JP2024064342A - バレルめっき装置 - Google Patents

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【課題】めっき品質を改善したバレルめっき装置を提供する。【解決手段】バレルめっき装置は、めっき液5が充填されてなるめっき槽4と、内部に被めっき物3が配置される通液開口2のあるバレル1と、バレル1を回転する回転機構20と、被めっき物3をマイナス電位として、めっき液5をプラス電位とする電源30とを備え、バレル1は、被めっき物3を収納してなる、通液開口15のある複数のインナーバレル10を出し入れ自在に収納してなり、電源30は、マイナス側30aをインナーバレル10に接続してなる通電回路33を備え、インナーバレル10は導電性があって、被めっき物3の重量で変形しない剛性を有し、回転するバレル1が収納してなる複数のインナーバレル10を攪拌し、バレル1内において被めっき物3を分離して相対運動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、バレルめっき装置に関する。
電気めっき法の一手法として、バレルめっき(回転式バレルめっき)がある。バレルめっき装置は、樹脂製のバレルの壁面に多数の小孔を設けてめっき液を流通させている。バレルめっき装置は、バレルの内部に電極のマイナス側に接続している陰極を配置している。バレル内の陰極は、収容される被めっき物に接触して被めっき物をマイナス電位とする。マイナス電位の被めっき物にめっき液の金属イオンを吸着させるために、めっき液をプラス電位とする陽極をめっき槽に配置している。このバレルめっき装置は、バレルを回転してバレル内に収納された被めっき物を陰極に接触させてマイナス電位として、めっき液の金属イオンを吸着して、被めっき物にめっきが施される。バレルめっき装置は、バレルに多数の被めっき物を、バレルを回転しながら各々の被めっき物をめっきできるが、めっきの品質上の問題点がある。
バレルめっき装置は、回転するバレル内で被めっき物が転動し、位置及び姿勢の変化を繰り返しながらめっき膜を生成するが、被めっき物の表面全体に均一にめっき膜を設けることが難しい。それは、各々の被めっき物の表面全体に、めっき液の金属イオンを均一に吸着できないからである。被めっき物は、電源のマイナス極に接続されてマイナス電位となって、プラスの金属イオンを電気的な吸着してめっきされるが、バレル内に入れられた複数の被めっき物は、金属イオンの吸引力が局所的にアンバランスとなる問題を解消できない。この問題は、被めっき物の表面に凹部があると、凹部内のめっき膜が薄く、突出部のめっき膜が厚くなる現象から推測できる。凹部のめっき層が薄くなるのは、凹部表面が金属イオンを吸着する吸引力から弱いからである。
バレル内において、めっき液の金属イオンが、マイナス電位の被めっき物表面に向かって移動する吸着力は、被めっき物表面の電流密度に比例する。バレルに多数の被めっき物を収納し回転しながらめっきする装置は、バレルに入れた全ての被めっき物の表面全体を均一な電流密度にはできない。図9に示すように、バレル701に収納された多数の被めっき物703は、矢印Aの方向に回転するバレル701の底部に沈み攪拌される。被めっき物703は、底部付近に集合体である堆積物703aを形成し、堆積物703aの外表面のバレル701の中心軸側の部分(表面層704)において電流密度は強く、堆積物703の外表面以外の内部705の部分において電流密度は著しく低下するからである。回転するバレル701は、多数の被めっき物703を攪拌しながらめっきすることで、被めっき物703の表面のめっき層のアンバランスを抑制しているが、この装置では、各々の被めっき物703の表面全体を均一にめっきすることは極めて難しい。被めっき物703のめっき層のアンバランスは、バレル701を回転し、被めっき物703を攪拌することである程度抑制できるにすぎないからである。また被めっき物の攪拌は、被めっき物を衝突させてめっき層に損傷を与え、めっき品質低下という別の問題が発生する。
図10に示す従来のバレルめっき装置800は、バレル801内部に金網810の陰極を固定して設置し、被めっき物の損傷を防止するめっき装置である(特許文献1)。しかし、特許文献1に示される方法では、バレル801内に設置した金網810により被めっき物の損傷は抑制できるとしても、損傷を十分には減らすことができない。また、被めっき物同士の絡みつき、重なりも十分には防止できず、良好なめっきを得るには不十分である。また、バレルの小孔から流入されるめっき液が浸透せず殆どめっきされない内部も存在する。
さらに図11に示す従来のバレルめっき装置900は、被めっき物を複数の可撓性ある導電性ネット910に入れて、複数の導電性ネット910をバレル901に収納してめっきすることで、被めっき物の損傷を抑制する装置及び方法である(特許文献2)。
特開平5-222593号公報 特開2014-101537号公報
特許文献2に示される方法は、攪拌される被めっき物の移動範囲を導電性ネット910内に限定できるが、種々の形状の被めっき物のめっきの品質を十分には改善できない。可撓性ある導電性ネット910では、回転するバレル901内で複数の被めっき物を充分に攪拌して、各々の被めっき物の相対位置と相対姿勢を充分に変化させることができないので、各々の被めっき物の表面全体に均一に金属イオンを吸着できない。前述したように、めっき液中においてマイナス電位にある被めっき物は、プラスの金属イオンを電気的に吸着してめっきしているが、導電性ネット910に入れられた被めっき物は、金属イオンの吸引力が局所的にアンバランスとなる問題を解消できない。とくに、導電性ネット910は、バレル901が回転する状態においても、収納している被めっき物との相対位置や相対姿勢の変化が少なく、導電性ネット910に接近する領域は金属イオンの吸着力が強くて充分にめっきされるが、導電性ネット910から離れて導電性ネット910の内部に位置する領域では、局所的に金属イオンの吸着力が弱くなって安定してめっきされないからである。
本発明は、以上の弊害を解消することを目的に開発されたもので、本発明の一目的は、めっき品質を改善したバレルめっき装置を提供することにある。
バレルめっき装置は、めっき液が充填されるめっき槽と、めっき槽のめっき液に浸漬されて内部に被めっき物を配置するめっき液の通液開口のあるバレルと、バレルを回転する回転機構と、バレル内の被めっき物をマイナス電位として、めっき液をプラス電位とする電源とを備える。バレルは、被めっき物を収納している通液開口のある複数のインナーバレルを出し入れ自在に収納している。電源は、通電回路を介してマイナス側をインナーバレルに接続している。インナーバレルは導電性があって、被めっき物の重量で変形しない剛性がある。回転するバレルは、インナーバレルを攪拌する。バレルの内部で攪拌される複数のインナーバレルは、バレル内の被めっき物を互いに分離して相対運動させながら被めっき物にめっきを施す。
以上のバレルめっき装置は、種々の形状の被めっき物のめっき品質を改善できる特長がある。
