JP2024044513A - 被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋根材の塗装において、乾燥過程での水分に起因する不具合を抑え、追従性、耐候性に優れた被膜が形成できる被膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明は、屋根材に対し上塗材を塗付する被膜形成方法であって、前記上塗材は、主剤及び硬化剤を有し、前記主剤は、ポリオール化合物(A)を含み、前記硬化剤は、ポリイソシアネート化合物(B)、及びシリケート化合物(C)を含み、前記ポリイソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基含有量が14重量%未満であるポリイソシアネート化合物(b1)及び、イソシアネート基含有量が14重量%以上であるポリイソシアネート化合物(b2)含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、被膜形成方法に関するものである。
建築物、土木構築物等の躯体の保護、意匠性の付与、及び美観性等を高める目的で各種被覆材によって塗装が施されている。中でも、屋根材は、雨水や太陽の直射日光等の厳しい自然環境の影響を直接受けるために劣化しやすく、耐候性が必要とされており、例えば、特許文献1には、アクリルポリオールを含有する主剤、並びにイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤からなる被覆材が記載されている。
一方、屋根材の塗装は、一般的に屋外で行われることから、塗装環境(気温等)の影響を受けることとなる。例えば、乾燥過程において雨水や結露等によって被膜に水分が付着する場合がある。このような水分の付着は、被膜の不具合を引き起こすおそれがある。また、屋根材は、温度変化等で伸縮する場合があり、その上の被膜には追従性が必要とされる。
特開2016-160395号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、乾燥過程での水分に起因する不具合を抑え、耐候性、追従性に優れた被膜が形成できる方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、屋根材に対し、特定の上塗材を塗付して被膜を形成する被膜形成方法に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.屋根材に対し上塗材を塗付する被膜形成方法であって、
前記上塗材は、主剤及び硬化剤を有し、
前記主剤は、ポリオール化合物(A)を含み、
前記硬化剤は、ポリイソシアネート化合物(B)、及びシリケート化合物(C)を含み、
前記ポリイソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基含有量が14重量%未満であるポリイソシアネート化合物(b1)及び、イソシアネート基含有量が14重量%以上であるポリイソシアネート化合物(b2)含むことを特徴とする被膜形成方法。
2.前記ポリイソシアネート化合物(B)中に、前記ポリイソシアネート化合物(b1)を20~90重量%含むことを特徴とする1.に記載の被膜形成方法。
3.前記ポリオール化合物(A)の固形分100重量部に対して、前記シリケート化合物(C)を0.1~50重量部含むことを特徴とする1.または2.に記載の被膜形成方法。
4.前記ポリオール化合物(A)は、シリコーン成分を含むことを特徴とする1.または2.に記載の被膜形成方法。
本発明の被膜形成方法によれば、屋根材の塗装において、乾燥過程での水分に起因する不具合を抑え、耐候性、追従性に優れた被膜が形成できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の被膜形成方法は、屋根材に対し、特定の上塗材を塗付(塗装)するものである。
屋根材とは、屋根部を構成するものであり、例えば、金属製屋根材、窯業系屋根材等が挙げられる。
金属製屋根材としては、例えば、鉄、冷延鋼、アルミニウム鋼、ステンレス鋼、銅鋼、溶融亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼、電気亜鉛メッキ鋼、電気合金メッキ鋼、合金メッキ鋼、銅メッキ鋼、錫メッキ鋼等、あるいはこれらに表面処理(例えば、リン酸塩系処理剤、クロム酸塩系処理剤等による表面処理)を施したもの等が挙げられる。
窯業系屋根材としては、例えば、陶器瓦、粘土瓦、コンクリート瓦、スレート板、繊維補強セメント板等が挙げられる。
また、上記金属製屋根材、窯業系屋根材は、例えば、有機質被膜、無機質被膜、有機無機複合被膜等から選ばれる少なくとも1種の被膜等の各種既存被膜を有するものであってもよい。
上記金属製屋根材は、一般的に熱伝導率が高く、結露等が生じやすいものであるが、本発明では、金属製屋根材に被膜を形成する場合であっても、結露等の水分に対する耐性を十分に確保することができる。
本発明の上塗材は、主剤及び硬化剤を有するものであり、上記主剤は、ポリオール化合物(A)を含み、上記硬化剤は、ポリイソシアネート化合物(B)、及びシリケート化合物(C)を含むものである。
