JP2024065766A - 椅子 - Google Patents

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JP2024065766A
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Shota Murakami
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Abstract

【課題】操作レバーを構成する部品点数を抑制することができるだけでなく操作レバーの好適な外観を形成し得る設計の自由度に優れた椅子を提供する。【解決手段】背支持体Dに後傾度合設定レバー5を回転可能に支持させた椅子であり、後傾度合設定レバー5のレバー本体52が、内部にレバー軸部51が配設される収容穴52aが形成された円筒状部分521と、円筒状部分521の基端に一体に形成された鍔部523とを備えたものであり、鍔部523が、左右何れか一方のアームm1と背支持体本体Pとの間に配設されており、レバー軸部51に対する左右方向の移動が規制されている。【選択図】図33

Description

本発明は、オフィス等において使用される椅子に関する。
従来から、オフィス等において好適に使用される種々の椅子が知られている。この種の椅子には、背凭れの後傾動作に対する反力を発生させるための反力バネを有するとともに当該反力バネの反力を調整するための回転レバーを有するものが存在している(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、従来の回転レバーは、外装される合成樹脂製のレバー本体を、芯材となる金属製のレバー軸部に対してねじにより固定させる態様のものが殆どであった。
このため、従来の椅子では、レバー本体を固定するためのねじの頭部やねじを挿通させるためのねじ挿通孔の存在に起因して良好な外観を損ねやすいものとなっていた。
換言すれば、従来の椅子では、操作レバーを構成する部品点数を抑制したり操作レバーの好適な外観を形成したりするための設計の自由度が制約されていた。
なお、以上の事情は反力調整用の操作レバーに限られるものではなく、椅子を構成する種々の部材に対して回転可能に支持された操作レバーにおいても同様である。
特開2013-022082号公報
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、操作レバーを構成する部品点数を抑制することができるだけでなく操作レバーの好適な外観を形成し得る設計の自由度に優れた椅子を提供することにある。
すなわち、本発明の椅子は次の構成をなしている。
請求項1に記載の発明は、支持基部とこの支持基部に対して回転可能に支持された背支持体とを備え、この背支持体に操作レバーを回転可能に支持させた椅子であって、前記背支持体が、起立壁状をなし前後方向に延びてなる左右のアームが設けられた背支持体ベースと、この背支持体ベースの後部に連結され前記支持体ベースと一体的に動作する背支持体本体とを備えたものであり、前記操作レバーが、左右方向に延びてなり前記左右のアームに設けられた軸孔に枢支されるレバー軸部と、止着具を使用することなく前記レバー軸部に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体とを備えたものであり、前記レバー本体が、内部に前記レバー軸部が配設される収容穴が形成された円筒状部分と、この円筒状部分の基端に一体に形成された鍔部とを備えたものであり、前記鍔部が、左右何れか一方の前記アームと前記背支持体本体との間に配設されており、前記レバー軸部に対する左右方向の移動が規制されている椅子である。
請求項2に記載の発明は、前記背支持体本体に、前記左右のアームにおける各外側部に沿うように、左右の側壁部が設けられたものであり、前記鍔部が、左右何れか一方の前記アームと前記側壁部との間に配設されている請求項1記載の椅子である。
請求項3に記載の発明は、前記左右の側壁部における前部に、前記円筒状部分の基端部が係合し得る切欠孔が設けられている請求項2記載の椅子である。
請求項4に記載の発明は、前記レバー本体は、ねじ挿通孔が形成されていないものである請求項1記載の椅子である。
請求項5に記載の発明は、前記レバー軸部に、軸心に対して交差する方向に突出した突出部が設けられており、前記収容穴に、前記突出部に対して係合し得るキー溝部が設けられている請求項1記載の椅子である。
請求項6に記載の発明は、前記操作レバーが、前記背支持体に支持された背凭れの後傾度合いを二以上の複数の中から選択し得る後傾度合設定機構を構成するものである請求項1記載の椅子である。
請求項7に記載の発明は、前記背支持体ベースが、主軸を介して前記支持基部に対して回転可能に支持されたものであり、前記左右のアームに前記主軸が挿通される主軸挿通孔が設けられている請求項1記載の椅子である。
請求項8に記載の発明は、操作レバーを回転可能に支持させた椅子であって、前記操作レバーが、第一部材に設けられた軸孔に枢支されるレバー軸部と、止着具を使用することなく前記レバー軸部に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体とを備えたものであり、前記レバー本体が、内部に前記レバー軸部が配設される収容穴が形成された円筒状部分と、この円筒状部分の基端に一体に形成された鍔部とを備えたものであり、前記鍔部が、前記第一部材とこの第一部材の外側に配設された第二部材との間に配設されており、前記レバー軸部に対して当該レバー軸部の軸心方向の移動が規制されている椅子である。
請求項9に記載の発明は、前記第一部材が支持基部であり、前記第二部材が支持基部を覆うカバー体である請求項8記載の椅子である。
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、操作レバーを構成する部品点数を抑制することができるだけでなく操作レバーの好適な外観を形成し得る設計の自由度に優れた椅子を提供することができるものとなる。
本発明の一実施形態を示す斜視図。 同実施形態における正面図。 同実施形態における右側面図。 同実施形態における右側面図。 同実施形態における右側面図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における斜視図。 同実施形態における正面図。 同実施形態における背面図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解正面図。 同実施形態における分解背面図。 同実施形態における右側面図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解側面図。 図8におけるA-A線断面図。 図8におけるB-B線断面図。 図8におけるC-C線断面図。 図18の切断箇所に対応する後傾姿勢の断面図。 同実施形態における正面図。 同実施形態における背面図。 同実施形態における分解斜視図。 図3におけるD-D線断面図。 図2におけるE-E線端面図。 同実施形態における組立を説明するための右側面図。 同実施形態における組立を説明するための正面図。 同実施形態における組立を説明するための正面図。 同実施形態における組立を説明するための正面図。 同実施形態における組立を説明するための正面図。 図18の切断箇所に対応する取付姿勢の断面図。 同実施形態における組立を説明するための正面図。 同実施形態における分解斜視図。 同実施形態における分解斜視図。
以下、本発明の一実施形態を、図1~35を参照して説明する。
椅子は、脚Aと、脚Aに対して旋回可能に支持された支持基部Bと、支持基部Bの上に配された座Cと、支持基部Bに対して背支持体Dを介して後傾動作可能に支持された背凭れEを備えたものである。
椅子は、支持基部Bと背支持体Dとの間に、操作レバーである後傾度合設定レバー5を用いて背凭れEの後傾度合いを設定し得る後傾度合設定機構Iが設けられている。