本発明の一実施形態に係るバレルめっき装置を示す概略斜視図である。 バレルめっき装置の概略断面図である。 バレルの変形例を示す概略断面図である。 インナーバレルの変形例を示す概略断面図である。 バレルの変形例を示す概略断面図である。 バレルの例を示す概略斜視図である。 インナーバレルの変形例を示す概略斜視図である。 インナーバレルの例を示す概略斜視図である。 従来のバレルめっき装置のバレル内を示す概略模式断面図である。 特許文献1で示される従来のバレル式電気めっき装置の概略図である。 特許文献2で示される従来のバレル式電気めっき装置の概略図である。
本発明の一実施態様に係るバレルめっき装置は、めっき液が充填されるめっき槽と、めっき槽のめっき液に浸漬されて、内部には被めっき物を配置して、めっき液を自由に透過させる通液開口を有するバレルと、バレルを回転する回転機構と、バレル内に配置される被めっき物をマイナス電位として、めっき液をプラス電位とする電源とを備える。バレルは被めっき物を収納している複数のインナーバレルを出し入れ自在に収納できる。電源は、マイナス側をインナーバレルに接続している通電回路を備える。インナーバレルは、導電性があって、被めっき物の重量では変形しない剛性がある。バレルは回転して収納している複数のインナーバレルを攪拌する。バレル内で攪拌される複数のインナーバレルは、別のインナーバレルに収納している被めっき物を分離して互いに相対的に運動させながら被めっき物にめっきを施す。
以上のバレルめっき装置は、被めっき物表面の電流密度のアンバランスを抑制して、被めっき物の表面に均一にめっきできる特長がある。めっき液内の金属イオンは、電流密度に比例して被めっき物の表面に吸着される。したがって、被めっき物の表面を均一にめっきするには、被めっき物表面の局所的に電流密度の低下を抑制する必要がある。従来のバレルめっき装置は、被めっき物がバレル内で重なり合うので、被めっき物の間の隙間での電流密度が著しく低下して、この領域でのめっき層の膜厚が薄く、あるいはほとんどめっきされない領域となる。これに対して、以上のバレルめっき装置は、バレル内の被めっき物をインナーバレルを介して、互いに分離してバレル内に配置して、隣接する被めっき物の間隔を広くするので、この領域の電流密度を高くして、めっき層の膜厚が薄くなるのを抑制できる。
また、以上のバレルめっき装置は、被めっき物がインナーバレルに収納されてバレル内に配置されるので、被めっき物の形状にかかわらず、被めっき物同士の重なり、絡みつき、引っ掛かりを防止して、これらを原因とするめっき不良を回避できるからである。例えば、被めっき物が角部、引っ掛かり易い形状、被めっき物同士の絡みつき易い形状などを有していたとしても、被めっき物がインナーバレルに収納されることで被めっき物同士の重なり、絡みつき、バレルへの引っ掛かりを防止できる。
また、以上のバレルめっき装置は、バレル回転時の被めっき物の損傷を減少、防止して、良好なめっきを施すことができる特長がある。被めっき物がインナーバレルに収納されることで、被めっき物がインナーバレルに覆われ、被めっき物の移動及び姿勢の変更をインナーバレル内の範囲に制限できるからである。そのため、バレルの回転時に被めっき物同士が直接勢いよく衝突することがなくなり、被めっき物の損傷を低減できる。さらに、インナーバレルは、被めっき物の重量で変形しない剛性を有し、バレル回転時もインナーバレルの外形を実質的に維持しながら、緩衝材としてバレル回転時の被めっき物同士の接触、衝突、衝撃、擦れを吸収、緩和し、被めっき物の損傷、変形を防止または軽減して、被めっき物を保護できるからである。
またさらに、以上のバレルめっき装置は、インナーバレルを被めっき物を保護するカバーとして使用できる特長がある。インナーバレルはめっき時のみならず、被めっき物の納入から納品に至るまで使用できる。被めっき物の重量で変形しない剛性を有するインナーバレルに被めっき物が覆われることで、バレルめっきでめっきを施す時以外、例えば、被めっき物をバレルに投入する際、運搬、納入、納品などにおいても、被めっき物同士の接触、落下などによる損傷、変形などを防止して、被めっき物のめっき品質を維持向上できる。また、インナーバレルに収納された被めっき物は、取扱いが容易で、しかも個数を把握し易く、管理、コスト面でも好ましい。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、バレルの通液開口が、インナーバレルの通液開口よりも大きく、かつ、インナーバレルの透過できない大きさにできる。以上のバレルめっき装置は、めっき品質を向上できる。それは、バレルの通液開口を大きくして、金属製のバレルがシールドする作用を低下し、めっき液の金属イオンを被めっき物の表面に効率よく吸着できるからである。また、バレルの大きな通液開口は、めっき液の通過を遮ることなく、回転するバレルの通液開口にめっき液を効率良く通過、流出入させ、バレル内のめっき液の金属イオン濃度の低下を抑制して、被めっき物の表面に均一にめっきできるからである。被めっき物をバレルとインナーバレルで二重に覆うことで、バレルとインナーバレルの各々の通液開口のサイズを例えば被めっき物のサイズ、形状などに合わせて調整でき、めっき品質を向上できる。また、バレルから被めっき物が漏れ落ちることを防止できる。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、バレルとインナーバレルの両方が導電性を有し、通電回路が、バレルとインナーバレルを介して、インナーバレルを電源のマイナス側に接続できる。以上のバレルめっき装置は、バレルとインナーバレルを介して被めっき物をマイナス電位とするので、簡単な通電回路でインナーバレル内の被めっき物をめっきできる特長がある。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、インナーバレルが、直径を1.5mm以上であって5mm以下とする金属線を、網目の各辺の長さを1cm以上とする碁盤格子状に配置して、通液開口の開口面積を1cm以上にできる。以上のバレルめっき装置は、インナーバレルの通液開口を1cm以上と大きくしているので、回転するバレル内でインナーバレルが攪拌されて、めっき液をスムーズにインナーバレル内に透過できる。したがって、被めっき物の表面に効率よくめっき液の金属イオンを吸着してめっきできる。また、インナーバレルの通液開口を大きくしているので、マイナス電位のインナーバレルが、被めっきを周囲でシールドする作用を低下して、めっき液の金属イオンを被めっき物の表面に効率よく吸着してめっきできる特長がある。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、バレルが絶縁材で、通電回路が、バレル内に配置してなるマイナス電極を備え、マイナス電極がインナーバレルに接触して、インナーバレルをマイナス電位にできる。以上のバレルめっき装置は、バレルが被めっき物の外側をシールドすることなく、インナーバレル内の被めっき物表面を安定してマイナス電位にできる。したがって、マイナス電位の被めっき物の表面に、インナーバレル内に流入するめっき液のプラスの金属イオンを電気的な吸引力で効率よく吸着して効率よくめっきできる。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、バレルが、内面に突出してインナーバレルを分離する分離突出部を備えることができる。以上のバレルめっき装置は、分離突出部がバレル内のインナーバレルを分離して、隣接するインナーバレル内の被めっき物との間隔を広くできる。互いに分離してバレル内に配置される被めっき物は、表面を広い面積でめっき液中に露出して、表面全体をより均一にめっきできる特長がある。
