JP2024051866A - 積層セルロース繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性と洗濯耐久性を両立した生分解性積層セルロース繊維不織布の提供。【解決手段】少なくとも2枚のセルロース繊維不織布が圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布であって、該積層セルロース繊維不織布は、圧着された部分である圧密化部と圧着されていない部分である凸形状の非圧密化部とを有し、該圧密化部は、2.0mm以上22.0mm以下の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、隣り合う該圧密化部の間に形成された非圧密化部1つ当たりの断面積は、2.0mm2以上15.0mm2以下であることを特徴とする、前記積層セルロース繊維不織布。【選択図】図1

Description

本発明は、吸水性と洗濯耐久性を両立した積層セルロース繊維不織布に関する。
セルロース繊維不織布は、吸水性に富むため、美容用ファイスマスクやワイパー等に広く使用されている。セルロース連続長繊維不織布は、短繊維が脱落しない等の性能を有するが、湿潤時緯方向(機械方向と直交する)の引張強度が弱い、耐摩耗性がやや劣る、洗濯使用に耐えないという問題が有あるため寸法安定性の改善が求められてきた。他方、肌触りに優れる不織布シートとして、構成繊維同士が交絡によって形態を保持しているスパンレース不織布シートが挙げられ、肌に直接触れる用途、例えば、対人向けのウェットワイパーや美容用のフェイスマスク等に広く用いられている。
また、セルロース繊維は、吸水性に富むものの、それ自体、熱融着性はないため、エンボス加工により圧着・一体化したとしても、吸水により、時間の経過とともに圧着・一体化した部分がバラけ、形状安定性に劣るという問題があるため、これまで、繰り返し使用を想定した洗濯耐久性に関しては十分な検討がなされてこなかった。
以下の特許文献1には、湿潤状態において高い意匠性と透明度を有し、かつ、取り扱い性が良い縦横強度比をもつセルロース繊維不織布が開示される。開示されたセルロース繊維不織布は、以下の特徴:(i)湿潤状態において圧密化した部分を有する、(ii)前記湿潤状態の透明度が70~100%である、(iii)前記湿潤状態の水分保持量が0.01~0.69g/cm2である、(iv)前記圧密化した部分の面積が全体の1~45%であり、該圧密化した部分の幅が1~15mmである、及び(v)前記湿潤状態の強度の縦横比(縦/横)が0.5~2.0である、を有する、セルロース繊維を含む不織布シートである。記載された発明は、セルロース繊維単体の不織布に熱エンボスによる加工を行うことで、圧着部の繊維密度が高まり半透明のフィルム状になり、その圧密化された部分の幅、面積比が所定範囲であるとき、所定の湿潤状態における不織布シートの縦横強度比が所定範囲になることで、取り扱い性が改善されるとう発見に基づきなされたものである。特許文献1に記載されたセルロース繊維不織布は、比較的目付や厚みが小さいため、吸水量が低く、また、特許文献1に記載された主な用途は、美容用ファイスマスクであるため、湿潤状態における洗濯耐久性については記載されていない。
特に、特許文献1には、セルロース繊維不織布シートに熱エンボス加工を行った後の水分保持量としては、0.01~0.069g/cm2(690mL/m2)が好ましく、水分保持量が0.01g/cm2未満の場合、例えば、湿潤状態で肌に張り付けた時、シート中の水分量が不足しているため十分な密着感や装着感が得られないため、使用者の満足感が得られず好ましくなく、他方、水分保持量が0.069g/cm2を超える場合、湿潤状態よりも飽和した状態の水分が付与されているため、使用時に液だれが起きてしまい折角の湿潤物質が損なわれてしまうということが発生するため好ましくないと記載されている。
以下の特許文献2には、美容効果を与える等の目的で肌に貼付して用いられるシート状パックに用いるシート状基材として、従来から、凹凸のない不織布等の柔軟シートが用いられているが、従来の柔軟シートでは、美容液等の湿潤物質の含浸保持量に限界があり、肌に湿潤物質をたっぷり供給することができないという問題を解決すべく、単糸太さ0.5~2.0デシテックスの繊維を用いた、目付30~150g/m2、厚み(T)0.3~1.50mmの不織布からなる柔軟シートからなり、上記柔軟シートの少なくとも表面に、開口形状が直径0.50~3.00mmの円形もしくはそれに近似する形状で、深さ(S)が0.05~1.45mmに設定された、湿潤物質保持用の凹部が、エンボス加工により多数分布形成されているシート状基材に対し湿潤物質が、0.07~0.20g/cm2の割合で含浸保持されている状態で包装袋によって個包されており、使用時には上記包装袋から取り出して顔面に貼付して用いるシート状パックシート状パックが開示される。特許文献2に記載されたシート状基材では、特定の構成を備えたシート状基材に、特殊な形状の凹部がエンボス加工により多数分布形成されているため、シート状基材に対し湿潤物質を、従来品では考えられないほどたっぷりと含浸保持させることができるという効果が奏されるとされる。特許文献2には、特定のエンボス形状により水分保持量を高めることは記載されているものの、用途が美容液パックであるため、洗濯耐久性については一切記載されていない。
