JP2024038966A - 制御システム、制御方法、制御プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、車両の運転を制御する技術に、関する。
特許文献1には、自車両の逆走を予測して警告を発することにより、当該逆走を予防する技術が提案されている。
しかし、特許文献1の提案技術では、交通障害となる逆走の予測された自車両が停止した後における、当該自車両の運転制御までは開示されていない。ここで、合流レーンからメインレーンへの合流走行に伴う自車両の逆走予防に、特許文献1の提案技術が適用される場合、自車両が合流エリアに滞留したまま運転が再開されないと、他車両の通行を妨げて交通障害を招くことになるため、望ましくない。
本開示の課題は、交通障害を抑制する制御システムを、提供することにある。本開示のまた別の課題は、交通障害を抑制する制御方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、交通障害を抑制する制御プログラムを、提供することにある。
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
本開示の第一態様は、
プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
プロセッサは、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される。
プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
プロセッサは、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される。
本開示の第二態様は、
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む。
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む。
本開示の第三態様は、
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
命令は、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む。
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
命令は、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向(Db)とメインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む。
このように第一~第三態様では、合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクが監視される。そこで第一~第三態様によると、逆走リスクが予測されるホスト車両においては、禁止解除条件が成立するまで、走行が禁止される。ここで第一~第三態様の禁止解除条件は、逆走リスクが予測されるホスト車両において、走行方向とメインレーンの縦方向とのなす逆走判定角に追従して増大する判定基準角度よりも、舵角変化量がメインレーンでの順走側に大きくなることにより、成立する。これによれば、逆走リスクを左右する逆走判定角に追従して判定基準角度が増大するほど、メインレーンでのホスト車両の走行禁止を解除するのに必要な、メインレーンでの順走側への舵角変化量も増大させることができる。故に、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量に基づき判断して、逆走による交通障害のみならず、合流エリアでの滞留による交通障害を、抑制することが可能となる。
本開示の第四態様は、
プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
プロセッサは、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される。
プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
プロセッサは、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される。
本開示の第五態様は、
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む。
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む。
本開示の第六態様は、
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
命令は、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む。
合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
命令は、
合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)がメインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む。
このように第四~第六態様では、合流レーンからメインレーンへ合流走行するホスト車両の、メインレーンにおける逆走リスクが監視される。そこで第四~第六態様によると、逆走リスクが予測されるホスト車両においては、禁止解除条件が成立するまで、走行が禁止される。ここで第四~第六態様の禁止解除条件は、逆走リスクが予測されるホスト車両において、合流レーンからメインレーンへの進入距離となる逆走判定距離に追従して増大する判定基準角度よりも、舵角変化量がメインレーンでの順走側に大きくなることにより、成立する。これによれば、逆走リスクを左右する逆走判定距離に追従して判定基準角度が増大するほど、メインレーンでのホスト車両の走行禁止を解除するのに必要な、メインレーンでの順走側への舵角変化量も増大させることができる。故に、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量に基づき判断して、逆走による交通障害のみならず、合流エリアでの滞留による交通障害を、抑制することが可能となる。
