JP2024049114A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の十分な撹拌と該現像剤の付着の抑制とを両立し得るようにする。【解決手段】プリンタ1は、トナー残量がニアエンド残量であった場合、撹拌部44の撹拌体50が下死点の近傍に到達した時点で停止させる。このためプリンタ1は、撹拌体50をトナーカートリッジ13の外装から引き離すことができ、該撹拌体50によりトナーを付着させることを回避し得る。これによりプリンタ1は、ユーザにより交換されるトナーカートリッジ13がIDユニット14から取り外された際に、その外装からトナーが剥離してプリンタ筐体2の内部や周囲を汚損させることを、良好に抑制できる。【選択図】図11
Description
本発明は画像形成装置に関し、例えば電子写真式の画像形成装置(いわゆるプリンタ)に適用して好適なものである。
従来、プリンタとして、例えば露光処理等を行う画像形成部によりトナー(現像剤とも呼ぶ)を用いてトナー画像を生成し、これを用紙に転写して定着させることにより、画像を印刷するものが広く普及している。
この画像形成部としては、例えばイメージドラム等を有するイメージドラムユニットに対して着脱可能なトナーカートリッジに、粉状体であり消耗品であるトナーを収容し、当該トナーカートリッジからトナーをイメージドラムユニット内のトナー収容部へ補給するものが知られている。また画像形成部として、トナー収容部内においてトナーを撹拌する撹拌部材を設けることにより、トナーの安定的な供給や当該トナー収容部内におけるトナーの凝固の防止を図ったものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる構成のプリンタでは、撹拌部材がトナー収容部内におけるトナーカートリッジの直近となる箇所においてもトナーを撹拌するため、当該トナー収容部の外装にトナーを付着させる恐れがある。この場合、トナーカートリッジを交換するために着脱した際に、当該トナーカートリッジの外装に付着していたトナーが剥離して落下し、周囲を汚損させてしまう恐れがある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、現像剤の十分な撹拌と該現像剤の付着の抑制とを両立し得る画像形成装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の画像形成装置においては、現像剤担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像部と、現像部に設けられ、静電潜像を現像するための現像剤を収容する現像剤収容部と、現像部に対し着脱可能であり、現像剤が収容され、当該現像剤を供給口から現像剤収容部へ供給する現像剤容器と、現像部に設けられ、現像剤収容部内において現像剤容器における供給口に近接した供給口近接位置と、当該供給口から離隔した供給口離隔位置とを含む複数の位置に変位可能であり、当該現像剤収容部内の現像剤を撹拌する撹拌体と、現像剤収容部内における撹拌体の位置又は該撹拌体と連動する位置を検知する位置検知部と、撹拌体に駆動力を供給する駆動部と、位置検知部による検知結果を基に、撹拌体を供給口離隔位置又は該供給口離隔位置の近傍において停止させるよう駆動部を制御する制御部とを設けるようにした。
本発明は、撹拌体を供給口離隔位置又は該供給口離隔位置の近傍において停止させるため、該撹拌体を現像剤収容器から十分に引き離すことができ、該撹拌体により現像剤収容器の外周面における供給口付近に現像剤が付着することを抑制できる。これにより本発明は、現像剤収容器が画像形成装置から取り外され交換される際に、該現像剤収容器の外周面から現像剤が剥離して周囲を汚損させることを良好に回避できる。
本発明によれば、現像剤の十分な撹拌と該現像剤の付着の抑制とを両立し得る画像形成装置を実現できる。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.プリンタの構成]
図1に模式的な側面図を示すように、本実施の形態によるプリンタ1は、電子写真方式の画像形成装置であり、用紙Pに対してモノクロの画像を形成すること、すなわち印刷することができる。因みにプリンタ1は、原稿を読み取るイメージスキャナ機能や電話回線を使用した通信機能等を有しておらず、プリンタ機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Printer)となっている。
図1に模式的な側面図を示すように、本実施の形態によるプリンタ1は、電子写真方式の画像形成装置であり、用紙Pに対してモノクロの画像を形成すること、すなわち印刷することができる。因みにプリンタ1は、原稿を読み取るイメージスキャナ機能や電話回線を使用した通信機能等を有しておらず、プリンタ機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Printer)となっている。
画像形成装置としてのプリンタ1は、略箱型に形成されたプリンタ筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、図1における右端部分をプリンタ1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。またプリンタ筐体2において主に上面を構成する部分は、残りの部分に対して開閉可能に構成されている。
プリンタ1は、プリンタ制御部3により全体を統括制御するようになっている。このプリンタ制御部3は、コンピュータ装置等の上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。プリンタ制御部3は、この上位装置から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
プリンタ筐体2の上面における前側には、表示部4が設けられている。表示部4は、例えば液晶パネルであり、プリンタ制御部3の制御に基づき、種々の情報を表示する。
プリンタ筐体2内の最下部には、集積された用紙Pを収容する用紙カセット5が設けられている。用紙カセット5の前上方には、給紙部6が設けられている。給紙部6は、用紙カセット5の前上側に配置された給紙ローラ7、用紙Pを搬送路Wに沿って上方へ案内する搬送ガイド8、搬送路Wに当接する位置に配置されたレジストローラ9及び10等により構成されている。このうち給紙ローラ7並びにレジストローラ9及び10は、プリンタ制御部3の制御に基づき、図2に示す給紙モータ31から駆動力が供給されることにより回転する。
給紙部6(図1)は、プリンタ制御部3の制御に基づいて給紙ローラ7等を適宜回転させることにより、用紙カセット5に収容されている用紙Pを1枚ずつ分離しながらピックアップする。続いて給紙部6は、搬送ガイド8により搬送路Wに沿って前上方へ進行させ、やがて後方へ折り返してレジストローラ10に当接させる。レジストローラ10は、回転が適宜抑制されており、用紙Pに摩擦力を作用させることにより、進行方向に対して該用紙Pの側辺が傾斜する、いわゆる斜行を修正し、先頭及び末尾の端辺を左右に沿わせた状態としてから、後方へ送り出す。
レジストローラ10の後側には、概ね前後方向に沿って搬送路Wが形成されており、その下側に中搬送部11が配置されている。中搬送部11は、図示しない駆動ローラや搬送ベルト、及び搬送ガイド等を有しており、該搬送ベルトを走行させることにより、用紙Pを搬送路Wに沿って概ね後方向へ進行させる。
中搬送部11の上側には、画像形成部12が設けられている。この画像形成部12は、大きく分けて、トナーカートリッジ13、ID(イメージドラム)ユニット14、及びLED(Light Emitting Diode)ヘッド15等が設けられている。
現像剤収容器としてのトナーカートリッジ13は、IDユニット14に対し着脱可能に構成されており、現像剤としてのトナーが収納されている。このトナーカートリッジ13は、IDユニット14との接続部分にトナー供給口(詳しくは後述する)が形成されており、このトナー供給口を介してトナーを該IDユニット14に供給する。
現像部としてのIDユニット14は、プリンタ筐体2に対し着脱可能に構成されており、円筒状の感光体ドラム17や各種ローラ等を有している。このIDユニット14は、上位装置から供給された画像データに基づいた静電潜像を感光体ドラムの周側面に生成し、トナーカートリッジ13から供給されるトナーを用いて現像することにより、イメージドラム17の周側面上にトナー画像を生成する(詳しくは後述する)。
転写ローラ16は、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されており、IDユニット14の感光体ドラム17との間に搬送路Wを挟持するように配置されている。この転写ローラ16は、搬送路Wに沿って用紙Pが搬送されていた場合、感光体ドラム17の周側面からトナー画像を該用紙Pに転写させる。
