JP2024045968A - 多板クラッチ - Google Patents

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稔 須山
法臣 大和田
宏臣 小林
太一 村井
毅 米田
洋亮 竹林
龍也 高柳
聡宏 鍋島
薫 菅野
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Abstract

【課題】多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能な多板クラッチを提供する。【解決手段】多板クラッチ1は、交互に配置される複数のアウタプレート11及び複数のインナプレート12と、アウタプレート11を摺動不能に規制する第1固定部材13と、インナプレート12を摺動不能に規制する第2固定部材14とを備え、アウタプレート11は、外周側に形成される第1嵌合部111と内周側に形成される第1摩擦摺接部113とをつなぎ、第1嵌合部111及び第1摩擦摺接部113よりも剛性が低く軸方向に撓み得る第1可撓性部112を有し、インナプレート12は、内周側に形成される第2嵌合部121と外周側に形成される第2摩擦摺接部123とをつなぎ、第2嵌合部121及び第2摩擦摺接部123よりも剛性が低く軸方向に撓み得る第2可撓性部122を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、多板クラッチに関する。
従来から、例えば、自動車の動力伝達装置(例えば全輪駆動車(AWD車)のトランスファ等)では、駆動側の回転部材と、被駆動側の回転部材との間において、油圧に応じて締結力(伝達トルク)を可変する(トルクの伝達と遮断とを行う)湿式多板クラッチが広く用いられている。湿式多板クラッチでは、駆動側に設けられたドライブプレートと、被駆動側に設けられたドリブンプレートとが交互に配列されており、例えば、油圧を印加してピストンを駆動し、ドライブプレートとドリブンプレートとを摺動させて圧着(摩擦摺接)することにより、トルクを伝達する(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62-59123号公報
しかしながら、湿式多板クラッチでは、締結時及び解放時にクラッチプレート(ドライブプレート及びドリブンプレート)が摺動することによるフリクション(回転部材とクラッチプレートとの嵌合部のフリクション)によりヒステリシスが生じる。すなわち、締結側と解放側とで(締結力を上げていくときと下げていくときとで)油圧(同一油圧)に対する締結力(伝達トルク)に差が生じる。このようなヒステリシスは、例えば、締結力(伝達トルク)の制御性を悪化させる要因となり得るため、ヒステリシスの改善(低減)が求められていた。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能な多板クラッチを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る多板クラッチは、軸方向に交互に配置された複数のアウタプレート及び複数のインナプレートと、複数のアウタプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第1固定部材と、複数のインナプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第2固定部材とを備え、複数のアウタプレートそれぞれは、外周側に形成され、一方の回転部材と嵌合する第1嵌合部と、内周側に形成される第1摩擦摺接部と、第1嵌合部と第1摩擦摺接部とをつなぎ、該第1嵌合部及び第1摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第1可撓性部とを有し、複数のインナプレートそれぞれは、内周側に形成され、他方の回転部材と嵌合する第2嵌合部と、外周側に形成され、第1摩擦摺接部と摺接し得る第2摩擦摺接部と、第2嵌合部と第2摩擦摺接部とをつなぎ、該第2嵌合部及び第2摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第2可撓性部とを有し、第1固定部材は、隣り合う第1嵌合部の間に取り付けられ、該第1嵌合部が軸方向に摺動しないように規制し、第2固定部材は、隣り合う第2嵌合部の間に取り付けられ、該第2嵌合部が軸方向に摺動しないように規制することを特徴とする。
本発明によれば、多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能となる。
