JP2024036463A - 無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024036463000001
【課題】 マルチリンク伝送技術を用いた効率的な通信を実現させること。
【解決手段】 一実施形態によれば、無線通信装置は、データと、データに対応する管理情報とに基づいて、第1フレームを生成する処理部と、第1フレームを第1通信装置に送信する無線部と備え、処理部は、第1フレームの送信が成功した旨の管理情報を含む通知を第1通信装置とは異なる第2通信装置から受信したか否かを確認し、通知を受信していない場合、無線部を介して第1フレームを第1通信装置に送信し、第1フレームに対する第1通信装置からの応答フレームが正常に受信された場合、管理情報を含む通知を第2通信装置に送信し、通知を受信している場合、第1フレームを廃棄する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、無線通信装置および無線通信システムに関する。
近年、通信の信頼性を向上させるための種々様々な技術が提案されている。その中の一つにマルチリンク伝送技術がある。マルチリンク伝送では、1つの筐体に複数の無線機能が実装されたマルチリンクデバイス(Multi-Link Device)を連携・協調させ、アクセスポイントとして動作する複数の無線機能を備える無線基地局マルチリンクデバイスと、ステーションとして動作する複数の無線機能を備える無線端末マルチリンクデバイスとの間で複数の無線リンクを確立し、これら複数の無線リンクを用いてデータを伝送する。このマルチリンク伝送技術によれば、複数の無線リンクを用いて同一データを並列伝送することが可能なため、通信の信頼性を向上させることが可能となる。
しかしながら、マルチリンク伝送技術においては、複数の無線リンクのうちの1つを用いて既に送信されたデータであって、送信が成功した旨の送達確認も既に得ることができているデータが、別の無線リンクを用いて別途送信されてしまう等、非効率的な通信が行われてしまうこともある。
特開2018-142897号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、マルチリンク伝送技術を用いた効率的な通信を実現させることが可能な無線通信装置および無線通信システムを提供することである。
一実施形態によれば、無線通信装置は、データと、前記データに対応する管理情報とに基づいて、第1フレームを生成する処理部と、前記第1フレームを第1通信装置に送信する無線部と、を具備し、前記処理部は、前記第1フレームの送信が成功した旨の前記管理情報を含む通知を前記第1通信装置とは異なる第2通信装置から受信したか否かを確認し、前記通知を受信していない場合、前記無線部を介して前記第1フレームを前記第1通信装置に送信し、前記第1フレームに対する前記第1通信装置からの応答フレームが正常に受信された場合、前記管理情報を含む前記通知を前記第2通信装置に送信し、前記通知を受信している場合、前記第1フレームを廃棄する。
図1は、実施形態に係る無線通信装置を含む無線通信システムの概略構成例を示す図である。 図2は、MACフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図3は、実施形態に係る無線通信装置の概略構成例を示す図である。 図4は、無線基地局が無線端末とMulti-Linkモードで無線接続するために実行する処理手順を示すフローチャートである。 図5は、実施形態に係る無線通信システムの概略構成例を示すブロック図である。 図6は、ビーコンフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図7は、Multi-Link Elementのフィールド構成例を示す図である。 図8は、Multi-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。 図9は、Reduced Neighbor Report Elementのフィールド構成例を示す図である。 図10は、Reduced Neighbor Report Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。 図11は、Association Requestフレームに含まれるMulti-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。 図12は、マルチAPコントローラが第1無線端末宛ての送信データを第1無線基地局および第2無線基地局に転送するまでの処理手順を示すフローチャートである。 図13は、転送フレームに含まれるTID、シーケンス番号、管理番号の設定例を示す図である。 図14は、イーサネットフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図15は、第1無線基地局が第1無線端末に送信データを送信する処理手順を示すフローチャートである。 図16は、Multi-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。 図17は、Reduced Neighbor Report Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。 図18は、A-MPDUフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図19は、BAフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図20は、BARフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図21は、Block Ack Windowの制御方法を説明するための図である。 図22は、無線端末の受信履歴を更新する処理手順を示すフローチャートである。 図23は、実施形態に係る無線通信システムの概略構成例を示すブロック図である。 図24は、実施形態に係る無線端末の概略構成例を示すブロック図である。 図25は、SCCおよびRxRBCによる制御を説明するための図である。 図26は、BA Windowを更新する処理手順を示すフローチャートである。 図27は、BA Windowを更新する別の処理手順を示すフローチャートである。 図28は、Actionフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図29は、DELBAフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図30は、ADDBA Reqeustフレームのフレームフォーマットを示す図である。 図31は、BARフレームのフレームフォーマットを示す図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る無線通信装置を含む無線通信システムの概略構成例を示す図である。図1に示す無線通信システムは、AP MLD(Access Point Multi-Link Device)として動作する第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2と、non-AP MLD(non-Access Point Multi-Link Device)として動作する第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2と、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2とハブ10を介して有線接続された制御装置20と、を備えている。詳細については後述するが、第1無線基地局AP MLD1、第2無線基地局AP MLD2、第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2はいずれも同じ構成により実現することが可能であり、これらはいずれも無線通信装置と称されてもよい。また、本明細書においては、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とを区別して称する必要がない場合は、これらを単に無線基地局AP MLDと称する場合がある。同様に、第1無線端末STA MLD1と第2無線端末STA MLD2とを区別して称する必要がない場合は、これらを単に無線端末STA MLDと称する場合がある。
第1無線基地局AP MLD1は、第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2の両方と通信することが可能である。第2無線基地局AP MLD2もまた、第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2の両方と通信することが可能である。つまり、第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2は共に、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2の両方のネットワークに所属し、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2と無線LAN(Local Area Network)方式で無線通信することが可能である。
図1では、第1無線端末STA MLD1および第2無線端末STA MLD2が、第1無線基地局AP MLD1または第2無線基地局AP MLD2を介して無線通信を行うインフラストラクチャモードのネットワークを構成する場合を想定している。インフラストラクチャモードのネットワークにおいては、無線基地局の無線信号が無線端末に届く範囲をBSS(Basic Service Set)と称する。図1では、第1無線基地局AP MLD1の無線信号が無線端末に届く範囲をBSS1と表記し、第2無線基地局AP MLD2の無線信号が無線端末に届く範囲をBSS2と表記している。
なお、無線通信システムに含まれる無線基地局は必ずしもある地点に固定された無線基地局でなくてもよい。例えば、動作モードを変更することによって簡易的な無線基地局として機能する無線端末が、無線通信システムに含まれる無線基地局として動作してもよい。また、ここでは、無線通信システムに含まれる複数の無線端末が無線基地局を介して無線通信を行うインフラストラクチャモードのネットワークを構成する場合を想定しているが、これに限定されず、無線通信システムは、複数の無線端末が無線基地局を介さずに無線通信を行うアドホックモードのネットワークを構成してもよい。この場合、複数の無線端末のいずれかがアドホックモードのネットワーク内のオーナーとして動作すればよい。以上のように、無線端末が無線基地局にもなり得る上に、無線基地局および無線端末は同じ構成により実現することが可能なため、上記したように、無線基地局および無線端末はどちらも無線通信装置と称することが可能である。
図1において、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2は、ハブ10を介して有線接続(例えば、イーサネット(登録商標))で制御装置20に接続されている。制御装置20は、無線端末に送信するフレームを第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送する。
以下では、まず、図1に示す無線通信システムにおいて用いられるフレームフォーマットについて説明する。
図2は、MAC(Media Access Control)フレームのフレームフォーマットを示す図である。図2は、IEEE802.11規格(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11be、今後規定される802.11規格も含む)の無線通信システムにより用いられるMACフレームのフレームフォーマットを示している。
図2に示すように、MACフレームは、MAC Headerと、Frame Bodyフィールドと、FCS(FCS: Frame Check Sequence)フィールドと、により構成されている。MAC Headerには、MAC層における受信処理に必要な情報が設定される。Frame Bodyフィールドには、フレームの種類に応じた情報(例えば上位レイヤからのデータ等)が設定される。FCSフィールドには、MAC HeaderとFrame Bodyフィールドとを正常に受信することができたか否かを判定するために計算された誤り検出コード(CRC: Cyclic Redundancy Code)が設定される。
MAC Headerは、図2に示すように、Frame Controlフィールドと、Duration/IDフィールドと、Address1フィールドと、Address2フィールドと、Address3フィールドと、Sequence Controlフィールドと、Address4フィールドと、QoS(Quality of Service) Controlフィールドと、を含んでいる。なお、MAC Headerに含まれる各種フィールドは、上記したフィールドに限定されず、例えば新規のフィールドがさらに追加されてもよいし、一部のフィールドが削除されてもよい。
Frame Controlフィールドには、フレームの種類に応じた値が設定される。
より詳しくは、Frame Controlフィールドは、図2に示すように、Protocol Versionフィールドと、Typeフィールドと、Subtypeフィールドと、ToDSフィールドと、FromDSフィールドと、More Fragmentフィールドと、Retryフィールドと、Protected Frameフィールドと、+HTC/Orderフィールドと、を含んでいる。
Protocol Versionフィールドには、使用するプロトコルバージョンを示す情報が設定される。
Typeフィールドには、MACフレームの種類を示すビット列が設定され、このTypeフィールドを参照することにより、MACフレームの種類(フレームタイプ)が制御フレーム、管理フレーム、データフレームのうちのいずれであるかを認識することが可能である。
Subtypeフィールドには、Typeフィールドによって示されるフレームタイプ内におけるMACフレームの種類を示すビット列が設定される。
ToDSフィールドには、受信局に関する情報が設定され、受信局が無線基地局であるか、無線端末であるかを示す。具体的には、ビットが1の場合は受信局が無線基地局であることを示し、0の場合は受信局が無線端末であることを示している。
FromDSフィールドには、送信局に関する情報が設定され、送信局が無線基地局であるか、無線端末であるかを示す。具体的には、ビットが1の場合は送信局が無線基地局であることを示し、0の場合は送信局が無線端末であることを示している。
More Fragmentフィールドは、上位レイヤのデータがフラグメント化された場合に用いられ、後続にフラグメントフレームが存在するか否かを示す情報が設定される。具体的には、ビットが1の場合は後続にフラグメントフレームがあることを示し、0の場合は後続にフラグメントフレームがないことを示している。
Retryフィールドには、当該フレームが再送されたフレーム(再送フレーム)であるか否かを示す情報が設定される。具体的には、ビットが1の場合は当該フレームが再送フレームであることを示し、0の場合は当該フレームが再送フレームでないことを示している。
Protected Frameフィールドには、当該フレームが暗号化(プロテクト)されているか否かを示す情報が設定される。具体的には、ビットが1の場合は当該フレームが暗号化されていることを示し、0の場合は当該フレームが暗号化されていないことを示している。
+HTC/Orderフィールドは、non-QoSデータフレームが送信される場合は、フレームを中継する際に、フレームの順序を入れ替えてはいけないことを示し、IEEE802.11n/ac/ax物理フレームでQoSデータフレームが送信される場合は、MAC Headerに、図示しないHT Controlフィールドが含まれることを意味する。HT Controlフィールドは、QoS ControlフィールドとFrame Bodyフィールドとの間に含まれ、IEEE802.11n/ac/axで規定される機能の一部を通知するために用いられる。
なお、Frame Controlフィールドに含まれる各種フィールドは、上記したフィールドに限定されず、例えば新規のフィールドがさらに追加されてもよいし、一部のフィールドが削除されてもよい。
Duration/IDフィールドは、16ビットの長さを有しており、最上位ビット(MSB: More Significant Bit)が0の場合、下位15ビットが送信禁止期間(NAV: Network Allocation Vector)を示し、最上位ビットが1の場合、下位15ビットの一部は、無線基地局に接続している無線端末に割り当てられた識別番号を示す。
Address1フィールドには、直接の受信局のMACアドレスが設定され、例えば、当該フレームが自装置宛てのフレームであるか否かを判定する際に用いられる。
Address2フィールドには、直接の送信局のMACアドレスが設定される。
Address3フィールドには、アップリンクにおいては最終的な宛先となる装置のMACアドレスが設定され、ダウンリンクにおいては送信元である装置のMACアドレスが設定される。
Address4フィールドは、無線基地局が別の無線基地局にフレームを送信する場合にのみ設定され、送信元である装置のMACアドレスが設定される。
Sequence Controlフィールドには、送信するフレームのシーケンス番号と、データがフラグメント化された場合のフラグメント番号とが設定される。
QoS Controlフィールドは、Typeフィールドによって示されるフレームタイプがデータフレームであり、かつ、Subtypeフィールドによって示されるMACフレームの種類がQoSデータフレームである場合に付加されるフィールドである。QoS Controlフィールドは、データのトラフィックに応じた識別子が設定されるTID(Traffic ID)フィールドや、送達確認方式が設定されるAck policyフィールド等を含んでいる。例えば、TIDフィールドは、データのトラフィック種別を判定する際に用いられる。また、Ack policyフィールドは、QoSデータが、NormalAckpolicy、BlockAckpolicy、NoAckpolicyのうちのいずれのポリシーにしたがって送信されたのかを判定する際に用いられる。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る無線通信装置(無線基地局および無線端末)の概略構成例について説明する。無線通信装置300は、上記したように、例えばIEEE802.11規格に準拠する装置である。図3に示す無線通信装置300の構成は、上記したように、無線基地局AP MLDおよび無線端末STA MLDの両方に対して適用することが可能である。
無線通信装置300は、図3に示すように、無線リンク部310,320と、アンテナ311,321と、コントローラ部330と、プロセッサ部341と、メモリ部342と、有線I/F(Interface)部343と、を備えている。なお、無線リンク部310およびアンテナ311と、無線リンク部320およびアンテナ321とは、同様な機能を有するため、以下では、無線リンク部およびアンテナについては、無線リンク部310およびアンテナ311のみを代表例として説明する。
アンテナ311は、例えば2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯に送信されたアナログの無線信号を受信する。アンテナ311により受信された受信信号は、無線リンク部310に入力される。無線リンク部310は、PHY(Physical)層部312と、LMAC(Lower MAC)層部313と、を備えている。
図3では詳細な図示を省略するが、PHY層部312は、アンテナスイッチ、無線受信部、無線送信部、発振部、復調部、変調部、等を含んでいる。
アンテナ311からの受信信号がPHY層部312に含まれる無線受信部に入力されると、発振部により生成される搬送波信号と同じ周波数の信号を用いて、当該受信信号は、適切な周波数帯の信号(例えば、ベースバンド信号)に周波数変換(ダウンコンバート)される。その後、周波数変換された信号は、ADC(Analog to Digital Converter)によりデジタル信号に変換され、復調部に入力される。復調部は、入力されたデジタル信号に対して、例えばIEEE802.11規格(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11be、今後規定される802.11規格も含む)に準拠した所定の復調および復号処理を含む受信処理を行い、当該デジタル信号をIEEE802.11規格で規定されるMACフレームに変換し、当該MACフレームをLMAC層部313に転送する。
なお、復調部では、ADCにより変換されたデジタル信号に対して、OFDMシンボルタイミング同期、FFT(Fast Fourier Transform)処理、デインタリーブ処理、誤り訂正符号処理、等が行われる。また、復調部により復調されたPHYフレーム(PPDU(PHY Protocol Data Unit))におけるPHYヘッダには、フレームの長さを示す情報や伝送レートを示す情報、帯域幅情報、等が含まれており、これら情報は復調部により抽出される。復調部は、抽出した情報を復調処理に用いたり、LMAC層部313に転送したりする。
受信処理において、LMAC層部313は、De-aggregation処理、CRCチェック処理、MACヘッダ解析処理、等を行う。De-aggregation処理は、後述するA-MPDUフレームを受信する場合に、当該A-MPDUフレームを1つ以上のMACフレーム(MPDU(MAC Protocol Data Unit))に分解する。CRCチェック処理は、各MPDUに付加されるCRCが正しいことを確認する。確認の結果、CRCが正しくなければ、当該CRCが付加されたMPDUは廃棄される。MACヘッダ解析処理は、MAC Header内のAddress1フィールドのアドレスが自装置のMACアドレス(例えば、無線リンク部310に設定されたMACアドレス)と一致するか否かを確認する。確認の結果、MACアドレスが一致し、かつ、CRCが正しいと判断された場合、当該処理対象のMACフレームは、コントローラ部330に含まれるUMAC(Upper MAC)層部331に転送される。
