dの各車輪の当接面を含む外接円、及び脚部308a~308dの各車輪の当接面を含む外接円は、中空円筒10の内径と一致するように配置されている。そのため、計測ヘッド100及び計測ヘッド案内機構301の中心が一致するように連結されている場合、計測ヘッド100の中心が中空円筒10の中心軸Oと概略一致する。計測ヘッド100の中心と中空円筒10の中心軸Oとが概略一致する場合、測距プローブ210からの測定光211の照射条件及びライトガイド103からの照明光102aの照射条件が中空円筒内面の円周方向で均一となるため、画像検査精度及び内径計測精度が安定する。
計測ヘッド案内機構301は、側面に接続ケーブル410を格納するための溝部301aが設けられている。溝部301aに接続ケーブル410を格納することで計測ヘッド案内機構301の省スペース化を実現し、接続ケーブル410が中空円筒10と干渉することを防止することができる。
なお、脚部307a~307d及び脚部308a~308dの位置決めは、自動で行うことには限定しない。また、脚部307a~307d及び脚部308a~308dの可変機構は、上述の構造に限定されない。例えば、脚部307a~307d及び脚部308a~308dがそれぞれ、車輪を除く部分が任意の1点を中心に回転する機構とすることで、脚部307a~307d及び脚部308a~308dの車輪の当接面は、中空円筒10の内径と一致するように配置することができる。
脚部307a~307d及び脚部308a~308dを計測ヘッド案内機構301に固定し、計測ヘッド案内機構301を計測ヘッド100及びシャフト302と着脱可能に構成してもよい。これにより、中空円筒10の内径に合わせて計測ヘッド案内機構301を交換することができる。さらに、脚部307a~307d及び脚部308a~308dの数は、4つに限定されない。また、脚部307a~307dは、計測ヘッド案内機構301や計測ヘッド100が自重でz軸マイナス方向に倒れるのを防ぐために、z軸マイナス方向を支持する脚部(例えば、脚部307c及び307d)だけであってもよい。また、同様に、脚部308a~308dは、計測ヘッド案内機構301や計測ヘッド100が自重でz軸マイナス方向に倒れるのを防ぐために、z軸マイナス方向を支持する脚部(例えば、脚部308c及び308d)だけであってもよい。
(ガイド304)
図8は、実施例1のガイド304の正面図である。次に、図8を参照して、ワーク設置装置50のガイド304の詳細を説明する。図8は、ガイド304及び計測ヘッド案内機構301をシャフト302側から見た正面図である。
搬送装置40を用いて中空円筒10の中空空間内に画像検査装置20及び内径計測装置30を挿入する際、ガイド304を用いて計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを概略一致させる。
なお、検査対象の中空円筒10が交換されるなど中空円筒10の内径が変化し、計測ヘッド案内機構301を取り換える場合、ガイド304を用いて計測ヘッド案内機構301の高さを調節し、計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを一致させる。ガイド304は、例えば、治具309a、治具309b、治具309c、治具309d、x軸ステージ310a、x軸ステージ310b、及びz軸ステージ311を有する。治具309aは、脚部307a及び脚部308aの車輪と当接する斜面を有する。治具309bは、脚部307b及び脚部308bの車輪と当接する斜面を有する。治具309cは、脚部307c及び脚部308cの車輪と当接する斜面を有する。治具309dは、脚部307d及び脚部308dの車輪と当接する斜面を有する。x軸ステージ310aは、治具309a及び治具309bをそれぞれ独立にx軸方向に移動し、x軸ステージ310bは、治具309c及び治具309dをそれぞれ独立にx軸方向に移動する。また、z軸ステージ311は、x軸ステージ310a及びx軸ステージ310bをそれぞれ独立にz軸方向に移動する。
x軸ステージ310a、x軸ステージ310b及びz軸ステージ311を用いて、治具309a~309dの位置を調節して、計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを一致させる。脚部307a及び脚部308aの車輪が治具309aと当接する面を、当接面A307及び当接面A308とする。また、脚部307b及び脚部308bの車輪が治具309bと当接する面を、当接面B307及び当接面B308とする。また、脚部307c及び脚部308cの車輪が治具309cと当接する面を、当接面C307及び当接面C308とする。また、脚部307d及び脚部308dの車輪が治具309dと当接する面を、当接面D307及び当接面D308とする。これらの当接面A307~D307及びA308~D308が、xz平面上で中空円筒10の中心軸Oを中心とする円周上に来るように、x軸ステージ310a、x軸ステージ310b及びz軸ステージ311を制御して、計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを一致させる。なお、本実施例では、ステージ制御部403が、x軸ステージ310a、x軸ステージ310b及びz軸ステージ311を自動で制御するが、x軸ステージ310a、x軸ステージ310b及びz軸ステージ311を手動で調節してもよい。
また、ガイド304の構造は、上述の構成に限らない。例えば、治具309a~309dのそれぞれの斜面が、曲面であってもよい。更に、治具309a及び治具309bをx軸と平行な長辺をもつ一つの直方体治具とし、かつ、同様に治具309c及び治具309dをx軸と平行な長辺をもつ一つの直方体治具とし、x軸ステージ310a及び310bのそれぞれを治具固定部に置き換え、z軸ステージ311にて治具固定部のz軸座標を調節する構成としてもよい。
(ワーク固定台305、306)
図9は、実施例1のワーク固定台305の詳細図である。続いて、図9を参照して、ワーク固定台305の説明をする。図9は、ワーク固定台305の正面図である。ワーク固定台305は、把持部305a、把持部305b、及び両開き移動テーブル305cを有する。把持部305a及び把持部305bは、例えば直角三角形の2か所の鋭角が切り落とされた形状の治具であり、同じ形状の治具がz軸方向に線対称で配置されている。ただし、把持部305a及び把持部305bは、接近時に衝突しないように、y座標の位置をずらした位置に配置されている。また、把持部305a及び把持部305bは、両開き移動テーブル305cに搭載されている。中空円筒10は、把持部305a及び把持部305bの斜辺で挟み込み固定する。外径が異なる中空円筒10を固定する場合は、把持部305a及び把持部305bをx軸方向に移動し、中空円筒10の外径に関わらず、中空円筒10の中心軸Oのxz座標が必ず同じ位置に来るように調整する。なお、本実施例では、両開き移動テーブル305cは、ステージ制御部403からの指示に従い、把持部305a及び把持部305bを自動で移動するが、手動で調節してもよい。ワーク固定台306もワーク固定台305と同様の構成を有する。また、ワーク固定台305及び306の構成は、上述の構成には限らない。例えば、V字状の治具に中空円筒10を設置し、V字状治具をz軸方向に移動する構成としてもよい。
