JP2024042644A - 電気化学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率(発電効率、電解効率など)の低下を効果的に防止する。【解決手段】実施形態の電気化学装置において、セルスタックは、積層方向に直交する方向において絶縁シール材に並ぶように設置されているスペーサを有する。スペーサは、一対のエンドプレートの間において複数が積層方向に配置され、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータの間等に介在している。スペーサは、電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、絶縁シール材よりも小さい材料で形成されている。電気化学装置の運転が実行される前は、スペーサの厚みが、絶縁シール材の厚みよりも薄い。そして、電気化学装置の運転が実行されたときに、スペーサの厚みが絶縁シール材の厚み以下の状態を保持するように構成されている。【選択図】図1A
Description
本発明の実施形態は、電気化学装置に関する。
電気化学装置は、水素エネルギーに関する装置であって、水素極(燃料極)と酸素極(空気極)とが電解質膜を挟んで構成されている電気化学セルを有している。
電気化学セルは、使用の温度域や構成材料および燃料の種類に応じて、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型などに分類される。このうち、固体酸化物型電気化学セルは、効率などの観点から注目されている。
固体酸化物型電気化学セルは、固体酸化物を電解質膜に用いており、固体酸化物型燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)、または、固体酸化物型電解セル(SOEC;Solid Oxide Electrolysis Cell)として利用可能である。
固体酸化物型電気化学セルがSOFCとして使用される場合には、高温条件下において、たとえば、水素極に供給された水素と、酸素極に供給された酸素(空気中の酸素を含む)とが、電解質膜を介して反応することで、電気エネルギーが得られる。これに対して、固体酸化物型電気化学セルがSOECとして使用される場合には、たとえば、高温条件下で水(水蒸気)が電気分解されることによって、水素極において水素が発生し、酸素極において酸素が発生する。
一般に、電気化学装置は、出力の向上のために、複数の電気化学セルが積層方向に並ぶセルスタックを備え、セルスタックでは、複数の電気化学セルの間が電気的に直列に接続するように構成されている。
[A]電気化学装置1
図7Aは、関連技術に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。
図7Aは、関連技術に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。
図7Aにおいて、縦方向は、鉛直方向zであり、横方向は、第1水平方向xであり、紙面に垂直な方向は、鉛直方向zおよび第1水平方向xに直交する第2水平方向yである。図7Aでは、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。図7Aでは、断面を示していないが、各部を区別するためにハッチングを付している。
図7Aに示すように、電気化学装置1は、セルスタック2とエンドプレート60と連結部材70とを有する。
[A-1]セルスタック2
電気化学装置1において、セルスタック2は、図7Aに示すように、セパレータ20と絶縁シール材40とを含む積層体である。セルスタック2は、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。ここでは、積層方向に積層された複数のセパレータ20のそれぞれは、同じ厚みであり、同様に、積層方向に積層された複数の絶縁シール材40のそれぞれは、同じ厚みである。
電気化学装置1において、セルスタック2は、図7Aに示すように、セパレータ20と絶縁シール材40とを含む積層体である。セルスタック2は、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。ここでは、積層方向に積層された複数のセパレータ20のそれぞれは、同じ厚みであり、同様に、積層方向に積層された複数の絶縁シール材40のそれぞれは、同じ厚みである。
図7Bおよび図7Cは、関連技術に係る電気化学装置1を構成するセルスタック2の一部を模式的に示す図である。
図7Bでは、セルスタック2のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った断面を図示している。これに対して、図7Cでは、セルスタック2のうち、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図7A中のZ1-Z1部分(つまり、セパレータ20(第3セパレータ構成部材23)の上面部分)を図示している。
[A-1-1]電気化学セル10
セルスタック2において、セパレータ20の内部には、図7Bに示すように、電気化学セル10が収容されている。
セルスタック2において、セパレータ20の内部には、図7Bに示すように、電気化学セル10が収容されている。
電気化学セル10は、四角形状の平板型であって、支持体11と水素極12と電解質膜13と酸素極14とを有する。電気化学セル10は、支持体11の上面において電解質膜13が水素極12と酸素極14との間に介在するように構成されている。電気化学セル10は、水素極支持型(燃料極支持型)であって、支持体11の上面に水素極12と電解質膜13と酸素極14とを順次積層することによって形成されている。
電気化学セル10において、支持体11は、多孔質の電気伝導体で構成されている。水素極12は、多孔質の電気伝導体で構成されており、たとえば、Ni-YSZ(イットリア安定化ジルコニア)などで形成されている。電解質膜13は、水素極12および酸素極14よりも緻密であって、電気を伝導せずにイオンを伝導するイオン伝導体で構成されており、たとえば、動作温度において酸素イオン(O2-)が透過する固体酸化物である安定化ジルコニアなどで形成されている。酸素極14は、多孔質の電気伝導体で構成されており、たとえば、ペロブスカイト型酸化物などで形成されている。
