JP2024064984A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、部品点数を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置を提供する。【解決手段】連結部材5を介してロータ12に連結されたサンギヤSGは、ロータ12に対して径方向内側R1に配置され、連結部材5の径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に回転センサ4、軸方向第2側L2に遊星歯車機構3が配置され、回転センサ4のセンサロータ42は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置され、円環状の固定部材8を用いて連結部材5に固定され、ロータ12の回転軸心Xよりも下側であって、センサステータ41とケース9の対向面9aとの軸方向Lの間に油貯留部Sが形成され、固定部材8が油貯留部Sの油を掻き上げる掻上部81を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機と、減速用の遊星歯車機構と、それらを収容するための収容空間に油が収容されたケースと、を備えた車両用駆動装置に関する。
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動装置(1)は、回転電機(3)と、車輪に駆動連結される出力部材(50)と、回転電機(3)のロータ(5)から伝達された回転を減速して出力部材(50)に伝達する減速用の遊星歯車機構(40)と、ロータ(5)の回転を検出する回転センサ(30)と、回転電機(3)、遊星歯車機構(40)、及び回転センサ(30)を収容する収容空間を備えたケース(2)と、を備えている。
遊星歯車機構(40)は、ロータ(5)と一体的に回転するサンギヤ(41)と、出力部材(50)と一体的に回転するキャリヤ(42)と、ケース(2)に固定されたリングギヤ(45)と、を備えている。サンギヤ(41)は、ロータ(5)に対して径方向(特許文献1の図1における上下方向)の内側に配置され、径方向に沿って延在する連結部材(7)を介してロータ(5)に連結されている。連結部材(7)に対して軸方向の一方側(特許文献1の図1における左側)に遊星歯車機構(40)が配置され、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)に回転センサ(30)が配置されている。
ケース(2)の収容空間には、油が収容されている。この油は、ロータ(5)の回転に伴って、ロータ(5)に連結された掻上部材(6a)により掻き上げられる。そして、掻上部材(6a)により掻き上げられた油は、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)の領域における各部に供給されると共に、連結部材(7)を軸方向に貫通するように形成された油路(26)を通って、連結部材(7)に対して軸方向の一方側(特許文献1の図1における左側)の領域における各部に供給される。
掻上部材(6a)は、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)の領域に配置されている。そして、掻上部材(6a)は、その先端部が回転電機(3)のコイルエンド部(4b)の側方に位置するように、ロータ(5)から軸方向の他方側に延在すると共に、径方向の外側に延在している。
このように、特許文献1の車両用駆動装置(1)では、掻上部材(6a)の径方向の寸法が比較的大きい。そのため、掻上部材(6a)による油の掻き上げに必要なトルクが大きくなり易いという課題があった。また、掻上部材(6a)は、油を掻き上げるために別途設けられた部材である。そのため、車両用駆動装置(1)の部品点数が多くなり易いという課題もあった。
そこで、ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、部品点数を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記ロータから伝達された回転を減速して前記出力部材に伝達する減速用の遊星歯車機構と、
前記ロータの回転を検出する回転センサと、
前記回転電機、前記遊星歯車機構、及び前記回転センサを収容する収容空間を備えたケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記収容空間には油が収容され、
前記遊星歯車機構は、連結部材を介して前記ロータに連結されたサンギヤを備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記サンギヤは、前記ロータに対して前記径方向の内側に配置され、
前記連結部材は、前記ロータから前記径方向の内側に向かって延在する径方向延在部を備え、
前記径方向延在部に対して前記軸方向第1側に前記回転センサが配置され、前記径方向延在部に対して前記軸方向第2側に前記遊星歯車機構が配置され、
前記回転センサは、前記ケースに対して固定されたセンサステータと、前記ロータと一体的に回転するセンサロータと、を備え、
前記センサロータは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置され、円環状の固定部材を用いて前記連結部材に固定され、
前記ケースは、前記センサステータに対して前記軸方向第1側から対向する対向面を備え、
前記回転軸心よりも下側であって、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間に、前記油が貯留される油貯留部が形成され、
前記固定部材が、前記油貯留部に溜まった前記油を掻き上げる掻上部を備える点にある。
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記ロータから伝達された回転を減速して前記出力部材に伝達する減速用の遊星歯車機構と、
前記ロータの回転を検出する回転センサと、
前記回転電機、前記遊星歯車機構、及び前記回転センサを収容する収容空間を備えたケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記収容空間には油が収容され、
前記遊星歯車機構は、連結部材を介して前記ロータに連結されたサンギヤを備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記サンギヤは、前記ロータに対して前記径方向の内側に配置され、
前記連結部材は、前記ロータから前記径方向の内側に向かって延在する径方向延在部を備え、
前記径方向延在部に対して前記軸方向第1側に前記回転センサが配置され、前記径方向延在部に対して前記軸方向第2側に前記遊星歯車機構が配置され、
前記回転センサは、前記ケースに対して固定されたセンサステータと、前記ロータと一体的に回転するセンサロータと、を備え、
前記センサロータは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置され、円環状の固定部材を用いて前記連結部材に固定され、
前記ケースは、前記センサステータに対して前記軸方向第1側から対向する対向面を備え、
前記回転軸心よりも下側であって、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間に、前記油が貯留される油貯留部が形成され、
前記固定部材が、前記油貯留部に溜まった前記油を掻き上げる掻上部を備える点にある。
この特徴構成によれば、ロータとサンギヤとを連結する連結部材の径方向延在部に対して軸方向第1側に、回転センサが配置されている。そして、回転センサのセンサロータを連結部材に固定する固定部材が、油貯留部に溜まった油を掻き上げる掻上部を備えている。これにより、連結部材により遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成であっても、径方向延在部に対して軸方向第1側の領域において、適切に油の掻き上げを行うことができる。また、油の掻き上げ用の部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置の部品点数を少なく抑えることができる。
