JP2024065721A - 車内置き去り防止装置および車内置き去り防止システム - Google Patents

車内置き去り防止装置および車内置き去り防止システム Download PDF

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Abstract

【課題】送迎車両に搭載されたバッテリに与える影響を最小限に抑えつつ、運行終了後の車内に乗客が置き去りにされることを防止し得る車内置き去り防止装置および車内置き去り防止システムを提供する。【解決手段】車内置き去り防止装置20では、制御ユニット22は、バス10のエンジンが停止したことを知らせる動力源オフ信号がバス10から入力された場合、(1) 音響ユニット24や表示装置27に起動信号を出力する。その後、(2) 無線押しボタン30から押下信号を受けた場合、音響ユニット24や表示装置27に停止信号を出力するとともに電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する。もしくは、無線押しボタン30から押下信号を受けた場合、電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する。または、(3) 起動信号の出力後から所定時間が経過した場合、電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、幼稚園、保育園等に通う園児や、知的障害者、高齢者等を送り迎えする送迎車両に搭載される車内置き去り防止装置およびそれを含む車内置き去り防止システムに関するものである。
近年、幼稚園や保育園等に通う園児を送り迎えする送迎用バスにおいては、車内に園児が置き去りになって死亡する事故が起きている。昨今、このような送迎用バスの置き去り事故の発生を防止するため、様々な検討が行われている。例えば、下記、非特許文献1では「車両安全対策検討会の下にワーキンググループを設置し、送迎バスの置き去り防止を支援する安全装置の性能要件等について検討」を行うことを国土交通省が公表している。
国土交通省、ホーム>報道・広報>新着情報(報道発表資料)>2022年9月30日、"送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置の仕様を検討します ~ヒューマンエラーを補完する置き去り防止を支援する安全装置の仕様を検討します~"、[online]、[令和4年10月31日検索]、インターネット<URL https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000268.html>
上記、非特許文献1に掲載されている車両安全対策検討会のワーキンググループによる検討内容は、本件出願時点では未だ公表されていないため明らかではないが、このような送迎用バスの置き去り事故の発生の可能性を想定した場合、被害対象者は、通園時の幼児(園児)だけに限られない。例えば、知的障害者や高齢者等の送り迎えの場面においても起こり得ることが予想される。そのため、このような社会的弱者を送迎するバスについても上記のような安全装置を搭載すべきである。
一方、このような安全装置は、送迎用バス等の送迎車両に搭載される電動機器であることから、その駆動電力は当該車両の車載バッテリから得ることが多い。車載バッテリは、当該車両のエンジン始動時にセルモータに電力を供給したり、車両制御用コンピュータ等の電装機器に電力を供給したりする役割を担う。そのため、安全装置が過剰な電力を消費して車載バッテリに負担をかけた場合、送迎車両のエンジンが始動できない等の運行上の問題が生じ得る。
したがって、当該安全装置による消費電力量は極力小さくし車載バッテリに与える影響を最小限に抑える必要がある。また、新規車両のみならず既存車両にも搭載されることが想定されるため、当該安全装置は、大がかりな改造作業を必要とすることなく、容易に送迎車両に後付けできるような構成であることが望ましい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、送迎車両に搭載されたバッテリに与える影響を最小限に抑えつつ、運行終了後の車内に乗客が置き去りにされることを防止し得る車内置き去り防止装置および車内置き去り防止システムを提供することを目的とする。また、別の目的は、既存の送迎車両に対しても容易に車内置き去り防止装置を後付けし得る車内置き去り防止システムを提供することである。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載された車内置き去り防止装置は、送迎車両に搭載されて当該送迎車両が有するバッテリから電力の供給を受けて動作する車内置き去り防止装置であって、制御部と、前記送迎車両の車室内後部に設けられてボタン部を有しこのボタン部が押されると押下信号を前記制御部に送出する押しボタンスイッチと、前記制御部から起動信号が入力されると聴覚または視覚を介して注意を喚起する動作を開始し前記制御部から停止信号が入力されると前記動作を終了する注意喚起部と、前記制御部から遮断信号が入力されると前記バッテリから供給される前記電力を遮断する電力遮断部と、を備え、前記制御部は、前記送迎車両の走行動力源が停止したことを知らせる動力源オフ信号が前記送迎車両から入力された場合、(1) 前記注意喚起部に前記起動信号を出力し、その後、(2) 前記押しボタンスイッチから前記押下信号を受けた場合、前記注意喚起部に前記停止信号を出力するとともに前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、もしくは前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、または、(3) 前記起動信号の出力後から所定時間が経過した場合、前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、ことを技術的特徴とする。なお、押しボタンスイッチの一部を押下することで押下信号が送出される場合における当該一部は、ボタン部として構造的または機械的に分離されていなくてもボタン部の概念に含まれる。
請求項1に記載の車内置き去り防止装置の発明では、制御部、押しボタンスイッチ、注意喚起部および電力遮断部を備える。そして、制御部は、送迎車両の走行動力源が停止したことを知らせる動力源オフ信号が送迎車両から入力された場合、(1) 注意喚起部に起動信号を出力する。その後、(2) 押しボタンスイッチから押下信号を受けた場合、注意喚起部に停止信号を出力するとともに電力遮断部に遮断信号を出力する。もしくは、押しボタンスイッチから押下信号を受けた場合、(注意喚起部に停止信号を出力することなく、)電力遮断部に遮断信号を出力する。または、(3) 起動信号の出力後から所定時間が経過した場合、電力遮断部に遮断信号を出力する。送迎車両の走行動力源は、典型的には、エンジン(内燃機関)であり、電動車両の場合にはモータ(電動機)である。
例えば、乗客の送迎を終えた送迎車両が所定の駐車スペース等に駐車しその走行動力源を停止させると、当該送迎車両から動力源オフ信号が制御部に入力される。これにより、注意喚起部は、聴覚または視覚を介して注意を喚起する動作(注意喚起動作)を開始するので、居眠り等により降車することなく車内に取り残されている乗客の有無を、当該送迎車両の運転者や添乗者等の乗務員(以下「乗務員」という)に対して確認するように促すことが可能になる。また、このような注意喚起動作は、車室内後部に設けられている押しボタンスイッチのボタン部を押下することにより終了することから、注意喚起部の注意喚起動作を止めるためには、乗務員は車室内後部へ移動しなければならない。そのため、客席の背もたれ等に隠れて車室内前方からでは視認し難い車室内後方に乗客が取り残されていたとしてもそのような乗客を乗務員が発見することが可能になる。
また、押しボタンスイッチのボタン部を押下することにより、注意喚起部の注意喚起動作が終了するとともに、または注意喚起動作の終了に関係なく、当該送迎車両のバッテリから車内置き去り防止装置に供給されている電力を電力遮断部が遮断する。また、注意喚起部に注意喚起動作を開始させる起動信号の出力後から所定時間が経過すると、押しボタンスイッチのボタン部を押下しなくても、電力遮断部が電力を遮断する。これにより、押しボタンスイッチのボタン部が押下されて注意喚起部の注意喚起動作が終了した後においても当該車内置き去り防止装置にバッテリから電力が供給され続けたり、また押しボタンスイッチのボタン部が押下されるまで注意喚起部が注意喚起動作を継続し続けたりすることが生じない。つまり、押しボタンスイッチの押下に起因してバッテリからの電力供給が遮断され、また押しボタンスイッチの押下がなくても所定時間が経過すれば自動的に遮断されるので、当該車内置き去り防止装置による無駄な電力消費を防ぐことが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された車内置き去り防止装置は、請求項1に記載された車内置き去り防止装置において、前記送迎車両の運転席付近に設けられる一時停止スイッチをさらに備えており、前記一時停止スイッチは、前記注意喚起部の動作中にオン操作がされた場合、一時停止信号を前記制御部に出力し、前記制御部は、前記一時停止スイッチから前記一時停止信号が入力されると前記注意喚起部に前記停止信号を出力し、所定時間が経過した後、前記走行動力源が動作していることを知らせる動力源オン信号が入力されていない場合、前記注意喚起部に前記起動信号を出力し、前記動力源オン信号が入力されている場合、前記起動信号を出力することなく前記動力源オフ信号の入力を待って前記(1)以降の動作を再度行う、ことを技術的特徴とする。
請求項2に記載の車内置き去り防止装置の発明では、送迎車両の運転席付近に設けられる一時停止スイッチをさらに備えている。そして、制御部は、所定時間が経過した後、走行動力源が動作していることを知らせる動力源オン信号が入力されていない場合、注意喚起部に起動信号を出力する。また制御部は、動力源オン信号が入力されている場合、起動信号を出力することなく動力源オフ信号の入力を待って(1)以降の動作を再度行う。これにより、送迎途中において、例えば、送迎車両が有するアイドリングストップ機能等により送迎車両の走行動力源が一時的に停止して動力源オフ信号が制御部に入力されて注意喚起部が注意喚起動作を開始する場面が生じても、乗務員が一時停止スイッチをオンにする操作を行うことによって注意喚起動作を停止させることが可能になる。そのため、本来、行われるべきではない場面における注意喚起動作を止めることができる。
また、一時停止スイッチのオン操作が行われた後、所定時間が経過しても走行動力源が動作していない場合においては、再度、注意喚起部が注意喚起動作を開始する。そのため、例えば、乗客の送迎を終えた後の駐車により走行動力源が停止した場面において一時停止スイッチがオン操作されたときには、所定時間の経過により、注意喚起部が注意喚起動作を再開するので、乗務員による、押しボタンスイッチの押下忘れや確認漏れを防ぐことが可能になる。また、駐車による走行動力源の停止後、聴覚や視覚を介した注意喚起動作が煩わしいために一時停止スイッチを押すような乗務員の不適切な行為を抑制することが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項3に記載された車内置き去り防止システムは、前記押しボタンスイッチが無線通信で前記押下信号を送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、前記確認装置は、確認制御部と、前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報を前記確認制御部に出力する受信部と、ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、前記確認制御部から報知信号が入力されると視覚を介して前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から確認信号が入力されると前記報知動作を終了する押下報知部と、を備え、前記確認制御部は、前記受信部から前記受信情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号を出力する、ことを技術的特徴とする。
請求項3に記載の車内置き去り防止システムの発明では、押下信号を無線通信で送信可能な押しボタンスイッチを備えた車内置き去り防止装置と、送迎車両外に設けられる確認装置と、を含み、確認装置は、確認制御部、受信部、解除ボタンスイッチおよび押下報知部を備える。そして、確認制御部は、受信部から受信情報が入力された場合、押下報知部に報知信号を出力する。その後、解除ボタンスイッチから解除信号を受けた場合、押下報知部に確認信号を出力する。確認装置が設けられる送迎車両外は、典型的には、当該送迎車両が駐車するスペース(所定の駐車スペース)に隣接した建物内や建屋内である。
例えば、乗客の送迎を終えた送迎車両が所定の駐車スペース等に駐車しその走行動力源を停止させると、当該送迎車両に搭載された車内置き去り防止装置では、注意喚起部が注意喚起動作を開始するので、当該送迎車両内では取り残された乗客の有無を乗務員が確認(以下「乗客の残留点検」という)するとともに車室内後部の押しボタンスイッチを押下する。これにより、この押しボタンスイッチから無線通信により送信された押下信号が当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では押下報知部が押しボタンスイッチが押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、確認装置の近辺で運行管理業務等を行っている担当者(以下「管理者」という)は、押下報知部の報知動作を視認することにより乗客の残留点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。
また、当該送迎車両に搭載される車内置き去り防止装置の押しボタンスイッチは、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、車室内前部の運転席付近に設けられる制御部から車室内後部まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの押しボタンスイッチが独自の電力源を有する場合には、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような押しボタンスイッチを車室内後部の複数箇所に設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、動力源オフ信号は、例えば、当該送迎車両のアクセサリ電源の電圧情報として得ることが可能である。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載された車内置き去り防止システムは、請求項3に記載の車内置き去り防止システムにおいて、前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、前記確認装置は、前記確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報を前記確認制御部に出力し、前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号を出力する、ことを技術的特徴とする。
