JP2024039615A - 変位検出装置 - Google Patents

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英生 前島
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寿 満田
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Abstract

Figure 2024039615000001
【課題】測定対象の変位を精度良く検出可能な変位検出装置を提供する。
【解決手段】変位検出装置は、測定対象と接触すると第1支点を基点として回転するスタイラスと、スケールが設けられたシャフトと、スタイラスの変位をシャフトに伝達する変位伝達機構と、スケールの変位を検出するセンサと、を備える。変位伝達機構は、(i)シャフトの軸線上に設けられた第1支点と、(ii)第1支点よりもシャフト側に位置し、シャフトの軸線から離れた位置に設けられた第2支点と、(iii)シャフトとスタイラスとの間に設けられた連結部材と、を含み、スタイラスの回転に応じ第1支点を基点に連結部材を押し込むことで、シャフトをシャフトの軸線のシャフト方向に第1変位させ、スタイラスの回転に応じ第2支点を基点に連結部材を回転させることにより、シャフトをシャフトの軸線のシャフト方向に第2変位させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、スタイラスの回転により変位を検出する変位検出装置に関する。
いわゆるレバーゲージ(てこ式ゲージ)と呼ばれる変位検出装置が知られている。レバーゲージは、接触子を有するスライラスと、スタイラスの回転に連動して軸線方向に変位するスケールと、スケールの変位を検出するセンサを備える(特許文献1参照)。
このようなレバーゲージによれば、スタイラスが測定対象に接触したときの回転変位をスケールの軸線方向の変位に変換して検出することにより、測定対象の表面形状や変位などを計測できる。工作機械の主軸に保持されたワークにスタイラスを接触させ、その状態でワークを回転させることにより、ワークの軸振れなども計測できる。
特開2021-71376号公報
しかしながら、スタイラスの回転量に対してスケールの変位が微小であるために、その微小変位をセンサで精度よく検出するのは容易ではない。
本発明のある態様の変位検出装置は、測定対象と接触すると第1支点を基点として回転するスタイラスと、スケールが設けられたシャフトと、スタイラスの変位をシャフトに伝達する変位伝達機構と、スケールの変位を検出するセンサと、を備える。
変位伝達機構は、(i)シャフトの軸線上に設けられた第1支点と、(ii)第1支点よりもシャフト側に位置し、シャフトの軸線から離れた位置に設けられた第2支点と、(iii)シャフトとスタイラスとの間に設けられた連結部材と、を含み、スタイラスの回転に応じ第1支点を基点に連結部材を押し込むことで、シャフトをシャフトの軸線のシャフト方向に第1変位させ、スタイラスの回転に応じ第2支点を基点に連結部材を回転させることにより、シャフトをシャフトの軸線のシャフト方向に第2変位させる。
本発明によれば、測定対象の変位を精度良く検出可能な変位検出装置を提供できる。
実施形態に係る変位検出装置の外観を表す斜視図である。 計測器の内部構造を表す図である。 計測器の内部構造を表す図である。 図3のA-A矢視断面図である。 連結部材の構成を詳細に表す図である。 傾斜機構の動作を表す図である。 スタイラスおよびその周辺の構成および動作を表す図である。 作動変換機構および変位増幅機構を模式的に表す図である。 変位増幅機構を構成する第2増幅機構を模式的に表す図である。 変位増幅の原理を模式的に表す図である。 実施形態と比較例との構成および動作の相異を模式的に表す図である。 実施形態と比較例との構成および動作の相異を模式的に表す図である。 測定長と実際の長さとの誤差の一例を表す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る変位検出装置の外観を表す斜視図である。
