JP2024057895A - 制御装置、運航管理システム、および制御プログラム - Google Patents

制御装置、運航管理システム、および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】飛行の安全性を高めること。【解決手段】制御装置60は、駆動用機器15によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼13と、滑空揚力を生じる固定翼と、滑空揚力を調整する揚力調整機構と、を備えるeVTOLの飛行を制御する。制御装置60は、回転翼13の駆動を制御することで、回転揚力を調整する回転翼制御部621と、揚力調整機構の駆動を制御することで、滑空揚力を調整する固定翼制御部622を備える。電動飛行機の飛行時において駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、回転翼制御部621は回転揚力を低減させ、固定翼制御部622は滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する。【選択図】図4

Description

この明細書における開示は、制御装置、運航管理システム、および制御プログラムに関する。
特許文献1は、バッテリの電力で駆動する回転翼を備えたドローンを開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2020-196440号公報
バッテリを含む、回転翼の駆動用機器には、高出力負荷や航行環境のばらつきによって、温度やSOCの一時的な異常が発生し得る。たとえば特許文献1に開示のように駆動用機器を複数設けて冗長性をもたせたとしても、上記した異常は、複数の駆動用機器において同時に生じる虞がある。つまり、駆動用機器の冗長性を確保できなくなる虞がある。上記した観点において、または言及されていない他の観点において、制御装置、運航管理システム、および制御プログラムにはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、飛行の安全性を高めることができる制御装置、運航管理システム、および制御プログラムを提供することにある。
開示のひとつである制御装置は、
駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)の制御装置であって、
回転翼の駆動を制御することで、回転揚力を調整する回転翼制御部(621)と、
揚力調整機構の駆動を制御することで、滑空揚力を調整する固定翼制御部(622)と、
を備え、
電動飛行機の飛行時において駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、回転翼制御部は回転揚力を低減させ、固定翼制御部は滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する。
開示の制御装置によれば、駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、回転揚力を低減させる。これにより、駆動用機器の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、回転揚力の低減にともなって滑空揚力を増大させるため、揚力の低下を抑制することができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつである運航管理システムは、
駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)の運航管理システムであって、
電動飛行機の飛行に関する情報を取得する情報取得装置(50)と、
情報に基づいて飛行制御を行う制御装置(60)と、
を備え、
制御装置は、回転翼の駆動を制御することで、回転揚力を調整する回転翼制御部(621)と、揚力調整機構の駆動を制御することで、滑空揚力を調整する固定翼制御部(622)と、を有し、
電動飛行機の飛行時に、情報として駆動用機器の異常が予知または検知された情報を取得すると、回転翼制御部は回転揚力を低減させ、固定翼制御部は滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する。
開示の運航管理システムによれば、駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、回転揚力を低減させる。これにより、駆動用機器の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、回転揚力の低減にともなって滑空揚力を増大させるため、揚力の低下を抑制することができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
開示の他のひとつである制御プログラムは、
駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)を制御する制御プログラムであって、
少なくともひとつの処理部(201)に、
回転翼の駆動の制御により回転揚力を調整させ、
揚力調整機構の駆動の制御により滑空揚力を調整させ、
電動飛行機の飛行時において駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、回転揚力が減少し、滑空揚力が増大する制御を実行させる、
ことを含む。
開示の制御プログラムによれば、駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、回転揚力を低減させることができる。これにより、駆動用機器の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、回転揚力の低減にともなって滑空揚力を増大させるため、揚力の低下を抑制することができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、航続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
eVTOLの電力プロファイルを示す図である。 第1実施形態におけるeVTOLおよび地上局の構成を示す図である。 第1実施形態において、運航管理システムの機能配置を示す図である。 運航管理システムの概略構成を示す図である。 運航管理方法の一例を示すフローチャートである。 飛行制御方法の一例を示すフローチャートである。 電池最大出力のSOC依存性を示す図である。 変形例を示す図である。 第2実施形態における運航管理システムの概略構成を示す図である。 第3実施形態において、飛行制御方法を示すフローチャートである。 変形例を示す図である。 第4実施形態において、飛行制御方法を示すフローチャートである。 電池最大出力のSOC依存性と電池温度との関係を示す図である。 第5実施形態において、飛行制御方法を示すフローチャートである。 第6実施形態において、飛行制御方法を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
以下に示す制御装置、運航管理システム、および制御プログラムは、電動飛行機に適用される。電動飛行機は、移動するための駆動源としてモータ(回転電機)を備える。電動飛行機は、電動飛行体、電動航空機などと称されることがある。電動飛行機は、鉛直方向への移動、水平方向への移動が可能である。電動飛行機は、鉛直方向成分および水平方向成分を有する方向、つまり斜め方向への移動が可能である。電動飛行機は、たとえば電動垂直離着陸機(eVTOL)、電動短距離離着陸機(eSTOL)、ドローンなどである。eVTOLは、electronic Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。eSTOLは、electronic Short distance Take-Off and Landing aircraftの略称である。
電動飛行機は、有人機、無人機のいずれでもよい。有人機の場合、電動飛行機は、操縦者としてのパイロットにより操縦される。無人機の場合、電動飛行機は、操縦者による遠隔操作により操縦され、あるいは、コントロールシステムにより自動的に制御され得る。一例として本実施形態の電動飛行機は、eVTOLである。
<電力プロファイル>
図1は、eVTOLの離陸から着陸までの電力プロファイルを示している。なお、eVTOL以外の電動飛行機の電力プロファイルも、eVTOLと同様である。期間P1は、離陸期間、離陸時、出発期間、出発時などと称される。期間P2は、巡航期間、巡航時などと称される。期間P3は、着陸期間、着陸時、到着期間、到着時などと称される。便宜上、図1では期間P1,P3それぞれのほぼ全域において、必要電力、つまり出力を一定としている。
eVTOLは、期間P1において離陸地点から巡航開始地点まで上昇する。eVTOLは、期間P2において所定高度で巡航する。eVTOLは、期間P3において期間P2の終点から着陸地点まで降下する。eVTOLの移動は、期間P2において主として水平方向成分を含み、期間P1,P3において主として鉛直方向成分を含む。鉛直方向に移動する期間P1,P3において、eVTOLの回転翼の駆動には、所定時間連続で高出力が要求される。
この高出力により、回転翼を駆動するための駆動用機器である電池やEPUに大きな負荷が加わる。よって、電池やEPUが発熱し、その温度が上昇する。また、所定時間連続での高出力は、電池の残存容量(SOC)を大きく低下させる。EPUは、Electric Propulsion Unitの略称である。SOCは、State Of Chargeの略称である。さらに、必要な出力特性は、離着陸地点における風向、風速、気圧などの環境の影響、操縦士の技量、機体個体差などの操縦特性の影響を受けて、ばらつきやすい。
このため、たとえば離陸時において想定を上回る高出力特性が必要になった場合、巡行途中に高温異常や低SOC異常が発生し、必要な高出力特性を確保できずに垂直着陸が困難な状態になる虞がある。また、巡航時には、高度の影響で環境温度(外気温)が低下する。特に寒冷地帯では、低温環境が厳しい。これにより電池温度の低下が進むと、最悪のケースでは低温異常が発生し、電池の抵抗増加にともなう出力特性の低下により、垂直着陸が困難な状態になる虞がある。
駆動用機器に異常が発生した場合を想定し、冗長性をもたせて安全性を高めることは非常に重要である。しかしながら、上記した温度異常、SOC異常は複数の駆動用機器において同時に生じ得る。よって、駆動用機器の冗長性を確保できなくなる虞がある。
