JP2024050971A - シューズ - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤の使用量を削減可能なアッパーを備えたシューズを提供する。【解決手段】本発明は、アッパー10と、ソール20と、を備えたシューズ100であって、アッパーが、基布11と、基布11の外表面に蛇行するように縫い付けられたコード12と、を具備する。コードは、基布の前足部、中足部及び後足部に亘って、基布の外表面に縫い付けられており、コードの縫い付け密度は、基布の中足部及び後足部の方が基布の前足部よりも高く、コードの一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成し、ハトメの両端部が、コードの長手方向と交差する方向に延在する刺繍糸14によって基布の外表面に縫い付けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、接着剤又は補強材の使用量を削減可能なアッパーを備えたシューズに関する。具体的には、接着剤又は補強材の使用量を削減しても十分な強度を有するアッパーを備えたシューズに関する。また、本発明は、接着剤の使用量を削減してもハトメを形成できるアッパーを備えたシューズに関する。
周知のように、シューズは、アッパーと、ソールと、を備えている。
アッパーには、シューズの用途によって、様々な機能が求められる。また、アッパーの部位に応じて、求められる機能が異なる場合もある。これらの要求に応えるため、アッパーを構成する基布の所定の部位に、接着剤を用いて他の部材(補強材)を接着し、アッパーの強度を高める場合がある。
また、アッパーには、通常、シューレースを通すハトメが接着剤を用いて接着されている。
アッパーには、シューズの用途によって、様々な機能が求められる。また、アッパーの部位に応じて、求められる機能が異なる場合もある。これらの要求に応えるため、アッパーを構成する基布の所定の部位に、接着剤を用いて他の部材(補強材)を接着し、アッパーの強度を高める場合がある。
また、アッパーには、通常、シューレースを通すハトメが接着剤を用いて接着されている。
上記アッパーに用いられる接着剤としては、環境負荷がやや高いものを使用することが多く、使用量が少ない方が好ましい。また、アッパーに用いる部材(アッパーの強度を高めるための基布以外の補強材やハトメ)が増えることは、廃材の増加、シューズの製造工程における作業量の増加、工具による熱量や電気量の増加に通じる。さらに、リサイクル等の観点からも異なる材料からなる部材が多く含まれるのは好ましくないことが多い。
したがい、接着剤又は補強材の使用量を削減しても十分な強度を有するアッパーを備えたシューズや、接着剤の使用量を削減してもハトメを形成できるアッパーを備えたシューズが求められている。
特許文献1~3には、種々の構成を有するアッパーが提案されているが、上記の要求に応えられない、又は、十分に応えられるものではない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、接着剤又は補強材の使用量を削減可能なアッパーを備えたシューズを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、アッパーと、ソールと、を備えたシューズであって、前記アッパーが、基布と、前記基布の外表面に蛇行するように縫い付けられたコードと、を具備し、前記コードは、前記基布の前足部、中足部及び後足部に亘って、前記基布の外表面に縫い付けられており、前記コードの縫い付け密度は、前記基布の中足部及び後足部の方が前記基布の前足部よりも高く、前記コードの一部が、シューレースを通すハトメを構成し、前記ハトメの両端部が、前記コードの長手方向と交差する方向に延在する刺繍糸によって前記基布の外表面に縫い付けられている、ことを特徴とするシューズを提供する。
本発明において、コードは、その全長に亘って基布の外表面に縫い付けられる必要はなく、縫い付けがほつれることでコードが基布から外れない限りにおいて、長手方向の一部が基布の外表面に縫い付けられていればよい。また、本発明において、「蛇行するように縫い付けられた」とは、コードの長手方向が直線状に縫い付けられた状態ではなく、コードの少なくとも一部が長手方向において左右に方向転換して縫い付けられた状態を意味する。
本発明によれば、アッパーが、基布と、基布の外表面に蛇行するように縫い付けられたコードと、を具備するため、接着剤を用いずに縫い付けられたコードによって、アッパーの強度を高めることができる。また、本発明によれば、コードが基布の外表面に蛇行するように縫い付けられているため、コードの蛇行方向(方向転換する左右方向)に比べて、コードの蛇行方向に直交する方向(長手方向)にアッパーが伸びやすくなる。したがい、縫い付けるコードの蛇行方向によってアッパーの変形し易い方向を制御することができ、使用目的に応じたアッパーのフィッティング性を高めることもできる。
