JP2024064311A - 電子膨張弁及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子膨張弁における冷媒音の発生を低減することを目的とする。【解決手段】電子膨張弁は、内部に第1空間が形成された筐体と、第1空間内に配置される弁体と、弁体を駆動するモータと、筐体に接続された第1配管及び第2配管と、を備え、筐体は、弁体の弁座として機能し、第1空間と第1配管とを連通する第1開口を有し、第1開口の内側周縁部及び外側周縁部は面取りされている。【選択図】図2

Description

本開示は、冷凍サイクル装置等に用いられる電子膨張弁、及び電子膨張弁を備える冷凍サイクル装置に関するものである。
従来、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、電子膨張弁、及び室内熱交換器を順次冷媒配管で接続した冷媒回路を有する冷凍サイクル装置が知られている。冷凍サイクル装置においては、冷媒を減圧する電子膨張弁から、冷媒の流れに起因した音(冷媒音)が発せられることが問題となっている。特に、電子膨張弁を流れる冷媒が気液二相状態の場合、気泡と電子膨張弁の構造体との衝突によって冷媒音が発生しやすくなっている。
電子膨張弁で発生する冷媒音を低減する対策として、冷媒音が発生しないよう冷媒の流れを制御すること、又は電子膨張弁の周囲に防振ゴムなどの消音部品を巻くことなどが知られている。しかしながら、この場合は、制御が複雑になること、部品点数が増えてコストアップになること、又は電子膨張弁が大型化することなどの問題があった。
この問題に対し、特許文献1では、電子膨張弁本体と弁体との間に形成される最小隙間部から継ぎ手管にいたる本体の流路を、流路面積が徐々に拡大する形状とした流路急拡大抑制部とすることで、冷媒音を低減することが提案されている。
特開2005-221095号公報
特許文献1の電子膨張弁内部の流路には、鋭角の端部が存在している。この場合、電子膨張弁内部を流れる冷媒が鋭角な端部に衝突し乱流状態になることによって渦流が発生し、冷媒音が発生する原因となっていた。また、渦流によって発生した冷媒音の周波数と、電子膨張弁内の空間の共鳴との連成振動によってさらに冷媒音が発生することがある。そのため、特許文献1のように流路急拡大抑制部を設けた場合も、冷媒音を十分に低減することが困難であった。
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、電子膨張弁における冷媒音の発生を低減することを目的とする。
本開示に係る電子膨張弁は、内部に第1空間が形成された筐体と、第1空間内に配置される弁体と、弁体を駆動するモータと、筐体に接続された第1配管及び第2配管と、を備え、筐体は、弁体の弁座として機能し、第1空間と第1配管とを連通する第1開口を有し、第1開口の内側周縁部及び外側周縁部は面取りされている。
本開示における電子膨張弁によれば、筐体の第1空間と第1配管とを連通する第1開口の内側周縁部及び外側周縁部が面取りされていることで、電子膨張弁内部を流れる冷媒が乱流状態になることを抑制し、冷媒音の発生を低減することができる。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る電子膨張弁の概略構成図である。 従来技術に係る電子膨張弁において、冷媒が第1方向に流れる場合の流体変化の解析結果を示す図である。 従来技術に係る電子膨張弁において、冷媒が第1方向に流れる場合に発生する音場の解析結果を示す図である。 従来技術に係る電子膨張弁において、冷媒が第2方向に流れる場合の流体変化の解析結果を示す図である。 従来技術に係る電子膨張弁において、冷媒が第2方向に流れる場合に発生する音場の解析結果を示す図である。 実施の形態1に係る電子膨張弁の筐体を拡大した図である。 実施の形態1に係る電子膨張弁による効果を説明するグラフである。 変形例に係る電子膨張弁の筐体を拡大した図である。
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。さらに、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
