JP2024067191A - クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステム - Google Patents

クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステム Download PDF

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Abstract

【課題】長手方向において、患部を均一に冷却しやすくすることができるクライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムを提供する。【解決手段】外筒10と、ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212を有する第1内筒210を備え、外筒10と第1内筒210の間に第1排出流路31を有しているクライオアブレーションカテーテル1であって、第1内筒210は供給ルーメン212と第1排出流路31を連通する孔40が形成されている孔存在領域215を有し、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計は孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さいクライオアブレーションカテーテル1と、当該クライオアブレーションカテーテル1を備えたクライオアブレーションカテーテルシステム。【選択図】図2

Description

本発明は、クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムに関する。
クライオアブレーション術は、低温にしたデバイスを対象組織に接触させることで対象組織を構成する細胞を凍結壊死させる医療技術であり、心筋組織や腫瘍組織の治療に用いられている。デバイスを低温にするための方法としては、液体窒素を用いるものや高圧ガスによるジュール・トムソン効果を用いるものがある。
特許文献1には、近端部と、遠端部と、それを貫通する主ルーメンとを備えるカテーテル本体を有する冷凍外科治療用カテーテルについて記載されている。当該冷凍外科治療用カテーテルを構成するカテーテル本体のオリフィス上には、主ルーメンを通して供給される低温流体を収納するバルーンが載置されており、カテーテル本体を通して低温流体がバルーンに供給されることによって、バルーンが膨張され、患部が冷却される。より詳細には、低温供給チューブによって近位側から遠位側に運ばれた低温流体がディフューザに形成されているポートを介してバルーン内に供給され、該低温流体が排出ルーメンを介して排出される態様が開示されている。
特表2001-524345号公報
特許文献1では、患部を冷却するための低温流体は低温供給チューブによってカテーテルの近位側から遠位側に向かって運ばれる。そして、低温流体がポートから噴射されてバルーンの径方向外方に配置されている患部を冷却する。患部を冷却したことによって温度が上昇した低温流体は、排出ルーメンによってカテーテルの遠位側から近位側に向かって運ばれる。このため、近位側に形成されているポートから噴射される低温流体は、遠位側に形成されているポートから噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇した後に近位側に運ばれてきた低温流体と混合される。これによって、バルーンの遠位側と近位側とでは、内部に保持される低温流体の温度の不均衡が生じていたため、バルーンの遠位側では冷却効率が高く、バルーンの近位側では冷却効率が低くなっていた。このため、長手方向において、患部を均一に冷却することが困難であった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、長手方向において、患部を均一に冷却しやすくすることができるクライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムを提供することにある。
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルは、以下の通りである。
[1]遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、
前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔に配置されている第1内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、
前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており前記第1内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、
前記クライオアブレーションカテーテルは、前記外筒の内面と前記第1内筒の外面の間に、前記外筒の遠位側から近位側に向かって前記流体が通過可能な第1排出流路を有しており、
前記第1内筒は、前記第1内筒の遠位部に、前記供給ルーメンと前記第1排出流路を連通する孔が形成され、前記長手方向に延在している孔存在領域を有しており、
前記長手方向において、前記孔存在領域を遠位部と近位部に二等分割したときに、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の合計は、前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さいクライオアブレーションカテーテル。
患部を冷却するための流体は、供給ルーメンによってカテーテルの近位側から遠位側に向かって運ばれる。そして、流体が孔から噴射されて外筒の径方向外方に配置されている患部を冷却する。患部を冷却したことによって温度が上昇した流体は、第1排出流路によってカテーテルの遠位側から近位側に向かって運ばれる。このため、孔存在領域の近位部から噴射される流体は、孔存在領域の遠位部から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合される。孔存在領域の遠位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計を、孔存在領域の近位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくすることにより、孔存在領域の近位部に存在している孔から噴射される流体の量が孔存在領域の遠位部に存在している孔から噴射される流体の量よりも多くなる。これにより、孔存在領域の近位部に存在している孔から噴射される流体が、孔存在領域の遠位部に存在している孔から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域の近位部に存在している孔付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域の遠位部に存在している孔の径方向外方に配置される患部と孔存在領域の近位部に存在している孔の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。
本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルは、以下の[2]~[13]であることが好ましい。
[2]前記第1内筒は前記供給ルーメンを複数有している[1]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[3]前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の数は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の数よりも多い[1]または[2]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[4]前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の平均は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の平均よりも大きい[1]~[3]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[5]前記第1内筒の近位端に近づくにつれて、前記孔の外縁で形成される図形の面積が大きくなるように構成されている[1]~[4]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[6]前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の最大幅は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の最大幅よりも大きい[1]~[5]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[7]前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の最大幅は前記第1内筒の径方向における前記供給ルーメンの長さよりも短い[1]~[6]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[8]前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有している[1]~[7]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[9]前記孔は前記バルーンの内部に位置している[8]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[10]前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第1内筒よりも近位側に配置されている第2内筒を有しており、
前記第2内筒は、前記長手方向に延在している第2-1内筒と、前記第2-1内筒の内腔に配置されており前記長手方向に延在している第2-2内筒を有しており、
前記第2-1内筒の内面と前記第2-2内筒の外面の間には、前記第1内筒に形成されている供給ルーメンと連通している第2-1流路が存在しており、
