JP2024058215A - 位置教示装置および位置教示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カメラを用いて正確な位置教示を行うことが出来る位置教示装置と位置教示方法を提供する。【解決手段】アームの先端に連結されるリスト部に支持される保持部によって基板を保持して、所定の搬送先まで前記基板を搬送する搬送ロボットに対して、前記所定の搬送先に設定される前記保持部の目標位置を教示する位置教示装置は、前記所定の搬送先に設置され、複数の検出点が設定されている位置教示治具と、前記保持部を支持するリスト部に搭載され、前記位置教示治具を撮影するカメラと、前記カメラから送信される画像データから前記保持部の前記目標位置と現在位置との変位量を求め、前記搬送ロボットの動作量を算出する教示部とを備え、前記複数の検出点は、前記保持部の進退方向に関して変位した位置に設定されており、前記教示部は、前記画像データに結像された前記複数の検出点の座標から前記動作量を算出する。【選択図】図12
Description
本発明は、アームの先端に設置された搬送部によって被搬送物を保持し、予め設定された搬送軌跡上を搬送する搬送装置、その搬送装置に搬送軌跡上の所定の目標位置を教示する位置教示方法、及び教示情報を得るための位置教示治具に関する。特に、半導体ウエハ等の薄物状の基板を被搬送物として搬送するための搬送装置、位置教示方法に関する。
従来、半導体ウエハ、液晶パネル、有機ELパネル、太陽電池用パネル等の薄物状物の搬送装置に搬送位置を教示する作業は、作業者が被搬送物(搬送対象物)もしくは教示用の治具を搬送先(搬送ポート)に設置し、搬送装置を搬送位置まで誘導して、目視にて教示位置を確認していた。そのため、時間のかかる作業であり、作業者の熟練度により、精度に大きな差を生じやすいものであった。また、搬送装置によっては、作業者が目視確認するのが困難なものも多く、さらには搬送装置の可動範囲内に入っての作業もあり、危険な場合もあった。そこで近年では、円盤状の治具にカメラを取り付け、搬送先に配置される対象物を撮影して、その撮像から送装置に搬送位置を自動で教示する自動教示方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、CCDカメラ70の搭載された軌跡検出用ウェハ治具を搬送アーム51で保持させた状態でグリッド図上を移動させることで搬送アーム51の所定移動区間の移動軌跡を撮影する位置教示方法が開示されており、この撮影した移動軌跡に基づいて所定移動区間内にある搬送アーム51の搬送先である停止位置を教示する。また、特許文献2では、配置プレート106上に設置されているカメラ104と、電源138と送信機156とを備えるカメラアセンブリ治具が提案されている。このカメラアセンブリ100を転送ロボット196のエンドエフェクタ198で保持してエンドエフェクタ198の位置を校正する。
上記のようなカメラを搭載した治具を使用することで、作業者が目視することが難しい場所であってものエンドエフェクタの目標位置への位置決めを実現することができるようになった。しかしながら、上記従来の方法ではカメラや電源、送信機といった重量のある治具を搬送ロボットのエンドエフェクタで保持する構成であるため、治具の重さでエンドエフェクタが撓んでしまい、エンドエフェクタの正確な現在位置を検出できない可能性があった。さらに、治具をエンドエフェクタに取り付ける際に、エンドエフェクタと治具との位置関係がズレてしまい、正確な位置教示が出来ないというトラブルも発生していた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の位置教示装置は、アームの先端に連結されるリスト部に支持される保持部によって基板を保持して、所定の搬送先まで前記基板を搬送する搬送ロボットに対して、前記所定の搬送先に設定される前記保持部の目標位置を教示する位置教示装置であって、前記所定の搬送先に設置され、複数の検出点が設定されている位置教示治具と、前記保持部を支持するリスト部に搭載され、前記位置教示治具を撮影するカメラと、前記カメラから送信される画像データから前記保持部の前記目標位置と現在位置との差を求め、前記搬送ロボットの動作量を算出する教示部とを備え、前記複数の検出点は、前記保持部の進退方向に関してそれぞれ変位した位置に設定されており、前記教示部は、前記画像データに結像された前記複数の検出点の座標から前記目標位置を教示することを特徴としている。
上記構成とすることで、保持部の進退方向に関してそれぞれ変位した位置に設定された複数の検出点の座標から、保持部の目標位置に対する差を求めることが出来る。複数の検出点が搬送ロボットが備える保持部の進退方向に関してそれぞれ変位した位置に設定されているので、前方に配置される検出点と後方に配置される検出点との差を検出して、リスト部に支持される保持部とカメラとを差を打ち消す方向に移動させることで、保持部を目標位置に移動させることが出来る。
また、複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と第2の位置決めマーカーの中心点とを含み、前記第1の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、前記第2の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、前記第2の位置決めマーカーは、前記第1の位置決めマーカーよりも高い位置に配置される構成としても良い。上記構成とすることで、第1の位置決めマーカーの中心点のX方向の座標と第2の位置決めマーカーの中心点のX方向の座標が一致したとしても、第2の位置決めマーカーの中心点が第1の位置決めマーカーに隠れることは無いので、第2の位置決めマーカーの中心点の位置を正確に検出することが出来る。
また、複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と、第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、前記第1の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、前記第1の位置決めマーカーの中心点と前記第2の位置決めマーカーの中心点と前記第3の位置決めマーカーの中心点とは、Z方向において同じ高さに配置される構成としても良い。さらに、複数の検出点は、第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点と、第5の位置決めマーカーの中心点と前記第6の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、前記第5の位置決めマーカーと前記第6の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点と前記第5の位置決めマーカーの中心点と前記第6の位置決めマーカーの中心点とは、Z方向において同じ高さに配置される構成としても良い。
上記構成とすることで、各位置決めマーカーのZ方向の高さに差を設ける必要が無いので、各位置決めマーカー高さを低く設定することが出来る。これにより、高さ方向に余裕の無い搬送先であっても位置教示治具を使用した位置教示が可能になる。
また、位置教示治具に保持部を検出するセンサを備えても良いし、位置教示治具に反射鏡を備え、反射鏡はカメラで保持部の所定の部位が撮影できる角度に調整されるよう構成しても良い。上記構成とすることで、保持部の進退方向に関する位置を正確に検出することが出来る。
また、本発明の位置教示方法は、アームの先端に連結されるリスト部に支持される保持部によって基板を保持して、所定の搬送先まで前記基板を搬送する搬送ロボットに対して、前記所定の搬送先に設定される前記保持部の目標位置を教示する位置教示方法であって、複数の検出点が設定されている位置教示治具を前記所定の搬送先に設置するステップと、前記保持部を支持するリスト部に搭載されるカメラで前記位置教示治具を撮影するステップと、前記カメラから送信される画像データから前記保持部の前記目標位置と現在位置との変位量を求めるステップと、前記変位量から前記搬送ロボットの動作量を算出するステップとを含み、前記複数の検出点は、前記保持部の進退方向に関してそれぞれ変位した位置に設定されており、前記動作量を算出するステップは、前記画像データに結像された前記複数の検出点の座標から前記動作量を算出することを特徴としている。
本発明によれば、リスト部にカメラを搭載して基板の搬送先に設けられる検出点を撮影する形態とすることで、重量のある治具を搬送ロボットのエンドエフェクタで保持する必要が無くなったため、エンドエフェクタが撓んでしまうといった不具合も発生せず、エンドエフェクタの正確な現在位置を検出することが出来る。さらに、治具をエンドエフェクタに取り付ける必要がなくなったので、治具取り付け時に発生するエンドエフェクタと治具との位置関係のズレに起因する教示位置のズレが発生するというトラブルもなくすことが出来る。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと同等なもので置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明が適用される一実施形態として、円盤状の基板である半導体ウエハWを所定の場所に搬送する搬送ロボット2と、搬送ロボット2を備える半導体製造システム1を例として説明する。図3は半導体製造システム1の概略を示す側面断面図であり、図4は半導体製造システム1の概略を示す平面断面図であり、図5は搬送ロボット2を示す正面断面図である。半導体製造システム1は、前の処理工程からFOUP(Front-Opening Unified Pod)3と呼ばれる密閉容器の内部に収納され運搬されてきた半導体ウエハWを、大気雰囲気と真空雰囲気との中継室であるロードロックチャンバ4に搬送するEFEM5(Equipment Front End Module)と、ロードロックチャンバ4に搬送された半導体ウエハWを受け取って、所定の雰囲気下でその表面に各種処理を施す処理装置6とから構成されている。
EFEM5は、FOUP3を載置してその蓋を開閉するロードポート7と、FOUP3の内部に収納された半導体ウエハWを保持して所定の経路に沿って処理装置6へと搬送する搬送ロボット2と、搬送ロボット2を鉛直方向(Z方向)に対して直角な図中のX軸方向(X方向)に平行移動させるX軸テーブル8を備えている。尚、本実施形態では、Z方向及びX方向に対して直角な方向をY方向としている。また、X方向、Y方向及びZ方向をEFEM5の設計上の方向としている。