また、本特徴構成によれば、ロータの外周面よりも径方向の内側に、回転センサのセンサロータが配置されている。これにより、センサロータを連結部材に固定する固定部材が備える掻上部の径方向の寸法を小さく抑えることができる。したがって、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えることができる。その結果、車両用駆動装置のエネルギ効率の低下を抑制できる。
また、本特徴構成によれば、油が貯留される油貯留部が、センサステータを用いて形成されている。これにより、油貯留部を形成するための部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置の部品点数を少なく抑えることができる。
以上のように、本特徴構成によれば、ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、車両用駆動装置の部品点数を少なく抑えることができる。
また、本特徴構成によれば、ロータの外周面よりも径方向の内側に、回転センサのセンサロータが配置されている。これにより、センサロータを連結部材に固定する固定部材が備える掻上部の径方向の寸法を小さく抑えることができる。したがって、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えることができる。その結果、車両用駆動装置のエネルギ効率の低下を抑制できる。
また、本特徴構成によれば、油が貯留される油貯留部が、センサステータを用いて形成されている。これにより、油貯留部を形成するための部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置の部品点数を少なく抑えることができる。
以上のように、本特徴構成によれば、ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、車両用駆動装置の部品点数を少なく抑えることができる。
1.第1の実施形態
以下では、第1の実施形態に係る車両用駆動装置100について、図1から図4を参照して説明する。図1に示すように、車両用駆動装置100は、ステータ11及びロータ12を備えた回転電機1と、車輪に駆動連結される出力部材2と、ロータ12から伝達された回転を減速して出力部材2に伝達する減速用の遊星歯車機構3と、ロータ12の回転を検出する回転センサ4と、回転電機1、遊星歯車機構3、及び回転センサ4を収容する収容空間Aを備えたケース9と、を備えている。なお、本実施形態では、車両用駆動装置100は、1つの車輪に対して搭載されるインホイールモータ型の駆動装置として構成されている。
以下では、第1の実施形態に係る車両用駆動装置100について、図1から図4を参照して説明する。図1に示すように、車両用駆動装置100は、ステータ11及びロータ12を備えた回転電機1と、車輪に駆動連結される出力部材2と、ロータ12から伝達された回転を減速して出力部材2に伝達する減速用の遊星歯車機構3と、ロータ12の回転を検出する回転センサ4と、回転電機1、遊星歯車機構3、及び回転センサ4を収容する収容空間Aを備えたケース9と、を備えている。なお、本実施形態では、車両用駆動装置100は、1つの車輪に対して搭載されるインホイールモータ型の駆動装置として構成されている。
ここで、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、遊星歯車機構の各回転要素について「駆動連結」という場合には、互いに他の回転要素を介することなく連結されている状態を指すものとする。
以下の説明では、ロータ12の回転軸心Xに沿う方向を「軸方向L」とする。そして、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側を「軸方向第2側L2」とする。また、回転軸心Xに直交する方向を「径方向R」とする。そして、径方向Rにおいて、回転軸心Xの側を「径方向内側R1」とし、その反対側を「径方向外側R2」とする。
遊星歯車機構3は、ロータ12と同軸に配置されている。本実施形態では、遊星歯車機構3が、ロータ12に対して径方向内側R1であって、径方向Rに沿う径方向視でロータ12と重複する位置に配置されている。図1に示す例では、遊星歯車機構3の全体が、径方向視でロータ12と重複している。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
本実施形態では、ケース9は、周壁部91と、第1側壁部92と、第2側壁部93と、を備えている。
周壁部91は、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。周壁部91は、回転電機1を径方向外側R2から覆うように配置されている。第1側壁部92は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。第1側壁部92は、回転電機1及び遊星歯車機構3を軸方向第1側L1から覆うように配置されている。第2側壁部93は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。第2側壁部93は、回転電機1及び遊星歯車機構3を軸方向第2側L2から覆うように配置されている。
回転電機1は、車輪の駆動力源として機能する。回転電機1は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。具体的には、回転電機1は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示を省略)と電気的に接続されている。そして、回転電機1は、蓄電装置に蓄えられた電力により力行して駆動力を発生する。また、回転電機1は、車輪の側から伝達される駆動力により発電を行って蓄電装置を充電する。
回転電機1のステータ11は、円筒状のステータコア111を備えている。ステータコア111は、非回転部材(ここでは、ケース9の周壁部91)に固定されている。回転電機1のロータ12は、円筒状のロータコア121を備えている。ロータコア121は、ステータコア111に対して回転可能に支持されている。
本実施形態では、回転電機1はインナロータ型の回転電機である。そのため、ロータ12が、ステータ11に対して径方向内側R1に配置されている。
また、本実施形態では、回転電機1は回転界磁型の回転電機である。そのため、ステータ11は、ステータコイルを更に備えている。本実施形態では、ステータコイルは、ステータコア111に対して軸方向Lの両側に突出したコイルエンド部112が形成されるように、ステータコア111に巻装されている。また、図示は省略するが、ロータコア121には、永久磁石が設けられている。
遊星歯車機構3は、サンギヤSGと、キャリヤCRと、リングギヤRGと、を備えている。本実施形態では、遊星歯車機構3は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。そのため、キャリヤCRにより回転自在に支持されたピニオンギヤPGは、サンギヤSG及びリングギヤRGの双方に噛み合っている。ピニオンギヤPGは、その軸心回りに回転(自転)すると共に、キャリヤCRと共にサンギヤSGを中心として回転(公転)する。ピニオンギヤPGは、その公転軌跡に沿って、互いに間隔を空けて複数設けられている。
サンギヤSGは、ロータ12に対して径方向内側R1に配置されている。そして、サンギヤSGは、連結部材5を介してロータ12に連結されている。つまり、サンギヤSGは、遊星歯車機構3の入力要素である。
連結部材5は、径方向延在部51を備えている。本実施形態では、連結部材5は、ロータ支持部52と、軸連結部53と、第1被支持部54と、第2被支持部55と、筒状支持部56と、を更に備えている。