変位検出装置1は、計測器3および図示略の処理装置を備える。処理装置は、計測器3で検出された情報を表示する表示部を有し、図示略のケーブルを介して計測器3と接続されている。計測器3は、内部機構を収容するケース2と、測定対象との接触部を有するスタイラス4と、スタイラス4を支持する支持部材6を備える。支持部材6はアーチ状をなし、ケース2に対して設定される回転軸L1を中心に回転可能に設けられる。支持部材6の両端が回転軸L1上に位置する。
支持部材6の先端部中央にスタイラス4が着脱可能に取り付けられている。スタイラス4の軸線L2は、支持部材6の回転軸L1と直交する。支持部材6の両端がそれぞれケース2の側面に位置する。支持部材6は、回転軸L1を中心に回転可能であり、ケース2の前方に向けてオーバハングする態様で支持される。スタイラス4の先端には球状の接触子7が設けられている。ケース2には、内部機構に電力を供給するための電源ラインおよび検出した位置情報を出力する信号ライン(図示略)が接続される。
図2および図3は、計測器3の内部構造を表す図である。図2は斜視図であり、図3は平面図である。図4は、図3のA-A矢視断面図である。各図は、計測器3においてケース2の一部を取り外した状態を示す。
図2に示すように、ケース2の内部には軸受8およびシリンダ10が設けられている。軸受8は、回転軸L1上で支持部材6の支点(第1支点)として機能する。シリンダ10は、スケール等(後述)を収容する。軸受8は、実施形態では球面軸受であり、環状の外輪12と、外周面が球面状の内輪14を含む。外輪12は、ケース2に対して固定される。ケース2の内部機構と内輪14とが接続部16を介して接続されている。
図3にも示すように、支持部材6は、接続部16に固定される支持部18と、支持部18に固定される本体20を有する。支持部18および本体20は、いずれもアーチ状をなしている。支持部材6は、支持部18を内側アーチ、本体20を外側アーチとする二重アーチ構造を有する。
図2に戻り、支持部18の中央部が接続部16にねじ22で締結され、本体20の両端部が支持部18の両端部にそれぞれねじ24で締結されている。支持部18と本体20とが互いの前端部が平行となる基準位置にて固定された状態において、スタイラス4の軸線L2と接続部16の軸線とが同一軸線上に位置するように構成されている。
本体20の前端部にスタイラス4を着脱可能な取付部26が設けられている。取付部26の前面中央に取付部材28が設けられ、その取付部材28にスタイラス4が固定されている。取付部材28に設けられた雌ねじと、スタイラス4の基端部に設けられた雄ねじとが螺合し、スタイラス4が取付部材28に締結されている。
このような構成において、スタイラス4は、接触子7が測定対象に接触したときの抵抗(押圧力)により、支持部材6とともに軸受8(後述の「第1支点P1」)を基点として回転する。このスタイラス4の回転変位がケース2内のスケールの軸線方向の変位に変換され、センサにより検出される(詳細後述)。
なお、ねじ24による本体20の支持部18への締結力が、スタイラス4が測定対象に接触したときの抵抗力よりも大きく、かつ、ねじ22による支持部18の接続部16への締結力よりも小さく設定されている。すなわち、ユーザは、支持部18に対する本体20の取付角度(相対角度)を、図2に示す基準位置から適宜変更でき、変更しても計測器3を正常に機能させることができる。変位検出装置1の用途や測定対象の形状等に応じてその取付角度を変更してもよい(詳細後述)。
図4に示すように、シリンダ10は円筒状をなし、ケース2に固定されている。シリンダ10の軸線L3と回転軸L1とが直交するようにシリンダ10が配置されている。第1支点P1は、回転軸L1上に位置する。計測器3における第1支点P1の位置は変化しない。スタイラス4が上述した基準位置にあるとき、スタイラス4の軸線L2と軸線L3とが一致する。シリンダ10内には、軸線L3に沿って延びるシャフト32と、シャフト32を軸線方向に変位可能に支持する支持部34と、シャフト32と接続部16とを連結するための連結部材36が設けられる。
支持部34は、本実施形態では有限ストロークベアリングが採用される。このベアリングは、予圧式のボールベアリングであるため、シャフト32との間にガタツキがなく、シャフト32の直進性を確保できる。また、シャフト32の往復時のヒステリシスをなくし、安定にガイドすることができる。