中搬送部11の後端近傍には、定着部20が設けられている。定着部20は、搬送路Wを挟んで対向するように配置された加熱ローラ21及び加圧ローラ22を有している。加熱ローラ21は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ22は、加熱ローラ21と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ21における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。また定着部20には、温度を検知する温度センサ(図示せず)等も設けられている。
この定着部20は、図2に示す定着制御部33の制御に基づき、定着モータ32から駆動力が供給されると、加熱ローラ21を加熱すると共に当該加熱ローラ21及び加圧ローラ22をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着部20は、中搬送部11から受け取った用紙P、すなわちトナー画像が転写された用紙Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後方へ引き渡す。
定着部20の後方には、排紙部25が配置されている。排紙部25は、給紙部6と同様、用紙Pを案内するガイド26や搬送ローラ27及び排紙ローラ28等の組み合わせにより構成されている。この排紙部25は、搬送ローラ27及び排紙ローラ28等を適宜回転させ、定着部20から引き渡される用紙Pをガイド26に沿って後上方へ搬送してから前方へ向けて折り返し、プリンタ筐体2の上面に形成された排出トレイ29へ排出する。
次に、図2を参照しながら、プリンタ1の回路構成について説明する。プリンタ制御部3は、プリンタ1を統括的に制御する部分であり、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、並びに記憶部等を有している。このプリンタ制御部3は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。また記憶部は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)のような不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムや各種情報等を記憶する。
このプリンタ制御部3には、上述した表示部4及びLEDヘッド15の他に、給紙モータ31、定着モータ32、定着制御部33、IDモータ34、高圧回路35及びトナーセンサ36等が接続されている。
給紙モータ31は、プリンタ制御部3の制御に基づき、駆動力を生成して給紙部6の給紙ローラ7等に供給する。LEDヘッド15は、複数のLED素子が設けられており、プリンタ制御部3の制御に基づき、感光体ドラム17(図1)の周側面に向けて光を照射する(詳しくは後述する)。
定着モータ32は、定着制御部33の制御に基づき、駆動力を生成して定着部20の加熱ローラ21等や排紙部25の搬送ローラ27等に供給する。定着制御部33は、定着部20における加熱ローラ21内のヒータに供給する電流量や、定着モータ32の回転等を制御する。
駆動部としてのIDモータ34は、プリンタ制御部3の制御に基づき、駆動力を生成してIDユニット14における感光体ドラム17や各ローラ等に供給する。高圧回路35は、プリンタ制御部3の制御に基づき、IDユニット14の各ローラや転写ローラ16等に供給すべき高電圧を生成する。トナーセンサ36は、IDユニット14の近傍に設置されており、該IDユニット内に収容されているトナーの残量に関する信号を供給する(詳しくは後述する)。
ところでプリンタ1は、厚さが通常の値である用紙Pに対して画像を印刷する場合、搬送路Wにおける用紙Pの搬送速度を比較的高い速度とすることにより、単位時間あたりの印刷枚数をできるだけ増加させるようになっている。その一方でプリンタ1は、厚さが比較的大きい用紙Pに対して画像を印刷する場合等に、定着部20における定着性能の低下を防止する等の目的により、搬送路Wにおける用紙Pの搬送速度を低速とするようになっている。
例えばプリンタ制御部3は、ユーザの操作により用紙Pの厚さが比較的大きい値に設定された場合、印刷時の搬送路Wにおける用紙Pの搬送速度を低速とし、これに合わせて給紙モータ31、定着モータ32及びIDモータ34をそれぞれ低速で駆動させるよう制御する。
[2.画像形成部の構成]
次に、画像形成部12の構成について、模式的な側面図である図3を参照しながら説明する。上述したように、画像形成部12は、トナーカートリッジ13、IDユニット14、LEDヘッド15及び転写ローラ16等を有している。
次に、画像形成部12の構成について、模式的な側面図である図3を参照しながら説明する。上述したように、画像形成部12は、トナーカートリッジ13、IDユニット14、LEDヘッド15及び転写ローラ16等を有している。
現像剤収容器としてのトナーカートリッジ13は、トナーカートリッジ筐体13Aにより外殻部分が形成されており、全体として左右方向に長い直方体状に形成されている。またトナーカートリッジ筐体13Aの底部は、左右方向から見て円弧状に湾曲された曲面状に形成されている。
トナーカートリッジ筐体13Aの内側には、十分な大きさの空間である収容空間13Bが形成されており、該収容空間13Bにトナーが収容されている。トナーカートリッジ筐体13Aの底部には、収容空間13Bと外部の空間とを連通させるトナーカートリッジ供給口13Cが形成されている。このトナーカートリッジ供給口13Cは、薄板状に形成されたシャッタ13Dにより開閉可能となっている。シャッタ13Dは、図示しないレバーと連動しており、ユーザによる当該レバーの操作に基づいてトナーカートリッジ供給口13Cを開放又は閉塞する。
このためトナーカートリッジ13は、IDユニット14に装着された状態でシャッタ13Dが開放されると、収容空間13Bに収容しているトナーをトナーカートリッジ供給口13Cから下方へ落下させることができる。
IDユニット14は、IDユニット筐体40により外殻部分が形成されている。IDユニット筐体40のうち上側の部分には、トナーカートリッジ13を装着させるためのトナーカートリッジ装着部41が形成されている。トナーカートリッジ装着部41の底部におけるトナーカートリッジ供給口13Cと対応する部分には、IDユニット供給孔42が形成されている。
IDユニット供給孔42の下方には、トナー収容空間43が形成されると共に、撹拌部44、検知窓45、供給ローラ46、現像ローラ47、現像ブレード48、感光体ドラム17及び帯電ローラ49等が適宜配置されている。
トナー収容空間43は、IDユニット供給孔42を介して上側の空間、すなわちトナーカートリッジ装着部41内の空間と連通している。このためトナー収容空間43には、トナーカートリッジ13からIDユニット供給孔42を介して落下してきたトナーが収納される。
トナーは粉状体であり、その比重が空気よりも大きいため、トナー収容空間43内において下寄りに滞留する。このためトナー収容空間43では、収容されているトナーの表面であるトナー表面TSの位置が高いほど、トナー残量が多い状態となり、当該トナー表面TSの位置が低いほど、トナー残量が少ない状態となる。またトナー収容空間43内には、下方に供給ローラ46(詳しくは後述する)が設けられており、該供給ローラ46によりトナーが現像ローラ47へ供給されると、トナー残量が減少する。
撹拌部44は、トナー収容空間43内に配置されており、トナー収容空間43内に収納されているトナーを撹拌する(詳しくは後述する)。検知窓45は、IDユニット筐体40の左側面における撹拌部44の左側に位置しており、光を通過させることができる。
供給ローラ46は、トナー収容空間43内における撹拌部44の下方に配置されている。現像ローラ47は、供給ローラ46の後ろ斜め上側において、該供給ローラ46及び感光体ドラム17とそれぞれ当接する位置に設けられている。供給ローラ46及び現像ローラ47は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成され、それぞれの中心軸を中心として回転可能に支持されている。現像ブレード48は、薄板状に形成されており、弾性力を作用させた状態で、一端を現像ローラ47の周側面に当接させている。
現像剤担持体としての感光体ドラム17は、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されており、中心軸を中心に回転可能に支持されている。また感光体ドラム17は、その周側面に薄膜状の電荷発生層及び電荷輸送層が順次形成され、帯電し得るようになっている。帯電ローラ49は、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成され、回転可能に支持されると共に、感光体ドラム17の後上側に当接するように設けられている。
