JP2024049715A - 圧縮機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】より多様なモードの劣化や欠陥を検出可能な圧縮機システムを提供する。【解決手段】圧縮機システムは、ロータ、および該ロータを覆うことで圧縮する流体の流路を形成するステータを備える圧縮機と、流路と連通する収容空間に配置された犠牲部材と、を備え、犠牲部材は、収容空間に配置されて、流体の圧力の変化によってひずむ測定対象部位を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、圧縮機システムに関する。
遠心圧縮機などのターボ機械の分野では、ロータやステータを形成する材料が作動流体にさらされることにより劣化する場合がある。この材料の劣化の例として、例えば、作動流体の成分に起因する脆化や腐食などが挙げられる。
例えば、特許文献1には、経時的な電気抵抗の増加を検出可能な多電極複合センサ(CMAS)プローブを作動流体にさらされるように圧縮機の内部に配置することで、材料の侵食・腐食の具合を測定しながら監視する方法が開示されている。
特開2019-82165号公報
ところで、高速回転する圧縮機のロータには、遠心力に起因する応力が作用し、ステータよりも作用する応力が大きいため、ステータと比較して脆化や腐食などの劣化が進行しやすい。そのため、ロータでは、この応力が腐食とあいまって、例えば応力腐食割れなどの欠陥が発生する場合がある。したがって、より多様なモードの劣化や欠陥を検出することができる技術が要求される。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、より多様なモードの劣化や欠陥を検出可能な圧縮機システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る圧縮機システムは、ロータ、および該ロータを覆うことで圧縮する流体の流路を形成するステータを備える圧縮機と、前記流路と連通する収容空間に配置された犠牲部材と、を備え、前記犠牲部材は、前記収容空間に配置されて、前記流体の圧力の変化によってひずむ測定対象部位を有する。
本開示によれば、より多様なモードの劣化や欠陥を検出可能な圧縮機システムを提供することができる。
本開示の第1実施形態から第3実施形態に係る圧縮機システムの概略構成を示した図である。 図1の要部を拡大したものであり、本開示の第1実施形態に係る犠牲部材の構成を説明するための図である。 図1の要部を拡大したものであり、本開示の第2実施形態に係る犠牲部材の構成を説明するための図である。 図1の要部を拡大したものであり、本開示の第3実施形態に係る犠牲部材の構成を説明するための図である。 本開示の第4実施形態に係る圧縮機システムの概略構成を示した図である。 本開示の第5実施形態に係る圧縮機システムの概略構成を示した図である。 図6の要部を拡大したものであり、本開示の第5実施形態に係る犠牲部材、および点検用蓋の構成を説明するための図である。 本開示の第6実施形態に係る犠牲部材、および点検用蓋の構成を説明するための図であり、図7で示した部分に対応した図である。 本開示の第7実施形態に係る犠牲部材、および点検用蓋の構成を説明するための図である。 本開示のその他の実施形態に係る圧縮機システムの概略構成を示した図である。 本開示のその他の実施形態に係る圧縮機システムの概略構成を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本開示による圧縮機システムを実施するための形態を説明する。
<第1実施形態>
[圧縮機システム]
圧縮機システムは、プラント内で稼働する圧縮機の劣化や欠陥を検出するためのシステムである。本実施形態における圧縮機システムは、圧縮機のロータの劣化や欠陥を検出する。
図1に示すように、圧縮機システム1は、圧縮機10と、犠牲部材20と、ひずみゲージ30と、点検用蓋40とを備えている。
(圧縮機)
圧縮機10は、例えば、化学プラント内における建屋などの内部に配置されている。圧縮機10は、この建屋内部の大気環境下に配置されている。圧縮機10は、例えば、化学プラント内で発生するプロセスガスを作動流体として圧縮するとともに、圧縮したプロセスガスを化学プラント内に配置されている反応用装置(図示省略)などに供給する。
本実施形態における圧縮機10は、水素ガス(H)をプロセスガスとして圧縮する一軸多段式の遠心圧縮機(多段遠心圧縮機)である。以下、説明の便宜上、圧縮機10が圧縮の対象とするプロセスガスを単に「ガスG」と称する。
圧縮機10は、ロータ11と、ステータ12と、軸受部13と、シール部14とを備えている。
(ロータ)
ロータ11は、圧縮機10が駆動された際に回転する圧縮機10の一部分である。
ロータ11は、回転軸110と、インペラ111とを有している。
回転軸110は、水平方向に沿った一方向に延びる仮想的な軸線Arを中心とした円柱状に形成されている。本実施形態では、説明の便宜上、この軸線Arが延びる方向を「軸線方向Da」と称する。また、この軸線方向Daの両側のうち、一方の側(図1における左側)を単に「一方側Dal」と称し、その反対(図1における右側)を「他方側Dar」と称する。
また、軸線Arを中心に延びるこの回転軸110の周方向を単に「周方向Dc」と称する。さらに、軸線Arに対して垂直な方向を「径方向」と称する。本実施形態における回転軸110は、例えば、金属材料によって形成されている。
インペラ111は、回転軸110の外周面110sにこの回転軸110と一体に取り付けられており、軸線方向Daに間隔をあけて複数段が配置されている。本実施形態では、5段のインペラ111が軸線方向Daに間隔をあけて配置されている場合を一例として示している。
以下、説明の便宜上、複数のインペラ111のうち最も一方側Dalに配置されたインペラ111を「最前段インペラ111f」と称し、複数のインペラ111のうち最も他方側Darに配置された配置されたインペラ111を「最後段インペラ111e」と称する。
各段のインペラ111は、回転軸110と共に軸線Ar回りに回転することで発生する遠心力を利用して、一方側Dalからインペラ111の内部に流入したガスGを圧縮するとともに径方向の外側に向かって圧送する。したがって、各段のインペラ111は、ガスGにさらされている。
各インペラ111は、ディスク111aと、ブレード111bと、カバー111cとを有している。本実施形態におけるインペラ111は、いわゆるクローズドインペラである。インペラ111は、例えば、金属材料によって形成されている。
ディスク111aは、回転軸110に取り付けられた際、軸線Arを中心にして他方側Darに向かうにしたがって漸次に拡大する円筒状に形成されている。したがって、ディスク111aには、他方側Darに向かうにしたがって一方側Dalを向く側面(符号の図示省略)が形成されている。また、ディスク111aは、このディスク111aの内周面(符号の図示省略)が回転軸110の外周面110sに嵌り込むことによって、回転軸110に一体に固定されている。
ブレード111bは、ディスク111aにおける上記側面と一体に形成されている。ブレード111bは、複数が周方向Dcに等間隔に並ぶように配置されている。ブレード111bは、例えば、他方側Darに向かうにしたがって回転軸110の回転方向Drにねじれるように広がっている。
なお、本実施形態における回転軸110の回転方向Drは、一方側Dalから回転軸110を見た時に、この回転軸110が時計回りに回る方向である。
カバー111cは、ディスク111aと共にブレード111bを軸線方向Daに挟んだ状態でディスク111aに一方側Dalから対向している。カバー111cは、他方側Darに向かうにしたがって漸次に拡大する円筒状に形成されている。
カバー111cは、ブレード111bと一体に形成されている。このカバー111cがブレード111bと一体に形成されることで、カバー111cとディスク111aとの間には、ブレード111bによってガスGが圧縮される圧縮流路111pが画定されている。
(ステータ)
ステータ12は、圧縮機10が駆動された際に静止している圧縮機10の一部分である。ステータ12は、ロータ11を径方向の外側から覆っている。
ステータ12は、ケーシング120と、ダイアフラム121と、入口ノズル122と、出口ノズル123とを有している。
ケーシング120は、圧縮機10の外殻であり、圧縮機10を構成する各種装置を収容している。本実施形態におけるケーシング120は、例えば、軸線方向Daに延びた状態で両端が閉塞された筒状に形成されている。ケーシング120における圧縮機10の外部に面する外面120sは、大気にさらされている。ケーシング120は、例えば、金属材料によって形成されている。
ケーシング120には、このケーシング120の外側から内側に向かってガスGが流入させるためのケーシング入口流路120aと、ケーシング120の内側から外側に向かってガスGが流出させるためのケーシング出口流路120bとが形成されている。
これらケーシング入口流路120aおよびケーシング出口流路120bは、ケーシング120の外壁を貫通するように形成されている。また、ケーシング入口流路120aとケーシング出口流路120bとは、軸線方向Daに互いに離間して配置されている。具体的には、ケーシング入口流路120aは、ケーシング出口流路120bよりも一方側Dalに配置されている。
ダイアフラム121は、ロータ11のインペラ111を径方向の外側から覆った状態、かつ回転軸110の外周面110sと隙間をあけた状態で回転軸110を外周側から覆うように配置されている。ダイアフラム121は、軸線Arを中心に延びる円筒状に形成されている。
ダイアフラム121は、ケーシング120に収容されており、ケーシング120の内面120iにこのケーシング120と一体に固定されている。ダイアフラム121は、例えば、ボルトなどの締結部材(図示省略)によってケーシング120の内面120iに固定されている。ダイアフラム121は、例えば、金属材料によって形成されている。
ダイアフラム121は、回転軸110の外周面110sに対向する内周面としての対向面121sを内側に有している。また、ダイアフラム121には、この対向面121sから径方向の外側に凹み、インペラ111を内側に収容するための収容凹部121rが形成されている。収容凹部121rは、インペラ111の数と同一の数が軸線方向Daに並んで配置されている。
ダイアフラム121には、ガスGが流れる複数の流路が形成されている。具体的に説明すると、ダイアフラム121には、最前段インペラ111fの圧縮流路111pにガスGを流入(吸入)させるための第1流路121aと、最後段インペラ111eの圧縮流路111pからガスGを流出(吐出)させるための第2流路121bと、これら第1流路121aと第2流路121bとの間で隣り合うインペラ111の圧縮流路111p同士を互いに接続する複数の中間流路121cとが形成されている。
第1流路121aは、ダイアフラム121に形成された複数の流路のうち最も一方側Dalに配置された流路である。第1流路121aは、例えば、軸線Arを中心とした環状の空間として形成されている。
第1流路121aは、ケーシング入口流路120aにケーシング120の内側(径方向の内側)から接続されている。また、第1流路121aは、最前段インペラ111fの圧縮流路111pに一方側Dalから接続されている。
