JP2024053763A - 情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮する情報処理装置、設備容量算出方法及びプログラムを提供する。【解決手段】情報処理装置10は、建築物についての建築仕様のデータと、建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が設備機器の種類毎に分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するデータ取得部と、データ取得部が取得した建築仕様のデータと設備仕様のデータとに基づいて、建築物のエネルギーシミュレーションに必要な設備機器それぞれの設備容量を算出する設備容量算出部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラムに関する。
2020年に政府がカーボンニュートラルを目指すことを宣言したことにより、建築物においてもより一層の省エネ(省エネルギー)化やZEB(ゼロエネルギービルディング)化が求められてきている。建築物の省エネ化やZEB化を目指す場合、設計段階において建築物の設計段階でエネルギーシミュレーションを行うことが、より省エネな建築物の仕様を検討する上で有効である。
建築物のエネルギーシミュレーションを行う際には、例えば、非特許文献1に示す国立研究開発法人建築研究所が提供する「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」を用いることにより、建築物の一次エネルギー消費性能の指標となる「BEI(Building Energy Index)」を算出することができる。BEIは、建物の設計一次エネルギー消費量を、地域や建物用途、室使用条件などにより定められている基準一次エネルギー消費量で除した値(「設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量」)であり、BEIの値で、省エネ基準に適合しているか否かの評価が可能である。BEIを算出する際には、立地や建物形状などのほか、建物外皮の断熱性や日射遮蔽性能などの「建築仕様」と、設備機器の種類・方式、制御方式、効率などの「設備仕様」に加えて、使用する設備機器1台1台の「設備容量」が必要である。
「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」、国立研究開発法人建築研究所、[online]、[令和4年9月5日検索]、インターネット<URL:https://building.app.lowenergy.jp/>
しかしながら、設備容量の決定プロセスは、多くの作業時間が必要となる。例えば、まず、建築物の立地、建物形状、外皮の断熱性・日射遮蔽性能、室使用条件、設備機器の種類・方式などの建築仕様及び設備仕様を踏まえた負荷や換気量などを計算する。次に、設備仕様を満たす設備機器群から、さらに必要な容量を有する設備機器を選定する。しかし、必要な容量を有する設備機器を選定するには、様々なメーカーが製造・販売している多様な設備機器の仕様・能力を把握することが必要となるため、すべての室で適切な設備機器を選定するには時間がかかる。エネルギーシミュレーションを行うためには、すべての室で適切な設備機器の選定を行う必要があるが、このように設備機器の選定には時間がかかることから、多数のケース(案)についてエネルギーシミュレーションを行うことができない。よって、現実的には限定的なケースしか検討することができないこともある。また、一般に少なくとも建築物の概算資料を作成(設計)してからでないと、エネルギーシミュレーションに必要な設備機器の仕様・容量が決まらないため、エネルギーシミュレーションによるエネルギー消費性能(BEI)を算出できない。設計が完了した後にBEIを算出し、仮に目標に達していなかった場合、設計のやり直しとなって手戻りが発生するため、さらに多くの作業時間が必要になることがある。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出する算出部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る設備容量算出方法は、情報処理装置が、建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、を含む。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、を実行させる。
本発明の上記態様によれば、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図示する情報処理装置10は、例えば、ノート型、デスクトップ型、タブレット型などのコンピュータ装置である。情報処理装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図示する情報処理装置10は、例えば、ノート型、デスクトップ型、タブレット型などのコンピュータ装置である。情報処理装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。
