JP2024050502A - 高屈折率ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】可視波長範囲において高い透過率特性を有し、可能な限り低い密度を有する高屈折率ガラスを提供する。【解決手段】前記の課題は、屈折率nd1.95~2.05、および分散vd22~35未満を有するガラスであって、質量%で以下の成分: SiO24~12; B2O34~11; BaO <10; La2O330~<52; Gd2O3<14; ZrO2<5.5; TiO210~25; Nb2O53~16; ZnO ≦2.0を含み、ここでSiO2およびB2O3の質量割合の合計が少なくとも10質量%である、前記ガラスによって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は高い屈折率、殊に1.95~2.05の屈折率ndおよび22から35未満のアッベ数vdを有するガラスに関する。前記ガラスは好ましくは可視波長範囲において、殊に低いほうの可視波長の範囲においても高い透過率を有する。本発明は、前記ガラスの使用にも関する。本発明によるガラスは殊にAR眼鏡のために使用できる。さらなる用途は例えば光学分野におけるレンズまたは導波路としての使用である。
いわゆる「拡張現実」(英語「Augmented Reality」、AR)の分野はますます重要になってきている。これは、殊に視覚的に提示されたコンピュータ生成の情報について、現実を拡張することであると理解される。この目的のために、特別な眼鏡、いわゆるAR眼鏡が用いられることが多い。そのような眼鏡を製造するために、特に高い屈折率を有するガラスが必要とされ、なぜならそれは視野(Field of View、FoV)を増加するからである。さらに、前記ガラスは好ましくは、可視波長範囲において特に良好な透過率を有するべきである。これに関し、特に高屈折率ガラスの場合、殊に低い方の可視波長範囲、例えば青色範囲420nm~490nmにおける、とりわけ420nmまたは460nmでの透過率が問題として明らかになっている。これに関し、ガラスのいわゆる「UV端」についても語られる。UV端が可視範囲にシフトし過ぎるか、または充分急峻に上昇しない場合、透過率特性は低い方の可視波長範囲において良好ではない。さらに、可視範囲全体(殊に380nm~750nm)において特に高い屈折率を有するガラスを提供するのは困難であることが判明している。従って、例えば2.001の屈折率nを有するが、可視範囲における他の波長では少なくとも2.000の屈折率を達成しないガラスが知られている。
過去には、殊にリン酸ニオブ系のガラスが使用されていた。しかしながら、これらのガラスは生産において非常に問題があり、なぜなら、ただでさえ還元性に作用するリン酸系において、殊に高い溶融温度および清澄温度による酸素の損失が、NbのVよりも低い酸化数をみちびき、ひいては濃い茶色から黒までの着色をみちびくからである。さらに、このガラス類は、ホウ酸ランタンまたはホウケイ酸系と同様に、界面で結晶化する傾向があるだけでなく、非常に速い結晶成長も示し、そのことにより、後の冷却(応力冷却または屈折力の調整)が、場合により予め核生成したガラスにとって危機的になる。さらに、そのガラスは比較的脆いので、薄いウェハに研磨することが困難である。
従って殊に、スペクトルの可視範囲全体において1.93~2.08の屈折率および/または1.93~2.08の屈折率ndを有するガラスが提供されるべきである。前記ガラスは好ましくは、殊に低い方の可視波長範囲においても、例えば420nmおよび/または460nmでの優れた透過率特性を特徴とする。さらに、バッチコストは適度なままであるべきである。前記ガラスは条痕なく仕上げられるための良好な能力を有するべきである。さらに、前記ガラスは良好な歩留まりでウェハに仕上げることができるべきである。前記ガラスは殊に良好に熱間成形でき且つ良好に加工可能であるべきである。前記ガラスは高い屈折率にも関わらず、可能な限り低い密度を有するべきである。これによって、殊にAR眼鏡の装着の快適性を高めることができる。
従って、本発明の課題は、従来技術からの欠点を克服するガラスを提供することである。前記の課題は、特許請求の範囲の対象によって解決される。
発明の説明
1つの態様において、本発明は屈折率nd 1.95~2.05、および分散vd 22~35未満を有するガラスであって、質量%で以下の成分:
Figure 2024050502000002
を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計は少なくとも10質量%である、前記ガラスに関する。
1つのさらなる態様において、本発明は、屈折率nd 1.95~2.05、および有利には分散vd 22~35未満を有するガラスであって、質量%で以下の成分:
Figure 2024050502000003
を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計は少なくとも10質量%である、前記ガラスに関する。
1つのさらなる態様において、本発明は、スペクトルの可視範囲全体において屈折率1.93~2.08、および分散vd 22~35未満を有するガラスであって、質量%で以下の成分:
Figure 2024050502000004
を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計は少なくとも10質量%である、前記ガラスに関する。
本発明によれば、前記ガラスは1.95~2.05、好ましくは1.97~2.02、特に好ましくは1.98~2.01、およびさらに特に好ましくは1.99~2.01の屈折率ndを有する。
