JP2024066848A - 位相差層付偏光板および位相差層付偏光板を有する画像表示装置 - Google Patents

位相差層付偏光板および位相差層付偏光板を有する画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、表面処理層と;偏光子、および、該偏光子の少なくとも一方の面に積層された保護層を含む偏光板と;視認側粘着剤層と;位相差層と;をこの順に備える。表面処理層は、該偏光板において視認側に配置される保護層に直接形成された層である。この表面処理層から視認側粘着剤層までの距離Dsと、視認側粘着剤層の厚みTA1と、がDs/TA1≧8の関係を満たし、位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、該位相差層の厚みTR(μm)と、該視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(TR+TA1)≧95(μm)を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板および位相差層付偏光板を有する画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、代表的には偏光板および位相差板が用いられている。実用的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。画像表示装置は、通常、外部との接触によるキズおよび衝撃から画像表示部を保護するため、カバーガラスまたは樹脂フィルムのような前面板が最表面に設けられている。近年、画像表示装置の軽量化が進められており、カバーガラスレス構造の画像表示装置の開発が進められている。カバーガラスレス構成では、偏光板が最表面となるため、前面板が省略された場合であっても画像表示部を適切に保護可能な偏光板が求められている。
特許第3325560号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することにある。
1.本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、表面処理層と;偏光子、および、該偏光子の少なくとも一方の面に積層された保護層を含む偏光板と;視認側粘着剤層と;位相差層と;をこの順に備える。この表面処理層は、偏光板において視認側に配置される保護層に直接形成された層である。この位相差層付偏光板は、表面処理層から視認側粘着剤層までの距離Dと、視認側粘着剤層の厚みTA1とがD/TA1≧8の関係を満たし、位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、該位相差層の厚みT(μm)と、該視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(T+TA1)≧95(μm)を満たす。
2.本発明の別の実施形態の位相差層付偏光板は、表面処理フィルムである表面処理層と;視認側粘着剤層と;偏光子、および、該偏光子の少なくとも一方の面に積層された保護層を含む偏光板と;位相差層側粘着剤層と;位相差層と;をこの順に備える。この表面処理層から視認側粘着剤層までの距離Dと、視認側粘着剤層の厚みTA1と、がD/TA1≧8の関係を満たし、該位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、該位相差層の厚みT(μm)と、視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(T+TA1)≧95(μm)を満たす。
3.上記1.または2.に記載の位相差層付偏光板は、上記位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、上記位相差層付偏光板に含まれる粘着剤層の合計厚みTAsum(μm)と、がTsum-TAsum≧150(μm)を満たしていてもよい。
4.上記1.から3.のいずれかに記載の位相差層付偏光板は、表面処理層の鉛筆硬度が3H以上であってもよい。
5.上記1.から4.のいずれかに記載の位相差層付偏光板は、上記視認側粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率が0.05MPa以上であってもよい。
6.上記1.および3.から5.のいずれかに記載の位相差層付偏光板は、上記偏光板の視認側に配置される保護層の厚みが40μm以上であってもよい。
7.上記2.から5.のいずれかに記載の位相差層付偏光板は、上記表面処理フィルムが表面処理面とフィルムとを含み上記フィルムの厚みが40μm以上であってもよい。
8.本発明の別の局面においては画像表示装置が提供される。この実施形態の画像表示装置は、上記1.から7.のいずれかに記載の位相差層付偏光板を備える。
本発明の実施形態によれば、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。そのため、カバーガラスレス構造のような偏光板が最表面となる画像表示装置とした場合であっても、画像表示部分を適切に保護し得る。
本発明の実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。 本発明の別の実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
A.位相差層付偏光板の全体構成
A-1.第1の実施形態
図1は、本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。図示例の位相差層付偏光板100は、表面処理層20と、偏光板10と、視認側粘着剤層30と、位相差層40と、を視認側からこの順に有する。本明細書において、視認側粘着剤層は位相差層付偏光板100が備える粘着剤層のうち、位相差層付偏光板を画像表示装置に適用した場合に最も視認側に配置される粘着剤層をいう。偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の両側に配置された保護層12、13と、を含む。保護層13は省略されていてもよい。例えば、位相差層40が保護層としても機能し得る場合、保護層13は省略されていてもよい。図示例の実施形態において、表面処理層20は、偏光子11の保護層12に直接形成された層である。位相差層付偏光板100は、位相差層40の視認側粘着剤層30と接していない面にパネル側粘着剤層が最外層としてさらに設けられ(図示せず)、画像表示装置(実質的には、画像表示セル)に貼り付け可能とされている。実用的には、最外層となるパネル側粘着剤層の表面には、位相差層付偏光板が使用に供されるまで、はく離ライナー(図示せず)が仮着されていることが好ましい。はく離ライナーを仮着することにより、実使用までの間、最外層の粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール化を可能としている。
A-2.第2の実施形態
図2は、本発明の別の実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。図示例の位相差層付偏光板100は、表面処理フィルムである表面処理層20と、視認側粘着剤層30と、偏光板10と、位相差側粘着剤層50と、位相差層40と、を視認側からこの順に有する。図示例において、表面処理フィルムである表面処理層20は、表面処理面21と、フィルム(代表的には、樹脂フィルム)22とを含む表面処理されたフィルム(以下、表面処理フィルムともいう)である。図示例において、表面処理フィルムである表面処理層20は、視認側粘着剤層30を介して偏光板10(より詳細には、偏光板10の視認側保護層12)に積層されている。偏光板10と、位相差層40とは、位相差層側粘着剤層50を介して積層される。視認側粘着剤層30と、位相差層側粘着剤層50と、は、同じ粘着剤で形成されていてもよく、異なる粘着剤で形成されていてもよい。第1の実施形態と同様に、位相差層付偏光板100は、位相差層40の位相差層側粘着剤50と接していない面にパネル側粘着剤層が最外層としてさらに設けられ(図示せず)、画像表示装置(実質的には、画像表示セル)に貼り付け可能とされている。実用的には、最外層となるパネル側粘着剤層の表面には、位相差層付偏光板が使用に供されるまで、はく離ライナー(図示せず)が仮着されていることが好ましい。はく離ライナーを仮着することにより、実使用までの間、最外層の粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール化を可能としている。
