JP2024036751A - 医療デバイス - Google Patents

医療デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2024036751A
JP2024036751A JP2022141197A JP2022141197A JP2024036751A JP 2024036751 A JP2024036751 A JP 2024036751A JP 2022141197 A JP2022141197 A JP 2022141197A JP 2022141197 A JP2022141197 A JP 2022141197A JP 2024036751 A JP2024036751 A JP 2024036751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lumen
section
medical device
catheter
collection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022141197A
Other languages
English (en)
Inventor
昂輝 山下
敦哉 鈴木
真祐子 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2022141197A priority Critical patent/JP2024036751A/ja
Publication of JP2024036751A publication Critical patent/JP2024036751A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】捕捉した異物を脱落させることなく回収することができる医療デバイスを提供すること。【解決手段】先端から基端まで延びるように形成され、先端に先端開口部11aを有した回収用ルーメン11と、先端から基端側の外周面に向かって延びるように外表面と内表面との間の肉厚部12に形成される第1ルーメン13と第2ルーメン14とを有するカテーテル10と、第1ルーメン13と第2ルーメン14に進退可能に格納された回収器具20を有する。回収器具20は、第1ルーメン13に進退可能に格納され、カテーテル10の先端開口部11aよりも広い面を有し、この面が変形可能な回収部30と、第2ルーメン14に進退可能に格納される長尺部材であって、回収部30に接続され、回収部30を引張操作可能な操作部40と、を有し、回収部30は、操作部40の引張操作により変形してカテーテル10の先端開口部11aを覆う。【選択図】図2

Description

本発明は、医療デバイスに関するものである。
血管内に形成された血栓、プラーク、石灰化病変などの狭窄物による狭窄部の治療方法として、バルーンカテーテルにより血管を拡張する方法や、網目状またはコイル状のステントを血管の支えとして血管内に留置する方法などが挙げられる。しかし、狭窄部の性状、大きさ、形状、形成部位などによっては、バルーンカテーテルやステントを使用した処置だけでは充分な治療効果を得られないこともある。
このような場合、狭窄部の改善に寄与する治療方法として、例えば下記特許文献1に開示されるデバイスを用いて狭窄物を直接回収する方法が知られている。特許文献1に開示されるデバイスは、回収対象となる異物(血栓など)の回収効率を上げるため、折り畳まれた送達構成から広げられたときに拡張可能な花弁形状を形成する多数の葉状部を有する先端部を備えている。
特開2021-84035号公報
特許文献1に開示されるデバイスは、異物回収のために先端部を血管内に進出し、血管壁に向かって展開した先端部に異物を引っ掛けて回収する。特許文献1のデバイスは、先端部で一度回収した異物が脱落する虞があり、安定して回収できない。脱落した異物は、末梢血管を閉塞することもあるため、改善の余地がある。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には、捕捉した異物を脱落させることなく確実に回収することができる医療デバイスを提供することにある。
本発明は、(1)血管内の異物を回収する医療デバイスであって、前記医療デバイスは、円筒状のカテーテルと、前記カテーテルに進退可能に格納された回収器具とを有し、前記カテーテルは、先端から基端まで延びるように形成され、前記先端に先端開口部を有した回収用ルーメンと、前記先端から前記基端側の外周面に向かって延びるように外表面と内表面との間の肉厚部に形成される第1ルーメンと第2ルーメンとを有し、前記回収器具は、前記第1ルーメンに進退可能に格納され、前記カテーテルの前記先端開口部よりも広い面を有し、前記面が変形可能な回収部と、前記第2ルーメンに進退可能に格納される長尺部材であって、前記回収部に接続され、前記回収部を引張操作可能な操作部と、を有し、前記回収部は、前記操作部の引張操作により変形して前記カテーテルの前記先端開口部を覆う、医療デバイスである。
ここで、本発明の実施形態は、以下の構成とすることができる。
(2)上記(1)の医療デバイスにおいて、前記回収器具は、前記回収部と径方向で対向する位置に配置される回収補助部と、前記カテーテルの前記先端から前記基端側の外周面に向かって延びるように前記肉厚部に形成され、前記回収補助部を軸方向に沿って進退可能に格納する第3ルーメンと、を備える構成とするのが好ましい。
(3)上記(1)または(2)の医療デバイスにおいて、前記操作部の先端は、前記回収部の先端側に接続される構成とするのが好ましい。
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の医療デバイスにおいて、前記回収部は、第1ループ部と、前記第1ループ部の内側に設けられた前記面であって、メッシュ構造を有する第1捕捉部と、を有する構成とするのが好ましい。
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の医療デバイスにおいて、前記操作部は、それぞれの先端が前記回収部に対して間隔を空けて接続される一対の長尺部材で構成され、前記第2ルーメンは、前記肉厚部に間隔を空けて2つ配置され、一対の前記長尺部材をそれぞれ進退可能に格納する構成とするのが好ましい。
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の医療デバイスにおいて、前記回収用ルーメンの前記先端開口部と連通する貫通孔を有し、前記カテーテルの前記先端に装着される先端チップを備え、前記先端チップは、中心軸から前記カテーテルの外周方向に向かう傾斜勾配を有し、前記第1ルーメンと連通する第4ルーメンを備える構成とするのが好ましい。