通信部11は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部11は、イーサネット(登録商標)などの有線LANインターフェースまたはWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェースなどを含んで構成されている。
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスなどを備えている。表示部12は、制御部15により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムによる処理などに基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
入力部13は、例えば、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マイクロフォンなどの入力デバイスを備えている。例えば、入力部13は、ユーザによる操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号を制御部15へ出力する。なお、入力部13は、マウスであってもよい。また、入力部13は、ユーザによる操作を受け付ける入力デバイスに限られるものではなく、ユーザの音声が入力されるマイクロフォンであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶媒体からデータが入力されるUSBコネクタなどであってもよい。
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはフラッシュROMなどを含んで構成されている。例えば、記憶部14は、OS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各種のデータなどを記憶する。
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などを含んで構成されている。例えば、制御部15は、記憶部14に記憶されているOSのプログラム、アプリケーションプログラムなどを実行することにより各種の処理を実行する。
次に、情報処理装置10が、建築物のエネルギーシミュレーションを行う機能構成について説明する。制御部15は、設備容量を自動で算出するためのアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能構成として、データ取得部151(取得部の一例)と、設備容量算出部152(算出部の一例)と、BEI取得部153とを備えている。データ取得部151は、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際に必要なデータを取得する。例えば、データ取得部151は、建築物の仕様のデータとして、建築物についての建築仕様のデータと、建築物に設置可能な複数の設備機器の設備仕様のデータとを記憶部14から取得する。ここで、設備仕様は、建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様などが設備機器の種類ごとに分類されている。建築仕様のデータ及び設備仕様のデータは、例えば、ユーザが所定のフォーマットに入力することにより、記憶部14に予め記憶されている。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10が設備容量を自動で算出する際の算出方法の概要を示す図である。設備容量算出部152は、建築仕様のデータと設備仕様のデータとに基づいて、建築物のエネルギー消費性能(BEI)の算出に使用するために、建築物において必要とされる設備容量を算出する。まず、エネルギーシミュレーションを行う際の下準備として、前提条件(基本的に変更できないベースとなる基本仕様)が、ユーザにより入力・設定される。前提条件とは、例えば、建築物モデルの作成、室用途の割り当て、個別熱源方式(パッケージエアコン)の場合の空調ゾーニング設定などである。ユーザにより入力・設定された前提条件のデータは、記憶部14内の前提条件記憶部141に記憶される。
設備容量算出部152は、上記の前提条件に対してユーザにより選択(設定)された概要レベルの建築仕様と設備仕様を加え、これらの建築仕様及び設備仕様に基づいて設備機器ごとの設備容量を算出する。概要レベルの建築仕様と設備仕様とは、建築物の概算資料から少なくとも設備容量を除いたものである。設備容量を算出するために用いられる建築仕様と設備仕様の元データ(選択肢となる仕様のデータ)と、その中からユーザにより選択(設定)された建築仕様と設備仕様のデータとは、記憶部14内の仕様記憶部142に記憶される。また、設備容量の算出結果は、記憶部14内の設備容量記憶部143に記憶される。
設備容量算出部152が算出した設備容量の算出結果は、建築仕様及び設備仕様などと合わせて、例えば「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」(URL:https://building.app.lowenergy.jp/)の入力フォーマットに従ったファイル形式のデータで出力される。このデータを上記の「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」に入力することにより、建築物のエネルギー消費性能(BEI)の算出が可能である。BEI取得部153は、上記の「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」を用いて算出された建築物のエネルギー消費性能(BEI)を取得する。