以下、この実施形態の椅子の各構成について詳述する。
<<脚A>>
脚Aは、先端にキャスタを有し放射状に配置された複数本の脚羽根a1と、脚羽根a1の基端部に立設され上下方向に伸縮可能な脚支柱a2とを備えたものである。
<<支持基部B>>
支持基部Bは、脚Aの上に取り付けられたものである。支持基部Bは、剛性に優れた材質のものである。支持基部Bは、例えば、金属や合成樹脂により一体に成型されたものである。支持基部Bは、上方に開放されたボックス状をなしている。
支持基部Bには、背支持体Dを回転可能に支持するための左右方向に延びた主軸j1が設けられている。支持基部B内の空間には、背支持体Dの後傾動作に対する反力を付与する反力バネFが配設されている。
支持基部B内の空間には、反力バネFの後端部を受ける受け軸j4及び当該受け軸j4を支持する受け軸支持部材m3や、反力バネFの前端部に作用する反力調整レバーGの基端部が収容されている。
<<座C>>
座Cは、支持基部Bの上に設けられている。座Cは、座受c1と、着座者に当接する着座面を有し座受c1に対して前後位置を変更可能に設けられた座本体c2とを備えたものである。
座Cの前部は、前軸j2を介して支持基部Bに対して上下方向に移動可能に支持されている。座Cの前後方向中間部は、背支持体Dに設けられた座係合軸j3に支持されている。
<<背支持体D>>
背支持体Dは、支持基部Bと背凭れEとの間に介設されている。背支持体Dは、背凭れEを傾動可能に支持し得るものである。
背支持体Dは、背支持体ベースM及び下フレームp1によって、背支持体下部が構成されている。背支持体下部を構成する背支持体ベースM及び下フレームp1は相互に固定されたものである。背支持体下部は、初期状態(N)と後傾状態(H)との間で、支持基部Bに対して主軸j1回りに回転可能に支持されている。
背支持体Dを構成する上フレームp2は、図5に示すように、背支持体Dを構成する背支持体下部に対して、起立姿勢(ps)と後傾姿勢(pr)との間で傾動可能に支持されている。
背支持体Dは、支持基部Bに設けられた反力バネFによって背凭れEが初期状態(N)を採り得る方向に常に付勢されている。背支持体Dには、背凭れEの後傾度合いを選択的に設定し得る後傾度合設定レバー5が回転可能に支持されている。
背支持体Dは、主軸j1を介して支持基部Bに対して回転可能に支持された背支持体ベースMと、背支持体ベースMの後部に連結された背支持体本体Pとを備えたものである。
<背支持体ベースM>
背支持体ベースMは、支持基部Bと背凭れEの間、及び、支持基部Bと座Cとの間に介設された金属製の構造物である。
背支持体ベースMは、左右に対をなして配設され主軸j1を介して支持基部Bに対して回転可能に支持された左右のアームm1と、左右のアームm1における後部間を結合する結合部材m2と、左右のアームm1における前部に支持された座係合軸j3と、左右に対をなして配設され上部が座係合軸j3に連結された左右の受け軸支持部材m3と、左右の受け軸支持部材m3の下部間に連結された受け軸j4を備えたものである。
背支持体ベースMの下部は、合成樹脂により形成された前カバー体6により覆い隠されるようになっている。
[左右のアームm1]
左右のアームm1は、前後方向に延びた起立板状をなしている。左右のアームm1は、支持基部Bよりも外側に配設されている。
左右のアームm1は、前後方向に延びてなり前部において主軸j1を支持し得る左右のアーム本体m4と、左右のアーム本体m4の前部から斜め前上方に一体に延設され上部において座係合軸j3を支持する左右の前アーム部m5と、左右のアーム本体m4と左右の前アーム部m5との間に設けられ主軸j1を保持し得る左右方向に貫通した図示しない主軸挿通孔を備えている。
左右のアーム本体m4における後部間は、結合部材m2により剛結されている。左右のアーム本体m4には、結合部材m2よりも後方に突出した後方突出部分mtを備えている。左右の後方突出部分mtは、背支持体本体Pを構成する下フレームp1の基端部(前端部)に設けられた背支持体ベース連結部11の嵌合孔111に内嵌するようになっている。
[結合部材m2]
結合部材m2は、左右方向に延びた起立板状をなしている。結合部材m2の左右両端部は、左右のアーム本体m4の内側部に対して溶接されている。結合部材m2には、下フレームp1を取り付けるためのねじv1が螺着されるナット部n1が左右に対をなして設けられている。
結合部材m2には、ねじ挿通孔h1を有する背支持体ベース連結部11が係合する。そして、結合部材m2のナット部n1に、ねじ挿通孔h1に挿通されたねじv1を螺着することにより、下フレームp1が背支持体ベースMに対して固定されるようになっている。
[座係合軸j3]
座係合軸j3は、座Cに係合し得る左右方向に延びたものである。座係合軸j3は、主軸j1よりも前上方に配設されている。座係合軸j3は、座受c1に設けられた図示しない軸保持部に保持される左右方向に延びたものである。
[受け軸支持部材m3]
受け軸支持部材m3は、左右に対をなし左右の前アーム部m5の内側に配設されている。受け軸支持部材m3は、前後方向及び上下方向に延びた起立板状をなしている。受け軸支持部材m3の上部は、座係合軸j3に連結されている。受け軸支持部材m3の下部には、受け軸j4が連結されている。
[受け軸j4]
受け軸j4は、主軸j1よりも前下に配設されている。受け軸j4は、反力バネFにより後方に向かって付勢されている。
<背支持体本体P>
背支持体本体Pは、背凭れEを支持するものである。背支持体本体Pは、背凭れEにおける左右方向中央部の上部及び下部に接続している。背支持体本体Pと背凭れEとの間は、上の接続部分である背凭れ係合部32、及び、下の接続部分である背凭れ連結部22aを除き、側面視において背凭れEと離間している。
背支持体本体Pは、軸部Jを有した下フレームp1と、軸部Jを受ける軸受部Kを有し下フレームp1に対して起立姿勢(ps)と後傾姿勢(pr)との間で前後方向に回転可能に支持された上フレームp2と、下フレームp1と上フレームp2との間に介設された付勢部材であるコイルばねVと、下フレームp1と上フレームp2との間に介設された中間部材Sを備えたものである。
なお、この実施形態の椅子は、背支持体ベースM、及び、下フレームp1によって、背支持体下部が構成されている。背支持体下部は、支持基部Bに対して図2等に示す初期状態(N)と図4に示す後傾状態(H)との間で回転可能であり、且つ、図5に示すように、上フレームp2を起立姿勢(ps)と後傾姿勢(pr)とを採り得るように回転可能に支持し得るものである。
[下フレームp1]
下フレームp1は、背支持体ベースMに対して固定されている。すなわち、下フレームp1は、背支持体ベースMと一体的に動作するものである。
下フレームp1は、背支持体ベースMに対してねじv1により取り付けられている。下フレームp1は、背支持体ベースMに対して固定されるものである。下フレームp1は、上フレームp2を前後方向に回転可能に支持し得るものである。下フレームp1は、背凭れEにおける背面側の下部に対して接続したものとなっている。
下フレームp1は、前部に背支持体ベースMに対して連結される背支持体ベース連結部11が設けられた基礎構造部1と、基礎構造部1の後部に設けられた上フレーム係合部2とを備えている。
(基礎構造部1)
基礎構造部1は、前方を向く背支持体ベース連結部11と、背支持体ベース連結部11の左右両側部から前方に向かって直線状に延設された左右の側壁部12とを備えたものである。
背支持体ベース連結部11は、前方に開放され背支持体ベースMの後端部に突設された左右の後方突出部分mtに嵌合する左右一対の嵌合孔111と、左右一対の嵌合孔111の間に配設され背支持体ベースMの結合部材m2に取り付けられる連結壁112と、左右の嵌合孔111における各外側から前方に延設され左右のアーム本体m4における上縁部及び下縁部に係合する部分が設けられたアーム係合壁113を備えたものである。
