JP2024045827A - 車両型トイレ - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の大型化を回避しつつ、トイレの使用回数の制限を緩和できる車両型トイレを提供する。【解決手段】車両型トイレ1は、車両50と、この車両50内に配置される衛生器具(汚物流し21、便器22、手洗器26、洗面器29)と、衛生器具に供給する清水を貯留する給水タンク12、及び衛生器具から排出される汚水を貯留する排水タンク13、の少なくとも一方と、を備える。給水タンク12及び排水タンク13は、車両50の外部に配置されて衛生器具に着脱自在に接続される。【選択図】図1
Description
本開示は、車両型トイレに関する。
特許文献1は従来の車両型トイレを開示している。この車両型トイレは、便器と、清水タンクと、汚物タンクと、を備えている。
特許文献1において、清水タンク及び汚物タンクは車両内に配置されている。この場合、トイレの使用回数は各タンクの容量に応じたものとなる。このような車両型トイレにおいて、使用回数を多くしようとするとタンクを大きくする必要がある。タンクを大きくすると、タンクの大きさに応じた設置スペースを確保しなければならず、車体の大型化が懸念される。
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、車体の大型化を回避しつつ、トイレの使用回数の制限を緩和できる車両型トイレを提供することを解決すべき課題とする。
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る車両型トイレは、車両と、前記車両内に配置される衛生器具と、前記衛生器具に供給する清水を貯留する給水タンク、及び前記衛生器具から排出される汚水を貯留する排水タンクの少なくとも一方と、を備え、前記給水タンク及び前記排水タンクの少なくとも一方は、前記車両の外部に配置されて前記衛生器具に着脱自在に接続される。
<実施形態1>
本開示の車両型トイレを具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、上下方向、左右方向、及び前後方向が次のように定義される。上下方向は、車両型トイレ1を設置する設置面S(図3参照)に対して直交する方向である。左右方向は、車両型トイレ1がタイヤ53を用いて進行する方向である。前後方向は、トイレ室20の出入口30Dの開口する方向である。各図に示すX軸、Y軸、及びZ軸は、それぞれ前後方向、左右方向、及び上下方向を表す。前方、左方及び上方は、それぞれX軸、Y軸、及びZ軸の正方向である。
本開示の車両型トイレを具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、上下方向、左右方向、及び前後方向が次のように定義される。上下方向は、車両型トイレ1を設置する設置面S(図3参照)に対して直交する方向である。左右方向は、車両型トイレ1がタイヤ53を用いて進行する方向である。前後方向は、トイレ室20の出入口30Dの開口する方向である。各図に示すX軸、Y軸、及びZ軸は、それぞれ前後方向、左右方向、及び上下方向を表す。前方、左方及び上方は、それぞれX軸、Y軸、及びZ軸の正方向である。
車両型トイレ1は、移動と設置が自在である、多目的トイレである。車両型トイレ1は、図1及び図2に示すように、車両50と、後述する衛生器具としての汚物流し21、便器22、手洗器26、及び洗面器29と、給水タンク12と、排水タンク13を備える。給水タンク12は、これらの衛生器具に清水を供給する。排水タンク13は各衛生器具から排出される汚水を貯留する。
図1に示すように、車両50は、直方体状の箱体51の四隅にタイヤ53を回転自在に取り付けて構成されている。車両50は、これら4つのタイヤ53によって前後方向に走行自在である。車両型トイレ1は、例えば普通自動車等のけん引車両にけん引されることによって移動することができる。図1及び図2に示すように、箱体51の内部にはトイレ室20が形成されている。トイレ室20内には、後述する衛生器具としての汚物流し21、便器22、手洗器26、及び洗面器29が配置されている。トイレ室20内には、これらの衛生器具を利用する車いす利用者が内部で自在に行動できる広さの空間Rが設けられている。空間Rは、例えば、トイレ室20を上方から見た平面視において、後述する衛生器具やそれに付帯するペーパーホルダ等の器具等、トイレ室20内の各器具に重ならない範囲の空間である。空間Rは、給水タンク12及び排水タンク13を収納し得る大きさを有している。
