JP2024046721A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録材の後端が転写ニップ部を抜ける際に転写部材に印加する電圧を適切に制御することで、画像弊害の発生を抑制する。【解決手段】画像形成装置1は、像担持体2と、転写部材8と、印加手段31と、除電部材20と、転写部材8の抵抗値に関する情報を取得する取得手段31、32、50と、像担持体2から記録材Pにトナー像を転写する際の印加手段31の出力電圧をトナーの正規の帯電極性とは逆極性の第1の電圧とし、記録材Pの搬送方向における記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける際の印加手段31の出力電圧を上記第1の電圧よりもトナーの正規の帯電極性側の第2の電圧とするように印加手段31を制御する制御手段50と、を有し、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報に基づいて、上記第2の電圧を変更可能である構成とする。【選択図】図8

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いたレーザープリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いたレーザープリンタなどの画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムの表面が帯電手段により一様に帯電処理され、帯電処理された感光ドラムの表面が露光手段により露光されて、感光ドラム上に静電潜像が形成される。感光ドラム上に形成された静電潜像は、現像手段によりトナーが供給されて現像され、感光ドラム上にトナー像が形成される。感光ドラム上に形成されたトナー像は、転写手段によりシート状の記録材に転写される。トナー像が転写された記録材は、感光ドラムから分離され、定着手段により加熱及び加圧されることでトナーが定着された後に、画像形成装置外に排出される。
なお、記録材のことを「紙」ということがあるが、記録材は、例えば、合成樹脂を主体とした材料で形成された合成紙やフィルム、金属層を有する蒸着紙(特殊紙)などの、紙以外の材料あるいは紙以外の材料を含む材料で形成されたものであってもよい。また、便宜上、特に別に言及しない場合は、電位、電圧あるいは電流の大小(高低、強弱)は、絶対値で比較した場合の大小(高低、強弱)をいうものとする。また、記録材に関して「先端」、「後端」とは、それぞれ記録材の搬送方向における先端、後端をいうものとする。
転写手段としては、感光ドラムに当接して転写ニップ部を形成するローラ型の転写部材である転写ローラが多く用いられている。転写ニップ部に記録材が給送され、転写ローラにトナーの正規の帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加されることで、記録材に電荷が付与されて、感光ドラム上のトナーが記録材上に転写される。このような構成において、記録材に対して過剰な電荷の付与が行われると、記録材の後端が転写ニップ部を抜ける(通過し終える)際に、感光ドラムと記録材との間で剥離放電が発生する場合がある。この剥離放電が発生すると、感光ドラム上に、電位が局所的に下がって電位差が形成された部分ができてしまうことがある。そして、後続の記録材へプリントする際に、この感光ドラム上の電位差を帯電手段によってキャンセルしきれずにスジ状の画像(黒いスジなど)となって現れる「後端メモリ」という現象が発生することがある。
これに対し、記録材の後端近傍の非画像域(所謂、余白部)において、画像域において印加する転写電圧よりも低い弱電圧を印加することで、上述の後端メモリを抑制する方法がある(特許文献1)。
特開2002-55542号公報
上述の弱電圧を印加する場合、後端メモリを抑制するためには、原理的にはより低い弱電圧に設定することが望ましい。
しかしながら、過剰に低い弱電圧に設定してしまうと、記録材が転写ニップ部を抜けた後の感光ドラムの表面の電位が、この弱電圧の影響を受けて、帯電手段によって均一に帯電できず、「帯電ヨコスジ」と呼ばれる画像不良が発生してしまう場合がある。そのため、後端メモリの発生を抑制しつつ、帯電ヨコスジの発生を抑制することが望まれている。
そこで、本発明の目的は、記録材の後端が転写ニップ部を抜ける際に転写部材に印加する電圧を適切に制御することで、画像弊害の発生を抑制することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接して転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部を通過する記録材に前記転写ニップ部において前記像担持体からトナー像を転写させる転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する印加手段と、記録材の搬送方向において前記転写ニップ部の下流側に配置された、記録材を除電するための除電部材と、前記転写部材の抵抗値に関する情報を取得する取得手段と、前記像担持体から記録材にトナー像を転写する際の前記印加手段の出力電圧をトナーの正規の帯電極性とは逆極性の第1の電圧とし、記録材の搬送方向における記録材の後端が前記転写ニップ部を抜ける際の前記印加手段の出力電圧を前記第1の電圧よりもトナーの正規の帯電極性側の第2の電圧とするように前記印加手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記第2の電圧を変更可能であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、記録材の後端が転写ニップ部を抜ける際に転写部材に印加する電圧を適切に制御することで、画像弊害の発生を抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 実施例1の画像形成装置の電気的な構成を説明するための模式図である。 転写電圧制御の概略を説明するためのチャート図である。 後端メモリの発生メカニズムを説明するための模式図である。 転写ローラの抵抗値の違いによる後端メモリに関する状況の違いを説明するための模式図である。 転写ローラの抵抗値と後端メモリの発生を抑制可能な後端電圧との関係を示すグラフ図である。 実施例1における転写電圧電源の出力をOFFしてからの転写電圧出力の推移を示すグラフ図である。 実施例1における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。 実施例2における転写定電流制御時の転写電圧と印字率との関係を示すグラフ図である。 実施例2における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。 実施例3の画像形成装置の電気的な構成を説明するための模式図である。 実施例3における正極性の転写電圧電源をOFFしてからの転写電圧出力の推移を示すグラフ図である。 転写電圧の応答速度の向上による効果を説明するためのチャート図である。 実施例4における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。 画像形成装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置の構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置1の概略断面図である。本実施例の画像形成装置1は、電子写真方式のレーザープリンタである。画像形成装置1は、ホストコンピュータなどの外部装置(図示せず)から入力される画像情報に応じて画像(黒単色画像)を記録材Pに形成する。
画像形成装置1は、外部装置からプリント指令を入力すると、像担持体としてのドラム形状(円筒形状)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム2を、図中反時計回り方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。本実施例では、感光ドラム2は、アルミニウムシリンダ上に、ポリカーボネート系バインダーを主体とした厚み20μmのCT層(電荷輸送層:Charge Transfer Layer)を有するOPC層を形成した、外径30mmのものである。
感光ドラム2の外周面(表面)は、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ3により所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。本実施例では、帯電ローラ3は、導電性芯金に導電性弾性層を被覆した単層構成である。帯電ローラ3は、導電性芯金の両端部を押圧手段(図示せず)で感光ドラム2に向けて押圧されて、感光ドラム2に当接しており、感光ドラム2の回転に伴い従動回転する。本実施例では、帯電処理時に、帯電ローラ3には、帯電電圧印加手段としての帯電電圧電源30(図2)により、負極性の直流電圧である所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。感光ドラム2の回転方向における帯電ローラ3による帯電処理が行われる位置が帯電部(帯電位置)である。帯電ローラ3は、感光ドラム2の回転方向における感光ドラム2と帯電ローラ3との当接部の上流側及び下流側に形成される感光ドラム2と帯電ローラ3との間の微小な空隙のうちの少なくとも一方で発生する放電によって、感光ドラム2を帯電処理する。ただし、感光ドラム2と帯電ローラ3との当接部を帯電部とみなしてもよい。
露光手段としてのレーザースキャナ(露光装置)4は、外部装置から画像形成装置1に入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力する。そして、レーザースキャナ4は、そのレーザー光Lにより、感光ドラム2の一様に帯電処理された表面を走査露光する。これにより、感光ドラム2の表面に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム2の回転方向におけるレーザースキャナ4による露光が行われる位置が露光部(露光位置)である。