(冷凍サイクル装置100の構成)
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の概略構成図である。本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、居室などの空調対象空間の暖房及び冷房を行う空気調和装置である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、室外機10と、室内機20と、制御装置30と、を備えている。室外機10と室内機20は、冷媒配管によって接続され、冷媒回路を構成している。室外機10は、室内機20に熱を供給する機能を有し、室内機20は、室外機10から供給される熱によって、空調対象空間を冷房又は暖房する機能を有している。制御装置30は、冷凍サイクル装置100の動作を制御する機能を有している。
室外機10は、圧縮機1と、流路切替弁2と、室外熱交換器3と、室外ファン4と、電子膨張弁5と、を備えている。圧縮機1は、例えば、容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成され、低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し、高圧のガス冷媒として吐出する。流路切替弁2は、例えば四方弁で構成され、圧縮機1から吐出された冷媒の流路を室外熱交換器3又は室内熱交換器6に切り替える。
室外熱交換器3は、内部を流通する冷媒と、室外ファン4により送風される空気との熱交換を行う空冷式の熱交換器である。室外熱交換器3は、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房運転時には凝縮器として機能する。
室外ファン4は、室外熱交換器3に空気を供給するプロペラファン、クロスフローファン、又は多翼遠心ファンである。室外ファン4の回転数が制御されることで、室外熱交換器3の熱交換容量が制御される。
電子膨張弁5は、室外熱交換器3と直列に接続されており、室外熱交換器3に流入する冷媒、又は室外熱交換器3から流出する冷媒を減圧して膨張させるものである。電子膨張弁5の構成については、後ほど詳述する。
室内機20は、室内熱交換器6と、室内ファン7と、を備えている。室内熱交換器6は、内部を流通する冷媒と、室内ファン7により送風される空気との熱交換を行う熱交換器である。室内熱交換器6は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。
室内ファン7は、室内熱交換器6に空気を供給するプロペラファン、クロスフローファン、又は多翼遠心ファンである。室内ファン7の回転数が制御されることで、室内熱交換器6の熱交換容量が制御される。
制御装置30は、冷凍サイクル装置100全体の動作を制御するものである。制御装置30は、制御に必要なデータ及びプログラムを記憶するメモリと、プログラムを実行するCPUと、を備えるコンピュータ、ASIC又はFPGAなどの専用のハードウェア、もしくはその両方で構成される。制御装置30は、冷凍サイクル装置100が備える温度センサ又は圧力センサなどの検出情報、及びリモコン(図示せず)からの指示に基づいて、冷凍サイクル装置100の各部を制御する。具体的には、制御装置30は、圧縮機1の運転周波数、室外ファン4及び室内ファン7の回転数、流路切替弁2の切り替え、及び電子膨張弁5の開度等を制御する。
なお、冷凍サイクル装置100は、空気調和装置に限定されるものではなく、給湯装置又は冷凍機などであってもよい。この場合は、流路切替弁2が省略され、冷媒が冷媒回路を一方向に流れる構成となる。
(電子膨張弁5の構成)
図2は、実施の形態1に係る電子膨張弁5の概略構成図である。図2は、電子膨張弁5の断面を模式的に示している。図2に示すように、電子膨張弁5は、筐体51と、弁体52と、モータ53と、第1配管54と、第2配管55と、からなる。
