JP2024047231A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制限板による成膜領域の制御の精度が高い成膜装置に関する技術を提供すること【解決手段】 本発明の成膜装置は、基板の被成膜面との間に位置するマスクを介して基板に成膜材料を放出する成膜源と、成膜源とマスクとの間に配置され、成膜材料が基板に入射する領域を制限する制限板と、制限板を成膜源に対して被成膜面に沿った方向に相対的に移動させる制限板移動手段と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、制限板を備える成膜装置およびその成膜方法に関する。
有機EL(Organic Electro-Luminescence: OEL)ディスプレイ等の製造設備として、成膜室に基板を搬送して基板に対する成膜を行う装置が知られている。特許文献1には、蒸着源から放出された成膜材料を、所定の範囲に着膜させるために蒸発源の近傍に制限板を配置する成膜装置が記載されている。
特開2017-14616号公報
ここで、制限板が成膜源と一体となって構成される場合、成膜源から基板までの距離を変えずに制限板を基板に近づけることができず、成膜源によって基板上に成膜材料が成膜される成膜領域を高い精度で制御することが難しい場合がある。また、成膜源と制限板とが一体となって移動するような構成では、成膜源の移動などによって生じる振動が制限板に伝達し、制限板による成膜領域の制御の精度が低下してしまう場合があった。このように、制限板の配置の自由度が低いことによって、成膜領域の制御の精度が低下する場合があることが課題であった。
本発明は、上記課題に鑑み、制限板による成膜領域の制御の精度が高い成膜装置に関する技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、成膜装置であって、
基板の被成膜面との間に位置するマスクを介して前記基板に成膜材料を放出する成膜源と、
前記成膜源と前記マスクとの間に配置され、前記成膜材料が前記基板に入射する範囲を制限する制限板と、
前記制限板を前記成膜源に対して前記被成膜面に沿った方向に相対的に移動させる制限板移動手段と、
を備える成膜装置が提供される。
本発明によれば、制限板による成膜領域の制御の精度が高い成膜装置に関する技術を提供することができる。
一実施形態に係る成膜システムのレイアウト図。 成膜装置の断面図。 成膜源移動ユニットの構成例を示す図。 制限板移動ユニットの構成例を示す図。 (A)、(B)は制限ユニットのレイアウトに応じた成膜材料の放出範囲の変化を示す図。 (A)、(B)は成膜源と制限板の移動例を示す図。 (A)、(B)は基板と制限板の位置関係を示す図。 (A)~(D)は変形例1に係る基板と制限板の位置関係を示す図。 (A)、(B)は変形例2に係る基板と制限板の位置関係を示す図。 (A)、(B)は変形例3に係る基板と制限板の位置関係を示す図。 (A)は有機EL表示装置の全体図、(B)は1画素の断面構造を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<成膜システムの概要>
図1は成膜システム1のレイアウト図である。なお、各図において矢印Zは上下方向(重力方向)を示し、矢印X及び矢印Yは互いに直交する水平方向を示す。成膜システム1は、基板Wに成膜処理を行う成膜装置10を備える。例えば複数の成膜システム1がX方向に沿って並んで設けられることで、電子デバイスの製造ラインが構成される。電子デバイスとしては、例えば、VR-HMD(Virtual Reality Head Mount Display)用の有機EL表示装置の表示パネルが挙げられる。VR-HMD用の表示パネルの製造ラインとして成膜システム1が用いられる場合、成膜システム1は基板Wとしての半導体ウエハに有機EL素子の形成のための成膜を行う。成膜システム1によって成膜が行われた半導体ウエハは、下流の工程で素子形成領域の間の領域(スクライブ領域)に沿って切り出され、複数の小さなサイズのパネルが形成される。半導体ウエハとしては、シリコンウエハ、シリコンカーバイドウエハ等が挙げられる。
成膜システム1は、基板搬入装置11、基板搬送装置12、基板搬出装置13、成膜装置10、マスク搬送装置21、マスクストック装置22、ロードロック装置23を含む。
基板搬入装置11には、成膜システム1において成膜が行われる基板Wが搬入される。基板搬送装置12には、基板Wを搬送する搬送ロボット121が設けられる。搬送ロボット121は、基板搬入装置11に搬入された基板Wを成膜装置10に搬送する。成膜装置10に搬送された基板Wには、後述する成膜処理が施される。また、基板搬送装置12の搬送ロボット121は、成膜装置10において成膜処理が終了した基板Wを基板搬出装置13に搬入する。基板搬出装置13に搬入された基板Wは、成膜システム1の外部に搬出される。なお、成膜システム1が複数並んで設けられる場合には、基板Wの流れ方向(X方向)で上流側の成膜システム1の基板搬出装置13が下流側の成膜システム1の基板搬入装置11を兼ねていてもよい。