屈折率ndは当業者には公知であり、殊に波長約587.6nm(ヘリウムのd線の波長)での屈折率を示す。どのように屈折率ndを特定できるのかは、当業者に公知である。
好ましくは、屈折率は屈折計を用いて、殊にVブロック屈折計を用いて特定される。その際、殊に正方形またはほぼ正方形の底面を有する試料(例えば約20mm×20mm×5mmの寸法を有する)が使用され得る。Vブロック屈折計を用いて測定する際、試料は通常、既知の屈折率を有するV字型のブロックプリズム内に設置される。入射光線の屈折は試料の屈折率とVブロックプリズムの屈折率との間の差に依存するので、試料の屈折率を特定できる。測定は好ましくは温度22℃で行われる。
屈折率は光の波長に依存し、且つ種々の波長で、例えばndは約587.6nmで、nFは約486nmで、およびnCは約656nmで特定され得る。好ましくは前記ガラスはスペクトルの可視範囲全体(殊に380nm~750nm)において1.93~2.08の屈折率を有する。
屈折率値nFは、波長約486nmでの屈折率を示す。本発明のガラスの屈折率nFは好ましくは1.96~2.08、例えば1.98~2.06、1.99~2.05、2.00~2.04の範囲である。
屈折率値nFは、波長約656nmでの屈折率を示す。本発明のガラスの屈折率nCは好ましくは1.93~2.04、例えば1.95~2.03、または1.96~2.02の範囲である。
前記ガラスは22~35未満、好ましくは24~30、特に好ましくは25~28の分散vdを有する。
本発明によれば、前記ガラスは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも91%、さらに好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも94%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも96%、さらに好ましくは少なくとも97%の内部透過率TIを有し、前記内部透過率は波長460nmおよび試料厚10mmで測定される。
内部透過率もしくは内部透過度は、例えばDIN5036-1:1978に準拠して、当業者によく知られた方法で測定できる。本明細書において、内部透過率の記述は試料厚10mmに関する。「試料厚」の記述は、ガラスがこの厚さを有することを意味するのではなく、内部透過率の記述が関する厚さを記述するに過ぎない。
特段記載されない限り、または当業者にとって明らかでない限り、本願で記載される測定は20℃且つ気圧101.3kPaで実施される。
本発明によるガラスの密度は好ましくは4.40g/cm3~5.30g/cm3、さらに好ましくは4.45g/cm3~5.20g/cm3、さらに好ましくは4.50g/cm3~5.10g/cm3の範囲である。いくつかの実施態様において、前記ガラスの密度は5.05g/cm3未満、好ましくは5.00g/cm3未満、好ましくは4.95g/cm3未満、好ましくは4.90g/cm3未満、好ましくは4.85g/cm3未満、好ましくは4.80g/cm3未満、好ましくは4.70g/cm3未満、好ましくは4.60g/cm3未満である。
屈折率の増加に伴ってガラスの密度が増加することが知られている。しかしながら本発明によるガラスは殊に、高い屈折率にも関わらず密度が比較的低いことも特徴とする。密度の屈折率ndに対する比は好ましくは2.10~2.60g/cm3、さらに好ましくは2.25~2.55g/cm3、さらに好ましくは2.30~2.50g/cm3の範囲である。密度と屈折率ndとの比は、密度値(g/cm3)を屈折率ndの値で除することによって求められる。特に好ましくは、密度の屈折率ndに対する比は2.60g/cm3未満、さらに好ましくは2.55g/cm3未満、さらに好ましくは2.50g/cm3未満、さらに好ましくは2.45g/cm3未満、さらに好ましくは2.40g/cm3未満、さらに好ましくは2.35g/cm3未満である。
本発明のガラスは好ましくは可視範囲において、殊に低い方の可視波長範囲においても、例えば420nmおよび/または460nmで高い透過率を有する。従って、高屈折率の特性にも関わらず、好ましくはUV端は比較的低い波長である。
好ましくは、前記ガラスの内部透過率TIは、波長420nmおよび試料厚10mmで測定して、少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも87.5%、さらに好ましくは少なくとも90%である。いくつかの実施態様において、ガラスの内部透過率TIは、波長420nmおよび試料厚10mmで測定して、最高99%、最高98%、最高95%、または最高92.5%である。
好ましくは、前記ガラスの内部透過率TIは、波長460nmおよび試料厚10mmで測定して、少なくとも63%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも87.5%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも91%、さらに好ましくは少なくとも92%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも94%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも96%、さらに好ましくは少なくとも97%である。いくつかの実施態様において、ガラスの内部透過率TIは、波長460nmおよび試料厚10mmで測定して、最高99.99%、最高99.9%、最高99%、または最高98%である。