本発明の他の実施態様に係るバレルめっき装置は、インナーバレルを両端が閉塞してなる筒状にできる。以上のバレルめっき装置は、回転するバレル内でインナーバレルを安定して回転させて、インナーバレル内の被めっき物の損傷を抑制しながらめっきできる特長がある。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
(バレルめっき装置100)
図1はこの発明の一実施形態に係るバレルめっき装置100の概略斜視図、図2はバレルめっき装置100の概略断面図、図3はバレル1の変形例、図4はインナーバレル10の変形例を、それぞれ示す。
図のバレルめっき装置100は、めっき液5が充填されてなるめっき槽4と、めっき槽4のめっき液5に浸漬されて、内部に被めっき物3が配置される通液開口2のあるバレル1と、バレル1を回転する回転機構20と、バレル1内に配置される被めっき物3をマイナス電位として、めっき液5をプラス電位とする電源30とを備える。
バレルめっき装置100は、複数の被めっき物3を複数のインナーバレル10に分割して収納し、被めっき物3が収納された複数のインナーバレル10がバレル1に投入される。図2に示すように、バレル1及び陽極6がめっき液5に浸漬され、電源30が通電回路33を介して被めっき物3をマイナス電位として、回転機構20がバレル1を回転して被めっき物3をめっきする。図は、バレル1内に複数(図において5個)のインナーバレル10を投入し、各々のインナーバレル10は、1の被めっき物3を収納する例を示す。ただし、図示しないが、各々のインナーバレルは、異なる形状、サイズ、個数の被めっき物を収納することもできる。例えば、1のインナーバレル内に、複数の被めっき物を収納できる。
バレルを回転しながら被めっき物にめっきを施すバレルめっきは、被めっき物を静止状態でめっきするひっかけ冶具方式と異なり、バレル内で被めっき物が混合、攪拌され、各々の被めっき物の位置及び姿勢が変更されながら、めっき膜厚が積層される点に特徴がある。以下、従来のバレルめっき装置によるめっき膜厚分布について述べる。バレルめっきは、大量に投入された被めっき物は重力で落下しバレル内の下部に堆積する。被めっき物のサイズ、形状、個数などによりその堆積の状態は異なるが、例えば、図9で示すように、小さい被めっき物703の場合、堆積した被めっき物703が密に詰まった状態はあたかも1つの大きな塊の堆積物703aと仮定できる。めっき膜厚は、主にその塊である堆積物703aの外表面のバレル701の中心軸側の部分(表面層704)に積層される。被めっき物703のサイズが小さい程、緻密に詰まり、堆積した被めっき物同士の隙間は次第に少なくなるため、堆積物703aの外表面以外の内部705の電流密度が低下する。バレル701を非回転とした場合、堆積物703aの表面層704から深さ方向への電流密度は、理論上、表面層704が最大の局部電流密度を有し、それに対して深さ方向における局部電流密度は指数関数的に小さくなり、ほぼゼロとなる深さは極めて浅いといえる。また、堆積物703aの内部705において、めっき液の入れ替えが起こりにくく、めっき液の金属イオン濃度が低下する。そのため、堆積物703aの内部705に位置する被めっき物703にめっきは殆ど施されない。堆積物703aのうちバレル側壁の内側付近に位置する被めっき物703(バレル側壁付近706)は、樹脂製のバレル側壁の多数の小孔702やスリットを通して陽極と陰極間に電流が流れ、まためっき液も流入することから一定のめっき膜厚が形成される。例えば、従来のバレルめっき装置をバレルを回転させない(非回転)状態でめっきした場合のめっきの膜厚分布は、バレルの表面層704のめっき膜厚が約3.5~4.2μm、内部705が約0~0.1μm、バレル側壁付近706が約0.5~2.4μmであった。被めっき物全体に対する各々の割合は、表面層704が約10%、バレル側壁付近706が約10~20%であり、ほとんどめっきが施されない内部705が全体の約70~80%を占めた。めっきの条件は、20cmφ×30cmの六角バレル、平均電流密度0.3A/dm2、めっき時間10分間、光沢ニッケルめっきとした。
バレルめっきは、回転するバレル701内でめっき膜厚の均等化を図るために、被めっき物703が堆積物703aの表面層704と内部705とバレル側壁付近706とを繰り返し移動しながら可能な限り均等に配置される必要がある。バレルめっきは、バレル701を回転して、被めっき物703を可能な限り均一に混合、攪拌することが望ましい。バレルめっきは、バレルの回転で被めっき物の位置及び姿勢が変更されること、その位置により様々なめっき条件が異なることから、めっきの品質に影響を与える要因が極めて多く、例えば、バレルの形状、材質、回転速度、バレルと被めっき物との関係、バレル内の位置、接触状態、マイナス側電極との通電状態、電流密度、めっき液の組成、温度、めっき液の流出入、めっき液との接触、さらに被めっき物が他との衝突接触による損傷などが挙げられる。従来のバレルめっきは、回転されながら被めっき物703が混合、撹拌される過程において、投入された被めっき物703全体の約70~80%という大部分が、ほとんどめっきが施されない堆積物703aの内部705に位置し、めっき品質上の問題を生じさせる。
本発明は、独特の構成、すなわち堆積する複数の被めっき物3を強制的に分散することで、電流密度と金属イオン濃度の均等化を図り、めっきの品質改善を実現することにある。被めっき物3表面のめっき層は、マイナス電位の被めっき物3の表面に、プラスイオンの金属イオンが電気的な吸引力で吸着されて形成される。したがって、被めっき物3の表面に、安定してめっき層を成形するには、被めっき物3の表面に所定の電流密度で電流が流れ、かつ被めっき物3の表面のめっき液5が所定の金属イオン濃度であることが必要である。すなわち、電流密度と金属イオン濃度の両方の特性が満足されて、被めっき物3の表面に安定してめっき層が形成される。本発明は、従来のバレルめっきの堆積物の内部のように、ほとんどめっきが施されない部分が大部分を占める事態を回避して、めっき品質改善に寄与するものである。
(バレル1)
バレル1は、被めっき物3を収納する複数のインナーバレル10を入れて、回転しながらめっきを施す筒状体である。以下、水平方向に中心軸が配置されてバレル1が縦回転(垂直面内で回転)する例を示すが、バレルの回転方向は、収納している複数のインナーバレルを攪拌できるすべての方向、たとえば回転軸が傾斜する回転方向でもよい。