ポリオール化合物(A)(以下、「(A)成分」ともいう)としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、含フッ素ポリオール等が挙げられ、その他、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル-ポリエーテルポリオール、ウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等を使用することも可能である。(A)成分としては、これらの1種または2種以上が使用できるが、この中でもアクリルポリオールを含むことが望ましい。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマー及び必要に応じその他のモノマーを共重合したものが使用できる。このうち(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル等のヒドロキシアリルエーテル等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
また、アクリルポリオールを構成するその他のモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられ、必要に応じこれらの1種または2種以上が使用できる。
(A)成分は、さらに、シリコーン成分を含むことが好ましい(以下、シリコーン成分を含む(A)成分を「シリコーン含有ポリオール化合物」ともいう)。シリコーン成分を含むことにより、長期耐候性の向上効果を得ることができる。このようなシリコーン成分の形態としては、鎖状、分枝状、環状等のものが使用可能である。シリコーン成分の含有量は、樹脂固形分中にSiO換算で、好ましくは0.1~20重量%(より好ましくは0.5~10重量%)である。上記範囲の場合、長期耐候性の向上効果を得ることができるとともに、下地への追従性、及び密着性を十分に確保することができる。なお、本発明において「α~β」は「α以上β以下」と同義である。
本発明におけるSiO換算とは、Si-O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。一般に、アルコキシシラン、シリケート、シリコーン等は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノールどうしやシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は、
RO(Si(OR)O)nR+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH (Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
(A)成分にシリコーンを導入する方法としては、特に限定されず各種の方法を採用することができるが、例えば、
(1)重合性二重結合を有するシリコーン化合物を共重合する方法、
(2)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するシリコーン化合物とを反応させる方法、
(3)反応性シリル基含有モノマーを共重合した樹脂に、反応性シリル基含有化合物を反応させる方法、
(4)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するカップリング剤を反応させた後、反応性シリル基含有化合物を反応させる方法、等が挙げられる。
上記(2)、(4)における官能基の組み合わせとしては、水酸基とイソシアネート基、水酸基とカルボン酸無水物基、アミノ基とイソシアネート基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、アルコキシシリル基どうし等があげられる。
上記(3)、(4)における反応性シリル基としては、珪素原子にアルコキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン等が結合したものである。反応性シリル基含有化合物としては、反応性シリル基を一分子中に2個以上有するものが用いられ、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン等の3官能アルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の2官能アルコキシシラン類;テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン等のアセトキシシラン類などがあげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、反応性シリル基を一分子中に1個有する化合物を併用することもできる。
上記(3)における反応性シリル基含有モノマーは、反応性シリル基と重合性二重結合を含有する化合物であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ-n-ブトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル等があげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