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1に示す第一実施形態の制御システム1は、図2に示すホスト車両2の運転を制御する。ホスト車両2を中心とする視点において、ホスト車両2は自車両(ego-vehicle)であるともいえる。ホスト車両2は、乗員の搭乗状態において走行路を走行可能な、例えば自動車等の移動体である。
図1に示す第一実施形態の制御システム1は、図2に示すホスト車両2の運転を制御する。ホスト車両2を中心とする視点において、ホスト車両2は自車両(ego-vehicle)であるともいえる。ホスト車両2は、乗員の搭乗状態において走行路を走行可能な、例えば自動車等の移動体である。
ホスト車両2においては、乗員の手動運転による介入度に応じてレベル分けされる、自動運転が実行される。自動運転は、条件付運転自動化、高度運転自動化、又は完全運転自動化といった、作動時のシステムが全ての動的運転タスクを実行する自律走行制御により、実現されてもよい。自動運転は、運転支援、又は部分運転自動化といった、乗員が一部若しくは全ての動的運転タスクを実行する高度運転支援制御により、実現されてもよい。自動運転は、それら自律走行制御と高度運転支援制御とのいずれか一方、組み合わせ、又は切り替えにより実現されてもよい。
図1,3に示すようにホスト車両2には、センサ系5、通信系6、地図DB(Data Base)7、及び情報提示系8が搭載される。センサ系5は、制御システム1により利用可能なセンシングデータを、ホスト車両2における外界及び内界の検出によって取得する。そのためにセンサ系5は、外界センサ50及び内界センサ52を含んで構成される。
外界センサ50は、ホスト車両2の外界に存在する物標を、検出する。物標検出タイプの外界センサ50は、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、レーザレーダ、ミリ波レーダ、及び超音波ソナー等のうち、少なくとも一種類である。内界センサ52は、ホスト車両2の内界において車両運動に関する特定の物理量、及び乗員の状態を、検出する。内界センサ52は、例えば速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、アクチュエータセンサ、ドライバーステータスモニター(登録商標)、生体センサ、着座センサ、及び車内機器センサ等のうち、少なくとも一種類である。
通信系6は、制御システム1により利用可能な通信データを、無線通信により取得する。通信系6は、ホスト車両2の外界に存在するGNSS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星から測位信号を受信する、測位タイプであってもよい。測位タイプの通信系6は、例えばGNSS受信機等である。通信系6は、ホスト車両2の外界に存在するV2Xシステムとの間において通信信号を送受信する、V2Xタイプであってもよい。V2Xタイプの通信系6は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信機、及びセルラV2X(C-V2X)通信機等のうち、少なくとも一種類である。通信系6は、ホスト車両2の内界に存在する端末との間において通信信号を送受信する、端末通信タイプであってもよい。端末通信タイプの通信系6は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)機器、Wi-Fi(登録商標)機器、及び赤外線通信機器等のうち、少なくとも一種類である。
地図DB7は、制御システム1により利用可能な地図データを、記憶する。地図DB7は、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を含んで構成される。地図DB7は、自己位置を含んだホスト車両2の自己状態量を推定するロケータの、DBであってもよい。地図DBは、ホスト車両2の走行経路をナビゲートするナビゲーションユニットの、DBであってもよい。地図DB7は、複数種類のDBの組み合わせにより、構築されてもよい。
地図DB7は、例えばV2Xタイプの通信系6を介した外部センタとの通信等により、最新の地図データを取得して記憶する。地図データは、ホスト車両2の走行環境を表すデータとして、二次元又は三次元にデータ化されている。三次元の地図データとしては、高精度地図のデジタルデータが採用されてもよい。地図データは、例えば道路構造の位置座標、形状、及び路面状態等のうち、少なくとも一種類を表した道路データを含んでいてもよい。地図データは、例えば道路に付属する道路標識、道路表示、及び区画線の、位置座標並びに形状等のうち、少なくとも一種類を表した標示データを含んでいてもよい。地図データは、例えば道路に面する建造物及び信号機の、位置座標並びに形状等のうち、少なくとも一種類を表した構造物データを含んでいてもよい。
情報提示系8は、例えば通知又は警告等によりホスト車両2の乗員へと向けて報知する報知データを、提示する。情報提示系8は、乗員の視覚を刺激することにより提示をする、視覚刺激タイプであってもよい。視覚刺激タイプの情報提示系8は、例えばHUD(Head-up Display)、MFD(Multi Function Display)、コンビネーションメータ、ナビゲーションユニット、及び発光ユニット等のうち、少なくとも一種類である。情報提示系8は、乗員の聴覚を刺激することにより提示をする、聴覚刺激タイプであってもよい。聴覚刺激タイプの情報提示系8は、例えばスピーカ、ブザー、及びバイブレーションユニット等のうち、少なくとも一種類である。情報提示系8は、乗員の皮膚感覚を刺激することにより提示をする、皮膚感覚刺激タイプであってもよい。皮膚感覚刺激タイプの情報提示系8は、例えばステアリングホイールのバイブレーションユニット、運転席のバイブレーションユニット、ステアリングホイールの反力ユニット、アクセルペダルの反力ユニット、ブレーキペダルの反力ユニット、及び空調ユニット等のうち、少なくとも一種類である。
