JP2024061073A - 超伝導ストリップ検出器およびそれに用いられる超伝導ストリップの製造方法 - Google Patents

超伝導ストリップ検出器およびそれに用いられる超伝導ストリップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダークカウントの発生を低減することができる超伝導ストリップ検出器およびそれに用いられる超伝導ストリップの製造方法を提供する。【解決手段】超伝導ストリップ検出器は、有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、検出領域において検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器である。超伝導ストリップは、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、超伝導ストリップ検出器およびそれに用いられる超伝導ストリップの製造方法に関する。
例えば、光子、電子、分子、放射線等を検出対象とする超伝導ストリップ検出器が知られている。例えば、単一光子を検出対象とする超伝導単一光子検出器(Superconducting Single Photon Detector、以下SSPDと略する場合がある)は、高感度、低雑音かつ高速動作可能な単一光子検出器として量子情報通信、量子光学など様々な分野への利用が期待されている(例えば非特許文献1,2参照)。SSPDにおいて単一光子を検出する検出素子としては所定の検出領域に配置された配線状の受光部(以下、超伝導ストリップという)が用いられる。この超伝導ストリップは、ナノストリップまたはナノワイヤと呼ばれ、線幅100nm前後の例えば窒化ニオブ(NbN)からなる窒化ニオブ配線により形成され、超伝導状態で使用されるものが知られている。このようなナノストリップを用いたSSPDは、SNSPD(Superconducting Nanostrip Single Photon Detector)とも称される。SNSPDを用いて開発されたシステムは半導体検出器を凌駕する性能を有することから、量子暗号鍵配送試験や様々な量子情報技術の実証試験、生体医療応用等の様々な先端技術分野への適用が進められている。
また、近年、ナノストリップの代わりに、線幅1μmを超える超伝導ストリップ(マイクロストリップ、マイクロワイヤまたはマイクロブリッジと称される)を用いて単一光子の検出が可能であることが発見された(例えば非特許文献3参照)。このようなマイクロストリップを用いたSSPDは、SMSPD(Superconducting Microstrip Single Photon Detector)と称される。SNSPDが電子線リソグラフィにより超伝導ストリップを形成する必要があるのに対し、SMSPDでは光リソグラフィにより超伝導ストリップを形成することができるため、素子性能の均一性や量産性を大幅に向上させることが可能である。また、例えば10μmを超えるような、入射光子の集光スポット径よりも十分に大きな線幅とすることができれば、集光スポット径に対する受光領域の充填率(Filling factor)を100%にすることができるため、高い量子効率の達成が期待される。
このため、システムの高性能化と大規模化に伴い、膨大な数の高性能な光子検出器が必要になると予測されている量子ネットワーク、量子インターネットや量子コンピュータの実現に向けて、重要性の高い技術として、SMSPDが全世界的に注目されている。
M. Sasaki, M. Fujiwara, H. Ishizuka, W. Klaus, K. Wakui, M. Takeoka, S. Miki, T. Yamashita, Z. Wang, A. Tanaka, K. Yoshino, Y. Nambu, S. Takahashi, A. Tajima, A. Tomita, T. Domeki, T. Hasegawa, Y. Sakai, H. Kobayashi, T. Asai, K. Shimizu, T. Tokura, T. Tsurumaru, M. Matsui, T. Honjo, K. Tamaki, H. Takesue, Y. Tokura, J. F. Dynes, A. R. Dixon, A. W. Sharpe, Z. L. Yuan, A. J. Shields, S. Uchikoga, M. Legre, S. Robyr, P. Trinkler, L. Monat, J. B. Page, G. Ribordy, A. Poppe, A. Allacher, O. Maurhart, T. Langer, M. Peev, and A. Zeilinger, "Field test of quantum key distribution in the Tokyo QKD Network", Opt Express 19, 10387 (2011). T. Kobayashi, R. Ikuta, S. Yasui, S. Miki, T. Yamashita, H. Terai, T. Yamamoto, M. Koashi, and N. Imoto, "Frequency-domain Hong-Ou-Mandel interference", Nature Photonics 10, 441 (2016). Y. P. Korneeva, D. Yu. Vodolazov, A. V. Semenov, I. N. Florya, N. Simonov, E. Baeva, A. A. Korneev, G. N. Goltsman, T. M. Klapwijk, "Optical Single-Photon Detection in Micrometer-Scale NbN Bridges", Phys. Rev. Applied 9, 064037 (2018)