第2流路121bは、ダイアフラム121に形成された複数の流路のうち最も他方側Darに配置された流路である。第2流路121bは、例えば、軸線Arを中心とした環状の空間として形成されている。
第2流路121bは、最後段インペラ111eの圧縮流路111pに他方側Darから接続されている。また、第2流路121bは、ケーシング出口流路120bにケーシング120の内側(径方向の内側)から接続されている。
複数の中間流路121cは、これら第1流路121aおよび第2流路121bの間で間隔をあけた状態で軸線方向Daに並ぶように配置されている。各中間流路121cは、一方側Dalに配置されたインペラ111の圧縮流路111pで圧縮されたガスGをこのインペラ111よりも他方側Darに配置された次段のインペラ111の圧縮流路111pに案内する流路である。
本実施形態における中間流路121cは、ディフューザ流路121dと、戻り流路121eとによって構成されている。
ディフューザ流路121dは、複数のインペラ111のうち最後段インペラ111eを除くインペラ111の圧縮流路111pで圧縮されたガスGを径方向の外側に導く流路である。ディフューザ流路121dの一端は、収容凹部121rの内面に開口している。ディフューザ流路121dの一端は、開口部分がインペラ111の圧縮流路111pの出口に径方向に対向するように配置されている。
戻り流路121eは、このディフューザ流路121dの一端とは反対の他端に接続されており、ディフューザ流路121dを流れたガスGを径方向の内側に導くとともに、このガスGを次段のインペラ111の圧縮流路111pに導く流路である。
したがって、第1流路121aと第2流路121bとの間のガスGの流路では、インペラ111の圧縮流路111pと、ディフューザ流路121dおよび戻り流路121eで構成される中間流路121cとが交互に繰り返されている。
以下、説明の便宜上、インペラ111の圧縮流路111pと中間流路121cとによって構成されているガスGの流路を「圧縮部」と称する。
なお、収容凹部121rの内面とインペラ111のディスク111aとの間の隙間、および収容凹部121rの内面とインペラ111のカバー111cとの間の隙間には、インペラ111の回転に伴って圧縮されたガスGの一部が流入する。したがって、これらの隙間は、インペラ111の圧縮流路111pに連通している。
入口ノズル122は、外部から供給されるガスGをケーシング120の内部に導入する。したがって、入口ノズル122は、圧縮機10におけるガスGの入口部分である。入口ノズル122は、ケーシング120と一体に形成されている。なお、入口ノズル122は、例えば、金属材料によって形成されている。
入口ノズル122の内部には、吸入流路122aが形成されている。この吸入流路122aには、例えば、入口ノズル122に接続され、この入口ノズル122と圧縮機10外部のガス供給源などの装置(図示省略)とをつなぐ吸入配管100の内部を流れてきたガスGが流入する。
吸入流路122aは、ケーシング120に形成されたケーシング入口流路120aにケーシング120の外側(径方向の外側)から接続されている。したがって、吸入配管100内を流れるガスGは、吸入流路122aおよびケーシング入口流路120aを通じて第1流路121aに流入する。
本実施形態では、上述したダイアフラム121の第1流路121a、ケーシング120のケーシング入口流路120a、および入口ノズル122の吸入流路122aによって、圧縮される前のガスGが流れる入口流路P1が構成されている。入口流路P1は、圧縮機10におけるガスGの流路のうち、圧縮部によって圧縮される前の最も圧力の低いガスGが流れる流路である。
出口ノズル123は、ケーシング120の内部で圧縮されたガスGをケーシング120の外部に流出させる。したがって、出口ノズル123は、圧縮機10におけるガスGの出口部分である。出口ノズル123は、ケーシング120と一体に形成されている。出口ノズル123は、入口ノズル122よりも他方側Darに配置されている。なお、出口ノズル123は、例えば、金属材料によって形成されている。
出口ノズル123の内部には、吐出流路123aが形成されている。この吐出流路123aは、ケーシング120に形成されたケーシング出口流路120bにケーシング120の外側(径方向の外側)から接続されている。したがって、吐出流路123aには、ダイアフラム121に形成された第2流路121bを流れるとともに、ケーシング出口流路120bを通じて圧縮後のガスGが流入する。
また、吐出流路123aには、出口ノズル123と圧縮機10外部の装置とをつなぐ吐出配管200が接続されている。したがって、吐出流路123aを流れるガスGは、この吐出配管200を通じて圧縮機10外部の装置に向かって流れ去る(吐出される)。
本実施形態では、上述したダイアフラム121の第2流路121b、ケーシング120のケーシング出口流路120b、および出口ノズル123の吐出流路123aによって、圧縮された後のガスGが流れる出口流路P2が構成されている。出口流路P2は、圧縮機10におけるガスGの流路のうち、圧縮部によって圧縮された最も圧力の高いガスGが流れる流路である。
(軸受部)
軸受部13は、ケーシング120に収容されている。
本実施形態における軸受部13は、ラジアル軸受130と、スラスト軸受131と、スラストカラー132とを有している。
ラジアル軸受130は、ロータ11の回転軸110を回転可能に支持している。ラジアル軸受130は、例えば、一対が軸線方向Daに互いに離間した状態で配置されている。一対のラジアル軸受130は、ダイアフラム121を軸線方向Daに間に挟むように配置されている。
スラスト軸受131は、インペラ111によるガスGの圧縮に伴ってロータ11の回転軸110が軸線方向Daに変位することを抑制している。スラスト軸受131は、回転軸110に一体に取り付けられたフランジ状のスラストカラー132を軸線方向Daに支持した状態で押圧することで、回転軸110が軸線方向Daに変位することを抑制している。
具体的には、これらスラスト軸受131およびスラストカラー132は、例えば、それぞれ一対が軸線方向Daに互いに離間した状態で配置されている。また、一対のスラスト軸受131およびスラストカラーのそれぞれは、ダイアフラム121とラジアル軸受130との間に配置されている。
一対のスラスト軸受131のうち一方側Dalに配置されたスラスト軸受131は、一対のスラストカラー132のうち一方側Dalに配置されたスラストカラー132を一方側Dalから押圧した状態で支持している。
一方で、一対のスラスト軸受131のうち他方側Darに配置されたスラスト軸受131は、一対のスラストカラー132のうち他方側Darに配置されたスラストカラー132を他方側Darから押圧した状態で支持している。
(シール部)
シール部14は、ロータ11の回転軸110とステータ12のダイアフラム121との間の隙間から圧縮部に空気が流入することを抑制している。シール部14は、回転軸110とダイアフラム121との間に配置されている。シール部14は、例えば、一対が軸線方向Daに並ぶ複数のインペラ111を間に挟むように配置されている。
一対のシール部14のうち一方側Dalに配置されたシール部14は、空気が回転軸110とダイアフラム121との間の隙間を通じて一方側Dalから最前段インペラ111fの圧縮流路111pに流入することを抑制している。
一方で、一対のシール部14のうち他方側Darに配置されたシール部14は、空気が回転軸110とダイアフラム121との間の隙間を通じて他方側Darから最後段インペラ111eの圧縮流路111pに流入することを抑制している。
以下、説明の便宜上、一対のシール部14のうち一方側Dalに配置されたシール部14を「第1シール部14a」と称し、一対のシール部14のうち他方側Darに配置されたシール部14を「第2シール部14b」と称する。
詳細な図示は省略するが、本実施形態におけるシール部14(第1シール部14aおよび第2シール部14b)は、例えば、回転軸110の外周面110sから径方向の外側にフランジ状に広がるように形成された複数のロータ側フィンと、ダイアフラム121における対向面121sから径方向の内側にフランジ状に広がるように形成された複数のステータ側フィンとが軸線方向Daに交互に配列されることによって構成されたラビリンスシールである。シール部14には、例えば、吐出配管200内を流れる圧縮後のガスGの一部がシールガスとして供給されている。
詳細な図示は省略するが、吐出配管200内を流れる圧縮後のガスGの一部は、例えば、第2シール部14bよりも他方側Darからこの第2シール部14bに向かうように供給される。
これによって、第1シール部14aよりも一方側Dal、および第2シール部14bよりも他方側Darにおける回転軸110の外周面110sとダイアフラム121の対向面121sとの間の隙間には、圧縮後のガスGが流通している。したがって、ダイアフラム121と回転軸110との間の隙間の空間は、高圧の状態に維持されている。
以下、圧縮機10によるガスGの圧縮の流れの一例を説明する。
回転軸110は、軸受部13によって支持された状態で、例えば電動機などの駆動源(図示省略)によって所定の回転速度で回転方向Drに高速回転される。回転軸110の回転に伴って回転軸110と一体のインペラ111がこの回転軸110と共に高速回転する。
吸入配管100を通じて圧縮機10外部に配置されたガス供給源から圧縮機10に向かって送気されたガスGは、ロータ11が回転駆動することで、入口ノズル122を通じてケーシング120の内部に吸入される。入口ノズル122の吸入流路122aおよびケーシング120のケーシング入口流路120aを通じて、ダイアフラム121の第1流路121aに流入したガスGは、後続の最前段インペラ111fの圧縮流路111p内で回転するブレード111bによって圧縮される。つまり、圧縮機10に向かって吸入配管100内を流れる圧縮前のガスGは、圧縮機10の入口流路P1(吸入流路122a、ケーシング入口流路120a、および第1流路121a)を通じて最前段インペラ111fの圧縮流路111pに導かれる。
最前段インペラ111fの圧縮流路111p内で圧縮されたガスGは、後続のディフューザ流路121dおよび戻り流路121eを通じて次段のインペラ111の圧縮流路111pに導かれ、このインペラ111の圧縮流路111p内で更に圧縮される。インペラ111の圧縮流路111pで圧縮されたガスGは、後続の中間流路121c(ディフューザ流路121dおよび戻り流路121e)を流れるとともに、次段のインペラ111で更に圧縮されるステップを繰り返すことで、最後段インペラ111eの圧縮流路111pに到る。
最後段インペラ111eの圧縮流路111pで圧縮されたガスGは、後続のダイアフラム121の第2流路121bに吐出されるとともに、ケーシング120のケーシング出口流路120bおよび出口ノズル123の吐出流路123aを通じて、吐出配管200内に流入する。つまり、最後段インペラ111eの圧縮流路111pを経た圧縮後のガスGは、圧縮機10の出口流路P2(第2流路121b、ケーシング出口流路120b、および吐出流路123a)を通じて吐出配管200内に導かれる。吐出配管200内に流入したガスGは、例えば、圧縮機10外部に配置された反応用装置(図示省略)に導入されるとともに、反応用の流体として利用される。
