JP2024062497A - 超音波検査装置および超音波検査方法 - Google Patents

超音波検査装置および超音波検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接部の品質保証のための超音波検査の測定精度と測定速度を向上させることができる超音波検査技術を提供する。【解決手段】超音波検査装置1は、少なくとも2個の母材3が溶接で互いに接合され、溶接が施された接合施工部4を有する測定対象2に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光Ltを発振する送信用光源10と、測定対象2に照射して超音波で計測を行うための受信用レーザ光Lrを発振する受信用光源11と、受信用レーザ光Lrを測定対象2に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する干渉計測部12と、超音波信号に基づいて、接合施工部4の少なくとも大きさを評価する評価部29と、を備え、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、母材3と接合施工部4の境界5を含むように拡張されている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超音波検査技術に関する。
レーザ光を用いた超音波計測法、いわゆるレーザ超音波法は、非接触・非破壊で超音波検査ができることから、狭隘部または高温部などの検査に有用である。他方、レーザ溶接またはスポット溶接といった局所的な接合技術は、製造技術の中でも重要な役割を担っている。しかし、その品質保証、特に、接合部の健全性を正確にかつ工程に影響を与えずに高速度で計測する技術が求められている。レーザ超音波法は、非接触検査という特徴から、高速な接合部計測に効果を発揮すると考えられる。
自動車業界では、接合技術が幅広く活用されており、その品質保証に関する技術も種々報告されている。例えば、非接触計測が可能な空中超音波を用いたスポット溶接部測定が行われている。この空中超音波は、レーザ超音波と同様に、非接触計測が可能であり、対象表面に光を照射する必要もないため、高速かつ安定した計測結果が期待される。しかし、周波数が上がるほど空中での減衰率が高いため、高い周波数が使えない。このため、溶接量がΦ数mmになるような小さな対象の測定には使用できないなどの問題がある。
このレーザ超音波法を利用した同様の計測手法として、超音波を送信するためのレーザ光と受信するためのレーザ光を、溶接部を挟んで対向配置して超音波を送受信する技術が知られている。例えば、受信用レーザ光の照射位置を溶接部縁部分に固定し、溶接部上を横断するように送信用レーザ光で走査を行い、それぞれの送信位置で得られる超音波の変化傾向をみることで、溶接幅を測定する。このレーザ超音波では、前述の空気超音波に起因する問題は発生しないが、受信用レーザ光の照射位置が溶接部縁部分に限定されており、溶接部が毎回微小に変化する対象においては、安定した測定が難しい。また、安定した計測のために高精度な計測および位置合わせのための機構が必要となる。さらに、送信用レーザ光を走査するために1つの溶接部の測定に時間を要するなどの問題がある。
特開2012-112851号公報 特開2012-21918号公報
C. B. Scruby and L. E. Drain, Laser Ultrasonic: Techniques and Applications (Adam Hilger, Bristol, 1990).
本発明が解決しようとする課題は、溶接部の品質保証のための超音波検査の測定精度と測定速度を向上させることができる超音波検査技術を提供することである。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置は、少なくとも2個の母材が溶接で互いに接合され、前記溶接が施された接合施工部を有する測定対象に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光を発振する送信用光源と、前記測定対象に照射して前記超音波で計測を行うための受信用レーザ光を発振する受信用光源と、前記受信用レーザ光を前記測定対象に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する干渉計測部と、前記超音波信号に基づいて、前記接合施工部の少なくとも大きさを評価する評価部と、を備え、前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、前記母材と前記接合施工部の境界を含むように拡張されている。
本発明の実施形態により、溶接部の品質保証のための超音波検査の測定精度と測定速度を向上させることができる超音波検査技術が提供される。
第1実施形態の超音波検査装置を示す構成図。 制御用コンピュータを示すブロック図。 入射超音波と透過超音波が伝達される態様を示す断面図。 反射超音波が伝達される態様を示す断面図。 超音波検査処理を示すフローチャート。 変形例1のレーザ光の照射態様を示す斜視図。 変形例2のレーザ光の照射態様を示す断面図。 変形例3のレーザ光の照射態様を示す断面図。 第2実施形態の超音波検査装置を示す構成図。 第3実施形態の超音波検査装置を示す構成図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、超音波検査装置および超音波検査方法の実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1から図5を用いて説明する。
図1の符号1は、第1実施形態の超音波検査装置である。この超音波検査装置1は、レーザ超音波法を用いて溶接部の検査を行うものである。検査の対象となる溶接の一例として、スポット溶接を挙げる。なお、この超音波検査装置1は、スポット溶接のみならず、ガス溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、摩擦攪拌溶接などのその他の溶接の検査にも用いることができる。