上記(4)におけるカップリング剤は、例えば、一分子中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基とそのほかの置換基を有する化合物である。カップリング剤としては具体的には、例えば、β-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート官能性シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどがあげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明では(A)成分中に、上記シリコーン含有ポリオール化合物を、固形分換算で50~100重量%(より好ましくは50~99重量%、さらに好ましくは60~95重量%)含むことが好ましい。このような場合、耐候性等の被膜物性に優れた効果を得ることができる。
(A)成分の水酸基価(固形分)は、好ましくは5~200KOHmg/g(より好ましくは10~180KOHmg/g、さらに好ましくは30~150KOHmg/g)である。上記範囲を満たす場合、各種被膜物性、耐汚染性等において優れた効果を発揮することができる。なお、水酸基価は、試料1gに含まれる水酸基と等モルの水酸化カリウムのmg数によって表される値である。
(A)成分のガラス転移温度は、好ましくは-10~80℃(より好ましくは0~60℃)である。ガラス転移点がこのような範囲内であれば、耐汚染性、屈曲性、耐久性等の被膜物性を高めることができる。なお、ガラス転移温度は、樹脂を構成するビニル単量体に基づき、Foxの計算式によって求められる値である。
(A)成分の態様としては、非水分散型樹脂(a1)、可溶型樹脂(a2)等が挙げられ、これらを1種以上で使用することができる。本発明では、少なくとも非水分散型樹脂(a1)を含むことが好ましく、さらには非水分散型樹脂(a1)と可溶型樹脂(a2)を併用して使用することが好ましい。非水分散型樹脂(a1)、可溶型樹脂(a2)を併用した(A)成分の具体的な態様としては、例えば、
・非水分散型ポリオール化合物と、可溶型ポリオール化合物、
・非水分散型ポリオール化合物と、可溶型シリコーン含有ポリオール化合物、
・非水分散型シリコーン含有ポリオール化合物と、可溶型ポリオール化合物、
・非水分散型シリコーン含有ポリオール化合物と、可溶型シリコーン含有ポリオール化合物、
等が挙げられる。また、上記態様のポリオール化合物としては、アクリルポリオールを含む態様が好適である。これにより、耐汚染性、追従性(耐屈曲性)等の点において有利である。
なお、本発明(A)成分における、非水分散型樹脂(a1)とは、非水系溶剤中に上記(A)成分が樹脂粒子として分散しているものである。また、可溶型樹脂(a2)とは、非水系溶剤中に上記(A)成分が溶解しているものである。
非水系溶剤としては、脂肪族炭化水素含有非水溶剤(所謂弱溶剤)を含むことが好ましい。脂肪族炭化水素含有非水溶剤は、トルエン、キシレン等に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さい非水溶剤である。脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。本発明では、ミネラルスピリット等の混合溶剤を使用することによって、脂肪族炭化水素を導入することもできる。脂肪族炭化水素は、非水系溶剤の総量に対し5重量%以上含まれることが好ましく、10~80重量%含まれることがより好ましい。
非水系溶剤は、脂肪族炭化水素と混合可能な溶剤を含むものであってもよい。このような溶剤としては、例えば、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤の他、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、好適な溶剤として、例えば、混合アニリン点またはアニリン点が12~70℃である石油系溶剤(芳香族炭化水素含有石油混合溶剤)等が挙げられる。なお、混合アニリン点またはアニリン点は、JIS K2256:2013の方法で測定される値である。
さらに、(A)成分として非水分散型樹脂(a1)と可溶型樹脂(a2)を併用して使用する場合には、非水分散型樹脂(a1)の水酸基価が、可溶型樹脂(a2)の水酸基価よりも大きいことが好ましい。このような場合、被膜の架橋密度が高まり、耐候性、追従性、耐汚染性等をよりいっそう高めることができる。この作用機構は、限定されるものではないが、非水分散性樹脂の粒子間において、架橋反応がやや穏やかな可溶型樹脂が架橋することで、被膜中の水酸基の分布が均一になり、架橋反応に偏りが生じにくくなる。これにより、架橋密度の高い均一な被膜が形成され、耐候性、追従性、耐汚染性等が向上すると推察される。
具体的に、上記非水分散型樹脂(a1)の水酸基価は、好ましくは5~200KOHmg/g(より好ましくは10~180KOHmg/g、さらに好ましくは35~160KOHmg/g、特に好ましくは40~150KOHmg/g)であり、上記可溶型樹脂(a2)の水酸基価は、好ましくは5~200KOHmg/g(より好ましくは10~180KOHmg/g、さらに好ましくは30~150KOHmg/g、より好ましくは35~100KOHmg/g)である。このような場合、被膜の架橋密度が高まり、上記効果を十分に発揮することができる。
また、本発明では、上記非水分散型樹脂(a1)の水酸基価と、可溶型樹脂(a2)の水酸基価との差は、好ましくは1~50KOHmg/g(より好ましくは2~40KOHmg/g)である。このような場合、上記効果をよりいっそう高めることができる。