まとめると、吸入配管100から圧縮機10に吸入された圧縮前のガスGは、入口流路P1(吸入流路122a、ケーシング入口流路120a、および第1流路121a)を通じて、圧縮部における最前段インペラ111fの圧縮流路111pに導かれる。
最前段インペラ111fの圧縮流路111pに導かれたガスGは、複数段のインペラ111の各圧縮流路111pと、これら圧縮流路111p同士を接続する中間流路121cとから成るこの圧縮部で複数段にわたって所定の高圧状態になるまで圧縮される。
圧縮部によって圧縮された圧縮後のガスGは、この圧縮部における最後段インペラ111eの圧縮流路111pから出口流路P2(第2流路121b、ケーシング出口流路120b、および吐出流路123a)を通じて吐出配管200内に吐出される。
(犠牲部材)
犠牲部材20は、駆動する圧縮機10のロータ11に作用する応力、およびロータ11が作動流体としてのガスGにさらされることによるロータ11の経時変化・経年劣化の状態を模擬可能な部材である。
本実施形態における犠牲部材20は、例えば、圧縮機10の点検および修繕の必要有無の判定、ならびに、これら点検および修繕のタイミングや周期などの決定に用いられる部材である。
ここで、図1に示すように、上述した圧縮機10のステータ12のケーシング120には、この犠牲部材20を収容するための収容空間Rが形成されている。本実施形態における収容空間Rは、ケーシング120の外面120sから凹むように形成された凹所120dの内面によって画定された空間である。すなわち、収容空間Rは、ケーシング120の外面120sに開口している。本実施形態における収容空間Rは、例えば、出口流路P2よりも他方側Darに配置されている。
収容空間Rは、ケーシング120に形成された接続流路12pによって出口流路P2に接続されている。つまり、収容空間Rは、接続流路12pを介して、圧縮後の最も圧力の高いガスGが流れる出口流路P2につながっている(連通している)。
接続流路12pの一端は、収容空間Rに開口している。接続流路12pの他端は、出口流路P2におけるケーシング出口流路120bに開口している。したがって、圧縮部によって圧縮された後に出口流路P2を流れるガスGの一部は、この接続流路12pを通じて収容空間Rに引き出されている。
犠牲部材20は、この収容空間Rに配置されている。すなわち、犠牲部材20は、圧縮機10が稼動している際、圧縮部によって圧縮された後のガスGにさらされる。なお、図1では、図示の都合上、この犠牲部材20を点線の四角形で図示している。犠牲部材20の構成および形状などは、図2を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態における犠牲部材20は、Cリング部210と、押圧保持部21とを有している。
(Cリング部)
Cリング部210は、圧縮機10のロータ11を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されている。本実施形態におけるCリング部210は、ロータ11のうちインペラ111を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されている。
ここでいう「同一組成」は、例えば、ロータ11を製造する際に使用される材料と同一の材料であることを意味する。
Cリング部210には、出口流路P2から引き出されたガスGの圧力を受けることによってひずむ測定対象部位21xが形成されている。
Cリング部210は、板状の部材であり、凸となるように湾曲してC字状に配置されている。本実施形態では、Cリング部210の凸となる部分が上記の測定対象部位21xとされている。Cリング部210は、上記の如くC字状に配置されることで互いに近接し合う一端210aおよび他端210bが形成されている。以下、Cリング部210の一端210aおよび他端210bをまとめて「両端」と称する場合がある。
(押圧保持部)
押圧保持部21は、Cリング部210の両端(一端210aおよび他端210b)を互いに近づけるように押圧した状態で保持する。押圧保持部21は、ボルト部22および一対のナット部23によって構成されている。
ボルト部22は、柱状に形成されており、ナット部23が螺合可能とされている。ボルト部22は、Cリング部210における一端210aに近い部分と、Cリング部210における他端210bに近い部分とのそれぞれを貫通している。ボルト部22には、例えば、頭部を有さないボルトであるスタッドボルトなどが採用される。
一対のナット部23は、Cリング部210を間に挟むようにボルト部22に螺合している。一対のナット部23は、ボルト部22に螺合することで、Cリング部210を間に挟む方向でCリング部210を押圧した状態で保持されている。
具体的には、一対のナット部23のそれぞれは、ボルト部22の延びる方向におけるCリング部210の外側で、ボルト部22に螺合した状態で配置されており、Cリング部210の一端210aと他端210bとを互いに近接させるような圧力をCリング部210に付与している。
この際、一対のナット部23は、圧縮機10の定格運転時にロータ11に作用する最大応力よりも高い応力を、Cリング部210を間に挟む方向でCリング部210に付与している。本実施形態における一対のナット部23は、圧縮機10の定格運転時にインペラ111に作用する最大応力よりも高い応力をCリング部210に付与している。言い換えれば、一対のナット部23の締め付けトルクは、圧縮機10の定格運転時にロータ11のインペラ111に作用する最大応力よりも高い応力がCリング部210の測定対象部位21xに付与されるように設定されている。
ここでいう「最大応力」は、例えば、圧縮機10の定格運転時に最後段インペラ111eに作用する応力の大きさのうち、最大の大きさを意味する。
なお、ロータ11のインペラ111に作用する応力の大きさおよび向き、ならびにこれらの分布などは、例えば、有限要素法解析(FEM解析)などがなされることによって予め把握されている。
測定対象部位21xを含むこの測定対象部位21xの周辺部分は、一対のナット部23がCリング部210に圧力を付与することによって、測定対象部位21xを基点に一端210aおよび他端210bの側に引っ張られる。つまり、測定対象部位21xには、引張応力が発生している。
(ひずみゲージ)
ひずみゲージ30は、測定対象部位21xのひずみ量を検出するセンサである。ひずみゲージ30は、Cリング部210の測定対象部位21xに取り付けられている(貼設されている)。ひずみゲージ30は、例えば、圧縮機10の外部に配置された監視装置など(図示省略)に電気的に接続されている。
ひずみゲージ30は、測定対象部位21xのひずみ量を検出するとともに、このひずみ量を示す信号を上記監視装置に送信する。これによって、監視装置は、例えば、Cリング部210の測定対象部位21xの経時的なひずみ量を監視(モニタリング)することができる。
(点検用蓋)
点検用蓋40は、ケーシング120に形成された凹所120dの開口を閉塞することで、収容空間Rを閉空間にする蓋部材である。点検用蓋40は、ケーシング120の外面120sに対して着脱可能とされている。具体的には、点検用蓋40は、ボルトなどの締結部材Bによってケーシング120の外面120sに対して着脱可能とされている。
つまり、点検用蓋40は、締結部材Bによってケーシング120の外面120sに固定されることで収容空間Rの開口を閉塞し、締結部材Bが緩められた際に取り外されることで収容空間Rを開放する。点検用蓋40は、例えば、金属材料によって形成されている。
点検用蓋40は、圧縮機10運転の際にケーシング120の外面120sに取り付けられる。点検用蓋40は、ケーシング120の外面120sに取り付けられることで、収容空間Rを大気と気密に隔離する。また、点検用蓋40は、圧縮機10の運転員や補修員などによって犠牲部材20が収容空間Rから取り出される際に、ケーシング120の外面120sから取り外される。これによって、圧縮機10の運転員や補修員が、圧縮機10の外部から犠牲部材20を取り出すことや観察することができる。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中(定格運転中)に圧縮されたガスG(H)の一部が収容空間Rに引き出されるとともに、収容空間Rに配置された犠牲部材20がこの引き出されたガスGにさらされる。犠牲部材20がガスGにさらされることで、この犠牲部材20が有するCリング部210は、ガスGの圧力を受けることによってひずむ。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際にこの犠牲部材20を収容空間Rから取り出すことで、Cリング部210における測定対象部位21xのひずみ量を確認することができる。すなわち、Cリング部210の劣化具合の一指標であるひずみ量を測定対象部位21xから検出することができる。圧縮機10を構成する部材では、単純にガスGの性質による腐食等の劣化だけでなく、高圧のガスGに対してロータ11のように回転しながら曝されることで受ける圧力による劣化の影響も大きい。これに対し、犠牲部材20がガスGの圧力によってひずむことで、ガスGの性質だけでなく、ガスGの圧力による劣化の影響を検出することができる。
したがって、Cリング部210にガスGからの圧力が作用するに伴い、Cリング部210に応力がどの程度作用したかを確認することができる。その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
さらに、上記構成では、Cリング部210がロータ11のインペラ111を形成する金属材料と同一の金属材料で形成されている。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際に犠牲部材20を収容空間Rから取り出すとともに、Cリング部210の表面を観察することで、ガスGによるCリング部210の表面に発生した脆化(水素脆化)の進行具合や、欠陥の有無などを確認することができる。つまり、Cリング部210の劣化具合の一指標である脆化の進行具合をCリング部210の表面から検出することができる。
その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
以上をまとめると、上記の犠牲部材20を圧縮機10が圧縮する流体の流路につながる収容空間Rに配置することで、例えば、測定対象部位を有さない犠牲部材、またはロータ11を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されていない測定対象部位を有する犠牲部材を用いる場合と比較して、圧縮機10のロータ11(インペラ111)に生じる可能性のある劣化や欠陥をより多く検出することができる。
また、上記構成では、犠牲部材20が収容される収容空間Rが、圧縮部によって圧縮された後の最も圧力の高いガスGが流れる出口流路P2につながっている。
これにより、圧縮される前のガスGまたは圧縮途中のガスGを収容空間Rに引き出す場合と比較して、ガスGからより大きな圧力がCリング部210に付与される。つまり、より過酷な脆化条件のもとで劣化したCリング部210の状態を確認することができる。
特に、プロセスガスとして水素ガスを使用する場合、水素ガスにさらされる部材は水素脆化の影響を強く受ける。水素脆化は、高い圧力が付与されるほど生じやすくなる。そのため、最も圧力の高いガスGが流れる出口流路P2とつながった収容空間Rに犠牲部材20を配置することで、圧縮機10において最も水素脆化の影響を受けた部材を犠牲部材20によって高い精度で模擬することができる。