連結部材36は、シリンダ10に固定されるベース部材38に支持される本体40と、本体40と接続部16とを連結するロッド42と、本体40のベース部材38とは反対側端部に設けられる球体48と、を含む。ベース部材38は円板状をなし、シリンダ10の前端開口部を閉じるように設けられる。ベース部材38の中央には挿通孔44が設けられている。本体40は段付円筒状をなし、ベース部材38から延びる複数のピン(後述)により支持されている。本体40のベース部材38とは反対側端部に球体48が嵌合する態様で固定されている。
ロッド42は、本体40の軸線L4に沿って圧入され、本体40に固定されている。ロッド42の先端部が本体40から延出して挿通孔44を貫通し、接続部16に嵌合する態様で軸受8と連結される(詳細後述)。球体48の中心Pは軸線L4上に位置する。すなわち、本体40は、球体48を軸線L4上に保持する。
シャフト32の一端には受け部50が固定されている。受け部50は、逆円錐状の受け面52を有する。球体48は、受け面52に当接しつつ受け部50に受け入れられる。受け面52は、テーパ面となっており、シャフト32の軸線L3に対して直角な基準線に対する傾斜角度α(本実施形態では30度)を有する。
シャフト32の他端(つまり球体48とは反対側端部)にはスケール54が設けられる。シャフト32、受け部50およびスケール54は、軸線L3に沿って配置される。
シリンダ10の他端にはリング状のばね受け55が設けられ、受け部50とばね受け55との間にスプリング57が設けられている。スプリング57は、受け部50ひいてはシャフト32を前方、つまり球体48の側に付勢する。このスプリング57の付勢力により、連結部材36(球体48)、受け部50およびスケール54が連結し、シャフト32の軸線方向(「シャフト方向」ともいう)に変位できる。詳細には、連結部材36と球体48との組立体である第1伝達部材と、受け部50とシャフト32とスケール54との組立体である第2伝達部材とが当接し、軸線L3と直角方向に相対変位しつつ軸線L3の方向に変位できる。また、変位測定後にスタイラス4の位置を基準位置に戻すことができる。
スケール54は、シリンダ10の外部に露出する。ケース2内にはセンサ56が設けられている。スケール54およびセンサ56は、いわゆるリニアスケール(リニアエンコーダ)を構成する。センサ56は磁気センサであり、スケール54のパターンと対向するように設けられている。このような構成により、シャフト32が変位したときに、センサ56がスケール54のパターンを位置情報として読み取る。センサ56の検出信号は、信号線58を介して外部の処理装置(図示せず)へ出力される。
図5は、連結部材36の構成を詳細に表す図である。図5(A)は斜視図、図5(B)は正面図、図5(C)は側面図である。
図5(A)に示すように、連結部材36は、ベース部材38に対して本体40を傾斜させるための傾斜機構60が設けられている。傾斜機構60は、ベース部材38に設けられた4つのピン62と、本体40に設けられた4つのピン64を含む。ピン62は、ベース部材38を軸線方向に貫通しつつベース部材38に固定されている。ピン64は、本体40の前端面に固定されている。
図5(B)にも示すように、ベース部材38の中央に挿通孔44が設けられ、ロッド42が同軸に貫通している。ベース部材38には挿通孔44を中心に4つの貫通孔66が設けられ、各貫通孔66にピン62が挿通され固定されている。4つの貫通孔66は、挿通孔44を中心とする仮想の正方形の頂点の位置にそれぞれ設けられている。
図5(C)にも示すように、各ピン62は、後方(球体48側)に向かうほど軸線L4に近づくようにやや傾斜して設けられている。言い換えれば、そのように貫通孔66の角度が設定されている。本体40には、各ピン62との対向面に挿通穴68が設けられ、ピン62を挿通可能に構成されている。挿通穴68の内径は、ピン62の外径よりも十分に大きい。
一方、図5(A)に示すように、本体40の前端面の上下および左右の外周縁に壁部70が設けられ、各壁部70の内側にピン64が配置され固定されている。各ピン64は、本体40の前端面に平行に設けられている。上下の2つのピン64が互いに平行となり、左右の2つのピン64が互いに平行となるように配置されている。
図5(B)にも示すように、4つのピン62は、4つのピン64により形成される正方形領域の角部内側にそれぞれ位置する。図5(C)にも示すように、各ピン62は、その角部を形成する2つのピン64に当接する。このような構成により、後述のように傾斜機構60を機能させることができる。
