JP2024036119A - 耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法 - Google Patents

耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活線状態の高圧耐火ケーブルの劣化を正しく診断可能にすること。【解決手段】芯線導体と前記芯線導体を覆う耐火層と前記耐火層を覆う絶縁被覆を含む耐火ケーブルを活線状態で診断する際に、前記耐火ケーブルの遮蔽導電層と芯線導体との間に所定の診断用交流電圧Vdを重畳し、前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの遮蔽導電層と芯線導体との間に流れる信号電流Vs1を検出し、検出した前記信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断すると共に、診断対象の前記耐火ケーブルにおいて検出された第1の信号電流(Vs1)と、劣化のない基準耐火ケーブルにおいて検出された第2の信号電流(Vp)との違いを反映して前記耐火ケーブルの劣化を診断する。【選択図】図8

Description

本発明は、高圧耐火ケーブルなどを活線状態で診断する際に利用可能な耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法に関する。
例えば商用交流電力を供給する電力会社の送配電網などに用いられている高圧電力ケーブルは、経年劣化などの影響を受けて劣化する。具体的には、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)の絶縁層内に侵入した微量の水分や異物が経年変化により絶縁体の中に浸透し、樹状に拡がる絶縁劣化を経て絶縁破壊に至る。このような劣化現象は水トリーと呼ばれている。
送配電網などにおいて、水トリーに起因する事故を未然に防止するためには、定期的に高圧電力ケーブルの劣化の程度を診断し、劣化した高圧電力ケーブルを交換する必要がある。また、高圧電力ケーブルの劣化を診断する場合には、送配電網などに接続され通電を継続している活線状態のケーブルを活線状態を維持したまま診断する必要がある。
このような高圧電力ケーブルを活線状態で診断するための従来技術は、例えば特許文献1~特許文献3に開示されている。例えば特許文献1の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、活線下で測定対象とする電力ケーブルの遮へい層に交流電源によって商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加し、当該電力ケーブルから交流電源を介して接地に流れる電流を電流測定手段により測定し、該電流測定手段により測定した電流に基づいて診断手段により電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断する。
特許第3317391号公報 特開2018-84576号公報 特開2019-215212号公報
特許文献1のような方法でCVケーブルを診断する場合には、電流測定手段が測定する電流の信号とCVケーブルの劣化の程度との相関が大きいので、正しい診断が可能である。
一方、特許文献1のような方法で診断を実施する場合に、CVケーブルと構造が類似している高圧耐火ケーブルを診断対象とする場合には、ケーブルの劣化との相関がない疑似信号が発生する。そして、ケーブルの劣化を表す信号と疑似信号との両方の成分が電流測定手段の検出する電流の中に含まれる。したがって、電流測定手段の検出する電流に基づいて診断する従来の診断装置を利用する場合には、高圧耐火ケーブルを正しく診断することができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、活線状態の耐火ケーブルの劣化を正しく診断することが可能な耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
芯線導体と、前記芯線導体を覆う耐火層と、前記耐火層を覆う絶縁被覆と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層を含む耐火ケーブルを診断対象とし、
活線状態の前記耐火ケーブルに対して診断用交流電圧を重畳する交流電圧印加部と、
前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出する信号電流検出部と、
前記信号電流検出部が検出した信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断する診断部と、を備え、
前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する、
耐火ケーブル診断装置。
芯線導体と、前記芯線導体を覆う耐火層と、前記耐火層を覆う絶縁被覆と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層を含む耐火ケーブルの活線状態での診断に際して、
