JP2024050366A - 害虫捕獲用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の片方の面に捕虫用粘着層を有し、製造環境や製造装置の外部から侵入する、体長1mm弱から数十mmと多岐にわたる大きさの害虫を漏れなく捕獲することができる、害虫捕獲用粘着テープを提供する。【解決手段】基材の片方の面に捕虫用粘着層が形成され、もう一方の面には床や壁などへの貼り付け固定用粘着層が形成され、長手方向の少なくとも一方の縁部に沿って連続的に捕虫用粘着層が存在しない部分を3~20mmの幅で設けており、捕虫用粘着層が存在しない縁部の総厚み、すなわち固定用粘着層と基材を合わせた厚みを85μm以下とすることを特徴とする、害虫捕獲用粘着テープ。【選択図】図1
Description
本発明は基材の片方の面に捕虫用粘着層が形成、もう一方の面には床や壁などへの貼り付け固定用粘着層が形成され、極めて簡単な構成でありながら、外部から製造環境や製造装置に侵入しようとする、体長1mm弱から数十mmと多岐にわたる大きさの害虫を漏れなく捕獲することができる、害虫捕獲用粘着テープに関するものである。
製造業界や食品業界などで、近年ますます虫の混入事故が問題になってきている。ひとたび混入事故が発生すれば、テレビやラジオなどに加え、SNS等でその情報は瞬く間に拡散し、その結果、企業の評判は著しく失墜し、企業の経営自体を揺るがしかねない状況にもなりうる。
虫の混入を防ぐために、企業は工場や製造現場で様々な対策をしており、その中でも殺虫剤を散布したり、また捕虫器を設置したりする方法が主流である。殺虫剤はその効果は大きいが、それが持続しないこと、また、環境を汚染するなどの問題があり、特に製造設備の近辺では、枚葉の捕虫粘着シートや、粘着シートと光誘引器と組み合わせた捕虫器が用いられるケースが多い(特許文献1~2等参照)。
虫の混入を防ぐために、企業は工場や製造現場で様々な対策をしており、その中でも殺虫剤を散布したり、また捕虫器を設置したりする方法が主流である。殺虫剤はその効果は大きいが、それが持続しないこと、また、環境を汚染するなどの問題があり、特に製造設備の近辺では、枚葉の捕虫粘着シートや、粘着シートと光誘引器と組み合わせた捕虫器が用いられるケースが多い(特許文献1~2等参照)。
枚葉の捕虫粘着シートは、シート状の基材と、この基材上に形成された粘着剤組成物からなる粘着層とを備えたものであり、基材上に形成された粘着層にて捕獲するものである。
特許文献1~2のような従来の捕虫粘着シートや捕虫器は、局所への設置に限られるため、結果、害虫の発生状況を調査するモニタリング用としては有効なものの、外部から製造環境や製造装置への侵入経路に漏れなく設置することはできず、結果、外部からの害虫の侵入を防ぐには不十分であった。
また特許文献3のように、一部にはロール状の捕虫粘着テープも存在するが、10m程度と長尺ではなかったり、テープの幅が狭いために、トビムシなどの飛び跳ねる害虫が捕虫シートを飛び越えたり、ゴキブリのように歩行速度が速い害虫が捕虫シート上を通り過ぎたりして、製造環境や製造装置に侵入してしまうケースがあることが確認された。
また一般的な捕虫粘着シートは取り扱いのしやすさから、シート縁部の厚みは100μm以上で、また裏面には床や壁などに固定するための粘着層が設けられていないものも多いが、体長1mm前後のチャタテムシのような微小な歩行性害虫は、自身の体長に対して、シートの縁部の厚みがある一定以上の場合は、シート上に這い上がらないケースが多いことが確認された。また床や壁などに固定されていない場合、微小な歩行性害虫は、捕虫粘着シートと床や壁との隙間から、内部に侵入するケースがあることも確認された。すなわち従来の捕虫粘着シートでは、害虫を十分に捕獲できないことがあった。
また特許文献3のように、一部にはロール状の捕虫粘着テープも存在するが、10m程度と長尺ではなかったり、テープの幅が狭いために、トビムシなどの飛び跳ねる害虫が捕虫シートを飛び越えたり、ゴキブリのように歩行速度が速い害虫が捕虫シート上を通り過ぎたりして、製造環境や製造装置に侵入してしまうケースがあることが確認された。
また一般的な捕虫粘着シートは取り扱いのしやすさから、シート縁部の厚みは100μm以上で、また裏面には床や壁などに固定するための粘着層が設けられていないものも多いが、体長1mm前後のチャタテムシのような微小な歩行性害虫は、自身の体長に対して、シートの縁部の厚みがある一定以上の場合は、シート上に這い上がらないケースが多いことが確認された。また床や壁などに固定されていない場合、微小な歩行性害虫は、捕虫粘着シートと床や壁との隙間から、内部に侵入するケースがあることも確認された。すなわち従来の捕虫粘着シートでは、害虫を十分に捕獲できないことがあった。