前記第2-2内筒の内腔は、前記第1内筒に形成されているガイドワイヤルーメンと連通している[1]~[9]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[11]前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第2内筒よりも近位側に配置されている第3内筒を有しており、
前記長手方向に垂直な断面において、前記第3内筒は、前記長手方向に延在しており前記第2-1流路と連通している第3-1ルーメンと、前記第3-1ルーメンと異なる領域に形成されており前記第2-2内筒の内腔と連通している第3-2ルーメンを有している[10]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[12]前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第3内筒よりも近位側に配置されている第4内筒を有しており、
前記第4内筒の内腔は、前記第3-1ルーメンと連通している[11]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[13]前記クライオアブレーションカテーテルは、さらに、前記長手方向に延在しているルーメンが形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップを備え、
前記外筒の遠位端部と前記第1内筒の遠位端部は、前記先端チップの近位端部に固定されている[1]~[12]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
本発明はまた、以下を提供する。
[14][1]~[13]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテルと、
前記供給ルーメンに前記流体を供給する流体供給装置と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、
前記第1内筒は、前記流体供給装置に接続されているクライオアブレーションカテーテルシステム。
患部を冷却するための流体は、供給ルーメンによってカテーテルの近位側から遠位側に向かって運ばれる。そして、流体が孔から噴射されて外筒の径方向外方に配置されている患部を冷却する。患部を冷却したことによって温度が上昇した流体は、第1排出流路によってカテーテルの遠位側から近位側に向かって運ばれる。このため、孔存在領域の近位部から噴射される流体は、孔存在領域の遠位部から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合される。孔存在領域の遠位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計を、孔存在領域の近位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくすることにより、孔存在領域の近位部に存在している孔から噴射される流体の量が孔存在領域の遠位部に存在している孔から噴射される流体の量よりも多くなる。これにより、孔存在領域の近位部に存在している孔から噴射される流体が、孔存在領域の遠位部に存在している孔から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域の近位部に存在している孔付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域の遠位部に存在している孔の径方向外方に配置される患部と孔存在領域の近位部に存在している孔の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。上記クライオアブレーションカテーテルを備える本発明のクライオアブレーションカテーテルシステムについても同様の効果を有する。
図1は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの一例を示す側面図を表す。 図2は、図1に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。 図3は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIII-III線における断面図を表す。 図4は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIV-IV線における切断部端面図を表す。 図5は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのV-V線における切断部端面図を表す。 図6は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのVI-VI線における切断部端面図を表す。 図7は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す断面図を表す。 図8は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのVIII-VIII線における断面図を表す。 図9は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのIX-IX線における切断部端面図を表す。 図10は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのX-X線における切断部端面図を表す。 図11は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す側面図を表す。 図12は、図11に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。 図13は、図12に示すクライオアブレーションカテーテルのXIII-XIII線における断面図を表す。 図14は、図12に示すクライオアブレーションカテーテルのXIV-XIV線における切断部端面図を表す。 図15は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのXV-XV線における断面図を表す。 図16は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのXVI-XVI線における断面図を表す。 図17は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルが備える第1内筒を示す側面図を表す。 図18は、図17に示す第1内筒の変形例を示す側面図を表す。 図19は、図18に示す第1内筒のXIX-XIX線における断面図を表す。 図20は、図18に示す第1内筒のXX-XX線における断面図を表す。
以下、本発明に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定されることはなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。各図において、便宜上、ハッチングや符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図を参照するものとする。また、図面における種々部品の寸法は、本発明の特徴を理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルは、遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、外筒の長手方向に延在し、外筒の内腔に配置されている第1内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、外筒の長手方向に垂直な断面において、第1内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており第1内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、クライオアブレーションカテーテルは、外筒の内面と第1内筒の外面の間に、外筒の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第1排出流路を有しており、第1内筒は、第1内筒の遠位部に、供給ルーメンと第1排出流路を連通する孔が形成され、外筒の長手方向に延在している孔存在領域を有しており、外筒の長手方向において、孔存在領域を遠位部と近位部に二等分割したときに、孔存在領域の遠位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計は、孔存在領域の近位部に存在している孔の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さい点に要旨を有する。
図1~図20を参照して本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテル1の全体構成について説明する。図2、図3、図7、図8、図12~図14では、外筒10と、第1内筒210と、を有しているクライオアブレーションカテーテル1を示す。本図面においては、外筒10の長手方向をx、径方向をyで示している。径方向yは、長手方向xに垂直な方向である。また、外筒10の周方向をzで示している。なお、以下ではクライオアブレーションカテーテル1を単にカテーテル1ということがある。
本明細書内において、近位側とは外筒の延在方向に対して使用者の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側、即ち処置対象側を指す。また、各部材の遠位部とは各部材のうちの遠位側半分を指し、各部材の近位部とは各部材のうちの近位側半分を指す。