超音波検査の測定対象2としては、2枚の板状を成す母材3がスポット溶接で互いに接合され、この溶接が施された接合施工部4を有する金属材料を例示する。接合施工部4は、母材3が溶接されるときに、母材3の一部が一度溶融され、溶接後に再び硬化した部分のことである。この接合施工部4は、母材3の一部であるが、以下の説明では理解を助けるために、母材3の一度溶融された部分を接合施工部4と称し、母材3の溶融されていない部分と区別して説明する。なお、この接合施工部4(溶融された部分)と母材3(溶融されていない部分)の接する部分を境界5と呼ぶこととする。
また、それぞれの母材3の表面には、スポット溶接により生じた凹みである打痕6が形成されている。
超音波検査装置1は、送信用光源10と受信用光源11と干渉計測部12と送信入射部13と受信入射部14と送信出射部15と受信出射部16と送信伝送部17と受信伝送部18と戻り光伝送部19と制御用コンピュータ20とを備える。
送信用光源10は、測定対象2に照射して超音波Uiを発生させるための送信用レーザ光Ltを発振する機器である。
受信用光源11は、測定対象2に照射して超音波Ur(図4)で計測を行うための受信用レーザ光Lrを発振する機器である。
送信用光源10および受信用光源11で用いるレーザの種類は、例えば、Nd:YAGレーザ、CO2レーザ、Er:YAGレーザ、チタンサファイアレーザ、アレキサンドライトレーザ、ルビーレーザ、色素(ダイ)レーザ、エキシマレーザなどが挙げられる。もちろん、これ以外のレーザも考えられる。
また、送信用光源10および受信用光源11で用いるレーザは、連続波またはパルス波のいずれかである。送信用光源10および受信用光源11のそれぞれを1台のみならず、2台以上で構成することもできる。例えば、送信用光源10および受信用光源11のそれぞれを複数台で構成する場合には、超音波Ui,Urを計測するために必要な他の機能も、必要に応じて、複数になる。
干渉計測部12は、受信用レーザ光Lrを測定対象2に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する機器である。
干渉計測部12としては、例えば、マイケルソン干渉計、ホモダイン干渉計、ヘテロダイン干渉計、フィゾー干渉計、マッハツェンダー干渉計、ファブリー=ペロー干渉計、フォトリフラクティブ干渉計などが挙げられる。もちろん、これ以外のレーザ干渉計も考えられる。また、干渉計測以外の方法として、ナイフエッジ法も考えられる。いずれの干渉計も2台以上の複数台で使用する場合がある。
送信用光源10から出射された送信用レーザ光Ltは、送信入射部13に入射され、送信伝送部17により送信出射部15まで伝送される。送信用レーザ光Ltは、この送信出射部15から出射され、測定対象2に照射される。
受信用光源11から出射された受信用レーザ光Lrは、受信入射部14に入射され、受信伝送部18により受信出射部16まで伝送される。受信用レーザ光Lrは、この受信出射部16から出射され、測定対象2に照射される。
また、測定対象2から反射する戻り光は、受信出射部16で受光され、戻り光伝送部19により干渉計測部12まで伝送される。
送信伝送部17と受信伝送部18と戻り光伝送部19は、光ファイバ、レンズ、ミラー、プリズムなどの光を伝送する所定の光学機器で構成されている。
なお、送信入射部13と送信出射部15には、必要に応じて、レーザ光Lt,Lrのビームプロファイルを均一化することができる均一化部(図示略)が搭載されてもよい。さらに、送信入射部13と送信出射部15には、レーザ光Lt,Lrのスポット径Dt,Dr(図3)を制御するスポット径調整部(図示略)が搭載されてもよい。
なお、均一化部(図示略)とスポット径調整部(図示略)は、光ファイバ、レンズ、ミラー、プリズムなどの光を伝送する所定の光学機器で構成されている。なお、スポット径調整部は、これらに加えて、レンズ間、または、測定対象2と光学系の距離を変化させるマイクロステージなどの微調整機構を組み合わせているものでもよい。
また、スポット径調整部で調整されるレーザ光Lt,Lrのスポット径Dt,Dr(図3)は、円形、楕円形状、四角形のいずれでもよい。シリンドリカルレンズ、非球面レンズなどの所定のスポット形状を得るための光学機器が、対物レンズとして使用されてもよい。
このスポット径調整部が、レーザ光Lt,Lrを拡大するための拡大用光学機器となっている。このようにすれば、レーザ光Lt,Lrを走査することなく、レンズまたはミラーなどの拡大用光学機器で、レーザ光Lt,Lrを拡大してその照射領域を拡張することができる。この拡大用光学機器は、レーザ光Lt,Lrの少なくともスポット径Dt,Dr(図3)を調整する機構である。なお、拡大用光学機器は、平面視で、レーザ光Lt,Lrの照射領域の形状を変える機構でもよい。
また、均一化部は、マルチモードファイバを通すことで、レーザ光Lt,Lrのプロファイルが結果的に均一になることが期待できる。また、必要に応じて、ホモジナイザが用いられてもよい。さらに、均一化部は、非球面レンズ、アレイレンズなどで構成してもよい。
制御用コンピュータ20は、送信用光源10と受信用光源11と干渉計測部12と送信入射部13と受信入射部14と送信出射部15と受信出射部16とに接続されている。制御用コンピュータ20は、これらの機器を制御する。
次に、制御用コンピュータ20のシステム構成を図2に示すブロック図を参照して説明する。なお、図2に示す制御用コンピュータ20の構成は一例であり、各々の機能を別個の機器に分割してもよいし、統合してもよい。超音波検査装置1の操作は、基本的に制御用コンピュータ20を用いて行うが、超音波検査装置1の各々の機器に個別に操作部を設けるようにし、個別に操作してもよい。
制御用コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の超音波検査方法は、各種プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
なお、制御用コンピュータ20の各構成は、必ずしも1つのコンピュータに設ける必要はない。例えば、1つの制御用コンピュータ20の構成が、ネットワークで互いに接続された複数のコンピュータで実現されてもよい。