なお、上記した温度異常やSOC異常は、一時的な異常である。一時的な異常は、たとえば断線異常や電池容量劣化など、回復させることができない永続的な異常ではない。一時的な異常は、たとえば動作を停止すれば自然冷却で回復する自己発熱といった、異常状態を解消することが可能な異常である。
<揚力>
eVTOLに作用する揚力Lは、式1で示される。また、抗力Dは、式2で示される。式1,2において、ρは空気密度、Vは翼速度、Sは固定翼の表面積である。翼速度Vは、対気速度、飛行速度などと称されることがある。CLは揚力係数、CDは抗力係数である。
L=(CL・ρ・V・S)/2・・・(式1)
D=(CD・ρ・V・S)/2・・・(式2)
揚力L、抗力Dは、翼速度V(飛行速度)が増すと増加し、減速すると低下する。揚力L、抗力Dは、飛行高度が上がると空気密度ρが低下するため低下し、飛行高度が下がると空気密度ρが高まり、増加する。揚力L、抗力Dは、固定翼の表面積や翼型によって決まる揚力係数CL、抗力係数CDによって可変できる。
したがって、飛行領域でのルールや規制などに基づいて許容される飛行速度、飛行高度の範囲内に収まるように、揚力、具体的には回転揚力および滑空揚力を調整することが、安定で安全な飛行のためには好ましい。
<eVTOL>
図2は、eVTOLおよび地上局を示している。図2に示すように、eVTOL10は、機体本体11、固定翼12、回転翼13、および揚力調整機構14を備えている。eVTOL10は、さらに駆動用機器15、BMS16などを備えている。
機体本体11は、機体の胴体部である。機体本体11は、前後に延びた形状をなしている。機体本体11は、乗員が乗るための乗員室、および/または、荷物を搭載するための荷室を有している。
固定翼12は、機体の翼部であり、機体本体11に連なっている。固定翼12は、滑空揚力を提供する。滑空揚力は、固定翼12の生じる揚力である。一例として固定翼12は、主翼121と、尾翼122を有している。主翼121は、機体本体11の前後方向における中央付近から左右に延びている。尾翼122は、機体本体11の後部から左右に延びている。固定翼12の形状は特に限定されない。たとえば後退翼、三角翼、直線翼などを採用することができる。
回転翼13は、機体に複数設けられている。複数の回転翼13の少なくとも一部は、固定翼12に設けられてもよい。複数の回転翼13の少なくとも一部は、機体本体11に設けられてもよい。eVTOL10が備える回転翼13の数は、特に限定されない。一例として回転翼13は、機体本体11および主翼121のそれぞれに複数設けられている。eVTOL10は、6つの回転翼13を備えている。
回転翼13は、ロータ、プロペラ、ファンなどと称されることがある。回転翼13は、ブレード131と、シャフト132を有している。ブレード131は、シャフト132に取り付けられている。ブレード131は、シャフト132とともに回転する羽根である。複数のブレード131が、シャフト132の軸線周りに放射状に延びている。シャフト132は、回転翼13の回転軸であり、EPU152のモータによって回転駆動される。
回転翼13は、回転により推進力を生じる。推進力は、eVTOL10の離着陸時に、主に回転揚力としてeVTOL10に作用する。回転翼13は、離着陸時に主として回転揚力を提供する。回転揚力は、回転翼13の回転により生じる揚力である。離着陸時において、回転翼13は回転揚力のみを提供してもよいし、回転揚力とともに、前方に進む推力を提供してもよい。回転翼13は、eVTOL10のホバリング時に、回転揚力を提供する。
推進力は、eVTOL10の巡航時に、主に推力としてeVTOL10に作用する。回転翼13は、巡航時に主として推力を提供する。巡航時において、回転翼13は推力のみを提供してもよいし、推力とともに揚力を提供してもよい。
揚力調整機構14は、固定翼12の滑空揚力を調整する。揚力調整機構14は、固定翼12が生じる滑空揚力を増大させたり、減少させたりする。揚力調整機構14は、たとえば固定翼12の表面積、迎え角(AOA)、キャンバー(翼の湾曲)、失速AOA、および翼速度の少なくともひとつを調整することで、滑空揚力を調整する。AOAは、Angle Of Attackの略称である。一例として揚力調整機構14は、チルト機構141と、フラップ142を有している。
チルト機構141は、回転翼13のチルト角を調整するために駆動する。チルト機構141は、チルト機構141を駆動するモータやインバータなどとともに、チルト調整装置を構成している。チルト機構141を含むチルト調整装置は、たとえば回転翼13に対して個別に設けられている。チルト機構141は、機体に対する回転翼13の相対的な傾きを調整することにより、回転翼13のチルト角を調整する。
離着陸時において、チルト機構141は、各回転翼13の軸線が鉛直方向に対して平行となる位置に近づくように、チルト角を制御する。これにより、各回転翼13の回転による推進力は、主に回転揚力としてeVTOL10に作用する。よって、eVTOL10は、短距離での離着陸や鉛直方向での離着陸を行うことができる。
巡航時において、チルト機構141は、各回転翼13の軸線が水平方向に対して平行となる位置に近づくように、チルト角を制御する。これにより、各回転翼13の回転による推進力は、主に推力としてeVTOL10に作用する。よって、eVTOL10は、固定翼12によって滑空揚力を得つつ、各回転翼13の回転による前方への推力によって、前方に進むことができる。また、推力により翼速度Vを変化させることで、滑空揚力を調整することができる。
なお、チルト機構141を回転翼13に対して個別に設ける例を示したがこれに限定されない。たとえば並んで配置された複数の回転翼13のチルト角を、共通のチルト機構によって制御するようにしてもよい。回転翼13が翼部の一部と一体化され、翼部の一部および回転翼13がチルト機構により一体的に変位する構成としてもよい。
フラップ142は、可動翼片であり、固定翼12に設けられている。フラップ142は、フラップ142を駆動するモータやインバータなどとともに、フラップ調整装置を構成している。フラップ142は、高揚力装置と称されることがある。一例としてフラップ142は、主翼121の後縁に複数設けられている。複数のフラップ142のそれぞれにモータやインバータが設けられている。フラップ142は、主翼121に加えて、尾翼122に設けられてもよい。フラップ142は、固定翼12の前縁に設けられてもよい。
フラップ142は、固定翼12の表面積やキャンバーを調整する。たとえば、主翼121に設けられたフラップ142を下方位置に制御することで、主翼121に作用する滑空揚力が増加する。加えてフラップ142を主翼121から突出する方向に移動させることで、さらに滑空揚力を増やすことも可能である。
揚力調整機構14は、上記したチルト機構141、フラップ142に限定されない。揚力調整機構14として、機体本体11に対する固定翼12の相対的な傾きを調整するチルト機構を採用してもよい。この場合、固定翼12の迎え角を調整することができる。揚力調整機構14として、回転翼13とは別に設けられた推力用の回転翼を採用してもよい。この場合、翼速度を調整することができる。また、推力用の回転翼を設けることで、回転翼13を揚力(回転揚力)専用にすることも可能である。
揚力調整機構14として、可変翼を採用してもよい。固定翼12の表面積、キャンバー、取り付け角などを変化させることで揚力の調整が可能である。揚力調整機構14として、フラップ142とは別の高揚力装置、たとえばスラットを採用してもよい。スラットは、主翼121の前縁に設けられる。スラットを主翼121に対して前方に稼動させることで主翼121との間にすき間を作り、剥離を遅らせることができる。よって、より高い迎角まで失速せずに揚力を増大させることができる。つまり、失速AOAを遅らせることができる。
駆動用機器15は、回転翼13を回転駆動するための機器の少なくともひとつである。駆動用機器15は、電池(BAT)151および/またはEPU152を含む。電池151は、直流電力を蓄えることが可能であり、充電可能な二次電池である。二次電池は、たとえばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池である。電池151として、二次電池に加えて、燃料電池や発電機などを用いてもよい。電池151は、EPU152、チルト調整装置、フラップ調整装置などに電力を供給する。電池151は、空調装置などの図示しない補機、後述するECU20などにも電力を供給する。
一例として本実施形態のeVTOL10は、複数の電池151を備えている(図4参照)。複数の電池151は、互いに直列および/または並列に接続されていてもよいし、互いに接続されずに独立していてもよい。電池151のそれぞれは、直列接続された複数の電池セル、または、並列接続かつ直列接続された複数の電池セルを有している。電池151の個数や配置は特に限定されない。一例として本実施形態の電池151は、EPU152に対して冗長に設けられている。つまり、ひとつのEPU152に対して、複数の電池151から電力を供給可能に構成されている。
電池セルは、後述する理由によって、低SOCの領域で抵抗が低く、高い出力が得られる電池セルが望ましい。正極材料としては、たとえばLCO、NMC、NCA、LFP、LMFPを採用することができる。LCOは、コバルト酸リチウム(LiCoO)である。NMCは、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(Li(NiMnCo)O)である。NCAは、リチウムニッケルコバルトアルミネート(Li(NiCoAl)O)である。LFPは、リン酸鉄リチウム(LiFePO)である。LMFPは、リン酸マンガン鉄リチウム(LiFeMnPO)である。特に、低SOCの領域で抵抗が低い、LMFPの正極、あるいは、LMFPとNMCとをブレンドした正極が好ましい。
負極材料としては、たとえばハードカーボンやソフトカーボンなどのカーボン系、シリコン、リチウム系、LTOやNTOなどのチタン系を採用することができる。LTOは、チタン酸リチウム(LiTi12)である。NTOは、ニオブチタン酸化物(TiNb)である。特に、低SOCの領域で抵抗の低い、カーボン系の負極やチタン系の負極が好ましい。
EPU152は、モータおよびインバータを有し、eVTOL10に推進力を付与する回転翼13を回転駆動する。一例としてEPU152は、回転翼13と同数設けられる。つまりeVTOL10は、6つのEPU152を備えている。EPU152と回転翼13とは、一対一で接続されている。これに代えて、ひとつのEPU152に対して、ギヤボックスを介して2つ以上の回転翼13を接続する構成としてもよい。