位相差層付偏光板は、表面処理層20から視認側粘着剤層30までの距離Dと、視認側粘着剤層30の厚みTA1と、がD/TA1≧8の関係を満たす。例えば、第1の実施形態(図1)では、表面処理層20から視認側粘着剤層30までの距離Dは、偏光板10と表面処理層20との合計厚みとなり得る。第2の実施形態(図2)では、表面処理層20から視認側粘着剤層30までの距離Dは、表面処理フィルムの厚み(すなわち、表面処理面21と、フィルム22の合計厚み)となり得る。D/TA1は、好ましくは8.5以上であり、より好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、特に好ましくは10.0以上である。D/TA1が上記範囲であれば、外力の影響を最も受けやすい画像表示装置の視認側表面に配置され得る層(例えば、表面処理層および偏光板)が視認側粘着剤層の厚みに対して十分な厚みを有し、位相差層付偏光板の変形を抑制することができる。その結果、より表面硬度が高い位相差層付偏光板とすることができ、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。D/TA1は、好ましくは30.0以下である。
位相差層付偏光板は、位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、位相差層の厚みT(μm)と、視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(T+TA1)≧95(μm)を満たす。Tsum-(T+TA1)は、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは110μm以上であり、さらに好ましくは120μm以上である。Tsum-(T+TA1)が上記範囲であれば、表面硬度が高く、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。Tsum-(T+TA1)は、好ましくは150μm以下である。位相差層付偏光板が2以上の位相差層を有する場合、Tは位相差層付偏光板に含まれるすべての位相差層の合計厚みをいう。
上記のとおり、本発明の実施形態の位相差層付偏光板はD/TA1≧8の関係を満たし、かつ、Tsum-(T+TA1)≧95(μm)の関係を満たす。位相差層付偏光板がこれらの関係を満たすことにより、位相差層付偏光板の構成とした場合により高い表面硬度を発揮することができる。その結果、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。D/TA1が8未満である、および/または、Tsum-(T+TA1)が95μm未満である場合、同じ表面処理層を最表面とした場合であっても、十分な表面硬度を有する位相差層付偏光板を得ることができないおそれがある。
位相差層付偏光板は、位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、位相差層付偏光板に含まれる粘着剤層の合計厚みTAsum(μm)とがTsum-TAsum≧150(μm)を満たすことが好ましい。第1の実施形態では、TAsumは視認側粘着剤層30の厚みTA1である。第2の実施形態では、TAsumは視認側粘着剤層の厚みTA1と位相差層側粘着剤層TA2との厚みの合計である。Tsum-TAsumは、より好ましくは155μm以上であり、さらに好ましくは160μm以上である。粘着剤層は、通常、位相差層付偏光板の他の構成部材よりも弾性率(例えば、貯蔵弾性率)が高い。Tsum-TAsumが上記範囲であれば、位相差層付偏光板の変形が抑制され得る。その結果、より表面硬度が高い位相差層付偏光板とすることができ、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。Tsum-TAsumは、好ましくは200μm以下である。なお、上記のとおり、位相差層付偏光板は画像表示セルとの積層のためのパネル側粘着剤層が位相差層の最外層に設けられ得るが、パネル側粘着剤層の厚みは、TAsumには含まない。
位相差層付偏光板は、位相差層40とは別の位相差層がさらに設けられてもよい(図示せず)。別の位相差層は、代表的には、位相差層40と最外層に設けられる粘着剤層との間(すなわち、位相差層40の外側)に設けられる。別の位相差層は、代表的には、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す。別の位相差層の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。
位相差層付偏光板の厚みは任意の適切な値に設定され得る。1つの実施形態において位相差層付偏光板の総厚みは、好ましくは120μm~280μmであり、より好ましくは150μm~250μmであり、さらに好ましくは170μm~230μmである。なお、位相差層付偏光板の総厚みとは、偏光板、位相差層およびこれらを積層するための接着層の厚みの合計をいう(すなわち、位相差層付偏光板の総厚みは、最外層として設けられる粘着剤層およびその表面に仮着され得るはく離ライナーの厚みを含まない)。
以下、位相差層付偏光板の構成要素について、より詳細に説明する。
B.表面処理層
上記のとおり、表面処理層20は、第1の実施形態においては偏光子の保護層に直接形成された表面処理層であり、第2の実施形態においては、表面処理面21と、フィルム(代表的には、樹脂フィルム)22とからなる表面処理フィルムである。
表面処理層は、鉛筆硬度が好ましくは2H以上であり、より好ましくは3H以上である。鉛筆硬度は、好ましくは9H以下である。鉛筆硬度が上記範囲であれば、位相差層付偏光板が十分な表面硬度を有しており、カバーガラスレス構成の画像表示装置の視認側に配置された場合であっても、外部との接触によるキズを抑制することができる。鉛筆硬度は、JIS K 5400-5-4に準じて測定され得る。
表面処理層(表面処理フィルムの場合には、表面処理面)としては、反射率の低い表面処理層を用いることが好ましい。表面処理層の反射率は、好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。表面処理層の反射率は、例えば、0.5%以上である。表面処理層(表面処理フィルムの場合には、表面処理面)は単一の層であってもよく、2以上の層からなる積層体であってもよい。
表面処理層(表面処理フィルムの場合には、表面処理面)は、好ましくは入射光と反射光の逆転した位相を互いに打ち消し合わせることで反射防止機能を発現し得るように光学膜厚(屈折率と厚みの積)が調整される。例えば、表面処理層が単一の層である場合、屈折率1.35~1.55程度の低屈折率層を、光学膜厚が120nm~140nmとなるように製膜することで、反射光強度を小さくすることができる。
1つの実施形態において、表面処理層20(表面処理フィルムの場合には、表面処理面21)として、屈折率の異なる層の多層積層体が好適に用いられる。このような多層積層体は、各層の光学膜厚(屈折率と厚みの積)を任意の適切な値に調整することによって、所望の波長範囲における反射率を低下させ得る。多層積層体の各層を形成しうる材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)等の屈折率1.35~1.55程度の低屈折率材料、および、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ZrO-TiO等の屈折率1.60~2.20程度の高屈折材料が挙げられる。また、低屈折率層と高屈折率層に加えて、酸化チタン、または、上記低屈折率材料と高屈折材料の混合物(例えば、酸化チタンと酸化ケイ素との混合物等)からなる薄膜を、屈折率1.50~1.85程度の中屈折率層として、形成してもよい。
表面処理層20は、表面にフッ素基含有のシラン系化合物およびフッ素基含有の有機化合物等で形成された防汚層を有していてもよい。防汚層を有する場合、指紋、汗、手垢等の汚染物が表面に付着し、表示が不鮮明になることを抑制し得る。