前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に所定の診断用交流電圧を重畳し、
前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出し、
検出した前記信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断すると共に、診断対象の前記耐火ケーブルにおいて検出された第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルにおいて検出された第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する、
耐火ケーブル診断方法。
本発明の耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法によれば、活線状態の耐火ケーブルの劣化を正しく診断することが可能になる。すなわち、劣化のない例えば未使用の基準耐火ケーブルにおいて発生する前記第2の信号電流はケーブル絶縁層の劣化とは無関係の疑似信号成分と考えられるので、前記第1の信号電流と前記第2の信号電流との違いを分析することで疑似信号成分の影響を排除でき、正しい診断が可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、診断対象の高圧電力ケーブルの構成例を示す断面図である。 図2は、耐火ケーブル診断装置の使用状態における基本的な構成を示すブロック図である。 図3は、電流測定装置が測定する信号電流の周波数スペクトルの例を示すグラフである。 図4は、劣化信号の周波数スペクトルの例を示すグラフである。 図5は、高圧CVケーブルにおける劣化信号の周波数特性を示すグラフである。 図6は、未使用の高圧耐火ケーブルにおいて検出される信号の周波数特性を示すグラフである。 図7は、本発明の実施形態に係る耐火ケーブル診断装置における特徴的な構成要素を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施形態に係る耐火ケーブル診断装置における特徴的な動作例を示すフローチャートである。 図9は、耐火ケーブル診断装置の特徴的な動作の変形例を示すフローチャートである。 図10は、テープを追加して絶縁耐力を上げた試料ケーブルの測定結果を示すグラフである。 図11は、絶縁体厚がより薄い600V CVケーブルの測定結果を示すグラフである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、診断対象となる2種類の高圧電力ケーブル10(10A、10B)の構成例を示す断面図である。
図1において、(a)に示す高圧電力ケーブル10Aは、単芯の6600V CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース)ケーブルの一般的な構成を表している。また、高圧電力ケーブル10Bは、単芯の6600V耐火ケーブルの一般的な構成を表している。
図1の高圧電力ケーブル10Aにおいては、中心部に外周を内部半導電層により覆われた芯線導体10Aaがあり、その外側が絶縁層10Abで覆われている。この絶縁層10Abは架橋ポリエチレン絶縁体により構成されている。また、絶縁層10Abの外側に遮蔽導電層10Acが形成され、その外側がシース10Adで覆われている。
一方、(b)に示す高圧電力ケーブル10Bにおいては、中心部に芯線導体10Baがあり、その外側が耐火層10Bbで覆われている。また、耐火層10Bbの外側に絶縁層10Bcがあり、絶縁層10Bcの外側に遮蔽導電層10Bdがある。また、これらの外側がシース10Beで覆われている。耐火層10Bbは、一般的にはマイカテープにより構成されている。このマイカテープは、高圧電力ケーブル10Aの内部半導電層と比較してインピーダンスが大きいため、マイカテープを有していない高圧電力ケーブル10Aを専用の測定対象とする従来のケーブル診断装置により高圧電力ケーブル10Bを診断しても、疑似信号が発生し、正確な結果を得ることができない。
また、三相交流電源を扱う用途では、3芯の高圧CVケーブルや単芯のケーブルを3本より合わせたCVTケーブルが用いられる。
このような高圧電力ケーブル10A、10Bにおいては、経年劣化などの影響で、絶縁層10Ab、10Bcの部位に水トリーと呼ばれる劣化が生じる可能性がある。このような劣化については、例えば定期的に診断を実施して、絶縁破壊による事故が生じる前にケーブル交換などの対策を行う必要がある。但し、診断対象の高圧電力ケーブル10を商用電源の送配電設備などに接続し通電を継続している活線状態で診断を行う必要があるため、例えば特許文献3に開示されているようなケーブル診断装置を用いる。
図2は、耐火ケーブル診断装置100の使用状態における基本的な構成を示すブロック図である。
高圧電力ケーブル10は、芯線導体10aが商用電源の送配電設備などに含まれる高電圧母線11と接続されている。また、高圧電力ケーブル10の遮蔽導電層10cは、既存の接地線12、17等を介してアースと接続されている。