以下の特許文献3には、従来のセルロース連続長繊維不織布は、吸液性に冨む、短繊維が脱落しない等の性能を有するが湿潤時緯方向の引張強度が弱い、耐摩耗性がやや劣る、洗濯使用に耐えないという問題を有するところ、吸液性・リントフリー性に優れ、経方向と緯方向とも寸法安定性に優れ、且つ耐摩耗性・洗濯強度に優れた不織布を提供すべく、上層・下層がセルロース連続長繊維ウエブからなり、中間層が熱融着繊維を含む短繊維ウエブとからなる3層構造複合不織布であって、各ウエブ層を構成する繊維が、他のウエブ層を構成する繊維と交絡しており、且つ、含まれる熱融着繊維が熱融着し、一体化されている事を特徴とする複合不織布が開示される。特許文献3には、洗濯耐久性が向上したと記載されているが、これは、中間層に含まれるセルロース短繊維と熱融着性繊維との間の熱融着により達成されている。また、特許文献3には、ビスコースレーヨンに比べて銅アンモニアレーヨン繊維の吸水性が優れることが記載されているが、特定のエンボス加工による圧着部の構造や、目付や厚みの設計による吸水性の向上については教示がない。
このように従来技術のセルロース繊維不織布は、美容用ファイスマスクやワイパー等の使い捨て用途に向けられており、洗濯耐久性を向上する技術としては、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系低融点繊維等の熱融着繊維による熱融着に基づくものであった。
かかる状況下、近年、持続可能性、脱炭素等、環境負荷の観点から、化石燃料に由来しない生物由来の生分解性のセルロース繊維が注目されており、さらに、使い捨てでない繰り返し使用可能な商品の提供が望まれている。かかる使い捨てでない繰り返し使用可能な商品としては、例えば、生理用吸水ショーツのような繰り返し洗濯して使用する衣類用途におけるセルロース繊維不織布の利用が挙げられる。
特許第6647129号公報 特許第4369093号公報 特開平4-100959号公報
本発明が解決しょうとする課題は、吸水性と洗濯耐久性を両立した生分解性積層セルロース繊維不織布を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、少なくとも2枚のセルロース繊維不織布が圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布において、圧密化部、非圧密化部の形状、サイズ等を最適化することにより、熱融着による圧着部がなくても、吸水性と洗濯耐久性を両立しうることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]少なくとも2枚のセルロース繊維不織布が圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布であって、該積層セルロース繊維不織布は、圧着された部分である圧密化部と圧着されていない部分である凸形状の非圧密化部とを有し、該圧密化部は、2.0mm以上22.0mm以下の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、隣り合う該圧密化部の間に形成された非圧密化部1つ当たりの断面積は、2.0mm2以上15.0mm2以下であることを特徴とする、前記積層セルロース繊維不織布。
[2]前記圧密化部は、前記非圧密化部により囲まれている、前記[1]に記載の積層セルロース繊維不織布。
[3]前記圧密化部は、ドット状を呈する、前記[2]に記載の積層セルロース繊維不織布。
[4]前記非圧密化部は、前記圧密化部により囲まれている、前記[1]に記載の積層セルロース繊維不織布。
[5]前記圧密化部は、格子、クロス又はハニカム状である、前記[4]に記載の積層セルロース繊維不織布。
[6]前記積層セルロース繊維不織布の目付は、155g/m2以上400g/m2以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
[7]前記積層セルロース繊維不織布の厚みは、0.80mm以上2.50mm以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
[8]前記圧密化部と前記非圧密化部の厚みの差は、0.70mm以上2.00mm以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
[9]前記積層セルロース繊維不織布の表面積に対する前記圧密化部の面積率は、3%以上25%以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