また、搬送ロボット2が配置されるEFEM5の内部空間は、四方をフレーム9とカバーとから成る仕切り部材で囲まれていて、天井部分にはFFU(Fun Filter Unit)11が搭載されている。FFU11は、ファンの回転によって導入してきた空気をフィルタによって濾過して、清浄なクリーンエアとしてEFEM5内部に供給するもので、このFFU11から供給されるクリーンエアのダウンフローよって、搬送ロボット2の動作により発生した塵埃はEFEM5の外部へと排出されることとなり、EFEM5内部は常に清浄な雰囲気に維持される。
ロードポート7は、前の処理工程での処理が終わった半導体ウエハWが収納されたFOUP3を所定の位置に固定して、FOUP3を閉鎖している蓋体13を開閉するための装置である。FOUP3の蓋がロードポート7によって開けられて、内部に収納されている半導体ウエハWは搬送ロボット2によって処理装置6へと搬送される。一般的にEFEM5には、複数のロードポート7がX方向に整列して隣り合った状態で、フレーム9の所定の位置に固定されている。ロードポート7は、FOUP3を所定の位置に固定するステージ12と、ステージ12をY軸方向に前進・後退移動させるステージ駆動機構16と、搬送ロボット2がFOUP3の内部に収容された半導体ウエハWの搬出・搬入を行うために形成されたポート開口部14と、ポート開口部14の開口面積と略同一の表面積を有し、FOUP3の内部を密閉するための蓋体13と一体化して蓋体13を開閉するポートドア15と、ポートドア15を昇降動作させるドア昇降機構17と、FOUP3内部における半導体ウエハWの在荷情報を取得するための不図示のマッピング装置とを備えている。
ステージ12にはキネマティックピンと呼ばれる円柱状の位置決めピン18が平面視して二等辺三角形を描くように三ヶ所に立設されている。この位置決めピン18は頂部が半球状の形状を有していて、FOUP3をこの位置決めピン18の上に載置すると、ピンの頂部とFOUP3の底部に形成された窪みとが自動求心作用によって各位置決めピン18の頂部が対応する窪みの傾斜面に案内され、FOUP3のX方向及びY方向における正確な位置決めを行う。さらに、位置決めピン18の上に載置されたFOUP3は水平な姿勢となり、FOUP3の内部に収納される半導体ウエハWも水平な姿勢となる。保持部19-1、19-2が保持している半導体ウエハWをFOUP3の棚板3aに載置する場合には、搬送ロボット2は、ウエハWを保持している保持部19-1、19-2をX方向、回転方向、Y方向の所定の位置まで移動させた後下降させることで半導体ウエハWをFOUP3の棚板3a上に載置する。FOUP3の棚板3aに載置された半導体ウエハWを搬出する場合には、搬送ロボット2は、保持部19-1、19-2をX方向、回転方向、Y方向に移動させて半導体ウエハWの下方に移動させた後、FOUP3内の所定の位置まで保持部19-1、19-2を上昇させることで半導体ウエハWを保持する。
FOUP3は内部に半導体ウエハWを収納して各処理工程間で運搬するための密閉可能な容器であり、内部には半導体ウエハWを水平な状態で保持するための棚板3aが鉛直方向に間隔を空けて複数形成されている。FOUP3の形状や様々な仕様は、半導体製造装置メーカーや材料メーカーで構成される業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が定めるSEMI規格によって規定されている。例えば、FOUP3に収納された半導体ウエハWの中心位置や、内部に形成される棚板3aの鉛直方向の間隔等が規定されている。本実施形態で使用されるFOUP3もSEMI規格に準拠したものであり、棚板3aは鉛直方向に25段形成されており、各棚板3aの鉛直方向のピッチは10mmとなっている。上記構成により、FOUP3に対する保持部19-1、19-2の位置を教示する場合には、FOUP3の各棚板3aに対する位置をそれぞれ教示する必要は無く、FOUP3に配置される最下段の棚板3aに載置される半導体ウエハWに対する載置位置を教示しておけば、他の棚板3aに対する教示位置は容易に算出することが出来る。
アライナ52は、半導体ウエハWの中心点の変位量と、ノッチやオリエンテーションフラットといった半導体ウエハWの外周に形成された切り欠き部の位置とを検出して、半導体ウエハWを予め設定された位置に正確に位置決めする装置である。本実施形態のアライナ52は、半導体ウエハWを吸着保持するスピンドル21と、スピンドル21上に吸着保持される半導体ウエハWを鉛直な回転軸を中心として回転させる不図示の回転駆動部と、回転している半導体ウエハWの周縁部の位置を検出する透過光式センサ22と、スピンドル21と回転駆動部とを昇降させる不図示の昇降駆動部と、昇降駆動部をX方向及びY方向に移動させる不図示の水平駆動部とを備えている。FOUP3内に収納されていた半導体ウエハWは、搬送ロボット2によって一旦アライナ52へと搬送され、ウエハ中心点の正確な位置と、ノッチやオリエンテーションフラットの回転方向の位置とを位置決めされた後、ロードロックチャンバ4へと搬送される。本実施形態のアライナ52は、EFEM5の内部に設けられるテーブル23の上面にネジで固定されており、本実施形態のアライナ52は、水平調節機構によって、スピンドル21上に保持された半導体ウエハWが水平な姿勢となるように調節されている。
ロードロックチャンバ4は、EFEM5と真空雰囲気の搬送チャンバとの間に配置され、EFEM5内に配置される搬送ロボット2と搬送チャンバ内に配置される真空搬送ロボット60との間で半導体ウエハWをやり取りするための装置である。ロードロックチャンバ4は、内部を密閉状態に維持可能な真空容器と、この真空容器の内部に配置され、EFEM3と処理装置6との間でやり取りされる半導体ウエハWを載置するウエハステージ25と、真空容器の内部を真空雰囲気と大気雰囲気に維持するための雰囲気維持手段とを備えている。また、真空容器の搬送装置に面する面と搬送チャンバに面する面にはそれぞれ半導体ウエハWが通過可能な開口が設けられており、この開口は、ゲートバルブ26によってそれぞれ気密に閉鎖可能な構造となっている。
本実施形態で使用される搬送ロボット2は、所謂ダブルアームのスカラ型ロボットであり、この搬送ロボット2の基台27は、搬送ロボット2を水平面内で直線方向に移動させるX軸テーブル8の移動子に、ブラケット28を介して固定されている。X軸テーブル8は、搬送ロボット2を水平面内のX軸方向に案内する不図示の一対のガイドレールと、このガイドレールに対して平行に配設された同じく不図示の送りネジ機構と、この送りネジ機構のネジ軸を回転駆動するための走行駆動モータ10とを備えている。この構成により、X軸テーブル8が備える走行駆動モータ10の駆動軸が正転もしくは逆転することで、搬送ロボット2はX方向に前進及び後退移動する。また、X軸テーブル8は不図示の水平調節手段を備えており、搬送ロボット2を水平面内で移動させるように調節されている。
搬送ロボット2は、基台27と、基台27に対して昇降移動及び水平面内での回転移動が可能な胴体29と、胴体29に軸受けを介して固定され、伸縮動作が可能な構成の左右一対のアーム体30-1、30-2とを備えている。基台27は、内部に昇降機構31を備えており、この昇降機構31の動作により胴体29を鉛直方向(Z方向)に昇降移動させる。昇降機構31は、胴体29を鉛直方向に案内するガイドレール32と、このガイドレール32に対して平行に配設された不図示の送りネジ機構と、この送りネジ機構のネジ軸を回転駆動するための昇降駆動モータ33とで構成されている。この昇降駆動モータ33が作動することで、送りネジ機構の移動子が鉛直方向に昇降移動し、移動子にブラケット34を介して取り付けられた胴体29が移動子と一体的に昇降移動する。また、胴体29は水平面内での回転移動が可能となるように軸受35を介して取り付けられており、さらに、ブラケット34には、胴体29を回転させる回転駆動モータ36と減速機37が備えられており、回転駆動モータ36の出力軸が正転及び逆転することで、胴体29が鉛直方向に延在する中心軸C1を回転中心として水平面内で時計回り及び反時計回りに回転する。
胴体29の上部には一対のアーム体30-1、30-2が図面視して左右対称となるように備えられている。ここで、左右対称の関係にある各アーム体30-1、30-2のうちアーム体30-1を例として以下に説明する。アーム体30-1は基端が胴体29に軸受を介して回転可能に取り付けられている下アーム38-1と、基端が下アーム38-1の先端に軸受を介して回転可能に取り付けられる上アーム39-1と、基端が上アーム39-1の先端に軸受を介して回転可能に取り付けられる保持部19-1とで構成されている。下アーム38-1は鉛直方向に延在する中心軸C2を回転中心として水平面内で回転可能であり、上アームは鉛直方向に延在する中心軸C3を回転中心として水平面内で回転可能であり、保持部19-1は鉛直方向に延在する中心軸C4を回転中心として水平面内で回転可能な構成となっている。
また、下アーム38-1には胴体29内に配置されるアーム駆動モータ40-1が減速機を介して連結されている。アーム駆動モータ40-1の出力軸が正転もしくは逆転することで下アーム38-1は、中心軸C2を回転中心として、胴体29に対して所定の回転比で水平面内において時計回りもしくは反時計回りに回転する。また、下アーム38-1と上アーム39-1の内部には、アーム駆動モータ40-1の駆動力を上アーム39-1と保持部19-1に伝えるための伝達機構であるプーリとベルトが備えられている。胴体29と下アーム38-1の連結部分である第1関節41-1と、下アーム38-1と上アーム39-1の連結部分である第2関節42-1と、上アーム39-1と保持部19-1の連結部分である第3関節43-1の各位置に配置されたプーリの回転比はこれらプーリの直径比によって調節されており、第1関節41-1と第2関節42-1と第3関節43-1におけるプーリの回転比は、1:2:1となるように調節されている。上記構成により、アーム駆動モータ40-1の出力軸が正転および逆転することでアーム体30-1は水平面内で屈伸動作を行い、アーム体30-1の先端部に取り付けられた保持部19-1は水平面内の直線上を、姿勢を変えることなく進退移動する。なお、搬送ロボット2が備えるもう一つのアーム体30-2の構成は、第1保持部19-1と第2保持部19-2の構成以外はアーム体30-1のものと同様のものであり、アーム体30-1と同様の動作を行う。
本実施形態のX軸テーブル8が備える走行駆動モータ10と搬送ロボット2が備える昇降駆動モータ33と回転駆動モータ36とアーム駆動モータ40-1、40-2とは、ステッピングモータ等の出力軸の角度制御が可能なモータが使用されることが望ましい。また、各モータ10、33、36、40-1、40-2には出力軸の回転角度を検出するエンコーダを備えることとしても良い。各モータ10、33、36、40-1、40-2と各エンコーダとは搬送ロボット2が備えるロボットコントローラ44と電気的に接続されており、このロボットコントローラ44が、予め記憶している位置データとスピードデータに沿って、各モータ10、33、36、40-1、40-2の動作を制御する。