制御システム1は、例えばLAN(Local Area Network)、ワイヤハーネス、内部バス、及び無線通信回線等のうち、少なくとも一種類を介してセンサ系5、通信系6、地図DB7、及び情報提示系8に接続される。制御システム1は、少なくとも一つの専用コンピュータを含んで構成される。
制御システム1を構成する専用コンピュータは、ホスト車両2の運転を制御する運転システムの、運転制御ECU(Electronic Control Unit)であってもよい。制御システム1を構成する専用コンピュータは、ホスト車両2の走行経路をナビゲートする、ナビゲーションECUであってもよい。制御システム1を構成する専用コンピュータは、ホスト車両2の自己位置を含む自己状態量を推定する、ロケータECUであってもよい。制御システム1を構成する専用コンピュータは、ホスト車両2の運動アクチュエータを制御する、アクチュエータECUであってもよい。制御システム1を構成する専用コンピュータは、情報提示系8を制御する、HCU(HMI(Human Machine Interface) Control Unit)であってもよい。制御システム1を構成する専用コンピュータは、例えば通信系6を介して通信可能な外部センタ又はモバイル端末等を構築する、少なくとも一つの外部コンピュータであってもよい。
制御システム1を構成する専用コンピュータは、図1に示すようにメモリ10及びプロセッサ12を、少なくとも一つずつ有している。メモリ10は、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含む。
制御システム1においてプロセッサ12は、メモリ10にソフトウェアとして記憶された制御プログラムに含まれる、複数命令を実行する。これにより制御システム1は、ホスト車両2の運転を制御するための機能ブロックを、構築する。このように制御システム1では、ホスト車両2の運転制御を遂行するためにメモリ10に記憶された制御プログラムが複数の命令をプロセッサ12に実行させることによって、機能ブロックが構築される。図3に示すように制御システム1において複数構築される機能ブロックには、走行監視ブロック100、及び走行制御ブロック110が含まれる。
これらのブロック100,110の共同により、制御システム1がホスト車両2の運転を制御する制御方法は、図4に示す制御フローに従って実行される。本制御フローは、ホスト車両2の起動中に繰り返し実行される。尚、本制御フローにおける各「S」は、メモリ10の制御プログラムに含まれた命令によって実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
S100において走行監視ブロック100は、ホスト車両2の走行シーンを監視する。S100の監視ではホスト車両2の走行シーンは、図2に示すように合流レーンLαからメインレーンLβへ手動運転状態のホスト車両2が合流走行する、合流走行シーンSmであるか否かが判定される。ここで合流走行シーンSmとしては、設定本数(図2は一本の例)の合流レーンLαから、単列又は縦方向Daのうち順方向Dafが同じ複数列(図2は二列の例)のメインレーンLβへの、合流構造における走行シーンが想定される。このような合流走行シーンSmは、例えばサービスエリア又はパーキングエリアより分岐した復帰レーンから自動車専用道路への合流シーン、及び自動車専用道路より分岐した退出レーンから一般道路への合流シーン等のうち、少なくとも一種類である。以上よりS100の監視は、センサ系5からのセンシングデータ、通信系6からの通信データ、及び地図DB7からの地図データのうち、少なくとも一種類に基づく。
図4に示すS100において、ホスト車両2の走行シーンが合流走行シーンSm以外であることにより、否定判定が下された場合、制御フローの今回実行は終了する。一方でS100において、ホスト車両2の走行シーンが合流走行シーンSmであることにより、肯定判定が下された場合、制御フローはS101へ移行する。
S101において走行監視ブロック100は、合流走行シーンSmにおけるホスト車両2の、メインレーンLβでの逆走リスクを監視する。ここで逆走リスクとは、合流走行シーンSmのホスト車両2が手動運転状態のまま、図5に示すようにメインレーンLβにおける縦方向Daのうち逆方向Darに同レーンLβを走行する、逆走が予測(想定)される確率を意味する。ここで、例えば図5の如くメインレーンLβが二列存在する合流走行シーンSmでは、当該二列のうち合流レーンLαから遠い側のメインレーンLβが乗員により対向レーンと誤認されることにより、ホスト車両2が逆走する確率としての逆走リスクは、高くなると予測される。そこでS101の監視では予測される逆走リスクは、図4に示すように許容範囲外のリスクであるか否かが、判定される。こうしたS101の監視は、センサ系5からのセンシングデータ、通信系6からの通信データ、及び地図DB7からの地図データのうち、少なくとも一種類に基づく。
S101の監視による判定に際しては、ホスト車両2において左右の零点角度を基準とした舵角の変化量が、図5に示すメインレーンLβにおける逆方向Darの側である逆走側へ閾値以上又は超過となる場合に、逆走リスクは許容範囲外にあると予測されてもよい。S101の監視による判定に際して、ホスト車両2の前後基準方向(後述する図10のDb参照)と合流レーンLαの縦方向Daのうち順方向Dafとのなすヨー角に定義されるリスク判定角が、閾値未満又は以下の角度となる場合に、逆走リスクは許容範囲外にあると予測されてもよい。S101の監視による判定に際して、ホスト車両2の前後基準方向(同様に図10のDb参照)とメインレーンLβの縦方向Daのうち逆方向Darとのなすヨー角に定義されるリスク判定角が、閾値以上又は超過となる場合に、逆走リスクは許容範囲外にあると予測されてもよい。