図2の耐火ケーブル診断装置100は、接地線12と接地線17との間に接続し、遮蔽導電層10cに診断用交流電圧を印加することで、高圧電力ケーブル10を活線状態のまま診断することができる。なお、耐火ケーブル診断装置100を接続する際には、例えば既存の接地線12、17を一時的に切り離してそれらの間に耐火ケーブル診断装置100を接続する。
耐火ケーブル診断装置100は、交流重畳装置13、電流測定装置14、診断装置15、及び保安装置16を備えている。
交流重畳装置13は、高圧電力ケーブル10を活線状態で診断するために高圧電力ケーブル10に印加されている商用交流電圧(例えば6600[V]、50[Hz]の正弦波交流電圧)に重畳する診断用交流電圧Vdを生成する。この交流重畳装置13は、交流電圧発生回路13a及び変圧器13bを備えている。交流電圧発生回路13aは、以下の式(1)で表される所定周波数fdの正弦波の交流電圧を生成する。
fd=n・f0±Δfd ・・・(1)
f0:高圧電力ケーブル10に印加されている商用交流電圧の周波数(例えば50[Hz])
n :整数
Δfd:周波数偏差[Hz](0<Δfd≦10)
変圧器13bは、交流電圧発生回路13aが出力する交流電圧を昇圧して診断用交流電圧Vdを生成する。
活線状態の高圧電力ケーブル10に交流重畳装置13が生成した診断用交流電圧Vdを重畳すると、周波数偏差Δfdの周波数の交流電流が劣化信号として現れる。この劣化信号のレベルは、高圧電力ケーブル10の芯線導体10aと遮蔽導電層10cとの間にある絶縁層の劣化具合を反映している。
耐火ケーブル診断装置100が図2に示すように接続された場合には、この劣化信号は、高圧電力ケーブル10の遮蔽導電層10c、絶縁層、芯線導体10a、中性点接地、及び接地線12,19、を通って電流測定装置14に流れる。なお、高電圧母線11側の商用交流電源の中性線が中性点接地と接続されている。
電流測定装置14は、接地線18、19の間に流れる劣化信号の交流電流を計測する。
診断装置15は、電流測定装置14が計測した交流電流から、高圧電力ケーブル10の絶縁層における劣化の程度を表す劣化信号を抽出し、良否などを診断する。
本発明の耐火ケーブル診断装置100は、上述の基本的な診断装置の機能の他に、高圧耐火ケーブルに対する診断性能を向上する特別な機能を備えている。この特別な機能については後で説明する。
図3は、耐火ケーブル診断装置100の電流測定装置が測定する信号電流の周波数スペクトルの例を示すグラフである。図3における横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は周波数毎の電流値のレベルを表す。
図3に示したグラフは、図1中の接地線18、19間に流れる信号電流の測定値を高速フーリエ変換(FFT)処理することで得られる。図3に示した例は、重畳する診断用交流電圧Vdの周波数偏差Δfdが1.0[Hz]の場合の信号電流の周波数スペクトルを表している。図3に示すように、周波数偏差Δfdと同じ周波数1.0[Hz]の位置に、信号電流レベルのピークが現れている。このピーク位置の信号レベルと、高圧電力ケーブル10の劣化の程度との間に大きな相関が現れる。
図4は、劣化信号の周波数スペクトルの例を示すグラフである。図4中のグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は劣化信号のレベルに相当する出力電圧[mVr]を表している。
例えば図3に示したような周波数スペクトルの信号電流を処理して、目的の劣化信号成分を抽出することで、図4に示すような周波数スペクトルが得られる。図4の例では、重畳する診断用交流電圧Vdの周波数偏差Δfdが1.0[Hz]の場合に計測した信号電流を想定しているので、周波数が1.0[Hz]の位置にピークが現れる劣化信号になっている。
図5は、高圧CVケーブルにおける劣化信号の周波数特性を示すグラフである。図5中のグラフの横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は劣化信号の出力電圧[mVr]を表している。
図5に示した周波数特性C1は、図1のような診断装置を用いてある程度劣化している高圧CVケーブルを診断した結果を表している。より具体的には、診断装置が重畳する診断用交流電圧Vdの周波数偏差Δfdを0.1~1.0[Hz]の範囲内で0.1[Hz]刻みで順次に切替ながら周波数毎に測定した電流から得られた劣化信号電圧の分布状況を周波数特性C1として表している。
図5に示した周波数特性C1においては、0.1~1.0[Hz]の周波数範囲において、周波数が高くなるに従い劣化信号の出力電圧が下がる傾向があることが分かる。
図6は、未使用の高圧耐火ケーブルにおいて検出される信号の周波数特性を示すグラフである。図6中のグラフの横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は劣化信号(正しい劣化信号ではない)の出力電圧[mVr]を表している。