(検査方法1)
図10は、実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法1)を示したフローチャートである。次に、図10を参照して、実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法1)を説明する。実施例1では、図10のフローチャートの各ステップがコントローラ60の制御によって自動で実行される例を説明するが、一部のステップを手動で実行してもよい。
まず、コントローラ60は、中空円筒10を把持する図示しない把持装置を制御して、中空円筒10を円筒内面検査システム1のワーク固定台305及び306に設置する(ステップ(以下、Sと記す)101)。なお、作業者が手動で中空円筒10をワーク固定台305及び306に設置してもよい。
次に、コントローラ60は、中空円筒10の中心軸Oのz軸の高さが所定の位置にくるように、ワーク固定台305及び306を調節する。また、同時に、コントローラ60は、計測ヘッド案内機構301の脚部307a~307d及び308a~308d、並びにガイド304を調節し、計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを概略一致させる(S102)。なお、S101とS102との順番は、入れ替わってもよい。また、S102の調節は、予め装置全体制御部400に中空円筒10の品種に紐づけられた設定を記録しておき、前記記録に基づき、ワーク固定台305、ワーク固定台306、計測ヘッド案内機構301の脚部307a~307d及び308a~308d、並びにガイド304を自動で調節してもよい。また、中空円筒10の品種に基づき、手動でワーク固定台305、ワーク固定台306、計測ヘッド案内機構301の脚部307a~307d及び308a~308d、並びにガイド304を調節してもよい。
次に、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、シャフト302をy軸正の方向に動かし、計測ヘッド100及び計測ヘッド案内機構301を中空円筒10の中空空間内に挿入する。そして、コントローラ60は、画像検査装置20を制御して、中空円筒10の内面を撮像する。このとき、例えばy軸ステージ303がシャフト302を等速で移動させ、画像検査装置20が一定時間間隔で中空円筒10の内面を撮像する(S103)。
コントローラ60は、y軸ステージ303が計測ヘッド100を所定の位置まで移動させると、計測ヘッド100の移動を停止する(S104)。
その後、コントローラ60(画像検査制御部402)は、画像検査装置20の撮像画像から傷又は錆の有無を判定し、傷又は錆がある場合、撮像画像における傷又は錆の位置及びシャフト302の位置に基づいて、中空円筒10の内径計測断面のy座標を決定する(S105)。傷又は錆の深さ、凹凸、及び範囲などを評価するため、中空円筒10の計測断面のy座標は、例えば、傷又は錆の軸方向の中心などとするが、上述の位置には限定しない。
また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の傷又は錆の深さ、凹凸、及び範囲などを評価するための内径計測断面を、S105で決定したy座標に従って決定する。また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の摩耗量を評価するため、上記した内径計測断面に加えて、予め定めた断面を内径計測断面とする(S106)。
続いて、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、シャフト302をy軸負の方向(中空円筒10の内面の撮像時の移動方向とは逆方向)に動かし、S106で決定した1又は複数の内径計測断面に測距プローブ210の計測点T0が一致するようにする。そして、コントローラ60は、内径計測装置30を制御して、1又は複数の内径計測断面で中空円筒10の内径を計測し、1又は複数の内径計測断面での中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成する(S107)。
内径計測装置30で中空円筒10の内径を計測した後、コントローラ60は、中空円筒10の内面の摩耗量及びプロファイルの結果を検査結果記憶部405に記録する。また、中空円筒10の内面の摩耗量、及びプロファイルの結果を検査結果表示部404に表示する。このようにして、中空円筒10の検査が終了する。また、円筒内面検査システム1で使用済みの中空円筒10の再生可否の判定を行う場合、例えば、中空円筒10の修理後、再度、円筒内面検査システム1を用いて、傷又は錆の除去度合い、及び摩耗量の回復度合いを確認してもよい。
(検査方法2)
中空円筒10の内面の検査方法のフローは上述のものに限らない。図11は、実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法2)を示したフローチャートである。図11は、計測ヘッド案内機構301が計測ヘッド100及びシャフト302から着脱可能な場合のフローチャートである。上記した検査方法1と重複する説明は適宜省略される。
まず、コントローラ60は、中空円筒10を把持する図示しない把持装置を制御して、中空円筒10を円筒内面検査システム1のワーク固定台305及び306に設置する(S101’)。
次に、コントローラ60は、中空円筒10の内径に対応するサイズの計測ヘッド案内機構301を計測ヘッド100及びシャフト302に取り付ける(S102’)。なお、作業者が手動で中空円筒10の内径に対応するサイズの計測ヘッド案内機構301を取り付けてもよい。
次に、コントローラ60は、中空円筒10の中心軸Oのz軸の高さが所定の位置にくるように、ワーク固定台305及び306を調節する。また、同時に、コントローラ60は、計測ヘッド案内機構301のガイド304を調節し、計測ヘッド案内機構301の中心と中空円筒10の中心軸Oとを概略一致させる(S103’)。なお、S101’とS102’との順番は、入れ替わってもよい。また、S103’の調節は、予め装置全体制御部400に中空円筒10の品種に紐づけられた設定を記録しておき、前記記録に基づき、ワーク固定台305、ワーク固定台306、及びガイド304を自動で調節してもよい。また、中空円筒10の品種に基づき、手動でワーク固定台305、ワーク固定台306、及びガイド304を調節してもよい。
次に、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、シャフト302をy軸正の方向に動かし、計測ヘッド100と計測ヘッド案内機構301を中空円筒10の中空空間内に挿入する。そして、画像検査装置20を制御して、中空円筒10の内面を撮像する。このとき、例えばy軸ステージ303がシャフト302を等速で移動させ、画像検査装置20が一定時間間隔で中空円筒10の内面を撮像する(S104’)。