径方向延在部51は、ロータ12から径方向内側R1に向かって延在するように形成されている。径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に回転センサ4が配置されている。そして、径方向延在部51に対して軸方向第2側L2に遊星歯車機構3が配置されている。
ロータ支持部52は、ロータ12と一体的に回転するようにロータ12を支持している。本実施形態では、ロータ支持部52は、ロータ12と同軸の筒状に形成されている。そして、ロータ支持部52は、ロータ12を径方向内側R1から支持している。また、本実施形態では、ロータ支持部52は、径方向延在部51の径方向外側R2の端部に連結されている。図1に示す例では、ロータ支持部52は、径方向延在部51の径方向外側R2の端部から軸方向第2側L2に延在するように形成されている。
軸連結部53は、入力軸6と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、軸連結部53は、入力軸6と同軸の筒状に形成されている。そして、軸連結部53は、入力軸6に対して径方向外側R2に配置されている。図1に示す例では、軸連結部53の内周面に形成されたスプラインと、入力軸6の外周面に形成されたスプラインとが互いに係合している。
また、本実施形態では、軸連結部53は、径方向延在部51の径方向内側R1の端部に連結されている。図1に示す例では、軸連結部53は、径方向延在部51の径方向内側R1の端部から軸方向第1側L1に延在するように形成されている。
入力軸6は、遊星歯車機構3のサンギヤSGと一体的に回転する軸部材である。入力軸6は、径方向延在部51を軸方向Lに貫通するように配置されている。本実施形態では、入力軸6は、サンギヤSGから軸方向Lの両側に延在するように形成されている。そして、入力軸6は、第1入力軸受B11及び第2入力軸受B12を介して、ケース9に対して回転自在に支持されている。
第1入力軸受B11は、入力軸6の軸方向第1側L1の端部と、ケース9が備える第1支持部94との径方向Rの間に配置されている。本実施形態では、第1支持部94は、第1側壁部92から軸方向第2側L2に突出する筒状に形成されている。そして、第1支持部94は、入力軸6の軸方向第1側L1の端部に対して径方向外側R2に配置されている。
第2入力軸受B12は、入力軸6の軸方向第2側L2の端部と、遊星歯車機構3のキャリヤCRとの径方向Rの間に配置されている。本実施形態では、キャリヤCRは、入力軸6の軸方向第2側L2の端部に対して径方向外側R2に配置されている。
第1被支持部54は、第1ロータ軸受B21によりケース9に対して回転自在に支持されている。本実施形態では、第1被支持部54は、径方向延在部51から軸方向第1側L1に突出する筒状に形成されている。そして、第1被支持部54は、ロータ支持部52と軸連結部53との径方向Rの間に配置されている。また、本実施形態では、第1被支持部54は、ケース9の第1支持部94に対して径方向外側R2に配置されている。第1ロータ軸受B21は、ロータ12に対して軸方向第1側L1に配置された「第1軸受」である。本実施形態では、第1ロータ軸受B21は、第1被支持部54と第1支持部94との径方向Rの間に配置されている。
第2被支持部55は、第2ロータ軸受B22によりケース9に対して回転自在に支持されている。本実施形態では、第2被支持部55は、ロータ支持部52から軸方向第2側L2に突出する筒状に形成されている。第2ロータ軸受B22は、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置された「第2軸受」である。第2ロータ軸受B22は、第2被支持部55と、ケース9が備える第2支持部95との径方向Rの間に配置されている。本実施形態では、第2支持部95は、第2側壁部93から軸方向第1側L1に突出する筒状に形成されている。そして、第2支持部95は、第2被支持部55に対して径方向外側R2に配置されている。
筒状支持部56は、径方向延在部51から軸方向第1側L1に突出する筒状に形成されている。筒状支持部56は、ロータ支持部52と軸連結部53との径方向Rの間に配置されている。本実施形態では、筒状支持部56は、第1被支持部54よりも径方向外側R2に配置されている。
本実施形態では、キャリヤCRは、出力部材2に連結されている。つまり、キャリヤCRは、遊星歯車機構3の出力要素である。本実施形態では、出力部材2は、キャリヤCRと同軸に配置された軸部材である。そして、出力部材2は、車輪に接合されるホイールハブ(図示を省略)と一体的に回転するように連結される。本実施形態では、出力部材2は、キャリヤCRから軸方向第2側L2に延在する筒状に形成された筒状部21を備えている。
また、本実施形態では、出力部材2は、ケース9が備える第3支持部96に対して、出力軸受B3を介して回転自在に支持されている。第3支持部96は、ケース9の第2側壁部93を軸方向Lに貫通する筒状に形成されている。そして、第3支持部96は、出力部材2の筒状部21を径方向外側R2から覆うように配置されている。出力軸受B3は、第3支持部96と筒状部21との径方向Rの間に配置されている。また、本実施形態では、出力軸受B3よりも軸方向第2側L2には、第3支持部96と筒状部21との径方向Rの間を油密状に封止するシール部材7が設けられている。
本実施形態では、リングギヤRGは、ケース9に固定されている。つまり、リングギヤRGは、遊星歯車機構3の固定要素である。また、本実施形態では、リングギヤRGは、軸方向第1側L1から第3支持部96に固定されている。
回転センサ4は、ケース9に対して固定されたセンサステータ41と、ロータ12と一体的に回転するセンサロータ42と、を備えている。本実施形態では、回転センサ4は、レゾルバとして構成されている。
ケース9は、センサステータ41に対して軸方向第1側L1から対向する対向面9aを備えている。本実施形態では、ケース9は、径方向内側R1を向く内周面9bを更に備えている。内周面9bは、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置されている。内周面9bは、対向面9aの径方向外側R2の端部から連続して軸方向第2側L2に向けて延在するように形成されている。そして、内周面9bは、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間の領域に配置されている。本実施形態では、対向面9a及び内周面9bは、ケース9の第1側壁部92に形成されている。
ケース9の収容空間Aには、油が収容されている。回転軸心Xよりも下側であって、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間には、油が貯留される油貯留部Sが形成されている。油貯留部Sにおける油面の高さは車両用駆動装置100の状態によって変動し得るが、ここでは、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間の空間であって、油面よりも下になる場合がある部分の全体を、油貯留部Sとする。本実施形態では、センサステータ41と対向面9aと内周面9bとによって、油貯留部Sが形成されている。つまり、本実施形態では、センサステータ41及び対向面9aが油貯留部Sの側面を成し、内周面9bが油貯留部Sの底面を成している。
本実施形態では、センサステータ41は、内周面9bから径方向内側R1に突出するように、ケース9の第1側壁部92に対して軸方向第2側L2から固定されている。
センサロータ42は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置されている。本実施形態では、センサロータ42は、センサステータ41に対して径方向内側R1から対向するように配置されている。
センサロータ42は、円環状の固定部材8を用いて連結部材5に固定されている。固定部材8は、掻上部81を備えている。掻上部81は、ロータ12の回転に伴って、油貯留部Sに溜まった油を掻き上げるように構成されている。本実施形態では、掻上部81は、固定部材8におけるケース9の内周面9bに対して径方向Rに対向する部分に設けられている。