図6に示した各周波数特性C01、C02は、図1のような診断装置を用いて劣化していない新品の高圧耐火ケーブルを診断した結果を表している。また、周波数特性C01はケーブル長が50[m]の高圧耐火ケーブルを診断した結果を表し、周波数特性C02はケーブル長が150[m]の高圧耐火ケーブルを診断した結果を表している。また、診断装置が重畳する診断用交流電圧Vdの周波数偏差Δfdを0.1~1.0[Hz]の範囲内で0.1[Hz]刻みで順次に切替ながら周波数毎に測定した電流から得られた劣化信号電圧の分布状況を各周波数特性C01、C02として表している。
図6の試験において診断した各高圧耐火ケーブルが劣化していない新品のケーブルであるにもかかわらず、各周波数特性C01、C02のような誤った劣化信号が一般的な診断装置により検出される。すなわち、一般的な診断装置を使用する場合には、高圧CVケーブルに対して正しい診断ができる場合であっても、高圧耐火ケーブルを診断する場合には診断結果に誤りが生じる可能性が高い。
図6中に示した各周波数特性C01、C02は、高圧電力ケーブル10の絶縁層中に発生する水トリーに起因して生じる劣化信号とは原因が異なる疑似信号の成分であると考えられる。また、図6に示した周波数特性C01、C02においては、0.1~1.0[Hz]の周波数範囲において、周波数が低い方が疑似信号の出力電圧が下がる傾向があることが分かる。また、疑似信号の出力電圧は高圧耐火ケーブルのケーブル長に依存する傾向があり、ケーブル長にほぼ比例して疑似信号の出力電圧が変化する傾向があることも分かる。
また、図5に示した周波数特性C1における傾向と、図6に示した周波数特性C01、C02における傾向とが逆であることが分かる。つまり、図6に示した周波数特性C01、C02の信号は、高圧電力ケーブル10の絶縁層中に発生する水トリーに起因して生じる劣化信号とは原因が異なる疑似信号の成分である。したがって、高圧耐火ケーブルを診断する場合には、周波数特性C01、C02のような疑似信号の成分の影響を排除しないと正しい診断ができない。
<特徴的な構成要素>
本発明の実施形態に係る耐火ケーブル診断装置100の診断装置15に含まれる特徴的な構成要素である信号処理ユニット20を図7に示す。
図7の信号処理ユニット20は、疑似信号DB(データベース)21、ケーブル種別入力部22、ケーブル長入力部23、信号電流計測部24、信号電流補正部25、及び診断部26を備えている。
疑似信号DB21は、主に高圧耐火ケーブルを診断する場合に発生する疑似信号の電流レベルを表す事前に定めた定数データを保持している。この定数データは、劣化のない新品の高圧耐火ケーブル(基準耐火ケーブル)を診断装置で実際に診断した時に、電流測定装置14が検出した電流に含まれる周波数偏差Δfdの周波数成分のレベルに基づいて事前に設定された値である。
また、診断対象の高圧電力ケーブル10の種別毎に、それぞれ独立した複数の定数データが疑似信号DB21に保持されている。また、ケーブル長が互いに異なる複数の高圧電力ケーブル10のそれぞれに対応した複数種類の定数データが疑似信号DB21に保持されている。
ケーブル種別入力部22は、例えば作業者の入力操作を検知して、診断対象の高圧電力ケーブル10のケーブル種別Tcを特定する。具体的には、CV、CVT、FPTなどの違いを区別可能な情報がケーブル種別Tcとしてケーブル種別入力部22から出力される。
ケーブル長入力部23は、例えば作業者の入力操作を検知して、診断対象の高圧電力ケーブル10のケーブル長Lcを特定する。このケーブル長Lcについては、数値を作業者が直接入力しても良いし、事前に用意した複数の選択肢の中から作業者がボタンなどの操作で選択できるようにしても良い。
信号電流計測部24は、電流測定装置14が検出した電流の信号を周波数解析した結果として、例えば図4に示すような周波数スペクトルのピーク位置におけるレベルを計測し、これを劣化信号電流値Vs1として出力する。
信号電流補正部25は、ケーブル種別Tc及びケーブル長Lcに基づいて適切な疑似信号データVpを疑似信号DB21から取得し、信号電流計測部24から入力される劣化信号電流値Vs1を疑似信号データVpで補正した結果を劣化信号電流値Vs2として出力する。
診断部26は、信号電流補正部25が出力する劣化信号電流値Vs2を例えば事前に用意した閾値と比較して、診断対象の高圧電力ケーブル10における劣化の有無や劣化の程度を表す診断結果を画面表示などにより出力する。
図7に示した信号処理ユニット20は、例えば診断装置15の内部に組み込んだコンピュータのハードウェア及びソフトウェアにより実現される。
なお、耐火ケーブル診断装置100が検出した劣化信号に含まれる高圧電力ケーブル10毎の疑似信号の影響や耐火ケーブル診断装置100自体の性能を試験するような場合には、診断対象の高圧電力ケーブル10を高電圧母線11から切り離して、高電圧母線11の代わりに試験用の回路を接続する。具体的には、試験用の交流安定化電源装置および変圧器を用意する。試験用の交流安定化電源装置が出力する交流電源については、例えば電圧を38[V]、周波数を50[Hz]とする。また、変圧器の変圧比は100倍とし、交流安定化電源装置が出力する38[V]から3.8[kV]の高圧交流電圧を変圧器で生成する。この高圧交流電圧を芯線導体10aとアースとの間に印加する。疑似信号DB(データベース)21もこのような構成に基づいて作成することができる。
