JP2024044407A - リトラクト機構及びそれを備える寸法測定装置 - Google Patents

リトラクト機構及びそれを備える寸法測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定装置が備える、単動シリンダを有する空気圧シリンダ型リトラクト機構において、リトラクト機構の始動抵抗を低減し、これにより測定装置の測定精度の向上と測定時間の短縮を図る。【解決手段】シリンダと、このシリンダの内部を往復動可能なピストンとを有し、空気圧を用いて上記ピストンを往復動させる空気圧シリンダ式のリトラクト機構において、上記ピストンを作動させる加圧空気が上記シリンダ内から漏洩するのを防止するシール手段を、上記ピストンの外周に対向する、上記シリンダの内周に設けて静止型シール手段としたことを特徴とするリトラクト機構。【選択図】 図3

Description

本発明は、測定時には測定子をワークに当接させ、非測定時には測定子をワークから退避させる、リトラクト機構、及び、それを備える寸法測定装置に係り、特に、測定子の当接及び退避に空気圧シリンダを利用する場合に好適なリトラクト機構、及び、それを備える寸法測定装置に関する。
軸部材の外径等を電気的に計測、及び、寸法チェックするために、エアシリンダを備える寸法測定装置がしばしば用いられる。例えば、機械部品の長さ寸法をチェックするために、ゲージヘッド、又は、測定ヘッドを用いることが特許文献1、及び、特許文献2に記載されている。
特許文献1では、ヘッドが、ケーシングと、フィーラを支持する可動アームと、ケーシングとアームに結合され、ケーシングに対してアームを可動にする支点と、ケーシングに結合されるシリンダおよびシリンダ内でスライドするピストンを有する引き込み装置(リトラクト機構)とを備えることが開示されている。ここでピストンは、アームを明確な不作動位置へ付勢する。更に、ヘッドは、ケーシングに対するアームの位置に応じて信号を供給する位置トランスデューサを含む。引き込み装置は、シリンダ内に収容され且つその端部がシリンダ、及び、ピストンに固定されるベローズガスケットを含む。
特許文献2では、測定ヘッドが高水準の繰り返し制度を保障するように、溝と長手方向の幾何学的な軸を規定するケーシングを備えた支持構造材と、アーム、及び、フィーラを備えた支持構造材に対して移動可能なアームセットと、アームと支持構造材との間に配置され、横断軸を中心にして支持構造材に対してアームの移動を可能にする支点と、アームと支持構造材との間に配置され、検査対象の機械部品の表面に向かってフィーラを付勢するスラスト装置と、アーム、及び、支持構造材に連結され、支持構造材に対してアームの位置に応じた信号を供給する変換器を備える。
また特許文献3では、測定ヘッドのアームを簡単な構造でリトラクトさせるために、測定ヘッドがリトラクト機構として形状記憶合金アクチュエータを備えている。形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶合金製のコイルばねとバイアスばね等を含み、コイルばねとバイアスばねはロッドの両端部からロッドの中途部に固定されたフランジに向けて挿通されたのち、バイアスばねが収縮された状態でホルダーに保持される。コイルばねに通電されてコイルばねが変態温度以上に加熱されると、コイルばねが変形し、ロッドが押し下げ板を押し下げ、コンタクトがリトラクトされる。
さらに本発明者の先願に係る特許文献4には、空気圧シリンダで結露が生じるのを防止する構成が開示されている。すなわち、空気圧シリンダは、シリンダと、シリンダ内を第1、第2室に分割するピストンと、ピストン壁に配置されピストンとシリンダの界面をシールするシール手段を備えている。
特表2010-502971号公報 特開2011-64694号公報 特開2001-27503号公報 特開2020-112212号公報
空気圧シリンダ式リトラクト機構を有する測定装置では、内蔵するばねのばね力(復元力)で測定子を取り付けたアームを揺動させて測定対象のワークに当接させ、測定子の反対側に設けた計測手段、例えば差動トランスで測定子の変位を計測する。測定終了後は、内蔵ばねのばね力に打ち勝つ力を空気圧シリンダが供給して、アームを逆方向に回動させ、ワークから測定子が離れていく、すなわちリトラクトされる。測定対象が複数ある場合には、間隔を置いてこの動作が繰り返される。