また、LMAC層部313は、PHY層部312から転送されたMACフレームが応答を要求するフレームである場合、応答フレームを生成する。LMAC層部313により生成される応答フレームは、主に即時応答する必要があるフレームであり、当該応答フレームを要求するMACフレーム(例えば、QoSデータフレーム、複数のQoSデータフレームを含むA-MPDUフレームあるいはBAR(Block Ack Request)フレーム等)を含むPPDUの終端からSIFS(Short Interframe Spacing)後に返信される。受信処理において、LMAC層部313は、MPDUを正しく受信できたことを示す送達確認情報をビットマップ形式で保持する処理も行う。このビットマップ情報は、応答フレームをBA(Block Ack)フレームとして返信する際に用いられる情報である。
以上が、受信処理の概要である。
一方、送信処理では、LMAC層部313は、MACフレーム(例えば、データフレームや、BA(Block Ack)、ACK(Acknowledge)、BAR(Block Ack Request)等の制御フレーム)を生成する。LMAC層部313においては、例えば他の無線通信装置が無線信号を送信しているか否かの状況等、無線チャネルの使用状況を確認してから、MACフレームを送信するか否かを決定するCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式が用いられており、IEEE802.11規格で規定される期間の間、無線チャネルが未使用であれば、他の無線通信装置が無線信号を送信していないと判断し、LMAC層部313は、MACフレームをPHY層部312に転送して送信を開始する。一方、無線チャネルが使用中(ビジー)であれば、未使用(アイドル)状態になるまで送信を延期する。
MACフレームがLMAC層部313からPHY層部312に転送されると、PHY層部312に含まれる変調部は、当該MACフレームに対して、例えばIEEE802.11規格(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11be、今後規定される802.11規格も含む)に準拠した所定の変調および符号処理を含む送信処理を行う。その後、DAC(Digital to Analog Converter)によりデジタル信号からアナログのベースバンド信号に変換され、当該ベースバンド信号は無線送信部に入力される。無線送信部は、入力されたベースバンド信号を、発振部により生成される搬送波信号を用いて、所定の周波数帯(例えば、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯の周波数)に周波数変換(アップコンバート)し、周波数変換された信号を、アンテナスイッチを経由してアンテナから無線信号として送信する。
送信処理において、LMAC層部313は、CRC計算処理、Aggregation処理、等を行う。LMAC層部313は、詳細については後述するUMAC層部331から転送されるMACフレームのCRCを計算し、当該MACフレームの最後に付加されるFCSフィールドに当該CRCの計算結果を含めたMPDUフレームをPHY層部312に転送する。また、LMAC層部313は、例えば高速なスループットを実現するため等、必要に応じて複数のMPDUを連結したA-MPDUフレームを生成し、これをPHY層部312に転送する。なお、上記したように、LMAC層部313は、AckフレームやBAフレーム等の応答フレームを生成し、これをPHY層部312に転送してもよい。

以上が、送信処理の概要である。
コントローラ部330は、複数の無線リンク部310,320を動作させるために必要な制御を行う。例えば、コントローラ部330は、各無線リンク部310,320を動作させる周波数チャネルや周波数帯域幅の設定を行う。コントローラ部330は、UMAC層部331を含む。送信処理では、UMAC層部331は、各MPDUに割り当てるシーケンス番号の生成やMPDUの暗号化処理を行う。受信処理では、UMAC層部331は、暗号化されたMPDUの復号処理や、MPDUをシーケンス番号の順番に並べ替えるReordering処理、等を行う。
有線I/F部343は、例えば有線通信方法としてイーサネットを用いて他装置からデータを受信したり、他装置へデータを送信したりする機能を有している。他の有線通信機能としては、PCIe(Peripheral Component Interconnect-Express)、USB(Universal Serial Bus)、SDIO(Secure Digital Input/Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、等を用いてもよい。なお、有線I/F部343は、無線通信装置の外部の装置と有線接続する必要がなければ、省略されても構わない。
メモリ部342は、SRAM(static random access memory)やDRAM(dynamic random access memory)等のデータ記憶装置から構成される。メモリ部342は、有線I/F部343とコントローラ部330との間で転送される送受信データを一時的に格納したり、プロセッサ部341が処理をする際のデータを格納したりするために用いられる。
プロセッサ部341は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)等であり、予め決められた命令コードを実行する機能を有している。また、プロセッサ部341は、無線リンク部310,320、コントローラ部330、有線I/F部343、等の制御を行う。さらに、プロセッサ部341は、有線I/F部343とコントローラ部330との間で送受信データを転送する制御を行う。
図3においては、無線通信装置300が、2つの無線リンク部310,320を有している構成について説明したが、これに限定されず、無線通信装置300は、3つ以上の無線リンク部を有していても構わない。この場合、各無線リンク部は、それぞれが異なる周波数チャネルを用いて通信してもよいし、同じ周波数チャネルを用いて通信してもよい。
また、図3においては、無線リンク部310,320はそれぞれ1本のアンテナ311,321が接続されている構成について説明したが、これに限定されず、無線リンク部310,320にはそれぞれ複数本のアンテナが接続されていてもよい。複数本のアンテナが接続される場合、異なるデータストリームを空間多重して送受信するMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式を用いて無線通信が行われてもよい。
図3に示されるLMAC層部313,323、および、UMAC層部331は、それぞれMACアドレスを有している。LMAC層部313,323には互いに異なるMACアドレスが設定される。一方で、UMAC層部331には、LMAC層部313,323の一方と同じMACアドレスが設定されてもよいし、LMAC層部313,323の両方と異なるMACアドレスが設定されてもよい。
無線通信装置300に含まれる各部は、アナログ回路またはデジタル回路等として実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)によって実行されるソフトウェア等により実現されてもよい。また、無線通信装置300は、1つのLSI(Large Scale Integration)に実装されてもよいし、コントローラ部330、プロセッサ部341、メモリ部342、有線I/F部343が1つのLSIに実装され、無線リンク部310,320が別のLSIに実装されてもよい。あるいは、PHY層部312,322を構成する無線送信部、無線受信部およびアンテナスイッチのみが別のIC(Integrated Circuit)に実装されてもよい。
次に、図4のフローチャートを参照して、無線基地局AP MLDが無線端末STA
MLDとMulti-Linkモードで無線接続するために実行する処理手順について説明する。
まず、無線基地局AP MLDは、管理フレームの1つであるビーコンフレームを周期的に(例えば100ms毎に)ブロードキャストフレームとして送信する(ステップS1)。これによれば、無線基地局AP MLDがサポートする通信能力等の情報が無線端末STA MLDに報知される。
続いて、無線基地局AP MLDは、無線端末STA MLDから送信される接続要求フレーム(例えば、Association Requestフレーム)を受信する(ステップS2)。
次に、無線基地局AP MLDは、無線端末STA MLDの接続を許可する場合、接続を許可する旨の情報を含んだ接続応答フレーム(例えば、Association Responseフレーム)を無線端末STA MLDに送信する(ステップS3)。
しかる後、無線基地局AP MLDは、無線端末STA MLDから送信された接続要求フレームに含まれる通信モードの要求に従って、無線端末STA MLDと通信する場合の通信モード(例えば、1つの無線基地局AP MLD単独で高信頼通信を行うモード、複数の無線基地局AP MLDと協調して高信頼通信を行うモード、等)を設定し(ステップS4)、ここでの一連の処理を終了させる。
図5は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成例を示すブロック図である。図1の説明と共に既述したように、本実施形態に係る無線通信システムは、第1無線基地局AP MLD1と、第2無線基地局AP MLD2と、第1無線端末STA MLD1と、第2無線端末STA MLD2と、制御装置20と、を備えている。第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とは、ハブ10を介して制御装置20に有線接続されている。制御装置20は、当該制御装置20の動作を制御するマルチAPコントローラ21を備えている。
AP MLDとして動作する第1無線基地局AP MLD1は、第1アクセスポイントAP1-1と、第2アクセスポイントAP1-2と、第1無線基地局AP MLD1の動作を制御するコントローラAP CT1と、を含んでいる。第1アクセスポイントAP1-1および第2アクセスポイントAP1-2は、図3に示した無線通信装置300の無線リンク部310,320に相当する。コントローラAP CT1は、図3に示した無線通信装置300のコントローラ部330に相当する。同様に、AP MLDとして動作する第2無線基地局AP MLD2は、第1アクセスポイントAP2-1と、第2アクセスポイントAP2-2と、第2無線基地局AP MLD2の動作を制御するコントローラAP
CT2と、を含んでいる。第1アクセスポイントAP2-1および第2アクセスポイントAP2-2は、図3に示した無線通信装置300の無線リンク部310,320に相当する。コントローラAP CT2は、図3に示した無線通信装置300のコントローラ部330に相当する。
non-AP MLDとして動作する第1無線端末STA MLD1は、第1ステーションSTA1-1と、第2ステーションSTA1-2と、第1無線端末STA MLD1の動作を制御するコントローラSTA CT1と、を含んでいる。第1ステーションSTA1-1および第2ステーションSTA1-2は、図3に示した無線通信装置300の無線リンク部310,320に相当する。コントローラSTA CT1は、図3に示した無線通信装置300のコントローラ部330に相当する。同様に、non-AP MLDとして動作する第2無線端末STA MLD2は、第1ステーションSTA2-1と、第2ステーションSTA2-2と、第2無線端末STA MLD2の動作を制御するコントローラSTA CT2と、を含んでいる。第1ステーションSTA2-1および第2ステーションSTA2-2は、図3に示した無線通信装置300の無線リンク部310,320に相当する。コントローラSTA CT2は、図3に示した無線通信装置300のコントローラ部330に相当する。
以下では、より具体的な状況を想定し、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1が無線端末STA MLDにビーコンフレームを送信し、当該ビーコンフレームを受信した第1無線端末STA MLD1が、第1無線基地局AP
MLD1と、当該第1無線基地局AP MLD1と協調動作することが可能な第2無線基地局AP MLD2と、の両方と接続するMulti-Link動作(Multi-AP Multi-Link動作と称されてもよい)を行う場合について説明する。
第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1は、無線端末STA MLDに対して、管理フレームの1つであるビーコンフレームを周期的にブロードキャストフレームとして送信する。
ここで、図6を参照して、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1から無線端末STA MLDに対してブロードキャスト送信されるビーコンフレームについて説明する。
図6は、ビーコンフレームのフレームフォーマットを示す図である。ビーコンフレームは、図6に示すように、Frame Controlフィールドと、Duration/IDフィールドと、Address1フィールドと、Address2フィールドと、Address3フィールドと、Sequence Controlフィールドと、Frame Bodyフィールドと、FCSフィールドと、によって構成されている。なお、Frame Bodyフィールド以外のフィールドの役割は、図2を参照して説明したMACフレームと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
Frame ControlフィールドのTypeフィールドおよびSubtypeフィールドには、ビーコンフレームであることを示すビットパターン(例えばType=2’b00、Subtype=4’b1000等)が割り当てられる。Duration/IDフィールドには0が設定される。
Address1フィールドには、ビーコンフレームがブロードキャストフレームとして送信されたことを示すために、全て1(具体的には、48’hFFFF_FFFF)が設定される。Address2フィールドには、送信局のMACアドレスが設定される。ここでは、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1がビーコンフレームを送信する場合を想定しているため、Address2フィールドには、第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定される。なお、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第2アクセスポイントAP1-2がビーコンフレームを送信する場合、Address2フィールドには、第2アクセスポイントAP1-2のMACアドレスが設定される。Address3フィールドには、BSSIDが設定される。ここでは、BSSIDが、ビーコンフレームを送信した第1アクセスポイントAP1-1と同じである場合を想定するため、Address3フィールドには、第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定される。Sequence Controlフィールドのシーケンス番号には、ビーコンフレームを送信する毎に1ずつインクリメントされる値が設定される。
Frame Bodyフィールドには、第1無線基地局AP MLD1に関する複数の情報が設定される。例えば、ビーコンフレームを送信する時刻、ビーコンフレームの送信周期時間、第1無線基地局AP MLD1が対応するPHYレート情報、等である。このFrame Bodyフィールドには、第1無線基地局AP MLD1のマルチリンク動作に関する情報(Multi-Link Element)と、周波数チャネルに関する情報(Reduced Neighbor Report Element)とが付加される。
図7は、Multi-Link Elementのフィールド構成例を示す図である。図7に示すように、Multi-Link Elementは、Element IDフィールドと、Lengthフィールドと、Element ID Extensionフィールドと、Typeフィールドと、MLD MAC Addressフィールドと、Link Infoフィールドと、によって構成されている。
Element IDフィールドには、Multi-Link Elementの識別子が設定される。Lengthフィールドには、Element ID ExtensionフィールドからLink Infoフィールドまでの長さを示す情報がオクテット単位で設定される。Element ID Extensionフィールドには、Multi-Link Elementであることを示す識別子が設定される。Typeフィールドには、Multi-Link Elementの種別を示す情報が設定される。MLD
MAC Addressフィールドには、UMAC層部に相当する構成のMACアドレスが設定され、第1無線基地局AP MLD1と、当該第1無線基地局AP MLD1と協調動作することが可能な無線基地局(この場合、第2無線基地局AP MLD2)と、当該第1無線基地局AP MLD1と有線接続される制御装置20と、のMACアドレスが設定される。
Link Infoフィールドには、第1無線基地局AP MLD1と、当該第1無線基地局AP MLD1と協調動作することが可能な無線基地局(この場合、第2無線基地局AP MLD2)とに含まれるLMAC層部に相当する構成(無線リンク部)を識別するための情報が設定される。より詳しくは、Link Infoフィールドは、Subelement IDフィールドと、Lengthフィールドと、Link IDフィールドと、Link MAC Addressフィールドと、を含んでいる。
Subelement IDフィールドには、Subelementの識別子が設定される。Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC
Addressフィールドまでの長さをオクテット単位で示す情報が設定される。Link IDフィールドには、LMAC層部に相当する構成(無線リンク部)を識別するための識別子が設定される。Link MAC Addressには、LMAC層部に相当する構成(無線リンク部)のMACアドレスが設定される。
図8は、Multi-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。図8に示すように、Element IDフィールドには、後続にElement ID Extensionフィールドが付加されていることを示す値「255」が設定されている。Lengthフィールドには、例えばLink Infoフィールドに4つのSubelementが含まれる場合の値「44」が設定されている。Element ID Extensionフィールドには、一例として値「100」が設定されている。Typeフィールドには、Basic Typeであることを示す値「0」が設定されている。MLD MAC Addressには、第1無線基地局AP MLD1のMACアドレスが設定されている。Link Infoフィールドには、上記したように4つのSubelementが含まれている。
図8に示すように、1つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Basic variant Multi-Link ekementであることを示す値「3」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link IDフィールドには、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1を識別するための識別子「0」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定されている。
また、2つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Basic variant Multi-Link ekementであることを示す値「3」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link
IDフィールドには、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第2アクセスポイントAP1-2を識別するための識別子「1」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第2アクセスポイントAP1-2のMACアドレスが設定されている。
さらに、3つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Multi-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link IDフィールドには、第2無線基地局AP MLD2に含まれる第1アクセスポイントAP2-1を識別するための識別子「2」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第1アクセスポイントAP2-1のMACアドレスが設定されている。
また、4つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Multi-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link IDフィールドには、第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2を識別するための識別子「3」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第2アクセスポイントAP2-2のMACアドレスが設定されている。