<特徴的な動作>
図8は、本発明の実施形態に係る耐火ケーブル診断装置100における特徴的な動作例を示すフローチャートである。なお、(a)は、高圧電力ケーブル10が耐火ケーブルである場合、(b)は、高圧電力ケーブル10が耐火ケーブル以外である場合のフローチャートである。図8に示した動作について以下に説明する。
高圧電力ケーブル10が耐火ケーブルである場合、(a)に示すように、信号処理ユニット20は、ケーブル種別入力部22でケーブル種別Tcを取得し(S11)、ケーブル長入力部23でケーブル長Lcを取得する(S12)。
交流重畳装置13は、活線状態の高圧電力ケーブル10の遮蔽導電層10cと接地線12の間に診断用交流電圧Vdを印加し、商用交流電圧(例えば6600[V])に診断用交流電圧Vdを重畳する(S13)。
信号処理ユニット20の信号電流計測部24は、電流測定装置14が検出した電流信号に基づいて劣化信号電流値Vs1を測定する(S14)。
信号処理ユニット20は、S11で取得したケーブル種別Tcと、S13で取得したケーブル長Lcとに基づいて適切な疑似信号データVpを疑似信号DB21から取得する(S15)。
信号処理ユニット20の信号電流補正部25は、信号電流計測部24から取得した劣化信号電流値Vs1とS15で取得した疑似信号データVpとの差分を補正後の劣化信号電流値Vs2として出力する(S16)。
信号処理ユニット20の診断部26は、補正後の劣化信号電流値Vs2に基づいて診断の結果を出力する(S17)。また、診断部26は劣化信号電流値Vs2と閾値との比較結果を良否の判定結果として出力する。
図8に示した動作を実施することで、診断対象の高圧電力ケーブル10において発生が予想される疑似信号のレベルの推定値を疑似信号データVpとして取得できる。また、劣化信号電流値Vs1から疑似信号データVpを減算して補正した劣化信号電流値Vs2を算出することで、図6中に示した周波数特性C01、C02のような疑似信号の影響を排除して正しい診断を行うことができる。例えば、劣化のない新品の高圧耐火ケーブルを診断する場合には、劣化が生じていないことを表す診断結果が得られる。
なお、疑似信号DB21が保持しているデータの内容を曲線などの近似式で表現できる場合には、近似式のパラメータと、ケーブル種別Tc及びケーブル長Lcとに基づいて適切な疑似信号データVpの値を計算で求めることも可能である。その場合は疑似信号DB21は不要である。
一方、高圧電力ケーブル10が耐火ケーブル以外である場合は、(b)に示す動作が実行される。この場合、信号処理ユニット20は、(a)と同様に、ステップS11からS14までを実行する。次に、信号処理ユニット20は、診断結果を出力する(ステップS17’)。
<特徴的な動作の変形例>
図9は、耐火ケーブル診断装置の特徴的な動作の変形例を示すフローチャートである。図9に示した動作においては、各ステップS21、S22が追加された点が図8と異なっている。図8と同様の動作については説明を省略する。
図9の動作においては、信号処理ユニット20は診断対象の高圧電力ケーブル10のケーブル種別Tcが耐火ケーブルか否かをS21で識別し、耐火ケーブルの場合はS22の処理に進む。そして、信号処理ユニット20はS22で周波数偏差Δfdを制限する。具体例としては、周波数偏差Δfdを0.1[Hz]のみに固定する。
これにより、例えば図6に示した周波数特性C01、C02のように、劣化のない新品の高圧耐火ケーブルに対して検出される劣化信号、すなわち疑似信号成分のレベルを他の周波数を選択する場合と比べて抑制できる。また、ケーブル長Lcの違いに起因する疑似信号のばらつきも抑制できる。したがって、高圧耐火ケーブルを診断する場合に発生する疑似信号の影響を抑制し、診断精度を上げることができる。
一方、信号処理ユニット20は、S21において耐火ケーブルでないと識別した場合には、S13に進んで診断用交流電圧Vdを重畳し、S17’に進んで劣化信号電流値Vs1を診断結果として出力する。
<試験結果の説明>
劣化のない新品の高圧耐火ケーブルに発生する図6の周波数特性C01、C02のような疑似信号は、種類が違うケーブルの構造の違いに起因すると考えられる。また、高圧耐火ケーブルと一般的な高圧CVケーブルとの構造上の違いは、図1に示したように耐火層10Bbの有無だけである。
また、この耐火層10Bbは一般的にはマイカテープにより構成されている。マイカテープは他の半導電層などと比べてインピーダンスが十分に高いので、診断時に高圧電力ケーブル10の芯線導体10aと遮蔽導電層10cの間に印加される運転電圧が絶縁層とマイカテープの領域に分圧し、マイカテープの非線形特性に起因して疑似信号が発生することが予想される。そこで、検証のために様々な試料を用意して試験を実施した。
<テープ追加による絶縁厚さの影響の試験>