空気圧シリンダ式測定装置では、アームの揺動を制御するために上述したように内蔵ばねと空気圧シリンダが多く用いられる。そして、小型化のためシリンダを1個だけ有する単動シリンダ式の空気圧シリンダでは、ピストンロッドに内蔵ばねを巻回するとともに、ピストンとシリンダの間に形成される空間に加圧空気を導くようにしている。加圧空気が効果的にピストンを押圧するように、言い換えればピストンとシリンダにより形成される空間から加圧空気が漏洩しないように、ピストンとシリンダ間にピストンリング型のパッキンが配設される。
特許文献1に記載の長さチェック用のゲージヘッド、又は、測定ヘッドでも、Uパッキンをピストンヘッドに設けた溝内に収納し、ピストンとシリンダ間に形成される空間からの加圧空気の漏洩を防止している。このような単動シリンダを有する測定装置では、測定装置を時間間隔を空けて使用すると、ピストンの始動特性が劣化する現象が散見されることを本発明者は見出した。その原因のひとつは、ピストンに取り付けられ、シリンダに摺接するパッキンが、摺接部で相手材(シリンダ)に粘着するためと考えられる。つまり、パッキンが時間とともに相手材になじんで貼り付く(張り付く)ためと考えられる。測定装置の高性能化のためには、パッキンの貼り付きによる影響を最小化することが望まれている。
特許文献2では、アームを回動させるために、空気圧シリンダの代わりにベローズを用いている。ベローズの内部に加圧空気を導入することによりベローズが伸長し、アームに当接してアームを回動させる。アームの逆方向の回動時には、ベローズ内を減圧し、別途設けたばねでアームを引き戻している。空気圧とばねを使用する点では特許文献1と同様であるが、ベローズは袋状に形成されているからシールリング等のシール材は不要であり、パッキンの貼り付き等の摺動の問題は生じないが、ベローズは高価であることと万一破損等した場合に交換に時間を要する点に問題がある。
特許文献3には、アームを回動させるための空気圧シリンダやベローズに変えて、アームに付勢するばねを形状記憶合金製ばねとすることが開示されている。この場合、ある温度以下ではばねが退縮し、ある温度以上になるとばねが伸長する。またはその逆とする。ばねを圧電素子等を用いて加熱するだけでばねの伸長・退縮を切り替えることができるが、形状記憶合金ばね単体で安定した二方向性記憶効果を取り出すのは非常に難しく、一方向の記憶効果をバイアス力によって二方向動作に変える方法を用いざるを得ず、使用する付勢力の2倍のばね力を保持できる必要があり、小型化の点で改善の余地がある。
また、特許文献4では、シリンダとピストン間に形成される空間から加圧空気を排気する時に生じる結露という課題を解決するものである。つまり、この公報に記載のものも、特許文献1に記載の従来の空気圧シリンダと同様、長時間の未使用後に空気圧シリンダのシール部材の始動抵抗が増すという課題については、改善の余地は残されていた。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、測定装置が備える、単動シリンダを有する空気圧シリンダ型リトラクト機構において、リトラクト機構の始動抵抗を低減し、これにより測定装置の測定精度の向上と測定時間の短縮を図ることである。
上記目的を達成する本発明の特徴は以下のとおりである。
[1] シリンダと、このシリンダの内部を往復動可能なピストンとを有し、空気圧を用いて上記ピストンを往復動させる空気圧シリンダ式のリトラクト機構において、上記ピストンを作動させる加圧空気が上記シリンダ内から漏洩するのを防止するシール手段を、上記ピストンの外周に対向する、上記シリンダの内周に設けて静止型シール手段としたことを特徴とするリトラクト機構。
[2] 上記シール手段がリップパッキンであり、上記リップパッキンは、弾性材料により構成されるリップ部を有し、上記リップ部は、上記ピストンを押し出すために上記シリンダに加圧空気が導入されると、上記ピストンの摺動方向に上記加圧空気が漏洩するのを抑制するよう、上記ピストンの外周面に押し付けられる、[1]に記載のリトラクト機構。
[3] 上記ピストンは、上記シリンダの内壁を摺動可能なピストンヘッドと、このピストンヘッドの中央部から上記ピストンの往復動方向に下方に延びるピストンロッドとを有し、上記ピストンヘッドは上記リップ部に摺接する、[2]に記載のリトラクト機構。
[4] 更に弾性体を有し、上記弾性体の復元力によって、上記ピストンを引き戻す、[3]に記載のリトラクト機構。
[5] 上記弾性体がコイルばねであり、上記ピストンヘッドは、上記シリンダ内壁に隙間をもって対向する側壁と上記ピストンロッドとの間に空間を有し、上記ピストンロッドに巻回した上記コイルばねを上記空間に保持する[4]に記載のリトラクト機構。