筐体51は、円柱形状を有し、内部に円柱形状の第1空間S1が形成されている。また、筐体51には、第1配管54と連通する円形の第1開口50aと、第2配管55と連通する円形の第2開口50bとが設けられている。筐体51の第1開口50aによって形成される空間を第2空間S2とする。第2空間S2は、第1空間S1と第1配管54とを連通する空間である。なお、筐体51及び第1空間S1の形状は円柱形状に限定されるものではなく、直方体形状などであってもよい。また、筐体51は、1つの部品で形成されてもよいし、複数の部品を組み合わせて形成されてもよい。
弁体52は、筐体51の第1空間S1に収容されている。弁体52はテーパー形状の先端部521を有するニードルである。弁体52の先端部521とは反対に位置する端部はモータ53に接続されている。弁体52は、モータ53によって、筐体51の第1開口50aに近づく方向及び第1開口50aから離れる方向に移動する。筐体51の第1開口50aは、弁体52の弁座として機能する。電子膨張弁5を流れる冷媒の流量は、第1開口50aの内側周縁部11と、弁体52の先端部521との位置関係に応じた隙間距離(開度)によって定まる。制御装置30は、モータ53を駆動して弁体52を軸方向に移動させることによって冷媒の流量を制御する。
モータ53は、例えばステッピングモータである。モータ53は、制御装置30の制御の下、弁体52を軸方向に移動させ、電子膨張弁5の開度を調整する。
第1配管54は、筐体51の第1開口50aと連通するよう筐体51に連結されている。第1配管54は、例えば電子膨張弁5と室外熱交換器3に接続される配管とを接続する継手である。
第2配管55は、筐体51の第2開口50bと連通するよう筐体51に連結されている。第2配管55は、例えば電子膨張弁5と室内熱交換器6に接続される配管とを接続する継手である。
電子膨張弁5において、冷媒は2つの方向に流れることが可能である。詳しくは、冷凍サイクル装置100が暖房運転を行う場合、図2の矢印Aで示すように、第2配管55、筐体51及び第1配管54の順に冷媒が流れる。また、冷凍サイクル装置100が冷房運転を行う場合、図2の矢印Bで示すように、第1配管54、筐体51及び第2配管55の順に冷媒が流れる。以下の説明において、図2の矢印Aで示す流れを「第1流れ方向」とし、矢印Bで示す流れを「第2流れ方向」とする。なお、冷凍サイクル装置100が流路切替弁2を備えない場合も、電子膨張弁5を配置する空間の形状又は大きさによって冷媒が第1方向に流れるか、又は第2方向に流れるかが決定される。
続いて、図3~図6を参照し、従来技術に係る電子膨張弁60における冷媒音の発生について説明する。図3は、従来技術に係る電子膨張弁60において、冷媒が第1方向に流れる場合の流体変化の解析結果を示す図である。図4は、従来技術に係る電子膨張弁60において、冷媒が第1方向に流れる場合に発生する音場の解析結果を示す図である。図5は、従来技術に係る電子膨張弁60において、冷媒が第2方向に流れる場合の流体変化の解析結果を示す図である。図6は、従来技術に係る電子膨張弁60において、冷媒が第2方向に流れる場合に発生する音場の解析結果を示す図である。図3及び図5において、流速の高い領域が流速の低い領域よりも濃く表示されている。図4及び図6において、音圧レベルの高い領域が音圧レベルの低い領域よりも濃く表示されている。
図3~図6に示すように、従来技術の電子膨張弁60は、第1空間S1を有する筐体61と、第1空間S1に配置された弁体62と、弁体62を駆動するモータ63と、筐体61に接続された第1配管64及び第2配管65とを備えている。筐体61は、第1配管64と連通する第1開口60aと、第2配管65と連通する第2開口60bとが設けられている。筐体61の第1開口60aによって形成される空間を第2空間S2とする。
図3に示すように、冷媒が第1方向に流れる場合、冷媒が弁体62の先端部621を通過するときに冷媒の流れが乱れて渦流が発生し、第2空間S2で流速が最大になり、その後、流速が低下する。また、図4に示すように、渦流が発生し、流速が最大となる第2空間S2において冷媒音の音圧レベルが最大になり、第1配管54を流れていく過程で音圧レベルが低下する。