図1から図3に示すように、本実施形態に係る車両型トイレ1は、本開示に係る衛生器具として、汚物流し21、便器22、手洗器26、及び洗面器29を備えている。汚物流し21、便器22、手洗器26、及び洗面器29は、それぞれトイレ室20内に配置されている。以下の説明では、汚物流し21、便器22、手洗器26、及び洗面器29を各衛生器具21,22,26,29ともいう。各衛生器具21,22,26,29は、図示しない排水経路においてそれぞれ水封を形成している(例えば、図4参照)。
図2に示すように、トイレ室20内には、各衛生器具21,22,26,29の他、第1キャビネット20A、第2キャビネット20B、背もたれ23、跳ね上げ手すり24、トイレットペーパーホルダー25,27等が配置されている。第1キャビネット20Aは、トイレ室20の前側に立ち上がる壁部に背面を接触させて設置されている。第2キャビネット20Bは、トイレ室20の左側に立ち上がる壁部に背面を接触させて設置されている。図1に示すように、トイレ室20の後側の壁部には、出入口30Dが開口して形成されている。出入口30Dには扉30Eが設けられている。扉30Eは、左右方向にスライドすることによって出入口30Dを開閉する。扉30Eが全開された状態における出入口30Dの開口の上下左右の大きさは、給水タンク12及び排水タンク13、並びに後述する給水ポンプ14のいずれの大きさよりも大きい。
図1に示すように、第1キャビネット20A及び第2キャビネット20Bの内部には、各衛生器具21,22,26,29とタンク12,13とを接続する給水路12A及び排水路13Aがそれぞれ形成されている。給水路12A及び排水路13Aは、車両50の外部において各タンク12,13に接続される。具体的には、給水路12A及び排水路13Aは、車両50の外部に設けられる給水ホース12B及び排水ホース13Bにそれぞれ接続されている。給水ホース12Bは、車両50の外部に配置される給水タンク12に着脱自在に接続される。排水ホース13Bは、箱体51の外部に配置される排水タンク13に着脱自在に接続される。給水ホース12B及び排水ホース13Bは、屈曲自在な可撓性を有している。給水ホース12B及び排水ホース13Bは、それぞれ着脱部12C,13Cにおいて自在に着脱できる。着脱部12C,13Cは、例えばカプラ等の着脱手段を有して構成され得る。
汚物流し21及び便器22は、それぞれ第2キャビネット20Bの正面に取り付けられている。汚物流し21及び便器22は、第2キャビネット20Bの正面において前後方向に並んで配置されている。ここでいう第2キャビネット20Bの正面とは、第2キャビネット20Bにおいて右向きの面である。背もたれ23は、第2キャビネット20Bの正面であって、便器22の上方に取り付けられている。跳ね上げ手すり24は、第2キャビネット20Bの正面であって、便器22と汚物流し21の間に取り付けられている。跳ね上げ手すり24は、便器22の使用者が着座、脱座する際に使用される。トイレットペーパーホルダー25は、第2キャビネット20Bの正面上部であって、便器22と汚物流し21の間における汚物流し寄りの位置に取り付けられている。トイレットペーパーホルダー25は、主に、汚物流し21を使用する使用者によって使用される。
手洗器26及び洗面器29は、第1キャビネット20Aの上面に設けられている。手洗器26及び洗面器29は、第1キャビネット20Aの上面において左右方向に並んで配置されている。手洗器26の下方に位置する第1キャビネット20Aの正面には、トイレットペーパーホルダー27及び固定手すり28が取り付けられている。ここでいう第1キャビネット20Aの正面とは、第1キャビネット20Aにおいて後向きの面である。洗面器29は、第1キャビネット20Aの便器22から離れた位置に設けられている。
使用者が、図示しない操作部を操作することによって、各衛生器具21,22,26,29に対し、給水タンク12に貯留された清水が供給される。例えば、便器22において、操作部は、押しボタンや操作ハンドルである。手洗器26や洗面器29の水栓において、操作部は、使用者の手などの物体を検知するセンサである。各衛生器具21,22,26,29において使用された清水は、汚水として排水タンク13に貯留される。
図1に示すように、給水タンク12及び排水タンク13は、車両型トイレ1の設置場所において、それぞれ車両50の外部に配置される。給水タンク12及び排水タンク13は、それぞれ車両50とは別体に設けられている。給水タンク12及び排水タンク13は、それぞれ各衛生器具21,22,26,29に接続される。詳細には、給水タンク12は、車両50の外部の給水ホース12Bと、車両50の内部の給水路12Aと、を介して各衛生器具21,22,26,29に接続される。排水タンク13は、車両50の外部の排水ホース13Bと、車両50の内部の排水路13Aと、を介して各衛生器具21,22,26,29に接続される。給水タンク12及び排水タンク13は、内部に貯留された清水及び汚水の量を計測する計測手段と、この計測手段の計測値に基づいてタンク12,13内の清水及び汚水の量が下限値、上限値等であることを報知する報知手段とをそれぞれ有している。