試料1:芯線導体と遮蔽層との間にマイカテープの層と、追加テープの絶縁層とを挟み込んで積層したものである。追加テープは自己融着テープであり、ポリエチレンフイルムとブチルゴム粘着剤とで構成される。追加テープの厚みについては複数種類を用意した。
試料2:芯線導体と遮蔽層との間に、自己融着テープを用いた絶縁層と、追加テープの絶縁層とを挟み込んで積層したものである。追加テープは自己融着テープである。追加テープの厚みについては複数種類を用意した。
テープを追加して絶縁耐力を上げた試料ケーブルの測定結果を図10に示す。
図10中のグラフG13は、上記試料1における追加テープの厚みが3[mm]の場合に電流測定装置14で検出された交流重畳電流Isa(5.76[nA])を周波数分析した結果を表している。また、図10中のグラフG14は、上記試料1における追加テープの厚みが4[mm]の場合に電流測定装置14で検出された交流重畳電流Isa(1.23[nA])を周波数分析した結果を表している。
また、図10中のグラフG23は、上記試料2における追加テープの厚みが3[mm]の場合に電流測定装置14で検出された交流重畳電流Isa(0.83[nA])を周波数分析した結果を表している。また、図10中のグラフG24は、上記試料2における追加テープの厚みが4[mm]の場合に電流測定装置14で検出された交流重畳電流Isa(1.28[nA])を周波数分析した結果を表している。
図10中のグラフG23、G24に示すように、マイカテープの層が存在しない「試料2」の場合には検出された交流重畳電流Isaに疑似信号の成分が現れていない。一方、図10中のグラフG13、G14に示すように、マイカテープの層が存在する「試料1」の場合には交流重畳電流Isaに疑似信号の成分が現れ、且つ絶縁層の厚みの影響が現れている。つまり、疑似信号が発生する原因が、絶縁層の絶縁耐力の問題ではないことが分かる。
<絶縁層の材料を考慮した試験>
高圧CVケーブルよりも絶縁体厚がより薄い600V CVケーブルの測定結果を図11に示す。この600V CVケーブルは、高圧CVケーブルと同様に絶縁層に架橋ポリエチレン絶縁体を用いている。
図11中のグラフG31、及びG32は、それぞれ絶縁層の厚みが1.0[mm]、及び2.5[mm]の600V CVケーブルについて、電流測定装置14で検出された交流重畳電流Isaを周波数分析した結果を表している。また、グラフG31に対応する交流重畳電流Isaの電流値は4.93[nA]であり、グラフG32に対応する交流重畳電流Isaの電流値は3.29[nA]である。
図11中のグラフG31、及びG32から、周波数が1.0[Hz]のピーク位置で劣化信号の成分が発生していることが確認できる。また、検出された交流重畳電流Isaの電流値の違いから、劣化信号が絶縁層の厚みの影響を受けていることが確認できる。つまり、絶縁層の素材が疑似信号の原因ではない。
<ケーブルの各層に加わる重畳電圧の割合>
高圧CVケーブル(高圧電力ケーブル10A)と高圧耐火ケーブル(高圧電力ケーブル10B)のそれぞれについて、各層をインピーダンス測定した結果に基づき各層に加わる重畳電圧の割合を算出した。その結果を次の「表1」に示す。
なお、図1中の高圧電力ケーブル10Aにおいて、実際には芯線導体10Aaと絶縁層10Abとの間に内部半導電層があり、絶縁層10Abと遮蔽導電層10Acとの間に外部半導電層がある。また、図1中の高圧電力ケーブル10Bにおいて、実際には絶縁層10Bcと遮蔽導電層10Bdとの間に外部半導電層がある。「表1」においては内部半導電層および外部半導電層のそれぞれに加わる電圧も示してある。
Figure 2024036119000002
上記「表1」に示したように、高圧CVケーブル(高圧電力ケーブル10A)を診断する場合には、絶縁層10Abにほぼ100%の重畳電圧が印加されることが分かる。一方、高圧耐火ケーブル(高圧電力ケーブル10B)の場合には、絶縁層10Bcだけでなく、耐火層10Bbのマイカテープにも重畳電圧の一部分が印加されることが分かる。したがって、高圧耐火ケーブルを診断する場合にはマイカテープの耐火層10Bbにおける非線形特性の影響が現れ、疑似信号が発生すると考えられる。
したがって、診断対象の高圧電力ケーブル10の種別が高圧CVケーブル、高圧耐火ケーブル(FPT)等のいずれであるかを区別することで、電流測定装置14が計測する重畳交流電流に含まれる疑似信号の有無などの違いを判定できる。また、劣化が生じていない新品のケーブルにおいて検出される疑似信号の大きさを事前に測定した基準ケーブルのデータとして保持しておくことで、疑似信号の影響を補正し正しい診断結果を出力することが可能になる。
以上のように、本実施形態に係る耐火ケーブル診断装置100によれば、マイカテープなどにより構成される耐火層10Bbを有する高圧耐火ケーブルを活線状態で診断する場合に、耐火層10Bbの影響で発生する疑似信号成分の影響を排除して正しい劣化の診断を行うことができる。また、診断対象のケーブルの種別を区別することで、様々な種類のケーブルの正しい診断が可能になる。また、診断対象のケーブルのケーブル長Lcを区別することで、疑似信号成分の大きさを正しく推定し補正することができる。
