JP2024061600A - 手袋 - Google Patents

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【課題】本発明は、製造コストの上昇を抑止しつつ、握持対象物へ接触位置が異なっても体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い手袋の提供を目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る手袋は、繊維製の糸を編成した手袋本体を備え、上記手袋本体が、本体部と、5本の有底筒状の指収容部と、筒状の裾部とを有し、上記本体部が、掌部分の少なくとも一部に、導電糸を含む帯状の導電部分と、導電糸を含まない帯状の非導電部分との繰返構造を有し、隣合う上記導電部分と上記非導電部分とのコース数比が、1:2以上1:6以下であり、上記導電部分が、上記導電糸と非導電性の添糸とのプレーティング編みで構成されており、上記導電糸と上記添糸との繊度比が、1:0.5以上1:2以下であり、上記非導電部分を構成する非導電糸と上記導電部分に含まれる導電糸との繊度比が、1:0.4以上1:1以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、手袋に関する。
作業用手袋として、帯電を除去するものが知られている(例えば実公昭57-161899号公報参照)。このような作業用手袋は、導電性を有しており、可燃性あるいは爆発性を伴う雰囲気下での作業の危険性を低減したり、握持対象物としての電子機器の静電破壊を抑止したりすることができる。
一方、手袋の抵抗値が下がりすぎると、例えば作業者が感電するおそれや、電子機器を握持した場合においては電気的な短絡故障を発生させるおそれが生じる。このため、上記作業用手袋では、非導電性繊維に導電性繊維を混用し、全体として所望の電気抵抗値となるように導電性繊維の量が調整された、いわゆる制電手袋とされている。
実公昭57-161899号公報
上記従来の制電手袋では、導電性繊維の含有量は0.01質量%~5質量%程度とされている。この含有量は、手袋の表面積の比率に相当すると考えられるので、手袋の表面のうち、導電性を示す部分は5%以下ということになる。例えば握持対象物が大きく、掌全体で握持するような物であれば、所望の制電性能が得られるが、精密電子機器のように微細な構造を有する物である場合、導電性を示す部分が上記微細な構造に接触するとは限らず、静電破壊の抑止効果を得られないおそれがある。逆に、導電性を示す部分が上記微細な構造に接触すると、相対的に非導電性部分が少なくなるため、抵抗が下がり過ぎ、電気的な短絡故障を引き起こすおそれがある。
このように従来の制電手袋では、微視的に見ると電気抵抗値が十分に制御されているとは言えない。つまり、従来の制電手袋では、握持対象物への接触位置により安定して所望の抵抗値を得ることが難しい。
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、製造コストの上昇を抑止しつつ、握持対象物へ接触位置が異なっても体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い手袋の提供を目的とする。
導電性を付与した導電部分を設けるには、その導電部分において手袋外面と手袋内面とに導電糸が露出しており、手袋外面に露出している導電糸と手袋内面に露出している導電糸とが連続し、導電通路が形成されている必要がある。一方、この導電通路が多くなれば体積抵抗値が必要以上に低下してしまう。一般に、手袋の編成は平編みやプレーティング編みでなされている。1種類の糸を平編みする場合、導電糸が手袋全面に使用されることになり、手袋の外面及び内面に導電糸が露出して体積抵抗値が低下し過ぎる。この場合、導電糸自体の抵抗値を制御する方法も考えられるが、特殊な糸を使用することとなるため、製造コストの上昇につながり易い。一方、1組の糸をプレーティング編みする場合は、導電糸と非導電糸とをプレーティング編みすると、体積抵抗値が低下し過ぎることは抑止できるが、手袋の外面又は内面のいずれかにしか導電糸が露出せず、今度は体積抵抗値が高くなり過ぎる。このため、手袋に導電性を付与した手袋では、導電部分に対して体積抵抗値が低下し過ぎることを防ぐことは難しく、体積抵抗値の下限は、一般に制御されていない。このため、導電部分の体積抵抗値が必要以上に低くなっており、これを補うため非導電部分の占める割合が上昇し、握持対象物への接触位置により体積抵抗値が大きく変化する要因となっていると、本発明者は結論した。
上述の要因を取り除くべく本発明者が鋭意検討した結果、導電糸と非導電性の添糸とをプレーティング編みして導電部分を構成し、これと隣合う非導電部分とにおいて使用する糸を適切に制御することで、導電部分の体積抵抗値を適度な値に、すなわち導電性を維持しつつ体積抵抗値が低下し過ぎないように制御できることを見出した。本発明者は、これにより非導電部分の占める割合を下げて、握持対象物へ接触位置が異なっても体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い本発明の手袋を完成させた。