給水タンク12に貯留される清水は、例えば、水道、井戸、プール、海、河川、池、沼、湖、ダム等、車両型トイレ1の設置場所における供給源から適宜供給される。排水タンク13に貯留された汚水は、通常は、車両型トイレ1の設置場所において排出される。例えば、排水タンク13内の汚水は、バキュームカー等の汚水回収手段によって回収される。例えば、排水タンク13内の汚水は、下水道に連通するマンホールがある場合には、ホース、ポンプ等の別途用意される汚水排出手段を介してマンホールに排出される。
図1及び図3に示すように、本実施形態に係る車両型トイレ1は、給水ポンプ14及び排水ポンプ16を備えている。給水ポンプ14及び排水ポンプ16は、それぞれ圧送式のポンプである。給水ポンプ14は、給水タンク12及び排水タンク13と同様に、車両型トイレ1の設置場所において車両50の外部に配置される。給水ポンプ14は、給水タンク12と車両50との間で給水ホース12Bに接続されている。排水ポンプ16は車両50内に配置される。具体的には、排水ポンプ16は、第2キャビネット20B内に配置される。
本実施形態の場合、排水タンク13の貯留水位の上限位置は、各衛生器具21,22,26,29における封止位置よりも上方に設定されている。本開示において、排水タンクの貯留水位の上限位置とは、例えば、タンク内の汚水の貯留量が所定量以上になった場合にタンク外部に汚水を排出するオーバーフロー部によって設定される水位の上限位置、計測手段としての水位センサ等に監視されることによって設定される水位の上限位置、タンクの物理的な大きさや形状等によって規定される水位の上限位置等が挙げられる。
本開示において、封止位置とは、封止面の位置である。封止面は、トイレ室20内の空間と排水タンク13内の空間との連通を封止するために設けた封止手段によって形成される。封止手段は、ホース13B等によって形成される流路を伝って排水タンク13側からトイレ室20内へ侵入する臭気等を防止するために設けられる。例えば、図4に示すように、衛生器具としての便器22は封止手段としての水封を形成するトラップ部22Aを有している。トラップ部22Aは、便器22の底部に封水面22Bを形成し得るS字状の流路を形成している。この封水面22Bの形成される位置は、本開示に係る封止位置の例示である。車両型トイレ1における便器22以外の他の衛生器具21,26,29における封止位置は、図示しない排水トラップ等によって、便器22における封水面22Bの高さ位置と同様の位置に設定されている。設置面Sに車両50及び排水タンク13が設置された状態において、封水面22Bの位置は、排水タンク13における貯留水位の上限位置13Dよりも下方に位置している。このような態様は、車両型トイレ1が排水ポンプ16を備えたことによる。
すなわち、本実施形態に係る車両型トイレ1では、排水ポンプ16によって汚水を搬送するため、各衛生器具21,22,26,29から排出される汚水を各衛生器具21,22,26,29よりも相対的に高い位置に搬送することができる。このため、排水タンク13の貯留水位の上限位置を各衛生器具21,22,26,29の封止位置よりも上方に設定して貯留量を増やすことができる。なお、排水タンク13の高さは、トイレ室20の出入口30Dにおける開口の上下方向の大きさよりも小さく設定されている。すなわち、排水タンク13は、出入口30Dからトイレ室20内に収納され得る大きさとされている。
上記構成の車両型トイレ1の作用及び効果について説明する。車両型トイレ1は、給水タンク12及び排水タンク13を車両50の外部に配置し、これら給水タンク12及び排水タンク13を各衛生器具21,22,26,29に着脱自在に接続している。このため、車両型トイレ1は、使用回数が制限されるのを容易に回避することができる。車両型トイレ1は、給水タンク12及び排水タンク13が車両50の外部に配置される。このため、車両型トイレ1は、車両の大きさによってタンクの大きさが制限されない。このような車両型トイレ1は、例えば、設置場所において想定される使用回数に応じた大きさの給水タンク12及び排水タンク13を選択して用いることができるため、使用回数超過によってトイレが使用不能となることを回避することができる。