SNSPDでは、超伝導ストリップの線幅が100nm前後であるため、例えば15μm角等の所定面積の受光面を形成するためには、ナノストリップをメアンダ状等の所定の形状にして所定面積の検出領域に敷き詰める必要がある。したがって、SNSPDの実現には、高度なナノパターン形成技術が必要不可欠である。
一方、SMSPDでは線幅がより広いため、超伝導ストリップの形状を複雑にすることなく所定面積の受光面を形成することができる。しかし、光子が入射していないにもかかわらず信号を出力してしまうダークカウントが、超伝導ストリップの線幅が広くなるほど、増加するという問題がある。なお、SNSPDにおけるダークカウントの発生は比較的少ないが、SNSPDにおいてもダークカウントの問題は同様に生じ得る。さらに、例えば、多光子、電子、分子、中性子、放射線等の単一光子以外の検出対象を検出するための他の超伝導ストリップ検出器においてもダークカウントの問題は同様に生じ得る。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ダークカウントの発生を低減することができる超伝導ストリップ検出器およびそれに用いられる超伝導ストリップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様における超伝導ストリップ検出器は、有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器であって、前記超伝導ストリップは、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含む。
また、本発明の他の態様に係る超伝導ストリップ検出器に用いられる超伝導ストリップの製造方法は、有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器に用いられる超伝導ストリップの製造方法であって、
前記超伝導ストリップを、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含むように形成する。
本発明によれば、ダークカウントの発生を低減することができる。
図1は、本発明に係る一実施形態における超伝導ストリップ検出器の一構成例を模式的に示す平面図である。 図2は、図1に示す超伝導ストリップの線幅方向の臨界電流値の分布を示す図である。 図3は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第1例を示す図である。 図4は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第2例を示す図である。 図5は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第3例を示す図である。 図6は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第4例を示す図である。 図7は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第5例を示す図である。 図8は、従来構造の超伝導ストリップの線幅方向の臨界電流値の分布を示す図である。 図9は、ダークカウント発生の原因となる超伝導ストリップの状態を例示する図である。図9Aは、超伝導ストリップの断面図において、超伝導ストリップのエッジが欠けた状態を示す図である。図9Bは、超伝導ストリップの断面図において、超伝導ストリップの側面形状が粗い状態を示す図である。図9Cは、超伝導ストリップの平面図において、超伝導ストリップの線幅が不均一になっている状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面を通じて、同一ないし相当する構成要素には同じ参照番号を付し、以下、このような構成要素の重複的記載を省略する場合がある。
また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。つまり、以下の具体的な説明は、本発明の「超伝導ストリップ検出器」の特徴を例示しているに過ぎない。よって、本発明の「超伝導ストリップ検出器」を特定した構成要素に対応する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な装置は、これに対応する本発明の「超伝導ストリップ検出器」の構成要素の一例である。
図1は、本発明に係る一実施の形態における超伝導ストリップ検出器の一構成例を模式的に示す平面図である。図1の例では、超伝導ストリップ検出器の一例として、単一光子を検出対象とする超伝導単一光子検出器の例を示す。本実施の形態における超伝導単一光子検出器(SSPD)1は、基板2と、基板2上の所定の検出領域Aに配設され、超伝導状態で使用される超伝導ストリップ3とを有している。検出領域Aの平面サイズは、超伝導単一光子検出器1の使用目的に合わせて定められる。例えば、一辺15μm~50μmの正方形状に定められる。
