JP2024046384A - イオン源、質量分析計、及び、イオン源製造方法 - Google Patents

イオン源、質量分析計、及び、イオン源製造方法 Download PDF

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安章 高田
Yasuaki Takada
益之 杉山
Masuyuki Sugiyama
峻 熊野
Shun Kumano
英樹 長谷川
Hideki Hasegawa
昌和 菅谷
Masakazu Sugaya
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Abstract

【課題】ロバスト性を向上させることを課題とする。【解決手段】放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体121と、誘電体121の外側に密着するように設置され、高周波電圧が印加される外筒電極122と、誘電体121の内側に、誘電体121と密着するように設置され、直流電圧が印加される内筒電極110と、外筒電極122と内筒電極110との間の放電で生成したイオンを誘電体121の外部へ引き出すためのオリフィス131が開口しているオリフィス電極130と、を有し、内筒電極110は、両端が開口しているとともに、一端がオリフィス電極130に接続し、オリフィス電極側とは反対側の開口部であるキャピラリ側開口部112を有し、キャピラリ側開口部112とは別の開口部であるオリフィス側開口部113を有し、キャピラリ側開口部112は、オリフィス側開口部113の外径未満であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、イオン源、質量分析計、及び、イオン源製造方法に関するものである。
気体状の化学物質をイオン化するイオン源として、誘電体バリア放電イオン源が知られている。誘電体バリア放電イオン源では、まず、ガラスのような誘電体で遮蔽した2枚の電極に交流電圧が印加されることでプラズマが発生する。このプラズマにより、イオン源内の気体(放電ガス)のイオンが生成される(一次イオン)。この一次イオンと、イオン源に導入された試料分子とが反応することにより、試料のイオンが生成される(二次イオン)。
従来の誘電体バリア放電イオン源では、筒状の誘電体の外側にリング状の外筒電極が備えられ、誘電体の内側に、筒状の内筒電極が誘電体と接するように設けられている。誘電体の内側は低圧に保たれており、外筒電極に高周波電圧、内筒電極に直流電圧が印加されることで、外筒電極と、内筒電極との間に誘電体バリア放電が生じる。この誘電体バリア放電によって生じるプラズマによって一次イオンが発生し、この一次イオンと気体状の試料分子とが反応することで、試料分子がイオン化する。
特許文献1には、「第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、試料及び放電ガスの導入部及び排出部を有する誘電体部と、前記第1の電極と前記第2の電極のいずれか一方に対して交流電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間で発生する放電により前記試料をイオン化する電源と、前記排出部から排出されたイオンを分析する質量分析部とを有し、前記放電は2Torr以上300Torr以下で行われる」ことを特徴とする質量分析装置が開示されている(請求項1参照)。
特許文献2には、「試料を配置させる試料配置部材と、試料配置部材の導入口と試料イオンを発生させるイオン源とを備えたイオン化室と、試料イオンの分析をする質量分析部を有する真空チャンバーと、イオン化室と真空チャンバーとの間に設けられた開閉機構とを有し、開閉機構は、イオン化室内に試料配置部材が導入された後、閉から開への状態に制御される」ことを特徴とする質量分析装置及び質量分析方法が開示されている(要約参照)。
特許文献3には、「ガス状の試料をイオン化する方法であって、(A)プラズマ放電部を備えたイオン化室を減圧し、試料と大気を導入する工程と、(B)イオン化室の圧力を調整し、プラズマ放電部でプラズマを生成する工程とを含み、工程(B)において、生成されたプラズマにより、試料がイオン化された[M]+(Mは測定試料分子)イオンと、大気成分に由来したイオンが付加された[nM+K]+イオン(nは1または2、Kは大気成分に由来した付加イオン)とが生成され、イオン化室の圧力を、[nM+K]+イオンの信号強度が、[M]+イオンの信号強度よりも大きくなるように設定する」ことを特徴とするイオン化方法、イオン化装置、及び質量分析装置が開示されている(要約参照)。
特許文献4には、ガラス管と、ガラス管の内部に配置され高電圧が印加される内部電極と、ガラス管の外部に配置され接地される接地電極と、からなるプラズマ発生部が記載されている(FIG.3D参照)。
また、非特許文献1には、セラミック管と、セラミック管の外側に配置され高電圧が印加される電極と、オリフィス電極と、からなり、減圧部で放電するイオン源が記載されている。
特許第5622751号公報 特開2013-8606号公報 特開2018-206759号公報 米国特許出願公開第2017/0354453号明細書
"Low-pressure barrier discharge ion source using air as a carrier gas and its application to the analysis of drugs and explosives", Dilshadbek T. Usmanov, Zhan Yu, Lee Chuin Chen, Kenzo Hiraoka and Shinichi Yamabe, Journal of Mass Spectrometry、51巻、132頁、2016年