[6] 上記リップパッキンはYパッキン、又は、Uパッキンである、[5]に記載のリトラクト機構。
[7] 上記ピストンヘッドの下部にシリンダベースを配設し、このシリンダベースの上面に設けられ横方向に延びる切り欠きと、上記リトラクト機構を収納するケース部材に設けられ上記切り欠きに連接する連通路とを備える排気通路を形成する、[3]に記載のリトラクト機構。
[8] ワークに当接する測定子と、この測定子に一端側が連結され他端側が差動トランスを含む測定ヘッドに接続されたアームと、上記アームを揺動可能に保持する保持台と、上記アームを揺動させる揺動手段を備え、上記揺動手段は引張りばねと、[1]~[7]のいずれかに記載のリトラクト機構とを備える、寸法測定装置。
本発明のリトラクト機構は、シリンダの内周(面)に配設された静止型シール手段を有する。そのため、加圧によるピストンの押し出し時には、上記シール手段がピストンの外周面と接触してシリンダとの間がシールされる。一方、排気してピストンが引き戻される際には、静止型シール手段がピストンの移動の妨げとなりにくい。そのため、始動特性の劣化を防止できる。また、リトラクト機構である空気圧シリンダに含まれる弾性体(例えば、ばね等)及び、シリンダ径を増大することなく、円滑にリトラクト動作させることが可能になり、リトラクト機構の駆動力を増強するためにリトラクト機構を大型化する必要がなくなる。
本発明に係るリトラクト機構を備えた寸法測定装置の使用例を示す図である。 寸法測定装置の一実施例の概略縦断面図である。 図2に示した寸法測定装置が備えるエアシリンダ部の拡大図((a)図)、エアシリンダ部が備えるシール手段の部分図であり斜視図((b)図)、およびシール手段の動作を説明する図((c)図)である。 図2に示した寸法測定装置の摩擦抵抗試験結果の一例を示す図((a)図)、及び比較例に用いたエアシリンダ部の模式断面図((b)図)である。 図2に示した寸法測定装置が備えるエアシリンダ部の排気を説明する図であり、(a)図は水平断面図、(b)図は垂直断面図である。
以下本発明の実施例を、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る外径測定装置60を用いてワークWの外径を測定する様子を示す模式斜視図であり、外径測定装置60では一対の汎用測定ヘッドに制御処理装置20や圧縮空気源10が付設されている。
後述するように測定前、又は、測定後に測定子300をワークWから引き離す(リトラクトする)ために空気圧シリンダであるリトラクト機構100を、外径測定装置60は有している。測定時には、リトラクト機構100が有するばねが測定子300をワークWに当接させて、作動変圧器部の出力を制御処理装置20が処理する。
外径測定装置60の詳細を、図2に縦断面図で示す。外径測定装置60は、ほぼ直方体のケース部材190内に空気圧シリンダであるリトラクト機構100と差動トランス180を収容している。測定子300にアーム234を介して接続されるレバー軸132が、ケース部材190から横方向に延在している。ケース部材190とレバー軸132の間には、レバー軸132の味噌すり(歳差)運動を可能にするベローズ220が配設されており、ベローズ220の両端部にはそれぞれ係止部222、224が形成されている。ケース部材190内には、揺動軸140がレバー軸132に実質的に直角方向に配置されており、揺動軸140はレバー軸132の長手方向中間部に配設された保持台142に設けた貫通穴に嵌合している。従ってレバー軸132は揺動軸140周りに揺動可能である。
ケース部材190の一側面は開口形状であり、開口部に上述したベローズ220の一端側が係止部222により気密に保持されている。ベローズ220の他端側は、レバー軸132の端部132bに係止部224により気密に接続されている。レバー軸132のベローズ220取付け側の端部132bは、連結具232を介してアーム234に位置調整可能に接続されている。
レバー軸132に接続する側とは反対側のアーム234の先端部には、測定子300を保持する測定子ホルダ236が取付けられている。測定子ホルダ236に係止する留めネジ238を調整することにより、測定子300の先端部にある接触子部240は、図2では上下方向に、位置調整可能になる。図1に示したような外径測定の場合には、上側に配置した本例の接触子部240を下方に押し付け、下側に配置した本例の接触子部240を上方に押し付けて、ワークWを挟み込んで測定する。