[10]前記積層セルロース繊維不織布の吸水量は、1300mL/m2以上6000mL/m2以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
[11]前記セルロース繊維不織布は、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)であり、かつ、連続長繊維不織布である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層セルロース不織布。
本発明の積層セルロース繊維不織布(シート)は、熱融着による圧着部がなく、熱エンボス加工によってセルロース繊維が高密度に圧縮された圧密化部を有し、かつ、圧密化部と非圧密化部の形状・サイズ等を最適化することにより、吸水性と洗濯耐久性を両立した生分解性積層セルロース繊維不織布である。それゆえ、本発明の積層セルロース繊維不織布(シート)は、使い捨てでない繰り返し使用可能な商品、例えば、生理用吸水ショーツのような繰り返し洗濯して使用する衣類用途におけるセルロース繊維不織布として好適に利用可能である。
本実施形態の積層セルロース繊不織布(シート)の断面における、圧密化部、該圧密化部の間隔(ピッチ)、該圧密化部の間に形成された凸形状の非圧密化部1つ当たりの断面積(凸部の断面積)、該シートの厚み、該圧密化部と該非圧密化部の厚みの差の説明図である。 本実施形態の積層セルロース繊不織布(シート)表面におけるドット状圧密化部の模様の一例を示す。 本実施形態の積層セルロース繊不織布(シート)表面におけるクロス状圧密化部の模様の一例を示す。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、少なくとも2枚のセルロース繊維不織布が圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布であって、該積層セルロース繊維不織布は、圧着された部分である圧密化部と圧着されていない部分である凸形状の非圧密化部とを有し、該圧密化部は、2.0mm以上22.0mm以下の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、隣り合う該圧密化部の間に形成された非圧密化部1つ当たりの断面積は、2.0mm2以上15.0mm2以下であることを特徴とする、前記積層セルロース繊維不織布である。
本実施形態のセルロース繊維不織布シートを構成する、圧着・一体化される少なくとも2枚のセルロース繊維不織布を構成するセルロース繊維としては、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、テンセル(リヨセル)、ポリノジック等の再生セルロース繊維、コットン、パルプ、麻等の天然セルロース繊維が用いられ、好ましくは再生セルロース繊維であり、さらに好ましくは、銅アンモニアレーヨン又はテンセル(リヨセル)であり、最も好ましくは、銅アンモニアレーヨンである。セルロース繊維の中でも銅アンモニアレーヨンは繊維同士の水素結合が高く、圧密化部において繊維が凝集しやすいため、圧密化部の賦形性に優れ、柄の視認性に優れている。この繊維は連続長繊維でも短繊維でも構わないが、連続長繊維は、短繊維のものよりも、よりリントフリー性に優れ、吸液性にも優れている。さらに、連続長繊維は平面方向の繊維の配向性が高く、圧密化部において繊維が凝集しやすいため、柄の賦形性に優れ、柄の視認性に優れている。また、バインダーや界面活性剤を付与したセルロース繊維不織布シートでは、吸水性の低下や、成分の溶出が懸念されるため、ノーバインダーのセルロース繊維が好ましい。
尚、上記セルロース繊維は、セルロース繊維以外の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維や、他の素材を一部有したものであってもよいが、セルロース繊維のみからなるものがより好ましい。
少なくとも2枚のセルロース繊維不織布を圧着・一体化して、圧密部と非圧密化部を形成する方法としては、熱エンボス加工によるものが好適である。図1に例示するように、熱エンボス加工を用いることで、凸形状を有したエンボスロールがセルロース繊維不織布と接触し、その表面を押し込むことでエンボスロールの形状が柄としてセルロース繊維不織布シートに付与されることとなる。熱エンボス加工装置としては平滑なロールと凸形状を有するエンボスロールの組み合わせであっても、一対のエンボスロールからなるものであってもよい。図1では、凸形状を有するエンボスロールと滑なロールと組み合わせて熱エンボス加工して、積層セルロース繊維不織布シートの片面に、凸形状の非圧密化部を形成しているが、一対のエンボスロールを用いて、両面に凸形状の非圧密化部を形成しても構わない。この場合、圧密化部と非圧密化部の厚みの差は、両面分の合計値とする。尚、非圧密化部の凸形状とは、当該非圧密化部を挟む隣接する圧密化部を通る断面で観察した際に凸形状を成せばよく、例えば、ドット状の圧密化部を有するパターンであっても非圧密化部は凸形状となる。