図3は、本実施形態に係る建築仕様及び設備仕様の設定画面の一例を示す図である。この図に示す設定画面は、一般的な表計算アプリケーションを利用して、概要レベルの建築仕様及び設備仕様を設定(入力)する例である。図示する例では、予め用意された建築仕様及び設備仕様の選択肢がプルダウンリストにて選択可能に表示される。ユーザは、プルダウンリストに表示される選択肢に対して選択操作を行うことにより、建築仕様及び設備仕様の選択肢の中から任意の仕様を選択して設定することができる。例えば、ユーザは、ケース1、ケース2、ケース3、・・・と、複数種類の建築仕様及び設備仕様の案を設定することにより、複数のケースについての設備容量の算出結果を得ることができ、これによって、エネルギーシミュレーションの結果を得ることができる。なお、一般的な表計算アプリケーションを利用することで、コピー・アンド・ペースト機能なども利用できるため、入力が容易である。
図4及び図5は、本実施形態に係る建築仕様及び設備仕様で選択可能な項目(選択肢)の例を示す図である。建築外皮としては、例えば、外壁または屋根の断熱性能、窓の種類、窓の大きさ(縮小率)、日除け形状などの選択が可能である。ここで、建築外皮は、建築仕様の項目の一例である。設備設計条件としては、例えば、空調設備ではピーク熱負荷条件、照明設備では設定照度、換気設備では換気回数などの選択が可能である。ここで、設備設計条件は、設備機器を建築物に設置したときの条件であり、建築仕様と設備仕様の両方に関係する項目の一例である。例えば、設備設計条件は、室使用条件(例えば、室内に設置されるパーソナルコンピュータなどの機器の台数など)によって決まる。
また、設備仕様の項目の例としては、空調方式、熱源方式、換気、照明、給湯、創エネ(創エネルギー)など項目について、それぞれの仕様の選択が可能である。空調方式としては、例えば、室負荷処理の空調方式、外気負荷処理の空調方式、冷暖切替または同時、定風量または変風量、外冷の有無などの選択が可能である。例えば、室負荷処理の空調方式の選択肢には、FCU(Fan Coil Unit)、AHU(Air Handling Unit)、輻射パネル、天井カセットパッケージ(天カセパッケージ)、天埋ダクト吹パッケージ、床置きダクト吹パッケージ、床置きパッケージ、天吊りパッケージ、壁掛けパッケージなどが含まれる。
また、外気負荷処理の空調方式の選択肢には、例えば、室負荷と一緒に処理、OHU(Outdoor air Handling Unit)、デシカント空調、外気処理パッケージ、直膨コイル(直接膨張コイル)付全熱交などが含まれる。
熱源方式としては、例えば、セントラル熱源種類(例えば、3種まで選択可能)、蓄熱容量、1次ポンプ方式または2次ポンプ方式、往還温度差、個別熱源種類、室外機台数制御の有無などの選択が可能である。セントラル熱源の種類の選択肢と個別熱源の種類の選択肢のそれぞれには、図5に示すような選択肢が含まれる。
例えば、セントラル熱源の種類の選択肢には、冷房では、ウォーターチリングユニット(空冷式モジュール形)、散水型ウォーターチリングユニット(空冷式モジュール形)、ウォーターチリングユニット(水冷式)、インバータターボ冷凍機、ウォーターチリングユニット(水冷式地中熱タイプ)、吸収式冷凍機(都市ガス)、吸収式冷凍機(一重二重併用形、冷却水変流量、都市ガス)、地域熱供給(冷水)などが含まれ、暖房では、ウォーターチリングユニット(空冷式モジュール形)、ウォーターチリングユニット(水冷式地中熱タイプ)、吸収式冷凍機(都市ガス)、吸収式冷凍機(一重二重併用形、冷却水変流量、都市ガス)、貫流ボイラ(都市ガス)、地域熱供給(温水)などが含まれる。また、個別熱源の種類の選択肢には、例えば、パッケージエアコンディショナ(空冷式)標準型、パッケージエアコンディショナ(空冷式)高効率型、ガスヒートポンプ冷暖房機(都市ガス)、パッケージエアコンディショナ(水冷式地中熱タイプ3)、ルームエアコンディショナなどが含まれる。
また、例えば、個別熱源種類の選択肢には、パッケージエアコンディショナ(空冷式)標準型、パッケージエアコンディショナ(空冷式)高効率型、ガスヒートポンプ冷暖房機(都市ガス)、パッケージエアコンディショナ(水冷式地中熱タイプ)、ルームエアコンディショナなどが含まれる。
換気としては、例えば、高効率電動機の有無、インバーターの有無、風量制御の有無などの選択が可能である。照明としては、例えば、在室検知制御の有無、昼光利用制御の有無、タイムスケジュール制御の有無などの選択が可能である。給湯としては、例えば、給湯方式、節湯器具の有無などの選択が可能である。創エネとしては、例えば、太陽熱利用給湯の容量、コジェネレーションシステム(コジェネ)の容量・仕様、太陽光パネルの容量などの選択が可能である。
これら図4及び図5に示す建築仕様及び設備仕様の選択肢の中からエネルギーシミュレーションを行いたい仕様を、図3に示す設定画面から複数のケース分設定することにより、情報処理装置10は、複数のケースについて、建築物に設備機器を設置した場合の設備機器ごとの設備容量を自動で算出する。