マスク搬送装置21には、マスクMを搬送する不図示の搬送ロボットが設けられている。マスクストック装置22には、成膜装置10での成膜処理に用いられるマスクMがストックされる。ロードロック装置23は、成膜システム1の各室内を大気開放することなくマスクMの出し入れを行うための装置である。成膜システム1で用いられるマスクMは、ロードロック装置23を介して成膜システム1の外部から搬入される。マスク搬送装置21の搬送ロボットは、成膜装置10、マスク搬送装置21、マスクストック装置22及びロードロック装置23の間でマスクMの搬送を行う。
また、成膜システム1は、各構成要素の動作を制御する制御部30を含む。例えば、制御部30は、CPUに代表されるプロセッサ、RAM、ROM等のメモリ及び各種インタフェースを有する1つ以上の制御装置を含む。例えば、制御部30の各制御装置は、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することで、成膜システム1における各種の処理を実現する。なお、例えば成膜システム1を統括的に制御するホストコンピュータ等が、成膜システム1の各構成要素の動作を直接制御する態様も採用可能である。また、制御部30は、成膜装置10や基板搬送装置12など、所定の装置と一体に形成されてもよいし、不図示の通信ネットワークを介して成膜システム1を制御してもよい。
また、成膜システム1を構成する各装置の内部は、不図示の真空ポンプ等の排気機構により真空状態に維持される。なお、本実施形態において「真空」とは、大気圧より低い圧力の気体で満たされた状態、換言すれば減圧状態をいう。
<成膜装置の構成>
図2は、一実施形態に係る成膜装置10の構成を模式的に示す正面図である。成膜装置10は、チャンバ200と、基板支持部201と、マスク支持部202と、マグネット203と、成膜源204と、成膜源移動ユニット205と、遮蔽部206と、制限板207と、制限板移動ユニット208と、アライメントカメラ209と、成膜量モニタ210と、を含む。
チャンバ200は、内部を真空状態に維持する成膜空間を形成する。また、チャンバ200には、基板搬送装置12から基板Wを受け取るための搬入口およびマスク搬送装置21からマスクMを受け取るための搬入口(いずれも不図示)が設けられる。
基板支持部201は、基板Wを支持する。本実施形態では基板支持部201は静電チャックであり、基板Wを吸着して支持する。しかしながら、基板支持部201としては公知の技術を適宜採用可能である。例えば、基板支持部201は、複数の受け爪によって基板Wの縁を下側から支持してもよいし、粘着チャック等によって基板Wを吸着して支持してもよい。
マスク支持部202は、マスクMを支持する。本実施形態では、マスク支持部202は、受け爪を有し、マスクMが張り付けられたマスクフレームMFを下側から支持する。マグネット203は、マスク支持部202に支持されたマスクMを磁力で引きつけることによって、基板WとマスクMとの密着性を向上させるためのものである。また、基板支持部201又はマスク支持部202の少なくとも一方は、ボールねじ機構等の公知の機構により上下方向に移動可能に構成されてもよい。これにより、基板WとマスクMとの接近及び離間を行うことができる。
成膜源204は、移動しながら成膜材料を放出してマスクMを介して基板Wに成膜を行う。本実施形態では、成膜源204はポイントセルであるものとして説明を行うが、ラインセルであってもよい。成膜源204は、蒸着物質の原材料を収容する坩堝や、坩堝を加熱するヒータ等を備え、原材料を加熱してその蒸気である蒸着物質を開口部から上方へ放出する。本実施形態では、成膜源204は1組の坩堝とヒータを備えるものとして説明しているが、坩堝とヒータとは複数設けられてもよい。また、坩堝が複数設けられる場合、坩堝ごとに種類の異なる複数の成膜材料を収容してもよい。具体的には、複数の成膜源204のうち、1つの坩堝にはホスト材料、別の坩堝にはドーパント材料を夫々収容している。なお、複数の坩堝に夫々同一の成膜材料を収容しても良い。また、本実施形態では成膜源204は蒸着源であるものとして説明を行うが、成膜材料を放出して薄膜の形成を行うスパッタなどの他の成膜源に適用することができる。
成膜源移動ユニット205は、成膜源204を基板Wの被成膜面(XY面)に沿って移動させる。図3に示すように、成膜源移動ユニット205は、一対の可動レール301と、一対の固定レール302と、アーム部材303、304と、駆動源305とを有する。アーム部材303の一端は駆動源305に連結されており、駆動源305によって旋回する。アーム部材303の他端はアーム部材304の一端と回動自在に連結されており、アーム部材304の他端は成膜源204の底部に回動自在に連結されている。一対の可動レール301は、成膜源204のY方向の移動を案内する。各可動レール301はY方向に延設されており、一対の可動レール301は互いにX方向に離間している。一対の固定レール302は、一対の可動レール301のX方向の移動を案内する。各固定レール302は、移動不能に固定されており、X方向に延設されている。一対の固定レール302は互いにY方向に離間している。駆動源305の駆動により、アーム部材303及びアーム部材304の姿勢が変化することによって、成膜源204は基板Wの下方においてXY方向に移動することができる。なお、アーム部材303及びアーム部材304は、成膜源204や成膜量モニタの配線(電源・信号線・熱電対等)や冷却水を外部(大気)からチャンバ200内(真空)に通す大気アームとして機能し得る。
