JP2024041615A - ドライブユニットおよび電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブユニットを小型化する。【解決手段】実施形態の一例であるドライブユニット20Aは、モータ40と、ハウジングと、ハウジングから突出し、ハウジングに対して回転可能に取り付けられたクランク軸30と、モータの回転力を出力する出力体62と、モータ40の回転力を出力体62へ伝達する動力伝達機構50とを備える。そして、クランク軸30は内部に中空部31を有し、動力伝達機構50の少なくとも一部が、中空部31に収容されている。【選択図】図2

Description

本開示は、ドライブユニットおよびドライブユニットを備えた電動車両に関する。
従来、電動車両に用いられるドライブユニットとして、モータおよびモータの回転力を伝達する動力伝達機構を備えるドライブユニットが知られている。特許文献1には、動力伝達機構に遊星歯車機構を含むドライブユニットが開示されている。
米国特許第10035561号明細書
特許文献1に開示されたドライブユニットは、クランク軸の径方向外側にモータを配置し、モータ径を大口径化することで、ドライブユニットの高出力化を図っている。しかしながら、ドライブユニットの小型化については考慮されておらず、小型化について改良の余地がある。電動車両に用いられるドライブユニットにおいて、ドライブユニットを小型化することは重要な課題である。
本開示の一態様である電動車両に用いられるドライブユニットは、モータと、ハウジングと、ハウジングから突出し、ハウジングに対して回転可能に取り付けられたクランク軸と、モータの回転力を出力する出力体と、モータの回転力を出力体へ伝達する動力伝達機構とを備え、クランク軸は中空部を有し、動力伝達機構の少なくとも一部が中空部に収容されている。
本開示に係るドライブユニットによれば、ドライブユニットを小型化できる。本開示に係るドライブユニットは、小型でありながら、電動車両の駆動源として十分な出力特性を発揮する。
第1実施形態の一例である電動アシスト自転車の外観を示す図である。 第1実施形態のドライブユニットの断面図である。 第1実施形態のドライブユニットのクランク軸近傍の左側拡大断面図である。 第1実施形態のドライブユニットのクランク軸近傍の右側拡大断面図である。 第1実施形態のドライブユニットの分解斜視図である。 第1実施形態のドライブユニットのクランク軸の斜視図である。 第1実施形態のドライブユニットの人力伝達体の斜視図である。 第1実施形態のドライブユニットの出力体の斜視図である。 図3中のAA線断面図である。 図4中のBB線断面図である。 図4中のCC線断面図である。 第1実施形態のドライブユニットの変形例のクランク軸の近傍の拡大断面図である。 図12中のDD線断面図である。 第1実施形態の制御基板の斜視図である。 第1実施形態の通電ユニットの斜視図である。 第1実施形態のクランク軸およびクランクアームの斜視図である。 第1実施形態のクランクアームの固定部品の断面図である。 第2実施形態のドライブユニットの断面図である。 第2実施形態のドライブユニットのクランク軸の近傍の拡大断面図である。 第2実施形態のドライブユニットのハウジングの斜視図である。 第3実施形態のドライブユニットの断面図である。 第4実施形態のドライブユニットの断面図である。 第5実施形態のドライブユニットの断面図である。 第6実施形態のドライブユニットの断面図である。
以下、本開示のドライブユニットおよびドライブユニットを備えた電動車両の実施形態について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本開示は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例を選択的に組み合わせてなる形態は、本開示に含まれている。
[第1実施形態]
以下、本開示のドライブユニットおよび電動車両の第1実施形態について、図1~17に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の電動車両である電動アシスト自転車1の外観を示す右側面図である。なお、本開示の電動車両は、電動アシスト自転車1に限定されず、モータの動力により走行する電動車両であればよい。また、本開示の電動アシスト自転車1は、図1に例示するようなスポーツサイクルに限定されず、例えば、シティーサイクル、折り畳み式の自転車等であってもよい。本開示の実施形態における前後、左右、上下とは、電動アシスト自転車1のサドルに乗員がハンドルに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。
電動アシスト自転車1は、ドライブユニット20Aと、当該ユニットに電力を供給する蓄電装置10とを備え、運転者の踏力による駆動力(人力駆動力)をドライブユニット20Aのモータ40(後述の図2参照)の動力でアシストする機能を有する。電動アシスト自転車1は、一般的な自転車と同様に、フレーム2、前輪3A、後輪3B、ハンドル4、サドル5、および前照灯9を備える。
フレーム2は、前輪3A、後輪3B、ハンドル4、サドル5等を連結する骨組みである。フレーム2は、複数のパイプで構成される。複数のパイプとして、ヘッドパイプ2A、フロントフォーク2B、トップパイプ2C、ダウンパイプ2D、シートパイプ2E、シートステー2F、チェーンステー2G、およびボトムブラケット(図示せず)が設けられている。ボトムブラケットハンガーは、ダウンパイプ2Dと、シートパイプ2Eと、チェーンステー2Gとを繋ぐ箇所である。
ドライブユニット20Aは、ペダル7がそれぞれ取り付けられた一対のクランクアーム6を備える。クランクアーム6は、電動アシスト自転車1の左右に1つずつ設けられている。クランクアーム6の内部には、後述するモータ40等を収容する空間が形成されている。一対のクランクアーム6の各一端部にペダル7が取り付けられ、一対のクランクアーム6の他端部同士は、クランク軸30(図2参照)で連結されている。ドライブユニット20Aは、フロントスプロケット70を有する。電動アシスト自転車1は、フロントスプロケット70の回転力を後輪3Bに伝達する動力伝達機構としてチェーン8を備える。チェーン8は、フロントスプロケット70と、後輪3Bに設けられた後輪スプロケット11を連結している。なお、フロントスプロケット70と後輪スプロケット11とは、ベルトまたはシャフトドライブにより連結してもよい。
蓄電装置10は、ドライブユニット20Aの後述する通電ユニット90に電力を供給する電源装置である。蓄電装置10は、図1に示すように、シートパイプ2Eに収容されている。なお、蓄電装置10の位置は、シートパイプ2Eに設置されていてもよく、トップパイプ2Cまたはダウンパイプ2Dに設置されていてもよい。また、後述する第2実施形態(後述の図19参照)に示すように、クランクアーム6またはペダル7など回転物に収容されていてもよい。蓄電装置10には、二次電池を用いることが好ましいが、一次電池を用いてもよい。蓄電装置10の電圧は、12~48Vであることが好ましい。また、蓄電装置10には、電圧変換用の回路を設けてもよい。電圧変換用の回路は、蓄電装置10内部に設けてもよいし、蓄電装置10の外部に設けてもよい。
次に、図2を用いて、第1実施形態のドライブユニット20Aについて説明する。図2は、ドライブユニット20Aの断面図である。
ドライブユニット20Aは、ペダル7の踏力をアシストする駆動ユニットである。図2に示すように、ドライブユニット20Aは、ペダル7の踏力をアシストするための回転力を付与するモータ40と、カバー21を含むハウジングと、カバー21に対して回転可能に取り付けられたクランク軸30とを備える。ドライブユニット20Aは、さらに、モータ40の回転力を出力する出力体62と、モータ40の回転力を出力体62へ伝達する動力伝達機構50とを備える。動力伝達機構50は、第1遊星歯車機構51と、第2遊星歯車機構52と、2つのワンウェイクラッチ56とを含む。
クランク軸30は、カバー21を中心軸32方向に貫通する。ここで、中心軸32とは、クランク軸30の径方向中心を通る、クランク軸30の回転軸である。クランク軸30は、内部に中空部31を有する筒状部材である。中空部31には、動力伝達機構50の少なくとも一部が収容されている。これにより、動力伝達機構50を備えつつ、ドライブユニット20Aを小型化できる。つまり、電動アシスト自転車1の運転時に必要な減速比などの性能を確保しつつ、小型化したドライブユニット20Aを実現できる。
モータ40は、ステータ41と、ロータ42と、ロータ42と一体に回転するモータ軸44とを備える。モータ40は、左クランクアーム6Aの内部およびクランク軸30内部の中空部31に収容されている。これにより、モータ40のサイズを十分確保しつつ、ドライブユニット20Aを小型化できる。つまり、電動アシスト自転車1の駆動源として十分な出力特性を発揮しつつ、小型化したドライブユニット20Aを実現できる。
ドライブユニット20Aは、上記のように、ペダル7がそれぞれ取り付けられた一対のクランクアーム6を備える。一対のクランクアーム6は、クランク軸30の両端に連結されている。クランク軸30は、ペダル7に加えられた踏力による駆動力(人力駆動力)により回転する。
ドライブユニット20Aは、さらに、クランク軸30と一体に回転するように取り付けられた人力伝達体61を備える。人力伝達体61は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸する筒状部材であり、カバー21内において、クランク軸30の外周部に沿って配置されている。人力伝達体61の左側端部の内周部は、クランク軸30の外周部と嵌合している。これにより、人力伝達体61は、クランク軸30と一体に回転する。また、人力伝達体61の右側端部の外周部は、出力体62の左側端部の内周部と嵌合している。これにより、出力体62は、人力伝達体61と一体に回転する。
ドライブユニット20Aは、さらに、フロントスプロケット70を備える。フロントスプロケット70は、出力体62に固定され、モータ40の回転力を出力する。フロントスプロケット70と後輪スプロケット11(図1参照)とは、上記のように、チェーン8(図1参照)を介して連結されている。
ドライブユニット20Aにおける、動力伝達経路の概要は下記の通りである。まず、ペダル7に加えられる人力駆動力の動力伝達経路について説明する。運転者が電動アシスト自転車1のペダル7を漕ぐことにより、クランク軸30が正方向に回転する。ここで、正方向の回転とは、電動アシスト自転車1を前進させる方向の回転を意味する。クランク軸30が正方向に回転すると、クランク軸30の外周部と嵌合する人力伝達体61が、クランク軸30と一体に正方向に回転する。そして、人力伝達体61の正方向に回転する回転力は、モータ40の回転力を出力する出力体62に伝達される。そして、出力体62および出力体62に固定されているフロントスプロケット70が一体に正方向に回転する。フロントスプロケット70が正方向に回転すると、チェーン8を介して後輪スプロケット11に正方向の回転力がかかり、後輪スプロケット11および後輪3Bが正方向に回転する。これにより、電動アシスト自転車1は前進する。