以下、上側の外径測定装置60について説明するが、下側の外径測定装置60では上下反対になることを除いて上側の外径測定装置60と同様の構成および作用をする。
接触子部240を下方に押し付けるために、ケース部材190内であってレバー軸132の保持台142よりも反測定子側132aに引張りばね146が配設されている。引張りばね146の一端側は、ケース部材190の内側に突出した支軸148に係止しており、引張りばね146の他端側は、レバー軸132の長手方向中間部に設けた係止具134に係止している。従って引張りばね146はその位置でレバー軸132を引き寄せるように作用し、その結果、レバー軸132は揺動軸140を中心に揺動し、次いでアーム234を下方に押し付ける。これにより計測が可能になる。以下に詳細を示す差動トランス180と、引張りばね146、及び、揺動軸140は、揺動手段を構成する。
レバー軸132の反測定子側132aの端部近傍では、レバー軸132に垂直に変位軸182が取付けられており、変位軸182を取り囲むようにコイル184が巻回されて差動トランス180を構成している。差動トランス180の信号は端子処理部186に入力され信号処理されたのち、制御処理装置20に導かれる(図1参照)。
測定終了時や測定準備時には、接触子部240とワークWの双方を保護するために、接触子部240をワークWから遠ざける。そのため、レバー軸132の長手方向であって引張りばね146と差動トランス180の間に、空気圧シリンダであるリトラクト機構100が配設されている。
リトラクト機構100は、キャップ形状のシリンダ110と、シリンダ110内を摺動可能で、ピストンヘッド116とピストンロッド118を有するピストン120と、シリンダ110の下方に位置し、ピストンロッド118の下部と摺接するシリンダベース112と、ピストンロッド118に巻回され、ピストンヘッド116とシリンダベース112間に配置されたコイルばね122を主要構成としている。ピストンロッド118の一端側(上部側)はシリンダ110内に収容され、他端側(下部側)はシリンダベース112から下方に延在している。ピストンロッド118の下端部である当接部136は、レバー軸132に当接可能である。
非使用時や測定時のようにコイルばね122の付勢力を作用させる場合には、リトラクト機構100は、その作用を停止する。すなわち、シリンダ110とピストンヘッド116間に形成される空間108には空気圧が作動していないので、空間108は外部雰囲気に連通しているピストンヘッドの空間106と同程度の大気圧程度になり、コイルばね122のばね力が支配的になり、ピストンロッド118を上方に引き上げる。このとき、ピストンロッド118に当接していたレバー軸132は、引っ張りばね146により揺動軸140周りに図で右回転し、レバー軸132の先端に連結されたアーム234の先端に位置する測定子300は、下方に移動する。そして測定時にはワークWに接触して下方への移動が止まり、この時の状態を測定子300とは反対側のレバー軸132の端部に設けられた差動トランス180が測定する。非測定時には、引っ張りばね146のばね力に応じた位置までレバー軸132は回動し、その位置を保つ。
一方、測定準備時や測定直後には、コイルばね122の付勢力に抗してピストンロッド118が下方に移動し、その下端部がレバー軸132に当接してレバー軸132を下方に押し下げる。このとき、空気圧シリンダであるリトラクト機構100は、シリンダ110とピストンヘッド116の間に形成される空間108に加圧空気を導く。これにより、ワークWから接触子部240が遠ざかる。
以上は、一般的な一軸のシリンダ110を用いた外径測定装置60の概要であるが、以下に本発明の特徴的な構成であるシール手段(静止型シール手段)について、図3を用いてさらに詳細に説明する。図3(a)はリトラクト機構100の要部の縦断面図であり、図3(b)はシール手段の一部を取り出した斜視図、図3(c)はシール手段の動作を説明する図である。
シール手段は、リップパッキンとも呼ばれるもので、本実施例ではいわゆるYパッキン150を使用するが、似た形状のUパッキン、又は、Vパッキンを使用することもできる。
Yパッキン150は、弾性材料(加硫ゴム、熱硬化性樹脂、及び、熱可塑性樹脂等)により形成されたパッキンであり、シリンダ110の内周面110dであって上下方向中間部に形成された円周溝111内に配設される。