車両型トイレ1は、仮に設置場所において想定を上回る使用回数になったとしても、タンク12,13を交換することで継続して使用することができる。このように、車両型トイレ1は、給水タンク12や排水タンク13の容量によって制限される使用回数以上に使用する場合には、他の給水タンク12や排水タンク13に交換することによって容易に継続して使用することができる。車両型トイレ1において、各タンク12,13は、着脱部12C,13Cにおいて容易に着脱できることから交換も容易である。
車両型トイレ1は、車両50の外部に給水タンク12及び排水タンク13を配置したことによって、車両50内にこれらタンク12,13を設置するためのスペースを設ける必要がない。車両型トイレ1は、給水ポンプ14も車両50の外部に配置している。このように、車両型トイレ1は、タンク12,13やこれに付随するポンプ14等の設備を設置するために従来車両内に必要であったスペースを設ける必要がない。
車両型トイレ1は、従来必要であったタンク等の設備を設置するためのスペースを無くしたことによって、車両50の小型化を実現している。車両型トイレ1において、トイレ室20の大きさは従来の多目的トイレにおけるトイレ室の大きさと同等である。しかし、車両型トイレ1は、設備設置用のスペースが車両内にない分、従来と比較して小型化されている。
車両型トイレ1のようにタンク等の設備を車両外部に配置する構成を採用すると、例えばこの不要となったスペースをトイレ室用に利用することができる。この場合、トイレ室の大きさが従来のトイレ室よりも大きな車両型トイレを、大型化を回避しつつ容易に実現することができる。このように、タンク等の設備を車両外部に配置する構成は、車両内の空間効率の観点において、極めて有効である。
車両型トイレ1は、車両50の外部に配置した給水ポンプ14、車両50の内部に配置した排水ポンプ16を備えたことによって、各衛生器具21,22,26,29への給水、及び各衛生器具21,22,26,29からの排水の安定化を実現している。車両型トイレ1において、給水タンク12及び排水タンク13は、車両50と別体であり、車両50の外部に配置される。このような車両とは別体のタンクの場合、配置の自由度がある。一方、衛生器具が配置されている車両から離れすぎた場合には、重力を利用した自然流下による給排水が成立するのは困難である。車両型トイレ1は、ポンプ14,16を備えたことによって、タンクと衛生器具との間の清水及び汚水の安定した搬送を実現できる。
図5に示すように、車両型トイレ1は、移動時に、車両50とは別体の給水タンク12及び排水タンク13をトイレ室20内の空間Rに収納した積載状態にすることができる。車両型トイレ1において、空間Rには、給水タンク12及び排水タンク13のみならず、給水ポンプ14も積載することができる。このように、車両型トイレ1は、車両50の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13、並びに給水ポンプ14をトイレ室20内の空間Rに収納した積載状態にすることによって、移動時に、デッドスペースとなる空間Rを、有効活用して移動することができる。
以上のように、実施形態1に係る車両型トイレ1は、車両50と、この車両50内に配置された各衛生器具21,22,26,29と、これら各衛生器具21,22,26,29に供給する清水を貯留する給水タンク12と、各衛生器具21,22,26,29から排出される汚水を貯留する排水タンク13と、を備えている。給水タンク12及び排水タンク13は、車両50の外部に配置されて各衛生器具21,22,26.29に着脱自在に接続されている。このような構成により、車両型トイレ1は、車体の大型化を回避しつつ、トイレの使用回数の制限を緩和できる。
車両型トイレ1は給水ポンプ14を備えている。給水ポンプ14は、車両50の外部に配置され、給水タンク12から各衛生器具21,22,26,29に清水を搬送する。このため、車両型トイレ1は、各衛生器具21,22,26,29に清水を安定的に供給できる。
車両型トイレ1は排水ポンプ16を備えている。排水ポンプ16は、各衛生器具21,22,26,29排出される汚水を排水タンク13に搬送する。このため、車両型トイレ1は、汚水を排水タンク13に安定的に供給できる。
車両型トイレ1において、排水タンク13の貯留水位の上限位置は、各衛生器具21,22,26,29の封止位置よりも上方に設定されている。車両型トイレ1におけるこの構成は、排水ポンプ16を備えたことによる。すなわち、車両型トイレ1では、排水ポンプ16によって汚水を搬送するため、各衛生器具21,22,26,29から排出される汚水を各衛生器具21,22,26,29よりも相対的に高い位置に搬送することができる。このため、車両型トイレ1は、排水タンク13に貯留する汚水の貯留量を容易に多くすることができる。すなわち、車両型トイレ1は、排水勾配の影響を受けるポンプを有さない構成において採用され得る排水タンクと比較して、高さの高い排水タンク13を採用できる。このため、車両型トイレ1は、より多くの汚水を貯留できる構成を容易に得ることができる。