図4に示すS101において、許容範囲外の逆走リスクは予測されない(即ち、予測される逆走リスクは許容範囲内である)ことにより、否定判定が下された場合、制御フローはS100へ戻る。これにより、合流走行シーンSmからホスト車両2が手動運転状態のまま、図6に示すようにメインレーンLβでの縦方向Daのうち順方向Dafに走行する、順走シーンSfへ正常に遷移するまでは、S100,S101が繰り返される。換言すれば、合流走行シーンSmから順走シーンSfへの正常遷移により、制御フローの今回実行は終了することとなる。一方で図4に示すS101において、許容範囲外の逆走リスクが予測されることにより肯定判定が下された場合、メインレーンLβにおいてホスト車両2の逆走が推定的に検知されたとして、制御フローはS102へ移行する。
S102において走行制御ブロック110は、合流走行シーンSmにおいて許容範囲外の逆走リスクが予想されたホスト車両2を、手動運転に拘わらず自動停止させる。S102の自動停止は、例えば運転システム等における緊急停止又は最小リスク操作(MRM:Minimum Risk Manoeuvre)等の機能により、ホスト車両2及び他道路ユーザの安全性を確保するように、実現される。
S102では自動停止に伴って走行制御ブロック110は、ホスト車両2を手動運転中の乗員に対して、メインレーンLβにおける逆走を警告するように、情報提示系8を制御してもよい。S102では自動停止に伴って走行制御ブロック110は、手動運転状態からの強制的且つ緊急な自動停止を、ホスト車両2の乗員に対して警告するように、情報提示系8を制御してもよい。S102では自動停止後において走行制御ブロック110は、メインレーンLβでの順方向Dafの側である順走側への、手動操舵による逆走リスクの解消を、ホスト車両2の乗員に対して警告するように、情報提示系8を制御してもよい。制御フローは、S102の完了後にS103へ移行する。
S103において走行制御ブロック110は、ホスト車両2において自動停止を解除するための停止解除条件として、乗員が当該自動停止の手動解除をするための手動解除条件Csmの成立を、監視する。ここで手動解除条件Csmは、ホスト車両2に対する乗員の、例えばブレーキ操作等といった手動操作を検知することにより、成立する。そこでS103の監視では、手動解除条件Csmは成立しているか否かが、判定される。こうしたS103の監視は、センサ系5のうち内界センサ52からの、センシングデータに基づく。
S103において、手動解除条件Csmの成立により肯定判定が下された場合、制御フローはS104~S106をスキップしてS107へ移行する。一方でS103において、手動解除条件Csmの不成立により否定判定が下された場合、制御フローはS104へ移行する。
S104において走行制御ブロック110は、ホスト車両2の自動停止を解除するための別な停止解除条件として、例えば運転システム等が当該自動停止の自動解除をするための自動解除条件Csaの成立を、監視する。ここで自動解除条件Csaは、S102による自動停止から設定時間が経過することにより、成立する。そこでS104の監視では、自動解除条件Csaは成立しているか否かが、判定される。こうしたS104の監視は、プロセッサ12のクロックデータに基づく。
S104において、自動解除条件Csaの不成立により否定判定が下された場合、制御フローはS103へ戻る。一方でS104において、自動解除条件Csaの成立により肯定判定が下された場合、制御フローはS105へ移行する。
S105において走行制御ブロック110は、逆走リスクの予測による自動停止後に自動解除条件Csaの成立したホスト車両2に対して、乗員の手動運転による走行を禁止する。但し、S105の段階では、逆走リスクを解消するための手動操舵を除いて、手動運転による前進走行(特に第一実施形態では再発進)が禁止される。そこでS105における走行制御ブロック110は、手動運転による前進走行を禁止した上での、手動操舵による逆走リスクの解消を、ホスト車両2の乗員に対して警告するように、情報提示系8を制御してもよい。制御フローは、S105の完了後にS106へ移行する。
S106において走行制御ブロック110は、ホスト車両2に対して手動運転による走行の禁止を解除するための、禁止解除条件Clを監視する。ここで禁止解除条件Clは、図7に示すようにホスト車両2において手動操作により舵角の変化した舵角変化量δθが、メインレーンLβでの順方向Dafの側となる順走側に判定基準角度θbよりも大きくなることにより、成立する。このように禁止解除条件Clを構成する舵角変化量δθとしては、図7の如く第一実施形態では、ホスト車両2のステアリングホイール2aにおいて手動操舵による操舵角の変化量が、左右の零点角度θs0を基準に検知されて判定基準角度θbと大小比較される。尚、図8に示す変形例のように舵角変化量δθとしては、ホスト車両2の操舵輪2bにおいてステアリングホイール2aの手動操舵に応じた転舵角の変化量が、左右の零点角度θt0を基準に検知されて判定基準角度θbと大小比較されてもよい。
そこで、S106の監視に際して判定基準角度θbは、図9に示す逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrの各々に追従して増大するように、設定される。このとき逆走判定角ψrは、走行禁止により停止したままのホスト車両2において走行方向を表す前後基準方向Dbと、メインレーンLβの縦方向Daのうち逆方向Darとのなすヨー角として、図10に示すように定義される。ここで図9の如く逆走判定角ψrは、S101により判定の逆走リスクが許容範囲外となるヨー角のうち、最小角度ψrm以上又は超過の範囲において想定されるとよい。これにより判定基準角度θbは、前後基準方向Dbと逆方向Darとのなす逆走判定角ψrが増大するのに追従して、増大設定される。
また一方で逆走判定距離Δrは、走行禁止により停止したままのホスト車両2が、合流レーンLαからメインレーンLβへ進入した進入距離として、図11に示すように定義される。ここで、メインレーンLβの横方向Dcにおいて図11の如く規定される逆走判定距離Δrは、停止したホスト車両2のうち前端部の停止位置Psと、各レーンLα,Lβ同士の境界Blとの、離間距離となる。これにより判定基準角度θbは、合流レーンLαから進入したメインレーンLβでの逆走判定距離Δrが増大するのに追従して、増大設定される。