LEDヘッド15は、露光ヘッドや露光部等とも呼ばれており、左右方向に沿った細長い棒状に形成され、感光体ドラム17の上側に位置している。このLEDヘッド15には、複数のLED素子やレンズ等が概ね左右方向に沿って配置されている。LEDヘッド15は、プリンタ制御部3(図2)の制御に基づいて各LED素子を適宜発光させると、下方向へ向けてそれぞれ光を収束させながら照射し、感光体ドラム17の周側面における上端近傍にその焦点を結ぶ。
かかる構成において、画像形成部12は、印刷処理を行う場合、プリンタ制御部3の制御に基づき、IDモータ34(図2)から駆動力が供給される。これにより画像形成部12は、IDユニット14の供給ローラ46、現像ローラ47、帯電ローラ49及び転写ローラ16をそれぞれ矢印R2方向へ回転させると共に、感光体ドラム17を矢印R1方向へ回転させる。
また画像形成部12は、プリンタ制御部3(図2)の制御に基づき、高圧回路35(図2)からから供給ローラ46、現像ローラ47、帯電ローラ49及び転写ローラ16にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、それぞれ帯電させる。
供給ローラ46は、帯電によりトナー収容空間43内のトナーを周側面に付着させ、回転によりこのトナーを現像ローラ47の周側面に付着させる。現像ローラ47は、現像ブレード48によって周側面から余分なトナーが除去された後、この周側面を感光体ドラム17の周側面に当接させる。
一方、帯電ローラ49は、帯電した状態で感光体ドラム17と当接することにより、当該感光体ドラム17の周側面を一様に帯電させる。LEDヘッド15は、プリンタ制御部3(図2)から供給される画像データに基づいた発光パターンで発光し、感光体ドラム17を露光する。これにより感光体ドラム17は、その上端近傍において周側面に静電潜像が形成される。
続いて感光体ドラム17は、矢印R1方向へ回転することにより、この静電潜像を形成した箇所を現像ローラ47と当接させる。これにより感光体ドラム17の周側面には、静電潜像に基づいてトナーが付着し、画像データに基づいたトナー画像が現像される。
現像されたトナー画像は、感光体ドラム17の回転により、転写ローラ16との挟持箇所、すなわち搬送路Wに到達する。このとき画像形成部12は、搬送路Wに沿って用紙Pが搬送されていた場合、このトナー画像を感光体ドラム17の周側面から当該用紙Pに転写する。
このようにして画像形成部12(図1)は、印刷データに基づいたトナー画像を形成し、搬送路Wに沿って前方から搬送されて来る用紙Pに当該トナー画像を転写することができる。
[3.撹拌部の構成]
次に、撹拌部44の詳細な構成について説明する。撹拌部44は、図4に模式的な分解斜視図を示すように、大きく分けて撹拌体50と駆動伝達体60とにより構成されている。さらに撹拌体50は、大きく分けて屈曲柱体51、検知板52及び係合突起53により構成されている。
次に、撹拌部44の詳細な構成について説明する。撹拌部44は、図4に模式的な分解斜視図を示すように、大きく分けて撹拌体50と駆動伝達体60とにより構成されている。さらに撹拌体50は、大きく分けて屈曲柱体51、検知板52及び係合突起53により構成されている。
屈曲柱体51は、左右方向に沿った細長い円柱状の部材が、複数箇所においてそれぞれ約90度に屈曲され、全体としてクランク状に形成されている。具体的に屈曲柱体51は、左側から右側へ向かって、中心部51A、半径部51B、外郭部51C、半径部51D及び中心部51Eが順次設けられている。このうち中心部51A及び51E並びに外郭部51Cは、何れも左右方向に沿った直線状の円柱となっている。一方、半径部51B及び51Dは、何れも上下方向に沿った直線状の円柱となっており、中心部51A及び51Cから下方向(以下これを放射方向とも呼ぶ)へ向けて垂設されている。
被検知体としての検知板52は、全体として上下方向に長く、左右方向に短い薄板状に形成されている。また検知板52は、その上端近傍に左右方向に貫通する丸孔52Hが穿設されている。この丸孔52Hには、屈曲柱体51の中心部51Aにおける左端部分が挿通され、固定されている。さらに検知板52は、その長手方向が半径部51B及び51Dとほぼ平行に揃えられており、また当該長手方向に沿った長さが当該半径部51B及び51Dにおける長手方向の長さとほぼ同等となっている。
検知板52の下端における左側面には、反射部材55が設けられている。反射部材55は、光を高い反射率で反射する性質を有している。また反射部材55は、屈曲柱体51における外郭部51Cのちょうど左側に位置している。このため、撹拌体50を左方向から見た様子を表す模式図である図5(A)において、反射部材55及び外郭部51Cが重なって表される。
係合突起53は、微小な直方体状に形成されており、屈曲柱体51の中心部51Aにおいて、左右方向の中央付近における下側面に、下方向へ向けて突出するように設けられている。
撹拌体50は、屈曲柱体51の中心部51A及び51Eが回転可能に支持されている。このため撹拌体50は、図5(A)及び(B)に示すように、中心部51A及び51Eの中心を通る仮想的な撹拌中心軸X44を回転中心とし、外郭部51Cに該撹拌中心軸X44の周囲を周回させるようにして、回転することができる。
説明の都合上、以下では、外郭部51Cの中心に相当する点50Qを、撹拌体50の方向や位置を表す場合の指標とみなし、撹拌中心軸X44を基準とした当該点50Qの相対的な位置や方向を、該撹拌体50の位置や方向とする。
例えば図5(A)は、点50Qが撹拌中心軸X44のほぼ真下に位置しており、撹拌体50が下向きとなった状態を表している。以下、このときの点50Qの位置を下死点と呼ぶ。また図5(B)は、点50Qが撹拌中心軸X44のほぼ真上に位置しており、撹拌体50が上向きとなった状態を表している。以下、このときの点Q50の位置を上死点と呼ぶ。
ここでIDユニット14(図3)では、撹拌体50が下死点又は該下死点の近傍に位置している場合(図5(A))、外郭部51Cが回転により変位し得る範囲において、IDユニット供給孔42及びトナーカートリッジ13のトナーカートリッジ供給口13Cから最も離隔している。このため以下では、この下死点を供給口離隔位置とも呼ぶ。
またIDユニット14では、撹拌体50が上死点又は該上死点の近傍に位置している場合(図5(B))、外郭部51Cが回転により変位し得る範囲において、IDユニット供給孔42及びトナーカートリッジ13のトナーカートリッジ供給口13Cに最も近接している。このため以下では、この上死点を供給口近接位置とも呼ぶ。
さらにIDユニット14では、撹拌体50が下向き(図4及び図5(A))である場合に、検知窓45(図3)が反射部材55の左側に位置するよう、各部の配置が調整されている。
一方、プリンタ筐体2(図1)における、検知窓45の左側となる箇所には、トナーセンサ36(図2)が配置されている。このトナーセンサ36は、右側(すなわち検知窓45側)に向けて所定の検知光を発光する発光素子や、右側から進行してくる当該検知光を受光する受光素子等を有している。トナーセンサ36は、プリンタ制御部3の制御に基づき、発光素子から検知光を発光させる一方、受光素子により受光した検知光の光量を元にトナー検知信号を生成する。
プリンタ筐体2にIDユニット14が装着され、且つ検知窓45の右側に反射部材55が位置している場合、トナーセンサ36の発光素子から発光された検知光は、検知窓45を通過し、反射部材55において反射され、再び検知窓45を通過し、受光素子により受光される。このときトナーセンサ36は、受光素子により受光した光量を表す受光信号を生成し、これをプリンタ制御部3(図2)へ供給する。
プリンタ制御部3は、取得した受光信号の信号レベルが所定の検知閾値を上回れば、撹拌体50を検知したことを意味する「検知」と判定し、当該検知閾値を下回れば、当該撹拌体50を検知しなかったことを意味する「非検知」と判定する。実際上、プリンタ1では、検知窓45及び反射部材55の大きさや撹拌中心軸X44からの距離、並びに検知閾値等の関係により、撹拌体50が下向きを中心とした所定の検知範囲内(例えば各回転方向に60度ずつの範囲内)に位置している場合に、「検知」と判定する。以下、このような判定処理を検知判定処理と呼ぶ。
すなわちプリンタ制御部3は、検知判定処理により、トナーセンサ36から得られる受光信号を基に、撹拌体50の一部であり屈曲柱体51と連動する反射部材55が検知範囲内に位置しているか否かを、「検知」又は「非検知」として判定することができる。その上でプリンタ制御部3は、「検知」と判定した期間の長さや割合等を基に、IDユニット14内におけるトナーの残量(以下これをトナー残量と呼ぶ)を判定するようになっている(詳しくは後述する)。