したがって、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合をより適正に推定することができる。
また、上記構成では、Cリング部210における凸となる部分がガスGの圧力によってひずむ測定対象部位21xとされている。さらに、ボルト部22が、Cリング部210における一端210aに近い部分および他端210bに近い部分のそれぞれを貫通し、ボルト部22に螺合した一対のナット部23が、ロータ11(インペラ111)に生じる最大応力よりも高い応力を、Cリング部210を間に挟む方向でCリング部210に付与している。
これにより、圧縮機10の稼動中(定格運転中)には、ロータ11に作用する最大応力よりも常に高い応力がCリング部210に作用し続ける。そのため、ロータ11がガスGにさらされながら回転する圧縮流路111pの環境よりも過酷な脆化条件のもとで劣化したCリング部210の状態を確認することができる。
したがって、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合をより適正に推定することができる。
また、上記構成では、犠牲部材20が収容される収容空間Rが、圧縮機10のステータ12(ケーシング120)に形成されている。
これにより、例えば、収容空間Rを画定するための部材などを圧縮機10に追設する必要がない。したがって、圧縮機10の部品点数が増加することを抑制することができる。
また、上記構成では、測定対象部位21xにひずみゲージ30が取り付けられている。
これにより、例えば、ひずみゲージ30によって検出されたひずみ量を示す信号を圧縮機10の外部に送信することが可能となり、圧縮機10運転中のCリング部210における測定対象部位21xのひずみ量の経時的な変化を圧縮機10の外部から監視(モニタリング)することができる。
したがって、ひずみゲージ30によって検出されたCリング部210の測定対象部位21xにおけるひずみ量に基づいて、適切なタイミングで圧縮機10のロータ11を点検・修繕することができる。
また、上記構成では、ケーシング120の外面120sにおける収容空間Rの開口が、着脱可能な点検用蓋40によって閉塞されている。
これにより、点検用蓋40を取り外すことで犠牲部材20を収容空間Rから取り出すことができる。また、点検用蓋40を閉じることで収容空間Rを大気と気密に隔離することができる。そのため、犠牲部材20を収容空間Rから取り出す際に、例えば、圧縮機10を分解する必要がない。
したがって、劣化したCリング部210の状態を容易に確認することができる。
<第2実施形態>
続いて、本開示に係る犠牲部材の第2実施形態について図3を用いて説明する。以下に説明する第2実施形態では、上記の第1実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。第2実施形態では、犠牲部材の構成が、上記の第1実施形態で説明した犠牲部材の構成と異なっている。
本実施形態における収容空間Rは、円柱状の空間として形成されている。すなわち、凹所120dは、ケーシング120の外面120sから断面円形状に凹むように形成されている。また、本実施形態における点検用蓋40には、圧縮機10外部の大気と収容空間R内とを連通させるように貫通した大気開放孔40hが形成されている。
(犠牲部材)
本実施形態における犠牲部材20は、ダイアフラム板211を有している。
(ダイアフラム板)
ダイアフラム板211は、所定の厚みを有した円板状に形成されている。ダイアフラム板211は、一面211aと、この一面211aとは反対を向く他面211bとを有している。ダイアフラム板211は、収容空間Rを2つの空間に区画している。
すなわち、ダイアフラム板211は、このダイアフラム板211を境にして一面211aの側に配置された空間と、他面211bの側に配置された空間とに収容空間Rを二分している。また、ダイアフラム板211は、これら2つの空間を互いに気密に隔離した状態で収容空間Rに配置されている。
具体的には、ダイアフラム板211は、凹所120dの内面に固定されている。ダイアフラム板211によって区画された2つの空間のうち一方の空間(一面211aの側に配置された空間)は、接続流路12pを通じて出口流路P2に連通している。ダイアフラム板211によって区画された2つの空間のうち他方の空間(他面211bの側に配置された空間)は、点検用蓋40に形成された大気開放孔40hを通じて大気開放されている。
以下、説明の便宜上、ダイアフラム板211が区画する2つの空間のうち、出口流路P2に連通した空間を「第1空間R1」と称する。また、ダイアフラム板211が区画する2つの空間のうち、大気開放された空間を「第2空間R2」と称する。
本実施形態では、例えば、ダイアフラム板211における第2空間R2を向く他面211bが測定対象部位21xとされている。第1空間R1は、接続流路12pを通じて第1空間R1に出口流路P2から圧縮後のガスGが引き出されることで、大気開放されている第2空間R2と比較して高圧の状態になる。すなわち、第1空間R1と第2空間R2との間には差圧が生じている。
ダイアフラム板211の一面211aは、この差圧によって、第1空間R1内で第2空間R2に向かって凸となるようにひずむ。同時に、測定対象部位21xとしての他面211bは、上記の差圧によって一面211aが凸となる方向(第2空間R2の側)に押し出され、第2空間R2に向かって凸となるようにひずむ。つまり、圧縮機10運転時のダイアフラム板211の測定対象部位21xには、圧縮応力が発生している。
(ひずみゲージ)
本実施形態におけるひずみゲージ30は、ダイアフラム板211の測定対象部位21xである他面211bの中央部分に取り付けられている(貼設されている)。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中に圧縮されたガスG(H)の一部が収容空間Rの第1空間R1に引き出されるとともに、収容空間Rに配置された犠牲部材20のダイアフラム板211がこの引き出されたガスGにさらされる。ダイアフラム板211は、ガスGの圧力を受けることによってひずむ。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際にこの犠牲部材20を収容空間Rから取り出すことで、ダイアフラム板211における測定対象部位21xのひずみ量を確認することができる。つまり、ダイアフラム板211の劣化具合の一指標であるひずみ量を測定対象部位21xから検出することができる。
したがって、ダイアフラム板211にガスGからの圧力が作用するに伴い、ダイアフラム板211に応力がどの程度作用したかを確認することができる。その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
さらに、上記構成では、ダイアフラム板211がロータ11のインペラ111を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されている。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際に犠牲部材20を収容空間Rから取り出すとともに、ダイアフラム板211の一面211aを観察することで、ガスGによるダイアフラム板211の一面211aに発生した脆化(水素脆化)の進行具合や、欠陥の有無などを確認することができる。つまり、ダイアフラム板211の劣化具合の一指標である脆化の進行具合をダイアフラム板211の一面211aから検出することができる。
その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
また、上記構成では、ダイアフラム板211が第1空間R1と第2空間R2との間に生じた差圧によって、第二空間R2に向かって押されて湾曲する。その結果、測定対象部位21xが圧縮応力によってひずむ。
これにより、例えば、圧縮機10の短周期的な始動や停止など(DSS:Daily Start and Stop)のオペレーションの際にダイアフラム板211に繰り返し発生する圧縮応力によるひずみ量をひずみゲージ30によって検出することができる。したがって、例えば、第1実施形態で説明した犠牲部材20の構成と比較して、圧縮機10の定格運転時にロータ11に恒常的に発生するひずみの大きさの確認に留まらず、圧縮機10の始動時および停止時に繰り返し発生するひずみ量の変化を確認することができる。
その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合をより適正に推定することができる。
また、上記構成では、大気開放された第2空間R2を向く他面211bにひずみゲージ30が配置されている。
これにより、ひずみゲージ30がガスGにさらされることがないため、ひずみゲージ30がガスGの圧力を受けることによって故障することがない。
また、上記構成では、第2空間R2が、点検用蓋40に形成された大気開放孔40hによって大気開放されている。これにより、例えば、圧縮機システム1が点検用蓋40を備えない場合と比較して、ダイアフラム板211が破損することで第1空間R1と第2空間R2とが連通した場合に、ガスGが収容空間Rから圧縮機10の外部に一度に過剰に漏出してしまうことを抑制することができる。その結果、出口流路P2を流れるガスGの圧力が低下してしまうことを抑制することができる。
<第3実施形態>
続いて、本開示に係る犠牲部材の第3実施形態について図4を用いて説明する。以下に説明する第3実施形態では、上記の第1実施形態および第2実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。第3実施形態で説明する犠牲部材の構成は、第1実施形態および第2実施形態で説明した犠牲部材の構成と異なっている。
(犠牲部材)
本実施形態における犠牲部材20は、ピストンリング部24と、固定板部25と、ロッド部212とを有している。
(ピストンリング部)
ピストンリング部24は、所定の厚みを有した円板状に形成されている。ピストンリング部24は、第1面24aと、この第1面24aとは反対を向く第2面24bとを有している。ピストンリング部24は、収容空間Rを2つの空間に区画している。
すなわち、ピストンリング部24は、このピストンリング部24を境にして第1面24aの側に配置された空間と、第2面24bの側に配置された空間とに収容空間Rを二分している。また、ピストンリング部24は、これら2つの空間を互いに気密に隔離した状態で収容空間Rに配置されている。
具体的には、ピストンリング部24は、凹所120dの内面に摺接した状態で収容空間Rが延びる方向に移動可能に配置されている。ピストンリング部24によって区画された2つの空間のうち一方の空間(第1面24aの側に配置された空間)は、接続流路12pを通じて出口流路P2に連通している。ピストンリング部24によって区画された2つの空間のうち他方の空間(第2面24bの側に配置された空間)は、点検用蓋40に形成された大気開放孔40hを通じて大気開放されている。