本発明によれば、アッパーが、基布と、基布の外表面に蛇行するように縫い付けられたコードと、を具備するため、接着剤を用いずに縫い付けられたコードによって、アッパーの強度を高めることができる。また、本発明によれば、コードが基布の外表面に蛇行するように縫い付けられているため、コードの蛇行方向(方向転換する左右方向)に比べて、コードの蛇行方向に直交する方向(長手方向)にアッパーが伸びやすくなる。したがい、縫い付けるコードの蛇行方向によってアッパーの変形し易い方向を制御することができ、使用目的に応じたアッパーのフィッティング性を高めることもできる。
本発明において、「基布の前足部、中足部及び後足部」とは、シューズを平面視したときに、シューズの前足部、中足部及び後足部にそれぞれ対応する基布の部位を意味する。
本発明によれば、基布の外表面に縫い付けられたコードの一部がシューレースを通すハトメを構成する。具体的には、コードの基布の外表面に縫い付けられていない部分がハトメとして用いられ、そのハトメと基布との間にシューレースを通すことができる。したがい、ハトメを接着剤を用いて基布に接着することなく、ハトメを形成できる。
本発明によれば、基布の外表面に縫い付けられたコードの一部がシューレースを通すハトメを構成する。具体的には、コードの基布の外表面に縫い付けられていない部分がハトメとして用いられ、そのハトメと基布との間にシューレースを通すことができる。したがい、ハトメを接着剤を用いて基布に接着することなく、ハトメを形成できる。
本発明によれば、接着剤又は補強材の使用量を削減可能なアッパーを備えたシューズが提供される。本発明によれば、接着剤又は補強材の使用量を削減しても十分な強度を有するアッパーを備えたシューズが提供される。本発明によれば、接着剤の使用量を削減してもハトメを形成できるアッパーを備えたシューズが提供される。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係るシューズについて説明する。
なお、各図は、参考的に表したものであり、各図に表された構成要素の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっている場合があることに留意されたい。
なお、各図は、参考的に表したものであり、各図に表された構成要素の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっている場合があることに留意されたい。
最初に、図11を参照しつつ、本明細書で使用するシューズの「前足部」、「中足部」及び「後足部」の用語の意味について説明する。
図11は、シューズと足の骨との位置関係を示す平面図である。
図11に示すように、「前足部」とは、趾骨、MP関節及び中足骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね0~30%の領域が前足部に対応する。
また、「中足部」とは、楔状骨、舟状骨及び立方骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね30~85%の領域が中足部に対応する。
さらに、「後足部」とは、距骨及び踵骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね85~100%の領域が後足部に対応する。
なお、基布の「前足部」、「中足部」及び「後足部」は、シューズを平面視したときに、シューズの「前足部」、「中足部」及び「後足部」にそれぞれ対応する基布の部位を意味する。また、アッパーの「前足部」、「中足部」及び「後足部」は、シューズを平面視したときに、シューズの「前足部」、「中足部」及び「後足部」にそれぞれ対応するアッパーの部位を意味する。
図11は、シューズと足の骨との位置関係を示す平面図である。
図11に示すように、「前足部」とは、趾骨、MP関節及び中足骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね0~30%の領域が前足部に対応する。
また、「中足部」とは、楔状骨、舟状骨及び立方骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね30~85%の領域が中足部に対応する。
さらに、「後足部」とは、距骨及び踵骨に概ね対応する(着用時にこれらの骨の下側にシューズ100が備えるソール20が位置する)部分を意味する。シューズ100の全長を100%とした場合、シューズ100の前端から概ね85~100%の領域が後足部に対応する。
なお、基布の「前足部」、「中足部」及び「後足部」は、シューズを平面視したときに、シューズの「前足部」、「中足部」及び「後足部」にそれぞれ対応する基布の部位を意味する。また、アッパーの「前足部」、「中足部」及び「後足部」は、シューズを平面視したときに、シューズの「前足部」、「中足部」及び「後足部」にそれぞれ対応するアッパーの部位を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシューズの概略構成を示す平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るシューズの概略構成を示す斜視図(内足側から見た斜視図)である。図3は、本発明の一実施形態に係るシューズの概略構成を示す斜視図(外足側から見た斜視図)である。図4は、本発明の一実施形態に係るシューズが備えるアッパーの概略構成を示す展開図である。なお、「内足側」とは、シューズの着用者の足の母指側を意味する。また、「外足側」とは、シューズの着用者の足の小指側を意味する。