また、図9に示した動作のように、耐火ケーブルを診断する場合に、周波数偏差Δfdを0.1[Hz]等の低い周波数に制限する(S22)ことで、疑似信号成分の影響を減らすことができ、ケーブル長Lcの違いによる疑似信号のばらつきの影響も抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、図1中に示した電流測定装置14と診断装置15は、一体に構成しても良いし別々の独立した装置として構成してもよい。また、独立した装置として構成する場合には、電流測定装置14が測定した数値を作業者が読み取ってこの数値を手作業で診断装置15に入力しても良い。
また、耐火ケーブル診断装置100は、耐火ケーブルのみの診断に特化した診断装置であってもよい。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る耐火ケーブル診断装置および耐火ケーブル診断方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 芯線導体(10Ba)と、前記芯線導体を覆う耐火層(10Bb)と、前記耐火層を覆う絶縁被覆(絶縁層10Bc)と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層(10Bd)を含む耐火ケーブル(高圧電力ケーブル10B)を診断対象とし、
活線状態の前記耐火ケーブルに対して診断用交流電圧を重畳する交流電圧印加部(交流重畳装置13)と、
前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出する信号電流検出部(電流測定装置14)と、
前記信号電流検出部が検出した信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断する診断部(診断装置15)と、
を備え、
前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する(S15~S17)、
耐火ケーブル診断装置。
上記[1]の構成の耐火ケーブル診断装置によれば、耐火層を有する高圧耐火ケーブルのように疑似信号の原因となる部位を有するケーブルを診断する場合であっても、疑似信号の影響を排除して正しい診断を行うことができる。すなわち、第2の信号電流は新品のケーブルのように劣化のない基準耐火ケーブルにおいて発生する疑似信号の成分に相当するので、第1の信号電流と第2の信号電流との違いに基づいて診断することで疑似信号の影響を排除できる。
[2] 前記診断部は、同じ条件における前記第1の信号電流の値と、前記第2の信号電流の値との差分を取得し(S16)、前記差分の大きさに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する(S17)、
上記[1]に記載の耐火ケーブル診断装置。
上記[2]の構成の耐火ケーブル診断装置によれば、同じ条件における第1の信号電流の値と、第2の信号電流の値との差分を取得するので、疑似信号の影響を排除して劣化の診断を正しく行うことができる。
[3] 前記基準耐火ケーブルにおけるケーブル長(Lc)と前記第2の信号電流の値との相関関係を把握可能な相関把握部(疑似信号DB21)を備え、
前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルにおける第1ケーブル長を取得し(S12)、前記第1ケーブル長に対応する前記第2の信号電流の値を前記相関把握部を利用して取得する(S15)、
上記[1]または[2]に記載の耐火ケーブル診断装置。
上記[3]の構成の耐火ケーブル診断装置によれば、診断対象の高圧耐火ケーブルにおけるケーブル長の違いの影響で生じる疑似信号のばらつきの影響を排除して劣化の診断を正しく行うことができる。
[4] 前記基準耐火ケーブルにおけるケーブル種別(Tc)と前記第2の信号電流の値との相関関係を把握可能な相関把握部(疑似信号DB21)を備え、
前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルにおける第1ケーブル種別を取得し(S11)、前記第1ケーブル種別に対応する前記第2の信号電流の値を前記相関把握部を利用して取得する(S15)、
上記[1]から[3]のいずれかに記載の耐火ケーブル診断装置。
上記[4]の構成の耐火ケーブル診断装置によれば、診断対象の高圧電力ケーブルにおけるケーブル種別(CV、CVT、FPT等)の違いの影響で生じる疑似信号のばらつきの影響を排除して劣化の診断を正しく行うことができる。
[5] 芯線導体(10Ba)と、前記芯線導体を覆う耐火層(10Bb)と、前記耐火層を覆う絶縁被覆(絶縁層10Bc)と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層を含む耐火ケーブル(高圧電力ケーブル10B)の活線状態での診断に際して、
前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に所定の診断用交流電圧を重畳し(交流重畳装置13、S13)、