保持部19-1、19-2は、半導体ウエハWを保持するフィンガ50-1、50-2と、このフィンガ50-1、50-2をそれぞれ保持して、上アーム39-1、39-2の先端と連結するリスト部20-1、20-2とで構成される。本実施形態の搬送ロボット2では、上側の第1保持部19-1が備える上フィンガ50-1と下側の第2保持部19-2が備える下フィンガ50-2とは同一の形状を有しており、上面視して同一の位置となるように各リスト部20-1、20-2に固定されている。フィンガ50-1、50-2が半導体ウエハWを保持する方法としては、半導体ウエハWを真空吸着力で吸着する方法や、公知のクランプ機構によって半導体ウエハWの周縁を機械的に保持する方法、所謂静電チャック機構によって半導体ウエハWを静電吸着する方法等多様な保持方法が適用可能である。また、保持部19-1、19-2はリスト部20-1、20-2が備える水平調節機構により水平な姿勢となるように調整されている。さらに保持部19-1、19-2は、フィンガ50-1、50-2の設計上最も望ましい位置に保持された場合の半導体ウエハWの中心点P1と胴体29に設定される回転中心C1とを結ぶ直線L1が、各アーム体30-1、30-1の伸縮動作によって保持部19-1、19-2が進退移動する方向であるR方向と一致するように設定されている。図6を参照。
また、本実施形態のリスト部20-1、20-2には、それぞれカメラ53が備えられており、カメラ53はレンズとイメージセンサと不図示の通信手段とを備えている。イメージセンサは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの半導体素子から成っていて、光学レンズによって結像された画像をイメージセンサの各素子(セル)の信号データとして送信する。本実施形態では、イメージセンサを構成する各素子の縦方向の並びをZ軸とし、Z軸に対して垂直な横方向の並びをX軸と規定していて、イメージセンサの各素子には個別のZX座標が割り振られている。また、イメージセンサにより結像された画像のZ座標はEFEM5に規定されるZ方向に対して平行となり、X座標はEFEM5に規定されるX方向に対して平行となるように設定されている。なお、本実施形態のEFEM5では、カメラ53で撮影した画像データはカメラ53が備える通信手段によりリアルタイムで制御装置54へと送信される。また、カメラ53による撮影は、この制御装置54から送信される撮影開始信号を受信したタイミングで実行される。本実施形態で使用されるカメラ53は、搭載されるレンズの光軸L2が水平方向に延在するように調節されてリスト部20-1、20-2に固定されている。また、光軸L2は、半導体ウエハWの中心点P1と胴体29の回転中心C1とを結ぶ直線L1と水平面内で一致するように、且つ、水平方向に延在するように設定される。ここで、光軸L2と直線L1との鉛直方向の離間距離D1は作業者により調節される設計上既知の数値である。図7を参照。
次に、搬送ロボット2の動作を制御するロボットコントローラ44と、カメラ53から送信される画像データを処理する制御装置54の構成について説明する。図8は本実施形態のロボットコントローラ44と制御装置54の構成を示す図である。ロボットコントローラ44は少なくとも、搬送ロボット2が備える各種センサからの信号を受信し、各モータを作動させるモータドライバに動作信号を送信するロボット制御部45と、教示データやスピードデータ等の各種データ、制御プログラム等を記憶する記憶部46と、制御装置54との間で通信を行う通信部47とを備えている。制御装置54は少なくとも、リスト部に搭載されたカメラ53やロボットコントローラ44との間で通信を行う通信部48と、通信部48から受信した画像データや教示プログラム等を記憶する記憶部49と、受信した画像データから搬送ロボット2の位置教示を行う教示部62とを備えている。また、教示部62は少なくとも、カメラ53から受信した画像データを位置データ(座標データ)に変換処理する画像処理モジュール61aと、画像処理モジュール61aにより変換処理された位置データを基に搬送ロボット2の動作量を算出する動作量算出モジュール61bとで構成される。画像処理モジュール61aが処理するデータは、カメラ53から送られて来る各素子の出力信号であり、画像処理モジュール61aは、イメージセンサの入射面上に設定された座標に関連付けて、撮影された被写体の位置データを算出する。また、制御装置54は、カメラ53で撮影した画像や教示データを表示する表示部63と、作業者が動作指令を入力する入力部64とを備えている。なお、本実施形態のEFEM5では、カメラ53との通信は制御装置54が備える通信部48が行い、カメラ画像の処理は教示部62を構成する画像処理モジュール61aと動作量算出モジュール61bが行っているが、本発明はこれに限定されることは無く、例えばロボットコントローラ44が教示部62を備える構成であってもよい。さらに、位置教示を行う際に、教示部62を備える外部コンピュータを接続して、カメラ53との通信や画像処理を外部コンピュータが行う構成としても良い。
図9は、本実施形態の位置教示治具55を使用した位置教示を実行するにあたり、走行駆動モータ10とアーム駆動モータ40-1、40-2が個別に動作した場合の半導体ウエハWの中心点P1が通る軌跡を模式的に示す図である。直線X1、X2、X3はX方向に延在する直線であり、直線X1は半導体ウエハWを保持した搬送ロボット2がロードポート7-1、7-2、7-3に正対した姿勢でX軸テーブル8が動作したときの中心点P1の移動軌跡である。直線X2は搬送ロボット2がアライナ52に正対した姿勢でX軸テーブル8が動作したときの中心点P1の移動軌跡である。さらにX2は、胴体29に設定される中心軸C1が通過する軌跡でもある。直線X3は搬送ロボット2がロードロックチャンバ4に正対した姿勢でX軸テーブル8が動作したときの中心点P1の移動軌跡である。直線Y1~Y5はY方向に延在する直線であり、Y1、Y2、Y3は半導体ウエハWを保持した搬送ロボット2がロードポート7-1、7-2、7-3にそれぞれ正対したときにアーム体30-1、30-2を伸縮動作させた場合の中心点P1の各移動軌跡を表している。Y4、Y5は搬送ロボット2がロードロックチャンバ4-1、4-2にそれぞれ正対したときにアーム体30-1、30-2を伸縮動作させた場合の半導体ウエハWの中心点P1が移動する軌跡を表している。
なお、上記軌跡Y1~Y5、X1、X2はX方向およびY方向に平行な軌跡であり、搬送ロボット2がロードポート7-1、7-2、7-3に搭載されたFOUP3やロードロックチャンバ4-1、4-2に対して半導体ウエハWを搬送する経路を生成するための基礎となるものである。実際に半導体ウエハWを搬送する場合には、搬送時間の短縮の必要性から、上記直線動作に加えて、図9(b)に示すように、X軸テーブル8の動作とアーム体30-1、30-2の動作を組み合わせて、円弧状等の最短となる経路を生成したり、X軸テーブル8の動作とアーム体30-1、30-2の動作を組み合わせて、上記軌跡Y1~Y5、X1、X2と一致しない経路を生成したりする。
次に、リスト部に搭載されるカメラ53が撮影する対象となる位置教示治具55の一実施形態について説明する。図10(a)は位置教示治具55を上面から見た図であり、図10(b)は裏面から見た図、図10(c)は側面から見た図である。本実施形態の位置教示治具55は、搬送ロボット2の半導体ウエハWを搬送する搬送先の所定の位置に設置されるように構成されている。なお、ここでは、ロードポート7-1のステージ12上に設置される形態について説明していく。本実施形態の位置教示治具55は、ベース板56と、ベース板56に立設される高さの異なる2本のマーカーポスト57-1、57-2と、これらマーカーポスト57-1、57-2にそれぞれ設置されるマーカー58-1,58-2とで構成されている。また、ベース板56はアルミニウム等の金属製の板状の部材であり、下面にはロードポート7-1のステージ12上に立設される3本の位置決めピン18の頂部に対応する3か所に位置決め用の溝59が形成されている。位置教示治具55をステージ12の位置決めピン18上に載置すると、位置教示治具55の自重により各位置決めピン18の頂部と各溝59とが自動求心作用によって各位置決めピン18の頂部が各溝59の傾斜面に案内され、位置教示治具55がステージ12に対して所定の位置に正確に位置決めされる。
本実施形態の2本のマーカーポスト57-1、57-2は直方体に形成された部材であり、ベース板56の上面にベース板56に対して垂直に立設されている。また、本実施形態の2本のマーカーポスト57-1、57-2は高さが異なるように形成されており、以下では、高さが低い方を第1のマーカーポスト57-1とし、高い方を第2のマーカーポスト57-2として説明する。また、第1のマーカーポスト57-1と第2のマーカーポスト57-2とは、搬送ロボット2の各保持部19-1,19-2の進退方向(R方向)に関してそれぞれ変位した位置に配置されており、高さの低い第1のマーカーポスト57-1は、各保持部19-1,19-2の進退方向(R方向)に関して近い位置、言い換えると、搬送ロボット2に対して前方となる位置に配置され、高さの高い第2のマーカーポスト57-2は、各保持部19-1,19-2の進退方向(R方向)に関して遠い位置、言い換えると、搬送ロボット2に対して後方となるように配置される。また、上面視して第1のマーカーポスト57-1の中心点P2と第2のマーカーポスト57-2の中心点P3を結ぶ直線L3は、位置教示治具55がロードポート7-1のステージ12上に設置された際に、EFEM5に設定されるY方向と平行となるように設定されている。なお、本実施形態のベース板56や2本のマーカーポスト57-1、57-2はアルミニウムで製造されているが、本発明はこれに限定されることは無く例えばステンレススチール製や塩化ビニール等の樹脂製であっても良い。