コントローラ60は、y軸ステージ303が計測ヘッド100を所定の位置まで移動させると、計測ヘッド100の移動を停止する(S105’)。
その後、コントローラ60(画像検査制御部402)は、画像検査装置20の撮像画像から傷又は錆の有無を判定し、傷又は錆がある場合、撮像画像における傷又は錆の位置及びシャフト302の位置に基づいて、中空円筒10の内径計測断面のy座標を決定する(S106’)。傷又は錆の深さ、凹凸、及び範囲などを評価するため、中空円筒10の計測断面のy座標は、例えば、傷又は錆の軸方向の中心などとするが、上述の位置には限定しない。
また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の傷又は錆の深さ、凹凸、及び範囲などを評価するための内径計測断面を、S106’で決定したy座標に従って決定する。また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の摩耗量を評価するため、上記した内径計測断面に加えて、予め定めた断面を内径計測断面とする(S107’)。
続いて、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、シャフト302をy軸負の方向まで動かし、S107’で決定した1又は複数の内径計測断面に測距プローブ210の計測点T0が一致するようにする。そして、コントローラ60は、内径計測装置30を制御して、1又は複数の内径計測断面で中空円筒10の内径を計測し、1又は複数の内径計測断面での中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成する(S108’)。
内径計測装置30で中空円筒10の内径を計測した後、コントローラ60は、中空円筒10の内面の摩耗量及びプロファイルの結果を検査結果記憶部405に記録する。また、中空円筒10の内面の摩耗量、及びプロファイルの結果を検査結果表示部404に表示する。
(検査方法3)
中空円筒10の内面の検査方法のフローは上述のものに限らない。図12は、実施例1の円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法(検査方法3)を示したフローチャートである。次に、図12のフローチャートでは、画像検査装置20が中空円筒10の内面を撮像する毎に、傷又は錆の有無を判定する。上記した検査方法1又は2と重複する説明は適宜省略される。
S201及びS202は、それぞれ図10のS101及びS102と同様であるので、それらの説明を省略する。
次に、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、所定のピッチで計測ヘッド100を中空円筒10の軸方向に移動させる(S203)。ピッチの大きさは、例えば中空円筒10の軸方向に対する、画像検査装置のカメラ101a及び101bの被写界深度以下とする。
そして、コントローラ60(画像検査制御部402)は、画像検査装置20の撮像画像から傷又は錆の有無を判定する(S204)。傷又は錆が検出された場合は(S204:Yes)、コントローラ60(画像検査制御部402)は、傷又は錆の代表的なy軸座標(中空円筒10の軸方向座標)を算出し、内径計測断面を決定する(S205)。傷又は錆が検出されなかった場合は(S204:No)、S207の処理を実行する。
続いて、コントローラ60は、y軸ステージ303を制御して、S205で決定した内径計測断面に測距プローブ210の計測点T0が一致するようにする。そして、コントローラ60は、内径計測装置30を制御して、中空円筒10の内径を計測し、当該内径計測断面での中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成する(S206)。
次に、事前に設定していた断面に測距プローブ210の計測点T0が達した場合(S207:Yes)、コントローラ60は、内径計測装置30を制御して、当該断面で中空円筒10の内径を計測する(S208)。そうでなければ(S207:No)は、S209の処理を実行する。
中空円筒10の所定の位置まで中空円筒10を搬送すると(S209:Yes)、コントローラ60は、中空円筒10の検査を終了し、中空円筒10の内面の摩耗量及びプロファイルの結果を検査結果記憶部405に記録する。また、中空円筒10の内面の摩耗量、及びプロファイルの結果を検査結果表示部404に表示する。そうでなければ(S209:No)、S203の処理を実行して、計測ヘッド100を所定のピッチで中空円筒10の軸方向に移動させ、S204~S209の処理を繰り返す。
図12では、計測ヘッド100を所定のピッチで移動させ、中空円筒10の内面の傷や錆を検出することを繰り返し実行したが、計測ヘッド100を移動させながら、中空円筒10の内面の傷や錆を検出してもよい。この場合、計測ヘッド100を移動させながら、撮像画像の画像処理を行う。画像処理の結果、中空円筒10の内面に傷や錆が検出されると、計測ヘッド100の移動を停止し、その位置で中空円筒10の内径を計測する。
(実施例1の効果)
本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)中空円筒10の内面の傷又は錆の有無、傷の深さ、錆の凹凸、及び内面の摩耗量を評価する際に、画像検査装置20と内径計測装置30とを組み合わせることにより、画像検査装置20を上記した欠陥のスクリーニング機構として用いることができる。これにより、傷又は錆の座標を特定し、必要な位置のみを内径計測装置30で内径を計測すればよく、検査時間を抑制することができる。
(2)画像検査装置20の照明をライトガイド103により制御することによって、傷又は錆の検出感度を増加させることができる。
(3)計測ヘッド100を小型化することによって、中空円筒10の中空空間内に直接計測ヘッド100を挿入することができ、全長の長い中空円筒10の計測が可能となる。
(4)計測ヘッド100を中空円筒10の中空空間内に送り込む計測ヘッド案内機構301を、計測ヘッド100と分離することによって、異なる内径の中空円筒10に対しても同一の計測ヘッド100を用いて検査することが可能となる。
(5)中空円筒10の内径に合わせた計測ヘッド案内機構301を用いることによって、計測ヘッド100が自重方向(z軸方向)に倒れることを防ぎ、内径計測の誤差を抑制することができる。
(6)異なる内径の中空円筒10を検査する際も、計測ヘッド100の中心と中空円筒10の中心軸Oとが概略一致するため、内径計測精度ならびに画像検査の精度が安定する。
[実施例2]