Yパッキン150は、図3(b)に示すように、その周方向断面において、基部160から上部へ2つのリップ部162が形成されており、全体として断面形状がY字になっている。Yパッキン150は、2つのリップ部162部と、その間に形成される溝164とで、受圧面を構成する。Yパッキン150は、受圧面を高圧側に、基部160を低圧側に向けるように配置され、受圧面に圧力を受けると、リップ部162が押し広げられて壁面(ここでは、ピストンヘッド116の外周、及び、シリンダ110の内周である)に押し付けられてシール機能を発揮する。
Yパッキン150によるシール機能について、詳述する。まず、Yパッキン150のリップ部162には、ピストンヘッド116の外周面116aが摺接する。加圧空気がピストンヘッド116の上方の空間108に導入されると、リップ部162間に形成される溝164に加圧空気が導かれる。この加圧空気により、リップ部162の内径(内周)側は径が小さくなる方向(内周方向)に押されて、ピストンヘッド116の外周面に押し付けられ、リップ部162の外径(外周)側は径が大きくなる方向(外周方向)に押されて、シリンダ110に押し付けられる。
これにより、シリンダ110とピストンヘッド116との間の隙間が閉じられ、加圧空気が、空間108からシリンダベース112側に漏洩するのが防止される(図3(c1)参照)。
次に、このように構成した本発明に係るリトラクト機構100の動作を、図3(c)を用いて説明する。図3(c)のうち、図3(c1)及び(c2)は、シリンダ110に形成された円周溝111内にYパッキン150が収納された、本発明に係るリトラクト機構100の一部の断面図である。
一方、図3(c3)及び(c4)は、ピストンヘッド116に形成された円周溝109内にYパッキン150が収納された従来技術に係るリトラクト機構の一部の断面図である。
次に、各図の状態について説明する。まず、図3(c1)及び(c3)は、リトラクト機構100を作用させてピストン120を最下方まで押し下げた状態を示す図である。一方、図3(c2)及び(c4)は、リトラクト機構100の作用を止め(加圧空気を排気し)、弾性体であるコイルばね122の伸長(復元力)でピストン120を上方に持ち上げる(引き戻す)リトラクト動作を示す図である。
なお、いずれの図でも、動作を分かり易くするためにYパッキン150の変形は誇張して示されている。
図3(c1)では、リトラクト機構100が作動し、空間108が高圧となった状態であり、Yパッキン150の内周側のリップ部162が加圧空気で押し広げられ、ピストンヘッド116の外周面116bに押し付けられている。この際、押し付けられる面116cは、円周状になる。また、同様に、Yパッキン150の外周側のリップ部162も同様に、シリンダ110の内周面に押し付けられている。これにより、圧縮空気が、ピストン120の押し出される方向(下側)に漏洩するのが抑制される。
一方、図3(c3)では、リトラクト機構100(空気圧シリンダ)が作動し、空間108が高圧となった状態であり、Yパッキン150の外周側のリップ部162が加圧空気で押し広げられ、シリンダ110の内周面110dに押し付けられる。この際、押し付けられる面110cは、円周状になる。また、同様に、Yパッキン150の内周側のリップ部162も同様に、ピストンヘッドの内周面に押し付けられている。図3(c1)と同様に、圧縮空気が、ピストン120の押し出される方向(下側)に漏洩するのが抑制される。
図3(c1)、(c3)の状態から、リトラクト機構100(空気圧シリンダ)による空間108への加圧を停止し、空間108から加圧空気を排気して、ほぼ大気圧まで減圧すると、ピストンロッド118に巻回したコイルばね122を付勢していた空気圧が失われるので、コイルばね122は復元力により伸長し、ピストン120が上方に引き戻される。
これにより、図3(c1)は、図3(c2)の状態に変化し、図3(c3)は、図3(c4)の状態に変化する。
図3(c2)では、ピストンヘッド116の上昇に伴って、ピストンヘッド116に接していた内周側のリップ部162が上方に引き伸ばされるように変形する。
一方、図3(c4)では、ピストンヘッド116の上昇に伴って、シリンダ110に接していた外周側のリップ部162が下方に折れ曲がり、めくれるように変形する。
いずれも、Yパッキン150の受圧面は高圧側を向いて配置されているものの、Yパッキン150をシリンダ110(固定)側に配置するか、Yパッキン150をピストン120(移動)側に配置するかによって、Yパッキン150の変形の形態が異なる。