実施形態に係る多板クラッチの構成(締結時)を示す断面図である。 実施形態に係る多板クラッチの構成(解放時)を示す断面図である。 実施形態に係る多板クラッチを構成するアウタプレート(ドライブプレート)を示す正面図である。 実施形態に係る多板クラッチを構成するインナプレート(ドリブンプレート)を示す正面図である。 実施形態に係る多板クラッチのトルク伝達特性(ヒステリシス)を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1~図4を併せて用いて、実施形態に係る多板クラッチ(湿式多板クラッチ)1の構成について説明する。図1は、多板クラッチ1の構成(締結状態)を示す断面図である。図2は、多板クラッチ1の構成(解放状態)を示す断面図である。図3は、多板クラッチ1を構成するアウタプレート(ドライブプレート)11を示す正面図(軸方向から見た図)である。図4は、多板クラッチ1を構成するインナプレート(ドリブンプレート)12を示す正面図(軸方向から見た図)である。
多板クラッチ1は、例えば、自動車等の動力伝達装置(自動変速機やトランスファ等)に用いられ、油圧に応じて締結力(伝達トルク)を可変し、駆動側の回転部材と被駆動側の回転部材との間で駆動力の伝達と遮断とを行う。なお、本実施形態では、多板クラッチ1を、全輪駆動車(AWD車)のトランスファ(トランスファクラッチ)に適用した場合を例にして説明する。
特に、多板クラッチ1は、トルク伝達特性におけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくする機能を有している。そのため、多板クラッチ1は、アウタプレート11とインナプレート12(クラッチプレート)を摺動させるのではなく、アウタプレート11とインナプレート12を撓ませて、摩擦摺接する。また、多板クラッチ1では、複数のアウタプレート11及びインナプレート12それぞれの撓み量の偏りをなくし、より均等に撓ませるため(押圧するため)、アウタプレート11とインナプレート12を両側から押す両押し構造が採用されている。以下、詳細に説明する。
多板クラッチ1は、クラッチドラム10の内部に、軸方向に交互に配置された複数のアウタプレート(ドライブプレート)11及びインナプレート(ドリブンプレート)12を備えている。より詳細には、クラッチドラム10(一方の回転部材に相当)にアウタプレート11が取り付けられ、後輪側出力軸4(他方の回転部材に相当)にインナプレート12が取り付けられている。なお、複数のアウタプレート11及び複数のインナプレート12それぞれは、スプライン嵌合により取り付けられている。
複数のアウタプレート11それぞれは、環状に形成されたプレートであり、図3に示されるように、外周側に形成され、クラッチドラム10(一方の回転部材)と嵌合(スプライン嵌合)する第1嵌合部111と、内周側に形成される第1摩擦摺接部(フェーシング)113と、第1嵌合部111と第1摩擦摺接部113とをつなぎ、第1嵌合部111及び第1摩擦摺接部113よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る(可撓性を有する)第1可撓性部(低剛性部)112とを有している。
第1可撓性部112は、剛性を低下させるため、例えば、厚みが第1嵌合部111や第1摩擦摺接部113よりも薄く形成されている。なお、厚みを薄くすることに代えて、又は、加えて、例えば、放射状に配置された複数のスリット(切り欠き)或は溝を形成することにより剛性を下げてもよい。
一方、複数のインナプレート12それぞれは、環状に形成されたプレートであり、図4に示されるように、内周側に形成され、後輪側出力軸4(他方の回転部材)と嵌合(スプライン嵌合)する第2嵌合部121と、外周側に形成され、アウタプレート11の第1摩擦摺接部113と摺接し得る第2摩擦摺接部(フェーシング)123と、第2嵌合部121と第2摩擦摺接部123とをつなぎ、第2嵌合部121及び第2摩擦摺接部123よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る(可撓性を有する)第2可撓性部(低剛性部)122とを有している。
第2可撓性部122は、剛性を低下させるため、例えば、厚みが第2嵌合部121や第2摩擦摺接部123よりも薄く形成されている。なお、厚みを薄くすることに代えて、又は、加えて、例えば、放射状に配置された複数のスリット(切り欠き)或は溝を形成することにより剛性を下げてもよい。
複数のアウタプレート11それぞれは、複数の第1固定部材(スペーサ)13により、軸方向に摺動不能に規制(固定)されている。第1固定部材13は、例えば、リング状の部材であり、隣り合う第1嵌合部111の間に取り付けられ、該第1嵌合部111が軸方向に摺動しないように規制(固定)する。
同様に、複数のインナプレート12それぞれは、複数の第2固定部材(スペーサ)14により、軸方向に摺動不能に規制(固定)されている。第2固定部材14は、例えば、リング状の部材であり、隣り合う第2嵌合部121の間に取り付けられ、該第2嵌合部121が軸方向に摺動しないように規制(固定)する。
また、多板クラッチ1は、単一の油圧室35でドライブプレート11及びドリブンプレート12(クラッチプレート)を両側から押す(締結する)機能を有している。
