JP2024051531A - ロータ、および回転電機、および駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転子にファンを安定して固定する。【解決手段】ロータコア24の軸方向両側を向く端面にそれぞれ取り付けられる一対のファン4と、を備える。ファンについて、取り付くロータコアの端面が向く方向を軸方向一方側とし、その反対方向を軸方向他方側とする。ファンは、軸方向一方側を向く第1面40a、および軸方向他方側を向く第2面40bを有する板状の本体部40と、本体部において周方向に沿って延びる第1リブ41、および第2リブ42と、を有する。本体部には、周方向に並んで配置され、それぞれ第1面と第2面とを繋ぐ第1貫通孔45、および第2貫通孔46が設けられる。第1面には、第1貫通孔が開口する第1開口部45aと、第2貫通孔が開口する第2開口部46aと、が設けられる。第1リブは、第1開口部の径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側に突出する。第2リブは、第2開口部の径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する。【選択図】図2
Description
本発明は、ロータ、および回転電機、および駆動装置に関する。
近年の電気自動車への関心の高まりとともに、回転電機を冷却する方法についても様々に開発が進んでいる。例えば、回転子の軸方向端部に配置されるファンで回転子内からコイルに向けて風を送ることで回転子およびコイルを冷却する方法が知られている(特許文献1)。
従来のファンでは、回転子の端面とファンとの間に径方向外側に向かって空気が流れる風路を設けた構造となっている。このため、回転子の端面に対してファンの接触面積を広く確保し難く、回転子に対してファンが安定して固定されにくいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、ロータコアに安定して固定できるファンを有するロータ、および回転電機、および駆動装置の提供を目的の一つとする。
本発明のロータの一つの態様は、中心軸線に沿って延びるロータコアと、前記ロータコアの軸方向両側を向く端面にそれぞれ取り付けられる一対のファンと、を備える。前記ファンについて、取り付く前記ロータコアの端面が向く方向を軸方向一方側とし、その反対方向を軸方向他方側とする。前記ファンは、軸方向一方側を向く第1面、および軸方向他方側を向く第2面を有する板状の本体部と、前記本体部において周方向に沿って延びる第1リブ、および第2リブと、を有する。前記本体部には、周方向に並んで配置され、それぞれ前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第1貫通孔、および第2貫通孔が設けられる。前記第1面には、前記第1貫通孔が開口する第1開口部と、前記第2貫通孔が開口する第2開口部と、が設けられる。前記第1リブは、前記第1開口部の径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側に突出する。前記第2リブは、前記第2開口部の径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する。
本発明の回転電機の一つの態様は、上述のロータと、前記ロータの径方向外側に位置するステータと、を備える。
本発明の駆動装置の一つの態様は、上述の回転電機と、前記回転電機の動力を伝達する動力伝達部と、を備える。
本発明の一つの態様によれば、ロータコアに安定して固定できるファンを有するロータ、および回転電機、および駆動装置を提供できる。
以下の説明では、駆動装置1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して説明する。
以下の説明において特に断りのない限り、回転電機2の中心軸線J1に平行な方向(Y軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、すなわち、中心軸線J1の軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。
<第1実施形態>
<駆動装置>
図1は、第1実施形態の駆動装置1の概念図である。
本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、回転電機を動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
<駆動装置>
図1は、第1実施形態の駆動装置1の概念図である。
本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、回転電機を動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
駆動装置1は、回転電機2と、動力伝達部50と、回転電機2および動力伝達部50を収容するハウジング6と、を備える。また、駆動装置1は、さらに回転電機2を制御するインバータ(図示略)を有していてもよい。
<動力伝達部>
動力伝達部50は、ロータ20に接続されて回転電機2の動力を伝達し出力シャフト57に出力する。動力伝達部50は、第1シャフト54、第2シャフト55、第1ギヤ51、第2ギヤ52、第3ギヤ53、および差動装置56を有する。差動装置56は、リングギヤ56g、および一対の出力シャフト57を有する。一対の出力シャフト57の先端には、それぞれ車輪が取り付けられる。
動力伝達部50は、ロータ20に接続されて回転電機2の動力を伝達し出力シャフト57に出力する。動力伝達部50は、第1シャフト54、第2シャフト55、第1ギヤ51、第2ギヤ52、第3ギヤ53、および差動装置56を有する。差動装置56は、リングギヤ56g、および一対の出力シャフト57を有する。一対の出力シャフト57の先端には、それぞれ車輪が取り付けられる。
第1シャフト54は、中心軸線J1を中心として軸方向に延びる。第1シャフト54は、回転電機2のロータ20に連結されて、ロータ20とともに回転する。第1ギヤ51は、第1シャフト54の外周面に設けられる。第2シャフト55は、中心軸線J1と平行な中間軸線J2を中心として回転する。第2ギヤ52および第3ギヤ53は、第2シャフト55の外周面に設けられる。第2ギヤ52は、第1ギヤ51と噛み合う。第3ギヤ53は、差動装置56のリングギヤ56gと噛み合う。差動装置56は、第3ギヤ53から伝えられるトルクを、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ出力シャフト57に同トルクを伝達する。回転電機2から出力されるトルクは、第1シャフト54、第1ギヤ51、第2ギヤ52、第2シャフト55および第3ギヤ53を介して差動装置56のリングギヤ56gに伝達され、差動装置56の差動機構部を介して一対の出力シャフト57に出力される。