遮蔽部206は、成膜源204から放出された成膜材料が基板W以外のチャンバ200や制限板移動ユニット208などへの付着を抑制する、すなわち成膜源204から放出される成膜材料の放出範囲を制限する防着部材である。成膜源204と遮蔽部206、および成膜量モニタ210とをまとめて成膜ユニット230と称する場合がある。
制限板207は、成膜源204から放出される成膜材料の放出範囲を制限するために、基板Wの少なくとも一部を覆うように配置される部材である。制限板207は本実施形態に係る制限板207は、成膜ユニットとは分離してチャンバ200内に配置される。これによって、図5を参照して後述するように、成膜源204から放出された成膜材料が基板Wに成膜される成膜領域の制御を高い精度で行うことができる。また、制限板移動ユニット208は、制限板207を成膜ユニット230と独立して被成膜面(XY面)に沿って移動させる。すなわち、制限板移動ユニット208は制限板207を成膜源204に対して相対的に移動させることができる。
ここで、図4(A)、図4(B)を参照して制限板移動ユニット208の構成について説明する。制限板移動ユニット208は、アーム部材401、402、駆動部403、支持部材404を備える。アーム部材401の一端は駆動部403に接続され、他端はアーム部材402と回動可能に連結されている。アーム部材402は、一端がアーム部材401に連結され、他端が制限板207に対して回動可能に接続される。駆動部403はチャンバ200に対して接続される支持部材404に連結される。駆動部403がアーム部材401、402を旋回されることで制限板207を移動させることができる。これによって、制限板移動ユニット208は、図4(A)に示す制限板207の第一位置と、図4(B)に示す第二位置との間でX方向に往復移動を行うことができる。なお、本実施形態に係る制限板移動ユニット208は、可動アームによって制限板207を移動させるものとして説明した。しかしながら、載置された制限板207を搬送する搬送ローラによって制限板207を移動させてもよい。なお、制限板207および制限板移動ユニット208をまとめて制限ユニット220と称する場合がある。支持部材404は、除震部材211を介してチャンバ200に対して接続される。また、支持部材404は、制限板207を支持しているため、制限板207は除震部材211を介してチャンバ200に対して設けられる。除震部材211は、チャンバ200の振動が制限板移動ユニット208に伝達する、またはその逆を防ぐための空気ばねや防振ゴムなどの構造を有する。
なお、基板支持部201およびマスク支持部202も除震部材を介してチャンバ200に対して配置される。このため、成膜装置10の制限ユニット220とは異なるユニットから振動が発生した場合にも、基板W、マスクM、制限板207に振動が伝わることを防ぐことができ、成膜領域を高精度に制御することができる。
アライメントカメラ209は、基板WとマスクMとのアライメントに用いられるカメラである。本実施形態では、成膜装置10は、基板支持部201に支持された基板Wとマスク支持部202に支持されたマスクMの相対位置を調整するための不図示のアライメント機構を含む。例えば、成膜装置10の制御部は、アライメントカメラ209の撮影画像から基板W及びマスクMに形成されたアライメントマークを検出して基板W及びマスクMの位置関係を特定する。そして、制御部30は、基板W及びマスクMの位置関係が所定の条件を満たすように、アライメント機構を制御してこれらの位置関係を調整する。
成膜量モニタ210は、成膜源から放出された成膜材料の量を推定する。一例では、成膜量モニタ210は、ケースの内部に膜厚センサとして水晶振動子を備えている。水晶振動子には、ケースに形成された導入部を介して成膜源から放出された蒸着物質が導入されて付着する。水晶振動子の振動数は成膜材料の付着量により変動する。これによって、成膜量モニタ210は、水晶振動子の振動数を監視することで、基板に蒸着した成膜材料の膜厚を算出することができる。単位時間に水晶振動子に付着する成膜材料の量は、成膜源204から放出される成膜材料の放出量と相関を有するため、結果的に複数の成膜源からの成膜材料の放出状態を監視することができる。
<制限板のレイアウト例>
ウェハへの成膜において、成膜源204から基板Wに到達する粒子の入射角度は所定の閾値以上、一例では85°以上となるように成膜領域が規定される。このように、粒子の入射角度が90°に近くなればなるほど、一度に成膜できる範囲が狭くなるため、基板W全体に成膜するためには、成膜領域の下方(Z方向)に成膜源204を移動させて複数回成膜する必要がある。
ここで、図5(A)、図5(B)に制限板のレイアウトと成膜領域の対応関係を示す。
図5(A)は、制限板207が基板Wから比較的離れた位置にある場合の成膜領域の変化を示し、図5(B)は制限板207が基板Wから比較的近い位置にある場合の成膜領域の変化を示す。なお、図5(A)および図5(B)において制限板移動ユニット208や成膜源移動ユニット205などの構成は表示を省略している。また、図5(A)と図5(B)とで、同程度の面積の成膜領域に成膜を行うよう制限板207の開口の大きさは変更している。