BMS16は、電池151の状態を監視する。BMSは、Battery Management Systemの略称である。BMS16は、たとえばひとつの電池151に対してひとつ設けられている。BMS16は、複数の電池151それぞれの状態を監視することで、たとえば各電池151の異常を予知してもよいし、各電池151の異常を検知してもよい。eVTOL10は、さらにECU20や図示しない補機などを備えている。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。
<運航管理システム>
運航管理システムは、運航計画の立案、運航状況の監視、運航に関する情報の収集と管理、運航のサポートなどを行うためのシステムである。運航管理システムの機能の少なくとも一部は、eVTOL10の機内コンピュータに配置されてもよい。運航管理システムの機能の少なくとも一部は、eVTOL10と無線通信可能な外部のコンピュータに配置されてもよい。外部コンピュータの一例は、図2に示す地上局30のサーバ31である。地上局30は、eVTOL10と無線通信が可能である。地上局30は、地上局同士で無線通信が可能である。
一例として本実施形態では、運航管理システムの機能の一部がeVTOL10のECU20に配置され、運航管理システムの機能の一部が地上局30のサーバ31に配置されている。運航管理システムの機能は、ECU20とサーバ31との間で分担されている。
図2に示すようにECU20は、プロセッサ(PC)201、メモリ(MM)202、ストレージ(ST)203、および無線通信のための通信回路(CC)204などを備えて構成されている。プロセッサ201は、メモリ202へのアクセスにより、種々の処理を実行する。メモリ202は、書き換え可能な揮発性の記憶媒体である。メモリ202は、たとえばRAMである。RAMは、Random Access Memoryの略称である。ストレージ203は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。ストレージ203には、プロセッサ201によって実行されるプログラム(PG)203Pが格納されている。プログラム203Pは、複数の命令をプロセッサ201に実行させることで、複数の機能部を構築する。ECU20は、複数のプロセッサ201を備えてもよい。
サーバ31は、ECU20と同様に、プロセッサ(PC)311、メモリ(MM)312、ストレージ(ST)313、通信回路(CC)314などを備えて構成されている。プロセッサ311は、メモリ312へのアクセスにより、種々の処理を実行する。メモリ312は、書き換え可能な揮発性の記憶媒体であり、たとえばRAMである。ストレージ313は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。ストレージ313には、プロセッサ311によって実行されるプログラム(PG)313Pが格納されている。プログラム313Pは、複数の命令をプロセッサ311に実行させることで、複数の機能部を構築する。サーバ31は、複数のプロセッサ311を備えてもよい。
図3は、運航管理システムの機能配置の一例を示している。図3に示すように、一例として本実施形態の運航管理システム40は、機外管理部41と、機内管理部42を有している。機外管理部41は、地上局30のサーバ31内に機能配置されている。機内管理部42は、eVTOL10のECU20内に機能配置されている。このように、運航管理システム40の機能の一部はサーバ31に配置され、機能の他の一部はECU20に配置されている。機外管理部41と機内管理部42とは、相互に無線通信可能である。機内管理部42は、eVTOL10に配置された各種装置と有線または無線にて通信可能である。
図4は、運航管理システムの概略構成を示している。上記したように、運航管理システム40は、運航計画の立案、運航状況の監視、運航に関する情報の収集と管理、運航のサポートなどを行う。運航管理システム40は、機能部として、情報取得装置50と制御装置60を備えている。
情報取得装置50は、eVTOL10のECU20に機能配置されてもよいし、地上局30のサーバ31に機能配置されてもよい。情報取得装置50は、機外管理部41の一部として配置されてもよいし、機内管理部42の一部として配置されてもよい。情報取得装置50は、eVTOL10の飛行に関する情報(関連情報)を取得する。
情報取得装置50は、関連情報として、駆動用機器15に関する情報(機器情報)を取得する。情報取得装置50は、機器情報に加えて、飛行に必要な情報(必要情報)を取得してもよい。必要情報は、飛行情報、気象情報、および規制やルールなどの情報の少なくともひとつを含む。飛行情報は、たとえば現在のフライトにおける飛行高度、飛行速度、姿勢(角度)、飛行位置などを含み得る。飛行情報は、現在のフライトにおける情報に加えて、運航計画に基づく飛行高度、飛行速度などの情報を取得してもよい。気象情報は、たとえば風向、風速、気圧などを含み得る。規制やルールなどの情報は、たとえば静音規制の有無、飛行高度のルールなどを含み得る。
一例として本実施形態の情報取得装置50は、BMS16より、電池151に関する情報を取得する。情報取得装置50は、複数の電池151それぞれの情報を取得する。情報取得装置50は、取得する電池情報として、BMS16が予知した電池151の異常予知情報、または、BMS16が検知した電池151の異常検知情報を含み得る。つまり、電池151の異常に関する情報を取得する。情報取得装置50は、飛行情報、気象情報、および規制やルールなどの情報を取得する。後述するように、本実施形態では電池151の異常に関する情報として、低SOC異常に関する情報、および/または、高温異常に関する情報を取得する。
情報取得装置50は、eVTOL10の航行中(飛行中)において、たとえば所定周期で機器情報を収集してもよい。情報取得装置50は、航行中における所定タイミングで、機器情報を取得してもよい。上記したように、離陸時には所定時間連続で高出力が要求されるため、駆動用機器15である電池151やEPU152に一時的な異常が生じやすい。情報取得装置50は、たとえば離陸期間P1の終了直後に機器情報を取得してもよい。情報取得装置50は、負荷がかかってから異常が生じるまでの時間的な遅れを考慮して、離陸期間P1が終了してから所定期間後に、機器情報を取得してもよい。
上記したように、着陸時にも所定時間連続で高出力が要求される。このため、一時的な異常が生じたとしても着陸開始までに異常を解消すべく、後述の揚力調整制御を実行する所定期間を確保するのが好ましい。つまり、着陸期間P3の開始から少なくとも所定期間前には、機器情報を収集するのが好ましい。揚力調整制御の実行により、着陸開始までに一時的な異常を解消する可能性を高めることができる。
なお、上記した所定期間は、履歴情報に基づいて設定してもよい。eVTOL10の運航計画は有限であり、繰り返しの頻度が高いため、履歴情報を活用することができる。履歴情報は、たとえば今回のフライトと運航条件がほぼ一致または近い過去データを用いるのが好ましい。たとえば同一機種(型式)であって運行経路も同じであり、時期および/または気象条件も近い過去データが好ましい。同一機種の過去データは、自機のみならず、他機も含み得るが、より好ましくは自機の過去データを用いるとよい。
情報取得装置50は、必要情報の少なくとも一部を、所定周期で取得する。情報取得装置50は、必要情報の一部を、初期的に取得してもよい。情報取得装置50は、気象情報を、初期的に取得してもよいし、所定周期で定期的に取得してもよい。所定周期で取得すると、飛行中の空域に関するより詳細な気象情報を取得することが可能である。情報取得装置50は、規則やルールなどの情報を、初期的に取得してもよいし、所定周期で定期的に取得してもよい。情報取得装置50は、現在のフライトに関する飛行情報を所定周期で取得する。これにより、制御装置60は、飛行のフィードバック制御が可能である。
制御装置60は、eVTOL10の飛行を制御する。制御装置60は、情報取得装置50が取得した情報に基づいて、eVTOL10の飛行制御に関する各種処理を実行する。一例として本実施形態の制御装置60は、eVTOL10のECU20に機能配置されている。制御装置60は、機内管理部42の一部として配置されている。制御装置60の詳細については、後述する。
運航管理システム40は、他にも、図示しない運航計画装置などを備えている。運航計画装置は、たとえば図示しない端末から入力される情報などに基づいて、eVTOL10の運航計画を立案する。入力情報は、たとえば出発地点、到着地点に関する情報を含む。運航計画装置は、電池情報や気象情報を考慮して運航計画を立案してもよい。
<制御装置>
上記したように、プログラム203Pは、複数の命令をプロセッサ201に実行させることで、機能部である制御装置60を構築する。制御装置60は、操縦者としてのパイロットによる操縦、操縦者による遠隔操縦、あるいは、コントロールシステムによる制御に応じた飛行状態にてeVTOL10を飛行させるための飛行制御を行う。制御装置60は、判定部61と、飛行制御部62を備えている。
判定部61は、後述するように、情報取得装置50から取得した情報など基づいて、所定の判定を実行する。判定部61は、たとえば取得した機器情報に基づいて、駆動用機器15の少なくともひとつについて異常が予知または検知されているかを判定する。判定部61は、たとえば飛行情報に基づいて、eVTOL10の飛行状態か巡航時か否かを判定する。判定部61は、飛行情報、気象情報、規則やルールなどの情報に基づいて、安全に飛行が可能か否かを判定する。判定部61は、飛行制御モードを選択するための判定を実行する。
飛行制御部62は、判定部61の判定結果に基づいて、所定の制御モードでの飛行制御を実行する。飛行制御部62は、通常制御、揚力調整制御、および緊急着陸制御のひとつを選択して実行する。飛行制御部62は、回転翼制御部621と、固定翼制御部622を有している。
回転翼制御部621は、回転翼13の駆動を制御する処理を実行する。回転翼制御部621は、回転翼13の駆動を制御することで、回転揚力を調整する。回転翼制御部621は、指示された飛行状態を実現するための、回転翼13それぞれの目標回転数を示す制御信号を生成する処理を実行する。回転翼制御部621は、目標回転数を示す制御信号を、EPU152のインバータを駆動する図示しない駆動回路(ドライバ)に出力する。駆動回路は、回転翼13の回転数が目標回転数に一致するように、インバータを介してEPU152のモータを駆動する。