駆動伝達体60(図4)は、全体として円筒形状に形成されており、円筒部61及び伝達突起62を有している。円筒部61は、撹拌中心軸X44を中心とした円筒状に形成されている。伝達突起62は、微小な直方体状に形成されており、円筒部61の内側面から撹拌中心軸X44側に向けて立設されている。
図6(A)に模式的な断面図を示すように、駆動伝達体60は、撹拌体50の中心部51Aに挿通されている。また駆動伝達体60は、図示しないギア等を介して、IDモータ34(図2)から駆動力が伝達されると、矢印R2方向(図の反時計回り)に回転する。
かかる構成により、撹拌部44は、図6(A)に示したように、駆動伝達体60の伝達突起62が撹拌体50の係合突起53から離れている場合、IDモータ34(図2)の駆動力が撹拌体50に伝達されない。このため撹拌体50は、外郭部51Cに作用する重力や、トナー収容空間43に収容されているトナーと当該外郭部51Cとの接触等に応じて、動作や位置が定まることになる。
一方、図6(A)と対応する図6(B)は、撹拌部44において、駆動伝達体60の伝達突起62が当該撹拌体50の係合突起53に当接している状態を表している。この図6(B)に示した状態において、撹拌部44では、IDモータ34(図2)の駆動力が撹拌体50に伝達され、駆動伝達体60及び撹拌体50が一体に回転することになる。
説明の都合上、以下では、図6(B)に示した状態における、駆動伝達体60の最下点となる点60Qを、駆動伝達体60の方向や位置を表す場合の指標とみなし、撹拌中心軸X44を基準とした当該点60Qの相対的な位置や方向を、該駆動伝達体60の位置や方向とする。例えば図6(B)は、駆動伝達体60が下向きとなった状態を表している。また図6(A)は、駆動伝達体60が後斜め下を向いた状態を表している。
説明の都合上、以下では、撹拌中心軸X44に対する点60Qの位置に関しても、点50Qの場合と同様に、撹拌中心軸X44のほぼ真下を下死点と呼び、該撹拌中心軸X44のほぼ真上を上死点と呼ぶ。
このように撹拌部44は、トナー収容空間43内において撹拌体50を回転可能とし、IDモータ34(図2)の駆動力を駆動伝達体60から当該撹拌体50に伝達することにより、トナー収容空間43内のトナーを撹拌するようになっている。
[4.トナーの検知及びトナー残量の判定]
次に、プリンタ制御部3(図2)により、トナーセンサ36から得られる検知信号に基づいた検定判定処理を行い、得られた検知結果を基にIDユニット14におけるトナー残量を判定する処理について説明する。また以下では、トナー収容空間43内に収納されているトナーの残量が比較的多い場合と、比較的少ない場合とについて、それぞれ説明する。
次に、プリンタ制御部3(図2)により、トナーセンサ36から得られる検知信号に基づいた検定判定処理を行い、得られた検知結果を基にIDユニット14におけるトナー残量を判定する処理について説明する。また以下では、トナー収容空間43内に収納されているトナーの残量が比較的多い場合と、比較的少ない場合とについて、それぞれ説明する。
なお、何れの場合においても、撹拌部44の撹拌体50が下死点に位置した状態を初期状態とし、またIDモータ34から供給される駆動力により駆動伝達体60が一定の速度で回転しているものとする。
[4-1.トナー残量が比較的多い場合]
まず、IDユニット14において、トナー収容空間43に収容されたトナーの残量が比較的多い場合について説明する。図7は、(A)IDモータ34の回転又は停止と、(B)駆動伝達体60の位置と、(C)撹拌体50の位置と、(D)トナーセンサ36から得られる受光信号に基づいたプリンタ制御部3による検知判定結果とを、それぞれ模式的なタイミングチャートとして表したものである。
まず、IDユニット14において、トナー収容空間43に収容されたトナーの残量が比較的多い場合について説明する。図7は、(A)IDモータ34の回転又は停止と、(B)駆動伝達体60の位置と、(C)撹拌体50の位置と、(D)トナーセンサ36から得られる受光信号に基づいたプリンタ制御部3による検知判定結果とを、それぞれ模式的なタイミングチャートとして表したものである。
また図8(A)~(F)は、図7の各時点における、撹拌体50及び駆動伝達体60の位置と、検知窓45の位置と、トナー収容空間43内に収納されているトナーの表面を表すトナー表面TSとの関係を、それぞれ模式的に表したものである。この図8では、撹拌中心軸X44を基準とした円弧状の矢印のうち、内周側の矢印が駆動伝達体60の回転速度の大きさを表し、外周側の矢印が撹拌体50の回転速度の大きさを表している。
最初の時刻T0において、撹拌部44は、図8(A)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60は、一定の速度での回転を継続しており、下死点に位置している。撹拌体50は、下死点に位置しており、係合突起53が伝達突起62と当接し、駆動力が伝達され得る状態となっている。また、反射部材55の一部分が検知窓45の右側に位置しているため、検知判定結果は「検知」となる。
時刻T1において、撹拌部44は、図8(B)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60及び撹拌体50は、一体として一定の速度で回転し、何れも下死点からやや離れた箇所に位置している。また、反射部材55の大部分が検知窓45の右側から外れるため、検知判定結果は「非検知」に切り替わる。
時刻T2において、撹拌部44は、図8(C)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60及び撹拌体50は、引き続き一体として一定の速度で回転し、何れも上死点に位置している。また、反射部材55が検知窓45の右側から完全に外れているため、検知判定結果は引き続き「非検知」となる。
この時刻T2以降、撹拌体50は、主に外郭部51Cに作用する重力により該外郭部51Cを落下させるようにして、駆動伝達体60よりも速い回転速度で回転し、これに伴って係合突起53を駆動伝達体60の伝達突起62から引き離す。その後、撹拌体50は、図8(D)に示すように、外郭部51Cをトナー表面TSに当接させると、トナーが進行の妨げとなり抵抗が発生するため、該外郭部51Cの一部をトナーに埋もれさせた状態で静止する。
時刻T3において、撹拌部44は、この図8(D)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60は、一定の速度での回転を継続しているものの、撹拌体50から大きく遅れた位置にある。撹拌体50は、トナー表面TSに僅かに埋もれた状態で静止している。また、引き続き反射部材55が検知窓45の右側から完全に外れた状態であるため、検知判定結果は引き続き「非検知」となる。
時刻T4において、撹拌部44は、図8(E)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60は、一定の速度での回転を継続しており、撹拌体50に追い付いて伝達突起62を係合突起53に当接させる。撹拌体50は、トナー表面TSに僅かに埋もれた状態で静止している。また、引き続き反射部材55が検知窓45の右側から完全に外れた状態であるため、検知判定結果は引き続き「非検知」となる。
この時刻T4以降、撹拌体50は、駆動伝達体60の伝達突起62から係合突起53に対し駆動力が伝達されるため、主に外郭部51Cをトナーの内部に潜らせながら回転し、これにより当該トナーを撹拌していく。
時刻T5において、撹拌部44は、図8(F)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60及び撹拌体50は、一体として一定の速度で回転し、何れも下死点のやや手前となる箇所に位置している。また、反射部材55の一部分が検知窓45の右側に位置するため、検知判定結果は「検知」に切り替わる。
その後、時刻T6において、撹拌部44は、時刻T0と同様に、図8(A)に示したような状態となる。すなわち撹拌部44では、IDモータ34が回転を継続する間、時刻T0~T6と同様の状態を周期的に繰り返すことになる。このため、時刻T7において、撹拌部44は、時刻T1と同様に、図8(B)に示したような状態となり、検知判定結果が「非検知」に切り替わる。
[4-2.トナー残量が比較的少ない場合]
次に、IDユニット14において、トナー収容空間43に収容されたトナーの残量が比較的少ない場合について説明する。図7と対応する図9は、(A)IDモータ34の回転又は停止と、(B)駆動伝達体60の位置と、(C)撹拌体50の位置と、(D)トナーセンサ36から得られる受光信号に基づいたプリンタ制御部3による検知判定結果とを、それぞれ模式的なタイミングチャートとして表したものである。
次に、IDユニット14において、トナー収容空間43に収容されたトナーの残量が比較的少ない場合について説明する。図7と対応する図9は、(A)IDモータ34の回転又は停止と、(B)駆動伝達体60の位置と、(C)撹拌体50の位置と、(D)トナーセンサ36から得られる受光信号に基づいたプリンタ制御部3による検知判定結果とを、それぞれ模式的なタイミングチャートとして表したものである。