したがって、本発明の目的は、上に記した従来技術の種々の課題を解決し、その構造が極めて簡単で、外部から製造環境や製造装置に侵入しようとする、体長1mm弱から数十mmと多岐にわたる大きさの害虫を漏れなく捕獲することができる、害虫捕獲用粘着テープを提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、基材の片方の面に捕虫用粘着層が形成され、もう一方の面には床や壁などへの貼り付け固定用粘着層が形成され、長手方向の少なくとも一方の縁部に沿って連続的に捕虫用粘着層が存在しない部分を3~20mmの幅で設けており、捕虫用粘着層が存在しない縁部の総厚み、すなわち固定用粘着層と基材を合わせた厚みを85μm以下とすることを特徴とする、害虫捕獲用粘着テープを提供する。
[サイズ]
[サイズ]
本発明の粘着テープは枚葉ではなく、長手方向の長さが1m~200mあり、プラスチック製の巻芯にロール状に捲回されており、設置する場所に合わせて必要な長さを繰り出し、基材の幅方向に切断して使用される。例えば製造設備の周りを囲うように、床や壁周りを全周にわたり、本発明の害虫捕獲用粘着テープを貼ることで、害虫の侵入経路を隙間なく塞ぐことができる。
設置検証の結果、飛び跳ねる習性を持つトビムシが、テープ縁部から最長で70mm飛ぶことが確認された。また一般的な環境で見かける、歩行速度が速い虫であるゴキブリは、テープ幅が40mmの場合、テープ上を通り過ぎてしまうことがあることが確認された。以上の結果より、本発明のテープの幅は80mm以上とし、また床や壁などへの貼り付け固定の作業性や持ち運びの際の重量を考慮し、200mm以下とする。
[基材]
[基材]
本発明の粘着テープを構成する基材としては、従来公知のプラスチックのフィルムを使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂製、ポリエステル樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、ポリエチレン樹脂製、ポリアミド樹脂製(ナイロン:登録商標)のフィルムなどが好ましい。なお、発塵の観点から、紙製基材の使用は避ける。
基材の厚みは、本発明の粘着テープの製造や設置のしやすさから、通常20μm以上で、かつ床や壁との固定側の粘着層との合計厚みが85μmを超えないようにする。より好ましくは25~70μmである。
[捕虫用粘着層]
[捕虫用粘着層]
捕虫用粘着層を形成するための粘着剤は特に限定されず、アクリル系、ゴム系、ホットメルト系、エマルジョン系、シリコン系等の粘着剤をいずれも使用でき、先に挙げた従来技術で捕虫用粘着層の形成に使用されているような、粘着層上に止まった害虫を捕獲し易い、粘稠な状態が持続する粘着剤を適宜に使用することができる。
捕虫用粘着層には、衛生管理が厳しい食品や医薬品などの製造環境で作られる製品の安全性に悪影響を与えることや、虫を誘引することによる、製品への混入を防ぐために、防虫剤、殺虫剤、忌避剤、誘引剤は含まないこととする。
また捕虫性能の経時変化や臭気を防ぐために、テープ製造過程において、水分や溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。尚、粘着剤を塗布する際に、溶剤に溶解させても良いが、塗布後は十分に乾燥させ、粘着層の溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。
また捕虫性能の経時変化や臭気を防ぐために、テープ製造過程において、水分や溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。尚、粘着剤を塗布する際に、溶剤に溶解させても良いが、塗布後は十分に乾燥させ、粘着層の溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。
捕虫用粘着層はクリーンルームにおける単独の使用により、アメリカ連邦規格クラス10000以上の清浄度が得られる設計とする。例えば粉体などの発塵する成分は含有しないこととする。
捕虫用粘着層は、様々な大きさ、形状、移動速度の害虫を安定して捕獲するために、JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタック試験法(傾斜角度30°)で測定されるボールナンバーが8以上とする。このボールタック試験法のナンバーは、粘着層の瞬間的な粘着性の指針となる値であり、この値が低いものは害虫が瞬間的に接触したとしても、捕獲できずに逃げられてしまうことが多かった。
捕虫用粘着層を形成するために、粘着剤を基材に塗布する方法としては、特に制限はなく、従来公知の塗布装置が使用可能であり、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等の塗布装置による方法が挙げられる。また、別の方法として、後述する捕虫用粘着面側離型紙の剥離処理面に、前記の塗布装置を使用し、粘着剤を塗布して、粘着層を形成したのち、この粘着層上に基材を貼り合わせる方法を用いることもできる。