第1のマーカーポスト57-1と第2のマーカーポスト57-2の搬送ロボット2に対向する面には、位置検出用マーカー58-1、58-2がそれぞれ貼付されている。本実施形態の位置検出用マーカー58-1、58-2は、白色のベースに黒色で十文字が記された正方形の板状の部材が使用されている。さらに、この十文字の直線の交差する位置が各位置検出用マーカー58-1、58-2のそれぞれの中心点P4、P5となる。この中心点P4、P5が位置教示治具55に設定される検出点であり、この中心点P4、P5をカメラ53で撮影して、撮影した各中心点(検出点)P4、P5の画像上のXZ座標から、制御装置54がその画像を演算処理することで、各マーカー58-1,58-2の中心点P4、P5を位置データとして算出して、各フィンガ50-1、50-2の目標位置を正確に算出する。なお、位置検出用マーカー58-1、58-2の形態は十文字に限定されることはなく、例えば、AR(Augmented Reality)マーカーのように白色のベースに黒色の幾何学的な模様が施されたものであっても良いし、照準マークのようなものであっても良い。なお、以下では、各保持部19-1,19-2の進退方向(R方向)に関して近い位置に配置され、高さの低い第1のマーカーポスト57-1に添付されるものを第1のマーカー58-1とし、各保持部19-1,19-2の進退方向(R方向)に関して遠い位置に配置され、高さの高い第2のマーカーポスト57-2に添付されるものを第2のマーカー58-2として説明する。また、制御装置54が第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2とを誤って認識しないように、第2のマーカー58-2は外周が黒縁で囲まれたものを使用している。
また、第1のマーカー58-1と第1のマーカーポスト57-1は、位置教示治具55を正面から見て第2のマーカー58-2に干渉しない高さとなるように設定されている。また、この2つのマーカー58-1、58-2の中心点P4、P5を結ぶ直線L4は、上面視して、ロードポート7-1に載置されるFOUP3の内部に収納される半導体ウエハWの中心点P1と一致するように設定されている。さらにこの直線L4は、上面視して、ロードポート7-1、7-2、7-3に載置されるFOUP3の内部に収納されている半導体ウエハWの中心点P1を通り、Y方向に平行な直線Y1、Y2、Y3と一致するように設定されている。ここで、水平面内において検出点P4、P5を通り平行に延在する直線L4は、位置教示を実行する上での基準線L4となる。なお、中心点P4と、中心点P5とのX方向の座標は一致しており、中心点P4と中心点P5のY方向の座標、及びZ方向の座標は、互いに所定の距離をもって変位している。このY方向及びZ方向の変位距離は、設計上求めることの出来る既知の値である。
本実施形態の位置教示治具55は、ロードポート7、ロードロックチャンバ4-1、4-2、アライナ52といった半導体ウエハWの搬送先に設置することが出来るようにベース板56が形成されている。各搬送先に設置された位置教示治具55の検出点である第1のマーカー58-1の中心点P4と、第2のマーカー58-2の中心点P5の位置と、ロードポート7、ロードロックチャンバ4-1、4-2、アライナ52の半導体ウエハWを載置する載置位置とのX方向、Y方向、Z方向における離間距離は設計上の既知の値である。教示部62は各検出点を撮影したカメラ53の画像データから、位置教示治具55の各検出点の位置を算出して保持部19-1,19-2を目標位置にまで移動させる。ここで得られた目標位置のデータと半導体ウエハWを載置する位置との離間距離とを対応させて、保持部19-1,19-2の教示位置を算出する。
ここで、EFEM5が備える搬送ロボット2、X軸テーブル8,ロードポート7-1、アライナ52は、位置教示が始まる前に全て水平方向と鉛直方向の調整がされている。ロードポート7-1は、ステージ12上に載置されるFOUP3、及びFOUP3内に載置される半導体ウエハWが水平な姿勢となるように、自身が備える水平調節機構によって調整されている。搬送ロボット2は、胴体29が鉛直方向に昇降移動するように昇降機構31が調節されており、胴体29は、水平面内でいずれの回転角度に移動したとしても水平な姿勢が維持されるように、不図示の調節機構によって調節されている。搬送ロボット2が備える保持部19-1、19-2は、不図示の水平調節機構により水平な姿勢となるように調整されており、カメラ53の光軸L2は水平となるように調節されている。また、搬送ロボット2は、各関節に設けられる不図示の水平調節機構により、アーム体30-1、30-2が伸縮動作を行っても、先端に取り付けられた保持部19-1、19-2が鉛直方向に変位することなく、水平面内を往復移動するように調節されている。また、ロードロックチャンバ4の内部に配置されるウエハステージ12は、載置される半導体ウエハWが水平な姿勢となるように水平調節機構により調節されている。
<Z方向の位置教示>
次に、本実施形態の位置教示治具55とカメラ53を使った位置教示方法について詳しく説明する。図24は本実施形態の位置教示方法の手順を示すフロー図である。なお、ここでは、ロードポート7-1に対して搬送ロボット2が備える第1アーム体30-1と第1保持部19-1の正確な位置を位置教示する手順について説明する。初めに、作業者はEFEM5が備える搬送ロボット2、ロードポート7-1、X軸テーブル8、アライナ52に原点サーチ動作を実行させ、所定の搬送先に位置教示治具55をセットする。そして、作業者は表示部63に表示されるメニュー画面から入力部64を操作することにより教示プログラムを起動する。教示プログラムが起動すると、制御装置54がX軸テーブル8を動作させて、搬送ロボット2をロードポート7-1に正対する位置まで移動させ、次にアーム体30-1を動作させて保持部19-1を、予め設定された検出位置まで前進させ、位置教示治具55に配置されているマーカー58-1、58-2をカメラ53で撮影する。図11(a)は位置教示前の保持部19-1が検出位置まで前進した状態を示す図であり、図11(b)は、位置教示前の保持部19-1が検出位置まで前進した位置でマーカー58-1、58-2を撮影した際の画像を示している。検出位置は予め設定された位置であり、設計上EFEM5が備える他の部材に干渉しない位置である。また、安全にアーム体30-1、30-2を動作させることが出来る位置でもある。本実施形態のカメラ53で撮影した画像は、鉛直方向に延在する座標をZ座標とし、水平方向に延在する座標をX座標として説明する。また、画面を上下に二等分してX方向に延在する直線を水平グリッド線L5とし、水平グリッド線L5に対して垂直な方向である鉛直方向に延在し、画面を左右に二等分する直線を鉛直グリッド線L6とする。また、水平グリッド線L5と鉛直グリッド線L6とが交差する点を画像中心点P6とする。
次に、本実施形態の位置教示治具55とカメラ53を使った位置教示方法について詳しく説明する。図24は本実施形態の位置教示方法の手順を示すフロー図である。なお、ここでは、ロードポート7-1に対して搬送ロボット2が備える第1アーム体30-1と第1保持部19-1の正確な位置を位置教示する手順について説明する。初めに、作業者はEFEM5が備える搬送ロボット2、ロードポート7-1、X軸テーブル8、アライナ52に原点サーチ動作を実行させ、所定の搬送先に位置教示治具55をセットする。そして、作業者は表示部63に表示されるメニュー画面から入力部64を操作することにより教示プログラムを起動する。教示プログラムが起動すると、制御装置54がX軸テーブル8を動作させて、搬送ロボット2をロードポート7-1に正対する位置まで移動させ、次にアーム体30-1を動作させて保持部19-1を、予め設定された検出位置まで前進させ、位置教示治具55に配置されているマーカー58-1、58-2をカメラ53で撮影する。図11(a)は位置教示前の保持部19-1が検出位置まで前進した状態を示す図であり、図11(b)は、位置教示前の保持部19-1が検出位置まで前進した位置でマーカー58-1、58-2を撮影した際の画像を示している。検出位置は予め設定された位置であり、設計上EFEM5が備える他の部材に干渉しない位置である。また、安全にアーム体30-1、30-2を動作させることが出来る位置でもある。本実施形態のカメラ53で撮影した画像は、鉛直方向に延在する座標をZ座標とし、水平方向に延在する座標をX座標として説明する。また、画面を上下に二等分してX方向に延在する直線を水平グリッド線L5とし、水平グリッド線L5に対して垂直な方向である鉛直方向に延在し、画面を左右に二等分する直線を鉛直グリッド線L6とする。また、水平グリッド線L5と鉛直グリッド線L6とが交差する点を画像中心点P6とする。
撮影した画像データは制御装置54へと送信され、制御装置54が備える画像処理モジュール61aによって位置データへと変換される。動作量算出モジュール61bによって位置データを基に搬送ロボット2の動作量を算出する。ここで、カメラ53の光軸L2は水平となるように調節されているので、第1の保持部19-1が適正な位置にある場合、撮影された画像の画像中心点P6と検出点の一つである第2のマーカー58-2の中心点P5とが高さ方向で変位している場合には、画像処理モジュール61aは中心点P5を描画している画素(ピクセル)が、画面の画像中心点P6に配置される画素(ピクセル)に対してZ座標でどの程度変位しているかを算出する。算出されたデータは動作量算出モジュール61bに送信され、この変位を補正するZ方向の補正動作量を算出する。算出した動作量はロボットコントローラ44に送信され、ロボットコントローラ44はその動作量に従って搬送ロボット2の昇降機構31を動作させる。その後、中心点P5のZ座標が水平グリッド線L5上に位置するまで、上記一連のZ座標位置合わせ動作を繰り返す。そして、このZ方向の位置教示動作が完了したら、制御装置54は、カメラ53が撮影した画像データ、補正値、適正な位置データをロボットコントローラ44が備える記憶部46に記憶させる。
なお、撮影にあたっては、2つのマーカー58-1、58-2のどちらか一方を撮影する形態であってもよい。さらに、カメラ53で撮影する画像は静止画に限定されることは無く、制御装置54はカメラ53で動画を撮影しながら昇降機構31を動作させて、第2のマーカー58-2の中心点P5と水平グリッド線L5が一致するタイミングをリアルタイムで検出する形態であっても良い。また、第1と第2のマーカー58-1、58-2とFOUP3内の最も下の棚板3aに配置される半導体ウエハWとの位置関係は既知な値であるので、第1のマーカー58-1、もしくは第2のマーカー58-2の位置から鉛直方向(Z方向)に関する目標位置を求めることで、FOUP3内の最も下の棚板3aに配置される半導体ウエハWを保持するための教示位置を求めることが出来る。ロードポート7-1において求める保持部19-1,19-2の鉛直方向(Z方向)、X方向、Y方向、回転方向に関する目標位置は、ロードポート7-1に載置されるFOUP3の最下段の棚板3aに載置される半導体ウエハWを保持するための保持部19-1,19-2の教示位置に対応している。また、FOUP3の棚板3aの上下方向の間隔は既知であるので、最下段の棚板3aに関する鉛直方向(Z方向)の位置が求められれば、それよりも上の棚板3aの教示位置は容易に算出することが出来る。