以上のように、車両用駆動装置100は、
ロータ12を備えた回転電機1と、
車輪に駆動連結される出力部材2と、
ロータ12から伝達された回転を減速して出力部材2に伝達する減速用の遊星歯車機構3と、
ロータ12の回転を検出する回転センサ4と、
回転電機1、遊星歯車機構3、及び回転センサ4を収容する収容空間Aを備えたケース9と、を備えた車両用駆動装置100であって、
収容空間Aには油が収容され、
遊星歯車機構3は、連結部材5を介してロータ12に連結されたサンギヤSGを備え、
サンギヤSGは、ロータ12に対して径方向内側R1に配置され、
連結部材5は、ロータ12から径方向内側R1に向かって延在する径方向延在部51を備え、
径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に回転センサ4が配置され、径方向延在部51に対して軸方向第2側L2に遊星歯車機構3が配置され、
回転センサ4は、ケース9に対して固定されたセンサステータ41と、ロータ12と一体的に回転するセンサロータ42と、を備え、
センサロータ42は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置され、円環状の固定部材8を用いて連結部材5に固定され、
ケース9は、センサステータ41に対して軸方向第1側L1から対向する対向面9aを備え、
ロータ12の回転軸心Xよりも下側であって、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間に、油が貯留される油貯留部Sが形成され、
固定部材8が、油貯留部Sに溜まった油を掻き上げる掻上部81を備える。
ロータ12を備えた回転電機1と、
車輪に駆動連結される出力部材2と、
ロータ12から伝達された回転を減速して出力部材2に伝達する減速用の遊星歯車機構3と、
ロータ12の回転を検出する回転センサ4と、
回転電機1、遊星歯車機構3、及び回転センサ4を収容する収容空間Aを備えたケース9と、を備えた車両用駆動装置100であって、
収容空間Aには油が収容され、
遊星歯車機構3は、連結部材5を介してロータ12に連結されたサンギヤSGを備え、
サンギヤSGは、ロータ12に対して径方向内側R1に配置され、
連結部材5は、ロータ12から径方向内側R1に向かって延在する径方向延在部51を備え、
径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に回転センサ4が配置され、径方向延在部51に対して軸方向第2側L2に遊星歯車機構3が配置され、
回転センサ4は、ケース9に対して固定されたセンサステータ41と、ロータ12と一体的に回転するセンサロータ42と、を備え、
センサロータ42は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置され、円環状の固定部材8を用いて連結部材5に固定され、
ケース9は、センサステータ41に対して軸方向第1側L1から対向する対向面9aを備え、
ロータ12の回転軸心Xよりも下側であって、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間に、油が貯留される油貯留部Sが形成され、
固定部材8が、油貯留部Sに溜まった油を掻き上げる掻上部81を備える。
この構成によれば、ロータ12とサンギヤSGとを連結する連結部材5の径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に、回転センサ4が配置されている。そして、回転センサ4のセンサロータ42を連結部材5に固定する固定部材8が、油貯留部Sに溜まった油を掻き上げる掻上部81を備えている。これにより、連結部材5により遊星歯車機構3と回転センサ4との配置領域が区画された構成であっても、径方向延在部51に対して軸方向第1側L1の領域において、適切に油の掻き上げを行うことができる。また、油の掻き上げ用の部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置100の部品点数を少なく抑えることができる。
また、本構成によれば、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に、回転センサ4のセンサロータ42が配置されている。これにより、センサロータ42を連結部材5に固定する固定部材8が備える掻上部81の径方向Rの寸法を小さく抑えることができる。したがって、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えることができる。その結果、車両用駆動装置100のエネルギ効率の低下を抑制できる。
また、本構成によれば、油が貯留される油貯留部Sが、センサステータ41を用いて形成されている。これにより、油貯留部Sを形成するための部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置100の部品点数を少なく抑えることができる。
以上のように、本構成によれば、ロータ12とサンギヤSGとを連結する連結部材5により、遊星歯車機構3と回転センサ4との配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、車両用駆動装置100の部品点数を少なく抑えることができる。
また、本構成によれば、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に、回転センサ4のセンサロータ42が配置されている。これにより、センサロータ42を連結部材5に固定する固定部材8が備える掻上部81の径方向Rの寸法を小さく抑えることができる。したがって、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えることができる。その結果、車両用駆動装置100のエネルギ効率の低下を抑制できる。
また、本構成によれば、油が貯留される油貯留部Sが、センサステータ41を用いて形成されている。これにより、油貯留部Sを形成するための部材が別途設けられた構成に比べて、車両用駆動装置100の部品点数を少なく抑えることができる。
以上のように、本構成によれば、ロータ12とサンギヤSGとを連結する連結部材5により、遊星歯車機構3と回転センサ4との配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、車両用駆動装置100の部品点数を少なく抑えることができる。
また、上述したように、本実施形態では、ケース9は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置されていると共に、対向面9aの径方向外側R2の端部から連続して軸方向第2側L2に向けて延在する内周面9bを備え、
内周面9bが、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間の領域に配置され、
固定部材8における内周面9bに対して径方向Rに対向する部分に、掻上部81が設けられている。
内周面9bが、センサステータ41と対向面9aとの軸方向Lの間の領域に配置され、
固定部材8における内周面9bに対して径方向Rに対向する部分に、掻上部81が設けられている。
この構成によれば、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置された、ケース9の内周面9bを利用して、センサステータ41とケース9の対向面9aとの軸方向Lの間に油貯留部Sを形成することができる。これにより、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に油貯留部Sが位置し、掻上部81により油貯留部Sの油を掻き上げる構成を適切に実現できる。
本実施形態では、センサロータ42は、筒状支持部56の外周面に取り付けられている。そして、固定部材8は、センサロータ42に対して軸方向第1側L1から当接するように、筒状支持部56の外周面に取り付けられている。なお、センサロータ42及び筒状支持部56は、互いに相対回転不能に連結可能な構成(例えば、キー及びキー溝による連結、圧入等)であると好適である。また、固定部材8及び筒状支持部56は、例えば、圧入、螺合等により互いに固定可能な構成であると好適である。