次に、モータ40の回転力の動力伝達経路について説明する。モータ40のモータ軸44が正方向に回転すると、その回転力は、後述する第1遊星歯車機構51、第2遊星歯車機構52等を含む動力伝達機構50を介して出力体62に伝達される。つまり、出力体62は、前述の人力伝達体61からの回転力と、モータ40の回転力とが合わさる合力体として機能する。出力体62に伝達されたモータ40の回転力は、前述の人力駆動力と同様の動力伝達経路で後輪3Bへ伝達され、電動アシスト自転車1は前進する。
ドライブユニット20Aは、さらに、人力駆動力のトルクを検出するトルクセンサ80と、検出したトルクに応じてモータ40の出力を制御し、適切な電動アシスト機能を実現するための制御装置100とを備える。
トルクセンサ80は、人力伝達体61の外周部に設けられ、人力伝達体61にかかるひずみを検出する。トルクセンサ80としては、例えば、物理的なひずみを検出するひずみセンサ、または磁気的なひずみを検出するひずみセンサを用いることができる。また、例えば、力学的刺激に対して発光する塗料を人力伝達体61の外周部に塗布し、その光を光学センサで検出する方式を用いることもできる。トルクセンサ80を人力伝達体61の外周部に設けることで、左右のクランクアーム6に作用するトルクを検出できる。
ドライブユニット20Aでは、人力伝達体61の外周部の周方向に対して対面となる位置に、それぞれ1つずつ、合計2つのトルクセンサ80を設けている。なお、トルクセンサ80は、人力伝達体61の外周部に1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。また、トルクセンサ80の設置場所は人力伝達体61の外周部に限定されず、例えば、クランク軸30、クランクアーム6、またはスパイダーアーム71に設けてもよい。また、例えば、左右のクランクアーム6にそれぞれトルクセンサ80を設け、左右のペダル7にかかる人力駆動力のトルクの検出や演算等を行ってもよい。また、例えば、後輪ハブにトルクセンサ80を設け、モータ40のトルクを差し引くことで人力駆動力のトルクの検出を行ってもよい。
制御装置100は、例えば、マイコン等が実装された制御基板である。制御装置100は、トルクセンサ80により検出されたトルクに基づいて、モータ40の回転を制御する。このような制御装置100は、様々なものが適宜利用可能であり、詳細な説明は省略する。トルクセンサ80と制御装置100との通信は、信号線を用いてもよいが、無線通信を用いてもよい。例えば、非接触給電回路を用いてトルクセンサ80の信号を制御装置100へ無線送信してもよい。また、例えば、トルクセンサ80用の蓄電装置を設置し、無線通信デバイス(Bluetoothまたはant+)を用いてトルクセンサ80の信号を制御装置100へ送信してもよい。このとき、トルクセンサ80用の蓄電装置は、クランク軸30の内部に設けても良いし、クランクアーム6に配置しても良い。また、トルクセンサ80の信号を増幅させるアンプ回路を設けてもよい。
制御装置100の設置場所は特に限定されず、例えば、図2に示すように左クランクアーム6Aに収容してもよいし、ハウジングの外周部に設置してもよい。また、例えば、制御装置100はフレーム2(図1参照)の内部に収容してもよい。モータ40をクランクアーム6もしくはクランク軸30に収容する場合、制御基板は、クランクアーム6もしくはクランク軸30に収容することが好ましい。これにより、制御基板とモータ40との電気的な接続が容易になる。
制御基板は、1枚の基板により構成されていてもよいし、複数の基板により構成されていてもよい。複数の制御基板を用いることで、基板1枚当たりの大きさを小型化でき、狭いスペースに制御基板を収容することが容易になる。さらに、複数の制御基板が左右のクランクアーム6の各々に収容されていてもよい。
ドライブユニット20Aは、さらに、通電ユニット90を備える。通電ユニット90は、フレーム2に収容されている蓄電装置10(図1参照)から、クランク軸30または左クランクアーム6Aに収容されているモータ40等の機器へ電力を供給する。通電ユニット90の詳細については後述する。
以下、図3~図5を用いて、ドライブユニット20Aについて、さらに詳細に説明する。図3は、ドライブユニット20Aの左側部分の拡大断面図である。図4は、ドライブユニット20Aの右側部分の拡大断面図である。図5は、ドライブユニット20Aの分解斜視図である。
図3~図5に示すように、ドライブユニット20Aは、中空部31を有するクランク軸30と、クランク軸30の両端に連結された左クランクアーム6Aと、右クランクアーム6Bを備える。左クランクアーム6Aの内部には空間が形成されており、左クランクアーム6A内部の空間と、中空部31はつながっている。
図3に示すように、左クランクアーム6Aには、モータ40と、モータ40の回転を読み取るためのロータ回転検出基板105と、クランク軸30の回転を読み取るためのクランク軸回転検出基板106が収容されている。図3および図4に示すように、クランク軸30内部の中空部31には、左側から、モータ軸44、第1遊星歯車機構51、ワンウェイクラッチ56、および第2遊星歯車機構52の一部が収容されている。また、中空部31には、モータ軸44を中心軸32回りに回転可能に支持する軸受23と、第2遊星歯車機構52に含まれる太陽歯車521を、中心軸32回りに回転可能に支持する軸受24が収容されている。
クランク軸30の外周部には、人力伝達体61および出力体62が取り付けられている。人力伝達体61および出力体62は、クランク軸30と一体に回転するように取り付けられている。人力伝達体61の外周部には、2つのトルクセンサ80が設けられている。
クランク軸30の径方向外側には、カバー21が設けられている。カバー21は、人力伝達体61および出力体62の左側を収容する。また、カバー21の内部には、クランク軸30を中心軸32回りに回転可能に支持する、2つの軸受22が収容されている。カバー21の中央部には、通電ユニット90が挿入され、固定されている。また、通電ユニット90と制御装置100とは通電部材101で接続されている。
ハウジングは、ドライブユニット20Aの外殻を構成する。本実施形態において、ハウジングは、カバー21およびボトムブラケットを含む。カバー21は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸する筒状部材である。カバー21は、後述する図19に示すように、電動アシスト自転車1のボトムブラケットの内部に収容され、ネジ等によりボトムブラケットに固定されている。なお、カバー21とボトムブラケットとは、一体に構成されていてもよい。すなわち、カバー21を設けず、ボトムブラケットのみを設けてもよい。また、カバー21をボトムブラケットに固定する際、カバー21と固定部材との間に緩衝材28を設けることが好ましい。緩衝材28として、例えば、樹脂製のリング、弾性を有する接着剤を用いることができる。緩衝材28を設けることで、カバー21とネジ部材27が接触する際に発生する軋み音を防止できる。
図5に示すように、カバー21の中央部近傍には、後述する通電ユニット90の一部を挿入する挿入孔25が形成されている。これにより、通電ユニット90をカバー21に固定できる。カバー21の材質は特に限定されず、例えばアルミニウム、ステンレス鋼等の金属により作製してもよいし、樹脂材料等の非金属により作製してもよい。
モータ40は、上記の通り、ステータ41と、ロータ42と、ロータ42と一体に回転するモータ軸44とを備える。ステータ41およびロータ42は、左クランクアーム6Aの内部に収容されており、モータ軸44は、左クランクアーム6Aおよびクランク軸30の内部に収容されている。これにより、モータ40のサイズを十分確保しつつ、ドライブユニット20Aを小型化できる。
ステータ41は、圧入、接着剤またはピンによって左クランクアーム6Aの内部に固定される。このとき、ステータ41と左クランクアーム6Aとの間に、ゴム部材およびウレタン等の弾性部材を設けてもよい。弾性部材を設けることで、ステータ41の振動を低減できる。また、ステータ41と左クランクアーム6Aとの間に、放熱シートまたは放熱ペースト(放熱グリス、放熱ジェル等)を設けてもよい。これにより、モータ40の放熱性を向上させ、モータ40のオーバーヒートおよび振動を抑制できる。
ステータ41の直径は、100mm以下であることが好ましい。これにより、モータ40を左クランクアーム6Aの内部に収容することが容易になり、ドライブユニット20Aを小型化できる。また、ステータ41の直径は、モータ軸44の直径以上であることが好ましい。これにより、モータ軸44より得られるトルクを安定させることができる。
ロータ42は、ステータ41の内側に配置される。ロータ42とモータ軸44とは、セレーションにより固定されていることが好ましい。また、ロータ42とモータ軸44とは、圧入、焼嵌め、または冷し嵌め等で固定されていてもよい。さらに、ロータ42とモータ軸44とを固定する際、ロータ42とモータ軸44の間にゴム部材およびウレタン等の弾性部材を設けてもよい。
モータ軸44は、回転の中心軸がクランク軸30の中心軸32と同軸上に配置され、中心軸32方向にロックリング33を貫通している。ここで、ロックリング33は、左クランクアーム6Aがクランク軸30から抜け落ちることを防止するためのものである。モータ軸44の中心軸をクランク軸30の中心軸32上に配置することで、モータ40の回転力を中空部31に収容された動力伝達機構50に伝達する際、回転方向を変換する歯車等が不要になる。これにより、ドライブユニット20Aを小型化できる。
モータ軸44は、ロックリング33内に設けられた2つの軸受23によって中心軸32回りに回転可能に支持されている。なお、軸受23の配置位置は、ロックリング33の内部に限定されず、例えば、クランク軸30またはクランクアーム6の内部に設けてもよい。モータ軸44の先端のロックリング33の外に突出した部分の外周部には、後述する第1遊星歯車機構51の遊星歯車513と噛合する歯部が形成されている。
第1実施形態では、図3に示すように、1つのモータ40を設けているが、2つ以上のモータ40を設けてもよい。2つ以上のモータ40を設けることで、より高い出力を発揮できる。例えば、左クランクアーム6Aと右クランクアーム6Bの内部に1つずつモータを設けてもよい。また、モータ40は、クランク軸30の内部に設けてもよい。また、2つ以上のモータ40を設ける場合、出力特性の異なるモータを設けてもよい。