なお、中心点P4と中心点P5とのZ軸方向の距離D2は設計上の既知の数値であるので、中心点P5のZ座標が水平グリッド線L5上に位置した後に、搬送ロボット2の昇降機構31を作動させて、カメラ53を距離D2だけ下降させて、中心点(検出点)P4のZ方向の位置を水平グリッド線L5上に位置させる。そしてカメラ53で第1のマーカー58-1を撮影して、第1のマーカー58-1の中心点(検出点)P4のZ方向の位置が水平グリッド線L5上に位置していることを確認する。ここで、中心点P4は中心点P5よりも搬送ロボット2寄りに配置されているので、カメラ53の光軸L2と位置教示治具55の水平度が合っていない場合、中心点P4が水平グリッド線L5上に位置しないことになる。この場合には位置教示動作を中断して、作業者が搬送ロボット2とロードポート7の水平度の調整を再度行って教示動作を再開させることが望ましい。
<X方向と回転方向の位置教示>
次に、搬送ロボット2のX方向と回転方向の位置を教示する手順について説明する。図12(a)は、保持部19-1が進退移動する方向であるR方向と第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5とを結ぶ基準線L4が延在する方向とが一致する目標位置にある状態を上面から示す概略図であり、図12(b)は、この状態のときに第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2をカメラ53で撮影したときの画像である。X方向の位置と回転方向の位置を教示するには、位置教示治具55に配置される第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2の両方を使用する。この位置教示動作で求められるX方向における目標位置は、図面視して搬送ロボット2の胴体29の回転中心軸C1の位置が、中心点P4と中心点P5とを結ぶ基準線L4上と一致する位置である。また、この位置教示動作で求められる回転方向の目標位置は、アーム体30-1の伸縮動作により保持部19が進退移動する方向であるR方向と基準線L4が延在する方向とが一致する位置のことである。
次に、搬送ロボット2のX方向と回転方向の位置を教示する手順について説明する。図12(a)は、保持部19-1が進退移動する方向であるR方向と第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5とを結ぶ基準線L4が延在する方向とが一致する目標位置にある状態を上面から示す概略図であり、図12(b)は、この状態のときに第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2をカメラ53で撮影したときの画像である。X方向の位置と回転方向の位置を教示するには、位置教示治具55に配置される第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2の両方を使用する。この位置教示動作で求められるX方向における目標位置は、図面視して搬送ロボット2の胴体29の回転中心軸C1の位置が、中心点P4と中心点P5とを結ぶ基準線L4上と一致する位置である。また、この位置教示動作で求められる回転方向の目標位置は、アーム体30-1の伸縮動作により保持部19が進退移動する方向であるR方向と基準線L4が延在する方向とが一致する位置のことである。
R方向と基準線L4が延在する方向とが一致するときには、搬送ロボット2の回転中心軸C1の水平面内における位置は基準線L4上にある。また、すでに説明したとおり、保持部19-1が進退移動する方向であるR方向とカメラ53の光軸L2とは一致するように調整されているので、R方向と基準線L4が延在する方向とが一致している場合、撮影した画面では、第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5は、画面ではX座標上の中央位置を示す鉛直グリッド線L6上に位置する。
図13(a)は、製造上の組付け誤差によって搬送ロボット2の回転中心軸C1がX軸方向において基準線L4上から変位した位置にあり、さらに、胴体29も回転中心軸C1を回転中心として、上面視して時計回りに変位した位置にある状態を示す概略図であり、図13(b)は、この状態のときにカメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影した画像である。図13(a)で示される破線は、カメラ53で撮影可能な画角の範囲を示している。図13(a)に示される状態では、第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5のいずれも鉛直グリッド線L6上には位置しておらず、さらに、中心点P4と中心点P5のX方向の座標も一致していない。
制御装置54はここで、X方向の位置教示を実行する。X方向の位置教示は、X軸テーブル8のみを動作させて、画面上で中心点P4のX方向の座標と中心点P5のX方向の座標が一致するまで搬送ロボット2を図面視して下方に移動させる。この移動のとき、カメラ53は動画モードで所定のタイミングで静止画を撮影して位置を検出しても良いし、X軸方向の移動動画で撮影して、に対してX方向の移動をリアルタイムに検出撮影しても良いことが望ましい。撮影した画像データは制御装置54へと送信され、制御装置54が備える画像処理モジュール61aによって位置データへと変換される。動作量算出モジュール61bによって位置データを基に、中心点P4と中心点P5のX方向の座標が一致する位置に達するまでのX軸テーブル8の動作量を算出する。図14(a)は、X軸テーブル8のみを動作させて中心点P4のX方向の座標と中心点P5のX方向の座標とが一致した時点でのカメラ53と位置教示治具55の状態を示す概略図であり、図14(b)は、この状態にあるときにカメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影した画像である。この状態では、中心点P4と中心点P5のX方向の座標は一致しているが、中心点P4と中心点P5のいずれも鉛直グリッド線L6上には位置しておらず、画面上では、中心点P4と中心点P5のいずれも鉛直グリッド線L6に対して左側、すなわち、X座標上でプラス方向に変位した位置にある。
次に制御装置54は、回転方向の位置教示を実行する。回転方向の位置教示は、図14(b)の画像データを基に回転駆動モータ36を動作させて、胴体29と第1アーム体30-1、第1保持部19-1を中心軸C1を回転中心として反時計回りに回転させて、中心点P4を鉛直グリッドL6上まで移動させる。図14(b)の画像データは制御装置54へと送信され、制御装置54が備える画像処理モジュール61aによって位置データへと変換される。動作量算出モジュール61bによって位置データを基に、中心点P4が鉛直グリッド線L6上に位置するまでの回転駆動モータ36の動作量を算出する。この回転方向への移動のとき、カメラ53は所定のタイミングで静止画を撮影して位置を検出しても良いし、動画で撮影して、X方向の移動をリアルタイムに検出する構成としても良い。図15(a)は、中心点P4と鉛直グリッドL6が一致したときのカメラ53と位置教示治具55の状態を示す概略図であり、図15(b)は、カメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影した画像である。カメラ53は動画モードで撮影しており、カメラ53の画像上で中心点P4と鉛直グリッドL6が一致したところで回転駆動モータ36の動作を停止させている。画面上では、中心点P4は鉛直グリッド線L6上に位置している。また、第2のマーカー58-2の中心点P5は、それ以前に撮影した画像である図に比べて、鉛直グリッド線L6に近い位置に移動している。
制御装置54は、カメラ53で撮影した画面上で、中心点P4と中心点P5が共に鉛直グリッド線L6に対して所定の許容範囲内に到達するまで、上記したX方向の位置教示と回転方向の位置教示を繰り返す。そして、所定の許容範囲内に到達した時点で、位置教示動作を終了し、位置教示により取得したZ方向、X方向、及び回転方向に関する教示データを、ロボットコントローラ44の記憶部46に記憶させる。
本実施形態の位置教示治具55を使用するZ方向、X方向、回転方向の位置教示は上記手順に沿って行われる。製造誤差に起因する変位を解消するために、まず、制御装置54はカメラ53で撮影した画像を教示部62に送信する。教示部62は画像処理モジュール61aによって検出点である第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2の各中心点P4、P5を描画している画素(ピクセル)と、水平グリッド線L5上に配置される画素(ピクセル)の座標を検出して、検出した各座標から上下方向の位置変位量を算出する。次に教示部62は、画像処理モジュール61aで算出された位置データを動作量算出モジュール61bに送信する。動作量算出モジュール61bは、送られてきたデータから、この変位量を補正するためのZ方向の補正動作量を算出する。次に制御装置54は、Z方向の補正動作終了後にカメラ53で撮影した画像を教示部62に送信する。教示部62は、画像処理モジュール61aによって中心点P4、P5と画像中心点P6の画面上の座標から位置データを算出する。算出された位置データは動作量算出モジュール61bに送信され、動作量算出モジュール61bは、送られてきた位置データから、変位量を補正するための回転方向の補正動作量とX方向の補正動作量を算出する。算出された補正動作量はロボットコントローラ44に送信され、ロボットコントローラ44はその動作量に従ってX軸テーブル8と搬送ロボット2の回転駆動モータを動作させる。その後、制御装置54とロボットコントローラ44は、各保持部19-1、19-2の進退方向Rと第1のマーカー58-1の中心点と第2のマーカー58-2の中心点とを結ぶ基準線L4が延在する方向とが一致するまで上記作業を繰り返し、制御装置54は、この位置教示で取得した位置データを記憶部46に記憶させる。
<Y方向の位置教示>