従来の誘電体バリア放電イオン源では、長期の使用により誘電体の内壁面が汚れてきたり、イオン源の加熱が不十分で誘電体の内壁面が結露したりするような場合がある。このような状態となると、誘電体の内壁面を介して外筒電極と内筒電極との間がショートする、いわゆる沿面放電が発生する場合がある。沿面放電が発生すると、誘電体バリア放電が発生せず、プラズマも発生しない。従って、試料分子のイオン化も行われず、質量分析計の感度が低下する。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、ロバスト性を向上させることを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体と、前記誘電体の外側に密着するように設置され、所定の周波数を有する交流電圧、及び、直流電圧のうち、一方が印加される外筒電極と、前記誘電体の内側に、前記誘電体と密着するように設置され、前記交流電圧、及び、直流電圧のうち、他方が印加される内筒電極と、前記外筒電極と前記内筒電極との間の放電で生成したイオンを前記誘電体の外部へ引き出すためのオリフィスが開口しているオリフィス電極と、を有し、前記内筒電極は、両端が開口しているとともに、一端が前記オリフィス電極に接続し、前記オリフィス電極側とは反対側の開口部である第1の開口部を有し、前記第1の開口部とは別の開口部である第2の開口部を有し、前記第1の開口部の外径は、前記第2の開口部の外径未満であることを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
本発明によれば、ロバスト性を向上させることができる。
本実施形態に係る質量分析計の構成を示す図である。 本実施形態に係るイオン源の構成を示す図である。 比較例における質量分析計を示す図である。 比較例におけるイオン源を示す図である。 本実施形態における円錐型の内筒電極の詳細を示す図である。 本実施形態に係るイオン源の製造方法を示す図(その1)である。 本実施形態に係るイオン源の製造方法を示す図(その2)である。 本実施形態に係るイオン源の製造方法を示す図(その3)である。 第1変形例における内筒電極の断面図(その1)である。 第1変形例における内筒電極の断面図(その2)である。 第2変形例における内筒電極の断面図(その1)である。 第2変形例における内筒電極の断面図(その2)である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(質量分析計1)
図1は、本実施形態に係る質量分析計1の構成を示す図である。また、図2は、本実施形態に係るイオン源100の構成を示す図である。
図1に示すように質量分析計1は、イオン源100と、質量分析部200とを有する。イオン源100では導入された試料分子(試料)から二次イオンが生成される。質量分析部200は、イオン源100で生成された二次イオンを質量分析する。
なお、本実施形態において、イオン源100は、減圧部で放電させるタイプの誘電体バリア放電イオン源が用いられる。誘電体バリア放電イオン源を用いることにより、大気圧イオン源に比べて、イオン源100と質量分析部200との間の圧力差が小さくなる。これにより、真空排気系を小型化でき、ひいては質量分析計1の小型化を可能にすることができる。
(イオン源100)
図1に示すイオン源100(誘電体バリア放電イオン源)は、ガラス管等で構成され、放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体121を有する。誘電体121の内側が、前記した減圧部となる。また、イオン源100は、誘電体121の外側に密着するように設置されたリング状の外筒電極122を有する。そして、イオン源100は、誘電体121の内側に、誘電体121と密着するように設置された内筒電極110を有する。さらに、イオン源100は、外筒電極122と内筒電極110との間の放電(後記)で生成したイオン(後記する二次イオン)を誘電体121の外部へ引き出すためのオリフィス131が開口しているオリフィス電極130を有する。また、誘電体121のさらに外側には加熱部141が設けられている。また、イオン源100には、試料分子(試料)を導入するためのキャピラリ151が接続されている。誘電体12の内側は、オリフィス131及びキャピラリ151以外を介した物質のやりとりはなく、略密閉状態となっている。
誘電体121について、キャピラリ151が接続された端とは逆の端には、0.2mmから0.5mm程度のオリフィス131が開口するオリフィス電極130が設けられている。内筒電極110とオリフィス電極130とは導通しており、ともに第1の直流電源DC1に接続されている。このような構成により、内筒電極110に交流電圧が印加される。また、外筒電極122は高周波電源ACに接続されている。
また、高周波電源ACにより外筒電極122に高周波の高電圧である、つまり、所定の周波数を有する交流電圧である高周波電圧が印加される。これにより、外筒電極122と内筒電極110との間で誘電体バリア放電が生じ、プラズマPが発生する。高周波電源ACによって外筒電極122に印加される高周波電圧は10kHz程度の交流電圧である。そして、プラズマPにより、イオン源100の内部における気体(放電ガス)がイオン化され、一次イオンが生成される。このプラズマPにより生じた一次イオンは、キャピラリ151を介して誘電体121の内側に導入された試料分子と反応し、試料分子のイオン(二次イオン)が生成される。
なお、プラズマPを発生させるための放電ガスや気体状の試料分子はキャピラリ151を介してイオン源100に供給される。
また、誘電体121の内側はオリフィス131を介して、質量分析部200の第1室R1に繋がっている。そして、誘電体121の内側は、オリフィス131を介して、第1室R1を排気しているあら引きポンプ(不図示)によって排気されているため(矢印A1)、大気圧に比べて低い圧力となっている。なお、誘電体121の内側の圧力は、キャピラリ151を介して導入される気体の流量と、オリフィス131を介して排気される気体の流量とのバランスで決定される。
