JP2024042395A - 送電コイルユニット - Google Patents

Abstract

【課題】送電コイルユニットの軽量化及び小型化を図る。
【解決手段】送電コイルユニット１００は、裏面に電子部品が取り付けられた部品取付部１１と導体パターンからなるコイルが形成されたコイル形成部１３とを有する基板１と、基板１の裏面と当接するように配置されると共に電子部品と対向する位置に電子部品を収容するための孔２１１が形成されたコア２と、基板１の部品取付部１１よりも送電コイルユニット１００の表面側に設けられて送電コイルユニット１００に対してかかる荷重を受け止める保護部材３と、を備える。そして保護部材３の、部品取付部１１と対向する場所に位置する対向部位３２の裏面側が、空間となっている。
【選択図】図２

Description

本発明は、送電コイルユニットに関する。

特許文献１には、非接触給電用の従来の送電コイルユニット（送電装置）として、送電コイルとコンデンサ（キャパシタ）などの電子部品群とを筐体で覆い、当該筐体によって送電コイル及び電子部品群を上方から加わる荷重から保護するように構成されたものが開示されている。

国際公開第２０１２／０３９０７７号

送電コイルユニットを運搬可能な薄い扁平形状の給電マットとして構成し、例えばイベント会場や避難所など、普段は非接触給電を行うことができない場所に設置して、その場所において非接触給電を行うことが考えられる。しかしながら、前述した従来の送電コイルユニットでは、送電コイル及び電子部品群を保護するために筐体が必要になるため、送電コイルユニットの小型化又は軽量化を図るのが難しく、したがって送電コイルユニットの運搬や設置を行い難いという問題点があった。

本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、送電コイルユニットの小型化又は軽量化を図ることを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のある態様による、給電対象に対して電力を非接触で伝送するための送電コイルユニットは、裏面に電子部品が取り付けられた部品取付部と導体パターンからなるコイルが形成されたコイル形成部とを有する基板と、基板の裏面と当接するように配置されると共に電子部品と対向する位置に電子部品を収容するための孔が形成されたコアと、送電コイルユニットの表面を構成すると共に送電コイルユニットに対してかかる荷重を受け止める保護部材と、を備える。そして保護部材の、部品取付部と対向する場所に位置する対向部位の裏面側が、空間となっている。

本発明のこの態様によれば、保護部材の、部品取付部と対向する場所に位置する対向部位の裏面側が空間となっているので、送電コイルユニットに荷重がかかったときに、対向部位によってその荷重を受け止めつつ、対向部位が基板の部品取付部を直接的に押圧してしまうのを抑制できる。そのため、送電コイルユニットにかかった荷重が基板の部品取付部に直接的に作用して基板がたわむのを抑制できるので、基板の裏面に取り付けられた電子部品を保護することができる。したがって、送電コイルユニットの筐体で覆う必要がなく、送電コイルユニットの小型化又は軽量化を図ることができる。

図１は、本発明の第１実施形態による送電コイルユニットの概略平面図である。 図２は、図１のII-II線に沿う送電コイルユニットの概略断面図である。 図３は、図２のIII-III線に沿う送電コイルユニットの概略断面図である。 図４は、本発明の第２実施形態による送電コイルユニットの概略平面図である。 図５は、図４のV-V線に沿う送電コイルユニットの概略断面図である。 図６は、図５のVI-VI線に沿う送電コイルユニットの概略断面図である。

以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。

図１は、本発明の第１実施形態による送電コイルユニット１００の概略平面図である。図２は、図１のII-II線に沿う送電コイルユニット１００の概略断面図である。図３は、図２のIII-III線に沿う送電コイルユニット１００の概略断面図である。

送電コイルユニット１００は、外部交流電源などの電源から供給された電力を給電対象に対して非接触で伝送することができるように構成される。給電対象は特に種類が限られるものではなく、車両やドローンなどの移動体であってもよいし、通信機器や家電製品などであってもよい。送電コイルユニット１００は運搬可能であり、例えばイベント会場や避難所など、普段は非接触給電を行うことができない場所に設置されて、その場所で使用される給電対象に対して非接触給電を行うことができるように構成される。この際、複数の送電コイルユニット１００を互いに電気的に連結できるようにして、給電範囲を自由に拡大できるようにしてもよい。

以下、図１から図３を参照して、本実施形態による送電コイルユニット１００の各構成部品の詳細について説明する。本実施形態による送電コイルユニット１００は、プリントコイル基板１と、コア２と、スペーサ３と、底板４と、を備え、車両が容易に乗り上げることができるように薄い扁平な形状をしている。