固定翼制御部622は、揚力調整機構14の駆動を制御することで、固定翼12による滑空揚力を調整する。一例として本実施形態の固定翼制御部622は、指示された飛行状態を実現するための、回転翼13それぞれの目標チルト角を示す制御信号を生成する処理を実行する。固定翼制御部622は、目標チルト角を示す制御信号を、チルト調整装置のインバータを駆動する図示しない駆動回路に出力する。駆動回路は、回転翼13のチルト角が目標チルト角に一致するように、インバータを介してチルト調整装置のモータを駆動する。
同様に、固定翼制御部622は、指示された飛行状態を実現するための、フラップ142それぞれの目標位置を示す制御信号を生成する処理を実行する。固定翼制御部622は、目標位置を示す制御信号を、フラップ調整装置のインバータを駆動する図示しない駆動回路に出力する。駆動回路は、フラップ142の位置が目標位置に一致するように、インバータを介してフラップ調整装置のモータを駆動する。
制御装置60は、駆動用機器15の異常が予知または検知されない場合に、通常制御を実行する。制御装置60は、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、通常制御に対して回転揚力および滑空揚力を調整する揚力調整制御を実行する。この揚力調整制御において、回転翼制御部621は、通常制御に対して、つまり異常が予知または検知されない場合に対して、回転揚力を低減させる。また、固定翼制御部622は、通常制御に対して、つまり異常が予知または検知されない場合に対して、滑空揚力を増大させる。制御装置60は、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合であって、揚力調整制御の実行条件を満たさない場合に、緊急着陸制御を実行する。
<運航管理方法>
図5は、運航管理システム40がeVTOL10の運航を管理する運航管理方法の一例を示すフローチャートである。プロセッサ201,311によって運航管理システム40の各機能ブロックの処理が実行されることが、運航管理方法が実行されることに相当する。
運航管理システム40は、eVTOL10の飛行時において、図5に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。飛行時とは、離陸開始から着陸完了までの期間、つまり上記した期間P1,P2,P3を含む期間である。
まず情報取得装置50が、飛行に関する情報、つまり関連情報を取得する(ステップS10)。一例として本実施形態では、上記した必要情報の一部、たとえば規制やルールなどの情報を、定期的な情報取得の初期において取得する。また、必要情報の他の一部、たとえば飛行情報のうち現在のフライトに関する情報、気象情報を定期的に取得する。飛行情報については、ステップS10の実行のタイミング、つまり図5に示す処理を所定周期で実行するタイミングで取得する。気象情報については、飛行情報と同じ周期で取得してもよいし、飛行情報の取得周期に対して複数周期に一回取得してもよい。
機器情報については、eVTOL10の飛行時において、飛行情報と同じ周期で取得してもよいし、飛行情報の取得周期に対して複数周期に一回取得してもよい。また、機器情報については、飛行中の所定期間に限って情報を取得してもよい。所定期間において飛行情報と同じ周期で取得してもよいし、飛行情報の取得周期に対して複数周期に一回取得してもよい。
一例として本実施形態では、機器情報を、eVTOL10の飛行時において飛行情報の取得周期に対して複数周期に一回取得する。また、機器情報として、BMS16から複数の電池151それぞれの情報を取得する。BMS16が電池151の異常を予知した場合には、異常予知情報を取得する。BMS16が電池151の異常を検知した場合には、異常検知情報を取得する。本実施形態では電池151の異常に関する情報として、低SOC異常に関する情報、および/または、高温異常に関する情報を取得する。BMS16が電池151の異常を予知または検知しない場合には、電池151が正常であることを示す情報を取得する。
次いで制御装置60が、ステップS10で取得した情報に基づいて飛行制御を実行する(ステップS20)。そして、ステップS20の実行後、一連の処理を終了する。次に、飛行制御方法について説明する。
<飛行制御方法>
図6は、上記したステップS20の処理、つまり飛行制御方法を示している。プロセッサ201によって制御装置60の各機能ブロックの処理が実行されることが、飛行制御方法が実行されることに相当する。
制御装置60は、関連情報を取得すると、図6に示す処理を実行する。つまり制御装置60は、図6に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
まず制御装置60の判定部61は、取得した関連情報に基づいて、機器情報を含むか否か判定する(ステップS201)。機器情報を含まない場合、制御装置60の飛行制御部62は、継続制御を実行する(ステップS202)。
飛行制御部62は、継続制御において、前回の制御実行時に設定(選択)された制御モードでの制御を継続する。たとえば前回の制御実行時に通常制御モードが設定された場合には、通常制御を継続する。揚力調整制御モードが設定された場合には、揚力調整制御を継続する。ステップS202の処理を実行すると、制御装置60は一連の処理を終了する。
ステップS201において機器情報を含む場合、次いで判定部61は、取得した機器情報に基づいて、駆動用機器15の異常予知情報または異常検知情報を取得したか否かを判定する(ステップS203)。判定部61は、駆動用機器15の少なくともひとつについて異常予知情報または異常検知情報を取得したか否かを判定する。一例として判定部61は、電池151の異常予知情報または異常検知情報を取得したか否かを判定する。異常予知情報または異常検知情報を取得していない場合、飛行制御部62は、通常制御モードでの制御、つまり通常制御を実行する(ステップS204)。
飛行制御部62は、通常制御モードにおいて、操縦者やコントロールシステムによる指示に応じた飛行状態となるように、飛行制御を行う。回転翼制御部621および固定翼制御部622は、eVTOL10が指示された所定の飛行状態となるように、回転翼13の駆動および揚力調整機構14の駆動を制御する。ステップS204の処理を実行すると、制御装置60は一連の処理を終了する。
駆動用機器15の少なくともひとつについて異常予知情報または異常検知情報を取得した場合、次いで判定部61は、現在のフライトに関する飛行情報に基づいて、eVTOL10が巡航時(期間P2)か否かを判定する(ステップS205)。巡航時ではない場合、つまり揚力調整制御の実行条件を満たさない場合、飛行制御部62は、緊急着陸制御モードでの制御、つまり緊急着陸制御を実行する(ステップS206)。たとえば離陸時(期間P1)の場合、飛行制御部62は、eVTOL10を緊急着陸させるように、回転翼13や揚力調整機構14の駆動を制御する。ステップS206の処理を実行すると、制御装置60は一連の処理を終了する。
巡航時の場合、次いで判定部61は、取得した必要情報に基づいて、揚力調整制御を実行した場合に安定飛行が可能か否かを判定する(ステップS207)。判定部61は、揚力調整制御を実行した場合に、所定高度範囲内かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力と全揚力を保つことが可能か否かを判定する。揚力調整制御を実行すると安定飛行が不可能な場合、飛行制御部62は、ステップS206の処理、つまり緊急着陸制御を実行し、一連の処理を終了する。
安定飛行が可能な場合、次いで飛行制御部62は、揚力調整制御モードでの制御、つまり揚力調整制御を実施する(ステップS208)。ステップS208の処理を実行すると、制御装置60は一連の処理を終了する。
飛行制御部62は、飛行情報、気象情報、安全かつ安定した飛行が可能となる条件下において、揚力調整制御を実行する。飛行制御部62は、所定高度範囲内かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力と全揚力を保ちながら、揚力調整制御を実行する。飛行制御部62は、揚力調整制御モードにおいて、少なくとも異常を予知または検知した回転翼13に対して、操縦者やコントロールシステムによる指示とは異なる飛行制御を行う。
回転翼制御部621は、指示に応じた通常制御を仮に実行した場合の回転揚力よりも小さくなるように、回転翼13の駆動を制御する。回転翼制御部621は、安定飛行が可能な範囲において、回転揚力を低減させる。安定飛行が可能な範囲内であれば、回転揚力を低減させる回転翼13の個数は、特に限定されない。回転翼制御部621は、少なくとも異常が予知または検知された駆動用機器15により駆動される回転翼13について、回転揚力を低減させる。これにより、eVTOL10全体として回転揚力は減少する。
回転翼制御部621は、揚力調整制御モードにおいて、異常が予知または検知された駆動用機器15により駆動される回転翼13のみについて、回転揚力を低減させてもよい。残りの回転翼13については、たとえば通常制御と同様に制御してもよい。回転翼制御部621は、複数の回転翼13のうち、異常が予知または検知された駆動用機器15により駆動される回転翼13を含む少なくとも一部について、回転揚力を低減させてもよい。たとえば飛行のバランスをとるために、異常が予知または検知された駆動用機器15により駆動される回転翼13と、その対称位置の回転翼13の回転揚力を低減させてもよい。
回転翼制御部621は、たとえば回転翼13の回転数を下げることにより、回転揚力を低減させる。これに代えて、回転翼13の回転を停止させることにより、回転揚力を低減させてもよい。回転翼13の回転数を下げるまたは回転を停止させることにより、駆動用機器15の負荷を低減することができる。よって、駆動用機器15の温度を下げ、電池151のSOC消費を抑えることができる。
固定翼制御部622は、指示に応じた通常制御を仮に実行した場合の滑空揚力よりも大きくなるように、揚力調整機構14の駆動を制御する。固定翼制御部622は、安定飛行が可能な範囲において、滑空揚力を増大させる。固定翼制御部622は、たとえば回転翼13の推進力のうち、推力の分配分が増加するように、チルト機構141の駆動を制御する。推力の増加により翼速度Vを増加し、滑空揚力を増大させることができる。固定翼制御部622は、たとえばフラップ142を下方位置に制御する。これにより、主翼121に作用する滑空揚力を増大させることができる。加えてフラップ142を主翼121から突出する方向に移動させてもよい。さらに滑空揚力を増大させることができる。