本実施の形態において、超伝導ストリップ3は、検出領域Aにおいて直線状に形成されている。したがって、例えば、検出領域Aの平面サイズが一辺15μmである場合、超伝導ストリップ3は、検出領域Aの全域またはそれに近い領域をカバーするために、当該検出領域Aにおける線幅が例えば10μmから15μmまでの範囲を有する配線部分3Aを有する。
超伝導ストリップ3は、適宜の冷却手段(例えばギフォード・マクマホン式冷凍機)を用いて冷却することにより、超伝導状態で使用される。超伝導ストリップ3は、例えば、窒化ニオブ(NbN)で形成される。超伝導ストリップ3の厚みは例えば5nm以上10nm以下である。また、基板2は、例えばシリコン(Si)基板が用いられる。
超伝導ストリップ3は、検出領域Aの外部で電極4,5と接続されている。第1電極4は、伝送経路6に接続され、第2電極5は、グランド接続される。超伝導ストリップ3は、この伝送経路6を介してバイアス電流源7と接続されており、バイアス電流源7から超伝導ストリップ3に超伝導臨界電流を下回る所定のバイアス電流Ibが流れるように構成されている。なお、電極4,5間にはシャント抵抗13が接続されている。ただし、シャント抵抗13はなくてもよい。また、電極4,5および伝送経路6は、超伝導ストリップ3との接続箇所において超伝導状態が破壊されるのを防止すべく、超伝導ストリップ3と同じ材料により構成することが好ましい。
超伝導ストリップ3の受光面(検出領域A内の配線部分3A)に光子(単一光子)Pが入射すると、光子Pがもたらしたエネルギーがギャップエネルギーを超えることで、超伝導ストリップ3にはいくつかの物理過程を経て抵抗変化、もしくはインダクタンス変化が生じる。この抵抗変化、もしくはインダクタンス変化が、伝送経路6を通じて検出される。
このために、本実施の形態において、SSPD1は、伝送経路6とバイアス電流源7との間にバイアスティ(bias tee)8が接続されている。一般的に、バイアスティ8は、インダクタ9およびキャパシタ10を備えている。バイアスティ8は、3つの端部を有するT字状の配線の第1端部にインダクタ9を介してバイアス電流源7が接続され、第2端部に伝送経路6が接続され、第3端部にキャパシタ10を介して出力回路11が接続される。出力回路11は、増幅器12を含み、伝送経路6における電圧信号を増幅器12で増幅して出力する。ただし、増幅器12は用いない場合もある。
図2は、図1に示す超伝導ストリップの線幅方向の臨界電流値の分布を示す図である。図2は、線幅方向の臨界電流値の分布を、超伝導ストリップ3の配線部分3Aに流れるバイアス電流Ibの方向に直交する断面図とともに示している。本例において、配線部分3Aに流れるバイアス電流Ibの方向は、配線部分3Aの長手方向に等しい。本実施の形態において、配線部分3Aは、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含んでいる。本実施の形態において、超伝導ストリップ3の配線部分3Aは、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が第1値である中央帯31と、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が第1値より大きい第2値である側帯32と、を含む。
本実施の形態における超伝導ストリップ3の配線部分3Aの構成を説明するために、まず、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が均一な超伝導ストリップの問題点について説明する。図8は、従来構造の超伝導ストリップの線幅方向の臨界電流値の分布を示す図である。また、図9は、ダークカウント発生の原因となる超伝導ストリップの状態を例示する図である。
図8は、従来構造の超伝導ストリップ50の長手方向(バイアス電流Ibが流れる方向)に直交する断面図と、当該超伝導ストリップ50における線幅方向中心位置からの線幅方向距離Lに対するバイアス電流分布Jboを示すグラフとが示されている。従来構造の超伝導ストリップ50は、均一の材料(臨界電流密度が同じ材料)により膜厚一定に形成される。そのため、超伝導ストリップ50の線幅方向において、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoは、線幅方向距離Lによらず一定となる。
このような、従来構造の超伝導ストリップ50にバイアス電流Ibを流すと、超伝導ストリップ50の線幅方向両端部においてバイアス電流Ibが集中した電流分布Jboになると予測される。このような電流分布Jboの程度(線幅方向両端部におけるバイアス電流の集中の程度)は超伝導ストリップ50の線幅が広く、バイアス電流量が多いほど顕著になる。このため、超伝導ストリップ50に供給されるバイアス電流量が増加すると、超伝導ストリップ50の線幅方向両端部に流れるバイアス電流量が線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoに近づく。そのため、超伝導ストリップ50の線幅方向両端部に流れるバイアス電流量が線幅方向中央部に流れるバイアス電流量と比較して、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoに近づき易くなる。つまり、Jbo/Jcoが1に近づきやすくなる。超伝導ストリップ50の線幅方向両端部に流れるバイアス電流量が線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoに近づくほど、線幅方向両端部の超伝導性が弱められる。また、エッジ部分から磁束(ボルテックスまたは渦糸と呼ばれる)が侵入し易くなる。このことにより、超伝導ストリップ50のエッジ部分においてダークカウントが発生し易くなる。これが、超伝導ストリップ50の線幅が広いほどダークカウントが発生し易い原因の1つと考えられる。また、線幅方向両端部におけるバイアス電流量(バイアス電流分布Jboにおける線幅方向両端部の値)が線幅方向中央部におけるバイアス電流量(バイアス電流分布Jboにおける線幅方向中央部の値)よりも大きくなることによって、線幅方向中央部に十分なバイアス電流を印加することが難しくなるため、検出効率も制限されてしまう。