ガラス転位温度Tgが非常に高い場合、後の冷却に長く時間がかかる。しかしながら、Tgは化学的耐久性および硬度についての尺度でもある(Tgが高いほどネットワークが安定であるので、ガラスはより硬く且つ化学的耐久性がより高くなる)。化学的耐久性が高いのは良いことなのだが、他方で高すぎる硬度は費用もかかり、なぜなら研削および研磨に長く時間がかかり、その際、それによって多すぎるマイクロクラックが発生しないように非常に入念に行わなければならないからである。従って、本発明によるガラスのガラス転位温度Tgは好ましくは650℃~800℃、さらに好ましくは680℃~760℃、さらに好ましくは690℃~750℃の範囲である。
粘度が101dPasである温度T1は、好ましくは1100℃~1250℃の範囲、さらに好ましくは1150℃~1200℃の範囲、または1100℃~1150℃の範囲、または1200℃~1250℃の範囲である。従って、本発明のガラス組成物は特に低い溶融温度を可能にする。
粘度が104dPasである温度T4は、好ましくは875℃~1025℃の範囲、さらに好ましくは925℃~975℃の範囲、または875℃~925℃の範囲、または975℃~1025℃の範囲である。
粘度が107.6dPasである軟化温度T7.6(英語の「softening temperature」)は、好ましくは750℃~900℃、さらに好ましくは800℃~850℃、または750℃~800℃、または850℃~900℃の範囲である。
結晶化温度TKは好ましくは1000℃~1200℃、さらに好ましくは1025℃~1175℃、さらに好ましくは1050℃~1150℃、または1025℃~1125℃、または1075℃~1175℃の範囲である。TKでの粘度は好ましくは10~100dPasの範囲である。
ガラスの粘度は例えばDIN ISO 7884-2:1998-2に準拠して、回転粘度計を用いて特定できる。粘度の温度依存性はVFT曲線(Vogel-Fulcher-Tammann式)を使用して求めることができる。軟化温度はISO 7884-2に準拠して曳糸粘度計を用いて求めることができる。
本発明のガラスは好ましくは、6.7~10.0ppm/K、さらに好ましくは7.0~9.7ppm/K、さらに好ましくは7.3~9.4ppm/K、さらに好ましくは7.6~9.1ppm/K、さらに好ましくは7.8~8.8ppm/K、さらに好ましくは7.9~8.6ppm/K、さらに好ましくは8.0~8.5ppm/Kの範囲である、温度範囲20℃~300℃での熱膨張係数(英語の「coefficient of thermal expansion (CTE)」)(CTE(20,300))を有する。CTEはコーティングと良好に合致すべきであり、ここで殊に非常に高いCTEは問題を引き起こすことが多く、なぜなら、ポリマーはこの範囲で線形のCTEの推移を有するのではなく、むしろさらに急峻に推移することが多いからである。ガラスが適合しないCTEを有する場合、クラックまたは層の剥離が生じることがある。とりわけ、この理由から、上記のCTE値が好ましい。
好ましくは、前記ガラスは質量%で以下の成分:
Figure 2024050502000005
を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計は12~21の範囲であり、且つ好ましくはSiO2の割合はB23の割合以上、好ましくはそれより多い。
さらに好ましくは、前記ガラスは質量%で以下の成分:
Figure 2024050502000006
を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計は13~20の範囲であり、且つ好ましくはSiO2の割合はB23の割合以上、好ましくはそれより多い。
本発明のガラスはSiO2を4~12質量%、好ましくは5~11質量%の割合で含有する。SiO2はガラス形成剤である。該酸化物は化学的耐久性に大きく寄与するが、加工温度も高める。それが非常に多くの量で用いられると、本発明による屈折率は達成できない。特に好ましくは、SiO2の割合は6.5~10.5質量%、さらに好ましくは7~10質量%、さらに好ましくは7.5~9.5質量%の範囲である。
23は低い溶融温度を達成するために特に適していることが判明した。ただし、殊に溶融槽の材料に対するその腐食性に基づき、B23の含有率は制限される。本発明のガラスはB23を4~11質量%、好ましくは4.5~10質量%、さらに好ましくは5~9質量%、さらに好ましくは5.5~8.5質量%の割合で含有する。
SiO2およびB23の質量割合の合計が非常に大きい場合、これは屈折率に悪影響を及ぼす。他方で、SiO2およびB23はネットワーク形成剤として必要とされるので、その割合は非常に小さくてはならない。従って、SiO2およびB23の質量割合の合計は少なくとも10質量%である。好ましくは、SiO2およびB23の質量割合の合計は11~22質量%、さらに好ましくは12~21質量%、さらに好ましくは13~20質量%、さらに好ましくは13.5~19質量%である。
いくつかの実施態様において、SiO2の質量割合はB23の質量割合よりも高く、なぜなら、SiO2によって、例えばB23の場合のように耐火材料への攻撃が起きないからである。ただし、B23は溶融挙動について有利である。SiO2の割合のB23の割合に対する質量比(SiO2/B23)は好ましくは0.85~2.0、好ましくは0.95~1.9、さらに好ましくは1.0~1.8、さらに好ましくは1.05~1.75の範囲である。好ましい実施態様において、SiO2の質量割合はB23の質量割合以上、特に好ましくはそれより多い。