[A-1-2]セパレータ20
セルスタック2において、セパレータ20は、図7Bに示すように、第1セパレータ構成部材21と第2セパレータ構成部材22と第3セパレータ構成部材23とを含む。
セルスタック2において、セパレータ20は、図7Bに示すように、第1セパレータ構成部材21と第2セパレータ構成部材22と第3セパレータ構成部材23とを含む。
セパレータ20は、第1セパレータ構成部材21の上方に第2セパレータ構成部材22が積層され、第2セパレータ構成部材22の上方に第3セパレータ構成部材23が積層されることで構成されている。第1セパレータ構成部材21、第2セパレータ構成部材22、および、第3セパレータ構成部材23は、例えば、金属材料で形成されている。セパレータ20は、図7Cに示すように、水平面の形状が十字形状である。
図7Bに示すように、セパレータ20のうち、第1セパレータ構成部材21は、平板であって、上面において中央部分に電気化学セル10が設置されている。第2セパレータ構成部材22は、の平板状であって、積層方向に貫通した内部空間SP22を中央部分に含み、電気化学セル10において支持体11と水素極12と電解質膜13とが積層した部分を内部空間SP22が収容している。第3セパレータ構成部材23は、平板(隔て板)であって、積層方向に貫通した内部空間SP23を中央部分に含み、内部空間SP23が電気化学セル10の酸素極14を収容している。
図7Bに示すように、第1セパレータ構成部材21と第2セパレータ構成部材22との間は、シール材層210が介在しており、シール材層210によって密封されている。第2セパレータ構成部材22と第3セパレータ構成部材23との間は、シール材層220が介在しており、シール材層220によって密封されている。シール材層220は、更に、第3セパレータ構成部材23と電解質膜13との間にも介在しており、両者の間を密封している。セパレータ20においては、水素極12が存在する内部空間SP22と、酸素極14が存在する内部空間SP23との間が、第3セパレータ構成部材23によって物理的に隔離されている。
[A-1-3]絶縁シール材40
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図7Bに示すように、積層方向に貫通した内部空間SP40を中央部分に含む。絶縁シール材40の内部空間SP40は、第3セパレータ構成部材23の内部空間SP23と連通しており、酸素極ガスの流路として機能する。また、図示を省略しているが、絶縁シール材40の内部空間SP40および第3セパレータ構成部材23の内部空間SP23には、例えば、集電材(図示省略)が設置される。複数のセパレータ20のそれぞれに収容された複数の電気化学セル10の間は、例えば、集電材(図示省略)および第1セパレータ構成部材21を介して、電気的に直列に接続される。図示を省略しているが、絶縁シール材40は、セパレータ20の場合と同様に、水平面の形状が十字形状である(図7C参照)。
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図7Bに示すように、積層方向に貫通した内部空間SP40を中央部分に含む。絶縁シール材40の内部空間SP40は、第3セパレータ構成部材23の内部空間SP23と連通しており、酸素極ガスの流路として機能する。また、図示を省略しているが、絶縁シール材40の内部空間SP40および第3セパレータ構成部材23の内部空間SP23には、例えば、集電材(図示省略)が設置される。複数のセパレータ20のそれぞれに収容された複数の電気化学セル10の間は、例えば、集電材(図示省略)および第1セパレータ構成部材21を介して、電気的に直列に接続される。図示を省略しているが、絶縁シール材40は、セパレータ20の場合と同様に、水平面の形状が十字形状である(図7C参照)。
絶縁シール材40は、絶縁材料で形成されており、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間、および、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間を、電気的に絶縁する共に、密封するために設けられている(図7A参照)。
[A-1-4]ガス流路F2
セルスタック2には、図7Cに示すように、ガス流路F2が形成されている。ガス流路F2は、第1水平方向xおよび第2水平方向yにおいて電気化学セル10を挟むように、複数が形成されている。
セルスタック2には、図7Cに示すように、ガス流路F2が形成されている。ガス流路F2は、第1水平方向xおよび第2水平方向yにおいて電気化学セル10を挟むように、複数が形成されている。
図示を省略しているが、ガス流路F2は、セルスタック2を積層方向に貫通するように形成されており、電気化学セル10の水素極12を流れる水素極ガスの流路または電気化学セル10の酸素極14を流れる酸素極ガスの流路として機能する。水素極ガスは、水素極12での反応に用いられるガスおよび水素極12での反応で生じたガスであり、酸素極ガスは、酸素極14での反応に用いられるガスおよび酸素極14での反応で生じたガスである。
水素極ガスの流路として機能するガス流路F2は、例えば、セパレータ20に形成された連通路(図示省略)を介して、セパレータ20の内部空間SP23に連通している。同様に、酸素極ガスの流路として機能するガス流路F2は、例えば、セパレータ20に形成された連通路(図示省略)を介して、セパレータ20の内部空間SP23に連通している。
[A-2]エンドプレート60
電気化学装置1において、エンドプレート60は、図7Aに示すように、一対であって、一対のエンドプレート60がセルスタック2を挟むように設置されている。エンドプレート60は、例えば、平面形状が四角形である平板である。
電気化学装置1において、エンドプレート60は、図7Aに示すように、一対であって、一対のエンドプレート60がセルスタック2を挟むように設置されている。エンドプレート60は、例えば、平面形状が四角形である平板である。
[A-3]連結部材70