また、超伝導ストリップ50のエッジ部分は、図9に示すように、素子の作製プロセスに起因して、形状の不均一性を持ち得る。例えば、図9Aは、超伝導ストリップ50の断面図において、超伝導ストリップ50のエッジが欠けた状態を示している。このようなエッジの欠けにより超伝導ストリップ50の膜厚が不均一になる。また、図9Bは、超伝導ストリップ50の断面図において、超伝導ストリップ50の側面形状が粗い状態を示している。また、図9Cは、超伝導ストリップ50の平面図において、超伝導ストリップ50の線幅が不均一になっている状態を示している。
超伝導ストリップ50におけるこれらの状態は、線幅方向両端部の超伝導性を弱める要因となる。超伝導ストリップ50のエッジ部分においてこれらの形状を有することにより、エッジ部分から磁束(ボルテックスまたは渦糸と呼ばれる)が侵入し易くなる。バイアス電流が流れることにより当該磁束が超伝導ストリップ50を横断し、超伝導状態が破壊される。その結果、ダークカウントが発生する。このように、超伝導ストリップ50のエッジ部分における形状の不均一性も、ダークカウントの発生原因の1つと考えられる。
このような線幅方向におけるバイアス電流分布とダークカウントの発生原因の分析に基づいて、発明者らは、鋭意研究の末、超伝導ストリップ3の配線部分3Aにおいてエッジ部分の超伝導性が中央部分の超伝導性に対して弱められることによってダークカウントが発生し易くなるのであれば、超伝導ストリップ3の配線部分3Aを、線幅方向両端部において線幅方向中央部より線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が大きい配線部分を含むように構成することによってエッジ部分(線幅方向両端部)の超伝導性が弱められる効果を低減し、ダークカウントの低減と検出効率の向上が可能となることを想到するに至った。
図2には、本実施の形態における超伝導ストリップ3の配線部分3Aの断面図と、当該配線部分3Aにおける線幅方向中心位置(L=0)からの線幅方向距離Lに対する線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcを示すグラフとが示されている。本実施の形態において、中央帯31における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値は、第1値Jccであり、側帯32における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値は、第1値Jccより大きい第2値Jceである。
本実施の形態によれば、配線部分3Aの側帯32における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値より大きくなる。すなわち、側帯32における超伝導性は、中央帯31における超伝導性より強い。そのため、超伝導ストリップ3にバイアス電流Ibが流れた際に、配線部分3Aのエッジ部(すなわち側帯32)におけるバイアス電流量が中央帯31より多くても、超伝導状態の破壊を生じ難くすることができる。また、側帯32における超伝導性が強化されることにより、配線部分3Aのエッジ部の超伝導性の低下を抑制することができる。また、側帯32における超伝導性が強化されることにより、配線部分3Aのエッジ部の形状の不均一性による超伝導性の低下も抑制することができる。
このようにエッジ部における超伝導性の低下が抑制されることにより、ダークカウントの発生を低減することができる。ダークカウントの発生が低減されることにより、検出性能を低下させることなく配線部分3Aの線幅を広くしたり、温度環境を高くしたりすることができる。
さらに、従来構造における超伝導ストリップ50に供給されるバイアス電流Ibより高い電流値を有するバイアス電流Ibを配線部分3Aの中央帯31に供給することが可能になる。例えば、図2に示すように、配線部分3Aの中央帯31における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値(第1値Jcc)は、従来構造における超伝導ストリップ50の線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoに等しく、配線部分3Aの側帯32における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値(第2値Jce)は、従来構造における超伝導ストリップ50の線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcoより高い値に構成される。