図1は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの一例を示す側面図を表す。図2は、図1に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。図3は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIII-III線における断面図を表す。図4は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIV-IV線における切断部端面図を表す。図5は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのV-V線における切断部端面図を表す。図6は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのVI-VI線における切断部端面図を表す。図7は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す断面図を表す。図8は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのVIII-VIII線における断面図を表す。図9は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのIX-IX線における切断部端面図を表す。図10は、図7に示すクライオアブレーションカテーテルのX-X線における切断部端面図を表す。図11は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す側面図を表す。図12は、図11に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。図13は、図12に示すクライオアブレーションカテーテルのXIII-XIII線における断面図を表す。図14は、図12に示すクライオアブレーションカテーテルのXIV-XIV線における切断部端面図を表す。図15は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのXV-XV線における断面図を表す。図16は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのXVI-XVI線における断面図を表す。図17は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルが備える第1内筒を示す側面図を表す。図18は、図17に示す第1内筒の変形例を示す側面図を表す。図19は、図18に示す第1内筒のXIX-XIX線における断面図を表す。図20は、図18に示す第1内筒のXX-XX線における断面図を表す。
図1~図3、図7、図8に示すように、カテーテル1は、遠位端11と近位端12を有し、長手方向xに延在している外筒10を備えている。外筒10は、内腔15を有している。内腔15は外筒10の長手方向xに延在していることが好ましい。外筒10は、外筒10の外側に面している外面13と、外筒10の内腔15に面している内面14を有している。
図2、図3、図7、図8に示すように、カテーテル1は、外筒10の長手方向xに延在し、外筒10の内腔15に配置されている第1内筒210を備えている。図3、図8に示すように、第1内筒210は、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメン211と、ガイドワイヤルーメン211と異なる領域に形成されており第1内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメン212を有している。
図2、図3、図7、図8に示すように、カテーテル1は、外筒10の内面14と第1内筒210の外面213の間に、外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第1排出流路31を有している。第1排出流路31は、外筒10の内面14と第1内筒210の外面213の間に設けられた空間である。供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた流体は、外筒10の内面14と第1内筒210の外面213の間に設けられた空間である第1排出流路31を介してカテーテル1の外部に排出される。
図2、図3、図7、図8、図17に示すように、第1内筒210は、第1内筒210の遠位部に、供給ルーメン212と第1排出流路31を連通する孔40が形成され、外筒10の長手方向xに延在している孔存在領域215を有している。言い換えれば、孔存在領域215とは、第1内筒210のうち、最も遠位側に位置している孔40の遠位端から最も近位側に位置している孔40の近位端までの領域のことを言う。供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた流体は、孔40を介して第1排出流路31に噴射される。孔40は、第1内筒210に複数形成されている。
流体は、供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた後、第1内筒210の孔40から外筒10の径方向外方に噴射され、第1排出流路31を通過して遠位側から近位側に運ばれた後、カテーテル1の外部に排出される。
図17に示すように、外筒10の長手方向xにおいて、孔存在領域215を遠位部215aと近位部215bに二等分割したときに、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計が、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくなるように構成される。
孔40の外縁で形成される図形とは、内筒210を外筒10の径方向yから観察したときに孔40の外縁によって形成されている図形のことを指す。
孔存在領域215は、最も遠位側に位置している孔40の遠位端と最も近位側に位置している孔40の近位端とを結ぶ線分の中点を通る外筒10の長手方向xに垂直な直線によって二等分割される。二等分割されたうちの遠位側に位置している部分を遠位部215aという。二等分割されたうちの近位側に位置している部分を近位部215bと言う。なお、最も遠位側に位置している孔40の遠位端と最も近位側に位置している孔40の近位端とを結ぶ線分の中点を通る外筒10の長手方向xに垂直な直線上に位置している孔40については、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40および孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40のいずれにも含まれないものとする。
本発明のカテーテル1において、患部を冷却するための流体は、供給ルーメン212によってカテーテル1の近位側から遠位側に向かって運ばれる。そして、流体が孔40から噴射されて外筒10の径方向外方に配置されている患部を冷却する。患部を冷却したことによって温度が上昇した流体は、第1排出流路31によってカテーテル1の遠位側から近位側に向かって運ばれる。このため、孔存在領域215の近位部215bから噴射される流体は、孔存在領域215の遠位部215aから噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合される。孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計を、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくすることにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体の量が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射される流体の量よりも多くなる。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の径方向外方に配置される患部と孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。
カテーテル1は、十二指腸乳頭部挿入用クライオアブレーションカテーテルであることが好ましい。十二指腸乳頭部挿入用クライオアブレーションカテーテルとは、十二指腸乳頭の開口部に繋がっており、十二指腸乳頭よりも肝臓側、胆嚢側または膵臓側に位置している管腔組織を凍結させるために十二指腸乳頭部に挿入されるクライオアブレーションカテーテルであることを意味する。
外筒10は、体内に挿入されるため、好ましくは可撓性を有している。これにより体腔の形状に沿って外筒10を変形させることができる。また、形状保持のため、外筒10は弾性を有していることが好ましい。
外筒10は、一または複数の線材を所定のパターンで配置することで形成された中空体;上記中空体の内側表面または外側表面の少なくともいずれか一方に樹脂をコーティングしたもの;樹脂チューブ;またはこれらを組み合わせたもの、例えばこれらを長手軸方向に接続したものが挙げられる。線材が所定のパターンで配置された中空体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。線材は、一または複数の単線であってもよく、一または複数の撚線であってもよい。樹脂チューブは、例えば押出成形によって製造することができる。外筒10が樹脂チューブである場合、外筒10は単層または複数層から構成することができる。外筒10は長手方向xまたは周方向zの一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。
外筒10は、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリエーテルポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、ETFE)等の合成樹脂や、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属から構成することができる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
外筒10の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。
図1、図2、図7、図15に示すように、外筒10の遠位部に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってカテーテル1の遠位部の位置を視認することが可能となる。例えば、図1、図2、図15に示すように、X線不透過マーカー70は、外筒10の外面13上に設けられていてもよい。