バレル1は、円筒や角筒など筒状の容器である。バレル1は、円筒形(図1及び図2)、六角形(図3)、八角形などにできる。バレル1の形状は、整形または不整形にできる。バレル1の形状は、被めっき物3及びインナーバレル10の形状と合わせて、回転するバレル1内でインナーバレル10を安定的に回転させることができるほか、インナーバレル10を一定方向や所定の位置に転動を誘導できる。またバレル1は回転により、回転方向の縦移動だけでなく軸方向の横移動を繰り返すことで、インナーバレル10を縦横にランダムに混合することもできる。その他にも、バレル1の中心軸を偏芯に配置でき、またバレルの内側に凹凸、テーパー、傾斜面、外形面と非平行の曲面などを設けてインナーバレル10の転動、撹拌に変化を与えランダムにすることもできる。バレル1のサイズは、めっき槽4内のめっき液5に所定の部分が浸漬可能なものとする。
バレル1とインナーバレル10の形状は、複数のインナーバレル10が回転するバレル1内で攪拌、混合される形状とする。例えば、図2のバレル1は円筒であり、図3のバレル1は六角筒である。インナーバレル10は、収納する被めっき物3他の被めっき物3との間隔を大きくして、すなわち、被めっき物3よりもインナーバレル10の内径を大きくして、インナーバレル10はバレル1内に収納された複数の被めっき物3を大きく引き離して、被めっき物3表面の電流密度と金属イオン濃度を均等化できる。複数の被めっき物3を収納してめっきするバレルめっきにおいて、インナーバレル10は、複数の被めっき物3を収納して、インナーバレル10との間隔を広くできる形状として、各々の被めっき物表面の電流密度と金属イオン濃度を均等化して高品質なめっきができる。
バレル1は、絶縁材で成形され、あるいは金属製の導電体とすることができる。バレル1は、線材または板材、もしくは線材と板材の組み合わせで筒状に成形できる。図6で示す絶縁材のバレル1は、従来のバレルと同様に、内部に可撓性の導電線材6を配置して、この導電線材6を被めっき物3に直接または間接的に接触させて、被めっき物3をマイナス電位にできる。導電線材6は、めっき槽4から絶縁された回転軸を介して電源30のマイナス側に接続されてマイナス電極となり、インナーバレル10を介して被めっき物3をマイナス電位にできる。また、バレル1が金属製であって通液開口を大きくできる。バレル1は、バレル1を成形する線材1a自体を導電性の金属製として、内部に導電線材を引き延ばして配置することなく、金属製のバレル1にインナーバレル10を接触させて、インナーバレル10をマイナス電位にできる。このバレル1は、交差する複数の金属線の線材1aを連結して筒状とし、金属線で形成される通液開口2をできる限り大きくして、シールドする作用を低下し、被めっき物3の電流密度と金属イオン濃度の低下を抑制し均等化を図ることができる。また、導電性の金属製の線材を部分的に絶縁材で覆うことができ、部分的に露出された金属製の線材でこれに接触するインナーバレルを介して被めっき物をマイナス電位にできる。インナーバレルの金属製の線材が露出する面積を小さくすることで、被めっきを周囲でシールドする作用を低下させることができる。
図1のバレル1は、複数の線材1aを交点で連結して全体を筒状としている。図のバレル1は、プラスチック製あるいは金属製の線材1aを交点で連結して筒状に形成してなる。線材の形状、サイズ、素材などは特定されず、バレルとしての強度を保持できるものであれば足りる。線材は、例えば円柱、角柱、平板などを使用でき、また部分的に異なる厚み、形状、強度のものを使用できる。図のバレル1は、線材1aで網目が形成され、めっき液5が通過する通液開口2が開口される。従来の樹脂製のバレルの側面に多数の小孔を設ける場合と異なり、図の線材1aで形成される網目が通液開口2となるバレル1は、めっき液5のバレル1内への流入、バレル1外への流出を阻害することがなく、めっき液5がバレル1内外に自由に流入流出できる。線材のバレル1は、バレル1内外へのめっき液5の流出入が促されて、めっき液5の入れ替え、交換が繰り返されることで、被めっき物3表面の金属イオン濃度を均等化して、被めっき物3のめっき品質を向上できる。バレルめっき装置100は、バレル1の一部または全部をめっき液5に浸漬した状態で回転するため、線材1aでめっき液5を撹拌でき、通液開口2でめっき液5をバレル1内にすくい入れ、また掃き出し、バレル1内外へのめっき液5の流出入及びめっき液5の入れ替えはさらに促進される。なお、図示しないが、バレルは、部分的に交差する線材で成形することもできる。
バレル1は、バレル1内外のめっき液5を流入流出する通液開口2を有する。通液開口2は、少なくとも、従来の小孔、スリットよりも大きく、めっき液5の通過を阻害しないサイズとする。線材1aで形成されるバレル1の場合、線材1aで形成される網目が通液開口2となる。例えば、網目の長辺の長さを2cm以上、好ましくは3cm以上とする。バレル1の通液開口2がめっき液5の通過を遮ることないサイズとすることで、バレル1の回転により、通液開口2からバレル1外のめっき液5を流入させ、またバレル1内のめっき液5を流出させる。めっきされて金属イオン濃度が低下したバレル1内のめっき液5を新しいバレル1外のめっき液5と交換、循環が可能となり、バレル1内の金属イオン濃度の低下を抑制し、金属イオン濃度の均等化を図ることができる。
バレル1の通液開口2のサイズは、バレル1からインナーバレル10がすり抜け落下することがないように、また必要以上にバレル1からインナーバレル10がはみ出すことのない適切な範囲とする。インナーバレル10のバレル1への引っ掛かりやバレル1から抜け落ちて被めっき物3が損傷するなどめっき品質低下を防止するためである。バレル1の通液開口2は、後述するインナーバレル10の通液開口15よりも大きいことが好ましい。バレル1の通液開口2の最大サイズをバレル1からインナーバレル10がすり抜け落下しないサイズ及び必要以上にバレル1からインナーバレル10がはみ出すことのないサイズに定めながら、最小サイズをめっき液5の通過を阻害しないサイズとして、バレル1の通液開口2は、インナーバレル10の通液開口15よりも大きくすることで、最大及び最小サイズを満たし、バレル1内の被めっき物3の電流密度及びめっき液5の金属イオン濃度の均等化を図ることができ、均一なめっき膜厚の形成に資するからである。
図5に示すバレル1は、バレル1内面に突出してインナーバレル10を分離する分離突出部8を備える。分離突出部8は、バレル1内に投入された複数のインナーバレル10を分離して、隣接するインナーバレル10内の被めっき物3同士の間隔を広くできる。互いに分離してバレル1内に配置される被めっき物3は、その表面を広い面積でめっき液5中に露出して、表面全体をより均一にめっきできる。
図示しないが、バレルは、インナーバレルを出し入れする開口部を備える。バレルの開口部の構造、方式は限定されず、インナーバレルを出し入れ可能であればよい。例えば、開口してインナーバレルを投入し閉口する開閉式、常時開口にでき、取り外し式、スライド式、片開き、両開きなどの蓋、扉などを設けることもできる。また、バレルは、インナーバレルの出し入れを異なる開口部で行うことができる。