また図8(A)~(F)と対応する図10(A)~(E)は、図9の各時点における、撹拌体50及び駆動伝達体60の位置と、検知窓45の位置と、トナー収容空間43内に収納されているトナーの表面を表すトナー表面TSとの関係を、それぞれ模式的に表したものである。この図10では、図8と同様に、撹拌中心軸X44を基準とした円弧状の矢印のうち、内周側の矢印が駆動伝達体60の回転速度の大きさを表し、外周側の矢印が撹拌体50の回転速度の大きさを表している。
時刻T10、T11及びT12において、撹拌部44は、トナーの残量が比較的多い場合の時刻T0、T1及びT2(図7及び図8)とそれぞれ同様の状態となる。
すなわち時刻T12において、撹拌部44は、図10(C)に示すような状態となっている。すなわち、駆動伝達体60及び撹拌体50は、一体として一定の速度で回転し、何れも上死点に位置している。また、反射部材55が検知窓45の右側から完全に外れているため、検知判定結果は引き続き「非検知」となる。
この時刻T12以降、撹拌体50は、主に外郭部51Cに作用する重力により該外郭部51Cを落下させるようにして、駆動伝達体60よりも速い回転速度で回転し、これに伴って係合突起53を駆動伝達体60の伝達突起62から引き離す。その後、撹拌体50は、図10(D)に示すように、外郭部51Cをトナー表面TSに当接させると、トナーが進行の妨げとなり抵抗が発生するため、該外郭部51Cの一部をトナーに埋もれさせた状態で静止する。
時刻T13において、撹拌部44は、この図10(D)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60は、一定の速度での回転を継続しているものの、撹拌体50から大きく遅れた位置にある。撹拌体50は、トナー表面TSに僅かに埋もれた状態で静止している。また、図8(D)とは異なり、反射部材55の一部分が検知窓45の右側に位置するため、検知判定結果は「検知」に切り替わる。
時刻T14において、撹拌部44は、図10(E)に示すような状態となっている。すなわち駆動伝達体60は、一定の速度での回転を継続しており、撹拌体50に追い付いて伝達突起62を係合突起53に当接させる。撹拌体50は、トナー表面TSに僅かに埋もれた状態で静止している。また、引き続き反射部材55の大部分が検知窓45の右側に位置する状態であるため、検知判定結果は引き続き「検知」となる。
この時刻T14以降、撹拌体50は、駆動伝達体60の伝達突起62から係合突起53に対し駆動力が伝達されるため、主に外郭部51Cをトナーの内部に潜らせながら回転し、これにより当該トナーを撹拌していく。
時刻T15において、撹拌部44は、時刻T10と同様に、図10(A)に示したような状態となる。すなわち撹拌部44では、IDモータ34が回転を継続する間、時刻T10~T15と同様の状態を周期的に繰り返すことになる。このため、時刻T16において、撹拌部44は、時刻T11と同様に、図10(B)に示したような状態となり、検知判定結果が「非検知」に切り替わる。
[4-3.トナー残量の判定]
ところで、トナー残量(すなわちトナー収容空間43に収容されたトナーの残量)が比較的多い場合、プリンタ制御部3による検知判定結果(図7(D))では、「検知」となった期間である検知期間DT1が、時刻T5から時刻T7までの比較的短い期間となっている。一方、トナー残量が比較的少ない場合、プリンタ制御部3による検知判定結果(図9(D))では、検知期間DT2が、時刻T13から時刻T16までの比較的長い期間となっている。
ところで、トナー残量(すなわちトナー収容空間43に収容されたトナーの残量)が比較的多い場合、プリンタ制御部3による検知判定結果(図7(D))では、「検知」となった期間である検知期間DT1が、時刻T5から時刻T7までの比較的短い期間となっている。一方、トナー残量が比較的少ない場合、プリンタ制御部3による検知判定結果(図9(D))では、検知期間DT2が、時刻T13から時刻T16までの比較的長い期間となっている。
このようにプリンタ1では、IDユニット14のトナー残量が比較的少なくなると、プリンタ制御部3により得られる検知期間DTが長くなる、といった関係性がある。
またIDユニット14では、IDモータ34の回転速度に応じて駆動伝達体60の回転速度が変化し、1回転に要する期間(以下これを駆動周期CTと呼ぶ)の長さも変化する。このため、トナー残量が一定であっても、駆動周期CTが変化すると検知期間も変化することになる。この駆動周期CTは、図7における時刻T0から時刻T6までの期間であり、また図9における時刻T10から時刻T15までの期間である。
このような関係から、プリンタ1では、駆動周期CTに対する割合(すなわち相対的な比率)として検知期間DTを表し、これを所定の閾値と比較することにより、IDモータ34の回転速度や当該駆動周期CTに関わらず、当該検知期間DTを基にトナー残量を判定することが可能となる。
具体的にプリンタ制御部3では、検知期間DTを駆動周期CTにより除算した値である検知割合を算出した上で、予め設定されたニアエンド閾値及びエンプティ閾値と、該検知割合とをそれぞれ比較するようになっている。
まず、トナー収容空間43におけるトナー残量が比較的多く(例えば図7及び図8)、印刷処理を問題なく行い得る状態である場合、検知割合の値は比較的小さい値となる。以下、このようなトナー残量を充足残量とも呼ぶ。
これに対し、ニアエンド閾値は、トナー残量が充足残量である場合における検知割合の値よりもやや大きい値であり、トナー残量が比較的少ないことを判定し得る値に設定されている。プリンタ1では、検知割合がニアエンド閾値を上回った場合、ニアエンド状態となる。このニアエンド状態は、トナー収容空間43内のトナーを使用した印刷は可能であるものの、まもなくトナー不足により印刷が不可能となるような状態であり、ユーザに対しトナーカートリッジ13を交換する準備をさせる必要がある。以下、このようなトナー残量をニアエンド残量とも呼ぶ。
一方、エンプティ閾値は、ニアエンド閾値よりも大きい値であり、トナー残量が極めて少ないことを判定し得るような値に設定されている。プリンタ1では、検知割合がエンプティ閾値を上回った場合、エンプティ状態となる。このエンプティ状態は、トナー収容空間43内のトナーが不足しているため、もはや印刷が不可能な状態であり、ユーザによるトナーカートリッジ13の交換が必要となる。以下、このようなトナー残量をエンプティ残量とも呼ぶ。
このようにプリンタ1では、撹拌部44における撹拌体50の回転状況に応じてトナーセンサ36から得られる検知信号を基に、IDユニット14におけるトナー収容空間43内のトナー残量を、プリンタ制御部3において判定する。このときプリンタ制御部3は、検知割合がニアエンド閾値以上であれば充足残量と判定し、該検知割合がニアエンド閾値未満且つエンプティ閾値以上であればニアエンド残量と判定し、エンプティ閾値未満であればエンプティ残量と判定する。
またプリンタ1では、プリンタ制御部3において、トナーセンサ36から得られる検知信号を基に、撹拌体50が下死点またはその近傍に位置するか否かを検知することができる。そこで以下では、プリンタ制御部3及びトナーセンサ36をまとめて残量検知部とも呼ぶ。
ところでプリンタ1では、印刷処理を行う場合に加えて、所定の初期化処理を実行した場合や所定の省電力状態から復帰した場合等にも、IDモータ34(図2)を駆動させて撹拌部44の駆動伝達体60及び撹拌体50を回転させるようになっている。このためプリンタ1は、初期化処理の完了時、省電力状態からの復帰時、及び印刷処理の完了時等に、最新のトナー残量を判定し、得られた判定結果(充足残量、ニアエンド残量又はエンプティ残量)をプリンタ制御部3内のRAM(図示せず)に記憶させている。
[5.印刷処理]
次に、プリンタ1におけるトナー残量に応じた印刷処理について、説明する。プリンタ1のプリンタ制御部3(図2)は、電源が投入されると、所定の初期化処理を行う。この初期化処理において、プリンタ制御部3は、この時点におけるトナー残量を判定し記憶している。このとき記憶されるトナー残量は、充足残量、ニアエンド残量又はエンプティ残量の何れかとなる。プリンタ制御部3は、この初期化処理を行った後、図11に示す印刷処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
次に、プリンタ1におけるトナー残量に応じた印刷処理について、説明する。プリンタ1のプリンタ制御部3(図2)は、電源が投入されると、所定の初期化処理を行う。この初期化処理において、プリンタ制御部3は、この時点におけるトナー残量を判定し記憶している。このとき記憶されるトナー残量は、充足残量、ニアエンド残量又はエンプティ残量の何れかとなる。プリンタ制御部3は、この初期化処理を行った後、図11に示す印刷処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