図12に示すように、第1内筒210の遠位部に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってカテーテル1の遠位部の位置を視認することが可能となる。
上記X線不透過マーカー70の形状は、図1、図2、図15に示すように筒状であることが好ましい。他の形状としては、中空円柱状、中空多角柱状、筒に切れ込みが入った断面C字状の形状、線材を巻回したコイル形状等が挙げられる。
上記X線不透過マーカー70を構成する材料としては、例えば、鉛、バリウム、ヨウ素、タングステン、金、白金、イリジウム、ステンレス、チタン、コバルトクロム合金等のX線不透過物質を用いることができる。なお、外筒10や第1内筒210、もしくは別に設ける樹脂部材に硫酸バリウムなどのX線不透過性粒子を分散させる態様としてもよい。
図11~図13に示すように、外筒10は、外筒10の遠位部に、外筒10の径方向yに拡縮可能なバルーン50を有していることが好ましい。図11~図13は、バルーン50が拡径している状態を示している。バルーン50は、バルーン50の内部に流体を供給することによって拡径し、流体を除去することによって縮径するように構成されていることが好ましい。
外筒10がバルーン50を有している場合、外筒10のうちバルーン50を構成する部分とバルーン50以外を構成する部分とがそれぞれ異なる部品であって、これらを結合することによって外筒10が構成されていてもよい。例えば、図11、図12に示すように、外筒10がバルーン50と筒状部材16を有している構成とすることができる。なお、外筒10がバルーン50を有している場合、外筒10のうちバルーン50を構成する部分とバルーン50以外を構成する部分は一体成形されていてもよい。
カテーテル1がバルーン50を有している場合は、流体は、供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれ、第1内筒210の孔40から外筒10の径方向外方に噴射されてバルーン50を拡径させた後、第1排出流路31を通過して遠位側から近位側に運ばれてカテーテル1の外部に排出される。バルーン50を拡径させるとバルーン50の外面が血管や消化管等の生体管壁と接触するため、カテーテル1の体腔内における位置を安定させることができる。また、バルーン50の外面が血管や消化管等の生体管壁と接触することにより、バルーン50の外面が接触している組織を局所的に凍結しやすくすることができる。
バルーン50は、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径され、流体が排出されることで縮径される。図11、図12に示すように、バルーン50が拡径されている状態において、バルーン50は、略円筒形状である直管部51と、直管部51よりも遠位側に位置しており遠位側に向かって外径が小さくなっている遠位側テーパー部52と、直管部51よりも近位側に位置しており近位側に向かって外径が小さくなっている近位側テーパー部53を有していてもよい。さらに、バルーン50は、遠位側テーパー部52よりも遠位側に位置しており、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径されず、第1内筒210の外面213に固定されている遠位側スリーブ部54と、近位側テーパー部53よりも近位側に位置しており、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径されず、筒状部材16の外面に固定されている近位側スリーブ部55を有していてもよい。
外筒10のうちバルーン50を構成する材料と外筒10のうちバルーン50以外の部分を構成する材料とは同じであってもよいし、異なっていてもよいが、バルーン50を構成する材料は、外筒10のうちバルーン50以外の部分を構成する材料よりも熱伝導率が高いことが好ましい。これにより、外筒10のうち、バルーン50部分の温度の方がバルーン50以外の部分の温度よりも低下しやすくなるため、バルーン50を配置した箇所の組織の凍結効率が上昇しやすくなる。
図12に示すように、孔40はバルーン50の内部に位置していることが好ましい。即ち、孔40は、第1内筒210のうちバルーン50の内部に位置している部分に形成されていることが好ましい。孔40は、第1内筒210のうちバルーン50の内部に位置していない部分にも形成されていてもよいが、孔40は、第1内筒210のうちバルーン50の内部に位置している部分にのみ形成されていることが好ましい。これにより、外筒10のうち、バルーン50の温度の方がバルーン50以外の部分の温度よりも低下しやすくなるため、バルーン50を配置した箇所の組織の凍結効率が上昇しやすくなる。
図2、図7、図12に示すように、外筒10の長手方向xにおいて、X線不透過マーカー70は複数設けられており、一のX線不透過マーカー70は孔40よりも遠位側に位置しており、他の一のX線不透過マーカー70は孔40よりも近位側に位置していることが好ましい。これにより、X線撮像装置を用いることによって孔40の位置を認識しやすくすることが可能となる。
図12に示すように、外筒10の長手方向xにおいてバルーン50の直管部51の遠位端および近位端が位置している位置であって、第1内筒210の外面213上に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。もしくは、図12では図示していないが、外筒10の長手方向xにおけるバルーン50の直管部51の中央の位置であって、第1内筒210の外面213上に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってバルーン50の直管部51の位置を視認することが可能となる。
第1内筒210は、ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212を有している。ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212は外筒10の長手方向xに延在していることが好ましい。第1内筒210は、第1内筒210の外側、即ち、外筒10側に面している外面213と、ガイドワイヤルーメン211に面している内面214を有している。図2に示すように、ガイドワイヤルーメン211は、後述する先端チップ60の内腔63と連通していることが好ましい。
第1内筒210を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。第1内筒と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
第1内筒210は所定の材料で一体成形されていることが好ましい。所定の材料には、複数の物質を混合することによって作られた材料や、単一の物質のみによって構成されている材料が含まれる。例えば、第1内筒210は、所定の材料を用いた押出成形によって一体成形することができる。第1内筒210が所定の材料で一体成形されていることにより、部品と部品の継ぎ目がなくなるため、剛性が高い部分と低い部分とができにくくなる。このため、十二指腸乳頭部のように屈曲角度が大きい部位を通過する際の第1内筒210の屈曲を抑制しやすくすることができ、供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。また、所定の材料で一体成形することとすれば、部品を複数製造する必要がないため、第1内筒210の製造工程を容易にでき、製造に要する時間と費用を抑えることができる。
図1、図2、図7に示すように、第1内筒210は、外筒10の近位端12よりも遠位側にのみ延在していてもよい。図1、図2、図7に示すカテーテル1は、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のものである。
図11、図12に示すように、第1内筒210が外筒10の全長にわたって延在していてもよい。図11、図12に示すカテーテル1は、いわゆるオーバーザワイヤ型のものである。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離は、第1内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離よりも大きいことが好ましい。第1内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離とは、第1内筒210の図心210cを中心としたときの供給ルーメン212の図心212cまでの距離をいう。第1内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離とは、第1内筒210の図心210cを中心としたときのガイドワイヤルーメン211の図心211cまでの距離をいう。第1内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離を、第1内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離よりも大きくすることにより、供給ルーメン212はガイドワイヤルーメン211よりも第1内筒210の径方向外方に形成されることとなる。これにより、供給ルーメン212によって遠位側に運ばれた流体は孔40を介して比較的早く第1排出流路31に噴射されることができるようになるため、治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、ガイドワイヤルーメン211は第1内筒210の図心210cと重なる位置に形成されており、供給ルーメン212は第1内筒210の図心210cと重ならない位置に形成されていることが好ましい。ガイドワイヤルーメン211は第1内筒210の図心210cと重なる位置に形成され、供給ルーメン212は第1内筒210の図心210cと重ならない位置に形成されていることにより、供給ルーメン212はガイドワイヤルーメン211よりも第1内筒210の径方向外方に形成されることとなる。これにより、供給ルーメン210によって遠位側に運ばれた流体は孔40を介して比較的早く第1排出流路31に噴射されることができるようになるため、治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。また、ガイドワイヤルーメン211が第1内筒210の図心210cと重なる位置に形成されることによって、ガイドワイヤが第1内筒210の軸心に位置しやすくなるため、カテーテル1の操作性を向上させやすくすることができる。
