JP2024036743A - 作業機械システム - Google Patents

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Abstract

【課題】最低限のアクチュエータ数で所望の動作を実現することによって、駆動部の構造や制御系を簡易化する。【解決手段】作業機械システム10は、作動流体によって駆動する作業機械100を有する。作業機械100は、エンドエフェクタ170を回転させる可動機構130と、可動機構130に巻き掛けられたワイヤ120と、一端部111aがワイヤ120の一端120aに接続され、他端部111bがワイヤ120の他端120bに接続されたピストンロッド111を有し、作動流体によって作動する両ロッドシリンダ110と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、作業機械システムに関する。
流体の圧力によって駆動するロボットシステムのような流体圧駆動の作業機械システムは、電動モータが用いられた産業用ロボットシステムに比べて、高い出力を得ることができる。したがって、流体圧駆動の作業機械システムは、建設作業用又は廃炉作業用等の高出力が要求される分野において広く利用されている。しかし、流体圧駆動の作業機械システムは、流体の圧力印加によって作動する機構を用いて作業機械を構成するので、全体の重量が増加していた。これに伴い、流体圧駆動の作業機械システムは、大きい慣性力による衝突リスクの増加、及び、自重補償による出力低下が課題となっていた。
これに対して、近年では、作業機械を軽量化するため、ワイヤを動力伝達媒体として用いた作業機械システムが提案されている。この種の作業機械システムは、エンドエフェクタに接続される可動部と、可動部を駆動する駆動部とをワイヤを介して分けて構成することによって、軽量化を実現している。また、この種の作業機械システムの可動部は、1回転自由度を持つ回転軸を複数構成することによって、多自由度化を実現している。
ワイヤを動力伝達媒体として用いた作業機械システムの従来技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、ベースに設けられた駆動部である3つのワイヤ巻取装置を制御して各ワイヤの繰出量を調節することによって、エンドエフェクタの3次元位置及び姿勢を制御するワイヤ駆動式マニピュレータが記載されている。
特開平11-77577号公報
特許文献1に記載のマニピュレータは、3つのワイヤ巻取装置を制御する必要があるので、駆動部の構造及び制御系が複雑化していた。したがって、より少ないアクチュエータ数で動作可能な作業機械システムの実現が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、最低限のアクチュエータ数で所望の動作を実現することによって、駆動部の構造及び制御系を簡易化することが可能な作業機械システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の作業機械システムは、作動流体によって駆動する作業機械を有し、前記作業機械は、エンドエフェクタを軸周りに回転させる可動機構と、前記可動機構に巻き掛けられたワイヤと、一端部が前記ワイヤの一端に接続され、他端部が前記ワイヤの他端に接続されたピストンロッドを有し、前記作動流体によって作動する両ロッドシリンダと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、最低限のアクチュエータ数で所望の動作を実現することによって、駆動部の構造及び制御系を簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
第1実施形態に係る作業機械システムの全体構成図。 第1実施形態に係る作業機械の構造図。 第1実施形態に係る両ロッドシリンダの拡大構造図。 第1実施形態に係る圧力制御装置の機能ブロック図。 第1実施形態に係る指令生成モデルの一例を示す図。 図6(a)は第1実施形態に係るC>M/2の場合における作業機械の出力帯域を示す図、図6(b)は第1実施形態に係るC=M/2の場合における作業機械の出力帯域を示す図、図6(c)は第1実施形態に係るC<M/2の場合における作業機械の出力帯域を示す図。 第1実施形態に係る圧力制御装置の制御フローチャート。 図8(a)は第2及び第3実施形態に係る作業機械の待機状態を示す図、図8(b)は第2及び第3実施形態に係る物体へのアプローチ及び把持状態を示す図、図8(c)は第2及び第3実施形態に係る待機位置へのアプローチ及び待機状態を示す図、図8(d)は第2及び第3実施形態に係るプレイス位置へのアプローチ及びプレイシング状態を示す図。 図9(a)はC=M/2の関係における作業機械の出力帯域と動作シーケンスごとの作業機械が一定速度で作業するために必要なトルクとの関係を示す図、図9(b)は第2及び第3実施形態に係る作業機械の出力帯域と動作シーケンスごとの作業機械が一定速度で作業するために必要なトルクとの関係を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
[第1実施形態]
<作業機械システムの全体構成>
図1は、第1実施形態に係る作業機械システム10の全体構成図である。
作業機械システム10は、作業機械100と、流体圧印加装置200と、圧力制御装置300と、センサ400と、を有して構成されたシステムである。
作業機械100は、作動流体によって駆動する機械である。作業機械100は、部品の組み立て作業、又は、搬送作業のような物体の把持及び移動を伴う作業を実行可能な機械である。具体的には、作業機械100は、ロボットアームのような物体を把持及び移動させる機械であってもよい。作業機械100は、ロボットアームにクローラ又は車輪等を備えて物体を運搬する機械であってもよい。更に、作業機械100は、物体及び作業環境等の画像を取得する機能を備えた機械であってもよい。また、作業機械100は、作動流体と電動モータ等との組み合わせによって駆動してもよい。
センサ400は、作業機械100の状態及び/又は作業環境の状態を計測する装置である。例えば、センサ400は、作業機械100の把持部となるエンドエフェクタに設けられるモータの電流センサ、作業機械100に外付けされる触覚センサ及び慣性センサであってもよい。また、例えば、センサ400は、作業機械100が設置された作業環境の温度を計測する温度センサ等であってもよい。このように、各センサは、作業機械100の状態及び/又は作業環境の状態を計測し、計測内容に応じた計測信号を圧力制御装置300に送信する。