図6は、傾斜機構60の動作を表す図である。図6(A)は傾斜機構60が非作動の状態を示し、図6(B)は傾斜機構60が上下方向に動作した状態を示し、図6(C)は傾斜機構60が左右方向に動作した状態を示す。なお、これらの図においては便宜上、ロッド42の図示を省略している。
図6(A)に示すように、傾斜機構60が非作動の状態では、ベース部材38の軸線L5と本体40の軸線L4とが一致する。なお、図4に示したように、ベース部材38はシリンダ10に固定されているので、その軸線L5はシャフト32の軸線L3と一致する。
一方、図6(B)に示すように傾斜機構60が上下方向に動作したとき、上下のいずれかのピン64が支点(第2支点P2:図4参照)となり、本体40が軸線L5に対して傾斜する。具体的には、連結部材36を上方に傾ける場合、ベース部材38に当接する上側のピン64が第2支点P2として機能し、その第2支点P2を基点として本体40が上方に傾く。それにより、球体48が上方に変位する。このとき、上側の2つのピン62は、それぞれ挿通穴68に押し込まれたままとなる。一方、下側のピン64がベース部材38から離間するため、下側の2つのピン62は、挿通穴68から抜けることとなる。逆に、連結部材36を下方に傾ける場合、ベース部材38に当接する下側のピン64が第2支点P2として機能し、その第2支点P2を基点として本体40が下方に傾く。それにより、球体48が下方に変位する。このように、計測器3における複数の第2支点P2のそれぞれの位置は変化しないが、傾斜機構60の動作に応じて各ピン64は変位する。各第2支点P2(図4参照)は、ピン64が重なることで傾斜機構60の回転中心(傾きの基点)として機能する。
図6(C)に示すように傾斜機構60が左右方向に動作したとき、左右のいずれかのピン64が支点(第2支点)となり、本体40が軸線L5に対して傾斜する。具体的には、連結部材36を左方に傾ける場合、ベース部材38に当接する左側のピン64が第2支点として機能し、その第2支点を基点として本体40が左方に傾く。それにより、球体48が左方に変位する。このとき、左側の2つのピン62は、それぞれ挿通穴68に押し込まれたままとなる。一方、右側のピン64がベース部材38から離間するため、右側の2つのピン62は、挿通穴68から抜けることとなる。逆に、連結部材36を右方に傾ける場合、ベース部材38に当接する右側のピン64が第2支点として機能し、その第2支点を基点として本体40が右方に傾く。それにより、球体48が右方に変位する。このような構成により、図2に点線矢印にて示したように、スタイラス4を上下方向および左右方向のいずれにも変位させることができる。その結果、測定対象の上下方向および左右方向の変位を計測できる。以上に述べた傾斜機構60の動作が、後述するオフセット機能ひいては変位増幅機構の機能に関わる。
図7は、スタイラス4およびその周辺の構成および動作を表す図である。図7(A)は、変位検出の際のスタイラス4の動作を示す。図7(B)および(C)は、スタイラス4の角度調整方法を示す。
上述のように、スタイラス4は支持部材6の本体20に固定され、支持部材6の支持部18は接続部16に固定されている。接続部16は、軸受8の内輪14に固定されている。このため、図7(A)に示すように、スタイラス4は、支持部材6と一体に軸受8(第1支点)を基点とし、回転軸L1を中心に回転する。回転軸L1は、シャフト32の軸線L3と直交する位置にある。スタイラス4の軸線L2は、その回転に応じて軸線L3と角度θをなすこととなる。
また上述のように、変位検出装置1の用途や測定対象の形状等に応じてスタイラス4の初期位置(初期角度)を変更することもできる。図7(B)に示すように、ねじ24を中心に支持部18に対する本体20の角度、つまりスタイラス4の初期角度θsetを変更できる。すなわち、ケース2に対するスタイラス4の首振り機構を実現できる。変更後にねじ24を再び締結することで、図7(C)に示すように、スタイラス4は、変更後の初期角度θsetを基準に回転するようになる。
初期角度θsetを0度以外に設定したとしても、スタイラス4の回転中心は回転軸L1となる、つまり回転の基点が軸受8(第1支点)のまま変化しない。スタイラス4の支点は、接続部16とロッド42との連結点から離間した位置となる(図9(B)参照)。このため、測定誤差が大きくなることもない。