モータ40は、図3に示すようなインナーロータ型に限定されず、アウターロータ型でもよいし、アキシャルギャップ型でもよい。アキシャルギャップ型を用いると、クランクアーム6をより扁平化が可能となる。
次に、モータ40の回転を読み取るためのロータ回転検出基板105について説明する。ロータ回転検出基板105は、図3に示すように、ロータ42の近傍においてロータ42の回転軸方向に重なる位置に配置されており、ネジ等により左クランクアーム6Aに固定されている。ロータ回転検出基板105には、ホール素子が配置されている。ホール素子が、ロータ42が回転することによる磁界の変動を検知することで、ロータ42の回転数を計測できる。なお、ホール素子が検知する磁力は、ロータ42と共に回転する部材の磁力でもよい。
ロータ回転検出基板105で検知した信号は、制御装置100に出力される。ロータ回転検出基板105と制御装置100との通信は、信号線を用いてもよいし、無線通信を用いてもよい。また、ロータ回転検出基板105は、制御基板に直接取り付けてもよい。直接取り付けることで、接続するコネクタや配線が不要となり、ドライブユニット20Aの小型化を図りやすくなる。また、モータ40の回転の制御上の支障がなければ、ロータ回転検出基板105を設けなくてもよい。
クランク軸30は、カバー21を中心軸32方向に貫通する。クランク軸30は、カバー21の両端部に設けられた軸受22によって中心軸32回りに回転可能に支持されている。軸受22は、例えば、ボールベアリングである。このとき、クランク軸30と軸受22との間に、オイルシール材を設けてもよい。
クランク軸30は、図3および図4に示すように、内部に中空部31を備える。中空部31には、動力伝達機構50の少なくとも一部が収容される。これにより、ドライブユニット20Aを小型化できる。クランク軸30の内径および外径は、中心軸32方向にわたって均一でもよいし、異なっていてもよい。ドライブユニット20Aを小型化する観点から、クランク軸30の外径は17~30mm程度であることが好ましい。また、クランク軸30の中心軸32方向の長さは、100~150mmであることが好ましい。
次に、クランク軸30の回転を読み取るためのクランク軸回転検出基板106について説明する。クランク軸回転検出基板106は、図3に示すように、左クランクアーム6Aの内部に配置され、ネジ等により左クランクアーム6Aに固定されている。また、クランク軸回転検出基板106はホール素子を内蔵し、カバー21に取り付けられたマグネット107の回転軸方向に重なる位置に配置されている。ホール素子が、クランク軸30が回転することによるマグネット107の磁界の変動を検知することで、クランク軸30の回転数を計測できる。
次に、動力伝達機構50について説明する。動力伝達機構50は、第1遊星歯車機構51と、ワンウェイクラッチ56と、第2遊星歯車機構52とを含む。
第1遊星歯車機構51は、図3および図5に示すように、外歯歯車の太陽歯車511と、太陽歯車511と同心円上に配置された内歯車512と、4つの遊星歯車513と、4つの遊星歯車軸514と、遊星キャリア515とを備える。図3に示すように、第1遊星歯車機構51の太陽歯車511の一部と、内歯車512と、遊星歯車513と、遊星歯車軸514と、遊星キャリア515とが、クランク軸30内部の中空部31に収容されている。つまり、動力伝達機構50の少なくとも一部が、中空部31に収容されている。これにより、ドライブユニット20Aを小型化できる。
太陽歯車511は、モータ40のモータ軸44であり、第1遊星歯車機構51の入力軸である。内歯車512は、クランク軸30の内周部と嵌合することにより、クランク軸30に対して回転不能に固定されている。遊星歯車軸514は、4つの遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持している。遊星キャリア515は、4つの遊星歯車軸514を公転自在に支持している。これにより、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51を介して遊星キャリア515に出力される。また、入力軸である太陽歯車511と出力軸である遊星キャリア515の回転軸は、いずれもクランク軸30の中心軸32上に位置する。つまり、太陽歯車511と遊星キャリア515の回転軸は同軸上に位置する。これにより、動力伝達機構50をより小型化できる。
図3および図5に示すように、2つのワンウェイクラッチ56が、遊星キャリア515と第2遊星歯車機構52の太陽歯車521の間に設けられている。これにより、遊星キャリア515から出力されたモータ40の回転力は、ワンウェイクラッチ56を介して、第2遊星歯車機構52に伝達される。このワンウェイクラッチ56を設けることで、モータ40を駆動する蓄電装置10の残容量が無くなった場合において、ペダル7を漕ぐ際に、モータ40のロータ42等が回転することを抑制できる。すなわち、そのようなワンウェイクラッチ56が設けられていないと、蓄電装置10の残容量が無くなった際にペダル7を漕いだとき、モータ40のロータ42等もペダル7の人力駆動力により回転することとなるため、モータ40のコギングトルクなどによって引きずり抵抗が生じて、ペダル7を回転させるために大きな力が必要となる。これに対して、そのようなワンウェイクラッチ56を設けると、モータ40のロータ42が回転しにくくなるので、運転者がモータ40のコギングトルク等による力を余分にかけることを抑制できる。
ワンウェイクラッチ56は複数設けることが好ましい。これにより、伝達可能なトルクを増加させることができる。なお、ワンウェイクラッチ56は3つ以上設けてもよい。また、複数のワンウェイクラッチ56を設ける場合、各々のワンウェイクラッチ56の回転軸が同じ、つまり同軸上にあることが好ましい。これにより、ドライブユニット20Aを小型化できる。また、ワンウェイクラッチ56は、ローラ式、スプラグ式、またはツメ式のクラッチを用いることが好ましい。
第2遊星歯車機構52は、図4および図5に示すように、外歯歯車の太陽歯車521と、太陽歯車511と同心円上に配置された内歯車522と、2つの段付きの遊星歯車523と、2つの遊星歯車軸524とを備える。
太陽歯車521は、第2遊星歯車機構52の入力軸であり、クランク軸30の内部に設けられた2つの軸受24によって、中心軸32回りに回転可能に支持されている。軸受24は、例えば、ボールペアリングである。内歯車522は、カバー21の内周部とセレーションにより嵌合することで、カバー21に対して回転不能に固定されている。遊星歯車軸524は、2個の段付きの遊星歯車523をそれぞれ回転自在に保持している。また、遊星歯車軸524の両端は出力体62に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、第2遊星歯車機構52を介して、出力体62へ出力される。なお、段付きの遊星歯車523は、1個でもよいし、3個以上でもよい。
以下、図6~8を用いて、クランク軸30、人力伝達体61、および出力体62の詳細について説明する。
図6は、クランク軸30の斜視図である。クランク軸30は、内部に中空部31を有する筒状部材である。クランク軸30は、中空部31が中心軸32方向にクランク軸30を貫通することで、両端が開口している。なお、クランク軸30の形状はこれに限定されず、例えば、クランク軸30の端部は、片側または両側ともに閉口していてもよい。また、クランク軸30の一部の領域にのみ中空部31を設け中空形状とし、その他の領域を中実形状としてもよい。また、クランク軸30の内部に複数の中空部31を分割して設けてもよい。
クランク軸30の左側端部の外周部には、セレーションが形成されており、左クランクアーム6Aが連結される。また、クランク軸30の左側外周部には、後述する通電部材101が通過する、凹部形状のクランク溝35が形成されている。また、クランク溝35の右側には、人力伝達体61の内周部と嵌合するスプライン部36が形成されている。また、クランク軸30の中央部には、第2遊星歯車機構52の一部が貫通する貫通孔37が形成されている。また、クランク軸30の右側端部の外周部には、右クランクアーム6Bとの後述する固定方法に用いる差込部111および突出部孔112が形成されている。
図7は、人力伝達体61の斜視図である。人力伝達体61は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸する筒状部材であり、カバー21内において、クランク軸30の外周部に沿って配置されている。人力伝達体61の中心軸32方向の長さは、人力駆動力を伝達可能であれば特に限定されないが、例えば、クランク軸30の中心軸32方向の長さの20~50%である。
人力伝達体61の左側端部の内周部には、クランク軸30のスプライン部36(図6参照)と嵌合するスプライン部611が形成されている。これにより、人力伝達体61はクランク軸30と一体に回転する。なお、人力伝達体61とクランク軸30との嵌合箇所に欠歯を設けてもよい。これにより、組付け方向の位置決めが可能となり、容易に組立できる。また、人力伝達体61とクランク軸30は、圧入またはネジによって嵌合されていてもよい。
人力伝達体61の右側端部の外周部には、出力体62の内周部に設けられたスプライン部621(図8参照)と嵌合するスプライン部612が形成されている。また、人力伝達体の外周部には、トルクセンサ80を配置するための人力伝達体溝613が2つ設けられている。2つの人力伝達体溝613は人力伝達体61の外周部の周方向に対して対面となる位置にそれぞれ設けられている。
出力体62は、モータ40の回転力を出力する部材である。本実施形態では、出力体62は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸する筒状部材であり、クランク軸30と共に回転する。なお、出力体62は、クランク軸30に対して回転可能であってもよい。出力体62の中心軸32方向の長さは、人力駆動力およびモータ40の回転力を伝達可能であれば特に限定されないが、例えば、クランク軸30の中心軸32方向の長さの20~50%である。
図8は、出力体62の斜視図である。出力体62の左側端部の内周部には、人力伝達体61のスプライン部612(図7参照)と嵌合するスプライン部621が形成されている。これにより、人力伝達体61と出力体62は一体的に回転する。また、人力伝達体61と出力体62の嵌合箇所に欠歯を設けてもよい。これにより、組付け方向の位置決めが可能となり、容易に組立できる。なお、本実施形態では人力伝達体61の外周部と出力体62の内周部が嵌合しているが、人力伝達体61の内周部と出力体62の外周部が嵌合していてもよい。また、出力体62とクランク軸30とは一体に構成されていてもよい。