(7)上記(4)の医療デバイスにおいて、前記第1ループ部と前記第1捕捉部は、共に線状部材で形成され、前記第1ループ部の線径は、前記第1捕捉部の線径よりも太く、表面に親水性コーティングが施される構成とするのが好ましい。
(8)上記(4)または(7)の医療デバイスにおいて、前記第1ループ部の基端には、進出時に前記第1ルーメンからの脱落を防止する脱落防止構造を有する構成とするのが好ましい。
(9)上記(2)の医療デバイスにおいて、前記第1ルーメンと前記第3ルーメンは、軸直交断面形状が前記カテーテルの外周面に沿う円弧形状を有する構成とするのが好ましい。
(10)上記(5)の医療デバイスにおいて、前記操作部を構成する前記長尺部材の基端側は、それぞれが格納される前記第2ルーメンの基端に形成された基端開口部から露出した部分を連結した連結部を有し、前記連結部は、引張操作による前記回収部の変形姿勢を維持するように固定可能に構成するのが好ましい。
(11)上記(2)の医療デバイスにおいて、前記第1ルーメン、前記第2ルーメン、および前記第3ルーメンの内表面は、親水性コーティングが施される構成とするのが好ましい。
(12)上記(1)~(11)の何れかに記載の医療デバイスにおいて、前記回収用ルーメンの基端側と接続されて、前記回収用ルーメンに対して前記異物を吸引するための負圧を作用させる吸引部を備える構成とするのが好ましい。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、一度捕捉した異物を脱落させることなく確実に回収することができる。
本実施形態に係る医療デバイスの構成図である。 本実施形態に係る医療デバイスにおいて第1ルーメンおよび第3ルーメンを通る長軸方向に平行な面で切断した概略断面図である。 本実施形態に係る医療デバイスにおいて第2ルーメンを通る長軸方向に平行な面で切断した概略断面図である。 図1のA-A線で切断した概略断面図である。 本実施形態に係る医療デバイスを先端側から見た端面図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収部の構成を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの操作部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの操作部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの操作部を操作した際の動作図である。 本実施形態に係る医療デバイスの連結部の固定形態を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの連結部の他の固定形態を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収補助部の構成を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収補助部を操作した際の動作を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収補助部を操作した際の動作を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの回収補助部を操作した際の動作を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る医療デバイスの使用例を示す図である。 本実施形態に係る変形例の医療デバイスにおいて第1ルーメンおよび第3ルーメンを通る長軸方向に平行な面で切断した概略断面図である。 本実施形態に係る変形例の医療デバイスにおいて第2ルーメンを通る長軸方向に平行な面で切断した概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本明細書では、説明の便宜上、生体組織内に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」とし、医療デバイス1を操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称する。また、「長軸方向」は、医療デバイス1の中心軸Cに沿う方向とし、「径方向」は医療デバイス1の長軸方向を基準軸とした軸直交断面(横断面)においてカテーテル10に対して接近または離隔する方向とし、「周方向」は医療デバイス1の長軸方向を基準軸とした回転方向とする。
なお、以下の説明において、「第1」、「第2」のような序数詞を付して説明する場合は、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。
本実施形態に係る医療デバイス1は、例えば図11A~図11Fに示すように、血管Bvなどの生体管腔の狭窄部に形成された回収対象となる血栓、プラーク、石灰化病変などの異物Sを回収する処置に用いることができる医療器具である。医療デバイス1は、イントロデューサーなどの導入器具を用いて患者の穿刺部位(肢体など)から血管Bv内に挿入され、先端部分を異物Sの位置まで送達させて使用される。
[構成]
まず、本実施形態に係る医療デバイス1の構成について説明する。
医療デバイス1は、図1に示すように、概説すると、カテーテル10と、回収器具20と、吸引部100と、を備えている。カテーテル10の先端には、回収器具20の進出方向を所定方向に誘導する先端チップ60が接続される。カテーテル10の基端には、吸引部100が接続可能なコネクタ80を接続するハブ70が接続される。
〈カテーテル〉
カテーテル10は、可撓性を有する外径略一定の円筒状の管状部材で構成された本体10aを有し、回収した異物Sを回収する回収用ルーメン11が形成されている。回収用ルーメン11の先端には、異物Sを吸引回収するための先端開口部11aが形成されている。回収用ルーメン11の内表面は、異物Sの回収容易性の観点から親水性コーティングは施されていない。
図2または図3に示すように、カテーテル10の本体10aにおける内周面と外周面との間の肉厚部12には、回収器具20を構成する回収部30、操作部40、回収補助部50を進退可能に格納する格納ルーメン16として機能する第1ルーメン13、第2ルーメン14、第3ルーメン15が形成されている。
第1ルーメン13は、回収器具20を構成する回収部30を進退可能に格納する。第1ルーメン13は、図2に示すように、カテーテル10の先端から基端側の外周面に向かって延びるように肉厚部12に形成される。第1ルーメン13の先端開口部13aは、後述する第4ルーメン62の基端開口部62bと連通する。第1ルーメン13の基端開口部13bは、回収部30の押出部33を操作可能とするため、少なくとも医療デバイス1を生体内に挿入した際に、生体外に露出する位置に形成される。
第1ルーメン13は、図4Aに示すように、軸直交断面形状がカテーテル10の外周面に沿う円弧形状を有している。これにより、第1ルーメン13に格納される回収部30の第1捕捉部32のメッシュ構造が潰れ難くなり、回収部30を進出させた際に、確実に展開させることができる。