図1~図4では、右足用を図示しているが、左足用は右足用と線対称の構造を有するので図示を省略し、以下、右足用についてのみ説明する。なお、図4では、図1~図3と異なり、アッパー10が有するドット状の孔部の図示を省略している。
図1~図3に示すように、本実施形態に係るシューズ100は、アッパー10と、アッパー10の下部に結合されたソール20と、を備えている。図4に示すように、本実施形態のアッパー10は、本体部1と、底面部2と、を具備しており、図4の左側の底面部2の縁部(点A及び点A’を通る曲線)と右側の底面部2の縁部(点B及び点B’を通る曲線)とを縫合することで、袋状に形成されている。そして、アッパー10の底面部2と、ソール20とが結合されている。
図1~図4では、右足用を図示しているが、左足用は右足用と線対称の構造を有するので図示を省略し、以下、右足用についてのみ説明する。なお、図4では、図1~図3と異なり、アッパー10が有するドット状の孔部の図示を省略している。
図1~図3に示すように、本実施形態に係るシューズ100は、アッパー10と、アッパー10の下部に結合されたソール20と、を備えている。図4に示すように、本実施形態のアッパー10は、本体部1と、底面部2と、を具備しており、図4の左側の底面部2の縁部(点A及び点A’を通る曲線)と右側の底面部2の縁部(点B及び点B’を通る曲線)とを縫合することで、袋状に形成されている。そして、アッパー10の底面部2と、ソール20とが結合されている。
アッパー10は、基布11と、基布11に縫い付けられたコード12(図1~図4において太線で示す)と、を具備する。本実施形態では、複数本のコード12が縫い付けられている。
本実施形態では、基布11として、ポリエステル繊維から形成されたニットが用いられている。ただし、本発明はこれに限るものではなく、基布11として、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、TPE(熱可塑性エラストマー)繊維などから形成されたニットを用いることもできる。さらに、コード12を縫い付けることができる限りにおいて、種々の基布11を用いることができる。
また、本実施形態では、コード12として、外径が2mmの断面円形の丸紐が用いられている。丸紐は、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、ラバー、その他プラスチック、金属糸などから形成される。このコード12は、基布11よりも高い引張弾性を有する。ただし、本発明はこれに限るものではなく、コード12として、例えば、導電糸を用いることも可能である。好ましいコード12の外径は、0.5mm~10mmであり、より好ましくは、1mm~5mmである。コード12の断面形状は円形に限るものではなく、楕円形、長円形、矩形等であってもよい。
本実施形態では、基布11として、ポリエステル繊維から形成されたニットが用いられている。ただし、本発明はこれに限るものではなく、基布11として、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、TPE(熱可塑性エラストマー)繊維などから形成されたニットを用いることもできる。さらに、コード12を縫い付けることができる限りにおいて、種々の基布11を用いることができる。
また、本実施形態では、コード12として、外径が2mmの断面円形の丸紐が用いられている。丸紐は、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維、ラバー、その他プラスチック、金属糸などから形成される。このコード12は、基布11よりも高い引張弾性を有する。ただし、本発明はこれに限るものではなく、コード12として、例えば、導電糸を用いることも可能である。好ましいコード12の外径は、0.5mm~10mmであり、より好ましくは、1mm~5mmである。コード12の断面形状は円形に限るものではなく、楕円形、長円形、矩形等であってもよい。
図5は、本実施形態に係るシューズ100において、基布11へのコード12の縫い付け方法を模式的に示す図である。図5(a)はコード12の縫い付け部分を模式的に示す斜視図を、図5(b)は図5(a)に示すCC拡大断面図を示す。
図5に示すように、本実施形態では、コード12は、コード刺繍によって縫い付けられている。すなわち、基布11上にコード12を置きながら、刺繍糸13でコード12を基布11に縫い付けている。
図5に示すように、本実施形態では、コード12は、コード刺繍によって縫い付けられている。すなわち、基布11上にコード12を置きながら、刺繍糸13でコード12を基布11に縫い付けている。