SiO2の割合のB23の割合に対する質量を、溶融温度および溶融物の腐食性を適切に調整するために、有利に使用できる。
好ましくは、本発明によるガラスにおけるLa23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計は80質量%以下、好ましくは78質量%以下、さらに好ましくは76質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。好ましくはLa23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計は62質量%~80質量%の範囲である。いくつかの実施態様において、La23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計は68質量%~80質量%の範囲、好ましくは70~78質量%の範囲、特に好ましくは71~76質量である。他の実施態様において、La23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計は62~66質量%、好ましくは63~65質量%の範囲である。これらの成分の高い割合は、特に高い屈折率を達成するために有利である。ただし、結晶化傾向も高まることがあるので、その含有率を制限することが有利であることがある。
La23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計の、SiO2およびB23の割合の合計に対する質量比は好ましくは3.4~5.6、好ましくは3.8~5.5、特に好ましくは4.0~5.1の範囲である。
BaO、La23、Nb25、TiO2およびZrO2の割合の合計の、SiO2およびB23の割合の合計に対する質量比は好ましくは3.9~5.8、好ましくは4.0~5.7、特に好ましくは4.3~5.8の範囲である。
La23は30~52質量%未満の割合を有し、本発明によるガラスの主成分の1つである。La23はSiO2およびB23と共に密なガラスネットワークを形成し、そこにTiO2が挿入される。La23は安定であり、且つ酸化還元敏感ではなく、価格および入手可能性に関してGd23およびNb25より有利でもある。いくつかの実施態様において、La23の割合は35~51質量%、さらに好ましくは37~50質量%、特に好ましくは39.5~49質量%、さらに好ましくは40~48質量%、さらに好ましくは42~47質量%の範囲である。他の高屈折率成分を犠牲にしてLa23の割合を増加すると、これは屈折率に悪影響を及ぼす。さらに、非常に高い割合のLa23は結晶化傾向も高める。いくつかの実施態様において、La23の割合は30~35質量%、好ましくは30.5~33質量%の範囲である。
La23がNb25、TiO2およびZrO2よりも高い酸化還元安定性もしくは結晶化安定性であることに鑑み、本発明によるガラスのいくつかの実施態様において、La23の割合の、La23、TiO2、Nb25およびZrO2の割合の合計に対する所定の最小比を調整することが有利である。他方で、屈折率に関しては、La23の割合は高すぎるべきではない。ここで、La23の割合の、La23、TiO2、Nb25およびZrO2の割合の合計に対する質量比が0.42~0.65、好ましくは0.45~0.64、好ましくは0.47~0.63、特に好ましくは0.59~0.64の範囲であることが有利であると判明した。
本発明によるガラスはNb25を3~16質量%、好ましくは5~13質量%、特に好ましくは6.5~12.5質量%の割合で含有する。屈折率に大きく影響する以外に、Nb25はガラス密度にも良い影響を及ぼす。この成分を用いて密度を下げることができる。ただし、酸素損失およびより低い酸化数の形成、ひいては強い着色の傾向があることがある。
La23およびNb25の割合の合計は好ましくは35~65質量%、さらに好ましくは45~62質量%、さらに好ましくは48~60質量%の範囲である。いくつかの実施態様において、La23およびNb25の割合の合計は好ましくは35~45質量%、さらに好ましくは37~42質量%の範囲である。好ましくはLa23およびNb25の割合の合計は少なくとも50質量%、とりわけ特に好ましくは少なくとも57.5質量%である。
本発明のガラスはTiO2を10~25質量%、好ましくは12~24質量%の割合で含有する。いくつかの実施態様において、TiO2の割合は12~20質量%、さらに好ましくは13~19.5質量%、さらに好ましくは14~19質量%である。他の実施態様において、TiO2の割合は好ましくは19~25質量%、特に好ましくは21.5~24質量%である。TiO2は特に、高い屈折率に寄与し、且つ密度を比較的低く保つためにも役立つ。ただし、TiO2の割合を制限することが有利であり、なぜなら、それは核形成剤として結晶成長に寄与することがあり、これによって後の熱間加工、例えばプレスが困難になるからである。
ZrO2は、TiO2とは対照的に、より低い着色の酸化数を形成する傾向がない。ただし、ZrO2ではその溶解性および溶解する速度が制限される。高い割合のZrO2は不利であり、なぜなら、完全な溶解のためにより高い温度が必要になり、そのことは他方で透過率に悪影響を及ぼすからである。さらに、ZrO2の純度はあまり高くない(殊にFeでの汚染)。従って、ZrO2の含有率には上限が設けられる。本発明によるガラス中のZrO2の割合は5.5質量%未満、好ましくは5質量%未満、特に好ましくは4.5質量%未満、好ましくは3.5質量%未満である。好ましくはZrO2の割合は0.5~5質量%、さらに好ましくは0.5~4.5質量%、さらに好ましくは1.0~4.0質量%、さらに好ましくは1.5~3.5質量%である。可能性のある結晶成長を抑制するために、ZrO2に割合を制限することも有利である。いくつかの実施態様はZrO2不含である。