ステップSP1においてプリンタ制御部3は、所定のネットワークを介して接続されたコンピュータ装置等の上位装置(図示せず)から印刷命令を受信すると、次のステップSP2に移る。この印刷命令には、例えば印刷すべき画像を表す印刷データや、印刷すべき用紙のサイズ、印刷濃度や拡大・縮小の指定等を表す情報等が含まれる。ステップSP2においてプリンタ制御部3は、記憶している最新のトナー残量、すなわちこの時点におけるトナー残量を確認し、次のステップSP3に移る。
ステップSP3においてプリンタ制御部3は、トナー残量が充足残量であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはIDユニット14のトナー収容空間43内に十分な量のトナーが収容されており、印刷動作を行い得る状態であると共に、当面の間はトナーカートリッジ13の交換が不要であることを表している。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP4に移る。
ちなみに、このときIDモータ34の動作、駆動伝達体60の位置、撹拌体50の位置、及び該撹拌体50の検知結果に関しては、図7に示したタイミングチャートにおける時刻T0~T6のような変動が繰り返し表れる。
ステップSP4においてプリンタ制御部3は、受信した印刷命令に基づいた印刷動作を開始し、次のステップSP5に移る。すなわちプリンタ制御部3は、用紙カセット5(図1)から用紙Pを1枚ずつ分離して搬送路Wに沿って搬送させると共に、画像形成部12により印刷データに基づいたトナー画像を形成して当該用紙Pに転写し、定着部20により当該トナー画像を当該用紙Pに定着させる、といった一連の動作を開始する。またプリンタ制御部3は、印刷データに含まれるページ数だけ、この一連の動作を繰り返し実行させる。
このときプリンタ制御部3は、印刷動作を開始する際に、各モータと共にIDモータ34の駆動を開始させており、IDユニット14の感光体ドラム17や各ローラをそれぞれ回転させると共に、撹拌部44の駆動伝達体60及び撹拌体50(図4)も適宜回転させている。
ステップSP5においてプリンタ制御部3は、印刷データに含まれていた全てのページを印刷し終えると、印刷動作を終了し、次のステップSP6に移る。ステップSP6においてプリンタ制御部3は、給紙モータ31及び定着モータ32等の各モータに加えてIDモータ34の動作を停止させ、次のステップSP7に移る。
ステップSP7においてプリンタ制御部3は、トナーセンサ36から得られた最新の検知信号を基にトナー残量を判定すると共に得られた判定結果を記憶し、次のステップSP21に移る。具体的にプリンタ制御部3は、トナーセンサ36から得られた最新の検知信号を基に検知期間DT(図7及び図9)を特定し、この検知期間DTを駆動周期CTで除算することにより検知割合を算出し、この検知割合をニアエンド閾値及びエンプティ閾値とそれぞれ比較し、得られた比較結果を基にトナー残量を判定する。
一方、ステップSP3において否定結果が得られると、このことはトナー残量がニアエンド残量又はエンプティ残量の何れかであるため、間もなく若しくは直ちに、トナーカートリッジ13の交換が必要となることを表している。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP8に移る。
ステップSP8においてプリンタ制御部3は、トナーカートリッジ13の交換時期が近いことを表す所定のメッセージを表示部4に表示させ、次のステップSP9に移る。これに応じてユーザは、このメッセージを視認することにより、新たなトナーカートリッジ13を手配する等、当該トナーカートリッジ13を交換する準備を行うことができる。
ステップSP9においてプリンタ制御部3は、トナー残量がニアエンド残量であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはトナー残量がエンプティ残量であること、すなわちIDユニット14のトナー収容空間43内に極めて少ない量のトナーが収容されており、印刷動作を行い得ない状態であることを表している。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP10に移る。
ステップSP10においてプリンタ制御部3は、トナーが不足しているために印刷中止としたことを表す所定のメッセージを表示部4に表示させ、次のステップSP11に移る。ステップSP11においてプリンタ制御部3は、ステップSP1において受信した印刷命令に基づく印刷を中止し、印刷動作を開始すること無く、次のステップSP21に移る。
一方、ステップSP9において肯定結果が得られると、このことはIDユニット14のトナー収容空間43内に収容されているトナーの残量が比較的少ないものの、印刷動作が可能であることを表している。またこの場合、ステップSP8においてトナーカートリッジ13の交換時期を通知したため、今回の印刷動作の終了後に、ユーザによって当該トナーカートリッジ13が交換される可能性がある。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP12に移る。
ちなみに、このときIDモータ34の動作、駆動伝達体60の位置、撹拌体50の位置、及び該撹拌体50の検知結果に関しては、図9に示したタイミングチャートにおける時刻T10~T15のような変動が繰り返し表れる。
ステップSP12においてプリンタ制御部3は、ステップSP4と同様、受信した印刷命令に基づいた印刷動作を開始し、次のステップSP13に移る。このときプリンタ制御部3は、やはりステップSP4と同様に、IDモータ34の駆動を開始させ、撹拌部44の駆動伝達体60及び撹拌体50(図4)も適宜回転させている。
ステップSP13においてプリンタ制御部3は、印刷データに含まれていた全てのページを印刷し終えると、ステップSP5と同様に印刷動作を終了し、次のステップSP14に移る。ステップSP14においてプリンタ制御部3は、給紙モータ31や定着モータ32等(図2)、各モータ等の動作を停止させる一方、IDモータ34の駆動を継続させ、次のステップSP15に移る。
ステップSP15においてプリンタ制御部3は、トナーセンサ36から、IDユニット14の撹拌部44における撹拌体50の回転に応じた検知信号を取得し、次のステップSP16に移る。
ステップSP16においてプリンタ制御部3は、トナーセンサ36から取得した検知信号を基に、「検知」となったか否か、すなわち当該検知信号の信号レベルが検知閾値を超えたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、撹拌体50の回転速度が高すぎたために、検知信号に変化が出現しなかった可能性があることを表している。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP17に移る。
ステップSP17においてプリンタ制御部3は、IDモータ34の駆動速度(すなわち回転速度)が低速であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは印刷動作における搬送路Wの搬送速度が通常の速度であり、これに応じてIDモータ34も通常の駆動速度であるために、撹拌体50が比較的高速に回転していることを表している。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP18に移る。
ステップSP18においてプリンタ制御部3は、IDモータ34の駆動速度を低速に切り替えた後、再度ステップSP15に戻る。これによりプリンタ制御部3では、トナーセンサ36から得られる検知信号を基に、「検知」と判定されることが期待できる。
また、ステップSP17において肯定結果が得られると、このことはIDモータ34が既に低速であるため、現在の駆動速度を継続することにより、今後得られる検知信号を基に、「検知」と判定される可能性が高いことを表している。このときプリンタ制御部3は、IDモータ34における現在の駆動速度を変更せず、再度ステップSP15に戻る。
一方、ステップSP16において肯定結果が得られると、このことはトナーセンサ36により反射部材55から十分な強度の検知光を受光できたこと、すなわち図10(D)に示したように、撹拌体50が下死点の近傍に位置していることを表している。またこのような状態は、図9(B)、(C)及び(D)の時刻T18に相当する。このときプリンタ制御部3は、次のステップSP19に移る。
ステップSP19においてプリンタ制御部3は、図9(A)の時刻T18のように、IDモータ34を直ちに停止させ、次のステップSP20に移る。これによりIDユニット14の撹拌部44では、駆動伝達体60及び撹拌体50がその時点の位置(図10(D))、すなわちトナーカートリッジ13(図3)から大きく離隔した位置において、直ちに停止する。