さらに、非水分散型樹脂(a1)と可溶型樹脂(a2)の混合重量比[(a1)/(a2)]は、好ましくは99/1~50/50(より好ましくは98/2~60/40)である。このような場合、上記効果をよりいっそう高めることができる。
(B)ポリイソシアネート化合物(以下、「(B)成分」ともいう)は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有し、前記(A)成分と反応して、被膜を形成するものである。(B)成分としては、(A)成分と常温で反応硬化しうるものが好適である。なお、ここでいう常温とは、概ね-10℃以上50℃以下、好ましくは5℃以上45℃以下を示す。
(B)成分としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートとアルコール成分、必要に応じてポリオール成分等をアルファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により誘導体化したもの、及びそれらの混合物が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に飽和脂肪族基を有する化合物であり、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI))、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)等が挙げられる。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有する化合物であり、例えば、5-イソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン等が挙げられる。この中でも脂肪族ジイソシアネート(特に、HDI)は耐候性と柔軟性が非常に優れており最も好ましい。
アルコール成分としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
ポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等が挙げられる。本発明では特に、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが好適である。これらは1種または2種以上で使用することができる。
本発明では、(B)成分として、固形分中のイソシアネート基含有量が14重量%未満(好ましくは2重量%以上13重量%以下)であるポリイソシアネート化合物(b1)(以下、「(b1)成分」ともいう。)及び、イソシアネート基含有量が14重量%以上(好ましくは15重量%以上30重量%以下、より好ましくは16重量%以上28重量%以下)であるポリイソシアネート化合物(b2)(以下、「(b2)成分」ともいう。)含むことを特徴とする。上記(b1)成分、及び(b2)成分を併用することによって、硬化性(特に、初期硬化性)に優れ、乾燥過程における結露等の水分に起因する不具合を抑え、仕上り性(光沢等)に優れた被膜を形成することができ、しかも、耐候性、耐汚染性等に優れた効果を発揮することができるため、良好な仕上り状態を長期にわたり保持することができる。また、屋根材への追従性においても優れた効果を得ることができる。
なお、本発明において、イソシアネート基含有量とは、ポリイソシアネート化合物の固形分中に含まれるイソシアネート基の含有量(重量%)と定義され、イソシアネート基を過剰のアミンで中和した後、塩酸による逆滴定によって求められる値である。
本発明では(B)成分中に、上記(b1)成分を20~90重量%(より好ましくは30~80重量%、さらに好ましくは45~75重量%)含むことが好ましい。一方、(B)成分中に、上記(b2)成分を10~80重量%(より好ましくは20~70重量%、さらに好ましくは25~55重量%)含むことが好ましい。また、上記(b1)成分と上記(b2)成分の重量比率[(b1)/(b2)]は、0.5以上(より好ましくは0.6~8、さらに好ましくは0.7~5、特に好ましくは1~3)であることが好ましい。このような範囲の場合、上記効果をよりいっそう高めることができる。
(B)成分の混合比率は、(B)成分のイソシアネート基と(A)成分の水酸基とのモル比[NCO]/[OH]を考慮して設定すればよい。(B)成分のイソシアネート基と(A)成分の水酸基とのモル比[NCO]/[OH]は、好ましくは0.6~1.4(より好ましくは0.8~1.3)である。このような比率であれば、本発明の効果をいっそう高めることができる。
なお、(A)成分と(B)成分の混合比率(重量比率)は、上記(A)成分の水酸基価、及び上記(B)成分のイソシアネート基含有量により設定されるものであるが、本発明の上塗材において(B)成分の混合比率は、(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは5~50重量部(より好ましくは10~40重量部)である。(B)成分がこのような範囲であれば、上記NCO/OHモル比率を満たすことができる。
シリケート化合物(C)(以下「(C)成分」ともいう」)は、主に形成被膜の耐候性を高めるとともに、密着性をよりいっそう高めることができる。さらに、形成被膜に親水性を付与できるため、耐汚染性においても有利である。