TiO2およびZrO2は特に、高い屈折率に寄与し、ここで殊にTiO2は比較的低い密度にも寄与する。他方で、TiO2およびZrO2の割合は殊に溶解性、核形成、および結晶化に関して大きすぎてもならない。TiO2およびZrO2の割合の合計は好ましくは14~30質量%、さらに好ましくは15~27.5質量%、さらに好ましくは17.5~22質量%の範囲である。いくつかの実施態様において、TiO2およびZrO2の割合の合計は少なくとも24質量%ですらある。
TiO2およびZrO2の割合の合計の、TiO2、ZrO2、Nb25、La23、Gd23およびY23の割合の合計に対する比が0.20~0.36、好ましくは0.21~0.27の範囲であることが有利であると判明した。
結晶化の傾向ゆえに、ガラス中のTiO2の可能な割合は制限される。さらに、TiO2は、そのTi(IV)として、青色の波長範囲においても吸収する一方で、Nb(V)はUVにおいて吸収する。ただし、還元されたNb25は、還元されたTiO2よりも可視範囲において明らかにより多くの吸収を引き起こす。これに対し、La23は安定であり、酸化還元敏感ではない。従って、一方では、TiO2の割合に上限を設け、完全に酸化された成分の場合にガラスのUV吸収が可視範囲にシフトしすぎないようにするが、他方ではTiO2の高いndの寄与および低い密度の寄与を利用することが有利である。La23およびNb25も高い屈折率に寄与し、網目を安定化し、且つそれらが酸化されたままである限り、UV透過率を高い範囲に保持する。結局、ZrO2、La23およびNb25の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比、および/またはZrO2、La23、Gd23およびY23の割合の合計の、TiO2およびNb25の割合の合計に対する質量比が目標通りに調整され、殊に下限を設けることが有利であると判明した。
La23、Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比((La23+Nb23+ZrO2)/TiO2)は本発明のガラスの場合、好ましくは1.5~5の範囲である。いくつかの実施態様において、La23、Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比((La23+Nb23+ZrO2)/TiO2)は好ましくは2~4.6、好ましくは2.5~4.4、特に好ましくは2.8~4.2の範囲である。他の実施態様において、La23、Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比((La23+Nb23+ZrO2)/TiO2)は好ましくは1.5~2.0、特に好ましくは1.7~1.9の範囲である。
ZrO2、La23、Gd23およびY23の割合の合計の、TiO2およびNb25の割合の合計に対する質量比は本発明のガラスの場合、好ましくは1.3~2.5の範囲である。いくつかの実施態様において、ZrO2、La23、Gd23およびY23の割合の合計の、TiO2およびNb25の割合の合計に対する質量比は好ましくは1.5~2.5、好ましくは1.6~2.4の範囲である。他の実施態様において、ZrO2、La23、Gd23およびY23の割合の合計の、TiO2およびNb25の割合の合計に対する質量比は好ましくは1.3~1.5の範囲である。
色、ndの寄与、密度の寄与および結晶化についての上述の考察から、TiO2およびNb25の割合の比を目標通りに調整することも有利である。これによって、SiO2の増減のみで屈折力の範囲を可変に調整可能であるように、組成を殊に安定して選択できる。
好ましくは、TiO2のNb25に対する質量比の、Nb25およびLa23の割合の合計に対する比は0.02~0.08、好ましくは0.03~0.07、特に好ましくは0.035~0.065の範囲である。
好ましくは、La23およびNb25の割合の合計の、TiO2およびZrO2の割合の合計に対する質量比は、1.3~3.5、好ましくは2.0~3.3、特に好ましくは2.3~2.1の範囲である。
Nb25およびZrO2の割合の合計は好ましくは7~17質量%、さらに好ましくは8~15質量%、さらに好ましくは9~16質量%の範囲である。殊にNb25およびZrO2の割合の合計の上限を設けることが有利であり、なぜなら、特に溶解が困難な成分としてのZrO2の割合が高いと、高い割合のNb25に関連して特に問題になり得るからである。なぜなら、Nb25は殊に界面、例えばZrO2核上で結晶化するからである。これによって、再プレス、下降または後冷却の際に、本体内でも制御されずに非常に大きな結晶が成長することがあり、注型品にクラックが生じることすらある。下降、および悪い場合は冷却の際にも、厚い結晶層が形成されるリスクもあり、破壊なくそれを除去することは極めて困難である。
従って、本発明のガラス組成は、最も多様な、場合により逆の作用のバランスに基づいている。非着色成分の割合を非常に高めすぎると、これはガラスの安定性に悪影響を及ぼすことがある。TiO2およびNb25の割合も好ましくは非常に高く、ここでも結晶化プロセスに注意しなければならない。TiO2は安価であり且つ屈折率に良い影響を及ぼすが、UV吸収に関しては不利である。従って、以下に記載されるさらなる合計および比がもたらされ、それは特に有利なガラスをみちびく。