すなわち、本発明の一態様に係る手袋は、繊維製の糸を編成した手袋本体を備え、上記手袋本体が、本体部と、5本の有底筒状の指収容部と、筒状の裾部とを有し、上記本体部が、着用者の掌及び手の甲を覆うよう袋状に形成され、上記5本の指収容部が、着用者の第1指乃至第5指をそれぞれ覆うよう上記本体部から延設され、上記裾部が、上記5本の指収容部とは反対方向に延設されている手袋であって、上記本体部が、掌部分の少なくとも一部に、導電糸を含む帯状の導電部分と、導電糸を含まない帯状の非導電部分との繰返構造を有し、隣合う上記導電部分と上記非導電部分とのコース数比が、1:2以上1:6以下であり、上記導電部分が、上記導電糸と非導電性の添糸とのプレーティング編みで構成されており、上記導電糸と上記添糸との繊度比が、1:0.5以上1:2以下であり、上記非導電部分を構成する非導電糸と上記導電部分に含まれる導電糸との繊度比が、1:0.4以上1:1以下である。
本発明の手袋は、製造コストの上昇を抑止しつつ、握持対象物へ接触位置が異なっても体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い。
図1は、本発明の一実施形態に係る手袋を掌側から見た模式的斜視図である。 図2は、図1の繰返構造部分を拡大した模式的平面図である。 図3は、図2のA-A線での模試的断面図である。 図4は、芯鞘複合糸の構成を示す模式的側面図である。 図5は、複合糸の例を示す模式的斜視図である。 図6は、実施例における手袋を掌側から見た模式的斜視図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る手袋は、繊維製の糸を編成した手袋本体を備え、上記手袋本体が、本体部と、5本の有底筒状の指収容部と、筒状の裾部とを有し、上記本体部が、着用者の掌及び手の甲を覆うよう袋状に形成され、上記5本の指収容部が、着用者の第1指乃至第5指をそれぞれ覆うよう上記本体部から延設され、上記裾部が、上記5本の指収容部とは反対方向に延設されている手袋であって、上記本体部が、掌部分の少なくとも一部に、導電糸を含む帯状の導電部分と、導電糸を含まない帯状の非導電部分との繰返構造を有し、隣合う上記導電部分と上記非導電部分とのコース数比が、1:2以上1:6以下であり、上記導電部分が、上記導電糸と非導電性の添糸とのプレーティング編みで構成されており、上記導電糸と上記添糸との繊度比が、1:0.5以上1:2以下であり、上記非導電部分を構成する非導電糸と上記導電部分に含まれる導電糸との繊度比が、1:0.4以上1:1以下である。
当該手袋は、導電部分の導電糸と非導電性の添糸とがプレーティング編みされており、その繊度比が上記範囲内である。この場合、上記導電部分が握持対象物へ接触すると、上記導電糸及び上記添糸の変形により上記導電糸が当該手袋の外面及び内面の双方に露出し、当該手袋の外面及び内面間の導電性を確保できる。また、当該手袋は、非導電部分を構成する非導電糸と上記導電部分に含まれる導電糸との繊度比を上記範囲内とすることで、上記導電部分が握持対象物へ接触した際に、上記導電糸が握持対象物や作業者の手に強く接触することを抑止し、導電部分の体積抵抗値が低下し過ぎることを抑止できる。このため、当該手袋では、隣合う導電部分と非導電部分とのコース数比が上記範囲内となるように、すなわち上記導電部分を適度な頻度で繰り返し配置できるので、握持対象物へ接触位置が異なっても繰返構造の体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い。また、当該手袋は、特殊な糸を用いる必要がないので、製造コストの上昇を抑止できる。
上記導電部分のコース数としては、1コース以上3コース以下が好ましい。このように上記導電部分のコース数を上記範囲内とすることで、導電部分間の間隔が狭くなるので、握持対象物へ接触位置による体積抵抗値の変化を抑止することができる。
上記導電糸が、芯鞘複合糸であり、上記芯鞘複合糸の芯糸が非導電性の弾性繊維から構成され、鞘糸が導電繊維を含むとよい。このように上記導電糸を芯鞘複合糸とし、その芯糸に非導電性の弾性繊維を用いることで、上記導電糸が変形し易く、上記導電部分が握持対象物へ接触した際、上記鞘糸に含まれる導電繊維が握持対象物や作業者の手に接触して、容易に導電性を確保することができる。
上記弾性繊維が、捲縮加工されたナイロン繊維又はポリエステル繊維であり、上記弾性繊維の伸長率としては、10%以上100%以下が好ましい。このように上記弾性繊維を捲縮加工されたナイロン繊維又はポリエステル繊維とし、上記弾性繊維の伸長率を上記範囲内とすることで、さらに容易に導電性を確保することができる。