連結壁112には、前後方向に貫通したねじ挿通孔h1が左右に対をなして設けられている。連結壁112のねじ挿通孔h1に後方から挿通されたねじv1を結合部材m2に設けられたナットn1に螺着させることにより、下フレームp1が、背支持体ベースMに対して固定されている。
左右の側壁部12は、起立姿勢をなし下フレームp1における左右の前端部に設けられている。左右の側壁部12は、左右のアーム本体m4における後部の各外側部に沿うよう配設されている。左右の側壁部12における前部には、前方に開放された切欠孔121が設けられている。
切欠孔121は、後傾度合設定レバー5における円筒状部分521の基端部(鍔部523の近傍部分)が係合し得る端面を有した部分円形状(側面視C字状)をなしている。左右の側壁部12における切欠孔121の内面側周縁部には、レバー本体52の鍔部523が係合するようになっている。
(上フレーム係合部2)
上フレーム係合部2は、基礎構造部1の後部に連設されている。上フレーム係合部2は、全体として上下方向に延びてなるものである。上フレーム係合部2は、全体として後方に向かって漸次上方に位置するように形成されている。
上フレーム係合部2は、左右方向中央部に前のばね受け部211が設けられた下フレーム基部21と、下フレーム基部21の左右から上下方向に対をなして延設された左右の支持アーム22と、左右の支持アーム22の上下方向中央部間に架設され軸部Jを含んでなる横架部23と、上フレームp2に取り付けられた中間部材Sの姿勢変形部s2に係合する部位であり左右の支持アーム22の内側部に突設された規制部24を備えたものである。
下フレーム基部21は、基礎構造部1と左右の支持アーム22との間に介設されているものである。前のばね受け部211は、コイルばねVの前部を受けるものである。前のばね受け部211は、コイルばねVが配設される左右の支持アーム22における基端部間の配設空間spを臨むように後方を向いたものである。
左右の支持アーム22は、全体として上方に向かって漸次前後寸法が短くなるように形成された矩形柱状をなしている。左右の支持アーム22は、上部に設けられ後傾姿勢(pr)をなす上フレームp2に対して係合する前向面22mを有した係合部221と、係合部221の下に配設され背凭れEにおける左右方向中央部の下部が連結される背凭れ連結部22aとを備えている。
左の支持アーム22と右の支持アーム22との間には、上フレームp2において下向きに突設された下フレーム係合部である軸受入凹所4を配設し得る配設空間spが形成されている。
係合部221は、軸部Jよりも上に配設されている。係合部221は、上フレームp2の後傾姿勢(pr)を位置決めし得るものである。係合部221の前向面22mには、後傾姿勢(pr)をなす上フレームp2の凹陥部31を構成する前壁部分311が当接するようになっている。
背凭れ連結部22aには、背凭れEを構成する背凭れ基部e1の下部が螺着される部位をなしている。背凭れ連結部22aは、係合部221よりも前方に突設されている。背凭れ連結部22aには、背凭れ基部e1に設けられた図示しないねじ挿通孔を通過した図示しないねじが螺合するナットn2が配設されている。
横架部23は、背凭れ連結部22aよりも下に配設されている。横架部23は、左右に対をなして配設され各外側部が左右の支持アーム22の内側部に対して一体に繋がった左右の軸部Jと、左右の軸部Jにおける下部間を一体に繋ぐ連結部231とを備えたものである。
横架部23の左右方向中央部には、軸受入凹所4にリブ状に設けられた補強連結部44を回避し得るように下方に凹んだ凹部232が形成されている。
軸部Jは、左右方向に延びた軸曲面jmを有するものである。軸部Jの上部には、部分的な円柱曲面状をなした軸曲面jmが形成されている。すなわち、軸部Jには、上フレームp2の軸受部Kに対して他の部材である中間部材Sの軸受カバー部s4を介して間接的に係合し得る軸曲面jmが形成されている。
軸部Jの上部に形成された軸曲面jmは、中間部材Sの軸受カバー部s4を介して軸受部Kに対して係合するものとなっている。
軸部Jは、前後幅寸法よりも上下方向に長い形態をなしている。軸部Jの前後方向の幅寸法(軸部Jの厚み寸法wj)は、上下方向の幅寸法よりも短く構成されている。軸部Jを含んでなる下フレームp1の全体は、合成樹脂により一体に形成されたものである。
規制部24は、軸部Jに隣設されている。規制部24は、左右の支持アーム22の内側面に設けられている。規制部24は、中間部材Sの姿勢変形部s2に係合し得る部位をなしている。規制部24は、左右の各軸部Jの前部及び下部に設けられたブロック状のものである。
規制部24は、前方を向く前向面242と、前向面242よりも後に位置し内側方を向く内側面241とを備えている。
内向面である内側面241の上部には、下方に向かって漸次下フレームp1の左右方向中央部方向に(漸次中間部材Sにおける基部s1の方向に近接するように)傾斜した傾斜面部kmが配設されている。傾斜面部kmは、軸部Jの前部に設けられている。内側面241における傾斜面kmよりも下の部分は略鉛直方向に延びている。
規制部24の前向面242には、中間部材Sにおける第二姿勢(Y)をなす姿勢変形部s2が、上フレームp2が起立姿勢(ps)をなす場合において当接するようになっている。
規制部24の内側面241には、中間部材Sにおける姿勢変形部s2が、係合するようになっている。姿勢変形部s2は、取付姿勢(T)の上フレームp2が下フレームp1に対して接近していく連れて、第二姿勢(Y)から第一姿勢(X)に変形されるようになっている。
つまり、上フレームp2の軸受部Kが、組み付け対象部である下フレームp1の軸部Jに対して近づくに連れて、中間部材Sの姿勢変形部s2は、傾斜面部kmを有した内側面241に案内されて、その先端部である先端部分s22が基部s1に対して近接する形態、すなわち、第二姿勢(Y)から第一姿勢(X)に弾性変形されるものとなっている。
以上の構成をなす下フレームp1の上部及び下部は、合成樹脂により形成された上カバー体7及び下カバー体8によって覆われている。
[上フレームp2]
上フレームp2は、下フレームp1に対して軸部J回りに回転可能に支持されたものである。上フレームp2には、下フレームp1の軸部Jを中間部材Sの軸受カバー部s4を介して間接的に受けるように構成された軸受部Kが設けられている。上フレームp2は、上下方向に延びた単柱状のものであり、背凭れEにおける左右方向中間部の後に配設されている。
上フレームp2は、下フレームp1との間にコイルばねVを取り付け可能な組立姿勢(T)と、組立姿勢(T)とは異なる姿勢をなす通常姿勢(U)とを採り得るように軸部J回りに回転可能に構成されたものである。
組立姿勢(T)は、下フレームp1に対して上フレームp2を組み付ける際及び離脱させる際にのみ採り得る姿勢である。上フレームp2の組立姿勢(T)は、通常姿勢(U)よりも前傾した姿勢に設定されている。
上フレームp2の組立姿勢(T)は、下フレームp1に対して組み付ける作業時及び下フレームp1から離脱させる作業時にだけ採り得るものである。
すなわち、上フレームp2は、組立姿勢(T)から通常姿勢(U)に遷移された後(下フレームp1に対する上フレームp2の組み付け作業が完了した後)は、中間部材Sの姿勢変形部s2に対して分解のための特別な操作力を与えない限り、組立姿勢(T)には戻れないように構成されている。
上フレームp2は、通常姿勢(U)において、起立姿勢(ps)と起立姿勢(ps)よりも後傾した後傾姿勢(pr)との間で傾動可能(チルト動作可能)に構成されたものである。
上フレームp2は、上下方向に延びてなり使用者によって視認される部位を構成する上フレーム本体3と、上フレーム本体3の下に配設された下方突出部(基端構造部)を構成するものであり、軸受部Kを含んでなり下方及び外側方に開放された軸受入凹所4とを備えている。
(上フレーム本体3)
上フレーム本体3の下部における左右両側部には、下方に開放された凹陥部31が設けられている。上フレーム本体3の上部には、背凭れEに対して上下動可能に係合し得る背凭れ係合部32が突設されている。