好ましくはNb25およびZrO2の質量割合の合計は、TiO2の質量割合よりも小さい。特に好ましくは、Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比(Nb25+ZrO2)/TiO2は<1、好ましくは0.9未満、好ましくは0.8未満、好ましくは0.7未満であり、且つ好ましくは0.5~0.98、好ましくは0.6~0.95の範囲である。いくつかの実施態様において、Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比(Nb25+ZrO2)/TiO2は0.35~0.5の範囲である。
La23、TiO2およびBaOの割合の合計は好ましくは55~70質量%、好ましくは60~68質量%、特に好ましくは61~66質量%の範囲である。La23、TiO2およびBaOの割合の合計が相応して選択されると、比較的低い溶融温度での良好な溶融性並びに本発明による目標範囲の屈折率を有するガラスが得られる。
いくつかの実施態様において、La23、Nb25およびZrO2の質量割合の合計を目標通りに調整して、一方では、比較的低い溶融温度で、殊にZrO2の充分な溶融性を確実にし、且つ他方ではNb25の充分な酸化還元安定性を確実にすることが有利である。
相応して、有利な実施態様においてLa23、Nb25およびZrO2の割合の合計は好ましくは55~75質量%、さらに好ましくは57.5~72.5質量%、さらに好ましくは60~70質量%の範囲である。いくつかの実施態様において、La23、Nb25およびZrO2の割合の合計は少なくとも62.0質量%、または少なくとも64.0質量%ですらある。
好ましくは、TiO2の割合のZrO2の割合に対する質量比(TiO2/ZrO2)は少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.2である。いくつかの実施態様において、前記比は好ましくは少なくとも6、好ましくは少なくとも7、好ましくは少なくとも8、または少なくとも9ですらある。相応の質量比は、ZrO2の溶融の問題を回避するために有利であることが判明した。
好ましくは、BaOの割合のTiO2の割合に対する質量比(BaO/TiO2)は0.13~0.35、好ましくは0.16~0.33の範囲である。ここで、前記比の上限を設けることが有利であり、なぜなら、そうでなければ屈折率の望ましくない低下が生じかねないからである。他方で、上記の下限も下回るべきではなく、なぜなら、そうでなければガラス系におけるTiO2の充分な安定化がもはや確実にされ得ないからである。
本発明のガラスはGd23を14質量%未満、好ましくは3~12質量%、さらに好ましくは4~10質量%、好ましくは4.5~9質量%の割合で含有する。非常に高い割合のGd23はガラスの安定性に悪影響することがある。
本発明のガラスはY23を含有し得る。好ましくはY23の割合は0~5質量%、好ましくは0.1~2質量%、さらに好ましくは0.5~1.5質量%の範囲である。いくつかの実施態様はY23不含である。高い割合のY23はガラスの安定性に悪影響することがある。
本発明のガラスはBaOを含有し得る。BaOは溶融温度を下げることができ、これによって他のガラス構成要素、殊にTiO2およびNb25の酸化数の減少を防止または低減できる。従ってBaOは一方ではガラス中で高い割合のTiO2およびNb25を安定化することができる。しかしながら他方では、高いBaO含有率は屈折率に悪影響を及ぼすことがある。BaOの割合は0~10質量%未満、好ましくは0質量%超~9質量%、さらに好ましくは1~9質量%、特に好ましくは2~8.5質量%の範囲である。いくつかの実施態様においてBaOの割合は1~6.5質量%、好ましくは2~6質量%の範囲である。いくつかの実施態様においてBaOの割合は5~9.5質量%、好ましくは6~9質量%の範囲である。いくつかの実施態様はBaO不含である。
本発明のガラスは、殊に屈折率を高めるために、HfO2を含有し得る。好ましくはHfO2の割合は0~1質量%、例えば0.05~0.4質量%、または0.1~0.25質量%の範囲である。少ない割合のHfO2は通常、問題はない。それにも関わらず、いくつかの実施態様はHfO2不含である。
本発明のガラスはアルカリ金属酸化物、殊にLi2Oを含有し得る。しかしながら、好ましくは前記ガラスはアルカリ金属酸化物不含である。好ましくはLi2Oの割合は0~0.5質量%、例えば0.05~0.2質量%の範囲である。Li2Oはセラミックの槽およびるつぼ材料に対する腐食性が知られており、且つさらにガラスの曇りおよび不利な結晶形成をみちびくことがあるので、できるだけ用いられないか、または少量でしか用いられない。好ましくは前記ガラスはLi2O不含である。
本発明のガラスはZnOを含有し得る。好ましくはZnOの割合は2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、または0.5質量%以下である。ZnOはガラスの屈折力を低下させ、ガラスの物理的特性に悪影響することがある。従って、好ましくは前記ガラスはZnO不含である。
1つの実施態様において、前記ガラスは少なくとも95.0質量%、まで、殊に少なくとも98.0質量%まで、または少なくとも99.0質量%までが、SiO2、B23、La23、Gd23、Nb25、TiO2およびZrO2の成分から、または好ましくはSiO2、B23、La23、Gd23、Nb25、TiO2、ZrO2およびBaOの成分からなる。1つの実施態様において、前記ガラスは本質的に完全に、SiO2、B23、La23、Gd23、Nb25、TiO2、ZrO2およびHfO2の成分から、またはSiO2、B23、La23、Gd23、Nb25、TiO2、ZrO2、HfO2およびBaOの成分からなる。