ステップSP20においてプリンタ制御部3は、ステップSP7と同様に、トナーセンサ36から得られた最新の検知信号を基にトナー残量を判定すると共に得られた判定結果を記憶し、次のステップSP21に移る。ステップSP21においてプリンタ制御部3は、印刷処理手順RT1を終了する。
[6.効果等]
以上の構成において、本実施の形態によるプリンタ1は、印刷処理(図11)において、IDユニット14におけるトナー収容空間43内のトナー残量がニアエンド残量であった場合、撹拌部44の撹拌体50(図4)を下死点の近傍で停止させる(図10(D))。
以上の構成において、本実施の形態によるプリンタ1は、印刷処理(図11)において、IDユニット14におけるトナー収容空間43内のトナー残量がニアエンド残量であった場合、撹拌部44の撹拌体50(図4)を下死点の近傍で停止させる(図10(D))。
このためプリンタ1は、撹拌体50を上死点の近傍で停止させた場合(図5(B))に生じ得る、「外郭部51Cがトナーカートリッジ13の直近で静止しているために当該トナーカートリッジ13の外装にトナーを付着させる」といった事態を回避できる。
これによりプリンタ1は、ユーザによりトナーカートリッジ13が交換される場合、IDユニット14から取り外された際に、当該トナーカートリッジ13の外装からトナーが剥離してプリンタ筐体2の内部や周囲を汚損させることを、良好に抑制できる。
他の観点から見れば、プリンタ1では、トナー収容空間43内のトナーを十分に撹拌する目的から、撹拌体50の外郭部51CがIDユニット供給孔42の近傍まで、すなわちトナーカートリッジ13の下面近傍まで到達することが望ましい。しかしプリンタ1では、トナーカートリッジ13の交換時に、撹拌体50の外郭部51Cがトナーカートリッジ13の近傍に位置している場合、上述したようにトナーを外装に付着させる恐れがある。
そこでプリンタ1では、IDユニット14における撹拌部44の位置や撹拌体50の構成を変更すること無く、当該撹拌体50の停止位置を制御することにより、トナーカートリッジ13の交換時に外郭部51Cを該トナーカートリッジ13から引き離すようにした。これによりプリンタ1では、撹拌部44によるトナー収容空間43内におけるトナーの良好な撹拌と、トナーカートリッジ13の交換時における外装へのトナーの付着及び剥離の抑制とを、両立させることができる。
またプリンタ1では、撹拌体50の反射部材55(図4)をトナーセンサ36により検知した時点で当該撹拌体50を停止させることにより、当該撹拌体50を下死点に位置させるようにした(図5(A))。このうち撹拌部44及びトナーセンサ36の構成は、特許文献1にも開示されているように、出願人が従前より採用しているものであり、比較的簡易な構成でありながら、トナー収容空間43内におけるトナーの撹拌とトナー残量の検知とを実現し得るものである。
すなわち本願発明のプリンタ1は、撹拌体50を下死点の近傍に停止させ得るものの、撹拌部44を駆動するIDモータ34に関する制御の工夫により、このことを実現している。このためプリンタ1では、従前と同様の撹拌部44及びトナーセンサ36に関し、設計を変更すること無くそのまま利用できる。
さらに他の観点から見ると、プリンタ1は、回転する撹拌体50に設けられた反射部材55から得られる反射光をトナーセンサ36によって受光したタイミングを、該撹拌体50が下死点に位置しているタイミングとして判断し、IDモータ34を停止させるようにした。このためプリンタ1では、仮にトナーセンサ36により検知光を受光するタイミングと合わずに撹拌体50が下死点を通過したとしても、該撹拌体50が次回以降に下死点の近傍に到達したタイミングで検知できれば良い。すなわちプリンタ1は、最終的に極めて高い確度で撹拌体50を下死点で停止させることができる。
またプリンタ1では、IDユニット14のトナー収容空間43内におけるトナー残量がニアエンド残量であった状態において印刷動作を完了した後、IDモータ34の駆動速度が通常の速度であった場合、低速に切り替えるようにした(図11、ステップSP17及びSP18)。これによりプリンタ1では、トナーセンサ36における検知光の発光及び受光のタイミングと、反射部材55が下死点の近傍に到達するタイミングとがずれる可能性を格段に低減させ、撹拌体50を確実に検知することができる。
さらにプリンタ1では、印刷処理の開始前に判定された最新のトナー残量がニアエンド残量であった場合にのみ、IDモータ34の駆動速度を低速に切り替え、撹拌体50を下死点の近傍に停止させるようにした(図11)。このためプリンタ1では、トナー残量が充足残量であるためにトナーカートリッジ13が交換されない場合には、IDモータ34を不必要に低速に切り替えること無く、撹拌体50の位置に関わらず停止させるため、短時間で処理を完了し得ると共に、電力の消費量を抑えることもできる。
以上の構成によれば、本実施の形態によるプリンタ1は、トナー残量がニアエンド残量であった場合、撹拌部44の撹拌体50が下死点の近傍に到達した時点で停止させる。このためプリンタ1は、撹拌体50をトナーカートリッジ13の外装から引き離すことができ、該撹拌体50によりトナーを付着させることを回避し得る。これによりプリンタ1は、ユーザにより交換されるトナーカートリッジ13がIDユニット14から取り外された際に、その外装からトナーが剥離してプリンタ筐体2の内部や周囲を汚損させることを、良好に抑制できる。
[7.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、撹拌体50の屈曲柱体51を、円柱状の部材をクランク状に屈曲させた構成とする形態について述べた(図4)。しかし本発明はこれに限らず、例えば撹拌体50を、撹拌中心軸X44に沿った直線状の幹状体から下方向に複数本の枝状体が突出するように設けられた形状、すなわち串歯状の形状等、種々の形状としても良い。この場合、撹拌中心軸X44から一部の方向にのみ突出した形状とすることにより、当該撹拌体50が下死点に位置しているときに、当該撹拌中心軸X44よりも上側に突出した部分が存在しない形状であることが望ましい。
なお上述した実施の形態においては、撹拌体50の屈曲柱体51を、円柱状の部材をクランク状に屈曲させた構成とする形態について述べた(図4)。しかし本発明はこれに限らず、例えば撹拌体50を、撹拌中心軸X44に沿った直線状の幹状体から下方向に複数本の枝状体が突出するように設けられた形状、すなわち串歯状の形状等、種々の形状としても良い。この場合、撹拌中心軸X44から一部の方向にのみ突出した形状とすることにより、当該撹拌体50が下死点に位置しているときに、当該撹拌中心軸X44よりも上側に突出した部分が存在しない形状であることが望ましい。
また上述した実施の形態においては、印刷処理においてIDユニット14のトナー残量がニアエンド残量であり、印刷動作の終了後にトナーセンサ36により反射部材55を検知できなかった場合、IDモータ34の駆動速度を低速に切り替える形態について述べた(図11)。しかし本発明はこれに限らず、例えば印刷動作の終了後にトナーセンサ36により反射部材55を検知できなかったとしても、IDモータ34の駆動速度を変更せずに維持しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、撹拌部44においてトナーを撹拌する機能を有する撹拌体50に対し、トナーセンサ36により検知するための検知板52及び反射部材55も設けた形態、すなわち撹拌部44の一部を利用してトナー残量を検知する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば撹拌体50と別体であり該撹拌体50と連動する所定の部品(図示せず)に反射部材を設け、該反射部材の位置を基にトナー残量を検知しても良い。或いは、例えば撹拌部44を利用しない構成のトナーセンサによりトナー残量を検知しても良い。またこの場合、撹拌部44から駆動伝達体60を省略し、IDモータ34の駆動力を撹拌体50に対し常時伝達させるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、印刷処理の開始時点においてトナー残量がニアエンド残量であった場合に、印刷動作の完了後に撹拌部44の撹拌体50を下死点の近傍で停止させる形態について述べた(図11)。しかし本発明はこれに限らず、例えば印刷処理の開始時点においてトナー残量が充足残量であったとしても、当該印刷処理の終了時点でニアエンド残量となった場合に、印刷動作の完了後に撹拌部44の撹拌体50を下死点の近傍で停止させても良い。或いは、例えばプリンタ1において初期化処理が行われる場合や、省電力状態から復帰する場合等でも良い。すなわち、IDモータ34を駆動して撹拌部44の撹拌体50を回転させた後に、トナー残量がニアエンド残量であった場合に、撹拌部44の撹拌体50を下死点の近傍で停止させれば良い。