第2ルーメン14は、回収器具20を構成する操作部40を進退可能に格納する。第2ルーメン14は、図3に示すように、カテーテル10の先端から基端側の外周面に向かって延びるように肉厚部12に形成される。第2ルーメン14の先端開口部14aは、後述する第5ルーメン63の基端開口部63bと連通する。第2ルーメン14の基端開口部14bは、操作部40の基端側を操作可能とするため、少なくとも医療デバイス1を生体内に挿入した際に、生体外に露出する位置に形成される。
第2ルーメン14は、図4Aに示すように、肉厚部12に間隔を空けて2つ配置(径方向で対向するように離れて配置)され、一対の長尺部材で構成される操作部40をそれぞれ1つずつ進退可能に格納する。
第3ルーメン15は、回収器具20を構成する回収補助部50を進退可能に格納する。第3ルーメン15は、図2に示すように、カテーテル10の先端から基端側の外周面に向かって延びるように肉厚部12に形成される。第3ルーメン15の先端開口部15aは、第6ルーメン64の基端開口部64bと連通する。第3ルーメン15の基端開口部15bは、回収補助部50の押引部53を操作可能とするため、少なくとも医療デバイス1を生体内に挿入した際に、生体外に露出する位置に形成される。
第3ルーメン15は、図4Aに示すように、第1ルーメン13と同様、軸直交断面形状がカテーテル10の外周面に沿う円弧形状を有している。これにより、第3ルーメン15に格納される回収補助部50の第2捕捉部52のメッシュ構造が潰れ難くなり、回収補助部50を進出させた際に、確実に展開させることができる。
第1ルーメン13、第2ルーメン14、第3ルーメン15の内表面は、血管Bv内に進出させる回収部30、操作部40および回収補助部50を格納するため、親水性コーティングを施すのが好ましい。これにより、回収部30、操作部40および回収補助部50を血管Bv内で進退させる際の各ルーメン13、14、15の内周面に対する摩擦抵抗が低減され、操作性向上を図ることができる。
格納ルーメン16は、図2、図3に示すように、医療デバイス1の回収器具20として機能する回収部30、操作部40、回収補助部50をそれぞれ進退可能に格納する。格納ルーメン16は、先端チップ60の先端からカテーテル10の基端側の外表面まで延びるように形成される。
格納ルーメン16は、回収部30を進退可能に格納する第1ルーメン13および先端チップ60に形成される第4ルーメン62とで構成される第1格納ルーメン16aと、操作部40を進退可能に格納する第2ルーメン14および先端チップ60に形成される第5ルーメン63とで構成される第2格納ルーメン16bと、回収補助部50を進退可能に格納する第3ルーメン15および先端チップ60に形成される第6ルーメン64とで構成される第3格納ルーメン16cと、で構成される。
カテーテル10の本体10aは、例えば、医療分野において公知のカテーテルなどに使用される材料を適用することができる。本体10aの構成材料は、一例として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂またはこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、オレフィン系樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物などが挙げられる。
〈回収器具〉
回収器具20は、格納ルーメン16内に進退可能に格納され、血管Bv内の異物Sを回収する際に操作される。回収器具20は、回収部30と、操作部40と、回収補助部50と、を含んで構成される。
〈回収部〉
回収部30は、図5に示すように、第1ループ部31と、第1ループ部31内に形成されメッシュ構造を有する変形可能な面からなる第1捕捉部32と、第1ループ部31の基端に設けられ第1ループ部31を第1格納ルーメン16aから進出させる際に操作される長尺な押出部33と、を備える。回収部30は、第1格納ルーメン16aに進退可能に格納される。
第1ループ部31は、線状部材で構成され、内方に第1捕捉部32が形成可能なループ形状を有する。第1ループ部31は、操作部40の引張操作により第1捕捉部32と共に変形する。
第1ループ部31は、カテーテル10の外周方向(血管Bvの血管壁側)に向かって広がりながら展開する(図11Bを参照)。これにより、回収部30は、血管Bvのサイズや異物Sの回収位置に寄らず、押出部33の押し出し量に基づき血管壁に沿って展開され、異物Sを捕捉することができる。
また、第1ループ部31の軸方向の長さは、種々の血管Bvの内径に適用可能な最大長に設定することができる。これにより、押出部33の押し出し量を調整すれば、それに応じて第1ループ部31の進出量も調整可能となる。
第1ループ部31は、進出した際に、第1格納ルーメン16aからの脱落を防止するための脱落防止構造を有して構成することができる。第1ループ部31は、図5に示すように、基端側に脱落防止構造として機能し得る一対の突起部34を形成することができる。一対の突起部34は、第1ループ部31の基端側の幅が第1格納ルーメン16aの最先端開口となる第4ルーメン62の先端開口部62aの開口幅よりも広くなるように、カテーテル10の外周方向側に突出して設けることができる。これにより、回収部30は、第1ループ部31を進出させた際、突起部34が脱落防止構造として機能して第4ルーメン62の開口付近で引っ掛って第1ループ部31の進出量が制限されるため、第1ループ部31が第1格納ルーメン16aから脱落しない。
第1捕捉部32は、線状部材で構成されるメッシュ構造を有する変形可能な面であり、第1ループ部31の内周側に形成される。第1捕捉部32は、メッシュ構造を有するため、血管Bv内に留置されたステントなどの医療部材であればメッシュに引っ掛かり易く、血管壁に形成された血栓などはメッシュに絡まり易く、容易に回収することができる。第1捕捉部32のメッシュの間隔は、捕捉した異物Sが通過せず、かつ血液の流れを阻害しない程度のサイズであればよい。
第1捕捉部32は、少なくとも回収用ルーメン11の先端開口部11aの開口面積よりも広い。そのため、回収部30は、操作部40により引張操作して変形した際に、第1捕捉部32で異物Sを捕捉したまま先端開口部11aを覆うことができる。
第1ループ部31の線径は、第1捕捉部32の線径よりも太い。例えば、第1ループ部31の線径を外径0.5mm、第1捕捉部32を外径0.2mmとすることができる。また、第1ループ部31および第1捕捉部32は、表面に親水性コーティングが施されている。これにより、回収部30は、血管Bv内に進出した際、第1ループ部31の剛性により血管Bvに形成された血栓などの異物Sに対する穿通力を持たせつつ、親水性コーティングによる作用により血管壁の損傷が防止できる。