出力体62の中央部には、第2遊星歯車機構52の遊星歯車523が貫通する貫通孔622が形成されている。また、貫通孔622の側面には、第2遊星歯車機構52の遊星歯車軸524が挿入される挿入孔623が形成されている。つまり、第2遊星歯車機構52の遊星歯車軸524と出力体62は一体に回転する。これにより、第2遊星歯車機構52に入力されたモータ40の回転力は、出力体62に出力される。
出力体62の右側は、カバー21の外部に突出している。そして、この突出した部分の外周部にはスプライン部624が形成されており、フロントスプロケット70が固定される。これにより、フロントスプロケット70は、出力体62と一体に回転する。
第1実施形態では、人力伝達体61と出力体62を別個に設けているが、一体に構成されていてもよい。例えば、人力伝達体61を設けず、出力体62のみを設けてもよい。その際、人力駆動力によるクランク軸30の回転力を出力体62に伝達させることで、電動アシスト自転車1を前進させることができる。
また、人力伝達体61と出力体62との間に、ワンウェイクラッチを配置してもよい。このワンウェイクラッチは、人力伝達体61が正方向に回転する場合に、この回転力を出力体62に伝達し、人力伝達体61が逆方向に回転する場合には、この回転力を出力体62に伝達しない。また、このワンウェイクラッチは、出力体62が、正方向に回転する場合に、この回転力を人力伝達体61に伝達しない。
また、出力体62とフロントスプロケット70との間に、ワンウェイクラッチを配置してもよい。このワンウェイクラッチは、出力体62が正方向に回転する場合に、この回転力をフロントスプロケット70に伝達し、出力体62が逆方向に回転する場合には、この回転力をフロントスプロケット70に伝達しない。このワンウェイクラッチを設けることで、クランクアーム6を逆回転に回した時に連れまわる部品を減らすことができ、運転者が感じる重みを軽減させることが可能となる。
以下、図9~11を用いて、動力伝達機構50を構成する、第1遊星歯車機構51および第2遊星歯車機構52の詳細について説明する。
図9は、図3のA-A線に沿う断面図であり、第1遊星歯車機構51の断面図である。図9に示すように、第1遊星歯車機構51は、外歯歯車の太陽歯車511と、太陽歯車511と同心円上に配置された内歯車512と、4つの遊星歯車513と、4つの遊星歯車軸514と、遊星キャリア515とを備える。内歯車512は、クランク軸30の内周部と嵌合することにより、クランク軸30に対して回転不能に固定されている。遊星歯車513は、太陽歯車511の外歯および内歯車512の内歯に噛合している。
なお、第1遊星歯車機構51の構成は上記機構に限定されない。例えば、遊星キャリア515をクランク軸30と嵌合させることにより、遊星キャリア515をクランク軸30に対して回転不能に固定してもよい。その際、太陽歯車511に入力されたモータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51を介して内歯車512に出力される。また、例えば、太陽歯車511をクランク軸30と嵌合させることにより、太陽歯車511をクランク軸30に対して回転不能に固定してもよい。その際、内歯車511を第1遊星歯車機構51の入力軸とすることで、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51を介して遊星キャリア515に出力される。
図10は、図4のB-B線に沿う断面図であり、第2遊星歯車機構52の1段目の断面図である。図11は、図4のC-C線に沿う断面図であり、第2遊星歯車機構52の2段目の断面図である。図10および図11に示すように、第2遊星歯車機構52は、外歯歯車の太陽歯車521と、太陽歯車511と同心円上に配置された内歯車522と、2つの段付きの遊星歯車523と、2つの遊星歯車軸524と、を備える。また、段付きの遊星歯車523は、第1遊星歯車523Aと、第1遊星歯車523Aよりも小径の第2遊星歯車523Bとを含む。
図10に示すように、第1遊星歯車523Aは太陽歯車521の外歯に噛合している。また、第1遊星歯車523Aは、クランク軸30の貫通孔37(図6参照)および出力体62の貫通孔622(図8参照)を貫通して配置されている。また、第1遊星歯車523Aは、カバー21の内部に収容されている。
図11に示すように、内歯車522は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。第2遊星歯車523Bは、内歯車522の内歯と噛合している。また、第2遊星歯車523Bは、第1遊星歯車523A同様、クランク軸30の貫通孔37(図6参照)および出力体62の貫通孔622(図8参照)を貫通して配置されている。図10および図11に示すような段付きの遊星歯車523を用いることで、第2遊星歯車機構52の減速比を大きくできる。
第1遊星歯車機構51および第2遊星歯車機構52の歯車には、金属歯車および樹脂歯車を用いることができる。樹脂歯車を用いることで、ドライブユニット20Aを軽量化でき、さらに、運行時の騒音を緩和することもできる。樹脂材料としては、例えば、ポリアセタールや46ナイロンや66ナイロンやPEEKや、熱硬化性樹脂を用いてもよく、スーパーエンプラを用いてもよい。また、段付きの遊星歯車523の第1遊星歯車523Aと第2遊星歯車523Bに別の材料を用いてもよい。別の材料とすることで、第1遊星歯車523Aと第2遊星歯車523Bとの間に、容易にワンウェイクラッチ56を設けることができる。
第1遊星歯車機構51および第2遊星歯車機構52の各歯車は、グリスで潤滑することが好ましいが、潤滑油を用いて潤滑してもよい。潤滑油を用いるとことで、歯車の歯面の摩耗を少なくできる。
第1実施形態では、第1遊星歯車機構51および第2遊星歯車機構52からなる2つの遊星歯車機構を用いているが、1つの遊星歯車機構のみを用いてもよいし、3つ以上の遊星歯車機構を用いてもよい。各遊星歯車機構において、複数個の遊星歯車を用いることにより、動力伝達経路が分散され、高トルクを伝達できる、さらに、3個以上の遊星歯車を用いることで歯車の歯幅を小さくでき、ドライブユニットをより小型化できる。
また、遊星歯車機構には、ラビニヨ型の遊星歯車機構、不思議遊星歯車機構または波動歯車装置を用いてもよい。また、遊星歯車機構の歯車は、平歯車ではなく、はすば歯車を用いてもよく、平歯車とはすば歯車の両方を用いてもよい。また、動力伝達機構50には、遊星歯車機構の他に傘歯車、ハイポイドギアまたは平行軸の歯車を含んでもよい。
動力伝達機構50の減速比は、3~60であることが好ましく、出力体62に伝達されたモータ40のトルクは5~100Nm程度であることが好ましい。さらに、モータ40の駆動力による出力体62の最高回転数は、人間のケイデンスに適した40~150rpm程度であることが好ましい。
図12は、第1実施形態の変形例のドライブユニット20Bの断面図である。図13は、図12のD-D線に沿う断面図であり、第2遊星歯車機構52の1段目の断面図である。図12に示すドライブユニット20Bと、前述のドライブユニット20A(図2等参照)とは、第2遊星歯車機構52の構成が異なる。具体的には、ドライブユニット20Bの第2遊星歯車機構52は、段付きの遊星歯車523の第2遊星歯車523Bが、第1遊星歯車523Aを横方向に貫通している。そしてさらに、第1遊星歯車523Aの内周部と第2遊星歯車523Bの外周部との間にワンウェイクラッチ56が設けられている。これにより、第1遊星歯車523Aの回転力は、ワンウェイクラッチ56を介して第2遊星歯車523Bに伝達される。第2遊星歯車機構52にワンウェイクラッチ56を設けることで、モータ40を駆動する蓄電装置10の残容量が無くなった場合において、第1遊星歯車機構51と第2遊星歯車機構52の間にワンウェイクラッチ56を設けた場合(図2参照)と比較して、引きずり抵抗をさらに小さくできる。これにより、運転者がモータ40のコギングトルク等による力を余分にかけることをより抑制できる。
第1実施形態では、図2及び図12に示すように、クランク軸30の両端にクランクアーム6が設けられた電動アシスト自動車1について説明したが、クランク軸30の両端にクランクアーム6が設けられていない電動車両であってもよい。クランクアーム6が設けられていない電動車両であっても、動力伝達機構50の少なくとも一部をクランク軸30の内部の中空部31に収容することで、ドライブユニット20を小型化できる。
次に、ドライブユニット20Aの給電方法について、図14を用いて説明する。図14は、通電ユニット90の斜視図である。通電ユニット90は、フレーム2に収容されている蓄電装置10(図1参照)から、クランク軸30およびクランクアーム6に収容されているモータ40等の機器へ電力を供給する。通電ユニット90には、スリップリング機構が用いられている。これにより、クランク軸30およびクランクアーム6が回転した状態においても、フレーム2に収容された蓄電装置10から、クランクアーム6に収容されたモータ40等の機器へ電力を供給できる。
通電ユニット90は、受電部の機能を有する回転部91と、回転部91に電力を給電する給電部の機能を有するブラシユニット92とを備える。図14に示すように、回転部91は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸し、クランク軸30が挿通される筒状部材である。回転部91は、クランク軸30の回転に連動して回転する。回転部91は、外周部の全周にわたってスリップリング93を含む。つまり、スリップリング93は、クランク軸30が貫通している。なお、回転部91を設けずに、スリップリング93をクランク軸30または人力伝達体61の外周部に設けてもよい。
ブラシユニット92は、カバー21の中央部近傍に設けられた挿入部25(図5参照)に挿入されることでカバー21に固定され、蓄電装置10に接続される。つまり、ブラシユニット92は回転部91に対し、相対回転する。ブラシユニット92は、スリップリング93に当接するブラシ94を備える。ブラシ94は、例えば、通電可能な黒鉛を主成分とする部材から形成される。ブラシ94は、スリップリング93の回転によって、ブラシ94の先端部が当接して摺動し、ブラシ94からスリップリング93に電力を供給するように構成されている。つまり、回転部91とブラシユニット92が接触式給電により、ブラシユニット92から回転部91に電力が給電される。通電ユニット90では、蓄電装置10からの電流を50A以下にすることが好ましい。
通電ユニット90には、スリップリング機構を用いる方法以外に、非接触式給電を用いることができる。非接触式給電を用いる場合、通電ユニット90は、回転部と、給電部とを備える。回転部は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸し、クランク軸30が貫通する筒状部材である。回転部はクランク軸30の回転に連動して回転する。回転部は、外周部の全周にわたって受電部を備える。つまり、受電部は、クランク軸30が貫通している。受電部は受電コイルを有する。受電コイルは、例えば、導体線を巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。なお、回転部を設けずに、受電部をクランク軸30または人力伝達体61の外周部に設けてもよい。