電気化学装置1において、連結部材70は、図7Aおよび図7Cに示すように、複数であって、一対のエンドプレート60の間を連結するために設置されている。
電気化学装置1において、連結部材70は、図7Aおよび図7Cに示すように、複数であって、一対のエンドプレート60の間を連結するために設置されている。
連結部材70は、例えば、棒状の締結部材である雄ネジ部材(ボルトなど)を含み、その締結部材を用いて一対のエンドプレート60の間を締結している。一対のエンドプレート60のコーナー部分には、孔(図示省略)が形成されており、連結部材70である雄ネジ部材は、その一対のエンドプレート60に形成された孔を貫通するように設置されている。そして、連結部材70である雄ネジ部材は、ナットなどの雌ネジ部材(図示省略)が取り付けられることで、一対のエンドプレート60の間が締結される。
なお、連結部材70は、締結部材でなくてもよく、その場合には、一対のエンドプレート60の間は、例えば、プレスされることで締結される。また、連結部材70は、一対のエンドプレート60を貫通する他に、セルスタック2を貫通するように構成されていてもよい。
[B]課題
電気化学装置1においてセルスタック2を構成する絶縁シール材40は、積層方向に隣接して並ぶセパレータ20の間等の絶縁状態を十分に保持することが要求される。これと共に、絶縁シール材40は、酸素極ガスの流路として機能する空間(内部空間SP40、内部空間SP23)を十分に確保するために必要な厚みを有することが要求される。
電気化学装置1においてセルスタック2を構成する絶縁シール材40は、積層方向に隣接して並ぶセパレータ20の間等の絶縁状態を十分に保持することが要求される。これと共に、絶縁シール材40は、酸素極ガスの流路として機能する空間(内部空間SP40、内部空間SP23)を十分に確保するために必要な厚みを有することが要求される。
これらの要求を満たすために、絶縁シール材40として、マイカなどのコンプレッシブシール材が用いられている。しかし、絶縁シール材40としてコンプレッシブシール材を用いる場合に、十分なシール機能を得るためには、コンプレッシブシール材に大きな荷重を加える必要がある。その結果、コストの上昇が生ずる場合がある。
近年、絶縁シール材40として、ガラスシートを用いることが提案されている。ガラスシートは、ガラス成分と有機バインダー成分とを含むシートである。絶縁シール材40としてガラスシートを用いる場合において、十分なシール機能を得るために必要な荷重は、絶縁シール材40としてコンプレッシブシール材を用いる場合よりも小さい(1/10000程度)。このため、コスト低減等のメリットを得ることができる。
しかしながら、絶縁シール材40としてガラスシートを用いる場合には、電気化学装置1の運転実行によって絶縁シール材40の厚みが減少する場合がある。具体的には、ガラスシートの絶縁シール材40は、電気化学装置1の最初の運転によって実行される最初の焼成処理によって、ガラスシート中のガラス成分が焼成されると共に、ガラスシート中の有機バインダー成分が燃焼して除去される。また、このとき、ガラスシートの絶縁シール材40が軟化する。その結果、ガラスシートを用いて形成した絶縁シール材40の厚みは、電気化学装置1の運転開始後に運転実行前(最初の焼成処理前)から大きく減少する。その後、ガラスシートを用いて形成した絶縁シール材40の厚みは、運転の継続にともなって、徐々に減少する。
絶縁シール材40の厚みが減少したときには、セルスタック2において積層方向に隣接して並ぶセパレータ20の間の絶縁状態が不十分になると共に、酸素極ガスの流路として機能する空間(内部空間SP40、内部空間SP23)を十分に確保することが困難になる場合がある。その結果、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずる場合がある。特に、セルスタック2の積層方向が鉛直方向に沿う場合、セルスタック2の下側部分には大きな荷重が加わり、絶縁シール材40が薄くなりやすいため、上記のような不具合が発生しやすい。
ガラスシート以外に、電気化学装置1の運転が実行されたときに厚みが減少する材料で絶縁シール材40を形成した場合においても、同様な不具合が発生する場合がある。
上記のように、電気化学装置1の運転が実行されたときに絶縁シール材40の厚みが減少することに起因して、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずる場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、効率(発電効率、電解効率など)の低下を効果的に防止可能な電気化学装置を提供することである。
実施形態の電気化学装置は、セルスタックと一対のエンドプレートと連結部材とを備える。セルスタックは、水素極と酸素極との間に電解質膜が介在している電気化学セルを収容するセパレータ、および、絶縁材料で形成された絶縁シール材を含み、セパレータを絶縁シール材が挟むように、セパレータおよびの絶縁シール材が積層方向に交互に積層されている。一対のエンドプレートは、積層方向においてセルスタックを挟むように設置されている。連結部材は、一対のエンドプレートの間を連結するために設けられている。絶縁シール材は、電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する材料を用いて形成されている。セルスタックは、積層方向に直交する方向において絶縁シール材に並ぶように設置されているスペーサを有する。スペーサは、一対のエンドプレートの間において複数が積層方向に配置され、エンドプレートと積層方向においてエンドプレートに隣接して並ぶセパレータとの間、または、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータの間に介在している。スペーサは、電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、絶縁シール材よりも小さい材料で形成されている。電気化学装置の運転が実行される前は、スペーサの厚みが、絶縁シール材の厚みよりも薄い。そして、電気化学装置の運転が実行されたときに、スペーサの厚みが絶縁シール材の厚み以下の状態を保持するように構成されている。