粘着層の厚みは、捕虫性能を保ちつつも、壁などに設置した際の経時での粘着層の糊流れによる設置下部への糊の付着を防ぐために、15~50μmとするのが好ましい。
粘着層の厚みは、捕虫性能を保ちつつも、壁などに設置した際の経時での粘着層の糊流れによる設置下部への糊の付着を防ぐために、15~50μmとするのが好ましい。
捕虫用粘着層形成の際には、長手方向の少なくとも一方の縁部に沿って連続的に3~20mmの幅を未塗布にすることで、粘着層が形成されていない部分を設ける。
この縁部は捕虫用粘着層がないことで、固定用粘着層と基材のみとし、基材と固定用粘着層を合わせた厚みを85μm以下とすることで、微小な歩行性害虫を這い上がりやすくし、捕虫性能を飛躍的に高めることができる。
尚、本発明の害虫捕獲用粘着テープは、この捕虫用粘着層がない側の縁部が、製造環境や製造設備の外側に向くように設置する。
尚、テープ端面からの糊の染み出しによる、手や設置周辺への糊の付着を防ぎ、テープを固定する向きを注意する必要がないことから、長手方向の両側の縁部を未塗布にすることがより好ましい。
[捕虫用粘着層側離型紙]
この縁部は捕虫用粘着層がないことで、固定用粘着層と基材のみとし、基材と固定用粘着層を合わせた厚みを85μm以下とすることで、微小な歩行性害虫を這い上がりやすくし、捕虫性能を飛躍的に高めることができる。
尚、本発明の害虫捕獲用粘着テープは、この捕虫用粘着層がない側の縁部が、製造環境や製造設備の外側に向くように設置する。
尚、テープ端面からの糊の染み出しによる、手や設置周辺への糊の付着を防ぎ、テープを固定する向きを注意する必要がないことから、長手方向の両側の縁部を未塗布にすることがより好ましい。
[捕虫用粘着層側離型紙]
本発明で使用する捕虫用粘着層は、離型紙を積層した構成として、使用時に離型紙を剥がして捕虫用粘着層を露出させる構成とする。このように構成することで、本発明の害虫捕獲用粘着テープを床や壁に貼り付け作業の際に、捕虫用粘着層が手に付着するのを効果的に防止できる。
本発明で使用する捕虫用粘着層側離型紙としては、少なくとも一方の面に剥離性処理をした、プラスチック製のフィルムを用いることができる。プラスチック製のフィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂製、ポリエステル樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、ポリエチレン樹脂製、ポリアミド樹脂製(ナイロン:登録商標)のものが挙げられる。離型紙の厚みは、剥し易さなどを考慮すると、20μm~200μm程度とすることが好ましい。なお、発塵する紙製離型紙の使用は避ける。
使用する離型紙は捕虫用の粘着層と接する表面が平滑であり、具体的には表面粗さRaが0.1μm以下とする。凹凸が大きい場合、離型紙を剥離した際に捕虫用粘着層に形状が転写し、面が荒れるため、特に捕獲した微小な害虫の視認が非常に困難になる。
離型紙を捕虫用粘着層から剥がす際、剥離が重いと、固定用粘着層が貼り付け固定する床や壁などから浮いたり、剥がれたりしてしまうことがある。そこで具体的には、捕虫用粘着層に対する剥離紙の剥離力が0.05N/cm以下とする。
[固定用粘着層]
[固定用粘着層]
本発明の害虫捕獲用粘着テープは捕虫用粘着層が形成された面の、もう一方の面には、床や壁などに貼り付け固定するための粘着層を基材の全面、すなわち全幅全長にわたって設ける。床や壁などに固定されていない場合、またテープの一部分のみ固定する場合、微小な歩行性害虫が、捕虫テープと床や壁との隙間から、内部に侵入するケースがあることが確認された。
固定用粘着層には、床や壁などへの固定作業時の空気抜け性に優れ、かつ、再剥離性があり、床や壁などから剥離する際の糊残りを防ぐために、ウレタン系粘着剤を使用する。比較評価した他社製捕虫用粘着テープは、固定用粘着層にアクリル粘着を使用していたが、設置1ヶ月経過後にエポキシ樹脂製の床面から粘着テープを剥がす際に、糊残りが発生した。
尚、固定用粘着層には、捕虫用粘着剤と同様に、製品の安全性に悪影響を与えることや、虫を誘引することによる、製品への混入を防ぐために、防虫剤、殺虫剤、忌避剤、誘引剤は含まないこととする。
また捕虫性能の経時変化や臭気を防ぐために、テープ製造過程において、水分や溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。尚、粘着剤を塗布する際に、溶剤に溶解させても良いが、塗布後は十分に乾燥させ、粘着層の溶剤の残留は極力抑えることが好ましい。
また捕虫性能の経時変化や臭気を防ぐために、テープ製造過程において、水分や溶剤の残留を極力抑えることが好ましい。尚、粘着剤を塗布する際に、溶剤に溶解させても良いが、塗布後は十分に乾燥させ、粘着層の溶剤の残留は極力抑えることが好ましい。