上記した飛行制御方法によれば、駆動用機器15の異常予知情報または異常検知情報を取得したか否かを判定し、取得していない場合には通常制御を実行する。よって、揚力調整制御の実行により駆動用機器15の異常が解消されると、揚力調整制御を解消して通常制御に復帰することができる。なお、異常の解消で直ちに通常制御に復帰ではなく、所定のマージンを設けてもよい。異常を解消しつつ、たとえば対象となる駆動用機器15について残りの航行で再度異常が生じないと判定した場合に、通常制御に切り替えてもよい。
上記した飛行制御方法において、異常が予知または検知されていない駆動用機器15により駆動される回転翼13の継続運転、回転数アップなどで、安定飛行に必要な推力と回転揚力を確保してもよい。つまり、一部の回転翼13による回転揚力の低減を、他の回転翼13により補うようにしてもよい。揚力調整制御時において、回転翼制御部621は、推異常が予知または検知されていない駆動用機器15により駆動される回転翼13の推力が増大するように制御を実行してもよい。これにより、翼速度Vを増加し、滑空揚力を増大させることができる。これによって揚力調整制御を長時間実施することが可能となり、異常の未然防止や解消の可能性を高めることができる。
また、飛行に必要な推力を減らすために、上記した抗力Dを低下させても良い。たとえば停止中の回転翼13を機体本体11の内部または固定翼12の内部に収納するなどすれば、抗力Dを低下させ、必要推力を減らすことが可能となる。これによっても、揚力調整制御を長時間実施することが可能となる。
なお、所定高度範囲内かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力と全揚力を保つことができるのであれば、滑空揚力のみで飛行してもよい。また、異常の予知または検知における異常値のレベルと正常値との乖離値に応じて、揚力調整制御の目標値を設定し、揚力調整制御の制御計画を立案且つ実行してもよい。たとえば残りの運航計画と、過去フライトおよび揚力調整制御の履歴情報をもとに、制御計画を立案することができる。
<第1実施形態のまとめ>
上記したように、本実施形態の制御装置60は、回転翼13の駆動を制御することで、回転揚力を調整する回転翼制御部621と、揚力調整機構14の駆動を制御することで、滑空揚力を調整する固定翼制御部622を備えている。そして、電動飛行機であるeVTOL10の飛行時において駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、回転翼制御部621は回転揚力を低減させ、固定翼制御部622は滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する。
このように、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、制御装置60は通常制御を実行する場合に対して回転揚力を低減させる。これにより、駆動用機器15の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、制御装置60は、回転揚力の低減にともなって、通常制御を実行する場合に対して滑空揚力を増大させる。回転揚力の低下分を、少なからず滑空揚力で補うため、全揚力の低下を抑制することができる。この結果、飛行の安全性を高めることができる。
飛行時において揚力調整制御を実行するタイミングは、特に限定されない。一例として本実施形態では、巡航時において揚力調整制御を実行する。高出力が必要となる着陸までに、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
離陸時には、滑空揚力を確保することが困難である。一例として本実施形態では、eVTOL10の離陸時において揚力調整制御の実行を禁止する。制御装置60は、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、制御装置60は巡航時か否かを判定する。そして、巡航時ではない場合に、揚力調整制御を実行しない。これにより、飛行状態の不安定化を防ぎ、安全を確保することができる。
一例として本実施形態の制御装置60は、eVTOL10が所定高度範囲かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力および全揚力を保ちながら、揚力調整制御を実行する。制御装置60は、取得した情報に基づいて、安定飛行が可能な条件下で揚力調整制御を実行する。これにより、駆動用機器15の負荷軽減と安定飛行を両立することができる。
推力および全揚力を保つことができないと、巡航時において飛行の安定性が確保できない。このような場合、制御装置60は、eVTOL10を着陸させるための制御、つまり緊急着陸制御を実行する。これにより、巡航を継続することによるリスクを避けることができる。
一例として本実施形態の制御装置60は、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合、巡航時であって安定飛行が可能な限り、異常が解消されるまでの間、揚力調整制御を継続する。eVTOL10は、異常が解消されてから、通常制御により着陸する。このように、着陸に求められる駆動用機器15の特性を満足するまで着陸を制限する、つまり巡航を継続するため、安全性を高めることができる。
上記したように、離着陸時において、eVTOL10の回転翼13の駆動には、所定時間連続で高出力が要求される。このため、温度異常や低SOC異常などの一時的な異常が生じる虞がある。一例として本実施形態では、電池151の異常が予知または検知された場合に、制御装置60が揚力調整制御を実行する。回転揚力の低減により、異常が予知または検知された電池151の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。
図7は、所定時間連続して出力できる電池151の最大出力のSOC依存性を示している。図7に示すminは、着陸に必要な出力Aを所定時間連続して出力できる、つまり着陸に必要な電力量を確保できる最低のSOCである。たとえばminが30%の場合、SOCが30%以上において着陸が可能であり、30%未満において着陸することができない。このように電池151の出力性能は、SOCの影響を受ける。一例として本実施形態では、BMS16が電池151のSOC異常を判定する。BMS16は、着陸できなくなるSOC(minに相当)に所定のマージンを加えた値を異常判定の閾値とし、SOCが閾値を下回る場合に低SOC異常と判定する。そして、その判定結果を、運航管理システム40の情報取得装置50が収集する。
制御装置60は、電池151の低SOC異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行する。揚力調整制御によって、異常が予知または検知された電池151のSOC消費を抑え、低SOC異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。なお、揚力調整制御において、低SOC異常が予知または検知された電池151の出力を停止してもよい。SOCの消費を大きく減らすことが可能となるとともに、低SOC異常となった電池151を異常が解消するまで動作停止させることで、飛行の安全性を高めることができる。
なお、SOCは、電池データを用い、マップなどによる推定で算出することができる。電池データは、開回路電圧(OCV)、駆動時の電流、電圧、温度などである。OCVは、Open Circuit Voltageの略である。したがって、この算出値の変動などに基づいて、低SOC異常を予知できる。または、この算出値に基づいて、低SOC異常を検知できる。
なお、マップ、出力A、時間については、たとえば試験時に取得したデータに基づいて設定される。電池の最大出力のSOC依存性を示すものとしては、マップに限定されない。電池モデルを用いて着陸電力量を推定してもよい。電力プロファイルは、上記した例に限定されない。所定時間、電力が一定の例を示したが、これに限定されない。時間とともに変動する電力プロファイルに基づいて演算してもよい。この場合、着陸電力量を積算、つまり区間積分により求めてもよい。
また、電池151の温度上昇とともに、電池セルが劣化しやすくなり、さらに上昇すると電池セル内部の材料の反応によって熱暴走を起こす。一例として本実施形態では、BMS16が電池151の温度異常を判定する。BMS16は、高温異常判定の閾値を設定し、電池温度が閾値を上回った場合に高温異常と判定する。そして、その判定結果を、運航管理システム40の情報取得装置50が収集する。
制御装置60は、電池151の高温異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行する。揚力調整制御によって、異常が予知または検知された電池151の負荷を減らし、高温異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。なお、揚力調整制御において、高温異常が予知または検知された電池151の出力を停止してもよい。電池151の負荷を大きく減らすことが可能となるとともに、高温異常となった電池151を異常が解消するまで動作停止させることで、飛行の安全性を高めることができる。
本実施形態の運航管理システム40は、上記した制御装置60と、eVTOL10の飛行に関する情報を取得する情報取得装置50を備えている。制御装置60は、飛行時に、情報として駆動用機器の異常が予知または検知された情報を取得すると、回転揚力を低減させる。これにより、駆動用機器15の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、制御装置60は、回転揚力の低減にともなって滑空揚力を増大させる。これにより、揚力の低下を抑制することができる。この結果、飛行の安全性を高めることができる。
本実施形態の制御プログラム(プログラム203P)は、少なくともひとつのプロセッサ201(処理部)に、回転翼13の駆動の制御により回転揚力を調整させることと、揚力調整機構14の駆動の制御により滑空揚力を調整させることと、eVTOL10の飛行時において駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に、回転揚力が減少し、滑空揚力が増大する制御を実行させることを含む。プログラム203Pは、駆動用機器15の異常が予知または検知された場合に回転揚力を低減させる。これにより、駆動用機器15の負荷を減らし、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、回転揚力の低減にともなって滑空揚力を増大させる。これにより、揚力の低下を抑制することができる。この結果、飛行の安全性を高めることができる。