給電部は、非接触で電力を受電部に送電する送電部を備えており、送電部は送電コイルを有する。送電コイルは、例えば、導体線を巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。ワイヤレス給電を用いることで、クランク軸30およびクランクアーム6が回転した状態においても、モータ40等に電力を供給できる。
通電ユニット90のスリップリング93に給電された電力は、通電部材101(図3参照)を介して、制御装置100およびモータ端子108等に供給される。通電部材101は、例えば、コードである。スリップリング93から延びた通電部材101は、クランク軸30の外周部の一部形成された凹部形状のクランク溝35(図6参照)を通ってモータ40と電気的に接続される。通電部材101をクランク溝35に通すことで、ドライブユニット20Aを大径化することなく、通電ユニット90からモータ40等に電力を供給できる。また、モータ40に通電部材101が接触しないように、モータ40のロータ42に取り外し可能なカバーを設けてもよい。また、クリップ等を用いて通電部材101をクランクアーム6に固定してもよい。
次に、クランクアーム6の内部の放熱機構およびクランクアーム6とクランク軸30との固定方法について説明する。
まず、クランクアーム内部の放熱機構について説明する。上記のように、モータ40の回転力の制御を行う制御装置100が内蔵された制御基板は、左クランクアーム6Aに収容されている。電動アシスト自転車1の運行時、制御基板は熱を生じるため、制御基板には放熱機構を設けることが好ましい。図15は、ドライブユニット20Aの左クランクアーム6A内部の斜視図である。左クランクアーム6Aの内部には、左クランクアーム6Aの内側のインナー部6A1および左クランクアーム6Aの外側のアウター部6A2から制御基板へ向かって複数の放熱部102が形成されている。これにより、制御基板で生じた熱は、放熱部102を介して外部に放熱される。制御基板と放熱部102の間には、熱伝導体103が設けられている。これにより、制御基板の放熱性をより高めることができる。
図15に示すように、制御基板の両面に放熱部102を設けることが好ましいが、片面のみに設けてもよい。また、制御基板の両面に放熱部102を設ける場合、放熱性を向上させる観点から、各面に設けられた放熱部102が、制御基板を介して重なるように設けることが好ましい。また、放熱性を向上させる観点から、放熱部102は2つ以上設けることが好ましく、3つ以上設けることがより好ましい。
放熱部102、および熱伝導体103は、放熱性が高い部材であれば特に限定されず、例えば、アルミニウム合金、銅、または鉄などの金属を用いることができる。また、より放熱性を高めるために、放熱部102の表面および側面に複数のリブを設けることが好ましい。
次に、クランク軸30と右クランクアーム6Bの固定方法について、図16、および17を用いて説明する。図16は、クランク軸30およびクランクアーム6の分解斜視図である。図16に示すように、クランク軸30は、右側端部に、右クランクアーム6Bに差し込むための差込部111を備える。差込部111の外周部には、後述する右クランクアーム6Bの挿入孔114に圧入可能なセレーションが形成されている。差込部111の中心軸32方向の長さは特に限定されないが、右クランクアーム6Bを安定して固定する観点から、例えば、5~50mmである。また、差込部111の外周面には、後述する固定部品120の突出部121が挿入される、突出部孔112が形成されている。
右クランクアーム6Bは、挿入孔114、固定孔115、切欠部118、を備える。また、右クランクアーム6Bは、固定部品120を着脱自在に備える。挿入孔114は、クランク軸30の中心軸32方向に沿って、右クランクアーム6Bを貫通するように延伸し、クランク軸30の差込部111が挿入される孔である。挿入孔114の内周部には、差込部111のセレーションに対応するセレーションが形成されている。ここで、差込部111が挿入孔114に挿入された際、差込部111と挿入部114とは、すきまばめの関係となることが好ましい。すきまばめの関係とすることで、右クランクアーム6Bとクランク軸30の取り付け、および取り外しが容易になる。また差込部111と挿入孔114との嵌合箇所に欠歯を設け、組付け方向の位置決めを行ってもよい。これにより、クランク軸30とクランクアーム6とを容易に取り付けできる。
固定孔115は、差込部111を挿入孔114に挿入し固定する際に、固定用のボルト117を挿入するための孔である。固定孔115は、挿入孔114の延伸方向と直交し、かつ、右クランクアーム6Bの長手方向と直交する方向に沿って、右クランクアーム6Bを貫通するように延伸する。固定孔115は、右クランクアーム6Bの長手方向において、右クランクアーム6Bとペダル7が装着されている側と反対側(以下、「クランク軸側」とする)の端部と、挿入孔114の間に形成される。ドライブユニット20Aでは、2つの固定孔115を設けているが、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
切欠部118は、右クランクアーム6Bのクランク軸側の端部から、挿入孔114に向かって形成された切り欠きである。差込部111が挿入孔114に挿入された状態で、固定孔115にボルト117を挿入し、締め付けることで切欠部118が撓み、クランク軸30と右クランクアーム6Bが固定される。ボルト117は、金属製でもよいし、樹脂製でもよい。
図17は、固定部品120の拡大断面図である。図17に示すように、固定部品120には、ボルト117が貫通する孔が形成されている。また、固定部品120は、下方向に延伸する突出部121を有する。突出部121は、クランク軸30の差込部111を右クランクアーム6Bの挿入孔114に挿入した際に、突出部孔112(図16参照)に挿入される。これにより、クランクアーム6がクランク軸30を中心に強く回転した場合であっても、クランクアーム6がクランク軸30から脱落することを防止でき、かつクランク軸30とクランクアーム6とを容易に取り付けできる。
次に、モータ40が内部に収容されている、左クランクアーム6Aとクランク軸30の固定方法について説明する。左クランクアーム6Aとクランク軸30とは、セレーションによって係合されていることが好ましく、少なくとも一部を圧入により固定されていることがより好ましい。少なくとも一部を圧入により固定することで、左クランクアーム6Aがクランク軸30から抜けることを防止できる。さらに、左クランクアーム6Aの抜けを防止するために、ロックリング33を用いることがより好ましい(図3参照)。
ロックリング33は、側面に菊座形状を有していることが好ましい(図5参照)。これにより、ロックリング33のゆるみの防止効果を高めることができる。また、ロックリング33の脱落を防止する観点から、ロックリング33はイモネジによって左クランクアーム6Aに固定されることが好ましい。また、よりロックリング33の脱落を防止する観点から、ロックリング33を左クランクアーム6Aに固定するネジに、緩み防止のための接着剤を用いることがより好ましい。
[第2実施形態]
次に、図18~20を用いて、第2実施形態のドライブユニット20Cを説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、同様の構成要素には同じ符号を使用して説明する。
図18は、第2実施形態のドライブユニット20Cの全体の断面図であり、図19はドライブユニット20Cのクランク軸30近傍の拡大図である。図18に示すように、ドライブユニット20Cは、ペダル7の踏力をアシストするための回転力を付与するモータ40と、カバー21およびボトムブラケット26を含むハウジングと、ハウジングに対して回転可能に取り付けられたクランク軸30とを備える。ドライブユニット20Cは、さらに、モータ40の回転力をクランク軸30へ伝達する動力伝達機構50を備える。
クランク軸30は、カバー21を中心軸32方向に貫通し、内部に中空部31を有する筒状部材である。クランク軸30は、軸受22によって中心軸32回りに回転可能に支持されている。中空部31には、動力伝達機構50の少なくとも一部が収容されている。これにより、動力伝達機構50を備えつつ、ドライブユニット20Cを小型化できる。つまり、電動アシスト自転車1の運転時に必要な減速比などの性能を確保しつつ、小型化したドライブユニット20Cを実現できる。
モータ40は、中空部31に収容されている。これにより、ドライブユニット20Cを小型化できる。また、モータ軸44は、回転の中心軸がクランク軸30の中心軸32と同軸上に配置されている。これにより、モータ40の回転力をクランク軸30内部に収容された動力伝達機構50に伝達する際、回転方向を変換する歯車等が不要になり、ドライブユニット20Cをより小型化できる。
ドライブユニット20Cは、さらに、ペダル7がそれぞれ取り付けられた一対のクランクアーム6を備える。一対のクランクアーム6は、クランク軸30の両端に連結されている。クランク軸30は、ペダル7に加えられた人力駆動力により回転する。
ドライブユニット20Cは、さらに、フロントスプロケット70を備える。フロントスプロケット70は、右クランクアーム6Bに固定されている。これにより、フロントスプロケット70は、右クランクアーム6Bおよびクランク軸30と一体に回転する。また、フロントスプロケット70と後輪スプロケット11(図1参照)とは、チェーン8(図1参照)を介して連結されている。
ドライブユニット20Cにおける、動力伝達経路の概要は下記の通りである。まず、ペダル7に加えられる人力駆動力の動力伝達経路について説明する。運転者が電動アシスト自転車1のペダル7を漕ぐことにより、クランクアーム6と、クランク軸30と、フロントスプロケット70が、一体に正方向に回転する。そして、フロントスプロケット70が正方向に回転すると、チェーン8を介して後輪スプロケット11に正方向の回転の回転力がかかり、後輪スプロケット11および後輪3Bが正方向に回転する。これにより、電動アシスト自転車1は前進する。第1実施形態のドライブユニット20Aとの相違点として、第1実施形態のドライブユニット20Aでは、人力駆動力が人力伝達体61および出力体62を介してフロントスプロケット70に伝達されることで、フロントスプロケット70が回転するが、第2実施形態のドライブユニット20Cでは、フロントスプロケット70が右クランクアーム6Bと一体に回転する。