左右の凹陥部31の内部には、下フレームp1に設けられた左右の支持アーム22の上部が配設されるようになっている。凹陥部31を構成する前壁部分311には、左右の支持アーム22に設けられた係合部221の前向面22mが係合することにより、上フレームp2の後傾姿勢(pr)が規定されるようになっている。
(軸受入凹所4)
軸受入凹所4は、上フレームp2の下部に設けられている。軸受入凹所4は、正面視及び背面視において、上フレーム本体3に対して下方に凸状をなすように設けられている。すなわち、正面視及び背面視における軸受入凹所4の左右方向寸法は、上フレーム本体3の左右方向寸法よりも短く設定されている。
軸受入凹所4は、前壁部41と、前壁部41よりも後に配設された後壁部42と、これら前壁部41及び後壁部42の上部間を繋ぐ連結部43とを備えたものである。
前壁部41は、上下方向及び左右方向に延びてなる壁状のものである。
前壁部41における下部の前面側には、後のばね受け部411が設けられている。後のばね受け部411は、左右の支持アーム22における基端部間に位置しているコイルばねV(チルトバネ)が配設される配設空間spを臨むように前方を向いたものである。
前壁部41の下端部には、中間部材Sの前装着部s3が取り付けられる下取付部412が設けられている。下取付部412は、上下位置を異ならせて下方に延びた複数の凸部が形成されたものである。下取付部412は、中央凸部41aと、この中央凸部41aよりも上に位置する左右の側凸部41bとを有したものである。下取付部412には、中間部材Sの前装着部s3が外嵌するようになっている。
前壁部41の背面側(後向面側)には、上下方向に延びてなり中間部材Sの基部s1に対する左右方向の位置決めをする複数の位置決めリブ413が左右方向に並んで突設されている。
後壁部42は、上下方向及び左右方向に延びてなる壁状のものである。後壁部42は、左の支持アーム22と右の支持アーム22との左右方向離間寸法よりと略同じかそれより短い横幅寸法に設定されている。後壁部42は、前壁部41と略同じ左右方向の幅寸法をなしている。後壁部42は、前壁部41よりも上下方向に短い寸法をなしている。後壁部42は、全体として(前方突出部分42bを除き)下方に向かって漸次前壁部41に対して離れるように設けられている。
後壁部42には、中間部材Sの後装着部s5が取り付けられる後取付部421が設けられている。後壁部42の後取付部421は、中間部材Sの後装着部s5に並設された複数(四つ)の係合突起s51が係合し得る突起係合部分42aと、中間部材Sの後装着部s5に設けられた嵌合凹部s52に内嵌する前方突出部分42bとを備えている。
突起係合部分42aは、左右方向に複数(四つ)並んだ前後方向に貫通する貫通孔に設けられている。
前方突出部分42bは、後壁部42における下端部の左右方向中央部から前方に突設されている。
連結部43は、前壁部41及び後壁部42の上部間を前後方向に繋ぐものである。軸受入凹所4は、前壁部41、後壁部42、及び、連結部43によって、下方及び外側方に開放された形態が採られている。
なお、軸受入凹所4における連結部43の下の左右方向中間部には、前壁部41及び後壁部42の上部間を繋ぐ補強連結部44が設けられている。
軸受入凹所4には、下フレームp1の軸部Jを受ける左右の軸受部Kが設けられている。軸受部Kは、軸部Jに対して相対回転可能に係り合う部位である。軸受部Kは、前壁部41、後壁部42、及び、連結部43を含んで構成された下向きC字状をなしている。左右の軸受部Kは、補強連結部44の左右に設けられている。
軸受入凹所4には、組立姿勢(T)においてのみ、下フレームp1の軸部Jが軸受部Kに向かって進入可能な軸通路Zが設けられている。
この実施形態では、位置決めリブ413を有した軸受入凹所4の前壁部41と軸受入凹所4に配設された中間部材Sの基部s1及び後装着部s5(前方突出部・横架部抜止部)との協働によって軸通路Zの大きさすなわち通路幅wzが規定されている。
[コイルばねV(付勢部材)]
コイルばねVは、上フレームp2を常時起立姿勢(ps)の方向に付勢するものである。コイルばねVは、圧縮ばねタイプのものである。コイルばねVは、後傾姿勢(pr)の上フレームp2を起立姿勢(ps)の方向に復帰させるための反力を発生させるものである。
コイルばねVの前部は、軸部J及び軸受部Kよりも下に位置するように下フレームp1に設けられた前のばね受け部211に支持されるものである。
コイルばねVの後部は、軸部J及び軸受部Kよりも下に位置するように上フレームp2に設けられた後のばね受け部411に支持されるものである。
この実施形態は、図32に示すように、上フレームp2が組立姿勢(T)にある場合にのみ、コイルばねVを、前のばね受け部211と後のばね受け部411との間に配設可能に構成されている。
つまり、作業者は、コイルばねVを、工具等を使用することなく手指による作業のみにより簡単に所定位置に配設することができるようになっている。
換言すれば、この実施形態の背支持体本体Pは、組立姿勢(T)をなす上フレームp2における後のばね受け部411と下フレームp1における前のばね受け部211との間が、通常姿勢(U)の場合よりも前後方向に大きく離間するように設定されている。
[中間部材S]
中間部材Sは、下フレームp1と上フレームp2との間に配設されたものである。中間部材Sは、上フレームp2の軸受入凹所4に取り付けられている。すなわち、中間部材Sの主要部は、軸受入凹所4が構成される前壁部41、後壁部42、及び、連結部43の内面に添設されたものとなっている。
中間部材Sは、上フレームp2よりも剛性に優れ、且つ、摺動性を有した樹脂であるポリオキシメチレン(POM)樹脂により形成されている。
中間部材Sは、軸部Jに対する摺動性を向上させることができるものとなっている。また、中間部材Sは、組立姿勢(T)から通常姿勢(U)に姿勢変更された上フレームp2を組立姿勢(T)に戻れないように回動規制することができるものとなっている。
中間部材Sは、左右方向中央部に配された基部s1と、基部s1の左右に対をなして片持ちアーム状に延設された姿勢変形部s2と、基部s1の下に延設され前壁部41の下取付部412に外嵌する前装着部s3と、基部s1の上に連設され軸受部Kの内周面に添接しつつ被覆する軸受カバー部s4と、軸受カバー部s4の後端部から下方に延設され後壁部42の前面側(内面側)に装着される後装着部s5とを備えたものである。
中間部材Sは、側面視において、全体として上下方向が逆転したV字状をなしている。すなわち、中間部材Sは、基部s1、姿勢変形部s2、及び、前装着部s3を含んでなる前部分Sfと、後装着部s5を含んでなる後部分Srと、軸受カバー部s4を含んでなる上部分Suとを備えてなるものである。
側面視逆さまV字状をなす中間部材Sは、上フレームp2の軸受入凹所4に対して装着される際に、側面視における前部分Sfと後部分Srとが互いに相寄るように一時的に弾性弾性変形し得るものとなっている。
この実施形態では、前部分Sfと後部分Srとが互いに相寄る一時的な動作は、主として、上下方向に細長く伸びた左右の連結アーム部s12における端部、すなわち、軸受カバー部s4の近傍部分の弾性変形によって実現されている。
(基部s1)
基部s1は、軸受入凹所4における前壁部41の内面に添設されるものである。基部s1は、正面視及び背面視において略矩形状をなす基部本体s11と、基部本体s11の左右両側部の上部から上方に向かって一体に延びてなり、その延出端が軸受カバー部s4に連続した左右の連結アーム部s12とを備えている。
基部本体s11における前面側の左右方向中央部には、左右に対をなし上下方向に延びる補強リブrvが設けられている。なお、補強リブrvは、前部分Sfの全体的な剛性を高めるために、基部本体s11と前装着部s3との間に連設されている。
補強リブrvは、軸受入凹所4の前壁部41に設けられた位置決めリブ413と係わり合い前壁部41に対する左右方向の位置決め機能も発揮するものである。