<実施形態2>
実施形態2に係る車両型トイレについて、図面を参照しつつ説明する。実施形態2に係る車両型トイレ201は、車両250の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13を備える点においては実施形態1と同様である。車両型トイレ201は、図6に示すように、車両250の内部に第2給水タンク212及び第2排水タンク213を備えている点において、実施形態1の車両型トイレ1と相違する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施形態2に係る車両型トイレについて、図面を参照しつつ説明する。実施形態2に係る車両型トイレ201は、車両250の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13を備える点においては実施形態1と同様である。車両型トイレ201は、図6に示すように、車両250の内部に第2給水タンク212及び第2排水タンク213を備えている点において、実施形態1の車両型トイレ1と相違する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図6に示すように、車両型トイレ201は、車両250における箱体251の内部に、トイレ室20と、設備室252とを形成している。第2給水タンク212及び第2排水タンク213はこの設備室252内に配置されている。第2給水タンク及び第2排水タンク213は給水路12A及び排水路13Aを介してトイレ室20内の各衛生器具21,22,26,29に接続されている。第2給水タンク212は、給水タンク12と並列に給水路12Aに接続されており、給水タンク12と随時切り替えて使用することができる。第2排水タンク213は、排水タンク13と並列に排水路13Aに接続されており、排水タンク13と随時切り替えて使用することができる。
本実施形態において、第2給水タンク212は、給水タンク12よりも小さく、清水の貯留量も給水タンク12よりも少ない。第2給水タンク212は、例えば、先に給水タンク12を使用して給水タンク12内の清水の貯留量が下限に達した場合に、給水タンク12から切り替えて使用され得る。すなわち、車両型トイレ201は、給水タンク12をメインの給水タンクとして使用したのち、第2給水タンク212を補助的な給水タンクとして使用することができる。
図6に示すように、本実施形態において、給水ポンプ14は車両250内に配置されている。具体的には、給水ポンプ14は、車両250の設備室252内に配置されている。給水ポンプ14は、車両250の外部の給水タンク12と、車両250内の第2給水タンク212と、のいずれかのタンクに貯留されている清水を各衛生器具21,22,26,29に搬送することができる。
本実施形態において、第2排水タンク213は、排水タンク13よりも小さく、汚水の貯留量も排水タンク13よりも少ない。第2排水タンク213は、例えば、先に排水タンク13を使用して排水タンク13内の汚水の貯留量が上限に達した場合に、排水タンク13から切り替えて使用される。すなわち、車両型トイレ201は、排水タンク13を主で使用し、第2排水タンク213を補助的に使用することができる。
以上のように、車両型トイレ201は、給水タンク12及び排水タンク13に加えて、第2給水タンク212及び第2排水タンク213を備えている。このため、車両型トイレ201は、給水タンク12及び排水タンク13のいずれかが使用不能になった場合でも、流路の開閉等の簡易な作業によって第2給水タンク212及び第2排水タンク213のいずれかに切り替えて使用を継続することができる。
車両型トイレ201は、車両250の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13に加えて、車両250の内部である設備室252に配置される第2給水タンク212及び第2排水タンク213を備えている。このため、第2給水タンク212及び第2排水タンク213は、想定される使用量に応じた大きさで設ける必要がない。このため、第2給水タンク212及び第2排水タンク213の大きさを抑えた構成とすることによって、車両型トイレ201は、第2給水タンク212及び第2排水タンク213を車載するためのスペースである設備室252を小さく抑えることができる。その結果、車両型トイレ201は、従来のように想定使用量に応じた大きさのタンクを車両内に設ける場合と比較して、容易に小型化できる。