<回転電機>
本実施形態の回転電機2は、インナーロータ型の三相交流モータである。回転電機2は、モータとして動力を出力する機能と発電機として発電する機能とを兼ね備える。回転電機2は、モータ、又は発電機の何れかとして用いられるものであってもよい。また、回転電機2の構成は本実施形態に限定されず、例えば四相以上の交流モータであってもよい。
本実施形態の回転電機2は、インナーロータ型の三相交流モータである。回転電機2は、モータとして動力を出力する機能と発電機として発電する機能とを兼ね備える。回転電機2は、モータ、又は発電機の何れかとして用いられるものであってもよい。また、回転電機2の構成は本実施形態に限定されず、例えば四相以上の交流モータであってもよい。
回転電機2は、水平方向に延びる中心軸線J1を中心に回転可能なロータ20と、ロータ20と、ロータの径方向外側に位置するステータ30と、を備える。本実施形態の回転電機2は、ステータ30の内側にロータ20が配置される。
<ステータ>
ステータ30は、ハウジング6に保持される。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から囲む。ステータ30は、中心軸線J1を中心とする環状のステータコア32と、ステータコア32に装着されるコイル31と、ステータコア32とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。
ステータ30は、ハウジング6に保持される。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から囲む。ステータ30は、中心軸線J1を中心とする環状のステータコア32と、ステータコア32に装着されるコイル31と、ステータコア32とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。
ステータコア32は、環状のコアバック部と、コアバック部から径方向内側に延びる複数のティース部と、を有する。複数のティース部は、周方向に沿って並ぶ。周方向に並ぶティース部同士の間には、コイル線が配置される。隣り合うティース部の間に位置するコイル線は、コイル31を構成する。
コイル31は、ステータコア32の軸方向両側の端面から軸方向にそれぞれ突出する一対のコイルエンド31aを有する。コイルエンド31aは、ステータコア32のスロット間を繋ぐコイル線の一部が束ねられて形成されている。
<ロータ>
ロータ20は、ロータシャフト21と、ロータシャフト21の外周面に固定されるロータコア24と、ロータコア24に固定される複数のマグネット25と、一対のファン4と、一対の抜け止め部材5と、を有する。
ロータ20は、ロータシャフト21と、ロータシャフト21の外周面に固定されるロータコア24と、ロータコア24に固定される複数のマグネット25と、一対のファン4と、一対の抜け止め部材5と、を有する。
ロータシャフト21は、中心軸線J1に沿って延びる。ロータシャフト21は、中心軸線J1を中心として回転可能である。ロータシャフト21は、ロータコア24、および一対の抜け止め部材5に圧入される。
ロータコア24は、中心軸線J1に沿って延びる柱状である。ロータコア24は、軸方向両側それぞれを向く一対の端面24fを有する。また、ロータコア24には、中央孔24cと、複数の通気孔24a、24bと、複数の保持孔24hと、が設けられる。中央孔24c、通気孔24a、24b、および保持孔24hは、軸方向に延びてロータコア24を軸方向に貫通する。中央孔24c、通気孔24a、24b、および保持孔24hは、一対の端面24fにおいて軸方向両側に開口する。
中央孔24cは、中心軸線J1を中心として軸方向に沿って延びる。本実施形態において、中央孔24cは、軸方向から見て略円形である。中央孔24cには、ロータシャフト21が圧入される。中央孔24cの形状は本実施形態に限定されない。
複数の通気孔24a、24bは、第1通気孔24aと第2通気孔24bとを含む。すなわち、ロータコア24には、第1通気孔24a、および第2通気孔24bが設けられる。本実施形態では、第1通気孔24a、および第2通気孔24bは、周方向に沿って交互に並ぶ(図3参照)。本実施形態のロータ20には、4つの第1通気孔24aと4つの第2通気孔24bとが設けられる。本実施形態の第1通気孔24aと第2通気孔24bの横断面形状は、互いに等しい。第1通気孔24aと第2通気孔24bとは、内部を流れる空気の流動方向が互いに異なる。
複数の保持孔24hは、周方向に沿って並ぶ。保持孔24hには、それぞれマグネット25が収容される。マグネット25は、保持孔24hの内側面に接着剤で固定される。なお、マグネット25は、かしめや圧入などの固定手段によって保持孔24h内に固定されていてもよい。保持孔24hの軸方向両側の開口は、それぞれファン4に覆われる。これにより、マグネット25の一部が欠損した場合であっても、マグネット25の破片がロータ20から離脱することを抑制できる。
<ファン>
一対のファン4は、ロータコア24の軸方向両側を向く端面24fにそれぞれ取り付けられる。一対のファン4は、ロータコア24とともに中心軸線J1周りを回転する。一対のファン4は、それぞれコイルエンド31aの径方向内側に位置する。本実施形態において、一対のファン4は、互いに同形状である。一対のファン4は、ロータコア24に対し中心軸線J1周りの取り付け角度が互いに異なる。
一対のファン4は、ロータコア24の軸方向両側を向く端面24fにそれぞれ取り付けられる。一対のファン4は、ロータコア24とともに中心軸線J1周りを回転する。一対のファン4は、それぞれコイルエンド31aの径方向内側に位置する。本実施形態において、一対のファン4は、互いに同形状である。一対のファン4は、ロータコア24に対し中心軸線J1周りの取り付け角度が互いに異なる。
本実施形態のファン4は、アルミニウム合金から構成され、アルミニウムダイカストによって成形される。なお、ファン4は、樹脂材料から構成されていてもよいし、他の金属材料から構成されていてもよい。
図2、および図3は、それぞれファン4の斜視図である。
以下の説明では、一対のファン4のうちロータコア24の+Y側に位置する一方(第1ファン4A)についてY軸を基に説明するが、ロータコア24の-Y側に位置する他方(第2ファン4B)についても同様の構成を有する。以下のファン4の説明において、取り付くロータコア24の端面24fが向く方向を軸方向一方側(+Y側)とし、その反対方向を軸方向他方側(-Y側)とする。