第2の実施形態において、フィルムとしては任意の適切なフィルムを用いることができる。好ましくは、樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムとしては、後述する偏光子の保護層に用いられる樹脂フィルムを好適に用いることができる。具体的には、トリアセチルセルロースフィルムが挙げられる。
第2の実施形態において、樹脂フィルムの厚みは好ましくは40μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは60μm以上である。樹脂フィルムの厚みが40μm以上であれば、位相差層付偏光板の最表面の外部との接触によるキズをさらに抑制し得る。
第2の実施形態において、表面処理面は第1の実施形態の表面処理層を形成する方法と同様の方法を用いて、上記フィルムの一方の面に表面処理を行うことにより形成され得る。
C.偏光板
C-1.偏光子
偏光子は、代表的には、二色性物質(代表的には、ヨウ素)を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系樹脂フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系樹脂フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、ポリビニルアルコール分子の配向の乱れ、および、配向性の低下が抑制され得る。これにより、染色処理および水中延伸処理など、積層体を液体に浸漬して行う処理工程を経て得られる偏光子の光学特性を向上し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報(特許第5414738号)、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、好ましくは1μm~25μmであり、より好ましくは1μm~15μmである。1つの実施形態において、偏光子の厚みは好ましくは1μm~10μmであり、より好ましくは1μm~8μmであり、さらに好ましくは2μm~5μmである。本発明の実施形態においては、上記の厚みの偏光子を用いる場合であっても、位相差層付偏光板の過酷な高温環境下、および、高温高湿環境下での位相差ムラおよび色ムラが抑制され得る。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率Tsは、好ましくは40%~48%であり、より好ましくは41%~46%である。偏光子の偏光度Pは、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。上記単体透過率は、代表的には、紫外可視分光光度計を用いて測定し、視感度補正を行なったY値である。上記偏光度は、代表的には、紫外可視分光光度計を用いて測定して視感度補正を行なった平行透過率Tpおよび直交透過率Tcに基づいて、下記式により求められる。
偏光度(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
C-2.保護層
保護層12、13は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
保護層は好ましくはTACフィルム等のセルロース系樹脂フィルムまたはシクロオレフィン系樹脂フィルムである。これらの樹脂フィルムであれば、外部との接触による位相差層付偏光板表面のキズをさらに抑制し得る。
位相差層付偏光板は、代表的には画像表示装置の視認側に配置され、保護層12は、代表的にはその視認側に配置される。したがって、保護層12には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
保護層の厚みは、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは40μm以上であり、特に好ましくは60μm以上である。保護層の厚みが上記範囲であれば、外部との接触によるキズを抑制可能な位相差層付偏光板を提供することができる。保護層の厚みは、好ましくは100μm以下である。1つの実施形態において、偏光子の視認側保護層12の厚みは好ましくは40μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは60μm以上である。保護層12の厚みが40μm以上であれば、位相差層付偏光板の最表面の外部との接触によるキズをさらに抑制し得る。なお、保護層12が上記表面処理を施されている場合、保護層の厚みは上記表面処理された部分の厚みを含めた厚みをいう。
D.位相差層
位相差層40は、目的に応じて任意の適切な光学的特性および/または機械的特性を有し得る。位相差層40は、代表的には遅相軸を有する。1つの実施形態においては、位相差層40の遅相軸と偏光子11の吸収軸とのなす角度θは、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは約45°である。角度θがこのような範囲であれば、後述するように位相差層がλ/4板であれば、非常に優れた円偏光特性(結果として、非常に優れた反射防止特性)を有する位相差層付偏光板が得られ得る。
位相差層は、好ましくは屈折率特性がnx>nyを満たし、より好ましくは屈折率特性がnx>ny≧nzの関係を示す。位相差層は、代表的には偏光板に反射防止特性を付与するために設けられ、1つの実施形態においてはλ/4板として機能し得る。この場合、位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~190nm、より好ましくは110nm~170nm、さらに好ましくは130nm~160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny<nzとなる場合があり得る。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.9~3、より好ましくは0.9~2.5、さらに好ましくは0.9~1.5、特に好ましくは0.9~1.3である。このような関係を満たしていれば、得られる位相差層付偏光板を画像表示装置に用いた場合に、非常に優れた反射色相を達成し得る。
位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。1つの実施形態においては、位相差層は、逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.8以上1未満であり、さらに好ましくは0.8以上0.95以下である。このような構成であれば、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層は、光弾性係数の絶対値が好ましくは2×10-11/N以下、より好ましくは2.0×10-13/N~1.5×10-11/N、さらに好ましくは1.0×10-12/N~1.2×10-11/Nである樹脂を含む。光弾性係数の絶対値がこのような範囲であれば、加熱時の収縮応力が発生した場合に位相差変化が生じにくい。その結果、得られる画像表示装置の熱ムラが良好に防止され得る。
位相差層は、上記のような特性を満足し得る限りにおいて、任意の適切な材料で構成され得る。具体的には、位相差層は、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよく、液晶化合物の配向固化層(以下、液晶配向固化層)であってもよい。