左右の連結アーム部s12は、軸受カバー部s4の近傍部分を除き、上下方向に延びた薄板状をなしている。左右の連結アーム部s12における軸受カバー部s4の近傍部分だけは、前後方向に弾性変形容易な比較的細径の柱状をなしている。
(姿勢変形部s2)
姿勢変形部s2は、基部本体s11における下端部の左右両側部から外側方に向かって延設されている。
姿勢変形部s2は、基部s1の左右両側部から外側方に向かって延設された基端部分s21と、基端部分s21の上端部に連設され基端部分s21よりも左右幅寸法が大きく設定された塊状ないしブロック状をなす先端部分s22とを備えたものである。
基端部分s21は、弾性変形容易な板状をなしている。基端部分s21は、基部s1における下部の左右両側部から外側方に向かって漸次上方に位置するように斜めに延びている。
基端部分s21は、下フレームp1と上フレームp2とを組み付ける作業時において、姿勢変形部s2が規制部24に対して係わり合った際に、左右方向に弾性変形が惹き起こされる主要部をなしている。
姿勢変形部s2は、組立姿勢(T)において第一姿勢(X)を採るとともに通常姿勢(U)において第一姿勢(X)とは異なる第二姿勢(Y)を採るように構成されたものである。
すなわち、姿勢変形部s2は、第一姿勢(X)において、左右の支持アーム22の内側部に設けられた規制部24の内側面241に係合することにより、先端部分s22が基部s1に対して近接する方向に弾性変形されている。
また、姿勢変形部s2は、第二姿勢(Y)において、左右の支持アーム22の内側部に設けられた規制部24の前向面242に係合し得る箇所に配設されている。
すなわち、姿勢変形部s2の先端部分s22は、第二姿勢(Y)において、規制部24の前に配設されるようになっている。姿勢変形部s2は、第二姿勢(Y)において、上フレームp2の起立姿勢(ps)を規定するべく、上フレームp2における軸受部Kよりも下部分(前壁部41の下部)の後方への回動範囲を規制し得るものである。
姿勢変形部s2は、第二姿勢(Y)において、第一姿勢(X)で実行されていた規制部24における内側面241との係合関係が解除されるようになっている。
上フレームp2が組立姿勢(T)から通常姿勢(U)に遷移することに伴って、姿勢変形部s2が第一姿勢(X)から第二姿勢(Y)に遷移することになる。このとき、姿勢変形部s2の先端部分s22は、基端部分s21の弾性変形に伴って基部s1に対して左右方向に離れる方向に弾性復帰するとともに規制部24の前向面242に係合し得る箇所(規制部24の前)に配設されるようになっている。
第二姿勢(Y)をなす姿勢変形部s2は、後傾姿勢(pr)において規制部24の前向面242に対して前方に離間するものであり、起立姿勢(ps)において規制部24の前向面242に対して当接するものである。
すなわち、第二姿勢(Y)をなす姿勢変形部s2は、上フレームp2が起立姿勢(ps)を採る場合に、規制部24と前壁部41との間に閊える(支える)ようになっている。
(前装着部s3)
前装着部s3は、左右方向中央部に位置する中央嵌合凹所s31と、中央嵌合凹所s31の左右に中央嵌合凹所s31よりも上に位置するように設けられた側部嵌合凹所s32とを備えたものである。
中央嵌合凹所s31には、前壁部41における下取付部412の中央凸部41aが嵌合するようになっている。側部嵌合凹所s32には、前壁部41における下取付部412の左右の側凸部41bが嵌合するようになっている。
(軸受カバー部s4)
軸受カバー部s4は、左右の各軸受部Kに対して添設される部分円筒状をなしている。軸受カバー部s4は、下フレームp1に設けられた軸部Jと上フレームp2に設けられた軸受部Kとの間に介設されている。
軸受カバー部s4は、軸受部Kに裏当て支持されている。軸受カバー部s4は、軸部Jに対して直接的に接するとともに上フレームp2の回動に伴って摺動し得るものとなっている。
軸受カバー部s4を含む中間部材S全体は、摺動性及び剛性に優れたポリオキシメチレン樹脂(POM)により形成されている。このため、軸部Jと軸受部Kとの間に軸受カバー部s4を介設させることにより、下フレームp1に対して、グリース等を施す必要なく、上フレームp2を滑らかに回転させることができるものとなっている。
なお、軸受部Kと軸部Jとの間に、軸受カバー部s4を介設することなく、軸受部Kと軸部Jとが直接的に係わり合うように構成してもよい。
(後装着部s5)
後装着部s5は、上下方向及び左右方向に延びた壁状部分swと、壁状部分swの下部から後方に突設された係合突起s51と、壁状部分swにおける下部の背面側に前方に凹むように設けられた嵌合凹部s52と、壁状部分swの下部から前方すなわち基部s1の方向に突設され横架部23に対して係合し得る突出部分stとを備えたものである。
壁状部分swは、軸受カバー部s4の後端部に一体に連設されている。軸受カバー部s4及び壁状部分swの外側端部には、連設強度を向上させるためのフランジsgが一体に設けられている。軸受カバー部s4及び壁状部分swの左右方向中央部には、補強連結部44との干渉を回避するための切欠部skが設けられている。
係合突起s51は、左右方向に複数(四つ)並設されている。係合突起s51は、上フレームp2における後壁部42の貫通孔に設けられた突起係合部分42aに係合するようになっている。
嵌合凹部s52は、壁状部分swにおける左右方向中央部の背面側に設けられている。嵌合凹部s52には、上フレームp2における後壁部42に突設された前方突出部分42bが係合するようになっている。
突出部分stは、壁状部分swの下部から前方に突設されている。突出部分stは、該壁状部分swに対して略直交する前方に突設されている。
突出部分stは、基部s1及び位置決めリブ413と協働して、下フレームp1の横架部23が、軸受部Kに向かって通過可能な軸通路Zの通路幅wzを規定するものとなっている。
すなわち、上フレームp2が組立姿勢(T)をなす場合には、下フレームp1の横架部23が、突出部分stを含み構成された軸通路Zを通過して軸受部K(軸受カバー部s4)に到達できるようになっている。
突出部分stは、上フレームp2が通常姿勢(U)を採る場合には、横架部23を軸受部Kから抜け止めする位置に配設されるものとなる。すなわち、上フレームp2が通常姿勢(U)をなす場合の突出部分stは、横架部23の下縁部に対して係合し得る箇所に位置するものとなっている。
換言すれば、突出部分stは、下フレームp1に対して係合することにより、通常姿勢(U)の上フレームp2が離脱する(上方向へ移動する)ことを禁止するものとなっている。
<<後傾度合設定機構I>>
後傾度合設定機構Iは、支持基部Bに対して背支持体Dを介して後傾動作可能に支持された背凭れEの後傾度合いを、使用者の後傾度合設定レバー5に対する回転操作によって二以上の複数(この実施形態では四つの後傾度合い)の中から一つを選択し得るように構成されたものである。
後傾度合設定機構Iは、背支持体Dに回転可能に支持された後傾度合設定レバー5と、後傾度合設定レバー5に対して一体的に回転可能に取り付けられた回転部材Qと、支持基部Bに配設され回転部材Qが当接し得る図示しないダンパー部材と、背支持体Dに取り付けられ回転部材Qを節度係合し得る節度係合部材Rと備えたものである。
<後傾度合設定レバー5(操作レバー)>
後傾度合設定レバー5は、左右方向に延びてなり左右のアーム本体m4に設けられた軸孔maに枢支されるレバー軸部51と、止着具を使用することなくレバー軸部51に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体52とを備えたものである。
[レバー軸部51]
レバー軸部51は、金属製のものである。レバー軸部51は、全体として左右方向に延びた円柱軸状のものである。レバー軸部51の突出端部には、軸心に対して交差する方向に突出した突出部511が設けられている。
レバー軸部51には、円板状(ドーナツ状)をなし内側面が右のアーム本体m4の外側面に添接する位置決め板512が設けられている。位置決め板512は、レバー軸部51に対して溶接されている。