押出部33は、先端が第1ループ部31の基端側に接続され、基端が第1ルーメン13の基端開口部13bから露出する長尺部材である。押出部33は、第1ループ部31を進出させる際、術者により押し出し操作される。
回収部30は、図6Aに示すように、第1ループ部31を第1格納ルーメン16aから進出させる際、押出部33を押し出し操作する。回収部30は、図6Bに示すように、押出部33の押し出し操作により徐々に第1ループ部31が進出する。そして、回収部30は、図6Cに示すように、第1ループ部31がさらに進出してカテーテル10の外周方向(血管Bvの血管壁側)に向かって広がりながら展開する。この際、第1ループ部31は、突起部34により第1ループ部31の最大進出量(押出部33による最大押し出し量)が制限されるため、第1格納ルーメン16aから脱落しない。
回収部30は、操作部40の引張操作により回収用ルーメン11の先端開口部11aを覆うように変形可能であって、押出部33による押し出し操作や異物Sに対する穿通力が得らえる材料で構成することができる。このような材料としては、例えばステンレスなどの医療分野で適用可能な金属材料が挙げられる。しかし、回収部30は、金属材料のみならず、回収部30に適用し得る材料であれば制限されない。
〈操作部〉
操作部40は、図3に示すように、長尺部材で構成され、回収部30を引張操作する際に操作される。操作部40は、第2格納ルーメン16bに進退可能に格納され、先端が回収部30に接続され、基端が第2ルーメン14の基端開口部14bから露出している。
操作部40は、先端が回収部30の第1ループ部31に接続され、基端が第2ルーメン14の基端開口部14bから露出する長尺な一対の線状部材で構成することができる。操作部40を構成する線状部材は、第2格納ルーメン16bから進出する部分の剛性を、それより基端側の部分よりも低くすることができる。これにより、操作部40における第2格納ルーメン16bから進出する部分は、剛性を低くしたことで血管壁の損傷を防止でき、異物Sを回収する際には異物Sに接触しても撓んで異物Sを遠位側へ押し込むことを防止できる。また、第2格納ルーメン16bから進出する部分よりも基端側の部分は、剛性を高くすることで操作部40により引張操作された際に、第1格納ルーメン16a内を撓まずスムーズに移動することができる。
操作部40の第1ループ部31との接続位置は、引張操作時に第1捕捉部32が回収用ルーメン11の先端開口部11aを覆うように変形し易い位置に接続される。このような操作部40に対する接続位置としては、第1ループ部31の先端側とするのが好ましい。また、操作部40は、回収部30の変形容易性の観点から、カテーテル10の周方向で間隔を空けて配置するのが好ましい。操作部40を上記接続形態とすることで、回収部30は、操作部40の引張操作により先端側から変形が開始され、第1捕捉部32で先端開口部11aを覆うことができる。また、操作部40の接続間隔を空けることで、回収部30で異物Sを回収する際、異物Sと接触し難くなると共に、回収部30が進出した際に異物Sを遠位側へ押し込むことを防止できる。
操作部40は、図7A~図7Cに示すように、引張操作により回収部30を変形させる。操作部40は、図7Aに示すように、回収部30で異物Sを捕捉する際、基端側に引張される。すると、回収部30は、図7Bに示すように、操作部40の引張量に比して変形し始め、異物Sを包み込むように変形しつつ、徐々に第1格納ルーメン16a内に引き込まれる。そして、回収部30の変形を促すために操作部40をさらに操作すると、回収部30は、図7Cに示すように、第1捕捉部32で異物Sを包み込みながら先端開口部11aを覆うように変形する。これにより、異物Sは、回収部30に完全に捕捉される。また、回収用ルーメン11の先端開口部11aは、第1捕捉部32で覆われるため、捕捉した異物Sは脱落しない。
操作部40は、図8Aや図8Bに示すように、基端側のそれぞれが第2ルーメン14の基端開口部14bから露出した部分が連結された連結部41を有する。連結部41は、引張操作による回収部30の変形姿勢を維持するように固定可能に構成される。
連結部41は、図8Aに示すように、術者による捩り操作などの変形操作により変形し、引張操作時の張力を維持可能な構成とすることができる。連結部41は、捩った状態でカテーテル10の外表面上に固定される。このような構成により、操作部40は、引張操作による張力を維持した状態で固定することができる。連結部41を捩って固定する構成では、捩り動作後の捩れ姿勢を維持可能とするため、操作部40は、針金のような塑性変形可能な材料で構成される。
連結部41は、図8Bに示すように、操作部40の延在方向に摺動可能に装着され、任意の位置で固定可能なストラップ90を用いて引張操作時の張力を維持する構成としてもよい。ストラップ90は、操作部40を引張操作した際の張力が維持される位置まで摺動させカテーテル10の外表面上に固定される。このような構成により、操作部40は、引張操作による張力を維持した状態で固定することができる。なお、ストラップ90は、固定時や固定解除時の操作が容易であって任意の固定位置まで摺動可能な構成を有するものであれば、操作部40に対する係止構造や固定構造などは特に限定されない。
〈回収補助部〉
回収補助部50は、図9に示すように、第2ループ部51と、第2ループ部51内に形成されメッシュ構造を有する面からなる第2捕捉部52と、第2ループ部51の基端に設けられ第2ループ部51を第3格納ルーメン16cから進出させる際に操作される長尺な押引部53と、を備える。回収補助部50は、回収部30と径方向で対向した位置に配置され、第3格納ルーメン16cに進退可能に格納される。
第2ループ部51は、線状部材で構成され、内方に第2捕捉部52が形成可能なループ形状を有する。第2ループ部51は、カテーテル10の軸方向に沿って進出し、所定位置で固定される(図11Bを参照)。回収部30は、カテーテル10の外周方向に向かって展開し、回収補助部50は、軸方向に延びるように進出する。そのため、回収補助部50は、操作部40の引張操作により回収部30を変形させた際、回収部30との間に形成される空間(捕捉空間)を徐々に狭めることができるため、第1捕捉部32で捕捉した異物Sが脱落し難くなる。
第2ループ部51の軸方向の最大長は、回収部30の第1ループ部31の軸方向長さと同等以上に設定することができる。これにより、第1ループ部31の進出量に応じて第2ループ部51の進出量を同等若しくは第1ループ部31の進出量よりも長めに進出させれば、回収部30と対向する位置に回収補助部50が確実に存在することとなり、異物回収時(特に、回収部30の変形時)の脱落防止効果を高めることができる。