図6は、本実施形態に係る設備容量の算出例を示す図である。設備機器の種類ごとに分類された設備仕様ごとに設備容量の算出方法が規定されている。例えば、設備(設備機器)は、空調と換気と照明とに分類される。空調は、個別熱源方式と、セントラル熱源方式とに分類される。個別熱源方式は、室内機と室外機とにさらに分類される。また、室内機の場合には、室負荷処理と、室負荷+外気負荷処理と、外気負荷処理とにさらに分類される。一方、セントラル熱源方式は、空調機類と2次ポンプと熱源機とにさらに分類される。例えば、空調機類は、空調機と、FCU(ファンコイルユニット)と、輻射パネルとにさらに分類される。また、空調機は、室負荷処理と、室負荷+外気負荷処理と、外気負荷処理とにさらに分類される。
分離された設備機器の種類ごとに、入力(INPUT)と出力(OYTPUT)とが規定されている。例えば、入力(INPUT)は設備機器の種類ごとの概要レベルの仕様であり、出力は、設備容量の算出結果である。
例えば、建築物に設置する設備機器が個別熱源方式の空調の場合、室内機については、室内機の種類に対応する設備仕様などが入力となり、設備容量の算出結果として室内機の能力及びファン消費電力などが出力される。また、室外機については、室外機の種類に対応する設備仕様などが入力となり、設備容量の算出結果として室外機の能力などが出力される。この個別熱源方式の空調が選択された場合の設備容量の算出方法について詳しくは、図7を参照して後述する。
また、建築物に設置する設備機器がセントラル熱源方式の空調の場合、空調機類のうち空調機については、吹出温度差、機外静圧、ファン効率などが入力となり、設備容量の算出結果として空調機の能力、風量、ファン動力などが出力される。また、空調機類のうちファンコイルユニットについては、機器種類などが入力となり、設備容量の算出結果としてファンコイル能力、ファン動力などが出力される。また、空調機類のうち輻射パネルについては、付設率、往還温度差、ポンプ揚程・効率などが入力となり、設備容量の算出結果としてパネル能力、ポンプ動力などが出力される。このセントラル熱源方式の空調が選択された場合の設備容量の算出方法について詳しくは、図11を参照して後述する。
ここで、空調の場合には、種類にかかわらず、建築仕様と室使用条件(例えば、設備設計条件)に基づいて熱負荷計算が行われる。また、熱源機の効率はデータベースから参照する。
また、建築物に設置する設備機器が換気の場合、換気回数、換気種類などが入力となり、設備容量の算出結果として換気風量、ファン動力などが出力される。また、建築物に設置する設備機器が照明の場合、照明種類、設定照度などが入力となり、設備容量の算出結果として照明消費電力などが出力される。
図7は、本実施形態に係る個別熱源方式の空調の設備容量の算出方法の詳細例を示す図である。個別熱源方式の空調の室内機(室負荷処理)及び室内機(室負荷+外気負荷処理)の場合、冷房全熱と必要風量と暖房全熱とに基づいて設備容量(室内機能力、ファン消費電力)が算出される。ここで、必要風量は、室内顕熱負荷にΔt12℃で算出される。算出された設備容量(室内機能力、ファン消費電力)を満たす室内機が選定されることになる。
なお、室内機を選定する際の能力に余裕を持たせるために、設備容量(室内機能力、ファン消費電力)の算出の際に余裕分として所定の容量を追加してもよい。図示する例では、冷房全熱と必要風量と暖房全熱とに基づいて設備容量(室内機能力、ファン消費電力)を算出する際に余裕率が乗算(例えば、「×1.1」)される。また、室内機(室負荷+外気負荷処理)の外気分ファン動力については、全熱交有りの場合には外気量から概算でファン消費電力が算出され、全熱交無しの場合には外気量に機外静圧を150Pa、ファン効率を0.25として概算でファン消費電力が算出される。
また、室内機(外気負荷処理)については、全熱交有りの場合には外気量を満たす直膨コイル付きの全熱交が選定され、全熱交無しの場合には外気量を満たす外気処理パッケージが選択される。
また、個別熱源方式の空調の室外機の場合、時刻別の合計負荷の冷房最大値と暖房の合計負荷と室内機の合計とに基づいて設備容量(室外機能力)が算出される。室内機の合計は、「室内機容量の合計×100/130」としてもよい。算出された設備容量(室外機能力)を満たす室外機が選定されることになる。なお、上記の「室内機容量の合計」に乗算する値「100/130」は一例であって、この値に限られるものではなく、必要に応じて任意の値にすることができる。
なお、室内機と同様に、室外機を選定する際の能力に余裕を持たせるために、設備容量(室外機能力)の算出の際に余裕分として所定の容量を追加してもよい。図示する例では、時刻別の合計負荷の冷房最大値と暖房の合計負荷と室内機の合計とに基づいて設備容量(室外機能力)を算出する際に余裕率が乗算される。余裕率は、ユーザにより設定された余裕率であり、外気温補正、冷媒管補正などを含む。
なお、図7に示す個別熱源方式の空調の設備容量の算出方法の例は一例であって、これに限られるものではない。
図8~図10は、本実施形態に係る個別熱源方式の空調の設備仕様の一例を示す図である。これらの図は、個別熱源方式の空調で選定され得る各種の室内機及び室外機の設備仕様(メーカーのカタログ値)のデータベースの例を示している。図8は、室内機の設備仕様の一例を示す図である。図9は、室内機(外気負荷処理)の設備仕様の一例を示す図である。図10は、室外機の設備仕様の一例を示す図である。