<実施形態3>
実施形態3に係る車両型トイレについて、図面を参照しつつ説明する。実施形態3に係る車両型トイレ301は、車両50の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13を備える点においては実施形態1と同様である。車両型トイレ301は、図7及び図8に示すように、給水タンク12及び排水タンク13をユニット化している点において、実施形態1の車両型トイレ1と相違する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施形態3に係る車両型トイレについて、図面を参照しつつ説明する。実施形態3に係る車両型トイレ301は、車両50の外部に配置される給水タンク12及び排水タンク13を備える点においては実施形態1と同様である。車両型トイレ301は、図7及び図8に示すように、給水タンク12及び排水タンク13をユニット化している点において、実施形態1の車両型トイレ1と相違する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図7及び図8に示すように、車両型トイレ301は架台15を備えている。架台15は、上下2段をなす直方体状の枠体である。架台15は、トイレ室20の出入口30Dの開口の大きさよりも小さく設けられている。架台15は、上段に給水タンク12を固定し、下段に排水タンク13を固定している。架台15には、給水ポンプ14も固定されている。すなわち、車両型トイレ301は、給水タンク12及び排水タンク13に加えて、給水ポンプ14もユニット化している。架台15はキャスター15Aを有しており、任意の位置へ自在に移動させることができる。
車両型トイレ301は、実施形態1の車両型トイレ1と同様に、給水タンク12及び排水タンク13、並びに給水ポンプ14をトイレ室20内の空間Rに収納することができる。上述のように、本実施形態の場合、架台15は、トイレ室20の出入口30Dの開口の大きさよりも小さく設けられている。これによって、車両型トイレ301は、架台15をトイレ室20内に収納することで、架台15によってユニット化された給水タンク12及び排水タンク13、並びに給水ポンプ14を纏めて収納することができる。
本実施形態の場合、架台15は、トイレ室20内に収納された状態において、固定部15Bによって固定される。図7及び図8に示すように、固定部15Bは、架台15における上下の四隅に設けられている。各固定部15Bは、架台15から上下方向に出没自在であり、突出状態で、トイレ室20内の床面及び天井面のいずれかに接触し得る構成である。
上記構成の車両型トイレ301は、給水タンク12及び排水タンク13を架台15でユニット化したことによって、給水タンク12及び排水タンク13の設置、移動等を容易に行うことができる。架台15は、給水タンク12及び排水タンク13に加え、給水ポンプ14もユニット化しているため、設置、移動等を一層容易に行うことができる。
架台15は、トイレ室20の出入口30Dの開口の大きさよりも小さく設けられている。この態様は、図8に示すように、架台15をトイレ室20内の空間Rに収納することを意図したものである。車両型トイレ301は、架台15によってユニット化された給水タンク12及び排水タンク13、並びに給水ポンプ14を、トイレ室20内の空間Rに出入口30Dから纏めて出し入れすることができる。
車両型トイレ301は固定部15Bを備えている。固定部15Bは、架台15をトイレ室20内に固定する。このため、車両型トイレ301は、移動時において、架台15をトイレ室20内に安定的に配置することができる。
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
本実施形態に係る車両型トイレにおいて、タイヤの配置、タイヤを用いて進行する方向等は、上記各実施形態に限定されない。車両型トイレは、例えば、上記各実施形態において例示した左右方向に進行する形態に限らず、例えば、前後方向に進行する形態であってもよい。
本開示に係る車両型トイレにおいて、給水タンク及び排水タンクの両方を備えることは必須ではない。給水タンク及び排水タンクは、少なくとも一方が備えられていればよい。すなわち、本開示に係る車両型トイレ1は、(1)給水タンク及び排水タンクの両方を備える形態、(2)給水タンクのみを備える形態、及び(3)排水タンクのみを備える形態のいずれかの形態であることができる。上記(2)の場合、車両型トイレは、例えば、排水ホースをマンホールに落とし込んで下水道に直接排出する形態、排水ホースをバキュームカー等の汚水回収手段に直接接続して排出する形態等を採用できる。上記(3)の場合、車両型トイレは、例えば、給水ホースを水道等に接続して給水源から直接給水する形態を採用できる。