請求項4に記載の車内置き去り防止システムの発明では、乗客スイッチをさらに含むものである。乗客スイッチは、送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、この電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で確認装置の受信部に送信する。確認装置は、さらに残留警告部を備えており、この残留警告部は、確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。
例えば、乗客の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車している送迎車両内に乗客が置き去りにされるような事態が発生しても、当該乗客が乗客スイッチをオン操作することによって無線通信により当該送迎車両外にも乗客信号が送信される。これにより、この乗客スイッチから送信された乗客信号が当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では残留警告部が視覚を介して乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、残留警告部の警告動作を視認することにより当該送迎車両内に乗客が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、送迎車両内に置き去りにされた乗客を早急に救出することができる。
また、特許請求の範囲の請求項5に記載された車内置き去り防止システムは、送信元の前記押しボタンスイッチを識別可能な識別情報または送信元の前記押しボタンスイッチを備えた前記車内置き去り防止装置を識別可能な識別情報が付加された前記押下信号を、前記押しボタンスイッチが無線通信で送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、前記確認装置は、確認制御部と、前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報および前記識別情報を前記確認制御部に出力する受信部と、ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、前記確認制御部から前記識別情報に対応する報知信号が入力されると前記報知信号の識別情報に対応づけて視覚を介して前記識別情報に対応する前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から前記識別情報に対応する確認信号が入力されると前記確認信号の識別情報に対応する前記報知動作を終了する押下報知部と、を備え、前記確認制御部は、前記受信部から前記受信情報および前記識別情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号および前記識別情報を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号および前記識別情報を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号および前記識別情報を出力する、ことを技術的特徴とする。
請求項5に記載の車内置き去り防止システムの発明では、送信元(押しボタンスイッチまたは押しボタンスイッチを備えた車内置き去り防止装置)を識別可能な識別情報が付加された押下信号を無線通信で送信可能な押しボタンスイッチを備えた車内置き去り防止装置と、送迎車両外に設けられる確認装置と、を含み、確認装置は、確認制御部、受信部、解除ボタンスイッチおよび押下報知部を備える。そして、確認制御部は、受信部から受信情報および識別情報が入力された場合、押下報知部に識別情報に対応する報知信号を出力する。その後、解除ボタンスイッチから解除信号を受けた場合、押下報知部に識別情報に対応する確認信号を出力する。確認装置が設けられる送迎車両外は、典型的には、当該送迎車両が駐車するスペース(所定の駐車スペース)に隣接した建物内や建屋内である。
例えば、乗客の送迎を終えた複数台の送迎車両が所定の駐車スペース等に駐車しそのなかの特定の1台が走行動力源を停止させると、当該送迎車両に搭載された車内置き去り防止装置では、注意喚起部が注意喚起動作を開始するので、当該送迎車両内では乗務員が乗客の残留点検をするとともに車室内後部の押しボタンスイッチを押下する。例えば、2台の送迎車両がほぼ同時または僅かな時間差で前後して走行動力源を停止させた場合であっても、これら2台の送迎車両の押しボタンスイッチから送信された押下信号には異なる送信元の識別情報が付加されているので、送迎車両外に設けられる確認装置においては取り違えることなく情報処理を行うことが可能になる。これにより、この押しボタンスイッチから無線通信により送信された押下信号であり送信元の識別情報が付加されたものが当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では押下報知部が識別情報に対応する特定の押しボタンスイッチが押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、管理者は、押下報知部の報知動作を視認することにより特定の1台において乗客の残留点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。
また、当該送迎車両に搭載される車内置き去り防止装置の押しボタンスイッチは、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、車室内前部の運転席付近に設けられる制御部から車室内後部まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの押しボタンスイッチが独自の電力源を有する場合には、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような押しボタンスイッチを車室内後部の複数箇所に設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、動力源オフ信号は、例えば、当該送迎車両のアクセサリ電源の電圧情報として得ることが可能である。
また、特許請求の範囲の請求項6に記載された車内置き去り防止システムは、請求項5に記載の車内置き去り防止システムにおいて、前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号およびこれに付加された識別情報を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、前記確認装置は、前記確認制御部から前記識別情報に対応する残留信号が入力されると前記残留信号の前記識別情報に対応づけて視覚を介して前記識別情報に対応する前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報および前記識別情報を前記確認制御部に出力し、前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報および前記識別情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号および前記識別情報を出力する、ことを技術的特徴とする。
請求項6に記載の車内置き去り防止システムの発明では、乗客スイッチをさらに含むものである。乗客スイッチは、送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、この電力源から供給される電力により乗客信号およびこれに付加された識別情報を無線通信で確認装置の受信部に送信する。確認装置は、さらに残留警告部を備えており、この残留警告部は、確認制御部から残留信号が入力されると、残留信号の識別情報に対応づけて視覚を介して識別情報に対応する乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。
例えば、乗客の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車している複数台の送迎車両のうち、特定の1台の送迎車両内に乗客が置き去りにされるような事態が発生しても、当該乗客が乗客スイッチをオン操作することによって無線通信により当該送迎車両外にも乗客信号およびこれに付加された識別情報が送信される。これにより、この乗客スイッチから送信された乗客信号および識別情報が当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では残留警告部が視覚を介して特定の1台の識別情報に対応する乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、残留警告部の警告動作を視認することにより複数台の送迎車両のうち、特定の1台の送迎車両内に乗客が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、当該特定の送迎車両内に置き去りにされた乗客を早急に救出することができる。
また、特許請求の範囲の請求項7に記載された車内置き去り防止システムは、前記押しボタンスイッチが無線通信で前記押下信号を送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、前記確認装置は、確認制御部と、前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報を前記確認制御部に出力する受信部と、ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、前記確認制御部から報知信号が入力されると視覚を介して前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から確認信号が入力されると前記報知動作を終了する押下報知部と、情報を記録して保存する記録保存部と、備え、前記確認制御部は、前記受信部から前記受信情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号を出力するとともに、前記受信情報、前記報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を前記記録保存部に記録して保存する、ことを技術的特徴とする。
請求項7に記載の車内置き去り防止システムの発明では、押下信号を無線通信で送信可能な押しボタンスイッチを備えた車内置き去り防止装置と、送迎車両外に設けられる確認装置と、を含み、確認装置は、確認制御部、受信部、解除ボタンスイッチ、押下報知部および記録保存部を備える。そして、確認制御部は、受信部から受信情報が入力された場合、押下報知部に報知信号を出力する。その後、解除ボタンスイッチから解除信号を受けた場合、押下報知部に確認信号を出力するとともに、受信情報、報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を記録保存部に記録して保存する。確認装置が設けられる送迎車両外は、典型的には、当該送迎車両が駐車するスペース(所定の駐車スペース)に隣接した建物内や建屋内である。
例えば、乗客の送迎を終えた送迎車両が所定の駐車スペース等に駐車しその走行動力源を停止させると、当該送迎車両に搭載された車内置き去り防止装置では、注意喚起部が注意喚起動作を開始するので、当該送迎車両内では乗務員が乗客の残留点検をするとともに車室内後部の押しボタンスイッチを押下する。これにより、この押しボタンスイッチから無線通信により送信された押下信号が当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では押下報知部が押しボタンスイッチが押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、管理者は、押下報知部の報知動作を視認することにより乗客の残留点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。また、記録保存部には、受信情報、報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報が記録され保存されているので、これらの情報を事後的に確認することが可能になる。
また、当該送迎車両に搭載される車内置き去り防止装置の押しボタンスイッチは、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、車室内前部の運転席付近に設けられる制御部から車室内後部まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの押しボタンスイッチが独自の電力源を有する場合には、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような押しボタンスイッチを車室内後部の複数箇所に設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、動力源オフ信号は、例えば、当該送迎車両のアクセサリ電源の電圧情報として得ることが可能である。
また、特許請求の範囲の請求項8に記載された車内置き去り防止システムは、請求項7に記載の車内置き去り防止システムにおいて、前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、前記確認装置は、前記確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報を前記確認制御部に出力し、前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号を出力するとともに、前記受信情報、前記残留情報、警告動作の開始情報、前記報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を前記記録保存部に記録して保存する、ことを技術的特徴とする。
請求項8に記載の車内置き去り防止システムの発明では、乗客スイッチをさらに含むものである。乗客スイッチは、送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、この電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で確認装置の受信部に送信する。確認装置は、さらに残留警告部を備えており、この残留警告部は、確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。確認制御部は、受信情報、残留情報、警告動作の開始情報、報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を記録保存部に記録して保存する。
例えば、乗客の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車している送迎車両内に乗客が置き去りにされるような事態が発生しても、当該乗客が乗客スイッチをオン操作することによって無線通信により当該送迎車両外にも乗客信号が送信される。これにより、この乗客スイッチから送信された乗客信号が当該送迎車両外の確認装置に到達すると、確認装置では残留警告部が視覚を介して乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、残留警告部の警告動作を視認することにより当該送迎車両内に乗客が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、送迎車両内に置き去りにされた乗客を早急に救出することができる。また、記録保存部には、受信情報、残留情報、警告動作の開始情報、報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報が記録され保存されているので、これらの情報を事後的に確認することが可能になる。