第2ループ部51は、第1ループ部31と同様、進出した際に、第3格納ルーメン16cから脱落するのを防止するための脱落防止構造を有する構成とすることができる。第2ループ部51は、図9に示すように、基端側に脱落防止機能を発揮し得る一対の突起部54を形成することができる。一対の突起部54は、第2ループ部51の基端側の幅が第3格納ルーメン16cの最先端開口となる第6ルーメン64の先端開口部64aの開口幅よりも広くなるようにカテーテル10の外周方向側に突出して設けられている。これにより、回収補助部50は、第2ループ部51を進出させた際、突起部54が脱落防止構造として機能して第6ルーメン64の開口付近で引っ掛って第2ループ部51の進出量が制限されるため、第2ループ部51が第3格納ルーメン16cから脱落しない。
第2捕捉部52は、線状部材で構成されるメッシュ構造を有する面であり、第2ループ部51の内周側に形成される。第2捕捉部52は、メッシュ構造を有するため、血液を通過させて異物回収時の姿勢変化を抑制することができる。なお、第2捕捉部52のメッシュの間隔は、捕捉した異物Sが通過せず、かつ血液の流れを阻害しない程度のサイズであればよい。
第2ループ部51および第2捕捉部52は、表面に親水性コーティングを施すことができる。これにより、回収部30は、血管Bv内に進出した際、血管壁の損傷が防止できる。
押引部53は、先端が第2ループ部51の基端に接続され、基端が第3ルーメン15の基端開口部15bから露出する長尺部材である。押引部53は、第2ループ部51を進出させる際、術者により押し出し操作され、第2ループ部51を進出した状態で固定される。また、押引部53は、異物Sを回収して医療デバイス1を生体外に抜去する際などに引張操作され、第2ループ部51を第3格納ルーメン16c内に引き込んで格納させる。
回収補助部50は、図10Aに示すように、第2ループ部51を第3格納ルーメン16cから進出させる際、押引部53を押し出し操作する。回収補助部50は、図10Bに示すように、押引部53の押し出し操作により徐々に第2ループ部51が進出する。そして、回収補助部50は、図10Cに示すように、カテーテル10の軸方向に沿って進出し展開する。この際、第2ループ部51は、突起部54により第2ループ部51の最大進出量(押引部53による最大押し出し量)が制限されるため、第3格納ルーメン16cから脱落しない。また、回収補助部50は、少なくとも回収部30による回収作業中は進出した状態が保持されるように固定される。回収補助部50は、異物Sを回収して医療デバイス1を生体外に抜去する際には、押引部53が引張操作されて第3格納ルーメン16c内に格納される。
回収補助部50は、押引部53で押し出し操作や引張操作が可能な剛性を有する材料で構成することができる。このような材料としては、例えばステンレスなどの医療分野で適用可能な金属材料が挙げられる。しかし、回収補助部50は、金属材料のみならず、回収補助部50に適用し得る材料であれば制限されない。
〈先端チップ〉
先端チップ60は、図1に示すように、カテーテル10の先端に接続される。先端チップ60は、図2または図3に示すように、回収用ルーメン11と連通する貫通孔61と、第1ルーメン13と連通して第1格納ルーメン16aとして機能する第4ルーメン62と、第2ルーメン14と連通して第2格納ルーメン16bとして機能する一対の第5ルーメン63と、第3ルーメン15と連通して第3格納ルーメン16cとして機能する第6ルーメン64と、を有する。
第4ルーメン62および第6ルーメン64は、図4Bに示すように、第1捕捉部32および第2捕捉部52のメッシュ構造の潰れを抑制するため、第1ルーメン13や第3ルーメン15と同様、軸直交断面形状がカテーテル10の外周面に沿う円弧形状を有している。
第4ルーメン62は、基端から先端に向かうに連れて中心軸Cからカテーテル10の外周方向に向かう傾斜勾配を有する。これにより、回収部30の第1ループ部31は、進出する際、カテーテル10の外周方向に向かって広がりながら展開し得る。第4ルーメン62の傾斜勾配(傾斜角度)は、特に制限されないが、医療デバイス1の適用対象となり得る血管Bvで使用した際に、目的の異物Sが回収可能なように回収部30を血管壁に沿って効率的に進出および展開可能な角度であればよい。
第5ルーメン63は、第2ルーメン14と同軸に位置し、第2ルーメン14と連通する。第6ルーメン64は、第3ルーメン15と同軸に位置し、第3ルーメン15と連通する。
第4ルーメン62、第5ルーメン63、第6ルーメン64の内表面は、第1ルーメン13~第3ルーメン15と同様、親水性コーティングを施すのが好ましい。これにより、格納ルーメン16は、回収部30、操作部40および回収補助部50を血管Bv内で進退させる際、各ルーメン62、63、64の内周面に対する摩擦抵抗が低減され、操作性向上を図ることができる。
〈ハブ〉
ハブ70は、回収用ルーメン11の基端開口部11bと連通してカテーテル10の基端に接続される。また、ハブ70は、医療分野において公知のコネクタ(Yコネクタなど)80と接続可能に構成される。
ハブ70の構成材料は、特に限定されず、医療分野において公知のハブなどに使用される材料を適用することができる。ハブ70の構成材料は、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレートなどの熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
〈コネクタ〉
コネクタ80は、造影剤やプライミング用の液体が流通可能なポート81と、ハブ70の内部に配置された弁体82と、弁体82の開閉を操作するためのオープナー83と、を有している。ポート81は、回収した異物Sを吸引して回収するための吸引部100と連結することができる。
〈吸引部〉
吸引部100は、例えば、負圧を発生させることが可能なシリンジ、公知の流体吸引ポンプなどで構成することができる。カテーテル10は、ポート81に接続された吸引部100の吸引動作によって回収用ルーメン11内が陰圧となるため、回収部30で回収した異物Sを吸引することができる。
[動作]
次に、図11A~図11Fを参照しながら本実施形態に係る医療デバイス1の使用例について説明する。なお、以下に説明する動作については、例示的な順序を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。以下の使用例は、生体管腔である血管Bv内の狭窄部に形成された異物Sとなる血栓を回収する異物回収作業の動作となる。
まず、術者は、図11Aに示すように、先行して目的位置まで導入したガイドワイヤGに沿って医療デバイス1を狭窄部まで送達させる。
次に、術者は、図11Bに示すように、ガイドワイヤGを抜去し、回収部30と回収補助部50を押し出し操作して進出させる。回収部30は、押出部33を押し出し操作すると、血管Bvの血管壁に向かって進出しながら展開し始める。回収補助部50は、押引部53を押し出し操作してカテーテル10の軸方向に沿って進出した後、進出した状態が保持される。