好ましくは、本発明のガラスはMgO、CaOおよびSrOから選択される1つ以上の構成要素不含である。特に好ましくは前記ガラスはMgO、CaOおよびSrO不含である。これらの成分は屈折力を低下させ、ガラスを不安定化する。同じことがAl23に該当する。従って、好ましくは前記ガラスはAl23不含である。
好ましくは前記ガラスはWO3、Ta25および/またはGeO2の構成要素の1つ以上不含である。特に好ましくは前記ガラスはWO3、Ta25およびGeO2不含である。これらの構成要素が存在する場合、バッチコストが著しく増加する。さらにTa25およびWO3はガラスの密度を高める。
前記ガラス溶融物は従来の清澄剤を用いて清澄され得る。しかし、前記ガラスは殊に1300℃未満の温度で溶融されることができ、且つその低い粘性ゆえにむしろ中程度の温度での清澄も可能であるので、UV透過率のために例えばSb23、As23および/またはSnO2の含有率を下げるか(例えば<0.1質量%に)またはそれを避けることができる(純粋な物理的清澄)。Sb23、As23およびSnO2は清澄剤として用いられ得る。それらは少量でのみ使用される。殊にヒ素およびアンチモンは健康上の危険に基づき議論されている。前記ガラスを化学的な清澄剤を用いずに清澄することができる。任意に、前記ガラスは清澄作用を有する以下の成分の1つ以上を、質量%で記載される割合で有し得る:
Sb23 0.0~0.5
As23 0.0~0.5
SnO2 0.0~0.5。
SnO2を用いた清澄は比較的高い温度を必要とする。従って、好ましくはSnO2は避けられる。本発明のガラスは好ましくはSnO2不含である。
Sb23は清澄にあまり効果的ではないことが判明しており、ガラス中のSbの吸収がUV端を悪化することがある。従って、好ましくはSb23は避けられる。本発明のガラスは好ましくはSb23不含である。
As23は殊に健康上の危険に基づき避けられることがある。本発明のガラスは好ましくはAs23不含である。
本発明の実施態様においては硫酸塩を清澄剤として用いることができる。しかしながら硫酸塩原料は鉄をもたらすことが多く、それが透過率の悪化を伴いかねない。従って、好ましくは硫酸塩原料は避けられる。本発明のガラスは好ましくは硫酸塩不含である。
As23も硫酸塩もさらに、N2気泡に対しては役に立たない。N2気泡が発生する場合、その回避のために例えば不活性ガス雰囲気、特に好ましくはCO2またはアルゴンを用いて、N2を溶融物表面から遠ざけることができる。
本発明のガラスは好ましくは吸収成分不含、殊に可視範囲において吸収を有する成分不含である。特に好ましくは、本発明のガラスはFe23不含である。
好ましくは、前記ガラスはリン酸塩(P25)不含であり、なぜなら、それは溶融物を著しく還元させるので、溶融物の酸素の需要を著しく高めるからである。好ましくは、前記ガラスは本質的に、鉛、ビスマス、カドミウム、ニッケル、白金、ヒ素およびアンチモンから選択される1つ以上の構成要素、特に好ましくは全ての構成要素不含である。
本明細書において、ガラスが、ある成分不含である、または特定の成分を含有しないと述べられる場合、それはこの成分がガラス中に最大でも不純物として存在し得ることを意味する。これは、それらが本質的な量では添加されないことを意味する。本発明によれば、本質的でない量とは、200ppm未満、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、および最も好ましくは10ppm未満(m/m)の量である。
白金の割合は好ましくは特に低く、なぜなら白金がガラスの透過率を特に低下するからである。好ましくは白金の割合は5ppm未満、さらに好ましくは3ppm未満、さらに好ましくは1ppm未満、さらに好ましくは50ppb未満、さらに好ましくは20ppb未満である。
1つの態様において、本発明は上記のガラスを有するか、またはそれからなるガラス物品に関する。前記ガラス物品は、種々の形態を有し得る。任意に、前記物品は
・ 眼鏡ガラス、殊にウェハ積層体の眼鏡ガラス
・ ウェハ、殊に最大直径5.0cm~40.0cmを有するウェハ、
・ レンズ、殊に球面レンズ、プリズムまたは非球面レンズ、および/または
・ 光導波路、殊にファイバーまたはプレート
の形態を有する。
さらなる態様において、本発明は、AR眼鏡、ウェハレベル光学部品、光学ウェハ用途、または従来の光学部品における、本願内で記載されるガラスまたはガラス物品の使用に関する。代替的または追加的に、本願内で記載されるガラスまたは本願内で記載されるガラス物品を、ウェハ、レンズ、球面レンズまたは光導波路として用いることができる。
本発明は、本発明によるガラスまたはガラス物品の製造方法にも関する。前記方法は以下の段階:
・ ガラス原料を溶融する段階、
・ 任意に、ガラス溶融物からガラス物品を形成する段階、
・ ガラスを冷却する段階
を含む。
ガラス原料の溶融は、本発明によるガラス組成に基づき、比較的低い溶融温度で行うことができる。比較的低い溶融温度は、バッチの酸素含有率を低下させすぎないようにするために有利であり、そうでなければ、それはニオブによる茶色の着色または還元されたチタンによる強い黄色の着色をみちびくことがある。好ましくはガラス原料の溶融は1400℃未満、さらに好ましくは1350℃未満、さらに好ましくは1330℃未満の溶融温度で行われる。
本発明による製造方法は清澄段階も含み得る。好ましくは、清澄温度も比較的低く、殊に1550℃未満、さらに好ましくは1450℃未満、さらに好ましくは1400℃未満、さらに好ましくは1350℃未満である。純粋な物理的清澄、つまり清澄剤を添加しないことが好ましい。