例えば、室内機の設備仕様には、室内機能力(冷房能力、暖房能力)と、デフォルトのファン消費電力と、風量とが含まれる。室外機の設備仕様には、室外機能力(冷房、暖房)と、冷房時の消費電力と、暖房時の消費電力とが含まれる。
このデータベースの中から、設備容量の算出結果を満たす室内機及び室外機が選定される。例えば、室内機の設備容量の算出結果が「冷房能力3kW」及び「暖房能力6kW」であって場合、このデータベースの中から冷房能力と暖房能力の両方を満たす室内機(例えば、天井カセット型の場合、「冷房能力5.6kW」及び「暖房能力6.3kW」の室内機)が選定される。
図11は、本実施形態に係るセントラル熱源方式の空調の設備容量の算出方法の詳細例を示す図である。まず、セントラル熱源方式の空調機類のうち室負荷処理の空調機、ファンコイルユニット(FCU)、及び輻射パネルの設備容量の算出方法について説明する。空調機の冷暖房能力は、冷房全熱と暖房全熱とに基づいて算出される。また、空調機のファン動力は、室内顕熱負荷とユーザに設定された吹出温度差、SA(Supply Air)全静圧、ファン効率などから概算で算出される。
ファンコイルユニット(FCU)の冷暖房能力は、例えば「3.0kW/台」として台数分の合計で算出される。また、ファンコイルユニット(FCU)のファン動力は、例えば「0.09kW/台」として台数分の合計で算出される。
輻射パネルの冷暖房能力は、例えば「床面積×1/3×0.075kW」で算出される。また、輻射パネルの3次ポンプ動力は、冷暖房能力とユーザに設定された往還温度差、ポンプ揚程、ポンプ効率などから概算で算出される。
セントラル熱源方式の空調機類のうち空調機(室負荷+外気負荷処理)の冷暖房能力は、冷房全熱と暖房全熱とに基づいて算出される。また、空調機(室負荷+外気負荷処理)のファン動力は、冷房顕熱から求めた風量と、暖房から求めた風量と、外気量とから最大の風量が決定され、この風量とユーザに設定されたSA全静圧及びRA(Return Air)全静圧、ファン効率などから概算で算出される。なお。全熱交が有る場合は、ユーザに設定された割増圧損が加算される。
セントラル熱源方式の空調機類のうち空調機(外気負荷処理)の冷暖房能力は、冷房外気負荷と暖房外気負荷(等エンタルピー)とに基づいて算出される。また、空調機(外気負荷処理)のファン動力は、外気量とユーザに設定されたSA全静圧及びRA全静圧、ファン効率などから概算で算出される。なお。全熱交が有る場合は、ユーザに設定された割増圧損が加算される。
なお、図11に示すセントラル熱源方式の空調の設備容量の算出方法の例は一例であって、これに限られるものではない。
次に、情報処理装置10において、制御部15が実行する建築物のエネルギーシミュレーション処理の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る建築物のエネルギーシミュレーション処理の一例を示すフローチャートである。
図12は、本実施形態に係る建築物のエネルギーシミュレーション処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)制御部15は、エネルギーシミュレーションを行う際の下準備として、前提条件の入力を受け付ける。前提条件とは、例えば、建築物モデルの作成、室用途の割り当て、個別熱源方式(パッケージエアコン)の場合の空調ゾーニング設定などである。入力の方法は、キーボードやマウスを用いて入力される方法であってもよいし、USBメモリからデータとして入力される方法であってもよいし、通信部11を介して他の機器から入力される方法であってもよい。制御部15は、ユーザにより入力・設定された前提条件のデータを記憶部14(前提条件記憶部141)に記憶させる。そして、ステップS103へ進む。
(ステップS103)制御部15は、概要レベルの建築仕様及び設備仕様の入力を受け付ける。例えば、制御部15は、図3に示す建築仕様及び設備仕様の設定画面を表示部12に表示させ、設定画面において建築仕様及び設備仕様をユーザが選択する操作に基づいて建築仕様及び設備仕様の入力を受け付ける。制御部15は、ユーザにより選択(設定)された建築仕様と設備仕様のデータを、記憶部14(仕様記憶部142)に記憶させる。そして、ステップS105へ進む。
(ステップS105)制御部15は、記憶部14から前提条件のデータ及びユーザにより選択(設定)された建築仕様と設備仕様のデータを取得する。そして、制御部15は、前提条件に対してユーザにより選択(設定)された概要レベルの建築仕様と設備仕様を加え、建築仕様及び設備仕様に基づいて設備機器ごとの設備容量を算出する。なお、制御部15は、空調の場合には、設備容量を算出する際に建築仕様と室使用条件(例えば、設備設計条件)に基づいて熱負荷計算を行う。制御部15は、設備容量の算出結果を、記憶部14(設備容量記憶部143)に記憶させる。
(ステップS107)制御部15は、設備容量の算出結果と建築仕様及び設備仕様などとを合わせて、エネルギーシミュレーション用のデータを生成する。
(ステップS109)制御部15は、ユーザの操作により「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)」(URL:https://building.app.lowenergy.jp/)にエネルギーシミュレーション用のデータを入力することにより、建築物のエネルギー消費性能(BEI)を取得する。