現像手段としての現像器5は、感光ドラム2の表面に形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを供給して、感光ドラム2の表面にトナー像を形成する。本実施例では、一様に帯電処理された後に画像情報に応じて露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム2上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム2の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。現像器5は、トナーを担持して感光ドラム2との対向部へと搬送する現像剤担持体としての現像ローラ41、現像ローラ41に現像剤を供給する供給部材としての供給ローラ42、現像ローラ41上のトナーの量を規制する規制部材としての現像ブレード43などを有する。現像時に、現像ローラ41には、現像電圧印加手段としての現像電圧電源(図示せず)により、負極性の直流電圧である所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。感光ドラム2の回転方向における現像器5の現像ローラ41によるトナーの供給が行われる位置が現像部(現像位置)である。
感光ドラム2に対向して、転写手段としてのローラ状の転写部材である転写ローラ8が配置されている。転写ローラ8は、感光ドラム2に向けて押圧され、感光ドラム2と転写ローラ8とが当接する領域である転写ニップ部(転写部)Nを形成する。感光ドラム2の表面に形成されたトナー像は、感光ドラム2の回転によって転写ニップ部Nに送られる。
シート状の記録材(転写材、記録媒体、用紙、シート)Pは、記録材収容部としての給送カセット9のシート積載台9a上に積載されている。この記録材Pは、所定の制御タイミングで駆動される給送部材としての給送ローラ10により1枚ずつピックアップされ、搬送部材としての搬送ローラ対11によりレジストレーション部12へと送られる。レジストレーション部12には、搬送部材としてのレジストレーションローラ12aと、レジストレーションローラ12aに当接するコロ12bと、が設けられている。レジストレーション部12では、記録材Pの先端がレジストレーションローラ12aとコロ12bとの間のニップ部で一旦受け止められて、記録材Pの斜行矯正が行われる。また、レジストレーション部12には、記録材検知手段としてのレジセンサ13が配置されており、記録材Pの先端、後端の到達タイミングが検知される。レジストレーション部12へと送られた記録材Pは、その後レジストレーションローラ12aが回転駆動されることで、感光ドラム2上のトナー像とタイミングが合わされてレジストレーション部12から転写ニップ部Nへと給送される。
転写ニップ部Nに給送された記録材Pは、感光ドラム2と転写ローラ8とにより挟持されて搬送される。本実施例では、図2に示すように、転写ローラ8は、外径5mmのSUS製の芯金(導電性芯金)8aの上に、肉厚4.5mmのNBR、ヒドリンゴムで構成されたスポンジの弾性層(発泡弾性層、導電性弾性層)8bを形成した、外径14mmの弾性体ローラである。転写ローラ8には、記録材Pが転写ニップ部Nを通過している際に、転写電圧印加手段としての転写電圧電源31により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である所定の転写電圧(転写バイアス)が印加される。これにより、感光ドラム2上のトナー像が記録材P上に転写される。
トナー像が転写され、感光ドラム2の表面から分離された記録材Pは、ガイド部材としての搬送ガイド14に沿いながら、定着手段としての定着装置15へと搬送される。定着装置15は、定着回転体対によって形成された定着ニップ部において、未定着のトナー像を担持した記録材Pを加熱及び加圧することで、記録材P上にトナー像を定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された後の記録材Pは、定着装置15の定着ニップ部から排出されて搬送部材としての排出ローラ16へと搬送される。排出ローラ16は、その記録材Pを排出部としての排出トレイ17上に排出(出力)する。
また、記録材Pが分離された後の感光ドラム2の表面は、清掃手段としてのクリーナー6により、感光ドラム2の表面に残留しているトナー(転写残トナー)が除去され、繰り返して作像に供される。
なお、本実施例の画像形成装置1は、プリントスピードが55枚/分(LTRサイズの場合)で、プロセススピード(感光ドラム2の周速度に対応)は約300mm/sである。
本実施例では、感光ドラム2、帯電ローラ3、レーザースキャナ4、現像器5、転写ローラ8などによって画像形成部が構成される。また、感光ドラム2と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ3、現像器5及びクリーナー6とは、一体的に画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ18を構成している。
次に、本実施例の画像形成装置1における電気的な構成について更に説明する。図2は、本実施例の画像形成装置1の要部の電気的な構成を示す模式図である。
帯電ローラ3には、帯電ローラ3に帯電電圧を印加するための、帯電電圧印加手段としての直流電圧源である帯電電圧電源(高圧電源)30が接続されている。また、転写ローラ8には、転写ローラ8に転写電圧を印加するための転写電圧印加手段としての直流電圧源である転写電圧電源(高圧電源)31が接続されている。また、転写ローラ8には、後述するATVCや転写定電流制御を行うための、電流検知手段としての転写電流検知部(転写電流検知回路)32が接続されている。なお、転写電圧電源31は、出力電圧を検知する電圧検知手段としての転写電圧検知部31aの機能も有している。また、記録材Pの除電手段としての除電部材である除電針20が、記録材Pの搬送方向における転写ニップ部Nよりも下流側に設けられている。本実施例では、除電針20として、鋸歯状の尖鋭端部を備え、良好な導電性を有するSUS板、アルミ板などの金属製薄板材からなる除電針を用いている。この除電針20は、記録材Pの搬送方向において転写ローラ8の下流側、かつ、針先端が記録材Pの搬送経路に対向(該搬送経路を搬送される記録材Pに対向)するように配置されている。本実施例では、除電針20は、電気的に接地されている。なお、除電針20に電圧(例えばトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧)が印加される構成とされていてもよい。この除電針20は、記録材Pに対して転写ローラ8から付与された電荷を除電し、後端メモリの発生を抑制することを目的として設置されている。
また、図15に示すように、画像形成装置1の装置本体には、画像形成装置1の全体の動作の制御を司る制御手段としての制御部50が設けられている。制御部50は、例えば、演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのROM、RAM、不揮発メモリなどのメモリ52、制御部50と外部のデバイスとの間の情報(信号)の授受を制御する入出力部(図示せず)などを有して構成される。CPU51は、所定の演算処理を実行する。メモリ52のROMには、所定の制御プログラムが記憶されている。メモリ52のRAMには、データが一時的に記憶される。メモリ52の不揮発メモリには各部の使用履歴などが記憶される。制御部50には、例えば、帯電電圧電源30、転写電圧電源31、転写電流検知部32、レーザースキャナ4が接続されている。また、制御部50には、例えば、感光ドラム2、現像ローラ41、供給ローラ42、給送ローラ10、搬送ローラ対11、レジストレーションローラ12aなどを駆動する駆動手段としての駆動装置60が接続されている。そして、制御部50は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、適宜RAMや不揮発メモリに記憶された情報を用いて、画像形成装置1の各部を制御する。
次に、画像形成動作に係る転写電圧制御について説明する。図3は、転写電圧制御の概略を説明するための転写電圧電源31の電圧出力の推移を示すチャート図である。本実施例では、転写電圧制御として、ATVC(Auto Transfer Voltage Control)、転写定電流制御、及び転写定電圧制御を組み合わせた制御を用いている。
まず、ATVCについて説明する。ATVCは、記録材Pが転写ニップ部Nに搬送される(到達する)前に実行される制御である。典型的には、ジョブ(一の開始指示により開始される単数又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作)の最初の記録材Pが転写ニップ部Nに搬送される前(前回転)に実行される。制御部50は、ATVCを実行する場合、まず転写電圧電源31を制御して、転写ローラ8に初期電圧を印加し、初期電圧の出力が安定するまで待機する。その後、制御部50は、転写電流検知部32の検知結果(電流値)を所定時間サンプリングし、電流の平均値を算出する。そして、制御部50は、この平均値とATVCの目標電流とを比較し、差分が小さくなるように次に転写ローラ8に印加する電圧を変更する(所謂、定電流制御を行う)。制御部50は、以上の動作を繰り返すことで、転写電流検知部32の検知結果の平均値がATVCの目標電流に収束するように制御する。この制御を行うことで、転写ニップ部Nに一定の電流を流すために必要な電圧を把握することができる。これにより、ATVCの目標電流Iと、この目標電流Iを流すために必要な電圧Vとから、下記式(1)に基づいて、転写ローラ8の抵抗値Rを把握することが可能となる。
R=V/I ・・・式(1)
なお、本実施例では、ATVCの初期電圧を500V、初期電圧の安定待ち時間を100ms、電流のサンプリング時間を50ms、ATVCの目標電流を3μAに設定した。本実施例では、転写ローラ8の抵抗値を把握する手段としてATVCを採用している。具体的には、本実施例では、転写電圧電源31、転写電流検知部32及び制御部50が、転写ローラ8の抵抗値に関する情報を取得する取得手段(抵抗検知手段)を構成する。