S106において判定基準角度θbは、逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrがそれぞれ段階的に増大するほど、メモリ10に記憶されたマトリクス相関テーブル(図9参照)に従って増大設定されてもよい。判定基準角度θbは、逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrがそれぞれ段階的又は連続的に増大するほど、メモリ10に記憶された相関関数又は相関マップに従って増大設定されてもよい。
以上よりS106の監視は、センサ系5からのセンシングデータ、通信系6からの通信データ、及び地図DB7からの地図データのうち、少なくとも一種類に基づく。こうしたS106の監視では、図4に示すように禁止解除条件Clは成立しているか否かが、判定される。
そこで、S102の自動停止タイミングからの舵角変化量δθがメインレーンLβでの順走側にて判定基準角度θbよりも小さくなることにより、禁止解除条件Clが不成立となって否定判定が下された場合、制御フローはS106を繰り返す。また、S102の一時停止タイミングからの舵角変化量δθがメインレーンLβでの逆走側に大きくなることにより、禁止解除条件Clが不成立となって否定判定が下された場合にも、制御フローはS106を繰り返す。これらにより、禁止解除条件Clが成立するまでS106が繰り返される間は、手動運転でのホスト車両2の走行が継続的に禁止される。
一方でS106において、S102の自動停止タイミングからの舵角変化量δθがメインレーンLβでの順走側に判定基準角度θbよりも大きくなることにより、禁止解除条件Clが成立して肯定判定が下された場合、制御フローはS107へ移行する。但し、舵角変化量δθがメインレーンLβでの順走側にて判定基準角度θbと実質一致する場合に制御フローは、否定判定によりS106を繰り返してもよいし、肯定判定によりS106からS107へ移行してもよい。尚、上述したようにS103において肯定判定が下された場合にも、制御フローはS107へ移行する。
S107において走行制御ブロック110は、条件Cl,Csmのうち経由ステップに応じた一方の成立したホスト車両2において、乗員の手動運転による順方向Dafへの走行を許可する。但し、S107の段階では、ホスト車両2の走行速度をメインレーンLβでの法定走行速度よりも制限するように、手動運転による順方向Dafへの走行許可、即ち手動運転での順走許可が与えられる。このとき走行速度の最高速度は、徐行速度となる限りにおいて、例えばメインレーンLβでの法定走行速度等に応じた可変値、又は例えば20km/h等の予め設定された固定値に、制限される。制御フローは、S107の完了後にS108へ移行する。
S108において走行制御ブロック110は、メインレーンLβでのホスト車両2の逆走リスクを監視する。但し、S108の監視では、メインレーンLβにおける手動操舵に応じた順方向Dafへのホスト車両2の動き出しにより、予測される逆走リスクは解消されたと判断可能な、解消範囲内のリスクであるか否かが判定される。こうしたS108の監視も、センサ系5からのセンシングデータ、通信系6からの通信データ、及び地図DB7からの地図データのうち、少なくとも一種類に基づく。
S108の監視による判定に際しては、ホスト車両2の前後基準方向DbとメインレーンLβでの逆方向Darとのなすリスク判定角が、閾値未満又は以下である場合に、逆走リスクは解消範囲内にあると予測されてもよい。このときS108でのリスク判定角の閾値は、S101でのリスク判定角の閾値とは、相異値又は同一値に設定される。S108の監視では、合流走行シーンSmが検知されてから同S108が実行されるまで、図12に例示の如き方向標識等の、順方向Dafを表す静止物9がメインレーンLβの側方において監視されることで、当該監視結果から逆走リスクが判定されてもよい。S108の監視では、合流走行シーンSmが検知されてから同S108が実行されるまで、ホスト車両2のヨーレートが監視されることで、当該監視結果から逆走リスクが判定されてもよい。
図4に示すS108において、予測される逆走リスクは解消範囲外であることにより、否定判定が下された場合、制御フローは同S108を繰り返す。これにより、逆走リスクが解消するまでS108が繰り返される間は、許可された手動運転での順走においてホスト車両2の走行速度が継続的に制限される。一方でS108において、予測される逆走リスクは解消範囲内であることにより、即ち逆走リスクの解消により肯定判定が下された場合、制御フローはS109へ移行する。
S109において走行制御ブロック110は、走行速度の制限を解除した手動運転でのホスト車両2の順走を、同レーンLβにおいて許可する。これによりホスト車両2は、例えば運転システム等のノミナル制御による、通常走行状態へと復帰する。そこで制御フローの今回実行は、S109の完了後に終了する。
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態では、合流レーンLαからメインレーンLβへ合流走行するホスト車両2の、メインレーンLβにおける逆走リスクが監視される。そこで第一実施形態によると、逆走リスクが予測されるホスト車両2においては、禁止解除条件Clが成立するまで、走行が禁止される。ここで第一実施形態の禁止解除条件Clは、逆走リスクが予測されるホスト車両2において、走行方向としての前後基準方向DbとメインレーンLβの縦方向Daとのなす逆走判定角ψrに追従して増大する判定基準角度θbよりも、舵角変化量δθがメインレーンLβでの順走側に大きくなることにより、成立する。これによれば、逆走リスクを左右する逆走判定角ψrに追従して判定基準角度θbが増大するほど、メインレーンLβでのホスト車両2の走行禁止を解除するのに必要な、メインレーンLβでの順走側への舵角変化量δθも増大させることができる。故に、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量δθに基づき判断して、逆走による交通障害のみならず、合流エリアでの滞留による交通障害を、抑制することが可能となる。