成膜源204から放出される成膜材料の放出方向によって、基板Wに付着する際の成膜材料の入射角は変化しうる。領域501は、図5(A)の配置において成膜材料が入射する成膜領域を示す。領域511は、図5(B)の配置で成膜材料が入射する成膜領域を示す。領域502、512には、成膜源204の開口の一部分から特定の角度で放出された成膜材料のみが付着するため、成膜量の制御が難しい。また、領域502および512には、成膜領域として規定された角度の閾値以下の入射角度で成膜材料が入射しうる領域である。これらの領域502、512は、成膜材料が回り込む回り込み領域として扱われ、成膜領域としては扱われない。
ここで、図5(A)、図5(B)に示すように、成膜材料が回り込む領域502、512の範囲は、制限板207が基板Wとの距離が近い方が小さくすることができる。
本実施形態に係る制限板207は、成膜源204と分離して設けられるため、基板Wとの距離を小さくすることができ、回り込み領域の面積を小さくすることができる。すなわち、制限板207を基板Wに対して近づけることで、より高精度に成膜領域を制御することができる。
ここで、制限板207と成膜源204とが分離して設けられるということは、制限板207と成膜源204との位置を独立して調整可能であることを含む。図2に示すように、本実施形態に係る成膜源204は成膜源移動ユニット205によって位置が調整され、制限板207は制限板移動ユニット208によって位置が調整される。このような場合、成膜源204に対する制限板207の相対位置を調整することによって、成膜源204によって成膜される基板上の成膜領域を高精度に制御することができる。
また、制限板207と成膜源204とが分離して設けられるということは、制限板207と成膜源204とが、分離して配置されることによって、振動が伝わらないことを含む。図2に示すように、本実施形態に係る制限板207が保持される制限板移動ユニット208は、成膜源204が支持される成膜源移動ユニット205の図2に示すように、本実施形態に係る制限板207は、除震部材211を介してチャンバ200に対して固定される。これによって、成膜ユニット230が成膜源移動ユニット205によって移動しながら成膜を行う場合に、成膜ユニット230または成膜源移動ユニット205から生じた振動がチャンバ200を介して制限板移動ユニット208および制限板207に伝達することを防ぐことができる。このため、制限板207に付着した成膜材料が振動によって落下し、成膜源204による成膜材料の放出に影響したり、制限板207が振動することによって制限板207によって規定される成膜領域の変動を防ぐことができる。
また、制限板207と成膜源204とが分離して設けられるということは、上下方向(Z方向)において制限板207と成膜源204との間に、他のユニットを配置可能であることを含む。例えば、成膜源204および制限板207が図5(A)に示す位置から図5(B)に示す位置に移動する間、成膜源204は成膜材料を放出し続ける場合がある。このような場合、成膜処理を一時停止するために、シャッタによって基板Wの全体を覆うことで、成膜領域501と511とに成膜する成膜量を均一化することができる。しかしながら、制限板207と成膜源204とが一体となって構成される場合、制限板207と基板Wとの間にシャッタユニットを配置する必要があり、制限板207と基板Wとの距離を十分に近づけることができない場合が生じうる。一方、本実施形態によれば、制限板207と成膜源204とが分離して配置することができる。このため、成膜源204と制限板207との間にシャッタユニットを配置することで、制限板207と基板Wとの間の距離を変動させることなくシャッタユニットの配置を行うことができる。
<成膜処理の流れ>
続いて、図6(A)、(B)を参照して成膜処理について説明する。
図6(A)に示すように、成膜源204は基板Wの第一領域601に成膜を行う。ここで、本実施形態に係る制限板207は制限板の第一位置602に配置され、成膜源204は、X方向の位置603においてY方向に移動してスキャン成膜を行う。ここで、制限板207は成膜源204の成膜処理中は移動しないものとする。
続いて、図6(B)に示すように、基板Wの第二領域611に成膜するために、制限板207を制限板の第二位置612に移動させ、成膜源204のX方向における位置を位置613に移動させ、成膜源204をY方向に移動させながら成膜を行う。制限板移動ユニット208は成膜源204の成膜処理中は制限板207を移動させない。
ここで、成膜源移動ユニット205の移動によって振動が生じたり、成膜源204の加熱やシャッタ(不図示)の開閉などに伴い、振動が生じる場合がある。このような場合でも、本実施形態に係る制限板207は成膜ユニットとは分離して設けられているため、成膜ユニットによって生じる振動の影響を受けずに成膜領域を高精度に制御することができる。また、本実施形態に係る制限ユニットは、除震部材を介してチャンバ200に対して配置される。これによって、成膜ユニットによって生じた振動がチャンバ200を介して制限ユニット220に伝わることを防ぐことができる。