流体圧印加装置200は、作動流体に圧力を印加する装置である。具体的には、流体圧印加装置200は、圧力制御装置300から送信された制御指令を入力とし、流体配管160(図2参照)を介して、作業機械100内の作動流体に圧力を印加する装置である。流体圧印加装置200は、コンプレッサ等の圧力源と、作業機械100内の作動流体の圧力を制御指令に応じた値に制御する圧力制御バルブと、を含んで構成される。流体圧印加装置200は、圧力源によって加圧された作動流体を作業機械100内に供給することによって、作業機械100内の作動流体に圧力を印加する。作動流体は、例えば、空気、水及び油等の流体である。流体圧印加装置200は、作業機械100に印加した作動流体の圧力を計測し、計測された圧力信号を圧力制御装置300に送信する。
圧力制御装置300は、流体圧印加装置200が印加する作動流体の圧力を制御する装置である。圧力制御装置300は、作業機械100の操作者の入力操作に応じた操作信号、流体圧印加装置200の圧力信号、又は、センサ400の計測信号を入力として、作動流体の圧力を制御する制御指令を演算し、流体圧印加装置200に送信する装置である。圧力制御装置300は、各種入力から制御則に基づいて制御指令を演算するコンピュータ、及び、各種センサの入力をコンピュータに取り込むためのAIO(Analog Input/Output)ボード等を含んで構成される。
<作業機械の構成>
図2は、第1実施形態に係る作業機械100の構造図である。図3は、第1実施形態に係る両ロッドシリンダ110の拡大構造図である。
作業機械100は、エンドエフェクタ170と、可動機構130と、ワイヤ120と、両ロッドシリンダ110と、を備える。
エンドエフェクタ170は、主に物体を把持する機器である。具体的には、エンドエフェクタ170は、物体を把持可能なロボットハンドである。エンドエフェクタ170の指先となる爪の数は、対象となる物体に合わせて適宜変更可能となっている。本実施形態に係る作業機械100は、エンドエフェクタ170としてロボットハンドを備えるが、エンドエフェクタ170は、カメラ又は各種センサ等を備えていてもよい。
可動機構130は、エンドエフェクタ170を軸周りに回転させる機構である。可動機構130は、両ロッドシリンダ110及びワイヤ120の後述の動作によって可動する機構である。可動機構130は、ロボットアームにおける関節部に相当する機構である。
具体的には、可動機構130は、プーリと、プーリの回転軸を保持するホルダと、を含んで構成されてもよい。本実施形態に係る可動機構130は、接続されたエンドエフェクタ170をプーリの回転軸周りに時計回り方向θ1又は反時計回り方向θ2に回転させる回転機構である。なお、可動機構130は、プーリの回転を直動に変換して、エンドエフェクタ170を直動させる機構であってもよい。
ワイヤ120は、中腹部分が、可動機構130のプーリの外周に巻き掛けられている。ワイヤ120は、一端120a及び他端120bが、両ロッドシリンダ110と接続されており、閉じた状態となっている。ワイヤ120は、変形可能な長尺の線状又は帯状部材であればよく、チェーン又はベルト等であってもよい。
ワイヤ120は、後述する両ロッドシリンダ110のピストンロッド111が移動するのに伴って、可動機構130上を時計回り方向θ1又は反時計回り方向θ2に移動する。
両ロッドシリンダ110は、複動式の両ロッドシリンダである。両ロッドシリンダ110は、2本の流体配管160を介して流体圧印加装置200に接続されている。2本の流体配管160は、流体圧印加装置200と個別に接続されている。
以下、両ロッドシリンダ110については、図3に示す両ロッドシリンダ110の拡大構造図を用いて詳細に説明する。
両ロッドシリンダ110は、円筒状のシリンダチューブ112と、シリンダチューブ112内に往復移動可能に配置された円柱状のピストン111cを含むピストンロッド111と、を備える。
ピストン111cは、シリンダチューブ112内の作動流体の圧力によってシリンダチューブ112内を往復移動する。
ピストンロッド111は、シリンダチューブ112の中心軸に沿って延びる棒状部材である。ピストンロッド111は、ピストン111cの中央部を貫通してピストン111cに取り付けられる。ピストンロッド111は、ピストン111cが取り付けられた状態でシリンダチューブ112内に配置される。
両ロッドシリンダ110は、シリンダチューブ112内において、ピストン111cによって区切られた一方の流体室110a(以下、右流体室110aともいう。)、及び、他方の流体室110b(以下、左流体室110bともいう。)を有する。両流体室110a,110bの容積は、ピストン111cの位置によって変動する。
右流体室110a及び左流体室110bのそれぞれは、作動流体の供給及び排出を可能にする入出口を有する。右流体室110a及び左流体室110bのそれぞれの入出口は、流体配管160に接続されている。
両ロッドシリンダ110では、両流体室110a,110bのそれぞれの作動流体の圧力差によって、ピストン111cがシリンダチューブ112内を移動する。両流体室110a,110bのそれぞれの作動流体の圧力は、流体圧印加装置200によって印加される。
ピストン111cの移動に伴って、ピストンロッド111は、シリンダチューブ112内において、シリンダチューブ112の中心軸に沿って移動する。以下、このピストンロッド111の移動方向Lを、単に「方向L」とも称する。ピストンロッド111の移動量は、両流体室110a,110bのそれぞれの作動流体の圧力差に応じて決定される。両ロッドシリンダ110は、ピストンロッド111がシリンダチューブ112内を方向Lに沿って移動することによって、ワイヤ120を移動させる。
両ロッドシリンダ110は、ピストンロッド111のうち、右流体室110a側に位置する一端部111aがワイヤ120の一端120aに接続されており、左流体室110b側に位置する他端部111bがワイヤ120の他端120bに接続されている。すなわち、両ロッドシリンダ110は、一端部111aがワイヤ120の一端120aに接続され、他端部111bがワイヤ120の他端120bに接続されたピストンロッド111を有する。
なお、ピストンロッド111の移動方向Lは、ピストンロッド111の一端部111aから他端部111bに向かう方向と、ピストンロッド111の他端部111bから一端部111aに向かう方向と、を含む。以下、方向Lにおいて、他端部111bから一端部111aに向かう方向を正の方向とし、一端部111aから他端部111bに向かう方向を負の方向とする。