本発明の車内置き去り防止装置では、送迎車両の走行動力源を停止させると注意喚起部が注意喚起動作を開始するため、居眠り等により降車することなく車内に取り残されている乗客の有無を乗務員に対して確認するように促すことが可能になる。また、車室内後部への移動を乗務員に強いるため、車室内前方からでは視認し難い車室内後方に乗客が取り残されていたとしてもそのような乗客を乗務員が発見することが可能になる。さらに、押しボタンスイッチの押下に起因してバッテリからの電力供給が遮断され、また押しボタンスイッチの押下がなくても所定時間が経過すれば自動的に遮断されるので、当該車内置き去り防止装置による無駄な電力消費を防ぐことが可能になる。したがって、送迎車両に搭載されたバッテリに与える影響を最小限に抑えつつ、運行終了後の車内に乗客が置き去りにされることを防止することができる。
本発明の車内置き去り防止システムでは、管理者は、押下報知部の報知動作を視認することにより(送迎車両が複数台の場合には特定の1台において)乗客の残留点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。したがって、乗務員による乗客の残留点検の有無チェックを当該送迎車両外において行うことが可能になるので、運行終了後の車内に乗客が置き去りにされることを確実に防止することができる。また、当該送迎車両に搭載される車内置き去り防止装置の押しボタンスイッチは、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、車室内前部の運転席付近に設けられる制御部から車室内後部まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。したがって、大がかりな改造作業を必要とすることなく、既存の送迎車両に対しても容易に車内置き去り防止装置を後付けすることができる。
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る車内置き去り防止装置を搭載した園児の送迎用バスの構成例を示す説明図である。図1(B)は、車内置き去り防止装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。 本第1実施形態の車内置き去り防止装置を構成する本体装置より実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。 図2に表されている消音処理の流れを示すフローチャートである。 図4(A)は、本発明の第2実施形態に係る車内置き去り防止システムの構成例を示す説明図である。図4(B)は、車内置き去り防止システムに含まれる確認装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。 本第2実施形態に係る車内置き去り防止システムを構成する確認装置より実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。 図6(A)は、本発明の第3実施形態に係る車内置き去り防止システムの構成例を示す説明図である。図6(B)は、車内置き去り防止システムに含まれる確認装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の車内置き去り防止装置および車内置き去り防止システムの各実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の車内置き去り防止装置の一実施形態として、幼稚園や保育園等に通う園児を送り迎えする送迎用バス(通園バスと呼ばれる場合もある。以下、園児が乗車するこれらのバスのことを単に「バス」という)10に搭載される車内置き去り防止装置20を図1~図3に基づいて説明する。本第1実施形態では、バス10は、走行動力源として、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン(以下「エンジン」という)を有する場合を例示して説明するが、EV(Electric Vehicle)タイプの場合には走行動力源として走行用モータを有する。園児は、特許請求の範囲に記載の「乗客」に相当し得るものである。
車内置き去り防止装置20は、主に、本体装置21、消音ボタン26、表示装置27および無線押しボタン30により構成されている。本体装置21と消音ボタン26は、バス10の車室内前部、例えば、ステアリングホイール14付近のダッシュボード15の上部等、バス10の運転席13に近い位置に設けられている。これらに対して、表示装置27および無線押しボタン30は、バス10の車室内後部、例えば、最後部に位置する後部扉19の天井付近に設けられている。これらの本体装置21等をこのような位置に搭載する理由についてはそれぞれ後述する。なお、図1(A)において、符号11は乗降扉、符号12は園児用座席(客席)、符号17はバッテリをそれぞれ示す。
本体装置21は、例えば、矩形薄箱形状を有するプラスチック等の合成樹脂製のケース内に、制御ユニット22、無線ユニット23、音響ユニット24や電力遮断ユニット25等を収容している。本体装置21は、バス10に搭載されたバッテリ17から電力の供給を受けて駆動する。本第1実施形態では、本体装置21は、エンジンが停止している場合にも電力の供給を受け得る常時電源に接続、つまりバッテリ17に直接接続されている。また、エンジン動作時のオン信号(動力源オン信号)や同停止時のオフ信号(動力源オフ信号)を取得する必要から、アクセサリ電源Accまたはイグニッション電源Igにも接続されている。
これらの常時電源、アクセサリ電源Accやイグニッション電源Igは、例えば、車室内前部に設けられているヒューズボックス内やダッシュボード15内において電気的に接続することが可能である。そのため、本体装置21は、ダッシュボード15等が存在する車室内前部に位置するように設けられている。なお、アクセサリ電源Accは、ダッシュボード15等に設けられているシガーソケットからも得ることが可能である。
制御ユニット22は、無線ユニット23、音響ユニット24、電力遮断ユニット25や表示装置27を制御するコントローラであり、例えば、MPU、メモリ(RAM、ROM)、入出力インタフェース、電圧モニタ、A/Dコンバータ等により構成されるマイコンモジュールである。制御ユニット22は、前述の常時電源から供給される駆動電力を電力遮断ユニット25を介して得るとともにその得た駆動電力を、制御対象の無線ユニット23、音響ユニット24、電力遮断ユニット25や表示装置27にも供給している。また、無線ユニット23や消音ボタン26、アクセサリ電源Accまたはイグニッション電源Ig(以下「アクセサリ電源Acc等」という)から入力される信号や情報に基づいて、後述する制御処理を制御ユニット22のMPUが行い得るように構成されている。
このため、本第1実施形態では、制御ユニット22のメモリにはこのような制御処理をMPUが実行し得る制御プログラムが格納(記憶)されている。また制御ユニット22は、制御対象の無線ユニット23等のほかに消音ボタン26や、アクセサリ電源Accまたはイグニッション電源Ig(以下「アクセサリ電源Acc等」という)にも接続されており、消音ボタン26から一時停止信号を取得し、アクセサリ電源Acc等からはエンジンのオン信号やオフ信号を取得し得るように構成されている。アクセサリ電源Acc等から出力されるエンジンのオン信号やオフ信号は、例えば、電圧値によりオンオフが定まる電圧信号(電圧情報)である。そのため、本第1実施形態では、電圧モニタに対してもエンジンのオン信号やオフ信号が入力される。
電圧モニタは、電力遮断ユニット25がオフ状態である場合に電圧モニタに入力される電圧値が所定の閾値電圧以上になると、電力遮断ユニット25をオン状態に制御する機能を持っており、本第1実施形態ではアクセサリ電源Acc等に接続されている。そのため、アクセサリ電源Acc等から供給され得る最低電圧値(例えば20V(バッテリ17の定格出力電圧24V時))以上の電圧を検出した場合、電力遮断ユニット25をオン状態に制御する導通信号を電力遮断ユニット25に出力し得るように構成されている。これにより、制御ユニット22にアクセサリ電源Acc等から上記最低電圧値の電圧が入力されると、電圧モニタがオフ状態の電力遮断ユニット25をオン状態に制御することから、常時電源(バッテリ17)から制御ユニット22に駆動電力を供給することが可能になる。
なお、電圧モニタは、典型的には、電圧監視ICが用いられその消費電流は数マイクロアンペア以下である。そのため、制御ユニット22に駆動電力が供給されていない待機状態においても電圧モニタが電源を必要とする構成である場合には、例えば、制御ユニット22が有する電気二重層コンデンサやリチウム二次電池等のバックアップ電源で待機中の電圧モニタを駆動させることが可能であることから、バス10の常時電源(バッテリ17)から電力供給を受ける必要はない。また本第1実施形態では、この電圧モニタを、制御ユニット22内に設ける構成を採ったが、電力遮断ユニット25に設けてもよい。この場合には、電力遮断ユニット25もアクセサリ電源Acc等に接続する必要がある。
無線ユニット23は、無線押しボタン30に対して近距離無線通信を可能にする無線通信モジュールである。本第1実施形態では、無線ユニット23は、制御ユニット22に接続されており、制御ユニット22から受ける制御コマンドに従って送受信可能に構成されている。無線ユニット23は、例えば、近距離無線通信の規格またはプロトコルとして、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)に準拠するものを無線通信回線で用いる。また、制御ユニット22に対しては、無線押しボタン30から送信される押下信号を受信すると、押下信号を受信したことを伝える受信情報を出力し得るように無線ユニット23が構成されている。無線通信用のアンテナは、本体装置21のケースに内蔵されていても、ケース外に露出するように設けられていてもよい。
音響ユニット24は、バス10の運転者や添乗者等の乗務員に対して聴覚的に注意喚起を行い得る機能を有するものであり、例えば、電子音を生成可能な生成モジュールと、この生成モジュールから出力される鳴動信号を受けて発音するスピーカとにより構成されている。生成モジュールは、制御信号が入力され得るように制御ユニット22に接続されており、制御ユニット22から出力される起動信号を受けると所定の鳴動信号をスピーカに出力してその電子音でスピーカを鳴動させ、停止信号を受けるまでその鳴動信号を出力し続ける。電子音は、例えば、電話機の保留音や時計のアラーム音のような報知音であり、制御ユニット22から出力される設定信号により報知音の種類が設定され得るように構成されている。電子音に代えて車内点検等(乗客の残留点検)を促す文章を言葉で発する合成音声でもよい。
なお、本第1実施形態では、音響ユニット24は本体装置21のケース内に収容される構成を採る。そのため、制御ユニット22のケースには、音響ユニット24のスピーカの発音面が位置する部分に複数の通音孔が形成されている。これにより、音響ユニット24が発する電子音は、本体装置21の周囲(例えばバス10の運転席13)においても聞こえ得ることから、乗務員に対する、聴覚を介して注意を喚起する動作が可能である。なお、聴覚や視覚を介して注意を喚起する動作のことを、以下「注意喚起動作」という。
電力遮断ユニット25は、バス10の常時電源(バッテリ17)から入力される電力の供給を制御する電力スイッチであり、例えば、パワーMOSFETやIGBT等の半導体スイッチング素子またはメカニカルリレーで構成されており、制御端子から入力される制御信号によりこれらのスイッチングデバイスがオンオフ制御され得るように構成されている。本第1実施形態では、制御端子は制御ユニット22に接続されており、制御ユニット22から出力される導通信号によりスイッチ部がオン状態になり、また同様に出力される遮断信号によりスイッチ部がオフ状態になる。導通信号は、制御ユニット22の前述した電圧モニタから出力され、遮断信号は、後述する制御処理を介して制御ユニット22が有するドライバ回路から出力される。
消音ボタン26は、本来、行われるべきではない場面において開始された注意喚起動作を停止させる場合に乗務員がオン操作するスイッチである。バス10が送迎途中において、例えば、交差点での信号待ちや園児の乗降待ち等による一定時間の停車に起因してアイドリングストップ機能等によりエンジンが一時的に停止したような場面でも、アクセサリ電源Acc等からエンジンのオフ信号が本体装置21に入力されて、前述した音響ユニット24や後述する表示装置27が注意喚起動作を開始する場合がある。このような場面における音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作は、本来、車内置き去り防止装置20の動作として予定されているものではない。そのため、このような場面で注意喚起動作が始まったときには、乗務員は直ちに消音ボタン26を押下して注意喚起動作を止める。
このような場面で使用され得る消音ボタン26は、本第1実施形態では、高さが低い円筒形状を有する本体部26aと、この本体部26aの上方に付勢されて突出するように設けられるボタン部26bと、本体部26aに内蔵される図略のスイッチ部により構成されており、本体装置21に接続されている。例えば、付勢力に抗してボタン部26bを押下すると、オフ状態のスイッチ部がオン状態に遷移して一時停止信号が本体装置21の制御ユニット22に出力され得るように構成されている。これにより、この一時停止信号を取得した制御ユニット22は、後述するように、消音処理等を行って音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作を一時的に停止させる。
なお、消音ボタン26は、例えば、ボタン部26bを透光可能な樹脂材料で形成してその内部にLEDランプを収容し、このLEDランプを、前述した音響ユニット24が電子音の出力を開始するタイミングで点灯させ、電子音の出力を終了するタイミングで消灯し得るように制御ユニット22から制御可能に構成してもよい。これにより、次の表示装置27と同様に、視覚を介した注意喚起動作が可能になる。
表示装置27は、バス10の乗務員に対して視覚的に注意喚起を行い得る横長の短冊形状を有する表示灯であり、車室内前方から目視し易くかつ当該乗務員の注意を車室内後方に向けさせ易い位置として、車室内の最後部に位置する後部扉19に設けられている。本第1実施形態では、例えば、視認可能な光を発する複数のLEDランプと、これらのLEDランプの発光側を覆うとともに注意喚起のメッセージやピクトグラム等を透光性塗料で表示したアクリル板と、このアクリル板の外周を囲みかつ複数のLEDランプをアクリル板の内側に固定し得る枠付きパネルと、により構成されている。
本第1実施形態では、アクリル板に表示される注意喚起のメッセージは、例えば「車内点検してください」であり、ピクトグラムは、例えば「指さし確認」をイメージさせる線図で表された絵記号や絵文字である。後述するように、制御ユニット22のMPUが実行する制御処理によって、表示装置27は、例えば、園児の送迎業務を終了したバス10が所定の駐車スペース等に駐車してエンジンを停止させた後、点灯して注意喚起動作を行う。そのため、表示装置27は、電源ケーブルを含む電気配線により本体装置21に接続されている。なお、この車内点検は、園児(乗客)の残留点検のことである。