以下の説明では、一対のファン4のうちロータコア24の+Y側に位置する一方(第1ファン4A)についてY軸を基に説明するが、ロータコア24の-Y側に位置する他方(第2ファン4B)についても同様の構成を有する。以下のファン4の説明において、取り付くロータコア24の端面24fが向く方向を軸方向一方側(+Y側)とし、その反対方向を軸方向他方側(-Y側)とする。
図2に示すように、ファン4は、本体部40と、第1リブ41と、複数(本実施形態では4個)の第2リブ42と、複数(本実施形態では8個)の第3リブ43とを有する。
本体部40は、軸方向と直交して延びる板状である。本体部40は、軸方向から見て中心軸線J1を中心とする略円形である。すなわち、本体部40は、軸方向から見て略円板状である。本体部40は、軸方向一方側(+Y側)を向く第1面40aと、軸方向他方側(-Y側)を向く第2面40bを有する。
本体部40には、シャフト挿通孔40hと、複数(本実施形態では4つ)の第1貫通孔45と、複数(本実施形態では4つ)の第2貫通孔46と、が設けられる。シャフト挿通孔40h、第1貫通孔45、およびの第2貫通孔46は、本体部40を軸方向に貫通する。
図4、および図5は、それぞれ第1貫通孔45、および第2貫通孔46におけるファン4の断面図である。シャフト挿通孔40h、第1貫通孔45、およびの第2貫通孔46は、それぞれ第1面40aと第2面40bとを繋ぐ。
図2に示すように、シャフト挿通孔40hは、中心軸線を中心とする略円形である。シャフト挿通孔40hには、ロータシャフト21が挿入される。シャフト挿通孔40hの内径は、ロータシャフト21の外径より大きい。ロータシャフト21に対するファン4の固定方法については、後段において説明する。
図3に示すように、第1貫通孔45と第2貫通孔46とは、周方向に交互に並ぶ。軸方向から見て、第1貫通孔45および第2貫通孔46の第2面40bにおける開口形状は、互いに同形状である。第1貫通孔45、および第2貫通孔46の第2面40bにおける開口は、それぞれ周方向に沿って略円弧状に延びる。
第1ファン4Aを軸方向から見たとき、第1貫通孔45の第2面40bにおける開口は第2通気孔24bに重なり、第2貫通孔46の第2面40bにおける開口は第1通気孔24aに重なる。一方で、図示を省略するが、第2ファン4Bを軸方向から見たとき、第1貫通孔45の第2面40bにおける開口は第1通気孔24aに重なり、第2貫通孔46の第2面40bにおける開口は第2通気孔24bに重なる。
したがって、図1に示すように、第1通気孔24aは、-Y側の開口において、第2ファン4Bの第1貫通孔45に繋がり、+Y側の開口において第1ファン4Aの第2貫通孔46に繋がる。また、第2通気孔24bは、-Y側の開口において第2ファン4Bの第2貫通孔46に繋がり、+Y側の開口において第1ファン4Aの第1貫通孔45に繋がる。すなわち、第1通気孔24aは、一対のファン4のうち一方の第1貫通孔45および、他方の前記第2貫通孔46に繋がる。また、第2通気孔24bは、一対のファン4のうち一方の第2貫通孔46および、他方の第1貫通孔45に繋がる。
後述するように、第2貫通孔46からは、ファン4の中心軸線J1周りの回転に伴う遠心力によって内部の空気が径方向外側に吹き出される。ロータ20が回転すると、第2貫通孔46から空気が吹き出されることによって、第2貫通孔46に繋がる通気孔24a、24bの内部には負圧が生じる。これにより、通気孔24a、24bの内部に第1貫通孔45から空気が流入する。このように、第1貫通孔45は、空気を吸い込む吸気孔として作用し、第1通気孔24aには、軸方向に沿う空気の流れが形成される。
本実施形態によれば、通気孔24a、24b内の空気は、第1貫通孔45に繋がる開口から、第2貫通孔46に繋がる開口に向かって流れる。これにより、ロータ20の内部を空気によって冷却することができる。また、本実施形態によれば、第1通気孔24aと第2通気孔24bとには、互いに異なる方向に向かって空気が流れる。このため、第1通気孔24aの内側面に加わる空気抵抗の反力と、第2通気孔24bの内側面に加わる空気抵抗の反力と、が互いに打ち消し合う。空気抵抗の反力でロータ20に対して軸方向の何れの位置に偏った力が付与されることを抑制できる。
図2に示すように、第1貫通孔45、および第2貫通孔46は、本体部40の第1面40aに開口する。ここで、第1貫通孔45の開口を第1開口部45aと呼び、第2貫通孔46の開口を第2開口部46aと呼ぶ。すなわち、本体部40の第1面40aには、第1貫通孔45が開口する第1開口部45aと、第2貫通孔46が開口する第2開口部46aと、が設けられる。
第1開口部45aは、第1貫通孔45内に空気を取り込む吸気口として機能する。第1開口部45aは、周方向に沿って略円弧状に延びる。第1開口部45aの径方向外側の縁部を第1外縁部45bとし、径方向内側の縁部を第1内縁部45cとする。第1外縁部45bと第1内縁部45cとは、径方向において互いに対向する。第1外縁部45bと第1内縁部45cは、軸方向から見て中心軸線J1を中心とする同心の円弧状である。
第2開口部46aは、第2貫通孔46内の空気を吹き出すための吹出口として機能する。第2開口部46aは、周方向に沿って略円弧状に延びる。第2開口部46aの径方向外側の縁部を第2外縁部46bとし、径方向内側の縁部を第2内縁部46cとする。第2外縁部46bと第2内縁部46cとは、径方向において互いに対向する。第2外縁部46bと第2内縁部46cは、軸方向から見て中心軸線J1を中心とする同心の円弧状である。
第1外縁部45bと第2外縁部46bとは、中心軸線J1を中心とする同一の仮想円上に配置される。すなわち、第1外縁部45bと第2外縁部46bとは、径方向の位置が互いに一致している。
第2内縁部46cは、第1内縁部45cよりも径方向外側に配置される。すなわち、第2開口部46aの径方向内側の縁部は、第1開口部45aの径方向内側の縁部よりも径方向外側に位置する。これにより、第2開口部46aを径方向外側に寄せて配置しコイルエンド31aに近づけることができ、第2開口部46aから吹き出される空気を効率的にコイルエンド31aに当てることができる。
第2内縁部46cが第1内縁部45cよりも径方向外側に配置されることで、第2開口部46aは、第1開口部45aよりも開口面積が狭くなる。本実施形態によれば、第2開口部46aの開口面積を、第1開口部45aと比較して絞ることで、第1開口部45aにおける空気の吸込効率を高めつつ、第2開口部46aから吹き出される空気の流速を上げることができる。これにより、コイルエンド31aに当たる空気の流速を上げてコイルエンド31aの冷却効率を高めることができる。
第1リブ41は、本体部40において周方向に沿って延びる。第1リブ41は、中心軸線J1を中心とする略円環状である。第1リブ41は、本体部40の第1面40aから軸方向一方側(+Y側)に突出する。