<第1実施形態>
[A]電気化学装置1
図1Aは、第1実施形態に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図1Aにおいては、図7Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
[A]電気化学装置1
図1Aは、第1実施形態に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図1Aにおいては、図7Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図1Bは、第1実施形態に係る電気化学装置1を構成するセルスタック2の一部を模式的に示す図である。図1Bでは、セルスタック2において、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図1A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
図1Aおよび図1Bに示すように、本実施形態の電気化学装置1は、関連技術の場合(図7Aおよび図7C参照)と同様に、セルスタック2とエンドプレート60と連結部材70とを有する。しかし、本実施形態の電気化学装置1は、関連技術の場合と異なり、スペーサ50を更に有する。本実施形態の電気化学装置1は、この点および関連する点を除き、関連技術の場合と同様である。このため、重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
[A-1]セルスタック2
電気化学装置1において、セルスタック2は、図1Aに示すように、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。
電気化学装置1において、セルスタック2は、図1Aに示すように、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。
[A-1-1]セパレータ20
セルスタック2において、セパレータ20は、関連技術の場合と同様に構成されており、セパレータ20の内部には、電気化学セル10が収容されている(図7Bを参照)。
セルスタック2において、セパレータ20は、関連技術の場合と同様に構成されており、セパレータ20の内部には、電気化学セル10が収容されている(図7Bを参照)。
[A-1-2]絶縁シール材40
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図1Aに示すように、関連技術の場合と同様に、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間、および、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間を、電気的に絶縁する共に、密封している。
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図1Aに示すように、関連技術の場合と同様に、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間、および、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間を、電気的に絶縁する共に、密封している。
絶縁シール材40は、絶縁材料で形成されている。本実施形態では、絶縁シール材40は、電気化学装置1の運転が実行されたときに厚みが減少する材料であるガラスシートを用いて形成されている。
本実施形態では、絶縁シール材40は、図1Bに示すように、水平面の形状がセパレータ20と同じでなく、セパレータ20の上面の一部が露出する形状で構成されている。具体的には、セパレータ20の上面のうち連結部材70の近傍に位置する部分が絶縁シール材40で被覆されずに露出するように、絶縁シール材40が構成されている。
[A-1-3]スペーサ50
セルスタック2において、スペーサ50は、図1Aに示すように、一対のエンドプレート60の間において、複数が積層方向(図1Aでは、鉛直方向z)に並ぶように配置されている。ここでは、積層方向に並ぶ複数の絶縁シール材40のそれぞれに対応するように、複数のスペーサ50のそれぞれが一対のエンドプレート60の間に間隔を開けて配置されている。
セルスタック2において、スペーサ50は、図1Aに示すように、一対のエンドプレート60の間において、複数が積層方向(図1Aでは、鉛直方向z)に並ぶように配置されている。ここでは、積層方向に並ぶ複数の絶縁シール材40のそれぞれに対応するように、複数のスペーサ50のそれぞれが一対のエンドプレート60の間に間隔を開けて配置されている。
具体的には、スペーサ50は、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間に介在している。また、スペーサ50は、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間に介在している。
図1Aおよび図1Bに示すように、スペーサ50は、中央部分に貫通孔K50を有する円形のリング体であって、棒状の連結部材70が貫通孔K50を貫通している。スペーサ50は、セパレータ20の上面に支持されており、積層方向に直交する方向(図1Bでは、xy面に沿った方向)において絶縁シール材40に並ぶように設置されている。ここでは、スペーサ50と絶縁シール材40との間には、ギャップが介在している。
本実施形態では、スペーサ50は、電気化学装置1の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、ガラスシートで形成された絶縁シール材40よりも小さい材料であって、高い強度および高い絶縁性を備える材料を用いて形成されている。例えば、スペーサ50は、マイカ、アルミナ等の絶縁材料を用いて形成されている。スペーサ50において、セパレータ20に接触しない部分については、金属材料などの導電材料を用いてもよい。