以下、説明の便宜上、ピストンリング部24が区画する2つの空間のうち、出口流路P2に連通した空間を「第1空間R1」と称する。また、ピストンリング部24が区画する2つの空間のうち、大気開放された空間を「第2空間R2」と称する。
第1空間R1は、接続流路12pを通じて第1空間R1に出口流路P2からガスGが引き出されることで、大気開放されている第2空間R2と比較して高圧の状態になる。すなわち、第1空間R1と第2空間R2との間には差圧が生じている。
(固定板部)
固定板部25は、所定の厚みを有した円板状に形成されている。固定板部25は、第1空間R1に配置されている。固定板部25は、凹所120dの内面に移動不能な状態で固定されている。
固定板部25は、主面25aと、この主面25aとは反対を向いた状態でピストンリング部24の第1面24aと対向する裏面25bとを有している。
固定板部25には、主面25aから裏面25bにかけて貫通した複数の連通孔25hが形成されている。複数の連通孔25hは、これら主面25aおよび裏面25bが広がる方向で互いに等しい間隔をあけて円環状に並ぶように配置されている。
本実施形態では、固定板部25に4つの連通孔25hが形成されている場合を一例として示している。連通孔25hは、固定板部25を境にした時の第1空間R1における第1面24aの側の空間と、第2面24bの側の空間とを互いに連通させている。
(ロッド部)
ロッド部212は、円柱状に形成されている。ロッド部212の一端は、固定板部25の裏面25bの中央部分に固定されている。具体的には、ロッド部212の一端は、裏面25bにおける複数の連通孔25hの各開口よりも内側の部分に固定されている。ロッド部212の他端は、ピストンリング部24の第1面24aの中央部分に固定されている。
すなわち、ロッド部212は、固定板部25とピストンリング部24とをつないだ状態でこれら固定板部25およびピストンリング部24の間で延びている。本実施形態では、ロッド部212における側面212sが測定対象部位21xとされている。
ピストンリング部24は、第1空間R1と第2空間R2との間に生じた差圧によって、第2空間R2の容積を減らすように移動する。同時に、測定対象部位21xとしてのロッド部212の側面212sは、ピストンリング部24の移動に伴ってロッド部212の延びる方向に引き延ばされるようにひずむ。つまり、圧縮機10運転時の測定対象部位21xには、引張応力が発生している。
(ひずみゲージ)
本実施形態におけるひずみゲージ30は、ロッド部212の測定対象部位21xである側面212sの中央部分に取り付けられている(貼設されている)。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中に圧縮されたガスG(H)の一部が収容空間Rの第1空間R1に引き出されるとともに、収容空間Rに配置された犠牲部材20がこの引き出されたガスGにさらされる。犠牲部材20のピストンリング部24がガスGによって第2空間R2側に押されるに伴って、この犠牲部材20が有するロッド部212は、このロッド部212が延びる方向にひずむ(引っ張られる)。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際にこのロッド部212を収容空間Rから取り出すことで、ロッド部212における測定対象部位21xのひずみ量を確認することができる。つまり、ロッド部212の劣化具合の一指標であるひずみ量を測定対象部位21xから検出することができる。
したがって、ロッド部212にガスGからの圧力が作用するに伴い、ロッド部212に応力がどの程度作用したかを確認することができる。その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
さらに、上記構成では、ロッド部212がロータ11のインペラ111を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されている。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際にロッド部212を収容空間Rから取り出すとともに、ロッド部212の側面212sを観察することで、ガスGによるロッド部212の側面212sに発生した脆化(水素脆化)の進行具合や、欠陥の有無などを確認することができる。つまり、ロッド部212の劣化具合の一指標である脆化の進行具合をロッド部212の側面212sから検出することができる。
その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合を推定することができる。
また、上記構成では、第1実施形態で説明した構成と比較して、ロッド部212の測定対象部位21xが第1空間R1と第2空間R2との間に生じた差圧によってひずむ。その際、ロッド部212は、第一空間R1に流れ込むガスGの圧力の変化によって、伸び縮みする。その結果、測定対象部位21xが引張応力によってひずむ。
これにより、例えば、圧縮機10の短周期的な始動や停止など(DSS:Daily Start and Stop)のオペレーションの際にロッド部212に繰り返し発生する引張応力によるひずみ量をひずみゲージ30が検出することができる。
ここで、圧縮機10運転時におけるロータ11には、遠心力の作用に伴って引張応力が発生する。そのため、上記構成によれば、同一の応力モード(引張応力)によるひずみ量の変化を確認することができる。
その結果、圧縮機10のロータ11(インペラ111)の劣化具合をより適正に推定することができる。
<第4実施形態>
続いて、本開示に係る圧縮機システム1の第4実施形態について図5を用いて説明する。以下に説明する第4実施形態では、上記の第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態における圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、水素ガス(H)ではなく、腐食性のガスである。本実施形態における圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、例えば硫化水素ガス(HS)である。
本実施形態における収容空間Rは、ケーシング120の外面120sから凹むように形成された凹所120dの内面によって画定された空間である。すなわち、収容空間Rは、ケーシング120の外面120sに開口している。収容空間Rは、例えば、入口流路P1よりも一方側Dalに配置されている。
また、収容空間Rは、ケーシング120に形成された接続流路12pによって入口流路P1に接続されている。つまり、収容空間Rは、接続流路12pを介して、圧縮される前のガスGが流れる入口流路P1につながっている(連通している)。
本実施形態における接続流路12pの一端は、収容空間Rに開口している。接続流路12pの他端は、入口流路P1におけるケーシング入口流路120aに開口している。したがって、圧縮部によって圧縮される前の入口流路P1を流れるガスGの一部は、この接続流路12pを通じて収容空間Rに引き出される。
犠牲部材20は、この収容空間Rに配置されている。すなわち、犠牲部材20は、圧縮機10が稼動している際、圧縮部によって圧縮される前のガスGにさらされる。なお、図5では、紙面の都合上、この犠牲部材20を点線の四角形で図示している。
本実施形態における犠牲部材20には、上記の第1実施形態から第3実施形態で説明した犠牲部材20のうち、いずれの犠牲部材20を採用してもよい。この際、ひずみゲージ30は、犠牲部材20が有する測定対象部位21xに取り付けられている(貼設されている)。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中(定格運転中)に圧縮される前のガスG(HS)の一部が収容空間Rに引き出されるとともに、収容空間Rに配置された犠牲部材20がこの引き出されたガスGにさらされる。犠牲部材20がガスGにさらされることで、この犠牲部材20の測定対象部位21xは、ガスGの圧力を受けることによってひずむ。同時に、測定対象部位21xが圧縮機10のロータ11を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されているため、測定対象部位21xは、圧縮機10のロータ11と同様にガスGによる腐食作用を受ける。この際、測定対象部位21xは、例えば、測定対象部位21xが圧縮途中のガスGまたは圧縮後のガスGにさらされる場合と比較して、腐食成分の濃度が高い圧縮前のガスGにさらされるため、より大きな腐食作用をガスGから受ける。つまり、ロータ11がガスGにさらされながら回転する圧縮流路111pの環境よりも過酷な応力腐食割れ条件のもとで劣化した測定対象部位21xの状態を確認することができる。
したがって、圧縮機10のロータ11の劣化具合をより適正に推定することができる。
<第5実施形態>
続いて、本開示に係る圧縮機システム1の第5実施形態について図6および図7を用いて説明する。以下に説明する第5実施形態では、上記の第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。第5実施形態では、犠牲部材の構成が第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態で説明した犠牲部材の構成と異なっている。
第5実施形態における圧縮機システム1は、ひずみゲージ30を備えていない。また、本実施形態における圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、水素ガス(H)である。
本実施形態における収容空間Rは、ダイアフラム121における最後段インペラ111eを収容する収容凹部121rの内面から他方側Darに凹むように形成された凹所120dの内面によって画定された空間である。
すなわち、収容空間Rは、最後段インペラ111eを収容する収容凹部121rの内面に開口しており、最後段インペラ111eの圧縮流路111pにつながっている。凹所120dは、ロータ11の回転軸110を囲むような環状に形成されている。すなわち、収容空間Rは、ロータ11の回転軸110を囲む環状の空間として形成されている。
(犠牲部材)
図7に示すように、本実施形態における犠牲部材20は、柱状部213を有している。
(柱状部)
柱状部213は、柱状に形成されており、ロータ11における最後段インペラ111eのディスク111aに一体に取り付けられている。柱状部213は、このディスク111aから他方側Darに延びている。すなわち、圧縮機10運転時における柱状部213は、最後段インペラ111eの回転に伴って、軸線Ar回りに収容空間R内を旋回する。
柱状部213は、外表面からくびれるように凹む凹部213aを有している。凹部213aは、柱状部213の延びる方向(軸線方向Da)における中央部分に配置されている。凹部213aでは、柱状部213の延びる方向に対して直交する方向の柱状部213の断面積が、この凹部213a以外の部分よりも小さい。
具体的には、凹部213aでは、断面積が、最も一方側Dalの始まり部分から他方側Darに向かって、および、最も他方側Darの始まり部分から一方側Dalに向かって縮小し合った後に合一している。