続いて、図9を参照して、Reduced Neighbor Report Elementのフィールド構成例について説明する。Reduced Neighbor Report Elementには、第1無線基地局AP MLD1と、当該第1無線基地局AP MLD1と協調動作することが可能な無線基地局(この場合、第2無線基地局AP MLD2)とに含まれる各無線リンク部によって利用される周波数チャネル番号の対応づけを行うための情報が含まれている。
図9に示すように、Reduced Neighbor Report Elementは、Element IDフィールドと、Lengthフィールドと、Neighbor AP Informationフィールドと、により構成される。Element
IDフィールドには、Reduced Neighbor Report Elementの識別子が設定される。
Neighbor AP Informationフィールドは、図9に示すように、TBTT Information Headerと、Operating Classフィールドと、Chanel Numberフィールドと、TBTT Information Setフィールドと、を含んでいる。
IEEE802.11規格に準拠した無線通信システムにおいては、周波数上の中心周波数の位置をチャネル番号で把握することができる。チャネル番号は、中心周波数の5MHz間隔で付与され、この値がChannel Numberフィールドに設定される。Operating Classフィールドには、各国や各地域における利用規則にチャネル幅を合わせた情報が設定される。Channel NumberフィールドとOperating Classフィールドとによれば、無線基地局(に含まれるアクセスポイント)がどの周波数位置でどのチャネル幅を用いて動作しているかを把握することができる。
TBTT Information Setフィールドには、図9に示すように、BSSの識別子であるBSSIDを通知するためのBSSIDフィールドや、無線通信システムのサービス識別子であるSSIDを確認するためのShort-SSIDフィールド、等を含めることができる。
TBTT Information Headerには、例えば、BSSIDフィールドやShort-SSIDフィールド等のフィールドが後続に含まれているか否かを識別するための情報が設定される。これによれば、ビーコンフレームを受信する無線端末STA MLDは、後述するMLD Parametersフィールドが後続に付加されているか否かを認識することができる。
TBTT Information Setフィールドには、図9に示すように、MLD Parametersフィールドを付加することができる。MLD Parametersフィールドは、図9に示すように、MLD IDフィールドおよびLink IDフィールドを含んでいる。MLD IDフィールドには、MLD(つまり、UMAC層部に相当する構成)を特定可能な識別子が設定され、例えば無線基地局AP MLDのMACアドレス等が設定される。Link IDフィールドには、無線リンク部(つまり、LMAC層部に相当する構成)を特定可能な識別子が設定され、例えばMulti-Link ElementのLink Infoフィールドに含まれるLink IDフィールドと同じ値が設定される。
図10は、Reduced Neighbor Report Elementに含まれる主要なパラメータとして、BSSIDフィールドと、MLD IDフィールドと、Link IDフィールドとに設定される設定値の一例を示す図である。なお、ここでは、ビーコンフレームに4つのNeighbor AP Information fieldを含むReduced Neighbor Report Elementが含まれる場合を想定している。あるいは、4つのReduced Neighbor Report Elementが含まれる場合でも良い。
例えば、1つ目のNeighbor AP Information fieldに含まれるBSSIDフィールドには第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定され、MLD IDフィールドには第1無線基地局AP MLD1のMACアドレスが設定され、Link IDフィールドには第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1を識別するための識別子「0」が設定されている。
また、2つ目のNeighbor AP Information fieldに含まれるBSSIDフィールドには第2アクセスポイントAP1-2のMACアドレスが設定され、MLD IDフィールドには第1無線基地局AP MLD1のMACアドレスが設定され、Link IDフィールドには第1無線基地局AP MLD1に含まれる第2アクセスポイントAP1-2を識別するための識別子「1」が設定されている。
さらに、3つ目のNeighbor AP Information fieldに含まれるBSSIDフィールドには第1アクセスポイントAP2-1のMACアドレスが設定され、MLD IDフィールドにはマルチAPコントローラ21のMACアドレスが設定され、Link IDフィールドには第2無線基地局AP MLD2に含まれる第1アクセスポイントAP2-1を識別するための識別子「2」が設定されている。
また、4つ目のNeighbor AP Information fieldに含まれるBSSIDフィールドには第2アクセスポイントAP2-2のMACアドレスが設定され、MLD IDフィールドにはマルチAPコントローラ21のMACアドレスが設定され、Link IDフィールドには第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2を識別するための識別子「3」が設定されている。
第1無線端末STA MLD1は、上記したMulti-Link Elementおよび上記したReduced Neighbor Report Elementを含むビーコンフレームを受信すると、これら情報に基づいて、第1無線基地局AP MLD1単独でMulti-Link動作ができることと、第1無線基地局AP MLD1が第2無線基地局AP MLD2と協調してMulti-Link動作(Multi-AP Multi-Link動作)ができることと、を認識する。
ここでは、上記したように、第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2の両方と接続するMulti-Link動作を行う場合を想定しているが、例えば、第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1単独とMulti-Link動作を行うことを選択する場合、第1無線端末STA MLD1は、例えば第1ステーションSTA1-1を第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA1-2を第2アクセスポイントAP1-2と接続することを要求するAssociation Requestフレームを第1アクセスポイントAP1-1に送信する。
第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2の両方と接続するMulti-Link動作を行うことを選択する場合、第1無線端末STA MLD1は、例えば第1ステーションSTA1-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA1-2を第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2と接続することを要求するAssociation Requestフレームを第1アクセスポイントAP1-1に送信する。より詳しくは、第1無線端末STA MLD1に含まれるコントローラSTA CT1は、Multi-Link ElementをFrame Bodyに含めたAssociation Requestフレームを生成する。生成されたAssociation Requestフレームは、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1により第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1に送信される。
図11は、Association Requestフレームに含まれるMulti-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。図11に示すように、Element IDフィールドには、後続にElement ID Extensionフィールドが付加されていることを示す値「255」が設定されている。Lengthフィールドには、例えばLink Infoフィールドに2つのSubelementが含まれる場合のElement ID ExtensionフィールドからLink Infoフィールドまでの長さの値「26」が設定されている。Element ID ExtensionフィールドおよびTypeフィールドがそれぞれ1オクテット、MLD MAC Addressが6オクテットであり、Link
Infoフィールド内のSubelement IDフィールド、Lengthフィールド、Link IDフィールドがそれぞれ1オクテット、Link MAC Addressフィールドが6オクテットである。Element ID Extensionフィールドには、一例として値「100」が設定されている。Typeフィールドには、Basic Typeであることを示す値「0」が設定されている。MLD MAC Addressフィールドには、マルチAPコントローラ21のMACアドレスが設定されている。Link Infoフィールドには、上記したように2つのSubelementが含まれている。
図11に示すように、1つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Multi-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link IDフィールドには、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1を識別するための識別子「0」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定されている。
2つ目のLink Infoフィールドに含まれるSubelement IDには、Multi-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定され、Lengthフィールドには、Link IDフィールドからLink MAC Addressまでの長さを示す値「7」が設定され、Link
IDフィールドには、第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2を識別するための識別子「3」が設定され、Link MAC Addressフィールドには、当該第2アクセスポイントAP2-2のMACアドレスが設定されている。
第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1は、上記したAssociation Requestフレームを受信すると、当該Association Requestフレームを制御装置20に含まれるマルチAPコントローラ21に転送する。これによれば、マルチAPコントローラ21は、第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2の両方と接続するMulti-AP Multi-Link動作を要求していることを認識する。
マルチAPコントローラ21は、第1無線端末STA MLD1を収容することに問題がなければ、接続を許可する旨を第1無線基地局AP MLD1に通知する。第1無線基地局AP MLD1は、マルチAPコントローラ21から接続を許可する旨の通知を受けると、Association Responseフレームを生成し、当該フレーム内に接続を許可する旨の情報を設定する。接続を許可する旨の情報が設定されたAssociation Responseフレームは、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1から第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1に送信される。
Association Responseフレームの送信が完了すると、マルチAPコントローラ21は、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とに対して、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1と第2ステーションSTA1-2とを収容するように指示する。これによれば、マルチAPコントローラ21、コントローラAP CT1およびコントローラAP CT2は、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とが協調して、第1無線端末STA MLD1と高信頼通信を行うモードに設定する。
なお、ここでは、第1無線端末STA MLD1が、第1ステーションSTA1-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA1-2を第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2と接続することを要求するAssociation Requestフレームを第1無線基地局AP MLD1に送信し、第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2と無線接続する場合について説明したが、同様の手順により、第2無線端末STA MLD2は、第1ステーションSTA2-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA2-2を第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2と接続することを要求するAssociation
Requestフレームを第1無線基地局AP MLD2に送信することで、第2無線端末STA MLD2は第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2と無線接続することが可能である。
次に、図12のフローチャートを参照して、マルチAPコントローラ21が第1無線端末STA MLD1宛ての送信データを第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送するまでの処理手順について説明する。図12に示す一連の処理は、例えば、第1無線端末STA MLD1が第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2の両方と無線接続した後に行われる。
まず、制御装置20において生成されたデータまたは制御装置20の外部から転送されて来たデータが、第1無線端末STA MLD1宛てである場合、マルチAPコントローラ21は、当該データ(送信データ)を第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送するための準備を開始する(ステップS11)。なお、無線基地局AP MLDに転送されるデータは、例えばIP(Internet Protocol)パケットであり、UDP(User Datagram Protocol)データまたはTCP(Transmission Control Protocol)データ等を含んでいる。
続いて、マルチAPコントローラ21は、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送される送信データに関するTIDおよびシーケンス番号を生成する(ステップS12)。
TIDは、転送される送信データの種別に応じて決定される。このため、送信データの種別が同じであればTIDの値も同じである。一方、シーケンス番号は、転送される送信データ毎に1ずつインクリメントされる。シーケンス番号のビット数は例えば12ビットであり、シーケンス番号は0~4095のいずれかの値をとる。なお、シーケンス番号が4095に達した場合、シーケンス番号は再度0に戻って、次の送信データに割り当てられる。また、シーケンス番号は、宛先装置毎およびTID毎に割り当てられる。つまり、宛先装置もしくはTIDの一方が異なる場合、当該宛先装置および当該TIDに関するシーケンス番号とは別にインクリメントされるシーケンス番号が割り当てられる。
詳細については後述するが、無線基地局AP MLDが、マルチAPコントローラ21から転送される送信データに基づいてMACフレームを生成する場合、TIDおよびシーケンス番号は、MAC Heder内のQoS Controlフィールド(に含まれるTIDフィールド)およびSequence Controlフィールドにそれぞれ設定される。
ステップS12の処理の後、マルチAPコントローラ21は、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送される送信データ(MSDU(MAC Service Data Unit))を管理するための管理番号を生成する(ステップS13)。MSDUには、例えばIPパケットが含まれる。
管理番号は、無線基地局AP MLDに転送される送信データ(MSDU)毎にインクリメントされる番号である。宛先装置、TID、シーケンス番号のうちの少なくとも1つの値が他の送信データとは異なる送信データが無線基地局AP MLDに転送される場合、管理番号は1だけインクリメントされる。
管理番号のビット数は例えば32ビットである。但し、宛先装置(無線端末STA MLD)に向けて無線基地局AP MLDから既に送信された送信データに割り当てられた管理番号は、既に役割を終えた番号であり、新規なデータの管理番号として再度使用される。つまり、管理番号はある一定期間内でユニークであればよく、管理番号のビット数は上記した32ビット以外のビット数であってもよい。例えば、管理番号のビット数は、マルチAPコントローラ21が管理する無線端末数、一定期間内に送信されるデータの転送速度、等に応じて決定されてもよい。
ステップS13の処理の後、マルチAPコントローラ21は、ステップS12の処理において生成されたTIDおよびシーケンス番号と、ステップS13の処理において生成された管理番号と、転送対象の送信データと、を含むイーサネットフレーム(転送フレーム、転送パケット)を生成する(ステップS14)。
ここで、図13を参照して、上記したステップS14の処理により生成される転送フレームに含まれるTID、シーケンス番号、管理番号の設定例について説明する。ここでは、例えば、転送順番が「1」番と「2」番の転送フレームに着目する。図13に示すように、転送順番が「1」番であり、宛先装置が「第1無線端末STA MLD1」の転送フレームには、TID「0」、シーケンス番号「0」、管理番号「1」がそれぞれ対応づけて含まれている。また、転送順番が「2」番であり、宛先装置が「第1無線端末STA
MLD1」の転送フレームには、TID「0」、シーケンス番号「1」、管理番号「1」がそれぞれ対応づけて含まれている。これら2つの転送フレームにそれぞれ含まれるTIDは共に「0」を示すため、当該2つの転送フレームに含まれる転送対象の送信データの種別は同じであることが分かる。一方で、これら2つの転送フレームにそれぞれ含まれるシーケンス番号は異なる値を示すため、2つの転送フレームに含まれる転送対象の送信データそのものは異なっていることが分かる。なお、上記したように、管理番号は、宛先装置、TID、シーケンス番号のうちのいずれか1つが異なる場合に1ずつインクリメントされる値であるため、これら2つの転送フレームに含まれる管理番号はそれぞれ異なる値を示している。
なお、ここでは、転送順番が「1」番と「2」番の転送フレームを例に挙げて説明したが、転送順番が「3」番~「10」番の転送フレームについても同様に説明することが可能である。
さらに、図14を参照して、上記したステップS14の処理により生成される転送フレーム(イーサネットフレーム)のフレームフォーマットについて説明する。図14は、イーサネットフレームのフレームフォーマットを示す図である。図14に示すように、イーサネットフレームは、Destination Addressフィールドと、Source Addressフィールドと、Multi-AP Tagフィールドと、Ethernet Type Numberフィールドと、Dataフィールドと、FCSフィールドと、によって構成されている。
Destination Addressフィールドには、宛先装置のMACアドレスが設定される。Source Addressフィールドには、送信元装置のMACアドレスが設定される。Multi-AP Tagフィールドには、マルチAPコントローラ21から、無線基地局AP MLDに含まれるコントローラAP CTに送信データが転送される場合の付随情報が設定される。Ethernet Type Numberフィールドには、後続のDataフィールドに格納される上位層プロトコルの識別子が設定される。Dataフィールドには、例えばIPパケットなどの送信データが格納される。FCSフィールドには、Destination AddressフィールドからDataフィールドまでに基づき計算されるCRCが設定される。
図14に示すように、Multi-AP Tagフィールドは、Tag IDフィールド、TIDフィールド、MAC Sequence Numberフィールド、Multi-AP Management Numberフィールドを含んでいる。Tag IDフィールドには、Multi-AP Tagであることを示す識別子が設定される。TIDフィールドは例えば4ビットの長さを有し、TIDが設定される。MAC Sequence Numberフィールドは例えば12ビットの長さを有し、シーケンス番号が設定される。Multi-AP Management Numberフィールドは例えば32ビットの長さを有し、管理番号が設定される。
再度図12の説明に戻る。ステップS14の処理の後、制御装置20に含まれる図示しない有線I/F部は、マルチAPコントローラ21により生成されたイーサネットフレーム(転送フレーム)を第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP MLD2に転送し(ステップS15)、ここでの一連の処理を終了させる。