次に、Y方向の位置教示手順について説明する。Y方向の位置教示は、FOUP3に対して半導体ウエハWを搬入もしくは搬出するにあたって、保持部19-1の現在位置を検出して、保持部19-1をR方向に移動させる移動量を算出するための作業である。Y方向の位置教示では、制御装置54が、保持部19-1を上記位置教示動作によって補正された検出位置まで移動させて、カメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影し、この画像から第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5とのZ軸方向の距離D2を算出することで、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2に対する保持部19-1のY方向の現在位置を位置教示する。また、アーム体30-1を動作させて、保持部19-1を検出位置から所定の移動量で前進移動したところで再度第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影して、保持部19-1のY方向の現在位置を算出することとしても良い。さらに、検出位置の画像から算出したY方向の位置と前進移動したときのY方向の位置から、保持部19-1の移動量を算出することも出来る。また、保持部19-1をY方向に検出位置まで移動させることでカメラ53が第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影する位置も同じように移動することになるので、画面上に映し出される第1と第2のマーカー58-1、58-2を描写する画素数も多くなり、検出位置までの移動前の画像では検出できなかった位置変位を移動後に検出することもある。この場合には、上記したX方向の位置調整、回転方向の位置調整を再度実行してY方向の位置教示を行う。このように、Z方向の位置調整とX方向の位置調整、回転方向の位置調整、Y方向の位置調整を繰り返し実行することで教示位置の精度を向上させることが望ましい。
次に、Y方向の位置教示手順について説明する。Y方向の位置教示は、FOUP3に対して半導体ウエハWを搬入もしくは搬出するにあたって、保持部19-1の現在位置を検出して、保持部19-1をR方向に移動させる移動量を算出するための作業である。Y方向の位置教示では、制御装置54が、保持部19-1を上記位置教示動作によって補正された検出位置まで移動させて、カメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影し、この画像から第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5とのZ軸方向の距離D2を算出することで、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2に対する保持部19-1のY方向の現在位置を位置教示する。また、アーム体30-1を動作させて、保持部19-1を検出位置から所定の移動量で前進移動したところで再度第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影して、保持部19-1のY方向の現在位置を算出することとしても良い。さらに、検出位置の画像から算出したY方向の位置と前進移動したときのY方向の位置から、保持部19-1の移動量を算出することも出来る。また、保持部19-1をY方向に検出位置まで移動させることでカメラ53が第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影する位置も同じように移動することになるので、画面上に映し出される第1と第2のマーカー58-1、58-2を描写する画素数も多くなり、検出位置までの移動前の画像では検出できなかった位置変位を移動後に検出することもある。この場合には、上記したX方向の位置調整、回転方向の位置調整を再度実行してY方向の位置教示を行う。このように、Z方向の位置調整とX方向の位置調整、回転方向の位置調整、Y方向の位置調整を繰り返し実行することで教示位置の精度を向上させることが望ましい。
また、本発明の位置教示方法で検出された位置教示結果を半導体製造システム1が備える基板検出手段によって評価することも出来る。例えば、EFEM5に備えられたアライナ52によって教示データを評価することが出来る。位置教示が完了した後、搬送ロボット2がFOUP3に収納された半導体ウエハWをアライナ52に搬送する。アライナ52は半導体ウエハWをスピンドル21上に保持して回転させることで半導体ウエハWの外周を透過光式センサ22によって検出する。これにより半導体ウエハWの中心がスピンドル21の回転中心に対してXY方向にどの程度変位しているかが検出できる。制御装置54はこのアライナ52の検出結果から評価の高い教示データと評価の低い教示データとに分類して、例えば、機械学習や深層学習によって、最適な教示データを算出するモデルを生成する。これにより、より精度の高い位置教示を行うことが出来る。なお、基板検出手段はアライナ52の他に、例えばロードロックチャンバ4-1、4-2や搬送チャンバ24に備えられる不図示の基板検出センサを使用しても良い。
また本発明では、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2に加えて、Y方向の位置教示を行うための追加マーカー58-aと追加マーカー58-bを備えることも可能である。図16(a)は、本実施形態の追加マーカー58-aと追加マーカー58-bを備える位置教示治具65を示す図である。追加マーカー58-aと追加マーカー58-bは、位置教示治具55のベース板56に固定される追加マーカーポスト57-aと追加マーカーポスト57-bにそれぞれ取り付けられる。追加マーカー58-aと追加マーカー58-bは、画像処理モジュール61aが容易に識別できるように、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2とは異なる図柄でそれぞれ構成されている。また、追加マーカー58-aと追加マーカー58-bは、Z方向で同じ高さとなるように配置され、Y方向(R方向)で同じ位置となるように配置されている。
上記構成とすることで、追加マーカー58-aと追加マーカー58-bは共にZ方向を縦軸、X方向を横軸とした平面内に配置され、カメラ53からの距離も同一であるので、追加マーカー58-aの中心点Paと追加マーカー58-bの中心点Pbとの距離D3をより正確に検出することが出来る。これにより、Y方向の位置教示も正確に行うことが出来る。さらに、追加マーカー58-aと追加マーカー58-bを位置教示治具65のX方向の両端に配置することで、画像上で中心点Paと中心点Pbの距離が大きくなり、Y方向の位置教示精度を向上させることが出来る。
なお、上記Y方向の教示動作は、2つのマーカー58-1、58-2の間の距離からY方向の距離を算出するものであり、測定精度を上げるためにはカメラ53とマーカー58-1、58-2との距離を十分に近づける必要がある。そこで、本発明の他の実施形態として、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2に加えて、保持部19-1のY方向の位置を検出するために、鏡66を備える形態としても良い。図17(a)は鏡66を備える位置教示治具67を示す図である。鏡66を具える位置教示治具67では、Z方向、X方向、回転方向の位置教示は上記した第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を使用した位置教示方法を実行して、その後、鏡66を使用してY方向の位置教示を実行する。鏡66は、カメラ53によって撮影される位置であって第1のマーカー58-1よりも下の位置であり、さらに、第1のマーカー58-1よりも搬送ロボット2に近い所定の位置に配置される。また、鏡66は図面視してY方向及びX方向に対して45°の角度をもって配置されており、これによりカメラ53は、Y方向に平行な光軸L2に対して直角に交差する位置にある対象物を鏡像として撮影することが出来る。
搬送ロボット2がアーム体30-1を作動させて保持部19-1を位置教示治具67に向かって前進させると、保持部19-1が備えるフィンガ50-1の先端部が、鏡66によって反射してカメラ53に鏡像として投射される。本実施形態において制御装置54は、鏡66に反射したフィンガ50-1の先端部で上方に突出して設けられる吸着パッド71の突出部が、カメラ53の画面上の鉛直グリッド線L6と一致したことを検出する。図17(b)を参照。このフィンガ50-1の先端部がカメラ53の画面上の鉛直グリッド線L6と一致したときのアーム体30-1の動作量から、制御装置54はY方向の教示位置を算出し、記憶部49に教示データを記憶する。また、検出する対象はフィンガ50-1の先端部に限定することはなく、例えば、フィンガ50-1にカメラ53による検出のための目印を設けても良い。
上記Y方向の位置教示では、位置検出の精度は、カメラ53に搭載されるイメージセンサの素子の数(画素数)に左右される。そこで、他の実施形態として、Y方向の位置教示を実施するにあたり、フィンガ50-1の先端部を検出するセンサ68を使用することも可能である。図16(b)は、本発明の第3の実施形態である位置教示治具69を示す図である。本実施形態の位置教示治具69では、第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2に加えて、保持部19-1のY方向の位置を検出するために、フィンガ50-1の先端部を検出するために透過光式センサ68を備える。上記位置教示治具67では、Z方向、X方向、回転方向の位置教示は上記した第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を使用した位置教示方法を実行して、その後、透過光式センサ68を使用してY方向の位置教示を実行する。本実施形態の位置教示治具69が備える透過光式センサ68は、略C字型のセンサであり、下方に配置される投光部から投射された検出光72を上方に配置される受光部が検出することで透過光式センサ68がオン信号を出力し、受光部が検出光72を検出していない時にはオフ信号を出力する形態としている。Z方向、X方向、回転方向の位置教示を実行した後、アーム体30-1を動作させて、保持部19-1をY方向に前進させる。そして、保持部19-1のフィンガ50-1の先端が透過光式センサ68の検出光72を遮るタイミングで受光部はオフ信号を出力する。このオフ信号を制御装置54が受信した時点におけるY方向の教示位置を算出し、記憶部49に教示データを記憶する。
上記実施形態の位置教示治具67、69では、アーム体30-1を動作させて、保持部19-1を位置教示治具67、69に近付けてY方向の位置を検出する。そのため、位置教示治具67、69への衝突を避けるため、Y方向の位置教示動作を実行する場合には、事前にZ方向、X方向、回転方向の位置教示が終了していることが望ましい。