以下、実施例2の円筒内面検査システムを、図13を用いて説明する。図13は、実施例2の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。図13では、計測ヘッド案内機構301の図示は省略している。実施例2では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例2の測距プローブ210Aは、ライトガイド103より長く、測距プローブ210Aの先端部は、ライトガイド103の先端部より突出した構造である。この場合、ライトガイド103に開口部104を設ける必要がない。そのため、ライトガイド103が照明光102aを導光する際の照明光102aの損失を低減することができる。また、測距プローブ210Aとライトガイド103とを同時に回転させる必要がないため、回転部222の負荷低減を図ることができる。さらに、測距プローブ210Aの中心とライトガイド103の中心との位置ずれ(偏心)による回転精度の悪化を防ぐことができる。
[実施例3]
以下、実施例3の円筒内面検査システムを、図14を用いて説明する。図14は、実施例3の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。図14では、計測ヘッド案内機構301の図示は省略している。実施例3では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例3のカメラ101a及び101bは、それぞれのレンズの中心が環状照明102Aの中心と同心円の円周と一致し、かつ環状照明102Aの中心軸を挟んで180°対抗するように配置される。環状照明102Aは、環状照明把持部105を用いて把持される。環状照明把持部105は、中空の円筒であり、環状照明把持部105の内径は、測距プローブ210より大きいものとし、測距プローブ210との干渉を避ける。
環状照明102Aは、カメラ101a及び101bと測距プローブ210内の光路変更素子223との間に配置されている。測距プローブ210の先端には、光拡散部材として円錐状の拡散反射素子106が設けられている。拡散反射素子106は、環状照明102Aからの照明光102aを中空円筒10内面の計測面Tに向けて拡散反射させる。このとき、カメラ101a及び101bに入射する光は、計測面Tからの正反射光102bではなく、乱反射光102cが主成分となるように拡散反射素子106の頂角βが調節される。これにより、中空円筒10の内面に発生した傷の凹凸による乱反射光成分をカメラ101a及び101bで感度よく検出することができ、傷を明線として検出することができる。なお、拡散反射素子106は、円盤状の拡散スクリーンであってもよい。
また、実施例3では、拡散反射素子106を用いて照明光102aを中空円筒10の内面の計測面Tまで導光しているため、環状照明102の直径が小さい場合でも、効率よく中空円筒10の内面の計測面Tを照射することができる。環状照明102Aからの照明光102aの一部は、中空円筒10の底面側(y軸側)に照射され、中空円筒10の内面への照射量が低下する。以上より、拡散反射素子106を用いることで環状照明を小型化することができ、計測ヘッド100の小型化を図ることができる。
さらに、拡散反射素子106は、実施例1で用いたライトガイド103よりも中空円筒10の軸方向の長さを短くできるため、拡散反射素子106は、ライトガイド103に対して軽量化することができる。すなわち、実施例1のライトガイド103を用いる場合と比較して、回転部222で回転させる部品の総重量が低下し、回転部222の負荷を低減することができる。
[実施例4]
以下、実施例4の円筒内面検査システムを、図15を用いて説明する。図15は、実施例4の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。図15では、計測ヘッド案内機構301の図示は省略している。実施例4では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例4のカメラ101a及び101bは、それぞれのレンズの中心が測距プローブ210の中心と同心の円の円周上に配置され、かつ測距プローブ210を挟んで180°対向するように配置される。また、点光源131及び132は、計測ヘッド100のy軸正側の端面に配置される。点光源131及び132は、測距プローブ210の中心と同心の円の円周上に配置され、かつ測距プローブ210を挟んで180°対向するように配置される。また、点光源131及び132は、カメラ101a及びカメラ101bよりも計測ヘッド100の中心軸に近い位置に配置される。測距プローブ210の先端には、延伸シャフト214が装着される。さらに、延伸シャフト214の先端には、円形スクリーン140が装着される。
点光源131と点光源132とは、タイミングをずらして点灯される。これは、複数の点光源があると、欠陥の検出感度が低下するためである。例えば、点光源131が点灯した場合、光路131aを通る照明光は、中空円筒10の内面の位置T1で正反射し、円形スクリーン140の中心部Bに投影される。また、光路131bを通る照明光は、中空円筒10の内面の位置T2で正反射し、円形スクリーン140の端部Aに投影される。すなわち、円形スクリーン140の領域ABには、検査領域T1-T2の検査面からの反射光が投影される。検査面T1-T2上に傷又は錆が存在する場合、乱反射が発生し、正反射成分が低下するため、円形スクリーン140に投影される正反射成分が減少し、円形スクリーン140の反射像上で傷に該当する箇所が黒線となる。この投影像をカメラ101aで観察し、傷又は錆のスクリーニングが実施される。点光源132による検査も同様に、カメラ101bを用いて、上記した検査面T1-T2と対向する円形スクリーン140上の検査面(図示せず)が観察される。実施例4の画像検査装置20の構成では、y軸方向に奥行を持つ検査面T1-T2をxz平面上に投影することができる。実施例1のように検査面T1-T2を直接観察する場合、中空円筒10の奥行方向(y軸方向)の検査可能範囲は、カメラ101a及び101bの被写界深度の範囲内に限定される。一方、実施例4の光学系の場合、xz平面上に投影された反射像を観察するため、被写界深度の制限がなくなり、一回の撮像で検査できる中空円筒10の奥行方向の範囲が広くなる。
また、円形スクリーン140とカメラ101a及び101bとの間の距離は変わらないため、中空円筒10の内径が変化しても、カメラ101a及び101bのピントを調節する必要がない。例えば、中空円筒10とは内径が異なる中空円筒10’を検査する場合、点光源131からの光路131’aを通る照明光は、中空円筒10’の内面の位置T1’で正反射し、円形スクリーン140の中心部Bに投影される。また、光路131’bを通る照明光は、中空円筒10’の内面の位置T2’で正反射し、円形スクリーン140の端部Aに投影される。中空円筒10の内径が中空円筒10’の内径に変化すると、検査面は、検査面T1-T2から検査面T1’-T2’に変化し、カメラ101aからの距離も変わる。このため、検査面T1-T2及び検査面T1’-T2’を直接観察する場合は、カメラ101aのピントを調節する必要がある。しかし、実施例4では、円形スクリーン140とカメラ101a及び101bとの間の距離は変わらないため、前述のように中空円筒10の内径が変化しても、カメラ101a及び101bのピントを調節する必要がない。
[実施例5]