本実施形態では、電気化学装置1の運転が実行される前(未使用状態のとき;最初の焼成処理前)は、図1Aに示すように、スペーサ50の厚みH1aが絶縁シール材40の厚みH2aよりも薄い(H1a<H2a)。そして、図示を省略しているが、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)には、スペーサ50の厚みH1bが絶縁シール材40の厚みH2b以下の状態を保持するように構成されている(H1b≦H2b)。
これにより、本実施形態では、セルスタック2において絶縁シール材40が薄くなる材料で形成される場合であっても、積層方向で隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向で隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間は、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持することができる。
本実施形態では、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)のスペーサ50の厚みH1bは、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)の絶縁シール材40の厚みH2bに対して、例えば、90%以下であることが好ましい(つまり、H1b≦0.9・H2b)。例えば、最初の焼成処理前の絶縁シール材40の厚みH2aが1mmであって、最初の焼成処理後の絶縁シール材40の厚みH2bが0.5mmである場合、最初の焼成処理後のスペーサ50の厚みH1bは、0.45mm以下であることが好ましい。
スペーサ50が厚すぎる場合には、絶縁シール材40が薄くなるに伴って絶縁シール材40に加わる荷重が減少する場合があるため、絶縁シール材40のシール性が低下する場合がある。スペーサ50が薄すぎる場合には、絶縁シール材40が薄くなるに伴って、絶縁シール材40の絶縁性が低下すると共に、酸素極ガスの流路として機能する空間(内部空間SP40、内部空間SP23)を十分に確保することが困難になる場合がある。このため、スペーサ50は、電気化学装置1の仕様を満たす厚みに設定される。
本実施形態では、絶縁シール材40とスペーサ50との間における上記の関係は、積層方向に直交する方向(図1Bでは、xy面に沿った方向)で並ぶ絶縁シール材40とスペーサ50との全ての組み合わせで満足している。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の電気化学装置1を構成するセルスタック2は、スペーサ50を有する。本実施形態では、上述したように、絶縁シール材40が薄くなる材料(ガラスシート)で形成されている場合であっても、積層方向において隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間は、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持する。つまり、本実施形態では、スペーサ50によって絶縁シール材40の厚みの変化が抑制される。したがって、本実施形態では、絶縁シール材40においてシール性および絶縁性が低下することを、スペーサ50によって防止可能である。その結果、本実施形態では、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずることを効果的に防止可能である。
以上のように、本実施形態の電気化学装置1を構成するセルスタック2は、スペーサ50を有する。本実施形態では、上述したように、絶縁シール材40が薄くなる材料(ガラスシート)で形成されている場合であっても、積層方向において隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間は、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持する。つまり、本実施形態では、スペーサ50によって絶縁シール材40の厚みの変化が抑制される。したがって、本実施形態では、絶縁シール材40においてシール性および絶縁性が低下することを、スペーサ50によって防止可能である。その結果、本実施形態では、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずることを効果的に防止可能である。
また、本実施形態では、スペーサ50は、貫通孔K50を有し、棒状の連結部材70が貫通孔K50を貫通している。このため、本実施形態では、電気化学装置1を組み立てる際にスペーサ50の位置合わせが容易であって、電気化学装置1を効率的に組み立てることが可能である。電気化学装置1を組み立てた後には、スペーサ50の位置ズレが生じにくいため、電気化学装置1の信頼性を十分に確保することができる。
[C]変形例
以下より、上記実施形態の変形例について説明する。
以下より、上記実施形態の変形例について説明する。
[C-1]変形例1-1
図2は、第1実施形態の変形例1-1において、セルスタック2の一部を模式的に示す図である。図2では、図1Bと同様に、図1A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
図2は、第1実施形態の変形例1-1において、セルスタック2の一部を模式的に示す図である。図2では、図1Bと同様に、図1A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
図2に示すように、本変形例では、スペーサ50は、上記実施形態の場合(図1Bを参照)と異なり、平行に並ぶ辺を含む四角形状のリング体である。このように、スペーサ50の平面形状については、種々の形状を採用することができる。この場合においても、上記実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
[C-2]変形例1-2