第1リブ41は、第1開口部45aの径方向外側の縁部(第1外縁部45b)に位置する。第1リブ41は、第1開口部45aから吸い込まれる空気の流れをガイドする。なお、本実施形態のファン4には、周方向に沿って略円環状に延びる1つの第1リブ41のみが設けられる。しかしながら、第1リブは、第1開口部45aの径方向外側の縁部に配置されていれば第1開口部45a同士の間で途切れた形態となっていてもよい。なお、第1リブ41は、必ずしも円環状である必要はなく、例えば軸方向から見て中心軸線Jを囲む多角形状に延びていてもよい。
本実施形態によれば、第1リブ41が第2開口部46aの径方向外側にも配置されることで、第2開口部46aから吹き出された空気の一部を第1リブ41に当てて、空気を軸方向に幅広く飛散させることができる。これにより、第2開口部46aから吹き出された空気をコイルエンド31aの軸方向の幅広い範囲に当てることができる。
本実施形態によれば、第1リブ41が、中心軸線J1を中心とする略円環状であるため、周方向に離散的に複数の第1リブが設けられる場合と比較して、ファン4の回転の安定性を高めることができる。また、略円環状の第1リブ41は、バランス調整に用いる切削代として利用できる。すなわち、ロータ20を組み立てた後のバランス修正工程において、第1リブ41の周方向の一部を切削加工することで、ロータ20のアンバランスを調整することができる。第1リブ41の切削方法としては、例えば、第1リブ41の径方向外側を向く面にドリル加工を施すことが考えられる。
第2リブ42は、本体部40において周方向に沿って延びる。第2リブ42は、第1リブ41の径方向内側に配置される。すなわち、第2リブ42は、第1リブ41と径方向に対向する。本実施形態のファン4には、4個の第2リブ42が設けられる。4個の第2リブ42は、周方向に沿って並ぶ。4個の第2リブ42は、軸方向から見て中心軸線J1を中心とする同一の仮想円上に配置される。第2リブ42は、第2開口部46aの径方向内側のみに配置され、第1開口部45aの径方向内側に位置する部分で途切れている。
第2リブ42は、第2開口部46aの径方向内側の縁部(第2内縁部46c)に位置する。また、第2リブ42は、径方向外側に突出する。第2リブ42は、第2開口部46aの径方向内側の一部の領域を覆う。第2リブ42は、通気孔24a、24bから軸方向に沿って第2貫通孔46内に流入する空気を径方向外側に誘導する。
本実施形態のファン4によれば、第2開口部46aの径方向内側の縁部に径方向外側に突出する第2リブ42が設けられる。このため、第2開口部46aの開口方向を径方向外側に向けることができ、遠心力によって第2貫通孔46内の空気を径方向外側に吹き出すことができる。また、本実施形態のファン4によれば、第1開口部45aの径方向外側の縁部に軸方向一方側(+Y側)に突出する第1リブ41が設けられる。第1リブ41は、ファン4の軸方向一方側(+Y側)の空気を軸方向に沿って第1貫通孔45内に誘導することができる。
例えば、ファンの吹き出し方向を径方向外側に向けるために、ファンとロータコアの端面との間に、吹き出し用の流路を設けることが考えられる。この場合、ファンとロータコアとの端面との接触面積が十分に確保し難くなる。本実施形態のファン4によれば、吸気孔として機能する第1貫通孔45と、吹出孔として機能する第2貫通孔46とが、共に本体部40の両面に開口する。すなわち、本実施形態のファン4によれば、第1貫通孔45、および第2貫通孔46は、ともに本体部40の第1面40aと第2面40bとを繋ぐ。このため、第2面40b側に吹き出し用の流路を設ける必要がなく、第2面40bとロータコア24との接触面積を広く確保でき、ロータコア24に対しファン4を安定的に支持できる。加えて、図3に示すように、本実施形態によれば、第2面40bを広く確保することで、ファン4によってロータコア24の複数の保持孔24hを覆い、保持孔24hからのマグネット25の離脱を抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、ファン4とロータコア24との間に、保持孔24hを覆うためのプレートなどの別部材を設ける必要がなく、部品点数を減らしてロータ20を安価に製造できる。
本実施形態において、第1貫通孔45および第2貫通孔46の少なくとも一部は、本体部40を軸方向に貫通する。すなわち、ファン4を軸方向から見る観察者は、第1貫通孔45、および第2貫通孔46を通してファン4の向こう側を臨むことができる。上述のように鋳造や樹脂成型によりファン4を形成する場合、ファン4は、母材を充填するキャビティに対し、軸方向の両側に雄型と雌型とを配置する金型構成によって成形される。第1貫通孔45および第2貫通孔46が本体部40を軸方向に貫通する場合、スライド金型などの複雑な金型を用いたり、追加工をしたりすることなくファン4の第1貫通孔45および第2貫通孔46を成形できる。このため、ファン4を安価に製造できる。
図4および図5に示すように、第2リブ42は、第1開口部45aよりも軸方向一方側(+Y側)に位置する。本実施形態によれば、第1開口部45aと第2開口部46aとの軸方向位置を互いにずらして配置できる。これにより、第1開口部45aに吸い込まれる空気の流れと、第2開口部46aから吹き出される空気の流れとが、互いに干渉することを抑制でき、ファン4による送風効率を高めることができる。また、第2開口部46aを軸方向一方側(+Y側)に寄せて配置することで、第2開口部46aから吹き出された空気が第1リブ41を乗り越え易くなる。これにより、第2開口部46aから吹き出された空気を、効率的にコイルエンド31aに当てることができる。
図5に示すように、第2リブ42は、軸方向他方側(-Y側)を向く第1ガイド面42gを有する。第1ガイド面42gは、ロータコア24の通気孔24a、24bの開口と軸方向に対向する。第1ガイド面42gは、第2貫通孔46を通過する空気の流路の内壁を構成する。第1ガイド面42gは、径方向外側に向かうに従い軸方向一方側(+Y側)に傾斜する。本実施形態によれば、第2リブは、通気孔24a、24bから軸方向に流れ第2貫通孔46内に流入する空気を第1ガイド面42gにおいて径方向外側に円滑に誘導できる。
図2に示すように、第3リブ43は、本体部40に対し軸方向一方側(+Y側)に突出する。第3リブ43は、本体部40において径方向に沿って延びる。本実施形態のファン4には、8個の第3リブ43が設けられる。8個の第3リブ43は、それぞれ第1開口部45aと第2開口部46aとの間に配置される。
本実施形態の第3リブ43は、第1開口部45aと第2開口部46aとの間に配置されることで、第1開口部45aに吸い込まれる空気の流れと、第2開口部46aから吹き出される空気の流れとの干渉を抑制する。本実施形態のファン4によれば、吸い込みおよび吹き出しの効率を高め、ファン4によるコイルエンド31aの冷却効率を高めることができる。
