JP2024065410A - 防腐剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パラヒドロキシ安息香酸エステルの水への溶解性が改善された防腐剤組成物を提供する。【解決手段】 粉末化基材、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を含む防腐剤組成物であって、粉末化基材が、BET式一点法による比表面積が1m2/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含み、乳化剤のHLB値が9以上であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が、粉末化基材100重量部に対し、1~65重量部であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤が、粉末化基材の細孔中に担持されている、防腐剤組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、パラヒドロキシ安息香酸エステルの溶解性が改善された防腐剤組成物に関する。
パラヒドロキシ安息香酸エステルは、抗菌力に優れ、低刺激であることから種々のエステル体が食品や化粧品等に防腐剤として用いられている。しかしながら、パラヒドロキシ安息香酸エステルは水に対する溶解度が極めて低く(非特許文献1)、溶解速度も遅いため、溶解に長時間を要したり、添加量によっては結晶が析出したりすることがあった。したがって、パラヒドロキシ安息香酸エステルの防腐対象への添加に際しては、エタノール等のアルコール類を可溶化剤として用いることが一般的となっている。
可溶化剤を用いることにより、防腐対象への溶解性はある程度改善されるものの、可溶化剤を用いた防腐剤組成物であっても、防腐対象によっては添加した際に結晶が析出したり、低温保管時に結晶が析出したりすることがあり、更なる改善が求められている。
また、一般的に溶解速度は表面積の増大に伴い改善することが知られており、パラヒドロキシ安息香酸エステルのような難水溶性物質を微細化することにより溶解速度を改善することも検討されている(非特許文献2)。しかしながら、微細化にはジェットミルや超臨界晶析装置といった特殊な装置が必要であり、容易に実施し得る方法ではなかった。
一方、微細化以外の方法により、溶解性を改善しようとする検討もなされている。特許文献1には、パラヒドロキシ安息香酸エステル類の2種以上のものの共融混合物を主成分とすることを特徴とする防黴剤が記載されている。この防黴剤は、複数のパラヒドロキシ安息香酸エステルを共融混合物とすることにより、水に対する溶解性が大幅に改善されるものの、液体であることや複雑な製造プロセスが必要であるという課題があった。
したがって、特殊な装置や複雑なプロセスを経ることなく、パラヒドロキシ安息香酸エステルの溶解性を改善した防腐剤組成物が望まれていた。
特公昭37-17994号公報
香粧品・医薬品防腐・殺菌剤の科学(フレグランスジャーナル社、1984) 難溶性薬物のナノ結晶製剤(Drug Delivery System 30―2、2015)
本発明は、パラヒドロキシ安息香酸エステルの水への溶解性が改善された防腐剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、パラヒドロキシ安息香酸エステルと特定の乳化剤を、特定のソルビトールを含む粉末化基材に担持させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明は、粉末化基材、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を含む防腐剤組成物であって、粉末化基材が、BET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含み、乳化剤のHLB値が9以上であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が、粉末化基材100重量部に対し、1~65重量部であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤が、粉末化基材の細孔中に担持されている、防腐剤組成物を提供する。
また、本発明は、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよびHLB値が9以上の乳化剤を溶媒に溶解させて溶解液を調製し、当該溶解液をBET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含む粉末化基材に、粉末化基材100重量部に対して溶解液が1.5~125重量部となるように添加することを特徴とする、防腐剤組成物の製造方法も提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防腐剤組成物に採用可能なパラヒドロキシ安息香酸エステルは、特に限定されないが、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸イソブチルおよびパラヒドロキシ安息香酸ベンジル(以下、それぞれMP、EP、PP、IPP、BP、IBP、およびBePと称することがある)等が好ましいパラヒドロキシ安息香酸エステルとして例示される。その中でも水に対する溶解性の点でパラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチルが好ましく、防腐効果に優れる点でパラヒドロキシ安息香酸ブチルがより好ましい。これらのパラヒドロキシ安息香酸エステルは、2種以上を併用してもよい。