上記説明したとおり、EFEM5に搭載された搬送ロボット2の位置教示を実行するにあたって本実施形態の位置教示治具55、65、67、69を使用した位置教示方法を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることは無い。例えば、直線的に進退移動するアーム体30-1、30-2を備える搬送ロボット2とX軸テーブル8を備えるEFEM5に代えて、同期補間制御を行う搬送ロボット73を備えるEFEM5´にも適用可能である。図18は、同期補間制御を行う搬送ロボット73を備えるEFEM5´と処理装置6を備える半導体製造システム1´を示す図である。本実施形態の搬送ロボット73は、不図示のモータにより水平面内で回転動作する第1アーム74と、基端を第1アーム74の先端に軸受けを介して回転可能に取り付けられ、不図示のモータにより水平面内で回転動作する第2アーム75と、基端を第2アーム75の先端に軸受けを介して回転可能に取り付けられ、不図示のモータにより水平面内で回転動作する保持部76を備えている。第1アーム74と第2アーム75と保持部76はそれぞれ別のモータで動作するようになっており、第1アーム74と第2アーム75と保持部76はそれぞれ独立して動作可能な構成となっている。これら第1アーム74と第2アーム75とが協働することで保持部76をX方向及びY方向に対して平行なる直線のみならず、所望の軌跡上を移動させることが出来る。さらに、保持部76は、第1アーム74と第2アーム75の動作にかかわらず、水平面内で回転移動することが出来る。
上記構成の搬送ロボット73の保持部76にカメラ53を搭載して、各ステージ7-1、7-2、7-3に本実施形態の位置教示治具55、65、67、69を設置することで本発明の位置教示方法を実行することが可能である。図19は本実施形態の搬送ロボット73で位置教示治具55を使用した位置教示動作を示す図である。なお、位置教示動作は制御装置54によって実行される。本実施形態の搬送ロボット73の場合、保持部76を回転移動させる際の回転中心は、胴体29に設定される中心軸Cではなく、保持部76に設定される中心軸C5である点が異なる。制御装置54は、上記した位置教示の手順に沿って位置教示を実行する。制御装置54は保持部76に搭載されたカメラ53で撮影した画像から保持部76の位置変位量を算出して、第1アーム74、第2アーム75を協働させて保持部をX方向に移動させ、さらに、保持部76を中心軸C5を回転中心として水平面内で回転させる。そして、基準線L4と光軸L2が一致するように、さらに、基準線L4と保持部76の進行方向Rが一致するように位置教示を実行する。
また、上記したカメラ53でマーカー58-1、58-2を撮影することで位置決めを行う方法は、位置教示以外にも、搬送ロボット2、73が長時間稼働することにより発生する保持部19-1、19-2の位置変位を補正することに使用出来る。搬送ロボット2、73は、例えば長期間稼働することで内部に備えるベルトに延びが生じたり、減速機のギアが擦り減ったりすることで、半導体ウエハWの搬送位置が、位置教示が完了した頃に比べて変位してしまうことがある。また、動作中の搬送ロボット2、73が何らかのトラブルで緊急停止した場合にも、ベルトに延びが生じて位置ズレ(変位)が発生することがある。そこで、本発明の一実施形態である位置補正治具77を予めEFEM5内に搭載しておき、稼働中の所定のタイミングで、長期間の使用に発生する変位を補正する作業を行う。位置補正治具77をEFEM5に予め搭載しておくことで、作業者が位置教示治具55、65、67、69をセットして再度位置教示する手間を省くことが出来る。
図20は本発明の他の実施形態である位置補正治具77を搭載するEFEM5、5´を示す図である。本実施形態の位置補正治具77はEFEM5内に配置されるベース板56上のアライナ52の近傍に配置され、位置教示治具55、65、67、69と同様に、第1のマーカーポスト57-1、第2のマーカーポスト57-2に取り付けられた第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を備えている。
制御装置54は、搬送ロボット2、73を動作させて位置教示治具55、65、67、69を使用するロードポート7-1、7-2、7-3やロードロックチャンバ4-1、4-2の位置教示が終了した後、位置補正治具77を使用して、搬送ロボット2の位置補正の基準となる位置情報を取得する動作を実行する。搬送ロボット2、73の基準位置情報を取得する動作は制御装置54によって実行される。基準位置情報を取得する動作は上記位置教示治具55、65、67、69を使用する位置教示動作と同様に、搬送ロボット2、73が備えるカメラ53で位置補正治具77を撮影して、第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5とを結ぶ基準線L4と搬送ロボット2の伸縮する方向Rを一致させて、搬送ロボット2、73のX方向、Y方向、回転方向、及びZ方向の位置教示を実行する。この位置補正治具77に対する位置教示で得られたX方向、Y方向、回転方向、及びZ方向の位置が基準位置である。ここで取得した基準位置情報はロボットコントローラ44が備える記憶部46に記憶させておく。
そして、搬送ロボット2、73が所定の期間稼働した後に、制御装置54は記憶部46に記憶していた基準位置情報に則って搬送ロボット2、73を基準位置まで移動させる。そして、制御装置54はカメラ53で第1のマーカー58-1と第2のマーカー58-2を撮影する。撮影した画像から、第1のマーカー58-1の中心点P4と第2のマーカー58-2の中心点P5の画面上での変位量を算出して、中心点P4と中心点P5とを結ぶ基準線L4と搬送ロボット2の伸縮する方向Rを一致させる動作を行う。一致させる動作が完了したら、以前取得したX方向、Y方向、回転方向、及びZ方向のデータと新たに取得したデータとを比較して、X方向、Y方向、回転方向、及びZ方向の変位量を算出する。また、この変位を打ち消す補正量の算出を行い、搬送ロボット2、73の各搬送位置に関する教示データにこの補正量を反映させて新たな補正位置データとする。
上記動作を行うことで半導体製造システム1を停止させることなく、変位を補正して、半導体ウエハWを位置教示直後の正確な位置に載置することが出来る。また、上記動作を定期的に実行することで、時間の経過による変位量の変化も把握することが出来るので、変位により引き起こされる載置ミス等のトラブルを未然に防止することが出来る。さらに、X方向、Y方向、回転方向、及びZ方向の変位量に閾値を設けておき、その閾値を超える変位が発生したらエラー信号を表示してメンテナンス作業を行う目安とすることも出来る。なお、位置補正治具77は半導体ウエハWの搬送動作に干渉しない位置に配置されることが望ましいことないうまでも無い。また、本実施形態では位置補正治具77はアライナ52の近傍に配置されているが、これに限定されることは無く、搬送動作に干渉しない位置であればEFEM5、5´内のどこに配置されていても良い。
上述した位置教示治具55では低い位置に配置される第1のマーカー58-1と高い位置に配置される第2のマーカー58-2を備え、各マーカー58-1、58-2の中心点P4、P5をフィンガ50-1、50-2の位置を算出する検出点としている。しかし、例えば上下方向の高さに制限のあるロードロックチャンバ4-1、4-2の自動教示を行う場合、位置教示治具55の全高が高すぎてが搬送チャンバ24に入らない可能性がある。そこで、高さ方向に制限のある場所でも設置可能な位置教示治具78、79について以下に説明する。
図21は、本実施形態の位置教示治具78を示す図である。本実施形態の位置教示治具78は、ベース板56と、ベース板56の上面に配置される第1のマーカーポスト57-1と、第1のマーカーポスト57-1に貼付される第1のマーカー58-1を備える点では位置教示治具55と同様の構成であるが、本実施形態の位置教示治具78は、第2のマーカーポスト57-2に代えて、第3のマーカーポスト57-3と第4のマーカーポスト57-4を備える構成としている。第3のマーカーポスト57-3と第4のマーカーポスト57-4は第1のマーカーポスト57-1と同じ高さ寸法を有しており、さらに、第3のマーカーポスト57-3には第3のマーカー58-3が貼付されており、第4のマーカーポスト57-4には第4のマーカー58-4が貼付されている。また、第1のマーカー58-1の中心点P4と第3のマーカー58-3の中心点P7と第4のマーカー58-4の中心点P8は、Z方向で同じ高さ位置となるように構成されている。
ここで、第1のマーカー58-1、第3のマーカー58-3、第4のマーカー58-4の各中心点P4、P7、P8の位置関係は、上面視してP4を頂点とする二等辺三角形となるように配置されており、位置教示治具78の前方からカメラ53で撮影した場合、第3のマーカー58-3と第4のマーカー58-4は第1のマーカー58-1に隠れることなく撮影される位置にある。また、各中心点P4、P7、P8の位置とそれぞれの離間距離は、設計上既知の値であるので、カメラ53で撮影した画像から、第1のマーカー58-1の中心点P4と第3のマーカー58-3の中心点P7との距離と、第1のマーカー58-1の中心点P4と第4のマーカー58-4の中心点P8との距離を求めることが出来る。
上記構成とすることで、位置教示治具78の前方からカメラ53で撮影した場合、第1のマーカー58-1の中心点P4と、第3のマーカー58-3の中心点P7と第4のマーカー58-4の中心点P8を結ぶ直線L7の中点P11とが、画面上のXZ座標における検出点となり、この二つの検出点からフィンガ50-1、50-2の位置を算出することが出来る。これにより、搬送ロボット2は、ロードロックチャンバ4-1、4-2等の上下方向の空間に余裕が無い場所においても、ロードポート7-1、7-2、7-3に対する自動教示と同様の自動教示動作を行うことが出来る。
さらに、第1のマーカー58-1に代えて、第5のマーカー58-5と第6のマーカー58-6を配置することも可能である。図22は、本実施形態の位置教示治具79を示す図である。第5のマーカー58-5と第6のマーカー58-6は第1のマーカー58-1に代えて配置されるものであり、第5のマーカー58-5の中心点P9と第6のマーカー58-6の中心点P10を結ぶ直線L8の中点P12は、第1のマーカー58-1の中心点P4と同様に、直線L4上に配置される構成となっている。また、第5のマーカー58-5は第5のマーカーポスト57-5に貼付されており、第6のマーカー58-6は第6のマーカーポスト57-6に貼付されている。第5のマーカーポスト57-5と第6のマーカー58-6は、第1のマーカーポスト58-1と同じ高さ寸法を有している。さらに、第5のマーカー58-5の中心点P9と第6のマーカー58-6の中心点P10と第3のマーカー58-3の中心点P7と第4のマーカー58-4の中心点P8は、Z方向に同じ高さ位置となるように構成されている。