本開示に係る車両型トイレにおいて、給水ポンプを備えることは必須ではない。給水ポンプを備えない場合、車両型トイレは、例えば、給水タンクと衛生器具との間の水頭圧差によって給水される形態、水道等の給水源からの水圧によって給水される形態等を採用できる。給水ポンプを備える場合、車両型トイレは、給水ポンプを車両内に配置してもよい。給水ポンプの種類は特に限定されない。
本開示に係る車両型トイレにおいて、排水ポンプを備えることは必須ではない。排水ポンプを備えない場合、車両型トイレは、例えば、衛生器具と排水タンクとの間の水頭圧差によって排水される形態等を採用できる。排水ポンプを備える場合、その種類は上記実施形態において例示した押し出し式の圧送ポンプに限定されず、例えば、吸引式の真空ポンプを採用してもよい。
本開示に係る車両型トイレが排水ポンプを備える場合、排水ポンプは、上記各実施形態のように車両内に配置されてもよいし、車両の外部に配置されてもよい。排水ポンプが車両の外部に配置される場合、排水ポンプは真空ポンプ等の吸引式のポンプであることが好ましい。排水ポンプが車両内に配置される場合、排水ポンプは圧送ポンプ等の押し出し式のポンプであることが好ましい。排水ポンプが車両の外部に配置される場合、排水ポンプは、車両型トイレの移動時にトイレ室内の空間に収納されてもよい。
本開示に係る車両型トイレが排水ポンプを備える場合、排水ポンプは複数設けられていてもよい。複数の排水ポンプの配置形態としては、例えば、複数の排水ポンプのそれぞれを、車両内における各衛生機器の近傍に配置する形態等を挙げることができる。排水ポンプは、1及び2以上のいずれかの衛生機器毎に複数備えられていてもよい。排水ポンプは、1及び2以上のいずれかの排水タンク毎に複数備えられていてもよい。
車両型トイレが第2給水タンク及び第2排水タンクの少なくとも一方を備える形態としては、(i)第2給水タンク及び第2排水タンクの両方を備える形態、(ii)第2給水タンクのみを備える形態、及び(iii)第2排水タンクのみを備える形態のいずれかの形態であることができる。上記(i)から(iii)の形態は、上記(1)から(3)の形態と如何様に組み合わせてもよい。
車両型トイレが架台を備える場合、架台は、給水タンク及び排水タンク、並びに給水ポンプ及び排水ポンプの少なくとも2つをユニット化するものであることができる。例えば、架台は、給水タンク及び排水タンクの組み合わせ、給水タンク及び給水ポンプの組み合わせ、排水タンク及び排水ポンプの組み合わせ、給水ポンプ及び排水ポンプの組み合わせ等、機能や水の系統に応じた組み合わせでユニット化されていることが好ましい。架台は、例えば、給水タンク及び排水タンク、並びに給水ポンプ及び排水ポンプのうちの1つのみを固定するものであってもよい。架台は、複数備えられていてもよい。架台がキャスターを有することは必須ではない。
車両型トイレが架台をトイレ室内に固定するための固定部を備える場合、その構成、固定方法等は上記実施形態3に限定されない。固定部は、例えば、トイレ室側に設けられていてもよい。固定部は、例えば、トイレ室及び架台とは別体に設けられていてもよい。固定部は、トイレ室内の意匠性といった観点から、トイレ室側には設けられていないことが好ましい。固定部は、トイレ室の床面及び天井面に接触して架台を固定する形態に限らず、例えば、トイレ室の壁面に接触して架台を固定する形態であってもよいし、衛生器具、キャビネット等のトイレ室内の器具に対して接触して架台を固定する形態であってもよい。
給水タンク及び排水タンク、並びに第2給水タンク及び第2排水タンクの容量は、いずれも特に限定されない。給水タンク及び排水タンクは、トイレ室内に収納することを考慮した場合、トイレ室の出入口における開口の大きさよりも小さいことが好ましい。給水タンク及び排水タンクをトイレ室内に収納する場合、トイレ室の出入口とは別の開口部を設けてもよい。
給水タンク及び排水タンクのいずれか一方を衛生器具に着脱自在に接続する形態は、上記実施形態に例示した着脱部の形態に限定されない。着脱部を設ける位置は特に限定されず、例えば、給水タンク及び排水タンク寄りの位置(図4参照)、車両寄りの位置等に設けられていてもよい。着脱部は、例えば、給水及び排水のそれぞれの系統について、2箇所以上設けられていてもよい。