上記添糸が、弾性糸であるとよい。このように上記添糸を弾性糸とすることで、上記導電糸に加え上記添糸が変形し易い。上記導電部分が握持対象物へ接触した際、上記添糸が変形することで、上記導電糸を握持対象物や作業者の手に接触させて、容易に導電性を確保することができる。
上記添糸が、スパンデックス又は天然ゴム繊維を含む複合糸であるとよい。このように上記添糸をスパンデックス又は天然ゴム繊維を含む複合糸とすることで、さらに容易に導電性を確保することができる。
上記繰返構造におけるEN61340-2-3で規定される体積抵抗値としては、3.5×10Ω以上1.0×10Ω以下が好ましい。このようにEN16350を参考に体積抵抗値を上記範囲内とすることで、防爆性能と電子部品の保護とを両立させ易い。
上記繰返構造におけるEN61340-2-3で規定される表面抵抗値としては、3.5×10Ω以上1.0×10Ω以下が好ましい。このように表面抵抗値を上記範囲内とすることで、電子部品の保護性能を維持しつつ、防爆性能をさらに高め、かつタッチパネル等の電子機器を操作し易くすることができる。
ここで、「体積抵抗値」及び「表面抵抗値」は、EN規格であるEN61340-2-3:2016 8に従って測定されるが、測定試料は、導電性や防爆性が要求されている掌部分の繰返構造の中央部から切り出されるものとする。また、糸(繊維)の「伸長率」とは、60cmの糸に0.075gの錘をつるした状態で20cm間隔の印をつけ、6gの錘に付け替えたときにその印が示す間隔を読み取り、伸長した割合を下記式で計算したものである。
[伸長率]=([6gの錘時の間隔(cm)]-20)/20×100 (%)
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る手袋について適宜図面を参照しつつ説明する。
図1に示す手袋1は、繊維製の糸を編成した手袋本体10を備える。
手袋本体10は、本体部10aと、5本の有底筒状の指収容部10bと、筒状の裾部10cとを有する。本体部10aは、着用者の掌及び手の甲を覆うよう袋状に形成されている。5本の指収容部10bは、着用者の第1指乃至第5指をそれぞれ覆うよう本体部10aから延設されている。裾部10cは、5本の指収容部10bとは反対方向に延設されている。
<繰返構造>
本体部10aは、掌部分の少なくとも一部に、図2及び図3に示すように、導電糸21を含む帯状の導電部分20と、導電糸を含まない帯状の非導電部分30との繰返構造40を有している。
繰返構造40は、図1に示すように、掌部分全体を覆うように設けられていることが好ましい。掌部分で握持対象物を保持する場合が多いが、掌部分のいずれの場所が握持対象物に当接しても、電子部品を保護することができる。また、繰返構造40は、手の甲を覆っていてもよい。
隣合う導電部分20と非導電部分30とのコース数比の下限としては、1:2であり、1:3がより好ましい。一方、上記コース数比の上限としては、1:6であり、1:5がより好ましく、1:4がさらに好ましい。上記コース数比が上記下限未満であると、繰返構造40の体積抵抗値が低くなり過ぎ、握持対象物が握持された際に電気的な短絡故障を発生させるおそれがある。逆に、上記コース数比が上記上限を超えると、繰返構造40の体積抵抗値が高くなり過ぎ、作業者が帯電し易くなるおそれがある。
導電部分20のコース数としては、1コース以上3コース以下が好ましく、1コース以上2コース以下がより好ましく、1コースがさらに好ましい。このように導電部分20のコース数を上記範囲内とすると、上述のように隣合う導電部分20と非導電部分30とのコース数比を1:6以下とすることから、非導電部分30のコース数も所定値以下(例えば導電部分20のコース数が1コースであれば、6コース以下)となる。つまり、導電部分20間の間隔が狭くなる。そうすると、例えば握持対象物へ非導電部分30のみで接触するような状況とはなり難く、握持対象物への接触位置による体積抵抗値の変化を抑止することができる。
繰返構造40におけるEN61340-2-3で規定される体積抵抗値の下限としては、3.5×10Ωが好ましく、1.0×10Ωがより好ましい。一方、上記体積抵抗値の上限としては、1.0×10Ωが好ましく、1.0×10Ωがより好ましい。上記体積抵抗値が上記下限未満であると、握持対象物が握持された際に電気的な短絡故障を発生させるおそれがある。逆に、上記体積抵抗値が上記上限を超えると、作業者が帯電し易くなるおそれがある。また、上記体積抵抗値が1.0×10Ωを超えると、EN16350の規格を満たさなくなる。
繰返構造40におけるEN61340-2-3で規定される表面抵抗値の下限としては、3.5×10Ωが好ましく、1.0×10Ωがより好ましい。上記表面抵抗値の上限としては、1.0×10Ωが好ましく、1.0×10Ωがより好ましい。このように表面抵抗値を上記範囲内とすることで、電子部品の保護性能を維持しつつ、防爆性能をさらに高め、かつタッチパネルの操作性を高めることができる。
(導電部分)