なお、本実施形態においては、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP
MLD2とが協調して第1無線端末STA MLD1と高信頼通信を行う場合を想定しているため、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とには、同一の送信データを含むイーサネットフレームが転送される。この場合、イーサネットフレームを構成するDestination Addressフィールドに、ブロードキャストアドレスを設定することで、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2との両方に対し1回で転送してもよい。あるいは、イーサネットフレームを構成するDestination Addressフィールドに、第1無線基地局AP MLD1の有線I/F部のMACアドレスと、第2無線基地局AP MLD2の有線I/F部のMACアドレスとを設定し、2回に分けて転送してもよい。なお、Destination
Addressフィールドには、マルチキャストアドレスやユニキャストアドレスが設定されてもよい。
次に、図15のフローチャートを参照して、第1無線基地局AP MLD1が第1無線端末STA MLD1に送信データを送信する処理手順について説明する。
まず、第1無線基地局AP MLD1は、制御装置20から転送されたイーサネットフレーム(転送フレーム)を受信(受理)すると、当該イーサネットフレームを構成するMulti-AP TagフィールドからTID、シーケンス番号、管理番号を抽出する(ステップS21)。抽出されたTID、シーケンス番号、管理番号は、受信されたイーサネットフレームを構成する後続のDataフィールドに格納された送信データと関連付けてメモリに一時的に格納される。
続いて、第1無線基地局AP MLD1のコントローラAP CT1は、ステップS21の処理により抽出されたTIDおよびシーケンス番号を、MAC Header内のQoS Controlフィールド(に含まれるTIDフィールド)およびSequence Controlフィールドにそれぞれ設定し、かつ、Dataフィールドに格納される送信データをFrame Bodyフィールドに設定することで、MACフレームであるQoSデータフレームを生成する(ステップS22)。
本実施形態においては、第1ステーションSTA1-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA1-2を第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2と接続する場合を想定しているため、第1無線基地局AP MLD1によって生成されるQoSデータフレームのAddress1フィールドには、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1のMACアドレスが設定され、Address2フィールドには、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定され、Address3フィールドには、Address2フィールド同様、第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定される。なお、上記したステップS21,S22の処理と同様な処理により、第2無線基地局AP MLD2によって生成されるQoSデータフレームのAddress1フィールドには、第1無線端末STA MLD1に含まれる第2ステーションSTA1-2のMACアドレスが設定され、Address2フィールドには、第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2のMACアドレスが設定され、Address3フィールドには、Address2フィールド同様、第2アクセスポイントAP2-2のMACアドレスが設定される。
ステップS22の処理の後、第1無線基地局AP MLD1は、ステップS22の処理により生成されたQoSデータフレームのDataフィールドに格納された送信データの管理番号と同じ管理番号が付された送信データを含むQoSデータフレームの送信が成功した旨の通知を、協調動作する第2無線基地局AP MLD2から受信したか否かを確認する(ステップS23)。
ステップS23の処理の結果、同じ管理番号が付された送信データを含むQoSデータフレームの送信が成功した旨の通知を受信したことが確認された場合(ステップS23のYes)、第1無線基地局AP MLD1のコントローラAP CT1は、ステップS22の処理により生成されたQoSデータフレームを廃棄し(ステップS24)、当該QoSデータフレームを廃棄した旨の通知を、少なくとも制御装置20に含まれるマルチAPコントローラ21に送信する(ステップS25)。
一方、ステップS23の処理の結果、同じ管理番号が付された送信データを含むQoSデータフレームの送信が成功した旨の通知を受信していないことが確認された場合(ステップS23のNo)、第1無線基地局AP MLD1の第1アクセスポイントAP1-1は、当該送信データを含むQoSデータフレームを第1無線端末STA MLD1の第1ステーションSTA1-1に送信する(ステップS26)。
その後、第1無線基地局AP MLD1の第1アクセスポイントAP1-1は、第1無線端末STA MLD1の第1ステーションSTA1-1からの応答フレーム(AckフレームやBAフレーム等)が受信されたか否かを確認する(ステップS27)。ステップS27の処理の結果、応答フレームが受信されたことが確認された場合(ステップS27のYes)、第1無線基地局AP MLD1のコントローラAP CT1は、QoSデータフレームの送信が成功したことを示す情報と、当該QoSデータフレームに格納された送信データの管理番号とを含むUDPパケットを生成する。その後、コントローラAP CT1は、生成されたUDPパケットを含むIPパケットを生成し、当該IPパケットにイーサネットヘッダが付加されたイーサネットフレームを、制御装置20のマルチAPコントローラ21および第2無線基地局AP MLD2のうちの少なくとも一方に送信する(ステップS28)。
なお、上記したイーサネットヘッダ内の宛先MACアドレスには、例えばブロードキャストアドレス(例えばff.ff.ff.ff.ff.ff)が設定され、イーサネットヘッダ内の送信元MACアドレスには、例えば第1無線基地局AP MLD1内の有線I/F部のMACアドレスが設定される。また、上記したIPヘッダ内の送信元IPアドレスには、例えば第1無線基地局AP MLD1のIPアドレスが設定され、IPヘッダ内の宛先IPアドレスには、例えばブロードキャストアドレス(例えば255.255.255.255)が設定される。さらに、上記したUDPヘッダ内の送信元ポート番号には、他の通信と重複しない適当な番号(例えば49155)が設定され、UDPヘッダ内の宛先ポート番号には、第2無線基地局AP MLD2と予めネゴシエーションされた番号(例えば20400)が設定される。UDPデータ内の送信結果は、送信成功を示す値「0」、送信失敗を示す値「1」、廃棄を示す値「2」のいずれかにより示される。これによれば、イーサネットフレームとIPパケットは、ブロードキャストフレームとして第1無線基地局AP MLD1内の有線I/F部から送信されるため、マルチAPコントローラ21および第2無線基地局AP MLD2の両方に送信することが可能である。第2無線基地局AP MLD2は、上記したUDPパケットを受信した場合、宛先ポート番号を確認し、当該宛先ポート番号が予めネゴシエーションされた番号であれば、当該UDPパケットを送信結果の通知と認識するため、当該UDPパケット内のデータフィールドから管理番号および送信結果を抽出することができる。これにより、送信結果が「成功」の場合には、抽出された管理番号と同じ管理番号が付された送信データを含むQoSデータフレームが送信予定のフレームとして存在するか否かを検索し、送信予定のフレームとして当該QoSデータフレームが存在する場合には、そのフレームの送信を停止し、廃棄することが可能である。
一方、ステップS27の処理の結果、応答フレームが受信されたことを確認できないまま、一定時間経過して応答タイムアウトとなった場合(ステップS27のNo)、第1無線基地局AP MLD1の第1アクセスポイントAP1-1は、QoSデータフレームの送信回数が再送回数制限に達しているか否かを確認する(ステップS29)。ステップS29の処理の結果、QoSデータフレームの送信回数が再送回数制限に達していないことが確認された場合(ステップS29のNo)、上記したステップS23の処理が再度実行される。
一方、ステップS29の処理の結果、QoSデータフレームの送信回数が再送回数制限に達していることが確認された場合(ステップS29のYes)、第1無線基地局AP
MLD1の第1アクセスポイントAP1-1は、ステップS22の処理により生成されたQoSデータフレームの再送を断念し、当該QoSデータフレームを廃棄する(ステップS30)。
しかる後、第1無線基地局AP MLD1のコントローラAP CT1は、QoSデータフレームに格納された送信データの送信に失敗した旨の通知を、少なくとも制御装置20のマルチAPコントローラ21に送信し(ステップS31)、ここでの一連の処理を終了させる。
以上説明した第1実施形態によれば、無線基地局AP MLDは、制御装置20から転送される送信データに割り当てられた管理番号に基づいて、協調してMulti-Link動作を行う他の無線基地局AP MLDが当該送信データの送信に成功しているのか否かを特定することができる。例えば、無線基地局AP MLDに複数の無線端末STA
MLDが無線接続され、同一フレームを複数の無線基地局AP MLDを経由して1つの無線端末STA MLDに送信する場合に、無線基地局AP MLDは、別の無線基地局AP MLDにおいて既に送信が成功した送信データと同一の送信データであるか否かを特定することが可能であり、当該送信データを廃棄することができる。これによれば、不要なフレーム送信が抑制される一方で、新規のフレーム送信が促進されるため、マルチリンク伝送技術を用いた効率的な通信を実現させることが可能である。
以下では、第1実施形態の変形例について説明する。
[第1実施形態の変形例]
図16は、ビーコンフレームに含まれるMulti-Link Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図であり、図17は、ビーコンフレームに含まれるReduced Neighbor Report Elementを構成する各フィールドに設定される設定値の一例を示す図である。なお、図16および図17では、各Elementの主要なパラメータのみを示している。
本変形例は、同じNo.の設定値を、全てビーコンフレームに含める場合について説明する。
例えば図16および図17に示すNo.「1」の設定値においては、TypeフィールドにBasic Typeであることを示す値「0」が設定される一方で、Subelement IDフィールドにはMulti-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定されている。つまり、No.「1」の設定値は、第1無線基地局AP MLD1単独でMulti-Link動作を行うこともできるし、第1無線基地局AP MLD1が第2無線基地局AP MLD2と協調してMulti-Link動作を行うこともできる場合の設定例に相当する。
ここで、第1無線端末STA MLD1が、図16および図17に示すNo.「1」の設定値のElementを含むビーコンフレームを第1無線基地局AP MLD1から受信した場合について説明する。
まず、第1無線端末STA MLD1が、第1無線基地局AP MLD1単独とMulti-Link動作を行うことを選択する場合について説明する。
第1無線端末STA MLD1は、No.「1」の設定値のElementを含むビーコンフレームを受信すると、TypeフィールドにBasic Typeであることを示す値「0」が設定され、かつ、Subelement IDフィールドにBasic variant Multi-Link ekementであることを示す値「3」が設定された無線リンクを選択する。ここでは、例えば、第1ステーションSTA1-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続し、第2ステーションSTA1-2を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第2アクセスポイントAP1-2と接続すること、が選択される。
無線通信するために用いる周波数チャネルは、第1アクセスポイントAP1-1と接続する場合は、第1ステーションSTA1-1が第1アクセスポイントAP1-1からのビーコンフレームを受信したときに用いられた周波数チャネルに設定される。つまり、ここでは、第1ステーションSTA1-1は、第1アクセスポイントAP1-1と通信できる周波数チャネルに既に設定されているものとする。一方、第2アクセスポイントAP1-2と接続する場合は、Reduced Neighbor Report elementのLink IDフィールドに設定された識別子「1」に対応するChannel Numberフィールドからチャネル番号が抽出され、「36」番の周波数チャネルに設定される。このチャネル番号は、第2ステーションSTA1-2(の無線部)に対して中心周波数を5.18GHzに設定して、第2アクセスポイントAP1-2への接続を試みる。なお、UMAC層部としては、図16に示すNo.「1」の設定値のMulti-Link Element内のMLD MAC Addressフィールドに設定された第1無線基地局AP MLD1のMACアドレスが選択される。
次に、第1無線端末STA MLD1が、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2の両方と無線接続するMulti-AP Multi-Link動作を行うことを選択した場合について説明する。
第1無線端末STA MLD1は、No.「1」の設定値のElementを含むビーコンフレームを受信すると、まず、無線リンクの1つとして、TypeフィールドにBasic Typeであることを示す値「0」が設定され、かつ、Subelement
IDフィールドにBasic variant Multi-Link ekementであることを示す値「3」が設定された無線リンクを選択する。ここでは、例えば、第1ステーションSTA1-1を第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と接続することが選択される。
続いて、第1無線端末STA MLD1は、別の無線リンクとして、Subelement IDフィールドにMulti-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定されている無線リンクを選択する。ここでは、例えば、第2ステーションSTA1-2を第2無線基地局AP MLD2に含まれる第2アクセスポイントAP2-2と接続することが選択される。
無線通信するために用いられる周波数チャネルは、第1アクセスポイントAP1-1と接続する場合は、上記したように、第1ステーションSTA1-1が第1アクセスポイントAP1-1からのビーコンフレームを受信したときに用いられた周波数チャネルに設定される。一方、第2アクセスポイントAP2-2と接続する場合は、Reduced Neighbor Report elementのLink IDフィールドに設定された識別子「3」に対応するChannel Numberフィールドからチャネル番号が抽出され、「44」番の周波数チャネルに設定される。このチャネル番号は、第2ステーションSTA1-2(の無線部)に対して中心周波数を5.22GHzに設定して、第2アクセスポイントAP2-2への接続を試みる。なお、UMAC層部としては、図17に示すNo.「1」の設定値のReduced Neighbor Report element内のMLD IDフィールドに設定されたマルチAPコントローラ21のMACアドレスが選択される。
図16および図17に示すNo.「2」の設定値においては、TypeフィールドにMAP Typeであることを示す値「4」が設定され、Subelement IDフィールドにもMulti-AP variant Multi-Link elementであることを示す値「4」が設定されている。つまり、No.「2」の設定値は、第1無線基地局AP MLD1と第2無線基地局AP MLD2とにわたり、Multi-AP
Multi-Link動作を行うことができる場合の設定例に相当する。この設定例では、UMAC層部としては、第1無線基地局AP MLD1および第2無線基地局AP
MLD2に含まれるいずれのアクセスポイントが選択されたとしても、マルチAPコントローラ21が選択される。
No.「2」の設定例の場合、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と第2アクセスポイントAP1-2、あるいは、第2無線基地局AP
MLD2に含まれる第1アクセスポイントAP2-1と第2アクセスポイントAP2-2が、同じ筐体に実装されているか否かを各種ID情報だけでは、第1無線端末STA
MLD1は認識することができない。
これに対し、図16および図17に示すNo.「3」の設定例では、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1と第2アクセスポイントAP1-2、あるいは、第2無線基地局AP MLD2に含まれる第1アクセスポイントAP2-1と第2アクセスポイントAP2-2が、同じ筐体に実装されているか否かを区別可能な設定がなされている。具体的には、Reduced Neighbor Report
elementのMLD IDフィールドの設定値を、同じ無線基地局AP MLD内のアクセスポイントであれば、同じ値にしている。また、MLD IDフィールドの値が「0」の無線基地局AP MLDは、Multi-Link Element内のLink Infoフィールドに最初に設定されるアクセスポイント(ここでは第1アクセスポイントAP1-1)と同じ無線基地局AP MLD(つまり、第1無線基地局AP MLD1)であることを示している。第2無線基地局AP MLD2に含まれる第1アクセスポイントAP2-1と第2アクセスポイントAP2-2のMLD IDフィールドには共に「1」が設定されている。これによれば、第1無線端末STA MLD1は、異なる無線基地局AP MLDに含まれるアクセスポイントAPに接続したい場合、MLD IDフィールドを参照して、異なる無線基地局AP MLDのアクセスポイントAPを選択することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、無線基地局AP MLDと無線端末STA MLDとの間で確立された複数の無線リンクのうちの1つの通信が遮断された場合の効率的な通信再開方法について説明する。なお、本実施形態においては、無線基地局AP MLDが、Block Ack mechanismを用いて無線端末STA MLDとMulti-Link動作を行う場合を想定する。
上記したように、無線基地局AP MLDと無線端末STA MLDとの間で確立された複数の無線リンクのうちの1つの通信がしばらくの間遮断される一方で、他の無線リンクにおいては通信が継続される場合、通信が遮断された無線リンクにおける送信済みデータと、通信が継続された無線リンクにおける送信済みデータとにずれが生じてしまう(通信が継続されていた無線リンクの方がより新しいデータを送信できている)。これによれば、通信が遮断された無線リンクにおいて通信が再開されたときに、無線端末STA MLDにおいては、当該無線リンクを通じて送信されるデータを受信することができるにも関わらず、適切な応答フレームを返信することができないといったことが生じ得る。本実施形態では、このような状況を検出し、無線基地局AP MLDが、無線端末STA MLDにBARフレームを送信することで、各無線リンクにおける無線端末STA MLDの受信履歴を同期させ、無線端末STA MLDが適切な応答フレームを返信できるようにする方法を説明する。
基本的な応答方法として、1つのデータフレームの受信に対して、宛先装置(受信局)が当該データフレームを正常に受信できたことを送信元装置(送信局)に通知するためのAckフレームを返信する方式がある。しかしながら、この方式では、多数のデータフレームが受信された場合、受信された多数のデータフレームのそれぞれに対してAckフレームを返信する必要があるため、データフレームが送信される場合のPHYヘッダの送信時間やAckフレームの送信時間がオーバーヘッド時間となり、MAC層でのスループットがPHYレートの速度向上に対して飽和してしまう。データフレームが送信される場合のPHYヘッダの送信時間を削減するために、複数のデータフレームを1つのPHYフレーム(PSDU: PHY service data unit)に連結するA-MPDU(Aggregated MPDU)がある。
図18は、A-MPDUフレームのフレームフォーマットを示す図である。図18に示すように、A-MPDUフレームは、N個(但しNは正の整数)のSubframeが連結されたフレームとして構成される。各Subfurameは、Subframeの境界を検出するための境界情報であるDelimiterフィールドと、MACフレームとにより構成される。Delimiterフィールドは4バイトの長さを有し、後続するMACフレームの長さを示すLengthフィールドと、当該Lengthフィールドの誤りを検出するためのCRCと、このフィールドがDelimiterフィールドであることを示すDelimiter Signatureフィールドと、等を含む。Delimiterフィールドの後続のMACフレームのフレームフォーマットは、図2に示したフレームフォーマットと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。なお、MACフレームの後続のPadフィールドは、Subframeの長さが4バイトの倍数でない場合にSubframeの長さを4バイトの倍数にするために付加されるフィールドであり、1バイト~3バイトの範囲で付加される。データフレームはMPDUのことであり、MPDUを構成するFrame BodyフィールドにはMSDUが含まれている。MSDUには、MAC層よりも上位層から転送されるUDPパケットやTCPパケット等が含まれる。