なお、ステップS103において、ケース1、ケース2、ケース3、・・・と、複数種類の建築仕様及び設備仕様の案をユーザが設定した場合、制御部15は、ステップS105で複数のケースごとに設備機器ごとの設備容量を算出する。これにより、複数のケースについてのエネルギーシミュレーションを容易に行うことが可能になる。
次に、本実施形態に係る設備容量の自動算出を用いてエネルギーシミュレーションを行った場合の精度について説明する。
図13は、本実施形態に係る空調・換気設備についての精度検証結果の一例を示す図である。ここでは、設計図における設備の能力から算出したエネルギー消費量(従来の算出方法)と、本実施形態に係る自動算出により算出したエネルギー消費量とのそれぞれを棒グラブで比較して示している。また、各棒グラフの上部にBEIの値を記載している。大規模事務所(40000m2)でセントラル空調(セントラル熱源方式の空調)の場合と、小規模事務所(763m2)でパッケージ空調(個別熱源方式の空調)の場合と、学校(10868m2)でパッケージ空調(PAC)+外調機(外気負荷処理の空調機)の場合と、病院(11017m2)でパッケージ空調(PAC)+外調機の場合との4つのケースについて、いずれも設計図における設備の能力から算出したエネルギー消費量(従来の算出方法)と、本実施形態に係る自動算出により算出したエネルギー消費量及びBEIがほぼ同程度であることが確認できる。
図13は、本実施形態に係る空調・換気設備についての精度検証結果の一例を示す図である。ここでは、設計図における設備の能力から算出したエネルギー消費量(従来の算出方法)と、本実施形態に係る自動算出により算出したエネルギー消費量とのそれぞれを棒グラブで比較して示している。また、各棒グラフの上部にBEIの値を記載している。大規模事務所(40000m2)でセントラル空調(セントラル熱源方式の空調)の場合と、小規模事務所(763m2)でパッケージ空調(個別熱源方式の空調)の場合と、学校(10868m2)でパッケージ空調(PAC)+外調機(外気負荷処理の空調機)の場合と、病院(11017m2)でパッケージ空調(PAC)+外調機の場合との4つのケースについて、いずれも設計図における設備の能力から算出したエネルギー消費量(従来の算出方法)と、本実施形態に係る自動算出により算出したエネルギー消費量及びBEIがほぼ同程度であることが確認できる。
図14は、本実施形態に係る照明設備についての精度検証結果の一例を示す図である。
ここでは、図示するA室(事務所、照度500lx)の場合と、B室(男子ロッカー、照度300lx)の場合と、C室(7m2の小会議室、照度300lx)の場合と、D室(10m2の小会議室、照度300lx)の場合との4つのケースについて、いずれも実際に照明設計を行った結果である設計値と、本実施形態に係る自動算出による算出値とが、ほぼ同程度の消費電力であることが確認できる。
ここでは、図示するA室(事務所、照度500lx)の場合と、B室(男子ロッカー、照度300lx)の場合と、C室(7m2の小会議室、照度300lx)の場合と、D室(10m2の小会議室、照度300lx)の場合との4つのケースについて、いずれも実際に照明設計を行った結果である設計値と、本実施形態に係る自動算出による算出値とが、ほぼ同程度の消費電力であることが確認できる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、建築物についての建築仕様のデータと、建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを取得する。そして、情報処理装置10は、取得した建築仕様のデータと設備仕様のデータとに基づいて、建築物のエネルギーシミュレーションに必要な設備機器それぞれの設備容量を算出する。
これにより、情報処理装置10は、設備容量の算出を自動で行うため、設備容量を除く建築仕様と設備仕様の情報で、建築物のエネルギーシミュレーションが可能となり、大幅に作業時間を短縮できる。
例えば、情報処理装置10は、建築仕様のデータと、設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータの中から建築物に設置する設備機器の種類として選択された設備仕様のデータとに基づいて、設備容量を算出する。
これにより、情報処理装置10は、建築物に設置する設備機器の種類をユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
例えば、設備機器は、空調、換気、及び照明のそれぞれで分類される。
これにより、情報処理装置10は、建築物に設置する設備機器の種類を、空調、換気、及び照明のそれぞれからユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
また、空調に分類される設備機器は、個別に熱源を設置する個別熱源方式と、熱源を集約して設置するセントラル熱源方式とにさらに分類される。
これにより、情報処理装置10は、建築物に設置する空調に分類される設備機器の種類を、個別熱源方式とセントラル熱源方式とのそれぞれからユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