レバー軸部51に設けられた位置決め板512は、右のアーム本体m4の外側面に当接することにより、レバー軸部51における右のアーム本体m4に対する左方向への移動規制をしている。
また、レバー軸部51に設けられた位置決め板512の外側面には、レバー本体52に設けられた鍔部523が当接するようになっている。つまり、位置決め板512は、左のアーム本体m4とレバー本体52の鍔部523との間に介設されている。
[レバー本体52]
レバー本体52は、合成樹脂製のものである。この実施形態のレバー本体52は、レバー軸部51に対して固定するためのねじ挿通孔が形成されていないものである。
レバー本体52は、左右方向に延びてなり内部にレバー軸部51が配設される収容穴52aが形成された円筒状部分521と、円筒状部分521の基端に一体に形成された鍔部523と、円筒状部分521から片持ち的に突出したレバー片522とを備えたものである。
円筒状部分521には、レバー軸部51に外嵌される収容穴52aが設けられている。収容穴52aには、レバー軸部51に設けられた突出部511に対して係合し得るキー溝部52bが設けられている。
鍔部523は、円筒状部分521の基端から外方に延設されたものである。鍔部523は、背支持体ベースMにおける右のアーム本体m4と背支持体本体Pにおける下フレームp1の側壁部12との間に配設されている。
鍔部523は、円筒状部分521の基端における全周に設けられている。鍔部523は、その全周の内、後傾度合設定レバー5の回転範囲に対応して、特定の部分だけが外方に大きく延設されている。すなわち、鍔部523は、側壁部12における切欠孔121の周縁部分に対して特に係合し得る後上部分52cのみが外方に大きく張り出すように設けられている。
つまり、この実施形態では、レバー本体52は、止着具を使用することなくレバー軸部51に対して外嵌されているものであるため、レバー軸部51に対するレバー本体52の軸心方向(左右方向)の相対移動は、レバー本体52に設けられた鍔部523が、背支持体Dの構成部分に対して直接又は間接的に係合することにより規制されている。
鍔部523は、背支持体ベースMにおける右のアーム本体m4と下フレームp1における側壁部12との間に横ずれし難い態様で配設されることにより、レバー本体52がレバー軸部51に対して好適に支持されたものとなっている。
なお、この実施形態では、鍔部523は、背支持体ベースMの構成部分である右のアーム本体m3に対して位置決め板512を介して間接的に係合したものとなっている。
すなわち、鍔部523は、右のアーム本体m4の外面に対して当接されたレバー軸部51の位置決め板512と、下フレームp1の側壁部12における切欠孔121の周縁部分との間に挟まれることにより、位置決めされたものとなっている。
レバー片522は、円筒状部分521の先端部に当該円筒状部分521の長手方向に対して直交する方向に突設されたものである。レバー片522は、使用者の手指を掛けやすくするための突出片状のものである。
<回転部材Q>
回転部材Qは、後傾度合設定レバー5と一体的に回転し得るように構成された合成樹脂製のものである。回転部材Qは、背支持体ベースMにおける左右のアーム本体m4間に配設されている。なお、回転部材Qは、ばねqsにより、右のアーム本体m4の内側面に取り付けられた節度係合部材Rの方向に付勢されている。
<<背凭れE>>
背凭れEは、背支持体Dに支持されたものである。背凭れEは、背面側に配設されたシェル状をなす背凭れ基部e1と、背凭れ基部e1の前側に取り付けられた背凭れ本体e2とを備えたものである。
背凭れ基部e1の下部は、下フレームp1の上部にねじ止めされている。背凭れ基部e1の上部は、上フレームp2に対して上下方向に相対移動可能に支持されている。
背凭れ本体e2は、図示しないインナーシェル及び背クッションを有し、これらが表皮材により覆われている。
<<上フレームp2の下フレームp1に対する取付について>>
この実施形態の背支持体本体Pは、下フレームp1と上フレームp2との間に手作業によりコイルばねVを所定の位置に配設した上で、下フレームp1及び上フレームp2をワンタッチ的に離脱不能に組み付けできる構成のものとなっている。
すなわち、背支持体本体Pは、下フレームp1と上フレームp2との間にコイルばねVを介設させる必要がある構成であるにもかかわらず、下フレームp1に対する上フレームp2の回動範囲規制機能を発揮し得る中間部材Sを設けることにより、簡単に組み立てられるように構成されている。
上フレームp2を下フレームp1に対して組み付ける工程の一例について、主として、図27~32を参照して説明する。なお、図28~31、及び、図33では、中間部材Sの作動を見えやすく説明する便宜上、上フレームp2の図示を省略している。また、中間部材Sの一部(下部)についても図示を省略している。
<準備工程>
まず、背支持体本体Pを構成する下フレームp1、コイルばねV、上フレームp2、及び、中間部材Sを準備する。上フレームp2を下フレームp1に対して組み付ける工程は、工具を利用することなく、手作業のみで実行することができるようになっている。
なお、グリースを準備する必要はない。中間部材Sは、摺動性及び滑動性に優れ、且つ、剛性に優れたポリオキシメチレン(POM)樹脂製のものであるため、部材間にグリースを施すことなく組み付け作業を進行可能である。
<上フレームp2に対する中間部材Sの装着>
次に、上フレームp2の軸受入凹所4に対して中間部材Sを装着する。中間部材Sの軸受入凹所4に対する取付構造については、既に説明済みであるため省略する。
ここで、上フレームp2を下フレームp1に対して組み付ける工程の説明では、説明の便宜上、中間部材Sが装着された状態の上フレームp2のことを単に「上フレームp2」と称する場合がある。
<組立姿勢(T)をなす上フレームp2等の移動>
続いて、図27に示すように、上フレームp2及び中間部材Sを、下フレームp1に対する通常姿勢(U)よりも約15°前傾[起立姿勢(ps)に対して約15°前傾]させた組立姿勢(T)に姿勢変更させる。
そして、図27・図28に示すように、所定の組立姿勢(T)の上フレームp2における軸受入凹所4内に下フレームp1の横架部23(軸部J)が配設されるよう、上フレームp2及び下フレームp1を互いに近接するように相対移動させていく。
上フレームp2が組立姿勢(T)を採る場合には、横架部23(軸部J)の厚み寸法(短手厚み寸法)と略同じ寸法かそれよりも僅かに長い通路幅wzに設定された軸受入凹所4の軸通路Zを、下フレームp1の横架部23(軸部J)が外部から軸受部K方向に進行し得るようになっている。
図29に示すように、軸受部Kが設けられた軸受入凹所4の奥方(軸受部K)に向かって横架部23(軸部J)が進行する初期段階において、中間部材Sに設けられた第二姿勢(Y)をなす姿勢変形部s2における基端部分s21の外側面が、下フレームp1に突設された規制部24の内側面241に当接するようになっている。
図29・図30に示すように、規制部24の内側面241に当接した姿勢変形部s2の基端部分s21は、下フレームp1に固定されている規制部24の内側面241との係わり合いによって内方に向かって押圧され、徐々に第二姿勢(Y)から第一姿勢(X)の方向に姿勢変更されていくことになる。
規制部24における内側面241の上部には、傾斜面部kmが設けられている。このため、中間部材Sにおける姿勢変形部s2の基端部分s21は、初期段階において傾斜面部kmに案内されて第二姿勢(Y)から第一姿勢(X)の方向に無理なく円滑に姿勢変形されるようになっている。
図31に示すように、横架部23(軸部J)が軸受入凹所4の奥方(軸受部K)に進行され、最終的に軸受部K(軸受カバー部s4)に支持される位置にまで到達すると、上フレームp2が下フレームp1に対して軸部J回りに回転可能なものとなる。また、姿勢変形部s2は、規制部24の内側縁241によって基部s1に近接するように弾性変形された第一姿勢(X)を採ることになる。