複数のLEDランプは、制御ユニット22から送出される起動信号が入力されると点灯し、制御ユニット22から送出される停止信号が入力されると消灯し得るように構成されている。なお、このような起動信号と停止信号に代えて、複数のLEDランプに電力ケーブルを介して給電し得る、駆動電力の供給(起動信号に相当)と遮断(停止信号に相当)で制御してもよい。また、このような起動信号と停止信号により、前述した消音ボタン26のボタン部26bに内蔵したLEDランプを点灯させたり消灯させたりしてもよい。
また、路線バスのLED行先表示器のように、多数のカラーLEDランプを横長の短冊形状を有するマトリクス状に配置してそれらの点灯および消灯による点の明暗と色により前述したような注意喚起のメッセージやピクトグラム等を表示してもよい。この場合にはメッセージやピクトグラム等の構成をソフトウェアで制御し得るため、その変更や更新が容易になる点でメリットがある反面、前述した表示装置27の構成に比べて設備コストが増大し得る点でデメリットが生じ得る。
無線押しボタン30は、取付状態の正面視において丸角の矩形状を有する縦長の長方形状に形成されるプラスチック等の合成樹脂製の本体部31、この本体部31の取付状態の表方向に付勢されて突出するように設けられるボタン部33、本体部31に内蔵される図略のスイッチ部、制御部、電源部、無線部等により構成されている。無線押しボタン30は、前述のようにバス10の後部扉19の天井付近に設けられている。当該無線押しボタン30は、後述するようにバス10の乗務員が使用するもので、本体装置21の音響ユニット44や表示装置27による注意喚起動作を停止させる場合に当該乗務員が押下する。そのため、本第1実施形態では、乗車中の園児がいたずら目的でボタン部33に触れることが困難な位置として、後部扉19の天井付近に無線押しボタン30を設けている。
本第1実施形態では、無線押しボタン30は、後部扉19の左右に1つずつ、合計2つ設けられている。そのため、例えば、乗務員が付勢力に抗してボタン部33を押下すると、スイッチ部が押下されそのオンされた情報として、当該無線押しボタン30を識別し得るID情報(識別情報)が付加(付与)された押下信号を外部に送信し得るように制御部と無線部が構成されている。このようなID情報は、後述するように、例えば、バス10に設けられている複数の無線押しボタン30をすべて押下したことを確認する必要がある場合に有用になる。この場合、有効なID情報として、当該車内置き去り防止装置20を構成する複数の無線押しボタン30に予め関連付けられているそれぞれのID情報を制御ユニット22のメモリに記憶して保存する。これにより、制御ユニット22は登録されているID情報を有する押下信号だけを情報処理の対象にすればよいため、未登録のID情報を有する無線押しボタン30から送信されてくる押下信号を排除することで誤動作等を未然に防ぐことが可能になる。
また、このようなID情報は、後述する第3実施形態のように当該バス10に隣接して他のバス10が駐車しているときにその他のバス10の無線押しボタン30と当該バス10の無線押しボタン30とを区別する場合にも有用になる。したがって、無線押しボタン30同士を区別する必要がなく、バス10同士の車内置き去り防止装置20を区別すれば足りるような場合には、押下信号に付加されるID情報は、例えば、車内置き去り防止装置20や無線押しボタン30を搭載したバス10を、識別し得る情報にしてもよい。なお、これらの場合においても、有効なID情報として、当該車内置き去り防止装置20を構成する複数の無線押しボタン30に予め関連付けられているそれぞれのID情報を制御ユニット22のメモリに記憶して保存する。これにより、未登録のID情報を有する無線押しボタン30から送信されてくる押下信号を排除することで誤動作等を未然に防ぐことが可能になる。
無線押しボタン30の無線部は、前述した本体装置21の無線ユニット23と近距離通信可能に構成されており、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)に準拠するものである。本体部31内には小型アンテナが収容されている。電源部は、ボタン部33の押下により発電した電力を電気二重層コンデンサ等に蓄積し得るように構成されている。なお、電源部は、電池交換が必要な一次電池タイプのボタン電池等でもよい。
このように本第1実施形態の車内置き去り防止装置20を構成することによって、図2および図3に示す制御処理が制御ユニット22により行われる。この制御処理は、前述したように制御ユニット22のメモリに格納された制御プログラムをMPUが実行することにより行われる。本第1実施形態では、バス10のエンジンが停止している状態においては、本体装置21に常時電源(バッテリ17)が接続されていても電力遮断ユニット25がオフ状態であり制御ユニット22には駆動電力が供給されていない。
このため、例えば、バス10のキースイッチをAccまたはSTARTの位置まで回すことにより、アクセサリ電源Acc等から制御ユニット22に前述した最低電圧値以上の電圧が入力されるので、前述したように、制御ユニット22の電圧モニタが電力遮断ユニット25をオン状態に制御する。これにより、常時電源(バッテリ17)から制御ユニット22に駆動電力が供給されてMPUが起動するため、図2に示す制御処理が開始される(START)。なお、バス10のエンジンを起動させるスイッチが押しボタンタイプである場合にはスタートボタンを1回または2回押すことで、アクセサリ電源Acc等から制御ユニット22に最低電圧値以上の電圧が入力される。
図2に示すように、制御処理では、まずステップS101により所定の初期化処理が行われた後、ステップS103によりエンジン情報取得処理が行われる。所定の初期化処理(S101)は、例えば、制御ユニット22のメモリ(RAM)に確保されるワーク領域や計時用のタイマー値等を初期値でクリアやセットしたり、無線ユニット23、音響ユニット24や表示装置27に所定の初期化コマンドを送出したりする。
ステップS103のエンジン情報取得処理では、当該バス10のエンジンの運転状態に関する情報(運転状態情報)を取得する。本第1実施形態では、アクセサリ電源Acc等から入力される電圧信号(オフ)に基づいて当該エンジンが動作中(オン)であるか停止中(オフ)であるかを判定することが可能であるため、この電圧信号の電圧値を取得する。この電圧値は、アクセサリ電源Acc等から入力される電圧信号を制御ユニット22のA/DコンバータによりMPUが取得可能なディジタル値に変換して取得する。
続くステップS105ではエンジンが停止中であるか否かを判定する処理が行われる。即ち、車内置き去り防止装置20は、それが搭載されているバス10のエンジンが停止した後において機能するものである。そのため、このステップS105では、アクセサリ電源Acc等から入力される電圧信号の電圧値が前述の最低電圧値以上(例えば、バッテリ17の定格出力電圧24Vである場合には20V以上)である場合には、当該バス10は、そのキースイッチがAccまたはSTARTの位置にありエンジンが動作中であると判定して(S105;No)、再度、エンジン情報取得処理(S103)を行う。
そして、アクセサリ電源Acc等から入力される電圧信号の電圧値がエンジンの停止中であることを表す最低電圧値の1/2未満(例えば、バッテリ17の定格出力電圧24Vである場合には10V未満)になるまでステップS105の判定処理を繰り返し行う。エンジンが停止中であると判定した場合には(S105;Yes)、次のステップS107に処理を移行して注意喚起開始処理を行う。
ステップS107の注意喚起開始処理では、音響ユニット24や表示装置27に起動信号を出力する。この起動信号が入力された音響ユニット24では、前述したように、予め設定された所定の鳴動信号がスピーカに出力されて、その電子音で本体装置21内のスピーカが鳴動する。このような音響ユニット24による注意喚起動作の開始により、運転席13の周囲ではその電子音が鳴り響くことから、乗務員はその電子音により直ちに車内点検が必要であることを注意喚起される。
また、後部扉19の天井近くに設けられている表示装置27では、視認可能な光を発する複数のLEDランプが発光してアクリル板に表示される「車内点検してください」のメッセージと「指さし確認」のピクトグラムが明るく光る。そのため、このような表示装置27による注意喚起動作の開始により、車室内後部では後部扉19の上方において「車内点検してください」の文字等が際立って目立つことから、乗務員は表示装置27の表示に注目することによって自然に車室内後部に視線が向く。これにより、乗務員は最後部の後部扉19付近まで目視確認により点検、即ち居眠り等により降車することなく車内に取り残されている園児の有無を点検しなければならないことを認識したり促されたりする。
続くステップS109ではタイマースタート処理が行われる。この処理では、音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作の継続時間が所定時間に達したか否かを判定するために用いる計時情報としてタイマーによる計時を開始させる。なお、この判定は、ステップS113により行われる。所定時間は、例えば、当該バス10内のすべての園児用座席12やその付近を乗務員が目視確認するために必要な十分な時間(例えば5分間)である。
なお、乗務員は、音響ユニット24の鳴動や表示装置27の点灯は、乗務員に対して注意を喚起するための動作であり、車室内後部の無線押しボタン30を押下することにより止められることや、所定時間が経過すると自動的に停止することを予め研修等により認識している。したがって、乗務員は、無線押しボタン30を押下するために車室内後部に向かって園児用座席12やその周囲を目視確認により点検しながら移動することを余儀なくされる。これにより、乗務員による車内点検が促されることから、当該バス10の運行終了後の車内に乗客が置き去りにされることを防止することができる。
次のステップS111では消音スイッチ情報取得処理が行われる。消音ボタン26は、乗務員が操作するスイッチであり、前述したように、本来、行われるべきではない場面において音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作が開始された場合にそれらの注意喚起動作を一時的に停止させるときに乗務員がオン操作するスイッチである。したがって、この処理では、消音ボタン26から一時停止信号が入力されている場合、その信号の情報を取得する。そして、ステップS113により消音ボタン26がオンされていると判定した場合には(S113;Yes)、乗務員により消音ボタン26が押下されていることから、ステップS115の消音処理に移行する。
ここで、消音処理(S115)について図3を参照しながら説明する。図3に示すように、消音処理では、ステップS201により注意喚起終了処理が行われる。注意喚起終了処理は、音響ユニット24や表示装置27に対して停止信号を出力するため、この停止信号が音響ユニット24や表示装置27に入力されると、音響ユニット24は直ちに鳴動信号の出力を停止することからスピーカの鳴動が止まる。また、表示装置27も直ちに複数のLEDランプが消灯する。
そして、ステップS203によりタイマーをスタートさせて所定時間が経過するまで待機する(S205;No)。ここでの所定時間は、例えば、交差点での信号待ちや園児の乗降待ち等による一定時間が経過するために必要な十分な時間(例えば3~5分間)である。そして、このような所定時間が経過、つまりタイムアップに到達すると(S205;Yes)、一連の本消音処理を終えて制御処理のステップS103に戻る(RETURN)。これにより、所定時間が経過した後、エンジン情報取得処理(S103)により当該バス10のエンジンの運転状態情報を取得しエンジン停止判定処理(S105)を行う。
このため、エンジンが動作している場合には(S105;No)、バス10は走行等していることになるため、再度、エンジン情報取得処理(S103)に戻って、エンジンが停止するまで待つ。また、エンジンが停止している場合には(S105;Yes)、前述と同様にステップS107に移行して注意喚起開始処理を行い、再度、音響ユニット24や表示装置27に対して注意喚起動作を行わせる。これにより、例えば、駐車によるエンジンの停止後、聴覚や視覚を介した音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作が煩わしいために消音ボタン26を押すような乗務員の不適切な行為を抑制することが可能になる。
一方、ステップS113の判定処理により、消音ボタン26がオンされていないと判定した(オフされていると判定した)場合には(S113;No)、乗務員により消音ボタン26が押下されていないことから、特に交差点での信号待ちや園児の乗降待ち等により一時的にエンジンが停止している可能性は低い。そのため、続くステップS117により受信情報取得処理が行われる。
ステップS117の受信情報取得処理では受信情報を取得する。無線押しボタン30から送信された押下信号を無線ユニット23が受信している場合には、当該無線ユニット23から受信情報が出力される。そのため、この処理では、当該無線ユニット23が制御ユニット22に出力する受信情報を取得する。そして、続くステップS119により受信しているか否かを判定する処理が行われる。
即ち、受信情報取得処理(S117)により受信情報を取得している場合には無線押しボタン30から押下信号を受信していると判定し(S119;Yes)、ステップS121の注意喚起終了処理が行われる。本第1実施形態では、無線押しボタン30が送信する押下信号には、当該無線押しボタン30を識別し得るID情報(識別情報)が付加されている。そのため、例えば、当該バス10の後部扉19に設けられている左右2つの無線押しボタン30の両方から押下信号を受信する必要がある場合には、押下信号に付加されているID情報も含めてすべての無線押しボタン30から押下信号を受信しているか否かを判定する。片方から押下信号を受信すれば足りる場合には、いずれか一方の無線押しボタン30からを受信しているか否かを判定する。
これに対して、受信情報を取得していない場合には無線押しボタン30から押下信号を受信していないと判定し(S119;No)、ステップS119のタイムアップ判定処理が行われる。本第1実施形態では、片方で足りるときには2つの無線押しボタン30の両方から押下信号を受信できていない場合であり、両方必要なときには2つの無線押しボタン30のうちのいずれか一方または両方から押下信号を受信できていない場合である。このような場合には、当該バス10の乗務員は、未だ車室内後部に移動していない蓋然性が高いため、ステップS109によりスタートさせたタイマーの所定時間(例えば3分間)が経過する(タイムアップになる)まで、受信情報取得処理(S117)と受信判定処理(S119)を繰り返し行う(S123;No)。
乗務員により、必要な両方または片方の無線押しボタン30が押下された場合には、前述したように、当該乗務員は車室内後部に向かって移動したことになるので、その移動の途中に車内点検が行われていると推定される。したがって、当該車内置き去り防止装置20による乗務員に対する注意喚起ができた可能性が高いことから、ステップS121の注意喚起終了処理では、それまで行われていた乗務員に対する注意喚起動作を終了させる。そのため、本第1実施形態では、音響ユニット24や表示装置27に対して停止信号を出力する。これにより、音響ユニット24は直ちに鳴動信号の出力を停止してスピーカの鳴動が止まる。また表示装置27も直ちに複数のLEDランプが消灯する。