位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、樹脂フィルムを構成する樹脂の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂またはポリエステルカーボネート系樹脂(以下、単にポリカーボネート系樹脂と称する場合がある)が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂としては、所望の透湿度が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート系樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。位相差層は、上記のようなポリカーボネート系樹脂で構成されるフィルムを、任意の適切な延伸条件で延伸することにより形成され得る。なお、ポリカーボネート系樹脂および位相差層の形成方法の詳細は、例えば、特開2014-10291号公報、特開2014-26266号公報、特開2015-212816号公報、特開2015-212817号公報、特開2015-212818号公報、特開2017-54093号公報、特開2018-60014号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層が液晶配向固化層である場合、液晶化合物を用いることにより、得られる位相差層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができるので、所望の面内位相差を得るための位相差層の厚みを格段に小さくすることができる。その結果、位相差層付偏光板(結果として、有機EL表示装置)のさらなる薄型化を実現することができる。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、液晶モノマーを硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。本実施形態においては、代表的には、棒状の液晶化合物が位相差層の遅相軸方向に並んだ状態で配向している(ホモジニアス配向)。液晶化合物の具体例および液晶配向固化層の形成方法の詳細は、例えば、特開2006-163343号公報、特開2006-178389号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層の厚みは、代表的には、λ/4板として適切に機能し得る厚みに設定され得る。位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、位相差層の厚みは、例えば10μm~60μmであり得る。位相差層が液晶配向固化層である場合、位相差層の厚みは、例えば1μm~5μmであり得る。
位相差層40が積層構造を有する場合、位相差層は、代表的には、第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層の2層構造を有する。この場合、第1の液晶配向固化層または第2の液晶配向固化層のいずれか一方はλ/2板として機能し得、他方はλ/4板として機能し得る。ここでは、第1の液晶配向固化層がλ/2板として機能し得、第2の液晶配向固化層がλ/4板として機能し得る場合を説明するが、これらは逆であってもよい。第1の液晶配向固化層の厚みは、λ/2板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば2.0μm~4.0μmであり得る。第2の液晶配向固化層の厚みは、λ/4板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば1.0μm~2.5μmであり得る。第1の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、好ましくは200nm~300nmであり、より好ましくは230nm~290nmであり、さらに好ましくは250nm~280nmである。第2の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~190nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmである。第1の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは10°~20°であり、より好ましくは12°~18°であり、さらに好ましくは約15°である。第2の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは70°~80°であり、より好ましくは72°~78°であり、さらに好ましくは約75°である。このような構成であれば、理想的な逆波長分散特性に近い特性を得ることが可能であり、結果として、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層として市販のフィルムを用いてもよい。市販品の具体例としては、帝人社製の商品名「ピュアエースWR-S」、「ピュアエースWR-W」、「ピュアエースWR-M」、日東電工社製の商品名「NRF」が挙げられる。
E.別の位相差層
別の位相差層としては任意の適切な位相差層が用いられる。1つの実施形態において、別の位相差層は、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す、いわゆるポジティブCプレートであり得る。別の位相差層としてポジティブCプレートを用いることにより、斜め方向の反射を良好に防止することができ、反射防止機能の広視野角化が可能となる。この場合、別の位相差層の厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは-50nm~-300nm、より好ましくは-70nm~-250nm、さらに好ましくは-90nm~-200nm、特に好ましくは-100nm~-180nmである。ここで、「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。すなわち、別の位相差層の面内位相差Re(550)は10nm未満であり得る。
nz>nx=nyの屈折率特性を有する別の位相差層は、任意の適切な材料で形成され得る。別の位相差層は、好ましくは、ホメオトロピック配向に固定された液晶材料を含むフィルムからなる。ホメオトロピック配向させることができる液晶材料(液晶化合物)は、液晶モノマーであっても液晶ポリマーであってもよい。当該液晶化合物および当該位相差層の形成方法の具体例としては、特開2002-333642号公報の[0020]~[0028]に記載の液晶化合物および当該位相差層の形成方法が挙げられる。この場合、別の位相差層の厚みは、好ましくは0.5μm~10μmであり、より好ましくは0.5μm~8μmであり、さらに好ましくは0.5μm~5μmである。
代表的には、位相差層40と別の位相差層とは接着層を介して積層される。好ましくは位相差層40と別の位相差層とは接着剤層を介して積層される。接着剤層を介して積層されることにより、位相差層がポリカーボネート系樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、熱および吸水による膨張を抑制することができる。接着剤層を形成する接着剤としては任意の適切な接着剤を用いることができ、例えば、紫外線硬化型接着剤を用いることができる。紫外線硬化型接着剤を用いることにより、高い硬度を有し、かつ、厚みの薄い接着層を形成することができる。
F.粘着剤層
本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、位相差層付偏光板の視認側に最も近い粘着剤層である視認側粘着剤層、および、任意の他の粘着剤層(例えば、図示例の位相差層側粘着剤層)を備える。粘着剤層は任意の適切な粘着剤組成物を用いて形成される。粘着剤層を構成する粘着剤は、代表的には、ベースポリマーとして、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマーまたはゴム系ポリマーを含有し、好ましくは(メタ)アクリル系ポリマーを含有する。ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーが用いられる場合、粘着剤層は、例えば(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤から形成される。
視認側粘着剤層の厚みは、好ましくは2μm~30μmであり、より好ましくは3μm~20μmであり、さらに好ましくは4μm~15μmである。視認側粘着剤層の厚みが上記範囲であれば、積層状態を良好に維持することができる。
視認側粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率は、好ましくは0.05Pa以上であり、より好ましくは0.08MPa以上であり、さらに好ましくは0.1MPa以上である。視認側粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率は、好ましくは2.0MPa以下である。視認側粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率が上記範囲であれば、位相差層付偏光板の変形を抑制し、外部との接触によるキズをさらに抑制し得る。