ここで、ステータ12には、収容空間Rからケーシング120の外面120sに延び、このケーシング120の外面120sに開口するスコープ孔12hが形成されている。具体的には、スコープ孔12hの一端は、上記凹所120dの内面に開口しており、スコープ孔12hの他端は、ケーシング120の外面120sに開口している。スコープ孔12hは、ダイアフラム121とケーシング120とにわたって連続的な1つの孔として形成されている。
(点検用蓋)
点検用蓋40は、ケーシング120の外面120sにおけるスコープ孔12hの開口12h´を閉塞することで、収容空間Rを大気と気密に隔離する蓋部材である。点検用蓋40は、ケーシング120の外面120sに対して着脱可能とされている。
具体的には、点検用蓋40は、ボルトなどの締結部材Bによってケーシング120の外面120sに対して着脱可能である。つまり、点検用蓋40は、締結部材Bによってケーシング120の外面120sに固定されることでケーシング120の外面120sにおけるスコープ孔12hの開口12h´を閉塞し、締結部材Bが緩められた際に取り外されることでスコープ孔12hの開口12h´を露出させる。
点検用蓋40は、圧縮機10運転の際にケーシング120の外面120sに取り付けられる。また、点検用蓋40は、例えば、圧縮機10の運転員や補修員などによって柱状部213の状態が確認される際に、ケーシング120の外面120sから取り外される。点検用蓋40がケーシング120の外面120sから取り外された際、圧縮機10の運転員や補修員は、例えば工業用内視鏡Bs(ボアスコープ)などを用いて、柱状部213の外表面や、凹部213aの状態などを確認する。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中(定格運転中)に圧縮されたガスG(H)の一部が収容空間Rに引き出されるとともに、収容空間Rに配置された柱状部213がこの引き出されたガスGにさらされる。同時に、柱状部213は、ロータ11における最後段インペラ111eの回転に伴って、回転軸110を囲む環状の空間として形成された収容空間R内で軸線Ar回りに旋回する。柱状部213が軸線Ar回りに旋回しながらガスGの圧力を受けることによって、この柱状部213の測定対象部位21xとしての凹部213aがひずむ。
したがって、上記の各実施形態で説明した構成と比較して、ロータ11に作用する応力を柱状部213がより高精度に模擬することができる。
また、上記構成では、例えば工業用内視鏡Bsなどを用いることで、圧縮機10の外部から収容空間Rに配置された柱状部213にアクセス可能にするスコープ孔12hがステータ12に形成されており、ケーシング120の外面120sに対して着脱可能な点検用蓋40がケーシング120の外面120sにおけるスコープ孔12hの開口12h´を閉塞している。
これにより、柱状部213の状態を確認する際に、例えば、圧縮機10を分解する必要がない。
したがって、劣化した柱状部213の状態を容易に確認することができる。
<第6実施形態>
続いて、本開示に係る圧縮機システム1の第6実施形態について図8を用いて説明する。以下に説明する第6実施形態では、上記の第5実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態における収容空間Rは、ダイアフラム121の対向面121sから径方向の外側に凹むように形成された凹所120dの内面によって画定された空間である。
すなわち、収容空間Rは、ダイアフラム121とロータ11の回転軸110との間の隙間の空間に開口している。収容空間Rは、第2シール部14bよりも他方側Darに配置されている。凹所120dは、ロータ11の回転軸110を囲むような環状に形成されている。すなわち、収容空間Rは、ロータ11の回転軸110を囲む環状の空間として形成されている。
(犠牲部材)
本実施形態における犠牲部材20は、柱状部213を有している。
(柱状部)
柱状部213は、柱状に形成されており、ロータ11の回転軸110に一体に取り付けられている。柱状部213は、この回転軸110の外周面110sから径方向の外側に延びている。すなわち、圧縮機10運転時における柱状部213は、回転軸110の回転に伴って、軸線Ar回りに旋回する。
柱状部213は、外表面からくびれるように凹む凹部213aを有している。凹部213aは、柱状部213の延びる方向(径方向)における中央部分に配置されている。凹部213aでは、柱状部213の延びる方向に対して直交する方向の柱状部213の断面積が、この凹部213a以外の部分よりも小さい。
具体的には、凹部213aでは、断面積が、径方向の最も内側の始まり部分から外側に向かって、および、径方向の最も外側の始まり部分から内側に向かって縮小し合った後に合一している。
(作用・効果)
上記構成によっても、第5実施形態で説明した構成の作用・効果と同様の作用・効果を奏することができる。
また、上記構成では、柱状部213が径方向に延びた状態で回転軸110に取り付けられている。
これにより、ロータ11の回転に伴う遠心力の作用方向と、柱状部213に作用する引張応力の方向とが一致する。
したがって、上記の第5実施形態で説明した構成と比較して、ロータ11に作用する応力を柱状部213がより高精度に模擬することができる。
<第7実施形態>
続いて、本開示に係る圧縮機システム1の第7実施形態について図9を用いて説明する。以下に説明する第7実施形態では、上記の第5実施形態と共通する構成については図中に同符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態における圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、水素ガス(H)ではなく、腐食性のガスである。本実施形態における圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、例えば硫化水素ガス(HS)である。
本実施形態における収容空間Rは、ダイアフラム121における最前段インペラ111fを収容する収容凹部121rの内面から一方側Dalに凹むように形成された凹所120dの内面によって画定された空間である。
すなわち、収容空間Rは、最前段インペラ111fを収容する収容凹部121rの内面に開口しており、最前段インペラ111fの圧縮流路111pにつながっている。凹所120dは、ロータ11の回転軸110を囲むような環状に形成されている。すなわち、収容空間Rは、ロータ11の回転軸110を囲む環状の空間として形成されている。
(犠牲部材)
本実施形態における犠牲部材20は、柱状部213を有している。
(柱状部)
柱状部213は、柱状に形成されており、ロータ11における最前段インペラ111fのカバー111cに一体に取り付けられている。柱状部213は、このカバー111cから一方側Dalに延びている。すなわち、圧縮機10運転時における柱状部213は、最前段インペラ111fの回転に伴って、軸線Ar回りに収容空間R内を旋回する。
柱状部213は、外表面からくびれるように凹む凹部213aを有している。凹部213aは、柱状部213の延びる方向(軸線方向Da)における中央部分に配置されている。凹部213aでは、柱状部213の延びる方向に対して直交する方向の柱状部213の断面積が、この凹部213a以外の部分よりも小さい。
具体的には、凹部213aでは、断面積が、最も一方側Dalの始まり部分から他方側Darに向かって、および、最も他方側Darの始まり部分から一方側Dalに向かって縮小し合った後に合一している。
(作用・効果)
上記構成では、圧縮機10の稼動中(定格運転中)に最前段インペラ111fによって圧縮されたガスG(HS)の一部が収容空間Rに引き出されるとともに、収容空間Rに配置された柱状部213がこの引き出されたガスGにさらされる。そして、柱状部213は、圧縮機10のロータ11と同様にガスGによる腐食作用を受ける。この際、柱状部213は、最前段インペラ111fの圧縮流路111pで圧縮されたガスGにさらされるため、例えば、この最前段インペラ111fよりも後段のインペラ111によって圧縮されたガスGにさらされる場合と比較して、より大きな腐食作用をガスGから受ける。同時に、柱状部213は、ロータ11における最前段インペラ111fの回転に伴って、回転軸110を囲む環状の空間として形成された収容空間R内で軸線Ar回りに旋回する。柱状部213は、軸線Ar回りに旋回しながらガスGの圧力を受けることによって、測定対象部位21xとしての凹部213aがひずむ。
したがって、例えば、上記の第4実施形態で説明した構成と比較して、ロータ11の応力腐食割れの条件をより高精度に模擬することができる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は実施形態の構成に限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
上記実施形態で説明した犠牲部材20を収容する収容空間Rは、ステータ12に形成されていなくてもよい。例えば、図10に示すように、圧縮機システム1は、内側に収容空間Rを画定する点検室50を更に備えてもよい。
点検室50は、例えば、ケーシング120の外面120sに取り付けられている。点検室50は、例えば、一方の端部が開口した筒状に形成されている。点検室50には、上述した点検用蓋40がこの点検室50の開口を閉塞するように取り付けられている。この際、点検用蓋40は、点検室50に対して着脱可能であればよい。またこの際、点検室50内部の収容空間Rは、ステータ12に形成された接続流路12pを通じて出口流路P2に連通していればよい。なお、点検室50内部の収容空間Rは、接続流路12pを通じて入口流路P1に連通していてもよい。
これにより、ステータ12に収容空間Rを形成する必要がない。したがって、収容空間Rを配置するにあたって、ステータ12の設計の自由度が低下することを抑制することができる。
また例えば、図11に示すように、圧縮機システム1は、点検室50内部の収容空間Rと、吐出配管200内とを接続し、吐出配管200内を流れるガスGの一部を点検室50内に導く導入管60を更に備えてもよい。この際、導入管60と吐出配管200との接続部分である導入口と、第2流路121bと最後段インペラ111eの圧縮流路111pとの接続部分(第2流路121bの始まり部分)との間における流路長Lは、ガスGの圧力損失との関係上、例えば10m以内であることが望ましい。なお、導入管60の導入口が接続されるのは、吐出配管200に限定されることはなく、出口ノズル123であってもよい。つまり、導入管60は、出口ノズル123の吐出流路123a内を流れる圧縮後のガスGを点検室50内に導入してもよい。
また、上記の第1実施形態で説明した一対のナット部23のそれぞれは、ボルト部22の延びる方向におけるCリング部210の内側で、ボルト部22に螺合した状態で配置され、Cリング部210の一端210aと他端210bとを互いに離間させるような圧力をCリング部210に付与していてもよい。
また、上記の第1実施形態から第3実施形態、第5実施形態、および第6実施形態で説明した圧縮機10が圧縮の対象とするガスGは、水素ガス(H)に限定されることはない。また、上記の第4実施形態および第7実施形態で説明した圧縮機10が圧縮の対象とする腐食性のガスGは、硫化水素ガス(HS)に限定されることはない。