本発明の防腐剤組成物におけるパラヒドロキシ安息香酸エステルの割合は、粉末化基材100重量部に対し、1~65重量部であり、5~60重量部であるものが好ましく、10~55重量部であるものがより好ましく、15~52重量部であるものがさらに好ましい。粉末化基材に対するパラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が少ないと、防腐剤組成物中の粉末化基材であるソルビトールが相対的に多くなるため、添加対象における味質や物性が変化する傾向がある。防腐剤組成物の用途に応じ、添加すべきパラヒドロキシ安息香酸エステルの量と、当該用途において許容されるソルビトール量に鑑みて当該割合を決めれば良い。粉末化基材に対するパラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が65重量部を超える場合、防腐剤組成物が粉末化基材の細孔中に担持されないパラヒドロキシ安息香酸エステルを含むものとなり、防腐剤組成物の水への溶解性が悪化する傾向がある。
本発明の防腐剤組成物に用いる乳化剤は、HLB値が9以上のものであれば採用可能であり、HLB値が10~18であるものが好ましく、HLB値が11~16であるものがより好ましい。
具体的な乳化剤としては、酵素分解レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が例示される。これらの中でも、水に対する溶解性の点から酵素分解レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、乳化力の点で酵素分解レシチンが好ましい。
酵素分解レシチンは、大豆由来、アブラナ由来、ひまわり由来等の植物性のものの他、卵黄由来等の動物性のものであってもよい。また、リン脂質濃度を調整した分別酵素分解レシチンや水素添加した水素添加酵素分解レシチンであってもよい。これらの酵素分解レシチンは2種以上を併用してもよい。
本発明の防腐剤組成物における乳化剤の割合は特に限定されないが、パラヒドロキシ安息香酸エステル1重量部に対し、0.04~0.5重量部であるものが好ましく、0.06~0.4重量部であるものがより好ましく、0.08~0.35重量部であるものがさらに好ましい。乳化剤の割合が、パラヒドロキシ安息香酸エステル1重量部に対し、0.04重量部未満の場合、添加対象における分散が悪くなるため、結果として防腐剤組成物の溶解性が悪くなる傾向があり、0.5重量部を超える場合、防腐剤組成物中の乳化剤量が相対的に多くなるため、添加対象における味質や物性が変化する傾向がある。
本発明の防腐剤組成物に用いる粉末化基材は、BET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトール(本明細書において多孔質ソルビトールと称することがある)を含む。粉末化基材は多孔質ソルビトールのみからなるものが好ましい。
本発明に用いる多孔質ソルビトールは平均粒子径が特定の範囲になるように調整したものであってよく、その際の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー(登録商標)3000、マルバーン社製)で測定して、1~600μmが好ましく、20~550μmがより好ましく、30~500μmがさらに好ましい。
多孔質ソルビトールは、例えば、溶融したソルビトールとエタノールを混練し、次いで減圧乾燥することにより製造することができる。一つの好ましい態様において、本発明の多孔質ソルビトールの製造方法は、以下の工程:
a)溶融ソルビトールとエタノールを混練装置内に供給する工程、
b)混練装置内の溶融ソルビトールとエタノールとを50~78℃に保持しながら混練する工程、およびc)b)で得られた混練物を25~90℃、100~30000Paで減圧乾燥することによりエタノールを除去する工程を含む。
さらに、上記の製造方法をより具体的に説明する。まず、工程a)において、10~70重量部の溶融ソルビトールと30~90重量部のエタノールを混練装置内に供給する。混練装置内への供給量は、好ましくは15~68重量部の溶融ソルビトールと32~85重量部のエタノールであり、より好ましくは20~65重量部の溶融ソルビトールと35~80重量部のエタノールである。
工程a)において使用するエタノールに含まれる水分量は、例えば10重量%以下である。エタノールに含まれる水分量は、好ましくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0重量%(エタノールのみ)である。エタノールに含まれる水分量が少ない程、製造される多孔質ソルビトールの比表面積が向上する傾向がある。