図1及び図2に示すように、掻上部81は、固定部材8の外周面に形成された凹凸部である。図1に示す例では、掻上部81は、固定部材8の外周面における軸方向第1側L1の端部に形成されている。また、図2に示す例では、掻上部81は、一定の形状の凹凸が固定部材8の外周面の全周に亘って連続するように形成されている。
このように、本実施形態では、サンギヤSGは、入力軸6と一体的に回転するように構成され、
連結部材5は、ロータ12と一体的に回転するようにロータ12を支持するロータ支持部52と、入力軸6と一体的に回転するように連結された軸連結部53と、ロータ支持部52と軸連結部53との径方向Rの間において径方向延在部51から軸方向第1側L1に突出する筒状に形成された筒状支持部56と、を更に備え、
センサロータ42は、筒状支持部56の外周面に取り付けられ、
固定部材8は、センサロータ42に対して軸方向第1側L1から当接するように、筒状支持部56の外周面に取り付けられ、
掻上部81は、固定部材8の外周面に形成された凹凸部である。
連結部材5は、ロータ12と一体的に回転するようにロータ12を支持するロータ支持部52と、入力軸6と一体的に回転するように連結された軸連結部53と、ロータ支持部52と軸連結部53との径方向Rの間において径方向延在部51から軸方向第1側L1に突出する筒状に形成された筒状支持部56と、を更に備え、
センサロータ42は、筒状支持部56の外周面に取り付けられ、
固定部材8は、センサロータ42に対して軸方向第1側L1から当接するように、筒状支持部56の外周面に取り付けられ、
掻上部81は、固定部材8の外周面に形成された凹凸部である。
この構成によれば、回転センサ4のセンサロータ42を、ロータ12と一体的に回転するように設けることができると共に、センサロータ42を連結部材5に固定するための固定部材8に、掻上部81を適切に設けることができる。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1供給油路P1と、第2供給油路P2と、を備えている。
第1供給油路P1は、掻上部81により掻き上げられた油を遊星歯車機構3に供給する「油路」である。第1供給油路P1は、第1油路部P11と、第2油路部P12と、第3油路部P13と、を備えている。
第1油路部P11は、入力軸6の内部を軸方向Lに貫通する貫通孔により形成されている。本実施形態では、第1油路部P11は、入力軸6とケース9の第1側壁部92との軸方向Lの間の領域に供給された油を、出力部材2の筒状部21における径方向内側R1の領域に供給するように形成されている。
図3に示すように、第2油路部P12は、第1油路部P11の軸方向第1側L1の端部と、掻上部81の配置領域とを連通するように形成されている。本実施形態では、第2油路部P12は、第1流動部P121と、第2流動部P122と、を含む。第1流動部P121は、掻上部81により掻き上げられた油を、入力軸6とケース9の第1側壁部92との軸方向Lの間の領域に供給するように形成されている。本実施形態では、第1流動部P121は、第1入力軸受B11及び第1ロータ軸受B21に対して軸方向第1側L1において、ケース9の第1支持部94を径方向Rに貫通するように形成されている。第2流動部P122は、入力軸6とケース9の第1側壁部92との軸方向Lの間の領域に供給された油を、油貯留部Sに供給するように形成されている。本実施形態では、第2流動部P122は、第1入力軸受B11及び第1ロータ軸受B21を通るように形成されている。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、ケース9は、突起部97と、受け部98と、を更に備えている。
突起部97は、ケース9における上方から掻上部81に対向する部分から、下方に突出するように形成されている。突起部97は、掻上部81により掻き上げられた油を受け止めて、受け部98に向けて落とすために形成されている。図2に示す例では、突起部97は、ケース9の内周面9bにおける上端部から下方に突出するように形成されている。
受け部98は、第1流動部P121に油を案内するように形成されている。受け部98は、ケース9における下方から突起部97に対向する部分に形成されている。本実施形態では、受け部98は、ケース9の第1支持部94の外周面から上方に突出するように形成されている。図2に示す例では、受け部98は、軸方向Lに沿う軸方向視で、V字状に形成されている。
図4に示すように、第3油路部P13は、第1油路部P11の軸方向第2側L2の端部と、キャリヤCRの配置領域とを連通するように形成されている。本実施形態では、第3油路部P13は、出力部材2の筒状部21における径方向内側R1の領域に供給された油が、第2入力軸受B12を通ってキャリヤCRに到達するように形成されている。本実施形態では、ピニオン軸受PBを介してピニオンギヤPGを回転自在に支持するピニオン軸PSが、キャリヤCRに支持されている。そして、キャリヤCRに到達した油は、キャリヤCR及びピニオン軸PSの内部に形成された油路を通って、ピニオン軸受PBに供給される。
このように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、掻上部81により掻き上げられた油を遊星歯車機構3に供給する油路としての第1供給油路P1を更に備え、
遊星歯車機構3は、出力部材2に連結されたキャリヤCRと、ケース9に固定されたリングギヤRGと、を更に備え、
サンギヤSGは、入力軸6と一体的に回転するように構成され、
入力軸6は、径方向延在部51を軸方向Lに貫通するように配置され、
第1供給油路P1は、入力軸6の内部を軸方向Lに貫通する貫通孔により形成された第1油路部P11と、当該第1油路部P11の軸方向第1側L1の端部と掻上部81の配置領域とを連通する第2油路部P12と、第1油路部P11の軸方向第2側L2の端部とキャリヤCRの配置領域とを連通する第3油路部P13と、を備える。
遊星歯車機構3は、出力部材2に連結されたキャリヤCRと、ケース9に固定されたリングギヤRGと、を更に備え、
サンギヤSGは、入力軸6と一体的に回転するように構成され、
入力軸6は、径方向延在部51を軸方向Lに貫通するように配置され、
第1供給油路P1は、入力軸6の内部を軸方向Lに貫通する貫通孔により形成された第1油路部P11と、当該第1油路部P11の軸方向第1側L1の端部と掻上部81の配置領域とを連通する第2油路部P12と、第1油路部P11の軸方向第2側L2の端部とキャリヤCRの配置領域とを連通する第3油路部P13と、を備える。
この構成によれば、径方向延在部51に対して軸方向第1側L1の領域において掻上部81により掻き上げられた油を、第1供給油路P1を通して、径方向延在部51に対して軸方向第2側L2に配置された遊星歯車機構3のキャリヤCRに供給することができる。これにより、連結部材5により遊星歯車機構3と回転センサ4との配置領域が区画された構成であっても、適切にキャリヤCRを潤滑することができる。
図4に示すように、第2供給油路P2は、連結部材5により掻き上げられた油を遊星歯車機構3に供給する油路である。本実施形態では、連結部材5のロータ支持部52の内周面に、複数の歯部5aが設けられている。複数の歯部5aは、ロータ12の回転に伴って、収容空間Aにおける径方向延在部51に対して軸方向第2側L2の部分に溜まった油を掻き上げるように構成されている。複数の歯部5aは、ロータ支持部52の内周面の全周に亘って配置され、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。図4に示す例では、ロータ支持部52の内周面と、第2被支持部55の内周面とが面一に形成されている。そして、ロータ支持部52の内周面と、第2被支持部55の内周面とに亘って、複数の歯部5aが形成されている。