また上述した実施の形態においては、トナーセンサ36により得られた受光信号を基にトナー残量を判定し、ニアエンド残量であった場合に撹拌体50を下死点の近傍で停止させる形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば印刷すべき画像データを基に、印刷処理によって消費されるトナーの量である消費トナー量を算出し、該消費トナー量の積算値が所定の条件を満たした場合にニアエンド残量であると判定し、撹拌体50を下死点の近傍で停止させる等、種々の手法によりニアエンド残量であるか否かを判定しても良い。要は、ユーザによりトナーカートリッジ13が交換される可能性がある状態であることを判定できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、トナーセンサ36に検知光を発光する発光素子及び当該検知光を受光する受光素子を設け、撹拌体50の検知板52に設けた反射部材55により当該検知光を反射させることにより、該撹拌体50の位置を検知する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば検知板52に磁石を設けると共にトナーセンサ36に磁気センサを設けた構成とすることにより、撹拌体50の位置を検知しても良い。すなわち本発明では、種々の検知原理に基づいた種々のセンサを、トナーセンサ36として利用することができる。
さらに上述した実施の形態においては、撹拌部44の撹拌中心軸X44を中心として撹拌体50を回転させ、円周状の軌跡を描くように移動させることにより、トナー収容空間43内のトナーを撹拌する形態について述べた(図3~図5)。しかし本発明はこれに限らず、例えば撹拌体50をトナー収容空間43内で上下方向に沿って直線的な軌跡を描くように往復移動させる等、トナー収容空間43内で当該撹拌体50に種々の軌跡を描くように移動させる構成としても良い。要は、IDモータ34から伝達される駆動力を基にトナー収容空間43内で周期的に変位することにより、トナーを撹拌できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、プリンタ1に1組の画像形成部12を設け、モノクロの画像を用紙Pに印刷する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばプリンタ1に複数組の画像形成部12を設けることにより、カラーの画像を用紙Pに印刷しても良い。この場合、各画像形成部12のIDユニット14に設ける撹拌部44に関し、本発明を適用することができる。
さらに上述した実施の形態においては、プリンタ1を単機能のSFPとして構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば当該プリンタ1を、複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)等、他の種々の機能を有する画像形成装置としても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、現像部としてのIDユニット14と、現像剤収容部としてのトナー収容空間43と、現像剤容器としてのトナーカートリッジ13と、撹拌体としての撹拌体50と、位置検知部としてのトナーセンサ36及びプリンタ制御部3と、駆動部としてのIDモータ34と、制御部としてのプリンタ制御部3とによって画像形成装置としてのプリンタ1を構成する形態について述べた。しかし本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる現像部と、現像剤収容部と、現像剤容器と、撹拌体と、位置検知部と、駆動部と、制御部とによって画像形成装置を構成しても良い。
本発明は、例えば電子写真式のプリンタであって、IDユニット内に撹拌部が設けられたもので利用できる。
1……プリンタ、3……プリンタ制御部、4……表示部、12……画像形成部、13……トナーカートリッジ、14……IDユニット、34……IDモータ、36……トナーセンサ、40……IDユニット筐体、42……IDユニット供給孔、43……トナー収容空間、44……撹拌部、45……検知窓、50……撹拌体、51……屈曲柱体、51A、51E……中心部、51C……外郭部、52……検知板、55……反射部材、60……駆動伝達体、CT……駆動周期、DT……検知期間、P……用紙、X44……撹拌中心軸。
Claims (9)
- 現像剤担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像部と、
前記現像部に設けられ、前記静電潜像を現像するための前記現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像部に対し着脱可能であり、前記現像剤が収容され、当該現像剤を供給口から前記現像剤収容部へ供給する現像剤容器と、
前記現像部に設けられ、前記現像剤収容部内において前記現像剤容器における前記供給口に近接した供給口近接位置と、当該供給口から離隔した供給口離隔位置とを含む複数の位置に変位可能であり、当該現像剤収容部内の前記現像剤を撹拌する撹拌体と、
前記現像剤収容部内における前記撹拌体の位置又は該撹拌体と連動する位置を検知する位置検知部と、
前記撹拌体に駆動力を供給する駆動部と、
前記位置検知部による検知結果を基に、前記撹拌体を前記供給口離隔位置又は該供給口離隔位置の近傍において停止させるよう前記駆動部を制御する制御部と
を具えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像剤収容部における前記現像剤の残量を検知する残量検知部
をさらに具え、
前記制御部は、前記残量が所定の閾値以上であった場合、前記撹拌体を任意の位置で停止させ、前記残量が当該閾値未満であった場合、前記撹拌体を前記供給口離隔位置において停止させるよう、前記駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記駆動部からの前記駆動力を、所定の周期における一部の期間のみ前記撹拌体に伝達する駆動伝達体
をさらに具え、
前記撹拌体は、前記現像剤収容部内における前記現像剤の前記残量に応じて、前記供給口離隔位置に滞在する期間が変化し、
前記位置検知部は、前記撹拌体が前記供給口離隔位置又は該供給口離隔位置の近傍に位置するか否かを検知し、
前記残量検知部は、前記位置検知部により前記撹拌体が前記供給口離隔位置又は該供給口離隔位置の近傍に位置することを検知した期間を基に、前記現像剤収容部における前記現像剤の前記残量を検知する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記撹拌体は、前記供給口近接位置及び前記供給口離隔位置の間に位置する仮想的な撹拌中心軸を中心として回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記撹拌体に設けられ、前記撹拌中心軸に対し前記撹拌体と対応する位置に設けられた被検知体
をさらに具え、
前記制御部は、前記位置検知部により前記被検知体が検知されると、前記駆動部を停止させるよう制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記撹拌体が1回転するのに要する1周期内に前記位置検知部により前記被検知体を検知し得なかった場合、以降の周期において当該位置検知部により前記被検知体を検知させる
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記位置検知部により前記被検知体を検知できなかった場合、前記駆動部の駆動速度を低速に切り替えさせる
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記被検知体は、光を反射する反射部材を有し、
前記位置検知部は、光を発光する発光素子及び光を受光する受光素子を有し、前記発光素子から発光された前記光が前記反射部材において反射され、前記受光素子において受光された場合に、当該反射部材を検知したことを前記制御部に通知する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記撹拌体は、前記撹拌中心軸上に位置する中心部と、当該中心部から所定の放射方向に離隔した外郭部とを有し、
前記被検知体は、前記撹拌中心軸から前記放射方向に離隔した位置に設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2022155379A Pending JP2024049114A (ja) | 2022-09-28 | 2022-09-28 | 画像形成装置 |
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2022
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