次に、モータ40の回転力の動力伝達経路について説明する。モータ40のモータ軸44が正方向に回転すると、その回転力は、遊星歯車機構53を含む動力伝達機構50を介して、クランク軸30に伝達され、クランク軸30が正方向に回転する。クランク軸30が正方向に回転すると、クランクアーム6と、フロントスプロケット70が、クランク軸30と一体に正方向に回転する。これにより、電動アシスト自転車1は前進する。第1実施形態のドライブユニット20Aとの相違点は以下の通りである。まず、第1実施形態のドライブユニット20Aでは、モータ40の回転力がクランク軸30と共に回転する出力体62を介してフロントスプロケット70に伝達されることで、フロントスプロケット70が回転する。これに対し、第2実施形態のドライブユニット20Cでは、モータ40の回転力がクランク軸30に伝達され、クランク軸30と共にフロントスプロケット70が回転する。つまり、クランク軸30はドライブユニット20Cの出力体の機能を有する。
ドライブユニット20Aは、さらに、人力駆動力のトルクを検出するトルクセンサ80と、検出したトルクに応じてモータ40の出力を制御し、適切な電動アシスト機能を実現するための制御装置100とを備える。
トルクセンサ80は、図18に示すように、左クランクアーム6Aおよび右クランクアーム6Bの内側面にそれぞれ設けられている。トルクセンサ80としては、ドライブユニット20A同様、例えば、物理的なひずみを検出するひずみセンサ、または磁気的な変化を検出するひずみセンサを用いることができる。また、例えば、力学的刺激に対して発光する塗料を人力伝達体61の外周部に塗布し、その光を光学センサで検出する方式を用いることもできる。
トルクセンサ80は、クランクアーム6のいずれか一方のみに設けてもよいし、クランク軸30の外周部に設けてもよい。また、トルクセンサ80は、スパイダーアーム71に設けてもよい。また、左右のクランクアーム6にトルクセンサ80を設け、車輪3の中にモータ40を設けてもよい。また、いずれか片方のクランクアーム6と、クランク軸30の外周部にトルクセンサ80をそれぞれ設け、車輪3の中にモータ40を設けてもよい。
トルクセンサ80により検出された信号は、右クランクアーム6Bに収容された制御基板に内蔵された制御装置100に出力される。制御装置100は、各トルクセンサ80からの信号に基づいて演算し、各々のクランクアーム6にかかるトルクを求めてもよい。
次に、蓄電装置10について説明する。図18に示すように、蓄電装置10は、左クランクアーム6Aの内部に収容されている。蓄電装置10をクランクアーム6の内部に収容することで、電動アシスト自転車1の外観を損ねずに、蓄電装置10を電動アシスト自転車1に設けることができる。さらに、蓄電装置10をクランクアーム6に収容することで、モータ40等がクランク軸30の中空部31に設けられた場合であっても、通電ユニット90(図2等参照)を設けずにモータ40等に電力を供給できる。クランクアーム6に収容された蓄電装置10の電圧は、第1実施形態のようにフレーム2に収容された蓄電装置10の電圧よりも低くてもよい。
また、蓄電装置10は、クランクアーム6の内部だけでなく、ペダル7の内部にも収容されていてもよい。ペダル7の内部にも蓄電装置10を収容することで、蓄電装置10の高容量化を実現できる。
蓄電装置10が収容されている左クランクアーム6Aと、クランク軸30とは、図16に示す固定方法を用いて固定することが好ましい。これにより、蓄電装置10の充電の際に、左クランクアーム6Aを容易に取り付け、取り外しでき、容易に屋内充電できる。
次に、図19を用いて、ドライブユニット20Cの動力伝達機構50について説明する。動力伝達機構50は、遊星歯車機構53と、ワンウェイクラッチ56とを含む。
図19に示すように、ワンウェイクラッチ56が、モータ40のモータ軸44と、遊星歯車機構53の太陽歯車531の間に設けられている。これにより、モータ40の回転力は、モータ軸44からワンウェイクラッチ56を介して遊星歯車機構53に伝達される。なお、ワンウェイクラッチ56および遊星歯車機構53は複数設けてもよい。
遊星歯車機構53は、外歯歯車の太陽歯車531と、太陽歯車531と同心円上に配置された内歯車532と、4つの遊星歯車533と、4つの遊星歯車軸534と、を備える。図19に示すように、遊星歯車機構53の太陽歯車531と、遊星歯車533の一部が、クランク軸30内部の中空部31に収容されている。つまり、動力伝達機構50少なくとも一部が、中空部31に収容されている。これにより、ドライブユニット20Cを小型化できる。なお、遊星歯車533は1つでもよいし、複数でもよい。
太陽歯車531は、遊星歯車機構53の入力軸である。内歯車532は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。遊星歯車533は、太陽歯車531に噛合し、かつ内歯車532に噛合する。遊星歯車軸534は、4つの遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸534の両端は、クランク軸30に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、遊星歯車機構53を介してクランク軸30へ出力され、クランク軸30は回転する。
図19および図20を用いて、ドライブユニット20Cのハウジングについて説明する。
ハウジングは、カバー21、ボトムブラケット26、およびカバー21とボトムブラケット26を固定するネジ部材を含む。カバー21は、クランク軸30の中心軸32方向に延伸する筒状部材である。カバー21は、図19に示すように、中空円筒形状を有するボトムブラケット26の内部に収容され、ネジ部材27により、ボトムブラケット26の内部に固定されている。なお、本実施形態では、ハウジングはカバー21およびボトムブラケット26を含んでいるが、ハウジングは、カバー21およびボトムブラケット26を一体に構成してもよい。すなわち、カバー21を設けずに、ボトムブラケット26のみを設けてもよい。
図20は、カバー21の斜視図である。図20に示すように、カバー21の右端、および左端の外周部には、ネジ部材27と嵌合する凹凸部211,212が形成されている。また、カバー21の内周部には、遊星歯車機構53の内歯車532と嵌合するスプライン部213が形成されている。
カバー21のボトムブラケット26への固定方法について説明する。上記のように、カバー21は、ネジ部材27によりボトムブラケット26の内部に固定されている。ネジ部材27は、図19に示すように、カバー21と同軸上に設けられた筒状部材であり、カバー21の左端と嵌合する左側ネジ部材27Aと、カバー21の右端と嵌合する右側ネジ部材27Bを備える。各ネジ部材27は、カバー21の外周部の端部に設けられた凹凸部211,212と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。これにより、カバー21内部の遊星歯車機構53の内歯車532が、ボトムブラケット26およびフレーム2(図1参照)に対して、相対的に回転しない。
カバー21と左側ネジ部材27A、および右側ネジ部材27Bの間には、緩衝材28を設けることが好ましい。緩衝材28として、例えば、樹脂製のリング、弾性を有する接着剤を用いることができる。緩衝材28を設けることで、カバー21とネジ部材27が接触する際に発生する軋み音を防止できる。
左側ネジ部材27A、および右側ネジ部材27Bは、ネジによりボトムブラケット26に固定されている。このとき、左側ネジ部材27Aは右ネジのネジ山が形成されており、右側ネジ部材27Bは左ネジのネジ山が形成されていることが好ましい。これにより、モータ40のモータ軸44が回転すると、遊星歯車機構53の内歯車532から、ネジの締まり方向に反力がはたらく。その結果、ボトムブラケット26とネジ部材27を固定するネジが緩まず、ボトムブラケット26にドライブユニット20Cを強固に固定できる。
[第3実施形態]
次に、図21を用いて、第3実施形態のドライブユニット20Dを説明する。以下では、第1実施形態および第2実施形態との相違点を主に説明し、同様の構成要素には同じ符号を使用して説明する。
図21は、ドライブユニット20Dのクランク軸30近傍の拡大図である。図21に示すように、ドライブユニット20Dは、カバー21、クランク軸30、クランクアーム6、モータ40、動力伝達機構50、人力伝達体61、出力体62、および、フロントスプロケット70を備える。動力伝達経路に関しては、第1実施形態と同様である。ドライブユニット20Dでは、人力伝達体61および出力体62を設けているが、第2実施形態のドライブユニット20C(図18参照)に示すように、人力伝達体61および出力体62を設けなくてもよい。
モータ40は、モータ軸44を備える。モータ40は、モータ軸44の中心軸がクランク軸30の中心軸32に直交する方向に延びるように、右クランクアーム6B内部に収容されている。これにより、モータ40のサイズを大きくでき、高出力を実現できる。また、モータ40は、電動アシスト自転車1の側面視において、モータ軸44とクランク軸30とが重なるように設けられている。これにより、ドライブユニット20Dを小型化できる。また、モータ軸44の先端には、後述する傘歯車57と噛合する歯部が形成されている。モータ40をクランクアーム6に収容する場合、小型化の観点から、モータ40の外径は60~110mm程度であることが望ましい。
動力伝達機構50は、傘歯車57と、遊星歯車機構53とを備える。傘歯車57を設けることで、モータ40の回転力を、クランク軸30の中心軸32方向と同軸上に設けられた太陽歯車531に伝達できる。また、図21に示すように、傘歯車57の少なくとも一部は、クランク軸30の中空部31に収容されている。これにより、ドライブユニット20Dを小型化できる。
遊星歯車機構53は、外歯歯車の太陽歯車531と、太陽歯車531と同心円上に配置された内歯車532と、少なくとも1個の段付きの遊星歯車533と、複数の遊星歯車軸534と、を備える。
太陽歯車531は、遊星歯車機構53の入力軸である。内歯車532は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。段付きの遊星歯車533は、太陽歯車531または内歯車532に噛合する。遊星歯車軸534は、4つの遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸534の両端は、出力体62に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、遊星歯車機構53を介して出力体62へ出力され、出力体62は回転する。
[第4実施形態]
次に、図22を用いて、第4実施形態のドライブユニット20Eを説明する。以下では、第1~第3実施形態との相違点を主に説明し、同様の構成要素には同じ符号を使用して説明する。