第2供給油路P2は、第3流動部P21と、第4流動部P22と、を含む。第3流動部P21は、連結部材5により掻き上げられた油を、出力軸受B3とシール部材7との軸方向Lの間の領域に供給するように形成されている。本実施形態では、第3流動部P21は、ケース9の第3支持部96を径方向Rに貫通するように形成されている。第4流動部P22は、出力軸受B3とシール部材7との軸方向Lの間の領域に供給された油を、リングギヤRGに供給するように形成されている。本実施形態では、第4流動部P22は、出力軸受B3を通るように形成されている。
図3に示すように、本実施形態では、第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが、径方向Rに沿う径方向視で、互いに重複するように配置されている。図3に示す例では、第1ロータ軸受B21は、回転センサ4のセンサステータ41及びセンサロータ42の双方と径方向視で重複するように配置されている。更に、第1ロータ軸受B21は、第1入力軸受B11と径方向視で重複するように配置されている。また、第1ロータ軸受B21は、固定部材8と径方向視で重複するように配置されている。
このように、本実施形態では、遊星歯車機構3が、ロータ12に対して径方向内側R1であって、径方向Rに沿う径方向視でロータ12と重複する位置に配置され、
連結部材5は、ロータ12と一体的に回転するようにロータ12を支持するロータ支持部52と、ロータ12に対して軸方向第1側L1に配置された第1軸受としての第1ロータ軸受B21によりケース9に対して回転自在に支持された第1被支持部54と、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置された第2軸受としての第2ロータ軸受B22によりケース9に対して回転自在に支持された第2被支持部55と、を更に備え、
第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが、径方向視で互いに重複する位置に配置され、
掻上部81により掻き上げられた油が第1ロータ軸受B21に供給される。
連結部材5は、ロータ12と一体的に回転するようにロータ12を支持するロータ支持部52と、ロータ12に対して軸方向第1側L1に配置された第1軸受としての第1ロータ軸受B21によりケース9に対して回転自在に支持された第1被支持部54と、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置された第2軸受としての第2ロータ軸受B22によりケース9に対して回転自在に支持された第2被支持部55と、を更に備え、
第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが、径方向視で互いに重複する位置に配置され、
掻上部81により掻き上げられた油が第1ロータ軸受B21に供給される。
この構成によれば、ロータ支持部52を備えた連結部材5が、ロータ12に対して軸方向Lの両側に分かれて配置された第1ロータ軸受B21及び第2ロータ軸受B22により支持されている。これにより、ロータ12の支持精度を高め易い。
また、本構成によれば、遊星歯車機構3とロータ12とが径方向Rに沿う径方向視で互いに重複すると共に、連結部材5の第1被支持部54を支持する第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが径方向視で互いに重複するように配置されている。これにより、遊星歯車機構3とロータ12とが軸方向Lにずれて配置された構成、又は、第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが軸方向Lにずれて配置された構成に比べて、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法を小さく抑え易い。
また、本構成によれば、遊星歯車機構3とロータ12とが径方向Rに沿う径方向視で互いに重複すると共に、連結部材5の第1被支持部54を支持する第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが径方向視で互いに重複するように配置されている。これにより、遊星歯車機構3とロータ12とが軸方向Lにずれて配置された構成、又は、第1ロータ軸受B21と回転センサ4とが軸方向Lにずれて配置された構成に比べて、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法を小さく抑え易い。
2.第2の実施形態
以下では、第2の実施形態に係る車両用駆動装置100について、図5から図8を参照して説明する。本実施形態では、固定部材8及びケース9の構成が、上記第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
以下では、第2の実施形態に係る車両用駆動装置100について、図5から図8を参照して説明する。本実施形態では、固定部材8及びケース9の構成が、上記第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
以下の説明では、ロータ12の回転軸心Xを中心とする円周に沿う方向を「周方向C」とする。
図5に示すように、本実施形態では、固定部材8の掻上部81は、外側掻上部82と、内側掻上部83と、を含む。
外側掻上部82は、複数の外側溝部82aを備えている。複数の外側溝部82aは、周方向Cに分散して配置されている。本実施形態では、複数の外側溝部82aは、周方向Cに等間隔で配置されている。
複数の外側溝部82aのそれぞれは、固定部材8の軸方向第1側L1を向く面が軸方向第2側L2に窪むように形成されている。複数の外側溝部82aのそれぞれは、固定部材8の外周面から径方向内側R1に延在するように形成されている。複数の外側溝部82aのそれぞれは、固定部材8の内周面よりも径方向外側R2の位置まで径方向内側R1に延在しており、複数の外側溝部82aのそれぞれの径方向内側R1の端部は閉じられている。この構成によれば、固定部材8の回転に伴い、外側溝部82aに流入して外側溝部82aに保持された油を径方向外側R2へ向けて飛散させることができるため、特に比較的高速で固定部材8が回転している場合に、外側掻上部82によって効率的に油を掻き上げることができる。
本実施形態では、複数の外側溝部82aのそれぞれは、当該外側溝部82aにおける径方向外側R2の端部が軸方向Lに貫通するように形成されている。つまり、本実施形態では、固定部材8における外側溝部82aが形成された部分における径方向外側R2の端縁が、他の部分における径方向外側R2の端縁よりも径方向内側R1に位置している。そのため、本実施形態では、固定部材8の外周面が、周方向Cに沿って凹凸に形成されている。この構成によれば、外側掻上部82によって掻き上げられた油を、周方向Cとは異なる複数の方向に流れ易くすることができる。
内側掻上部83は、複数の内側溝部83aを備えている。複数の内側溝部83aは、周方向Cに分散して配置されている。本実施形態では、複数の内側溝部83aは、周方向Cに隣接する2つの外側溝部82aの間に1つの内側溝部83aが位置するように、周方向Cに等間隔で配置されている。つまり、本実施形態では、外側溝部82aと内側溝部83aとが、周方向Cに交互に等間隔で配置されている。
複数の内側溝部83aのそれぞれは、固定部材8の軸方向第1側L1を向く面が軸方向第2側L2に窪むように形成されている。複数の内側溝部83aのそれぞれは、固定部材8の内周面から径方向外側R2に延在するように形成されている。複数の内側溝部83aのそれぞれは、固定部材8の外周面よりも径方向内側R1の位置まで径方向外側R2に延在しており、複数の内側溝部83aのそれぞれの径方向外側R2の端部は閉じられている。この構成によれば、固定部材8の回転に伴い、油が内側溝部83aに流入して内側溝部83aに保持されるため、内側掻上部83によって効率的に油を掻き上げることができる。