制御用コンピュータ20は、入力部21と出力部22と通信部23と記憶部24と機器接続部25と処理回路26とを備える。
入力部21は、所定の情報の入力を行う。この入力部21には、制御用コンピュータ20を使用するユーザの操作に応じて所定の情報が入力される。この入力部21には、マウスまたはキーボードなどの入力装置が含まれる。つまり、これら入力装置の操作に応じて所定の情報が入力部21に入力される。
出力部22は、所定の情報の出力を行う。例えば、出力部22は、ディスプレイである。つまり、制御用コンピュータ20には、解析結果および評価結果の出力を行うディスプレイなどの画像の表示を行う装置が含まれる。なお、ディスプレイはコンピュータ本体と別体でもよいし、一体でもよい。
なお、本実施形態では、画像の表示を行う装置としてディスプレイが例示されているが、その他の態様でもよい。例えば、紙媒体に情報を印字するプリンタがディスプレイの替りとして用いられてもよい。
通信部23は、インターネットなどの通信回線を介して他のコンピュータと通信を行う。なお、本実施形態では、制御用コンピュータ20と他のコンピュータがインターネットを介して互いに接続されているが、その他の態様でもよい。例えば、制御用コンピュータ20と他のコンピュータがLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)または携帯通信網を介して互いに接続されてもよい。
記憶部24は、超音波検査を行うときに必要な各種情報を記憶する。例えば、記憶部24は、超音波検査時に処理回路26が実行する各種プログラム、判定に必要な閾値、超音波検査で得られた評価結果などを記憶する。
機器接続部25は、超音波検査装置1が備える各種機器が接続される。例えば、この機器接続部25には、送信用光源10と受信用光源11と干渉計測部12と送信入射部13と受信入射部14と送信出射部15と受信出射部16とが接続される。制御用コンピュータ20は、機器接続部25を介して各種機器の制御および情報の送受信を行う。つまり、制御用コンピュータ20は、超音波検査装置1の全体を制御する。なお、この機器接続部25と各種機器との接続は、有線接続でもよいし、無線接続でもよい。
本実施形態の処理回路26は、例えば、CPU、専用または汎用のプロセッサを備える回路である。このプロセッサは、記憶部24に記憶した各種のプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。また、処理回路26は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアで構成してもよい。これらのハードウェアによっても各種の機能を実現することができる。また、処理回路26は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組み合わせて、各種の機能を実現することもできる。
また、処理回路26は、照射領域制御部27と解析部28と評価部29と警告制御部30とを含む。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。
照射領域制御部27は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、平面視で、母材3と接合施工部4の境界5を含むように拡張する制御を行う。
解析部28は、干渉計測部12で得られた超音波信号から超音波Urの強度および周波数を解析する。なお、この解析部28の解析結果の一部または全部が出力部22で出力されてもよい。
この解析部28は、干渉計測部12で得られた超音波信号、戻り光の強度、測定対象2とレーザ光Lt,Lrの照射位置との位置関係などの記録機能を有する。さらに、解析部28は、超音波信号の強度抽出、周波数解析、フィルタリング、加算平均などの信号処理機能を有する。
評価部29は、解析部28の解析結果から接合施工部4の形状および大きさを評価する。なお、この評価部29の評価結果の一部または全部が出力部22で出力されてもよい。
評価部29は、解析部28で得られた解析結果から、所定の基準に達したものを合格、達しないものを不合格として出力する機能を有する。なお、所定の基準は、超音波信号の強度をベースとし、その強度は、生信号だけでなく、フィルタリング、周波数解析といった信号処理で加工されたものも含まれる。
警告制御部30は、解析部28の解析結果または評価部29の評価結果に基づいて、接合施工部4に異常があると判定された場合に、所定の警告を出力部22で出力する制御を行う。
出力部22は、解析部28および評価部29で処理された結果の一部または全部を表示する機能を有する。この出力部22を構成するものは、一般的なPC用のディスプレイ、テレビの画面などでもよいが、必要に応じて、タッチパネルなどの入力機能を有するものでもよい。さらに、これらを複数台、または何種類かを組み合わせて出力部22が構成されてもよい。また、必要に応じて、警告が可能であるアラーム機構を付加してもよい。この警告は、ディスプレイに画像として表示されるものでも良いし、ランプによる発光でも良いし、スピーカによる警告音の出力でもよい。例えば、出力部22は、パトライト(登録商標)、サイレンなどのいずれか、または、これらを組み合わせたものでもよい。
図3に示すように、第1実施形態では、送信用レーザ光Ltの照射領域であるスポット径Dtと、受信用レーザ光Lrの照射領域であるスポット径Drの両方が、平面視で、母材3と接合施工部4との境界5を含むように拡張されている。すなわち、溶接により測定対象2の表面に生じた凹凸を成す部分(施工表面部)のサイズCf以上になるように、スポット径Dt,Drが拡張される。
ここで、スポット溶接の場合、凹凸を成す部分のサイズCfは、スポット溶接時の打痕6(打点)の径である。突き合わせ溶接または裏波溶接の場合、凹凸を成す部分のサイズCfは、ビードの幅である。
ここで、接合施工部4の径、幅などのサイズCwは、打痕6のサイズCfよりも小さい場合が殆どである。このため、打痕6のサイズCf以上になるように、スポット径Dt,Drが拡張されていれば、母材3と接合施工部4との境界5が、スポット径Dt,Drの範囲に含まれるようになる。
なお、送信用レーザ光Ltのスポット径Dtと受信用レーザ光Lrのスポット径Drのいずれか一方が、凹凸を成す部分のサイズCfよりも小さくてもよい。