続くステップS125では電源遮断処理が行われる。この処理では、電力遮断ユニット25に対して、制御ユニット22が有するドライバ回路を介して遮断信号を出力する。これにより、この制御ユニット22や、当該制御ユニット22を介して、無線ユニット23、音響ユニット24、消音ボタン26および表示装置27にそれまで供給されていた駆動電力が、電力遮断ユニット25により遮断される。電力遮断ユニット25は、前述したように、制御ユニット22から遮断信号が入力されると、電力遮断ユニット25のスイッチングデバイスがオフ状態に制御されるため、制御ユニット22、無線ユニット23、音響ユニット24、消音ボタン26および表示装置27のすべてが電源断になり、機能しなくなる。したがって、常時電源(バッテリ17)は本体装置21に接続されていても、本体装置21による消費電力はゼロになるため、バッテリ17に対する無駄な電力消費を防ぐことが可能になる。
また、ステップS109によりスタートさせたタイマーの所定時間(例えば3分間)が経過(タイムアップ)した場合にも(S119;Yes)、このような電源遮断処理(S125)が行われる。そのため、当該車内置き去り防止装置20の音響ユニット24や表示装置27による注意喚起動作が継続したまま放置されるような場合があっても、制御ユニット22、無線ユニット23、音響ユニット24、消音ボタン26および表示装置27に対する電力供給がすべて断たれることから、常時電源(バッテリ17)が本体装置21に接続されていても、本体装置21による消費電力はゼロになる。したがって、バッテリ17に対する無駄な電力消費を防ぐことが可能になる。
このように音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を行っている場合においても、電源遮断処理(S125)を実行することにより、本体装置21による消費電力をゼロにすることが可能になるので、ステップS121により実行される注意喚起終了処理は、省略することが可能である。つまり、ステップS119の判定処理により必要な両方または片方の無線押しボタン30から押下信号を受信していると判定した場合(S119;Yes)、ステップS121を行うことなく、電源遮断処理(S125)を実行するように情報処理の流れを変更してもよい。
以上説明したように本第1実施形態の車内置き去り防止装置20では、制御ユニット22は、バス10のエンジンが停止したことを知らせるオフ信号がバス10から入力された場合(S105;Yes)、(1)音響ユニット24や表示装置27に起動信号を出力する(S107)。その後、(2)無線押しボタン30から押下信号を受けた場合(S119;Yes)、音響ユニット24や表示装置27に停止信号を出力する(S121)とともに電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する(S125)。もしくは、無線押しボタン30から押下信号を受けた場合、電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する。または、(3)起動信号の出力後から所定時間が経過した場合(S123;Yes)、電力遮断ユニット25に遮断信号を出力する(S125)。
例えば、園児の送迎を終えたバス10が所定の駐車スペース等に駐車しそのエンジンを停止させると、当該バス10からオフ信号が制御ユニット22に入力される。これにより、音響ユニット24や表示装置27は、聴覚または視覚を介して注意喚起動作を開始するので、居眠り等により降車することなく車内に取り残されている園児の有無を、乗務員に対して確認するように促すことが可能になる。また、このような注意喚起動作は、車室内後部の後部扉19に設けられている無線押しボタン30のボタン部33を押下することにより終了することから、音響ユニット24や表示装置27の注意喚起動作を止めるためには、乗務員は車室内後部へ移動しなければならない。そのため、園児用座席12の背もたれ等に隠れて車室内前方からでは視認し難い車室内後方に園児が取り残されていたとしてもそのような園児を乗務員が発見することが可能になる。
また、無線押しボタン30のボタン部33を押下することにより、音響ユニット24や表示装置27の注意喚起動作が終了するとともに、または注意喚起動作の終了に関係なく、当該バス10のバッテリ17から車内置き去り防止装置20に供給されている電力を電力遮断ユニット25が遮断する。また、音響ユニット24や表示装置27に注意喚起動作を開始させる起動信号の出力後から所定時間が経過すると、無線押しボタン30のボタン部33を押下しなくても、電力遮断ユニット25が電力を遮断する。これにより、無線押しボタン30のボタン部33が押下されて音響ユニット24や表示装置27の注意喚起動作が終了した後においても当該車内置き去り防止装置20にバッテリ17から電力が供給され続けたり、また無線押しボタン30のボタン部33が押下されるまで音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を継続し続けたりすることが生じない。つまり、無線押しボタン30のボタン部33に起因してバッテリ17からの電力供給が遮断され、また無線押しボタン30の押下がなくても所定時間が経過すれば自動的に遮断されるので、当該車内置き去り防止装置20による無駄な電力消費を防ぐことが可能になる。したがって、バス10に搭載されたバッテリ17に与える影響を最小限に抑えつつ、運行終了後の車内に園児が置き去りにされることを防止することができる。
また、本第1実施形態の車内置き去り防止装置20では、バス10の運転席13の付近に設けられる消音ボタン26をさらに備えている。そして、制御ユニット22は、所定時間が経過した後(S205;Yes)、エンジンが動作していることを知らせるオン信号が入力されていない場合(S105;Yes)、音響ユニット24や表示装置27に起動信号を出力する(S107)。また制御ユニット22は、オン信号が入力されている場合(S105;No)、起動信号を出力することなくオフ信号の入力を待って、上記(1)以降の動作を再度行う(S107~S125)。これにより、送迎途中において、例えば、バス10が有するアイドリングストップ機能等によりバス10のエンジンが一時的に停止してオフ信号が制御ユニット22に入力されて音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を開始する場面が生じても、乗務員が消音ボタン26をオンにする操作を行うことによって注意喚起動作を停止させることが可能になる。そのため、本来、行われるべきではない場面における注意喚起動作を止めることができる。
また、消音ボタン26のオン操作が行われた後、所定時間が経過してもエンジンが動作していない場合においては、再度、音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を開始する。そのため、例えば、園児の送迎を終えた後の駐車によりエンジンが停止した場面において消音ボタン26がオン操作されたときには、所定時間の経過により、音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を再開するので、乗務員による、無線押しボタン30の押下忘れや確認漏れを防ぐことが可能になる。また、駐車によるエンジンの停止後、聴覚や視覚を介した注意喚起動作が煩わしいために消音ボタン26を押すような乗務員の不適切な行為を抑制することが可能になる。
なお、上述した第1実施形態では、車内置き去り防止装置20を構成する無線押しボタン30は無線通信を介して押下情報を本体装置21に送信し得るように構成したが、有線通信を介して押下情報を本体装置21に送り得るように構成してもよい。
また、上述した第1実施形態では、無線押しボタン30は、車室内後部の後部扉19において左右1つずつ合計2つ設けたが、左右いずれか一方に1つ設けてもよいし、また左右1つずつに加えて他の位置に1つ以上、つまり合計3つ以上の無線押しボタン30を設けてもよい。車室内後部の天井に無線押しボタン30を設けてもよい。
さらに、上述した第1実施形態では、消音ボタン26を設ける構成を採ったが、前述したような交差点等の一定時間の停車によりエンジンが一時停止する場合における注意喚起動作の起動を防ぐ必要がない場合には、消音ボタン26を設けなくてもよい。
また、上述した第1実施形態では、無線押しボタン30から送信される押下信号にID情報(識別情報)を付加したが、2つの無線押しボタン30のうち、いずれか一方(片方)から押下信号を受信すればよく、無線押しボタン30を区別する必要がない場合には、ID情報は不要になる。したがって、この場合には、押下信号にID情報を付加しなくてもよい。ただし、後述する第3実施形態のように、バス10が複数台ありそれぞれに車内置き去り防止装置20が搭載されている場合にはID情報を付加する必要があり得る。
また、上述した第1実施形態では、本体装置21内に、制御ユニット22、無線ユニット23、音響ユニット24および電力遮断ユニット25を設けたが、これらをそれぞれ別体に設けてもよい。さらに、無線押しボタン30と同様、消音ボタン26を無線通信可能に構成し無線ユニット23を介して制御ユニット22に接続するように構成してもよい。
また、上述した第1実施形態では、動力源オン信号や動力源オフ信号として、アクセサリ電源Accまたはイグニッション電源Igから出力される電圧情報を取得する構成を採用したが、これに代えて、例えば、バス10内に設けられているCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車内LANから得られる情報に基づいてエンジンのオンオフ情報を取得可能に構成してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の車内置き去り防止システムの一実施形態として、第1実施形態の車内置き去り防止装置20を含む車内置き去り防止システム40について、図4および図5を参照しながら説明する。
図4に示すように、第2実施形態の車内置き去り防止システム40は、バス10に搭載される車内置き去り防止装置20と、バス10の外として幼稚園や保育園等の園舎70に設けられる確認装置41と、バス10の後部扉19に設けられる無線押しボタン50と、により構成されている。
この無線押しボタン50は、例えば、送迎業務を終えて所定の駐車スペース等に駐車しているバス10内に園児が置き去りにされるような事態が発生し得ることを想定したものであり、後部扉19の園児用座席12の付近等において園児が押し得る位置に設けられている。無線押しボタン50は、それを設ける位置が異なる点を除いて無線押しボタン30と同様に構成されている。そのため、ここでは無線押しボタン50の構成については説明を省略する。
本第2実施形態では、無線押しボタン30が送信する押下信号や無線押しボタン50が送信する乗客信号には、当該無線押しボタン30,50を識別し得るID情報(識別情報)が付加(付与)されている。そのため、当該車内置き去り防止システム40において、有効なID情報として、当該車内置き去り防止装置20を構成する複数の無線押しボタン30に予め関連付けられているそれぞれのID情報と、無線押しボタン50に予め関連付けられているID情報と、を制御ユニット42のメモリに記憶して保存する。これにより、制御ユニット42は登録されているID情報を有する押下信号や乗客信号だけを情報処理の対象にすればよいため、未登録のID情報を有する無線押しボタン30,50から送信されてくる押下信号や乗客信号を排除することで誤動作等を未然に防ぐことが可能になる。
本第2実施形態では、確認装置41は、例えば、園舎70の事務室71内に設けられており、プラスチック等の合成樹脂製のケース内に収容されている「ユニット42、無線ユニット43および音響ユニット44」と、押下報知ランプ45と、解除ボタン46と、置き去り警告ランプ48と、により構成されている。これらは、例えば、図略のACアダプタ等から直流電力の供給を受けて駆動する。図4(B)には、制御ユニット42、無線ユニット43や音響ユニット44を囲む矩形状がこのようなケースの概念として表されている。
制御ユニット42は、無線ユニット43、音響ユニット44、押下報知ランプ45や置き去り警告ランプ48を制御するコントローラであり、例えば、MPU、メモリ(RAM、ROM)、入出力インタフェース、LEDドライバ回路、時計モジュール等により構成されるマイコンモジュールである。本第2実施形態では、無線ユニット43や解除ボタン46から入力される信号や情報に基づいて後述する制御処理を制御ユニット42のMPUが行い得るように構成されている。そのため、制御ユニット42には、これら無線ユニット43等のほかに解除ボタン46が接続されており、また制御ユニット42のメモリにはこのような制御処理をMPUが実行し得る制御プログラムが格納(記憶)されている。
無線ユニット43は、無線押しボタン30,50に対して近距離無線通信を可能にする無線通信モジュールである。本第2実施形態では、無線ユニット43は、制御ユニット42に接続されており、制御ユニット42から受ける制御コマンドに従って送受信可能に構成されている。無線ユニット43は、第1実施形態の本体装置21の無線ユニット23と同様に、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)に準拠するものを無線通信回線で用いる。制御ユニット42に対しては、乗務員が使う無線押しボタン30から送信される押下信号を受信すると、押下信号を受信したことを伝える受信情報を出力し、また園児が使い得る無線押しボタン50から送信される乗客信号を受信すると、乗客信号を受信したことを伝える残留情報を出力し得るように構成されている。
音響ユニット44は、事務室71内で運行管理業務等を行っている管理者に対して聴覚的に注意喚起を行い得る機能を有するものである。第1実施形態で説明した本体装置21の音響ユニット44とほぼ同様に、例えば、電子音を生成可能な生成モジュールと、この生成モジュールから出力される鳴動信号を受けて発音するスピーカとにより構成されている。生成モジュールは、制御信号が入力され得るように制御ユニット42に接続されており、制御ユニット42から出力される報知信号を受けると所定の鳴動信号をスピーカに出力してその電子音でスピーカを鳴動させ、確認信号を受けるまでその鳴動信号を出力し続ける。電子音は、例えば、電話機の保留音や時計のアラーム音のような報知音や、サイレンのような警報音であり、制御ユニット42から出力される設定信号により報知音や警報音の種類が設定され得るように構成されている。
なお、本第2実施形態では、音響ユニット44は、制御ユニット42等とともに、プラスチック等の合成樹脂製のケース内に収容される構成を採るが、当該ケースには、音響ユニット44のスピーカの発音面が位置する部分に複数の通音孔が形成されている。これにより、音響ユニット44が発する電子音は、確認装置41の周囲で業務を行う管理者や園関係者に聞こえ得ることから、管理者等に対する、聴覚を介した注意喚起動作が可能である。
押下報知ランプ45は、事務室71内の管理者等に対して視覚的に注意喚起を行い得る機能を有する確認灯である。本第2実施形態では、例えば、火災報知機の報知ランプのような大型の複数のLEDランプにより構成されており、ドーム形状を有する黄色透明グローブにより覆われている。押下報知ランプ45は、電源ケーブルを含む電気配線により制御ユニット42のLEDドライバ回路に接続されており、制御ユニット42から送出される報知信号が入力されると点灯し、制御ユニット42から送出される確認信号が入力されると消灯し得るように構成されている。なお、このような報知信号と確認信号に代えて、複数のLEDランプに電力ケーブルを介して給電し得る、駆動電力の供給(報知信号に相当)と遮断(確認信号に相当)で制御してもよい。