次に、術者は、図11Cに示すように、押出部33をさらに操作して回収部30を進出させる。回収部30は、押出部33の押し出し操作に追従して第1ループ部31が血管Bvの血管壁に沿って展開しながら血栓の血管壁との付着部分を順次切離する。切離された異物Sは、図11Dに示すように、第1ループ部31により血管壁から剥離され、第1捕捉部32により絡まるように捕捉される。
次に、術者は、操作部40を引張操作する。回収部30は、図11Eに示すように、操作部40を引張操作すると、第1捕捉部32で捕捉した異物Sを包み込むように変形しつつ、回収用ルーメン11の先端開口部11aを覆うように変形する。回収補助部50が軸方向に進出した状態で保持されるため、回収部30は、第1ループ部31の変形により回収部30と回収補助部50との間の空間が徐々に狭まる。そのため、捕捉した異物Sは、回収部30からの脱落が防止される。
次に、回収部30は、図11Fに示すように、異物Sを包み込んだ状態で先端開口部11aを覆う。術者は、引張操作による回収部30の変形姿勢を維持するように操作部40の連結部41を捩って固定する。これにより、回収部30に捕捉された異物Sは、回収部30により確実に捕捉される。その後、術者は、回収部30により異物Sを捕捉した状態の医療デバイス1を生体外に抜去する。これにより、医療デバイス1による異物回収作業が終了する。
また、医療デバイス1の使用に際し、回収部30と回収補助部50を進出して異物Sを血管壁から切離し始めるタイミングで吸引部100を作動させておけば、回収部30により捕捉された異物Sが先端開口部11a付近まで移動した段階で回収用ルーメン11から吸引して回収することができる。
なお、異物Sの回収作業は、回収部30の進出操作および操作部40の引張操作を、図11B~図11Fに示す一連の流れで複数回繰り返し行うことで、血管Bvから異物Sを回収することができる。医療デバイス1を生体内に留置した状態で異物Sの回収動作を実施する場合、吸引部100を作動させ、回収部30で捕捉した異物Sを回収用ルーメン11から吸引回収すれば繰り返し回収することができる。
[変形例]
本実施形態に係る医療デバイスは、以下に示す変形例のように使用環境などに応じて適宜変更して実施することもできる。
変形例に係る医療デバイス1Aは、図12A、図12Bに示すように、カテーテル10の先端形状を先端チップ60と同形状とし、カテーテル10の先端部が先端チップ60の機能を賄う構成を有する。変形例に係る医療デバイス1Aは、図12Aまたは図12Bに示すように、カテーテル10の肉厚部12には、先端チップ60に形成された第4ルーメン62~第6ルーメン64と同形状のルーメンが形成される。
第1ルーメン13は、図12Aに示すように、先端チップ60の第4ルーメン62と同形状となるように先端に向けて延長して形成される。第2ルーメン14は、図12Bに示すように、先端チップ60の第5ルーメン63と同形状となるように先端に向けて延長して形成される。第3ルーメン15は、図12Aに示すように、先端チップ60の第6ルーメン64と同形状となるように先端に向けて延長して形成される。すなわち、変形例の医療デバイス1Aは、図12Aや図12Bに示すように、第1ルーメン13と第4ルーメン62とを一体化した第1格納ルーメン16aと、第2ルーメン14と第5ルーメン63とを一体化にした第2格納ルーメン16bと、第3ルーメン15と第6ルーメン64とを一体化にした第3格納ルーメン16cとが、カテーテル10の肉厚部12にそれぞれ形成される。
変形例の医療デバイス1Aは、図12Aに示すように、第1格納ルーメン16aの先端側は、第4ルーメン62と同様、先端へ向かうに連れて中心軸Cからカテーテル10の外周方向に向かう傾斜勾配を有している。そのため、医療デバイス1Aは、前述した実施形態のように回収部30を進出させた際、カテーテル10の外周方向に向かって徐々に広がるように展開することができる。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る医療デバイス1は、血管Bv内の異物Sを回収するデバイスであって、医療デバイス1は、円筒状のカテーテル10と、カテーテル10に進退可能に格納された回収器具20とを有し、カテーテル10は、先端から基端まで延びるように形成され、先端に先端開口部11aを有した回収用ルーメン11と、先端から基端側の外周面に向かって延びるように外表面と内表面との間の肉厚部12に形成される第1ルーメン13と第2ルーメン14とを有し、回収器具20は、第1ルーメン13に進退可能に格納され、カテーテル10の先端開口部11aよりも広い面を有し、この面が変形可能な回収部30と、第2ルーメン14に進退可能に格納される長尺部材であって、回収部30に接続され、回収部30を引張操作可能な操作部40と、を有し、回収部30は、操作部40の引張操作により変形してカテーテル10の先端開口部11aを覆う。
このような構成により、回収用ルーメン11の先端開口部11aよりも広い面を有する回収部30は、血管Bv内の異物Sを回収する際、操作部40による引張操作により捕捉した異物Sを包み込むように変形しつつ、先端開口部11aを覆うように変形する。そのため、医療デバイス1は、捕捉した異物Sを脱落させることなく回収することができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、回収器具20は、回収部30と径方向で対向する位置に配置される回収補助部50と、カテーテル10の先端から基端側の外周面に向かって延びるように肉厚部12に形成され、回収補助部50を軸方向に沿って進退可能に格納する第3ルーメン15と、を備える構成とすることができる。
このような構成により、カテーテル10の軸方向に回収補助部50を進出させることで、回収部30により異物Sを回収する際、回収部30を変形させれば、回収部30と回収補助部50との間の空間が徐々に狭まり、回収部30で捕捉した異物Sの脱落を防止できる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、操作部40の先端は、回収部30の先端側に接続した構成とすることができる。
このような構成により、回収部30は、操作部40の引張操作により変形する際、回収部30の先端側(第1ループ部31の先端側)から変形が開始し、捕捉した異物Sを包み込むように、かつ先端開口部11aを覆うように変形できるため、捕捉した異物Sの脱落を防止できる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、回収部30は、第1ループ部31と、第1ループ部31の内側に設けられた面であって、メッシュ構造を有する第1捕捉部32と、有する構成とすることができる。