また、送信用レーザ光Ltのスポット径Dtと受信用レーザ光Lrのスポット径Drのいずれか一方が拡張されるものでもよい。
送信出射部15から出射した送信用レーザ光Ltは、測定対象2の表面に照射される。ここで、熱ひずみ、または、表層がアブレーションされることで生じる反力により、入射超音波Uiが発生する。このとき、送信用レーザ光Ltのスポット径Dtは、送信入射部13または送信出射部15に搭載されたスポット径調整部(図示略)により、φ0.1mm程度から打痕6のサイズCf以上までの範囲で調整される。
このスポット径調整部は、レンズ、ミラーなどのいくつかの光学機器から成る。これら部品の間の距離、測定対象2との距離を変化させることで、スポット径Dtが調整可能となる。また、シリンドリカルレンズ、非球面レンズを組み合わせることで、円形以外のスポットが形成できるため、必要に応じて、発生する入射超音波Uiに任意の指向性を持たせることもできる。
なお、送信入射部13または送信出射部15に均一化部(図示略)が搭載されている場合には、送信用レーザ光Ltのスポット径Dt全体でのエネルギー分布が均一となり、安定した入射超音波Uiの送信が可能となる。
ここで、入射超音波Uiは、縦波、横波、表面波などの様々なモードが励起されるが、いずれのモードの波も入射超音波Uiと総称する。この入射超音波Uiは、送信用レーザ光Ltが照射された一方の母材3の中を伝播し、接合施工部4に到達する。ここで、母材3同士が接合されている部分を通って、送信用レーザ光Ltが照射されていない他方の母材3に超音波が透過していく。この透過していく超音波を透過超音波Utとする。この透過超音波Utも、様々なモードが想定されるが、いずれのモードの波も透過超音波Utと総称する。
図4に示すように、透過超音波Utは、接合施工部4を通過し、他方の母材3の端から超音波の反射が発生する。発生した反射波を反射超音波Urとする。この反射超音波Urも、様々なモードが想定されるが、いずれのモードの波も反射超音波Urと総称する。
入射超音波Ui、透過超音波Ut、反射超音波Urは、伝播してきた経路を逆にたどり、最終的には、最初に送信用レーザ光Ltが照射された一方の母材3の表面に到達する。ここで、透過超音波Utおよび反射超音波Urのエネルギー総量は、透過した接合施工部4の面積である実接合面積Ja(図示略)に依存して変化する。すなわち、透過超音波Utおよび反射超音波Urは、実接合面積Jaが大きければ十分な強度となるが、小さければ強度が低下する。また、それぞれ透過する周波数成分も変化することが想定される。よって、透過超音波Utまたは反射超音波Urを測定し、その強度を解析することで実接合面積Jaが推定できる。さらに、接合施工部4の形状を推定することができる。
透過超音波Utおよび反射超音波Urの測定には、受信用光源11と干渉計測部12とが用いられる(図1)。例えば、受信出射部16から出射した受信用レーザ光Lrは、測定対象2の表面に照射される。このとき、受信用レーザ光Lrのスポット径Drは、受信入射部14または受信出射部16に搭載されたスポット径調整部(図示略)により、φ0.1mm程度から打痕6のサイズCf以上までの範囲で調整される。
このスポット径調整部は、レンズ、ミラーなどのいくつかの光学機器から成る。これら部品の間の距離、測定対象2との距離を変化させることで、スポット径Drが調整可能となる。
照射された受信用レーザ光Lrは、測定対象2の表面で反射される。ここで、測定対象2の表面が、入射超音波Ui、透過超音波Ut、反射超音波Urの影響で振動していると、振幅変調、位相変調、反射角度の変化などの影響を受けた超音波信号の成分を含む戻り光となる。この戻り光は、再び受信出射部16で集光され、戻り光伝送部19を通り、干渉計測部12に伝送される。
戻り光は、干渉計測部12で干渉計測され、超音波Urの波形に応じて、振幅が変化している電圧信号が得られる。この電圧信号は、制御用コンピュータ20の解析部28で超音波信号として記録される。また、解析部28は、得られた超音波信号に、平均化処理、移動平均、フィルタリング、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)、ウェーブレット変換、その他の種類の信号処理を行うことも可能である。
制御用コンピュータ20の評価部29は、実接合面積Ja(図示略)について、超音波信号の信号強度の評価を行う。ここで、評価部29は、この信号強度が予め定められた基準強度を満たすか否かを判定し、その接合施工部4が健全であるか否か評価する。
制御用コンピュータ20の警告制御部30は、画面への表示、警告音の出力、発光などの態様により、予め定められた基準を満たさない評価結果が得られたことをユーザに知らせる機能を持つ。
なお、制御用コンピュータ20は、第1実施形態で述べたシステム構成の全部または一部を制御する機能を持つ。なお、制御用コンピュータ20は、LANなどを介して遠隔地から、各種機器を制御することが可能である。その際、出力部22で出力される内容、例えば、警告の出力などは、遠隔地でユーザが参照することができる。
次に、制御用コンピュータ20が実行する超音波検査処理について図5のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。以下のステップは、超音波検査処理に含まれる少なくとも一部であり、他のステップが超音波検査処理に含まれていてもよい。
まず、ステップS1において、制御用コンピュータ20(図1)は、送信用光源10を制御し、送信用レーザ光Ltの発振を開始する。ここで、照射領域制御部27(図2)は、スポット径調整部(図示略)を制御し、送信用レーザ光Ltのスポット径Dt(照射領域)を、平面視で、母材3と接合施工部4の境界5が含まれように拡張する(図3)。
次のステップS2において、制御用コンピュータ20(図1)は、受信用光源11を制御し、受信用レーザ光Lrの発振を開始する。ここで、照射領域制御部27(図2)は、スポット径調整部(図示略)を制御し、受信用レーザ光Lrのスポット径Dr(照射領域)を、平面視で、母材3と接合施工部4の境界5が含まれように拡張する(図3)。