プリントコイル基板１は、例えばその表面などに導体パターンからなる送電コイル（図示せず）が形成された硬質のプリント回路板である。プリントコイル基板１の中央部裏面側には、例えばコンデンサ６などの電子部品がはんだ付けなどによって取り付けられている。

図３に示すように、プリントコイル基板１において、裏面側にコンデンサ６などの電子部品が取り付けられている中央部の領域を「部品取付部１１」と称すると、プリントコイル基板１には、部品取付部１１の周りを取り囲むように、後述するコア２の上部コア２２の突出部２２２を嵌合（又は挿通）させるためのＣ字形の溝状のコア嵌合孔１２が形成されている。そして、このコア嵌合孔１２よりも外側の領域（以下「コイル形成部」という。）１３に、導体パターンからなる円形又は矩形の送電コイルがコア嵌合孔１２の周りを取り囲むように形成されている。

プリントコイル基板１に形成された送電コイルは、プリントコイル基板１に取り付けられたコンデンサ６などと共に共振回路を形成し、送電コイルユニット１００の上に配置された給電対象に対して磁界共振結合（磁界共鳴）による非接触電力伝送を行う。

コア２は、それぞれフェライトなどの磁性材料によって構成された下部コア２１及び上部コア２２を備える。

下部コア２１は、その中央部に孔２１１が形成された扁平な板状体であり、プリントコイル基板１の裏面側に配置される。下部コア２１の孔２１１は、下部コア２１の表面にプリントコイル基板１を配置し、下部コア２１の裏面に底板４を配置したときに、プリントコイル基板１に取り付けられたコンデンサ６などの電子部品が収容される部品収容空間７として機能する。すなわち部品収容空間７は、下部コア２１の表面にプリントコイル基板１を配置し、下部コア２１の裏面に底板４を配置したときに、プリントコイル基板１の裏面、下部コア２１の孔２１１の内周面、及び底板４の表面によって区画形成される空間である。本実施形態では下部コア２１は、プリントコイル基板１の裏面に接着されている。

上部コア２２は、プリントコイル基板１の部品取付部１１の表面を覆う扁平な板状の頂部２２１と、頂部２２１から下方に突出してプリントコイル基板１のコア嵌合孔１２に嵌合させられる突出部２２２と、を備える。本実施形態では上部コア２２の頂部２２１の裏面は、プリントコイル基板１の部品取付部１１に当接している。

底板４は、電磁シールドとして機能する金属材料（例えばアルミニウムや銅）によって構成された扁平な板状体であり、下部コア２１の裏面側に全面的に配置される。底板４は、送電コイルユニット１００の裏面側から磁束が外部に漏れ出るのを抑制する。本実施形態では底板４は、下部コア２１の裏面に接着されている。

スペーサ３は、送電コイルユニット１００の表面を平面にするために、すなわち、プリントコイル基板１と上部コア２２との間に生じる段差をなくすために、プリントコイル基板１の表面に配置されて送電コイルユニット１００の表面を構成する樹脂製の部材である。

ここで図２に示すように、本実施形態による送電コイルユニット１００は、底板４、コア２、プリントコイル基板１、及びスペーサ３を積層した積層体であり、当該積層体を内蔵して保護する筐体を備えていない。そのため、筐体を備えていない分だけ送電コイルユニット１００の軽量化及び小型化を図ってその運搬や設置などを容易に行うことができる。しかしながらその一方で、給電時には、送電コイルユニット１００の上に乗り上げた車両などの給電対象の荷重が、送電コイルユニット１００に直接的にかかることになる。このとき、給電対象の荷重によってプリントコイル基板１がたわんで部品収容空間７が圧縮されてしまうと、その内部に収容されたコンデンサ６などの電子部品が押し潰されて破損するおそれがある。

そこで本実施形態では、スペーサ３によって、部品収容空間７に収容されたコンデンサ６などの電子部品を送電コイルユニット１００の上に乗り上げた車両などの給電対象の荷重から保護するようにしている。具体的には本実施形態によるスペーサ３は、厚肉部３１と、薄肉部３２と、を備える。