導電部分20は、導電糸21と非導電性の添糸22とのプレーティング編みで構成されている。この場合、導電糸21は主糸として編成される。具体的には、プレーティング編みにおいて、導電糸21は表目側に、添糸22は裏目側に配置される。
導電糸21としては、カーボン複合有機繊維、金属酸化物複合有機繊維、金属化合物複合有機繊維、金属メッキの有機繊維等の導電繊維を含む糸を挙げることができ、例えば株式会社クラレ製クラカーボ(登録商標)、株式会社セーレン製ベクトロン(登録商標)、日本蚕毛染色株式会社製サンダーロン(登録商標)、ミツフジ株式会社製AGposs(登録商標)等を用いることができる。
これらの繊維からなる糸の繊度の下限としては、10dtexが好ましく、20dtexがより好ましい。一方、上記糸の繊度の上限としては、50dtexが好ましく、40dtexがより好ましい。上記糸の繊度を上記範囲内とすることで、繰返構造40の導電性を確保するとともに、当該手袋1の強度を維持し、かつ当該手袋1の製造コストを抑えることができる。上記糸の繊度が上記下限未満であると、編成した当該手袋1の強度、タッチパネルの操作性、あるいは導電糸の耐久性が低下するおそれがある。逆に、上記糸の繊度が上記上限を超えると、抵抗値が低くなり過ぎるおそれや、当該手袋1の製造コストが高くなり過ぎるおそれがある。
導電糸21は上記繊維を含む糸を単独で使用しても良いが、導電糸21が、図4に示すような芯鞘複合糸50とすることもできる。導電糸21を芯鞘複合糸50とすると、導電糸21を太くすることができるので、当該手袋1の強度を向上させ易い。
芯鞘複合糸50は、図4に示すように、非導電性の芯糸51と、導電繊維を含む鞘糸52とから構成される。
芯糸51の素材としては、綿繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、高延伸ポリエチレン繊維、ガラス繊維、ポリウレタン弾性繊維、天然ゴム繊維及びそれらの複合繊維等が挙げられる。
芯糸51は、当該手袋1からの発塵が少ない点からフィラメント糸であることが好ましい。
また、芯糸51は弾性繊維から構成されていることが好ましい。このように芯糸51に弾性を付与することで、編成後に編機からの張力がなくなった芯糸51の収縮により、鞘糸52としてカバーリングされたカーボン複合有機繊維や金属酸化物複合有機繊維、金属化合物複合有機繊維、金属メッキの有機繊維が芯鞘複合糸50から浮き上がり、握持対象物に接触し易くなる。これにより当該手袋1の導電性が向上する。
弾性を有する芯糸51としては、捲縮加工を行ったナイロン繊維やポリエステル繊維のほか、スパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)や天然ゴム繊維を芯糸としてそれを上述のナイロン糸やポリエステル糸でカバーリングしたシングルカバードヤーンやダブルカバードヤーンを用いることができる。
芯糸51の繊度の下限としては、30dtexが好ましく、50dtexがより好ましい。一方、芯糸51の繊度の上限としては、166dtexが好ましく、100dtexがより好ましい。芯糸51の繊度が上記下限未満であると、編成した当該手袋1の強度が低下するおそれがある。逆に、芯糸51の繊度が上記上限を超えると、当該手袋1の柔軟性を確保することが困難となり、編成した当該手袋1がごわごわし、作業性が低下するおそれがある。
芯糸51が非導電性の弾性繊維から構成されている場合、芯糸51の伸長率の下限としては、10%が好ましく、20%がより好ましく、30%がさらに好ましい。一方、スパンデックスを含む複合糸の場合、芯糸51の伸長率の上限としては、500%が好ましく、400%がより好ましく、300%がさらに好ましい。芯糸51がナイロンやポリエステルなどからなる捲縮加工糸の場合、芯糸51の伸長率の上限としては、100%が好ましく、80%がより好ましい。芯糸51の伸長率を上記下限以上とすることで、導電性が確保し易くなるとともに、当該手袋1のフィット感を向上させることができる。また、芯糸51の伸長率を上記上限以下とすることで、当該手袋1からの導電糸21の余計な飛び出しを防止することができるとともに、当該手袋1を着用した際の窮屈さを防止することができる。
導電糸21が芯鞘複合糸50である場合、導電繊維は最外層(鞘糸52)として芯糸51に対してカバーリングされている。その単位長当たりの巻数の下限としては、100回/mが好ましく、150回/mがより好ましい。一方、上記巻数の上限としては、500回/mが好ましく、450回/mがより好ましい。上記巻数を上記範囲内とすることで、導電部分20の体積抵抗値が適度な範囲に制御され、防爆性能と電子部品の保護とを両立させ易い。
また、芯鞘複合糸50の伸張率の下限としては、7%が好ましく、10%がより好ましく、13%がさらに好ましい。一方、芯鞘複合糸50の伸張率の上限としては、100%が好ましく、70%がより好ましく、50%がさらに好ましい。芯鞘複合糸50の伸張率を上記範囲内とすることで、当該手袋1を着用した際の窮屈さを防止しつつ、導電性を確保し易くすることができる。