また、熱エンボス加工を行う際のそれぞれのロールの組み合わせとしては、ゴム製ロール、セラミックス製ロール、金属製ロールのどの組み合わせを用いても良好に柄を転写することが可能である。
本明細書中、用語「圧密化(部)」とは、熱エンボス加工によって不織布シートを構成する繊維に熱による融着がなく、基材繊維と比べ1.2倍以上高密度に圧縮され、目視により基材との差異が確認される状態(及びその部分)をいう。また、用語「非圧密化(部)」とは、「圧密化(部)」以外の状態(及びその部分)をいう。
セルロース繊維は、熱可塑性ではないため、熱エンボス加工装置のロール表面温度としては特段の制約を持つものではない。しかしながら、実際にはエンボス加工を行う際の製造工程内の製品温度管理基準やその素材毎の耐熱温度を鑑みる必要があることから、加工条件としては90~200℃が好ましい。
エンボス加工を行う際のロール加圧条件は、好ましくは10~150kg/cm、より好ましくは15~130kg/cm、さらに好ましくは25~120kg/cmである。ロール加圧条件が10kg/cm未満であると、圧密化部を形成することは可能ではあるが、湿潤状態時や時間の経過とともに圧密化部における繊維の圧縮が崩れてしまうため不適である。他方、ロール加圧条件が150kg/cmを超えると、熱エンボス加工を行うセルロース繊維不織布シートに亀裂や孔が明いてしまうことや、ロール同士が接触し摩耗してしまうということ等が発生するため好ましくない。
エンボス加工を行う際のセルロース繊維不織布の水分率としては5~15%が好ましい。加工時の水分率が5%未満の場合、熱エンボス加工を行うとセルロース繊維不織布シートに裂けが発生し、製造することができないため不適である。他方、水分率が15%を超える場合はセルロース繊維不織布シートを構成する繊維が膨潤してしまい乾燥後の収縮で圧密化部における繊維の圧縮が崩れてしまうことや、製品として巻き取る際に皺入りが発生するため好ましくない。尚、ここでいう「水分率」とは、近赤外線水分計(JTE社製、JE-100)を用い、熱エンボス加工装置導布前のセルロース繊維不織布の計測を行った際の値である。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、図1に示すように、圧密化部は、2.0mm以上22.0mm以下、好ましくは3.0mm以上15.0mm以下の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、隣り合う該圧密化部の間に形成された非圧密化部1つ当たりの断面積(凸部断面積ともいう。)は、2.0mm2以上15.0mm2以下、好ましくは2.5mm2以上10mm2以下であることを特徴とする。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、ピッチが、2.0mm未満では、凸部断面積が小さくなり、すなわち、吸水機能を発揮する繊維がバラけている非圧密化部の容量が低下するため、吸水量が低くなるが、圧密化部の数が増えるため、繊維の剥離や脱落がないため、洗濯耐久性は高くなる。他方、ピッチが、22.0mmを超えると、凸部断面積が大きくなり、すなわち、非圧密化部の容量が増加するため、吸水量は高くなるが、圧密化部の数が減り、繊維の剥離や脱落が生じるため、洗濯耐久性は低くなる。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、凸部断面積は、2.0mm2未満であると、シートの厚みが小さくなるため、吸水量が低下する。他方、凸部断面積は、15.0mm2を超えると、シートの厚みが大きくなるため、吸水量が増加する。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、積層セルロース繊維不織布の表面積に対する圧密化部の面積率は、3%以上25%以下であることが好ましい。
かかる面積率が3%未満では、圧密化部が少なく、そこでの繊維の剥離や脱落が生じた場合に、圧着・一体化されて不織布同士が剥離するため、洗濯耐久性が低下する。他方、かかる面積率が25%を超えると、非圧密化部の容量が低下するため、吸水量が低くなる。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、周縁部だけでなく、周縁部により囲まれた中央部においても、圧密化部が配置されていることが好ましい。積層セルロース繊維不織布(シート)において、圧密化部が全体にわたり配置されていることがより好ましい。また、圧密化部は、タテ及び/又はヨコ方向に周期的に配置されていることが好ましい。周期的に配置されているとは圧密化部が全て等間隔に配置されているものに限られず、例えば、広い間隔と狭い間隔を繰り返すパターンがあってもよい。