また、上記の第1実施形態から第3実施形態で説明した接続流路12pの他端は、ケーシング出口流路120bに接続されている場合に限定されることはなく、例えば、吐出流路123aや第2流路121bに接続されていてもよい。また、第4実施形態で説明した接続流路12pの他端は、ケーシング入口流路120aに接続されている場合に限定されることはなく、例えば、吸入流路122aや第1流路121aに接続されていてもよい。また、接続流路12pの他端は、入口流路P1および出口流路P2に接続されている場合に限定されることはなく、例えば、中間流路121cに接続されてもよい。この場合、中間流路121cを出口流路とし、接続流路12pを通じてガスGを収容空間Rに引き出せばよい。また、例えば、中間流路121cにガスGが直接供給される流路が形成されている場合、この流路を入口流路とし、接続流路12pを通じてガスGを収容空間Rに引き出してもよい。
また、上記の第1実施形態から第4実施形態で説明した圧縮機システム1は、ひずみゲージ30を必ずしも備えていなくてもよい。
また、上記の第1実施形態から第4実施形態で説明したひずみゲージ30は、例えば、複数が測定対象部位21xに取り付けられていてもよい。これにより、例えば、一のひずみゲージ30が故障した場合であっても、他のひずみゲージ30によって、測定対象部位21xのひずみ量を測定することができる。
また、上記の第2実施形態および第3実施形態で説明したひずみゲージ30は、測定対象部位21xにおける中央部分に必ずしも取り付けられていなくてもよい。
また、上記の第2実施形態および第3実施形態で説明した収容空間Rは、円柱状に形成されている場合に限定されることはなく、例えば、四角柱状に形成されてもよい。この場合、第2実施形態で説明したダイアフラム板211、ならびに、第3実施形態で説明したピストンリング部24および固定板部25は、平板状(矩形板状)に形成されていればよい。
また、上記の第1実施形態、および第5実施形態から第7実施形態で説明した柱状部213は、複数が収容空間Rに配置されてもよい。第5実施形態から第7実施形態で説明した犠牲部材20が収容空間R内に複数配置される場合、例えば、回転軸110の周方向Dcに等間隔に並ぶようにロータ11に取り付けられていればよい。
これにより、例えば、所定の期間が経過するごとに、1つずつまたは複数ずつ犠牲部材20を取り出して、測定対象部位21xの状態を確認することができる。したがって、期間の長さに応じた測定対象部位21xの経時変化・経年劣化、ひいてはロータ11の経時変化・経年劣化を把握することができる。
また、上記の第1実施形態から第3実施形態で説明した収容空間は、ケーシング120の外面120sに開口していなくてもよい。この場合、この収容空間Rからケーシング120の外面120sに延びてこのケーシング120の外面120sに開口するスコープ孔12hがステータ12に形成され、ケーシング120の外面120sに対して着脱可能とされた点検用蓋40がこのスコープ孔12hを閉塞することで収容空間Rを大気と気密に隔離していればよい。なお、この場合、収容空間Rは、ケーシング120に形成されている場合に限定されることはなく、例えば、ダイアフラム121に形成されてもよい。
これにより、犠牲部材20における測定対象部位21xの状態を確認する際に、例えば、圧縮機10を分解する必要がない。
また、上記の第2実施形態では、ダイアフラム板211における他面211bが測定対象部位21xとされているが、これに限定されることはない。例えば、ダイアフラム板211における一面211aが測定対象部位21xとされてもよい。したがって、ダイアフラム板211の少なくとも一部が測定対象部位21xとされていればよい。
また、上記の第2実施形態および第3実施形態で説明した圧縮機システム1は、例えば、点検用蓋40を必ずしも備えていなくてもよい。
また、上記の第2実施形態および第3実施形態で説明した第2空間R2は、必ずしも大気開放されていなくてもよい。第2空間R2は、例えば、外部とは気密に隔離された状態で、第1空間R1よりも圧力が低い状態に維持されたガスが封入されていてもよい。
また、上記の第5実施形態および第7実施形態で説明した柱状部213は、例えば、水平面に対して多少傾斜した状態でインペラ111に取り付けられていてもよい。また、上記の第6実施形態で説明した柱状部213は、軸線Arに垂直な仮想面に対して多少傾斜した状態で回転軸110に取り付けられていてもよい。
また、上記の第5実施形態および第7実施形態で説明した柱状部213の凹部213aは、柱状部213が延びる方向における中央部分に配置されなくてもよい。
また、上記の第5実施形態から第7実施形態で説明した圧縮機システム1は、例えば、ロータ11の回転に伴って柱状部213が凹部213aを基点に破断した際に、破断片がロータ11に接触することを防止する接触防止機構を更に備えていてもよい。接触防止機構は、例えば、柱状部213に干渉しないように収容空間Rに配置されている。
また、上記の第1実施形態から第7実施形態で説明した収容空間Rは、複数がステータ12に形成されてもよい。この場合、各収容空間Rが、犠牲部材20を収容していてよい。
また、上記の第1実施形態から第7実施形態で説明した測定対象部位21xは、必ずしも、ロータ11を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されていなくてもよく、測定対象部位21xは、ロータ11とは異なる他の金属材料で形成されてもよい。この場合、他の金属材料には、例えば、ロータ11に新たに適用される金属材料や、ロータ11以外の部材(例えばステータ12)の金属材料などを挙げることができる。
また、上記の第1実施形態から第7実施形態における圧縮機10は、一軸多段式の遠心圧縮機(多段遠心圧縮機)に限定されることはなく、例えば、一軸単段式の遠心圧縮機(単段遠心圧縮機)であってもよい。
また、上記の第1実施形態から第7実施形態で説明した圧縮機システム1の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはない。各実施形態に記載の構成要素を適宜組み合わせて圧縮機システム1を構成してよい。
<付記>
各実施形態に記載の圧縮機システムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る圧縮機システム1は、ロータ11、および該ロータ11を覆うことで圧縮する流体(ガスG)の流路を形成するステータ12を備える圧縮機10と、前記流路と連通する収容空間Rに配置された犠牲部材20と、を備え、前記犠牲部材20は、前記収容空間Rに配置されて、前記流体の圧力によってひずむ測定対象部位21xを有する。
これにより、例えば、圧縮機10の運転を停止した際に、この犠牲部材20を収容空間Rから取り出すことで、測定対象部位21xのひずみ量を確認することができる。
また、例えば、測定対象部位21xを観察することで、流体による測定対象部位21xの劣化具合や、欠陥の有無などを確認することができる。
(2)第2の態様に係る圧縮機システム1は、(1)の圧縮機システム1であって、前記測定対象部位21xは、前記ロータ11を形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されていてもよい。
(3)第3の態様に係る圧縮機システム1は、(1)または(2)の圧縮機システム1であって、前記流体は、水素ガスであり、前記収容空間Rは、出口流路につながっていてもよい。
(4)第4の態様に係る圧縮機システム1は、(3)の圧縮機システム1であって、前記出口流路P2は、前記流路のうち圧縮された最も圧力の高い前記流体が流れる流路であってもよい。
これにより、例えば、圧縮される前の水素ガスまたは圧縮途中の水素ガスを収容空間Rに引き出す場合と比較して、犠牲部材20の測定対象部位21xは、水素ガスからより大きな圧力を受ける。
つまり、より過酷な脆化条件のもとで劣化した測定対象部位21xの状態を確認することができる。
(5)第5の態様に係る圧縮機システム1は、(1)または(2)の圧縮機システム1であって、前記流体は、腐食性のガスであり、前記収容空間Rは、入口流路につながっていてもよい。
(6)第6の態様に係る圧縮機システム1は、(5)の圧縮機システム1であって、前記流路のうち圧縮される前の最も圧力の低い前記流体が流れる流路であってもよい。
これにより、例えば、犠牲部材20の測定対象部位21xが圧縮途中の腐食性のガスまたは圧縮後の腐食性のガスにさらされる場合と比較して、測定対象部位21xは、より大きな腐食作用を流体から受ける。
つまり、より過酷な応力腐食割れ条件のもとで劣化した測定対象部位21xの状態を確認することができる。
(7)第7の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(6)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記収容空間Rは、前記ステータ12において外部に面する外面120sで開口しており、前記ステータ12に対して着脱可能とされ、前記収容空間Rの開口を閉塞する点検用蓋40を更に備えてもよい。
これにより、点検用蓋40を取り外すことで、犠牲部材20を収容空間Rから取り出すことができる。また、点検用蓋40を閉じることで、収容空間Rを外部と気密に隔離することができる。
そのため、犠牲部材20を収容空間Rから取り出す際に、例えば、圧縮機10を分解する必要がない。
(8)第8の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(7)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記測定対象部位21xに取り付けられ、該測定対象部位21xのひずみ量を検出可能なひずみゲージ30を更に備えてもよい。
これにより、例えば、ひずみゲージ30によって検出されたひずみ量を示す信号を圧縮機10の外部に送信することが可能となる。
したがって、例えば、圧縮機10運転中の測定対象部位21xにおけるひずみ量の経時的な変化を圧縮機10の外部から監視することができる。
(9)第9の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(8)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記犠牲部材20は、凸となるように湾曲してC字状に配置された板状のCリング部210と、前記Cリング部210の両端(一端210aおよび他端210b)を互いに近づけるように押圧した状態で保持する押圧保持部21と、を有し、前記Cリング部210は、前記凸となる部分が前記測定対象部位21xとされ、前記押圧保持部21は、前記測定対象部位21xが間に配置された状態で、前記圧縮機10の定格運転時に前記ロータ11に作用する最大応力よりも高い応力を前記測定対象部位21xに付与するように、前記Cリング部210を押圧していてもよい。
これにより、上記作用をより高精度に実現することができる。また、ロータ11が流体にさらされながら回転する流路の環境よりも過酷な条件のもとで劣化したCリング部210の状態を確認することができる。
したがって、圧縮機10のロータ11の劣化具合をより適正に推定することができる。
(10)第10の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(8)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記犠牲部材20は、前記流路に連通した第1空間R1と、大気開放された第2空間R2とに前記収容空間Rを区画するダイアフラム板211を有し、前記ダイアフラム板211の少なくとも一部が前記測定対象部位21xとされてもよい。