以下、実施例5の円筒内面検査システムを、図16~図18を用いて説明する。図16は、実施例5の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。図16では、計測ヘッド案内機構301の図示は省略している。実施例5では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例1では、測定光211は、レンズ部221で絞られた後、光路変更素子223を介して、中空円筒10の内面方向(xz平面に平行な方向)に照射される。このとき、測定光211が例えばガウシアン強度分布をもつ場合、測定光211の波長λ、焦点位置のスポット半径(ビームウェスト)w0、焦点位置からの距離z、及び焦点位置からの距離zにおけるスポット半径wzには、次式(3)の関係がある。
wz=w0(1+(λz/(πw0))0.5 (3)
測定光211は、レンズ部221を通過したのち、焦点位置に向けてスポット径が収束していき、焦点位置にてスポット径が最小となる。焦点位置を通過後は再びスポット径が拡大していく。
線幅Lwの傷の深さを計測するためには、測定光211のスポット径2wzが線幅Lwより小さいことが望ましい。このためには、中空円筒10の計測点T0が、測定光211の焦点付近のスポット径2wzが線幅Lwより小さい領域内に収まる必要がある。スポット径2wzが線幅Lwより小さい領域は、測定光211の焦点から距離z1の範囲に限定される。z1は、式(3)を用いて次式(4)で示される。
z1=(πw0)×((Lw/2w0)-1)/λ (4)
すなわち、線幅Lwの傷の深さを計測するためには、内径計測装置30による計測可能領域は、焦点距離から±z1の範囲に限定される。例えば、測距プローブ210の開口部から測定光211の焦点位置までの距離をFとすると、計測可能な中空円筒10の内径(半径)の範囲は、F-z1からF+z1に限定される。なお、内径計測装置30の計測可能範囲の決定条件は、前述のスポット径以外にも他の条件も存在するが、本実施例ではスポット径のみに限定する。
実施例5では、測定光211の光路を入れ替え、測距プローブ210の開口部から測定光211の焦点位置までの距離Fを変化させることで、計測可能な中空円筒10の内径範囲を拡張する。
内径計測装置30は、測距プローブ210、レンズ部221、及び回転部222を有する。実施例5の内径計測装置30は、さらに、第1偏光状態制御部241、第2偏光状態制御部242、光路切り替え素子243、及び光路変更素子244を有する。このうち、レンズ部221、回転部222、及び第1偏光状態制御部241は、計測ヘッド100に組み込まれている。また、実施例5の内径計測制御部401には、発光部421(図5参照)の直後に直線偏光切り替え素子(図示せず)が組み込まれている。
レンズ部221は、内径計測制御部401から接続ケーブル410を介して導光された測定光211を絞り、第1偏光状態制御部241へと導く。
第1偏光状態制御部241は、例えば、1/4波長板、液晶素子、又はファイバ型偏光制御素子である。第1偏光状態制御部241は、計測ヘッド100の内部で固定されており回転しない。
回転部222は、モータ等の回転駆動部を有する。回転部222は、内径計測制御部401の制御に従い、モータ等を回転駆動して、レンズ部221から出力される測定光211と平行な回転軸回りに第2偏光状態制御部242、光路切り替え素子243、及び光路変更素子244を同時に回転させる。
第2偏光状態制御部242は、例えば、1/4波長板である。上述したように、第2偏光状態制御部242は、回転部222により、光路切り替え素子243及び光路変更素子244とともに第1の方向501aを回転軸として回転される。
光路切り替え素子243は、例えば、偏光ビームスプリッタである。光路切り替え素子243は、直線偏光切り替え素子(図示せず)と第1偏光状態制御部241によって円偏光方向を制御された測定光211を、その偏光の方向に応じて選択的に射出する。具体的には、光路切り替え素子243は、レンズ部221から出力される測定光211の進行方向と同じ進行方向である第1の方向501a(y軸方向)と、第1の方向501aに略直交する第2の方向501b(xz平面に平行な方向)との少なくとも一方に向かって光を射出する。
図17及び図18は、実施例5の第1偏光状態制御部241と、第2偏光状態制御部242と、光路切り替え素子243との関係を説明するための図である。次に、図17及び図18を参照して、実施例5の第1偏光状態制御部241と、第2偏光状態制御部242と、光路切り替え素子243との関係を説明する。ただし、図17及び図18においては、第1偏光状態制御部241には1/4波長板251を採用し、第2偏光状態制御部242は1/4波長板252を採用し、光路切り替え素子243は偏光ビームスプリッタ253を採用している。
1/4波長板251の光学軸を基準とした場合、図17に示されるように、1/4波長板251に入射する測定光211の直線偏光の振動方向502aの角度αがπ/4であるときは、1/4波長板251から出射する測定光は進行方向を見たときに時計回りに回転する円偏光状態(左円偏光)503aとなる。また、図18に示されるように、1/4波長板251に入射する測定光211の直線偏光の振動方向502aの角度αが3π/4であるときには、1/4波長板251から出射する測定光は進行方向を見たときに反時計回りに回転する円偏光状態(右円偏光)503bとなる。なお、一般に、1/4波長板は、円偏光の光が入射されると、円偏光の回転方向に応じた方向に振動する直線偏光を出射する性質を有する。したがって、図17に示されるように、1/4波長板252に対して、左円偏光503aを入射させると、1/4波長板252の光学軸に対してπ/4の角度を持った直線偏光が出射される。また、図18に示されるように、1/4波長板252に対して、右円偏光503bを入射させると、1/4波長板252の光学軸に対して3π/4の角度を持った直線偏光が出射される。1/4波長板252の後段に配置された偏光ビームスプリッタ253は、入射面510に平行な振動方向の直線偏光を透過し、すなわち、第1の方向501aに出射する。また、偏光ビームスプリッタ253は、入射面510に対してπ/2の角度をなす振動方向の直線偏光を反射する、すなわち、第2の方向501bに出射する。なお、1/4波長板252、及び偏光ビームスプリッタ253は、回転部222によって回転される。したがって、1/4波長板252の光学軸と偏光ビームスプリッタ253の入射面の間を成す角度がπ/4となるように、1/4波長板252と、偏光ビームスプリッタ253とをそれぞれ測距プローブ210に格納させた状態で、1/4波長板252、及び偏光ビームスプリッタ253を回転させれば、第1の方向501aに進行する測定光による距離測定と、第2の方向501bに進行する測定光による距離測定とを行うことができる。