上記のとおり、粘着剤は好ましくはアクリル系粘着剤である。アクリル系粘着剤は、光学的透明性に優れ、適切な粘着特性(密着性、凝集性および接着性)を示し、かつ、耐久性(耐候性および耐熱性)に優れることから好ましい。
上記ベースポリマーは、代表的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を主骨格とする。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のC1~C20アルキルエステルが挙げられる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソミリスチル、(メタ)アクリル酸ラウリルが挙げられる。好ましくは、アルキル基の平均炭素数は3~9である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは60重量部以上であり、より好ましくは80重量部以上であり、さらに好ましくは90重量部~99.9重量部である。本明細書において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいう。
ベースポリマーは、必要に応じて、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。このような単量体成分(共重合成分)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリルや(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)-メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマーが挙げられる。また、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミドやN-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N-置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド、N-アクリロイルモルホリンなどのスクシンイミド系モノマー;N-シクロヘキシルマレイミドやN-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミドやN-フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N-メチルイタコンイミド、N-エチルイタコンイミド、N-ブチルイタコンイミド、N-オクチルイタコンイミド、N-2-エチルヘキシルイタコンイミド、N-シクロヘキシルイタコンイミド、N-ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマーも改質目的の共重合成分として用いられ得る。さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N-ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N-ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α-メチルスチレン、N-ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2-メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーも改質目的の共重合成分として用いられ得る。
共重合成分の種類、組み合わせ、配合割合(結果として、構成単位の含有割合)を調整することにより、所望の特性を有する粘着剤を得ることができる。好ましい共重合成分としては、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが挙げられる。これらは架橋剤との反応点となり得るので、凝集性および耐熱性等に優れた粘着剤層を形成することができる。
ベースポリマーの重量平均分子量は、好ましくは30万~300万であり、より好ましくは100万~280万であり、さらに好ましくは140万~250万である。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー;溶媒:THF)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値から求められる。
粘着剤は、任意の適切な架橋剤をさらに含有し得る。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤が挙げられる。好ましくは、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤または過酸化物系架橋剤である。架橋剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤の含有量はベースポリマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは30重量部以下である。架橋剤の含有量が上記範囲であることにより、粘着剤組成物の白化が抑制され得る。架橋剤の含有量は、例えば、0.01重量部以上である。
粘着剤は、任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、シランカップリング剤、粘着付与剤、可塑剤、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、導電材、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤が挙げられる。添加剤の種類、組み合わせ、配合量等は、目的に応じて適切に設定され得る。
1つの実施形態において、粘着剤層は、モノマー単位として、アクリル酸と、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香環含有モノマーを含有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(B)と、を含有する粘着剤組成物を用いて形成される。
芳香環含有モノマーは、その構造中に芳香族基を含み、かつ、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物をいう。芳香族基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、複素環等が挙げられる。複素環としては、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートが挙げられる。芳香環含有モノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族基を含有する(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有するもの;ヒドロキシエチル化β-ナフトールアクリレート、2-ナフトエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチルアクリレート、2-(4-メトキシ-1-ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のナフタレン環を有するもの;ビフェニル(メタ)アクリレート等のビフェニル環を有するものが挙げられる。複素環を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、チオール(メタ)アクリレート、ピリジル(メタ)アクリレート、ピロール(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、複素環を含有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、N-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