図1~図4に示すように、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、基布11に蛇行するように縫い付けられていることを第1の特徴としている。すなわち、コード12の長手方向が直線状に縫い付けられた状態ではなく、コード12の少なくとも一部が長手方向において左右に方向転換して縫い付けられている。このように、接着剤を用いずに縫い付けられたコード12によって、アッパー10の強度を高めることができる。また、コード12が基布11に蛇行するように縫い付けられているため、コード12の蛇行方向(方向転換する左右方向)に比べて、コード12の蛇行方向に直交する方向(長手方向)にアッパー10が伸びやすくなる。したがい、縫い付けるコード12の蛇行方向によってアッパー10の変形し易い方向を制御することができ、使用目的に応じたアッパー10のフィッティング性を高めることもできる。
また、図1~図4に示すように、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、少なくとも基布11の前足部及び中足部において基布11に縫い付けられており、コード12の一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成することを第2の特徴としている。本実施形態に係るシューズ100では、基布11の前後方向(シューズ100の前後方向に対応)に複数のハトメ12aが設けられている。図1~図4に示す例では、基布11の内足側及び外足側にそれぞれ3つのハトメ12aが形成されている。
図6は、本実施形態に係るシューズ100において、ハトメ12aの両端部の縫い付け方法を模式的に示す断面図であり、具体的には、図1に示す右下のハトメ12aを矢符Dの方向から見た断面図である。他のハトメ12aについても、両端部は同様の方法で縫い付けられている。
図6に示すように、ハトメ12aの両端部は、コード12の長手方向と交差する方向(図6の左右方向)に延在する刺繍糸14によって基布11に縫い付けられている。そして、刺繍糸14でコード12を縫い付けるときには、刺繍糸13でコード12を縫い付けるときよりも細かいピッチで縫い付けている。これにより、ハトメ12aの両端部が強固に基布11に縫い付けられる。コード12の基布11に縫い付けられていない部分がハトメ12aとして用いられ、そのハトメ12aと基布11との間にシューレース30を通すことができる。したがい、ハトメ12aを接着剤を用いて基布11に接着することなく、ハトメ12aを形成できる。また、コード12自体がハトメ12aを構成するため、ハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、従来のハトメに比べて足当たりが良い。
図6に示すように、ハトメ12aの両端部は、コード12の長手方向と交差する方向(図6の左右方向)に延在する刺繍糸14によって基布11に縫い付けられている。そして、刺繍糸14でコード12を縫い付けるときには、刺繍糸13でコード12を縫い付けるときよりも細かいピッチで縫い付けている。これにより、ハトメ12aの両端部が強固に基布11に縫い付けられる。コード12の基布11に縫い付けられていない部分がハトメ12aとして用いられ、そのハトメ12aと基布11との間にシューレース30を通すことができる。したがい、ハトメ12aを接着剤を用いて基布11に接着することなく、ハトメ12aを形成できる。また、コード12自体がハトメ12aを構成するため、ハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、従来のハトメに比べて足当たりが良い。
図1~図4に示すように、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、その長手方向に分断することなく、基布11に縫い付けられている。
また、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、アッパー10とソール20との境界部(図2に示す点D及び点D’を通る曲線)と、シューレース30を通すハトメ(本実施形態では、コード12の一部で構成されるハトメ12a)との間に亘って、基布11に縫い付けられている。
さらに、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、基布11の前足部、中足部及び後足部に亘って、基布11に縫い付けられており、コード12の縫い付け密度が、基布11の中足部及び後足部の方が基布11の前足部よりも高い。コード12の縫い付け密度とは、基布11の各部の表面積に対してコード12の占める面積の比率を意味し、例えば、基布11の前足部におけるコード12の縫い付け密度を5%~10%とし、基布11の中足部におけるコード12の縫い付け密度を10%~50%とし、基布11の後足部におけるコード12の縫い付け密度を15%~90%とすることが好ましい。基布11の後足部におけるコード12の縫い付け密度を高密度にすることで、アッパー10の後足部の補強効果(ヒールカウンターと類似の効果)を得ることができる。