第1内筒210は供給ルーメン212を1つのみ有していてもよいし、2つ有していてもよいし、それ以上有していてもよいが、図3に示すように、第1内筒210は供給ルーメン212を複数有していることが好ましい。第1内筒210が供給ルーメン212を複数有していることにより、屈曲角度が大きい部位を通過する際にカテーテル1が屈曲することによって1つの供給ルーメン212が閉塞したとしても、残りの供給ルーメン212によって流体を送り込むことができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
図16に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210は、第1供給ルーメン2121と、第1内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121の隣に形成されている第2供給ルーメン2122と、第1内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121と第2供給ルーメン2122の隣に形成されている第3供給ルーメン2123を有していてもよい。図示しないが、内筒210は、第1供給ルーメン2121、第2供給ルーメン2122、第3供給ルーメン2123に加え、さらに、内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを1つ以上有していてもよい。本明細書内では、第1供給ルーメン2121、第2供給ルーメン2122、第3供給ルーメン2123、内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な4つ目以上の供給ルーメン、のうちいずれか一つまたはいずれか2以上の組み合わせを供給ルーメン212または複数の供給ルーメン212と呼ぶことがある。上記のように3以上の供給ルーメン212を有する構成とすることにより、屈曲した体腔を通過する際にクライオアブレーションカテーテル1が屈曲することによって2つの供給ルーメン212が閉塞したとしても、残りの供給ルーメン212によって流体を送り込むことができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
孔40の形状は、円形状、長円形状、多角形状等の形状にすることができる。孔40は、全て同じ形状であってもよいし、それぞれの孔40が異なる形状であってもよい。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、一の供給ルーメン212に対して一の孔40が形成されていることが好ましい。図19に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、一の供給ルーメン212に対して複数の孔40が形成されていてもよい。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線上には孔40は1つのみ存在していることが好ましい。図3では、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線を二点鎖線で表している。カテーテル1が屈曲する際には、第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分に特に力が加わる。第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分は2か所存在することになるが、いずれか一方には外筒10の長手方向xに伸びる力が、他方には外筒10の長手方向xに縮む力が加わる。特に、孔40が形成されている部分は他の部分と比較して剛性が低く、屈曲しやすくなる傾向にある。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線上に孔40が1つのみ存在するように構成することで、第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分の剛性を維持しやすくすることができるため、屈曲に対する耐性を向上させやすくすることができる。これにより、カテーテル1の屈曲による供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線上には供給ルーメン212は1つのみ存在していることが好ましい。図3では、第1内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線を二点鎖線で表している。カテーテル1が屈曲する際には、第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分に特に力が加わる。第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分は2か所存在することになるが、いずれか一方には外筒10の長手方向xに伸びる力が、他方には外筒10の長手方向xに縮む力が加わる。特に、孔40が形成されている部分は他の部分と比較して剛性が低く、屈曲しやすくなる傾向にある。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線上に供給ルーメン212が1つのみ存在するように構成することで、第1内筒210の外周縁上であって、第1内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分の剛性を維持しやすくすることができるため、屈曲に対する耐性を向上させやすくすることができる。これにより、カテーテル1の屈曲による供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。
図15に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、複数の供給ルーメン212は、第1内筒210の図心210cを中心とする仮想円210s上に位置していることが好ましい。図15では、第1内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210sを二点鎖線で表している。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210に形成されている複数の供給ルーメン212の全てが、第1内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210s上に位置していることが好ましい。第1内筒210のうち供給ルーメン212が形成されている部分は中が空洞であるため、屈曲に対する耐性が低下しやすくなる傾向にあるが、上記のような構成とすることで、図15に示すように、供給ルーメン212が第1内筒210の周方向に並ぶことになるため、屈曲に対する耐性が低下しやすい部分が第1内筒210の周方向に散在することとなる。このようにすることで、第1内筒210が屈曲する方向に関わらず、耐性を維持しやすくすることができる。図示しないが、上記と同様の理由で、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、複数の供給ルーメン212の図心212cがいずれも第1内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210s上に位置していることも好ましい。
外筒10の長手方向xにおいて、孔存在領域215を遠位部215aと近位部215bに二等分割したときに、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計が、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくなるように構成されていれば、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の直径または最大幅は、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の直径または最大幅と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
外筒10の長手方向xにおいて、孔存在領域215を遠位部215aと近位部215bに二等分割したときに、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計が、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さくなるように構成されていれば、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の数と、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の数は同じであってもよいし異なっていてもよい。
図18に示すように、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の数は、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の数よりも多いことが好ましい。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体の量が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射される流体の量よりも多くなりやすくなる。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の径方向外方に配置される患部と孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。図18に示すように、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の数が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の数よりも多く、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の直径が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の直径よりも大きくてもよい。図示しないが、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の数が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の数よりも多く、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の直径が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の直径と同じであってもよい。
