JP2024065755A - アンモニア含有油水の処理装置及び処理方法 - Google Patents

アンモニア含有油水の処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビルジ水などのアンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液(アンモニア含有油水)からアンモニアを除去するのに好適な処理装置及び処理方法を提供する。【解決手段】処理装置10は、アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液からアンモニアを除去する。処理装置10は、被処理液から油分を除去する油水分離装置1と、油水分離装置1で油分が除去された被処理液と次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を混合してアンモニアを分解する処理槽2と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液(本開示では「アンモニア含有油水」ともいう。)からアンモニアを除去するための処理装置及び処理方法に関する。
例えば船舶では、廃水に油などが混合した不要液体(本開示では「ビルジ水」という。)が発生するが、ビルジ水をそのまま海洋に排出することができないため、残留油含有量が排出基準以下になるようにビルジ水を処理する必要がある。ビルジ水は、通常、油水分離装置により水分と油分とが分離され、油水分離装置では、膜処理により水分と油分とを分離するのが一般的である(例えば特許文献1を参照)。
近年、CO排出量削減のため、船舶において、アンモニアを燃料の一部とするエンジンの開発が進められている。アンモニアをエンジンの燃料として使用する場合、エンジンのメンテナンスなどに際してビルジ水にアンモニアが含まれる可能性がある。しかし、アンモニアを含有したビルジ水を油水分離装置で膜処理しても油分とともにアンモニアを分離することはできない。そのため、ビルジ水からアンモニアを除去するためには他の処理が必要となる。
特開2006-198483号公報
ビルジ水からアンモニアを除去する方法としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム(別名は次亜塩素酸ソーダ)や次亜塩素酸をビルジ水に添加してビルジ水に含まれるアンモニアを次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸と反応させて窒素ガスまで分解する方法が考えられる。しかし、ビルジ水に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸を添加した場合、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸はビルジ水に含まれる油分とも反応するため、アンモニアを分解するための次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸の添加量が多大になるという課題がある。
なお、アンモニアストリッピング法により、水中のアンモニウムイオンを水酸化物イオンと反応させてアンモニアガスを大気に放散させることも考えられるが、この方法を行うには、処理装置が大掛かりとなる。特に船舶内ではスペースが限られているため、大掛かりな処理装置を設置するのが困難である。
本発明は、上記課題を解決することに着目してなされたものであり、ビルジ水などのアンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液(アンモニア含有油水)からアンモニアを除去するのに好適な処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の項1に記載の処理装置を主題とする。
項1.アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液からアンモニアを除去する処理装置であって、
前記被処理液から油分を除去する油水分離装置と、
前記油水分離装置で油分が除去された前記被処理液と次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を混合してアンモニアを分解する処理槽と、
を備える、処理装置。
また本発明の処理装置は、上記項1に記載の処理装置の好ましい態様として、以下の項2に記載の処理装置を包含する。
項2.塩水を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成する電気分解装置をさらに備え、
前記電気分解装置で生成された次亜塩素酸ナトリウムが前記処理槽に供給されて油分が除去された前記被処理液に混合される、項1に記載の処理装置。