図3Aは、第1実施形態の変形例1-2に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図3Aにおいては、図1Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図3Aは、第1実施形態の変形例1-2に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図3Aにおいては、図1Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図3Bは、第1実施形態の変形例1-2において、セルスタック2の一部を模式的に示す図である。図3Bでは、セルスタック2において、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図3A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
本変形例においても、スペーサ50は、図3Aに示すように、積層方向に並ぶ複数の絶縁シール材40のそれぞれに対応するように、複数のスペーサ50のそれぞれが一対のエンドプレート60の間に配置されている。
しかし、本変形例では、図3Aおよび図3Bに示すように、スペーサ50は、絶縁シール材40を囲うように構成された枠体である。ここでは、スペーサ50の平面形状は、絶縁シール材40の平面形状に同様に、十字形状であって、スペーサ50と絶縁シール材40との間に、ギャップが一定の幅で介在するように、スペーサ50が構成されている。本変形例では、棒状の連結部材70がスペーサ50に貫通していないが、枠体であるスペーサ50の内部を絶縁シール材40が貫通している。このため、本変形例においても、上記実施形態の場合と同様に、スペーサ50の位置決めを容易に実行することができるので、電気化学装置1の組み立てが容易である。
<第2実施形態>
[A]電気化学装置1
図4Aは、第2実施形態に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図4Aにおいては、図1Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
[A]電気化学装置1
図4Aは、第2実施形態に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図4Aにおいては、図1Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図4Bは、第2実施形態に係る電気化学装置1を構成するセルスタック2の一部を模式的に示す図である。図4Bでは、セルスタック2において、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図4A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
図4Aおよび図4Bに示すように、本実施形態の電気化学装置1は、第1実施形態の場合(図1Aおよび図1B参照)と同様に、セルスタック2とエンドプレート60と連結部材70とスペーサ50とを有する。しかし、本実施形態の電気化学装置1は、スペーサ50の形態が、第1実施形態の場合と異なっている。本実施形態の電気化学装置1は、この点および関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
[A-1]セルスタック2
セルスタック2は、図4Aに示すように、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。
セルスタック2は、図4Aに示すように、セパレータ20を絶縁シール材40が挟むように、セパレータ20と絶縁シール材40とが積層方向(ここでは、鉛直方向z)に交互に積層されている。
[A-1-1]セパレータ20
セルスタック2において、セパレータ20は、第1実施形態の場合と同様に構成されており、セパレータ20の内部には、電気化学セル10が収容されている(図7Bを参照)。
セルスタック2において、セパレータ20は、第1実施形態の場合と同様に構成されており、セパレータ20の内部には、電気化学セル10が収容されている(図7Bを参照)。
[A-1-2]絶縁シール材40
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図4Aに示すように、第1実施形態の場合と同様に、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間、および、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間を、電気的に絶縁する共に、密封している。
セルスタック2において、絶縁シール材40は、図4Aに示すように、第1実施形態の場合と同様に、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間、および、エンドプレート60と積層方向においてエンドプレート60に隣接して並ぶセパレータ20との間を、電気的に絶縁する共に、密封している。
絶縁シール材40は、第1実施形態の場合と同様に、電気化学装置1の運転が実行されたときに厚みが減少する材料であるガラスシートを用いて形成されている。本実施形態では、絶縁シール材40は、図4Bに示すように、水平面の形状がセパレータ20と同じ形状で構成されている。
[A-1-3]スペーサ50
セルスタック2において、スペーサ50は、図4Aに示すように、一対のエンドプレート60の間に配置されている。
セルスタック2において、スペーサ50は、図4Aに示すように、一対のエンドプレート60の間に配置されている。
図4Aおよび図4Bに示すように、スペーサ50は、中央部分に貫通孔K50を有する円筒体であって、棒状の連結部材70が貫通孔K50を貫通している。ここでは、第1実施形態の場合(図1Aを参照)と異なり、一つの連結部材70に対して複数のスペーサ50が設置されずに、一つの連結部材70に対して一つのスペーサ50が設置されている。つまり、本実施形態では、一対のエンドプレート60の間において、スペーサ50は、積層方向に直交する方向(図4Aではxy面に沿った方向)では、複数が配置されているが、積層方向(図4Aでは、鉛直方向z)では、複数のスペーサ50が配置されずに、一つのスペーサ50が配置されている。