中でも、圧密化部が全体にわたり、タテ及び/又はヨコ方向に周期的に配置されているものが好ましい。ここで、全体にわたるとは、大部分にわたるという意図で、例えば、全体のうちごく一部の狭い領域で圧密化部を有しないもの、ごく一部の狭い領域で非圧密化部を有しないものを排除するものではない。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、圧密化部は、非圧密化部により囲まれていることが好ましく、より好ましくは圧密化部はドット状の形態を呈する。尚、ドット状の形態とは、図2に示すものをいうが、1つのドットの形状は、丸、四角、三角、星形等の任意の形状であることができる。圧密化部が、非圧密化部により囲まれている形態では、圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布(シート)の生地の厚みの均一性が高くなる点で好ましい。尚、ドット状の形態の場合、前記ピッチとは、積層セルロース繊維不織布(シート)の表面においてドット間に挟まれた非圧密化部の最短距離をいう。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)においては、非圧密化部は、圧密化部により囲まれていることも好ましく、より好ましくは格子、クロス又はハニカム状の形態である。尚、クロス状の形態とは、図3に示すものをいう。すなわち、ヨコ方向(機械方向)とタテ方向(幅方向)に対して格子状の形態を45度傾けた形態をいう。非圧密化部が、圧密化部により囲まれている形態では、圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布(シート)の生地のクッション性が高くなる点で好ましい。尚。格子状、クロス状、及びハニカム状の形態の場合、前記ピッチとは、積層セルロース繊維不織布(シート)の表面において対向する圧密化部(片)に直交する線分の距離(最短距離)をいう。
図1に、本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)の厚み、及び圧密化部と非圧密化部の厚みの差を説明する。
本実施形態の積層セルロース繊維不織布の厚みは、0.80mm以上2.50mm以下であることが好ましい。かかる厚みが0.80mm未満であると、吸水量が低く、他方、2.50mmを超えると、洗濯耐久性が低下する。
また、本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)における圧密化部と非圧密化部の厚みの差は、0.70mm以上2.00mm以下であることが好ましい。かかる厚みの差が0.70mm未満であると、吸水量が低く、他方、2.00mmを超えると、不織布(シート)の剛性が高くなりすぎて、手触りや肌触りが悪くなる
本実施形態の積層セルロース繊維不織布(シート)の目付は、155g/m2以上400g/m2以下であることが好ましい。目付が155g/m2未満であると、吸水量が低く、他方、400g/m2を超えると、不織布(シート)の剛性が高くなりすぎて、手触りや肌触りが悪くなる
本実施形態の積層セルロース繊維不織布の吸水量は、1300mL/m2以上6000mL/m2以下であることが好ましい。前記したように、セルロース繊維は、熱可塑性ではないため、熱エンボス加工により、圧密化部を形成することは可能ではあるが、湿潤状態時や時間の経過とともに圧密化部における繊維の圧縮が崩れてしまう。しかしながら、本実施形態の積層セルロース繊維不織布では、圧密化部と非圧密化部の形状・サイズ等を最適化することにより、所定の洗濯耐久性を満たす限りにおいて、圧着・一体化された形状が保持される点に技術的意義がある。
尚、本明細書中、用語「湿潤状態」とは、後述の水分保持量(吸水量)試験で該セルロース繊維不織布シートが示す、水分保持量以上の湿潤物質を付与・含浸された状態をいう。
本明細書中、セルロース系繊維不織布シートの用語「縦(タテ)方向」とは、製造工程のライン方向に沿った向き(すなわち、機械方向)のことであり、不織布シートを構成する繊維が正弦波を描く場合の周期の進行方向と同方向の状態をいう。また、「横方向」とは製品の幅方向であり、不織布シートを構成する繊維が正弦波を描く場合の振幅の変位方向と同方向の状態という。加えて、横方向は縦方向と直行した向きのことである。
熱エンボス加工による柄は、エンボスロールの周期に依存して付与される。そのためセルロース繊維不織布シートもエンボスロールと同様の周期性を持つこととなる。その際の周期(柄の間隔)は2~22mmであることが好ましい。周期が2mm未満である場合、柄同士が近傍に存在するため応力集中が局所的に高くなり、適度な伸度を得ることができず取り扱い性を損うため好ましくない。他方、周期が22mmを超える場合は、柄同士が離れすぎてしまうため、所望のピッチが得られず、また、適当な強度を得られず伸度が高くなるため取り扱い性を損うため好ましくない。