次に、転写定電流制御について説明する。転写定電流制御は、主に、記録材Pに対してトナーを転写するために実行される制御である。制御部50は、記録材Pが転写ニップ部Nに搬送される(到達する)前に、ATVCと同様に、転写電圧電源31を制御して、転写ローラ8に初期電圧を印加する。その後、制御部50は、転写電流検知部32の検知結果(電流値)を所定時間サンプリングし、電流の平均値を算出する。そして、制御部50は、この平均値と転写定電流制御の目標電流とを比較し、差分が小さくなるように転写ローラ8に印加する電圧を変更する(所謂、定電流制御を行う)。制御部50は、この転写定電流制御を、記録材Pが転写ニップ部Nに搬送される(到達する)直前から、詳しくは後述する記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける(通過し終える)前の特定の時間まで実行する。なお、本実施例では、転写定電流制御の初期電圧を1000V、転写定電流制御の目標電流を10μAに設定した。また、転写定電流制御において、初期電圧の安定待ち時間、電流のサンプリング時間は、ATVCと同様に設定した。
次に、転写定電圧制御について説明する。本実施例では、この転写定電圧制御は、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制するために実行する制御である。制御部50は、転写定電圧制御を、上述の転写定電流制御を終了するタイミングから実行する。ここで、この転写定電圧制御の開始タイミングを「後端電圧移行タイミング」と呼ぶ。制御部50は、転写定電圧制御を開始すると、転写電圧電源31の出力を、後述する特定の「後端目標電圧」に設定する。すると、転写ローラ8に印加されている電圧は、転写電圧電源31の能力に応じて所定の時定数をもって、この後端目標電圧に収束する。特に、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜けるタイミングにおいて転写ローラ8に印加されている電圧(転写電圧電源31が出力している電圧)を「後端電圧」と呼ぶ。詳しくは後述するように、本実施例の特徴の1つは、後端電圧移行タイミング(あるいは後端電圧移行タイミング及び後端目標電圧)を適宜変更することで、後端電圧を制御し、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制することにある。以下、この「転写定電圧制御」を「後端定電圧制御」と呼ぶ。
制御部50は、以上のような転写電圧制御を、レジセンサ13による記録材Pの先端、後端の検知結果と、レジセンサ13と転写ニップ部Nとの間の記録材Pの搬送距離と、に基づいて実行する。これにより、制御部50は、記録材Pが転写ニップ部Nを通過する際の所定のタイミングと同期して、転写電圧制御の所定の動作を実行することが可能となる。
(2)後端メモリ/帯電ヨコスジの発生メカニズムと転写ローラの抵抗値との関係
次に、剥離放電に起因した後端メモリの発生メカニズムについて説明する。図4は、後端メモリの発生メカニズムを説明するための転写ニップ部Nの近傍の模式図である。
図4(a)は、記録材Pが転写ニップ部Nを通過中の状態を示す。前述のように、トナー像の転写時(ここでは、「印字中」ともいう。)には転写ローラ8に正極性の転写電圧が印加されている。これにより、記録材Pの裏面(非画像形成面)には、正極性の電荷が付与され、静電的に感光ドラム2上のトナー像を記録材Pに転写することが可能になる。転写ニップ部Nにおいてトナーの転写が完了すると、除電針20によって、記録材Pに付与された電荷はある程度除電される。また、前述のように、画像形成のために、感光ドラム2は、帯電ローラ3により負極性に帯電されている。
図4(b)は、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜けた後の状態を示す。図4(a)の状態と同様に、転写ローラ8には正極性の転写電圧が印加されているため、記録材Pの裏面には、正極性の電荷が付与されている。また、図4(a)の状態と同様に、感光ドラム2は帯電ローラ3によって負極性に帯電されている。図4(b)の状態は、転写ニップ部Nを抜けた後の記録材Pの後端近傍の裏面と感光ドラム2とが近接することが、図4(a)の状態と異なる。そもそも、記録材Pの裏面は正極性に帯電しており、感光ドラム2は負極性に帯電しているため、これらの間には大きな電位差が生じている。この電位差により記録材Pには電荷が蓄えられ、コンデンサーのような役割を果たす。そして、記録材Pに電荷が蓄えられた状態で、記録材Pが感光ドラム2から分離すると、見かけの静電容量が急激に減少し、記録材Pと感光ドラム2との間の電位差が急激に増加する。この電位差が放電閾値を上回ると、剥離放電が発生し、感光ドラム2に対して正極性の電荷が急激に移動する。この剥離放電が顕著であると、感光ドラム2の回転方向において転写ニップ部Nよりも下流側の帯電部において、帯電ローラ3によって剥離放電の影響をキャンセルできなくなる。これにより、帯電部を通過した後においても、周囲と比較して部分的に帯電量の小さな状態(電位の絶対値が小さな状態)となってしまう。そのため、感光ドラム2の回転方向において帯電部よりも下流側の現像部において、より多くのトナーがこの部分に付着する。結果的に、感光ドラム2上の剥離放電を受けた箇所は、感光ドラム2の略1回転後に、スジ状の画像不良(本実施例では黒いスジ)として顕在化してしまう。
後端定電圧制御により記録材Pの後端近傍における転写電圧を下げるのは、上述の記録材Pの後端近傍の帯電量をなるべく低下させ、剥離放電を抑制するという発想に基づくものである。
次に、転写ローラ8の抵抗値によって後端電圧を変更することが可能な理由について説明する。図5は、転写ローラ8の抵抗値(電気抵抗値)の違いによる後端メモリに関する状況の違いを説明するための転写ニップ部Nの近傍の模式図である。図5(a)は転写ローラ8の抵抗値が比較的高い状態、図5(b)は転写ローラ8の抵抗値が比較的低い状態をそれぞれ示している。図5(a)、(b)の両方の状態において、転写定電流制御の目標電流は同等の値であり、トナーを転写する能力は略同一である、という条件を前提に説明する。
まず、転写ニップ部Nに着目して、図5(a)、(b)の両者を比較する。両者で転写定電流制御の目標電流が同等であるため、転写ニップ部Nにおける転写ローラ8の表面の電位も、両者で同程度である。一方、両者で転写ローラ8の抵抗値が異なるため、それぞれの転写ローラ8の芯金8aに印加されている転写電圧は異なる。具体的には、図5(a)では、比較的高い転写電圧が印加されている状態であるのに対して、図5(b)では、比較的低い転写電圧が印加されている状態である。
次に、記録材Pの搬送方向における転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8の表面電位(図5中のα)に着目して、図5(a)、(b)の両者を比較する。上述のように、両者で転写ローラ8の芯金8aに印加されている転写電圧が異なっている。主に転写電流が流れる経路である、転写ローラ8の芯金8aと転写ニップ部Nとを結ぶ経路と異なり、例えば上記転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8には転写電流が流れず、印加されている転写電圧の電圧降下も発生しにくい。つまり、転写ニップ部N以外の転写ローラ8の表面電位は、印加される転写電圧に近い値となっていると言える。具体的には、図5(a)の状態の方が、図5(b)の状態と比較して、上記転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8の表面電位は高いと言える。
最後に、除電針20による記録材Pの除電効果に着目して、図5(a)、(b)の両者を比較する。除電針20による除電は、除電針20と除電対象である記録材Pとの間の電位差を駆動力として行われる。図5(a)の状態のように、記録材Pの搬送方向における転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8の表面電位が高い場合には、転写ローラ8の表面と除電針20との間の電位差が大きくなる。これにより、記録材Pの搬送方向における転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8の表面と除電針20との間においても、ある程度の除電効果が発生することが、本発明者らの鋭意検討により発見された。つまり、図5(b)の状態と比較して、図5(a)の状態のように、上記転写ニップ部Nの下流側近傍の転写ローラ8の表面電位が比較的高い場合の方が、除電針20による記録材Pの除電効果が高まると言える。そのため、転写ローラ8の抵抗値が比較的高い場合には、除電針20による記録材Pの除電効果が高まるため、後端電圧を小さく設定しなくても(すなわち比較的大きく設定しても)、後端メモリの発生を抑制できる。
次に、帯電ヨコスジの発生メカニズムについて説明する。帯電ヨコスジとは、転写ニップ部Nにおいて転写電圧の影響を受けた感光ドラム2が、感光ドラム2の回転方向において転写ニップ部Nよりも下流側に設けられた帯電ローラ3により均一に帯電されず、感光ドラム2の1回転後に細かなスジ状の画像不良が発生する現象である。前述の後端メモリが発生していない通常の状態であれば、感光ドラム2は、転写ニップ部Nにおいて、転写電圧の極性である正極性に緩やかに帯電される。そして、帯電ローラ3による感光ドラム2の帯電は、この緩やかな正極性の帯電を考慮して行われる。つまり、この緩やかに正極性に帯電された感光ドラム2の表面電位と、帯電ローラ3に印加される電圧と、の間の電位差に基づいて、所望の帯電状態を達成するように帯電電圧などが設定されている。しかし、例えば転写電圧が過剰に低い場合には、感光ドラム2に対する正極性の帯電が不十分になり、帯電ローラ3での帯電が部分的に不均一になる。結果的に、感光ドラム2の回転方向における帯電部よりも下流側の現像部で帯電ヨコスジが発生してしまう場合がある。特に、転写ローラ8の抵抗値が小さい場合や、転写電圧の設定を極端に小さくした場合には、この帯電ヨコスジが発生しやすい。
(3)本実施例における後端電圧の制御
次に、本実施例における後端電圧の制御について説明する。本実施例では、転写ローラ8の抵抗値に応じて後端電圧を変更し、後端メモリ及び帯電ヨコスジを抑制する。
まず、予備実験結果について説明する。図6は、本実施例の画像形成装置1において、転写ローラ8の抵抗値を変更して、転写ローラ8の抵抗値と後端メモリが未発生となる後端電圧との関係を調べた結果を示すグラフ図である。図6には、本実施例における正極性の後端電圧についての結果に加えて、試験的に負極性の後端電圧についての結果も示している。