このような構成により、血管Bv内に留置されたステントなどの医療部材であればメッシュに引っ掛かり易く、血管壁に形成された血栓などはメッシュに絡まり易く、容易に回収することができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、操作部40は、それぞれの先端が回収部30に対して間隔を空けて接続される一対の長尺部材で構成され、第2ルーメン14は、肉厚部12に間隔を空けて2つ配置され、一対の長尺部材をそれぞれ進退可能に格納する構成とすることができる。
このような構成により、異物Sを回収する際、回収部30と共に進出した操作部40は、異物Sと接触し難くなり、異物Sを遠位側へ押し込むことなく回収することができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、回収用ルーメン11の先端開口部11aと連通する貫通孔61を有し、カテーテル10の先端に装着される先端チップ60を備え、先端チップ60は、中心軸Cからカテーテル10の外周方向に向かう傾斜勾配を有し、第1ルーメン13と連通する第4ルーメン62を備える構成とすることができる。
このような構成により、第1ルーメン13から進出した回収部30は、先端チップ60の第4ルーメン62を通って血管Bv内に進出する。この際、第4ルーメン62は、外周方向に向かう傾斜勾配を有るため、回収部30の第1ループ部31をカテーテル10の外周方向へと進出させ、回収部30を血管壁に沿って効率的に展開させることができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、第1ループ部31と第1捕捉部32は、共に線状部材で形成され、第1ループ部31の線径は、第1捕捉部32の線径よりも太く、表面に親水性コーティングを施した構成とすることができる。
このような構成により、回収部30は、血管Bv内に進出した際、第1ループ部31の剛性により血管Bvに形成された異物Sである血栓に対する穿通力を持たせつつ、親水性コーティングによる作用により血管壁の損傷が防止できる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、第1ループ部31の基端には、進出時に第1ルーメン13からの脱落を防止する脱落防止構造を有する構成とすることができる。
このような構成により、第1ループ部31は、例えば図5に示すように、基端側に脱落防止機能を発揮し得る一対の突起部34を脱落防止構造として備えることにより、血管Bvに進出させた際、突起部34が第4ルーメン62の開口付近で引っ掛かり、第1ループ部31の最大進出量(押出部33による最大押し出し量)が制限され、第1ループ部31が第1格納ルーメン16aから脱落するのを防止できる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、第1ルーメン13と第3ルーメン15は、軸直交断面形状がカテーテル10の外周面に沿う円弧形状を有する構成とすることができる。
このような構成により、第1ルーメン13に格納される回収部30の第1捕捉部32のメッシュ構造と、第3ルーメン15に格納される回収補助部50の第2捕捉部52のメッシュ構造が潰れ難くなり、回収部30および回収補助部50を進出させた際に、確実に展開させることができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、操作部40を構成する長尺部材の基端側は、それぞれが格納される第2ルーメン14の基端に形成された基端開口部14bから露出した部分を連結した連結部41を有し、連結部41は、引張操作による回収部30の変形姿勢を維持するように固定可能に構成することができる。
例えば、図8Aに示すような捩り操作などで変形操作により変形して固定される構成や、図8Bに示すようなストラップ90により任意の位置で連結部41が固定可能な構成とすることで、操作部40の引張操作時の張力を維持することができる。そのため、回収部30は、引張操作により先端開口部11aを覆うように変形した状態が維持され、医療デバイス1を抜去する際の異物Sの脱落を防止できる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、第1ルーメン13、第2ルーメン14、および第3ルーメン15の内表面は、親水性コーティングを施して構成することができる。
このような構成により、回収部30、操作部40および回収補助部50を血管Bv内で進退させる際、各ルーメン13、14、15の内周面に対する摩擦抵抗が低減され、操作性向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る医療デバイス1において、回収用ルーメン11の基端側と接続されて、回収用ルーメン11に対して異物Sを吸引するための負圧を作用させる吸引部100を備える構成とすることができる。
このような構成により、回収部30で回収した異物Sは、吸引部100により回収用ルーメン11内を負圧にして医療デバイス1を生体内から抜去せずに吸引回収することができる。
1、1A 医療デバイス、
10 カテーテル(10a 本体)、
11 回収用ルーメン(11a 先端開口部)、
12 肉厚部、
13 第1ルーメン(13a 先端開口部、13b 基端開口部)、
14 第2ルーメン(14a 先端開口部、14b 基端開口部)、
15 第3ルーメン(15a 先端開口部、15b 基端開口部)、
16 格納ルーメン(16a 第1格納ルーメン、16b 第2格納ルーメン、16c 第3格納ルーメン)、
20 回収器具、
30 回収部、
31 第1ループ部、
32 第1捕捉部、
34 突起部、
40 操作部、
41 連結部、
50 回収補助部、
51 第2ループ部、
52 第2捕捉部、
54 突起部、
60 先端チップ、
61 貫通孔(回収用ルーメンと連通)、
62 第4ルーメン(第1ルーメンと連通)、
63 第5ルーメン(第2ルーメンと連通)、
64 第6ルーメン(第3ルーメンと連通)、
70 ハブ、
80 コネクタ(Yコネクタ)、
90 ストラップ、
100 吸引部、
Bv 血管(生体管腔)、
C 中心軸、
S 血栓などの異物。

Claims (12)

  1. 血管内の異物を回収する医療デバイスであって、
    前記医療デバイスは、円筒状のカテーテルと、前記カテーテルに進退可能に格納された回収器具とを有し、
    前記カテーテルは、先端から基端まで延びるように形成され、前記先端に先端開口部を有した回収用ルーメンと、前記先端から前記基端側の外周面に向かって延びるように外表面と内表面との間の肉厚部に形成される第1ルーメンと第2ルーメンとを有し、
    前記回収器具は、前記第1ルーメンに進退可能に格納され、前記カテーテルの前記先端開口部よりも広い面を有し、前記面が変形可能な回収部と、前記第2ルーメンに進退可能に格納される長尺部材であって、前記回収部に接続され、前記回収部を引張操作可能な操作部と、を有し、