上記構成による作業機械100の動作について説明する。以下に説明される動作は、一例であって、作業機械100の動作は、以下に説明される動作に限定されない。
例えば、両ロッドシリンダ110は、右流体室110a内の作動流体に圧力が印加され、室内が加圧されると、ピストンロッド111が一端部111aから他端部111bに向かう方向(方向Lにおける負の方向)に移動し、ワイヤ120の一端120aを引っ張る。このとき、左流体室110bの室内は、必要に応じて作動流体の圧力を減少させてもよい。両ロッドシリンダ110によるワイヤ120の一端120aの引張りに伴って、可動機構130は、エンドエフェクタ170を軸周りの所定方向、すなわち時計回り方向θ1に回転させる。
一方、両ロッドシリンダ110は、左流体室110b内の作動流体に圧力が印加され、室内が加圧されると、ピストンロッド111が他端部111bから一端部111aに向かう方向(方向Lにおける正の方向)に移動し、ワイヤ120の他端120bを引っ張る。このとき、右流体室110aの室内は、必要に応じて作動流体の圧力を減少させてもよい。両ロッドシリンダ110によるワイヤ120の他端120bの引張りに伴って、可動機構130は、エンドエフェクタ170を軸周りの所定方向の逆方向、すなわち反時計回り方向θ2に回転させる。
以上のように、本実施形態に係る作業機械システム10は、両端部111a,111bがワイヤ120に接続されたピストンロッド111を有し、作動流体によって作動する両ロッドシリンダ110がワイヤ120を引っ張り、可動機構130に巻き掛けられたワイヤ120の引張りに伴って、可動機構130がエンドエフェクタ170を軸周りの所定方向θ1又は所定方向の逆方向θ2に回転させる。すなわち、上記の構成によれば、本実施形態に係る作業機械システム10は、1自由度の可動機構130を、1つの両ロッドシリンダ110によって可動することができる。換言すれば、本実施形態に係る作業機械システム10は、最低限のアクチュエータ数で所望の動作を実現することができる。これによって、本実施形態によれば、駆動部の構造及び制御系を簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
また、作業機械100は、可動機構130及び両ロッドシリンダ110を固定するためのベース部材140を備える。
ベース部材140は、ベース部材140の土台であって両ロッドシリンダ110を固定する基板142と、可動機構130を固定する固定板141と、基板142から上方に延びる支柱144と、支柱144に接続された梁145と、を有する。ベース部材140は、車輪を有してもよい。固定板141は、基板142の上方において、基板142と平行な状態で配置されてもよい。固定板141は、支柱144又は不図示の壁板によって固定されていてもよい。固定板141はベース部材140の天板部分であり、基板142はベース部材140の底板部分であってもよい。
支柱144は、基板142とともに両ロッドシリンダ110を固定している。梁145は、方向Lに沿って延びる姿勢で支柱144に接続されている。梁145は、固定板141及び両ロッドシリンダ110の間に配置されている。
更に、ベース部材140は、プーリ151ないし154と、支持部材143と、を備える。
プーリ151ないし154は、両ロッドシリンダ110と可動機構130との間に配置され、ワイヤ120が巻き掛けられている。プーリ151ないし154は、ワイヤ120に張力を付与するとともに、ワイヤ120の移動方向を変更する。
プーリ151ないし154の種類は、ワイヤ120に適合した種類であればよく、例えば歯付であってもよく、V溝付であってもよい。また、プーリ151ないし154は、回転はせず、潤滑剤を用いてワイヤを滑らしながら導くような部材であってもよい。
本実施形態に係るプーリ151ないし154は、両ロッドシリンダ110に近い側に配置されたプーリ151及びプーリ152と、可動機構130に近い側に配置されたプーリ153及びプーリ154と、によって構成される。なお、プーリの数は、特に制限されない。
プーリ151,152は、主にワイヤ120に張力を付与する役割を担うテンションプーリであり、プーリ153,154は、主にワイヤ120の移動方向を変更する役割を担うガイドプーリである。
本実施形態に係るプーリ151は、一端120aに連なり、ピストンロッド111の他端部111bから一端部111aに向かう方向に延びるワイヤ120の延在方向を、ピストンロッド111の一端部111aから他端部111bに向かう方向に変更する。本実施形態に係るプーリ152は、他端120bに連なり、ピストンロッド111の一端部111aから他端部111bに向かう方向に延びるワイヤ120の延在方向を、ピストンロッド111の他端部111bから一端部111aに向かう方向に変更する。本実施形態に係るプーリ151,152は、支持部材143に支持されている。
本実施形態に係るプーリ153,154は、方向Lに沿って互いに間隔を空けた状態で梁145に固定されている。本実施形態に係るプーリ153及びプーリ154の間隔は、可動機構130を構成するプーリの直径以下である。プーリ153及びプーリ154の間隔とは、方向Lにおけるプーリ153の円周とプーリ154の円周との最短距離のことである。
本実施形態に係るプーリ153は、プーリ151に巻き掛けられてピストンロッド111の一端部111aから他端部111bに向かう方向に延びるワイヤ120の延在方向を、両ロッドシリンダ110から可動機構130に向かう方向に変更する。本実施形態に係るプーリ154は、プーリ152に巻き掛けられてピストンロッド111の他端部111bから一端部111aに向かう方向に延びるワイヤ120の延在方向を、両ロッドシリンダ110から可動機構130に向かう方向に変更する。すなわち、本実施形態に係るプーリ153,154は、プーリ151,152に巻き掛けられたワイヤ120が方向Lに沿って移動するのを、両ロッドシリンダ110から可動機構130に向かう方向に沿って移動するように、ワイヤ120の移動方向を変更する。これによって、プーリ151,152に巻き掛けられたワイヤ120は、可動機構130を構成するプーリの円周の半分以上に当接するように巻き掛けられる。