なお、転写ローラ8の抵抗値は、次のようにして求めた抵抗値である。常温常湿環境下において、接地されたアルミドラムに対して400gfの荷重で転写ローラ8を圧接させた状態で、約120mm/secの周速で転写ローラ8を回転させる。そして、転写ローラ8の芯金8aに2.0KVの電圧を印加して電流を測定し、測定された電流値から抵抗値を算出する。また、後端メモリは、常温常湿環境下において、本実施例の画像形成装置1により記録材Pの2枚分の連続プリントを実行して評価した。転写定電流制御の目標電流は、1枚目及び2枚目のいずれも10μAとした。プリントする画像のパターンは、1枚目は比較的低印字率の文字画像(印字率5%程度)、2枚目は後端メモリの発生を判別しやすいハーフトーン画像(印字率50%程度)とした。記録材Pとしては、GF-C081(キヤノン、商品名)を用いた。
図6から、転写ローラ8の抵抗値が大きい程、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側により高い後端電圧でも、後端メモリが未発生になることがわかる。このメカニズムは、前述したとおりである。
図7は、本実施例の画像形成装置1における、転写電圧電源31の出力をOFFしてからの転写電圧出力の減衰を示すグラフ図である。詳しくは後述するように、本実施例では、後端目標電圧を0Vとする、すなわち、転写電圧電源31の出力をOFFする構成を採用している。前述のように、転写電圧電源31の出力をOFFしてからの実際の転写電圧出力の減衰は、転写電圧電源31の能力に応じて、ある程度の時間を必要とする。すなわち、例えば図7に示すような予め求められた減衰時間を考慮して、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける所定時間前に転写電圧電源31の出力をOFFすることで、後端電圧を図6に示すような後端メモリが発生しない電圧に設定することができる。
次に、本実施例における転写電圧制御の手順について説明する。図8は、本実施例における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。
制御部50は、ホストコンピュータから画像形成動作開始の信号を受け取ると、まず、ATVCを実行し、転写ローラ8の抵抗値を検知する(S101)。次に、制御部50は、プリントに使用する記録材Pの種類(紙種)や画像形成装置1の設置環境に応じた転写定電流制御の目標電流を設定し、転写定電流制御を実行する(S102)。例えば、記録材Pの種類ごとの画像形成装置1の設置環境に応じた転写定電流制御の目標電流が、予め求められて制御部50の記憶手段にテーブルデータなどとして記憶されている。制御部50は、この情報に基づいて、ホストコンピュータから入力されたジョブの情報に含まれる記録材Pの種類の情報、及び画像形成装置1に設けられた環境検知手段により検知された環境情報、に対応する目標電流を設定する。そして、制御部50は、S101で得られた転写ローラ8の抵抗値に基づいて、後端電圧の目標値を決定する(S103)。つまり、制御部50は、図6に示すような転写ローラ8の抵抗値と後端電圧との関係を示す情報に基づいて、S101で得られた転写ローラ8の抵抗値に対応する後端電圧を決定する。図6に示すような転写ローラ8の抵抗値と後端電圧との関係を示す情報は、予め求められて制御部50の記憶手段にテーブルデータなどとして記憶されている。
その後、制御部50は、所望の後端電圧に減衰するために必要な時間を見積もり、後端電圧移行タイミングを決定する(S104)。つまり、制御部50は、図7に示すような減衰時間に関する情報に基づいて、転写定電流制御における転写電圧がS103で決定された後端電圧まで減衰するために必要な時間を見積もり、後端電圧移行タイミングを決定する。図7に示すような減衰時間に関する情報は、予め求められて制御部50の記憶手段にテーブルデータなどとして記憶されている。ここで、本実施例では、制御部50は、S101で得られた転写ローラ8の抵抗値と、転写定電流制御の目標電流と、に基づいて、転写定電流制御における転写電圧の代表値を求める。
そして、制御部50は、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける前に、S104で決定された後端電圧移行タイミングで、転写電圧電源31の出力をOFFして(後端目標電圧を0Vとして)後端定電圧に移行する(S105)。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制する。その後、制御部50は、連続プリントなどで後続の記録材Pが存在する場合はS102に戻り(S106)、存在しない場合は転写電圧の印加を終了し(S106、S107)、画像形成動作を終了する。
(4)画像出力実験結果
次に、本実施例及び比較例について、後端メモリ及び帯電ヨコスジに関する性能(発生、未発生)を評価した結果について説明する。後端メモリ及び帯電ヨコスジは、常温常湿環境下において、記録材Pの2枚分の連続プリントを実行して評価した。転写定電流制御の目標電流は、1枚目及び2枚目のいずれも10μAとした。プリントする画像のパターンは、1枚目は比較的低印字率の文字画像(印字率5%程度)、2枚目は後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を判別しやすいハーフトーン画像(印字率50%程度)とした。記録材Pとしては、GF-C081(キヤノン、商品名)を用いた。また、抵抗値の異なる転写ローラ8として、抵抗値が8.2LogΩ及び8.5LogΩの転写ローラ8を使用した。表1に、本実施例及び比較例の性能評価結果を示す。
Figure 2024046721000002
まず、本実施例の結果について説明する。抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用した場合、転写定電流制御時の転写電圧はおよそ2000Vであった。また、この抵抗値の転写ローラ8を使用した場合、後端メモリを抑制するためには、後端電圧は300Vに設定することが望ましい。これを達成するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける10ms前に転写電圧電源31の出力をOFFした(後端目標電圧を0Vとした。以下同様。)。これにより、後端メモリが発生しないことが確認された。また、後端電圧を過剰に低い値に設定していないため、帯電ヨコスジも発生しないことが確認された。抵抗値が8.2LogΩの転写ローラ8を使用した場合は、後端メモリを抑制するために、後端電圧は0Vに設定することが望ましい。これを達成するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける17ms前に転写電圧電源31の出力をOFFした。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジが発生しないことが確認された。
次に、比較例1及び比較例2の結果について説明する。比較例1及び比較例2は、転写ローラ8の抵抗値によらず、同様のタイミングで記録材Pが転写ニップ部Nを抜ける前に転写電圧電源31の出力をOFFした例である。比較例1及び比較例2のその他の構成は、本実施例の構成と実質的に同じである。比較例1については、抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8に適したタイミングで転写電圧電源31の出力をOFFしたため、抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用した場合は良好な評価結果となった。しかし、抵抗値が8.2LogΩの転写ローラ8を使用した場合は、十分に後端電圧を下げることができず、後端メモリが軽微に発生してしまった。一方、比較例2については、抵抗値が8.2LogΩの転写ローラ8に適したタイミングで転写電圧電源31の出力をOFFしたため、抵抗値が8.2LogΩの転写ローラ8を使用した場合は良好な評価結果となった。しかし、抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用した場合は、過剰に後端電圧が低下してしまったため、帯電ヨコスジが軽微に発生してしまった。
このように、トナー像を担持する像担持体2と、像担持体2に当接して転写ニップ部Nを形成し、転写ニップ部Nを通過する記録材Pに転写ニップ部Nにおいて像担持体2からトナー像を転写させる転写部材8と、転写部材8に電圧を印加する印加手段31と、記録材Pの搬送方向において転写ニップ部Nの下流側に配置された、記録材Pを除電するための除電部材20と、転写部材8の抵抗値に関する情報を取得する取得手段(転写電圧電源31、転写電流検知部32、制御部50)と、像担持体2から記録材Pにトナー像を転写する際の印加手段31の出力電圧をトナーの正規の帯電極性とは逆極性の第1の電圧とし、記録材Pの搬送方向における記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける際の印加手段31の出力電圧を上記第1の電圧よりもトナーの正規の帯電極性側の第2の電圧(後端電圧)とするように印加手段31を制御する制御手段50と、を有し、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報に基づいて、上記第2の電圧を変更可能である。本実施例では、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報が示す抵抗値が第1の抵抗値である場合の上記第2の電圧の値よりも、取得手段により取得された上記情報が示す抵抗値が上記第1の抵抗値よりも高い第2の抵抗値である場合の上記第2の電圧の値の方がトナーの正規の帯電極性とは逆極性側の値となるように上記第2の電圧を変更する。また、本実施例では、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報に基づいて印加手段31の出力の目標電圧を変更するタイミングを変更することで、上記第2の電圧を変更する。特に、本実施例では、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報に基づいて印加手段31の出力をOFFするタイミングを変更することで、上記第2の電圧を変更する。また、本実施例では、取得手段は、印加手段31により転写部材8に電圧が印加されている際の、印加手段31の出力電圧と、転写部材8に流れる電流と、に基づいて転写部材8の抵抗値に関する情報を取得する。