また、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、アッパー10とソール20との境界部(図2に示す点D及び点D’を通る曲線)と、シューレース30を通すハトメ(本実施形態では、コード12の一部で構成されるハトメ12a)との間に亘って、基布11に縫い付けられている。
さらに、本実施形態に係るシューズ100では、コード12が、基布11の前足部、中足部及び後足部に亘って、基布11に縫い付けられており、コード12の縫い付け密度が、基布11の中足部及び後足部の方が基布11の前足部よりも高い。コード12の縫い付け密度とは、基布11の各部の表面積に対してコード12の占める面積の比率を意味し、例えば、基布11の前足部におけるコード12の縫い付け密度を5%~10%とし、基布11の中足部におけるコード12の縫い付け密度を10%~50%とし、基布11の後足部におけるコード12の縫い付け密度を15%~90%とすることが好ましい。基布11の後足部におけるコード12の縫い付け密度を高密度にすることで、アッパー10の後足部の補強効果(ヒールカウンターと類似の効果)を得ることができる。
図7は、本実施形態に係るシューズ100において、ハトメ12aに作用する張力の方向を模式的に示す図である。具体的には、図7は、本実施形態に係るシューズ100が有する複数のハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、複数の各ハトメ12aに作用する張力の方向を、アッパー10の展開図上に模式的に示す図である。
図7に示すように、各ハトメ12aに作用する張力T1~T6の方向(具体的には、各ハトメ12aの両端部に作用する張力の合成ベクトルの方向)は、互いに異なる方向になっている。
図7に示すように、各ハトメ12aに作用する張力T1~T6の方向(具体的には、各ハトメ12aの両端部に作用する張力の合成ベクトルの方向)は、互いに異なる方向になっている。
以下、本実施形態に係るシューズ100の変形例について説明する。
<第1変形例>
図8は、第1変形例に係るシューズ100Aの概略構成を示す斜視図(内足側から見た斜視図)である。図8では、第1変形例のアッパー10Aの特徴的な部分のみを図示し、図2等を参照して説明したアッパー10と同じ構成要素の図示は適宜省略している。
図8に示すように、第1変形例に係るシューズ100Aでは、コード12が、基布11の後足部においても基布11に縫い付けられており、基布11の後足部に縫い付けられたコード12の一部が、ハトメ12aを構成している。
図8は、第1変形例に係るシューズ100Aの概略構成を示す斜視図(内足側から見た斜視図)である。図8では、第1変形例のアッパー10Aの特徴的な部分のみを図示し、図2等を参照して説明したアッパー10と同じ構成要素の図示は適宜省略している。
図8に示すように、第1変形例に係るシューズ100Aでは、コード12が、基布11の後足部においても基布11に縫い付けられており、基布11の後足部に縫い付けられたコード12の一部が、ハトメ12aを構成している。
<第2変形例>
図9は、第2変形例に係るシューズ100Bの概略構成を示す斜視図(内足側から見た斜視図)である。図9では、第2変形例のアッパー10Bの特徴的な部分のみを図示し、図2等を参照して説明したアッパー10と同じ構成要素の図示は適宜省略している。
図9に示すように、第2変形例に係るシューズ100Bでは、ハトメ12aが、基布11の中足部において、基布11の前後方向に複数設けられ、複数のハトメ12aが、基布11の上下方向に千鳥状に設けられている。なお、図9では、1本のコード12のみを図示しているが、これに限るものではなく、複数のハトメ12aが基布11の上下方向に千鳥状に設けられたコード12を複数本設けることも可能である。
図9は、第2変形例に係るシューズ100Bの概略構成を示す斜視図(内足側から見た斜視図)である。図9では、第2変形例のアッパー10Bの特徴的な部分のみを図示し、図2等を参照して説明したアッパー10と同じ構成要素の図示は適宜省略している。
図9に示すように、第2変形例に係るシューズ100Bでは、ハトメ12aが、基布11の中足部において、基布11の前後方向に複数設けられ、複数のハトメ12aが、基布11の上下方向に千鳥状に設けられている。なお、図9では、1本のコード12のみを図示しているが、これに限るものではなく、複数のハトメ12aが基布11の上下方向に千鳥状に設けられたコード12を複数本設けることも可能である。
<第3変形例>
図10は、第3変形例に係るシューズ100Cの概略構成を模式的に示す図である。図10(a)はシューズ100Cの中足部における断面図であり、図10(b)は図10(a)の破線Eで囲った領域をシューズ100Cの左右方向から見た図である。
図10に示すように、第3変形例のアッパー10Cは、本体部1と、底面部2と、を具備して、袋状に形成されている。そして、コード12は、本体部1の内足側から、底面部2を通って、本体部1の外足側まで延在している。さらに、本体部1の内足側及び外足側に位置するコード12の一部が、シューレース30(図10には図示せず)を通すハトメ12aを構成している。