図18に示すように、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の平均は、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の外縁で形成される図形の面積の平均よりも大きいことが好ましい。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体の量が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射される流体の量よりも多くなりやすくなる。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の径方向外方に配置される患部と孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。
図17に示すように、第1内筒210の近位端に近づくにつれて、孔40の外縁で形成される図形の面積が大きくなるように構成されていることが好ましい。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体の量が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射される流体の量よりも多くなりやすくなる。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の径方向外方に配置される患部と孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。
図18に示すように、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の最大幅は、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の最大幅よりも大きいことが好ましい。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体の量が孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射される流体の量よりも多くなりやすくなる。これにより、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40から噴射される流体が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40から噴射された後に患部を冷却したことによって温度が上昇し、第1排出流路31を通過して近位側に運ばれてきた流体と混合されたとしても、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40付近における流体の温度上昇を抑制しやすくすることができる。これにより、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の径方向外方に配置される患部と孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の径方向外方に配置される患部を均一に冷却しやすくすることができる。上記と同様の理由で、孔存在領域215の近位部215bに存在している全ての孔40の最大幅が、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40全ての孔の最大幅よりも大きいことも好ましい。
図18、図20に示すように、孔存在領域215の遠位部215aに存在している孔40の最大幅は第1内筒210の径方向における供給ルーメン212の長さよりも短いことが好ましい。これにより、ジュール・トムソン効果による冷却効果を高めやすくすることができる。上記と同様の理由で、孔存在領域215の近位部215bに存在している孔40の最大幅が第1内筒210の径方向における供給ルーメン212の長さよりも短いことも好ましい。
上記カテーテル1に用いられる流体は液体であってもよいし、気体であってもよい。流体が液体である場合は、流体として窒素やフロンを用いることができる。流体が気体である場合は、流体としてガスを用いることができる。ガスとしては、例えばアルゴンや二酸化炭素、亜酸化窒素が挙げられる。カテーテル1に用いられる流体はガスであることが好ましい。
図16に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210は、第1供給ルーメン2121と、第1内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121の隣に形成されている第2供給ルーメン2122を有し、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1内筒210の図心210cを一端とした第1供給ルーメン2121の図心2121cを通る半直線と、第1内筒210の図心210cを一端とした第2供給ルーメン2122の図心2122cを通る半直線によって形成される角度αが、105度以上、135度以下であることが好ましい。図16では、第1内筒210の図心210cを一端とした第1供給ルーメン2121の図心2121cを通る半直線と、第1内筒210の図心210cを一端とした第2供給ルーメン2122の図心2122cを通る半直線を二点鎖線で表している。
上記角度αは、105度以上であることが好ましく、110度以上であることがより好ましく、115度以上であることがさらに好ましい。上記角度αは、135度以下であることが好ましく、130度以下であることがより好ましく、125度以下であることがさらに好ましい。上記角度αは120度であることが特に好ましい。
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1排出流路31は、第1内筒210の外面213全体を覆うように存在していることが好ましい。図示しないが、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第1排出流路31は、第1内筒210の外面213の一部のみを覆うように存在していてもよい。
図2、図4、図7、図9に示すように、クライオアブレーションカテーテル1は、外筒10の長手方向xに延在し、外筒10の内腔15であって第1内筒210よりも近位側に配置されている第2内筒220を有しており、第2内筒220は、外筒10の長手方向xに延在している第2-1内筒221と、第2-1内筒221の内腔2213に配置されており外筒10の長手方向xに延在している第2-2内筒222を有しており、第2-1内筒221の内面2212と第2-2内筒222の外面2221の間には、第1内筒210に形成されている供給ルーメン212と連通している第2-1流路2214が存在しており、第2-2内筒222の内腔2223は、第1内筒210に形成されているガイドワイヤルーメン211と連通していることが好ましい。
第2内筒220を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。第2内筒220と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第2内筒220と第1内筒210を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
第2-1内筒221の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。第2-2内筒222の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。
図2に示すように、第2-2内筒222全体が第2-1内筒221の内腔2213内に配置されていてもよい。図7に示すように、第2-2内筒222の一部が第2-1内筒221の内腔2213内に位置しており、第2-2内筒222の他の一部が第2-1内筒221よりも第2-1内筒221の径方向外方に位置していてもよい。
カテーテル1が第2内筒220を有している場合は、外筒10の内面14と第2-1内筒221の外面2211の間に外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第2排出流路32を有していることが好ましく、当該第2排出流路32は第1排出流路31と連通していることが好ましい。
図2、図5に示すように、クライオアブレーションカテーテル1は、外筒10の長手方向xに延在し、外筒10の内腔15であって第2内筒220よりも近位側に配置されている第3内筒230を有しており、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第3内筒230は、外筒10の長手方向xに延在しており第2-1流路2214と連通している第3-1ルーメン231と、第3-1ルーメン231と異なる領域に形成されており第2-2内筒222の内腔2223と連通している第3-2ルーメン232を有していることが好ましい。
外筒10の長手方向xに垂直な断面において、第3-1ルーメン231の図心は第3-2ルーメン232と重ならず、第3-2ルーメン232の図心は第3-1ルーメン231と重ならないことが好ましい。これにより、第1内筒210の外縁部付近に第3-2ルーメン232を形成しやすくすることができるため、後述する開口45(ガイドワイヤポート)をカテーテル1に形成しやすくすることができる。
第3内筒230を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。第3内筒230と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第3内筒230と第1内筒210を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第3内筒230と第2内筒220を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