図7(A)、図7(B)は、それぞれ図6(A)、図6(B)における基板Wと制限板207との位置関係を示すXY平面の平面図である。図7(A)は図6(A)の制限板の第一位置602における基板Wと制限板207の位置を示し、図7(B)は図6(B)の制限板の第二位置612における基板Wと制限板207の位置を示す。矢印701、711は、成膜源204の移動方向を示す。基板Wには、素子が形成される複数の素子形成領域702が配置される。図7(A)、図7(B)のそれぞれにおいて、制限板207の開口が対向する基板Wの一部の領域が成膜領域に対応する。この成膜範囲を複数の成膜位置ごとに変化させることで、基板Wの全体の複数の素子形成領域702に対して成膜を行うことができる。なお、成膜領域は、各素子形成領域702が完全に含まれるように配置される。これによって、第一の成膜領域における成膜によって1つの素子形成領域702の一部が成膜され、第二の成膜領域における成膜処理によって当該1つの素子形成領域702の他の部分の成膜がされることで付着する成膜材料の量が素子形成領域702内で偏ることを防ぐことができる。
ここで、基板Wの成膜すべき領域の全体に対して成膜を行うために、異なる成膜領域はその一部が重複するように制限板207の位置が規定される。これによって、図7(B)に示すように、図7(A)に示す成膜領域と重複する領域712が生じる。この場合、重複する領域712は、重複しない領域と比較して入射される成膜材料の量が多くなり、成膜量の偏りが生じうる。このため、複数の成膜領域が重複する領域712は、素子形成領域間のスクライブ領域に配置される。別の例では、制限板207によって規定される複数の成膜領域が重複する領域712には製品として使用されないダミー素子が配置される。これによって、制限板207によって規定される成膜領域の重なりによる成膜量の偏りによる影響を抑えることができる。
なお、図7(A)および図7(B)の例では、1つの基板Wを2つの成膜領域に分けて成膜を行うものとして図示している。しかしながら、1つの基板Wを3つ以上の成膜領域に分けて成膜してもよく、制限板移動ユニット208および成膜源移動ユニット205によって各成膜領域に対応する制限板207および成膜源204の位置に移動させることで、成膜領域を高精度に制限しながら成膜処理を行うことができる。
また、図7(A)および図7(B)の例では、制限板207が有する開口は、成膜ユニット230が移動しながら成膜を行うために長方形上の形状を有するものとして説明を行った。しかしながら、制限板207が有する開口はこれに制限されず、その他の形状を有する開口であってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、制限板207を成膜源204から離して配置することができるため、制限板207に付着する成膜材料の量を減らすことができ、制限板207に固着した成膜材料が剥がれ落ちる膜剥がれの影響を低減することができる。
(変形例1)
上述の説明では、制限板移動ユニット208は、制限板をX方向に移動させて制限板の第一位置および第二位置の間を移動させるものとして説明した。
本変形例では、制限板移動ユニット208は、制限板をXY方向に移動させる場合について説明する。
図8(A)~図8(D)は、本変形例にかかる制限板207と基板WとのXY平面図である。マスクや基板支持部201などのその他の部材は省略して示している。
図8(A)に示すように、制限板207の開口は基板Wの第一領域801に示す位置に成膜を行うように配置される。第一領域801の成膜が終了すると、制限板移動ユニット208は制限板207を矢印802に従って+Y方向に移動させ、成膜源移動ユニット205は成膜源204を矢印802に従って+Y方向に移動させる。なお、成膜源204を移動させる際は、成膜源204からの成膜材料の放出が行われないように成膜源204のシャッタ(不図示)を閉状態に設定し、成膜源204から成膜材料の放出が行われないようにしてもよい。また、成膜ユニット230と制限ユニット220とは同時に移動させてもよいし、何れか一方の移動が完了した後に他方の移動を行ってもよい。
成膜源204と制限板207の移動後の配置を図8(B)に示す。移動によって、制限板207の開口は基板Wの第二領域811に示す位置に成膜を行うように配置される。続いて、第二領域811に成膜した後、制限板207および成膜源204を矢印812に従って-X方向に移動させ、第三領域621に成膜する。続いて、第三領域821に成膜した後、制限板207および成膜源204を矢印822に従って-Y方向に移動させ、第四領域631に成膜する。
以上説明したように、本変形例に係る成膜源移動ユニット205および制限板移動ユニット208は、交差する2つの方向に成膜源204および制限板207を移動させ、基板Wの複数の領域に成膜処理を行う。これによって、成膜領域に対して基板Wのサイズが大きい場合であっても成膜領域を高精度に制御しながら基板Wに成膜を行うことができる。
なお、本変形例に係る制限板移動ユニット208は、制限板207をX方向およびY方向に移動させる必要がある。このため、例えば制限板移動ユニット208は、図3(A)、図3(B)を参照して説明した成膜源移動ユニット205と同様の構造を備えることで制限板207をX方向およびY方向に移動させてもよい。あるいは、制限板207のX方向の辺に制限板のY方向の位置を制御する可動アームを配置し、制限板207のY方向の辺に制限板のX方向の位置を制御する可動アームを配置することで制限板のXY平面上の位置を変更することができる。
(変形例2)
本変形例では、制限板移動ユニット208が、制限板207を回転移動させる場合について説明する。図9(A)、図9(B)は本変形例にかかる制限板207と基板WとのXY平面図である。マスクMや基板支持部201などのその他の部材は省略して示している。