これにより、上記作用をより高精度に実現することができる。
また、ダイアフラム板211の測定対象部位21xが第1空間R1と第2空間R2との間に生じる差圧によってひずむため、例えば、圧縮機10の短周期的な始動や停止などのオペレーションの際にダイアフラム板211に発生する圧縮応力によるひずみ量を検出することができる。
(11)第11の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(8)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記犠牲部材20は、前記流路に連通した第1空間R1と、大気開放された第2空間R2とに前記収容空間Rを区画するピストンリング部24と、前記第1空間R1に移動不能な状態で配置された固定板部25と、柱状に形成されて、前記ピストンリング部24と前記固定板部25とをつなぐロッド部212と、を有し、前記ロッド部212の少なくとも一部が前記測定対象部位21xとされてもよい。
これにより、上記作用をより高精度に実現することができる。
また、ロータ11に発生する応力と同一の応力モード(引張応力)によるロッド部212における測定対象部位21xのひずみ量の変化を確認することができる。その結果、圧縮機10のロータ11の劣化具合をより適正に推定することができる。
(12)第12の態様に係る圧縮機システム1は、(1)または(2)の圧縮機システム1であって、前記収容空間Rは、前記ロータ11の回転軸110を囲む環状に前記ステータ12に形成されており、前記犠牲部材20は、前記ロータ11に固定された柱状部213を有し、前記柱状部213は、外表面からくびれるように凹む前記測定対象部位21xとしての凹部213aを有してもよい。
これにより、収容空間Rに配置された柱状部213が流体にさらされながらロータ11の回転に伴って、収容空間R内で軸線Ar回りに旋回する。柱状部213が軸線Ar回りに旋回しながら流体の圧力を受けることによって、この柱状部213の測定対象部位21xとしての凹部213aがひずむ。
したがって、上記の構成と比較して、ロータ11に作用する応力を柱状部213がより高精度に模擬することができる。
(13)第13の態様に係る圧縮機システム1は、(12)の圧縮機システム1であって、前記流体は、水素ガスであり、前記ロータ11は、前記回転軸110に回転可能に取り付けられ、前記回転軸110の延びる方向に並んだ状態で前記流体を圧縮する複数段のインペラ111を有し、前記収容空間Rは、複数段の前記インペラ111のうち最後段のインペラ(最後段インペラ111e)の圧縮流路111pにつながっていてもよい。
これにより、例えば、最後段のインペラ111よりも前段のインペラ111の圧縮流路111pにつながる場合と比較して、柱状部213は、水素ガスからより大きな圧力を受ける。
つまり、より過酷な脆化条件のもとで劣化した柱状部213の状態を確認することができる。
(14)第14の態様に係る圧縮機システム1は、(12)の圧縮機システム1であって、前記流体は、腐食性のガスであり、前記ロータ11は、前記回転軸110に回転可能に取り付けられ、前記回転軸110の延びる方向に並んだ状態で前記流体を圧縮する複数段のインペラ111を有し、前記収容空間Rは、複数段の前記インペラ111のうち最前段のインペラ(最前段インペラ111f)の圧縮流路111pにつながっていてもよい。
これにより、例えば、最前段のインペラ111よりも後段のインペラ111の圧縮流路111pにつながる場合と比較して、柱状部213は、より大きな腐食作用を腐食性のガスから受ける。
つまり、より過酷な応力腐食割れ条件のもとで劣化した柱状部213の状態を確認することができる。
(15)第15の態様に係る圧縮機システム1は、(1)から(14)のうちいずれかの圧縮機システム1であって、前記ステータ12には、前記収容空間Rから前記ステータ12の外面120sに延び、該ステータ12の外面120sに開口するスコープ孔12hが形成されており、前記ステータ12の外面120sに対して着脱可能とされ、前記スコープ孔12hの開口12h´を閉塞する点検用蓋40を更に備えてもよい。
これにより、点検用蓋40をステータ12の外面120sから取り外すとともに、例えば工業用内視鏡などをスコープ孔12hに挿入することで、犠牲部材20における測定対象部位21xの状態を確認することができる。
つまり、測定対象部位21xの状態を確認するにあたって圧縮機10を分解する必要がない。
1…圧縮機システム 10…圧縮機 11…ロータ 12…ステータ 12h…スコープ孔 12h´…開口 12p…接続流路 13…軸受部 14…シール部 14a…第1シール部 14b…第2シール部 20…犠牲部材 21…押圧保持部 21x…測定対象部位 22…ボルト部 23…ナット部 24…ピストンリング部 24a…第1面 24b…第2面 25…固定板部 25a…主面 25b…裏面 25h…連通孔 30…ひずみゲージ 40…点検用蓋 40h…大気開放孔 50…点検室 60…導入管 60a…導入孔 100…吸入配管 110…回転軸 110s…外周面 111…インペラ 111a…ディスク 111b…ブレード 111c…カバー 111e…最後段インペラ 111f…最前段インペラ 111p…圧縮流路 120…ケーシング 120a…ケーシング入口流路 120b…ケーシング出口流路 120d…凹所 120i…内面 120s…外面 121…ダイアフラム 121a…第1流路 121b…第2流路 121c…中間流路 121d…ディフューザ流路 121e…戻り流路 121r…収容凹部 121s…対向面 122…入口ノズル 122a…吸入流路 123…出口ノズル 123a…吐出流路 130…ラジアル軸受 131…スラスト軸受 132…スラストカラー 200…吐出配管 210…Cリング部 210a…一端 210b…他端 211…ダイアフラム板 211a…一面 211b…他面 212…ロッド部 212s…側面 213…柱状部 213a…凹部 Ar…軸線 B…締結部材 Bs…工業用内視鏡 Da…軸線方向 Dal…一方側 Dar…他方側 Dc…周方向 Dr…回転方向 G…ガス L…流路長 P1…入口流路 P2…出口流路 R…収容空間 R1…第1空間 R2…第2空間

Claims (15)

  1. ロータ、および該ロータを覆うことで圧縮する流体の流路を形成するステータを備える圧縮機と、
    前記流路と連通する収容空間に配置された犠牲部材と、
    を備え、
    前記犠牲部材は、前記収容空間に配置されて、前記流体の圧力によってひずむ測定対象部位を有する
    圧縮機システム。
  2. 前記測定対象部位は、前記ロータを形成する金属材料と同一組成の金属材料で形成されている
    請求項1に記載の圧縮機システム。
  3. 前記流体は、水素ガスであり、
    前記収容空間は、出口流路につながっている
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  4. 前記出口流路は、前記流路のうち圧縮された最も圧力の高い前記流体が流れる流路である
    請求項3に記載の圧縮機システム。
  5. 前記流体は、腐食性のガスであり、
    前記収容空間は、入口流路につながっている
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  6. 前記入口流路は、前記流路のうち圧縮される前の最も圧力の低い前記流体が流れる流路である
    請求項5に記載の圧縮機システム。
  7. 前記収容空間は、前記ステータにおいて外部に面する外面で開口しており、
    前記ステータに対して着脱可能とされ、前記収容空間の開口を閉塞する点検用蓋を更に備える
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  8. 前記測定対象部位に取り付けられ、該測定対象部位のひずみ量を検出可能なひずみゲージを更に備える
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  9. 前記犠牲部材は、
    凸となるように湾曲してC字状に配置された板状のCリング部と、
    前記Cリング部の両端を互いに近づけるように押圧した状態で保持する押圧保持部と、
    を有し、
    前記Cリング部は、前記凸となる部分が前記測定対象部位とされ、
    前記押圧保持部は、前記測定対象部位が間に配置された状態で、前記圧縮機の定格運転時に前記ロータに作用する最大応力よりも高い応力を前記測定対象部位に付与するように、前記Cリング部を押圧している
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  10. 前記犠牲部材は、前記流路に連通した第1空間と、大気開放された第2空間とに前記収容空間を区画するダイアフラム板を有し、
    前記ダイアフラム板の少なくとも一部が前記測定対象部位とされた
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  11. 前記犠牲部材は、
    前記流路に連通した第1空間と、大気開放された第2空間とに前記収容空間を区画するピストンリング部と、
    前記第1空間に移動不能な状態で配置された固定板部と、
    柱状に形成されて、前記ピストンリング部と前記固定板部とをつなぐロッド部と、
    を有し、
    前記ロッド部の少なくとも一部が前記測定対象部位とされた
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  12. 前記収容空間は、前記ロータの回転軸を囲む環状に前記ステータに形成されており、
    前記犠牲部材は、前記ロータに固定された柱状部を有し、
    前記柱状部は、外表面からくびれるように凹む前記測定対象部位としての凹部を有する
    請求項1または請求項2に記載の圧縮機システム。
  13. 前記流体は、水素ガスであり、
    前記ロータは、前記回転軸に回転可能に取り付けられ、前記回転軸の延びる方向に並んだ状態で前記流体を圧縮する複数段のインペラを有し、
    前記収容空間は、複数段の前記インペラのうち最後段のインペラの圧縮流路につながっている
    請求項12に記載の圧縮機システム。
  14. 前記流体は、腐食性のガスであり、
    前記ロータは、前記回転軸に回転可能に取り付けられ、前記回転軸の延びる方向に並んだ状態で前記流体を圧縮する複数段のインペラを有し、
    前記収容空間は、複数段の前記インペラのうち最前段のインペラの圧縮流路につながっている
    請求項12に記載の圧縮機システム。
  15. 前記ステータには、前記収容空間から前記ステータの外面に延び、該ステータの外面に開口するスコープ孔が形成されており、
    前記ステータの外面に対して着脱可能とされ、前記スコープ孔の開口を閉塞する点検用蓋を更に備える
    請求項12に記載の圧縮機システム。
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