図示しないが、バレルは、さらに、めっき液の流入または流出もしくは循環を促すため、または一定の方向にめっき液の流動を促すめっき液流出入部を設けることができる。めっき液流出入部は、例えば、フィン、ファン、ポンプなどにできる。フィンは、バレルの内面または外表面もしくは双方に突出部分を設け、めっき液の流入または流出を促進され、めっき液の交換、循環の効率性を向上できる。分離突出部がめっき液流出入部を兼用することもできる。めっき液流出入部は、被めっき物及びインナーバレルの撹拌、混合を阻害しない、かつ、被めっき物が浮遊、離脱などで被めっき物のマイナス電位保持に支障が生じない範囲で、めっき液の流出入または一方向への流動を生じさせる。また、めっき液流出入部は、インナーバレル(被めっき物)をバレルに押し付ける、またはバレルとインナーバレル(被めっき物)の接触を僅かに強める方向にめっき液を流出または流入することで、インナーバレル(被めっき物)がバレルから浮遊することを防止できる。例えば、円筒状のバレルの両底面からめっき液が流入し、側面から流出するようにでき、また、一方の底面からめっき液が流入し他方の底面方向に流動しながら側面から流出するようにできる。また、円筒状のバレルの底面の中心からめっき液を流入し側面から流出することもでき、底面をテーパーとする円錐状または円錐台として円柱の外側または内側に配置する頂点からめっき液を流入し側面から流出することもできる。
バレルめっき装置100は、バレル1内に複数(図2において5個)のインナーバレル10を投入して、めっき品質を向上している。バレル1に投入される複数のインナーバレル10は、個数を限定するものでないが、バレルの容量、インナーバレル及び被めっき物のサイズ、形状、めっきに要する時間、生産性、効率性との関係で適切な範囲とされる。
(回転機構20)
回転機構20は、バレル1を回転駆動する機構であり、回転は一方向に一定速度での回転のみならず、揺動または振動を含むものとする。バレル1は回転機構20により回転または揺動もしくは振動される。図の回転機構20は、バレル1を一方向に回転する例を示すが、異なる方向に揺動、または振動することもできる。回転機構は、例えばモータの駆動軸の回転駆動がギアを介してバレルの中心軸に伝わり、バレルを回転させる。回転機構は、回転速度を変更できる変速機構を設けることができる。バレルの回転速度を変更することで、被めっき物及びインナーバレルのサイズ、形状、個数、さらに生産性、要求されるめっき品質などに応じて適した速度に調整できる。
(電源30、通電回路33)
めっき用の電源30は、マイナス側30a及びプラス側30bの端子を有する直流電源である。図1、図2に示すように、電源30のマイナス側30aは通電回路33を介して被めっき物3に接続されて、被めっき物3をマイナス電位とする。図の通電回路33は、電源30のマイナス側30aをインナーバレル10に接続して、インナーバレル10内の被めっき物3をマイナス電位とする。インナーバレル10は、電源30のマイナス側30aを被めっき物3に接続する通電回路33の一部を構成する。このバレルめっき装置100は、インナーバレル1を電源30のマイナス側30aに接続する通電回路33で、被めっき物3をマイナス電位にできる。インナーバレル10は、被めっき物3に電気的に接触して、被めっき物3をマイナス電位とする構造としている。インナーバレル10は、例えば、導電性の金属線で製作し、あるいは内部に可撓性の導電線材12を配置して導電線材12でインナーバレル10と被めっき物3とを電気的接続できる。インナーバレル10は、バレル1を介して電源30のマイナス側30aに接続されるので、バレル1はインナーバレル10に電気的に接続する通電回路33を備えている。この通電回路33は、図6に示す絶縁材のバレル1においては、可撓性の導電線材6を内部に配置して、インナーバレル10に電気的に接続する。バレル1とインナーバレル10を介して被めっき物3をマイナス電位にする通電回路33は、バレル1とインナーバレル10が共に通電回路33の一部を構成し、バレル1とインナーバレル10の両方が導電性を有してなる。図2に示すように、電源30のプラス側30bには陽極32を接続して、陽極32をめっき液5に浸漬してめっき液5をプラス電位としている。マイナス電位の被めっき物3がプラス側のめっき液5に浸漬されて、めっき液5の金属イオンがマイナス電位の被めっき物3に吸着されてめっきが施される。陽極36は1または複数設けることができ、棒状、板状など装置に応じた形状、サイズにできる。図2は3本の陽極32をバレル1の外に配置する。ただし、図示しないが、陽極をバレルの筒内に配置することもできる。
(インナーバレル10)
インナーバレル10は、被めっき物3を収納する容器である。バレルめっき装置100は、バレル1が回転しながら投入された複数のインナーバレル10を攪拌、混合して、インナーバレル10内の被めっき物3にめっきを施す。被めっき物3がインナーバレル10に収納される。
インナーバレル10内の被めっき物3は、重力で落下して、局所的にインナーバレル10の内面に接触する。インナーバレル10に収納された被めっき物3は、回転するバレル1内において隣接する他の被めっき物3と引き離された状態で攪拌される。回転するバレル1がインナーバレル10を攪拌することで、インナーバレル10内の被めっき物3を引き離した状態で攪拌して、被めっき物3表面の電流密度と金属イオン濃度を均等化して、被めっき物3の表面に均等化されためっき層を成膜する。実際の多くの被めっき物3は、例えばボルトにしても、平面と曲面、さらにネジ山のように凹凸を有する複雑な形状であることが多い。インナーバレル10は、バレル1内でそれ自体が攪拌されて、収納する種々の外形の被めっき物3を、移動し種々の姿勢に変動させて、より効果的に被めっき物3が相対運動する形状に製作して、表面のめっき層を均等化できる。
図2に示すように、あるインナーバレル10Aに収納された被めっき物3Aと、他のインナーバレル10Bに収納された隣接する他の被めっき物3Bとの間には、少なくとも各々のインナーバレル10A、10Bが存在する。さらにインナーバレル10A、10Bは、各々被めっき物3A、3Bの位置を各々の容器内に制約し、被めっき物3Aと隣接する他の被めっき物3Bの間に隙間Sが形成される。インナーバレル10A、10Bは、回転するバレル1内で各々攪拌、混合されて、収納された被めっき物3A、3Bの各々の位置及び姿勢が変化し、隙間Sも変化しながら、被めっき物3Aと隣接する他の被めっき物3Bとを互いに引き離して攪拌する。引き離されて攪拌される被めっき物3Aは、隣接する他の被めっき物3Bとの間の隙間が広く形成され、表面の電流密度が均等化される。さらに、引き離されて攪拌される被めっき物3A、3Bは表面の金属イオン濃度が均等化される。表面の電流密度と金属イオン濃度の両方が均等化される被めっき物3A、3Bは、表面に均等化されためっき層が成膜される。仮に、インナーバレルに被めっき物が収納されない場合、重力によりバレルの底部に堆積されて、被めっき物のサイズや形状によっては被めっき物間の隙間が小さく、場合によっては殆どないほど緻密に堆積されることになる。インナーバレル10は、被めっき物3の移動範囲を容器内に制約し、重力で被めっき物3がインナーバレル10の下部に寄せられ、被めっき物3間の最低限の隙間を確保できる。