なお、図10に示す例では、ハトメ12aを除くコード12の全長が刺繍糸13で基布11に縫い付けられているが、これに限るものではなく、例えば、本体部1に位置するコード12の部分のみを基布11に縫い付けるような態様を採用することも可能である。
図10は、第3変形例に係るシューズ100Cの概略構成を模式的に示す図である。図10(a)はシューズ100Cの中足部における断面図であり、図10(b)は図10(a)の破線Eで囲った領域をシューズ100Cの左右方向から見た図である。
図10に示すように、第3変形例のアッパー10Cは、本体部1と、底面部2と、を具備して、袋状に形成されている。そして、コード12は、本体部1の内足側から、底面部2を通って、本体部1の外足側まで延在している。さらに、本体部1の内足側及び外足側に位置するコード12の一部が、シューレース30(図10には図示せず)を通すハトメ12aを構成している。
なお、図10に示す例では、ハトメ12aを除くコード12の全長が刺繍糸13で基布11に縫い付けられているが、これに限るものではなく、例えば、本体部1に位置するコード12の部分のみを基布11に縫い付けるような態様を採用することも可能である。
以上に説明した本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12が、基布11よりも高い引張弾性を有する。このため、コード12が基布11と同じ又は低い引張弾性を有する場合に比べて、アッパー10の強度をより一層高めることができる。また、ハトメ12aにシューレース30を通して締めた場合に、コード12と共に基布11が引っ張られることで、アッパー10のフィッティング性を高めることもできる。
本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12が、長手方向に分断することなく、基布11に縫い付けられている。換言すれば、コード12が一筆書きで縫い付けられているため、分断されている場合に比べて、アッパー10の強度をより一層高めることができる。
本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12が、アッパー10とソール20との境界部と、シューレース30を通すハトメ12aとの間に亘って、基布11に縫い付けられている。このため、アッパー10の広い範囲に亘って強度を高めることができる。
本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12が、基布11の前足部、中足部及び後足部に亘って、基布11に縫い付けられており、コード12の縫い付け密度が、基布11の中足部及び後足部の方が基布11の前足部よりも高い。このため、アッパー10の中足部及び後足部の強度を高めることができ、シューズ100の保形性・安定性が向上する。
本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12の一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成し、ハトメ12aの両端部が、コード12の長手方向と交差する方向に延在する刺繍糸14によって基布11に縫い付けられている。このため、ハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、ハトメ12aに張力が作用しても、コード12の縫い付けがほつれるのを抑制できる。
本実施形態に係るシューズ100によれば、コード12の一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成し、ハトメ12aが、基布11の前後方向に複数設けられ、複数のハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、複数の各ハトメ12aに作用する張力の方向が互いに異なる方向となる。このため、種々の方向にシューレース30の締め付け力が作用し、アッパー10のフィッティング性を高めることができる。
第1変形例に係るシューズ100Aによれば、コード12が、基布11の後足部においても基布11に縫い付けられており、基布11の後足部に縫い付けられたコード12の一部が、ハトメ12aを構成する。このため、基布11の後足部に縫い付けられたコード12の一部で構成されるハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、アッパー10Aの後足部のフィッティング性を高めることができる。
第2変形例に係るシューズ100Bによれば、ハトメ12aが、基布11の中足部において、基布11の前後方向に複数設けられ、複数のハトメ12aが、基布11の上下方向に千鳥状に設けられている。このため、複数のハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、アッパー10Bの中足部の引き上げ効果が向上し、アッパー10Bのフィッティング性を高めることができる。