図3に示すように、本体部40の第2面40bは、軸方向と直交する平面状である。本体部40は、第2面40bにおいて、ロータコア24の端面24fと対向し接触する。第2面40bには、複数(本実施形態では8個)の肉抜き凹部49が設けられる。複数の肉抜き凹部49は、中心軸線J1を中心として略円弧状に延びる。肉抜き凹部49は、周方向に沿って等間隔に配置される。図4に示すように、肉抜き凹部49は、軸方向から見て、第1リブ4に重なる。すなわち、肉抜き凹部49は、第1リブ41の裏面側で第1リブ41の内部をくりぬくように成形される。
本実施形態のファン4は、ダイカスト部品である。このため、ファン4は、局所的な厚肉部分で鋳巣が生じやすい。本実施形態のファン4によれば、第1リブ41の裏面側に肉抜き凹部49が設けられることで本体部40に局所的な厚肉部分が設けられることを抑制することができる。これにより、本体部40の内部に鋳巣が生じることを抑制でき、ファン4の寸法安定性を高めることができる。加えて、本体部40に肉抜き凹部49が設けられることでファン4の軽量化を図ることができる。
肉抜き凹部49の第2面40bにおける開口は、ロータコア24の保持孔24hに重なる。したがって、肉抜き凹部49の内部空間は、保持孔24hの内部空間と連通する。本実施形態によれば、保持孔24h内に配置されるマグネット25の一部が欠損した場合に、マグネット25の破片を肉抜き凹部49内に留めることができる。
(ファンの固定方法)
ファン4のロータシャフト21に対する固定方法について説明する。ファン4は、ロータコア24と抜け止め部材5との間に位置する。ファン4は、軸方向においてロータコア24と抜け止め部材5との間にそれぞれと接触する状態で挟み込まれる。
ファン4のロータシャフト21に対する固定方法について説明する。ファン4は、ロータコア24と抜け止め部材5との間に位置する。ファン4は、軸方向においてロータコア24と抜け止め部材5との間にそれぞれと接触する状態で挟み込まれる。
抜け止め部材5は、ロータコア24をロータシャフト21に固定するために設けられる。抜け止め部材5は、中心軸線J1を中心とする環状である。抜け止め部材5は、ロータシャフトの外周面に位置する。
なお、本明細書において「環状」とは、必ずしも円形である場合に限らず、中心軸線J1を囲むことができる構成を有していればよい。「環状」とは、必ずしも閉じられたループ状である必要もなく、C字形状など局所的に繋がっていない部分があっても全体として環状とみなすことができる形状であればよい。すなわち、抜け止め部材5は、環状であり、ロータシャフト21を径方向外側から囲んでいれば、必ずしも円環状である必要も、閉じられたループ状である必要もない。
ロータシャフト21に対し、ロータコア24、ファン4、および抜け止め部材5は、この順で取り付けられる。ロータシャフト21は、ロータコア24に圧入により固定される。同様に、ロータシャフト24は、抜け止め部材5に、圧入により固定される。一方で、ファン4は、アルミニウム合金などの比較的強度の低い材料から構成されるため、ロータシャフト21に対し圧入する場合に強度を確保するために大型化し易い。本実施形態のファン4は、小型化するために、ロータシャフト21をシャフト挿通孔40hに隙間嵌めなどの相対的な移動を許容する嵌合状態で挿入される。ファン4は、軸方向においてロータコア24と抜け止め部材5との間に挟み込まれるため、軸方向の相対的な移動が制限される。
ファン4の第1面40aであって、抜け止め部材5と接触する領域には、軸方向一方側(+Y側)に突出する一対の凸部40dが設けられる。また、抜け止め部材5の外周面には、径方向内側に凹む一対の凹部5eが設けられる。
ファン4、および抜け止め部材5をロータシャフト21に組み付けた状態で、凸部40dは、凹部5eに挿入される。これにより、凸部40dの周方向を向く面が、凹部5eの内側面と周方向に対向し、ファン4の抜け止め部材5に対する周方向の相対的な移動を制限する。結果的に、ファン4がロータシャフト21に対し回転することを抑制する。
なお、本実施形態では、ファン4の本体部40に凸部40dが設けられ、抜け止め部材5に凹部5eが設けられる場合について説明したが、凸部と凹部とは互いに反対の部材に設けられていてもよい。すなわち、本体部40、および抜け止め部材5の一方には、他方側に突出する凸部40dが設けられ、他方には凸部40dが挿入される凹部5eが設けられていればよい。
また、本実施形態では、抜け止め部材5を用いてファン4とロータシャフト21との相対的な回転を抑制する場合について説明した。しかしながら、ファン4とロータシャフト21とにそれぞれ凸部、および凹部が直接的に設けられることで、これらの相対的な回転が抑制される構造を採用してもよい。すなわち、ファン4のシャフト挿通孔40hの内周面、およびロータシャフト21の外周面のうち、一方に他方側に突出する凸部が設けられ、他方には凸部が挿入される凹部が設けられる構造を採用してもよい。さらに、シャフト挿通孔40hの内周面、およびロータシャフト21の外周面にそれぞれ対向する凹部(キー溝)を設け、凹部同士が繋がった空間内に他部材(キー)を挿入する構造を採用してもよい。
(ファンの固定方法の変形例)
図6は、上述の実施形態に採用可能な、ファン104の固定方法の変形例を示すファン104の正面図である。本変形例の固定方法は、上述の実施形態と同様にファン104の抜け止め部材105に対する周方向の相対的な移動を制限するものであるが、その制限に係る構造が異なる。
なお、本変形例の説明において、既に説明した実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図6は、上述の実施形態に採用可能な、ファン104の固定方法の変形例を示すファン104の正面図である。本変形例の固定方法は、上述の実施形態と同様にファン104の抜け止め部材105に対する周方向の相対的な移動を制限するものであるが、その制限に係る構造が異なる。
なお、本変形例の説明において、既に説明した実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
抜け止め部材105は、上述の実施形態と同様にロータシャフト21が圧入されることでロータシャフト21に固定される。一方で、ファン104は、ロータシャフト21に対し中心軸線J1周りの相対的な回転移動が許容された状態で、ロータシャフト21が挿入される。
抜け止め部材105は、中心軸線J1を中心とする環状である。抜け止め部材105の外周面には、複数の溝部105gが設けられる。本実施形態の溝部105gは、軸方向から見て略半円状であるが、その形状は限定されない。