次いで、工程b)において、混練装置内の溶融ソルビトールとエタノールとを50~78℃に保持しながら混練する。混練装置内の温度を50~78℃に保持することにより、混練装置内の溶融ソルビトールが急速に固化することなく、かつエタノールの揮散を抑制しながら溶融ソルビトールとエタノールとを混練できる。混練装置内の温度は、好ましくは55~78℃であり、より好ましくは60~75℃である。
工程c)において、工程b)で得られた混練物を25~90℃、100~30000Paで減圧乾燥することによりエタノールを除去し、多孔質ソルビトールを得る。減圧乾燥は、例えばエバポレーターなどの減圧乾燥機を用いて行う。工程c)において得られる多孔質ソルビトールを、ブレンダー等により粉砕または整粒し、粉末にすることができる。
上述した多孔質ソルビトールの製造に用いる装置としては、KRCニーダー、横型ニーダー、竪型ニーダー等の混練機が挙げられ、品質の点でKRCニーダー、横型ニーダーが好ましく、製造効率とのバランスに優れる点でKRCニーダーがより好ましい。
本発明に用い得る粉末化基材の比表面積は、1m/g以上であり、好ましくは5m/g以上であり、より好ましくは7~30m/gであり、より好ましくは8~15m/gである。
本発明でいう比表面積は、例えばMONOSORB(ユアサアイオニクス株式会社製)またはこれと同等の比表面積測定装置において、BET式一点法で測定される値を意味する。例えば、比表面積は以下の測定条件で測定し得る。
[測定条件]
方法:BET式一点法
キャリアガス:窒素・ヘリウム混合ガス(N:He=30:70)
測定ガス流量:15cc/分
脱気条件:60℃、20分間
本発明に用い得る粉末化基材の細孔容積は0.2mL/g以上であり、好ましくは0.3mL/g以上であり、より好ましくは0.4~2.5mL/gであり、より好ましくは0.5~1.5mL/gである。
本発明でいう細孔容積は、例えばPascal 240(Thermo Fisher Scientific社製)またはこれと同等の細孔容積測定装置において、水銀圧入法で測定される値を意味する。
本発明の防腐剤組成物は、粉末化基材の細孔中に担持されないパラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を含んでいても良いが、その量は少ない方が好ましく、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤が全て粉末化基材の細孔中に担持されたものがより好ましい。また、粉末化基材の細孔中に担持されないパラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤の増加に伴い、流動性が悪化する傾向があるため、安息角が30~60°の流動性のある粉末とするのが好ましい。安息角は、35~58°であるのがより好ましく、40~55°であるのがさらに好ましい。安息角が30°未満の場合、飛散性が高くなる傾向があり、安息角が60°を超える場合、流動性が悪くなる傾向がある。
本発明でいう安息角は、例えば円筒回転法安息角測定器(筒井理化学器械株式会社)またはこれと同等の測定器において、円筒回転法で測定される値を意味する。
次に本発明の防腐剤組成物の製造方法について説明する。
本発明の防腐剤組成物は、粉末化基材にパラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を担持させることにより製造される。より具体的には、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を、両成分を溶解し得る溶媒と混合して溶解液とした後(以下、単に溶解液と称する)、BET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含む粉末化基材に担持させる方法が例示される。この方法を採用する場合、溶解液の調製に使用し得る好ましい溶媒としては、アルコールが挙げられる。採用可能なアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が例示されるが、これらの中でも、安全性の点からエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールが好ましく、入手性の点からエタノールがより好ましい。これらのアルコールは2種以上を併用してもよい。
また、上記アルコールは水を含有していてもよいが、その場合、水分含有量が15重量%以下であるものが好ましく、12重量%以下であるものがより好ましく、0.01~10重量%であるものがさらに好ましい。水分含有量が15重量%を超える場合には、パラヒドロキシ安息香酸エステルまたは乳化剤が完全に溶解しない傾向がある。なお、本願明細書および請求の範囲において「アルコール」あるいは個別に特に断りなく「エタノール」等と記載する場合は、水分を含有しているもの、含有していないものいずれも含むものとする。
溶解液におけるパラヒドロキシ安息香酸エステルの割合は、溶媒100重量部に対し、50重量部以上が好ましく、80重量部以上がより好ましく、100重量部以上がさらに好ましく、110重量部以上が最も好ましい。パラヒドロキシ安息香酸エステルの割合の上限は、採用した溶媒に溶解していればよく、例えば、溶媒として95度のエタノールを選択し、パラヒドロキシ安息香酸エステルとしてパラヒドロキシ安息香酸ブチルを選択した場合には、210重量部程度である。