図18に示したように、A-MPDUフレームは複数のMACフレームが連結されたフレームであるため、A-MPDUフレームの受信に対する応答フレームにはAckフレームではなくBlockAckフレームが用いられる。BAフレームは複数のデータフレームの送達確認情報を1つのMACフレームで通知することができる。
図19は、BAフレームのフレームフォーマットを示す図である。BAフレームは、図19に示すように、Frame Controlフィールドと、Durationフィールドと、Address1フィールドと、Address2フィールドと、BA Controlフィールドと、BA Informationフィールドと、FCSフィールドと、によって構成されている。なお、BA Controlフィールドと、BA Informationフィールド以外のフィールドの役割は、図2と共に説明したMACフレームと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
Frame ControlフィールドのTypeフィールドおよびSubtypeフィールドには、BAフレームであることを示すビットパターン(例えばType=2’b01、Subtype=4’b1001等)が割り当てられる。
Address1フィールドには、BAフレームの宛先を示す情報が設定される。例えば、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1が、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1に対してBAフレームを送信する場合、Address1フィールドには、当該第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定される。
Address2フィールドには、BAフレームを送信する送信元を示す情報が設定される。例えば、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1が、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1に対してBAフレームを送信する場合、Address2フィールドには、当該第1ステーションSTA1-1のMACアドレスが設定される。
BA Controlフィールドは、Compressed BitmapフィールドとTID_INFOフィールドとを少なくとも含んでいる。なお、図19に示すReservedフィールドは未使用ビットを意味し、当該フィールドには0が設定されている。Reservedフィールドの未使用ビットは任意の用途に用いることが可能である。
Compressed Bitmapフィールドは、1ビット長のフィールドであり、後続のBlock Ack Bitmapフィールドの長さが短縮されたフィールドを用いることを示す。
TID_INFOフィールドは、4ビット長のフィールドであり、後続の送達確認情報(Block Ack Bitmap情報)のデータフレームのTIDを示す。BAフレームには、TID_INFOフィールドに設定されるTIDと同じ値のTIDを持つデータフレームに対する送達確認情報が含まれる。
BA Informationフィールドは、図19に示すように、Block Ack Starting Sequence ControlフィールドとBlock Ack Bitmapフィールドとを含んでいる。さらに、Block Ack Starting Sequence Controlフィールドは、Fragment NumberフィールドとStarting Sequence Number(SSN)フィールドとを含んでいる。
Fragment Numberフィールドには、Block Ack Bitmapフィールドのフィールド長を示す情報と、フラグメント化されたデータフレームの送達確認情報がBlock Ack Bitmapフィールドに含まれているか否かを示す情報と、が設定される。
SSNフィールドは、後続のBlock Ack Bitmapフィールドの先頭のビットに対応するフレームのシーケンス番号を示している。
Block Ack Bitmapフィールドは、無線基地局(に含まれるアクセスポイント)により送信されたデータフレームであって、無線端末(に含まれるステーション)により受信されたデータフレームの受信履歴情報(つまり当該データフレームを正常に受信できたか否かを示す情報)を、1つのデータフレームにつき1ビットのビットマップ形式で示すフィールドである。Block Ack Bitmapフィールドの基本の長さは8バイト長であるが、Fragment Numberフィールドの設定値により、8バイト以外にも32バイト、64バイト、128バイトの長さを選択することが可能である。
フラグメント化されたデータフレームの送達確認情報が含まれない場合、Block
Ack Bitmapフィールドの先頭のビットは、SSNフィールドにより示されるシーケンス番号のデータフレームの送達確認情報を示している。Block Ack Bitmapフィールドにおいては、先頭から1ビットシフトしていく毎にシーケンス番号が1だけ上がったフレームの送達確認情報が示される。つまり、先頭から2番目のビットは(SSN+1)で示されるシーケンス番号のデータフレームの送達確認情報を示している。例えば、SSNフィールドの値が100番だとすると、Block Ack Bitmapフィールドには、シーケンス番号100から163までのシーケンス番号のデータフレームの送達確認情報が含まれている。
図20は、BARフレームのフレームフォーマットを示す図である。BARフレームは、図20に示すように、Frame Controlフィールドと、Durationフィールドと、Address1フィールドと、Address2フィールドと、BAR
Controlフィールドと、BAR Informationフィールドと、FCSフィールドと、によって構成されている。BARは、宛先となる無線装置に対してBAフレームの返信を要求するフレームである。また、その無線装置が保持するBA Windowの情報(WinStart等)を更新する役割もある。なお、BAR Controlフィールドと、BAR Informationフィールド以外のフィールドの役割は、図2と共に説明したMACフレームと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
Frame ControlフィールドのTypeフィールドおよびSubtypeフィールドには、BARフレームであることを示すビットパターン(例えばType=2’b01、Subtype=4’b1000等)が割り当てられる。
Address1フィールドには、BARフレームの宛先を示す情報が設定される。例えば、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1が、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1に対してBARフレームを送信する場合、Address1フィールドには、当該第1ステーションSTA1-1のMACアドレスが設定される。
Address2フィールドには、BARフレームを送信する送信元を示す情報が設定される。例えば、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1が、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1に対してBARフレームを送信する場合、Address2フィールドには、当該第1アクセスポイントAP1-1のMACアドレスが設定される。
BAR Controlフィールドは、Compressed BitmapフィールドとTID_INFOフィールドとを少なくとも含んでいる。なお、図20に示すReservedフィールドは未使用ビットを意味し、当該フィールドには0が設定されている。Reservedフィールドの未使用ビットは任意の用途に用いることが可能である。
Compressed Bitmapフィールドは、1ビット長のフィールドであり、Block Ack Bitmapフィールドの長さが短縮されたフィールドを用いるBAフレームを宛先装置(例えば第1ステーションSTA1-1)に要求することを示す。
TID_INFOフィールドは、4ビット長のフィールドであり、BAフレームの送達確認情報(Block Ack Bitmap情報)のTIDを示す。第1アクセスポイントAP1-1は、TID_INFOフィールドに設定されるTIDと同じ値のTIDの送達確認情報を含むBAフレームを第1ステーションSTA1-1に要求する。
BAR Informationフィールドは、図20に示すように、Block Ack Starting Sequence ControlフィールドとBlock
Ack Bitmapフィールドとを含んでいる。さらに、Block Ack Starting Sequence Controlフィールドは、Fragment NumberフィールドとStarting Sequence Number(SSN)フィールドとを含んでいる。
Fragment Numberフィールドには、0が設定され、BARフレームではReservedの扱いである。
SSNフィールドには、第1アクセスポイントAP1-1が要求するBAフレームのBlock Ack Bitmapフィールドの先頭のビットに対応するフレームのシーケンス番号が設定される。
次に、図21を参照して、Block Ack(BA) Windowの制御方法について説明する。BA Windowは、無線端末に含まれるステーションが記録する現在の送達確認情報の範囲を示している。つまり、BA Windowの範囲が、BA Bitmapフィールドで送達確認情報を返信する範囲に相当する。
データフレームのシーケンス番号は、既述したように12ビットの長さを有し、0~4095までの整数の値が、送信されるデータフレームに対して割り当てられる。一方、BA Bitmapフィールドの長さは、シーケンス番号空間(SN Space(Sequence Number Space))よりも短くなっている。ここでは、BA Bitmapフィールドの長さが、基本の長さである8バイト(64ビット)である場合を想定する。BA Bitmapフィールドの長さが64ビットの場合、BA Windowのサイズもまた64ビットとなる。ここで、シーケンス番号空間とは、送信されるデータフレーム等のMACフレームに含まれるシーケンス番号が取り得る値の範囲のことである。本実施形態では、データフレームのシーケンス番号はSequence Controlフィールド内に設定され、12ビットの長さを持つ。シーケンス番号は12ビット以外の長さでもよく、例えば、13ビットであれば、シーケンス番号空間は0~8191と範囲が広くなる。また、シーケンス番号がMACフレーム内の他のフィールドに設定されたり、新規に追加されるフィールドに設定されてもよい。
以下では、BA WindowのサイズをWinSizeと表記し、BA Windowの終端番号をWinEndと表記し、BA Windowの開始番号をWinStartと表記して説明する。
図21に示すように、無線端末STA MLD(に含まれるステーション)において、シーケンス番号SN1のデータフレームが受信された場合、WinEnd1はシーケンス番号SN1になる。また、WinStart1は「SN1-(WinSize-1)」により算出される。例えば、シーケンス番号SN1が163の場合、WinEnd1は163であり、WinSizeが上記した64ビットであれば、WinStart1は100(=163-(64-1))となる。
シーケンス番号SN1のデータフレームの後に受信されるデータフレームのシーケンス番号SN2が、図21に示すRange1~Range3のいずれの範囲に含まれるかによってBA Windowの制御は異なる。
まず、シーケンス番号SN2がRange1の範囲に含まれている(つまり、WinStart1≦SN2≦WinEnd1)場合、無線端末STA MLDは、BA Window1をそのままにした上で、シーケンス番号SN2に対応するビットに1を設定し、BA Window1の範囲のビットマップをBA Bitmapフィールドに設定したBAフレームを無線基地局AP MLDに返信する。この場合、SSNフィールドの値は、WinStart1に設定される。
次に、シーケンス番号SN2がRange2の範囲に含まれている(つまり、WinEnd1<SN2<WinStart1+211)場合、無線端末STA MLDは、シーケンス番号SN2に対応するビットに1を設定すると共に、WinEndの値をシーケンス番号SN2に設定し、WinStartの値を「SN2-(WinSize-1)」により算出される値に設定して、BA Windowをシフトさせる。これによれば、図21に示すように、BA Windowは、BA Window1からBA Window2にシフトする。その後、無線端末STA MLDは、BA Window2の範囲のビットマップをBA Bitmapフィールドに設定したBAフレームを無線基地局AP MLDに返信する。この場合、SSNフィールドの値は、WinStart2に設定される。
なお、受信されたデータフレームのシーケンス番号がRange1またはRange2の範囲に含まれている場合、宛先装置(無線端末)は、当該データフレームを新しいフレームと認識し、当該データフレームの送達確認情報を含む応答フレームを送信元装置(無線基地局)に返信する必要があることを認識する。
また、シーケンス番号SN2がRange3の範囲に含まれている(つまり、WinStart1+211≦SN2≦WinStart1)場合、無線端末STA MLDは、BA Window1をそのまま維持し、当該シーケンス番号SN2が設定されたデータフレームを古いフレームと認識する。このとき、宛先装置(無線端末)は、BAフレームを送信元装置(無線基地局)に返信するが、そのBAフレームのBA Bitmapフィールドには、BA Window1の範囲のビットマップが設定され、SSNフィールドには、WinStart1が設定される。
なお、受信されたデータフレームのシーケンス番号がRange3の範囲に含まれている場合、宛先装置(無線端末)は、当該データフレームを古いフレームと認識し、当該データフレームの送達確認情報を含む応答フレームを返信する必要がないことを認識して、当該送達確認情報を含まない応答フレームを返信する。なお、本実施例ではRange2とRage3の境界をWinStart1+211としたが、他の値であってもよい。例えば、Range2の範囲を広くする場合は、WinStart1+3000としてもよい。
ここで、図22を参照して、無線端末STA MLDの受信履歴を更新する処理手順について説明する。なお、ここでは、図23に示すように、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1が第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1と無線接続し、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第2アクセスポイントAP1-2が第1無線端末STA MLD1に含まれる第2ステーションSTA1-2と無線接続している状況(つまり、第1無線基地局AP MLD1単独でMulti-Link動作を行っていた状況)において、第1アクセスポイントAP1-1と第1ステーションSTA1-1との間の無線リンクがしばらくの間遮断されてしまった一方で、第2アクセスポイントAP1-2と第2ステーションSTA1-2との間の無線リンクでは通信が継続されていた場合、もしくは第1アクセスポイントAP1-1と第1ステーションSTA1-1との間の無線リンクよりも第2アクセスポイントAP1-2と第2ステーションSTA1-2との間の無線リンクでの通信の方が通信環境が良い(例えば、通信速度が速い、他無線機による通信トラフィックが少ない等)ため、第2アクセスポイントAP1-2と第2ステーションSTA1-2との間の無線リンクで通信を行っていた場合を想定している。
まず、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1は、コントローラAP CT1から転送されて来る新規のデータフレームのシーケンス番号(以下、SN_newと表記する)を確認する(ステップS41)。
続いて、第1アクセスポイントAP1-1は、無線リンクが遮断される直前に第1ステーションSTA1-1への送信が成功したデータフレームのシーケンス番号のうちで最新のシーケンス番号(以下、SN_oldと表記する)と、上記したSN_newとに基づいて、これら2つのシーケンス番号の差分(以下、SN_diffと表記する)を計算する(ステップS42)。なお、ステップS42の処理においては、SN_newがSN_old以上である場合と、SN_newがSN_old未満である場合とで、SN_diffの計算方法が異なっている。
具体的には、SN_newがSN_old以上である場合、SN_diffは「SN_new-SN_old」により計算される。一方、SN_newがSN_old未満である場合、SN_diffは「4095-SN_old+SN_new」により計算される。
ステップS42の処理の後、第1アクセスポイントAP1-1は、ステップS42の処理により算出されたSN_diffが予め設定された閾値(以下、SN_thと表記する)以上であるか否かを判定する(ステップS43)。SN_thは例えば1900に設定されるが、他の値に設定されても構わない。但し、SN_thが小さすぎると、BARフレームの送信頻度が高くなり、逆にSN_thが大きすぎると、BARフレームの送信が必要な場合であってもBARフレームが送信されないといったことが起こり得るため、SN_thは、WinSizeより大きく、シーケンス番号空間のおおよそ半分の値未満(つまり、WinSize<SN_th≦SN Space/2)の範囲内の値に設定されることが望ましい。
なお、第1アクセスポイントAP1-1は、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1とBA mechanismを開始する前に、規定のフレームを交換するネゴシエーションシーケンスを行う。第1アクセスポイントAP1-1は、このネゴシエーションシーケンスを通じて第1ステーションSTA1-1がサポートするBA WindowのサイズであるWinSizeを把握することが可能であり、上記したSN_thを設定することが可能である。
ステップS43の処理の結果、SN_diffがSN_th未満であると判定された場合(ステップS43のNo)、第1アクセスポイントAP1-1は、コントローラAP
CT1から転送されて来た新規のデータフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し(ステップS44)、後述するステップS47の処理に進む。
一方、ステップS43の処理の結果、SN_diffがSN_th以上であると判定された場合(ステップS43のYes)、第1アクセスポイントAP1-1は、SN_newをBARフレームのSSNフィールドに設定する(ステップS45)。なお、第1ステーションSTA1-1に対して送信予定の新規のデータフレームが複数ある場合、これら複数のデータフレームのシーケンス番号の中から最小の値がSN_newとして選択される。例えば、送信予定のデータフレームのシーケンス番号が1000~1005である場合、SN_newとしては1000が選択される。また、SSNフィールドに設定される値は、必ずしもSN_newでなくてもよく、第1ステーションSTA1-1がそのデータフレームを受信した場合に当該データフレームの送達確認情報をBAフレームに含めることを要求する値であれば任意の値であって構わない。但し、SN_newより多少小さな値(例えばWinSizeだけ小さい値)を設定することはよいが、SN_newより大きな値を設定することは避ける方が望ましい。
ステップS45の処理の後、第1アクセスポイントAP1-1は、SSNフィールドにSN_newが設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する(ステップS46)。
次に、第1アクセスポイントAP1-1は、SN_newがSN_oldより新しい番号であるか否かを判定する(ステップS47)。ステップS47の処理の結果、SN_newがSN_oldより新しい番号でない、つまり、古い番号であると判定された場合(ステップS47のNo)、第1アクセスポイントAP1-1は、ここでの一連の処理を終了させる。
一方、ステップS47の処理の結果、SN_newがSN_oldより新しい番号であると判定された場合(ステップS47のYes)、第1アクセスポイントAP1-1は、SN_oldに対してSN_newを代入し(つまり、SN_oldをSN_newに更新し)(ステップS48)、ここでの一連の処理を終了させる。
第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1は、第1アクセスポイントAP1-1から送信されたBARフレームを受信すると、BA Windowの開始番号であるWinStartを、当該BARフレーム内のSSNフィールドに設定されたシーケンス番号(つまりSN_new)に更新する。これによれば、第1ステーションSTA1-1によって保持されるBA Windowの範囲を、BARフレーム内のSSNフィールドに設定されたシーケンス番号に従って更新することができるため、第1ステーションSTA1-1は、以降に第1アクセスポイントAP1-1から送信される新規のデータフレームを受信した場合、適切な送達確認情報を含むBAフレームを第1アクセスポイントAP1-1に返信することが可能となる。