そのため、多板クラッチ1は、複数のアウタプレート11及び複数のインナプレート12の軸方向に移動自在に、複数の第1摩擦摺接部113及び複数の第2摩擦摺接部123を挟んで対向して配置された第1押圧部材21、及び、第2押圧部材22を備えている。
また、多板クラッチ1は、単一の油圧室35の油圧に応じて、第1押圧部材21及び第2押圧部材22を、互いに近づく方向又は互いに遠ざかる方向に駆動する第1油圧ピストン31及び第2油圧ピストン32を備えている。
第1油圧ピストン31と第2油圧ピストン32とは、アウタプレート11及びインナプレート12(クラッチドラム10)と同軸上に、油圧室35を挟んで対向して設けられている。第1油圧ピストン31及び第2油圧ピストン32は、ピストンシリンダ33の内部に軸線方向に摺動可能に設けられている。
油圧室35は、第1油圧ピストン31と、第2油圧ピストン32と、ピストンシリンダ33と、入力軸3とにより画成されている。また、第1油圧ピストン31及び第2油圧ピストン32それぞれの内周面並びに外周面(端部)には、油圧室35を液密に保持するためのOリング等が取り付けられている。そして、油圧室35に供給される油圧に応じた押圧力(すなわち、油圧と受圧面積(軸線に対して垂直な面の面積)との乗算値により定まる押圧力)により第1油圧ピストン31及び第2油圧ピストン32が駆動される。なお、油圧(昇圧されたオイル)は、入力軸3の内部に形成された油路3aを通して油圧室35に供給(又は油圧室35から排出)される。
第1油圧ピストン31は、例えば環状に形成された第1押圧部材21と接続されている。一方、第2油圧ピストン32は、リンク部材(アーム)34を介して、例えば環状に形成された第2押圧部材22と接続されている。リンク部材34は、例えば、中央部に孔が形成された上面及び底面を有する円筒状に形成されている。すなわち、リンク部材34は、例えば、軸方向に沿った断面でみた場合に、長手方向の一辺が削除された2つの長方形が軸に対して対称に配置された形状に形成されている。また、リンク部材34は、例えば、径方向に沿った断面で見た場合に、環状に形成されている。
そのため、油圧室35にオイルが供給されると、油圧室35が拡張するに伴い、図1に示されるように、第1油圧ピストン31と第2油圧ピストン32とが互いに遠ざかる(離れる)方向に動き、第1押圧部材21及び第2押圧部材22が互いに近づく方向に動くこととなる。そして、第1押圧部材21及び第2押圧部材22に押されて、アウタプレート11の第1摩擦摺接部113及びインナプレート12の第2摩擦摺接部123が互いに近づく方向に駆動される。
ここで、アウタプレート11の第1嵌合部111及びインナプレート12の第2嵌合部121は軸方向の動きが規制されているため、アウタプレート11の第1可撓性部112及びインナプレート12の第2可撓性部122が軸方向に撓むこととなる。そして、アウタプレート11の第1摩擦摺接部113とインナプレート12の第2摩擦摺接部123とが摺接し、多板クラッチ1が締結される。このようにして、第1押圧部材21と第2押圧部材22とによって、ドライブプレート11及びドリブンプレート12が両側から(略同じ押力で)同期して押されて第1可撓性部112、第2可撓性部122が撓み、多板クラッチ1が締結される。
一方、油圧室35からオイルが排出されると、油圧室35が収縮するに伴い、図2に示されるように、アウタプレート11の第1可撓性部112及びインナプレート12の第2可撓性部122の復元力(撓みが元に戻ろうとする力)により、アウタプレート11の第1摩擦摺接部113とインナプレート12の第2摩擦摺接部123とが離れ、多板クラッチ1が解放される。なお、その際に、第1押圧部材21及び第2押圧部材22は互いに遠ざかる(離れる)方向に動かされ、第1油圧ピストン31と第2油圧ピストン32とは互いに近づく方向に動かされる。
多板クラッチ1の入力軸3には、ドライブギ2DR、及び、該ドライブギヤ2DRと噛合するドリブンギヤ2DNが取り付けられている。そのため、例えば、変速機等からトルクが入力されると、ドライブギヤ2DR、入力軸3、クラッチドラム10を介してアウタプレート11にトルクが伝達され、アウタプレート11とインナプレート12との締結力(多板クラッチ1の締結力)に応じたトルクが、後輪側出力軸4から後輪側へ出力される。
一方、入力トルクと後輪側へ出力されたトルクとの差分が、ドリブンギヤ2DNから前輪側へ出力される。なお、上述したドライブギヤ2DR及びドリブンギヤ2DNを、入力軸3に代えて、後輪側出力軸4に取り付ける構成としてもよい。すなわち、入出力を逆にしてもよい。
ここで、多板クラッチ1のトルク伝達特性(ヒステリシス)を図5に示す。図5の横軸は、指示電流(指示油圧)であり、縦軸は、伝達トルク(締結力)である。なお、図5では、比較例に係る多板クラッチ(アウタプレートとインナプレートを軸方向に摺動させて締結、解放する従来の多板クラッチ)のトルク伝達特性を併せて破線で示した。