また、個別熱源方式に分類される設備機器は、室内機と室外機とにさらに分類される。また、室内機に分類される設備機器は、室負荷処理と、外気負荷処理と、室負荷処理及び外気負荷処理の両方とのうちいずれに対応しているかによってさらに分類される。
これにより、情報処理装置10は、建築物に設置する個別熱源方式に分類される設備機器の種類を、室内機と室外機とのそれぞれからユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
また、セントラル熱源方式に分類される設備機器は、空調機類と、2次ポンプと、熱源機とにさらに分類される。また、空調機類に分類される設備機器は、空調機と、ファンコイルユニットと、輻射パネルとにさらに分類される。また、空調機に分類される設備機器は、室負荷処理と、外気負荷処理と、室負荷処理及び外気負荷処理の両方とのうちいずれに対応しているかによってさらに分類される。
これにより、情報処理装置10は、建築物に設置するセントラル熱源方式に分類される設備機器の種類を、空調機類と、2次ポンプと、熱源機とのそれぞれからユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。また、情報処理装置10は、空調機類に分類される設備機器の種類を、空調機と、ファンコイルユニットと、輻射パネルとのそれぞれからユーザが選択することで、設備機器それぞれの設備容量を自動で算出するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。
また、情報処理装置10は、算出した設備容量に基づいて、設備仕様のデータの中から設備容量を満たす設備機器を選択する。
これにより、情報処理装置10は、建築仕様と設備仕様とに基づいて算出した設備容量を満たす設備機器を自動で選択するため、建築物のエネルギーシミュレーションを行う際の作業時間を短縮できる。多数の建築・設備の仕様案に対するエネルギーシミュレーションを行うには、ケース毎に設備容量の再計算及び設備機器の再選定を行う必要があるため、設備容量の算出と設備機器の選定を自動で行うことにより、作業時間を短縮できる。よって、多数の建築・設備仕様案を検討することが容易になり、省エネ検討が行いやすくなる。
また、情報処理装置10は、算出した設備容量に対して所定の容量を追加した値を満たす設備機器を選択する。
これにより、情報処理装置10は、建築仕様と設備仕様とに基づいて算出した設備容量を満たす設備機器を自動で選択する際に、安全率や余裕率を加味して選択することができる。従来、安全率や余裕率をどのくらい見込むかは設計者が自身の知識や経験を踏まえて決めていたが、安全率や余裕率を決めて標準化することで、属人的な手法から脱却できる。
また、本実施形態に係る設備容量算出方法は、情報処理装置10が、建築物についての建築仕様のデータと、建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、取得した建築仕様のデータと設備仕様のデータとに基づいて、建築物のエネルギーシミュレーションに必要な設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、を含む。
これにより、情報処理装置10における設備容量算出方法は、設備容量の算出を自動で行うため、設備容量を除く建築仕様と設備仕様の情報で、建築物のエネルギーシミュレーションが可能となり、大幅に作業時間を短縮できる。
また、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、建築物についての建築仕様のデータと、建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、取得した建築仕様のデータと設備仕様のデータとに基づいて、建築物のエネルギーシミュレーションに必要な設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、を実行させる。
これにより、プログラムは、設備容量の算出を自動で行うため、設備容量を除く建築仕様と設備仕様の情報で、建築物のエネルギーシミュレーションが可能となり、大幅に作業時間を短縮できる。
以上、この発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、図4~6に示す建築仕様及び設備仕様の選択項目(選択肢)及び設備機器の分類は一例であって、これに限られるものではない。また、図3を参照して、建築仕様及び設備仕様の選択と設備容量の算出を一般的な表計算アプリケーションを利用して行う例を説明したが、専用のアプリケーションを用いて行ってもよい。
なお、エネルギー消費性能としてBEIを用いたが、これに限られるものではなく、BEI算出時のエネルギー消費量を用いてもよい。