なお、照射領域制御部27は、接合施工部4が有ると予測(推定)される領域(範囲)よりも、送信用レーザ光Ltおよび受信用レーザ光Lrの照射領域が大きくなるように拡張する。なお、接合施工部4が有る領域の全てが照射領域に含まれていなくてもよく、接合施工部4が有る領域の少なくとも一部が照射領域に含まれ、その照射領域に境界5が含まれていればよい。
次のステップS3において、制御用コンピュータ20(図1)は、干渉計測部12を制御し、戻り光の受信を開始する。
次のステップS4において、干渉計測部12(図1)は、受信用レーザ光Lrを測定対象2に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する。抽出された超音波信号は、制御用コンピュータ20に送られる。
次のステップS5において、制御用コンピュータ20の解析部28(図2)は、干渉計測部12で得られた超音波信号から超音波Urの強度および周波数を解析する。
次のステップS6において、制御用コンピュータ20の評価部29(図2)は、解析部28の解析結果から接合施工部4の形状および大きさを評価する。
次のステップS7において、制御用コンピュータ20の出力部22(図2)は、解析部28の解析結果または評価部29の評価結果の少なくとも一方を出力する。例えば、ディスプレイが、これらの結果を表示する。
なお、解析部28および評価部29にそれぞれの結果の一部または全部が、ディスプレイで表示されるが、これらの表示の有無を適宜切り替えてもよい。また、評価に用いる強度条件、照射しているレーザ光Lt,Lrの出力およびスポット径Dt,Dr(図3)などの情報もディスプレイに表示可能である。
次のステップS8において、制御用コンピュータ20の警告制御部30(図2)は、解析部28の解析結果または評価部29の評価結果に基づいて、接合施工部4に異常があるか否かを判定する。ここで、接合施工部4に異常がない場合(ステップS8でNOの場合)は、制御用コンピュータ20は、超音波検査処理を終了する。一方、接合施工部4に異常がある場合(ステップS8でYESの場合)は、ステップS9に進む。
ステップS9において、警告制御部30は、所定の警告を出力部22で出力する制御を行う。そして、制御用コンピュータ20は、超音波検査処理を終了する。
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わってもよい。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよい。
第1実施形態では、レーザ光Lt,Lrの照射領域を拡大することで、測定精度と速度を両立させて溶接の品質を保証することができる。
次に、変形例1について図6を用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照し、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
変形例1では、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrの一方の照射領域が、拡張されていない点状を成す照射スポットPであり、超音波検査装置1は、この照射スポットPを移動させるための走査部40を備える。
例えば、図6に示すように、走査部40が受信出射部16に設けられている。受信用レーザ光Lrが受信出射部16から出射され、測定対象2に照射された部分が照射スポットPである。照射スポットPの照射位置が走査部40により移動される。この変形例1では、接合施工部4が有る範囲に、照射スポットPが照射される。
より詳しく説明すると、送信用レーザ光Ltのスポット径Dtが、打痕6のサイズCfの径以上になるように、送信用レーザ光Ltが測定対象2に照射される。ここで、受信用レーザ光Lrは、φ0.1mm程度の照射スポットPとして、測定対象2に照射される。そして、走査部40により、受信用レーザ光Lrの照射スポットPが、2次元格子状に順次照射される。
走査部40は、ガルバノスキャナのような光学ミラーを機械的に角度調整する方法で、照射スポットPを走査することを想定している。また、走査部40は、駆動ステージを組み合わせたものでもよい。
なお、受信用レーザ光Lrを拡張して照射し、送信用レーザ光Ltを点状(照射スポットP)にして、走査部40により走査することも可能である。
また、変形例1の場合、受信用レーザ光Lrのそれぞれの照射スポットPで得られる超音波信号から、接合施工部4の径、幅などのサイズCw(図3)を求めることができる。さらに、このサイズCwに対して、予め、合格となる基準強度を定めておき、合否判定を行うことも可能である。また、これらの合否結果は、履歴として表示、記録、呼び出しが可能である。
変形例1では、走査部40により照射スポットPを移動させながら、測定対象2の様々な部分にレーザ光Lt,Lrが照射されるため、接合施工部4の形状などの情報の取得が可能になる。
次に、変形例2について図7を用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照し、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
変形例2では、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが、接合施工部4を挟んで対向する位置に照射される。
図7に示すように、送信出射部15と受信出射部16とが、測定対象2を挟んで対向する位置に設けられる。そして、送信出射部15から送信用レーザ光Ltが、測定対象2の一方の面に照射される。さらに、受信出射部16から受信用レーザ光Lrが、測定対象2の他方の面に照射される。これにより、透過超音波Utのみを測定することができる。
変形例2では、接合施工部4を通過した透過超音波Utのみにより、接合施工部4の大きさを評価できるため、測定精度と測定速度を向上させることができる。
次に、変形例3について図8を用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照し、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