第3変形例に係るシューズ100Cによれば、アッパー10Cが、本体部1と、底面部2と、を具備して、袋状に形成されており、コード12が、本体部1の内足側から、底面部2を通って、本体部1の外足側まで延在し、本体部1の内足側及び外足側に位置するコード12の一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成する。このため、ハトメ12aにシューレース30を通して締めたときに、袋状に形成されたアッパー10Cの本体部1及び底面部2が引き上げられることで、着用者の足のアーチに対するアッパー10Cのフィッティング性を高めることができる。
なお、本実施形態及び第1~第3変形例では、第1の特徴(コード12が、基布11に蛇行するように縫い付けられている)及び第2の特徴(コード12の一部が、シューレース30を通すハトメ12aを構成する)の双方を有する例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、第1の特徴及び第2の特徴のうちの何れか一方のみを有するシューズとしても提供可能である。
1・・・本体部
2・・・底面部
10、10A、10B、10C・・・アッパー
11・・・基布
12・・・コード
12a・・・ハトメ
13、14・・・刺繍糸
20・・・ソール
30・・・シューレース
100、100A、100B、100C・・・シューズ
2・・・底面部
10、10A、10B、10C・・・アッパー
11・・・基布
12・・・コード
12a・・・ハトメ
13、14・・・刺繍糸
20・・・ソール
30・・・シューレース
100、100A、100B、100C・・・シューズ
Claims (10)
- アッパーと、ソールと、を備えたシューズであって、
前記アッパーが、基布と、前記基布の外表面に蛇行するように縫い付けられたコードと、を具備し、
前記コードは、前記基布の前足部、中足部及び後足部に亘って、前記基布の外表面に縫い付けられており、
前記コードの縫い付け密度は、前記基布の中足部及び後足部の方が前記基布の前足部よりも高く、
前記コードの一部が、シューレースを通すハトメを構成し、
前記ハトメの両端部が、前記コードの長手方向と交差する方向に延在する刺繍糸によって前記基布の外表面に縫い付けられている、
ことを特徴とするシューズ。 - 前記基布の後足部に縫い付けられた前記コードの一部が、前記ハトメを構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシューズ。 - 前記コードは、前記基布よりも高い引張弾性を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシューズ。 - 前記コードは、長手方向に分断することなく、前記基布の外表面に縫い付けられている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のシューズ。 - 前記コードは、前記アッパーと前記ソールとの境界部と、前記ハトメとの間に亘って、前記基布の外表面に縫い付けられている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のシューズ。 - 前記ハトメは、前記基布の中足部において、前記基布の前後方向に複数設けられ、
前記複数のハトメは、前記基布の上下方向に千鳥状に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のシューズ。 - 前記ハトメは、前記基布の前後方向に複数設けられ、
前記複数のハトメに前記シューレースを通して締めたときに、前記複数の各ハトメに作用する張力の方向が互いに異なる方向となる、
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のシューズ。 - 前記アッパーは、本体部と、底面部と、を具備して、袋状に形成されており、
前記コードは、前記本体部の内足側から、前記底面部を通って、前記本体部の外足側まで延在し、
前記本体部の内足側及び外足側に位置する前記コードの一部が、前記ハトメを構成する、
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のシューズ。 - 前記コードは、第1の刺繍糸によって前記基布の外表面に縫い付けられており、
前記ハトメの両端部は、前記コードの長手方向と交差する方向に延在する第2の刺繍糸によって前記基布の外表面に縫い付けられており、
前記第2の刺繍糸は、前記第1の刺繍糸よりも細かいピッチである、
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のシューズ。 - 前記基布の前足部における前記コードの縫い付け密度が5%~10%であり、
前記基布の中足部における前記コードの縫い付け密度が10%~50%であり、
前記基布の後足部における前記コードの縫い付け密度が15%~90%である、
ことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のシューズ。
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