支持部材143は、固定板141及び基板142並びに方向Lに直交し、固定板141及び基板142にその上底及び下底が接している状態で配置される。支持部材143は、所望の位置で固定板141及び基板142にねじによって固定されてもよい。支持部材143は、ベース部材140内において、方向Lに沿って移動可能に設けられてもよい。支持部材143は、直動式の電動アクチュエータ等によって移動可能に設けられてもよい。
支持部材143は、プーリ151,152を、方向Lにおける両ロッドシリンダ110との対向面において支持している。支持部材143は、プーリ151,152を支持した状態で方向Lに沿って移動することによって、ワイヤ120に付与される張力を調整することができる。
本実施形態に係る支持部材143は、両ロッドシリンダ110の両端側に1つずつ、計2つ配置されている。2つの支持部材143の一方は、支持しているプーリ151,152がワイヤ120に張力を付与することができることを前提に、方向Lに沿って移動せず、予め固定されていてもよい。
以上のように、本実施形態に係る作業機械システム10は、両ロッドシリンダ110と可動機構130との間に配置され、ワイヤ120が巻き掛けられたプーリ151,152、及び、プーリ151,152を支持した状態で方向Lに移動可能に設けられた支持部材143を備える。これによって、本実施形態に係る作業機械システム10は、プーリ151,152が、ワイヤ120に張力を適切に付与することができる。この結果、本実施形態に係る作業機械システム10は、可動機構130がワイヤ120から効率良く動力を受け取ることができるので、作業機械100の出力低下が発生し難くなる。プーリ151,152及び支持部材143を備えることは、ワイヤ120とピストンロッド111が閉じた形で接続する両ロッドシリンダ110を採用した作業機械システムに顕著に起こり得る、作業機械100の出力低下の問題に対する解決手段として、特に有効である。
更に、本実施形態に係る作業機械システム10は、ワイヤ120の移動方向を変更するプーリ153,154を備える。これによって、本実施形態に係る作業機械システム10は、ワイヤ120が可動機構130を構成するプーリの円周の半分以上に当接するように巻き掛けられる。この結果、本実施形態に係る作業機械システム10は、可動機構130がワイヤ120から更に効率良く動力を受け取ることができるので、作業機械100の出力低下が更に発生し難くなる。
<圧力制御装置の構成>
図4は、第1実施形態に係る圧力制御装置300の機能ブロック図である。
圧力制御装置300は、具体的にはコンピュータであり、入出力部310、制御部320及び記憶部330を備える。
入出力部310は、入力部311及び出力部312を備える。入出力部310には、ディスプレイ、キーボード及びマウス等のユーザーインターフェース機器が接続されている。入出力部310は、通信デバイスを備えており、少なくとも流体圧印加装置200及びセンサ400と信号の送受信が可能である。入力部311は、作業機械100の操作者の入力操作に応じた操作信号、流体圧印加装置200の圧力信号又はセンサ400の計測信号を受け付ける。
記憶部330は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成されている。記憶部330には、指令生成モデル331及びプログラム332が記憶されている。プログラム332は、指令生成処理(後記する図7参照)の記述を含む。
制御部320は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成されている。制御部320は、取得部321及び指令生成部322の各機能を実行する。取得部321は、入力部311において受け付けた各種信号、又は、記憶部330に記憶された指令生成モデル331及びプログラム332等の各種情報を適宜のタイミングで読み出す。取得部321は、必要に応じて読み出した各種信号又は各種情報に加工処理を施す。
指令生成部322は、指令生成モデル331を用いて、取得部321によって取得された各種信号又は各種情報を入力として、制御指令を生成する。指令生成部322は、生成された制御指令を、出力部312を介して流体圧印加装置200へ送信する。
<圧力制御装置:指令生成モデル>
図5は、第1実施形態に係る指令生成モデル331の一例を示す図である。本実施形態では、両ロッドシリンダ110の右流体室110a内の作動流体の圧力をpr、左流体室110b内の作動流体の圧力をplと定義する。
圧力制御装置300は、両ロッドシリンダ110内の作動流体の圧力を制御する際、一方の流体室内の作動流体の圧力を所定値に保った状態で、他方の流体室内の作動流体の圧力を増減させる。本実施形態に係る圧力制御装置300は、右流体室110a内の作動流体の圧力prを、所定値Cに保つ。本実施形態に係る圧力制御装置300は、左流体室110b内の作動流体の圧力plを、操作量u、重力補償項pg及び所定値Cの和として、操作量uを増減させる。
操作量uは、可動機構130の回転方向と対応する圧力の値であり、u=0のとき静止、u>0のときロッド右方移動、u<0のときロッド左方移動に対応している。重力補償項pgは、可動機構130及びエンドエフェクタ170等の重力負荷を補償するための項であり、可動機構130の姿勢に依存する。摩擦が大きい等の理由から、pg=0且つu=0の状態で可動機構130が動作しない場合には、重力補償項pgは、0としてもよい。
所定値Cは、作業機械100の出力帯域を考慮して決める必要がある。図6は、印加可能な最大圧力Mの半数の値(M/2)と所定値Cとの大小関係ごとに、作業機械100の出力帯域を示す図である。図6に示すグラフは、横軸を差圧pl-prとし、縦軸を当該差圧と比例関係となる可動機構130の時計回り方向θ1のトルクτとする。説明を簡単にするため、図6に示すグラフは、重力補償項pgを0としている。なお、作業機械100の出力帯域とは、可動機構130及びエンドエフェクタ170が出力可能なトルクの範囲のことである。作業機械100の出力帯域は、可動機構130の駆動源であるピストンロッド111の移動範囲と相関関係にある。
図6(b)に示すとおり、C=M/2の場合は、トルクτの正負方向に均等に加圧できるので、正負方向の出力帯域が均等となる。一方、図6(a)及び図6(c)に示すように、C≠M/2の場合は、トルクτの正負方向における加圧が均等でなくなるので、出力帯域に偏りが生じる。時計回り方向θ1又は反時計回り方向θ2に高い出力が要求される場合は、当該方向に応じてC>M/2又はC<M/2とし、均等に出力が要求される場合は、C=M/2とすればよい。
<圧力制御装置:指令生成処理>