図9(A)に示すように、基板Wは制限板207は半円状の開口を有し、基板Wの第一領域901を成膜する。ここで、成膜源204は矢印902に従って移動して成膜を行う。続いて、制限板移動ユニット208は制限板207を矢印903に従って回転させ、図9(B)に示す第二領域911を成膜するための制限板207の位置に移動させる。ここで、成膜源移動ユニット205は矢印904に示すように、成膜源204をX方向に移動させて第二領域911を成膜するための成膜源204の位置に移動させてもよい。
続いて、図9(B)に示す位置で、成膜源204は矢印912に従って移動し、基板Wの第二領域911に対して成膜を行う。
なお、図9(A)、図9(B)では成膜源204は移動成膜を行うものとして説明したが、成膜源204は移動せずに静止成膜を行ってもよい。この場合、成膜源移動ユニット205は、制限板移動ユニット208と同様、成膜源204を回転移動させてもよい。
(変形例3)
本変形例では、制限板移動ユニット208が、成膜源204による成膜処理中に制限板207を移動させる場合について説明する。
図10(A)、図10(B)は、本変形例に係る制限板207と基板WとのXY平面図である。マスクや基板支持部201などのその他の部材は省略して示している。
図10(A)に示すように、基板Wの成膜領域である第一領域1001を成膜する際に、制限板移動ユニット208は矢印1002に従い+Y方向に制限板207を移動させながら成膜を行う。また、成膜源移動ユニット205も矢印1002に従い+X方向に成膜源204を移動させながら成膜を行う。
第一領域1001への成膜が終了すると、制限板移動ユニット208および成膜源移動ユニット205は制限板207を矢印1003に従って成膜領域である第二領域1011への成膜を行うために制限板207および成膜源204を移動させる。その結果、図10(B)に示す基板Wと制限板207の位置に制限板207を移動させる。また、成膜源移動ユニット205は成膜源204を第二領域1011に対応する位置に移動させる。そして、制限板移動ユニット208および成膜源移動ユニット205は、矢印1012に示すように、制限板207および成膜源204を-X方向に移動させながら成膜を行う。これによって、XY面における成膜源204の成膜領域を制御しながら成膜処理を行うことができる。
<電子デバイスの製造方法>
電子デバイスの製造方法の一例を説明する。以下、電子デバイスの例として有機EL表示装置の構成及び製造方法を例示する。
まず、製造する有機EL表示装置について説明する。図11(A)は有機EL表示装置1100の全体図、図11(B)は1画素の断面構造を示す図である。
図11(A)に示すように、有機EL表示装置1100の表示領域1101には、発光素子を複数備える画素1102がマトリクス状に複数配置されている。詳細は後で説明するが、発光素子のそれぞれは、一対の電極に挟まれた有機層を備えた構造を有している。
なお、ここでいう画素とは、表示領域1101において所望の色の表示を可能とする最小単位を指している。カラー有機EL表示装置の場合、互いに異なる発光を示す第一発光素子1102R、第二発光素子1102G、第三発光素子1102Bの複数の副画素の組み合わせにより画素1102が構成されている。画素1102は、赤色(R)発光素子と緑色(G)発光素子と青色(B)発光素子の3種類の副画素の組み合わせで構成されることが多いが、これに限定はされない。画素1102は少なくとも1種類の副画素を含めばよく、2種類以上の副画素を含むことが好ましく、3種類以上の副画素を含むことがより好ましい。画素1102を構成する副画素としては、例えば、赤色(R)発光素子と緑色(G)発光素子と青色(B)発光素子と黄色(Y)発光素子の4種類の副画素の組み合わせでもよい。
図11(B)は、図11(A)のA-B線における部分断面模式図である。画素1102は、基板1103上に、第一電極(陽極)1104と、正孔輸送層1105と、赤色層1106R・緑色層1106G・青色層1106Bのいずれかと、電子輸送層1107と、第二電極(陰極)1108と、を備える有機EL素子で構成される複数の副画素を有している。これらのうち、正孔輸送層1105、赤色層1106R、緑色層1106G、青色層1106B、電子輸送層1107が有機層に当たる。赤色層1106R、緑色層1106G、青色層1106Bは、それぞれ赤色、緑色、青色を発する発光素子(有機EL素子と記述する場合もある)に対応するパターンに形成されている。
また、第一電極1104は、発光素子ごとに分離して形成されている。正孔輸送層1105と電子輸送層1107と第二電極1108は、複数の発光素子1102R、1102G、1102Bにわたって共通で形成されていてもよいし、発光素子ごとに形成されていてもよい。すなわち、図11(B)に示すように正孔輸送層1105が複数の副画素領域にわたって共通の層として形成された上に赤色層1106R、緑色層1106G、青色層1106Bが副画素領域ごとに分離して形成され、さらにその上に電子輸送層1107と第二電極1108が複数の副画素領域にわたって共通の層として形成されていてもよい。
なお、近接した第一電極1104の間でのショートを防ぐために、第一電極1104間に絶縁層1109が設けられている。さらに、有機EL層は水分や酸素によって劣化するため、水分や酸素から有機EL素子を保護するための保護層1110が設けられている。