<変形例>
駆動用機器15として電池151の異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行する例を示したが、これに限定されない。EPU152異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行してもよい。EPU152を構成するモータおよび/またはインバータの温度に基づき、高温異常が予知または検知された場合に、EPU152の駆動対象である回転翼13の回転揚力を低減させ、かつ、滑空揚力を増大させる。EPU152の出力を減らすまたは停止することにより、温度を下げることができる。よって、高温異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。もちろん、電池151及びEPU152の少なくともひとつの異常が予知/または検知された場合に、揚力調整制御を実行するようにしてもよい。
制御装置60は、空調装置などの補機を制御してもよい。制御装置60は、機体に搭載された各センサから、機内の温度および湿度を示す内気情報、機外の温度および湿度を示す外気情報を取得する。制御装置60は、入力端末で設定された設定温度などの設定情報を取得する。制御装置60は、内気情報、外気情報、及び設定情報に基づいて、空調装置を制御する補機の制御モードを切り替えてもよい。このように構成される制御装置60は、低SOC異常時にSOC消費量を抑制するように、空調装置などの補機を制御してもよい。制御装置60は、低温異常時に電池151を内部発熱で昇温させるように空調装置などの補機を制御してもよい。このように、揚力調整制御に応じた補機制御を実行することで、異常の未然防止または解消の可能性をさらに高めることができる。
機内に発電機を備える場合、制御装置60は、発電機を制御してもよい。制御装置60は、低SOC異常時に対象の電池151に対して電力を供給するように、発電機の制御を実行してもよい。これにより、SOCの消費を抑制することができる。このように、揚力調整制御に応じた発電機制御を実行することで、異常の未然防止または解消の可能性をさらに高めることができる。
制御装置60は、少なくとも図6に示したステップS203,S204,S208の処理を実行可能に構成されればよい。たとえば、機器情報を、eVTOL10の飛行時において飛行情報と同じ周期で取得してもよい。この場合、ステップS201,S202の処理は不要となる。揚力調整タイミングの実行タイミングを制限しない場合、ステップS205の処理は不要となる。巡航時の飛行安定性を考慮しない場合、ステップS206の処理は不要となる。ステップS205,S206が不要の場合、ステップS208も不要となる。ステップS205において巡航時ではない場合に、通常制御を実行してもよい。ただし、異常が継続する場合には、緊急着陸制御を実行するとよい。
機内管理部42が、制御装置60を備える例を示したが、これに限定されない。図8に示すように、機外管理部41が制御装置60を備えてもよい。ECU20が情報取得装置50および制御装置60を備えてもよいし、サーバ31が情報取得装置50および制御装置60を備えてもよい。ECU20が情報取得装置50および制御装置60のひとつを備え、サーバ31が情報取得装置50および制御装置60の他のひとつを備えてもよい。
電池151がEPU152、ひいては回転翼13に対して冗長に設けられる例を示したが、これに限定されない。電池151が、EPU152(回転翼13)に対して一対一で設けられてもよい。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、運航管理システム40が外部(BMS16)から電池151の異常予知情報または異常検知情報を取得した。これに代えて、運航管理システム40に電池151の状態を監視する機能を設けてもよい。
図9は、本実施形態に係る運航管理システムの概略構成を示す図である。図9は、図4に対応している。図9に示すように、運航管理システム40は、駆動用機器15の状態を監視する監視装置70を備えている。たとえば、情報取得装置50がBMS16からSOC情報や温度情報を取得し、監視装置70が取得情報に基づいて異常予知または異常検知を行ってもよい。情報取得装置50がBMS16から電池データを取得し、監視装置70が取得した電池データに基づいてSOC推定や、異常予知または異常検知を行ってもよい。
その他の構成は、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第2実施形態のまとめ>
上記したように本実施形態の運航管理システム40は、機器情報に基づいて、駆動用機器15の異常の予知または検知することができる。そして、駆動用機器15の異常の予知または検知した場合に、揚力調整制御を実行することができる。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、巡航期間の全体において揚力調整制御を実行した。しかしながら、揚力調整制御の実行は上記したタイミングに限定されない。
図10は、本実施形態に係る飛行制御方法を示すフローチャートである。図10に示すように、制御装置60は、ステップS205の処理に代えてステップS205Aの処理を実行する。
ステップS205Aにおいて、制御装置60の判定部61は、巡航時であって、着陸開始に対して少なくとも所定期間前か否かを判定する。上記したように、異常が予知または検知された駆動用機器15により駆動される回転翼13の回転を制限してから、予知または検知された状態が解消するまでには所定時間を要する。所定時間は、たとえば過去のフライトの情報(履歴情報)、試作時のデータなどに基づいて決定される。その他の構成については、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第3実施形態のまとめ>
着陸開始の所定期間前のタイミング、たとえば着陸開始に比較的近いタイミングから揚力調整制御の実行を開始した場合、着陸開始までに低SOC異常や高温異常を解消するだけの十分な時間を確保できない虞がある。
本実施形態によれば、巡航時のうち、着陸を開始する少なくとも所定時間前から揚力調整制御を実行する。これにより、着陸の開始までに異常を未然防止/解消する可能性を高めることができる。
ステップS205の処理に代えて、図11に示すステップS205Bの処理を実行してもよい。ステップS205Bにおいて、制御装置60の判定部61は、巡航時であって、静音要求エリアの飛行時、つまり静音要求時か否かを判定する。静音要求時に、回転翼13の回転数を下げるまたは回転を停止させる揚力調整制御を実行することで、静音要求に対して効率化することができる。
なお、ステップS205AとステップS205Bの処理を組み合わせてもよい。つまり、巡航時であって、着陸開始の所定期間前、且つ、静音要求エリアの飛行時に揚力調整制御を実行するようにしてもよい。
本実施形態に記載の構成を、第1実施形態、第2実施形態に記載の構成と組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、巡航時に揚力調整制御を実行した。これに代えて、着陸時に揚力調整制御を実行してもよい。
図12は、本実施形態に係る飛行制御方法を示すフローチャートである。図12に示すように、制御装置60は、ステップS205の処理に代えてステップS205Cの処理を実行する。ステップS205Cにおいて、制御装置60の判定部61は、着陸時(期間P3)か否かを判定する。着陸時の場合、次いで飛行制御部62は、ステップS208の処理、つまり揚力調整制御を実施する。着陸時ではない場合、つまり離陸時または巡航時の場合には緊急着陸制御を実行する。その他の構成は、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第4実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、着陸時に揚力調整制御を実行する。巡航時とは異なり、着陸時は着陸に向けて低速化するため、滑空揚力を増大しやすい。よって、着陸時に揚力調整制御を実行することにより、異常が予知または検知された駆動用機器15の負荷を下げつつ、着陸の安全性を高めることができる。
<変形例>
先行実施形態では特に言及しなかったが、離陸時や巡航時に実施する緊急着陸制御においても、揚力調整制御同様、通常制御に対して回転揚力を低減させ、滑空揚力を増大させてもよい。これにより、異常が予知または検知された駆動用機器15の負荷を下げつつ、緊急着陸の安全性を高めることができる。
本実施形態に記載の構成を、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態に記載の構成と組み合わせてもよい。たとえば着陸時のみではなく、巡航時または着陸時に揚力調整制御を実行するようにしてもよい。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、電池151の低SOC異常および/または高温異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行した。これに代えて、電池151の低温異常時に揚力調整制御を実行してもよい。
図13は、図7同様、所定時間連続して出力できる電池151の最大出力のSOC依存性を示している。図13は、電池温度の影響を示している。図13に示すように、電池151の出力性能は、電池温度の影響を受ける。図13に示す実線は、二点鎖線に示す常温に対して、電池温度が低下した低温状態を示している。電池温度が低下すると電池151の内部抵抗が増加し、出力が低下する。このように、電池温度に応じて、出力Aを所定時間連続して出力するために必要な最低SOCが変動する。たとえば温度低下により、低下前に較べて最低SOCが高くなる。
一例として本実施形態のBMS16は、電池温度の実測または推定と、温度異常の予知または検知を実施する。BMS16は、電池温度による電池内部抵抗の変化に基づいて電池151の低温異常判定の閾値を設定し、電池温度が閾値を下回る場合に低温異常と判定する。そして、その判定結果を、運航管理システム40の情報取得装置50が収集する。
なお、電池温度は、電池温度を実測、または一部の電池セルの実測温度データから推定して算出、または電池反応モデルなどを用いて出力データなどから推定することができる。したがって、実測値または推定値の変動などに基づいて温度異常を予知することができる。または、実測値または推定値に基づいて温度異常を検知することができる。