本願発明の方法において、粉末化基材100重量部に対して、溶解液1.5~125重量部を添加する。本発明の方法により、粉末化基材100重量部に対するパラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が所望の割合であり、かつ粉末化基材の細孔内にパラヒドロキシ安息香酸エステルと乳化剤を担持した本発明の防腐剤組成物を得ることができる。
粉末化基材に溶解液を添加する手段は限定されず、例えば、粉末化基材に溶解液を少量ずつ添加しながら混合する方法が挙げられる。より具体的には、溶解液をスポイト等を用いて滴下しながら混合する方法、攪拌混合造粒装置や流動層造粒装置などの当該技術分野において公知の装置を用いて、溶解液を噴霧しながら混合する方法が例示される。
本発明の防腐剤組成物の製造において、得られた防腐剤組成物に含まれる溶媒は、そのまま使用しても良いし、目的に応じて乾燥装置やエバポレーター等の一般的な装置を用いて除去してもよい。
このようにして得られた本発明の防腐剤組成物は、製品中、あるいは製品の製造途中において水系の溶媒を用いる製品に用いられる。パラヒドロキシ安息香酸エステルの使用目的に応じて、飲食品、化粧品、洗浄除菌剤、芳香剤、消臭剤、保存剤、医薬品、医薬部外品、インク、接着剤、塗料、保冷剤、防虫剤、不織布、建築材料、日用品等の様々な製品に利用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
試験例1
粉末化基材の調製
下記に示す材料を表1に示す割合(重量%)および条件で溶融混練し、結晶化した混練物を表1に示す条件でロータリーエバポレーターにより減圧乾燥して粉末化基材1を得た。得られた粉末化基材は、下記に示すブレンダーで15,700rpm、30秒間粉砕した。粉砕後の粉末化基材1および6~7について、以下の条件で比表面積、細孔容積および平均粒子径を測定した。尚、粉末化基材2~5は、30分間溶融混練した際に混練物が結晶化しなかったため、比表面積、細孔容積および平均粒子径を測定することなく評価を終了した。
<材料>
・ソルビトール1:粉末ソルビトール「ウエノ」20M(株式会社ウエノフードテクノ製、ソルビトール純度92%)
・ソルビトール2:パーテック(登録商標)SI 150(メルク社製、ソルビトール純度98.4%)
・マルチトール:粉末マルチトール「ウエノ」60M(株式会社ウエノフードテクノ製)
・キシリトール:1級キシリトール(試薬、富士フィルム和光純薬株式会社製)
・エタノール:発酵エタノール(95度、第一アルコール株式会社製、エタノール92.3重量%)
・イオン交換水
<混練装置>
・KRC:KRCニーダー(S2型、株式会社栗本鐵工所製)
・横型:横型ニーダー(準KC-6型、サタケ株式会社製)
<ブレンダー>
・ブレンダー(16Speed Blender、Oster製)
比表面積の測定
粉末化基材を測定セル(容積:1.7cm)に1/2容量程度となるように入れ、BET型比表面積計(MONOSORB、ユアサアイオニクス株式会社製)により以下の条件で測定した。
[測定条件]
方法:BET式一点法
キャリアガス:窒素・ヘリウム混合ガス(N:He=30:70)
測定ガス流量:15cc/分
脱気条件:60℃、20分間
細孔容積の測定
細孔容積は水銀ポロシメーター(Pascal 240、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて測定した。
平均粒子径の測定
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー(登録商標)3000、マルバーン社製)を用いて測定した。
Figure 2024065410000001
試験例2
溶解液の調製
下記に示す材料を用い、表2に示す割合(重量%)で、乳化剤とエタノールを混合した後、パラヒドロキシ安息香酸エステルを50℃で加温溶解させ、溶解液1~10を調製した。尚、溶解液10は乳化剤がエタノールに溶解しなかったため、以降の試験に供しないこととした。
・BP(パラヒドロキシ安息香酸ブチル、上野製薬株式会社製)
・IBP(パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、上野製薬株式会社製)
・乳化剤1(酵素分解レシチン SLP(登録商標)-LPC70、HLB値=12、辻製油株式会社製)
・乳化剤2(ポリグリセリン脂肪酸エステル、SYグリスター(登録商標)ML-750、HLB値=15、阪本薬品工業株式会社製)
・乳化剤3(ポリグリセリン脂肪酸エステル、SYグリスター(登録商標)MO-3S、HLB値=8.8、阪本薬品工業株式会社製)
・乳化剤4(ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポエム(登録商標)PR300、HLB値=0.5、理研ビタミン株式会社製)
・乳化剤5(大豆レシチン、SLP(登録商標)-ペースト、HLB値=5~7、辻製油株式会社製)
・溶媒1(発酵エタノール、95度、日本アルコール産業株式会社製)
・溶媒2(イソプロピルアルコール、試薬、富士フィルム和光純薬株式会社製)