また、図5に示すように、冷媒が第2方向に流れる場合、まず第2空間S2の部分で渦流が発生し、流速が高くなり、第1空間S1流入後に壁との摩擦により流速が低下する。そして、冷媒が弁体62の周囲から第2開口60bを通過する際に、第2開口60bの内側周縁部の段差によって渦流が発生し、再度流速が高くなり、その後、流速が低下する。また、図6に示すように、渦流が発生した弁体62の周囲と第2開口60bの部分で、冷媒音の音圧レベルが高くなり、第2配管55を流れていく過程で音圧レベルが低下する。
図3~図6の解析結果によると、従来の電子膨張弁60においては、第1開口60a及び第2開口60bを冷媒が通過する際に、各開口における鋭角な周縁部によって、冷媒の流れが整流状態から乱流状態になることが分かった。特に、第1開口60aによって形成される第2空間S2は、第1空間S1及び第1配管54の内部空間と比べて容積が小さく、端部が鋭角になっている。そのため、第2空間S2の鋭角な端部に冷媒が衝突することで、冷媒の流れが大きく乱される。これにより、電子膨張弁60を流れる冷媒に、乱流に起因するカルマン渦などの渦流が発生し、変流状態となる。この変流状態は、時間変化によって変化するため、「周波数」という音の発生を生み出し、単一の周波数成分の発生から、複数の周波数が組み合った変動周波数成分の音が発生すると考えられる。
また、第2空間S2には、第2空間S2の容積(幅及び高さ)によって定まる定在波が発生する。別の音場解析の結果、従来技術の電子膨張弁60では、第2空間S2に3kHz~12kHzの周波数帯域内の周波数成分を有する定在波が発生することが分かった。そして、電子膨張弁60を流れる冷媒の流体音の周波数が第2空間S2の容積によって定まる定在波の周波数と一致する場合、共鳴により冷媒音が発生する。このことから、第2空間S2の容積も冷媒音の発生の一因になると考えられる。
上記のとおり、従来技術に係る電子膨張弁60における冷媒音の発生は、電子膨張弁60の筐体61内部の鋭角な端部、及び第2空間S2の容積に影響を受けることが分かった。そこで、本実施の形態の電子膨張弁5では、上記2点に対する対策が行われている。
図7は、実施の形態1に係る電子膨張弁5の筐体51を拡大した図である。図7に示すように、本実施の形態の電子膨張弁5の筐体51は、内部に存在する角部が断面円弧形状となっている。言い換えると、電子膨張弁5の筐体51の内部に存在する角部は、R面取りされている。詳しくは、第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12、第2開口50bの内側周縁部13、並びに第1空間S1の全ての角部14a、14b、14c及び14dは、何れもR面取りされている。R面取りの半径は、例えば5mmである。
なお、各角部は鋭角でなければよく、R面取りに限定されるものではない。具体的には、各角部は、冷媒との衝突を抑制するなだらかな面であればよく、R面取りだけでなく、C面取りであってもよい。また、筐体51の内面が連続する曲面で形成されてもよい。
また、第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12、第2開口50bの内側周縁部13、並びに第1空間S1の角部14a~14dの少なくとも何れかが面取りされていればよい。例えば、図3~図6に示すように、第2空間S2を形成する第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12が冷媒音の発生に与える影響が大きい。そのため、第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12のみを面取りし、その他の角部は鋭角のままとしてもよい。また、冷媒が第2方向に流れる場合には、第2開口50bの内側周縁部13が冷媒音の発生に与える影響が大きい。そのため、第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12に加え、第2開口50bの内側周縁部13を面取りし、その他の角部は鋭角のままとしてもよい。