ファン104は、中心軸線J1を中心として周方向に延びる包囲壁部148を有する。包囲壁部148は、軸方向一方側(+Y側)を向く端面148bと、径方向内側を向く内側面148aを有する。包囲壁部148の内側面148aは抜け止め部材105の外周面に設けられる溝部105gと径方向に対向する。
包囲壁部148は、複数のかしめ部147を有する。かしめ部147は、抜け止め部材105の溝部105gの径方向外側に位置する。複数のかしめ部147は、包囲壁部148の端面148bに設けられる。かしめ部147は、包囲壁部148の端面148bの径方向内側の端部に沿って配置される。かしめ部147は、端面148bにかしめ用治具を用いて圧力を付与し、端面148bを塑性変形させることで形成される。かしめ部147は、形成段階の塑性変形によって、軸方向他方側(-Y側)に凹むとともに、径方向内側に突出する。かしめ部147は、径方向内側に突出する部分において、溝部105gの内部に配置される。本実施形態によれば、かしめ部147の一部が、溝部105gの周方向を向く内側面と周方向に対向する。これにより、ファン104の抜け止め部材105に対する周方向の相対的な移動が制限され、さらにファン104のロータシャフト21に対する回転が抑制される。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態のファン204を示す斜視図である。
第2実施形態のファン204は、上述の実施形態のロータ20、回転電機2、および駆動装置1に採用可能である。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は、第2実施形態のファン204を示す斜視図である。
第2実施形態のファン204は、上述の実施形態のロータ20、回転電機2、および駆動装置1に採用可能である。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
上述の実施形態と同様に、ファン204は、板状の本体部240と、本体部240において周方向に沿って延びる第1リブ241、および第2リブ242と、本体部240において径方向に沿って延びる第3リブ243と、を有する。本体部240は、軸方向一方側(+Y側)を向く第1面240a、および軸方向他方側を向く第2面240bを有する。本体部240には、周方向に並んで配置され、それぞれ第1面240aと第2面240bとを繋ぐ第1貫通孔245、および第2貫通孔246が設けられる。また、第1面240aには、第1貫通孔245が開口する第1開口部245aと、第2貫通孔246が開口する第2開口部246aと、が設けられる。第1リブ241は、第1開口部245aの径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側(+Y側)に突出する。第2リブ242は、第2開口部246aの径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する。第3リブ243は、周方向において第1開口部245aと第2開口部246aの間に配置され軸方向一方側に突出する。
本実施形態の第1リブ241は、ファン204に4個設けられる。4個の第1リブ241は、周方向に沿って離散的に並び、それぞれが異なる第1開口部245aの径方向外側の縁部に位置している。したがって、第1リブ241は、第2開口部246aの径方向外側に位置する部分で途切れている。
本体部240の第1面240aは、第2開口部246aの径方向外側の縁部から径方向外側に延びる第2ガイド面240cを有する。第2ガイド面240cは、周方向に並ぶ複数の第1リブ241の間に位置する。第2ガイド面240cは、軸方向と直交する平面に沿って延びる。
本実施形態によれば、本体部240に第2ガイド面240cが設けられることで、第2開口部246aから吹き出された空気が第2ガイド面240cに沿って第1リブ241の間を通過する。このため、第2開口部246aから吹き出された空気の流れが第1リブ241によって弱められることがなくコイルエンド31aへと当たることから、コイルエンド31aの冷却効率を高めることができる。
なお、図7に二点鎖線で図示するように、第2ガイド面240cには、径方向に沿って延びる少なくとも一つのフィン240fが設けられていてもよい。この場合、第2ガイド面240cに沿って流れる空気をフィン240fによって整流することができ、コイルエンド31aに向かう空気に乱流が生じることを抑制できる。この構成によれば、コイルエンド31aに向かう空気の流れを拡散させることなくコイルエンド31aに当てることができ、コイルエンド31aの冷却効率をより一層高めることができる。
本実施形態の第3リブ243は、周方向において第2開口部246a側を向く側壁面243aを有する。側壁面243aは、径方向外側に向かうに従い周方向において第2開口部246aの反対側に傾斜する。側壁面243aは、第2開口部246aに対して周方向両側に配置される。このため、第2開口部246aから径方向外側に吹き出される空気の経路は、径方向外側に向かうに従い周方向両側に広がる。本実施形態によれば、第2開口部246aから吹き出される空気の圧力損失が小さくなり、コイルエンド31aに強い風を周方向に幅広く送ることができる。
本実施形態のファン204は、上述の実施形態と同様に、ロータシャフト21に対し固定される。なお、図4において、ファン204のシャフト挿通孔240hに設けられる回転止め用の凸部の図示を省略する。
以上に、本発明の様々な実施形態および変形例を説明したが、各実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態において、コイルは、ステータに装着される屈曲可能な導線であり、コイルから延び出る引出線は、複数の導線を圧着端子によった束ねた構造を有する。しかしながら、コイルは、剛性の高い平角線から構成されるセグメントコイルであって、コイルから延び出る引出線も1本の平角線であってもよい。
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線に沿って延びるロータコアと、前記ロータコアの軸方向両側を向く端面にそれぞれ取り付けられる一対のファンと、を備え、前記ファンについて、取り付く前記ロータコアの端面が向く方向を軸方向一方側とし、その反対方向を軸方向他方側とし、前記ファンは、軸方向一方側を向く第1面、および軸方向他方側を向く第2面を有する板状の本体部と、前記本体部において周方向に沿って延びる第1リブ、および第2リブと、を有し、前記本体部には、周方向に並んで配置され、それぞれ前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第1貫通孔、および第2貫通孔が設けられ、前記第1面には、前記第1貫通孔が開口する第1開口部と、前記第2貫通孔が開口する第2開口部と、が設けられ、前記第1リブは、前記第1開口部の径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側に突出し、前記第2リブは、前記第2開口部の径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する、ロータ。