熱エンボスによる加工を行う際の、圧着・一体化される前の原反セルロース繊維不織布の目付は50~150g/m2が好ましい。セルロース繊維不織布シートの目付が50g/m2未満の場合、原反の厚みが薄く、繊維密度が低いため明瞭な圧密化部を形成することができない。また、圧密化部が形成された場合でも、時間経過や摩擦によって繊維の剥離等が生じるおそれがあることから好ましくない。他方、原反の目付が150g/m2を超える場合、厚みが大きすぎ、繊維密度も高くなるため加工をする際の圧力を高くし、十分な時間をかけて圧着する必要があり生産速度が低下してしまう。また、大きな力を掛けて加工することで繊維表面の組成状態が悪化し、風合いや肌触りも低下してしまうことから好ましくない。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。まず、実施例における測定項目の試験方法について述べる。
[目付]
0.01m2以上の面積の積層セルロース繊維不織布(シート)又は原反を、105℃で一定重量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその重量を測定し、不織布のm2当たりの重量(g)を求めた。以下、特別な表記がない限り、いずれの測定を行う場合もこの状態にしたセルロース繊維不織布シート又は原反を用いた。
[圧密化]
積層セルロース繊維不織布シートを任意のサイズに切り取り、その中から圧密化された部位と、非圧密化部位を同面積になるよう切り取って重量を計測した。また、それぞれの部位の厚さを校正されたマイクロメーターで計測した。圧密化部の重量をF(g)、厚さをG(mm)、非圧密化部の重量をH(g)、厚さをI(mm)としたとき、次式:
F×I/H×G≧1.2
を満たし、かつ、以下のエンボス柄の視認性が◎又は○であれば、圧密化していると判断した。
[(湿潤状態の)エンボス柄の視認性]
5cm×5cmのセルロース繊維不織布シートをバットに入れ、上から純水を10ml滴下した。滴下後のシートをピンセットで持ち上げ30秒間バット上でその状態を保持し液だれしなくなったことを確認した後、目視にて柄を判別できるか確認した。この際、良好にその柄を確認できた場合を◎、判別可能に確認できた場合を○、霞んで確認が困難な場合を△、膨潤によって柄が確認できない場合を×と判定した。
[積層セルロース繊維不織布シートの厚み(mm)]
不織布の厚みを、JIS-L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定した。尚、測定は圧密化部10回、非圧密化部10回の合計20回行い、その平均値を厚み(mm)とした。
[圧密化部のピッチ(mm)]
圧密化部のピッチとは、その柄模様毎に異なる様態を示す。例えば、ドット状の形態の場合、ピッチとは、積層セルロース繊維不織布(シート)の表面においてドット間に挟まれた非圧密化部の最短距離をいう。また、格子状、クロス状、及びハニカム状の形態の場合、ピッチとは、積層セルロース繊維不織布(シート)の表面において対向する圧密化部(片)に直交する線分の距離(最短距離)をいう。また、圧密化部の周期とは、エンボスロールが1回転した際に付与した柄の周期として定義した。
[凸部断面積(mm2)]
乾燥状態の3cm四方の不織布を、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機(VR-3000)を用いて、下記手順で3D形状を測定し、凸部断面積を算出した。尚測定は非圧密化部5か所で行い、その平均値を凸部断面積(mm2)とした。
1.測定台の上にサンプルを置き、その上からスライドガラスを載せ、サンプルのうねりを抑える
2.測定倍率を低倍の12倍に設定し、撮影
3.解析ソフトを開き、基準面設定
4.プロファイル画面にて、圧密化部のピッチの測定方法と同様の方法で、最短距離を結ぶ線を引く
5.表示された断面画像上にて、非圧密化部の両端を線分で結ぶ(非圧密化部の両端の最も低い点同士を結ぶ。)
6.上記5の線分と非圧密化部の不織布表面に囲まれた面積を算出し、断面積とする。
[圧密化部と非圧密化部の厚みの差(mm)]
乾燥状態の3cm四方の不織布を、キーエンス社製ワンショット3D形状測定機(VR-3000)を用いて、下記手順で3D形状を測定し、厚みの差を算出した。尚測定は非圧密化部5か所で行い、その平均値を圧密化部と非圧密化部の厚みの差(mm)とした。
1.測定台の上にサンプルを置き、その上からスライドガラスを載せ、サンプルのうねりを抑える
2.測定倍率を低倍の12倍に設定し、撮影
3.解析ソフトを開き、基準面設定
4.プロファイル画面にて、圧密化部のピッチの測定方法と同様の方法で、最短距離を結ぶ線を引く
5.表示された断面画像上にて、非圧密化部の最も低い点と非圧密化部の最も高い点との高さの差を算出し、厚みの差とする。
[圧密化部の)面積率(%)]