以上説明した第2実施形態によれば、無線基地局AP MLDと無線端末STA MLDとの間で確立された複数の無線リンクのうちの1つの通信がしばらくの間遮断される(ここでは、全く通信できない状態だけでなく、ビジー状態に起因してフレームを送信し始めるまでの時間が長い場合、あるいは、フレームを送信したとしても応答フレームを受信する確率が期待値よりも低い場合、等も含む)一方で、他の無線リンクにおいては通信が継続される場合であって、その後、通信が遮断されていた無線リンクが復帰した場合(ここでは、上記したビジー状態がアイドル状態に変化した場合、あるいは、送信したフレームに対する応答フレームを受信する確率が期待値よりも高くなった場合、等も含む)、復帰した無線リンクに対応するアクセスポイントは、新規のデータフレームのシーケンス番号SN_newと、通信が遮断される直前に送信が成功したデータフレームのシーケンス番号SN_oldとを比較し、その差分SN_diffが閾値SN_th以上である場合にBARフレームを送信して、対応するステーションが保持するBA Windowの範囲を更新することができる。このため、対応するステーションは、対応するアクセスポイントから以降に送信される新規のデータフレームを受信した場合、適切な送達確認情報を含むBAフレームを当該アクセスポイントに返信することが可能となり、新規のデータフレームの送信を効率的に再開することが可能である。
以下では、第2実施形態の変形例について説明する。
[第2実施形態の第1変形例]
第1ステーションSTA1-1は、第1アクセスポイントAP1-1から新規のデータフレームを受信する毎に、そのデータフレームを受信する直前あるいは、そのデータフレームを正常に受信したかを判定する前までのMAC層部のフレーム受信履歴情報を0にリセットしてもよい。具体的には、PHY層部がデータフレームを含むPSDUフレームをMAC層部に転送する際、MAC層部がPHY層部からの受信要求通知を受信(受理)した場合、MAC層部は、そのPSDUフレームを受信する直前までに保持するフレーム受信履歴情報を0にリセットした後、そのPSDUフレームの受信状況に更新する。なお、フレーム受信履歴情報を0にリセットするとは、履歴情報を保持していない状態(no temporary record)にすること、あるいは、BA mechanismを確立した直後の状態にすること、を意味する。フレーム受信履歴情報のリセットはデータフレームが受信された場合に行われ、BARフレームが受信された場合には行われないとしてもよい。
また、第1ステーションSTA1-1が、第1アクセスポイントAP1-1から送信される新規のデータフレームであって、第1ステーションSTA1-1が保持するビットマップのSSNフィールドに設定されたシーケンス番号との差分が上記したSN_th以上あるシーケンス番号のデータフレームをX回(但しXは0以上の整数)受信した場合、MAC層部は、保持するフレーム受信履歴情報を0にリセットしてもよい(例えば、BA
mechanismを確立した直後の状態にしてもよい)。
さらに、第1ステーションSTA1-1は、第1アクセスポイントAP1-1から送信される新規のデータフレームのシーケンス番号と、第1ステーションSTA1-1が保持するビットマップのSSNフィールドに設定されたシーケンス番号との差分が上記したSN_th以上ある場合、第1無線端末STA MLD1に含まれる他の無線リンク(例えば、第2ステーションSTA1-2)に受信履歴状態を問い合わせ、第2ステーションSTA1-2が保持するビットマップのSSNフィールドに設定されたシーケンス番号を確認する。第1ステーションSTA1-1は、第1ステーションSTA1-1が保持するビットマップのSSNフィールドに設定されたシーケンス番号と、第2ステーションSTA1-2が保持するビットマップのSSNフィールドに設定されたシーケンス番号との差分が上記したSN_th以上ある場合、第1ステーションSTA1-1のBA WindowのWinStartを第2ステーションSTA1-2のWinStartに更新する。
[第2実施形態の第2変形例]
第1アクセスポイントAP1-1は、以下に示すいずれかの条件に該当した場合に、BARフレームを送信してもよい。
(条件1)
第1アクセスポイントAP1-1は、第1アクセスポイントAP1-1に実装される送信バッファに格納された送信予定のデータフレームのシーケンス番号(以下、SN_new1と表記する)と、直近で第1ステーションSTA1-1への送信が成功したデータフレームのシーケンス番号のうちで最新のシーケンス番号(以下、SN_old1と表記する)とを比較し、これらシーケンス番号の差分が第1ステーションSTA1-1によって保持されるBA Windowのサイズを超えた場合、第1アクセスポイントAP1-1は、SSNフィールドにSN_new1が設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する。
(条件2)
第1アクセスポイントAP1-1は、BA Window更新タイマーを保持している。第1アクセスポイントAP1-1は、第1ステーションSTA1-1へのデータフレームの送信またはBARフレームの送信が成功した場合(つまり、意図するBAフレームを受信できた場合)、BA Window更新タイマーの値を例えばY[sec](例えば4秒)に設定し、usec単位でカウントダウンし始める。カウントダウンの途中で、第1ステーションSTA1-1へのデータフレームの送信またはBARフレームの送信が成功した場合、BA Window更新タイマーの値は、再度Y[sec]に設定される。
一方、BA Window更新タイマーの値が0になると、第1アクセスポイントAP1-1は、第1ステーションSTA1-1への送信に失敗したデータフレームのシーケンス番号がSSNフィールドに設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する。
(条件3)
第1アクセスポイントAP1-1は、直近でデータフレームまたはBARフレームを第1ステーションSTA1-1に送信することが成功した時点からY[sec]以上経過した後に、新規のデータフレームを第1ステーションSTA1-1に送信しようとした場合、新規のデータフレームを送信する前に送信予定の新規のデータフレームのシーケンス番号がSSNフィールドに設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する。
(条件4)
第1アクセスポイントAP1-1は、直近でデータフレームまたはBARフレームを第1ステーションSTA1-1に送信することが成功した時点からY[sec]以上経過した後に、新規のデータフレームを第1ステーションSTA1-1に送信した場合であって、当該新規のデータフレームの再送回数がM回以上となった場合、当該新規のデータフレームのシーケンス番号がSSNフィールドに設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する。
(条件5)
第1アクセスポイントAP1-1がシーケンス番号(以下、SN_new5と表記する)のデータフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し、第1ステーションSTA1-1から返信されたBAフレームを受信した場合、第1アクセスポイントAP1-1は、受信されたBAフレーム内のSSNフィールドに設定されたシーケンス番号(以下、SN_baと表記する)と、上記したSN_new5との差分(以下、SN_diff5と表記する)を計算する。なお、SN_diff5の計算方法は、SN_new5がSN_ba以上である場合と、SN_new5がSN_ba未満である場合とで異なっている。
具体的には、SN_new5がSN_ba以上である場合、SN_diff5は「SN_new5-SN_ba」により計算される。一方、SN_new5がSN_ba未満である場合、SN_diff5は「4095-SN_ba+SN_new5」により計算される。SN_diff5が、上記したSN_th以上である場合、第1アクセスポイントAP1-1は、SN_new5がSSNフィールドに設定されたBARフレームを第1ステーションSTA1-1に対して送信する。なお、ここでは、フレームとしてBARフレームとしたが、他のフレームであっても良い。例えば、少なくともTIDフィールド、SSNフィールドを含むActionフレームを送信しても良い。
[第3実施形態]
さらに、第3実施形態について説明する。上記した第2実施形態においては、主に、無線基地局AP MLD(に含まれるアクセスポイント)がBARフレームを送信して無線端末STA MLD側の受信履歴を更新する処理について説明したが、本実施形態においては、無線端末STA MLDが自律的に受信履歴を更新する処理について説明する。
図24は、実施形態に係る第1無線端末STA MLD1の概略構成例を示すブロック図である。上記したように、第1無線端末STA MLD1は、第1ステーションSTA1-1と、第2ステーションSTA1-2と、コントローラSTA CT1と、を含む。第1ステーションSTA1-1および第2ステーションSTA1-2は、無線通信装置300の無線リンク部310,320に相当し、コントローラSTA CT1は、無線通信装置300のコントローラ部330に相当する。
第1ステーションSTA1-1に含まれるScoreboard Context Control(以下、SCCと表記する)と、第2ステーションSTA1-2に含まれるScoreboard Context Controlは共に、LMAC層部に含まれる機能部である。コントローラSTA CT1に含まれるReceive Reordering Buffer Control(以下、RxRBCと表記する)は、UMAC層部に含まれる機能部である。
SCCは、宛先装置(例えば第1ステーションSTA1-1)により受信された送信元装置(例えば第1アクセスポイントAP1-1)からのMACフレーム(例えばMPDU等)の受信状態(例えばMPDUが正常に受信されたこと)を含む送達確認情報を格納する。また、SCCは、受信成功を確認したときのフレームの送信元MACアドレス、TID、シーケンス番号も格納している。
送達確認情報は、受信に成功したことをビットマップ形式で記録している。送達確認情報は、1つのMPDUフレームにつき1ビット使用される複数のビットフィールドを有しており、1が立っているビットフィールドに対応するMPDUフレームの受信が成功したことを表す。ビットマップの長さは例えば64ビットあり、当該ビットマップを含むBAフレームを第1ステーションSTA1-1が返信することで、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1に送達確認情報を通知することができる。BAフレームには、ビットマップ内の先頭ビットにより示される開始シーケンス番号(以下、SSNと表記する)を設定するフィールドが設けられており、ビットマップ上の先頭のビットから1ビットシフトしていく毎に、その開始シーケンス番号から1ずつシーケンス番号が上がっていく。つまり、ビットマップの先頭のビットは、SSNで示されるシーケンス番号のMPDUフレームの送達確認情報であり、その次のビットはSSN+1で示されるシーケンス番号のデータフレームの送達確認情報である。
このビットマップ情報は、送信元MACアドレスとTIDの組毎に少なくとも1つを保持する。ビットマップ情報の保持方式には、Partial-State Operationと、Full-State Operationという2つの方式がある。Partial-State Operationでは、SCCが保持する全てのビットマップ情報が使用され、ビットマップ情報を記録するメモリ領域が他にない状態で、新たな送信元MACアドレスまたはTIDを含むMPDUフレームが受信された場合、記録済みの1つ以上のビットマップ情報のうち、いずれか1つのビットマップ情報を0にリセットして、新たに受信したMPDUフレームの受信情報を記録する。一方、Full-State
Operationでは、Full-Stateに対応するビットマップ情報は、1つの送信元MACアドレスとTIDとに専用で使用される。このため、新たな送信元MACアドレスまたはTIDを含むMPDUフレームを受信した場合であっても、そのビットマップ情報がリセットされないことになる。本実施形態においては、どちらの保持方式も適用することが可能である。
RxRBCは、第1ステーションSTA1-1および第2ステーションSTA1-2から転送される受信フレームを一時的にメモリに格納する。RxRBCは、受信フレームをメモリに格納するときに(あるいは、受信フレームをメモリに格納した後に)、MAC
Headerに含まれる送信元MACアドレスとTIDの組毎に、シーケンス番号の順序に従ってMACフレームを並べ替えるReordering処理を行う。その目的は、RxRBCが、無線通信システムのMAC層における次の処理(例えば、認証処理の1つであるReplay detection処理等)またはMAC層の外部に受信フレームを転送する場合に、受信フレームをシーケンス番号順に並び替えることである。
図25は、SCCおよびRxRBCによる制御を説明するための図である。
図25に示すA-MPDU1は、シーケンス番号が100~105までのQoSデータフレーム(MPDUフレームの1つ)を含む。A-MPDU2は、シーケンス番号が103,106,107のQoSデータフレームを含む。
図25では、第1アクセスポイントAP1-1がA-MPDU1を第1ステーションSTA1-1に送信し、第1ステーションSTA1-1により、シーケンス番号103以外のQoSデータフレームが受信された場合を想定する。この場合、A-MPDU1を受信する直前のBA Bitmap1の状態(換言すると、BA Windowの開始番号および終端番号)が「WinStart_R=100」,「WinEnd_R=163」であり、かつ、BA Bitmap1のサイズであるWinSize_R(換言すると、BA Windowのサイズ)が64であり、全てのビットが0であるとすると、A-MPDU1受信後のBA Bitmap1内のビットマップにおいて、第1ステーションSTA1-1に含まれるSCCにより受信されたフレームのシーケンス番号100,101,102,104,105のビット位置には1が設定され、それ以外は0のままとなる。このとき、シーケンス番号100,101,102,104,105のフレームがSCCからRxRBCに転送されるため、RxRBCの受信バッファにはBuffer1に示すようにデータが格納される。その後、RxRBCは、受信されたフレームのうち、シーケンス番号が小さい番号から連続するシーケンス番号100~102のフレームをMAC層の次の処理に転送する。このため、RxRBCの受信バッファはBuffer2の状態となり、WinStart_Bは103となり、WinEnd_Bは166となる。
次に、第1アクセスポイントAP1-1がA-MPDU2を第1ステーションSTA1-1に送信し、第1ステーションSTA1-1により、全てのQoSデータフレームが受信された場合を想定する。この場合、A-MPDU2受信後のBA Bitmap2内のビットマップにおいて、第1ステーションSTA1-1に含まれるSCCにより受信されたフレームのシーケンス番号103,106,107のビット位置には1が設定される。その結果、シーケンス番号100~107のビット位置には1が設定され、それ以外は0の状態となる。このとき、シーケンス番号103,106,107のフレームがSCCからRxRBCに転送されるため、RxRBCの受信バッファにはBuffer3に示すようにデータが格納される。その後、上記した場合と同様に、RxRBCは、受信されたフレームのうち、シーケンス番号が小さい番号から連続するシーケンス番号103~107のフレームをMAC層の次の処理に転送する。このため、RxRBCの受信バッファはBuffer4のように空の状態となり、WinStart_Bは108となり、WinEnd_Bは171となる。
図26は、SCCにより実行されるBA Windowを更新する処理手順を示すフローチャートである。
まず、SCCは、無線基地局AP MLDから送信されるQoSデータフレームを受信する(ステップS51)。次に、SCCは、後述するパラメータiを0にリセットする(ステップS52)。SCCは、ステップS51の処理において受信されたQoSデータフレームのSequence Controlフィールドからシーケンス番号を抽出する(ステップS53)。
SCCは、ステップS53の処理により抽出されたシーケンス番号が図21に示したRange1~Range3のいずれの範囲に含まれているかを確認する(ステップS54)。
ステップS54の処理の結果、抽出されたシーケンス番号がRange1の範囲に含まれていると判断された場合(ステップS54のRange1)、SCCは、当該シーケンス番号は現在のBA Windowの範囲に含まれており、WinStart_RおよびWinEnd_Rの更新は不要であると判断して、後述するステップS59の処理を実行する。
ステップS54の処理の結果、抽出されたシーケンス番号がRange2の範囲に含まれていると判断された場合(ステップS54のRange2)、SCCは、当該シーケンス番号は現在のWinEnd_Rよりも新しいシーケンス番号であると判断して、WinEnd_Rを当該シーケンス番号に更新し、かつ、WinStart_Rを「WinEnd_R-(WinSize-1)」により計算される値に更新して、BA Windowを更新する(ステップS55)。その後、SCCは、後述するステップS59の処理を実行する。
ステップS54の処理の結果、抽出されたシーケンス番号がRange3の範囲に含まれていると判断された場合(ステップS54のRange3)、SCCは、当該シーケンス番号は現在のWinEnd_Rよりも古いシーケンス番号であると判断し、その後、パラメータiが1以上であるか否かを確認する(ステップS56)。パラメータiは、1回のQoSデータフレーム受信に対してシーケンス番号がRange3の範囲であると判定され、BA Windowを更新した回数を示している。
ステップS56の処理の結果、パラメータiが1未満である、つまり、1回のQoSデータフレーム受信に対してBA Windowの更新を行っていないと判断された場合(ステップS56のNo)、SCCは、WinStart_RをRxRBCから通知されるWinStart_Bに更新する。また、SCCは、WinStart_Rの更新に従い、WinEnd_Rもまた「WinStart_R+(WinSize-1)」により計算される値に更新する(ステップS57)。その後、SCCは、パラメータiの値を1だけインクリメントした値に更新し(ステップS58)、再度ステップS54の処理を実行する。
一方、ステップS56の処理の結果、パラメータiが1以上である、つまり、BA Windowの更新回数が1以上であると判断された場合(ステップS56のYes)、SCCは、BA Windowにより示される範囲のビットマップ情報を含むBAフレームを第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1に送信し(ステップS59)、ここでの一連の処理を終了させる。なお、パラメータiは、1回のQoSデータフレームの受信に対して、SCCが保持するWinStart_RをRxRBCが保持するWinStart_Bに更新する回数を示す。図26のステップS56の処理では、WinStart_Rの更新を1回行っている場合には2回目以降のWinStart_Rの更新を行わず、ステップS59の処理に進むこととした。これはWinStart_Bの更新が短い期間内に頻繁に起きないことを想定して、WinStart_Rの更新を2回以上行っても値は変わらないと考えるためである。一方で、第1ステーションSTA1-1がQoSデータフレームを受信してからそれに対するBAフレームを送信開始する時点までにWinStart_Bの更新が複数回行われることが想定されるのであれば、ステップS56の処理において、「1」ではなく「2」以上の値をしきい値として設定してもよい。
以上説明した第3実施形態によれば、無線端末STA MLDは、無線基地局AP MLDから送信され、受信されたデータフレームのシーケンス番号に基づいて、BA Windowの開始番号および終端番号を自律的に更新することができる。つまり、無線端末STA MLDは、無線基地局AP MLDからBARフレームを受信しなくても、BA
Bitmap情報を更新することができ、例えば通信が遮断された無線リンクにおける通信の再開を効率的に行うことが可能となる。
以下では、第3実施形態の変形例について説明する。
[第3実施形態の第1変形例]
図27は、RxRBCにより実行されるWinStart_Rを更新する処理手順を示すフローチャートである。
まず、RxRBCは、送信元MACアドレスとTID毎に管理される受信Reorderingバッファ(Rx Reordering Buffer)の送信元MACアドレス(TA)とTIDとを認識する(ステップS61)。
続いて、RxRBCは、ステップS61の処理において認識された送信元MACアドレスとTIDと一致するBA Bitmapを管理するSCCを検索し、検索結果として得られたSCC部から、WinStart_Rと、当該SCCを含む無線リンク部の識別子(つまり、ステーションSTAのID(例えば、Link IDやMACアドレス等))とを取得する(ステップS62)。
RxRBCは、ステップS62の処理において取得されたWinStart_Rの個数を内部パラメータの1つであるパラメータn(但し、nは1以上の整数である)に設定する(ステップS63)。
以下では、ステップS62の処理において取得されたWinStart_RがWinStart_R1、WinStart_R2、…、WinStart_Rnであり、これらWinStart_Rに対応する無線リンク部のIDがID1、ID2、…、IDnである場合を想定して説明する。
RxRBCは、取得されたWinStart_R1~WinStart_Rnの中で最新の値を抽出する(ステップS64)。以下では、抽出された最新の値を、WinStart_R_newと称して説明する。例えば、WinStart_R2が最新の値であれば、上記したWinStart_R_newはWinStart_R2となる。なお、RxRBCに受信フレームを最近転送した無線リンク部に含まれるSSCのWinStart_Rが最新の値として抽出されてもよいし、RxRBCが保持するWinStart_Bに最も近い値のWinStart_Rが最新の値として抽出されてもよい。
次に、RxRBCは、内部パラメータの1つであるパラメータkを1に初期化する(ステップS65)。RxRBCは、WinStart_RkとWinStart_R_newとを比較し、その差分(以下、SN_diff_kと表記する)を算出する(ステップS66)。なお、ステップS66の処理においては、WinStart_RkがWinStart_R_new以上の場合と、WinStart_RkがWinStart_R_new未満の場合とで、SN_diff_kの計算方法が異なっている。