スペーサ50は、図4Aに示すように、一対のエンドプレート60のうち、積層方向で下方に位置するエンドプレート60の上面に支持されている。また、スペーサ50は、図4Bに示すように、積層方向に直交する方向(図4Bでは、xy面に沿った方向)において絶縁シール材40に並ぶように設置されている。
スペーサ50は、第1実施形態の場合と同様に、電気化学装置1の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、絶縁シール材40よりも小さい材料で形成されている。例えば、スペーサ50は、マイカ、アルミナ等の絶縁材料を用いて形成されている。
本実施形態では、電気化学装置1の運転が実行される前(未使用状態のとき;最初の焼成処理前)は、図4Aに示すように、スペーサ50の厚みH1aがセルスタック2の厚みH3aよりも薄い(つまり、H1a<H3a)。そして、図示を省略しているが、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)には、スペーサ50の厚みH1bがセルスタック2の厚みH3b以下の状態を保持するように構成されている(つまり、H1b≦H3b)。
これにより、本実施形態では、絶縁シール材40が薄くなる材料で形成されている場合であっても、セルスタック2の厚みH3bは、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持することができる。その結果、本実施形態でも、セルスタック2において、積層方向で隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向で隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間は、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持することができる。
なお、本実施形態では、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)のスペーサ50の厚みH1bは、下記式に示す関係を満たすことが好ましい。下記式において、H32bは、電気化学装置1の運転が実行されたとき(最初の焼成処理後)のセルスタック2において、複数の絶縁シール材40の厚みの値であり、H31bは、複数の絶縁シール材40以外の部分の厚みの値である。
H1b≦0.9・H32b+H31b
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の電気化学装置1を構成するセルスタック2は、第1実施形態の場合と同様に、絶縁シール材40が薄くなる材料(ガラスシート)で形成されている。本実施形態では、この場合であっても、積層方向において隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間が、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持する。つまり、本実施形態では、スペーサ50によって絶縁シール材40の厚みの変化が抑制される。したがって、本実施形態では、絶縁シール材40においてシール性および絶縁性が低下することを、スペーサ50によって防止可能である。その結果、本実施形態では、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずることを効果的に防止可能である。
以上のように、本実施形態の電気化学装置1を構成するセルスタック2は、第1実施形態の場合と同様に、絶縁シール材40が薄くなる材料(ガラスシート)で形成されている。本実施形態では、この場合であっても、積層方向において隣接して並ぶエンドプレート60とセパレータ20との間、および、積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータ20の間が、スペーサ50の厚みH1b以上の状態を保持する。つまり、本実施形態では、スペーサ50によって絶縁シール材40の厚みの変化が抑制される。したがって、本実施形態では、絶縁シール材40においてシール性および絶縁性が低下することを、スペーサ50によって防止可能である。その結果、本実施形態では、電気化学装置1においては、効率(発電効率、電解効率など)の低下が生ずることを効果的に防止可能である。
また、本実施形態では、スペーサ50は、第1実施形態の場合と同様に、貫通孔K50を有し、棒状の連結部材70が貫通孔K50を貫通している。このため、電気化学装置1を組み立てる際に、スペーサ50の位置合わせが容易である。更に、本実施形態では、第1実施形態の場合と異なり、複数の絶縁シール材40のそれぞれに対して複数のスペーサ50のそれぞれを積層方向に設置していない。積層方向に設置するスペーサ50の数は、単数である。したがって、本実施形態では、電気化学装置1の組み立てを、第1実施形態の場合よりも効率的に実行可能である。
[C]変形例
以下より、上記実施形態の変形例について説明する。
以下より、上記実施形態の変形例について説明する。
[C-1]変形例2-1
図5Aは、第2実施形態の変形例2-1に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図5Aにおいては、図4Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図5Aは、第2実施形態の変形例2-1に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図5Aにおいては、図4Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図5Bは、第2実施形態の変形例2-1において、セルスタック2の一部を模式的に示す図である。図5Bでは、セルスタック2において、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図5A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