次に、本実施形態の作動変換機構および変位増幅機構について説明する。
計測器3は、スタイラス4の回転をシャフト32の軸線運動に変換する作動変換機構と、スタイラス4の回転に応じたシャフト32の変位を増幅する変位増幅機構を備える。これら作動変換機構と変位増幅機構とが、スタイラス4の変位を増幅してシャフト32ひいてはスケール54に伝達する変位伝達機構を構成する。以下、そのメカニズムについて説明する。
図8は、作動変換機構および変位増幅機構を模式的に表す図である。図9は、変位増幅機構を構成する第2増幅機構を模式的に表す図である。図9(A)は、図4のB部拡大図である。図9(B)は、第2増幅機構の構成および動作を表す図である。
図8に示すように、スタイラス4とともに接続部16が回転すると、ロッド42が接続部16とは反対側に傾斜するとともに軸線方向(後方)にやや押し込まれる。
詳細には図9(A)に示すように、接続部16が段付円筒状をなし、ロッド42との先端部を受け入れる凹状の嵌合部71を有する。一方、ロッド42の先端部の外周面が、先端に向けて小径化される傾斜面72(テーパ面)を有する。このため、図9(B)に示すように、スタイラス4が回転したときにロッド42がロックされずに回転可能となる。ロッド42は、第2支点P2を基点に回転しつつ、接続部16に対してやや後方(シャフト方向後方:図の右方)に変位する(第1変位)。
図8に戻り、このときロッド42と一体の本体40も傾斜するため、球体48が受け部50の受け面52上で移動し、その中心Pがシャフト32の軸線L3からオフセットする。このとき、連結部材36が、軸線L3からオフセットされた第2支点P2を中心に回転することで、受け面52を軸線方向後方(シャフト方向後方:図の右方)に大きく押し込む。それにより、受け部50の後方(図の右方)への押し込み量を増大させる。
このように、スタイラス4の回転がシャフト32の軸線運動に変換されるとともに、その回転に応じたシャフト32の変位が増幅される。すなわち、この一連の機構が作動変換機構、オフセット機構、および変位増幅機構として機能する。
なお、変位増幅機構による押し込み量は、受け面52の傾斜角度αを大きくするほど大きくできる。しかし、傾斜角度αが大きくなるほど球体48の移動に対する抵抗が大きくなり、オフセット機構を機能させ難くなる。この抵抗が大きくなると、測定に際して測定対象からスタイラス4に負荷すべき力(測定力)も大きくなり、計測が重くなるといった問題も生じうる。このため、傾斜角度αは20~40度、より好ましくは20~30度がよく、本実施形態では30度に設定している。
変位増幅機構としては、球体48と受け面52との相対変位(図8参照)だけでなく、接続部16とロッド42との相対変位(図9(B)参照)も寄与している。このため、実施形態の変位増幅機構は、球体48と受け面52とによる第1増幅機構と、接続部16とロッド42とによる第2増幅機構を含むともいえる。本実施形態では、スタイラス4の上下方向の変位と同程度以上にシャフト32ひいてはスケール54が変位する。
以上のように構成された変位検出装置1を用いることにより、測定対象の変位や長さを計測できるが、機械構造を用いた計測であるため、測定値と実際の値との間にはわずかな誤差も発生しうる。そこで、計測器3の出力信号を処理する処理装置は、この誤差を補正するための補正係数を記憶し、補正した値を測定値とする。
図10は、変位増幅の原理を模式的に表す図である。図10(A)は実施形態の原理を示し、図10(B)は比較例1の原理を示す。
図10(A)の左段は、スタイラス4が測定対象Wと接触する直前の状態を示す。図10(A)の右段は、スタイラス4が測定対象Wと接触した後の状態を示す。本実施形態では、変位伝達機構が、接触子7が測定対象Wと接触することによるスタイラス4の変位をシャフト32に伝達する。変位伝達機構は、第1支点P1および第2支点P2を備える。この変位伝達機構は、スタイラス4の回転に応じてスタイラス4の変位をシャフト32に伝達させる。