図11(B)では正孔輸送層1105や電子輸送層1107が一つの層で示されているが、有機EL表示素子の構造によって、正孔ブロック層や電子ブロック層を有する複数の層で形成されてもよい。また、第一電極1104と正孔輸送層1105との間には第一電極1104から正孔輸送層1105への正孔の注入が円滑に行われるようにすることのできるエネルギーバンド構造を有する正孔注入層を形成してもよい。同様に、第二電極1108と電子輸送層1107の間にも電子注入層を形成してもよい。
赤色層1106R、緑色層1106G、青色層1106Bのそれぞれは、単一の発光層で形成されていてもよいし、複数の層を積層することで形成されていてもよい。例えば、赤色層1106Rを2層で構成し、上側の層を赤色の発光層で形成し、下側の層を正孔輸送層又は電子ブロック層で形成してもよい。あるいは、下側の層を赤色の発光層で形成し、上側の層を電子輸送層又は正孔ブロック層で形成してもよい。このように発光層の下側又は上側に層を設けることで、発光層における発光位置を調整し、光路長を調整することによって、発光素子の色純度を向上させる効果がある。
なお、ここでは赤色層1106Rの例を示したが、緑色層1106Gや青色層1106Bでも同様の構造を採用してもよい。また、積層数は2層以上としてもよい。さらに、発光層と電子ブロック層のように異なる材料の層が積層されてもよいし、例えば発光層を2層以上積層するなど、同じ材料の層が積層されてもよい。
次に、有機EL表示装置の製造方法の例について具体的に説明する。ここでは、赤色層1106Rが下側層1106R1と上側層1106R2の2層からなり、緑色層1106Gと青色層1106Bは単一の発光層からなる場合を想定する。
まず、有機EL表示装置を駆動するための回路(不図示)及び第一電極1104が形成された基板1103を準備する。なお、基板1103の材質は特に限定はされず、ガラス、プラスチック、金属などで構成することができる。本実施形態においては、基板1103として、ガラス基板上にポリイミドのフィルムが積層された基板を用いる。
第一電極1104が形成された基板1103の上にアクリル又はポリイミド等の樹脂層をバーコートやスピンコートでコートし、樹脂層をリソグラフィ法により、第一電極1104が形成された部分に開口が形成されるようにパターニングし絶縁層1109を形成する。この開口部が、発光素子が実際に発光する発光領域に相当する。
絶縁層1109がパターニングされた基板1103を第一の成膜装置に搬入し、正孔輸送層1105を、表示領域の第一電極1104の上に共通する層として成膜する。正孔輸送層1105は、最終的に1つ1つの有機EL表示装置のパネル部分となる表示領域1101ごとに開口が形成されたマスクを用いて成膜される。
次に、正孔輸送層1105までが形成された基板1103を第二の成膜装置に搬入する。基板1103とマスクとのアライメントを行い、基板をマスクの上に載置し、正孔輸送層1105の上の、基板1103の赤色を発する素子を配置する部分(赤色の副画素を形成する領域)に、赤色層1106Rを成膜する。ここで、第二の成膜装置で用いるマスクは、有機EL表示装置の副画素となる基板1103上における複数の領域のうち、赤色の副画素となる複数の領域にのみ開口が形成された高精細マスクである。これにより、赤色発光層を含む赤色層1106Rは、基板1103上の複数の副画素となる領域のうちの赤色の副画素となる領域のみに成膜される。換言すれば、赤色層1106Rは、基板1103上の複数の副画素となる領域のうちの青色の副画素となる領域や緑色の副画素となる領域には成膜されずに、赤色の副画素となる領域に選択的に成膜される。
赤色層1106Rの成膜と同様に、第三の成膜装置において緑色層1106Gを成膜し、さらに第四の成膜装置において青色層1106Bを成膜する。赤色層1106R、緑色層1106G、青色層1106Bの成膜が完了した後、第五の成膜装置において表示領域1101の全体に電子輸送層1107を成膜する。電子輸送層1107は、3色の層1106R、1106G、1106Bに共通の層として形成される。
電子輸送層1107までが形成された基板を第六の成膜装置に移動し、第二電極1108を成膜する。本実施形態では、第一の成膜装置~第六の成膜装置では真空蒸着によって各層の成膜を行う。しかし、本発明はこれに限定はされず、例えば第六の成膜装置における第二電極1108の成膜はスパッタによって成膜するようにしてもよい。その後、第二電極1108までが形成された基板を封止装置に移動してプラズマCVDによって保護層1110を成膜して(封止工程)、有機EL表示装置1100が完成する。なお、ここでは保護層1110をCVD法によって形成するものとしたが、これに限定はされず、ALD法やインクジェット法によって形成してもよい。
ここで、第一の成膜装置~第六の成膜装置での成膜は、形成されるそれぞれの層のパターンに対応した開口が形成されたマスクを用いて成膜される。成膜の際には、基板1103とマスクとの相対的な位置調整(アライメント)を行った後に、マスクの上に基板1103を載置して成膜が行われる。
<他の実施形態>