鞘糸52としては、例えば図5に示すようなコンジュゲート紡糸法にて作成した複合繊維を用いることができる。図5に示す鞘糸52は、芯成分52aと、芯成分52aの外縁を被覆する導電性の鞘成分52bとを有する。鞘成分52bは、芯成分52aの外縁に埋め込まれた複数の(図5では一対の)柱状部52cと、複数の柱状部52c間を連結する薄層部52dとを有する。このように鞘糸52を図5に示すような複合繊維を用いることで、導電部分20が握持対象物へ接触した際、導電糸21が変形し易く、外縁にある鞘成分52bが握持対象物や作業者の手に接触して、容易に導電性を確保することができる。なお、柱状部52cと薄層部52dとは、図5に示すように、同一の材料を用いて一体的に形成されていることが好ましい。また、鞘糸52には、本願発明の効果を奏する導電繊維であれば、他の構成の鞘糸を用いてもよい。このような鞘糸52としては、例えば芯成分52aと柱状部52cとのみからなる(図5において薄層部52dを有さない)複合繊維や、芯成分52aの中心部に柱状部52cが埋め込まれた(柱状部52cが芯成分52aに被覆された)複合繊維などが挙げられる。
添糸22の素材としては、綿繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、高延伸ポリエチレン繊維、ガラス繊維、ポリウレタン弾性繊維、天然ゴム繊維及びそれらの複合繊維等が挙げられる。
添糸22は、発塵を防止する観点からフィラメント糸であることが好ましい。
また、添糸22は、編成後の当該手袋1にフィット性を付与する観点から弾性糸であることが好ましい。このように添糸22を弾性糸とすることで、導電糸21に加え添糸22が変形し易い。導電部分20が握持対象物へ接触した際、添糸22が変形することで、導電糸21を握持対象物や作業者の手に接触させて、容易に導電性を確保することができる。
添糸22としては、具体的には、捲縮加工糸、スパンデックスや天然ゴム繊維を芯糸に用いた芯鞘複合糸等を挙げることができる。上記芯鞘複合糸において、上記芯糸のカバーリングに用いる鞘糸には、公知の繊維を使用することもできるが、捲縮加工を行ったナイロン繊維やポリエステル繊維、高強度ポリエチレン繊維を用いることが好ましい。上記芯鞘複合糸は、これらの糸によりカバーリングしたシングルカバードヤーンやダブルカバードヤーンとすることができる。
添糸22は、中でもスパンデックス又は天然ゴム繊維を含む複合糸であるとよい。このように添糸22をスパンデックス又は天然ゴム繊維を含む複合糸とすることで、さらに容易に導電性を確保することができる。また、当該手袋1に快適なフィット感を付与することができる。
添糸22を弾性複合糸とする場合、編成後の当該手袋1のフィット感を向上させる観点と、導電糸21よりも伸縮し易くする観点から、ドラフトの設定は2.0以上が好ましい。また、当該手袋1の締め付けが強くなり過ぎないようにする観点から、ドラフトの設定は4.0以下が好ましい。また、芯糸に鞘糸を巻回してカバーリングした複合糸(芯鞘複合糸)である場合、単位長当たりの巻数は、添糸22の柔軟性を維持する観点から180回/m以上660回/m以下が好ましい。
添糸22の伸長率の下限としては、15%が好ましく、30%がより好ましく、100%がさらに好ましい。一方、添糸22の伸長率の上限としては、捲縮加工糸の場合で100%が好ましく、80%がより好ましく、スパンデックス複合糸の場合で500%が好ましく、400%がより好ましい。添糸22の伸長率が上記下限未満であると、当該手袋1のフィット感が低下するおそれがある。逆に、添糸22の伸長率が上記上限を超えると、当該手袋1を装着した際に窮屈となるおそれがある。
また、添糸22の伸長率は、導電糸21の伸長率よりも大きいことが好ましい。このように添糸22の伸長率を導電糸21の伸長率よりも大きくすると、手袋編成時の張力から解放された際、導電糸21が縮もうとする力よりも添糸22が縮もうとする力の方が大きくなる。この場合、導電糸21は当該手袋1の厚み方向に撚れ、当該手袋1の表目側だけでなく裏目側にも露出し易くなる。このため、導電性を確保し易い。
添糸22の繊度の下限としては、40dtexが好ましく、50dtexがより好ましい。一方、添糸22の繊度の上限としては、200dtexが好ましく、156dtexがより好ましい。添糸22の繊度が上記下限未満であると、編成後の当該手袋1の強度が不足するおそれがある。逆に、添糸22の繊度が上記上限を超えると、編成後の当該手袋1が硬くなるおそれや、導電部分20の体積抵抗値が高くなり過ぎるおそれがある。
導電糸21と添糸22との繊度比の下限としては、1:0.5であり、1:0.7がより好ましい。一方、導電糸21と添糸22との繊度比の上限としては、1:2であり、1:1.5がより好ましい。導電糸21と添糸22との繊度比を上記範囲内とすることで、導電糸21が当該手袋1の表目側だけでなく裏目側にも露出し易くなるため、導電性を確保し易い。導電糸21と添糸22との繊度比が上記下限未満であると、当該手袋1の裏目側から導電糸21が過剰に露出し易くなるため、導電部分20の体積抵抗値が低くなり過ぎるおそれがある。逆に、導電糸21と添糸22との繊度比が上記上限を超えると、当該手袋1の裏目側からの導電糸21の露出が防止されるため、必要な導電性の確保が困難となるおそれがある。