本実施形態では、複数の内側溝部83aのそれぞれは、外側溝部82aと異なり、当該内側溝部83aの全域に亘って軸方向Lに貫通していない。そして、上記の通り、複数の内側溝部83aのそれぞれの径方向外側R2の端部が閉じられている。この構成によれば、内側溝部83aにより油が保持され易くなるため、比較的低速で固定部材8が回転している場合においても、適切に内側掻上部83によって油を掻き上げることができる。
図6に示すように、ケース9は、内周面9bに径方向内側R1から対向する径方向対向面9cを更に備えている。本実施形態では、固定部材8は、外側掻上部82が内周面9bに対向し、内側掻上部83が径方向対向面9cに対向するように配置されている。
図6から図8に示すように、ケース9の対向面9aは、第1対向面91aと、第2対向面92aと、を含む。第1対向面91a及び第2対向面92aは、軸方向第1側L1から固定部材8に対向するように形成されている。第2対向面92aは、第1対向面91aよりも軸方向第1側L1に配置されている。つまり、固定部材8と第2対向面92aとの軸方向Lの距離は、固定部材8と第1対向面91aとの軸方向Lの距離よりも大きい。
第1対向面91aと第2対向面92aとの境界部(段差部)は、受け部98として機能する。図6に示す例では、第1対向面91aと第2対向面92aとの境界部(段差部)は、軸方向Lに沿う軸方向視でV字状に形成されている。
内周面9b及び径方向対向面9cは、第1対向面91aから軸方向第2側L2に延在するように形成されている。
本実施形態では、ケース9は、隆起部10と、センサ固定部20と、を備えている。
隆起部10は、第2対向面92aから軸方向第2側L2に向けて突出するように形成されている。隆起部10には、第1対向面91a、内周面9b、及び径方向対向面9cが、隆起部10における軸方向第2側L2を向く面から軸方向第1側L1に窪む溝状となるように形成されている。本実施形態では、隆起部10は、軸方向Lに沿う軸方向視で回転軸心Xを中心とする円弧状に形成されている。
センサ固定部20は、回転センサ4のセンサステータ41を固定可能に構成されている。センサ固定部20は、回転軸心Xを中心とする筒状に形成されている。センサ固定部20は、隆起部10に対して径方向外側R2に配置されている。センサ固定部20は、ボルト等の締結部材を取り付けるための複数の締結穴20aを備えている。センサ固定部20における締結穴20aが形成された部分は、それ以外の部分よりも径方向内側R1に突出するように形成されている。
本実施形態では、突起部97は、第2対向面92aにおける隆起部10が配置されていない部分から軸方向第2側L2に突出するように形成されている。そして、突起部97は、径方向外側R2から固定部材8に対向するように配置されている。
また、本実施形態では、突起部97は、上記第1の実施形態のものに比べて、周方向Cの寸法が大きく形成されている。そして、突起部97における径方向外側R2から固定部材8に対向する面には、径方向外側R2に窪むように凹部97aが形成されている。この構成によれば、外側掻上部82に掻き上げられた油の一部を、突起部97における周方向Cを向く面により受け止めて、受け部98に向けて落下させることができる。そして、外側掻上部82に掻き上げられた油の残りの一部を、固定部材8と突起部97との径方向Rの間において凹部97aにより受け止めて、受け部98に向けて落下させることができる。
上述したように、本実施形態では、外側掻上部82は、掻き上げた油が周方向Cとは異なる複数の方向に流れ易いように構成されている。そのため、本実施形態では、外側掻上部82によって掻き上げられた油は、第2対向面92aを通過して第1対向面91aに流れ難く、第2対向面92aに向かって流れ易いため、受け部98に向けて落下し易い。
本実施形態では、ケース9は、凸部99を更に備えている。凸部99は、第2対向面92aにおける隆起部10が配置されていない部分から軸方向第2側L2に向けて突出するように形成されている。凸部99は、固定部材8に軸方向第1側L1から対向するように配置されている。本実施形態では、凸部99は、突起部97の凹部97aから径方向内側R1に向けて延在するように形成されている。この構成によれば、外側掻上部82に掻き上げられた油の一部を、凸部99における周方向Cを向く面により受け止めて、受け部98に向けて落下させることができる。
図6に示すように、本実施形態では、油貯留部Sは、それ以外の部分に比べて、ケース9の内周面9bと径方向対向面9cとの径方向Rの距離が大きくなるように形成されている。図6に示す例では、内周面9bが、固定部材8の回転方向(図6における2点鎖線の矢印参照)において、油貯留部Sに近付くに従って次第に回転軸心Xからの距離が大きくなると共に、油貯留部Sから離れるに従って次第に回転軸心Xからの距離が小さくなるように形成されている。また、本例では、内周面9bにおける回転軸心Xからの距離が最も大きくなる部分はセンサ固定部20に形成され、それ以外の部分は隆起部10に形成されている。なお、隆起部10の内周面9bは、センサ固定部20における締結穴20aが形成された部分よりも径方向内側R1に位置するように形成されている。これにより、センサ固定部20における締結穴20aが形成された部分によって油の流れが乱れることを、回避できる。
この構成によれば、固定部材8と内周面9bとの径方向Rの間の空間の大きさが、固定部材8の回転方向(図6における2点鎖線の矢印参照)において、油貯留部Sに近付くに従って次第に大きくなると共に、油貯留部Sから離れるに従って次第に小さくなる。これにより、負圧を利用して、外側掻上部82により効率的に油を掻き上げることができる。
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、車両用駆動装置100が1つの車輪に対して搭載されるインホイールモータ型の駆動装置である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、車両用駆動装置100が、出力部材2の回転を一対の車輪に分配する差動歯車機構を備えた構成としても良い。この構成では、差動歯車機構が、回転電機1及び遊星歯車機構3と同軸に配置されていても良いし、別軸に配置されていても良い。
(1)上記の実施形態では、車両用駆動装置100が1つの車輪に対して搭載されるインホイールモータ型の駆動装置である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、車両用駆動装置100が、出力部材2の回転を一対の車輪に分配する差動歯車機構を備えた構成としても良い。この構成では、差動歯車機構が、回転電機1及び遊星歯車機構3と同軸に配置されていても良いし、別軸に配置されていても良い。
(2)上記の実施形態では、遊星歯車機構3がシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、サンギヤSGが入力要素、キャリヤCRが出力要素、リングギヤRGが固定要素である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、サンギヤSGが入力要素、キャリヤCRが固定要素、リングギヤRGが出力要素である構成としても良い。また、遊星歯車機構3がダブルピニオン型の遊星歯車機構であっても良い。この場合、サンギヤSGが入力要素、キャリヤCRが出力要素、リングギヤRGが固定要素であっても良いし、サンギヤSGが入力要素、キャリヤCRが固定要素、リングギヤRGが出力要素であっても良い。
(3)上記の実施形態では、遊星歯車機構3の全体が径方向Rに沿う径方向視でロータ12と重複している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、遊星歯車機構3の一部のみが径方向視でロータ12と重複していても良い。或いは、遊星歯車機構3が径方向視でロータ12と重複していなくても良い。
(4)上記の実施形態では、センサステータ41がケース9の第1側壁部92に直接固定された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、センサステータ41がブラケット等を介して間接的にケース9に固定された構成としても良い。