上記を比較すると、図3(c2)のような変形は、ピストンヘッド116の移動に沿った変形である一方、図3(c4)のような変形は、シリンダ110の移動に抗する変形であるため、摩擦力μFは、後者の方がより大きくなりやすい。これは、圧縮空気の供給時間(保持時間)が長くなる等して、Yパッキン150が接触部分(ピストンヘッド116、又は、シリンダ110)に貼り付いた状態となる場合には、より顕著になる。
上記のように、本発明のリトラクト機構は、Yパッキン150がシリンダ110側(固定側)に配置され、加圧空気が導入されたとき、ピストン120の摺動方向(下方向)に加圧空気が漏洩するのを抑制するように、リップ部162がピストン120(移動側)の外周部に押し付けられるように構成されている。
言い換えれば、加圧時のピストン120の移動方向(下方向)と、Yパッキン150の受圧面の方向(上方向)とが逆となる形態で、Yパッキン150がシリンダ110に配置されている。
そのため、減圧時には、ピストン120の移動方向(上方向)と、Yパッキン150の受圧面の方向(上方向)とが同一となる。そのうえ、Yパッキン150がシリンダ110側に配置されていると、リトラクト時におけるリップ部162の変形は、自ずと、ピストンヘッド116(移動側)の移動に沿ったものとなる。
一方、上記の状態で、Yパッキン150が移動側(ピストンヘッド116)に配置されていると、自ずと、リップ部162の変形は、ピストンヘッド116の移動に抗するものとなる。
特に、本実施例のように、リトラクト動作、すなわち、引き戻し動作を弾性体の復元力によって行う場合、空気圧による押し出しと比較して、その力を弱く設計せざるを得ない場合もある。本発明によれば、引き戻しの力が弱くなるような場合でも、摩擦力μFが小さくなりやすい特徴から、測定装置の測定精度がより向上しやすく、また、引き戻しに必要な時間がより短縮されやすいため、結果として、測定時間がより短縮されやすい。
次に、本発明の効果を実験的に確かめた結果について説明する。図4(a)は、本発明に係るリトラクト機構100と、従来構造のリトラクト機構との摺動抵抗の比較を表す図である。
図4(a)において、試料Cとあるのは、本発明に係るリトラクト機構100の実験結果、試料Dとあるのは、従来構造のリトラクト機構の実験結果である。
なお、図4(b)は、実験に使用した、従来構造のリトラクト機構100aの概略断面図である。図4(b)では、シリンダが上部シリンダ110aと側面部シリンダ110bとから構成されているが、シリンダ110の内部形状の違いはほとんどない。また、ピストン120が最下方まで移動した状態を一点鎖線で示している。
図4(a)の実験結果は、以下の手順により取得された。
(手順1)まず、空気圧シリンダであるリトラクト機構100、100aから、コイルばね122を取り外した。なお、図4(b)では、コイルばねの図示を省略している。
(手順2)次に、リトラクト機構100、100aのシリンダ110とピストンヘッド116との間の空間108に加圧空気を導入した。この加圧状態で所定時間放置、又は、維持した。これを「圧力供給時間(Hr)」とした。
(手順3)空間108への加圧を止め、空間108がほぼ大気圧になるまで加圧空気を排気した。
(手順4)荷重計を用いて、ピストン120の始動抵抗を測定し、これを「摺動抵抗」とした。
図4(a)の実験結果から、以下のことが明らかとなった。
(観点1)圧力供給時間に関わらず、シリンダ内壁に配置されたYパッキンを備える本発明に係るリトラクト機構の方が、始動抵抗が少なかった。
上記観点からは、本発明のリトラクト機構は、従来型と比較して、リトラクト動作に必要な力がより小さいことが示唆された。このことから、本発明のリトラクト機構を備える測定装置によれば、ピストンの引き戻しに弾性体の復元力を用いる場合でも、測定時間がより短縮され、測定精度がより向上することがわかった。
(観点2)圧力供給時間に関わらず、始動抵抗の比は2倍以上あり、その差は最低でも2N程度ある。
これらのことから、本発明に係るリトラクト機構の有効性が予想を超えて顕著であることが示された。
(観点3)圧力供給時間が長いほど、摺動抵抗の差が大きくなる傾向があった。
本発明のリトラクト機構では、圧力供給時間が増加しても、摺動抵抗はあまり増加しなかった。一方で、従来型のリトラクト機構では圧力供給時間が増加すると、摺動抵抗が大きく上昇していくことが分かった。
これにより、圧力供給時間が長く、Yパッキン150が相手材に貼り付いてしまうような場合に、本発明の効果がより顕著に現れることが示された。