なお、中心点P7と中心点P8を結ぶ直線L7と中心点P9と中心点P10を結ぶ直線L8は、上面視してそれぞれ基準線L4に対して直交する。また、中心点P7と中心点P8とは基準線L4の関して対称の位置にあり、中心点P9と中心点P10とは基準線L4の関して対称の位置にある。上記構成とすることで、位置教示治具79の前方からカメラ53で撮影した場合、第3のマーカー58-3の中心点P7と第4のマーカー58-4の中心点P8を結ぶ直線L7の中点P11と、第5のマーカー58-5の中心点P9と第6のマーカー58-6の中心点P10を結ぶ直線L8の中点P12が、画面上のXZ座標における検出点となり、この二つの検出点からフィンガ50-1、50-2の位置を算出することが出来る。図22を参照。
さらに、位置教示治具78、79のように全てのマーカー58-1、58-3~58-6のZ方向の高さを同じにすることによって、カメラ53と位置教示治具78、79の水平方向の変位量を正確に検出することが出来る。例えば位置教示治具78で説明すると、カメラ53と位置教示治具78が正確に水平方向の調整がされていたら、カメラ53で撮影された画像では、マーカー58-1、58-3、58-4の中心点P4、P7、P8は同じZ座標となる。しかし、例えばカメラ53が上向きに傾いていた場合、カメラ53に対して近い位置にあるマーカー58-1の中心点P4が画面上の水平グリッド線L5と一致する位置に調整すると、カメラ53から遠い位置にあるマーカー58-3、58-4の中心点P7、P8は、画面上で水平グリッド線L5よりも下のZ座標に位置する。このような状態になった場合、制御装置54は作業者に水平方向の調整を行う様、アラームを表示部63に表示する。作業者は水平方向の調整を行った後、位置教示プログラムを再開する。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳しく説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、搬送装置が搬送する基板は半導体ウエハW以外にも、フラットパネルディスプレイ等で使用される矩形基板や、PLP(Panel Level Package)やWLP(Wafer Level Package)のために使用される基板であっても良い。
Claims (16)
- アームの先端に連結されるリスト部に支持される保持部によって基板を保持して、所定の搬送先まで前記基板を搬送する搬送ロボットに対して、前記所定の搬送先に設定される前記保持部の目標位置を教示する位置教示装置であって、
前記所定の搬送先に設置され、複数の検出点が設定されている位置教示治具と、
前記保持部を支持するリスト部に搭載され、前記位置教示治具を撮影するカメラと、
前記カメラから送信される画像データから前記保持部の前記目標位置と現在位置との変位量を求め、前記搬送ロボットの動作量を算出する教示部とを備え、
前記複数の検出点は、前記保持部の進退方向に関して変位した位置に設定されており、
前記教示部は、前記画像データに結像された前記複数の検出点の座標から前記動作量を算出することを特徴とする位置教示装置。 - 前記複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と第2の位置決めマーカーの中心点とを含み、
前記第1の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、
前記第2の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、
前記第2の位置決めマーカーは、前記第1の位置決めマーカーよりも高い位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の位置教示装置。 - 前記保持部によって保持される前記基板の中心点は、水平面内において前記複数の検出点を結ぶ直線上に設定されることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の位置教示装置。
- 前記複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と、
第3の位置決めマーカーの中心点と第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、
前記第1の位置決めマーカーは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、
前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、
前記第1の位置決めマーカーの中心点と前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点とは、
Z方向において同じ高さに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位置教示装置。 - 前記複数の検出点は、
前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点と、
第5の位置決めマーカーの中心点と第6の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、
前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置され、
前記第5の位置決めマーカーと前記第6の位置決めマーカーとは前記搬送ロボットに対して近い位置に配置され、
前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点と前記第5の位置決めマーカーの中心点と前記第6の位置決めマーカーの中心点とは、
Z方向において同じ高さに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位置教示装置。 - 請求項1もしくは請求項2に記載の位置教示装置であって、
前記位置教示治具には、前記保持部を検出するセンサが備えられていることを特徴とする位置教示装置。 - 請求項1もしくは請求項2に記載の位置教示装置であって、
前記位置教示治具には反射鏡が備えられており、
前記反射鏡は、前記カメラで前記保持部の所定の部位が撮影できる角度に調整されていることを特徴とする位置教示装置。 - 請求項1もしくは請求項2に記載の位置教示装置であって、
前記位置教示治具には、
前記保持部と前記位置教示治具とのY方向における位置を検出するための一対の追加マーカーが備えられていることを特徴とする位置教示装置。 - アームの先端に連結されるリスト部に支持される保持部によって基板を保持して、所定の搬送先まで前記基板を搬送する搬送ロボットに対して、前記所定の搬送先に設定される前記保持部の目標位置を教示する位置教示方法であって、
複数の検出点が設定されている位置教示治具を前記所定の搬送先に設置するステップと、
前記保持部を支持するリスト部に搭載されるカメラで前記位置教示治具を撮影するステップと、
前記カメラから送信される画像データから前記保持部の前記目標位置と現在位置との変位量を求めるステップと、
前記変位量から前記搬送ロボットの動作量を算出するステップとを含み、
前記複数の検出点を、前記保持部の進退方向に関して変位した位置に設定し、
前記動作量を算出するステップは、前記画像データに結像された前記複数の検出点の座標から前記動作量を算出する、ことを特徴とする位置教示方法。 - 前記複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と第2の位置決めマーカーの中心点とを含み、
前記第1の位置決めマーカーを前記搬送ロボットに対して近い位置に配置し、
前記第2の位置決めマーカーを前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置し、
前記第2の位置決めマーカーを、前記第1の位置決めマーカーよりも高い位置に配置することを特徴とする請求項9に記載の位置教示方法。 - 前記保持部によって保持される前記基板の中心点を、水平面内において前記複数の検出点を結ぶ直線上に設定することを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載の位置教示方法。
- 前記複数の検出点は、第1の位置決めマーカーの中心点と、
第3の位置決めマーカーの中心点と第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、
前記第1の位置決めマーカーを前記搬送ロボットに対して近い位置に配置し、
前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとを前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置し、
前記第1の位置決めマーカーの中心点と前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点とを、
Z方向において同じ高さに配置することを特徴とする請求項9に記載の位置教示方法。 - 前記複数の検出点は、
前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点と、
第5の位置決めマーカーの中心点と前記第6の位置決めマーカーの中心点を結ぶ直線の中点とを含み、
前記第3の位置決めマーカーと前記第4の位置決めマーカーとを前記搬送ロボットに対して遠い位置に配置し、
前記第5の位置決めマーカーと前記第6の位置決めマーカーとを前記搬送ロボットに対して近い位置に配置し、
前記第3の位置決めマーカーの中心点と前記第4の位置決めマーカーの中心点と前記第5の位置決めマーカーの中心点と前記第6の位置決めマーカーの中心点とは、
Z方向において同じ高さに配置することを特徴とする請求項9に記載の位置教示方法。 - 請求項9もしくは請求項10に記載の位置教示方法であって、
前記位置教示治具にセンサを配置し、
前記センサによって前記保持部を検出することを特徴とする位置教示方法。 - 請求項9もしくは請求項10に記載の位置教示方法であって、
前記位置教示治具に角度調節された反射鏡を配置し、
前記反射鏡によって反射した前記保持部の所定の部位を、前記カメラで撮影することを特徴とする位置教示方法。 - 請求項9もしくは請求項10に記載の位置教示方法であって、
前記位置教示治具に、
前記保持部と前記位置教示治具とのY方向における位置を検出するための一対の追加マーカーを設置することを特徴とする位置教示装置。
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JP2022165437A JP2024058215A (ja) | 2022-10-14 | 2022-10-14 | 位置教示装置および位置教示方法 |
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