<コイルばねVの配設>
この段階で、図32に示すように、上フレームp2の組立姿勢(T)を維持しながら、コイルばねVを下フレームp1における前のばね受け部211と上フレームp2における後のばね受け部411との間に配設する。
上フレームp2が組立姿勢(T)にある場合には、前のばね受け部211と後のばね受け部411との間の配設空間spには、コイルばねVを作業者の手作業のみで正規の姿勢に配設し得る十分な前後方向の離間空間部分が形成されている。
<上フレームp2の通常姿勢(U)への姿勢変更>
その後、コイルばねVが、前のばね受け部211と後のばね受け部411との間に配設された後に、上フレームp2を組立姿勢(T)から通常姿勢(U)の方向に姿勢変更させるべく、上フレームp2を軸部J回りに回転させる(上フレームp2を後傾させる)。
図33(図18・図20)に示すように、上フレームp2が組立姿勢(T)から通常姿勢(U)の方向に回転されると、第一姿勢(X)をなしていた姿勢変形部s2は、規制部24に対して前方に相対移動する結果、規制部24の内側面241との弾性係合が解かれるとともに規制部24の前向面242側に位置するものとなる。
つまり、第一姿勢(X)をなしていた姿勢変形部s2は、規制部24の内側面241との係合関係が解かれた結果、弾性変形(弾性復帰)により外側方に移動し、第二姿勢(Y)に姿勢変更されることになる。
第二姿勢(Y)をなす姿勢変形部s2の先端部分s22は、左右の支持アーム22の内側面部分に対して係接又は近接するようになっている。この結果、第二姿勢(Y)における姿勢変形部s2の先端部分s22は、規制部24の前に配設されることになる。
換言すれば、第二姿勢(Y)における姿勢変形部s2は、下フレームp1と上フレームp2との間に閊え(支え)得る位置に配設されることになる。上フレームp2が組立姿勢(T)から通常姿勢(U)に姿勢変更されたことに伴って、姿勢変形部s2は、第一姿勢(X)から第二姿勢(Y)に自動的に姿勢変更されるものとなっている。
なお、第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2は、上フレームp2が後傾姿勢(pr)をなす場合には規制部24に対して前側に離間するようになっている。一方で、第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2は、上フレームp2が起立姿勢(ps)をなす場合には、前壁部41と規制部24との間に閊える(支える)ものとなっている。
つまり、上フレームp2は起立姿勢(ps)をなすときに第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2に邪魔されて下フレームp1に対してそれ以上の前傾姿勢が採れないように構成されている。
上フレームp2は、通常姿勢(U)において、姿勢変形部s2の先端部分s22における前後方向の厚み寸法分だけ後方に回動できないようになっている。
通常姿勢(U)の上フレームp2は、邪魔部材である第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2に対して特別な操作力を付与しない限り、軸受入凹所4から横架部23が抜け出し可能な組立姿勢(T)に戻ることができないようになっている。
つまり、上フレームp2が通常姿勢(U)にある場合には、中間部材Sの突出部分stが横架部23の下縁部に係合し得る(横架部23の下に位置する)という位置関係から脱却することができず、上フレームp2は下フレームp1に対して離脱することができないようになっている。
以上の工程を経て、下フレームp1に対する上フレームp2の取り付けが完了する。
なお、上フレームp2を下フレームp1に対して取り外す場合には、第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2を、手指や棒状部材等を用いて第一姿勢(X)に強制的に姿勢変更させればよい。
この実施形態では、コイルばねVが軸受入凹所4を構成する前壁部41を後方に向かって常に付勢したものとなっている。そのため、第二姿勢(Y)の姿勢変形部s2を手指や棒状部材等を用いて第一姿勢(X)に強制的に姿勢変更させれば、比較的簡単に、上フレームp2を通常姿勢(U)から組立姿勢(T)に姿勢変更させることが可能である。
つまり、この実施形態の背支持体本体Pは、通常姿勢(U)において、常にコイルバネVが上フレームp2を組立姿勢(T)方向(前傾させようとする方向)に付勢しているものとなっている。
そのため、下フレームp1の規制部24と上フレームp2の前壁部41との間に閊え(支え)ている状態の姿勢変形部s2を、第二姿勢(Y)から第一姿勢(X)に強制移動させれば、コイルばねVが、上フレームp2が組立姿勢(T)に移行し得るようにその回動を助勢するものとなっている。
上述した実施形態であれば、従来のような単体のスチールシャフトを適用することなく、下フレームp1に対して上フレームp2を回転可能に支持させる構成を実現することができるものとなる。
このため、本実施形態の椅子であれば、デザイン性の向上に資する設計がし易いものとなるだけでなく、下フレームp1に対して上フレームp2を回転可能に支持させる設計の自由度に優れたものとなる。
上述した実施形態であれば、第一部材である背支持体Dの下フレームp1に対して回転可能に構成される第二部材である背支持体Dの上フレームp2の組み立てを、下フレームp1と上フレームp2との間に付勢部材であるコイルばねVを介設させる必要があるものであっても、好適に行える構成を提供することができるものとなる。
上述した実施形態であれば、操作レバーである後傾度合設定レバー5を構成する部品点数を抑制することができるだけでなく、後傾度合設定レバー5の好適な外観を形成し得る設計の自由度に優れた椅子を提供し得るものとなる。
以上詳述したように本実施形態の椅子は、支持基部Bと、支持基部Bに対して回転可能に支持された背支持体Dとを備え、背支持体Dに操作レバーである後傾度合設定レバー5を回転可能に支持させたものである。
そして、背支持体Dが、起立壁状をなし前後方向に延びてなる左右のアームが設けられた背支持体ベースMと、背支持体ベースMの後部に連結され支持体ベースMと一体的に動作する背支持体本体Pとを備えたものである。
後傾度合設定レバー5が、左右方向に延びてなり左右のアームm1に設けられた軸孔maに枢支されるレバー軸部51と、止着具を使用することなくレバー軸部51に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体52とを備えたものである。
レバー本体52が、内部にレバー軸部51が配設される収容穴52aが形成された円筒状部分521と、円筒状部分521の基端に一体に形成された鍔部523とを備えたものである。鍔部523は、左右何れか一方のアームm1と背支持体本体Pとの間に配設されており、レバー軸部51に対する左右方向の移動が規制されている椅子。
このため、本実施形態であれば、後傾度合設定レバー5を構成する部品点数を抑制することができるだけでなく後傾度合設定レバー5の好適な外観を形成し得る設計の自由度に優れた椅子を提供することができるものとなる。
つまり、レバー本体52の鍔部523が背支持体本体Pに係わり合うことによって、背支持体本体Pに対してレバー本体52が抜け止めされたものとなっている。換言すれば、レバー本体52の鍔部523が、ねじ等の止着具に代わって、レバー軸部51に対する抜け止め機能を発揮し得るものとなっている。
そのため、レバー本体52が、ねじ等の止着具を使用することなくレバー軸部51に対して相対回転しないように装着される構成が、好適に実現されたものとなっている。本実施形態であれば、レバー本体52に対して、止着具の形状や、当該止着具を配設するための形状が外部に表れないものとなるため、所期の目的を好適に達成し得るものとなっている。
背支持体本体Pに、左右のアームm1における各外側部に沿うように、左右の側壁部12が設けられたものである。そして、レバー本体52の鍔部523が、左右何れか一方のアームm1と側壁部12との間に配設されている。