(非導電部分)
非導電部分30は、非導電糸31で構成されている。
非導電糸31の素材としては、綿繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、高延伸ポリエチレン繊維、ガラス繊維、ポリウレタン弾性繊維、天然ゴム繊維及びそれらの複合繊維等が挙げられる。
非導電糸31は、発塵を防止する観点からフィラメント糸であることが好ましい。また、非導電糸31は、編成後の当該手袋1にフィット性を付与する観点から弾性糸であることが好ましい。
非導電糸31としては、具体的には、捲縮加工を行ったナイロン糸、捲縮加工を行ったポリエステル糸、又はスパンデックスを芯糸に用いた芯鞘複合糸のいずれかであることが好ましい。非導電糸31を芯鞘複合糸とする場合、鞘糸には、ナイロン繊維やポリエステル繊維、高強度ポリエチレン繊維のフィラメント糸を使用することが好ましい。
非導電糸31の繊度の下限としては、70dtexが好ましく、100dtexがより好ましい。一方、非導電糸31の繊度の上限としては、300dtexが好ましく、240dtexがより好ましく、200dtexがさらに好ましい。非導電糸31の繊度が上記下限未満であると、編成した当該手袋1の強度が低下するおそれがある。逆に、非導電糸31の繊度が上記上限を超えると、編成後の当該手袋1が硬くなるおそれがある。
非導電部分30を構成する非導電糸31と導電部分20に含まれる導電糸21との繊度比の下限としては、1:0.4であり、1:0.5がより好ましい。一方、上記繊度比の上限としては、1:1であり、1:0.9がより好ましい。上記繊度比を上記範囲内とすることで、当該手袋1の繰返構造40にコントロールされた体積抵抗値を付与することができる。上記繊度比が上記下限未満であると、繰返構造40の体積抵抗値が高くなる傾向がある。この理由として考えられるのが、編成が導電部分20から非導電部分30に、又は非導電部分30から導電部分20に切り替わったとき、導電糸21が裏目側から露出し難くなるためと考えられる。そして、繰返構造40の体積抵抗値が高くなると、作業者が帯電し易くなるおそれがある。逆に、上記繊度比が上記上限を超えると、編成した当該手袋1がごわごわし、作業性が低下するおそれがあるほか、繰返構造40の体積抵抗値が低くなり過ぎるおそれがある。
非導電部分30を構成する非導電糸31の繊度と導電部分20を構成する導電糸21及び添糸22の合計繊度との繊度比の下限としては、1:0.9が好ましく、1:1がより好ましい。一方、上記繊度比の上限としては、1:2が好ましく、1:1.6がより好ましい。上記繊度比を上記範囲内とすることで、導電糸21の摩耗による切断を防止しやすくなるとともに、繰返構造40の体積抵抗値が適度な範囲に制御され、防爆性能と電子部品の保護とを両立させ易い。
<指収容部及び裾部>
指収容部10b及び裾部10cは、導電部分20のみあるいは非導電部分30のみとしてもよく、本体部10aと同様に繰返構造40としてもよい。指収容部10bと裾部10cとで異なる構造とすることも可能である。例えばタッチパネルを使用する作業現場向けである場合には、指収容部10bを導電部分20として編んでもよい。
指収容部10b及び裾部10cは、導電部分20や非導電部分30と同様の構成を採用できる。また、編成にあたって、伸縮性を付与するために天然ゴム、ポリウレタン等を素材とする弾性糸を併せて使用してもよい。指収容部10b及び裾部10cに使用する糸は用途に合わせて適宜選定される。
<手袋の製造方法>
当該手袋1は、用意工程と、編成工程と、裏返工程とを備える製造方法により製造することができる。
(用意工程)
上記用意工程では、導電糸21、添糸22及び非導電糸31を用意する。
用意すべき導電糸21、添糸22及び非導電糸31については、上述したとおりであるので、詳細説明を省略する。
(編成工程)
上記編成工程では、上記用意工程で用意した糸を用いて横編機で手袋本体10を編成する。
手袋本体10の編成に用いる編機としては、既存の横編機を使用することができる。上記編機としては、例えば島精機製の横編機SFG-iやコンピューター横編機SWG等を挙げることができる。
編機のゲージ数の下限としては、13が好ましく、18がより好ましい。一方、編機のゲージ数の上限としては、26が好ましい。
編まれた手袋本体10の単位長さ当りのコース数の下限としては、30コース/インチが好ましく、40コース/インチがより好ましい。一方、上記単位長さ当りのコース数の上限としては、60コース/インチが好ましく、55コース/インチがより好ましい。上記単位長さ当りのコース数を上記下限以上とすることで、隣り合う導電部分20の間隔を狭めることができ、防爆機能を安定化させることができる。また、上記単位長さ当りのコース数を上記上限以下とすることで、編み目が詰まりすぎることが防止され、手袋本体10に伸縮性を付与することができ、手の曲げ伸ばしに対して当該手袋1がフィットしやすくなる。