前述の実施形態では、スポット溶接の場合を例示したが、超音波検査装置1が検査対象とするものは、スポット溶接以外の他の態様で溶接された接合施工部4でもよい。
例えば、図8に示すように、測定対象2Aとして、2つの母材3Aの端部同士が裏波溶接されている場合がある。この裏波溶接は、例えば、配管の外側から内側に向けて溶接施工を行い、母材3Aの内側にも溶接ビードである接合施工部4が突出する施工である。しかし、母材3Aの裏側に出る溶接ビードは、配管の内部にあるため、その形状を把握することが難しい。ここで、本実施形態の超音波検査装置1であれば、超音波Ui,Utを用いて母材3Aの裏側の溶接ビードの形状を把握することができるため、裏波溶接の施工の品質を担保するのに有用である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図9を用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照し、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2実施形態の超音波検査装置1Aは、前述の第1実施形態の構成に加えて、表面読取部50を備える。この表面読取部50は、制御用コンピュータ20に接続されている。
表面読取部50は、測定対象2に送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrを照射する前に、溶接により測定対象2の表面に生じた凹凸を成す部分の範囲を読み取る機器である。
また、第2実施形態の制御用コンピュータ20の照射領域制御部27(図2)は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrの少なくとも一方のスポット径Dt,Dr(図3)を、表面読取部50で読み取られた範囲よりも大きくする制御を行う。このようにすれば、測定対象2の表面に生じた凹凸を成す部分(例えば、打痕6)を、接合施工部4の範囲を推定する基準とすることができる。そして、この基準に基づいて、接合施工部4と母材3の境界5を含むように、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrのスポット径Dt,Drを拡大することができる。
ここで、表面読取部50は、カメラ、ステレオカメラ、パタン型レーザなどの機器で構成される。なお、これら機器を複数台または組み合せて表面読取部50が構成されてもよい。このとき、送信用レーザ光Ltまたは受信用レーザ光Lrが、迷光として入り込まないように、シャッタなどが表面読取部50に設けられてもよい。
表面読取部50より測定対象2の表面を読み取るステップは、基本的に、前述のフローチャート(図5)のステップS1の前に設けるようにするが、場合によっては、ステップS1の後ろ、または、ステップS1と同時に実行するものでもよい。
表面読取部50により、測定対象2の表面に生じた凹凸を成す部分のサイズCfが推定される。その推定方法は、表面読取部50で得られたカメラの画像から、パタン抽出による閾値処理をするものでもよいし、ステレオカメラとレーザパタンと組み合わせた3次元形状計測などでもよい。
表面読取部50で得られた測定対象2の表面の読取結果は、制御用コンピュータ20の評価部29(図2)に送られる。この読取結果により、凹凸を成す部分のサイズCfが、製造上規定の範囲であれば1次合格とし、それより大きい場合、または、小さい場合は、1次不合格とし、その判定結果をディスプレイ(出力部22)などに表示する。また、凹凸を成す部分のサイズCfだけでなく、表面の凹凸の度合いまで測定できる場合は、その値もディスプレイに表示してもよいし、基準となる表面粗さを設けている場合には、その基準が合否判定に用いられてもよい。
第2実施形態では、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrを照射するときに、測定対象2の表面の状態に応じた照射を行うことができる。また、接合施工部4が有る範囲を予測できるようになり、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方を、母材3と接合施工部4の境界5を含むように拡張することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図10を用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照し、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第3実施形態の超音波検査装置1Bは、前述の第1実施形態の構成に加えて、表面改質部60と酸化抑制部61とを備える。これら表面改質部60と酸化抑制部61は、制御用コンピュータ20に接続されている。なお、超音波検査装置1Bは、表面改質部60と酸化抑制部61のいずれか一方を備える構成でもよい。
表面改質部60は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射される測定対象2の表面を均質化する機器である。
例えば、表面改質部60は、測定対象2の表面を研削するためのグラインダ、ワイヤブラシなどの切削機構の場合がある。また、表面改質部60は、所定の媒体62を用いて非接触で測定対象2の表面を加工できるレーザ、サンドブラスト、ドライアイスブラストといったショットブラスト系の加工機構の場合ある。また、表面改質部60は、測定対象2の表面に、耐高温用のインク、塗装、または、薄膜金属などを塗布する機構の場合がある。
ここで、測定対象2の表面に塗布する材料は、他の研削装置の研削に耐えられ、かつ高温に耐えられ、送信用レーザ光Ltによりアブレーションする材料、または、受信用レーザ光Lrの波長に対して反射率の高い塗布材でもよい。なお、この塗布材は、表面改質部60で塗布されるだけでなく、検査前または検査中に検査員または溶接作業員が塗布するものでもよい。
表面改質部60による測定対象2の表面の改質は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrの照射領域の少なくとも一方で行われればよい。ここで、測定対象2の表面の改質は、超音波送受信の前段階で行う必要がある。