図7は、第1実施形態に係る圧力制御装置300の制御フローチャートである。図7は、所定の作業を実行中のある時刻における圧力制御装置300の制御フローを示す。作業機械100の一連の作業は、圧力制御装置300が図7に示す制御処理を繰り返して、流体圧印加装置200を連続的に動作させることによって実行される。
ステップS101において、圧力制御装置300は、作業機械100の可動機構130に対する可動方向指令を入力部311において受け付け、取得部321において読み出す。可動方向指令は、操作者の入力操作に応じた操作信号であってもよい。また、可動方向指令は、可動機構130の回転軸の回転角度を計測したセンサ400の計測信号を基に、プログラム332に含まれる可動方向決定プログラムによって生成された信号であってもよい。可動方向決定プログラムは、当該計測信号によって得られた可動機構130の回転軸の回転角度と、予め定められた目標回転角度との差分から次の可動方向を決定し、決定された可動方向を示す信号を生成する。
ステップS102において、圧力制御装置300は、指令生成部322において、指令生成モデル331を参照して、ステップS101において取得された可動方向指令に則した制御指令を生成する。具体的には、圧力制御装置300は、取得された可動方向指令に則して、以下のステップS103ないしステップS105の何れかを選択的に実行する。
可動方向指令が静止を示す場合(ステップS102:静止)、圧力制御装置300は、ステップS103へ移行する。可動方向指令が時計回り、すなわち方向θ1に回転を示す場合(ステップS102:θ1に回転)、圧力制御装置300は、ステップS104へ移行する。可動方向指令が反時計回り、すなわち方向θ2に回転を示す場合(ステップS102:θ2に回転)、圧力制御装置300は、ステップS105へ移行する。
ステップS103において、圧力制御装置300は、静止を示す可動方向指令に従って、作動流体の圧力をpr=C,pl=Cとする制御指令を生成する。
ステップS104において、圧力制御装置300は、方向θ1に回転を示す可動方向指令に従って、作動流体の圧力をpr=C,pl=-P+Cとする制御指令を生成する。
ステップS105において、圧力制御装置300は、方向θ2に回転を示す可動方向指令に従って、作動流体の圧力をpr=C,pl=P+Cとする制御指令を生成する。
ステップS106において、圧力制御装置300は、ステップS103ないしステップS105において生成された制御指令を、出力部312を介して流体圧印加装置200に送信する。
流体圧印加装置200は、ステップS103において生成された制御指令を受信した場合、右流体室110a内及び左流体室110b内の作動流体の圧力が等しくなるように、両流体室110a,110b内の作動流体に圧力を印加する。これによって、ピストンロッド111が静止し、可動機構130も静止する。可動機構130が静止することによって、エンドエフェクタ170は、静止する。
流体圧印加装置200は、ステップS104において生成された制御指令を受信した場合、右流体室110a内の作動流体の圧力>左流体室110b内の作動流体の圧力となるように、両流体室110a,110b内の作動流体に圧力を印加する。これによって、ピストンロッド111は、一端部111aから他端部111bに向かう方向、すなわち方向Lにおける負の方向に移動する。この結果、可動機構130の回転軸が時計回り、すなわち方向θ1に回転する。可動機構130が方向θ1に回転することによって、エンドエフェクタ170は、方向θ1、すなわち所定方向に回転する。
流体圧印加装置200は、ステップS105において生成された制御指令を受信した場合、右流体室110a内の作動流体の圧力<左流体室110b内の作動流体の圧力となるように、両流体室110a,110b内の作動流体に圧力を印加する。これによって、ピストンロッド111は、他端部111bから一端部111aに向かう方向、すなわち方向Lにおける正の方向に移動する。この結果、可動機構130の回転軸が反時計回り、すなわち方向θ2に回転する。可動機構130が方向θ2に回転することによって、エンドエフェクタ170は、方向θ2、すなわち所定方向の逆方向に回転する。
なお、図7に示す圧力Pは、図5において示した指令生成モデルの操作量uの定数値であり、所定値Cとは異なる定数値である。
以上のように、本実施形態に係る圧力制御装置300は、一方の流体室110a内の作動流体の圧力を所定値に保った状態で、他方の流体室110b内の作動流体の圧力を増減させることによって、ピストンロッド111を移動させる。これによって、本実施形態に係る作業機械システム10は、両ロッドシリンダ110が有する2つの流体室110a,110b内の作動流体の圧力を同時に制御する必要がなく、何れか1つの流体室のみ(本実施形態における左流体室110b)の圧力制御によって、作業機械100を駆動することができる。従来であれば、ピストンロッドを高精度に制御するために2つの流体室の高精度な圧力制御が求められ、流体圧印加装置に2つの高価な圧力制御バルブが必要となっていた。これに対して、本実施形態に係る作業機械システム10は、2つの圧力制御バルブのうち1つは高精度に圧力制御ができる必要があるが、もう1つは定常的に同じ圧力を印加すればよく、高価な圧力制御バルブは不要になる。したがって、本実施形態に係る作業機械システム10は、従来よりも比較的安価に実現可能となる。よって、本実施形態によれば、駆動部の構造及び制御系を更に簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
更に、本実施形態に係る圧力制御装置300は、一方の流体室110a内の圧力を所定値Cにし、他方の流体室110b内の圧力を所定値Cよりも小さくして、ピストンロッド111を一端部111aから他端部111bに向かう方向に移動させる。これによって、本実施形態に係る圧力制御装置300は、エンドエフェクタ170を所定方向θ1に回転させる。また、本実施形態に係る圧力制御装置300は、一方の流体室110a内の圧力を所定値Cにし、他方の流体室110b内の圧力を所定値Cよりも大きくして、ピストンロッド111を他端部111bから一端部111aに向かう方向に移動させる。これによって、本実施形態に係る圧力制御装置300は、エンドエフェクタ170を所定方向の逆方向θ2に回転させる。また、本実施形態に係る圧力制御装置300は、一方の流体室110a内の圧力、及び、他方の流体室110b内の圧力を所定値Cにして、ピストンロッド111を静止させる。これによって、本実施形態に係る圧力制御装置300は、エンドエフェクタ170を静止させる。