図5に実線で示されるように、実施形態に係る多板クラッチ1によれば、アウタプレート11とインナプレート12が摺動することなく、撓むことにより、第1摩擦摺接部113、第2摩擦摺接部123が締結(又は解放)されることにより、アウタプレート11とインナプレート12の摺動によるフリクションが低減され、比較例に係る多板クラッチと比べて、ヒステリシス(締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差))が低減される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、アウタプレート11が、第1嵌合部111及び第1摩擦摺接部113よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る(可撓性を有する)第1可撓性部112を有し、インナプレート12が、第2嵌合部121及び第2摩擦摺接部123よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る(可撓性を有する)第2可撓性部122を有し、第1嵌合部111及び第2嵌合部121が軸方向に摺動しないように規制されている。そのため、アウタプレート11とインナプレート12が摺動することなく、第1可撓性部112、第2可撓性部122が撓むことにより、第1摩擦摺接部113、第2摩擦摺接部123が締結される(又は、撓みが元に戻ることにより解放される)ため、アウタプレート11とインナプレート12の摺動によるフリクションが低減され、ヒステリシスが低減される。
その結果、多板クラッチ1におけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との伝達トルク差(締結力差)をより小さくすることが可能となる。
また、本実施形態によれば、多板クラッチ1が解放される際に、アウタプレート11の第1可撓性部112及びインナプレート12の第2可撓性部122の復元力(撓みが元に戻ろうとする力)により、アウタプレート11の第1摩擦摺接部113とインナプレート12の第2摩擦摺接部123とが離される。そのため、リターンスプリングを省くことができる。
また、本実施形態によれば、第1押圧部材21、及び、第2押圧部材22が、アウタプレート11及びインナプレート12の軸方向に移動自在に、第1摩擦摺接部113及び第2摩擦摺接部123を挟んで対向して配置されている。そのため、アウタプレート11及びインナプレート12を両側から押すことができ、第1可撓性部112、第2可撓性部122の撓み量の偏りを低減すること(撓み量をより均一にすること)ができる。
さらに、本実施形態によれば、単一の油圧室35の油圧に応じて、第1押圧部材21及び第2押圧部材22が、互いに近づく方向又は互いに遠ざかる方向に駆動される。そのため、アウタプレート11及びインナプレート12を、同じ押力で、かつ、同期して、両側から押すことができる。また、油圧ピストン(第1油圧ピストン31及び第2油圧ピストン32)の受圧面積を2倍にできるため、供給油圧の低圧化や、油圧室35の小型化等を図ることができる。
本実施形態によれば、アウタプレート11の第1可撓性部112及びインナプレート12の第2可撓性部122の厚みが、第1嵌合部111、第2嵌合部121や第1摩擦摺接部113、第2摩擦摺接部123の厚みよりも薄く形成されている(又は、放射状に配置された複数のスリット或は溝が形成されている)。そのため、第1可撓性部112、第2可撓性部122を適切に撓ませることができ、第1摩擦摺接部113、第2摩擦摺接部123を的確に摺接させることができる。
本実施形態によれば、ドライブギヤ2DR、及び、該ドライブギヤ2DRと噛合するドリブンギヤ2DNが、入力軸3に取り付けられている。そのため、例えば、変速機等からトルクが入力されると、ドライブギヤ2DR、入力軸3、クラッチドラム10を介してアウタプレート11にトルクが伝達され、アウタプレート11とインナプレート12との締結力(多板クラッチ1の締結力)に応じたトルクが、後輪側出力軸4から後輪側へ出力される。一方、入力トルクと後輪側へ出力されたトルクとの差分が、ドリブンギヤ2DNから前輪側へ出力される。よって、多板クラッチ1を、全輪駆動車(AWD車)のトランスファクラッチとして機能させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、多板クラッチ1を全輪駆動車(AWD車)のトランスファ(トランスファクラッチ)に適用したが、多板クラッチ1は、例えば、有段自動変速機(ステップAT)の主変速部、無段変速機(CVT)の前進クラッチ/後進ブレーキ、DCT(Dual Clutch Transmission)のクラッチ等にも適用することができる。