このような(C)成分としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、及びこれらの変性物等が使用できる。テトラアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシラン、テトラt-ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、モノエトキシトリメトキシシラン、モノブトキシトリメトキシシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明では、炭素数が1以上2以下のアルコキシル基と、炭素数が3以上12以下のアルコキシル基を含有するテトラアルコキシシランの縮合物(c1)(以下「(c1)成分」という。)を使用することが好ましい。特に、(c1)成分としては、その化合物全体のアルコキシル基のうち、5重量%以上50重量%以下が炭素数3以上12以下のアルコキシル基となるようにしたものが好適である。
炭素数3以上12以下のアルコキシル基としては、例えば、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等の直鎖アルコキシル基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、1-エチルペンチルオキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1,5-ジメチルヘキシルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、1-メチルヘプチルオキシ基、t-オクチルオキシ基等の分岐アルコキシル基等が挙げられる。
このような(c1)成分は、公知の方法により製造することができる。(c1)成分の製造方法としては、例えば、炭素数1以上2以下のアルコキシル基を有するテトラアルコキシシラン縮合物を、炭素数3以上12以下のアルコールで変性する方法等が挙げられる。
(C)成分の混合比率は、(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは0.1~50重量部(より好ましくは0.5~40重量部、さらに好ましくは2~30重量部)である。(C)成分がこのような範囲であれば、優れた耐候性、密着性、耐汚染性効果等が得られる。
また、上記(B)成分と上記(C)成分の混合比率は、上記(B)成分の固形分100重量部に対して、(C)成分が好ましくは5~80重量部(より好ましくは10~60重量部)である。(C)成分がこのような範囲であれば、優れた耐候性、密着性、耐汚染性効果等が得られる。
本発明の硬化剤は、上記(B)成分、(C)成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。
本発明上塗材は、上記主剤と、上記硬化剤からなる2液型の被覆材であり、塗装時に主剤と硬化剤を常法により均一に撹拌・混合して使用するものである。
また、本発明上塗材は、主剤及び/または硬化剤に、上述の成分の他、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、触媒、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、顔料分散剤、増粘剤、皮張り防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、溶剤等が挙げられる。また、上記(A)成分以外の樹脂成分を含むものであってもよい。
本発明では、顔料(以下「(D)成分」ともいう)を含むことが好ましい。(D)成分を含むことにより、被膜の色調、光沢等を調整することができる。(D)成分としては、(d1)着色顔料(以下「(d1)成分」ともいう)、(d2)体質顔料(以下「(d2)成分」ともいう)等が使用できる。
(d1)成分としては、有彩色顔料、白色顔料、黒色顔料等が使用できる。このうち、有彩色顔料は、例えば、黄色、橙色、赤色、緑色、青色、紫色等の有彩色を呈する顔料である。このような有彩色顔料としては、例えば、酸化第二鉄、含水酸化第二鉄、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン等の無機質のもの、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機質のもの等が挙げられる。一方、白色顔料は、白色を呈する顔料であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、鉄黒、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物等の無機質のもの、その他カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。また、その表面に何らかの処理がされたものであってもよい。
(d2)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。(d2)成分は、例えば、艶調整(艶低減化等)、あるいは固形分調整、粘性調整、貯蔵安定性や顔料混和性の向上化等の目的で使用することができる。
(D)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは1~300重量部(より好ましくは5~250重量部)である。また、(d1)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは1~200重量部(より好ましくは5~150重量部)である。(d2)成分を使用する場合、(d2)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは100重量部以下(より好ましくは1~80重量部)である。