第一実施形態では、合流レーンLαからメインレーンLβへ合流走行するホスト車両2の、メインレーンLβにおける逆走リスクが監視される。そこで第一実施形態によると、逆走リスクが予測されるホスト車両2においては、禁止解除条件Clが成立するまで、走行が禁止される。ここで第一実施形態の禁止解除条件Clは、逆走リスクが予測されるホスト車両2において、合流レーンLαからメインレーンLβへの進入距離となる逆走判定距離Δrに追従して増大する判定基準角度θbよりも、舵角変化量δθがメインレーンLβでの順走側に大きくなることにより、成立する。これによれば、逆走リスクを左右する逆走判定距離Δrに追従して判定基準角度θbが増大するほど、メインレーンLβでのホスト車両2の走行禁止を解除するのに必要な、メインレーンLβでの順走側への舵角変化量δθも増大させることができる。故に、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量δθに基づき判断して、逆走による交通障害のみならず、合流エリアでの滞留による交通障害を、抑制することが可能となる。
第一実施形態によると、逆走リスクが予測されるホスト車両2において、逆走判定角ψrに追従して増大する判定基準角度θbであって、逆走判定距離Δrに追従して増大する判定基準角度θbよりも、舵角変化量δθが順走側に大きくなるまで走行が禁止される。これによれば、逆走リスクを与える逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrに追従して判定基準角度θbが増大するほど、メインレーンLβでのホスト車両2の走行禁止を解除するのに必要な、メインレーンLβでの順走側への舵角変化量δθも増大させることができる。故に、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量δθに基づき高精度に判断して、逆走による交通障害のみならず、合流エリアでの滞留による交通障害につき、抑制効果の信頼性を高めることが可能となる。
第一実施形態では、逆走リスクの予測によりホスト車両2は、自動停止させられる。そこで第一実施形態によると、逆走リスクの予測により自動停止した後のホスト車両2において、禁止解除条件Clが成立するまで走行が禁止される。これによれば、自動停止時点での逆走リスクを左右する逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrの各々に追従して判定基準角度θbが増大するほど、メインレーンLβでのホスト車両2の走行禁止を解除するのに必要な舵角変化量δθも増大させることができる。故に、逆走リスクに応じた自動停止により逆走起因の交通障害を抑止した上で、手動操舵による逆走リスクの緩和を舵角変化量δθに基づき高精度に判断して、合流エリアでの滞留による交通障害を抑制することが可能となる。
第一実施形態では、自動停止を解除するための停止解除条件の成立が、監視される。そこで第一実施形態によると、停止解除条件の成立したホスト車両2において、禁止解除条件Clが成立するまで、手動運転での走行が禁止される。これによれば、制御システム1が自動停止を解除したホスト車両2にあっても、逆走リスクの緩和が舵角変化量δθに基づき判断されるまでは、手動運転での走行を禁止することができる。故に、逆走リスク緩和前の手動運転での走行によりホスト車両2が逆走状態へと戻って交通障害を招く事態につき、抑制することが可能となる。
第一実施形態の停止解除条件としては、自動停止を自動解除するための自動解除条件Csaと、自動停止を手動解除するための手動解除条件Csmとの、成立が監視される。そこで第一実施形態によると、自動解除条件Csaの成立したホスト車両2において、禁止解除条件Clが成立するまでは手動運転での走行が禁止されてから、禁止解除条件Clの成立により手動運転での走行が許可される。これにより、制御システム1が自動停止を解除しても手動運転での走行が禁止されるホスト車両2に対しては、手動操舵による逆走リスクの緩和が舵角変化量δθに基づき判断されると当該禁止を解除して、手動運転での走行を許可することができる。
また一方で第一実施形態によると、手動解除条件Csmの成立したホスト車両2は、自動停止を手動解除した乗員により逆走リスクが緩和され得る状態にあるとして、当該状態のホスト車両2に対しては手動運転での走行を許可することができる。以上によれば、逆走リスク緩和前の手動運転での逆走によりホスト車両2が交通障害を招く事態につき、抑制することが可能となる。
第一実施形態によると、ホスト車両2において手動運転での走行許可は、逆走リスクが解消するまでは、走行速度を制限するように与えられる。これによれば、緩和によっても逆走リスクの残るホスト車両2が手動運転での逆走によって交通障害を招く事態につき、抑制することが可能となる。
(第二実施形態)
図13に示すように第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
図13に示すように第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第二実施形態の制御フローは、S100により肯定判定が下されると、S2110へ移行する。但し、第二実施形態のS100では、特にホスト車両2の前端部が合流レーンLαからメインレーンLβへ進入するタイミング、若しくは当該進入タイミングの直前又は直後に、同車両2の走行シーンが合流走行シーンSmであるとして、肯定判定が下されることが、好ましい。
S2110において走行監視ブロック100は、ホスト車両2のヨーレートを監視して所定の制御周期毎に積算する、積算処理を開始する。制御フローは、このS2110の完了後にS101へ移行する。但し、第二実施形態のS101では、S2110により開始されてからのヨーレートの積算値に基づくリスク判定角として、第一実施形態で説明のS106と実質同一定義の逆走判定角ψr(後述の図14,15参照)が閾値以上又は超過となる場合に、逆走リスクは許容範囲外にあるとして肯定判定が下されることが、好ましい。