デジタルカメラを用いて、大きさが10cm2のセルロース系繊維不織布シートを高さ20cmから撮影した。その後、この画像をPC内に取り入れ2値化画像として出力した。この際、セルロース系繊維不織布シートには圧密化部と非圧密化部で異なった色差が出ているため、色差の面積比をそのまま、該セルロース系繊維不織布シートの面積比として定義した。この時の圧密化部の面積をJ(mm2)、非圧密化部の面積をK(mm2)としたとき、面積率S(%)は以下の式:
S(%)={J/(J+K)}×100
で定義した。
[水分保持量(吸水量)]
積層セルロース系繊維不織布シートに上記と同様に純水を滴下し、液切りを行ったものを重量測定した。目付測定後の重量をC(g)、純水滴下後の重量をD(g)としたとき、水分保持量E(g/cm2)を次式:
E=(D-C)/セルロース系繊維不織布シート面積(cm2)
で定義した。得られた水分保持量を、mL/m2に換算し、吸水量とした。
[洗濯耐久性の総合評価]
・洗濯耐久性評価
サンプルサイズは、タテ方向10cm、ヨコ方向5cmとした。同じサイズの綿100%のニット生地を用意し、疑似的に吸水製品となるように、ニット生地、サンプル、ニット生地の順で重ね合わせ、サンプルの周囲を縫製した。縫製後のサンプルを洗濯用のネットに入れ、洗濯、乾燥を5回実施した。洗濯、乾燥の方法は下記である。
・洗濯方法
・洗剤なし、温度15~25℃の水のみ
・タテ型洗濯機
・水量20L
・洗い10分⇒すすぎ2回⇒脱水8分
・洗濯槽に他のものは入れずサンプルのみを洗濯
・乾燥方法
・吊り干し
・自然乾燥
乾燥後に表裏のニット生地を取り外し、サンプルの状態を目視で確認し、下記の4つの観点で、最も良いものからA、B、C、Dの順の評価基準で評価した。
・繊維の剥離
・繊維の脱落
・圧密化部の形状維持
・生地の変形
[実施例1]
コットンリンターを原料とした原反キュプラセルロース長繊維不織布(目付:120g/m2、厚み0.86mm)を原反として用いた。熱エンボス装置としては、ドット状の模様が凸状に設けられた金属ロールとフラットな耐熱シリコンロールを組み合わせて用い、前記原反セルロース繊維不織布を乾燥機内で3%程度の水分率に乾燥させ、その後、水分を保持したロール上を通過させることで再度水分率を調湿し、前述した近赤外線水分計にて水分率が10%になっていることを確認した。水分率を調湿した原反セルロース繊維不織布を2枚前記熱エンボス装置に供給し、200℃に加熱された前記2本のエンボスロールに80kg/cmのロール線圧が加わるように荷重を加え、そのロール間を2m/minの速度で通して熱エンボス加工を行い、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
原反の目付を100g/m2、厚み0.76mm)とし、エンボスロールの線圧を40kgf/cmに代えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
エンボス柄をクロス柄に代えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
原反の目付を100g/m2、厚み0.76mm)とし、クロス柄を細かくし、エンボス温度を160℃、線圧を120kgf/cmに代えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例5]
原反(目付130g/m2、厚み0.92mm)を3枚積層し、エンボス温度を200℃に代えた他は、実施例4と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例6]
リヨセル短繊維不織布を原反(目付80g/m2、厚み0.61mm)とし、ピッチがやや大きいドット柄にし、線圧を40kgf/cmに代えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例7]
キュプラ短繊維不織布を原反(目付50g/m2、厚み0.33mm)とし、エンボスの面積率を下げた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
原反(目付150g/m2、厚み0.58mm)を用い、エンボスの面積率を上げ、ピッチを広げ、エンボス温度と線圧を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
原反(目付100g/m2、厚み0.76mm)を用い、エンボスの面積率を下げ、エンボスの線圧を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[実施例10]
原反(目付100g/m2、厚み0.76mm)を用い、エンボスの面積率を上げ、ピッチを広げ、エンボスの線圧と温度を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