図10(A)の右段に示すように、連結部材36は、第1支点P1よりもシャフト32側に位置する第2支点P2を基点として回転する。第1支点P1がシャフト32の軸線L3上に設けられる一方、第2支点P2がシャフト32の軸線L3からオフセットした位置に設けられる。変位増幅機構は、第1支点P1を基点としたスタイラス4の回転に応じて、第2支点P2を基点として連結部材36を回転させる。このとき、連結部材36が第2支点P2を中心に回転しつつ、シャフト32の軸線方向に押し込まれる。このため、球体48がシャフト32の軸線方向に押し込まれつつ受け部50の斜面(受け面52)を移動する。スタイラス4の変位に対するロッド42の振れ角も大きくなる。その結果、シャフト32の軸線方向変位が大きくなる。すなわち、第1支点P1を基点としたスタイラス4の回転に応じて、連結部材36がスタイラス4に対してシャフト32の軸線方向に相対変位しつつシャフト32側に押し込まれる。さらに、そのスタイラス4の回転に応じて連結部材36が第2支点P2を基点に回転することにより、シャフト32が連結部材36に対して軸線方向に相対変位しつつ押し込まれる。
本実施形態によれば、軸線L3からオフセットした位置に設けた第2支点P2を基点に連結部材36を回転させることで、球体48そのものを押し込みつつシャフト32をさらに押し込むことができる。例えば図示の寸法(mm)を採用した場合、スタイラス4の変位(測定対象Wとの接触点Pcの変位)を1mmとしたときに、シャフト32の軸線方向の変位(スケール54の変位)は1.12mmとなる。
図10(B)の左段は、比較例1において、スタイラス104が測定対象Wと接触する直前の状態を示す。図10(B)の右段は、スタイラス104が測定対象Wと接触した後の状態を示す。図10(B)の左段に示すように、比較例1は、第1支点P1を有するが、第2支点P2を有していない。球体48が先端に固定されるロッド142とスタイラス104とが一体に構成され、第1支点P1を基点に回転する。図10(B)の右段に示すように、このような構成では、スタイラス104の変位にともなって球体48そのものが押し込まれることはないため、本実施形態のような変位増幅効果は得られない。例えば図示の寸法(mm)を採用した場合、スタイラス104の変位(測定対象Wとの接触点Pcの変位)を1mmとしたときに、シャフト32の軸線方向の変位(つまりスケール54の変位)が0.59となり、本実施形態よりも小さくなる。
すなわち、本実施形態によれば、2つの支点(第1支点P1,第2支点P2)を設けたことにより、スタイラスの変位に対するスケールの変位を比較例1よりも大きくする(つまり増幅する)ことができる。
図11は、実施形態と比較例との構成および動作の相異を模式的に表す図である。図11(A)は実施形態の動作を示し、図11(B)は比較例2の動作を示す。
図11(A)に示すように、接触子7が測定対象Wと接触することによりx1だけ変位したと仮定する。本実施形態では、このときスタイラス4が第1支点P1を中心に一方向(例えば反時計回り)に回転すると、連結部材36は第2支点P2を中心に反対方向(時計回り)に回転する。第2支点P2がシャフト32の軸線L3から離れているため(つまり第2支点P2がシャフト32の軸線L3上にないため)、連結部材36が回転するにつれてロッド42ひいては球体48がシャフト32の軸線方向後方(図の下方)に押し込まれる。
すなわち、上述のように連結部材36がシャフト32の軸線方向に第1変位するよう押し込まれ、球体48は、第2支点P2を中心とする半径r1の円軌道上を図の下方へ動く。加えて、球体48が受け面52上を軸線L3から離れる方向に移動することで、受け部50ひいてはシャフト32がさらに第2変位するよう押し込まれる。つまり、スタイラス4の回転に応じて第1支点P1を基点に連結部材36が押し込まれることで、シャフト32が軸線方向(シャフト方向)に第1変位する。また、そのスタイラス4の回転に応じて第2支点P2を基点に連結部材36が回転することにより、シャフト32が軸線方向(シャフト方向)に第2変位する。シャフト32は第1変位と第2変位の2段階に押し込まれることとなり、その変位h1(=第1変位+第2変位)を大きくできる。
一方、比較例2は、ロッド242がその中間部分において「く」の字状にやや屈曲しており、その屈曲点に第1支点P1が位置する。ロッド242における接触子7とは反対側端部に球体248が設けられている。シャフト32の先端には受け部250が設けられている。受け部250の受け面252は、軸線L3に対して一方向に傾斜する斜面とされている。この斜面の角度は受け面52の角度と等しい(例えば30度)。