ところで、1/4波長板251に入射する測定光の直線偏光の振動方向の切り替えは、内径計測制御部401内の直線偏光切り替え素子(図示せず)が実行する。直線偏光切り替え素子は、自身に電圧が印加されていない場合、図17に示されるように、1/4波長板251に入射する測定光211の直線偏光の振動方向を第1の測定光振動方向502aに調整する。また、直線偏光切り替え素子は、自身に電圧が印加されている場合、図18に示されるように、1/4波長板251に入射する測定光211の直線偏光の振動方向を第2の振動方向502bに調整する。すなわち、直線偏光切り替え素子を電気的に切り替え制御することにより、光路切り替え素子243の通過後の測定光211の出射方向を第1の方向501a又は第2の方向501bに変更することができる。
測距プローブ210は、上述したように、第2偏光状態制御部242と、光路切り替え素子243及び光路変更素子244を格納し、光路切り替え素子243から射出される測定光211を、第1の方向501a又は第2の方向501bに通過させる。第1の方向501aを通過した測定光211は、光路変更素子244にて測定光211の進行方向に対して略直交する方向(xz平面に平行な方向)に反射し、ライトガイド103の第1の開口部104aを通過し、中空円筒10の内面の計測点Taに照射される。一方、第2の方向501bを通過した測定光211は、ライトガイド103の第2の開口部104bを通過し、中空円筒10の内面の計測点Tbに照射される。なお、測距プローブ210は、上述の構造には限定されない。例えば、光路切り替え素子243及び光路変更素子244の間に1/2波長板を挿入し、第1の方向501aに出射した測定光211と第2の方向501bに出射した測定光211の偏光方向を揃えてもよい。
光路切り替え素子243と光路変更素子244とは、y軸方向に距離Lyだけ離れている。そのため、測距プローブ210の光路変更素子244を露出させる開口部から測定光211の焦点位置aまでの距離Faは、測距プローブ210の光路切り替え素子243を露出させる開口部から測定光211の焦点位置bまでの距離Fbよりも距離Lyだけ短くなる。すなわち、計測可能な中空円筒の内径(半径)の範囲は、Fb-z1からFb+z1の範囲と、Fb-Ly-z1からFb-Ly+z1の範囲の2段階となり、計測可能な内径の範囲が第1の実施例より拡張される。
[実施例6]
以下、実施例6の円筒内面検査システムを、図19を用いて説明する。図19は、実施例6の計測ヘッド100、画像検査装置20、及び内径計測装置30の拡大図である。図19では、計測ヘッド案内機構301の図示は省略している。実施例6では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例6では、内径計測装置30から照射される測定光211を中空円筒10の軸方向501a(y軸方向)と側面方向501b(xz平面に平行な方向)とを切り替える。これにより、中空円筒10の内径に加え、測距プローブ210の先端から中空円筒10の底面10aまでの距離を計測することができる。測距プローブ210の先端から中空円筒10の底面10aまでの距離を計測することで、例えば、ライトガイド103の先端又は測距プローブ210の先端と中空円筒10の底面10aとが衝突することを防止することができる。
内径計測装置30は、測距プローブ210、レンズ部221、及び回転部222を有する。さらに、実施例6の内径計測装置30は、第1偏光状態制御部241、第2偏光状態制御部242、及び光路切り替え素子243を有する。これらのうち、レンズ部221、回転部222、及び第1偏光状態制御部241は、計測ヘッド100に組み込まれている。また、実施例6の内径計測制御部401には、発光部421の直後に直線偏光切り替え素子(図示せず)が組み込まれている。
レンズ部221は、内径計測制御部401から接続ケーブル410を介して導光された測定光211を絞り、第1偏光状態制御部241へと導く。
第1偏光状態制御部241は、例えば、1/4波長板、液晶素子、又はファイバ型偏光制御素子である。第1偏光状態制御部241は、計測ヘッド100の内部で固定されており回転しない。
回転部222は、モータ等の回転駆動部を有する。回転部222は、内径計測制御部401の制御に従い、モータ等を回転駆動して、レンズ部221から出力される測定光211と平行な回転軸回りに第2偏光状態制御部242及び光路切り替え素子243を同時に回転させる。
第2偏光状態制御部242は、例えば、1/4波長板である。上述したように、第2偏光状態制御部242は、回転部222により、光路切り替え素子243とともに第1の方向501aを回転軸として回転される。
光路切り替え素子243は、例えば、偏光ビームスプリッタである。光路切り替え素子243は、直線偏光切り替え素子(図示せず)と第1偏光状態制御部241によって円偏光方向を制御された測定光211を、その偏光の方向に応じて選択的に射出する。具体的には、光路切り替え素子243は、レンズ部221から出力される測定光211の進行方向と同じ進行方向である第1の方向501a(y軸方向)と、第1の方向501aに略直交する第2の方向501b(xz平面に平行な方向)との少なくとも一方に向かって光を射出する。
なお、第1偏光状態制御部241、第2偏光状態制御部242、及び光路切り替え素子243により、測定光211の進行方向を第1の方向501a(y軸方向)と、第1の方向501aに略直交する第2の方向501b(xz平面に平行な方向)とに切り替える原理については、実施例5の図17及び図18を用いた説明と同一のため省略する。
以上により、実施例6では、中空円筒10の内径に加え、測距プローブ210の先端から中空円筒10の底面10aまでの距離を計測することができる。
[実施例7]
以下、実施例7の円筒内面検査システムを、図20及び図21を用いて説明する。図20は、実施例7の画像検査装置20のカメラの配置図である。実施例7では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例7では、画像検査装置20のカメラの配置を変更することによって、検査可能な中空円筒10の内径の範囲を広げることができる。カメラの作動距離を固定した状態で、中空円筒10の内径に応じてカメラの配置を変更することで、中空円筒10の内径が異なっても同一の画素寸法で中空円筒10の内面を検査することができる。すなわち、実施例7では、検査画像の分解能を一定に保ちながら計測可能な中空円筒10の内径の範囲を広げることができる。なお、小径の中空円筒10を検査する際は、カメラを計測ヘッド100の中心に寄せ、中空円筒10とカメラとが干渉することを防ぎ、計測ヘッド100を挿入することができるようにする。前述の対応により、1台の計測ヘッド100で小径及び大径の中空円筒10の検査が可能となる。
実施例7では、画像検査装置20のカメラとして、カメラ101a、101b、101c及び101dの4台を使用する。カメラ101a、101b、101c及び101dのレンズ中心111a、111b、111c及び111dは、環状照明102の中心O’と同心円の円周上に配置される。また、カメラ101a及び101bは、円周の中心O’を中心として180°反対に対向する。カメラ101cは、カメラ101a及び101bから90°間隔を空けて配置され、カメラ101dは、カメラ101a及びカメラ101bから90°間隔を空けて配置される。また、カメラ101c及び101dは、円周の中心O’を中心として180°反対に対向する。カメラ101a、101b、101c及び101dは、すべて同一の種類のカメラとする。また、カメラ101a及び101bは、z軸方向に移動するステージに設置されており、カメラ101cとカメラ101dは、x軸方向に移動するステージに設置されている。