また本発明の処理装置は、上記項2に記載の処理装置の好ましい態様として、以下の項3に記載の処理装置を包含する。
項3.前記塩水は海水である、項2に記載の処理装置。
また本発明の処理装置は、上記項3に記載の処理装置の好ましい態様として、以下の項4に記載の処理装置を包含する。
項4.前記塩水は濃縮された海水である、項3に記載の処理装置。
また本発明の処理装置は、上記項1に記載の処理装置の好ましい態様として、以下の項5に記載の処理装置を包含する。
項5.前記処理槽は、油分が除去された前記被処理液及び塩水の混合液が供給され、前記混合液を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成するとともに、該次亜塩素酸ナトリウムを油分が除去された前記被処理液中のアンモニアと反応させるように構成される、項1に記載の処理装置。
また、本発明は、上記課題を解決するため、以下の項6に記載の処理方法を主題とする。
項6.アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液からアンモニアを除去する処理方法であって、
前記被処理液から油分を除去する油水分離ステップと、
前記油水分離ステップ後の油分が除去された前記被処理液と次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を混合してアンモニアを分解する分解処理ステップと、
を行う、処理方法。
また本発明の処理方法は、上記項6に記載の処理方法の好ましい態様として、以下の項7に記載の処理方法を包含する。
項7.塩水を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成する電気分解ステップをさらに行い、
前記電気分解ステップで生成された次亜塩素酸ナトリウムが、前記油水分離ステップ後の油分が除去された前記被処理液に混合される、項6に記載の処理方法。
本発明においては、水に油が混ざった被処理液にアンモニアが含有されていても、まずは油水分離装置により水分と油分とを分離することで被処理液から油分を除去し、その後、油分を除去した被処理液に次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を添加することで、被処理液に含まれるアンモニアを窒素ガスまで分解する。そのため、本発明によれば、次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を被処理液に含まれるアンモニアと効果的に反応させてアンモニアを分解することができる。よって、被処理液中のアンモニアを分解するための次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸の添加量が多大になるという課題を解決することができる。
本発明の一実施形態に係る処理装置の概略構成図である。 処理槽における注入塩素量と残留塩素濃度の関係を示すグラフである。 電気分解装置の概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係る処理装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。本発明の処理装置及び処理方法は、アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液(アンモニア含有油水)からアンモニアを除去する技術に関する。なお、本開示において、「アンモニアを含有した水」とは、アンモニアガスが溶解した水、液体アンモニアが混入した水を意味する。本発明の処理装置及び処理方法は、特に限定されないが、例えばアンモニアをエンジンの燃料の一部として使用する船舶において生成されるアンモニアを含有したビルジ水を海洋に排出する際に好適に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置10の概略構成図である。本実施形態の処理装置10は、油水分離装置1と、処理槽2と、電気分解装置3とを備える。
油水分離装置1は、不純物を含む液体を例えばろ過膜などの選択性を持つ膜(隔壁)に通すことにより、液体に混ざった所定の物質を当該液体から分離する装置である。油水分離装置1は、被処理液中の不純物である油分を水分と分離して被処理液から除去する。
油水分離装置1は、コアレッサーと呼ばれる膜カートリッジを備えている。被処理液であるアンモニア含有油水がコアレッサーを通過することにより、アンモニア含有油水中に混濁する油滴がコアレッサーに捕捉され、捕捉された油滴同士が結合して粗粒化する。その結果、粗粒化した油滴がコアレッサーから脱離した後に浮力を増して油水分離装置1内を浮上することにより、油分が水分から分離される。