酸化抑制部61は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方を不活性ガス63の雰囲気で覆い、測定対象2の表面の酸化を抑制する機器である。
例えば、酸化抑制部61は、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrを照射する面に、不活性ガス63を吹き付ける機構である。この吹き付けた不活性ガス63を効率的に充填するために、簡易的なチャンバ内に測定対象2が設けられてもよい。
ここで、使用する不活性ガス63は、一般的に使われるヘリウム、ネオン、アルゴンといった希ガス類、または、窒素などでよく、その他の化学的に安定なガスであればいずれでもよい。
なお、図10では、測定対象2の一方に照射する形態を例示しているが、表面改質部60および酸化抑制部61が測定対象2を挟み込む両面にも配置されてもよい。このようにすれば、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrとが、それぞれ測定対象2の表裏面の双方に照射される態様にも対応できるようになる。
第3実施形態では、表面改質部60が設けられていることで、測定対象2の表面が個体差によらず一定になる。このため、測定対象2の表面の超音波Uiの励起および戻り光の反射が一定の条件で行われるようになり、超音波Uiの送受信効率を向上させることができる。
また、超音波Ui,Urの送信側、受信側ともに表面の粗さ、色によって、超音波Ui,Urの送受信効率が異なることが分かっている。第3実施形態では、表面改質部60が設けられていることで、測定対象2の表面の色または荒れ具合を一定に保つことで、超音波Ui,Urの送受信効率に影響する、測定対象2の個体差を無くすことができる。これにより、測定対象2の個体差によらない安定した計測が可能となる。
また、酸化抑制部61が設けられていることで、測定対象2の表面の酸化を抑制し、この表面変色または変形を防止することができ、安定して測定を行うことができる。
また、レーザ光Lt,Lrが照射される面に不活性ガス63が吹き付けられることで、レーザ光Lt,Lrによる加熱で測定対象2の表面が一瞬高温になったときに、空気中の酸素で酸化されて変色したり変形したりすることを防止することができる。
超音波検査装置1,1A,1Bおよび超音波検査方法が第1実施形態(変形例1~3)から第3実施形態に基づいて説明されているが、いずれかの実施形態において適用された構成が他の実施形態に適用されてもよいし、各実施形態において適用された構成が組み合わされてもよい。
前述の制御用コンピュータ20は、FPGA、GPU(Graphics Processing Unit)、CPUおよび専用のチップなどのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROMおよびRAMなどの記憶装置と、HDDおよびSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスおよびキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。この制御用コンピュータ20は、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
なお、この制御用コンピュータ20で実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。追加的または代替的に、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記憶されて提供される。
また、この制御用コンピュータ20で実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータに格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、この制御用コンピュータ20は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用回線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、送信用レーザ光Ltと受信用レーザ光Lrが照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、母材3と接合施工部4の境界5を含むように拡張されていることにより、溶接部の品質保証のための超音波検査の測定精度と測定速度を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1A,1B…超音波検査装置、2,2A…測定対象、3,3A…母材、4…接合施工部、5…境界、6…打痕、10…送信用光源、11…受信用光源、12…干渉計測部、13…送信入射部、14…受信入射部、15…送信出射部、16…受信出射部、17…送信伝送部、18…受信伝送部、19…戻り光伝送部、20…制御用コンピュータ、21…入力部、22…出力部、23…通信部、24…記憶部、25…機器接続部、26…処理回路、27…照射領域制御部、28…解析部、29…評価部、30…警告制御部、40…走査部、50…表面読取部、60…表面改質部、61…酸化抑制部、62…媒体、63…不活性ガス。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置は、少なくとも2個の母材が溶接で互いに接合され、前記溶接が施された接合施工部を有する測定対象に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光を発振する送信用光源と、前記測定対象に照射して前記超音波で計測を行うための受信用レーザ光を発振する受信用光源と、前記受信用レーザ光を前記測定対象に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する干渉計測部と、前記超音波信号に基づいて、前記接合施工部の形状および大きさを評価する評価部と、を備え、前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、前記母材と前記接合施工部の境界を含むように拡張されており前記評価部は、前記受信用光源と前記干渉計測部とを用いて透過超音波および反射超音波を測定し、その強度を解析することで、前記接合施工部の大きさである実接合面積を推定し、前記接合施工部の形状を推定し、前記接合施工部が健全であるか否かを評価する