図22は、ドライブユニット20Eのクランク軸30近傍の拡大図である。図22に示すように、ドライブユニット20Eは、カバー21、クランク軸30、クランクアーム6、モータ40、動力伝達機構50、およびフロントスプロケット70を含む。動力伝達経路に関しては、第2実施形態と同様である。なお、第1実施形態のドライブユニット20A(図2参照)に示すように、人力伝達体61および出力体62を設けてもよい。
モータ40は、ステータ41およびロータ42を備える。モータ40は、カバー21に収容され、かつ、クランク軸30の径方向外側に設けられている。これにより、モータ40の大口径化が可能となり、高出力を実現できる。
ステータ41は、圧入等によってカバー21の内周部に固定されている。ステータ41の直径は、ドライブユニット20Eの小型化と、モータ40の高出力化を両立する観点から、50~150mmとなるように形成されることが好ましい。
ロータ42は、ステータ41の内側に設けられ、クランク軸30の中心軸32回りに回転する。また、ロータ42は内周部にセレーションなどを形成し、第1遊星歯車機構51の内歯車512の外周の歯部と係合している。これにより、ロータ42が回転すると、第1遊星歯車機構51の内歯車512が回転する。
動力伝達機構50は、第1遊星歯車機構51と、第2遊星歯車機構52と、ワンウェイクラッチ56と、を含む。
第1遊星歯車機構51は、外歯歯車の太陽歯車511と、太陽歯車511と同心円上に配置され、内側および外側に歯部が形成された内歯車512と、複数の遊星歯車513と、複数の遊星歯車軸514と、を備える。
太陽歯車511は、第1遊星歯車機構51の出力軸である。内歯車512は、第1遊星歯車機構51の入力軸であり、ロータ42の回転に連動して回転する。遊星歯車513は、太陽歯車511に噛合し、かつ内歯車512に噛合する。遊星歯車軸514は、複数の遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸514の両端はクランク軸30に挿入されている。つまり、遊星歯車軸514は、クランク軸30に対して回転不能に固定されている。これにより、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51を介して太陽歯車511に出力される。
ワンウェイクラッチ56は、第1遊星歯車機構51の太陽歯車511と、第2遊星歯車機構52の太陽歯車521の間に設けられている。これにより、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51の出力軸である太陽歯車511からワンウェイクラッチ56を介して第2遊星歯車機構52の太陽歯車521に伝達される。
第2遊星歯車機構52は、外歯歯車の太陽歯車521と、太陽歯車521と同心円上に配置された内歯車522と、複数の遊星歯車523と、複数の遊星歯車軸524と、を備える。
太陽歯車521は、第2遊星歯車機構52の入力軸である。内歯車522は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。遊星歯車523は、太陽歯車521に噛合し、かつ内歯車522に噛合する。遊星歯車軸524は、4つの遊星歯車523をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸524の両端は、クランク軸30に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、第2遊星歯車機構52を介してクランク軸30へ出力される。
[第5実施形態]
次に、図23を用いて、第5実施形態のドライブユニット20Fを説明する。以下では、第1~第4実施形態との相違点を主に説明し、同様の構成要素には同じ符号を使用して説明する。
図23は、ドライブユニット20Fのクランク軸30近傍の拡大図である。図23に示すように、ドライブユニット20Fは、カバー21、クランク軸30、クランクアーム6、モータ40、動力伝達機構50、およびフロントスプロケット70を含む。動力伝達経路に関しては、第2および第4実施形態と同様である。なお、第1実施形態のドライブユニット20A(図2参照)に示すように、人力伝達体61および出力体62を設けてもよい。
モータ40は、モータ軸44を備える。モータ40は、カバー21に収容され、かつ、クランク軸30の径方向外側に設けられている。モータ軸44の中心軸は、クランク軸30の中心軸32と平行である。モータ軸44の先端にはピニオンギア58が設けられている。ピニオンギア58は、第1遊星歯車機構51の内歯車512の外周部に形成された歯部と噛合する。これにより、モータ軸44が回転すると、第1遊星歯車機構51の内歯車512が回転する。なお、ピニオンギア58を設けずに、モータ軸44の先端に内歯車512の外周部と噛合する歯部を形成することで、内歯車512を回転させてもよい。また、モータ軸44と内歯車512の外周部との間に、遊星歯車機構などの動力伝達機構を設けてもよい。
動力伝達機構50は、第1遊星歯車機構51と、第2遊星歯車機構52と、ワンウェイクラッチ56と、を含む。
第1遊星歯車機構51は、外歯歯車の太陽歯車511と、太陽歯車511と同心円上に配置され、内側および外側に歯部が形成された内歯車512と、複数の遊星歯車513と、複数の遊星歯車軸514と、を備える。
太陽歯車511は、第1遊星歯車機構51の出力軸である。内歯車512は、第1遊星歯車機構51の入力軸であり、モータ軸44の回転に連動して回転する。遊星歯車513は、太陽歯車511に噛合し、かつ内歯車512に噛合する。遊星歯車軸514は、複数の遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸514の両端はクランク軸30に挿入されている。つまり、遊星歯車軸514は、クランク軸30に対して回転不能に固定されている。これにより、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51を介して太陽歯車511に出力される。
ワンウェイクラッチ56は、第1遊星歯車機構51の太陽歯車511と、第2遊星歯車機構52の太陽歯車521の間に設けられている。これにより、モータ40の回転力は、第1遊星歯車機構51の出力軸である太陽歯車511からワンウェイクラッチ56を介して第2遊星歯車機構52の太陽歯車521に伝達される。
第2遊星歯車機構52は、外歯歯車の太陽歯車521と、太陽歯車521と同心円上に配置された内歯車522と、複数の遊星歯車523と、複数の遊星歯車軸524と、を備える。
太陽歯車521は、第2遊星歯車機構52の入力軸である。内歯車522は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。遊星歯車523は、太陽歯車521に噛合し、かつ内歯車522に噛合する。遊星歯車軸524は、4つの遊星歯車523をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸524の両端は、クランク軸30に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、第2遊星歯車機構52を介してクランク軸30へ出力される。
[第6実施形態]
次に、図24を用いて、第6実施形態のドライブユニット20Gを説明する。以下では、第1~第5実施形態との相違点を主に説明し、同様の構成要素には同じ符号を使用して説明する。
図24は、ドライブユニット20Gのクランク軸30近傍の拡大図である。図24に示すように、ドライブユニット20Gは、カバー21、クランク軸30、クランクアーム6、モータ40、動力伝達機構50、人力伝達体61、出力体62、および、フロントスプロケット70を備える。動力伝達経路に関しては、第1および第3実施形態と同様である。なお、ドライブユニット20Gでは、人力伝達体61および出力体62を設けているが、第2実施形態のドライブユニット20C(図18参照)に示すように、人力伝達体61および出力体62を設けなくてもよい。
モータ40は、第1モータ40Aと第2モータ40Bを備える。第1モータ40Aは左クランクアーム6Aに収容され、第2モータ40Bは右クランクアーム6Bに収容されている。第1モータ40Aと第2モータ40Bの出力するトルクは同じでもよいし、異なっていてもよい。
第1モータ40Aは、第1モータ軸44Aを備え、第2モータ40Bは、第2モータ軸44Bを備える。第1モータ軸44Aの中心軸、および第2モータ軸44Bの中心軸は、クランク軸30の中心軸32に直交する方向に延びるように配置されている。また、第1モータ軸44A、および第2モータ軸44Bの先端には、後述する傘歯車57と噛合する歯部が形成されている。
動力伝達機構50は、傘歯車57と、遊星歯車機構53とを備える。傘歯車57は、第1モータ軸40Aに噛合する第1傘歯車57Aと、第2モータ軸40Bに噛合する第2傘歯車57Bを備える。傘歯車57を設けることで、モータ40の回転力を、クランク軸30の中心軸32方向に変換できる。
遊星歯車機構53は、太陽歯車531と、太陽歯車531と同心円上に配置された内歯車532と、複数の段付きの遊星歯車533と、複数の遊星歯車軸534と、を備える。
太陽歯車531は、遊星歯車機構53の入力軸であり、第1太陽歯車531Aと、第2太陽歯車531Bとを備える。第1太陽歯車531Aは、第1傘歯車57Aと噛合し、第1モータ40Aの回転力が伝達される。第2太陽歯車531Bは、第2傘歯車57Bと噛合し、第2モータ40Bの回転力が伝達される。内歯車532は、カバー21の内周部と嵌合することにより、カバー21に対して回転不能に固定されている。
段付きの遊星歯車532は、第1太陽歯車531Aおよび内歯車532に噛合する第1遊星歯車533Aと、第2太陽歯車531Bおよび内歯車532に噛合する第2遊星歯車533Bを備える。ここで、第1遊星歯車532Aの歯数と、第2遊星歯車532Bの歯数は異なることが好ましい。例えば、第1遊星歯車533Aの歯数が、第2遊星歯車533Bの歯数よりも多い場合、第1モータ40Aからの出力は、第2モータ40Bからの出力よりも大きく減速される。これにより、第1モータ40Aのみを駆動させた場合は、低速回転かつ高トルクを出力でき、第2モータ40Bのみを駆動させた場合は、高速回転かつ低トルクを出力できる。また、電動アシスト自転車1の車速や登坂状況に応じて、各モータ40の回転を制御する制御システムを併せて設けてもよい。
遊星歯車軸534は、4つの遊星歯車513をそれぞれ回転自在に保持する。また、遊星歯車軸534の両端は、出力体62に挿入されている。これにより、モータ40の回転力は、遊星歯車機構53を介して出力体620へ出力される。