(質量分析部200)
質量分析部200は、第1室R1、第2室R2、第3室R3を有する。第1室R1は、オリフィス電極130及び細孔付電極210で区切られている。また、第2室R2は細孔付電極210及び細孔付電極230で区切られている。さらに、第3室R3は細孔付電極230の下流側に備えられている。なお、本実施形態では、イオン源100の側を上流側と称し、その反対側を下流側と称する。
また、第2室R2にはイオンガイド221が設けられている。そして、第3室R3には、インキャップ電極240、リニアイオントラップ250、ヘリウム導入管261、エンドキャップ電極271、イオン検出器281が設けられている。
細孔211が開口している細孔付電極210と、オリフィス電極130との間(第1室R1)は、前記したようにあら引きポンプ(不図示)により排気される(矢印A1)。このため、1/200気圧から1/300気圧程度に減圧されている。そして、オリフィス131を介して第1室R1と導通している誘電体121の内側における内部圧力は、略1/10気圧から略1/100気圧に減圧されている。前記したように、誘電体121の内側は第1室R1と導通している。しかし、オリフィス131の径が極めて小さいことと、キャピラリ151から導入される試料分子等によって、誘電体121の内側は第1室R1より若干、圧力が高い。このように、誘電体121の内側における内部圧力が1/10気圧から1/100気圧程度に減圧されていることにより、誘電体バリア放電が生じやすくなる。
イオン源100で生成された試料分子のイオン(二次イオン)は、イオン源100の内側における気体の流れにより、オリフィス131を介して第1室R1に流入する。オリフィス電極130には、前記したように、第1の直流電源DC1が接続され、直流電圧が印加されている。また、細孔付電極210には第2の直流電源DC2が接続され、直流電圧が印加されている。第1室R1に導入された二次イオンは、オリフィス電極130と細孔付電極210との間の電位差により、細孔付電極210の方向にドリフトする。これにより、二次イオンは、細孔211から二次イオンを収束するためのイオンガイド221が配置されている第2室R2に導入される。
第2室R2において、イオンガイド221により収束された二次イオンは、さらに細孔付電極230に設けられている細孔231から、第3室R3に導入される。なお、細孔付電極230には第3の直流電源DC3が接続され、直流電圧が印加されている。質量分析計1には様々な方式があるが、本実施形態では一例として、リニアイオントラップ250方式の質量分析計1を記載する。ただし、リニアイオントラップ250方式以外の質量分析計1が用いられてもよい。第3室R3に導入された二次イオンイオンは、インキャップ電極240において開口しているインキャップ開口部241からリニアイオントラップ250に導入される。
リニアイオントラップ250の内側には、ヘリウム導入管261から希薄なヘリウムガスが導入されている。また、リニアイオントラップ250を構成する4本のロッドのそれぞれには、図示しない高周波電源によって、高周波電圧が印加されている。リニアイオントラップ250に導入された二次イオンは、ヘリウム導入管261から導入されたヘリウムガスとの衝突によりエネルギを失う。これにより、二次イオンは、リニアイオントラップ250やエンドキャップ電極271により形成される電界に捕捉される。リニアイオントラップ250に捕捉された二次イオンは、リニアイオントラップ250を構成するロッドに印加する高周波電圧の振幅が変化することにより、二次イオンの質量電荷比に依存して軌道が不安定になる。これにより、リニアイオントラップ250を構成するロッドに設けられたロッド開口部251から二次イオンが排出される。リニアイオントラップ250から排出された二次イオンは、イオン検出器281により検出される。
なお、第2室R2、第3室R3も、各々、真空ポンプ(図示せず)により排気され(矢印A2,A3)、所望の圧力になっている。また、インキャップ電極240には第4の直流電源DC4が接続され、直流電圧が印加されている。さらに、エンドキャップ電極271には第5の直流電源DC5が接続され、直流電圧が印加されている。
(イオン源100の詳細)
イオン源100の説明に戻る。
キャピラリ151は、内径0.1mmから0.2mm程度で、長さが10mmから100mm程度である。このキャピラリ151を介して、気体状の試料分子がガラス等で構成される誘電体121の中に導入される。なお、キャピラリ151や加熱部141は200℃程度に加熱されている。
図2に示すように、内筒電極110は両端が開口しているとともに、一端がオリフィス電極130に接続している。一方は、キャピラリ151の側(オリフィス電極側とは反対側)の開口部であり、第1の開口部であるキャピラリ側開口部112である。他方は、オリフィス電極130(オリフィス131)の側に開口しており、キャピラリ側開口部112とは別の開口部であり、第2の開口部であるオリフィス側開口部113である。内筒電極110は、先端部に向けて、内筒電極110の内径、外径共に、円錐状に細くなっている(内筒電極110の形状は、連続的に変形する円錐形状を有する)。なお、内筒電極110の先端とは、キャピラリ側端部を示すものとする。つまり、キャピラリ側開口部112の外径は、オリフィス側開口部113の外径未満であるとともに、キャピラリ側開口部112の内径は、オリフィス側開口部113の内径未満である。また、キャピラリ側開口部112から試料分子、一次イオン及び二次イオンが内筒電極110の内側に導入される。誘電体121の内径が2mmから3mmの場合、キャピラリ側開口部112の内径は0.3mmから1mm程度が望ましい。