図14は、駆動用機器15の異常が電池151の低温異常の場合の飛行制御方法を示すフローチャートである。制御装置60は、ステップS203に代えて、ステップS203Aの処理を実行する。ステップS203Aにおいて、取得した機器情報に基づいて、電池151の低温異常予知情報または低温異常検知情報を取得したか否かを判定する。低温異常予知情報または低温異常検知情報を取得していない場合、飛行制御部62は、ステップS204の処理、つまり通常制御を実行する。
ステップS203Aにおいて低温異常予知情報または低温異常検知情報を取得した場合、次いで判定部61は、ステップS205Cの処理、つまり着陸時か否かの判定処理を実行する。そして、着陸時の場合、飛行制御部62は、第1揚力調整制御を実行する(ステップS208A)。第1揚力調整制御は、先行実施形態に示した揚力調整制御に相当する。制御装置60は、低温異常で、着陸時の場合に、回転揚力を低減させ、滑空揚力を増大させる揚力調整制御(第1揚力調整制御)を実行する。ステップS208Aの処理を実行すると、一連の処理を終了する。
ステップS205Cにおいて巡航時ではない場合、次いで判定部61はステップS205の処理、つまり巡航時か否かの判定処理を実行する。そして、巡航時の場合、飛行制御部62は、第2揚力調整制御を実行する(ステップS209)。第2揚力調整制御は、第1揚力調整制御とは異なり、回転揚力を増大させ、滑空揚力を低減させる。回転翼制御部621は、異常が予知または検知された電池151により駆動される回転翼13の回転揚力が仮に通常制御を実施した場合よりも大きくなるように、回転翼13の駆動を制御する。固定翼制御部622は、滑空揚力が仮に通常制御を実施した場合よりも小さくなるように、揚力調整機構14の駆動を制御する。ステップS209の処理を実行すると、一連の処理を終了する。その他の構成は、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第5実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、電池151の温度が所定温度(閾値)よりも低い低温異常が予知または検知された場合に、eVTOL10の着陸時において、制御装置60は第1揚力調整制御(揚力調整制御)を実行する。低温異常が予知または検知された電池151により駆動される回転翼13の回転揚力を低減させるため、電池151の負荷を減らすことができる。また、滑空揚力を増加させるため、着陸の安全性を高めることができる。
なお、回転揚力を低減させるために、異常が予知または検知された電池151の出力を停止してもよい。電池151の負荷を大きく減らすことができる。また、異常となった電池151を、異常が解消するまで動作停止させるため、飛行の安全性を高めることができる。
低温異常が予知または検知された場合、eVTOL10の巡航時において、制御装置60は第2揚力調整制御を実行する。制御装置60は、低温異常が予知または検知された電池151により駆動される回転翼13の回転揚力を増大させる。制御装置60は、対象となる回転翼13を駆動する駆動用機器15、つまり低温異常が予知または検知された電池151を含む駆動用機器15の生じる熱を増加させる。これにより、低温異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。また、滑空揚力を低減させることで、全揚力のバランスをとることができる。
<変形例>
本実施形態に記載の構成を、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態に記載の構成と組み合わせてもよい。たとえば低SOC異常且つ巡航時、高温異常且つ巡航時、低温異常且つ着陸時のいずれかの場合に、揚力調整制御(第1揚力調整制御)を実行してもよい。低温異常且つ巡航時の場合に、第2揚力調整制御を実行してもよい。
また、図9に示した監視装置70を備える構成と組み合わせてもよい。たとえば、情報取得装置50がBMS16から電池151の温度情報を取得し、監視装置70が取得情報に基づいて異常予知または異常検知を行ってもよい。情報取得装置50がBMS16から電池データを取得し、監視装置70が取得した電池データに基づいて電池温度の推定と温度異常の予知または検知を行ってもよい。
(第6実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、駆動用機器15の少なくともひとつの異常が予知または検知された場合に揚力調整制御を実行した。これに代えて、冗長に設けた駆動用機器15すべてにおいて異常が予知または検知された場合に、揚力調整制御を実行してもよい。
図15は、本実施形態に係る飛行制御方法を示すフローチャートである。図15に示すように、制御装置60の判定部61は、取得した機器情報に基づいて、冗長に設けた駆動用機器15のすべてについて異常予知情報または異常検知情報を取得したか否かを判定する(ステップS203B)。一例として本実施形態では、ひとつの回転翼13に対応するひとつのEPU152に対して、2つの電池151から電力を供給可能に構成されている。つまり、ひとつの回転翼13に対して2つの電池151が冗長に設けられている。
たとえば共通の回転翼13を駆動する2つの電池151の一方のみに低SOC異常が予知または検知された場合、飛行制御部62はステップS204の処理、つまり通常制御を実行する。共通の回転翼13を駆動する2つの電池151それぞれに、たとえば低SOC異常が予知または検知された場合に、判定部61は、冗長に設けた駆動用機器15のすべてについて異常予知情報または異常検知情報を取得したと判定する。この場合、たとえば巡航時であり、安定飛行が可能場合には、飛行制御部62がステップS208の処理、つまり揚力調整制御を実行する。その他の構成は、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第6実施形態のまとめ>
上記した電池151やEPU152の高温異常、電池151の低SOC異常などは、共通の回転翼13を駆動する複数の駆動用機器15において同時に発生する虞がある。つまり、冗長性を確保できず、飛行の安全性を確保できない虞がある。
本実施形態では、冗長に設けられた駆動用機器15のそれぞれに異常が予知または検知された場合に、制御装置60が揚力調整制御を実行する。これにより、共通の回転翼13を駆動する2つの電池151がいずれも異常の場合でも、異常の未然防止または解消の可能性を高めることができる。よって、飛行の安全性を高めることができる。
<変形例>
回転翼13に対して電池151を冗長に設ける例を示したが、これに限定されない。回転翼13に対してEPU152を冗長に設けてもよい。回転翼13に対して電池151及びEPU152のそれぞれを冗長に設けてもよい。
本実施形態に記載の構成を、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態に記載の構成と組み合わせてもよい。たとえば冗長に設けられた駆動用機器15のそれぞれに低温異常が予知または検知され、且つ、巡航時の場合に、制御装置60が第2揚力調整制御を実行してもよい。
(他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙されたひとつまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
本開示に示す種々のフローチャートは何れも一例であって、フローチャートを構成するステップの数や、処理の実行順は適宜変更可能である。また、本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。
たとえばプロセッサ201が備える機能の一部または全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、ひとつまたは複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFPなどを採用可能である。CPUは、Central Processing Unitの略称である。MPUは、Micro-Processing Unitの略称である。GPUは、Graphics Processing Unitの略称である。DFPは、Data Flow Processorの略称である。
プロセッサ201が備える機能の一部または全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ201が備える機能の一部又は全部は、SoC、ASIC、FPGAなどを用いて実現されていても良い。SoCは、System on Chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。プロセッサ311についても同様である。
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を採用可能である。HDDは、Hard-disk Driveの略称である。SSDは、Solid State Driveの略称である。コンピュータを情報取得装置50や制御装置60として機能させるためのプログラム、当該プログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も、本開示の範囲に含まれる。
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、航続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
<技術的思想1>
駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)の制御装置であって、
前記回転翼の駆動を制御することで、前記回転揚力を調整する回転翼制御部(621)と、
前記揚力調整機構の駆動を制御することで、前記滑空揚力を調整する固定翼制御部(622)と、
を備え、
前記電動飛行機の飛行時において前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部は前記回転揚力を低減させ、前記固定翼制御部は前記滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する、制御装置。
<技術的思想2>
前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の巡航時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想1に記載の制御装置。