分離した油分は、排油部から油水分離装置1の外部に排出される。油分が除去されて油分濃度(残留油含有量)が低下した被処理液(本開示では「アンモニア含有水」ともいう。)は排水部から油水分離装置1の外部に排出される。なお、本開示において、被処理液に混合される油分は、完全に被処理液から除去されている必要はなく、アンモニア含有水の残留油含有量が極めて少なければよく、例えば15ppm以下、好ましくは5ppm以下であればよい。
上述した油水分離装置1の構成は公知であり、油水分離装置1は従来から公知のものを用いることができる。例えば、特開2006-198483号公報に記載の油水分離装置を油水分離装置1に用いることができる。
図1に示すように、被処理液であるアンモニア含有油水は、貯留タンク4に貯留されている。アンモニア含有油水は、図示しない供給ポンプの駆動及び流量制御弁の開閉操作により所定量が管路L1を通って油水分離装置1に供給される。
図1に示すように、油水分離装置1から排出されたアンモニア含有水は、管路L2を通って処理槽2に供給される。処理槽2は、アンモニア含有水に次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を添加し、アンモニア含有水と次亜塩素酸ナトリウムを混合して、アンモニア含有水に含まれるアンモニアを分解する。これにより、アンモニアがアンモニア含有水から除去される。次亜塩素酸ナトリウムとアンモニアの反応式は以下の式(1)に示すとおりである。
2NH+3NaOCl→N↑+3HO+3NaCl (1)
具体的には、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は、水溶液の状態では次亜塩素酸イオン(OCl)として存在し、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液の液性はアルカリ性である。以下の式(2)-(4)に示すように、次亜塩素酸イオンが水中のアンモニアと反応することで、アンモニアは分解され、最終的に窒素(N)まで分解される。
NH+OCl→NHCl+OH (2)
NHCl+OCl→NHCl+OH (3)
NHCl+NHCl→N↑+3HCl (4)
アンモニアの分解過程では、式(2)及び(3)のように、クロロアミンが中間生成物として生成され、モノクロロアミン(NHCl)とジクロロアミン(NHCl)の等モル反応によりアンモニアが最終的に窒素ガスに分解される。アンモニア含有水に次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を添加すると、図2に示すように、当初はクロロアミンの生成により添加量に伴って残留塩素濃度が増加するが、極大点まで添加されると、クロロアミン同士(モノクロラミン及びジクロラミン)の反応により窒素を生成し、残留塩素濃度が減少して不連続点に至る。不連続点を越えると、次亜塩素酸ナトリウムの添加により残留塩素濃度が再び増加する。このように、不連続点はアンモニアの分解除去が終わったことの目安となるポイントであり、塩素注入量(次亜塩素酸ナトリウムの注入量)を決めるための重要な目安となる。
処理槽2において、その温度及びpHは、次亜塩素酸ナトリウムによるアンモニアの分解に好適な温度及びpHに設定される。
図1に示すように、処理槽2に供給される次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、貯留タンク5に貯留されている。次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、図示しない供給ポンプの駆動及び流量制御弁の開閉操作により所定量が管路L3を通って処理槽2に供給される。
図1に示すように、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、特に限定されないが、好ましくは電気分解装置3において生成される。電気分解装置3は、無隔膜電気分解装置であり、塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解することで次亜塩素酸ナトリウムをオンサイトで生成する。次亜塩素酸ナトリウムは、時間の経過とともに有効塩素濃度が低下するうえ、有害な塩素酸が発生する。そのため、次亜塩素酸ナトリウムは、適切な管理が必要となる。本実施形態のように、電気分解装置3により次亜塩素酸ナトリウムをオンサイトで必要量だけ生成することにより、次亜塩素酸ナトリウムの品質低下を抑制でき、次亜塩素酸ナトリウムの管理の手間を減らすことができる。
図3に示すように、電気分解装置3は、塩水を貯留する電気分解槽30と、電気分解槽30に収容される陽極31及び陰極32と、直流電源装置33と、を備える。電気分解槽30に塩水を貯留し、直流電源装置33により陽極31と陰極32との間に所望の電圧を印加すると、電気分解により陽極31に塩素イオン(Cl)が、陰極32にナトリウムイオン(Na)が、それぞれ引き付けられて、以下の反応式(5)及び(6)に示す反応が起こる。これにより、陽極31に塩素(Cl)が、陰極32に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ、NaOH)と水素(H)が、それぞれ発生する。