さらに図13に示すように第二実施形態の制御フローは、S103,S106により肯定判定が下されると、S2111へ移行する。S2111において走行制御ブロック110は、第一実施形態のS108に準じて、メインレーンLβでのホスト車両2の逆走リスクを監視する。但し、S2111では、S2110により開始されてからのヨーレートの積算値に基づくリスク判定角として逆走判定角ψrが、図14に示す鋭角の閾値ψth以上又は超過となる場合に、逆走リスクは解消範囲外にあるとして否定判定が下されてもよい。あるいはS2111では、S2110により開始されてからのヨーレートの積算値に基づくリスク判定角として逆走判定角ψrが、図15に示す0度の閾値ψth超過となる場合に、逆走リスクは解消範囲外にあるとして否定判定が下されてもよい。
図13に示すように制御フローは、S2111により否定判定が下されると、第一実施形態のS107に準じたS2112へ移行する。但し、第二実施形態のS2112によりホスト車両2に対して制限される走行速度の最高速度Vuは、逆走判定角ψrの減少に相反して上昇するように、次の数1,2に従って図16,17での例示の如く設定される。ここで数1,2のVlは、最高速度Vuの最も制限された下限速度として、逆走判定角ψrが最大角度の180度側から徐行角度範囲δψ内では、例えば20km/h等の徐行速度に設定される。それと共に数1のΔVは、徐行角度範囲δψ外のうち零点角度である0度以上の角度範囲に割り当てる最高速度Vuの速度変化量として、例えば60km/h等の値に設定される。これらの設定下、数1は徐行角度範囲δψ外のうち閾値ψth以上の逆走判定角ψrに対して適用される一方、数2は閾値ψth以上のうち徐行角度範囲δψ内の逆走判定角ψrに対して適用される。尚、閾値ψthがそれぞれ図14,15の場合に対応する図16,17は、Vl,ΔVが上記設定に関する例示数値の場合を示している。
このようにS2112において制限される最高速度Vuは、特に数1の範囲では逆走判定角ψrが段階的に減少するほど、メモリ10に記憶された相関テーブルに従って上昇設定されてもよい。S2112における最高速度Vuは、特に数1の範囲では逆走判定角ψrが段階的又は連続的に減少するほど、メモリ10に記憶された相関関数又は相関マップに従って上昇設定されてもよい。
制御フローは、こうしたS2112の完了後にS2111へ戻る。これに対して制御フローは、リスク判定角として閾値ψth以上又は超過となった逆走判定角ψrに応じて、逆走リスクは解消範囲内との肯定判定がS2111により下されると、S109へ移行することになる。但し、第二実施形態のS109では、S2110により開始されたヨーレートの積算処理が終了となる。尚、以上説明した第二実施形態の制御フローにおいて逆走判定角ψrは、ホスト車両2の前後基準方向Dbと合流レーンLαの縦方向Daのうち順方向Dafとのなすヨー角に定義されるリスク判定角の補角として、判定されてもよい。
このように第二実施形態によると、逆走リスクが解消するまでホスト車両2において制限される走行速度の最高速度Vuは、走行方向としての前後基準方向DbとメインレーンLβの縦方向Daとがなす逆走判定角ψrに相反して、上昇設定される。これによれば、逆走リスクの残るホスト車両2による交通障害と、当該逆走リスクの低下に対してホスト車両2の順走制限による交通障害との、抑制バランスを図ることが可能となる。
(他の実施形態)
ここまで複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
ここまで複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
変形例において制御システム1を構成する専用コンピュータは、デジタル回路及びアナログ回路のうち、少なくとも一方をプロセッサとして有していてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
変形例の制御フローでは、S106における判定基準角度θbの設定に、逆走判定角ψr及び逆走判定距離Δrの一方が反映されなくてもよい。変形例の制御フローでは、S103の実行がスキップされてもよい。変形例の制御フローでは、S102~S104の実行がスキップされてもよい。変形例の制御フローでは、S107~S108の実行がスキップされてもよい。変形例の制御フローでは、S106における否定判定が繰り返される場合に、制御フローの今回実行において最初のS106から設定時間が経過すると、否定判定から強制的に肯定判定が下されることにより、S106からS107又はS2111への移行が実現されてもよい。
変形例の制御フローではS106の舵角変化量δθとして、ホスト車両2のステアリングホイール2aにおいて手動操舵による操舵角の変化量が、S102による自動停止タイミングでの操舵角を基準に検知されて、当該基準に合わせた判定基準角度θbと大小比較されてもよい。変形例の制御フローではS106の舵角変化量δθとして、ホスト車両2の操舵輪2bにおいてステアリングホイール2aの手動操舵に応じた転舵角の変化量が、S102による自動停止タイミングでの転舵角を基準に検知されて、当該基準に合わせた判定基準角度θbと大小比較されてもよい。
変形例において制御システム1の適用されるホスト車両は、例えば自律走行又はリモート走行により荷物搬送若しくは情報収集等の可能な、自律走行ロボットであってもよい。ここまでの説明形態の他に上述の実施形態及び変形例は、ホスト車両に搭載可能に構成されてプロセッサ12及びメモリ10を少なくとも一つずつ有する制御装置として、処理回路(例えば処理ECU等)又は半導体装置(例えば半導体チップ等)の形態にて実施されてもよい。
1:制御システム、2:ホスト車両、10:メモリ、12:プロセッサ、Cl:禁止解除条件、Csa:自動解除条件、Csm:手動解除条件、Da:縦方向、Db:前後基準方向、Lα:合流レーン、Lβ:メインレーン、Vu:最高速度、Δr:逆走判定距離、θb:判定基準角度、δθ:舵角変化量、ψr:逆走判定角
Claims (12)
- プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