このため、レバー本体52の鍔部523は、背支持体ベースMを構成する左右のアームm1の何れか一方と背支持体本体Pに設けられた側壁部12との間において好適に位置決めされるものとなる。
左右の側壁部12における前部に、円筒状部分521の基端部が係合し得る切欠孔121が設けられている。
このため、鍔部523に隣設される円筒状部分521の基端部が切欠部121に対して係合することにより好適に位置決めされつつ回転し得るものとなっている。
レバー本体52は、ねじ挿通孔が形成されていないものである。
このため、レバー本体52は、レバー軸部51に対してねじ止めされることなく位置決めされるものとなるため、レバー本体52に外観を損ねやすいねじ挿通孔が表出しないものとなっている。
レバー軸部51に、軸心に対して交差する方向に突出した突出部511が設けられている。そして、レバー本体52の収容穴52aに、突出部511に対して係合し得るキー溝部52bが設けられている。
このため、レバー軸部51の突出部511を、レバー本体52における収容穴52aに設けられたキー溝部52bに係わり合わせることにより、レバー軸部51に対するレバー本体52の回転方向のずれ動きが好適に抑制されるものとなっている。
後傾度合設定レバー5が、背支持体Dに支持された背凭れEの後傾度合いを二以上の複数の中から選択し得る後傾度合設定機構Iを構成するものである。
このため、後傾度合設定レバー5は、部品点数が抑制されるとともにねじ挿通孔等の美観を損ね易い部位が表れにくい好適なものとなっている。
背支持体ベースMが、主軸j1を介して支持基部Bに対して回転可能に支持されたものであり、左右のアームm1に主軸j1が挿通される図示しない主軸挿通孔が設けられている。
このため、支持基部Bに対して回転可能に構成された背支持体Dに、後傾度合設定レバー5が配設されたものとなっている。
換言すれば、後傾度合設定レバーDは、背支持体Dと共に一体に回動し得るものとなっている。このため、背支持体Dと共に一体に動作することにより外部から視認されやすい後傾度合設定レバーDに対して、好適な外観を採り得る設計をし易いものとなっている。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限定されるものではない。
操作レバーは、後傾度合設定レバーに限られないものであることは言うまでもない。
すなわち、操作レバーは、椅子を構成する部材に対して回転可能に支持させたものであればよい。
例えば、椅子は、操作レバーを回転可能に支持させたものであり、前記操作レバーが、第一部材に設けられた軸孔に枢支されるレバー軸部と、止着具を使用することなく前記レバー軸部に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体とを備えたものであり、前記レバー本体が、内部に前記レバー軸部が配設される収容穴が形成された円筒状部分と、この円筒状部分の基端に一体に形成された鍔部とを備えたものであり、前記鍔部が、前記第一部材とこの第一部材の外側に配設された第二部材との間に配設されており、前記レバー軸部に対して当該レバー軸部の軸心方向の移動が規制されているものであってもよい。
上記したより具体的な構成のものとしては、前記第一部材が支持基部であり、前記第二部材が支持基部を覆うカバー体である椅子を挙げることができる。
第一部材及び第二部材は、椅子を構成する部材であればどのようなものであってもよい。例えば、第一部材や第二部材を構成する椅子の部材としては、支持基部、座、背支持体、及び、背凭れを構成するものを挙げることができる。
レバー本体は、止着具を使用することなくレバー軸部に対して装着されるものであればどのような構成のものであってもよい。
例えば、レバー本体は、止着具を挿通する目的ではない孔が設けられたものであってもよい。
レバー本体は、レバー軸部に対して相対回転しないように装着されたものであればよい。
例えば、レバー本体とレバー軸部とが強固に嵌合することにより、相対回転不能に構成されたものであってもよい。
レバー本体は、使用者が把持し得る部位を有したものであればよく、その形状は適宜の形状に設定可能である。
例えば、レバー本体は、レバー片が突設されていない構成のものであってもよい。
鍔部と背支持体本体との間、及び、鍔部と背支持体ベースとの間に、抜止リング等の他の部材が介設されていてもよい。
切欠孔の形状は、上述した実施形態に示されたものに限られないことは言うまでもない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
B…支持基部
D…背支持体
5…後傾度合設定レバー(操作レバー)
M…背支持体ベース
m1…左右のアーム
P…背支持体本体
ma…軸孔
51…レバー軸部
52…レバー本体
52a…収容穴
523…溝部

Claims (9)

  1. 支持基部とこの支持基部に対して回転可能に支持された背支持体とを備え、この背支持体に操作レバーを回転可能に支持させた椅子であって、
    前記背支持体が、起立壁状をなし前後方向に延びてなる左右のアームが設けられた背支持体ベースと、この背支持体ベースの後部に連結され前記支持体ベースと一体的に動作する背支持体本体とを備えたものであり、
    前記操作レバーが、左右方向に延びてなり前記左右のアームに設けられた軸孔に枢支されるレバー軸部と、止着具を使用することなく前記レバー軸部に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体とを備えたものであり、
    前記レバー本体が、内部に前記レバー軸部が配設される収容穴が形成された円筒状部分と、この円筒状部分の基端に一体に形成された鍔部とを備えたものであり、
    前記鍔部が、左右何れか一方の前記アームと前記背支持体本体との間に配設されており、前記レバー軸部に対する左右方向の移動が規制されている椅子。
  2. 前記背支持体本体に、前記左右のアームにおける各外側部に沿うように、左右の側壁部が設けられたものであり、
    前記鍔部が、左右何れか一方の前記アームと前記側壁部との間に配設されている請求項1記載の椅子。
  3. 前記左右の側壁部における前部に、前記円筒状部分の基端部が係合し得る切欠孔が設けられている請求項2記載の椅子。
  4. 前記レバー本体は、ねじ挿通孔が形成されていないものである請求項1記載の椅子。
  5. 前記レバー軸部に、軸心に対して交差する方向に突出した突出部が設けられており、
    前記収容穴に、前記突出部に対して係合し得るキー溝部が設けられている請求項1記載の椅子。
  6. 前記操作レバーが、前記背支持体に支持された背凭れの後傾度合いを二以上の複数の中から選択し得る後傾度合設定機構を構成するものである請求項1記載の椅子。
  7. 前記背支持体ベースが、主軸を介して前記支持基部に対して回転可能に支持されたものであり、
    前記左右のアームに前記主軸が挿通される主軸挿通孔が設けられている請求項1記載の椅子。
  8. 操作レバーを回転可能に支持させた椅子であって、
    前記操作レバーが、第一部材に設けられた軸孔に枢支されるレバー軸部と、止着具を使用することなく前記レバー軸部に対して相対回転しないように装着され使用者が把持し得る部位を有したレバー本体とを備えたものであり、
    前記レバー本体が、内部に前記レバー軸部が配設される収容穴が形成された円筒状部分と、この円筒状部分の基端に一体に形成された鍔部とを備えたものであり、
    前記鍔部が、前記第一部材とこの第一部材の外側に配設された第二部材との間に配設されており、前記レバー軸部に対して当該レバー軸部の軸心方向の移動が規制されている椅子。
  9. 前記第一部材が支持基部であり、前記第二部材が支持基部を覆うカバー体である請求項8記載の椅子。
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