以上説明したように、本実施例では、転写ローラ8の抵抗値に応じて、後端電圧を変更する。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジなどの画像弊害の発生を抑制することが可能となる。したがって、本実施例の構成は、画像不良の抑制に対して有効な構成である。
なお、本実施例では、転写電圧電源31の出力をOFFする(後端目標電圧を第1の電圧値から第2の電圧値に変更する)ことで後端電圧を制御したが、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。本実施例では、転写ローラ8の抵抗値に応じて、適した後端電圧に制御すればよい。例えば、記録材Pの後端に向けて段階的に後端目標電圧を変更する(後端電圧を第1の電圧値、第2の電圧値、第3の電圧値、・・・と順次変更する)制御方法や、直線状又は曲線状になだらかに後端目標電圧を変更する制御方法など、他の制御方法を用いることも可能である。
また、本実施例では、転写ローラ8の抵抗値を把握する手段としてATVCを採用したが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、予め測定した転写ローラ8の抵抗値の情報を、画像形成装置1の制御部50などに設けられた不揮発メモリなどの記憶手段に記録するなどして制御に用いることも可能である。なお、転写ローラ8の抵抗値に関する情報は、抵抗値自体に限定されるものではなく、抵抗値と相関する電流値、電圧値といった指標値の情報であってもよい。例えば、転写電圧電源31により転写ローラ8に所定の電流を供給した際の転写電圧電源31の出力電圧値(転写ローラ8に印加される電圧値)を、転写ローラ8の抵抗値と相関する指標値として用いることができる。あるいは、転写電圧電源31により転写ローラ8に所定の電圧を印加した際に転写ローラ8(転写電圧電源31)に流れる電流値を、転写ローラ8の抵抗値と相関する指標値として用いることができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、転写ローラ8の抵抗値に応じて後端電圧移行タイミングを変更して、後端電圧を制御した。本実施例では、更にトナー像の転写時(「印字中」)、すなわち、本実施例では転写定電流制御時の実際の転写電圧の値も考慮して、後端電圧移行タイミングを変更し、後端電圧を制御する。
本実施例では、実施例1で説明したように、トナーを記録材Pに転写するための転写電圧制御の方法として、転写定電流制御を採用している。転写定電流制御を採用した場合、記録材Pに転写するトナーが抵抗体として寄与するため、転写するトナー量が変わると、印加される転写電圧の値も変化する。図9は、本実施例の画像形成装置1において、転写ローラ8の抵抗値が8.5LogΩ、転写定電流制御の目標電流が10μAの場合の、印字率と転写電圧との関係を示すグラフ図である。印字率(画像比率)は、画像域(トナー像を形成可能な領域)の全画素数に対するトナー像が形成される画像数の割合(百分率)で表される。印字率5%の場合の結果は、比較的低印字率の文字画像をプリントした場合の結果である。また、印字率50%の場合の結果は、全面にハーフトーン画像をプリントした場合の結果である。更に、印字率100%の場合の結果は、全面にベタ黒画像をプリントした場合の結果である。図9から、印字率の増加に伴い、印加される転写電圧も増加することがわかる。
次に、本実施例における転写電圧制御の手順について説明する。図10は、本実施例における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。
制御部50は、ホストコンピュータから画像形成動作開始の信号を受け取ると、まず、ATVCを実行し、転写ローラ8の抵抗値を検知する(S201)。次に、制御部50は、プリントに使用する記録材Pの種類や画像形成装置1の設置環境に応じた転写定電流制御の目標電流を設定し、転写定電流制御を実行する(S202)。そして、制御部50は、S201で得られた転写ローラ8の抵抗値に基づいて、実施例1と同様にして後端電圧の目標値を決定する(S203)。更に、制御部50は、記録材Pの後端近傍において、転写定電流制御を実行中の転写電圧の平均値(平均電圧)を算出する(S204)。その後、制御部50は、S203で決定された後端電圧と、S204で算出された平均電圧と、に基づいて、所望の後端電圧に減衰するために必要な時間を見積もり、後端電圧移行タイミングを決定する(S205)。つまり、制御部50は、図7に示すような減衰時間に関する情報に基づいて、S204で算出された平均電圧がS203で決定された後端電圧まで減衰するために必要な時間を見積もり、後端電圧移行タイミングを決定する。そして、制御部50は、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける前に、S205で決定された後端電圧移行タイミングで、転写電圧電源31の出力をOFFして(後端目標電圧を0Vとして)後端電圧に移行する(S206)。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制する。その後、制御部50は、連続プリントなどで後続の記録材Pが存在する場合はS202に戻り(S207)、存在しない場合は転写電圧の印加を終了し(S207、S208)、画像形成動作を終了する。
ここで、S204で平均電圧を算出する目的は、プリントする画像の印字率によらず、より精度良く後端電圧を制御するためである。本実施例では、後端電圧移行タイミングに対して十分に早いタイミングである記録材Pの後端から先端側に60mmの位置から、記録材Pの後端から先端側に10mmの位置までの区間において、50msごとの転写電圧を平均化して平均電圧の値を算出した。この転写電圧の平均値を算出する期間は、後端電圧に移行する直前の転写電圧の代表値を十分な精度で求めることができるように適宜設定することができる。
次に、本実施例及び比較例について、後端メモリ及び帯電ヨコスジに関する性能(発生、未発生)を評価した結果について説明する。後端メモリ及び帯電ヨコスジは、常温常湿環境下において、記録材Pの2枚分の連続プリントを実行して評価した。印字中には転写定電流制御を実行した。転写定電流制御の目標電流は、1枚目及び2枚目のいずれも10μAとした。1枚目にプリントする画像のパターンは、表2に記載の印字率のパターンとした(印字率5%:文字画像、印字率100%:全面ベタ画像)。また、2枚目にプリントする画像のパターンは、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を判別しやすいハーフトーン画像(印字率50%程度)とした。記録材Pとしては、GF-C081(キヤノン、商品名)を用いた。また、転写ローラ8としては、抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用した。表2に、本実施例及び比較例の性能評価結果を示す。
Figure 2024046721000003
まず、本実施例の結果について説明する。印字率100%の画像をプリントした場合、転写定電流制御時の転写電圧はおよそ2600Vであった。抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用しているため、後端電圧は300Vに設定することが望ましい。これを達成するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける16.5ms前に転写電圧電源31の出力をOFFした。これにより、後端メモリが発生しないことが確認された。また、後端電圧を過剰に低い値に設定していないため、帯電ヨコスジも発生しないことが確認された。印字率5%の画像をプリントした場合も、後端メモリを抑制するために、後端電圧は300Vに設定することが望ましい。これを達成するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける10ms前に転写電圧電源31の出力をOFFした。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジが発生しないことが確認された。
次に、比較例3及び4の結果について説明する。比較例3及び4は、プリントする画像の印字率によらず、同様のタイミングで記録材Pが転写ニップ部Nを抜ける前に転写電圧電源31の出力をOFFした例である。比較例3及び比較例4のその他の構成は、本実施例の構成と実質的に同じである。比較例3については、印字率5%の画像に適したタイミングで転写電圧電源31の出力をOFFしたため、印字率5%の画像をプリントした場合は良好な評価結果となった。しかし、印字率100%の画像をプリントした場合は、十分に後端電圧を下げることができず、後端メモリが発生してしまった。一方、比較例4については、印字率100%の画像に適したタイミングで転写電圧電源31の出力をOFFしたため、印字率100%の画像をプリントした場合は良好な評価結果となった。しかし、印字率5%の画像をプリントした場合は、過剰に後端電圧が低下してしまったため、帯電ヨコスジが軽微に発生してしまった。
このように、本実施例では、印加手段31の出力電圧を検知する電圧検知手段31aを有し、制御手段50は、取得手段により取得された転写部材8の抵抗値に関する情報と電圧検知手段31aの検知結果とに基づいて印加手段31の出力の目標電圧を変更するタイミング(特に、本実施例では、印加手段31の出力をOFFするタイミング)を変更する。
以上説明したように、本実施例では、印字率と相関する印字中の実際の転写電圧(転写定電流制御時の実際の転写電圧の平均値)に応じて、後端電圧移行タイミングの設定を変更する。これにより、後端メモリと帯電ヨコスジなどの画像弊害の発生を更に精度良く抑制することが可能となる。したがって、本実施例の構成は、画像不良の抑制に対して有効な構成である。
なお、本実施例では、プリントする画像の印字率に応じて後端電圧移行タイミングを変更するように制御したが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。本実施例では、印字中の転写電圧に応じて後端電圧移行タイミングを変更することで、適した後端電圧に制御すればよい。例えば、印字中に部分的に定電圧制御を実行している場合には、この定電圧制御の目標電圧に応じて、後端電圧移行タイミングを変えるなど、他の制御方法を用いることも可能である。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、転写ローラ8に印加する電圧は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧のみであった。本実施例では、更に転写ローラ8に負極性の電圧を印加する。