また、第1開口50aの内側周縁部11及び外側周縁部12、第2開口50bの内側周縁部13、並びに第1空間S1の角部14a~14dの面取りの半径(R)は、同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、第1開口50aの内側周縁部11の面取りの半径を外側周縁部12の面取りの半径よりも大きくしてもよい。第1開口50aの内側周縁部11は、冷媒が第1方向に流れる場合及び第2方向に流れる場合の両方において冷媒の流速が速くなる部分であるため、第1開口50aの内側周縁部11の面取りの半径を大きくすることで、渦流の発生をより抑制することができる。
また、図7に示すように、本実施の形態の筐体51の第2空間S2の容積は、従来技術の筐体61の第2空間S2の容積よりも小さくなっている。第2空間S2には、2つの定在波が発生する可能性がある。1つは弁体52の先端部521と第1配管54の接続面との距離で決まる下記の式(1)の周波数成分を有する定在波である。弁体52の先端部521と第1配管54の接続面との距離は、図7に示す第2空間S2の高さLAである。また、Cは音速である。
f=C/4LA ・・・(1)
ここで、一般に人間が認識できる聴感的な周波数帯域(可聴域)は20Hz~18kHz前後である。そのため、定在波の周波数が可聴域よりも高い場合、仮に冷媒流の流体音の周波数が定在波の周波数と一致した場合も、可聴域を超えているため、人間が音として認識することを抑制できる。そのため、定在波の周波数が、可聴域外となるように第2空間S2の高さLAが設定される。上記式(1)によると、第2空間S2の高さLAを約4.7mm以下とすることで、定在波の周波数を18kH以上とすることができる。ここで、第1開口50aが弁座として機能するための強度と、人による可聴域のばらつきとを考慮すると、第2空間S2の高さLAは約3mmとすることが望ましい。この場合、第2空間S2で発生する定在波の周波数は可聴域外の約28300Hzとなる。なお、第1開口50aが弁座としての機能を実現できる限りにおいて、第2空間S2の高さLAを3mm以下としてもよい。
もう一つの定在波は、第1開口50aの径によって定まる下記の式(2)の周波数成分を有する定在波である。第1開口50aの径は、図7に示す第2空間S2の幅LBであり、Cは音速である。
f=C/2LB ・・・(2)
第2空間S2の幅LBについても、第2空間S2の高さLAと同様に、定在波の周波数が可聴域外となるように設定することで、人間が音として認識することを抑制できる。上記式(2)によると、第2空間S2の幅LBを約9.4mm以下とすることで、定在波の周波数を18kH以上とすることができる。ただし、第1開口50aの径は、冷凍サイクルを実現するための冷媒量を流す必要があること、及び弁体52の先端部521を確実に挿入させる必要があることから、ある程度の大きさが必要となる。これらの点を考慮すると、第2空間S2の幅LBは約8mmとすることが望ましい。この場合の定在波の周波数は、約21250Hzとなる。なお、冷凍サイクルに必要な冷媒量の通過及び弁体52の先端部521の挿入を実現できる限りにおいて、第2空間S2の幅LBを8mm以下としてもよい。
図8は、実施の形態1に係る電子膨張弁5による効果を説明するグラフである。図8の縦軸は音圧レベルを示し、横軸は周波数を示している。図8の実線は、従来技術に係る電子膨張弁60が発する冷媒音の周波数特性を示すグラフであり、図8の破線は実施の形態1に係る電子膨張弁5が発する冷媒音の周波数特性を示すグラフである。また、図8においては、冷媒が電子膨張弁60及び電子膨張弁5を第1方向に流れる場合に発生する冷媒音の周波数特性を示している。
図8に示すように、従来技術の電子膨張弁60においては、1kHz~5kHz前後に複数のピーク周波数成分を有する「ヒュルヒュル」などといった冷媒音が発生する。このピーク周波数成分は、時間変動している。一方、本実施の形態の電子膨張弁5においては、電子膨張弁5内部の角部において冷媒流が乱れることなく、第2空間S2における空間共鳴の影響も低減できる。そのため、図8に示すように、ピーク周波数における音圧レベルが従来技術に比べて低下している。
以上のように、本実施の形態の電子膨張弁5では、筐体51の内部に存在する角部を面取りすること、及び定在波の周波数を考慮して第2空間S2の高さLA及び幅LBを設定することで、冷媒音の発生を低減することができる。これにより、利用者の快適性を向上させ、音によるクレーム発生を抑制できる。