上記実施形態では、第1可撓性部112、第2可撓性部122の剛性を低下させるために、第1可撓性部112、第2可撓性部122の厚みを第1嵌合部111、第2嵌合部121や第1摩擦摺接部113、第2摩擦摺接部123の厚みよりも薄く形成した(又は、放射状に配置された複数のスリット(切り欠き)或は溝を形成した)が、第1可撓性部112、第2可撓性部122の剛性を低下させる手法はこれらに限られることなく、例えば、より剛性が低く可撓性を有する素材を用いる等してもよい。
上記実施形態では、アウタプレート11とインナプレート12を両側から押す構成(両押し)とした。上述したように、両押しとすることが好ましいが、要件等によっては、一方から押す片押しとしてもよい。
上記実施形態では、多板クラッチ1を締結するために油圧を用いた(すなわち、油圧式を採用した)が、油圧式に代えて、例えば、電磁式等としてもよい。
上記実施形態では、リターンスプリングを備えない構成としたが、第1油圧ピストン31、第2油圧ピストン32に対して、多板クラッチ1を解放する方向に付勢力を付与するリターンスプリングを設けてもよい。
上記実施形態では、ドライブギヤ2DR及びドリブンギヤ2DRを入力軸3に取り付けたが、入力軸3に代えて、後輪側出力軸4に取り付ける構成としてもよい。すなわち、入出力を逆にしてもよい。
1 多板クラッチ
2DR ドライブギヤ
2DN ドリブンギヤ
3 入力軸
4 後輪側出力軸
10 クラッチドラム
11 アウタプレート(ドライブプレート)
111 第1嵌合部
112 第1可撓性部
113 第1摩擦摺接部(フェーシング)
12 インナプレート(ドリブンプレート)
121 第2嵌合部
122 第2可撓性部
123 第2摩擦摺接部(フェーシング)
13 第1固定部材(スペーサ)
14 第2固定部材(スペーサ)
21 第1押圧部材
22 第2押圧部材
31 第1油圧ピストン
32 第2油圧ピストン
33 ピストンシリンダ
34 リンク部材(アーム)
35 油圧室

Claims (5)

  1. 軸方向に交互に配置された複数のアウタプレート及び複数のインナプレートと、
    前記複数のアウタプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第1固定部材と、
    前記複数のインナプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第2固定部材と、を備え、
    前記複数のアウタプレートそれぞれは、
    外周側に形成され、一方の回転部材と嵌合する第1嵌合部と、
    内周側に形成される第1摩擦摺接部と、
    前記第1嵌合部と前記第1摩擦摺接部とをつなぎ、前記第1嵌合部及び前記第1摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第1可撓性部と、を有し、
    前記複数のインナプレートそれぞれは、
    内周側に形成され、他方の回転部材と嵌合する第2嵌合部と、
    外周側に形成され、前記第1摩擦摺接部と摺接し得る第2摩擦摺接部と、
    前記第2嵌合部と前記第2摩擦摺接部とをつなぎ、前記第2嵌合部及び前記第2摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第2可撓性部と、を有し、
    前記第1固定部材は、隣り合う前記第1嵌合部の間に取り付けられ、前記第1嵌合部が軸方向に摺動しないように規制し、
    前記第2固定部材は、隣り合う前記第2嵌合部の間に取り付けられ、前記第2嵌合部が軸方向に摺動しないように規制する
    ことを特徴とする多板クラッチ。
  2. 前記複数のアウタプレート及び前記複数のインナプレートの軸方向に移動自在に、前記複数の第1摩擦摺接部及び前記複数の第2摩擦摺接部を挟んで対向して配置される第1押圧部材、及び、第2押圧部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の多板クラッチ。
  3. 単一の油圧室の油圧に応じて、前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材を、互いに近づく方向又は互いに遠ざかる方向に駆動する油圧ピストンを備えることを特徴とする請求項2に記載の多板クラッチ。
  4. 前記第1可撓性部は、厚みが、前記第1嵌合部及び前記第1摩擦摺接部よりも薄く形成されており、又は、放射状に配置された複数のスリット或は溝が形成されており、
    前記第2可撓性部は、厚みが、前記第2嵌合部及び前記第2摩擦摺接部よりも薄く形成されている、又は、放射状に配置された複数のスリット或は溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多板クラッチ。
  5. 前記一方の回転部材又は前記他方の回転部材に取り付けられるドライブギヤ、及び、該ドライブギヤと噛合するドリブンギヤをさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の多板クラッチ。
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