このように、本実施形態に係る作業機械システム10は、エンドエフェクタ170を方向θ1若しくは方向θ2に回転させる、又は、静止させる等の一連の動作が、両ロッドシリンダ110が有する何れか1つの流体室のみの圧力制御によって、実現可能となる。すなわち、本実施形態に係る作業機械システム10は、エンドエフェクタ170を方向θ1若しくは方向θ2に回転させる、又は、静止させる等の一連の動作が、従来よりも比較的安価に実現可能となる。
次に、本発明の作業機械システム10における第2及び第3実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。第2及び第3実施形態は、例えば以下に説明するような課題に対して有効である。
作業機械システム10を用いた工場ラインでの物体のライン切り替えのような、物体のピックアンドプレイス作業を考える。図8は、位置Aから位置Bまで作業機械100が対象となる物体Tをピックアンドプレイスする作業の流れを示した図である。また、作業の流れは、以下の(1)ないし(7)の動作シーケンスのとおりである。
(1)待機姿勢
(2)反時計回りに回転し物体へアプローチ(アプローチ)
(3)把持
(4)待機姿勢までアプローチ(持ち上げ)
(5)待機姿勢
(6)プレイス位置へアプローチ(アプローチ)
(7)プレイシング
なお、(1)及び(5)の動作シーケンスである「待機姿勢」とは、方向θ1への最大回転角度と、方向θ2への最大回転角度と、を足して2で割った角度において静止した姿勢のことである。本実施形態に係る作業機械100の待機姿勢は、鉛直方向上向きとなる角度において静止した姿勢を指す。
図9(a)は、C=M/2の関係における作業機械100の出力帯域と、図8に示された作業を行う場合の動作シーケンスごとの作業機械100が一定速度で作業するために必要なトルクと、の関係を示す図である。図9(a)の場合、出力帯域は、不変である。なお、動作シーケンスごとの作業機械100に必要なトルクは、図9(a)に実線によって示されている。トルクτ及び回転角度θは、図8(a)に点線によって示すように、時計回りを正の方向とする。また、物体Tの質量をm、回転軸中心から物体Tの重心までの距離をl、重力加速度をgとすると、物体Tを把持した状態での作業機械100に必要なトルクは、トルクのつり合いからτ=mglcosθとなる。更に、作業機械100の出力帯域をWとする。
作業機械100に必要なトルクは、図9(a)に示すとおり、動作シーケンスごとに異なる。特に、(3)「把持」、(4)「持ち上げ」、(6)「アプローチ」、及び、(7)「プレイシング」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクの絶対値は、(1)「待機姿勢」、(2)「アプローチ」、及び、(5)「待機姿勢」よりも格段に大きくなる。流体圧印加装置及び/又は両ロッドシリンダの性能等に起因して印加可能な最大圧力Mが小さい場合、(3)「把持」、(4)「持ち上げ」、(6)「アプローチ」、及び、(7)「プレイシング」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクが出力帯域Wを超過してしまう虞がある。
なお、作業機械100に必要なトルクは、C>M/2又はC<M/2の関係における出力帯域Wであっても、出力帯域Wの最大値τmax及び最小値τminの少なくとも一方を超過してしまう虞がある。
そこで、第2及び第3実施形態では、流体圧印加装置及び/又は両ロッドシリンダの性能等に起因して印加可能な最大圧力Mが小さい場合であっても、作業機械100に必要なトルクが出力帯域Wを超過しない方法を採用することによって、上記課題を解決する。
[第2実施形態]
具体的には、第2実施形態では、一方の流体室(右流体室110a)内の作動流体の圧力として保っている所定値Cを第1所定値から第2所定値に変更することによって、出力帯域Wを調整する。なお、第2実施形態において、特に説明しない点については、第1実施形態を適用可能である。
図9(b)は、第2実施形態によって、所定値Cを第1所定値から第2所定値に変更した場合の、作業機械100の出力帯域と、動作シーケンスごとの作業機械100が一定速度で作業するために必要なトルクと、の関係を示す図である。
第2実施形態に係る圧力制御装置300は、(3)「把持」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせて、初期の所定値CをC>M/2の関係にある値(第1所定値)とする。次いで、第2実施形態に係る圧力制御装置300は、(7)「プレイシング」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせるために、(5)「待機姿勢」の動作シーケンスにおいて、所定値CをC<M/2の関係にある値(第2所定値)に変更する。
上記の変更に伴い、所定値Cが第1所定値の際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a>左流体室110bの関係となるように変更される。所定値Cが第2所定値の際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a<左流体室110bの関係となるように変更される。ピストンロッド111の移動範囲と相関関係にある出力帯域Wは、図9(b)に示すとおり、第1所定値時の範囲から第2所定値時の範囲に動的に変化することとなる。
以上のように、第2実施形態に係る圧力制御装置300は、一方の流体室110a内の作動流体の圧力を第1所定値から第2所定値に変更することによって、ピストンロッド111の移動範囲を変更する。これによって、第2実施形態に係る作業機械システム10は、出力帯域Wを動的に変化させることができる。この結果、第2実施形態に係る作業機械システム10は、流体圧印加装置及び/又は両ロッドシリンダの性能等に起因して印加可能な最大圧力Mが小さい場合であっても、作業機械100に必要なトルクを、出力帯域Wを超過せずに確保できる。すなわち、第2実施形態に係る作業機械システム10は、第1実施形態よりも、流体圧印加装置200及び/又は両ロッドシリンダ110が比較的安価であっても、作業機械100に所望の動作を実行させることができる。よって、第2実施形態によれば、駆動部の構造及び制御系を第1実施形態よりも更に簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