<技術的思想3>
前記電動飛行機の巡航時であって、着陸開始に対して少なくとも所定期間前から、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想2に記載の制御装置。
<技術的思想4>
前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の静音要求エリアの飛行時において、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想2または技術的思想3に記載の制御装置。
<技術的思想5>
前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は、前記電動飛行機が所定高度範囲かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力および全揚力を保ちながら、前記揚力調整制御を実行する、技術的思想2~4いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想6>
前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は、安定飛行が可能な前記推力および前記全揚力を保つことができない場合に、前記電動飛行機を着陸させるための制御を実行する、技術的思想5に記載の制御装置。
<技術的思想7>
前記揚力調整制御の実行時において、前記電動飛行機の着陸を制限する、技術的思想2~5いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想8>
前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の着陸時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想1に記載の制御装置。
<技術的思想9>
前記電動飛行機の離陸時において、前記揚力調整制御の実行を禁止する、技術的思想1に記載の制御装置。
<技術的思想10>
前記駆動用機器は、前記回転翼に対して冗長に設けられた複数の機器を含み、
冗長に設けられた前記複数の機器それぞれの異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想1~9いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想11>
前記駆動用機器は、電池(151)を含み、
前記駆動用機器の異常は、前記電池の異常を含む、技術的思想1~10いずれかひとつに記載の制御装置。
<技術的思想12>
前記電池のSOCが所定値を下回る低SOC異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想11に記載の制御装置。
<技術的思想13>
前記電池の温度異常がまたは検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想11に記載の制御装置。
<技術的思想14>
前記電池の温度が所定温度よりも高い高温異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、技術的思想13に記載の制御装置。
<技術的思想15>
前記電池の温度が所定温度よりも低い低温異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の着陸時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御である第1揚力調整制御を実行し、前記電動飛行機の巡航時において前記回転翼制御部は前記回転揚力を増大させ、前記固定翼制御部は前記滑空揚力を低減させる、第2揚力調整制御を実行する、技術的思想13に記載の制御装置。
10…eVTOL、11…機体本体、12…固定翼、121…主翼、122…尾翼、13…回転翼、131…ブレード、132…シャフト、14…揚力調整機構、141…チルト機構、142…フラップ、15…駆動用機器、151…電池、152…EPU、16…BMS、20…ECU、201…プロセッサ、202…メモリ、203…ストレージ、203P…プログラム、204…通信回路、30…地上局、31…サーバ、311…プロセッサ、312…メモリ、313…ストレージ、313P…プログラム、314…通信回路、40…運航管理システム、41…機外管理部、42…機内管理部、50…情報取得装置、60…制御装置、61…判定部、62…飛行制御部、621…回転翼制御部、622…固定翼制御部、70…監視装置

Claims (17)

  1. 駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)の制御装置であって、
    前記回転翼の駆動を制御することで、前記回転揚力を調整する回転翼制御部(621)と、
    前記揚力調整機構の駆動を制御することで、前記滑空揚力を調整する固定翼制御部(622)と、
    を備え、
    前記電動飛行機の飛行時において前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部は前記回転揚力を低減させ、前記固定翼制御部は前記滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する、制御装置。
  2. 前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の巡航時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記電動飛行機の巡航時であって、着陸開始に対して少なくとも所定期間前から、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の静音要求エリアの飛行時において、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項2に記載の制御装置。
  5. 前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は、前記電動飛行機が所定高度範囲かつ所定航行速度範囲内で安定飛行が可能な推力および全揚力を保ちながら、前記揚力調整制御を実行する、請求項2~4いずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は、安定飛行が可能な前記推力および前記全揚力を保つことができない場合に、前記電動飛行機を着陸させるための制御を実行する、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記揚力調整制御の実行時において、前記電動飛行機の着陸を制限する、請求項2~4いずれか1項に記載の制御装置。
  8. 前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の着陸時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項1に記載の制御装置。
  9. 前記電動飛行機の離陸時において、前記揚力調整制御の実行を禁止する、請求項1に記載の制御装置。
  10. 前記駆動用機器は、前記回転翼に対して冗長に設けられた複数の機器を含み、
    冗長に設けられた前記複数の機器それぞれの異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項1に記載の制御装置。
  11. 前記駆動用機器は、電池(151)を含み、
    前記駆動用機器の異常は、前記電池の異常を含む、請求項1に記載の制御装置。
  12. 前記電池のSOCが所定値を下回る低SOC異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記電池の温度異常がまたは検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項11に記載の制御装置。
  14. 前記電池の温度が所定温度よりも高い高温異常が予知または検知された場合に、前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御を実行する、請求項13に記載の制御装置。
  15. 前記電池の温度が所定温度よりも低い低温異常が予知または検知された場合に、前記電動飛行機の着陸時において前記回転翼制御部および前記固定翼制御部は前記揚力調整制御である第1揚力調整制御を実行し、前記電動飛行機の巡航時において前記回転翼制御部は前記回転揚力を増大させ、前記固定翼制御部は前記滑空揚力を低減させる、第2揚力調整制御を実行する、請求項13に記載の制御装置。
  16. 駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)の運航管理システムであって、
    前記電動飛行機の飛行に関する情報を取得する情報取得装置(50)と、
    前記情報に基づいて飛行制御を行う制御装置(60)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記回転翼の駆動を制御することで、前記回転揚力を調整する回転翼制御部(621)と、前記揚力調整機構の駆動を制御することで、前記滑空揚力を調整する固定翼制御部(622)と、を有し、
    前記電動飛行機の飛行時に、前記情報として前記駆動用機器の異常が予知または検知された情報を取得すると、前記回転翼制御部は前記回転揚力を低減させ、前記固定翼制御部は前記滑空揚力を増大させる、揚力調整制御を実行する、運航管理システム。
  17. 駆動用機器(15)によって駆動され、回転揚力を生じる回転翼(13)と、滑空揚力を生じる固定翼(12)と、前記滑空揚力を調整する揚力調整機構(14)と、を備える電動飛行機(10)を制御する制御プログラムであって、
    少なくともひとつの処理部(201)に、
    前記回転翼の駆動の制御により前記回転揚力を調整させ、
    前記揚力調整機構の駆動の制御により前記滑空揚力を調整させ、
    前記電動飛行機の飛行時において前記駆動用機器の異常が予知または検知された場合に、前記回転揚力が減少し、前記滑空揚力が増大する制御を実行させる、
    ことを含む制御プログラム。
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