外筒電極122に10kHzから20kHzで±1kVから±2kV程度の高周波電圧が印加されると、外筒電極122と内筒電極110との間で誘電体バリア放電が発生する。この誘電体バリア放電によって、プラズマP(図1参照)が生成される。正イオンを測定する場合を例に挙げると、この時、内筒電極110の電圧は、第1の直流電源DC1により20Vから30V程度に保たれている。図1のイオン化領域F及び図2の「a」,「b」については後記する。
本実施形態では、外筒電極122に高周波電圧が印加され、内筒電極110に直流電圧が印加されているが、逆でもよい。つまり、外筒電極122に直流電圧が印加され、内筒電極110に高周波電圧が印加されてもよい。つまり、外筒電極122には高周波電圧及び直流電圧のうち、一方が印加され、内筒電極110には高周波電圧及び直流電圧のうち、他方が印加されればよい。ただし、外筒電極122に直流電圧が印加され、内筒電極110に高周波電圧が印加され場合、オリフィス電極130には直流電圧が印加され、内筒電極110とオリフィス電極130との間は絶縁される。
[比較例]
ここで、比較例として、これまでの質量分析計1zに用いられているイオン源100zについて、図3及び図4を参照して説明する。
図3は比較例における質量分析計1zを示す図であり、図4は比較例におけるイオン源100zを示す図である。
図3及び図4に示す比較例では、内筒電極110zが円筒形を有している点が、図1に示すイオン源100と異なっている。図3において、内筒電極110zの構成以外は、図1と同様であるため、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
長期にわたるイオン源100zの使用により誘電体121の内壁面が汚れてきたり、加熱部141による加熱が不十分で誘電体121の内壁面が結露したりするような場合がある。このような状況になると、誘電体121の内壁面を介して外筒電極122と内筒電極110zとの間がショートする、いわゆる沿面放電が発生する場合がある。
図4では、沿面放電Cの経路が、図中の両矢印で模式的に示されている。なお、外筒電極122に印加される電圧が高周波(交流)電圧であるため、沿面放電Cは内筒電極110z→外筒電極122の方向と、外筒電極122→内筒電極110zの方向に生じる。沿面放電Cが生じない状態では、外筒電極122に高周波電圧、内筒電極110zに直流電圧が印加されることで、図3に示すように、キャピラリ側開口部112zのキャピラリ側近傍にプラズマPが発生する。しかし、沿面放電Cが発生すると、誘電体121の内側にプラズマPが発生せず、従って試料分子のイオン化が行われない。つまり、沿面放電Cによって内筒電極110zと、外筒電極122との間がショートしてしまい、誘電体121の内側に電界が発生しない。そのため、内筒電極110zと、外筒電極122との間の誘電体バリア放電が発生しにくくなり、プラズマPの発生が阻害される。
図4に示す沿面放電Cが発生した場合、イオン源100zを構成する部品、例えば誘電体121のクリーニングや交換が必要となる。また、極微量の試料分子を感度よく分析するためには、試料分子のイオン化効率を高める必要がある。図3及び図4に示すイオン源100zでは、図4に示すように、内筒電極110zのキャピラリ側開口部112zが図2に示す内筒電極110のキャピラリ側開口部112より大きい。一般に、内筒電極110,110zのキャピラリ側開口部112,112zの直径が大きければ大きいほど、外筒電極122に印加された高周波電圧の影響で生じる電界が内筒電極110,110zの内側に入り込んでくる。従って、図3及び図4に示すイオン源100zでは、外筒電極122に印加された高周波電圧の影響で生じる電界が内筒電極110zの内側に入り込む現象が生じる。プラズマPにより生成した一次イオンは、内筒電極110zの内側に入り込んだ電界の影響で、内筒電極110zの内側から排除される。従って、図3及び図4に示すイオン源100zでは、一次イオンと試料分子が衝突する頻度が下がり、試料分子のイオン化が十分に進まないという現象が生じる。
なお、図4における「a=b」については後記する。
(本実施形態のイオン源100と比較例の100zとの比較)
前記したように、図1及び図2に示すイオン源100ではキャピラリ側開口部112の外径及び内径が、オリフィス側開口部113の外径及び内径と比べて小さくなっている。そのため、内筒電極110の先端部近傍に電界が集中し、図3に示すような内筒電極110の形状を円筒型にした場合より、外筒電極122に印加する高周波の電圧が低くても誘電体バリア放電が可能となる。要するに、内筒電極110の先端部に電界が集中することにより、外筒電極122と、内筒電極110との間の誘電体バリア放電が起こりやすくなる。つまり、外筒電極122と、内筒電極110との間の電位差が低くても誘電体バリア放電を生じさせることが可能となる。これにより、外筒電極122に印加する高周波電圧が、図3及び図4に示すイオン源100zより低くても誘電体バリア放電が可能となる。例えば、図3に示すような円筒形を有する内筒電極110zの場合、誘電体バリア放電が行われる際には、外筒電極122に±1.5kVの高周波電圧が印加される。これに対して、図1に示すように、内筒電極110の先端部を細くした(円錐形状とした)場合、外筒電極122に±1.2kV程度の高周波電圧で誘電体バリア放電が可能である。このように、図3に示すような円筒形の内筒電極110zと比較して、図1に示すような円錐形状の内筒電極110では、低い印加電圧で誘電体バリア放電を行うことが可能となる。
図1及び図2に示すイオン源100によれば、外筒電極122に印加される高周波電圧の電圧が低くなると、誘電体121の内壁面に沿って電流が流れる沿面放電を防止することができる。すなわち、外筒電極122に印加される高周波電圧の電圧が低くなることにより、外筒電極122と、内筒電極110との間の電位差が低くなるため、沿面放電が生じにくくなる。これにより、イオン源100の耐久性(ロバスト性)を向上させることができる。