なお、第2実施形態に係る圧力制御装置300は、所定値Cの第1所定値から第2所定値への変更を、操作者の入力操作に応じた操作信号に基づいて行ってもよい。また、第2実施形態に係る圧力制御装置300は、所定値Cの第1所定値から第2所定値への変更は、可動機構130の回転軸の回転角度を計測したセンサ400の計測信号に基づいて行ってもよい。
また、第2実施形態では、一方の流体室110a内の作動流体の圧力を第1所定値から第2所定値に変更するのみであったが、本発明は、作業機械100が所望の動作をするために必要な分だけ所定値を変更することを妨げない。
これによって、第2実施形態に係る出力帯域Wの調整方法は、一方の流体室110a内の作動流体の圧力である所定値Cを、作業機械100が所望の動作をするために必要なトルクに合わせて柔軟に変更できるという利点がある。
[第3実施形態]
第3実施形態では、作動流体の圧力が所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室(右流体室110a)から他方の流体室(左流体室110b)に切り替えることによって、出力帯域Wを調整する。なお、第3実施形態において、特に説明しない点については、第1実施形態を適用可能である。
図9(b)は、第3実施形態によって、所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室から他方の流体室に切り替える場合の、作業機械100の出力帯域と、動作シーケンスごとの作業機械100が一定速度で作業するために必要なトルクと、の関係を示す図でもある。
第3実施形態においては、所定値Cは、C≠M/2の関係にある。図9(b)に示された所定値Cは、C>M/2の関係にある。
第3実施形態に係る圧力制御装置300は、(3)「把持」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせて、初期は、所定値Cに保たれる流体室を右流体室110aとする。次いで、第3実施形態に係る圧力制御装置300は、(7)「プレイシング」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせるために、(5)「待機姿勢」の動作シーケンスにおいて、所定値Cに保たれる流体室を左流体室110bに切り替える。
上記の切り替えに伴い、所定値Cに保たれる流体室が右流体室110aの際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a>左流体室110bの関係となるように変更される。所定値Cに保たれる流体室が左流体室110bの際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a<左流体室110bの関係となるよう変更される。換言すれば、ピストンロッド111の移動範囲は、一方の流体室内の作動流体の圧力である所定値Cによって移動する範囲から他方の流体室内の作動流体の圧力である所定値Cによって移動する範囲に切り替わる。ピストンロッド111の移動範囲と相関関係にある出力帯域Wは、図9(b)に示すとおり、所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室から他方の流体室に切り替えることに伴って動的に変化することとなる。
以上のように、第3実施形態に係る圧力制御装置300は、作動流体の圧力が所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室110aから他方の流体室110bに切り替えることによって、ピストンロッド111の移動範囲を変更する。これによって、第3実施形態に係る作業機械システム10は、出力帯域Wを動的に変化させることができる。第3実施形態に係る作業機械システム10は、流体圧印加装置及び/又は両ロッドシリンダの性能等に起因して印加可能な最大圧力Mが小さい場合であっても、作業機械100に必要なトルクを、出力帯域Wを超過せずに確保できる。すなわち、第3実施形態に係る作業機械システム10は、第1実施形態よりも、流体圧印加装置200及び/又は両ロッドシリンダ110が比較的安価であっても、作業機械100に所望の動作を実行させることができる。よって、第3実施形態によれば、駆動部の構造及び制御系を第1実施形態よりも更に簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
なお、第3実施形態に係る圧力制御装置300は、所定値Cに保たれる流体室の切り替えを、操作者の入力操作に応じた操作信号に基づいて行ってもよい。また、第3実施形態に係る圧力制御装置300は、所定値Cに保たれる流体室の切り替えを、可動機構130の回転軸の回転角度を計測したセンサ400の計測信号に基づいて行ってもよい。
第3実施形態に係る出力帯域Wの調整方法は、ピストンロッド111の移動に合わせて可動機構130の回転軸が回転するような、特定のタイミング(例えば、(5)「待機姿勢」の動作シーケンス)を境に、前後の動作が同一の動作となる場合に有効な方法である。
[第3実施形態:変形例]
更に、第3実施形態の変形例として、所定値CがC<M/2の関係にある場合であっても、作業機械システム10は、以下の手順によって、第3実施形態と同様の動作をすることができる。なお、本変形例についての説明時、図6の出力帯域を示す図は、横軸の値である差圧がpr-plとなり、グラフ自体も縦軸及び横軸の値が反転した形となる。また、上記の指令生成モデル及び指令生成処理の説明については、本変形例においては、pr及びplの数値が互いに入れ替わる。
本変形例に係る圧力制御装置300は、(3)「把持」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせて、初期は、所定値Cに保たれている流体室を左流体室110bとする。次いで、本変形例に係る圧力制御装置300は、(7)「プレイシング」の動作シーケンスの際に作業機械100に必要なトルクに合わせるために、(5)「待機姿勢」の動作シーケンスにおいて、所定値Cに保たれている流体室を右流体室110aに切り替える。