本発明の上塗材は、塗装時に希釈を行うことができる。希釈剤としては、上記脂肪族炭化水素含有非水溶剤が好ましい。
塗装方法としては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等、種々の方法を採用することができる。塗装時の塗付け量は、1回の塗装当たり、好ましくは30~250g/m、より好ましくは50~200g/mである。また、一旦塗装を行い、その塗膜が乾燥した後に、次の塗装(重ね塗り)を行うことができる。乾燥温度は、好ましくは-10~50℃、より好ましくは5~45℃である。塗り回数は、好ましくは2回以上である。
上記上塗材により形成される被膜は、艶有り、艶消し(7分艶、5分艶、3分艶等を含む)のいずれであってもよい。本発明では、艶有り被膜のであっても、結露等の水分に起因する光沢低下等の不具合を抑え、仕上り性(光沢等)に優れた被膜を形成することができる。なお、艶有り被膜とは、鏡面光沢度が70以上(好ましくは75~90)の被膜のことである。また、「鏡面光沢度」とは、JIS K5600-4-7「鏡面光沢度」に準じて測定される値である。具体的には、ガラス板の片面に、すきま150μmのフィルムアプリケータを用いて上塗材を塗り、塗面を水平に置いて標準状態で72時間乾燥したときの鏡面光沢度(測定角度60度)を測定することによって得られる値である。
本発明の被膜形成方法では、上記上塗材を塗装する前に、各種下塗材(例えば、シーラー、サーフェーサ、フィラー、中塗材等)を塗装することができる。上塗材は、下塗材が乾燥した状態で塗装すればよい。下塗材としては、1種または2種以上が使用できる。
下塗材としては、例えば、アクリル樹脂下塗材、エポキシ樹脂下塗材、ウレタン樹脂下塗材、塩化ゴム系下塗材等が挙げられる。このような下塗材は、クリヤータイプ、着色タイプのいずれであってもよい。また、リン酸塩系、モリブデン酸塩系、亜鉛系等の防錆顔料を含むものであってもよい。
また、下塗材には、本発明の効果に影響しない程度に各種成分を配合することも可能である。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、カップリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、希釈剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維、触媒、架橋剤等が挙げられる。
このような下塗材は、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装、ロールコーター、フローコーター等、種々の方法を用いて塗装することができる。塗付け量については、下塗材の形態にもよるが、好ましくは0.05~3kg/m(より好ましくは0.05~2kg/m)である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(A)ポリオール化合物
・(A-1)シリコーン含有アクリルポリオール化合物分散体(非水分散型樹脂、固形分:50重量%、水酸基価(固形分):55KOHmg/g、シリコーン成分含有量:3重量%(SiO換算)、媒体:ミネラルスピリット)
・(A-2)アクリルポリオール化合物分散体(非水分散型樹脂、固形分:50重量%、水酸基価(固形分):55KOHmg/g、媒体:ミネラルスピリット)
・(A-3)アクリルポリオール化合物溶液(可溶型樹脂、固形分:50重量%、水酸基価(固形分):55KOHmg/g、媒体:ミネラルスピリット)
・(A-4)アクリルポリオール化合物溶液(可溶型樹脂、固形分:50重量%、水酸基価(固形分):40KOHmg/g、媒体:ミネラルスピリット)
(B)ポリイソシアネート化合物
・(B-1)ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液(固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:12重量%)
・(B-2)ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液(固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:21重量%)
・(B-3)ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液(固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:17重量%)
・(B-4)ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体溶液(固形分:100重量%、イソシアネート基含有量:14.8重量%)
なお、(B-1)は(b1)成分であり、(B-2)~(B-4)は(b2)成分である。
(C)シリケート化合物
・(C-1)テトラメトキシシラン
・(C-2)テトラメトキシシラン化合物のi-ブチルアルコール変性物(平均縮合度4、エステル交換率30%、シリカ残存比率40%)
(D)顔料
・ルチル型酸化チタン