転写ローラ8に負極性の電圧を印加することによる効果の1つは、後端メモリを抑制可能な転写ローラ8の抵抗値の範囲が広がることである。図6に示したとおり、転写ローラ8の抵抗値に応じて、後端メモリを抑制するのに必要な後端電圧は異なる。特に、転写ローラ8の抵抗値が8.2LogΩより小さい場合に後端メモリを抑制するためには、後端電圧を負極性とする(負極性の範囲までトナーの正規の帯電極性側に高くする)必要がある。そのため、転写ローラ8に負極性の転写電圧を印加することにより、より広い抵抗値の範囲の転写ローラ8を採用することが可能となる。
転写ローラ8に負極性の電圧を印加することによる効果の他の1つは、転写電圧を印字中の転写電圧から後端電圧へと変更する際の電圧の変化速度(ここでは、「応答速度」ともいう。)の向上が可能となることである。図11は、本実施例の画像形成装置1の要部の電気的な構成を示す模式図である。実施例1のように転写ローラ8に正極性の転写電圧電源31のみが接続されている場合(図2)、転写電圧の減衰時間は、転写電圧電源31の制御を安定化させるコンデンサーなど(図示せず)から電荷が抜けるための時間が大きく影響する。一方、本実施例では、転写ローラ8には、正極性の転写電圧電源31に加えて、この正極性の転写電圧電源31と直列に負極性の電源30が接続されている。そのため、少なくとも後端電圧移行タイミングで負極性の電源30から電圧が出力されていれば、上述のコンデンサーなどからの電荷の移動が、負極性の電源30により促進され、結果的に転写電圧の減衰時間をより短くすることが可能となる。
なお、本実施例では、転写ローラ8に接続される負極性の電源30を、帯電ローラ3に電圧を印加する帯電電圧電源30と共通化している。すなわち、本実施例では、転写ローラ8には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧を出力する第1の転写電圧印加手段と、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性の電圧を出力する第2の転写電圧印加手段と、が接続されている。そして、本実施例では、帯電電圧電源30が、第2の転写電圧印加手段を兼ねる。これにより、装置の小型化、コストダウンを図ることができる。また、特に、印字中に継続して一定の出力で駆動している帯電電圧印加手段と第2の転写電圧印加手段とを共通化し、第1の転写電圧印加手段が出力する正極性の電圧と第2の転写電圧印加手段が出力する負極性の電圧とを重畳することで、印字中の転写電圧の変動を抑制することが可能となる。
図12は、本実施例の画像形成装置1における、転写電圧電源31の正極性の出力をOFFしてからの転写電圧出力の減衰を示すグラフ図である。転写電圧電源31の正極性の出力は、帯電ローラ3に印加されている帯電電圧電源30の-900Vの出力を転写電圧電源31の正極性の出力に重畳しながらOFFされる。図7に示した実施例1の画像形成装置1における転写電圧の減衰速度と比較して、図12に示す本実施例の画像形成装置1における転写電圧の減衰速度の方が速いことがわかる。つまり、実施例1の画像形成装置1の転写電圧の応答速度と比較して、本実施例の画像形成装置1の転写電圧の応答速度の方が向上していることがわかる。また、図12から、本実施例の構成によれば、時間経過により転写電圧として負極性の電圧を出力することが可能となることがわかる。なお、転写電圧の応答速度の向上の効果に関しては後述する。
次に、本実施例及び比較例について、後端メモリ及び帯電ヨコスジに関する性能(発生、未発生)を評価した結果について説明する。後端メモリ及び帯電ヨコスジは、常温常湿環境下において、記録材Pの2枚分の連続プリントを実行して評価した。印字中には転写定電流制御を実行した。転写定電流制御の目標電流は、1枚目及び2枚目のいずれも10μAとした。プリントする画像のパターンは、1枚目は比較的低印字率の文字画像(印字率5%程度)、2枚目は後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を判別しやすいハーフトーン画像(印字率50%程度)とした。記録材Pとしては、GF-C081(キヤノン、商品名)を用いた。また、抵抗値の異なる転写ローラ8として、抵抗値が8.5LogΩ、8.2LogΩ及び7.8LogΩの転写ローラ8を使用した。表3に、本実施例及び比較例の性能評価結果を示す。
Figure 2024046721000004
まず、本実施例の結果について説明する。抵抗値が8.5LogΩ、8.2LogΩの転写ローラ8を使用した場合、実施例1と同様に、後端メモリ抑制のために望ましい後端電圧である300V、0Vに設定するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける4.5ms前、6ms前に転写電圧電源31の正極性の出力をOFFした。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジの両方が発生しない良好な画像が得られることが確認された。なお、本実施例において、実施例1と後端電圧移行タイミングが異なるのは、前述のように本実施例では転写電圧の応答速度が向上しているためである。また、抵抗値7.8LogΩの転写ローラ8を使用した場合、後端電圧を-400Vに設定するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける11ms前に転写電圧電源31の正極性の出力をOFFした。これにより、比較的抵抗値の低い転写ローラ8を使用しているにもかかわらず、後端メモリ及び帯電ヨコスジの両方が発生しない良好な画像が得られることが確認された。
次に、比較例5の結果について説明する。比較例5は、転写ローラ8に負極性の電圧を印加せずに、抵抗値7.8LogΩの転写ローラ8を使用した例である。比較例5のその他の構成は、本実施例の構成と実質的に同じである。比較例5では、一例として、本実施例において抵抗値7.8LogΩの転写ローラ8を使用した場合と同じタイミングで、後端電圧へ移行した。しかし、いずれのタイミングで後端電圧へ移行したとしても、負極性の電圧を印加していない比較例5では、後端メモリが発生しない後端電圧-400Vには到達できず、後端メモリが発生してしまった。
次に、転写電圧の応答速度(応答性)が向上する、すなわち、転写電圧を印字中の転写電圧から後端電圧へと変更する際の電圧の変化速度(減衰速度)が速くなることによるメリットについて説明する。図13は、転写電圧の減衰速度と制御の安定性について説明するためのチャート図である。
図13(a)は、トナー像が上に載った状態の記録材Pの模式的な断面図である。通常、記録材Pの後端近傍(後端部)を含む端部には、所定の量の余白部が設けられる。図13(a)には、記録材Pの後端近傍の余白部として、トナー像が載っていない領域が示されている。
図13(b)、(c)、(d)は、図13(a)の位置に対応した各タイミングでの転写電圧電源31の電圧出力の推移を示すチャート図である。特に、図13(b)は、後端電圧と印字中の転写電圧との差が比較的小さい場合(目標低下量A)を示している。通常、後端電圧移行タイミングは、トナー像の転写が完了した後に設定されることが望ましい。つまり、トナー像の転写が完了する前に転写電圧が後端電圧へ移行すると、転写電圧が低下してしまうため、部分的にトナー像の転写が不十分になり、画像不良として顕在化する可能性がある。後端電圧移行タイミングをトナー像の転写が完了した後(余白部に対応する期間)に設定するのが望ましいのは、この画像不良を抑制するためである。図13(b)のように、目標低下量Aが比較的小さい場合は、転写電圧の減衰速度が遅くても、後端電圧移行タイミングをトナー像の転写が完了した後に設定することができる。そのため、記録材Pの後端近傍の転写性を確保しつつ、後端メモリの発生を抑制できる。
次に、図13(c)のように、後端電圧と印字中の転写電圧との差が比較的大きい場合(目標低下量B)について説明する(転写電圧の減衰速度は図13(b)と同じ。)。この場合、後端メモリの発生を抑制する後端電圧にするためには、トナー像の転写が完了する前に、後端電圧に移行する必要がある。そのため、記録材Pの後端近傍で、トナー像の転写不良が発生する可能性が高まる。
これに対し、図13(d)に示すように、転写電圧の減衰速度が大きいと、後端電圧と印字中の転写電圧との差が比較的大きい場合(目標低下量B)でも、後端電圧移行タイミングをトナー像の転写が完了した後に設定することができる。そのため、記録材Pの後端近傍の転写性を確保しつつ、後端メモリの発生を抑制できる。
つまり、転写電圧の応答速度が向上することで、より多くの条件で記録材Pの後端近傍における画像不良を抑制することが可能となり、制御の安定性が向上する。
このように、本実施例では、転写部材8に電圧を印加する印加手段は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を出力する第1の印加手段31と、第1の印加手段31と直列に接続され、トナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を出力する第2の印加手段30と、を有し、第1の印加手段31の出力電圧と第2の印加手段30の出力電圧とを重畳して転写部材8に印加可能であり、制御手段50は、印加手段31、30が第2の電圧(後端電圧)を出力する際に少なくとも第2の印加手段30が電圧を出力しているように印加手段31、30を制御する。本実施例では、制御手段50は、取得手段により取得された転写部材8の抵抗値に関する情報に基づいて第1の印加手段31の出力の目標電圧を変更するタイミングを変更することで、上記第2の電圧を変更する。特に、本実施例では、制御手段50は、取得手段により取得された上記情報に基づいて第1の印加手段31の出力をOFFするタイミングを変更することで、上記第2の電圧を変更する。また、本実施例では、第2の印加手段30は、画像形成装置1の転写部材以外の部材に電圧を印加する手段を兼ねる。特に、本実施例では、第2の印加手段30は、像担持体2を帯電処理する帯電手段3に電圧を印加する帯電電圧印加手段を兼ねる。