原反(目付:80g/m2、厚み0.55mm)を用い、凸部断面積が小さくなるドット柄を用いた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表2に示す。得られた積層セルロース繊維不織布シートの吸水量は低かった。
[比較例2]
原反(目付:120g/m2、厚み0.86mm)を用い、凸部断面積が大きくなるドット柄とし、エンボス温度、線圧を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表2に示す。得られた積層セルロース繊維不織布シートの洗濯耐久性が悪化した。
[比較例3]
原反(目付:100g/m2、厚み0.60mm)を用い、ピッチと凸部断面積が小さくなるドット柄とし、エンボス温度、線圧を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表2に示す。得られた積層セルロース繊維不織布シートの吸水性が悪化した。
[比較例4]
原反(目付:60g/m2、厚み0.42mm)1枚を用い、凸部断面積が小さくなるハニカム柄とし、エンボス温度、ライン速度を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表2に示す。得られた積層セルロース繊維不織布シートの吸水性と洗濯耐久性が共に悪化した。
[比較例5]
コットン短繊維セルロースの原反(目付:60g/m2、厚み0.59mm)1枚を用い、ピッチと凸部断面積が小さくなるドット柄とし、エンボス温度を変えた他は、実施例1と同様に、積層セルロース繊維不織布シートを得た。得られた積層セルロース繊維不織布シートを前述した各試験・測定方法によって評価した。結果を以下の表2に示す。得られた積層セルロース繊維不織布シートの吸水性と洗濯耐久性が共に悪化した。
本発明の積層セルロース繊維不織布(シート)は、熱融着による圧着部がなく、熱エンボス加工によってセルロース繊維が高密度に圧縮された圧密化部を有し、かつ、圧密化部と非圧密化部の形状・サイズ等を最適化することにより、吸水性と洗濯耐久性を両立した生分解性積層セルロース繊維不織布である。それゆえ、本発明の積層セルロース繊維不織布(シート)は、使い捨てでない繰り返し使用可能な商品、例えば、生理用吸水ショーツのような繰り返し洗濯して使用する衣類用途におけるセルロース繊維不織布として好適に利用可能である。

Claims (11)

  1. 少なくとも2枚のセルロース繊維不織布が圧着・一体化された積層セルロース繊維不織布であって、該積層セルロース繊維不織布は、圧着された部分である圧密化部と圧着されていない部分である凸形状の非圧密化部とを有し、該圧密化部は、2.0mm以上22.0mm以下の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、隣り合う該圧密化部の間に形成された非圧密化部1つ当たりの断面積は、2.0mm2以上15.0mm2以下であることを特徴とする、前記積層セルロース繊維不織布。
  2. 前記圧密化部は、前記非圧密化部により囲まれている、請求項1に記載の積層セルロース繊維不織布。
  3. 前記圧密化部は、ドット状を呈する、請求項2に記載の積層セルロース繊維不織布。
  4. 前記非圧密化部は、前記圧密化部により囲まれている、請求項1に記載の積層セルロース繊維不織布。
  5. 前記圧密化部は、格子、クロス又はハニカム状である、請求項4に記載の積層セルロース繊維不織布。
  6. 前記積層セルロース繊維不織布の目付は、155g/m2以上400g/m2以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
  7. 前記積層セルロース繊維不織布の厚みは、0.80mm以上2.50mm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
  8. 前記圧密化部と前記非圧密化部の厚みの差は、0.70mm以上2.00mm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
  9. 前記積層セルロース繊維不織布の表面積に対する前記圧密化部の面積率は、3%以上25%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
  10. 前記積層セルロース繊維不織布の吸水量は、1300mL/m2以上6000mL/m2以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
  11. 前記セルロース繊維不織布は、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)であり、かつ、連続長繊維不織布である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セルロース不織布。
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