(5)上記の実施形態では、ケース9の内周面9bが油貯留部Sの底面を成す構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、センサステータ41を支持するブラケット等の支持部材が、油貯留部Sの底面を成す構成としても良い。
(6)上記の実施形態では、掻上部81が固定部材8の外周面に形成された凹凸部である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、掻上部81が、固定部材8の外周面から径方向外側R2に突出する複数の突出部であっても良いし、固定部材8の外周面から径方向内側R1に窪む複数の溝部であっても良い。或いは、固定部材8の外周面に凹凸部等が形成されておらず、固定部材8の外周面の一部が掻上部81として機能する構成としても良い。
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
本開示に係る技術は、回転電機と、減速用の遊星歯車機構と、それらを収容するための収容空間に油が収容されたケースと、を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
100:車両用駆動装置、1:回転電機、12:ロータ、2:出力部材、3:遊星歯車機構、4:回転センサ、41:センサステータ、42:センサロータ、5:連結部材、51:径方向延在部、52:ロータ支持部、53:軸連結部、54:第1被支持部、55:第2被支持部、56:筒状支持部、6:入力軸、8:固定部材、81:掻上部、9:ケース、9a:対向面、9b:内周面、B21:第1ロータ軸受(第1軸受)、B22:第2ロータ軸受(第2軸受)、P1:第1供給油路(油路)、P11:第1油路部、P12:第2油路部、P13:第3油路部、L:軸方向、L1:軸方向第1側、L2:軸方向第2側、R:径方向、R1:径方向内側、R2:径方向外側
Claims (5)
- ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記ロータから伝達された回転を減速して前記出力部材に伝達する減速用の遊星歯車機構と、
前記ロータの回転を検出する回転センサと、
前記回転電機、前記遊星歯車機構、及び前記回転センサを収容する収容空間を備えたケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記収容空間には油が収容され、
前記遊星歯車機構は、連結部材を介して前記ロータに連結されたサンギヤを備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記サンギヤは、前記ロータに対して前記径方向の内側に配置され、
前記連結部材は、前記ロータから前記径方向の内側に向かって延在する径方向延在部を備え、
前記径方向延在部に対して前記軸方向第1側に前記回転センサが配置され、前記径方向延在部に対して前記軸方向第2側に前記遊星歯車機構が配置され、
前記回転センサは、前記ケースに対して固定されたセンサステータと、前記ロータと一体的に回転するセンサロータと、を備え、
前記センサロータは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置され、円環状の固定部材を用いて前記連結部材に固定され、
前記ケースは、前記センサステータに対して前記軸方向第1側から対向する対向面を備え、
前記回転軸心よりも下側であって、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間に、前記油が貯留される油貯留部が形成され、
前記固定部材が、前記油貯留部に溜まった前記油を掻き上げる掻上部を備える、車両用駆動装置。 - 前記遊星歯車機構が、前記ロータに対して前記径方向の内側であって、前記径方向に沿う径方向視で前記ロータと重複する位置に配置され、
前記連結部材は、前記ロータと一体的に回転するように前記ロータを支持するロータ支持部と、前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置された第1軸受により前記ケースに対して回転自在に支持された第1被支持部と、前記ロータに対して前記軸方向第2側に配置された第2軸受により前記ケースに対して回転自在に支持された第2被支持部と、を更に備え、
前記第1軸受と前記回転センサとが、前記径方向視で互いに重複する位置に配置され、
前記掻上部により掻き上げられた前記油が前記第1軸受に供給される、請求項1に記載の車両用駆動装置。 - 前記掻上部により掻き上げられた前記油を前記遊星歯車機構に供給する油路を更に備え、
前記遊星歯車機構は、前記出力部材に連結されたキャリヤと、前記ケースに固定されたリングギヤと、を更に備え、
前記サンギヤは、入力軸と一体的に回転するように構成され、
前記入力軸は、前記径方向延在部を前記軸方向に貫通するように配置され、
前記油路は、前記入力軸の内部を前記軸方向に貫通する貫通孔により形成された第1油路部と、前記第1油路部の前記軸方向第1側の端部と前記掻上部の配置領域とを連通する第2油路部と、前記第1油路部の前記軸方向第2側の端部と前記キャリヤの配置領域とを連通する第3油路部と、を備える、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。 - 前記ケースは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置されていると共に、前記対向面の前記径方向の外側の端部から連続して前記軸方向第2側に向けて延在する内周面を備え、
前記内周面が、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間の領域に配置され、
前記固定部材における前記内周面に対して前記径方向に対向する部分に、前記掻上部が設けられている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。 - 前記サンギヤは、入力軸と一体的に回転するように構成され、
前記連結部材は、前記ロータと一体的に回転するように前記ロータを支持するロータ支持部と、前記入力軸と一体的に回転するように連結された軸連結部と、前記ロータ支持部と前記軸連結部との前記径方向の間において前記径方向延在部から前記軸方向第1側に突出する筒状に形成された筒状支持部と、を更に備え、
前記センサロータは、前記筒状支持部の外周面に取り付けられ、
前記固定部材は、前記センサロータに対して前記軸方向第1側から当接するように、前記筒状支持部の外周面に取り付けられ、
前記掻上部は、前記固定部材の外周面に形成された凹凸部である、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022173322 | 2022-10-28 | ||
JP2022173322 | 2022-10-28 |
Publications (1)
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JP2024064984A true JP2024064984A (ja) | 2024-05-14 |
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ID=91034918
Family Applications (1)
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JP2023117608A Pending JP2024064984A (ja) | 2022-10-28 | 2023-07-19 | 車両用駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024064984A (ja) |
-
2023
- 2023-07-19 JP JP2023117608A patent/JP2024064984A/ja active Pending
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