この場合、図2のグラフ中において上向きのブロック矢印で示されるように、従来構造の超伝導ストリップ50にバイアス電流Ibを流した際にはダークカウントが発生し易いとされたバイアス電流Ib(電流分布Jboを有するバイアス電流)より高い電流値を有するバイアス電流Ib(図2に示す電流分布Jbを有するバイアス電流)を流しても、側帯32においてバイアス電流値が線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値Jcを超え難くなる。これにより、中央帯31におけるバイアス電流値を、従来構造に比べて線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値(第1値Jcc)に近づけることができる。
中央帯31におけるバイアス電流値を、線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値(第1値Jcc)に近づけることができるため、光子Pが中央帯31に入射した際の光子Pの検出効率およびジッタ特性(時間分解能)を向上させることができる。
以下に、本実施の形態における超伝導ストリップ3の製造方法について例示する。図3は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第1例を示す図である。図3の各ステップは、形成される超伝導ストリップ3においてバイアス電流が流れる方向に直交する断面図を示している。まず、ステップ1aでは、基板2上に所定の配線形状を有する配線層30を形成する。配線層30は、均一の材料を用いて一定の膜厚に形成される。本ステップ1aで形成される配線層30は、上述した従来構造の超伝導ストリップ50と同じ構造を有している。
次に、ステップ2aでは、配線層30の配線部分3Aaに相当する箇所の線幅方向両端部上にレジストなどのマスク33を形成し、エッチングを行う。エッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングの何れでもよい。ステップ3aでは、マスク33を除去することにより、超伝導ストリップ3の配線部分3Aaが形成される。エッチングにより膜厚が薄くなった部分が中央帯31となり、マスク33によりエッチングされなかった(膜厚が変わらなかった)部分が側帯32となる。
このように製造された配線部分3Aaは、第1の厚さD1を有する中央帯31と、中央帯31の線幅方向両端部において第1の厚さD1より厚い第2の厚さD2を有する側帯32と、を含む。本例における配線部分3Aaは、中央帯31および側帯32の何れにおいても臨界電流密度は等しい。しかし、側帯32の厚さが中央帯31の厚さより大きくなることにより、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きくなる。すなわち、側帯32の超伝導性が中央帯31より強くなる。
図4は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第2例を示す図である。図4の各ステップも、形成される超伝導ストリップ3においてバイアス電流が流れる方向に直交する断面図を示している。まず、ステップ1bでは、第1例と同様に、基板2上に所定の配線形状を有する配線層30を形成する。
次に、ステップ2bでは、配線層30の配線部分3Abに相当する箇所の線幅方向中央部上および基板2上にレジストなどのマスク34を形成し、その上から再度配線層30と同じ材料の追加層35を成膜する。ステップ3bでは、マスク34を除去することにより、超伝導ストリップ3の配線部分3Abが形成される。配線部分3Abは、マスク34で覆われていなかった配線層30の線幅方向両端部上に追加層35が残ることにより、膜厚が厚くなった部分が側帯32となり、追加層35が残らなかった部分が中央帯31となる。
第1例と同様に、本例において製造された配線部分3Abは、第1の厚さD1を有する中央帯31と、中央帯31の線幅方向両端部において第1の厚さD1より厚い第2の厚さD2を有する側帯32と、を含む。本例における配線部分3Abは、中央帯31および側帯32の何れにおいても臨界電流密度は等しい。しかし、側帯32の厚さが中央帯31の厚さより大きくなることにより、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きくなる。すなわち、側帯32の超伝導性が中央帯31より強くなる。
なお、図4の例では、配線層30のエッジ部分がマスク34で覆われないように形成されている。このため、配線層30の線幅方向両端部の外側において追加層35が基板2上に形成される領域が存在する。このため、マスク34を除去して得られる配線部分3Abの側帯32は、第2の厚さD2より薄い領域が存在する。ただし、側帯32は、全体として第1の厚さD1より厚く形成される。配線層30の線幅方向両端部の外側において追加層35が形成されることにより、図9Aないし図9Cで説明したようなエッジ部分における形状の不均一性によって生じる超伝導性の低下を抑制することができる。
これに代えて、配線層30の線幅方向両端部の外側において追加層35が基板2上に形成されないようにしてもよい。この場合、形成される側帯32には段差が生じないため、側帯32の厚さを第2の厚さD2に均一にすることができる。
また、本例では、追加層35は、配線層30と同じ材料としたが、追加層35は、配線層30と異なる超伝導性を有する材料でもよい。また、本例では、配線層30上に追加層35が接触した状態で形成される例を示したが、配線層30と追加層35との間に絶縁体層等の別の層があってもよい。すなわち、側帯32は、中央帯31と同じ厚さを有する第1の超伝導材料層と、第1の超伝導材料層に近接配置された第2の超伝導材料層を有していてもよい。この場合、第1の超伝導材料層と第2の超伝導材料層との間の別の層の膜厚は、第1の超伝導材料層と第2の超伝導材料層との間にトンネル電流が流れる限り特に限定されない。