固定用粘着層も捕虫用粘着層同様に、クリーンルームにおける単独の使用により、アメリカ連邦規格クラス10000以上の清浄度が得られる設計とする。例えば粉体などの発塵する成分は含有しないこととする。
様々な形状や素材の床や壁に貼り付けるため、また捕虫用粘着層に積層された離型紙を剥がす際に粘着テープ自体が剥がれないようにするために、粘着層のSUSに対する180°引き剥がし粘着力(JIS Z0237に準拠)は0.2N/cm以上とする。
再剥離用の一般的な粘着剤では、粘着力は0.1N/cm以下が多いが、例えばエポキシ樹脂製の床面には貼れるものの、粗面塗装処理された壁面に貼り付けた際に、すぐに落下してしまうことがあった。
再剥離用の一般的な粘着剤では、粘着力は0.1N/cm以下が多いが、例えばエポキシ樹脂製の床面には貼れるものの、粗面塗装処理された壁面に貼り付けた際に、すぐに落下してしまうことがあった。
固定用粘着層を形成するために、基材に塗布する方法としては、特に制限はなく、従来公知の塗布装置が使用可能であり、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等の塗布装置による方法が挙げられる。また、別の方法として、後述する固定粘着層離型紙の剥離処理面に、前記の塗布装置を使用し、粘着剤を塗布して、粘着層を形成したのち、この粘着層上に基材を貼り合わせる方法を用いることもできる。
固定用粘着層の厚みは、特に制限はないが、基材と合わせた厚みが85μmを超えてはならない。また固定面との接着力を出すために、15~60μmとするのが好ましい。
[固定用粘着層側離型紙]
固定用粘着層の厚みは、特に制限はないが、基材と合わせた厚みが85μmを超えてはならない。また固定面との接着力を出すために、15~60μmとするのが好ましい。
[固定用粘着層側離型紙]
固定用粘着層には、離型紙を積層した構成として、使用時に離型紙を剥がして固定用粘着層を露出させる構成の製品とすることが好ましい。このように構成することで、本発明の害虫捕獲用粘着テープの貼り付け作業をしやすくする。
本発明で使用する固定粘着層側離型紙としては、少なくとも一方の面に剥離性処理をした、プラスチック製のフィルムを用いることができる。プラスチック製のフィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂製、ポリエステル樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、ポリエチレン樹脂製、ポリアミド樹脂製(ナイロン:登録商標)のものが挙げられる。離型紙の厚みは、剥し易さなどを考慮すると、20μm~200μm程度とすることが好ましい。なお、発塵する紙製離型紙の使用は避ける。
尚、捕虫用粘着層側離型紙の両面に剥離処理をすることで、固定用粘着剤側離型紙は積層せず、捕虫用粘着層側離型紙の上に重ねて巻いてもかまわない。
[テープ用巻芯]
尚、捕虫用粘着層側離型紙の両面に剥離処理をすることで、固定用粘着剤側離型紙は積層せず、捕虫用粘着層側離型紙の上に重ねて巻いてもかまわない。
[テープ用巻芯]
長尺の製品を巻き回す巻芯としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン:登録商標)等からなるプラスチック製の巻芯を使用することができる。例えば紙製などの発塵する巻芯は使用しない。
使用する巻芯のサイズは、粘着テープの幅に応じて長さや直径を決定すればよい。
使用する巻芯のサイズは、粘着テープの幅に応じて長さや直径を決定すればよい。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例で得られた粘着テープの性能を以下に示す方法に従って評価した。
(1)傾斜式ボールタック
捕虫用粘着層の粘着力は、JIS Z0237に準拠したボールタック試験(傾斜角度30°)により評価した。より具体的には、試験片を幅15mm×長さ300mmに切断した後、温度23℃の環境下において、傾斜角が30°である傾斜台に、固定用粘着層側離型紙を剥がして貼り付け固定後、捕虫用粘着層側離型紙を剥がした。
次に、JIS Z0237に記載の方法に従い、ステンレス製のボールを捕虫用粘着層上で転がした。粘着層上で停止するボールのうち、最大のボールのナンバーの値をボールナンバーとした。
(2)捕虫性能
試験片を幅100mm×長さ200mmに切断した後、クリーンルーム内の3地点において、地点ごとに実施例1~4及び比較例1~6を、固定用粘着層側離型紙を剥がし、床に一直線上に並べて貼り付け固定した。その後、捕虫用粘着層側の離型紙を剥がし、26日間にかけて捕獲された、チャタテムシの捕虫数を目視によりカウントした。
(1)傾斜式ボールタック