水素はガスとなって電気分解槽30の上部から外部に排出され、図示しない処理器で分解した後もしくは空気で希釈した後に大気に放出される。一方で、塩素と水酸化ナトリウムは液中で、以下の反応式(7)に示す反応が直ちに起こり、これにより、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)が生成される。次亜塩素酸ナトリウムは水溶液の状態で、管路L4を通って貯留タンク5に供給される。
陽極:2Cl→Cl+2e (5)
陰極:2Na+2HO+2e→2NaOH+H (6)
液中:Cl+2NaOH→NaOCl+NaCl+HO (7)
式(5)から(7)をまとめると以下の式(8)のとおりとなる。
NaCl+HO→H↑+NaOCl (8)
上述した電気分解装置3の構成は公知であり、電気分解装置3は従来から公知のものを用いることができる。
なお、本実施形態では、電気分解装置3は、各電極31,32の冷却器34を備えている。各電極31,32は、中空の箱型を呈しており、内部に冷媒を導入可能である。冷媒は、特に限定されないが、例えば水や海水を用いることができ、管路L10を介して各電極31,32に冷媒が供給され、管路L11を介して各電極31,32から冷媒が排出される。
各電極31,32が冷却されることにより、各電極31,32の温度上昇により、液中で生成される次亜塩素酸ナトリウムが分解するのを抑制することができる。また、各電極31,32の温度上昇を抑制することで、各電極31,32の寿命を延ばすことができる。また、生成される次亜塩素酸ソーダの水溶液の温度を下げることで、処理槽2において次亜塩素酸ソーダの水溶液が添加されるアンモニア含有水中のアンモニアが気化するのを抑制することができる。
図1に示すように、電気分解装置3に供給される塩水は、貯留タンク6に貯留されている。塩水は、図示しない供給ポンプの駆動及び流量制御弁の開閉操作により所定量が管路L5を通って電気分解装置3に供給される。
塩水は、特に限定されるものではないが、例えば水道水に塩を添加して生成した飽和塩水、海水、濃縮海水(高濃度海水)などを用いることができるが、好ましくは海水であり、より好ましくは濃縮海水である。海水は豊富に存在するため、塩水に海水を用いることで省コストを図ることができる。また、電気分解装置3においては、塩水の塩分濃度が高いほど消費電力を抑制できるため、塩水に濃縮海水を用いることで省エネルギーを図ることができる。濃縮海水の塩分濃度は、特に限定されないが、例えば4%以上である。
塩水が海水の場合、図示しない海水ポンプで海から汲み上げた海水を管路を介して貯留タンク6に貯留することができる。
一方、塩水が濃縮海水の場合、図1に示すように、例えば海から汲み上げた海水を濃縮することにより淡水を製造する造水装置7において、濃縮により生成される濃縮海水(ブライン)を管路L6を介して貯留タンク6に貯留することができる。この場合、造水装置7において製造される淡水を冷却水として電気分解装置3に供給することができる。なお、造水装置7における製造水ではなく、水道水や海水を電気分解装置3に供給してもよい。
造水装置7は、海水を蒸発して濃縮しかつ生成する蒸気の凝縮により淡水を製造する蒸発式海水淡水化装置(例えば多重効用式、多段フラッシュ式、プレート式、チューブラ式、蒸気圧縮式など)、浸透圧以上に加圧した海水を半透膜に供給して淡水を製造する逆浸透膜式海水淡水化装置など、種々の従来から公知のものを用いることができる。
上述した本実施形態の処理装置10は、アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液(アンモニア含有油水)からアンモニアを除去するために、油水分離装置1において被処理液から油分を除去する油水分離ステップを行い、処理槽2において油水分離後の油分が除去された被処理液(アンモニア含有水)と次亜塩素酸ソーダを混合してアンモニアを分解する分解処理ステップを行う。
これにより、本実施形態の処理装置10及び処理方法においては、水に油が混ざった被処理液にアンモニアが含有されていても、まずは油水分離装置1において、水分と油分とを分離することで被処理液から油分を除去し、次に処理槽2において、油分を除去した被処理液に次亜塩素酸ナトリウムを添加することで、被処理液に含まれるアンモニアを窒素ガスまで分解する。そのため、本実施形態の処理装置10及び処理方法によれば、次亜塩素酸ナトリウムを被処理液に含まれるアンモニアと効果的に反応させてアンモニアを分解することができる。よって、被処理液中のアンモニアを分解するための次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多大になるという課題を解決することができる。