例えば上記編機としてSFG-iを用いる場合、手袋本体10の編成に使用できる糸供給フィーダーとして主糸用フィーダー、添糸用フィーダー、2色転換用フィーダー(color yarn feeder)があり、それぞれに例えば導電糸21としての芯鞘複合糸50と、添糸22と、非導電糸31とを供給するとよい。以下、上記編機としてSFG-iを用い上述の設定がなされている場合を例にとり説明するが、上記編機がSFG-iに限定されることや、導電糸21が芯鞘複合糸50に限定されることを意味するものではない。
導電糸21の芯鞘複合糸50と添糸22とは、プレーティング編みにて編成される。すなわち導電糸21の芯鞘複合糸50が表目側に配置され、添糸22が裏目側に配置される。芯鞘複合糸50と添糸22とを比較すると、編成後に添糸22の収縮量が大きい方が好ましい。これにより芯鞘複合糸50が撓みやすくなり、裏目側にも撓む結果、比較的低い体積抵抗値の手袋を得ることができる。芯鞘複合糸50よりも添糸22の収縮量を大きくするためには、糸それぞれの伸長率を上述のように設定することで実現できる。また編機の給糸時に芯鞘複合糸50よりも添糸22にかけるテンションを大きくしておき、編成時には相対的に大きく伸長させた添糸22を、手袋完成時に縮ませることで収縮量をコントロールすることもできる。
また、編成途中に導電糸21の芯鞘複合糸50及び添糸22と、非導電糸31とを切り替えることで、導電部分20と非導電部分30とを交互に形成することができる。具体的には、主糸用フィーダー、添糸用フィーダーで導電部分20を編成していたところ、この両フィーダーを止めて、2色転換用フィーダーを用いて非導電部分30を編成することで実施できる。このとき、非導電部分30は1つのフィーダーで編成されており、平編みである。従って、導電部分20は2種の糸からプレーティング編みで編成されており非導電部分30の平編みよりも嵩高く、導電部分20と非導電部分30との境界では、導電糸21の芯鞘複合糸50が裏目側に露出しやすくなる。これにより、編成された当該手袋1は、比較的低い体積抵抗値を有する手袋とすることができる。このためには使用する糸をそれぞれ上述の構成とするほか、導電部分20よりも非導電部分30の編み目の大きさ(編機の引き度目)を小さくしたり、非導電部分30に給糸される糸のテンションを高くしたりすることによっても実現することもできる。
なお、体積抵抗値は、使用する糸の構成に加えて、上述のように導電部分20及び非導電部分30のコース数で制御される。
(裏返工程)
上記裏返工程では、上記編成工程後の手袋本体10を裏返す。これにより目的の手袋1を得ることができる。
編成された手袋本体10は反転させて、表目が掌側に接触し、裏目が握持対象物に接触するようにする。この場合、握持により当該手袋1に圧縮の圧力がかかり、裏目側の添糸22が潰され、導電糸21が対象物側に飛び出し易くなり、導電部分20の体積抵抗値を低くすることができる。一方、握持による当該手袋1の圧縮が起こらないときは導電糸21が当該手袋1の表面に飛び出し難く、導電糸21が摩耗や鋭利なものによる切断を受けにくくなり、当該手袋1の長寿命化が図れる。
<利点>
当該手袋1は、導電部分20の導電糸21と非導電性の添糸22とがプレーティング編みされており、その繊度比が1:0.5以上1:2以下である。この場合、導電部分20が握持対象物へ接触すると、導電糸21及び添糸22の変形により導電糸21が当該手袋1の外面及び内面の双方に露出し、当該手袋1の外面及び内面間の導電性を確保できる。また、当該手袋1は、非導電部分30を構成する非導電糸31と導電部分20に含まれる導電糸21との繊度比を1:0.4以上1:1以下とすることで、導電部分20が握持対象物へ接触した際に、導電糸21が握持対象物や作業者の手に強く接触することを抑止し、導電部分20の体積抵抗値が低下し過ぎることを抑止できる。このため、当該手袋1では、隣合う導電部分20と非導電部分30とのコース数比が1:2以上1:6以下となるように、すなわち導電部分20を適度な頻度で繰り返し配置できるので、握持対象物へ接触位置が異なっても繰返構造40の体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い。また、当該手袋1は、特殊な糸を用いる必要がないので、製造コストの上昇を抑止できる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、導電部分の表目が手袋内面側に、裏目が手袋外面側に位置する構成を説明したが、導電部分の表目が手袋外面側に、裏目が手袋内面側に位置する構成も本発明の意図するところである。ただし、上述したように手袋の寿命の観点から導電部分の表目が手袋内面側に、裏目が手袋外面側に位置する構成の方が好ましい。