厚肉部３１は、コイル形成部１３に配置されてその表面に接着される部分であって、その表面の位置が、上部コア２２の頂部２２１の表面よりも高くなるような厚みを有する。

薄肉部３２は、厚肉部３１をコイル形成部１３に配置したときに、プリントコイル基板１の部品取付部１１と対向する場所に位置する部分であって、厚肉部３１よりも厚さが薄くされた部分である。薄肉部３２の表面の高さは、厚肉部３１の表面の高さと同じにされる。薄肉部３２は、厚肉部３１との肉厚差によってその裏面が何物にも当接しておらず、薄肉部３２の裏面側が、薄肉部３２の裏面、厚肉部３１の内周面、及び上部コアの頂部表面とによって区画形成される空間８となっている。

このように、厚肉部３１をコイル形成部１３に接着することで、すなわちスペーサ３とプリントコイル基板１とを接着して一体とすることで、接着しない場合と比較してそれらの剛性を高めてたわみにくくすることができる。そのため、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、その荷重によってプリントコイル基板１がたわんで部品収容空間７が圧縮されてしまうのを抑制できる。したがって、部品収容空間７が圧縮されて内部のコンデンサ６が押し潰されるなどして破損してしまうのを抑制することができる。

また、プリントコイル基板１の部品取付部１１と対向している薄肉部３２の裏面が何物にも当接しておらず、その裏面側が空間８となっているので、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、薄肉部３２によってプリントコイル基板１の部品取付部１１が直接的に押圧されるのを抑制することができるので、プリントコイル基板１がたわむのを抑制することができる。したがって、部品収容空間７が圧縮されて内部のコンデンサ６が押し潰されるなどして破損してしまうのを抑制することができる。

このように、プリントコイル基板１の部品取付部１１と対向している薄肉部３２の裏面を何物にも当接させずにその裏面側を空間８とするだけでも、また、厚肉部３１をコイル形成部１３に接着させるだけでも、プリントコイル基板１がたわむのを抑制して部品収容空間７に収容された電子部品が破損してしまうのを抑制するという効果は得ることはできるが、本実施形態のように、それらを組み合わせることで、プリントコイル基板１がたわむのをより一層抑制することができる。

以上説明した本実施形態による送電コイルユニット１００は、裏面に電子部品が取り付けられた部品取付部１１と、導体パターンからなるコイルが形成されたコイル形成部１３と、を有するプリントコイル基板１（基板）と、プリントコイル基板１の裏面と当接するように配置されると共に電子部品と対向する位置に電子部品を収容するための孔２１１が形成されたコア２と、送電コイルユニット１００の表面を構成すると共に送電コイルユニット１００に対してかかる荷重を受け止めるスペーサ３（保護部材）と、を備える。

そして、スペーサ３の、部品取付部１１と対向する場所に位置する薄肉部３２（対向部位）の裏面側が、空間８となっているので、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、薄肉部３２によってプリントコイル基板１の部品取付部１１が直接的に押圧されるのを抑制することができる。そのため、送電コイルユニット１００にかかった荷重がプリントコイル基板１の部品取付部１１に直接的に作用してプリントコイル基板１がたわむのを抑制できるので、プリントコイル基板１のたわみに起因してプリントコイル基板１の裏面に取り付けられた電子部品が押し潰されるなどして破損してしまうのを抑制することができる。

このように本実施形態による送電コイルユニット１００によれば、筐体がなくてもプリントコイル基板１に取り付ける電子部品を保護することができるので、送電コイルユニット１００の小型化及び軽量化を図ることができる。

また本実施形態によるスペーサ３は、コイル形成部１３に配置されてその表面に接着される厚肉部３１と、薄肉部３２と、を備え、薄肉部３２は、厚肉部３１との肉厚差によってその裏面が何物にも当接しておらず、その裏面側が空間８となっている。

このように、厚肉部３１をコイル形成部１３に接着させることで、スペーサ３とプリントコイル基板１とを一体として、それらの剛性を高めることができるので、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、プリントコイル基板１がたわむのをより一層抑制することができる。そのため、送電コイルユニット１００の耐荷重を高くすることができる。

（第２実施形態）
次に本発明の第２実施形態について説明する。本実施形態は、コア２によって荷重を受け止める点で、送電コイルユニット１００の構成が第１実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。

図４は、本発明の第２実施形態による送電コイルユニット１００の概略平面図である。図５は、図４のV-V線に沿う送電コイルユニット１００の概略断面図である。図６は、図５のVI-VI線に沿う送電コイルユニット１００の概略断面図である。

図４及び図５に示すように、本実施形態によるスペーサ３は、その中央部に上部コア２２の頂部２２１をはめ込むためのスペーサ用コア嵌合孔３３が形成された扁平な板状体であって、コイル形成部１３の表面に配置される。スペーサ３の厚みは、スペーサ３の表面の高さが上部コア２２の頂部２２１の表面と一致するように調整される。