排水タンクは、給水タンクよりも大きな容量であることが好ましい。排水タンクに貯留される汚水には、給水タンクから各衛生器具を経由して流入する使用後の清水の他に、し尿やロールペーパー等が流入するためである。給水タンク及び排水タンクの容量は同じであってもよい。この場合、給水タンクには、排水タンクの容量よりも少ない量の貯留水を貯留しておくとよい。これによって、給水タンクに貯留した全ての清水が、使用後にし尿やロールペーパー等とともに排水タンクに流入しても、排水タンクから汚水が溢れることを防止できる。
車輪の個数や配置は、上記各実施形態に限定されない。車両型トイレは、例えば、自走式の車両であってもよい。
本開示に係る車両型トイレにおいて、衛生器具は、一種類の衛生器具を一つ以上備える構成であればよい。例えば、図9に示す車両型トイレ401は、衛生器具として便器22のみを備えた一般的なトイレの形態である。衛生器具の種類は上記各実施形態に限定されない。衛生器具の封止方法についても特に限定されず、上記各実施形態において例示した水封の他、フラップ弁等による機械的な封止等、種々の方法を採用できる。
本開示に係る車両型トイレにおいて、運搬時に給水タンク及び排水タンクをトイレ室内の空間に収納することは必須ではない。給水タンク及び排水タンクは、例えばトラック等、車両型トイレを構成する車両とは別の車両の荷台に載せて運搬してもよいし、タンクに車輪を取り付けた車両型タンクを別途設けてもよい。
排水ポンプが車両の外部に配置される例を図10に示す。図10に示す排水ポンプ516は真空ポンプである。排水ポンプ516は、排水ホース13Bとは別に排水タンク13に接続される。排水ポンプ16は、排水タンク13内の空気を吸引することによって、各衛生器具21,22,26,29から排出される汚水を排水タンク13内に搬送する。
1,201,301,401…車両型トイレ、12…給水タンク、13…排水タンク、13D…排水タンクの貯留水位の上限位置、14…給水ポンプ、16…排水ポンプ、21…汚物流し(衛生器具)、22…便器(衛生器具)、26…手洗器(衛生器具)、29…洗面器(衛生器具)、50,250…車両、212…第2給水タンク、213…第2排水タンク
Claims (7)
- 車両と、
前記車両内に配置される衛生器具と、
前記衛生器具に供給する清水を貯留する給水タンク、及び前記衛生器具から排出される汚水を貯留する排水タンク、の少なくとも一方と、
を備え、
前記給水タンク及び前記排水タンクの少なくとも一方は、前記車両の外部に配置されて前記衛生器具に着脱自在に接続される、車両型トイレ。 - 前記車両の内部に配置されて前記衛生器具に接続されている第2給水タンク及び第2排水タンクの少なくとも一方を備える、請求項1に記載の車両型トイレ。
- 前記車両の外部に配置され、前記清水を前記給水タンクから前記衛生器具に搬送する給水ポンプを備える、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の車両型トイレ。
- 前記車両の外部及び前記車両内のいずれかに配置され、前記汚水を前記衛生器具から前記排水タンクに搬送する排水ポンプを備える、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の車両型トイレ。
- 前記排水タンクの貯留水位の上限位置は、前記衛生器具の封止位置よりも上方に設定される、請求項4に記載の車両型トイレ。
- 前記車両の外部及び前記車両内のいずれかに配置され、前記清水を前記給水タンクから前記衛生器具に搬送する給水ポンプと、
前記車両の外部及び前記車両内のいずれかに配置され、前記汚水を前記衛生器具から前記排水タンクに搬送する排水ポンプと、
を備える、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の車両型トイレ。 - 前記排水タンクの貯留水位の上限位置は、前記衛生器具の封止位置よりも上方に設定される、請求項6に記載の車両型トイレ。
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JP2022150842A Pending JP2024045827A (ja) | 2022-09-22 | 2022-09-22 | 車両型トイレ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024045827A (ja) |
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2022
- 2022-09-22 JP JP2022150842A patent/JP2024045827A/ja active Pending
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