芳香族基を含有するビニル化合物の具体例としては、例えば、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N-ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
芳香環含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合の他に、スルホン酸等の官能基を含有してもよい。当該官能基を有する芳香環含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸や(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
芳香環含有モノマーとしては、粘着特性や耐久性の点から、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートが好ましく、なかでも、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)における芳香環含有モノマーの割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の全構成モノマー100重量%に対する重量比率において、1重量%~50重量%の割合で含有するのが好ましく、より好ましくは芳香環含有モノマーの含有率は1重量%~35重量%であり、さらに好ましくは1重量%~20重量%であり、さらにより好ましくは7重量%~18重量%が好ましく、特に好ましくは10重量%~16重量%である。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)における芳香環含有モノマー以外のモノマー成分としては、上記粘着剤組成物に用いられるモノマー成分として例示したものを用いることができる。
ポリエーテル化合物(B)としてはポリエーテル骨格を有する任意の適切な化合物を用いることができる。ポリエーテル化合物(B)は、好ましくはポリエーテル骨格を有し、かつ、少なくとも1つの末端に、一般式:-SiR3-aで表される反応性シリル基を有する(式中、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~20の1価の有機基であり、Mは水酸基又は加水分解性基であり、aは1~3の整数である。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく、Mが複数存在するとき複数のMは互いに同一であっても異なっていてもよい)。
ポリエーテル化合物(B)が有するポリエーテル骨格は、炭素数1~10の直鎖または分岐鎖のオキシアルキレン基の繰り返し構造単位を有するものが好ましい。オキシアルキレン基の構造単位は、炭素数2~6であることが好ましく、さらには3であるのが好ましい。また、オキシアルキレン基の繰り返し構造単位は、1種のオキシアルキレン基の繰り返し構造単位であってもよく、2種以上のオキシアルキレン基のブロック単位またはランダム単位の繰り返し構造単位であってもよい。オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられる。これらオキシアルキレン基のなかでも、オキシプロピレン基(特に、-CHCH(CH)O-)の構造単位を有するものが、好ましい。
ポリエーテル化合物(B)は、反応性シリル基の他は、主鎖が実質的にポリエーテル骨格からなることが好ましい。ここで、主鎖が実質的にポリオキシアルキレン鎖からなるとは、他の化学構造を少量含んでもよいことを意味する。他の化学構造としては、例えば、ポリエーテル骨格に係るオキシアルキレン基の繰り返し構造単位を製造する場合の開始剤の化学構造および反応性シリル基との連結基等を含んでもよいことを示す。ポリエーテル骨格に係るオキシアルキレン基の繰り返し構造単位は、ポリエーテル化合物(B)の全重量の50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。
ポリエーテル化合物(B)としては市販品を用いてもよい。ポリエーテル化合物(B)の具体例としては、例えば、カネカ社製の商品名:MSポリマー S203、S303、S810;SILYL EST250、EST280、SAT10、SAT200、SAT220、SAT350、SAT400、旭硝子社製の商品名:EXCESTARS2410、S2420又はS3430等が挙げられる。
粘着剤組成物におけるポリエーテル化合物(B)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.001重量部~20重量部である。ポリエーテル化合物(B)の含有割合は、より好ましくは0.01重量部以上、さらに好ましくは0.02重量部以上、特に好ましくは0.1重量部以上、最も好ましくは0.5重量部以上である。また、ポリエーテル化合物(B)の含有割合はより好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以下であり、特に好ましくは3重量部以下である。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)およびポリエーテル化合物(B)を含む粘着剤組成物は、例えば、特許第4959014号に記載されている。当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
粘着剤は任意の適切な架橋剤、および、添加剤をさらに含むことができる。架橋剤および添加剤の種類、および、添加量としては、上記粘着剤組成物に用いられるものを用いることができる。
G.画像表示装置
上記A項からF項に記載の位相差層付偏光板は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明の実施形態は、そのような位相差層付偏光板を用いた画像表示装置を包含する。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)が挙げられる。本発明の実施形態による画像表示装置は、その視認側に上記A項からF項に記載の位相差層付偏光板を備える。位相差層付偏光板は、位相差層が画像表示セル(例えば、液晶セル、有機ELセル、無機ELセル)側となるように(偏光子が視認側となるように)積層されている。
1つの実施形態において、画像表示装置はカバーガラス等の前面板を含まない構成の画像表示装置である。上記のとおり、本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、表面硬度が高く、外部との接触によるキズを抑制し得る。したがって、カバーガラスレス構造の画像表示装置とした場合であっても、画像表示装置表面のキズを抑制し得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD-3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
(2)表面硬度試験(2Hの平均キズ数)
実施例または比較例で得られた位相差層付偏光板を縦15cm×横5cmに切り出した。次いで、セパレーターを剥離し、パネル側粘着剤層を介して位相差層付偏光板を無アルカリガラスに貼り合せた。縦方向に、5つの評価領域(幅:1cm)を2cmの間隔をあけて設けた。各評価領域に、2Hの鉛筆を用いて縦方向に直線を引き、5つの評価領域でキズの有無を確認した。この一連の評価を1つの位相差層付偏光板につき32ヶ所で行い、平均値を算出した。平均値が0.5以下であれば、表面硬度に優れていることを示す。
(3)貯蔵弾性率
粘着剤について、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「ARES」を用いてJIS K 7244に基づき23℃における貯蔵弾性率を測定した。
<製造例1:粘着剤1の作製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート82.1重量部、ベンジルアクリレート13重量部、アクリル酸4.8重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート1重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル100重量部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、重量平均分子量220万のアクリル系ポリマー(A)の溶液を調製した。