解除ボタン46は、事務室71内の管理者等が押下報知ランプ45の点灯を目視することによって、バス10内において乗務員が車内点検を行っていることを確認した場合に当該管理者等がオン操作するスイッチである。このような場合に使用され得る解除ボタン46は、本第2実施形態では、高さが低い円筒形状を有する本体部46aと、この本体部46aの上方に付勢されて突出するように設けられるボタン部46bと、本体部46aに内蔵される図略のスイッチ部により構成されており、制御ユニット42に接続されている。本第2実施形態では、例えば、付勢力に抗してボタン部46bを押下すると、オフ状態のスイッチ部がオン状態に遷移して解除信号が制御ユニット42に出力され得るように構成されている。
置き去り警告ランプ48は、事務室71内の管理者等に対して視覚的に警告を行い得る機能を有する警告灯であり、発光色と制御ユニット42による制御信号が異なる点を除いて前述の押下報知ランプ45とほぼ同様に構成されている。そのため、ここでは相違点を主に説明する。置き去り警告ランプ48も、例えば、赤色透明グローブにより覆われている大型の複数のLEDランプにより構成されており、これらは電源ケーブルを含む電気配線により制御ユニット42のLEDドライバ回路に接続されている。制御ユニット42から送出される残留信号が入力されると点灯し、ケースに設けられた図略の電源スイッチがオフになると消灯し得るように構成されている。
このように本第2実施形態の車内置き去り防止システム40を構成することによって、図5に示す制御処理が確認装置41の制御ユニット42により行われる。この制御処理は、前述したように制御ユニット42のメモリに格納された制御プログラムをMPUが実行することにより行われる。例えば、ケースに設けられた図略の電源スイッチがオンされてACアダプタ等から確認装置41に直流電力が供給された直後から、図5に示す制御処理が開始される(START)。
図5に示すように、制御処理では、まずステップS501により所定の初期化処理が行われた後、ステップS503により受信情報取得処理が行われる。所定の初期化処理(S501)は、例えば、制御ユニット42のメモリ(RAM)に確保されるワーク領域や所定のフラグ等を初期値でクリアしたり、無線ユニット43、音響ユニット44や押下報知ランプ45や置き去り警告ランプ48に所定の初期化コマンドを送出したりする。
ステップS503の受信情報取得処理では受信情報や残留情報を取得する。無線押しボタン30,50から送信された押下信号や乗客信号を無線ユニット43が受信している場合には、当該無線ユニット43から受信情報や残留情報が出力される。そのため、この処理では、当該無線ユニット43が制御ユニット42に出力する受信情報や残留情報を取得する。そして、続くステップS505により受信の有無を判定する処理が行われる。
即ち、受信情報取得処理(S503)により受信情報を取得している場合には無線押しボタン30から押下信号を受信していると判定し(S505;あり(受信情報))、ステップS507の押下報知開始処理が行われる。
本第2実施形態では、無線押しボタン30が送信する押下信号や無線押しボタン50が送信する乗客信号には、前述したように、当該無線押しボタン30,50を識別し得るID情報(識別情報)が付加されている。そのため、この受信有無判定処理(S505)では、第1実施形態で説明したように、例えば、当該バス10の後部扉19に設けられている左右2つの無線押しボタン30の両方から押下信号を受信する必要がある場合には、押下信号に付加されているID情報も含めてすべての無線押しボタン30から押下信号を受信しているか否かを判定する。片方から押下信号を受信すれば足りる場合には、いずれか一方の無線押しボタン30からを受信しているか否かを判定する。
また、この判定処理(S505)では、後部扉19の下方に設けられている無線押しボタン50から送信される乗客信号についてもID情報を含めて判定する。受信情報取得処理(S503)により残留情報を取得している場合には無線押しボタン50から乗客信号を受信していると判定され得る。しかし、無線押しボタン50は、例えば、送迎業務を終えて所定の駐車スペース等に駐車しているバス10内に園児が置き去りにされるような事態が発生し得ることを想定したものである。そのため、駐車中のバス10内に置き去りにされた園児等が無線押しボタン50を押下して乗客情報が送信され得るケースは、乗務員が車内点検を行った後、つまり乗務員により、両方(または片方で足りる場合にはいずれか一方)の無線押しボタン30が押下された後に限られる。
したがって、この受信有無判定処理(S505)において、無線押しボタン50から乗客信号を受信していると判定する前提条件として、例えば、両方(またはいずれか一方)の無線押しボタン30から押下信号を受信していると判定処理(S505)により判定済みであることを加える。具体的には、例えば、受信情報取得処理(S503)により両方(またはいずれか一方)の無線押しボタン30から押下信号を受信していると、判定処理(S505)により判定した場合(S505;あり(受信情報))、所定の判定フラグをオンに設定してから、ステップS507の押下報知開始処理に移行する。これにより、受信情報取得処理(S503)により残留情報を取得している場合には、この所定の判定フラグがオンに設定されているケースに限り、無線押しボタン50から乗客信号を受信していると判定処理(S505)により判定する(S505;あり(残留情報))。
これらに対して、受信情報および残留情報のいずれも取得していない場合には無線押しボタン30,50から押下信号も乗客情報も受信していないと判定して(S505;なし)、再度、受信情報取得処理(S503)に戻って、受信情報や残留情報を取得する。本第2実施形態では、片方で足りるときには2つの無線押しボタン30の両方から押下信号を受信できていない場合であり、両方必要なときには2つの無線押しボタン30のうちのいずれか一方または両方から押下信号を受信できていない場合である。
これにより、乗務員により両方(または片方で足りる場合にはいずれか一方)の無線押しボタン30が押下される前に、無線押しボタン50が操作されて乗客信号が送信されるような場合が生じても、それを受信した無線ユニット43が出力して受信情報取得処理(S503)により取得された残留情報は、受信有無判定処理(S505)において受信「あり(残留情報)」とは判定されない。したがって、例えば、乗車中の園児等がいたずら目的で無線押しボタン50を押して乗客信号が送信されてしまった場合等、無線押しボタン50の誤操作に起因した置き去り警告ランプ48の誤作動を抑制することが可能になる。
ステップS507の押下報知開始処理では、押下報知ランプ45や音響ユニット44に報知信号を出力する。押下報知ランプ45では、報知信号が入力されると、前述したように、大型の複数のLEDランプが点灯することから黄色透明グローブ内が輝くように光る。これにより、事務室71内で運行管理業務等を行っている管理者に対して視覚的に注意を喚起するとともにバス10内において無線押しボタン30が押下されたことがわかる。
また、音響ユニット44に報知信号が入力されると、予め設定された所定の鳴動信号がスピーカに出力されて、その電子音で確認装置41のケース内のスピーカが鳴動する。このような音響ユニット44による聴覚的な注意喚起動作の開始により、確認装置41の周囲ではその電子音が鳴り響くことから、管理者等はその電子音によってもバス10内において無線押しボタン30が押下されたことがわかる。これらによって、居眠り等により降車することなく取り残されている園児が車内に存在しないか等の車内点検が乗務員により行われていることを報知することが可能になる。なお、押下報知ランプ45または音響ユニット44のいずれか一方だけでこのような注意喚起動作を行ってもよい。
次のステップS511では解除ボタン情報取得処理が行われる。解除ボタン46は、管理者等が操作するスイッチであり、前述したように、押下報知ランプ45の点灯を目視することによって、バス10内において乗務員が車内点検を行っていることを確認した場合に当該管理者等がオン操作するスイッチであり、ボタン部46bの押下により、オフ状態のスイッチ部がオン状態に遷移して解除信号が制御ユニット42に出力される。そのため、この解除ボタン情報取得処理(S511)では解除信号を取得する処理が行われる。
続くステップS513では解除ボタン46がオン状態になっているか否かを判定する処理が行われる。即ち、解除信号が取得できていない場合には解除ボタン46がオン状態になっていないため、解除ボタン46がオン状態になっていないと判定した場合(S513;No)、再度、解除ボタン情報取得処理(S511)に戻って解除信号を取得する処理が行われる。これに対して、解除信号が取得できている場合には解除ボタン46がオン状態に移行していることから、バス10内において乗務員が車内点検を行っていることを管理者等が確認したことを示す。
このため、ステップS515により、押下報知ランプ45や音響ユニット44に確認信号を出力する。押下報知ランプ45では、確認信号が入力されると、前述したように、大型の複数のLEDランプが消灯するため黄色透明グローブ内が暗くなり視覚的に消灯していることがわかる。また音響ユニット44は、確認信号が入力されると、直ちに鳴動信号の出力を停止するためスピーカの鳴動が止まる。
なお、前述した前提条件を満たしたうえで、受信情報取得処理(S503)により残留情報を取得している場合には無線押しボタン50から乗客信号を受信していると判定される(S505;あり(残留情報))。この場合には、ステップS509により残留警報開始処理が行われて、置き去り警告ランプ48や音響ユニット44に残留信号を出力する。置き去り警告ランプ48では、残留信号が入力されると、前述したように、大型の複数のLEDランプが点灯することから赤色透明グローブ内が輝くように光る。これにより、事務室71内で運行管理業務等を行っている管理者に対して視覚的に警告するとともにバス10内において無線押しボタン50が押下されたことがわかる。
また、音響ユニット44に残留信号が入力されると、予め設定されたサイレン等の鳴動信号がスピーカに出力されて、その電子音で確認装置41のケース内のスピーカが鳴動する。このような音響ユニット44による聴覚的な警告動作の開始により、確認装置41の周囲ではサイレン等の電子音が鳴り響くことから、管理者等はその電子音によってもバス10内において無線押しボタン50が押下されたことがわかる。これらによって、現在、駐車中のバス10内において園児が置き去りになっている可能性が高いことを警告することが可能になる。なお、置き去り警告ランプ48または音響ユニット44のいずれか一方だけでこのような警告動作を行ってもよい。
次のステップS517では電源情報取得処理が行われる。この処理は、確認装置41に設けられる図略の電源スイッチの状態情報を得るものであり、ここでは電源スイッチのオンオフ状態の情報を取得する。解除ボタン46が押下された後は、当該確認装置41を機能させる必要がなくなる可能性があるため、この処理において電源スイッチの状態情報を取得して、次のステップS519において電源オフになっているか否かを判定する処理が行われる。
ステップS519の判定処理により図略の電源スイッチがオフ状態であり、電源オフになっていると判定された場合には(S519;Yes)、続くステップS521に移行して報知・警報情報等保存処理を行う。これに対して、この判定処理により図略の電源スイッチがオン状態であり、電源オフになっていないと判定された場合には(S519;No)、再度、受信情報取得処理(S503)に戻って、受信情報や残留情報を取得する。例えば、別のバス10が到着して無線押しボタン30等から押下信号等が届くのを待つ。
ステップS521の報知・警報情報等保存処理では、本制御処理において取得した受信情報や残留情報、または押下報知ランプ45や音響ユニット44に対して、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の開始情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の終了情報)等を、制御ユニット42のメモリに保存する。これらの各情報には、受信情報や残留情報を取得したり報知動作の開始情報等を出力したりした時の年月日時分秒の情報(タイムスタンプ情報)を、制御ユニット42が有する時計モジュールからそれぞれリアルタイムに取得して付加する。これにより、保存された各情報は、ログデータとして別途活用することが可能になる。
以上説明したように本第2実施形態の車内置き去り防止システム40では、押下信号を無線通信で送信可能な無線押しボタン30を備えた車内置き去り防止装置20と、バス10外に設けられる確認装置41と、を含み、確認装置41は、制御ユニット42、無線ユニット43、解除ボタン46、音響ユニット44および押下報知ランプ45を備える。そして、制御ユニット42は、無線ユニット43から受信情報が入力された場合(S505;あり(受信情報))、音響ユニット44や押下報知ランプ45に報知信号を出力する(S507)。その後、解除ボタン46から解除信号を受けた場合(S513;Yes)、音響ユニット44や押下報知ランプ45に確認信号を出力する(S515)。
例えば、園児の送迎を終えたバス10が所定の駐車スペース等に駐車しそのエンジンを停止させると、当該バス10に搭載された車内置き去り防止装置20では、音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を開始するので、当該バス10内では取り残された園児の有無を乗務員が車内点検するとともに車室内後部の無線押しボタン30を押下する。これにより、この無線押しボタン30から無線通信により送信された押下信号が当該バス10外の確認装置41に到達すると、確認装置41では音響ユニット44や押下報知ランプ45が無線押しボタン30が押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、確認装置41の近辺で運行管理業務等を行っている管理者は、音響ユニット44や押下報知ランプ45の報知動作を視認することにより園児の車内点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。したがって、乗務員による園児の車内点検の有無チェックを当該バス10外において行うことが可能になるので、運行終了後のバス10内に園児が置き去りにされることを確実に防止することができる。
また、当該バス10に搭載される車内置き去り防止装置20の無線押しボタン30は、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、運転席13の付近に設けられる本体装置21の制御ユニット22から車室内後部まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの無線押しボタン30が独自の電源部(電力源)を有するため、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような無線押しボタン30を車室内後部の後部扉19に複数設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、オフ信号は、例えば、当該バス10のアクセサリ電源Accの電圧情報として得ることが可能である。したがって、大がかりな改造作業を必要とすることなく、既存のバス10に対しても容易に車内置き去り防止装置20を後付けすることができる。