例えば、カメラ101aが作動距離200mmにて、視野がx方向に200mm、z方向に150mmとなる仕様の場合、カメラ101a~101dのレンズ中心111a~111dを直径50mmの円周上に配置すると、カメラ101a、101bを合わせた視野は200mm×200mmとなる。そして、内径200mmまでの中空円筒10の内面を検査視野に収めることができる。なお、このとき、カメラ101c及び101dは、起動しない。
次に、カメラ101aをz軸正の方向に40mm移動させる。同様にカメラ101bはz軸負の方向、カメラ101cはx軸負の方向、カメラ101dはx軸正の方向にそれぞれ40mm移動させる。すなわち、カメラ101a~101dのレンズ中心111a~111dは、直径130mmの円周上に配置されている。このとき、カメラ101a~101dを起動させることで、最大180mm×√2=282mmの内径の中空円筒10の内面を検査視野に収めることができる。
カメラ101a~101dを移動させる移動機構としては、例えば図21に示すように、移動ステージを複数重ねたステージ120a及びステージ120bを用いる手法がある。図21には、カメラ101aのステージ120a、及びカメラ101bのステージ120bを図示したが、カメラ101c及び101dのステージも同様の構成とする。なお、カメラの位置の移動方法は、上述の例に限定されない。例えば、カメラをコの字型のアームに取り付け、前記アームのコの字型の片方の端部を中心に90°回転させることで、カメラのレンズ中心を小径から大径に展開することが可能となる。
また、カメラ101a~101dのレンズ中心111a~111dを径130mmの円周上に固定配置すると、計測ヘッド100を中空円筒10に挿入する際に、中空円筒10の内径が130mm以下の場合は、カメラと必ず干渉する。しかし、実施例7では、カメラ101a~101dを計測ヘッド100の中心O’に向けて40mm移動できる構造としているため、カメラ101a~101dと中空円筒10との干渉は、中空円筒10の内径が最小50mmまで生じない。正確には、カメラ101a~101dの寸法及び計測ヘッド100との干渉を考慮する必要があるが、カメラ101a~101dの配置を移動できる機構とすることで、1台の計測ヘッド100で小径及び大径の中空円筒10の内面の検査が可能となる。
[実施例8]
図22は、実施例8の円筒内面検査システム1の全体構成図である。図23は、実施例8の円筒内面検査システムによる中空円筒10の内面の検査方法を示したフローチャートである。図22及び図23を参照して、実施例8の円筒内面検査システム1の構成、及び円筒内面検査システム1による中空円筒10の内面の検査方法を説明する。図22では、図2と同様の構成(例えば、コントローラ60)を省略している。実施例8では、図23のフローチャートの各ステップがコントローラ60の制御によって自動で実行される例を説明するが、一部のステップを手動で実行してもよい。
図22に示すように、実施例8の円筒内面検査システム1は、中空円筒10の中心軸Oが水平面(xy平面)に対して垂直となるように中空円筒10を固定する。中空円筒10の中心軸Oが水平面(xy平面)に対して垂直となるように固定された中空円筒10の中空空間内にz方向に沿って画像検査装置20及び内径計測装置30を挿入する。
実施例8のワーク固定台305Aは、中空円筒10の中心軸Oが水平面(xy平面)に対して垂直となるように、中空円筒10を固定する。
また、実施例8のガイド304Aは、画像検査装置20及び内径計測装置30を中空円筒10の中空空間内に案内し、且つ画像検査装置20及び内径計測装置30の中心軸を調整する。
また、実施例8のz軸ステージ303Aは、シャフト302Aを軸方向(z方向)に移動させることによって、シャフト302Aに連結された画像検査装置20及び内径計測装置30を軸方向(z方向)に沿って移動させる。
(検査方法)
まず、コントローラ60は、中空円筒10を把持する図示しない把持装置を制御して、中空円筒10を円筒内面検査システムのワーク固定台305Aに設置する(S301)。実施例8では、中空円筒10の中心軸Oが水平面(xy平面)に対して垂直となるように中空円筒10を設置する。
次に、コントローラ60は、計測ヘッド案内機構301の脚部307a~307d及び308a~308d、並びにガイド304を調節し、計測ヘッド案内機構301の中心とワーク固定台305Aに固定された中空円筒10の中心軸Oとを概略一致させる(S302)。
次に、コントローラ60は、z軸ステージ303Aを制御して、シャフト302Aをz軸正の方向に動かし、計測ヘッド100と計測ヘッド案内機構301を中空円筒10の中空空間内に挿入する。そして、画像検査装置20を制御して、中空円筒10の内面を撮像する。このとき、例えばz軸ステージ303Aがシャフト302Aを等速で移動させ、画像検査装置20が一定時間間隔で中空円筒10の内面を撮像する(S303)。
コントローラ60は、z軸ステージ303Aが計測ヘッド100を所定の位置まで移動させると、計測ヘッド100の移動を停止する(S304)。
その後、コントローラ60(画像検査制御部402)は、画像検査装置20の撮像画像から傷又は錆の有無を判定し、傷又は錆がある場合、撮像画像における傷又は錆の位置及びシャフト302の位置に基づいて、中空円筒10の内径計測断面のz座標を決定する(S305)。
また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の傷又は錆の深さや範囲などを評価するための内径計測断面を、S305で決定したz座標に従って決定する。また、コントローラ60は、中空円筒10の内面の摩耗量を評価するため、上記した内径計測断面に加えて、予め定めた断面を内径計測断面とする(S306)。
続いて、コントローラ60は、z軸ステージ303Aを制御して、シャフト302Aをz軸負の方向に動かし、S306で決定した1又は複数の内径計測断面に測距プローブ210の計測点T0が一致するようにする。そして、コントローラ60は、内径計測装置30を制御して、1又は複数の内径計測断面で中空円筒10の内径を計測し、1又は複数の内径計測断面での中空円筒10の内面形状を示すプロファイルを作成する(S307)。
中空円筒10の中心軸Oが水平面(xy平面)に対して垂直となるように固定された中空円筒10に対しても、実施例1と同様に、中空円筒10の内面の傷又は錆を見逃すことなく、短時間で中空円筒10の内面を検査することができる。また、実施例8の円筒内面検査システム1では、実施例1の円筒内面検査システム1に比べて、設置スペースを小さくすることができる。
(変形例)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 円筒内面検査システム