制御用コンピュータ20の評価部29は、実接合面積Ja(図示略)について、超音波信号の信号強度の評価を行う。ここで、評価部29は、この信号強度が予め定められた基準強度を満たすか否かを判定し、その接合施工部4が健全であるか否か評価する。
本発明の実施形態に係る超音波検査装置は、少なくとも2個の母材が溶接で互いに接合され、前記溶接が施された接合施工部を有する測定対象に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光を発振する送信用光源と、前記測定対象に照射して前記超音波で計測を行うための受信用レーザ光を発振する受信用光源と、前記受信用レーザ光を前記測定対象に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する干渉計測部と、前記超音波信号に基づいて、前記接合施工部の形状および大きさを評価する評価部と、を備え、前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、前記母材と前記接合施工部の境界を含むように拡張されており、前記評価部は、前記受信用光源と前記干渉計測部とを用いて透過超音波または反射超音波を測定し、その強度を解析することで、前記接合施工部の大きさである実接合面積を推定し、前記接合施工部の形状を推定し、前記接合施工部が健全であるか否かを評価する。

Claims (9)

  1. 少なくとも2個の母材が溶接で互いに接合され、前記溶接が施された接合施工部を有する測定対象に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光を発振する送信用光源と、
    前記測定対象に照射して前記超音波で計測を行うための受信用レーザ光を発振する受信用光源と、
    前記受信用レーザ光を前記測定対象に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出する干渉計測部と、
    前記超音波信号に基づいて、前記接合施工部の少なくとも大きさを評価する評価部と、
    を備え、
    前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、前記母材と前記接合施工部の境界を含むように拡張されている、
    超音波検査装置。
  2. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光を出射するそれぞれの出射部の少なくとも一方に、前記送信用レーザ光または前記受信用レーザ光を拡大するための拡大用光学機器が設けられている、
    請求項1に記載の超音波検査装置。
  3. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が、前記接合施工部を挟んで対向する位置に照射される、
    請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  4. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光を照射する前に、前記溶接により前記測定対象の表面に生じた凹凸を成す部分の範囲を読み取る表面読取部を備える、
    請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  5. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光の少なくとも一方のスポット径を、前記表面読取部で読み取られた前記範囲よりも大きくする照射領域制御部を備える、
    請求項4に記載の超音波検査装置。
  6. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光の一方の前記照射領域が、拡張されていない照射スポットであり、前記照射スポットを移動させるための走査部を備える、
    請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  7. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射される前記測定対象の表面を均質化する表面改質部を備える、
    請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  8. 前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの前記照射領域の少なくとも一方を不活性ガスの雰囲気で覆い、前記測定対象の表面の酸化を抑制する酸化抑制部を備える、
    請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  9. 少なくとも2個の母材が溶接で互いに接合され、前記溶接が施された接合施工部を有する測定対象に照射して超音波を発生させるための送信用レーザ光を送信用光源が発振するステップと、
    前記測定対象に照射して前記超音波で計測を行うための受信用レーザ光を受信用光源が発振するステップと、
    干渉計測部が、前記受信用レーザ光を前記測定対象に照射したときに反射する戻り光を干渉計測して超音波信号を抽出するステップと、
    評価部が、前記超音波信号に基づいて、前記接合施工部の少なくとも大きさを評価するステップと、
    を含み、
    前記送信用レーザ光と前記受信用レーザ光が照射されるそれぞれの照射領域の少なくとも一方が、前記母材と前記接合施工部の境界を含むように拡張されている、
    超音波検査方法。
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