インナーバレル10は、収納している被めっき物3をマイナス電位とする通電回路33の一部を構成する。図7のインナーバレル10は、導電リング11に可撓性の導電線材12を接続して、導電線材12を内部に延長している。図7のインナーバレル10は、円筒の側面または底面の一方または双方を非導電部材で成形できる。このインナーバレル10は、収納する被めっき物3が導電線材12に接触して、被めっき物3をマイナス電位に保持する。図8のインナーバレル10は筒状で、複数の導電リング11を軸方向に離して配置して、各々の導電リング11を軸方向に伸びる縦線材13で連結している。このインナーバレル10は、収納する被めっき物3が導電リング11に接触して被めっき物3をマイナス電位にできる。インナーバレル10は、縦線材13を導電性の金属線として、収納する被めっき物3をマイナス電位とし、あるいは縦線材13と導電リング11の両方で収納する被めっき物3をマイナス電位とすることができる。
インナーバレル10は、被めっき物3に収納する空洞を内側に有する中空体の筒状で、めっき液5を自由に通過させる多数の通液開口15を設けている。筒状のインナーバレル10は、被めっき物3を収納後に両端の底面が閉塞する形状、構造にできる。インナーバレル10の形状は、平面のみ、または曲面のみ、もしくは平面と曲面を組み合わせることで様々な形状にでき、例えば、円筒、角筒、球体、楕円体、樽型、ラグビーボール型などにできる。インナーバレル10は、回転軸に対し垂直の断面形状が同じまたは異なる形状にできる。図1~図3、図7、図8などのインナーバレル10は円筒、図4のインナーバレル10は角筒の例として六角筒とする。インナーバレル10の形状は、転動方向や程度などをある程度調整できる。例えば、円筒は側面で所定の転動を安定的に行うことができる。球体は転動、移動、姿勢変更の程度を筒状など他の形状よりも大きくできる。また、インナーバレル10は、バレル1内を回転方向だけでなく軸方向も含めてランダムに転動、移動する、または内部に収納された被めっき物3をランダムに転動、移動、混合、撹拌できる形状にできる。例えば、平面にテーパーや曲面を組み合わせる、異なる面積の平面または曲面を組み合わせる、曲率半径が変化する曲面とする、異なる曲率半径を組み合わせる、または部分的に設ける、さらにインナーバレル10の外側に凹凸を設ける、これらを組み合わせることができる。さらに、インナーバレル10の左右または上下を対称または非対称にでき、例えば円筒、円錐台、球体、楕円体、角筒、角錐台などを部分的に組み合わせることができる。
バレル1とインナーバレル10と被めっき物3の組み合わせにより、インナーバレル10または/及び被めっき物3の転動、移動、混合、撹拌を調整でき、またランダムにできる。インナーバレル10の外形とバレル1の内形の組み合わせにより、インナーバレル10の転動、移動、混合、撹拌がある程度規定できる。例えば、前述したインナーバレル10の外形側を様々な形状にでき、またバレル1の内面側に分離突出部8など凹凸などインナーバレル10の形状、サイズなどに応じた様々な形状にできる。また、インナーバレル10の内形と被めっき物3の外形の組み合わせにより、被めっき物3の転動、移動、混合、撹拌がある程度規定できる。例えば、前述したインナーバレル10の外形側と同様に様々な形状にでき、またインナーバレル10の内面に凹凸などを設ることができ、インナーバレル10の内面を被めっき物3の形状、サイズなどに応じた様々な形状にできる。バレル1、インナーバレル10の様々な形状は、交換可能な部材でアレンジ、調整でき、必要に応じた形状とすることもできる。
被めっき物3は、重力で下方に移動してインナーバレル10に接触し、インナーバレル10の転動で回転方向に引きずられ、位置及び姿勢が変化する。被めっき物3及びインナーバレル10の形状、サイズ、位置関係などにより、被めっき物3同士の間には隙間が形成され、バレル1の回転及びインナーバレル10の転動などで隙間が変化する。例えば、図2において、バレル1及びインナーバレル10は円筒であり、被めっき物3は例えば六角ボルト、ナットなど断面が六角形である。図3において、バレル1は六角筒、インナーバレル10は円筒であり、被めっき物3は六角ボルト、ナットなどの六角形である。図4において、バレル1は円筒、インナーバレル10は六角筒であり、被めっき物3は断面が円形である。いずれの図においても、インナーバレル10がバレル1に接触し、インナーバレル10同士が接触し、被めっき物3がインナーバレル10に接触する。また、バレル1とインナーバレル10と被めっき物3の各々の間に隙間が形成され、隣の被めっき物3の間に隙間が形成される。
バレル1の内形とインナーバレル10の外形は、バレル1とインナーバレル10の接触態様、具合を定め、またインナーバレル10の内形と被めっき物3の外形は、インナーバレル10と被めっき物3の接触態様、具合を定め、またインナーバレル10の外形はインナーバレル10同士の接触態様、具合を定める。例えば図4は、角筒のインナーバレル10の外面側の平面部または/及び角部が円筒のバレル1の曲面に接触し、被めっき物3の曲面が角筒のインナーバレル10の内側面の平面部または場合によっては角部に接触する。インナーバレル10同士は角筒のインナーバレル10の外面側の平面部または/及び角部が接触する。これらが点、線、面接触の組み合わせなど様々に接触してなる。また、バレル1、インナーバレル10、被めっき物3が各々接触する部分の形状、接触態様により、被めっき物3と隣接する他の被めっき物3との間の隙間Sも異なり、バレル1の回転やインナーバレル10の転動に伴い常時変化する。インナーバレル10は、バレル1及び被めっき物3の形状、施すめっきに応じて適切な形状が選択される。以上はインナーバレル10の具体例を示すが、インナーバレル10を以上の形状に特定するものでなく、インナーバレル10はバレル1内に入れて被めっき物3を攪拌できる全ての形状とすることができる。
インナーバレル10は、金属製の導電体、あるいは絶縁材で成形できる。金属製の導電体は、直径を1.5mm以上であって5mm以下とする金属線が好ましい。通電回路33の一部として適し、加工しやすく、強度があり、安価に調達できるなどの利点があるからである。インナーバレル10は、金属線を網目の各辺の長さを1cm以上とする碁盤格子状に配置して、通液開口15の開口面積を1cm以上にできる。碁盤格子状は、開口形状が長方形または正方形で、複数の縦線と横線が交差した状態である。このように、インナーバレル10の通液開口15を1cm以上と大きくすることで、回転するバレル1内でインナーバレル10が攪拌されて、めっき液5をスムーズにインナーバレル10内に通過できる。したがって、被めっき物3の表面に効率よくめっき液5の金属イオンを吸着してめっきできる。また、インナーバレル10の通液開口15を大きくすることで、マイナス電位のインナーバレル10が、被めっき3を周囲でシールドする作用を低下させて、めっき液5の金属イオンを被めっき物3の表面に効率よく吸着して良好なめっきができる。