具体的には、WinStart_RkがWinStart_R_new以上の場合、SN_diff_kは「(WinStart_Rk)-(WinStart_R_new)」により算出される。一方、WinStart_RkがWinStart_R_new未満の場合、SN_diff_kは「4095-(WinStart_R_new)+(WinStart_Rk)」により算出される。
RxRBCは、ステップS66の処理において算出されたSN_diff_kが予め設定された閾値(以下、SN_thと表記する)以上であるか否かを判定する(ステップS67)。なお、ステップS67の処理の結果、SN_diff_kがSN_th未満であると判定された場合(ステップS67のNo)、後述するステップS70の処理が実行される。
一方、ステップS67の処理の結果、SN_diff_kがSN_th以上であると判定された場合(ステップS67のYes)、RxRBCは、WinStart_RkをWinStart_R_newに更新する(ステップS68)。
RxRBCは、ステップS68の処理において更新されたWinStart_RkをWinStart_Rに設定するよう、IDkの識別子に対応する無線リンク部のSCCに通知する(ステップS69)。
その後、RxRBCは、パラメータkに1をインクリメントし(ステップS70)、ステップS70の処理において算出された新たなパラメータkがパラメータnより大きいか否かを判定する(ステップS71)。ステップS71の処理の結果、パラメータkがパラメータn以下であると判定された場合(ステップS71のNo)、新たなパラメータkについて、再度ステップS66の処理が実行される。
一方、ステップS71の処理の結果、パラメータkがパラメータnより大きいと判定された場合(ステップS71のYes)、RxRBCは、ステップS62の処理において取得された全てのWinStart_Rについて処理を行ったと判断し、ここでの一連の処理を終了させる。
なお、上記したステップS62の処理において、RxRBCが各SSCのWinStart_Rを取得するタイミングは、無線端末STA MLDに設けられる図示しない更新タイマーにより指定され、例えばTBTT(Target Beacon Transmission Time)毎に、あるいは、Beacon Intervalの倍数毎に指定されるとしてもよい。RxRBCが各SSCのWinStart_Rを取得するタイミングは、ビーコンフレームが送受信されるタイミング毎であってもよい。RxRBCが各SSCのWinStart_Rを取得するタイミングは、RxRBCが受信バッファに格納されたフレームを一定数(例えば128フレーム)だけ次の処理部に転送するタイミング毎であってもよい。
また、上記したステップS69に示すように、対応する無線リンク部に含まれるSCCのWinStart_Rが更新されるタイミングは、少なくともRxRBCにより各SCCのWinStart_Rが取得され、WisStart_R_newが更新された後である方が好ましい。また、RxRBCからWinStart_Rの通知を受けたSCCが実際に値を更新するタイミングは、通知直後に更新してもよいし、何らかのMACフレームを送信した後に更新してもよいし、あるいは、PHY層部が何らかの復調されたフレームを受信するように要求する受信要求信号をLMAC層部に発行した直後でもよい。但し、更新タイミングとしてLMAC層部が受信フレームを解析する期間は避けた方が好ましい。
さらに、上記したステップS64の処理において、RxRBCは、取得されたWinStart_R1~WinStart_Rnの中で最新の値を抽出するとしたが、RxRBCにより抽出される値は、最新の値でなくてもよい。例えば、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1は、他の無線リンクを通じて送信されていた「(WinStart_R)-1」(ここは、WinStart_Rの値より1だけ小さい値の意味)と一致するシーケンス番号を有したMACフレームを、最新のWinStart_Rに更新した無線リンク部に送信する可能性があり、この場合、当該無線リンク部に含まれるSCCは、そのシーケンス番号を古い番号と認識する可能性がある。このため、RxRBCにより抽出される値は、最新の値に限定されるものではない。RxRBCが、1つのWinStart_Rを抽出(選択)する他の方法としては、例えば、RxRBCは、200ms以内にフレームを転送して来たSCCによって保持されるWinStart_Rの中からランダムに選択するとしてもよい(つまり、最近までWinStart_Rを更新していたSCCの中から選択し、しばらくの間更新が行われていないSCCのWinStart_Rを選択することを避ける)。あるいは、RxRBCは、WinStart_Bの±WinSize_Rの範囲内に含まれるWinStart_Rの中からランダムに選択してもよい。
上記したステップS68およびS69の処理において、RxRBCは、更新が必要な無線リンク部のSCCのWinStart_Rを更新するとしたが、例えば、RxRBCは、対応する無線リンク部のSCCのWinStart_Rを更新するのではなく、対応する無線リンク部のSCCのWinStart_Rを初期状態にリセットするとしてもよい。具体的には、RxRBCは、初期化要求のあった送信元MACアドレスとTIDを有するBA Bitmap情報を0にリセットして送達確認情報を記録していない状態にリセットする(no temporary recordの状態にする)、あるいは、ADDBAした時(BA mechanismを開始する前に、ADDBA Request、ADDBA Responseフレームを交換するネゴシエーションの時)の状態にリセットするとしてもよい。
また、RxRBCは、各SCCのWinStart_Rを取得したが、WinStart_Rに限らずSCCのScoreboard Context Controlが格納する送達確認情報の範囲を示す情報であれば他の値が取得されてもよく、例えばRxRBCは各SCCのWinEnd_Rを取得して、該当するSCCのWinEnd_Rを更新してもよい。
以上説明したSSCによるWinStart_Rの更新処理やリセット処理は、複数リンクによる無線通信を行う場合に必要となる。一方、従来のシングルリンクによる無線通信においては、上記したSSCによるWinStart_Rの更新処理やリセット処理は実行してもよいが、必ずしも必要とされない。このため、無線端末STA MLDが無線基地局AP MLDと複数リンクによる無線通信を行う場合にはSSCによるWinStart_Rの更新処理やリセット処理を行い、無線端末STA MLDがマルチリンク通信に非対応な無線基地局(に含まれるアクセスポイント)と無線通信する場合にはSSCによるWinStart_Rの更新処理やリセット処理を行わない制御を行ってもよい。
なお、上記では、無線端末STA MLDがBAフレームを送信する場合を想定したが、無線端末STA MLDからのQoSデータフレームに対して、無線基地局AP MLDがBAフレームを返信する場合にも同様に適用することが可能である。
[第3実施形態の第2変形例]
以下では、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1が、第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1にフレームを送信し、第1ステーションSTA1-1のSCCのScoreboard Context Controlを初期化する方法を説明する。なお、本変形例において、第1ステーションSTA1-1のSCCのScoreboard Context Controlを初期化するために送信されるフレームは、上記した第2実施形態に示した条件1~条件5に該当した場合に送信されてもよい。
第1ステーションSTA1-1のSCCのScoreboard Context Controlを初期化する方法としては、例えばActionフレームを用いる方法が一例に挙げられる。
図28は、Actionフレームのフレームフォーマットを示す図である。Actionフレームは、Frame Bodyフィールドに様々な情報フィールドを含めることで、送信元装置が宛先装置に通知、指示、要求、報告等を行うことを可能にするフレームである。ここでは、BA Bitmapの初期化を要求するために、Actionフレームが用いられる場合を説明する。
BA Bitmapの初期化を要求するためにFrame Bodyフィールドには、BA Bitmap Initialization elementが含められる。以下では、2種類の内容のBA Bitmap Initialization elementについて説明する。
図28(a)に示すフォーマットでは、BA Bitmap Initialization elementは、Element IDフィールド、Lengthフィールド、Element ID Extensionフィールド、Initialization Controlフィールド、Link Mapping Of TID n(但し、nは0~7のいずれかの値を示す)フィールドを含んでいる。
Element IDフィールドには「255」が設定され、Lengthフィールドの直後にElement ID Extensionが配置されることが示される。
LengthフィールドはElement ID ExtensionからLink
Mapping Of TID nフィールドまでのフィールドの長さをオクテット単位で示す。例えば、Link Mapping Of TID 0からLink Mapping Of TID 7まで、全てのフィールドが含まれる場合の長さは16オクテットであり、さらにElement ID ExtensionフィールドとInitialization Controlフィールドの長さが加算されて、Lengthフィールドには「19」が設定される。
Element ID Extensionフィールドには、「BA Bitmap
Initialization element」を示す値が設定され、例えば、「150」が設定される。
Initialization Controlフィールドは、2オクテットの長さを有し、2ビットのDirectionビット、6ビットのReservedビット、8ビットのLink Mapping Present Inficatorビットによって構成されている。
Directionビットは、フレーム送信の方向を示し、0がアップリンク方向(つまり、無線端末STA MLDが無線基地局AP MLDにフレームを送信する方向)を意味し、1がダウンリンク方向(つまり、無線基地局AP MLDが無線端末STA MLDにフレームを送信する方向)を意味している。なお、2は、Bidirectionalを示し、アップリンク方向およびダウンリンク方向のどちらにもフレームを送信することを意味している。
Reservedビットは未使用ビットであり、基本的には0が設定される。
Link Mapping Present Inficatorビットには、後続にLink Mapping Of TID nフィールドが存在するか否かを示すためのビットである。Link Mapping Present Inficatorビットのビット位置nに設定される1は、Link Mapping Of TID nフィールドが存在することを意味し、ビット位置nに設定される0は、Link Mapping Of TID nフィールドが存在しないことを意味している。例えば、Link
Mapping Present Inficatorビットに、「8’b1000_0011」が設定される場合、1が立っているLink Mapping Of TID
0、Link Mapping Of TID 1、Link Mapping Of
TID 7は存在し、0のままの状態のLink Mapping Of TID 2からLink Mapping Of TID 6は存在しないことが意味される。
Link Mapping Of TID nフィールドは、TID nのMACフレームが送信されることが許可された無線リンクを示す。Link Mapping Of
TID nフィールドのビット位置iに1が設定される場合、TID n のフレームは、Link ID iで示される無線リンク部が無線接続したリンクで送信されることを示す。例えば、Link Mapping Of TID 0フィールドに、「16’h0000_0001」が設定され、Directionビットに1が設定される場合、TIDが「0」のフレームは、Link IDが「0」の無線リンク部を用いて、第1無線基地局AP MLD1に含まれる第1アクセスポイントAP1-1から第1無線端末STA MLD1に含まれる第1ステーションSTA1-1へ送信されることが意味される。
このActionフレームは、上記したように、BA Bitmapの初期化を要求するフレームであるため、例えば、Link Mapping Of TID 0フィールドに、「16’h0000_0001」が設定され、Directionビットに1が設定される場合、Link ID「0」の無線リンク部を用いて第1アクセスポイントAP1-1から第1ステーションSTA1-1に送信していたTID「0」のフレームの送達確認を記録していた第1ステーションSTA1-1のSCCによって保持されるBA Bitmap情報の初期化を要求することが示される。
図28(a)に示されるBA Bitmap Initialization elementを含むActionフレームでは、初期化を要求するTIDとLink IDは1つだけに限る必要はなく、複数のビットに1を設定することで、複数のTIDとLink IDで示されるBA Bitmap情報の初期化を要求することもできる。
一方、図28(b)に示すフォーマットでは、BA Bitmap Initialization elementは、Element IDフィールド、Lengthフィールド、Element ID Extensionフィールド、Initialization Controlフィールド、Link Infoフィールドを含んでいる。
Initialization Controlフィールドは、2ビットのDirectionビット、6ビットのReservedビットによって構成されている。
Directionビットは、図28(a)に示す場合と同様に、フレーム送信の方向を示し、0がアップリンク方向(つまり、無線端末STA MLDが無線基地局AP MLDにフレームを送信する方向)を意味し、1がダウンリンク方向(つまり、無線基地局AP MLDが無線端末STA MLDにフレームを送信する方向)を意味している。なお、2は、Bidirectionalを示し、アップリンク方向およびダウンリンク方向のどちらにもフレームを送信することを意味している。
また、Reservedビットは未使用ビットであり、基本的には0が設定される。
Link Infoフィールドは、Link IDサブフィールド、TIDサブフィールドを含んでいる。Link IDサブフィールドには、初期化したいBA Bitmap情報のLink IDが設定される。TIDサブフィールドには、初期化したいBA
Bitmap情報のTIDが設定される。
例えば、Directionビットに1を設定し、Link IDに0を設定し、TIDに0を設定する場合、Link ID「0」の無線リンク部を用いて第1アクセスポイントAP1-1から第1ステーションSTA1-1に送信していたTID「0」のフレームの送達確認を記録していた第1ステーションSTA1-1のSCCによって保持されるBA Bitmap情報の初期化を要求することが示される。
図28(b)に示すフォーマットでは、1つのActionフレーム送信に対して、1組のTIDとLink IDで示されるBA Bitmap情報の初期化を要求することができ、図28(a)に示すフォーマットに比べて簡易的に設定することが可能である。
第1ステーションSTA1-1のSCCのScoreboard Context Controlを初期化する別の方法としては、例えばBA mechanismのネゴシエーションをし直す方法が一例に挙げられる。
通常、BAを開始する場合、まず、データを送信する予定がある装置(Originator)が宛先である装置(Recipient)にADDBA Requestフレームを送信し、BA
mechanismの開始を要求する。ADDBA Requestフレームを受信したRecipientは、BA mechanismを開始することに問題がなければADDBA ResponseフレームをOriginatorに返信する。このADDBA
Request/Responseフレームの交換により、BA mechanismのネゴシエーションが完了し、データ(あるいはA-MPDU)送信が開始される。
一方、BA mechanismを終了したい場合、終了を要求する装置(OriginatorまたはRecipient)が相手側にDELBAフレームを送信する。これにより、BA mechanismが終了される。なお、OriginatorおよびRecipientそれぞれは、無線基地局であってもよいし、無線端末であってもよい。
以下では、このネゴシエーションの仕組みを用いて、第1アクセスポイントAP1-1が第1ステーションSTA1-1とADDBA Request/Responseフレームの交換をし直すことで、第1ステーションSTA1-1のBA Bitmapの初期化を行う手順について説明する。
まず、第1アクセスポイントAP1-1(ここではOriginator)がDELBAフレームを第1ステーションSTA1-1(ここではRecipient)に送信し、特定のLinkのBA mechanismを終了する(「DELBAする」とも表記する)。その一方で、第1無線端末STA MLD1内の第1ステーションSTA1-1以外のLink(例えば、第2ステーションSTA1-2)でのBA mechanismは継続される。
DELBAフレームの送信の後、第1アクセスポイントAP1-1はADDBA Requestフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し、第1ステーションSTA1-1からのADDBA Responseフレームを受信して、BA mechanismを再確立する。この場合に用いるDELBAフレーム、ADDBA Requestフレームのフレームフォーマットの一例について説明する。
図29は、DELBAフレームのフレームフォーマットを示す図である。以下では、2種類のDELBAフレームについて説明する。
図29(a)に示すフォーマットでは、Frame Bodyフィールドには、Categoryフィールド、Block Ack Actionフィールド、DELBA Parameter Setフィールド、Reason Codeフィールドが含まれている。なお、Frame Bodyフィールドには、これら以外のフィールドがさらに含まれていてもよい。
Categoryフィールドには、このフレームがBlock Ack関連のフレームであることを意味する値が設定され、例えば3が設定される。
Block Ack Actionフィールドには、Block Ackネゴシエーション内で用いられるフレームのアクションの種類が設定され、例えば、DELBAであることを示す2が設定される。
DELBA Parameter Setフィールドには、どのBAネゴシエーションに対してDELBAされるかについての情報が設定される。DELBA Parameter Setフィールドは、Link IDサブフィールド、Intiatorサブフィールド、TIDサブフィールドを含んでいる。なお、Reservedサブフィールドは未使用領域を意味し、0が設定される。
Link IDサブフィールドには、DELBAするLinkのIDが設定され、例えば、第1アクセスポイントAP1-1が第1ステーションSTA1-1に対してDELBAする場合、Link ID「0」が設定される。なお、ここでは、DELBAする対象が第1ステーションSTA1-1の場合を想定したが、例えばDELBAする対象が第2ステーションSTA1-2の場合、Link IDには「1」が設定される。
Initiatorサブフィールドには、DELBAフレームを送信する装置がOriginatorであるか、Recipientであるかが設定され、1が設定される場合OriginatorがDELBAフレームを送信することを意味し、0が設定される場合RecipientがDELBAフレームを送信することを意味している。
TIDサブフィールドには、DELBAするデータフレームのTIDが設定される。例えば、第1アクセスポイントAP1-1が第1ステーションSTA1-1に対してTID「0」でADDBAした(BA mechanismを確立した)状態で、そのTIDに対してDELBAする(BA mechanismを終了する)場合、TIDサブフィールドには0が設定される。
Reason Codeフィールドには、DELBAする理由を示す値が設定される。ここでは、BA Bitmapを初期化するためにDELBAするので、例えば、「BA_Bitmap_Initilization」を意味する100が設定される。なお、この値は他の値でもよく、すでに使用されている値と被らずに、65535までの値であれば任意の値であって構わない。
第1アクセスポイントAP1-1が、図29(a)に示すフレームフォーマットのDELBAフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し、当該フレームが第1ステーションSTA1-1によって受信されることにより、第1ステーションSTA1-1は、Link IDとTIDから、どのBAネゴシエーションを終了するのかを認識することができ、また、Reason Codeが「BA_Bitmap_Initilization」であることにより、BAネゴシエーションを完全に終了するのではなく、特定のLinkのSocreboard Context Control情報を初期化する旨を認識することができる。したがって、第1無線端末STA MLD1のRxRBCはこのDELBAフレームを受信してもReceive Reordering Bufferの情報を破棄しないようにすることが可能である。