そして本実施形態では、頂部２２１の裏面がプリントコイル基板１の部品取付部１１の表面に当接しないように、上部コア２２の突出部２２２の長さ（高さ）を調節することで、頂部２２１の裏面側に、頂部２２１の裏面、突出部２２２の内周面、及びプリントコイル基板１の部品取付部１１の表面によって、空間８を形成している。これにより、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、その荷重を上部コア２２で受け止めつつ、上部コア２２の頂部２２１によってプリントコイル基板１の部品取付部１１が直接的に押圧されるのを抑制することができる。このように、スペーサ３ではなく、コア２を送電コイルユニット１００に対してかかる荷重を受け止める保護部材として機能させることもできる。

以上説明した本実施形態による送電コイルユニット１００のプリントコイル基板１（基板）は、部品取付部１１を取り囲むように部品取付部１１の周りに形成された溝状のコア嵌合孔１２を有し、コア２は、保護部材としての上部コア２２と、プリントコイル基板１の裏面と当接するように配置されると共に孔２１１を有する下部コア２１と、を備える。

そして上部コア２２は、部品取付部１１と対向する対向部位としての頂部２２１と、頂部２２１から下部コア２１まで延びてコア嵌合孔１２に嵌合（又は挿通）させられる突出部２２２と、を備え、頂部２２１の裏面が何物にも当接しておらず、その裏面側が空間８となっている。そのため、送電コイルユニット１００に荷重がかかったときに、その荷重を上部コア２２で受け止めつつ、上部コア２２の頂部２２１によってプリントコイル基板１の部品取付部１１が直接的に押圧されるのを抑制することができる。

したがって、送電コイルユニット１００にかかった荷重がプリントコイル基板１の部品取付部１１に直接的に作用してプリントコイル基板１がたわむのを抑制することができるので、プリントコイル基板１のたわみに起因してプリントコイル基板１の裏面に取り付けられた電子部品が押し潰されるなどして破損してしまうのを抑制することができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

１ プリントコイル基板（基板）
２ コア（保護部材）
３ スペーサ（保護部材）
４ 底板
７ 部品収容空間
８ 空間
１１ 部品取付部
１２ コア嵌合孔（溝状の孔）
２１ 下部コア
２２ 上部コア
２２１ 頂部（対向部位）
２２２ 突出部
３２ 薄肉部（対向部位）
１００ 送電コイルユニット
２１１ 孔

Claims (4)

1. 給電対象に対して電力を非接触で伝送するための送電コイルユニットであって、
   裏面に電子部品が取り付けられた部品取付部と、導体パターンからなるコイルが形成されたコイル形成部と、を有する基板と、
   前記基板の裏面と当接するように配置されると共に、前記電子部品と対向する位置に前記電子部品を収容するための孔が形成されたコアと、
   前記送電コイルユニットの表面を構成すると共に前記送電コイルユニットに対してかかる荷重を受け止める保護部材と、
   を備え、
   前記保護部材の、前記部品取付部と対向する場所に位置する対向部位の裏面側が、空間となっている、
   送電コイルユニット。
2. 前記保護部材は、前記基板の表面と当接するように配置されたスペーサであって、
   前記スペーサは、
   前記コイル形成部に配置されてその表面に接着される厚肉部と、
   前記対向部位としての薄肉部と、
   を備え、
   前記薄肉部は、前記厚肉部との肉厚差によってその裏面が何物にも当接しておらず、その裏面側が空間となっている、
   請求項１に記載の送電コイルユニット。
3. 前記基板は、前記部品取付部を取り囲むように前記部品取付部の周りに形成された溝状の孔を有し
   前記コアは、
   前記保護部材としての上部コアと、
   前記基板の裏面と当接するように配置されると共に前記孔を有する下部コアと、
   を備え、
   前記上部コアは、
   前記対向部位としての頂部と、
   前記頂部から下部コアまで延びて前記溝状の孔を挿通する突出部と、
   を備え、
   前記頂部の裏面が何物にも当接しておらず、その裏面側が空間となっている、
   請求項１に記載の送電コイルユニット。
4. 前記コアの裏面に配置されると共に接着される底板を備え、
   前記電子部品は、前記基板の裏面、前記底板の表面、及び前記孔の内周面によって区画形成される部品収容空間に収容される、
   請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の送電コイルユニット。

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