(溶剤)
・脂肪族炭化水素含有非水溶剤:ミネラルスピリット
(添加剤)
・消泡剤、増粘剤等
(実施例1)
・主剤の製造
(A-1)成分60重量部、(D)成分25重量部、溶剤10重量部、及び添加剤5重量部を混合、攪拌し主剤1を製造した。
・硬化剤の製造
(B-1)成分2.8重量部、(B-2)成分4.4重量部、(C-1)成分3重量部、溶剤9.8重量部を混合、攪拌し硬化剤1を製造した。
・上塗材の調製
主剤1(100重量部)と硬化剤1(20重量部)を混合([NCO]/[OH]=1.02)撹拌して上塗材1を得た。
(実施例2~15、比較例1~6)
表1、2の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして主剤及び硬化剤を調製し、それらを混合して上塗材を得た。
上記実施例1~15及び比較例1~6で調製した上塗材について、以下の評価を行った。その結果を表1、2に示す。
(試験1)
フィルムアプリケーターを用いて、150μmの膜厚でアルミニウム板に上塗材を塗付け、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)にて72時間静置して乾燥させたものを試験体[I]とした。試験体[I]の被膜の60°鏡面光沢度(以下単に「光沢度」ともいう)を測定した。評価は以下の通りである。
A:光沢度85以上
B:光沢度80以上85未満
C:光沢度75以上80未満
D:光沢度75未満
(試験2)
フィルムアプリケーターを用いて、150μmの膜厚でアルミニウム板に上塗材を塗付けた後、5℃恒温器内にて2時間静置し、標準状態にて5分間静置するサイクル(このサイクルで結露を発生させた)を計3回行い、さらに5℃恒温器内にて24時間、標準状態にて24時間静置した。以上の方法で得られた被膜の外観を試験体[I]の外観と比較し、外観の変化がなかったものを「A」、変化があったもの(光沢低下等を生じたもの)を「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
(試験3)
スレート系屋根材に対し、上塗材をスプレー塗装し(1回当たりの塗付け量0.15kg/mで2回塗装)、標準状態にて14日乾燥養生することにより、試験体[II]を作製した。
上記試験体[II]において、促進耐候性試験機(メタルウェザー;ダイプラウィンテス株式会社製)による曝露を500時間行った後、試験体[I]表面の外観変化(光沢、色、浮き、剥れ、ひび割れの状態)を観察した。評価は、その外観変化を曝露前の試験体と比較し、変化が見られなかったものを「AA」、光沢低下、変色、浮き、剥れまたはひび割れ等を生じたものを「D」とする5段階(優:AA>A>B>C>D:劣)で行った。
(試験4)
ブリキ板(150mm×50mm×0.3mm)に対し、各被覆材を、乾燥膜厚が75μmとなるように塗装し、7日間乾燥させて試験体[II]を作製した。なお、塗装、乾燥はすべて標準状態下で行った。
各試験体[II]において、JIS K5600-5-1「耐屈曲性」の方法(マンドレル直径:2mm)により試験板を折り曲げた後、その表面状態を観察した。評価は、下地への追従性が高く割れが生じなかったものを「AA」、下地への追従性が低く割れが生じたものを「D」とする5段階(優:AA>A>B>C>D:劣)で行った。
(試験5)
上記方法で作製した試験体[II]に対し、カーボン分散液(1%)を吹付けし、乾燥(60℃、1時間)後に水洗した。試験体の汚染前と汚染後の明度差(ΔL値)を測定し、耐汚染性試験の評価を行なった。なお、ΔL値の測定は、TC-1800型色差計(東京電色株式会社製)を使用して行なった。
評価基準は、
AA:明度差(ΔL値)が5未満
A:明度差(ΔL値)が5以上10未満
B:明度差(ΔL値)が10以上20未満
C:明度差(ΔL値)が20以上30
D:明度差(ΔL値)が30以上
Figure 2024044513000001
Figure 2024044513000002


Claims (4)

  1. 屋根材に対し上塗材を塗付する被膜形成方法であって、
    前記上塗材は、主剤及び硬化剤を有し、
    前記主剤は、ポリオール化合物(A)を含み、
    前記硬化剤は、ポリイソシアネート化合物(B)、及びシリケート化合物(C)を含み、
    前記ポリイソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基含有量が14重量%未満であるポリイソシアネート化合物(b1)及び、イソシアネート基含有量が14重量%以上であるポリイソシアネート化合物(b2)含むことを特徴とする被膜形成方法。
  2. 前記ポリイソシアネート化合物(B)中に、前記ポリイソシアネート化合物(b1)を20~90重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の被膜形成方法。
  3. 前記ポリオール化合物(A)の固形分100重量部に対して、前記シリケート化合物(C)を0.1~50重量部含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。
  4. 前記ポリオール化合物(A)は、シリコーン成分を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。


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