カテーテル1は、外筒10よりも外筒10の径方向外方の空間と第3-2ルーメン232を連通し、ガイドワイヤが挿入される開口45を有していることが好ましい。例えば、図2に示すように、第3内筒230の外面233の少なくとも一部が外筒10の内面14に接続されており、当該接続部分に向かって第3-2ルーメン232が外筒10に近づくように構成され、該第3-2ルーメン232が外筒10よりも外筒10の径方向外方の空間と連通するように構成されている開口45が設けられていることが好ましい。図2に示すカテーテル1の開口45はいわゆるガイドワイヤポートである。
カテーテル1が第3内筒230を有している場合は、外筒10の内面14と第3内筒230の外面233の間に外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第3排出流路33を有していることが好ましく、当該第3排出流路33は第1排出流路31および第2排出流路32と連通していることが好ましい。
図2、図6に示すように、クライオアブレーションカテーテル1は、外筒10の長手方向xに延在し、外筒10の内腔15であって第3内筒230よりも近位側に配置されている第4内筒240を有しており、第4内筒240の内腔243は、第3-1ルーメン231と連通していることが好ましい。
第4内筒240の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。
第4内筒240を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。第4内筒240と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第4内筒240と第1内筒210を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第4内筒240と第2内筒220を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第4内筒240と第3内筒230を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
カテーテル1が第4内筒240を有している場合は、外筒10の内面14と第4内筒240の外面241の間に外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第4排出流路34を有していることが好ましく、当該第4排出流路34は第1排出流路31および第2排出流路32および第3排出流路33と連通していることが好ましい。
また、他の実施態様として、図7、図10に示すように、カテーテル1は、長手方向xに延在し、外筒10の内腔15であって第2内筒220よりも近位側に配置されている第5内筒250を有しており、第5内筒250の内腔253は、第2-1流路2214と連通していることも好ましい。
図7~図10に示すように、カテーテル1が、第1内筒210と第2内筒220と第5内筒250を有している場合には、上述の第3内筒230は設けられていないことが好ましい。
カテーテル1は、図7に示すように、外筒10よりも外筒10の径方向外方の空間と第2-2内筒222の内腔2223を連通し、ガイドワイヤが挿入される開口45を有していることが好ましい。例えば、図7に示すように、第2-2内筒222の遠位部が第2-1内筒221の側壁と外筒10の側壁を貫通している構成とすることにより、開口45を設けることができる。図7に示すカテーテル1の開口45はいわゆるガイドワイヤポートである。
第5内筒250の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。
第5内筒250を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。第5内筒250と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第5内筒250と第1内筒210を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第5内筒250と第2内筒220を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
カテーテル1が第5内筒250を有している場合は、外筒10の内面14と第5内筒250の外面251の間に外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な第5排出流路35を有していることが好ましく、当該第5排出流路35は第1排出流路31および第2排出流路32と連通していることが好ましい。
図1、図2、図7、図11、図12に示すように、カテーテル1は、さらに、長手方向xに延在しているルーメン63が形成されている先端チップ60を備えていてもよい。図1、図2、図7に示すように、外筒10の遠位端部と第1内筒210の遠位端部が先端チップ60の近位端部に固定されていることが好ましい。
外筒10の遠位端部と第1内筒210の遠位端部が固定されていることにより、カテーテル1の第1排出流路31が遠位側においてふさがれていることが好ましい。例えば、図1、図2に示すように、外筒10の遠位端部と第1内筒210の遠位端部が先端チップ60を介して固定されていることによって、外筒10の長手方向xにおける第1排出流路31の遠位側がふさがれている構成とすることができる。図示しないが、先端チップ60を設けることなく、外筒10の遠位端部と第1内筒210の遠位端部を、第1排出流路31の遠位側がふさがるように、溶着固定させてもよい。図11、図12に示すように、外筒10がバルーン50を有している場合は、バルーン50の遠位端部と第1内筒210の遠位端部が固定されていることにより、カテーテル1の第1排出流路31が遠位側においてふさがれている構成とすることができる。これにより、孔40から外筒10の径方向外方に噴射された流体が移動するメインの方向を第1排出流路31の近位側に向かう方向にすることができる。
図1、図2、図7、図11、図12に示すように、クライオアブレーションカテーテル1は、さらに、外筒10の長手方向xに延在しているルーメン63が形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップ60を備え、外筒10の遠位端部と第1内筒210の遠位端部は、先端チップ60の近位端部に固定されていることが好ましい。近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップ60を備えていることにより、カテーテル1の遠位端部を体腔に挿入しやすくすることができる。
先端チップ60の形状は、例えば中空円柱状、中空多角柱状、中空円錐台状などにすることができるが、図1、図2に示すように、中空円錐台状であることが好ましい。
先端チップ60を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。先端チップ60と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
図1、図2、図7、図11、図12に示すように、外筒10の近位部には使用者が把持する第1ハンドル75が接続されている構成とすることができる。図2、図7、図12では、第1ハンドル75は外筒10の長手方向xに延在している中空部を有している。第1ハンドル75の形状は、例えば筒状であってもよい。図12では第1ハンドル75の中空部に外筒10と第1内筒210が挿通されている。図2では第1ハンドル75の中空部に外筒10と第4内筒240が挿通されている。図7では第1ハンドル75の中空部に外筒10と第5内筒250が挿通されている。
図11、図12に示すように、第1内筒210の近位部には第2ハンドル76が接続されている構成とすることができる。図12では、第2ハンドル76は外筒10の長手方向xに延在している中空部を有している。第2ハンドル76の形状は、例えば筒状であってもよい。図12では第2ハンドル76の中空部に第1内筒210が挿通されている。第2ハンドル76は、ガイドワイヤが挿入される開口であるガイドワイヤポートを有していてもよい。また、第2ハンドル76は、後述する流体供給装置80と接続されていてもよい。図12に示すように、第1内筒210の供給ルーメン212に流体を供給できるように、第1内筒210の近位端と流体供給装置80が直接接続されていてもよい。
第1ハンドル75と第2ハンドル76の構成材料は特に限定されないが、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
外筒10の外面13には、コーティングが施されていることが好ましい。コーティングは、外筒10の外面13の一部のみに施されていてもよいし、外筒10の外面13の全体に施されていてもよい。
外筒10の外面13に施されるコーティングは、親水性コーティングであってもよいし、疎水性コーティングであってもよく、目的に応じて選択すればよい。外筒10を親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤に浸漬したり、外筒10の外面13に親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤を塗布したり、外筒10の外面13を親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤で被覆したりすることにより、外筒10の外面13にコーティングを施すことができる。コーティング剤は、薬剤や添加剤を含んでいてもよい。
親水性コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体などの親水性ポリマー、又はこれらの任意の組み合わせで作られた親水性コーティング剤等が挙げられる。
疎水性コーティング剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、シリコーンオイル、疎水性ウレタン樹脂、カーボンコート、ダイヤモンドコート、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、セラミックコート、アルキル基やパーフルオロアルキル基で終端された表面自由エネルギーが小さい物質等が挙げられる。