必要に応じて、例えば手袋本体の掌部分に、体積抵抗値が10Ω未満の樹脂又はゴムでコーティングが施されていてもよい。導電性のコーティングを介して握持対象物に接触する手袋であっても、同様の効果を奏することができる。
上記実施形態では、非導電部分が平編みである場合を説明したが、プレーティング編みされた非導電部分を有する手袋も本発明の意図するところである。ただし、上述したように体積抵抗値の観点から非導電部分は平編みとすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<用意工程>
以下の糸を用意した。
(導電糸)
導電糸として、77dtexのウーリーナイロンの単糸(糸の伸長率45%)を芯糸とし、22dtexの導電糸(株式会社クラレ製クラカーボ)を鞘糸として、200回/mでカバーリングを行った芯鞘複合糸(糸の伸長率16%)を用意した。
(添糸)
添糸として、22dtexのポリウレタン弾性糸を芯糸とし、77dtexのウーリーナイロンの単糸を鞘糸としてドラフト3.0、400回/mでカバーリングした芯鞘複合糸(糸の伸長率220%)を用意した。
(非導電糸)
非導電糸として、77dtexのウーリーナイロンの双糸(糸の伸長率50%)を用意した。
<編成>
18G横編機(島精機製SFG-i)を用いて、主糸用フィーダーに上記導電糸を供給し、添糸用フィーダーに上記添糸を供給し、2色転換用フィーダーに上記非導電糸を供給して、手袋本体を編成した。
図6に示すように、実施例における手袋2の手袋本体10では、本体部10a、指収容部10b及び裾部10cを繰返構造40で編成した。具体的には、本体部10a及び指収容部10bでは、主糸用フィーダー及び添糸用フィーダーを1コース動かしたのち、2色転換用フィーダーを4コース動かす繰り返し動作にて編成した。裾部10cでは、上記繰り返し動作に加え、さらにゴム糸(330dtexの天然ゴムの芯糸に83dtexのポリエステル糸をカバーリングした糸)を3コースに1コースの割合でインレイ編で編成した。なお、掌部分の単位長さ当りのコース数は、42コース/インチとした。
編成後の手袋本体10を裏返して目的の手袋を得た。
この手袋2の体積抵抗値をEN61340-2-3に準拠して測定したところ、体積抵抗値は1.8×10Ωであり、表面抵抗値は3.5×10Ωであった。
以上のように、本発明の手袋は、製造コストの上昇を抑止しつつ、握持対象物へ接触位置が異なっても体積抵抗値が一定の範囲に収まり易い。
1、2 手袋
10 手袋本体
10a 本体部
10b 指収容部
10c 裾部
20 導電部分
21 導電糸
22 添糸
30 非導電部分
31 非導電糸
40 繰返構造
50 芯鞘複合糸
51 芯糸
52 鞘糸
52a 芯成分
52b 鞘成分
52c 柱状部
52d 薄層部

Claims (8)

  1. 繊維製の糸を編成した手袋本体を備え、
    上記手袋本体が、本体部と、5本の有底筒状の指収容部と、筒状の裾部とを有し、
    上記本体部が、着用者の掌及び手の甲を覆うよう袋状に形成され、上記5本の指収容部が、着用者の第1指乃至第5指をそれぞれ覆うよう上記本体部から延設され、上記裾部が、上記5本の指収容部とは反対方向に延設されている手袋であって、
    上記本体部が、掌部分の少なくとも一部に、導電糸を含む帯状の導電部分と、導電糸を含まない帯状の非導電部分との繰返構造を有し、
    隣合う上記導電部分と上記非導電部分とのコース数比が、1:2以上1:6以下であり、
    上記導電部分が、上記導電糸と非導電性の添糸とのプレーティング編みで構成されており、
    上記導電糸と上記添糸との繊度比が、1:0.5以上1:2以下であり、
    上記非導電部分を構成する非導電糸と上記導電部分に含まれる導電糸との繊度比が、1:0.4以上1:1以下である手袋。
  2. 上記導電部分のコース数が、1コース以上3コース以下である請求項1に記載の手袋。
  3. 上記導電糸が、芯鞘複合糸であり、
    上記芯鞘複合糸の芯糸が非導電性の弾性繊維から構成され、鞘糸が導電繊維を含む請求項1又は請求項2に記載の手袋。
  4. 上記弾性繊維が、捲縮加工されたナイロン繊維又はポリエステル繊維であり、
    上記弾性繊維の伸長率が、10%以上100%以下である請求項3に記載の手袋。
  5. 上記添糸が、弾性糸である請求項1又は請求項2に記載の手袋。
  6. 上記添糸が、スパンデックス又は天然ゴム繊維を含む複合糸である請求項5に記載の手袋。
  7. 上記繰返構造におけるEN61340-2-3で規定される体積抵抗値が、3.5×10Ω以上1.0×10Ω以下である請求項1又は請求項2に記載の手袋。
  8. 上記繰返構造におけるEN61340-2-3で規定される表面抵抗値が、3.5×10Ω以上1.0×10Ω以下である請求項7に記載の手袋。
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