(2) 前記第2開口部の径方向内側の縁部は、前記第1開口部の径方向内側の縁部よりも径方向外側に位置する、(1)に記載のロータ。
(3) 前記第2リブは、前記第1開口部よりも軸方向一方側に位置する、(1)又は(2)に記載のロータ。
(4) 前記第2リブは、軸方向他方側を向く第1ガイド面を有し、前記第1ガイド面は、径方向外側に向かうに従い軸方向一方側に傾斜する、(1)~(3)の何れか一項に記載のロータ。
(5) 前記ファンは、前記本体部において径方向に沿って延びる第3リブを有し、前記第3リブは、周方向において前記第1開口部と前記第2開口部の間に配置され軸方向一方側に突出する、(1)~(4)の何れか一項に記載のロータ。
(6) 前記第3リブは、周方向において前記第2開口部側を向く側壁面を有し、前記側壁面は、径方向外側に向かうに従い周方向において前記第2開口部の反対側に傾斜する、(5)に記載のロータ。
(7) 前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の少なくとも一部は、前記本体部を軸方向に貫通する、(1)~(6)の何れか一項に記載のロータ。
(8) 前記第1リブは、中心軸線を中心とする円環状である、(1)~(7)の何れか一項に記載のロータ。
(9) 前記第1面は、前記第2開口部の径方向外側の縁部から径方向外側に延びる第2ガイド面を有し、前記第2ガイド面は、周方向に並ぶ複数の前記第1リブの間に位置する、(1)~(8)の何れか一項に記載のロータ。
(10) 前記第2ガイド面には、径方向に沿って延びる少なくとも一つのフィンが設けられる、(9)に記載のロータ。
(11) 前記ロータコアには、軸方向に貫通する第1通気孔、および第2通気孔が設けられ、前記第1通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第1貫通孔および、他方の前記第2貫通孔に繋がり、前記第2通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第2貫通孔および、他方の前記第1貫通孔に繋がる、(1)~(10)の何れか一項に記載のロータ。
(12) 複数のマグネットを備え、前記ロータコアには、軸方向に貫通する複数の保持孔が設けられ、前記マグネットは、前記保持孔に収容され、前記保持孔の開口は、前記ファンに覆われる、(1)~(11)の何れか一項に記載のロータ。
(13) 中心軸線に沿って延びるロータシャフトと、前記ロータシャフトの外周面に位置する環状の抜け止め部材と、を備え、前記ファンの前記本体部には、前記ロータシャフトが挿入されるシャフト挿通孔が設けられ、前記ファンは、前記ロータコアと前記抜け止め部材との間に位置し、前記本体部、および前記抜け止め部材の一方には、他方側に突出する凸部が設けられ、他方には前記凸部が挿入される凹部が設けられる、(1)~(12)の何れか一項に記載のロータ。
(14) (1)~(13)の何れか一項に記載のロータと、前記ロータの径方向外側に位置するステータと、を備える、回転電機。
(15) (14)に記載の回転電機と、前記モータの動力を伝達する動力伝達部と、を備える、駆動装置。
(1) 中心軸線に沿って延びるロータコアと、前記ロータコアの軸方向両側を向く端面にそれぞれ取り付けられる一対のファンと、を備え、前記ファンについて、取り付く前記ロータコアの端面が向く方向を軸方向一方側とし、その反対方向を軸方向他方側とし、前記ファンは、軸方向一方側を向く第1面、および軸方向他方側を向く第2面を有する板状の本体部と、前記本体部において周方向に沿って延びる第1リブ、および第2リブと、を有し、前記本体部には、周方向に並んで配置され、それぞれ前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第1貫通孔、および第2貫通孔が設けられ、前記第1面には、前記第1貫通孔が開口する第1開口部と、前記第2貫通孔が開口する第2開口部と、が設けられ、前記第1リブは、前記第1開口部の径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側に突出し、前記第2リブは、前記第2開口部の径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する、ロータ。
(2) 前記第2開口部の径方向内側の縁部は、前記第1開口部の径方向内側の縁部よりも径方向外側に位置する、(1)に記載のロータ。
(3) 前記第2リブは、前記第1開口部よりも軸方向一方側に位置する、(1)又は(2)に記載のロータ。
(4) 前記第2リブは、軸方向他方側を向く第1ガイド面を有し、前記第1ガイド面は、径方向外側に向かうに従い軸方向一方側に傾斜する、(1)~(3)の何れか一項に記載のロータ。
(5) 前記ファンは、前記本体部において径方向に沿って延びる第3リブを有し、前記第3リブは、周方向において前記第1開口部と前記第2開口部の間に配置され軸方向一方側に突出する、(1)~(4)の何れか一項に記載のロータ。
(6) 前記第3リブは、周方向において前記第2開口部側を向く側壁面を有し、前記側壁面は、径方向外側に向かうに従い周方向において前記第2開口部の反対側に傾斜する、(5)に記載のロータ。
(7) 前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の少なくとも一部は、前記本体部を軸方向に貫通する、(1)~(6)の何れか一項に記載のロータ。
(8) 前記第1リブは、中心軸線を中心とする円環状である、(1)~(7)の何れか一項に記載のロータ。
(9) 前記第1面は、前記第2開口部の径方向外側の縁部から径方向外側に延びる第2ガイド面を有し、前記第2ガイド面は、周方向に並ぶ複数の前記第1リブの間に位置する、(1)~(8)の何れか一項に記載のロータ。
(10) 前記第2ガイド面には、径方向に沿って延びる少なくとも一つのフィンが設けられる、(9)に記載のロータ。
(11) 前記ロータコアには、軸方向に貫通する第1通気孔、および第2通気孔が設けられ、前記第1通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第1貫通孔および、他方の前記第2貫通孔に繋がり、前記第2通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第2貫通孔および、他方の前記第1貫通孔に繋がる、(1)~(10)の何れか一項に記載のロータ。