比較例2では、接触子7が測定対象Wと接触してx1だけ変位すると、ロッド242が第1支点P1を中心に一方向(例えば反時計回り)に回転する。それにより、球体248が受け面252上を軸線L3から離れる方向に移動することで、受け部250ひいてはシャフト32が押し込まれる。しかし、比較例2では第2支点P2が存在しないため、ロッド242は、軸線L3上にある第1支点P1のみを中心に回転することとなる。このため、ロッド242が回転するにつれて、球体248はシャフト32の軸線方向前方(図の上方)に変位することとなる。球体248は、第1支点P1を中心とする半径r2の円軌道上を図の上方へ動く(r2>r1)。すなわち、球体248が受け面252上を移動することで、シャフト32を押し込むことはできても、球体248そのものがその押し込み方向とは反対方向に変位するため、その分、シャフト32の変位h2は小さくなる(h1>h2)。
このように、本実施形態によれば、第1支点P1よりもシャフト32の側に軸線L3からオフセットした位置に第2支点P2を設けることで、シャフト32を2段階に押し込むことができ、比較例2よりもシャフト32の変位を大きくすることができる。
図12は、実施形態と比較例との構成および動作の相異を模式的に表す図である。図12(A)は実施形態の動作を示し、図12(B)は比較例3の動作を示す。
図12(A)に示すように、本実施形態の動作は図11(A)に示したものと同様である。比較例3との対比を分かり易くするために図示している。
一方、比較例3は、比較例1(図10(B))と実質的に同様であるが、受け部50をロッド142の端部に設け、球体48をシャフト32の端部に設けた点で異なる。比較例3では、接触子7が測定対象Wと接触してx1だけ変位すると、ロッド142が第1支点P1を中心に一方向(例えば反時計回り)に回転する。それにより、受け部50の中心が軸線L3から離れる方向に移動することで、球体48が受け面52上を相対変位し、球体48ひいてはシャフト32が押し込まれる。
しかし、比較例3にも第2支点P2が存在しないため、ロッド142は第1支点P1のみを中心に回転することとなる。このため、ロッド142が回転するにつれて、受け部50はシャフト32の軸線方向前方(図の上方)に変位することとなる。受け部50は、第1支点P1を中心とする半径r3の円軌道上を図の上方へ動く(r3>r1)。すなわち、受け部50が球体48に対して相対変位することで、シャフト32を押し込むことはできても、受け部50そのものがその押し込み方向とは反対方向に変位するため、その分、シャフト32の変位h3は小さくなる(h1>h3)。すなわち、本実施形態によれば、比較例3よりもシャフト32の変位を大きくすることができる。
図13は、変位検出装置1による測定長と実際の長さとの誤差の一例を表す図である。
この例では、測定長が実際の長さよりも小さくなり、測定長が大きくなるほど誤差も大きくなる。そこで、この傾向に基づき、測定長に応じて誤差をゼロに近づけるための補正係数を設定する。それにより、より正確な測定値を得ることができる。本実施形態では、ほぼリニアな補正(直線補正)をかければ足りる。
以上に説明したように、本実施形態の変位検出装置1によれば、スタイラス4の回転に応じたシャフト32の変位が機構により増幅されるため、電気的に増幅させる必要がない。このため、測定結果をダイレクトに反映でき、検出精度を良好に維持できる。すなわち、測定対象の変位を精度良く検出できる。
また、その変位増幅機構を連結部材36、球体48および受け部50を中心とした簡易な機構で実現できるため、比較的コンパクトに構成でき、コスト面で有利であるとともに故障等の不具合も抑制できる。
[変形例]
上記実施形態では、図4に示したように、連結部材36側に球体48を設け、シャフト32側に受け部50を設ける構成を例示した。変形例においては逆に、連結部材側に受け部を設け、シャフト側に球体を設けてもよい。すなわち、球体をシャフトの軸線上に保ちつつ、受け部側が傾斜することで変位増幅機構としての機能を発揮させてもよい。