好ましくは、清澄温度は溶融温度を100℃以下、好ましくは50℃以下だけ上回る。
好ましくはO2バブリングおよびO2移動は避けられる。好ましい低いプロセス温度に基づき、溶融物はO2を添加しなくても、UV端のために必要な、例えばNb(V)またはTi(IV)の最も高い酸化数を保持するために十分なO2を保持し、さらにPtがガラス中に入ることがない。
ガラスの冷却は好ましくは1K/時間~20K/時間、さらに好ましくは1.15K/時間~15K/時間、さらに好ましくは1.3K/時間~10K/時間の範囲の冷却速度で行われる。応力を低減または回避するために低い冷却速度が殊に有利である。
本発明によるガラスのTiO2およびNb25の質量割合の比をLa23およびNb25の質量割合の合計に対してプロットした図である。
以下の表に質量%で示される例示的な組成物を溶融し、その特性を調査した。
表1: 「高ランタンの変形形態」
Figure 2024050502000007
Figure 2024050502000008
例のガラスは高い屈折率で低い密度を有する。例1~8は、さらに高い内部透過率を有する。
図1に、本発明によるガラスのTiO2およびNb25の質量割合の比をLa23およびNb25の質量割合の合計に対してプロットする。本発明によるガラスは、記入された直線に沿った点として描かれており、高い屈折率で比較的低い密度を有する。ここで、TiO2のNb25に対する高い質量比を有し、従ってLa23およびNb25の質量割合の合計がより低いガラスは、TiO2のNb25に対する低い質量比を有するガラスよりもさらに低い密度を有することが該当する。それに応じて、描かれた直線は、同じ屈折率でそれぞれの用途にとって望ましい密度が得られるように、本発明によるガラスをTiO2、Nb25およびLa23のその含有率に関して修正することを可能にする。さらに同時に、それぞれの屈折率について定義されたTiO2のNb25に対する比を調整することが可能になる。これはガラスの透過率特性に影響を与えることがあり、なぜなら、TiO2含有率およびNb25含有率が増加すると、溶融物の酸素の需要が増加し、ガラスがより酸化還元敏感になるので、透過率が悪化し得るからである。要約すると、本発明によるガラスの密度および透過率を、それぞれの用途にとって最適化されたガラスが得られるように、目標範囲の屈折率について調整することができる。

Claims (11)

  1. 屈折率nd 1.95~2.05、および分散vd 22~35未満を有するガラスであって、質量%で以下の成分:
    SiO2 4~12
    23 4~11
    BaO <10
    La23 30~<52
    Gd23 <14
    ZrO2 <5.5
    TiO2 10~25
    Nb25 3~16
    ZnO ≦2.0
    を含み、ここでSiO2およびB23の質量割合の合計が少なくとも10質量%である、前記ガラス。
  2. 23の割合が0~5質量%、好ましくは0.1~2質量%、さらに好ましくは0.5~1.5質量である、請求項1に記載のガラス。
  3. La23、TiO2およびBaOの合計の割合が55~70質量%である、請求項1または2に記載のガラス。
  4. BaOの割合が0超~9質量%、好ましくは1~9質量%、特に好ましくは2~8.5質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のガラス。
  5. ZrO2の割合が0.5~5質量%、さらに好ましくは0.5~4.5質量%、さらに好ましくは1.0~4.0質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のガラス。
  6. ZnOの割合が1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である、請求項1から5までのいずれか1項に記載のガラス。
  7. SiO2の割合のB23の割合に対する質量比(SiO2/B23)が0.85~2.0、好ましくは0.95~1.9、さらに好ましくは1.0~1.8の範囲である、請求項1から6までのいずれか1項に記載のガラス。
  8. 前記ガラスが、波長460nmおよび試料厚10mmで測定して少なくとも80%の内部透過率TIを有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載のガラス。
  9. Nb25およびZrO2の割合の合計の、TiO2の割合に対する質量比が1未満、好ましくは0.9未満、好ましくは0.8未満、好ましくは0.7未満である、請求項1から8までのいずれか1項に記載のガラス。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のガラスを含むガラス物品であって、
    ・ 眼鏡ガラス、殊にウェハ積層体の形態での眼鏡ガラス
    ・ ウェハ、殊に最大直径5.0cm~40.0cmを有するウェハ、
    ・ レンズ、殊に球面レンズ、プリズムまたは非球面レンズ、および/または
    ・ 光導波路、殊にファイバーまたはプレート
    の形態である、前記物品。
  11. AR眼鏡、ウェハレベル光学部品、光学ウェハ用途、または従来の光学部品における、および/またはウェハ、レンズ、球面レンズまたは光導波路としての、請求項1から9までのいずれか1項に記載のガラスまたは請求項10に記載のガラス物品の使用。
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