上記の切り替えに伴い、所定値Cに保たれる流体室が左流体室110bの際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a>左流体室110bの関係となるように変更される。所定値Cに保たれる流体室が右流体室110aの際には、ピストンロッド111の移動範囲が右流体室110a<左流体室110bの関係となるよう変更される。これによって、ピストンロッド111の移動範囲と相関関係にある出力帯域Wは、第3実施形態と同様に、所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室から他方の流体室に切り替えることに伴って動的に変化することとなる。
以上のように、本変形例に係る圧力制御装置300は、所定値CがC<M/2の場合に、作動流体の圧力が所定値Cに保たれる流体室を一方の流体室110bから他方の流体室110aに切り替えることによって、ピストンロッド111の移動範囲を変更する。これによって、本変形例に係る作業機械システム10は、出力帯域Wを動的に変化させることができる。本変形例に係る作業機械システム10は、流体圧印加装置及び/又は両ロッドシリンダの性能等に起因して印加可能な最大圧力Mが小さい場合であっても、作業機械100に必要なトルクを、出力帯域Wを超過せずに確保できる。すなわち、本変形例に係る作業機械システム10は、第3実施形態と同様に、第1実施形態よりも、流体圧印加装置200及び/又は両ロッドシリンダ110が比較的安価であっても、作業機械100に所望の動作を実行させることができる。よって、本変形例によっても、駆動部の構造及び制御系を第1実施形態よりも更に簡易化することが可能な作業機械システムを提供することができる。
ここで、所定値Cに保たれる流体室ではない方の流体室内の作動流体の圧力が、配管又はシリンダの損傷等によって低下した場合を想定する。本変形例では、所定値CがC<M/2の関係にあるので、両流体室の圧力差が小さい。これによって、本変形例に係るピストンロッド111は、上記のような損傷等によって作動流体の圧力が低下した場合であっても、圧力が低下した流体室側に勢いよく移動し難くなる。この結果、本変形例に係る作業機械システム10は、上記の利点に加えて、両ロッドシリンダ110が二次故障することを防ぐことができるという利点がある。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、或る実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、或る実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路にて設計する等によってハードウェアによって実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアによって実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク又はSSD(solid state drive)等の記録装置、若しくは、ICカード、SDカード又はDVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10…作業機械システム、100…作業機械、110…両ロッドシリンダ、110a…右流体室(一方の流体室)、110b…左流体室(他方の流体室)、111…ピストンロッド、111a…一端部、111b…他端部、120…ワイヤ、120a…一端、120b…他端、130…可動機構、143…支持部材、151,152…プーリ、170…エンドエフェクタ、300…圧力制御装置、L…ピストンロッドの移動方向、θ1…時計回り方向(所定方向)、θ2…反時計回り方向(逆方向)

Claims (6)

  1. 作動流体によって駆動する作業機械を有する作業機械システムであって、
    前記作業機械は、
    エンドエフェクタを軸周りに回転させる可動機構と、
    前記可動機構に巻き掛けられたワイヤと、
    一端部が前記ワイヤの一端に接続され、他端部が前記ワイヤの他端に接続されたピストンロッドを有し、前記作動流体によって作動する両ロッドシリンダと、を備える
    ことを特徴とする作業機械システム。
  2. 前記両ロッドシリンダ内の前記作動流体の圧力を制御する圧力制御装置を更に有し、
    前記圧力制御装置は、前記両ロッドシリンダの一方の流体室内の圧力を所定値に保った状態で前記両ロッドシリンダの他方の流体室内の圧力を増減させることによって、前記ピストンロッドを移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業機械システム。
  3. 前記圧力制御装置は、
    前記一方の流体室内の圧力を前記所定値にし、前記他方の流体室内の圧力を前記所定値よりも小さくして、前記ピストンロッドを前記一端部から前記他端部に向かう方向に移動させることによって、前記エンドエフェクタを所定方向に回転させ、
    前記一方の流体室内の圧力を前記所定値にし、前記他方の流体室内の圧力を前記所定値よりも大きくして、前記ピストンロッドを前記他端部から前記一端部に向かう方向に移動させることによって、前記エンドエフェクタを前記所定方向の逆方向に回転させ、又は、
    前記一方の流体室内の圧力及び前記他方の流体室内の圧力を前記所定値にして、前記ピストンロッドを静止させることによって、前記エンドエフェクタを静止させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業機械システム。
  4. 前記圧力制御装置は、前記一方の流体室内の圧力を第1所定値から第2所定値に変更することによって、前記ピストンロッドの移動範囲を変更する
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業機械システム。
  5. 前記圧力制御装置は、圧力が前記所定値に保たれる流体室を前記一方の流体室から前記他方の流体室に切り替えることによって、前記ピストンロッドの移動範囲を変更する
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業機械システム。
  6. 前記作業機械は、
    前記両ロッドシリンダと前記可動機構との間に配置され、前記ワイヤが巻き掛けられたプーリと、
    前記プーリを支持する支持部材と、を更に備え、
    前記支持部材は、前記プーリを支持した状態で前記ピストンロッドの移動方向に沿って移動可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業機械システム。
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