本変形例においても、スペーサ50は、図5Aおよび図5Bに示すように、一対のエンドプレート60の間において、積層方向に直交する方向(xy面に沿った方向)では、複数が配置されているが、積層方向(鉛直方向z)では、複数のスペーサ50が配置されずに、一つのスペーサ50が配置されている。
しかし、本変形例では、図5Aおよび図5Bに示すように、スペーサ50は、積層方向に延在する棒状体である。ここでは、棒状体のスペーサ50は、棒状の連結部材70と絶縁シール材40との間に介在するように設置されている。このように、スペーサ50の形状については、種々の形状を採用することができる。この場合においても、上記実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
[C-2]変形例2-2
図6Aは、第2実施形態の変形例2-2に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図6Aにおいては、図4Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図6Aは、第2実施形態の変形例2-2に係る電気化学装置1の一例を模式的に示す側面図である。図6Aにおいては、図4Aと同様に、電気化学装置1のうち、鉛直方向zおよび第1水平方向xで規定される鉛直面(xz面)に沿った側面を図示している。
図6Bは、第2実施形態の変形例2-2において、セルスタック2の一部を模式的に示す図である。図6Bでは、セルスタック2において、第1水平方向xおよび第2水平方向yで規定される水平面(xy面)に沿った断面のうち、図6A中のZ2-Z2部分(つまり、絶縁シール材40の上面部分)を図示している。
本変形例では、図6Aおよび図6Bに示すように、一対のエンドプレート60の間に、一つのスペーサ50が配置されている。
本変形例では、スペーサ50は、絶縁シール材40と棒状の連結部材70との両者を囲うように構成された枠体である。このように、スペーサ50の形状については、種々の形状を採用することができる。この場合においても、上記実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:電気化学装置、2:セルスタック、10:電気化学セル、11:支持体、12:水素極、13:電解質膜、14:酸素極、20:セパレータ、21:第1セパレータ構成部材、22:第2セパレータ構成部材、23:第3セパレータ構成部材、40:絶縁シール材、50:スペーサ、60:エンドプレート、70:連結部材、210:シール材層、220:シール材層、F2:ガス流路、K50:貫通孔、SP22:内部空間、SP23:内部空間、SP40:内部空間
Claims (7)
- 水素極と酸素極との間に電解質膜が介在している電気化学セルを収容するセパレータ、および、絶縁材料で形成された絶縁シール材を含み、前記セパレータを前記絶縁シール材が挟むように、前記セパレータおよび前記の絶縁シール材が積層方向に交互に積層されているセルスタックと、
前記積層方向において前記セルスタックを挟むように設置された一対のエンドプレートと
前記一対のエンドプレートの間を連結するための連結部材と
を備える電気化学装置であって、
前記絶縁シール材は、前記電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する材料を用いて形成されており、
前記セルスタックは、
前記積層方向に直交する方向において前記絶縁シール材に並ぶように設置されているスペーサ
を有し、
前記スペーサは、前記一対のエンドプレートの間において複数が前記積層方向に配置され、前記エンドプレートと前記積層方向において前記エンドプレートに隣接して並ぶセパレータとの間、または、前記積層方向において隣接して並ぶ一対のセパレータの間に介在しており、
前記電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、前記絶縁シール材よりも小さい材料で前記スペーサが形成されており、
前記電気化学装置の運転が実行される前は、前記スペーサの厚みが、前記絶縁シール材の厚みよりも薄く、
前記電気化学装置の運転が実行されたときに、前記スペーサの厚みが前記絶縁シール材の厚み以下の状態を保持するように構成されている、
電気化学装置。 - 前記連結部材は、棒状であり、
前記スペーサは、前記連結部材が貫通する貫通孔を有する、
請求項1に記載の電気化学装置。 - 前記スペーサは、前記絶縁シール材を囲うように構成された枠体である、
請求項1に記載の電気化学装置。 - 水素極と酸素極との間に電解質膜が介在している電気化学セルを内部に収容するセパレータ、および、絶縁材料で形成された絶縁シール材を含み、前記セパレータを前記絶縁シール材が挟むように、前記セパレータおよび前記の絶縁シール材が積層方向に交互に積層されているセルスタックと、
前記積層方向において前記セルスタックを挟むように設置された一対のエンドプレートと
前記一対のエンドプレートの間を締結するための連結部材と
を備える電気化学装置であって、
前記絶縁シール材は、前記電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する材料を用いて形成されており、
前記セルスタックは、
前記積層方向に直交する方向において前記絶縁シール材に並ぶように設置されているスペーサ
を有し、
前記スペーサは、前記一対のエンドプレートの間に配置されており、
前記電気化学装置の運転が実行されたときに厚みが減少する割合が、前記絶縁シール材よりも小さい材料で前記スペーサが形成されており、
前記電気化学装置の運転が実行される前は、前記スペーサの厚みが、前記セルスタックの厚みよりも小さく、
前記電気化学装置の運転が実行されたときに、前記スペーサの厚みが前記セルスタックの厚み以下の状態を保持するように構成されている、
電気化学装置。 - 前記連結部材は、棒状であり、
前記スペーサは、前記連結部材が貫通する貫通孔を有する、
請求項4に記載の電気化学装置。 - 前記スペーサは、前記積層方向に延在する棒状体である、
請求項5に記載の電気化学装置。 - 前記スペーサは、前記絶縁シール材を囲うように構成された枠体である、
請求項6に記載の電気化学装置。
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