図5は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第3例を示す図である。図5の各ステップも、形成される超伝導ストリップ3においてバイアス電流が流れる方向に直交する断面図を示している。まず、ステップ1cでは、第1例と同様に、基板2上に所定の配線形状を有する配線層30を形成する。なお、配線層30の配線部分3Acに相当する箇所の線幅は、最終的な配線部分3Acの線幅より短く(中央帯31の線幅に)形成される。
次に、ステップ2cでは、基板2上の配線部分3Acの側帯32に相当する箇所を除いてマスク36を形成し、その上から第2材料層37を成膜する。第2材料層37は、配線層30を構成する第1材料より高い臨界電流密度を有する第2材料により構成される。本例において第2材料層37の膜厚は、配線層30の厚みと同じ厚みである。
ステップ3cでは、マスク36を除去することにより、超伝導ストリップ3の配線部分3Acが形成される。これにより、本例における配線部分3Acは、第1の臨界電流密度を有する第1材料を用いた中央帯31と、中央帯31の線幅方向両端部において第1の臨界電流密度より高い第2の臨界電流密度を有する第2材料を用いた側帯32と、を含む。これにより、中央帯31と側帯32とが同じ膜厚を有していても、中央帯31と側帯32との間で異なる臨界電流密度を有することにより、中央帯31と側帯32とで線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が異なる。より具体的には、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きくなる。すなわち、側帯32の超伝導性が中央帯31より強くなる。
中央帯31と側帯32とで異なる臨界電流密度を有する超伝導ストリップ3の製造方法は、上記第3例に限られない。例えば、下記第4例に示すように、配線層30の線幅方向中央部にイオンビームまたは電子線が照射されることによって、イオンビームまたは電子線が照射された配線部分がイオンビームまたは電子線が照射されなかった側帯32に対して臨界電流密度が低い中央帯31が形成されてもよい。
図6は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第4例を示す図である。図6の各ステップも、形成される超伝導ストリップ3においてバイアス電流が流れる方向に直交する断面図を示している。まず、ステップ1dでは、第1例と同様に、基板2上に所定の配線形状を有する配線層30を形成する。本例において、配線層30は、イオンビームまたは電子線を照射することによって照射前に比べて臨界電流密度が小さくなるような材料で形成される。
次に、ステップ2dでは、配線層30の配線部分3Adに相当する箇所の線幅方向両端部上にレジストなどのマスク38を形成した上で、配線層30の表面に向けてイオンビームまたは電子線を照射する。ステップ3dでは、マスク38を除去することにより、超伝導ストリップ3の配線部分3Adが形成される。イオンビームまたは電子線の照射により臨界電流密度が小さくなった部分が中央帯31となり、マスク33によりイオンビームまたは電子線が照射されなかった(物性が変化しなかった)部分が側帯32となる。
本例における配線部分3Adは、第1の臨界電流密度を有する中央帯31と、中央帯31の線幅方向両端部において第1の臨界電流密度より大きい第2の臨界電流密度を有する側帯32と、を含む。これにより、中央帯31と側帯32とが同じ膜厚を有していても、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きくなる。すなわち、側帯32の超伝導性が中央帯31より強くなる。
なお、配線層30として用いられる超伝導材料には、イオンビームまたは電子線を照射することによって照射前に比べて臨界電流密度が大きくなるような材料も存在する。その場合、配線部分は、線幅方向両端部にイオンビームまたは電子線が照射されることにより、線幅方向中央部においてイオンビームまたは電子線が照射されていない中央帯31とは異なる臨界電流密度を有する側帯32が形成されてもよい。
また、超伝導材料によっては、例えば、X線、アルファ線、ガンマ線等の放射線等を照射することによって照射前に比べて当該超伝導材料の臨界電流密度を変化させ得る。
図7は、本実施の形態における超伝導ストリップの製造方法の第5例を示す図である。図7の各ステップも、形成される超伝導ストリップ3においてバイアス電流が流れる方向に直交する断面図を示している。まず、ステップ1eでは、第1例と同様に、基板2上に所定の配線形状を有する配線層30を形成する。
次に、ステップ2eでは、配線層30上の配線部分3Aeの中央帯31に相当する箇所を除いてマスク39を形成し、その上から金属等の非超伝導材料または配線層30より超伝導性が弱い超伝導材料による異種材料層40を成膜する。本例における異種材料層40は、配線層30上に接触または近接して配置されることにより、異種材料層40に接触または近接された配線層30の配線部分(中央帯31)がそれ以外の部分(側帯32)に比べて線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が小さくなる材料であればよい。