前記プロセッサは、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、走行方向(Db)と前記メインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される制御システム。 - 前記ホスト車両の走行を禁止することは、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、前記逆走判定角に追従して増大する前記判定基準角度であって、前記合流レーンから前記メインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する前記判定基準角度よりも、前記舵角変化量が前記順走側に大きくなる前記禁止解除条件が成立するまで、走行を禁止することを、含む請求項1に記載の制御システム。 - プロセッサ(12)を有し、合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御する制御システムであって、
前記プロセッサは、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、前記合流レーンから前記メインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、実行するように構成される制御システム。 - 前記プロセッサは、
前記逆走リスクの予測により前記ホスト車両を自動停止させることを、実行するように構成され、
前記ホスト車両の走行を禁止することは、
前記逆走リスクの予測により自動停止した後の前記ホスト車両において、前記禁止解除条件が成立するまで走行を禁止することを、含む請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。 - 前記ホスト車両を自動停止させることは、
前記自動停止を解除するための停止解除条件の成立を監視することを、含み、
前記ホスト車両の走行を禁止することは、
前記停止解除条件の成立した前記ホスト車両において、前記禁止解除条件が成立するまで、手動運転での走行を禁止することを、含む請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。 - 前記ホスト車両を自動停止させることは、
前記停止解除条件として、前記自動停止を自動解除するための自動解除条件(Csa)と、前記自動停止を手動解除するための手動解除条件(Csm)との、成立を監視することを、含み、
前記ホスト車両の走行を禁止することは、
前記自動解除条件の成立した前記ホスト車両において、前記禁止解除条件が成立するまで手動運転での走行を禁止してから、前記禁止解除条件の成立により手動運転での走行を許可することと、
前記手動解除条件の成立した前記ホスト車両において、手動運転での走行を許可することを、含む請求項5に記載の制御システム。 - 前記ホスト車両の手動運転での走行を許可することは、
前記逆走リスクが解消するまで、前記ホスト車両において走行速度を制限するように、手動運転での走行許可を与えることを、含む請求項6に記載の制御システム。 - 前記ホスト車両の手動運転での走行許可を与えることは、
前記逆走リスクが解消するまで前記ホスト車両において制限する走行速度の最高速度(Vu)を、走行方向(Db)と前記メインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に相反して上昇設定することを、含む請求項7に記載の制御システム。 - 合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、走行方向(Db)と前記メインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む制御方法。 - 合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために、プロセッサ(12)により実行される制御方法であって、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視することと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、前記合流レーンから前記メインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止することとを、含む制御方法。 - 合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
前記命令は、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、走行方向(Db)と前記メインレーンの縦方向(Da)とのなす逆走判定角(ψr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む制御プログラム。 - 合流レーン(Lα)からメインレーン(Lβ)へ合流走行するホスト車両(2)の運転を制御するために記憶媒体(10)に記憶され、プロセッサ(12)により実行される命令を含む制御プログラムであって、
前記命令は、
前記合流レーンから前記メインレーンへ合流走行する前記ホスト車両の、前記メインレーンにおける逆走リスクを監視させることと、
前記逆走リスクが予測される前記ホスト車両において、前記合流レーンから前記メインレーンへの進入距離となる逆走判定距離(Δr)に追従して増大する判定基準角度(θb)よりも、舵角変化量(δθ)が前記メインレーンでの順走側に大きくなる禁止解除条件(Cl)が成立するまで、走行を禁止させることとを、含む制御プログラム。
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---|---|---|---|
JP2022193048A Pending JP2024038966A (ja) | 2022-09-08 | 2022-12-01 | 制御システム、制御方法、制御プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024038966A (ja) |
-
2022
- 2022-12-01 JP JP2022193048A patent/JP2024038966A/ja active Pending
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