捕虫用粘着層の粘着力は、JIS Z0237に準拠したボールタック試験(傾斜角度30°)により評価した。より具体的には、試験片を幅15mm×長さ300mmに切断した後、温度23℃の環境下において、傾斜角が30°である傾斜台に、固定用粘着層側離型紙を剥がして貼り付け固定後、捕虫用粘着層側離型紙を剥がした。
次に、JIS Z0237に記載の方法に従い、ステンレス製のボールを捕虫用粘着層上で転がした。粘着層上で停止するボールのうち、最大のボールのナンバーの値をボールナンバーとした。
(2)捕虫性能
試験片を幅100mm×長さ200mmに切断した後、クリーンルーム内の3地点において、地点ごとに実施例1~4及び比較例1~6を、固定用粘着層側離型紙を剥がし、床に一直線上に並べて貼り付け固定した。その後、捕虫用粘着層側の離型紙を剥がし、26日間にかけて捕獲された、チャタテムシの捕虫数を目視によりカウントした。
実施例1
基材には厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、片方の面には捕虫用粘着層として、ポリイソブチレン(A)粘着剤を33μm積層し、その上から捕虫用粘着層側離型紙として、離型性を付与した厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせた。捕虫用粘着層積層の際、テープの長手方向の縁は5mm幅を未塗布とした。基材のもう一方の面には、固定用粘着層として、ウレタン系粘着剤を20μm積層し、その上に固定用粘着層側離型紙として、離型性を付与した厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例2
実施例1において、厚み50μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例3
実施例1において、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例4
実施例1において、厚み50μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
基材には厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、片方の面には捕虫用粘着層として、ポリイソブチレン(A)粘着剤を33μm積層し、その上から捕虫用粘着層側離型紙として、離型性を付与した厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせた。捕虫用粘着層積層の際、テープの長手方向の縁は5mm幅を未塗布とした。基材のもう一方の面には、固定用粘着層として、ウレタン系粘着剤を20μm積層し、その上に固定用粘着層側離型紙として、離型性を付与した厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例2
実施例1において、厚み50μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例3
実施例1において、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例4
実施例1において、厚み50μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例1
実施例1において、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例2
実施例1において、厚み50μmのPETフィルムを用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例3
実施例1において、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例4
実施例1において、厚み50μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例5
実施例1において、厚み150μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(C)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例6
実施例1において、捕虫用粘着層にアクリル系強粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
実施例1において、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例2
実施例1において、厚み50μmのPETフィルムを用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例3