得られたアクリル系ポリマー(A)溶液の固形分100重量部に対して、反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(カネカ社製、商品名:サイリルSAT10)0.5重量部、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL)0.45重量部およびベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製、商品名:ナイパーBMT)0.1重量部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液(固形分11%)(粘着剤1)を調製した。粘着剤の23℃の貯蔵弾性率は、0.13MPaであった。
<製造例2:粘着剤2の作製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91.5重量部、アクリル酸3重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.5重量部およびアクリロイルモルホリン5重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。次いで、このモノマー混合物100重量部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル100重量部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)250万のアクリル系ポリマー(B)の溶液を調製した。
得られたアクリル系ポリマー(B)溶液の固形分100重量部に対して、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業社製のコロネートL,トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートのアダクト体)0.2重量部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製,ナイパーBMT)0.3重量部、および、シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBM403)0.1重量部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液(固形分11%)(粘着剤2)を調製した。粘着剤の23℃の貯蔵弾性率は、0.11MPaであった。
<製造例3:粘着剤3の作製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)74.9重量部、ベンゾイルアクリレート(BzA)20.0重量部、アクリル酸(AA)5.0重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)0.1重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。次いで、モノマー混合物(固形分)100重量部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量230万の(メタ)アクリル系ポリマー(C)の溶液を調製した。
得られたアクリル系ポリマー(C)溶液の固形分100重量部に対して、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL)3重量部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBM403)0.1重量部、および、反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(カネカ社製、商品名:サイリルSAT10)1重量部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液(固形分11%)(粘着剤3)を調製した。粘着剤の23℃の貯蔵弾性率は、0.18MPaであった。
[実施例1:第1の実施形態の位相差層付偏光板]
長尺状のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムにヨウ素を含有させ、長手方向(MD方向)に一軸延伸して得られたフィルム(厚み12μm)を偏光子として用いた。偏光子の一方の面に、低反射処理層付保護層(厚み7μmの低反射表面処理層を有するトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み40μm))の低反射表面処理層が形成されていない面を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合わせた。また、偏光子の他方の面に保護層として厚み40μmのTACフィルムを、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合わせた。
別途、製造例1で得られた粘着剤1を、シリコーン処理を施した、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが12μmになるように塗布し、155℃で1分間乾燥処理して粘着剤層(視認側粘着剤層)を形成した。
形成した粘着剤層を偏光板のTACフィルムに転写し、転写した粘着剤層を介して位相差層を偏光板に貼り合わせた。位相差層としては、逆分散の波長依存性を示す市販の位相差フィルム(帝人社製、商品名「ピュアエースWR」、厚み53μm)を用いた。この位相差フィルムの面内位相差Re(550)は147nmであり、Re(450)/Re(550)は0.89であった。
次いで、位相差層の偏光板と貼り合わせられていない面に製造例3で得られた粘着剤3を塗布後の厚みが15μmとなるよう塗布し、位相差層付偏光板を得た。
[実施例2]
低反射処理層付保護層として、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み60μmのTACフィルムを用いたこと、および、偏光子の他方の面に厚み40μmのTACフィルムに代えて厚み25μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
[実施例3]
低反射処理層付保護層として、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み60μmのTACフィルムを用いたこと、および、偏光子の保護層として厚み40μmのTACフィルムに代えて厚み60μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
[実施例4]
視認側粘着剤層の形成に、粘着剤1に代えて製造例2で得られた粘着剤2を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを5μmとしたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
[実施例5]
粘着剤1に代えて製造例2で得られた粘着剤2を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを5μmとしたこと以外は実施例3と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例1)
低反射処理層付保護層として、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み25μmのTACフィルムを用いたこと、および、偏光子の他方の面に厚み40μmのTACフィルムに代えて厚み25μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例2)
偏光子の他方の面に厚み40μmのTACフィルムに代えて厚み25μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例3)
視認側粘着剤層の形成に、粘着剤1に代えて製造例2で得られた粘着剤2を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを5μmとしたこと以外は比較例1と同様にして位相差層付偏光板を得た。