10 中空円筒
20 画像検査装置
30 内径計測装置
40 搬送装置
50 ワーク設置装置
60 コントローラ
100 計測ヘッド
101a、101b、101c、101d カメラ
102、102A 環状照明
102a 照明光
103 ライトガイド
120 測距プローブ・ライトガイド連結部
210、210A 測距プローブ
211 測定光
221 レンズ部
222 回転部
223 光路変更素子
301 計測ヘッド案内機構
302、302A シャフト
303 y軸ステージ
303A z軸ステージ
304、304A ガイド
305、306、305A ワーク固定台
400 装置全体制御部
401 内径計測制御部
402 画像検査制御部
403 ステージ制御部
410 接続ケーブル

Claims (15)

  1. 中空円筒状の部材の内面を撮像する画像検査装置と、
    前記中空円筒状の部材の内径を計測する内径計測装置と、
    前記画像検査装置及び前記内径計測装置を、前記部材の中空空間内で前記中空円筒の軸方向に沿って搬送する搬送装置と、を備える
    ことを特徴とする中空円筒状部材の検査システム。
  2. 前記画像検査装置、前記内径計測装置、及び前記搬送装置を制御するコントローラをさらに備え、
    前記コントローラは、
    前記軸方向の1又は複数の位置で前記部材の内面を撮像するよう前記画像検査装置及び前記搬送装置を制御し、
    前記画像検査装置によって撮像された撮像画像に画像処理を行い、前記部材の内面の欠陥の位置を特定し、
    特定した前記位置で前記部材の内径を計測するよう前記内径計測装置及び前記搬送装置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  3. 前記コントローラは、
    前記画像検査装置が前記部材の内面を撮像する場合に、前記搬送装置を制御して、前記画像検査装置及び前記内径計測装置を前記軸方向の第1の方向に沿って搬送し、
    前記内径計測装置が前記部材の内径を計測する場合に、前記搬送装置を制御して、前記画像検査装置及び前記内径計測装置を前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に沿って搬送する
    ことを特徴とする請求項2に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  4. 前記内径計測装置は、光を前記軸方向に沿って導くプローブを有し、
    前記プローブの中心軸は前記中空円筒状の部材の中心軸と一致するように配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  5. 前記内径計測装置は、前記軸方向を中心に前記プローブを回転させ、且つ前記プローブから前記部材の内面に光を照射することにより、前記部材の内径を計測する
    ことを特徴とする請求項4に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  6. 前記搬送装置は、前記中空円筒状の部材の内面に当接する複数の脚部と、前記脚部を前記部材の内面に当接する位置まで移動させる移動機構と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  7. 前記搬送装置は、前記画像検査装置及び前記内径計測装置に着脱可能に構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  8. 前記画像検査装置は、前記部材の内面に照射される光の光源、及び前記部材の内面の画像を撮像する撮像素子を有し、
    前記内径計測装置は、光を集束する光学素子、前記光学素子によって集束された光を前記軸方向に沿って導くプローブ、前記プローブを前記軸方向の回りに回転させる回転部、を有し、
    前記光源、前記撮像素子、前記光学素子、前記プローブ、及び前記回転部は、前記部材の中空空間内に導入される計測ヘッドと一体的に構成され、
    前記画像検査装置及び前記内径計測装置を制御するコントローラは、前記計測ヘッドとは物理的に分離され、前記計測ヘッドと接続ケーブルを介して通信可能に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  9. 外径が異なる複数の中空円筒状の部材を固定可能であって、且つ、固定している前記中空円筒状の部材の中心軸を変位可能なワーク設置装置、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  10. 前記画像検査装置は、円環状に光を照射する環状照明と、前記環状照明から照射された光を導光する中空円筒状のライトガイドと、を有し、
    前記ライトガイドの先端部は、当該先端部からの出射された光が前記部材の内面を照射するように加工される
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  11. 前記内径計測装置は、光を前記軸方向に沿って導くプローブと、前記プローブの先端部に設けられ、前記光を前記部材の内面に照射する光路変更素子と、を有し、
    前記画像検査装置は、円環状に光を照射する環状照明と、前記環状照明から照射された光を導光する中空円筒状のライトガイドと、を有し、
    前記プローブは、前記ライトガイドの中空空間内に配置され、
    前記光路変更素子は、前記ライトガイドの先端よりも突出した位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  12. 前記画像検査装置は、光を照射する照明と、前記照明から照射された光が前記部材の内面を照射するよう拡散する光拡散部材と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  13. 前記画像検査装置は、光を照射する複数の点光源と、前記複数の点光源から照射され、前記部材の内面で反射した光を投影するスクリーンと、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  14. 前記画像検査装置は、前記部材の内面の画像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子の位置を前記中空円筒の径方向に移動する移動機構と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空円筒状部材の検査システム。
  15. 中空円筒状の部材の内面を撮像する画像検査装置を、前記部材の中空空間内で前記中空円筒の軸方向に沿って搬送し、1又は複数の位置で前記部材の内面を撮像すること、及び
    前記中空円筒状の部材の内径を計測する内径計測装置を、前記軸方向に沿って搬送し、1又は複数の位置で前記部材の内径を計測すること、を有する
    ことを特徴とする中空円筒状部材の検査方法。
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