以上説明したように、本実施例では、転写ローラ8に負極性の転写電圧を印加することで、より広い抵抗値の範囲の転写ローラ8を使用可能としつつ、後端メモリ及び帯電ヨコスジなどの画像弊害の発生を抑制することが可能となる。また、本実施例では、転写ローラ8に負極性の転写電圧を印加することで、転写電圧の応答速度(応答性)が向上し、制御の安定が向上する。したがって、本実施例の構成は、画像不良の抑制に対して有効な構成である。
なお、本実施例では、転写ローラ8に印加される負極性の電圧を供給する電源を、帯電ローラ3に電圧を供給する帯電電圧電源30と共通化したが、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。例えば、転写ローラ8に印加される負極性の電圧を供給する電源を、現像器5(現像剤担持体、供給部材、規制部材など)に対して電圧を供給する電源と共通化してもよいし、別途電源(高圧印加手段)を設けてもよい。また、転写電圧電源31が転写ローラ8に正負両極性の電圧を供給できるようになっていてもよい。
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、後端メモリが発生する可能性が高いか否かを、使用状況把握手段により把握した画像形成部材の使用状況に基づいて判断する。そして、後端メモリが発生する可能性が高い場合に、転写ローラ8の抵抗値に応じた後端電圧の制御を実行する。
本実施例では、後端メモリが発生する可能性を、感光ドラム2のCT層の膜厚に基づいて判断する。CT層は、画像形成動作が繰り返されることで、例えば、トナーとの摺擦や、クリーナー6との摺擦により、徐々に削れ、膜厚が減少する。一方、CT層の膜厚は、後端メモリの発生レベルに影響する。これは、CT層が一部コンデンサーとしての挙動を取るためである。一般的なコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、コンデンサーの静電容量C、コンデンサーの電位差Vの関係を下記式(2)に示す。この関係に基づいて、記録材Pの剥離放電と後端メモリとの関係について説明する。
Q=CV ・・・式(2)
前述のように、記録材Pの後端が感光ドラム2から分離する際に、剥離放電が発生する場合がある。この剥離放電における放電量は、コンデンサーとして振る舞うCT層へ蓄えられた電荷量と見なすことができる。そのため、静電容量を有するCT層の表面は、蓄えられた電荷量に相当する電位差の分、剥離放電の影響を受けていない部分に対して電位が変化する。この電位が帯電ローラ3によって緩和できない場合、後端メモリとして顕在化する。
静電容量Cは、下記式(3)に示した一般的な式で説明することができる。
C=εS/d ・・・式(3)
ここで、εは誘電率、Sは電極板の面積、dは電極板の距離である。
CT層に式(3)を当てはめると、CT層の厚みはdに相当する。すなわち、CT層の厚みが減少すると、静電容量は大きくなる。この場合、剥離放電として同一の電荷の蓄積があっても、CT層の表面電位の変化は小さくなることを示している。
以上より、感光ドラム2のCT層の膜厚が減少した場合は、後端メモリの発生レベルが良化すると言える。
次に、本実施例における転写電圧制御の手順について説明する。図14は、本実施例における転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。
制御部50は、ホストコンピュータから画像形成動作開始の信号を受け取ると、まず、感光ドラム2の使用状況に基づいて、後端メモリが発生する可能性が高いか否かを判断する(S301)。S301における具体的な判断方法については後述する。
制御部50は、S301で後端メモリが発生する可能性が高い、すなわち、感光ドラム2の残CT膜厚の閾値を跨いでいない(CT膜厚の削れ量が閾値を超えていない)(「Yes」)と判断した場合、次にATVCを実行し、転写ローラ8の抵抗値を検知する(S302)。次に、制御部50は、プリントに使用する記録材Pの種類や画像形成装置1の設置環境に応じた転写定電流制御の目標電流を設定し、転写定電流制御を実行する(S303)。そして、制御部50は、S302で得られた転写ローラ8の抵抗値に基づいて、実施例1と同様にして後端電圧の目標値を決定する(S304)。その後、制御部50は、実施例1と同様にして、所望の後端電圧に減衰するために必要な時間を見積もり、後端電圧移行タイミングを決定する(S305)。なお、実施例2と同様にして後端電圧移行タイミングを決定するようにしてもよい。そして、制御部50は、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける前に、S305で決定された後端電圧移行タイミングで、転写電圧電源31の出力をOFFして(後端目標電圧を0Vとして)後端電圧に移行する(S306)。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制する。その後、制御部50は、連続プリントなどで後続の記録材Pが存在する場合はS301に戻り(S311)、存在しない場合は転写電圧の印加を終了し(S311、S312)、画像形成動作を終了する。
また、制御部50は、S301で後端メモリが発生する可能性が低い、すなわち、感光ドラム2の残CT膜厚の閾値を跨いだ(CT膜厚の削れ量が閾値を超えた)(「No」)と判断した場合、上記同様にしてATVC(S307)、転写定電流制御(S308)を順次実行する。その後、制御部50は、転写ローラ8の抵抗値に依存しない規定の後端電圧及び規定の後端電圧移行タイミングを設定し(S309)、後端電圧に移行する(S310)。以降の処理(S311、S312)は上記同様である。
本実施例では、S301の後端メモリが発生する可能性の判断に、前述のCT層の膜厚の予測値を用いた。具体的には、制御部50は、使用状況把握手段として、感光ドラム2の総走行距離を、画像形成動作を行うごとに、制御部50やプロセスカートリッジ18に設けられた不揮発メモリなどの記憶手段に積算して記録する。また、制御部50は、S301において、予め求められて制御部50のメモリに記憶されている感光ドラム2の総走行距離とCT層の膜厚との関係を示す情報に基づいて、総走行距離からCT層の膜厚の削れ量(あるいは残量)を予測する。そして、制御部50は、S301において、CT層の膜厚が所定の閾値以上(例えば12μm以上)存在している場合、後端メモリが発生する可能性が高いと判断する。具体的には、S301では、制御部50がCT層の膜厚が上記閾値未満であるか否かを判断し、閾値未満である(「Yes」)と判断した場合にはS302、閾値以上である(「No」)と判断した場合にはS307に進むようにすればよい。
次に、本実施例について、後端メモリ及び帯電ヨコスジに関する性能(発生、未発生)を評価した結果について説明する。後端メモリ及び帯電ヨコスジは、常温常湿環境下において、記録材Pの2枚分の連続プリントを実行して評価した。印字中には転写定電流制御を実行した。転写定電流制御の目標電流は、1枚目及び2枚目のいずれも10μAとした。プリントする画像のパターンは、1枚目は比較的低印字率の文字画像(印字率5%程度)、2枚目は後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を判別しやすいハーフトーン画像(印字率50%程度)とした。記録材Pとしては、GF-C081(キヤノン、商品名)を用いた。また、転写ローラ8としては、抵抗値が8.5LogΩの転写ローラ8を使用した。また、CT層の膜厚が異なる感光ドラム2を用いてそれぞれ性能評価を行った。表4に、本実施例の性能評価結果を示す。
Figure 2024046721000005
本実施例においては、CT層の膜厚が20μmであると予想された場合、後端メモリが発生する可能性が高いと判断される。そして、この場合には、後端メモリを抑制するための後端電圧である300Vに設定するために、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける10ms前に転写電圧電源31の出力をOFFした。これにより、後端メモリが発生しないことが確認された。また、後端電圧を過剰に低い値に設定していないため、帯電ヨコスジも発生しないことが確認された。一方、CT層の膜厚が10μmであると予想された場合、後端メモリが発生する可能性が低いと判断される。そして、この場合には、規定の後端電圧移行タイミングである、記録材Pの後端が転写ニップ部Nを抜ける3ms前に、転写電圧電源31の出力をOFFした。この場合も、後端メモリ及び帯電ヨコスジは発生せず、良好な画像が得られることが確認された。
なお、本実施例では発生が確認されなかったものの、画像形成動作が繰り返し行われると、感光ドラム2、帯電ローラ3、現像器5などの画像形成部材の使用による劣化が進み、別途「かぶり」と呼ばれる画像不良が発生する場合がある。これは、正規の極性に帯電されなかったトナーが、静電潜像が形成されていない感光ドラム2の表面にも付着してしまう現象である。そして、そのトナーが、転写ニップ部Nで通常のトナーと同じように記録材Pに転写され、画像不良として顕在化してしまうことがある。本実施例では、感光ドラム2のCT層の膜厚が減少した場合に、すなわち、画像形成部材の使用による劣化が進んだ場合に、後端電圧移行タイミングを遅くした。この制御は、上記かぶりを起こしたトナー(かぶりトナー)が記録材Pへ転写されてしまうことを、正極性の転写電圧によって抑制する効果も期待できる。そのため、画像形成部材の使用状況(使用頻度、使用量)に応じて後端電圧制御を変更する本実施例の構成は、画像不良の抑制という観点で更に有効な構成であると言える。
このように、本実施例では、制御手段50は、像担持体2の使用状況に関する使用状況情報に基づいて、第2の電圧(後端電圧)を変更可能である。本実施例では、制御手段50は、上記使用状況情報が示す像担持体2の累積の使用量が第1の使用量である場合の上記第2の電圧の値よりも、上記使用状況情報が示す像担持体2の累積の使用量が上記第1の使用量よりも多い第2の使用量である場合の上記第2の電圧の値の方がトナーの正規の帯電極性とは逆極性側の値となるように上記第2の電圧を変更する。また、本実施例では、上記使用状況情報が示す像担持体2の累積の使用量が上記第2の使用量である場合の上記第2の電圧の値は、取得手段により取得された転写部材8の抵抗値に関する情報によらない所定の値である。また、上記使用状況情報は、例えば、像担持体2の総走行距離に関する情報、又は画像形成動作が行われた回数に関する情報であってよい。