Figure 2024066848000002
[実施例6:第2の実施形態の位相差層付偏光板]
長尺状のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムにヨウ素を含有させ、長手方向(MD方向)に一軸延伸して得られたフィルム(厚み12μm)を偏光子として用いた。
紫外線硬化型接着剤を介してHC-TACフィルムを貼り合わせた。なお、HC-TACフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み25μm)にハードコート(HC)層(厚み7μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。同様に、偏光子の他方の面に、紫外線硬化型粘着剤を介して、TACフィルム(厚み25μm)を貼り合わせ、偏光板を得た。
別途、製造例2で得られた粘着剤2を、シリコーン処理を施した、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmになるように塗布し、155℃で1分間乾燥処理して粘着剤層(視認側粘着剤層)を形成した。
次いで、粘着剤層を偏光板のHC-TACフィルムに転写し、この粘着剤層を介して低反射処理層付フィルム(厚み7μmの低反射表面処理層を有するTACフィルム(厚み40μm))を貼り合わせた。なお、低反射処理層付フィルムのTACフィルム側と粘着剤層とを貼り合わせた。
別途、製造例1で得られた粘着剤1を、シリコーン処理を施した、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが12μmになるように塗布し、155℃で1分間乾燥処理して粘着剤層(位相差層側粘着剤層)を形成した。
形成した位相差層側粘着剤層を偏光板のTACフィルムに転写し、転写した粘着剤層を介して位相差層(帝人社製、商品名「ピュアエースWR」、厚み52μm)を偏光板に貼り合わせた。
次いで、位相差層の偏光板と貼り合わせられていない面に製造例3で得られた粘着剤3を塗布後の厚みが15μmとなるよう塗布し、位相差層付偏光板を得た。
[実施例7]
低反射処理層付フィルムとして、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み60μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
[実施例8]
位相差層側粘着剤層の形成に、粘着剤1に代えて製造例2で得られた粘着剤2を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを5μmとしたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
[実施例9]
位相差層側粘着剤層の形成に、粘着剤1に代えて製造例2で得られた粘着剤2を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを5μmとしたこと以外は実施例7と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例4)
低反射処理層付フィルムとして、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み25μmのTACフィルムを用いたこと、および、視認側粘着剤層の形成に、粘着剤2に代えて製造例1で得られた粘着剤1を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを12μmとしたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例5)
低反射処理層付フィルムとして、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み25μmのTACフィルムを用いたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例6)
視認側粘着剤層の形成に、粘着剤2に代えて製造例1で得られた粘着剤1を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを12μmとしたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
(比較例7)
低反射処理層付フィルムとして、厚み7μmの低反射処理層を有する、厚み60μmのTACフィルムを用いたこと、および、視認側粘着剤層の形成に、粘着剤2に代えて製造例1で得られた粘着剤1を用いたこと、および、粘着剤層の厚みを12μmとしたこと以外は実施例6と同様にして位相差層付偏光板を得た。
Figure 2024066848000003
[評価]
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例の位相差層付偏光板は、表面硬度に優れるものであった。
本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置および無機EL表示装置等の画像表示装置に好適に用いることができる。
10 偏光板
11 偏光子
12 保護層
13 保護層
20 表面処理層
21 表面処理面
22 フィルム
30 視認側粘着剤層
40 位相差層
50 位相差層側粘着剤層
100 位相差層付偏光板

Claims (8)

  1. 表面処理層と;偏光子、および、該偏光子の少なくとも一方の面に積層された保護層を含む偏光板と;視認側粘着剤層と;位相差層と;をこの順に備える位相差層付偏光板であって、
    該表面処理層が、該偏光板において視認側に配置される保護層に直接形成された層であり、
    該表面処理層から視認側粘着剤層までの距離Dと、該視認側粘着剤層の厚みTA1と、がD/TA1≧8の関係を満たし、
    該位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、該位相差層の厚みT(μm)と、該視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(T+TA1)≧95(μm)を満たす、位相差層付偏光板。
  2. 表面処理フィルムである表面処理層と;視認側粘着剤層と;偏光子、および、該偏光子の少なくとも一方の面に積層された保護層を含む偏光板と;位相差層側粘着剤層と;位相差層と;をこの順に備える位相差層付偏光板であって、
    該表面処理層から視認側粘着剤層までの距離Dと、該視認側粘着剤層の厚みTA1と、がD/TA1≧8の関係を満たし、
    該位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、該位相差層の厚みT(μm)と、視認側粘着剤層の厚みTA1(μm)と、がTsum-(T+TA1)≧95(μm)を満たす、位相差層付偏光板。
  3. 前記位相差層付偏光板の総厚みTsum(μm)と、前記位相差層付偏光板に含まれる粘着剤層の合計厚みTAsum(μm)と、がTsum-TAsum≧150(μm)を満たす、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  4. 前記表面処理層の鉛筆硬度が3H以上である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  5. 前記視認側粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率が0.05MPa以上である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  6. 前記偏光板の視認側に配置される保護層の厚みが40μm以上である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  7. 前記表面処理フィルムが表面処理面とフィルムとを含み、該フィルムの厚みが40μm以上である、請求項2に記載の位相差層付偏光板。
  8. 請求項1または2に記載の位相差層付偏光板を備える画像表示装置。
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