ステップ3eでは、マスク39を除去することにより、超伝導ストリップ3の配線部分3Aeが形成される。配線層30上に異種材料層40が形成された部分が中央帯31となり、マスク39により異種材料層40が形成されなかった部分が側帯32となる。本例の配線部分3Aeにおいて、中央帯31は、異種材料層40が接触することにより、臨界電流密度が側帯32より小さくなる。すなわち、側帯32の超伝導性が中央帯31より強くなる。
なお、異種材料層40と超伝導ストリップ3との間には、別の層が形成されてもよい。すなわち、異種材料層40と超伝導ストリップ3とは接触せず近接配置されていてもよい。
また、上記ステップ2eに代えて、配線層30上の配線部分3Aeの側帯32に相当する箇所を除いてマスク39を形成し、その上から配線層30より超伝導性が強い超伝導材料による異種材料層を成膜してもよい。この場合も、異種材料層と超伝導ストリップとは接触してもよいし、両者の間に別の層が形成されてもよい。この場合の異種材料層は、配線層30上に接触または近接して配置されることにより、異種材料層に接触または近接された配線層30の配線部分(側帯32)がそれ以外の部分(中央帯31)に比べて線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が大きくなる材料であればよい。
このように、種々の製造方法により、側帯32の超伝導性が中央帯31より強い超伝導ストリップ3の配線部分3Aの形成が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、超伝導ストリップ3(電極4,5間)が直線状に形成される例を示したが、超伝導ストリップ3は、直線状、メアンダ状、スパイラル状等、種々の形状を有し得る。例えば、超伝導ストリップ3がメアンダ状に形成される場合、そのうちの直線部分が中央帯31および側帯32を含む配線部分3Aとして構成されてもよいし、直線部分および曲線部分の何れもが中央帯31および側帯32を含む配線部分3Aとして構成されてもよい。また、超伝導ストリップ3の配線部分3Aの線幅は一定でなくてもよい。例えば、配線部分3Aは、電極4,5に近づくほど大きい線幅を有し、電極4,5間の中央位置に近づくほど小さい線幅を有してもよい。例えば、線幅方向両端部の位置が円弧状に形成されてもよい。
また、上記実施の形態においては、配線部分3Aの線幅が10μm以上15μm以下である場合を想定したが、10μm以下あるいは15μm以上の線幅を有する配線部分3Aにも適用可能であり、上記実施の形態で説明した同様の効果を奏する。さらに、上記実施の形態で説明した配線部分3Aの構成は、1μm以上の線幅を有するSMSPDに限られず、1μm未満の線幅を有するSNSPDにも同様に適用可能であり、上記実施の形態で説明した同様の効果を奏する。
また、上記実施の形態においては、中央帯31と側帯32との境界で、線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が離散的に(例えばステップ状に)変化している態様を例示したが、これに限られない。例えば、配線部分3Aにおいて線幅方向中央位置から線幅方向両端位置に向かうに従って、線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が第1値Jccから第2値Jceに連続的に変化してもよい。例えば、配線部分3Aは、線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が第1値Jccである中央帯31と、線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が第2値Jceである側帯32と、中央帯31と側帯32との間において線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向外方に向かうほど第1値Jccから第2値Jceに近づくような境界部とを有していてもよい。境界部において、線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値は、階段状に変化してもよいし、連続的に変化してもよい。
また、中央帯31と側帯32との間の明確な境界がなくてもよい。配線部分3Aにおいて線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が、線幅方向中央付近で最小値である第1値Jccとなり、線幅方向両端部付近で最大値である第2値Jceとなるように構成されてもよい。
また、上記実施の形態において配線部分3Aの製造方法として第1例から第5例を示したが、これらの例を適宜組み合わせてもよい。例えば、中央帯31と側帯32とを臨界電流密度が異なる材料としつつ、中央帯31の膜厚と側帯32の膜厚とを異なる膜厚としてもよい。この場合、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きい限り、中央帯31の膜厚は、側帯32の膜厚より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、側帯32の線幅方向における単位長さ当たりの臨界電流値が中央帯31より大きい限り、中央帯31の臨界電流密度は、側帯32の臨界電流密度より高くてもよいし、低くてもよい。
また、超伝導ストリップ3および基板2の材料は、上記実施の形態に限られず、種々適用可能である。また、超伝導ストリップ3と基板2との間には、別の一または複数の層があってもよいし、基板2と同じまたは異種の材料で構成された構造物があってもよい。