次に、空間108を大気圧にするための排気系等について図5を用いて説明する。図5(a)は、空気圧シリンダであるリトラクト機構100の横断面図であり、図5(b)のB-B線断面図である。図5(b)は、図3(a)のA-A線断面図であり、ピストンロッド118の中心線から変位した位置での断面図である。
シリンダベース112の外径側であってピストンヘッド116の底面に対向する上面には、中心から変位した位置にリトラクト機構100の幅方向に延びる切り欠き178が形成されている。
この切り欠き178にはケース部材194の幅方向端面まで延びた空気溝170が連接し、空気溝170の端部近傍には、上下方向に延びる連通路172が接続されている。連通路172の上部にはリトラクト機構100の外側に延びる通路が形成されており、この通路にはホース継手のような継手174が取り付けられている。
排気系を上記のように構成したことにより、小型のケース部材194にも装置を収めることができる。
10…圧縮空気源、20…制御処理装置、60…測定装置、100…リトラクト機構、106、108…空間、109…円周溝、110…シリンダ、110a…上部シリンダ、110b…側面部シリンダ、110c…(接触)面、110d…内周面、111…円周溝、112…シリンダベース、116…ピストンヘッド、116a…(ピストン)側壁、116b…(ピストン)外壁面、118…ピストンロッド、120…ピストン、122…コイルばね、132…レバー軸、132a…反測定子側、132b…(側)端部、134…係止具、136…当接部、140…揺動軸、142…保持台、146…引張りばね、148…支軸、150…Yパッキン、160…基部、162…リップ部、164…溝、170…空気溝、172…連通路、178…切り欠き、180…差動トランス、182…変位軸、184…コイル、186…端子処理部、190…ケース部材、194…ケース部材、220…ベローズ、222、224…係止部、232…連結具、234…アーム、236…測定子ホルダ、238…留めネジ、240…接触子部、300…測定子、W…ワーク

Claims (8)

  1. シリンダと、このシリンダの内部を往復動可能なピストンとを有し、空気圧を用いて前記ピストンを往復動させる空気圧シリンダ式のリトラクト機構において、
    前記ピストンを作動させる加圧空気が前記シリンダ内から漏洩するのを抑制するシール手段を、前記ピストンの外周に対向する、前記シリンダの内周に設けて静止型シール手段とした、リトラクト機構。
  2. 前記シール手段がリップパッキンであり、
    前記リップパッキンは、弾性材料により構成されるリップ部を有し、
    前記リップ部は、前記ピストンを押し出すために前記シリンダに加圧空気が導入されると、前記ピストンの摺動方向に前記加圧空気が漏洩するのを抑制するよう、前記ピストンの外周面に押し付けられる、請求項1に記載のリトラクト機構。
  3. 前記ピストンは、前記シリンダの内壁を摺動可能なピストンヘッドと、このピストンヘッドの中央部から前記ピストンの往復動方向に下方に延びるピストンロッドとを有し、
    前記ピストンヘッドは前記リップ部に摺接する、請求項2に記載のリトラクト機構。
  4. 更に弾性体を有し、前記弾性体の復元力によって前記ピストンを引き戻す、請求項3に記載のリトラクト機構。
  5. 前記弾性体がコイルばねであり、
    前記ピストンヘッドは、前記シリンダ内壁に隙間をもって対向する側壁と前記ピストンロッドとの間に空間を有し、前記ピストンロッドに巻回した前記コイルばねを前記空間に保持する請求項4に記載のリトラクト機構。
  6. 前記リップパッキンはYパッキン、又は、Uパッキンである、請求項5に記載のリトラクト機構。
  7. 前記ピストンヘッドの下部にシリンダベースを配設し、このシリンダベースの上面に設けられ横方向に延びる切り欠きと、前記リトラクト機構を収納するケース部材に設けられ前記切り欠きに連接する連通路とを備える排気通路を形成する、請求項3に記載のリトラクト機構。
  8. ワークに当接する測定子と、この測定子に一端側が連結され他端側が差動トランスを含む測定ヘッドに接続されたアームと、前記アームを揺動可能に保持する保持台と、前記アームを揺動させる揺動手段を備え、前記揺動手段は引張りばねと、請求項1~7のいずれか1項に記載のリトラクト機構とを備える、寸法測定装置。
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