図1及び図2に示すイオン源100において、内筒電極110の内側は、同電位の導体に囲まれていることから電界が発生しない。また、図2に示すように、内筒電極110のキャピラリ側開口部112が図4に示す内筒電極110zのキャピラリ側開口部112zより小さい。これにより、外筒電極122と、内筒電極110の先端部近傍で発生した電界が内筒電極110の内側に侵入しにくくなる。前記したように、外筒電極122と、内筒電極110との間で発生した電界は、内筒電極110のキャピラリ側開口部112の直径に応じて、内筒電極110の内側に侵入する。例えば、内筒電極110のキャピラリ側開口部112の直径が3mmであれば、電界はキャピラリ側開口部112から3mm程度侵入する。
内筒電極110の内側が同電位の導体に囲まれていること、及び、内筒電極110のキャピラリ側開口部112が小さいことにより、内筒電極110の内側は電界が、ほぼ存在しない状態となる。そのため、一次イオンは電界によってドリフトすることなく内筒電極110の内側にとどまる。従って、一次イオンと、内筒電極110の先端部近傍におけるプラズマPによってイオン化されなかった試料分子とが、内筒電極110の内側(図1のイオン化領域F)で、十分な時間、衝突を繰り返す。この結果、試料分子のイオン化が促進される。これにより、試料分子のイオン化効率が向上し、高感度な質量分析計1が実現可能となる。なお、内筒電極110の先端部近傍におけるプラズマPによって生じた二次イオンも、内筒電極110の内側に導入される。
内筒電極110のキャピラリ側開口部112の内径は、オリフィス131の内径よりも大きいことが好ましい。これにより、図1及び図2に示す内筒電極110の内側のイオン化領域Fにて一次イオンと試料分子とが反応するための十分な時間を確保することができる。内筒電極110のキャピラリ側開口部112の内径よりもオリフィス131の内径が大きいと、イオン化領域Fに存在している一次イオンや試料分子がオリフィス131を介して速やかに第1室R1の方向に排気されてしまう。そのため、試料分子のイオン化が十分に進まない。
ちなみに、非特許文献1に記載の技術では、オリフィス電極130自体が誘電体121の方向へ曲げられることによって、円錐形状を有している。しかし、非特許文献1に記載の技術では、本実施形態のキャピラリ側開口部112がオリフィス131を兼ねている。従って、非特許文献1に記載の技術では、円錐形状の内側は第1室R1の一部となっている。従って、非特許文献1に記載の技術は、本実施形態のようなイオン化領域Fが形成されておらず、試料分子のイオン化効率を向上させることはできない。
前記したように、内筒電極110の内側(イオン化領域F)に存在する二次イオンは、気体の流れによりオリフィス131を介して第1室R1に導入される。細孔211が開口する細孔付電極210には5Vから10V程度の電圧が印加されており、第1室R1に導入された二次イオンは、電界により細孔211の方向にドリフトする。試料分子のイオン(二次イオン)を質量分析する過程は、前記している。なお、負イオンを測定する場合には、直流電圧の極性が逆となり、オリフィス電極130には-20Vから-30V程度、細孔付電極210には-5Vから-10V程度の直流電圧が印加される。
図2に示すように、内筒電極110の先端部(キャピラリ側開口部112)と、外筒電極122のオリフィス電極130の側端部(オリフィス電極側端部)との間の電極間距離(第1の距離)をaとする。また、内筒電極110が誘電体121の内壁に接している箇所と外筒電極122のオリフィス電極130の側端部(オリフィス電極側端部)との間の距離を沿面距離(第2の距離:b)とする。この場合、図1及び図2に示す内筒電極110では、図2に示すようにa<bになる(第1の距離は第2の距離未満である)。なお、図4に示すように、比較例のイオン源100zではa=bである。つまり、図2に示すように、本実施形態のイオン源100では、内筒電極110が、図3及び図4に示す、筒状の内筒電極110よりも沿面距離(b)が長くなる。沿面距離(b)が長くなるにつれて、沿面放電C(図4参照)が生じるために必要な外筒電極122と、内筒電極110との間の電位差が大きくなる。つまり、本実施形態のイオン源100は、外筒電極122に印加する高周波電圧の電圧が、図3及び図4に示すイオン源100zと、仮に等しかったとしても、沿面距離(b)が長くなる分、沿面放電が生じにくくなる。前記したように、内筒電極110を円錐状とすることで、外筒電極122に印加する高周波電圧の電圧を低くすることができる。このような効果に加えて、本実施形態のイオン源100では、比較例のイオン源100zより沿面距離(b)が長くなることにより、比較例のイオン源100zよりさらに沿面放電の防止効果を向上させることができる。
特に、誘電体121の内側に充填されている放電ガスとしてヘリウムやアルゴン等の希ガスが用いられる場合がある。希ガスはイオン化エネルギが高いという特性を有する。このような特性のため、試料分子が高効率にイオン化され、感度の向上を図ることができる。その反面、放電ガスに希ガスが用いられている状況で、プラズマPを発生させるためには外筒電極122に高い電圧を有する高周波電圧を印加する必要がある。従って、図3に示すイオン源100zにおいて、放電ガスに希ガスが用いられると、沿面放電C(図4参照)が生じやすい。本実施形態のイオン源100によれば、前記したように、外筒電極122に印加する高周波電圧の電圧を低く抑えることができる。さらに、沿面距離が長くなることから、希ガスを放電ガスとして使用しても、図3に示すイオン源100zと比べて沿面放電Cの発生を抑制することができる。
図5は、本実施形態における円錐型の内筒電極110aの詳細を示す図である。
内筒電極110aでは、本体部114と、本体部114のオリフィス側開口部113の外周に沿ってつば部111が設けられている。つば部111は、オリフィス側開口部113の周囲に、少なくとも誘電体121の内径より大きい外径を有する。