上述したコーティングは、先端チップ60の外面61にも施されていてもよい。コーティングは、先端チップ60の外面61の一部のみに施されていてもよいし、先端チップ60の外面61の全体に施されていてもよい。
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルシステムは、上述したクライオアブレーションカテーテル1と、供給ルーメン212に流体を供給する流体供給装置80と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、第1内筒210は、流体供給装置80に接続されていることに要旨を有する。
流体供給装置80は、第1内筒210に流体を供給可能なものであれば特に限定されるものではない。流体供給装置80としては、例えば、流体貯蔵容器に接続された、レギュレータや流量コントローラー、ポンプなどがあげられる。
第1内筒210は、流体供給装置80と直接接続されていてもよい。例えば、図12、図13、図14に示すようなカテーテル1の場合、3つの供給ルーメン212が近位側で1つに合流し、第1内筒210の近位端が流体供給装置80と直接接続されていてもよい。
第1内筒210は、流体供給装置80と間接的に接続されていてもよい。例えば、図2に示すように、第1内筒210と流体供給装置80の間には第2内筒220と第3内筒230と第4内筒240が存在しており、第1内筒210と流体供給装置80が第2内筒220と第3内筒230と第4内筒240を介して間接的に接続されていてもよい。また、図7に示すように、第1内筒210と流体供給装置80の間には第2内筒220と第5内筒250が存在しており、第1内筒210と流体供給装置80が第2内筒220と第5内筒250を介して間接的に接続されていてもよい。
1:クライオアブレーションカテーテル
10:外筒
11:外筒の遠位端
12:外筒の近位端
13:外筒の外面
14:外筒の内面
15:外筒の内腔
210:第1内筒
210c:第1内筒の図心
210s:第1内筒の図心を中心とする仮想円
211:ガイドワイヤルーメン
211c:ガイドワイヤルーメンの図心
212:供給ルーメン
212c:供給ルーメンの図心
2121:第1供給ルーメン
2121c:第1供給ルーメンの図心
2122:第2供給ルーメン
2122c:第2供給ルーメンの図心
2123:第3供給ルーメン
2123c:第3供給ルーメンの図心
213:第1内筒の外面
214:第1内筒の内面
215:孔存在領域
215a:孔存在領域の遠位部
215b:孔存在領域の近位部
220:第2内筒
221:第2-1内筒
2211:第2-1内筒の外面
2212:第2-1内筒の内面
2213:第2-1内筒の内腔
2214:第2-1流路
222:第2-2内筒
2221:第2-2内筒の外面
2222:第2-2内筒の内面
2223:第2-2内筒の内腔
230:第3内筒
231:第3-1ルーメン
232:第3-2ルーメン
233:第3内筒の外面
240:第4内筒
241:第4内筒の外面
242:第4内筒の内面
243:第4内筒の内腔
250:第5内筒
251:第5内筒の外面
252:第5内筒の内面
253:第5内筒の内腔
31:第1排出流路
32:第2排出流路
33:第3排出流路
34:第4排出流路
35:第5排出流路
40:孔
45:開口
50:バルーン
51:直管部
52:遠位側テーパー部
53:近位側テーパー部
54:遠位側スリーブ部
55:近位側スリーブ部
60:先端チップ
61:先端チップの外面
62:先端チップの内面
63:先端チップのルーメン
70:X線不透過マーカー
75:第1ハンドル
76:第2ハンドル
80:流体供給装置

Claims (14)

  1. 遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、
    前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔に配置されている第1内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、
    前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており前記第1内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、
    前記クライオアブレーションカテーテルは、前記外筒の内面と前記第1内筒の外面の間に、前記外筒の遠位側から近位側に向かって前記流体が通過可能な第1排出流路を有しており、
    前記第1内筒は、前記第1内筒の遠位部に、前記供給ルーメンと前記第1排出流路を連通する孔が形成され、前記長手方向に延在している孔存在領域を有しており、
    前記長手方向において、前記孔存在領域を遠位部と近位部に二等分割したときに、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の合計は、前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の合計よりも小さいクライオアブレーションカテーテル。
  2. 前記第1内筒は前記供給ルーメンを複数有している請求項1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  3. 前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の数は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の数よりも多い請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  4. 前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の平均は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の外縁で形成される図形の面積の平均よりも大きい請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  5. 前記第1内筒の近位端に近づくにつれて、前記孔の外縁で形成される図形の面積が大きくなるように構成されている請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  6. 前記孔存在領域の近位部に存在している前記孔の最大幅は、前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の最大幅よりも大きい請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  7. 前記孔存在領域の遠位部に存在している前記孔の最大幅は前記第1内筒の径方向における前記供給ルーメンの長さよりも短い請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  8. 前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有している請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  9. 前記孔は前記バルーンの内部に位置している請求項8に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  10. 前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第1内筒よりも近位側に配置されている第2内筒を有しており、
    前記第2内筒は、前記長手方向に延在している第2-1内筒と、前記第2-1内筒の内腔に配置されており前記長手方向に延在している第2-2内筒を有しており、
    前記第2-1内筒の内面と前記第2-2内筒の外面の間には、前記第1内筒に形成されている供給ルーメンと連通している第2-1流路が存在しており、
    前記第2-2内筒の内腔は、前記第1内筒に形成されているガイドワイヤルーメンと連通している請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  11. 前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第2内筒よりも近位側に配置されている第3内筒を有しており、
    前記長手方向に垂直な断面において、前記第3内筒は、前記長手方向に延在しており前記第2-1流路と連通している第3-1ルーメンと、前記第3-1ルーメンと異なる領域に形成されており前記第2-2内筒の内腔と連通している第3-2ルーメンを有している請求項10に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  12. 前記クライオアブレーションカテーテルは、前記長手方向に延在し、前記外筒の内腔であって前記第3内筒よりも近位側に配置されている第4内筒を有しており、
    前記第4内筒の内腔は、前記第3-1ルーメンと連通している請求項11に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  13. 前記クライオアブレーションカテーテルは、さらに、前記長手方向に延在しているルーメンが形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップを備え、
    前記外筒の遠位端部と前記第1内筒の遠位端部は、前記先端チップの近位端部に固定されている請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
  14. 請求項1または2に記載のクライオアブレーションカテーテルと、
    前記供給ルーメンに前記流体を供給する流体供給装置と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、
    前記第1内筒は、前記流体供給装置に接続されているクライオアブレーションカテーテルシステム。
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