また、本第2実施形態の車内置き去り防止システム40では、無線押しボタン50をさらに含むものである。無線押しボタン50は、バス10の園児用座席12の付近に設けられるとともに独自の電源部を有し、オン操作された場合、この電力部から供給される電力により乗客信号を無線通信で確認装置41の無線ユニット43に送信する。確認装置41は、さらに置き去り警告ランプ48を備えており、この置き去り警告ランプ48は、制御ユニット42から残留信号が入力されると(S505;あり(残留情報))、視覚を介して無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する(S509)。
例えば、乗客の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車しているバス10内に園児が置き去りにされるような事態が発生しても、当該園児が無線押しボタン50をオン操作することによって無線通信により当該バス10外にも乗客信号が送信される。これにより、この無線押しボタン50から送信された乗客信号が当該バス10外の確認装置41に到達すると、確認装置41では置き去り警告ランプ48が視覚を介して無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、置き去り警告ランプ48の警告動作を視認することにより当該バス10内に園児が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、バス10内に置き去りにされた園児を早急に救出することができる。
なお、上述した第2実施形態では、押下報知ランプ45と置き去り警告ランプ48を別々に構成したが、例えば、これらを1つのランプに集約して、例えば、押下報知ランプの場合には黄色で発光させ、また置き去り警告ランプの場合には赤色で発光させる等、LEDランプの発光色で両機能を別々に果たし得るように構成してもよい。また、押下報知ランプ45や置き去り警告ランプ48に代えて、液晶ディスプレイを確認装置41に設けてそれに押下報知情報や警告情報を大きな文字やイラスト等(文字、図形、線図等)で表示してもよい。
[第3実施形態]
続いて、本発明の車内置き去り防止システムの一実施形態として、複数のバス10a~10cのそれぞれに車内置き去り防止装置20a~20cが搭載されている場合にこれらを含む車内置き去り防止システム60について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、第3実施形態の車内置き去り防止システム60は、複数のバス10a~10cがそれぞれ隣接した駐車スペースに駐車している場合において、各バス10a~10cに搭載される車内置き去り防止装置20a~20cを構成する複数の無線押しボタン30が1台の確認装置61に押下信号を送信し得るケースを想定したものである。
即ち、車内置き去り防止システム60は、バス10aに搭載される車内置き去り防止装置20aと、バス10bに搭載される車内置き去り防止装置20bと、バス10cに搭載される車内置き去り防止装置20cと、バス10の外として幼稚園や保育園等の園舎70に設けられる確認装置61と、各バス10a~10cのそれぞれの後部扉19に設けられる無線押しボタン50と、により構成されている。
したがって、園舎70の事務室71内に設けられる確認装置61には、各バス10a~10cのそれぞれを構成する合計6つの無線押しボタン30から無線通信を介して押下信号が届き、また各バス10a~10cに搭載されている合計3つの無線押しボタン50から無線通信を介して乗客信号が届く可能性がある。そのため、本第3実施形態では、確認装置61として、パソコン本体62、液晶ディスプレイ63、キーボード64、マウス65等により構成されるパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)と、無線データ通信装置66とを用いる。なお、このパソコンは、インターネットに接続可能に構成されている。
なお、第3実施形態と第2実施形態のハードウェアの対応関係は、次の通りである。
パソコン本体62 → 制御ユニット42、音響ユニット44
液晶ディスプレイ63 → 押下報知ランプ45および置き去り警告ランプ48
キーボード64 → 解除ボタン46
マウス65 → 解除ボタン46
無線データ通信装置66 → 無線ユニット43
本第3実施形態では、デスクトップタイプのパソコンを確認装置61として用いるが、このパソコンは、汎用仕様のものであり、第2実施形態で説明した制御ユニット42により実行される制御処理(図5)をベースに次に説明する諸機能を追加した情報処理を行い得るアプリケーションプログラム(以下「本アプリ」という)がインストールされ、かつ、実行可能である点が他の汎用仕様のパソコンと異なる。なお、図5に示すフローチャートにおいて、電源情報取得処理(S517)は本アプリの終了情報取得処理に置き換え、また電源オフ判定処理(S519)は本アプリの終了判定処理に置き換える。
このため、このようなアプリが実行可能であれば、例えば、ノートパソコン、タブレットパソコンやスマートフォン等を、確認装置61として用いてもよい。また、ノートパソコン、タブレットパソコンやスマートフォン等が無線データ通信装置66の機能を有する場合には、無線データ通信装置66を省略してもよい。
本第3実施形態において、図5に示す制御処理とは別にタスクとして、追加する諸機能は、例えば、次の(1)~(3)である。
(1)一覧表示機能
本第3実施形態では、3台のバス10a~10cに3台の車内置き去り防止装置20a~20cがそれぞれ搭載されており、これらを構成する合計6つの無線押しボタン30や合計3つの無線押しボタン50から押下信号や乗客信号が送信されて、1セットの確認装置61に届く。そのため、第2実施形態において説明したように、無線押しボタン30,50から送信される押下信号や乗客信号にはそれぞれにID情報が付加されており、送信元の無線押しボタン30,50を特定することが可能である。
したがって、例えば、確認装置61の液晶ディスプレイ63において、バス10a~10cごとに分類して、無線押しボタン30が押下されて車内点検が完了しているか否か等を一覧表示で行うことが可能になる。
車両 No.1:車内点検 完 了
車両 No.2:車内点検 *未*
車両 No.3:車内点検 完 了
また、無線押しボタン50が押下されると、例えば、「車両 No.2 置き去り発生!」の赤色文字が液晶ディスプレイ63の画面ほぼ全面に表示され、かつ、パソコン本体62の内蔵スピーカから、例えばサイレンのような警報音が大音量で出力される。
(2)履歴管理機能
また、第2実施形態の制御処理では、報知・警告情報等保存処理(S521)において、下記の各情報をタイムスタンプ情報付きで制御ユニット42のメモリに保存している。そのため、本第3実施形態では、これらの情報をパソコン本体62のハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)に保存することによって、車内点検履歴を管理することが可能になる。
・無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報
・無線押しボタン50から送信された残留信号の残留情報
・押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)
・押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)
・残留警報開始処理を行った情報(警報動作の開始情報)
・残留警報開始処理を行った情報(警報動作の終了情報)
(3)情報共有機能
さらに、本第3実施形態では、確認装置61として、インターネットに接続可能なパソコンを用いるため、例えば、クラウドサービスを利用することが可能である。したがって、上記(1)一覧表示機能および(2)履歴管理機能において使用する情報を特定のクラウドにアップロードすることにより、当該クラウドを介して情報共有することが可能になる。
以上説明したように本第3実施形態の車内置き去り防止システム60では、送信元を識別可能なID情報が付加された押下信号を無線通信で送信可能な無線押しボタン30を備えた車内置き去り防止装置20と、バス10外に設けられる確認装置61と、を含み、確認装置61は、パソコン本体62、液晶ディスプレイ63、キーボード64、マウス65、無線データ通信装置66を備える。そして、パソコン本体62は、無線データ通信装置66から受信情報およびID情報が入力された場合(S507;あり(受信情報))、液晶ディスプレイ63にID情報に対応する報知信号を出力する(S507)。その後、キーボード64やマウス65から解除信号を受けた場合(S513;Yes)、液晶ディスプレイ63にID情報に対応する確認信号を出力する(S515)。
例えば、園児の送迎を終えた複数台のバス10a~10cが所定の駐車スペース等に駐車しそのなかの特定のバス10aがエンジンを停止させると、当該バス10aに搭載された車内置き去り防止装置20aでは、音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を開始するので、当該バス10a内では乗務員が園児の車内点検をするとともに車室内後部の後部扉19の無線押しボタン30を押下する。例えば、2台のバス10aとバス10bがほぼ同時または僅かな時間差で前後してエンジンを停止させた場合であっても、これら2台のバス10a,10bの無線押しボタン30から送信された押下信号には異なるID情報が付加されているので、園舎70の確認装置61(無線データ通信装置66やパソコン本体62)において取り違えることなく、図5の制御処理を行うことが可能になる。これにより、この無線押しボタン30から無線通信により送信された押下信号であり送信元のID情報が付加されたものが当該バス10a外の確認装置61に到達すると、確認装置61では液晶ディスプレイ63がID情報に対応する特定の無線押しボタン30が押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、管理者は、液晶ディスプレイ63の報知動作を視認することにより特定のバス10aにおいて園児の車内点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。したがって、乗務員による園児の車内点検の有無チェックを当該バス10a外において行うことが可能になるので、運行終了後の車内に園児が置き去りにされることを確実に防止することができる。
また、当該バス10aに搭載される車内置き去り防止装置20の無線押しボタン30は、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、運転席13の付近に設けられる本体装置21の制御ユニット22から車室内後部の後部扉19まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの無線押しボタン30が独自の電源部(電力源)を有するので、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような無線押しボタン30を車室内後部の後部扉19に複数設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、オフ信号は、例えば、当該バス10aのアクセサリ電源Accの電圧情報として得ることが可能である。したがって、大がかりな改造作業を必要とすることなく、既存のバス10aに対しても容易に車内置き去り防止装置20を後付けすることができる。
また、本第3実施形態の車内置き去り防止システム60では、無線押しボタン50をさらに含むものである。無線押しボタン50は、バス10a~10cの園児用座席12の付近に設けられるとともに独自の電源部(電力源)を有し、オン操作された場合、この電源部から供給される電力により乗客信号およびこれに付加されたID情報を無線通信で確認装置61の無線データ通信装置66に送信する。確認装置61は、さらに液晶ディスプレイ63を備えており、この液晶ディスプレイ63は、パソコン本体62から残留信号が入力されると(S505;あり(残留情報))、残留信号のID情報に対応づけて視覚を介してID情報に対応する無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する(S509)。
例えば、園児の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車している3台のバス10a~10cのうち、特定の1台のバス10a内に園児が置き去りにされるような事態が発生しても、当該園児が無線押しボタン50をオン操作することによって無線通信により当該バス10a外にも乗客信号およびこれに付加されたID情報が送信される。これにより、この無線押しボタン50から送信された乗客信号およびID情報が当該バス10a外の確認装置61に到達すると、確認装置61では液晶ディスプレイ63が視覚を介して特定の1台のID情報に対応する無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、液晶ディスプレイ63の警告動作を視認することにより3台のバス10a~10cのうち、特定の1台のバス10a内に園児が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、当該特定のバス10a内に置き去りにされた園児を早急に救出することができる。
さらに、本第3実施形態の車内置き去り防止システム60では、押下信号を無線通信で送信可能な無線押しボタン30を備えた車内置き去り防止装置20aと、バス10a外に設けられる確認装置61と、を含み、確認装置61は、パソコン本体62、液晶ディスプレイ63、キーボード64、マウス65、無線データ通信装置66、パソコン本体62のハードディスク装置またはSSDを備える。そして、パソコン本体62は、無線データ通信装置66から受信情報が入力された場合(S507;あり(受信情報))、液晶ディスプレイ63に報知信号を出力する(S507)。その後、キーボード64やマウス65から解除信号を受けた場合(S513;Yes)、液晶ディスプレイ63に確認信号を出力する(S515)とともに、無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)の少なくとも1つ以上の情報をパソコン本体62のハードディスク装置やSSDに記録して保存する(S521)。
例えば、園児の送迎を終えたバス10aが所定の駐車スペース等に駐車しそのエンジンを停止させると、当該バス10aに搭載された車内置き去り防止装置20aでは、音響ユニット24や表示装置27が注意喚起動作を開始するので、当該バス10a内では乗務員が園児の車内点検をするとともに車室内後部の後部扉19の無線押しボタン30を押下する。これにより、この無線押しボタン30から無線通信により送信された押下信号が当該バス10a外の確認装置61に到達すると、確認装置61ではキーボード64やマウス65が無線押しボタン30が押下されたことを視覚を介して報知する報知動作を開始する。そのため、管理者は、液晶ディスプレイ63の報知動作を視認することにより園児の車内点検を乗務員が行っていることを把握することが可能になる。また、パソコン本体62のハードディスク装置やSSDには、無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)の少なくとも1つ以上の情報が記録され保存されているので、これらの情報を事後的に確認することが可能になる。