なお、Reason Codeが「END_BA」を示す値であれば、第1ステーションSTA1-1は、BAネゴシエーションを完全に終了することを認識し、Receive Reordering Bufferの情報を破棄するか、もしくは、Reordering Bufferに残っているフレームを上位層に全て転送しBAネゴシエーションを終了する。
一方、図29(b)に示すフォーマットでは、Frame Bodyフィールドには、上記した各種フィールドに加えて、BA Bitmap Initilizaton elementフィールドがさらに含まれている。
図29(b)に示すフォーマットの場合、DELBA Parameter Setフィールドは、BA Bitmap Initilizaton elementフィールドが存在することから、未使用フィールドとされ、0が設定される。これは、Link
IDやTIDがBA Bitmap Initilizaton elementフィールドに含まれるためである。このため、DELBA Parameter Setフィールド自体を省略してもよいが、DELBA Parameter Setフィールドがあるかないかを判断するための情報を追加する必要があり、その煩雑さを考慮すると、DELBA Parameter Setフィールドを未使用フィールドとして残しておき、Reason Codeの後にBA Bitmap Initilizaton elementフィールドを付加する方が好ましい。
BA Bitmap Initilizaton elementフィールドは、図28に示したActionフレームに含めるBA Bitmap Initilizaton elementフィールドと同じであり、図28(a)に示したBA Bitmap
Initilizaton elementフィールドと、図28(b)に示したBA
Bitmap Initilizaton elementフィールドとのどちらを適用してもよい。
第1アクセスポイントAP1-1が、図29(b)に示すフレームフォーマットのDELBAフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し、当該フレームが第1ステーションSTA1-1によって受信されることにより、第1ステーションSTA1-1は、BA Bitmap Initilizaton elementフィールド内のLink
IDとTIDから、どのBAネゴシエーションを終了するのかを認識することができる。また、図28(a)に示したBA Bitmap Initilizaton elementフィールドが適用される場合、Link IDとTIDの情報を複数含めることが可能であり、1つのDELBAフレームで複数のLink IDとTIDの組のBAネゴシエーションを終了させることができる。
さらに、Reason Codeが「BA_Bitmap_Initilization」であることにより、BAネゴシエーションを完全に終了するのではなく、特定のLinkのSocreboard Context Control情報を初期化する旨を認識することができる。したがって、第1無線端末STA MLD1のRxRBCはこのDELBAフレームを受信してもReceive Reordering Bufferの情報を破棄しないようにすることが可能である。
図30は、ADDBA Reqeustフレームのフレームフォーマットを示す図である。図30に示すように、ADDBA ReqeustフレームのFrame Bodyフィールドには、Categoryフィールド、Block Ack Actionフィールド、Dialog Tokenフィールド、Block Ack Parameter Setフィールド、Block Ack Timeout Valueフィールド、Block Ack Starting Sequence Controlフィールド、BA Bitmap Initialization elmentフィールドが含まれている。なお、Frame Bodyフィールドには、これら以外のフィールドがさらに含まれていてもよい。
Categoryフィールドには、このフレームがBlock Ack関連のフレームであることを意味する値が設定され、例えば3が設定される。
Block Ack Actionフィールドには、Block Ackネゴシエーション内で用いられるフレームのアクションの種類が設定され、例えば、ADDBA Reqeustであることを示す0が設定される。
Dialog Tokenフィールドは、ADDBA Requestフレームと、それに対する応答であるADDBA Responseフレームとを対応づけるために用いられる。ADDBA Requestフレームを送信する装置(ここでは第1アクセスポイントAP1-1)が0以外の値を本フィールドに設定する。一方、ADDBA Responseフレームを送信する装置(ここでは第1ステーションSTA1-1)はADDBA Reqeustフレームに含まれるDialog Tokenフィールドの値と同じ値をADDBA Responseフレームに含める。
Block Ack Parameter Setフィールドには、BA mechanismにおけるサポート機能についての情報が設定される。図30では詳細の図示を省略するが、Block Ack Parameter Setフィールドは、A-MSDU(Aggregated MSDU(MAC Service Data Unit))Supportedサブフィールド、Block Ack Policyサブフィールド、TIDサブフィールド、Buffer
Sizeサブフィールドを含んでいる。
A-MSDU Supportedサブフィールドには、A-MSDUをサポートするか否かを示す情報が設定される。Block Ack Policyサブフィールドには、HT-immediate block ack (A-MPDU受信後にSIFSでBAフレームを返信する)モードをサポートすることを示す情報が設定される。TIDサブフィールドには、ADDBAすることを要求するTIDが設定される。Buffer Sizeサブフィールドには、利用する受信バッファのサイズ値が設定される。Recipient(ここでは第1ステーションSTA1-1)は、この値に基づいてRxRBCのReordering BufferにMPDUを格納するメモリサイズや、SCCのデータ受信履歴を保持するBA Bitmapのメモリサイズを決定する。もし、ADDBA Requestフレームに示されるバッファサイズが、第1ステーションSTA1-1がサポートするメモリ量よりも大きい場合、第1ステーションSTA1-1がサポートするバッファサイズをADDBA Responseフレームで返信することができる。
Block Ack Timeout Valueフィールドには、BA mechanismを終了するTimeout時間が設定される。BA mechanismを確立後に、BA mechanismを用いたフレーム交換が行われずにこの時間が経過した場合BA mechanismは終了される。
Block Ack Starting Sequence Controlフィールドは、Starting Sequence Numberサブフィールドと、Fragment Numberサブフィールドを含む。Fragment Numberサブフィールドには0が設定される。Starting Sequence Numberサブフィールドには、ADDBAを再確立した後に送信する予定のデータフレームのシーケンス番号が設定される。
BA Bitmap Initilizaton elementフィールドは、図22に示したActionフレームに含めるBA Bitmap Initilizaton elementフィールドと同じであり、図28(a)に示したBA Bitmap
Initilizaton elementフィールドと、図28(b)に示したBA
Bitmap Initilizaton elementフィールドとのどちらを適用してもよい。
ADDBA Requestフレーム内のFrame Bodyフィールドの長さが9バイトより大きい場合、当該フレームを受信したRecipient(ここでは第1ステーションSTA1-1)は、追加のフィールドが含まれていることを認識することができ、Element IDフィールドおよびElement ID Extensionフィールドの値により、追加のフィールドがBA Bitmap Initialization
elmentフィールドであることを認識することができる。
BA Bitmap Initialization elmentフィールドが含まれる場合、Block Ack Parameter Setフィールド内のTIDは未使用フィールドとし、0が設定される。
第1アクセスポイントAP1-1が、図30に示すフレームフォーマットのADDBA
Requestフレームを第1ステーションSTA1-1に送信し、当該フレームが第1ステーションSTA1-1によって受信されることにより、第1ステーションSTA1-1は、BA Bitmap Initilizaton elementフィールド内のLink IDとTIDから、第1アクセスポイントAP1-1(Address2フィールドから認識可能)とどのBAネゴシエーションを再確立するのかを認識することができる。また、BA Bitmap Initilizaton elementフィールドが含まれる場合には、第1ステーションSTA1-1のSCC内の受信履歴を初期化することが要求されており、RxRBC内のReordering Bufferを初期化する必要はないと判断することができる。
これにより、第1ステーションSTA1-1のSCCが保持する受信履歴だけを初期化することが可能となる一方で、初期化が不要な無線リンク(例えば、第2ステーションSTA1-2)は無線通信を継続することが可能である。
第1ステーションSTA1-1のSCCのScoreboard Context Controlを初期化するさらに別の方法としては、例えばOriginator(ここでは第1アクセスポイントAP1-1)がBARフレームを送信する方法が一例に挙げられる。
この方法は、第1アクセスポイントAP1-1が送信予定のデータフレームのシーケンス番号をBARのSSNフィールドに設定することで、第1ステーションSTA1-1のBA Bitmapを初期化する方法である。
第1アクセスポイントAP1-1が新規のデータフレームを送信し、第1ステーションSTA1-1からのBAフレームを受信しないか、受信しても第1アクセスポイントAP1-1が意図するBAフレームでない(例えば、BAフレーム内のBA Bitmap情報を第1アクセスポイントAP1-1が確認した結果、第1アクセスポイントAP1-1が送信したデータフレームの送達確認情報を含むBA Bitmap情報ではない)場合、第1アクセスポイントAP1-1は当該データフレームを再送する。但し、第1アクセスポイントAP1-1は、データフレームをM回(但し、Mは0以上の整数)再送しても、送信成功しない場合、そのデータフレームを送信することを諦める。
その後、第1アクセスポイントAP1-1は、新規の別のデータフレームを送信する。この別のデータフレームについても、第1ステーションSTA1-1からのBAフレームを受信しないか、受信しても第1アクセスポイントAP1-1が意図するBAフレームでない場合、第1アクセスポイントAP1-1は当該別のデータフレームを再送するが、M回再送しても、送信成功しない場合、当該別のデータフレームを送信することも諦める。このような動作をN回(但し、Nは0以上の整数)繰り返した場合に、第1アクセスポイントAP1-1は第1ステーションSTA1-1に送信予定のデータフレームのシーケンス番号をSSNフィールドに設定したBARフレームを送信する。
一方、既存のBARフレームを用いた上記方法では、第1ステーションSTA1-1がBARフレームを受信した場合の動作規定は現行のIEEE802.11規格の規定に制限されてしまう。例えば、BARフレームのSSNの値が、図20に示したRange3の範囲に含まれる場合、第1ステーションSTA1-1内のBA Bitmapの初期化が実行されないといった問題がある。
以下では、このような問題を解消することが可能なBARフレームについて説明する。このBARフレームには、BA Bitmapを初期化するために必要なフィールドが追加されている。
図31は、BARフレームのフレームフォーマットを示す図である。以下では、2種類のBARフレームについて説明する。なお、以下では、主要なフィールドについてのみ説明するものとする。
図31(a)に示すように、BARフレームのBAR Controlフィールドには、BA Bitmap Initilizationビットが含まれている。
Address1フィールドには、BA BitmapをリセットするRecipient(ここでは第1ステーションSTA1-1)のMACアドレスが設定される。
BA Bitmap Initilizationビットは、1を設定することでBA
Bitmapを初期化することを要求されていると第1ステーションSTA1-1に認識させることができる。さらに、BA Bitmap Initilizationビットは、1を設定することで、第1ステーションSTA1-1において、受信したBARフレーム内のSSNの値がRange1~Range3のいずれの位置であったとしてもBA Bitmapを初期化することができる。また、BA Bitmap Initilizationビットは、1を設定することで、特定のLink(ここでは第1ステーションSTA1-1)のSocreboard Context Controlの(BA
Bitmap)情報を初期化することができる。これによれば、第1ステーションSTA1-1のRxRBCはこのBARフレームを受信してもRxRBCが保持するReceive Reordering Bufferの情報を破棄したり、更新したりしない。
TID_INFOフィールドには、BA Bitmapの初期化を要求するTIDが設定される。
Starting Sequence Numberサブフィールドには、第1アクセスポイントAP1-1が第1ステーションSTA1-1に送信予定のデータフレームのシーケンス番号が設定される。一方で、Fragment Numberサブフィールドには0が設定される。
図31(a)に示すBARフレームによれば、第1ステーションSTA1-1は、BA
Bitmap Initializationビットにより第1アクセスポイントAP1-1がBA Bitmapの初期化を要求していることを認識することができ、BA
Bitmapの初期化を要求する無線リンク(ここでは第1ステーションSTA1-1)およびTIDを特定することができる。また、図31(a)に示すBARフレームによれば、第1ステーションSTA1-1において、受信したBARフレーム内のSSNの値がRange1~Range3のいずれの位置であっても、BA Bitmapを初期化することができる。さらに、図31(a)に示すBARフレームによれば、特定の無線リンク(ここでは第1ステーションSTA1-1)のBA Bitmap情報のみを初期化することができるので、当該BARフレームの宛先に指定されていない他の無線リンク(例えば第2ステーションSTA1-2)のBA Bitmap情報は初期化されないし、第1無線端末STA MLD1のRxRBCは、当該BARフレームの受信によりReceiving Reordering Bufferの情報を破棄しないので、他の無線リンクを用いた無線通信を継続させることが可能である。
図31(a)に示すBARフレームは、既存のBARフレームからの変更点が少なく容易に構成することができる。また、BA Bitmap Initilizationビットを0に設定すれば、既存のBARフレームとして機能させることが可能である。
一方、図31(b)に示すフォーマットでは、BAR Informationフィールドは、Initialization Controlフィールド、Link Mapping Of TID n(但し、nは0~7のいずれかの値を示す)フィールドを含んでいる。Initialization Controlフィールドは、Link Mapping Present Indicatorサブフィールドを含む一方で、DirectionサブフィールドはReserved扱いとされる。これは、BARフレームはOriginatorが送信するフレームであり、他のフィールドでフレーム送信の方向を必ずしも設定しなくてよいためである。
BA Bitmap Initializationビットは、図31(a)の場合と同様である。また、BA Bitmap Initializationビットが1の場合、BAR Informationフィールドに、Initialization Controlフィールドと、Link Mapping Of TID 0~Link
Mapping Of TID 7とが含まれていることをさらに示すことができる。一方、BA Bitmap Initializationビットが0の場合、Block
Ack Starting Sequence Controlフィールドが含まれることを示すことができ、既存のBARフレームとして機能させることが可能である。
Link Mapping Present Indicatorサブフィールドは、図28(a)に示したActionフレーム内に含めるBA Bitmap Initialiation elementのLink Mapping Present Indicatorと同様に機能する。
Link Mapping Of TID 0~Link Mapping Of TID 7フィールドは、図28(a)に示したBA Bitmap Initialiation elementのLink Mapping Of TID 0 から Link Mapping Of TID 7と同様に機能する。
図31(b)に示すBARフレームによれば、複数のBA Bitmap情報の初期化を要求することが可能となる。また、第1無線端末STA MLD1はのRxRBCは、当該BARフレームの受信によりReceiving Reordering Bufferの情報を破棄しないので、初期化が要求されない他の無線リンクを用いた無線通信を継続させることが可能である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、マルチリンク伝送技術を用いた効率的な通信を実現させることが可能な無線通信装置300(無線基地局AP MLDおよび無線端末STA MLD)および無線通信システムを提供することが可能である。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
AP MLD1…第1無線基地局、AP MLD2…第2無線基地局、STA MLD1…第1無線端末、STA MLD2…第2無線端末、10…ハブ、20…制御装置、300…無線通信装置、310,320…無線リンク部、311,321…アンテナ、312,322…PHY層部、313,323…LMAC層部、330…コントローラ部、331…UMAC層部、341…プロセッサ部、342…メモリ部、343…有線I/F部。

Claims (8)

  1. 第1番号を含む第1フレームおよび第2番号を含む第2フレームを受信する複数の無線部と、
    前記第1フレームおよび前記第2フレームを正常に受信したか否かの受信状況を判定する複数の制御部と、
    を具備し、
    前記制御部のそれぞれは、処理部を有し、
    前記処理部それぞれは、
    前記第1フレームの受信状況を受信履歴情報として格納し、
    前記第1フレームを受信した後、前記第2フレームを受信する前までに前記受信履歴情報を初期化して、前記第2フレームを受信した後、前記第2フレームの受信状況を受信履歴情報として格納する、
    無線通信装置。
  2. 前記複数の制御部に接続される上位制御部をさらに具備し、
    前記制御部それぞれは、前記第1フレームおよび前記第2フレームのうち正常に受信したフレームを前記上位制御部へ転送し、
    前記上位制御部は、前記第1番号および前記第2番号に基づいて、前記制御部それぞれからの前記第1フレームおよび前記第2フレームの順序を並び替える、
    請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記処理部それぞれは、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間に応答フレームを要求する第3フレームを受信する場合、前記第1フレームの受信状況に関する前記受信履歴情報を初期化しない、
    請求項1記載の無線通信装置。
  4. 第1番号を含む第1フレームを受信する複数の無線部と、
    前記第1フレームを正常に受信したか否かの受信状況を判定する複数の制御部と、
    上位制御部と、
    を具備し、
    前記制御部それぞれは、
    前記第1フレームの受信状況を示す受信履歴情報をそれぞれ保持し、前記受信履歴情報には、前記第1番号に応じた開始番号が設定され、
    前記上位制御部は、
    前記受信履歴情報にそれぞれ設定される前記開始番号の相互の差分が第1情報以内に収まるように制御する、
    無線通信装置。
  5. 前記上位制御部は、
    前記複数の制御部における第1受信履歴情報と第2受信履歴情報とにそれぞれ設定された第1開始番号と第2開始番号のうち遅れている方の開始番号を進める制御をする、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記第1情報は、211である、
    請求項4または請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 第1番号を含む第1フレームを送信する複数の無線部と、
    前記複数の無線部に前記第1フレームを転送する複数の制御部と、
    を具備し、
    前記複数の制御部それぞれは、
    第1情報を保持し、
    送信予定の前記第1フレームに対応する前記第1番号と、既に送信に成功した第2フレームに対応する第2番号との差分が前記第1情報を超える場合、前記送信予定の第1フレームを送信する前に当該第1フレームに対応する前記第1番号を含む第3フレームを生成し、前記無線部を介して当該第3フレームを送信する、
    無線通信装置。
  8. 送信予定のフレームであって、シーケンス番号を含むフレームが複数ある場合、前記シーケンス番号のうち最小の値を含む前記フレームを前記第1フレームとする、
    請求項7に記載の無線通信装置。
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