(製造方法)
次に、図6~図8を参照して、図5に示す内筒電極110aを用いたイオン源100の製造方法の手順を説明する。なお、図6~図8に示すイオン源100は、図1及び図2に示すイオン源100とは加熱部141及びオリフィス電極130の形状等が異なっている。図6~図8では、イオン源100のうち、内筒電極110aの近傍を拡大した図が示されている。また、図6~図8において、イオン源100の構成は、図1及び図2と同様である。
図6では、外筒電極122が備えられた誘電体121、及び、加熱部141が組み立てられている。そして、加熱部141のオリフィス電極側端部、かつ、誘電体121の外周には、真空シールのためのOリング161が設けられている。なお、図6では図示されていないが、外筒電極122(図1参照)が誘電体121に備えられ、キャピラリ151(図1参照)も誘電体121及び加熱部141に設けられているものとする。
そして、図6に示すように、誘電体121の内側に、キャピラリ側開口部112がオリフィス電極130と反対側になるよう、内筒電極110aの本体部114が挿入される(図6の白矢印)。なお、誘電体121と、オリフィス電極130との間にOリング161が設けられた後、誘電体121の内側に、キャピラリ側開口部112がオリフィス電極130と反対側になるよう、内筒電極110aが挿入される。挿入された内筒電極110aは、つば部111と、誘電体121のオリフィス電極側端部とによって内筒電極110aが係止する(図7)。そして、内筒電極110aの本体部114が挿入された誘電体121及び加熱部141に対して、オリフィス電極130が装着される(図7の白矢印)。このようにして、図8に示すような、イオン源100が製造される。
図8に示すように、つば部111が誘電体121のオリフィス電極側端部に係止された後、つば部111がオリフィス電極130により誘電体121に押し付けられる。つまり、つば部111が誘電体121及びオリフィス電極130によって挟装される。換言すれば、内筒電極110aのつば部111が、誘電体121と、オリフィス電極130によって挟持されるようオリフィス電極130が設けられる。なお、つば部111の幅は、誘電体121に係止することができれば、どのような長さでもよい。
また、図8に示すように、Oリング161は、誘電体121、オリフィス電極130、加熱部141に接している。つまり、少なくとも誘電体121と、オリフィス電極130との間にOリング161が設けられている。また、オリフィス電極130が、つば部111を介して誘電体121に押し付けられることで、Oリング161が変形する。変形したOリング161の部分がシールされることで、イオン源100の内部が外部の大気圧から遮蔽され、誘電体121の内側を所望の圧力に保つことができる。
図5に示すように、内筒電極110aの終端につば部111が設けられることにより、イオン源100の組み立てが容易となり、内筒電極110aが安定して設置された状態となる。加えて、内筒電極110aとオリフィス電極130との導通も確保することができる。なお、外筒電極122に直流電圧、内筒電極110aに高周波電圧が印加される構成の場合、つば部111とオリフィス電極130との間に絶縁部材(不図示)が介在するとよい。このような構成としても、内筒電極110のつば部111が、誘電体121と、オリフィス電極130によって、(間接的に)挟持される構成となる。また、つば部111とオリフィス電極130との間に絶縁部材(不図示)が介在する較正であっても、イオン源100の組み立てが容易となり、内筒電極110aが安定して設置された状態となる効果を奏する。
[第1変形例]
図9及び図10は第1変形例における内筒電極110b,110cの断面図である。図9及び図10において、図5に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
内筒電極110は、図5に示した円錐形状に限らない。例えば、図9や図10に示す内筒電極110b,110cでは、内径及び外径が異なる複数の円筒が複数組み合わされている多段凸形状を有する。そして、複数の円筒は、オリフィス電極側に向かうに従って内径及び外径が大きくなり、キャピラリ側に向かうに従って内径及び外径が小さくなるよう組み合わされている。
つまり、図9及び図10において、内筒電極110b,110cの形状は、先端部に向けて、内径、外径共に、階段状に細くなっている(階段状に変形する多段凸形状を有する)。誘電体121の内径が2mmから3mmの場合、内筒電極110b,110cの先端部におけるキャピラリ側開口部112の内径は、図1~図5に示す内筒電極110と同様、0.3mmから1mm程度が望ましい。図9及び図10に示す内筒電極110b,110cでも、キャピラリ側開口部112の外径及び内径がオリフィス側開口部113より小さい。そのため、内筒電極110b,110c及び外筒電極122に高周波電圧が印加されると、内筒電極110b,110cの先端部に電界が集中する。この結果、図3に示すイオン源100zよりも低い電圧でプラズマPを生成することが可能である。従って、図9及び図10に示す内筒電極110b,110cでも沿面放電C(図4参照)を防止することができる。また、図1及び図2と同様、内筒電極110b,110cの先端部が細くなっている。これにより、図1~図5と同様、外筒電極122に印加される高周波電圧により生じる電界が内筒電極110b,110cの内側に入り込むことが抑制される。この結果、図1及び図2に示す内筒電極110と同様、内筒電極110b,110cの内側に存在する一次イオンが電界の影響を受けずに留まることができる。これにより、一次イオンと試料分子とが十分な時間衝突することができ、試料分子のイオン化効率を向上することができる。図9及び図10に示す内筒電極110b,110cが有する、これらの効果により、耐久性が高く(ロバスト性が向上した)、高感度なイオン源100及び質量分析計1の実現が可能となる。