    前記回収部は、前記操作部の引張操作により変形して前記カテーテルの前記先端開口部を覆う、医療デバイス。
  2. 前記回収器具は、
    前記回収部と径方向で対向する位置に配置される回収補助部と、
    前記カテーテルの前記先端から前記基端側の外周面に向かって延びるように前記肉厚部に形成され、前記回収補助部を軸方向に沿って進退可能に格納する第3ルーメンと、を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記操作部の先端は、前記回収部の先端側に接続される、請求項1または2に記載の医療デバイス。
  4. 前記回収部は、
    第1ループ部と、
    前記第1ループ部の内側に設けられた前記面であって、メッシュ構造を有する第1捕捉部と、
    を有する、請求項1または2に記載の医療デバイス。
  5. 前記操作部は、それぞれの先端が前記回収部に対して間隔を空けて接続される一対の長尺部材で構成され、
    前記第2ルーメンは、前記肉厚部に間隔を空けて2つ配置され、一対の前記長尺部材をそれぞれ進退可能に格納する、請求項1または2に記載の医療デバイス。
  6. 前記回収用ルーメンの前記先端開口部と連通する貫通孔を有し、前記カテーテルの前記先端に装着される先端チップを備え、
    前記先端チップは、
    中心軸から前記カテーテルの外周方向に向かう傾斜勾配を有し、前記第1ルーメンと連通する第4ルーメンを備える、請求項1に記載の医療デバイス。
  7. 前記第1ループ部と前記第1捕捉部は、共に線状部材で形成され、前記第1ループ部の線径は、前記第1捕捉部の線径よりも太く、表面に親水性コーティングが施される、請求項4に記載の医療デバイス。
  8. 前記第1ループ部の基端には、進出時に前記第1ルーメンからの脱落を防止する脱落防止構造を有する、請求項4に記載の医療デバイス。
  9. 前記第1ルーメンと前記第3ルーメンは、軸直交断面形状が前記カテーテルの外周面に沿う円弧形状を有する、請求項2に記載の医療デバイス。
  10. 前記操作部を構成する前記長尺部材の基端側は、それぞれが格納される前記第2ルーメンの基端に形成された基端開口部から露出した部分を連結した連結部を有し、
    前記連結部は、引張操作による前記回収部の変形姿勢を維持するように固定可能に構成される、記請求項5に記載の医療デバイス。
  11. 前記第1ルーメン、前記第2ルーメン、および前記第3ルーメンの内表面は、親水性コーティングが施される、請求項2に記載の医療デバイス。
  12. 前記回収用ルーメンの基端側と接続されて、前記回収用ルーメンに対して前記異物を吸引するための負圧を作用させる吸引部を備える、請求項1または2に記載の医療デバイス。
JP2022141197A 2022-09-06 2022-09-06 医療デバイス Pending JP2024036751A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141197A JP2024036751A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 医療デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141197A JP2024036751A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 医療デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024036751A true JP2024036751A (ja) 2024-03-18

Family

ID=90273298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022141197A Pending JP2024036751A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 医療デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024036751A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10716586B2 (en) Apparatus and methods for removing obstructive material from body lumens
CN108113734B (zh) 用于从血管中移除急性堵塞物的装置和方法
US11065020B2 (en) Suction catheter, suction system, and treatment method
US10729459B2 (en) Flow restoration systems and methods for use
JP6438495B2 (ja) 塞栓症を治療するための後退及び吸引デバイス及び関連のシステム及び方法
CN109310446B (zh) 预加载的翻转牵引器血栓切除装置及方法
US8721674B2 (en) Catheter with occluding cuff
JP2019213839A (ja) 塞栓防止装置
CN111343932A (zh) 具有增强跟踪的翻转血栓切除设备
CN111727016A (zh) 移除血液凝块的装置、系统和方法
US20070173918A1 (en) Apparatus and methods for locating an ostium of a vessel
EP2299916A2 (en) Apparatus and methods for removing obstructive material from body lumens
JP2005506105A (ja) 駆動可能な拡張端部を有する血管内フィルター回収装置
JP2019187457A (ja) 吸引システムおよび処置方法
WO2017168418A1 (en) Systems and methods for the retrieval gallbladder implants
JP2024036751A (ja) 医療デバイス
US11076859B2 (en) Medical system and method of using the same
WO2019022224A1 (ja) フィルターデバイス
US11058848B2 (en) Catheter including expandable member
JP2022096126A (ja) 医療デバイス
JP2022106566A (ja) 管腔内物質捕捉用デバイス
JP2019141302A (ja) フィルタデバイス
CN105555210A (zh) 具有可操纵元件的凝块去除装置
JP2007202614A (ja) カテーテル