また、本実施形態の処理装置10は、電気分解装置3において塩水を電気分解して次亜塩素酸ソーダを生成する電気分解ステップを行う。このように、本実施形態の処理装置10及び処理方法では、電気分解装置3において、塩水を電気分解することで次亜塩素酸ナトリウムをオンサイトで必要量だけ生成することができる。そのため、本実施形態の処理装置10及び処理方法によれば、時間の経過により次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度が低下するなどの次亜塩素酸ナトリウムの品質低下を抑制できるうえ、時間の経過により有害な塩素酸が発生するのを防止するなどの次亜塩素酸ナトリウムの管理にかける手間を減らすことができる。
また、本実施形態の処理装置10は、電気分解装置3における電気分解ステップにおいて、塩分濃度の高い濃縮海水を電気分解して次亜塩素酸ソーダを生成している。そのため、本実施形態の処理装置10及び処理方法によれば、電気分解装置3における電気分解ステップの消費電力を抑制できるため、省エネルギーを図ることができる。
以上、本発明の一つの実施形態について説明したが、上記図1に示す実施形態は、あくまでも例示であって制限的なものではない。そのため、本発明は上記図1に示す実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば上記図1に示す実施形態では、処理槽2に供給する次亜塩素酸ソーダの水溶液を電気分解装置3(電気分解ステップ)における塩水の電気分解で生成している。他の実施形態では、次亜塩素酸ソーダの水溶液を、他の方法、例えば水酸化ナトリウム水溶液に塩素ガスを反応させることにより生成するように構成してもよい。
また、例えば上記図1に示す実施形態では、処理槽2において、油分が分離されたアンモニア含有水と次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を混合することにより、被処理液に含まれるアンモニアを分解している。他の実施形態では、図4に示すように、処理槽2´は、油分が除去された被処理液(アンモニア含有水)及び塩水(塩化ナトリウム水溶液)の混合液が供給され、該混合液を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成するとともに、該次亜塩素酸ナトリウムを油分が除去された被処理液中のアンモニアと反応させるように構成してもよい。なお、図4の実施形態の処理装置10´において、上記図1の実施形態の処理装置10と同じ構成要素には同じ符号を付けており、上記図1の実施形態における説明が図4の実施形態においても適用される。
図4の実施形態の処理装置10´では、油水分離装置1において油分が除去された被処理液(アンモニア含有水)は、油水分離装置1から排出されると、管路L7を通って混合タンク8に供給される。混合タンク8には、図示しない供給ポンプの駆動及び流量制御弁の開閉操作により、貯留タンク6から所定量の塩水、好ましくは海水、より好ましくは濃縮海水が管路L8を通って供給される。混合タンク8は、アンモニア含有水と塩水の混合液を貯留している。混合液は、図示しない供給ポンプの駆動及び流量制御弁の開閉操作により所定量が管路L9を通って処理槽2´に供給される。
処理槽2´は、上記図1の実施形態における処理槽2と電気分解装置3の機能を兼ねている。つまり、処理槽2´は、図示は省略するが、図3に示す電気分解装置3と同様に、混合液を貯留する電気分解槽30と、電気分解槽30に収容される陽極31及び陰極32と、直流電源装置33と、各電極31,32を冷却するための冷却器34と、を備えた無隔膜電気分解装置として機能する。
処理槽2´において、電気分解槽30に混合液を貯留し、直流電源装置33により陽極31と陰極32との間に所望の電圧を印加すると、混合液に含まれる塩水の電気分解により、陽極31に塩素イオン(Cl)が、陰極32にナトリウムイオン(Na)が、それぞれ引き付けられて、上記図1の実施形態の反応式(5)及び(6)に示す反応式と同じ反応が起こる。これにより、陽極31に塩素(Cl)が、陰極32に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ、NaOH)と水素(H)が、それぞれ発生する。
水素はガスとなって電気分解槽30の上部から外部に排出され、図示しない処理器で分解した後もしくは空気で希釈した後に大気に放出される。一方で、塩素と水酸化ナトリウムは液中で、上記図1の実施形態の反応式(7)に示す反応式と同じ反応が直ちに起こり、これにより、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)が生成される。
この次亜塩素酸ナトリウムは、混合液に含まれるアンモニアとの間で上記図1の実施形態の反応式(2)から(4)に示す反応式と同じ反応を起こし、これにより、アンモニアが窒素ガスまで分解される。