(12) 複数のマグネットを備え、前記ロータコアには、軸方向に貫通する複数の保持孔が設けられ、前記マグネットは、前記保持孔に収容され、前記保持孔の開口は、前記ファンに覆われる、(1)~(11)の何れか一項に記載のロータ。
(13) 中心軸線に沿って延びるロータシャフトと、前記ロータシャフトの外周面に位置する環状の抜け止め部材と、を備え、前記ファンの前記本体部には、前記ロータシャフトが挿入されるシャフト挿通孔が設けられ、前記ファンは、前記ロータコアと前記抜け止め部材との間に位置し、前記本体部、および前記抜け止め部材の一方には、他方側に突出する凸部が設けられ、他方には前記凸部が挿入される凹部が設けられる、(1)~(12)の何れか一項に記載のロータ。
(14) (1)~(13)の何れか一項に記載のロータと、前記ロータの径方向外側に位置するステータと、を備える、回転電機。
(15) (14)に記載の回転電機と、前記モータの動力を伝達する動力伝達部と、を備える、駆動装置。
1…駆動装置、2…回転電機、4,104,204…ファン、5,105…止め部材、5e…凹部、20…ロータ、21…ロータシャフト、24…ロータコア、24a…第1通気孔、24b…第2通気孔、24f…端面、24h…保持孔、25…マグネット、30…ステータ、40,240…本体部、40a,240a…第1面、40b,240b…第2面、40d…凸部、40h…シャフト挿通孔、41,241…第1リブ、42,242…第2リブ、42g…第1ガイド面、43,243…第3リブ、45,245…第1貫通孔、45a,245a…第1開口部、46,246…第2貫通孔、46a,246a…第2開口部、50…動力伝達部、240c…第2ガイド面、240f…フィン、243a…側壁面、J1…中心軸線
Claims (15)
- 中心軸線に沿って延びるロータコアと、
前記ロータコアの軸方向両側を向く端面にそれぞれ取り付けられる一対のファンと、を備え、
前記ファンについて、取り付く前記ロータコアの端面が向く方向を軸方向一方側とし、その反対方向を軸方向他方側とし、
前記ファンは、
軸方向一方側を向く第1面、および軸方向他方側を向く第2面を有する板状の本体部と、
前記本体部において周方向に沿って延びる第1リブ、および第2リブと、を有し、
前記本体部には、周方向に並んで配置され、それぞれ前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第1貫通孔、および第2貫通孔が設けられ、
前記第1面には、前記第1貫通孔が開口する第1開口部と、前記第2貫通孔が開口する第2開口部と、が設けられ、
前記第1リブは、前記第1開口部の径方向外側の縁部に位置し軸方向一方側に突出し、
前記第2リブは、前記第2開口部の径方向内側の縁部に位置し径方向外側に突出する、
ロータ。 - 前記第2開口部の径方向内側の縁部は、前記第1開口部の径方向内側の縁部よりも径方向外側に位置する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第2リブは、前記第1開口部よりも軸方向一方側に位置する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第2リブは、軸方向他方側を向く第1ガイド面を有し、
前記第1ガイド面は、径方向外側に向かうに従い軸方向一方側に傾斜する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記ファンは、前記本体部において径方向に沿って延びる第3リブを有し、
前記第3リブは、周方向において前記第1開口部と前記第2開口部の間に配置され軸方向一方側に突出する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第3リブは、周方向において前記第2開口部側を向く側壁面を有し、
前記側壁面は、径方向外側に向かうに従い周方向において前記第2開口部の反対側に傾斜する、
請求項5に記載のロータ。 - 前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の少なくとも一部は、前記本体部を軸方向に貫通する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第1リブは、中心軸線を中心とする円環状である、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第1面は、前記第2開口部の径方向外側の縁部から径方向外側に延びる第2ガイド面を有し、
前記第2ガイド面は、周方向に並ぶ複数の前記第1リブの間に位置する、
請求項1に記載のロータ。 - 前記第2ガイド面には、径方向に沿って延びる少なくとも一つのフィンが設けられる、
請求項9に記載のロータ。 - 前記ロータコアには、軸方向に貫通する第1通気孔、および第2通気孔が設けられ、
前記第1通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第1貫通孔および、他方の前記第2貫通孔に繋がり、
前記第2通気孔は、一対の前記ファンのうち一方の前記第2貫通孔および、他方の前記第1貫通孔に繋がる、
請求項1に記載のロータ。 - 複数のマグネットを備え、
前記ロータコアには、軸方向に貫通する複数の保持孔が設けられ、
前記マグネットは、前記保持孔に収容され、
前記保持孔の開口は、前記ファンに覆われる、
請求項1に記載のロータ。 - 中心軸線に沿って延びるロータシャフトと、
前記ロータシャフトの外周面に位置する環状の抜け止め部材と、を備え、
前記ファンの前記本体部には、前記ロータシャフトが挿入されるシャフト挿通孔が設けられ、
前記ファンは、前記ロータコアと前記抜け止め部材との間に位置し、
前記本体部、および前記抜け止め部材の一方には、他方側に突出する凸部が設けられ、他方には前記凸部が挿入される凹部が設けられる、
請求項1に記載のロータ。 - 請求項1~13の何れか一項に記載のロータと、
前記ロータの径方向外側に位置するステータと、を備える、
回転電機。 - 請求項14に記載の回転電機と、
前記回転電機の動力を伝達する動力伝達部と、を備える、
駆動装置。
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JP2022157747A JP2024051531A (ja) | 2022-09-30 | 2022-09-30 | ロータ、および回転電機、および駆動装置 |
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