本実施形態では、制限板207によって規定される複数の成膜領域は、重ね合わせた場合に基板Wの全体を覆うものとして説明された。しかしながら、複数の成膜領域を重ね合わせた場合に、基板Wの全体を覆わなくてもよい。言い換えると、基板W上には成膜が行われない領域が存在してもよい。このような場合、成膜が行われない領域は、素子形成領域を含まないよう、スクライブ領域に配置される。
成膜源204がショット蒸着を行う蒸着源である場合には、遮蔽部206と制限板207との間にシャッタが設けられてもよい。この場合、シャッタは、基板Wの全体を覆う閉状態と、基板Wの全体を成膜可能に開放する開状態とを切り替えられることができる。このような場合であっても、制限板207を成膜ユニット230と分離して配置することができるため、シャッタより基板W側に制限板207を配置することができ、成膜領域を高精度に制御することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10 成膜装置、204 成膜源、205 成膜源移動ユニット、207 制限板、208 制限板移動ユニット

Claims (12)

  1. 基板の被成膜面との間に位置するマスクを介して前記基板に成膜材料を放出する成膜源と、
    前記成膜源と前記マスクとの間に配置され、前記成膜材料が前記基板に入射する領域を制限する制限板と、
    前記制限板を前記成膜源に対して前記被成膜面に沿った方向に相対的に移動させる制限板移動手段と、
    を備える成膜装置。
  2. 前記成膜源を前記被成膜面に沿った方向に移動させる成膜源移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記制限板移動手段は、前記制限板によって前記基板の一部の第一領域に成膜を行う第一位置から、前記第一領域に含まれない前記基板の一部の領域を含む前記基板の一部の第二領域に成膜を行う第二位置へ、前記制限板を移動させることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記制限板移動手段は、前記成膜源による成膜時に、前記基板に対して前記制限板を移動させないことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  5. 前記成膜源移動手段は、前記成膜源による成膜時に、前記成膜源を前記基板に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  6. 前記制限板移動手段は、前記基板の前記被成膜面に沿った第一方向に前記制限板を移動させ、
    前記成膜源移動手段は、前記成膜源による成膜時に、前記第一方向と交差する第二方向に前記成膜源を移動させることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記制限板移動手段は、非成膜時に、前記基板の前記被成膜面に沿った第一方向に前記制限板を移動させ、
    前記成膜源移動手段は、前記制限板移動手段による前記制限板が前記第一方向に移動させたことに応じて、前記成膜源を前記第一方向に移動させることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記成膜源によって前記基板の前記基板の一部の第一領域に成膜し、
    前記成膜源によって前記基板の前記第一領域に成膜した後、前記成膜源移動手段および前記制限板移動手段は、それぞれ前記成膜源および前記制限板を前記第一方向に移動させ、
    前記成膜源および前記制限板を前記第一方向に移動させた後、前記成膜源は前記第一領域に含まれない前記基板の一部の領域を含む前記基板の一部の第二領域に成膜することを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記成膜源は、前記成膜源の前記成膜材料の放出範囲を制限する防着部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  10. 前記制限板移動手段は、前記制限板を回転移動させることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  11. 内部を真空に維持可能なチャンバを備え、
    前記制限板移動手段は、前記制限板を支持し、
    前記制限板移動手段は、振動を軽減する除震部材を介して前記チャンバに配置されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  12. 成膜装置の成膜方法であって、
    前記成膜装置は、
    基板の被成膜面との間に位置するマスクを介して前記基板に成膜材料を放出する成膜源と、
    前記成膜源と前記マスクとの間に配置され、前記成膜材料が前記基板に入射する領域を制限する制限板と、
    前記制限板を前記成膜源に対して前記被成膜面に沿った方向に相対的に移動させる制限板移動手段と、
    を備え、
    前記成膜源によって前記基板の一部の第一領域に成膜を行うことと、
    前記制限板移動手段によって、前記第一領域に対応する位置から、少なくとも前記第一領域に含まれない前記基板の一部の領域を含む第二領域に対応する位置へ、前記制限板を移動させることと、
    前記成膜源によって前記基板の前記第二領域に成膜を行うことと、
    を含むことを特徴とする成膜方法。
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