なお、上述した情報処理装置10は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置10が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置10が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置10が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した実施形態における情報処理装置10が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係る情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラムは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
10 情報処理装置、11 通信部、12 表示部、13 入力部、14 記憶部、141 前提条件記憶部、142 仕様記憶部、143 設備容量記憶部、15 制御部、151 データ取得部、152 設備容量算出部、153 BEI取得部
Claims (10)
- 建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出する算出部と、
を備える情報処理装置。 - 前記算出部は、
前記建築仕様のデータと、前記設備機器の種類ごとに分類された前記設備仕様のデータの中から前記建築物に設置する前記設備機器の種類として選択された設備仕様のデータとに基づいて、前記設備容量を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記設備機器は、空調、換気、及び照明のそれぞれで分類される、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記空調に分類される前記設備機器は、個別に熱源を設置する個別熱源方式と、熱源を集約して設置するセントラル熱源方式とにさらに分類される、
請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記個別熱源方式に分類される前記設備機器は、室内機と室外機とにさらに分類され、前記室内機に分類される前記設備機器は、室負荷処理と、外気負荷処理と、室負荷処理及び外気負荷処理の両方とのうちいずれに対応しているかによってさらに分類される、
請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記セントラル熱源方式に分類される前記設備機器は、空調機類と、2次ポンプと、熱源機とにさらに分類され、前記空調機類に分類される前記設備機器は、空調機と、ファンコイルユニットと、輻射パネルとにさらに分類され、前記空調機に分類される前記設備機器は、室負荷処理と、外気負荷処理と、室負荷処理及び外気負荷処理の両方とのうちいずれに対応しているかによってさらに分類される、
請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記算出部により算出された前記設備容量に基づいて、前記設備仕様のデータの中から前記設備容量を満たす前記設備機器を選択する設備機器選択部、
を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記設備機器選択部は、
前記算出部により算出された前記設備容量に対して所定の容量を追加した値を満たす前記設備機器を選択する、
請求項7に記載の情報処理装置。 - 情報処理装置が、
建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、
取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、
を含む設備容量算出方法。 - コンピュータに、
建築物についての建築仕様のデータと、前記建築物に設置可能な複数の設備機器の仕様が前記設備機器の種類ごとに分類された設備仕様のデータとを記憶部から取得するステップと、
取得した前記建築仕様のデータと前記設備仕様のデータとに基づいて、前記建築物のエネルギーシミュレーションに必要な前記設備機器それぞれの設備容量を算出するステップと、
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022160168A JP2024053763A (ja) | 2022-10-04 | 2022-10-04 | 情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2022160168A JP2024053763A (ja) | 2022-10-04 | 2022-10-04 | 情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラム |
Publications (1)
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---|---|
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JP2022160168A Pending JP2024053763A (ja) | 2022-10-04 | 2022-10-04 | 情報処理装置、設備容量算出方法、及びプログラム |
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-
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