なお、図9に示す内筒電極110bの例では2段、図10に示す内筒電極110cの例では3段の多段凸形状の例が示されているが、凸形状の段数(円筒の数)は更に増やされてもよい。段数が増えるに従い、イオン源100の特性が図5に示した円錐型に近くなる。
[第2変形例]
図11及び図12は、第2変形例における内筒電極110d,110eの断面図である。図11及び図12において、図5に示す構成と同様の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
内筒電極110の形状は、図1~図5に示す円錐形状や、図9及び図10に示す階段状の凸形状(多段凸形状)に限らない。例えば、図11や図12に示す内筒電極110d,110eの形状は、円錐形状と円筒形状とが組み合わされた形状(円錐形状及び凸形状の組み合わせ)でもよい。
図11及び図12に示すような内筒電極110d,110eでも、キャピラリ側開口部112の外径及び内径がオリフィス側開口部113より小さい。そのため、内筒電極110d,110e及び外筒電極122(図1参照)に高周波電圧が印加された際、内筒電極110d,110eの先端部に電界が集中する。この結果、図3に示すイオン源100zよりも低い電圧でプラズマPの生成が可能である。また、内筒電極110d,110eの先端部が細くなっているため、外筒電極122の高周波により生じる電界が内筒電極110d,110eの内側に入り込むことが抑制される。これにより、図1~図10と同様、内筒電極110d,110eの内側で試料分子が高効率でイオン化される。以上の効果により、内筒電極110d,110eの形状が、図11及び図12に示すような円錐形状と凸形状の組み合わせであっても、耐久性が高く、高感度なイオン源100及び質量分析計1を実現することが可能となる。
本実施形態の課題は、沿面放電を起こしにくくすることにより、長期間の使用でも安定して試料分子のイオン化が可能な、耐久性の高いイオン源100及び質量分析計1を提供することである。また、一次イオンと試料分子とが十分な時間衝突することにより、試料分子のイオン化の促進が可能となり、高感度なイオン源100及び質量分析計1の提供が可能となる。
このような課題に対し、本実施形態では、図1、図2等に示すように、内筒電極110(110a~110e)の内径及び外径を、外筒電極122の方向に向けて徐々に小さくする。
このような構成を有することにより、内筒電極110の先端部に電界が集中する。これにより、高周波電源ACによって印加される高周波電圧が図3及び図4に示すイオン源100zより低くても、容易にプラズマPを生成することができる。また、内筒電極110の先端部が誘電体121から離間していることにより、沿面距離が長くなる。これらの効果により沿面放電C(図4参照)が発生しにくくなる。つまり、汚れに強く長期間の使用でも安定して試料分子のイオン化が可能な耐久性の高い(ロバスト性が向上された)イオン源100及び質量分析計1を実現することできる。また、内筒電極110の先端部を細くすることにより、外筒電極122に印加する高周波の影響で生じる電界が内筒電極110の内側に入り込むことを防止する。これにより、内筒電極110の内側が実質的に略無電界状態となり、一次イオンの滞在時間が長くなる。この結果、試料分子と一次イオンとが十分な時間衝突することができる。従って、試料分子のイオン化効率が向上し、結果として高感度なイオン源100及び質量分析計1を実現することができる。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1z 質量分析計
100,100z イオン源
110,110a~110e,110z 内筒電極
111 つば部
112 キャピラリ側開口部(第1の開口部)
113 オリフィス側開口部(第2の開口部)
114 本体部
121 誘電体
122 外筒電極
130 オリフィス電極
131 オリフィス
141 加熱部
151 キャピラリ
161 Oリング
200 質量分析部
AC 高周波電源
DC1 第1の直流電源
F イオン化領域
P プラズマ

Claims (20)

  1. 放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体と、
    前記誘電体の外側に密着するように設置され、所定の周波数を有する交流電圧、及び、直流電圧のうち、一方が印加される外筒電極と、
    前記誘電体の内側に、前記誘電体と密着するように設置され、前記交流電圧、及び、直流電圧のうち、他方が印加される内筒電極と、
    前記外筒電極と前記内筒電極との間の放電で生成したイオンを前記誘電体の外部へ引き出すためのオリフィスが開口しているオリフィス電極と、
    を有し、
    前記内筒電極は、
    両端が開口しているとともに、一端が前記オリフィス電極に接続し、
    前記オリフィス電極側とは反対側の開口部である第1の開口部を有し、
    前記第1の開口部とは別の開口部である第2の開口部を有し、
    前記第1の開口部の外径は、前記第2の開口部の外径未満である
    ことを特徴とするイオン源。
  2. 前記内筒電極について、
    前記第1の開口部の内径は、前記第2の開口部の内径未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記内筒電極の形状は、連続的に変形する円錐形状を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  4. 前記内筒電極の形状は、階段状に変形する多段凸形状を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  5. 前記内筒電極の形状は、円錐形状及び凸形状の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  6. 前記誘電体の内側は略密閉状態となっており、