・溶媒3(プロピレングリコール、試薬、富士フィルム和光純薬株式会社製)
Figure 2024065410000002
試験例3
溶解液と水の混合性
ビーカーに20℃の脱イオン水100gを量り取り、パラヒドロキシ安息香酸エステルが150ppmになるように上記溶解液1~9を添加し、スターラーにて攪拌したが、いずれも48時間経過後も溶解しなかった。
実施例1~15および比較例1~4
防腐剤組成物の調製1
上記試験例1および2で調製した粉末化基材および溶解液を用い、表3に示す割合(重量%)で、下記に示す攪拌混合造粒装置により、防腐剤組成物を調製した(実施例1~8および比較例1~2)。
<使用機器および運転条件>
・攪拌混合造粒装置(株式会社パウレック製)
送液流量10g/min
ブレード回転数250rpm
クロススクリュー回転数3000rpm
防腐剤組成物の調製2
上記試験例1および2で調製した粉末化基材およびパラオキシ安息香酸エステル溶解液を用い、表3に示す割合(重量%)で、粉末化基材にスポイトで溶解液を滴下しながら振り混ぜることにより、防腐剤組成物を調製した(実施例9~13および比較例3~4)。
防腐剤組成物の調製3
上記試験例1および2で調製した粉末化基材およびパラオキシ安息香酸エステル溶解液を用い、表3に示す割合(重量%)で、粉末化基材にスポイトでパラオキシ安息香酸エステル溶解液を滴下しながら振り混ぜた後、ロータリーエバポレーターにより減圧乾燥して防腐剤組成物を得た(実施例14および15)。
防腐剤組成物の溶解性評価
ビーカーに20℃の脱イオン水100gを量り取り、パラヒドロキシ安息香酸エステルが150ppmになるように防腐剤組成物を添加し、スターラーにて攪拌しながら、溶解までの時間を計測し、下記基準にて判定した。また、対照としてパラヒドロキシ安息香酸ブチル粉末単独の溶解性も同様に評価した。結果を表3に示す。
<溶解性の評価基準>
A:添加後~5分以内に溶解する。
B:5分間を超え4時間以内に溶解する。
C:4時間を超え24時間以内に溶解する。
D:24時間を超え48時間以内に溶解する。
E:48時間を超えて混合しても溶解しない。
本発明の防腐剤組成物は、いずれも対照に比べ、溶解に要した時間が短縮され、水に対する溶解性が改善していた。これに対し、比較例1~4の組成物は、いずれも48時間経過後も溶解せず、対照に比べ溶解性は改善されなかった。
実施例16~17および比較例5
安息角の測定
上記試験例1および2で調製した粉末化基材および溶解液を用い、表4に示す割合(重量%)で、粉末化基材にスポイトでパラオキシ安息香酸エステル溶解液を滴下しながら振り混ぜることにより、防腐剤組成物を調製した。得られた防腐剤組成物150mLをガラス円筒容器に入れ、円筒回転法安息角測定機(筒井理化学器械株式会社)にて安息角を測定した(実施例16~17)。結果を表4に示す。
本発明の防腐剤組成物は良好な流動性を有する粉末であったが、比較例5の組成物はペースト状となり粉末が得られず、安息角を測定することができなかった。
Figure 2024065410000003
Figure 2024065410000004

Claims (7)

  1. 粉末化基材、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤を含む防腐剤組成物であって、
    粉末化基材が、BET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含み、
    乳化剤のHLB値が9以上であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルの割合が、粉末化基材100重量部に対し、1~65重量部であり、パラヒドロキシ安息香酸エステルおよび乳化剤が、粉末化基材の細孔中に担持されている、防腐剤組成物。
  2. パラヒドロキシ安息香酸エステルが、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸イソブチルおよびパラヒドロキシ安息香酸ベンジルからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の防腐剤組成物。
  3. 乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の防腐剤組成物。
  4. 乳化剤の割合が、パラヒドロキシ安息香酸エステル1重量部に対し、0.04~0.5重量部である、請求項1に記載の防腐剤組成物。
  5. 安息角が30~60°である、請求項1に記載の防腐剤組成物。
  6. パラヒドロキシ安息香酸エステルおよびHLB値が9以上の乳化剤を溶媒に溶解させて溶解液を調製し、当該溶解液をBET式一点法による比表面積が1m/g以上、且つ水銀圧入法による細孔容積が0.2mL/g以上のソルビトールを含む粉末化基材に、粉末化基材100重量部に対して溶解液が1.5~125重量部となるように添加することを特徴とする、防腐剤組成物の製造方法。
  7. 溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選ばれる1種以上である、請求項6に記載の製造方法。
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