上記実施形態では、ベース部材38から延びる4つのピン62と、本体40に設けた4つのピン64(二対の平行ピン)とを支点構成部材とし、傾斜機構60を実現する構成を例示した。変形例においては、ピン62とピン64のいずれか一方又は双方に代えて球体(ボール)を採用してもよい。あるいは突起を採用してもよい。傾斜機構の作動に際してベース部材側の支点構成部材と本体側の支点構成部材とが点接触(二点で接触)するような構成であればよい。
また、ベース部材側の支点構成部材と本体側の支点構成部材をともにOリング形状とし、傾斜機構が上下左右方向のみならず、任意の角度で傾斜できるようにしてもよい。
上記実施形態では、センサ56を磁気センサとする例を示した。変形例においては光学式センサ、静電容量式センサ、コイルを用いた差動トランス等のアナログセンサその他のセンサを用いてもよい。
上記実施形態では、支持部34として有限ストロークベアリングを採用したが、予圧のないボールベアリングとしてもよい。変形例においては、支持部を滑り軸受で構成してもよい。あるいは、軸受を設けることなく、支持部を円筒部材などで構成し、シャフト32を摺動可能に挿通させ、軸線方向にガイドしてもよい。
上記実施形態では、受け部50の受け面52として逆円錐形状の斜面を採用したが、円弧状の斜面としてもよい。それにより、図13に示されるような曲線のプロファイルを電気的にではなく形状により補正することもできる。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
1 変位検出装置、2 ケース、3 計測器、4 スタイラス、6 支持部材、7 接触子、8 軸受、10 シリンダ、12 外輪、14 内輪、16 接続部、18 支持部、20 本体、22 ねじ、24 ねじ、26 取付部、28 取付部材、32 シャフト、34 支持部、36 連結部材、38 ベース部材、40 本体、42 ロッド、44 挿通孔、48 球体、50 受け部、52 受け面、54 スケール、55 ばね受け、56 センサ、57 スプリング、58 信号線、60 傾斜機構、62 ピン、64 ピン、66 貫通孔、68 挿通穴、70 壁部、72 傾斜面、L1 回転軸、L2 軸線、L3 軸線、L4 軸線、L5 軸線、P 中心、P1 第1支点、P2 第2支点。

Claims (5)

  1. 測定対象と接触すると第1支点を基点として回転するスタイラスと、
    スケールが設けられたシャフトと、
    前記スタイラスの変位を前記シャフトに伝達する変位伝達機構と、
    前記スケールの変位を検出するセンサと、を備え、
    前記変位伝達機構は、(i)前記シャフトの軸線上に設けられた前記第1支点と、(ii)前記第1支点よりも前記シャフト側に位置し、前記シャフトの軸線から離れた位置に設けられた第2支点と、(iii)前記シャフトと前記スタイラスとの間に設けられた連結部材と、を含み、前記スタイラスの回転に応じ前記第1支点を基点に前記連結部材を押し込むことで、前記シャフトを前記シャフトの軸線のシャフト方向に第1変位させ、前記スタイラスの回転に応じ前記第2支点を基点に前記連結部材を回転させることにより、前記シャフトを前記シャフトの軸線のシャフト方向に第2変位させる、変位検出装置。
  2. 前記変位伝達機構は、
    逆円錐状の受け面を有し、前記シャフトの軸線上に設けられる受け部と、
    前記受け面に当接するよう前記受け部に受け入れられる球体と、
    を含む、請求項1に記載の変位検出装置。
  3. 前記変位伝達機構は、
    前記第1支点としての軸受の内輪に設けられた接続部と、
    一端が前記接続部に連結され、他端に前記球体が設けられた前記連結部材と、
    前記シャフトの一端に設けられた前記受け部と、
    を含む、請求項2に記載の変位検出装置。
  4. 前記連結部材は、
    前記球体を保持する本体と、
    前記本体の軸線に沿って設けられるロッドと、
    を含み、
    前記接続部が、前記ロッドの先端部を受け入れる嵌合部を有し、
    前記先端部の外周面が、先端に向けて小径化される傾斜面を有することで、前記スタイラスが回転したときに前記ロッドが前記接続部に対して相対変位可能である、請求項3に記載の変位検出装置。
  5. 前記本体が、前記スタイラスの回転に応じて前記第2支点を基点として回転する、請求項4に記載の変位検出装置。
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