    前記誘電体の内側における内部圧力は略1/10気圧から略1/100気圧である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  7. 前記第1の開口部の内径は、前記オリフィスの内径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  8. 前記外筒電極のオリフィス電極側端部と、前記第1の開口部との距離を第1の距離とし、
    前記外筒電極のオリフィス電極側端部と、前記内筒電極が前記誘電体に接している箇所との距離を第2の距離とすると、
    前記第1の距離は前記第2の距離未満である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  9. 前記外筒電極に所定の周波数を有する交流電圧が印加され、前記内筒電極に直流電圧が印加される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン源。
  10. 放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体と、
    前記誘電体の外側に密着するように設置され、所定の周波数を有する交流電圧、及び、直流電圧のうち、一方が印加される外筒電極と、
    前記誘電体の内側に、前記誘電体と密着するように設置され、前記交流電圧、及び、直流電圧のうち、他方が印加される内筒電極と、
    前記外筒電極と前記内筒電極との間の放電で生成したイオンを前記誘電体の外部へ引き出すためのオリフィスが開口しているオリフィス電極と、
    を有するイオン源を有するとともに、
    前記イオン源で生成された二次イオンを質量分析する質量分析部を有し、
    前記内筒電極は、
    両端が開口しているとともに、一端が前記オリフィス電極に接続し、
    前記オリフィス電極側とは反対側の開口部である第1の開口部を有し、
    前記第1の開口部とは別の開口部である第2の開口部を有し、
    前記第1の開口部の外径は、前記第2の開口部の外径未満である
    ことを特徴とする質量分析計。
  11. 前記内筒電極について、
    前記第1の開口部の内径は、前記第2の開口部の内径未満である
    ことを特徴とする請求項10に記載の質量分析計。
  12. 前記内筒電極の形状は、連続的に変形する円錐形状を有する
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  13. 前記内筒電極の形状は、階段状に変形する多段凸形状を有する
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  14. 前記内筒電極の形状は、円錐形状及び凸形状の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  15. 前記誘電体の内側は略密閉状態となっており、
    前記誘電体の内側における内部圧力は略1/10気圧から略1/100気圧である
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  16. 前記第1の開口部の内径は、前記オリフィスの内径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  17. 前記外筒電極のオリフィス電極側端部と、前記第1の開口部との距離を第1の距離とし、
    前記外筒電極のオリフィス電極側端部と、前記内筒電極が前記誘電体に接している箇所との距離を第2の距離とすると、
    前記第1の距離は前記第2の距離未満である
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  18. 前記外筒電極に所定の周波数を有する交流電圧が印加され、前記内筒電極に直流電圧が印加される
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の質量分析計。
  19. 放電ガスおよび試料が導入される筒状の誘電体と、
    前記誘電体の外側に密着するように設置され、所定の周波数を有する交流電圧、及び、直流電圧のうち、一方が印加される外筒電極と、
    前記誘電体の内側に、前記誘電体と密着するように設置され、前記交流電圧、及び、直流電圧のうち、他方が印加される内筒電極と、
    前記外筒電極と前記内筒電極との間の放電で生成したイオンを前記誘電体の外部へ引き出すためのオリフィスが開口しているオリフィス電極と、
    を有し、
    前記内筒電極は、
    両端が開口しているとともに、一端が前記オリフィス電極に接続し、
    前記オリフィス電極側とは反対側の開口部である第1の開口部を有し、
    前記第1の開口部とは別の開口部である第2の開口部を有し、
    前記第1の開口部の外径は、前記第2の開口部の外径未満であり、
    前記第2の開口部の周囲に、少なくとも前記誘電体の内径より大きい外径を有するつば部を有しており
    前記誘電体の内側に、前記第1の開口部が前記オリフィス電極と反対側になるよう、前記内筒電極が挿入され、
    前記内筒電極の前記つば部が、前記誘電体と、前記オリフィス電極によって挟持されるよう前記オリフィス電極が設けられる
    ことを特徴とするイオン源製造方法。
  20. 前記誘電体と、前記オリフィス電極との間にOリングが設けられた後、前記誘電体の内側に、前記第1の開口部が前記オリフィス電極と反対側になるよう、前記内筒電極が挿入される
    ことを特徴とする請求項19に記載のイオン源製造方法。
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