1 電動アシスト自転車、2 フレーム、2A ヘッドパイプ、2B フロントフォーク、2C トップパイプ、2D ダウンパイプ、2E シートパイプ、2F シートステー、2G チェーンステー、3 車輪、3A 前輪、3B 後輪、4 ハンドル、5 サドル、6 クランクアーム、6A 左クランクアーム、6A1 インナー部、6A2 アウター部、 6B 右クランクアーム、7 ペダル、8 チェーン、9 前照灯、10 蓄電装置、11 後輪スプロケット、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G ドライブユニット、21 カバー、22、23、24 軸受、25 挿入孔、26 ボトムブラケット、27 ネジ部材、27A 左側ネジ部材、27B 右側ネジ部材、28 緩衝材、30 クランク軸、31 中空部、32 中心軸、33 ロックリング、35 クランク溝、36 スプライン部、37 貫通孔、40 モータ、41 ステータ、42 ロータ、44 モータ軸、50 動力伝達機構、51 第1遊星歯車機構、52 第2遊星歯車機構、53 遊星歯車機構、56 ワンウェイクラッチ、57 傘歯車、58 ピニオンギア、61 人力伝達体、62 出力体、70 フロントスプロケット、71 スパイダーアーム、80 トルクセンサ、90 通電ユニット、91 回転部、92 ブラシユニット、93 スリップリング、94 ブラシ、100 制御装置、101 通電部材、102 放熱部、103 熱伝導体、105 モータ回転検出基板、106 クランク軸回転検出基板、107 マグネット、108 モータ端子、111、差込部、112 突出部孔、114 挿入孔、115 固定孔、117 ボルト、118 切欠部、120 固定部品、121 突出部、211,212 凹凸部、213 スプライン部、511,521,531 太陽歯車、512,522,532 内歯車、513,523,533 遊星歯車、514,524,534 遊星歯車軸、515 遊星キャリア、611,612,621,624, スプライン部、613 人力伝達体溝、622 貫通孔、623 挿入孔

Claims (33)

  1. 電動車両に用いられるドライブユニットであって、
    モータと、
    ハウジングと、
    前記ハウジングから突出し、前記ハウジングに対して回転可能に取り付けられたクランク軸と、
    前記モータの回転力を出力する出力体と、
    前記モータの回転力を前記出力体へ伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記クランク軸は、中空部を有し、
    前記動力伝達機構の少なくとも一部が、前記中空部に収容されている、ドライブユニット。
  2. 前記出力体が、前記クランク軸と共に回転する、請求項1に記載のドライブユニット。
  3. 前記出力体が、前記クランク軸に対して回転可能に取り付けられている、請求項1に記載のドライブユニット。
  4. 前記モータはモータ軸を含み、
    前記モータ軸の中心軸が、前記クランク軸の中心軸と同軸上に配置されている、請求項1に記載のドライブユニット。
  5. 前記モータはモータ軸を含み、
    前記モータ軸の中心軸が、前記クランク軸の中心軸と交差する方向に延びるように配置され、
    前記電動車両側面視にて前記モータ軸の少なくとも一部が前記クランク軸に重なる、請求項1に記載のドライブユニット。
  6. 電力を前記モータへ供給する通電ユニットを更に備え、
    前記通電ユニットは、
    前記クランク軸が挿通される受電部と、
    前記受電部に対し相対回転し、前記受電部に電力を給電する給電部と、
    を備えた、請求項1に記載のドライブユニット。
  7. 前記給電部から前記受電部に接触式給電により電力を給電する、請求項6に記載のドライブユニット。
  8. 前記受電部はスリップリングを含み、
    前記給電部は前記スリップリングに対して摺動可能に当接し、前記スリップリングに電力を給電するブラシを有するブラシユニットを含む、請求項7に記載のドライブユニット。
  9. 前記給電部から前記受電部に非接触式給電により電力を給電する、請求項6に記載のドライブユニット。
  10. ペダルがそれぞれ取り付けられた一対のクランクアームと、
    前記クランク軸に印加される人力駆動力を検出するトルクセンサと、
    を更に備え、
    前記一対のクランクアームは前記クランク軸の両端に連結され、
    前記クランク軸は前記ペダルに加えられた前記人力駆動力により回転し、
    前記トルクセンサは少なくとも一つの前記クランクアームに設けられる、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  11. ペダルがそれぞれ取り付けられた一対のクランクアームと、
    前記クランク軸に印加される人力駆動力を検出するトルクセンサと、
    前記トルクセンサの検出情報に基づいて前記モータの回転力を制御する制御装置と、
    を更に備え、
    前記一対のクランクアームは前記クランク軸の両端に連結され、
    前記トルクセンサは前記クランク軸の径方向外側に設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  12. 前記動力伝達機構は太陽歯車、遊星キャリアおよび内歯車を備える遊星歯車機構を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  13. 前記太陽歯車の少なくとも一部が、前記中空部に収容されている、請求項12に記載のドライブユニット。
  14. 前記内歯車は回転不能に固定されている、請求項12に記載のドライブユニット。
  15. 前記遊星キャリアは回転不能に固定されている、請求項12に記載のドライブユニット。
  16. 前記動力伝達機構は太陽歯車、遊星歯車、および内歯車を備える遊星歯車機構を2つ以上含む、請求項12に記載のドライブユニット。
  17. 前記遊星歯車機構は前記太陽歯車に噛合する第1遊星歯車と、前記第1遊星歯車よりも小径の第2遊星歯車とを含む、請求項12に記載のドライブユニット。
  18. 前記動力伝達機構は少なくとも1つ以上のワンウェイクラッチを含む、請求項12に記載のドライブユニット。
  19. 前記ワンウェイクラッチの少なくとも一部が、前記中空部に収容されている、請求項18に記載のドライブユニット。
  20. 前記動力伝達機構は太陽歯車、遊星キャリアおよび内歯車を備える遊星歯車機構を含み、
    前記遊星歯車機構は前記太陽歯車に噛合する第1遊星歯車と、前記第1遊星歯車よりも小径の第2遊星歯車とを含み、
    前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車の間に前記ワンウェイクラッチを含む、請求項18に記載のドライブユニット。
  21. 前記動力伝達機構は2つ以上のワンウェイクラッチを含む、請求項18に記載のドライブユニット。
  22. 前記動力伝達機構は傘歯車またはハイポイドギアを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  23. 前記モータの少なくとも一部が、前記中空部に収容されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  24. 前記モータは前記ハウジングに収容され、前記クランク軸の径方向外側に設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  25. ペダルがそれぞれ取り付けられた一対のクランクアームを更に備え、
    前記一対のクランクアームは前記クランク軸の両端に連結され、
    前記モータの少なくとも一部が、前記クランクアームの内部に収容されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  26. ペダルがそれぞれ取り付けられた一対のクランクアームを更に備え、
    前記一対のクランクアームは前記クランク軸の両端に連結され、
    前記クランクアームおよび前記ペダルの少なくとも一方は蓄電装置を内蔵している、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  27. 前記モータは第1モータと第2モータとを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  28. ペダルがそれぞれ取り付けられ、前記クランク軸が差し込まれる挿入孔がそれぞれ形成された一対のクランクアームを更に備え、
    前記一対のクランクアームの少なくとも一方には、前記挿入孔の内側に向かって突出する突出部を有し、当該クランクアームに対して前記クランク軸を固定するための固定部品が着脱可能に設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  29. 前記クランク軸は前記クランク軸の外周部の一部に凹部形状のクランク溝を有し、
    前記通電ユニットから延びる通電部材が、前記クランク溝を通過する、請求項6に記載のドライブユニット。
  30. 前記ハウジングはボトムブラケットと、筒状のカバーと、前記ボトムブラケットの内部に前記カバーを固定するネジ部材と、を含み、
    前記カバーと前記ネジ部材との間に緩衝材が設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
  31. 前記ネジ部材は、
    前記電動車両の後方側から見て、前記カバーの右端と前記ボトムブラケットとを結合する右側ネジ部材と、
    前記電動車両の後方側から見て、前記カバーの左端と前記ボトムブラケットとを結合する左側ネジ部材と、
    を含み、
    前記右側ネジ部材は、左ネジ構造を有し、
    前記左側ネジ部材は、右ネジ構造を有する、請求項30に記載のドライブユニット。
  32. 電動車両に用いられるドライブユニットであって、
    モータと、
    ハウジングと、
    前記ハウジングから突出し、前記ハウジングに対して回転可能に取り付けられたクランク軸と、
    前記モータの回転力を出力する出力体と、
    前記モータの回転力を前記出力体へ伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は第一のワンウェイクラッチと第二のワンウェイクラッチとを有し、
    前記第一のワンウェイクラッチと前記第二のワンウェイクラッチは回転軸が同じである、ドライブユニット。
  33. 請求項1~9及び32のいずれか一項に記載のドライブユニットを備えた、電動車両。
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