インナーバレル10の通液開口15のサイズは、被めっき物3のサイズ、形状に合わせて適切に定める。通液開口15のサイズは、少なくとも収納された被めっき物3が抜け落ちることがないサイズとする。さらに、通液開口15のサイズは、被めっき物3が過度にはみ出すことがない、または被めっき物3が接触し得る他の物に引っ掛かることない、もしくは被めっき物3同士が衝突して損傷しないもののいずれかを満たすものとする。インナーバレル10の通液開口15のサイズは、被めっき物3のサイズ、形状のほか、さらに、インナーバレル10を形成する線材などの太さ、硬さ、材質、弾力性と、要求されるめっき品質、時間などに応じて適切に定めるものとする。インナーバレル10の通液開口15の形状、線材の太さ、材質などを限定するものではない。
インナーバレル10の通液開口15のサイズは、バレル1の通液開口2のサイズよりも小さいものが好ましい。バレル1の通液開口2のサイズをインナーバレル10よりも大きくすることで、回転するバレル1内外にめっき液5が自由に流出入できる。さらに、インナーバレル10の通液開口15のサイズをバレル1よりも小さくすることで、被めっき物3がインナーバレル10の通液開口15から抜け落ち、必要以上のはみ出しを防止できる。インナーバレル10のサイズ、形状及び通液開口15のサイズは、被めっき物3のサイズ、形状、個数などに応じて適したものを選択、交換することで、バレル1を交換することなく、被めっき物3の様々なサイズ、形状、個数などに対応できる。
インナーバレル10は、収納する被めっき物3の重量で変形しない剛性を有する。かかる剛性を有するインナーバレル10は、回転するバレル1内で被めっき物3を収納する状態で攪拌されて変形することなく、収納された被めっき物3を引き離し状態に維持して攪拌できる。インナーバレル10の剛性は、被めっき物3の重量で実質的に変形しない状態を意味するものであって、被めっき物3の重量で全く変形しない状態に限定するものではない。バレル1内で攪拌されて僅かに変形する剛性のインナーバレル10も、隣の被めっき物3を引き離し状態で攪拌できるからである。
インナーバレル10は、収納する被めっき物3の重量で変形しない剛性を有し、バレル1の回転によるインナーバレル10が転動、衝突しても、インナーバレル10の外形を実質的に維持できる。かかる剛性のインナーバレル10は、容易に変形して被めっき物3同士の隙間Sがなくなることなく、収納している被めっき物3を引き離し状態に維持して攪拌でき、被めっき物3同士の間の隙間Sを確保できる。したがって収納された被めっき物3が露出される面積が広くなり、めっき液5に良好に触れることができる。またインナーバレル10の剛性は、インナーバレル10とバレル1と被めっき物3の各々の間にも隙間を形成維持し、めっき液5の流出入を容易とし、金属イオン濃度を均一化、また電流密度を均一化に資することで、めっき品質を向上できる。バレルめっき装置100は、被めっき物3同士の間の隙間を確保し、従来のバレル内の被めっき物の堆積物の内部のよう隙間がなくめっき液がほとんど入れ込まれない部分が生じることを回避しつつ、インナーバレル10及び被めっき物3を転動、移動、撹拌して、めっき膜厚の均一化、めっき品質の向上を実現する。仮に、可撓性のある導電性ネット(例えば金網袋)をインナーバレルとする場合、可撓性のある導電性ネットが被めっき物にまとわりつき、被めっき物同士の隙間を確保できない。また、可撓性のある導電性ネットは、被めっき物同士の衝突衝撃を吸収できず、逆に、被めっき物同士や、バレル内の陰極電極(可撓性の導電線材)に絡みついてめっき不良を生じさせる問題がある。
インナーバレル10は、被めっき物3の重量で変形しない剛性を有することで、バレル1の回転時もインナーバレル10の外形を実質的に維持して、めっき物3同士間に介在して衝突、接触の機会を減少させ、また緩衝材となって被めっき物3を保護でき、被めっき物3同士の接触、衝突、衝撃、擦れを吸収、緩和し、被めっき物の損傷、変形を防止または軽減する。インナーバレル10に被めっき物3が収納されることで、被めっき物3の移動がインナーバレル10内の範囲に制限され、被めっき物3同士が直接勢いよく衝突接触することを防止する。
また、インナーバレル10に被めっき物3が収納されることで、インナーバレル10は、被めっき物3の形状を問わず、被めっき物3同士の重なりを防止できる。例えば、各々のインナーバレル10が1の被めっき物3を収納する場合、被めっき物3と隣接する他の被めっき物3の間には、各々が収納されたインナーバレル10が存在するからである。また、インナーバレル10は、被めっき物3がバレル1に引っ掛かることを防止できる。例えば、被めっき物3が凹凸、引っ掛かり易い複雑な形状であったとしても、インナーバレル10の通液開口15を被めっき物3の引っ掛かる部分または形状がインナーバレル10からはみ出ない大きさ、形状にできるからである。したがって、バレルめっき装置100は、被めっき物3のバレル1への引っ掛かり及び被めっき物3同士が重なり合いを原因とするめっき不良を回避して良好なめっきを施すことができる。
インナーバレル10内に1の被めっき物3が収納されるバレルめっき装置100で実際にめっきを施し、従来からの多数の小孔を設けた樹脂製のバレルめっきと比較したところ、特に、傷が目立ち、かつ傷が付きやすい鏡面を有する試験部材a(質量約256g)、被めっき物同士の衝突で欠けが生じ易いネジ山を有する六角ボルトの試験部材b(M20、全長67mm、質量約186g)において、傷、欠けの数及び程度に明らかな違いが確認された。バレルめっき装置100は、従来のバレルめっき装置よりも良好なめっきを施すことができる。
インナーバレル10は、インナーバレル10の外形を形成する線材と、図示しないが、その内側または外側に連結されて、被めっき物3のはみ出し、引っ掛かり、他との衝突を防止または緩和する保護線材を設けることができる。例えば、外形を形成する線材は剛性を保持し、保護線材は被めっき物が外形を形成する線材に衝突接触して損傷することを低減または防止できる。インナーバレル10は、同じ太さ、形状、材質の線材で形成できるほか、異なる太さ、形状、材質の線材を組み合わせることもできる。例えば、外形を形成する線材と保護線材は、異なる太さ、形状、材質の線材にできる。例えば、外形を形成する線材は、保護線材よりも太さまたは強度のある線材として剛性を担保し、保護線材は外形を形成する線材よりも細いまたは軟質もしくは角のない形状の線材として、ある被めっき物が他と接触衝突衝撃を吸収し保護できる。
バレル1を金属製の導電体で形成する場合、バレル1内部に可撓性の導電線材を配置する必要がなく、可撓性の導電線材に被めっき物が衝突、接触して損傷などが生じことがない。導電性のあるインナーバレル10は補助電極の役割を果たし、被めっき物3の電流密度の均一化に資する。通電回路33は、電源30のマイナス側30aをインナーバレル10に接続して、インナーバレル10内の被めっき物3をマイナス電位とする。インナーバレル10は、電源30のマイナス側30aを被めっき物3に接続する通電回路33の一部を構成する。