上記実施の形態では、本発明が適用される超伝導ストリップ検出器として、検出対象が単一光子であるSSPD1を例示したが、本発明が適用される超伝導ストリップ検出器は、これに限られない。本発明における超伝導ストリップ3の構成は、有意なエネルギーを有する種々の検出対象を検出するための種々の超伝導ストリップ検出器に適用することが可能である。検出対象は、例えば、光子(単一光子、多光子)、電子、分子、中性子、放射線等の粒子または電磁波を含む。放射線は、例えば、X線、ガンマ線、アルファ線等を含む。
[開示のまとめ]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施の形態の開示である。
[項目1]
有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器であって、前記超伝導ストリップは、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含む、超伝導ストリップ検出器。
[項目2]
前記配線部分は、第1の厚さを有する中央帯と、前記中央帯の線幅方向両端部において前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する側帯と、を含む、項目1に記載の超伝導ストリップ検出器。
[項目3]
前記配線部分は、第1の臨界電流密度を有する中央帯と、前記中央帯の線幅方向両端部において前記第1の臨界電流密度とは異なる第2の臨界電流密度を有する側帯と、を含む、項目1または2に記載の超伝導ストリップ検出器。
[項目4]
前記中央帯は、前記第1の臨界電流密度を有する第1材料を用いて構成され、前記側帯は、前記第1の臨界電流密度より高い前記第2の臨界電流密度を有する第2材料を用いて構成される、項目3に記載の超伝導ストリップ検出器。
[項目5]
前記配線部分は、線幅方向中央部または線幅方向両端部にイオンビームまたは電子線が照射されたものである、項目3に記載の超伝導ストリップ検出器。
[項目6]
前記配線部分は、配線層と、前記配線層の線幅方向中央部に接触または近接して配置され、非超伝導材料または前記配線層より超伝導性が弱い超伝導材料による異種材料層または前記配線層の線幅方向両端部に接触または近接して配置され、前記配線層より超伝導性が強い超伝導材料による異種材料層と、を含む、項目1から5の何れかに記載の超伝導ストリップ検出器。
[項目7]
有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器に用いられる超伝導ストリップの製造方法であって、前記超伝導ストリップを、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含むように形成する、製造方法。
1 超伝導単一光子検出器(超伝導ストリップ検出器)
3 超伝導ストリップ
3A,3Aa,3Ab,3Ac,3Ad,3Ae 配線部分
30 配線層
31 中央帯
32 側帯
40 異種材料層
A 検出領域

Claims (7)

  1. 有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器であって、
    前記超伝導ストリップは、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含む、超伝導ストリップ検出器。
  2. 前記配線部分は、第1の厚さを有する中央帯と、前記中央帯の線幅方向両端部において前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する側帯と、を含む、請求項1に記載の超伝導ストリップ検出器。
  3. 前記配線部分は、第1の臨界電流密度を有する中央帯と、前記中央帯の線幅方向両端部において前記第1の臨界電流密度とは異なる第2の臨界電流密度を有する側帯と、を含む、請求項1または2に記載の超伝導ストリップ検出器。
  4. 前記中央帯は、前記第1の臨界電流密度を有する第1材料を用いて構成され、前記側帯は、前記第1の臨界電流密度より高い前記第2の臨界電流密度を有する第2材料を用いて構成される、請求項3に記載の超伝導ストリップ検出器。
  5. 前記配線部分は、線幅方向中央部または線幅方向両端部にイオンビームまたは電子線が照射されたものである、請求項3に記載の超伝導ストリップ検出器。
  6. 前記配線部分は、
    配線層と、
    前記配線層の線幅方向中央部に接触または近接して配置され、非超伝導材料または前記配線層より超伝導性が弱い超伝導材料による異種材料層または前記配線層の線幅方向両端部に接触または近接して配置され、前記配線層より超伝導性が強い超伝導材料による異種材料層と、を含む、請求項1または2に記載の超伝導ストリップ検出器。
  7. 有意なエネルギーを有する検出対象の検出領域に配設される超伝導ストリップを備え、前記超伝導ストリップを超伝導状態とし、所定のバイアス電流経路から当該超伝導ストリップにバイアス電流を流すことで、前記検出領域において前記検出対象を検出する超伝導ストリップ検出器に用いられる超伝導ストリップの製造方法であって、
    前記超伝導ストリップを、線幅方向両端部における線幅方向単位長さ当たりの臨界電流値が線幅方向中央部より大きい配線部分を含むように形成する、製造方法。
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