このように、図4の実施形態の処理装置10´においても、次亜塩素酸ナトリウムを被処理液に含まれるアンモニアと効果的に反応させてアンモニアを分解することができる。よって、被処理液中のアンモニアを分解するための次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多大になるという課題を解決することができる。
なお、被処理液が船舶で発生するビルジ水などの場合、被処理液に塩分(塩化ナトリウム)が含まれている場合がある。その場合には、図4の実施形態の処理装置10´においては、貯留タンク6から管路L8を介する塩水の供給を不要とし、被処理液に含まれる塩水の電気分解により次亜塩素酸ナトリウムを生成してアンモニアを分解するようにしてもよい。
また、例えば上記図1の実施形態では、処理槽2に次亜塩素酸ソーダの水溶液を供給してアンモニア含有水中のアンモニアを分解している。他の実施形態では、処理槽2に次亜塩素酸の水溶液を供給してアンモニア含有水中のアンモニアを分解するように構成してもよい。
次亜塩素酸の水溶液は、例えば図3に示す電気分解装置3と同様に電気分解槽を隔膜で仕切っていない無隔膜電気分解装置で、塩酸水溶液、もしくは、塩酸に塩化ナトリウムを混合した水溶液を電気分解する方法、電気分解槽を隔膜で二つの室に仕切った有隔膜電気分解装置で塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解する方法、次亜塩素酸ナトリウムに希塩酸及び水を混合する方法、などにより生成することができる。
なお、次亜塩素酸とアンモニアの反応式は以下の式(9)に示すとおりである。
2NH+3HOCl→N↑+3HCl+3HO (9)
この実施形態では、油分を除去した被処理液に次亜塩素酸を添加するため、被処理液に含まれるアンモニアに次亜塩素酸を効果的に反応させてアンモニアを分解することができる。よって、被処理液中のアンモニアを分解するための次亜塩素酸の添加量が多大になるという課題を解決することができる。
なお、図4の実施形態においても、処理槽2´において塩水(塩化ナトリウム水溶液)の電気分解により次亜塩素酸を生成し、生成した次亜塩素酸によりアンモニアを窒素ガスまで分解するように構成してもよい。
1 油水分離装置
2 処理槽
3 電気分解装置
10 処理装置

Claims (7)

  1. アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液からアンモニアを除去する処理装置であって、
    前記被処理液から油分を除去する油水分離装置と、
    前記油水分離装置で油分が除去された前記被処理液と次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を混合してアンモニアを分解する処理槽と、
    を備える、処理装置。
  2. 塩水を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成する電気分解装置をさらに備え、
    前記電気分解装置で生成された次亜塩素酸ナトリウムが前記処理槽に供給されて油分が除去された前記被処理液に混合される、請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記塩水は海水である、請求項2に記載の処理装置。
  4. 前記塩水は濃縮された海水である、請求項3に記載の処理装置。
  5. 前記処理槽は、油分が除去された前記被処理液及び塩水の混合液が供給され、前記混合液を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成するとともに、該次亜塩素酸ナトリウムを油分が除去された前記被処理液中のアンモニアと反応させるように構成される、請求項1に記載の処理装置。
  6. アンモニアを含有した水と油が混ざり合った被処理液からアンモニアを除去する処理方法であって、
    前記被処理液から油分を除去する油水分離ステップと、
    前記油水分離ステップ後の油分が除去された前記被処理液と次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸を混合してアンモニアを分解する分解処理ステップと、
    を行う、処理方法。
  7. 塩水を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを生成する電気分解ステップをさらに行い、
    前記電気分解ステップで生成された次亜塩素酸ナトリウムが、前記油水分離ステップ後の油分が除去された前記被処理液に混合される、請求項6に記載の処理方法。
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