実施例1において、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例4
実施例1において、厚み50μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(B)粘着剤を用い、長手方向縁部に未塗布部分を形成しなかった以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例5
実施例1において、厚み150μmのPETフィルム、捕虫用粘着層にポリイソブチレン(C)粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
比較例6
実施例1において、捕虫用粘着層にアクリル系強粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様に実施して粘着テープを作製して、捕虫性能評価を行った。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、縁部の合計厚みが85μm以下である本発明の害虫捕獲用粘着テープ(実施例1~4)は、チャタテムシの捕虫性能が高いのに対し、縁部の合計厚みが85μmを超えている比較例1~6の粘着テープは、チャタテムシの捕虫性能は不十分であるとの結果であった。
本発明の害虫捕獲用粘着テープは、体長1mm弱から数十mmと多岐にわたる大きさの害虫を漏れなく捕獲することができるものであり、防虫剤、殺虫剤、忌避剤、誘引剤を含有しておらず、発塵しないことから、衛生管理が厳しい食品や医薬品などの製造現場において、外部から侵入する害虫を捕獲駆除するための害虫捕獲用粘着テープとして好的に用いることができる。
Claims (8)
- 基材の片方の面に捕虫用粘着層が形成され、もう一方の面には床や壁などへの貼り付け固定用粘着層が形成され、長手方向の少なくとも一方の縁部に沿って連続的に捕虫用粘着層が存在しない部分を3~20mmの幅で設けており、捕虫用粘着層が存在しない縁部の総厚み、すなわち貼り付け固定用粘着層と基材を合わせた厚みを85μm以下とすることを特徴とする、害虫捕獲用粘着テープ。
- 粘着テープの幅が80mm~200mm及び長手方向の長さが1m~200mのロール状に捲回されている、請求項1に記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- 貼り付け固定用粘着層は、基材の全面、すなわち全幅全長にわたって形成され、粘着力が0.2N/cm以上である、請求項1又は2に記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- 貼り付け固定用粘着層にはウレタン系粘着剤を使用した、請求項1~3のいずれかに記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- 捕虫用粘着層は、JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタック試験法(傾斜角度30°)で測定されるボールナンバーが8以上である、請求項1~4のいずれかに記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- 捕虫用粘着層の上には離型紙が積層されており、捕虫用粘着層と接する面の表面粗さがRa=0.1μm以下及び捕虫用の粘着層からの剥離力が0.05N/cm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- 捕虫用粘着層及び貼り付け固定用粘着層には、防虫剤、殺虫剤、忌避剤、誘引剤を含まない、請求項1~6のいずれかに記載の害虫捕獲用粘着テープ。
- クリーンルームにおける単独の使用により、アメリカ連邦規格クラス10000以上の清浄度が得られる、請求項1~7のいずれかに記載の害虫捕獲用粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022167207A JP2024050366A (ja) | 2022-09-29 | 2022-09-29 | 害虫捕獲用粘着テープ |
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JP2022167207A Pending JP2024050366A (ja) | 2022-09-29 | 2022-09-29 | 害虫捕獲用粘着テープ |
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2022
- 2022-09-29 JP JP2022167207A patent/JP2024050366A/ja active Pending
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