以上説明したように、本実施例では、後端メモリが発生する可能性が高い場合に、転写ローラ8の抵抗値に応じた後端電圧制御を実行する。これにより、後端メモリ及び帯電ヨコスジの発生を抑制しつつ、後端メモリが発生する可能性が低い場合には後端電圧を比較的高くして、かぶりトナーの記録材Pへの転写を抑制する効果などが得られると共に、転写電圧の制御を簡易化することが可能となる。したがって、本実施例は、画像不良の抑制に対して有効な構成である。
なお、本実施例では、感光ドラム2のCT層の膜厚に着目して、2段階に後端電圧を制御したが、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。例えば、感光ドラム2のCT層の膜厚と後端電圧との関係から、CT層の膜厚に応じた3段階以上の複数の後端電圧を設定することも可能である。
また、本実施例では、後端メモリが発生する可能性が高いか否かを把握するための指標として、感光ドラム2のCT層の膜厚を用いたが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、画像形成装置1の使用環境やプリントに使用する記録材Pの種類など、1つもしくは複数の指標に基づいて、後端メモリが発生する可能性が高いか否かを把握することも可能である。例えば、画像形成装置1の使用環境(画像形成装置1の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方)を画像形成装置1に設けられた環境検知手段としての温湿度センサにより検知する。そして、制御部50は、例えば温湿度センサの検知結果に基づく絶対湿度(水分量)が所定の閾値以下の場合に後端メモリが発生する可能性が高いと判断し、転写ローラ8の抵抗値に基づく後端電圧の制御を行うようにすることができる。また、プリントに使用される記録材Pの種類が予め指定された所定の種類の記録材Pである場合に後端メモリが発生する可能性が高いと判断し、転写ローラ8の抵抗値に基づく後端電圧の制御を行うようにすることができる。また、上述のように、例えば、記録材Pの種類ごとに予め設定された使用環境に関する所定の閾値を用いて、後端メモリが発生する可能性が高いか否かを判断するなど、複数の指標に基づいて判断してもよい。ここで、記録材Pの種類とは、普通紙、上質紙、光沢紙、グロス紙、コート紙、エンボス紙、厚紙、薄紙などの一般的な特徴に基づく属性(いわゆる、紙種カテゴリー)、坪量、厚さ、剛性などの数値や数値範囲、あるいは銘柄(メーカー、商品名、品番などを含む。)などの、記録材Pを区別することのできる任意の情報を包含するものである。
また、使用状況把握手段は、画像形成部材の使用状況に関する指標として、感光ドラム2の総走行距離を検知することに限定されるものではない。例えば、画像形成部材(感光ドラム2、帯電ローラ3、現像器5など)の使用状況(使用頻度、使用量)に関する指標として、画像形成動作が行われた回数(画像が形成されて出力された記録材の数)などを採用することも可能である。その他、画像形成部材の使用状況に関する指標としては、回転可能な画像形成部材の回転回数や回転時間、電圧が印加される画像形成部材に対する電圧の印加時間を例示することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、ジョブの1枚目の記録材が転写ニップ部に到達する前にATVCにより転写ローラの抵抗値に関する情報を取得したが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、連続プリントの実行中に、所定の画像形成枚数ごとなどの所定のタイミングで紙間においてATVCを実行して転写ローラの抵抗値の情報を取得し、その結果を上述の実施例と同様にして後続の記録材に対する転写電圧制御に反映することができる。また、転写ローラの抵抗値に応じた後端電圧は、ジョブの全ての記録材に関して適用することに限定されるものではない。転写ローラの抵抗値に応じた後端電圧をジョブの一部の記録材に関して適用し、ジョブの他の記録材に関しては転写ローラの抵抗値によらない規定の後端電圧を適用してもよい。
また、転写部材は、ローラ状の部材に限定されるものではなく、ブロック(パッド)状の部材、ブラシ状の部材、シート状(フィルム状)の部材であってもよい。
1 画像形成装置
2 感光ドラム
3 帯電ローラ
4 レーザースキャナ
5 現像器
6 クリーナー
8 転写ローラ
20 除電針
30 帯電電圧電源
31 転写電圧電源
32 転写電流検知部
50 制御部

Claims (15)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に当接して転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部を通過する記録材に前記転写ニップ部において前記像担持体からトナー像を転写させる転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する印加手段と、
    記録材の搬送方向において前記転写ニップ部の下流側に配置された、記録材を除電するための除電部材と、
    前記転写部材の抵抗値に関する情報を取得する取得手段と、
    前記像担持体から記録材にトナー像を転写する際の前記印加手段の出力電圧をトナーの正規の帯電極性とは逆極性の第1の電圧とし、記録材の搬送方向における記録材の後端が前記転写ニップ部を抜ける際の前記印加手段の出力電圧を前記第1の電圧よりもトナーの正規の帯電極性側の第2の電圧とするように前記印加手段を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記第2の電圧を変更可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報が示す抵抗値が第1の抵抗値である場合の前記第2の電圧の値よりも、前記取得手段により取得された前記情報が示す抵抗値が前記第1の抵抗値よりも高い第2の抵抗値である場合の前記第2の電圧の値の方がトナーの正規の帯電極性とは逆極性側の値となるように前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記印加手段の出力の目標電圧を変更するタイミングを変更することで、前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記印加手段の出力をOFFするタイミングを変更することで、前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記印加手段は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を出力する第1の印加手段と、前記第1の印加手段と直列に接続され、トナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を出力する第2の印加手段と、を有し、前記第1の印加手段の出力電圧と前記第2の印加手段の出力電圧とを重畳して前記転写部材に印加可能であり、
    前記制御手段は、前記印加手段が前記第2の電圧を出力する際に少なくとも前記第2の印加手段が電圧を出力しているように前記印加手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記第1の印加手段の出力の目標電圧を変更するタイミングを変更することで、前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記第1の印加手段の出力をOFFするタイミングを変更することで、前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2の印加手段は、前記画像形成装置の前記転写部材以外の部材に電圧を印加する手段を兼ねることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第2の印加手段は、前記像担持体を帯電処理する帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段を兼ねることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記印加手段の出力電圧を検知する電圧検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記情報と前記電圧検知手段の検知結果とに基づいて前記タイミングを変更することを特徴とする請求項3、4、6、7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記像担持体の使用状況に関する使用状況情報に基づいて、前記第2の電圧を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記使用状況情報が示す前記像担持体の累積の使用量が第1の使用量である場合の前記第2の電圧の値よりも、前記使用状況情報が示す前記像担持体の累積の使用量が前記第1の使用量よりも多い第2の使用量である場合の前記第2の電圧の値の方がトナーの正規の帯電極性とは逆極性側の値となるように前記第2の電圧を変更することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記使用状況情報が示す前記像担持体の累積の使用量が前記第2の使用量である場合の前記第2の電圧の値は、前記取得手段により取得された前記情報によらない所定の値であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記使用状況情報は、前記像担持体の総走行距離に関する情報、又は画像形成動作が行われた回数に関する情報であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  15. 前記取得手段は、前記印加手段により前記転写部材に電圧が印加されている際の、前記印加手段の出力電圧と、前記転写部材に流れる電流と、に基づいて前記転写部材の抵抗値に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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