また、当該バス10aに搭載される車内置き去り防止装置20aの無線押しボタン30は、押下信号を無線通信で送信可能であることから、例えば、運転席13の付近に設けられる本体装置21の制御ユニット22から車室内後部の後部扉19まで制御信号用の配線を敷設する必要がない。またこの無線押しボタン30が独自の電源部(電力源)を有する場合には、電力用の配線も敷設する必要がない。そのため、このような無線押しボタン30を車室内後部の後部扉19の複数に設ける構成を採っても多数の配線を引き回す作業を必要としない。また、オフ信号は、例えば、当該バス10aのアクセサリ電源Accの電圧情報として得ることが可能である。
また、本第3実施形態の車内置き去り防止システム60では、無線押しボタン50をさらに含むものである。無線押しボタン50は、バス10aの園児用座席12の付近に設けられるとともに独自の電源部(電力源)を有し、オン操作された場合、この電源部から供給される電力により乗客信号を無線通信でパソコン本体62の無線データ通信装置66に送信する。確認装置61は、さらに液晶ディスプレイ63を備えており、この液晶ディスプレイ63は、パソコン本体62から残留信号が入力されると(S505;あり(残留情報))、視覚を介して無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する(S509)。パソコン本体62は、無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報、無線押しボタン50から送信された残留信号の残留情報、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の開始情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の終了情報)の少なくとも1つ以上の情報をパソコン本体62のハードディスク装置やSSDに記録して保存する(S521)。
例えば、園児の送迎を終えて所定の駐車スペース等に駐車しているバス10a内に園児が置き去りにされるような事態が発生しても、当該園児が無線押しボタン50をオン操作することによって無線通信により当該バス10a外にも乗客信号が送信される。これにより、この無線押しボタン50から送信された乗客信号が当該無線押しボタン50外の確認装置61に到達すると、確認装置61では液晶ディスプレイ63が視覚を介して無線押しボタン50がオン操作されたことを警告する警告動作を開始する。そのため、管理者は、液晶ディスプレイ63の警告動作を視認することにより当該バス10a内に園児が置き去りにされていることを把握することが可能になる。したがって、バス10a内に置き去りにされた園児を早急に救出することができる。また、パソコン本体62のハードディスク装置やSSDには、無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報、無線押しボタン50から送信された残留信号の残留情報、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の開始情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の終了情報)の少なくとも1つ以上の情報が記録され保存されているので、これらの情報を事後的に確認することが可能になる。
なお、上述した第3実施形態では、上記の「(2)履歴管理機能」を実現するためにパソコン本体62のハードディスク装置やSSDに、無線押しボタン30から送信された押下信号の受信情報、無線押しボタン50から送信された残留信号の残留情報、押下報知開始処理を行った情報(報知動作の開始情報)、押下報知終了処理を行った情報(報知動作の終了情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の開始情報)、残留警報開始処理を行った情報(警報動作の終了情報)を記録し保存し得るように構成したが、「(2)履歴管理機能」が必要ない場合には、これらの情報をハードディスク装置やSSDに記録して保存する必要はない。
また、上述した第3実施形態では、確認装置として、パソコン本体62、液晶ディスプレイ63、キーボード64、マウス65および無線データ通信装置66を用いて確認装置61を構成したが、これに限られることはなく、例えば、第2実施形態の制御ユニット42、無線ユニット43、音響ユニット44、押下報知ランプ45および置き去り警告ランプ48を用いて確認装置61を構成してもよい。この場合には、第3実施形態と第2実施形態のハードウェアの対応関係は前述した通りである。
なお、上述した第2実施形態や第3実施形態では、無線押しボタン50を車室内後部の後部扉19の1箇所に設けたが、当該バス10,10a~10cの車室内であって園児用座席12の付近かつ乗客が押下可能な位置であれば、例えば、複数箇所に複数の無線押しボタン50を設けてもよい。ただし、無線押しボタン50による乗客信号を送信する必要がない場合には当該無線押しボタン50を設けなくてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。
10,10a,10b,10c…バス(送迎車両)
11…乗降扉
12…園児用座席
13…運転席
14…ステアリングホイール
15…ダッシュボード
17…バッテリ
19…後部扉(車室内後部)
20,20a,20b,20c…車内置き去り防止装置
21…本体装置
22…制御ユニット(制御部)
23…無線ユニット
24…音響ユニット(注意喚起部)
25…電力遮断ユニット(電力遮断部)
26…消音ボタン(一時停止スイッチ)
27…表示装置(注意喚起部)
30…無線押しボタン(押しボタンスイッチ)
40,60…車内置き去り防止システム
41,61…確認装置
42…制御ユニット(確認制御部)
43…無線ユニット(受信部)
44…音響ユニット
45…押下報知ランプ(押下報知部)
46…解除ボタン(解除ボタンスイッチ)
48…置き去り警告ランプ(残留警告部)
50…無線押しボタン(乗客スイッチ)
62…パソコン本体(確認制御部)
63…液晶ディスプレイ(押下報知部)
64…キーボード(解除ボタンスイッチ)
65…マウス(解除ボタンスイッチ)
66…無線データ通信装置(受信部)
70…園舎
71…事務室

Claims (8)

  1. 送迎車両に搭載されて当該送迎車両が有するバッテリから電力の供給を受けて動作する車内置き去り防止装置であって、
    制御部と、
    前記送迎車両の車室内後部に設けられてボタン部を有しこのボタン部が押されると押下信号を前記制御部に送出する押しボタンスイッチと、
    前記制御部から起動信号が入力されると聴覚または視覚を介して注意を喚起する動作を開始し前記制御部から停止信号が入力されると前記動作を終了する注意喚起部と、
    前記制御部から遮断信号が入力されると前記バッテリから供給される前記電力を遮断する電力遮断部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記送迎車両の走行動力源が停止したことを知らせる動力源オフ信号が前記送迎車両から入力された場合、(1) 前記注意喚起部に前記起動信号を出力し、その後、
    (2) 前記押しボタンスイッチから前記押下信号を受けた場合、前記注意喚起部に前記停止信号を出力するとともに前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、もしくは前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、または、
    (3) 前記起動信号の出力後から所定時間が経過した場合、前記電力遮断部に前記遮断信号を出力する、ことを特徴とする車内置き去り防止装置。
  2. 前記送迎車両の運転席付近に設けられる一時停止スイッチをさらに備えており、
    前記一時停止スイッチは、前記注意喚起部の動作中にオン操作がされた場合、一時停止信号を前記制御部に出力し、
    前記制御部は、前記一時停止スイッチから前記一時停止信号が入力されると前記注意喚起部に前記停止信号を出力し、所定時間が経過した後、
    前記走行動力源が動作していることを知らせる動力源オン信号が入力されていない場合、前記注意喚起部に前記起動信号を出力し、前記動力源オン信号が入力されている場合、前記起動信号を出力することなく前記動力源オフ信号の入力を待って前記(1)以降の動作を再度行う、ことを特徴とする請求項1に記載の車内置き去り防止装置。
  3. 前記押しボタンスイッチが無線通信で前記押下信号を送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、
    前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、
    前記確認装置は、確認制御部と、
    前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報を前記確認制御部に出力する受信部と、
    ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、
    前記確認制御部から報知信号が入力されると視覚を介して前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から確認信号が入力されると前記報知動作を終了する押下報知部と、を備え、
    前記確認制御部は、
    前記受信部から前記受信情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号を出力する、ことを特徴とする車内置き去り防止システム。
  4. 前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、
    前記確認装置は、
    前記確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、
    前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報を前記確認制御部に出力し、
    前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号を出力する、ことを特徴とする請求項3に記載の車内置き去り防止システム。
  5. 送信元の前記押しボタンスイッチを識別可能な識別情報または送信元の前記押しボタンスイッチを備えた前記車内置き去り防止装置を識別可能な識別情報が付加された前記押下信号を、前記押しボタンスイッチが無線通信で送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、
    前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、
    前記確認装置は、確認制御部と、
    前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報および前記識別情報を前記確認制御部に出力する受信部と、
    ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、
    前記確認制御部から前記識別情報に対応する報知信号が入力されると前記報知信号の識別情報に対応づけて視覚を介して前記識別情報に対応する前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から前記識別情報に対応する確認信号が入力されると前記確認信号の識別情報に対応する前記報知動作を終了する押下報知部と、を備え、
    前記確認制御部は、
    前記受信部から前記受信情報および前記識別情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号および前記識別情報を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号および前記識別情報を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号および前記識別情報を出力する、ことを特徴とする車内置き去り防止システム。
  6. 前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号およびこれに付加された識別情報を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、
    前記確認装置は、
    前記確認制御部から前記識別情報に対応する残留信号が入力されると前記残留信号の前記識別情報に対応づけて視覚を介して前記識別情報に対応する前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、
    前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報および前記識別情報を前記確認制御部に出力し、
    前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報および前記識別情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号および前記識別情報を出力する、ことを特徴とする請求項5に記載の車内置き去り防止システム。
  7. 前記押しボタンスイッチが無線通信で前記押下信号を送信可能である請求項1または2に記載の車内置き去り防止装置と、
    前記送迎車両外に設けられる確認装置と、を含む車内置き去り防止システムであって、
    前記確認装置は、確認制御部と、
    前記押しボタンスイッチから無線通信で送信された前記押下信号を受信可能であるとともに前記押下信号を受信した旨の受信情報を前記確認制御部に出力する受信部と、
    ボタン部を有しこのボタン部が押されると解除信号を前記確認制御部に送出する解除ボタンスイッチと、
    前記確認制御部から報知信号が入力されると視覚を介して前記押しボタンスイッチが押下されたことを報知する報知動作を開始し前記確認制御部から確認信号が入力されると前記報知動作を終了する押下報知部と、
    情報を記録して保存する記録保存部と、備え、
    前記確認制御部は、
    前記受信部から前記受信情報が入力された場合、前記押下報知部に前記報知信号を出力し、その後、前記解除ボタンスイッチから前記解除信号を受けた場合、前記押下報知部に前記確認信号を出力するとともに、
    前記受信情報、前記報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を前記記録保存部に記録して保存する、ことを特徴とする車内置き去り防止システム。
  8. 前記送迎車両の乗客席付近に設けられるとともに独自の電力源を有し、オン操作された場合、前記電力源から供給される電力により乗客信号を無線通信で前記確認装置の前記受信部に送信する乗客スイッチをさらに含んでおり、
    前記確認装置は、
    前記確認制御部から残留信号が入力されると視覚を介して前記乗客スイッチがオン操作されたことを警告する警告動作を開始する残留警告部をさらに備え、
    前記受信部は、前記乗客スイッチから無線通信で送信された前記乗客信号を受信可能であるとともに前記乗客信号を受信した旨の残留情報を前記確認制御部に出力し、
    前記確認制御部は、前記受信部から前記残留情報が入力された場合、前記残留警告部に前記残留信号を出力するとともに、
    前記受信情報、前記残留情報、警告動作の開始情報、前記報知動作の開始情報および終了情報の少なくとも1つ以上の情報を前記記録保存部に記録して保存する、ことを特徴とする請求項7に記載の車内置き去り防止システム。
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