図示しないが、インナーバレルは容積、外内形状を変更できる調整部を有することができる。例えば、筒状のインナーバレルは高さを変更する調整部を有することで、インナーバレルの容積を変更できる。調整部を有するインナーバレルは、被めっき物のサイズ、形状、個数に応じて各々のインナーバレルの収納サイズを変更して、インナーバレル内の被めっき物の移動範囲や接触態様、インナーバレル内の隙間、被めっき物同士の隙間を調整でき、無駄なスペースを縮小化して効率化を図ると共に、めっきの品質向上に資することができる。
インナーバレルは、内側または外側に凹凸を設けることができる。例えば、インナーバレルの外側に凹凸を設けることで、バレル内のインナーバレルの転動、移動、撹拌を不規則、ランダムにして、インナーバレル内の被めっき物を不規則に転動、移動、撹拌できる。また、インナーバレルの内側に凹凸を設けることで、同様に、インナーバレル内で被めっき物を不規則に転動、移動させてランダムに撹拌できる。またインナーバレルの内側の凹凸は、被めっき物に合わせた形状とすることで、転動を誘導、コントロールでき、被めっき物を所定の位置や姿勢などで支持でき、また被めっき物との接触具合、態様を調整して、めっきの品質または効率の向上に資することができる。
インナーバレル10は、少なくとも被めっき物3を収納できるサイズ及び形状とする。被めっき物3がインナーバレル10に収納された状態でバレル1に投入されて、被めっき物3と隣接する他の被めっき物3との間に隙間が形成される。図示しないが、インナーバレルは、仕切り部材を設けるなどインナーバレル内を区画することもできる。被めっき物のサイズ、形状などに合わせて、インナーバレル内を複数の領域に区分けして、被めっき物同士の衝突接触を緩和でき、また被めっき物同士の間に隙間を確保して、重なり合いや引っ掛かりを防止でき、また被めっき物の接触具合を調整できる。
インナーバレル10は、被めっき物3の出し入れが可能な構造とする。図示しないが、例えば、インナーバレルは開口部を設けて、開口部から被めっき物を入れ、閉口し収納できる。開口部の構造、方式は限定されず、例えば、開閉式、取り外し式、スライド式、片開き、両開きなどにでき、開閉または取り外し可能な蓋、扉、キャップなどを設けることができる。またインナーバレルを部分的に開閉または分離可能な構造することもできる。
バレル1は複数のインナーバレル10を投入する。バレル1は、同一または異なる形状、サイズの複数のインナーバレル10を投入できる。各々のインナーバレル10は、1または複数の被めっき物3を収納できる。各々のインナーバレル10は、同一または異なる形状、サイズの1または複数の被めっき物3を収納できる。従来、特定の種類の被めっき物を適正量よりも少量でバレルめっきした場合にバレルの余剰が生じ、非効率であった。また、従来のバレルめっきの場合、異なる形状、サイズの被めっき物を混入した場合、めっき後の選別作業に手間と時間を要する問題があった。本発明において、インナーバレル10は、被めっき物3の形状、サイズ、個数に合わせた形状、サイズにできる。バレル1内に異なる形状、サイズの複数のインナーバレル10を投入でき、バレル1内に異なる形状、サイズの被めっき物3を混在させてめっきできる。例えば、異なる形状、サイズの被めっき物3を異なるインナーバレル10に収納することで、インナーバレル10は被めっき物3の形状、サイズなど種類ごとに収納できる。複数の種類の被めっき物3をバレル1内に混在させても、インナーバレル10毎に被めっき物3の種類を特定でき、選別及び管理も容易であり、またバレル1の余剰を生じることなくバレルの適正量でめっきでき、めっきの効率と生産性を向上できる。
本発明は、めっき品質を改善したバレルめっき装置として有効に利用できる。
100、800、900…バレルめっき装置
1、701、801、901…バレル
1a…線材
2…通液開口
3…被めっき物
4…めっき槽
5…めっき液
6…導電線材
8…分離突出部
10…インナーバレル
11…導電リング
12…導電線材
13…縦線材
15…通液開口
16…外形形成線材
17…被めっき物保護線材
20…回転機構
30…電源
30a…マイナス側
30b…プラス側
32…陽極
33…通電回路
702…小孔
703…被めっき物
703a…(被めっき物の)堆積物
704…(堆積物の)表面層
705…(堆積物の)内部
706…(堆積物の)バレル側壁付近
810…金網
910…導電性ネット
S…隙間

Claims (7)

  1. めっき液が充填されてなるめっき槽と、
    前記めっき槽の前記めっき液に浸漬されて内部に被めっき物が配置される通液開口のあるバレルと、
    前記バレルを回転する回転機構と、
    前記バレル内に配置される前記被めっき物をマイナス電位として、
    前記めっき液をプラス電位とする電源とを備えるバレルめっき装置であって、
    前記バレルは、
    前記被めっき物を収納してなる、通液開口のある複数のインナーバレルを出し入れ自在に収納してなり、
    前記電源は、
    マイナス側を前記インナーバレルに接続してなる通電回路を備え、
    前記インナーバレルは導電性があって、
    前記被めっき物の重量で変形しない剛性を有し、
    回転する前記バレルが収納してなる複数の前記インナーバレルを攪拌し、
    攪拌される複数の前記インナーバレルが、
    前記バレル内において前記被めっき物を分離して相対運動させることを特徴とするバレルめっき装置。
  2. 請求項1に記載のバレルめっき装置であって、
    前記バレルの前記通液開口が
    前記インナーバレルの前記通液開口よりも大きく、
    かつ、前記インナーバレルの透過できない大きさであるバレルめっき装置。
  3. 請求項2に記載のバレルめっき装置であって、
    前記バレルと前記インナーバレルの両方が導電性を有し、
    前記通電回路が、
    前記バレルと前記インナーバレルを介して、
    前記インナーバレルを前記電源のマイナス側に接続してなるバレルめっき装置。
  4. 請求項3に記載のバレルめっき装置であって、
    前記インナーバレルが、
    直径を1.5mm以上であって5mm以下とする金属線を、
    網目の各辺の長さを1cm以上とする碁盤格子状に配置して、
    前記通液開口の開口面積を1cm以上としてなるバレルめっき装置。
  5. 請求項1に記載のバレルめっき装置であって、
    前記バレルが絶縁材で、
    前記通電回路が、
    前記バレル内に配置してなるマイナス電極を備え、
    前記マイナス電極が前記インナーバレルに接触して、
    前記インナーバレルをマイナス電位としてなるバレルめっき装置。
  6. 請求項1に記載のバレルめっき装置であって、
    前記バレルが、
    内面に突出して前記インナーバレルを分離する分離突出部を備えるバレルめっき装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のバレルめっき装置であって、
    前記インナーバレルが両端を閉塞してなる筒状であるバレルめっき装置。
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