また、電子膨張弁5に消音部品を追加する必要がないため、構造が簡素化され設置スペースの縮小化、コストの低減、及び大型化の抑制を図ることができる。さらに冷媒の流れを制御する場合に比べ、制御を簡素化でき、冷媒音の発生をより低減することができる。
以上が実施の形態の説明であるが、上記の実施の形態は変形及び組み合わせることが可能である。例えば、上記実施の形態の電子膨張弁5では、筐体51の内部に存在する角部を面取りすること、及び定在波の周波数を考慮して第2空間S2の高さLA及び幅LBを設定することの両方の対策を行っていたが、何れか一方の対策のみを行ってもよい。この場合も冷媒音の発生を低減することができる。
また、電子膨張弁5の構成は、実施の形態1に限定されるものではない。図9は、変形例に係る電子膨張弁5の筐体51を拡大した図である。図9に示すように、弁体52Aの先端部521Aを曲面(円弧形状)としてもよい。これにより、弁体52Aの先端部521Aが第2空間S2に確実に入り込むとともに、先端部521Aにおける冷媒の乱流の発生を抑制することができる。その結果、冷媒音の発生をさらに低減することができる。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
内部に第1空間が形成された筐体と、
前記第1空間内に配置される弁体と、
前記弁体を駆動するモータと、
前記筐体に接続された第1配管及び第2配管と、を備え、
前記筐体は、前記弁体の弁座として機能し、前記第1空間と前記第1配管とを連通する第1開口を有し、
前記第1開口の内側周縁部及び外側周縁部は面取りされている電子膨張弁。
(付記2)
前記筐体は、前記第2配管と前記第1空間とを連通する第2開口を有し、
前記第2開口の内側周縁部は面取りされている付記1に記載の電子膨張弁。
(付記3)
前記第1空間の全ての角部は面取りされている付記1又は2に記載の電子膨張弁。
(付記4)
前記第1開口によって形成される第2空間の高さは3mm以下であり、幅は8mm以下である付記1~3の何れか一つに記載の電子膨張弁。
(付記5)
前記弁体の先端部は曲面で形成されている付記1~4の何れか一つに記載の電子膨張弁。
(付記6)
圧縮機と、
室外熱交換器と、
付記1~5の何れか一つに記載の電子膨張弁と、
室内熱交換器と、を備える冷凍サイクル装置。
1 圧縮機、2 流路切替弁、3 室外熱交換器、4 室外ファン、5 電子膨張弁、6 室内熱交換器、7 室内ファン、10 室外機、11 内側周縁部、12 外側周縁部、13 内側周縁部、14a、14b、14c、14d 角部、20 室内機、30 制御装置、50a 第1開口、50b 第2開口、51 筐体、52、52A 弁体、53 モータ、54 第1配管、55 第2配管、60 電子膨張弁、60a 第1開口、60b 第2開口、61 筐体、62 弁体、63 モータ、64 第1配管、65 第2配管、100 冷凍サイクル装置、521、521A、621 先端部、S1 第1空間、S2 第2空間。

Claims (6)

  1. 内部に第1空間が形成された筐体と、
    前記第1空間内に配置される弁体と、
    前記弁体を駆動するモータと、
    前記筐体に接続された第1配管及び第2配管と、を備え、
    前記筐体は、前記弁体の弁座として機能し、前記第1空間と前記第1配管とを連通する第1開口を有し、
    前記第1開口の内側周縁部及び外側周縁部は面取りされている電子膨張弁。
  2. 前記筐体は、前記第2配管と前記第1空間とを連通する第2開口を有し、
    前記第2開口の内側周縁部は面取りされている請求項1に記載の電子膨張弁。
  3. 前記第1空間の全ての角部は面取りされている請求項1又は2に記載の電子膨張弁。
  4. 前記第1開口によって形成される第2空間の高さは3mm以下であり、幅は8mm以下である請求項1又は2に記載の電子膨張弁。
  5. 前記弁体の先端部は曲面で形成されている請求項1又は2に記載の電子膨張弁。
  6. 圧縮機と、
    室外熱交換器と、
    請求項1又は2に記載の電子膨張弁と、
    室内熱交換器と、を備える冷凍サイクル装置。
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