前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出し(電流測定装置14、S14)、
検出した前記信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断すると共に、診断対象の前記耐火ケーブルにおいて検出された第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルにおいて検出された第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する(S15~S17)、
耐火ケーブル診断方法。
上記[5]の手順の耐火ケーブル診断方法によれば、耐火層を有する高圧耐火ケーブルのように疑似信号の原因となる部位を有するケーブルを診断する場合であっても、疑似信号の影響を排除して正しい診断を行うことができる。すなわち、第2の信号電流は新品のケーブルのように劣化のない基準耐火ケーブルにおいて発生する疑似信号の成分に相当するので、第1の信号電流と第2の信号電流との違いに基づいて診断することで疑似信号の影響を排除できる。
10,10A,10B 高圧電力ケーブル
10a,10Aa,10Ba 芯線導体
10Ab,10Bc 絶縁層
10c,10Ac,10Bd 遮蔽導電層
10Ad,10Be シース
10Bb 耐火層
11 高電圧母線
12,17,18,19 接地線
13 交流重畳装置
13a 交流電圧発生回路
13b 変圧器
14 電流測定装置
15 診断装置
16 保安装置
20 信号処理ユニット
21 疑似信号DB
22 ケーブル種別入力部
23 ケーブル長入力部
24 信号電流計測部
25 信号電流補正部
26 診断部
100 耐火ケーブル診断装置
C1,C01,C02 周波数特性
Lc ケーブル長
Tc ケーブル種別
Vd 診断用交流電圧
Vp 疑似信号データ
Vs1,Vs2 劣化信号電流値
Δfd 周波数偏差

Claims (5)

  1. 芯線導体と、前記芯線導体を覆う耐火層と、前記耐火層を覆う絶縁被覆と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層を含む耐火ケーブルを診断対象とし、
    活線状態の前記耐火ケーブルに対して診断用交流電圧を重畳する交流電圧印加部と、
    前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出する信号電流検出部と、
    前記信号電流検出部が検出した信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断する診断部と、
    を備え、
    前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルに対して前記信号電流検出部が検出した第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する、
    耐火ケーブル診断装置。
  2. 前記診断部は、同じ条件における前記第1の信号電流の値と、前記第2の信号電流の値との差分を取得し、前記差分の大きさに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する、
    請求項1に記載の耐火ケーブル診断装置。
  3. 前記基準耐火ケーブルにおけるケーブル長と前記第2の信号電流の値との相関関係を把握可能な相関把握部を備え、
    前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルにおける第1ケーブル長を取得し、前記第1ケーブル長に対応する前記第2の信号電流の値を前記相関把握部を利用して取得する、
    請求項1に記載の耐火ケーブル診断装置。
  4. 前記基準耐火ケーブルにおけるケーブル種別と前記第2の信号電流の値との相関関係を把握可能な相関把握部を備え、
    前記診断部は、診断対象の前記耐火ケーブルにおける第1ケーブル種別を取得し、前記第1ケーブル種別に対応する前記第2の信号電流の値を前記相関把握部を利用して取得する、
    請求項1に記載の耐火ケーブル診断装置。
  5. 芯線導体と、前記芯線導体を覆う耐火層と、前記耐火層を覆う絶縁被覆と、前記絶縁被覆を覆う遮蔽導電層を含む耐火ケーブルの活線状態での診断に際して、
    前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に所定の診断用交流電圧を重畳し、
    前記診断用交流電圧の重畳により前記耐火ケーブルの前記遮蔽導電層と前記芯線導体との間に流れる信号電流を検出し、
    検出した前記信号電流に基づいて前記耐火ケーブルの劣化具合を診断すると共に、診断対象の前記耐火ケーブルにおいて検出された第1の信号電流と、劣化のない基準耐火ケーブルにおいて検出された第2の信号電流との違いに基づいて前記耐火ケーブルの劣化を診断する、
    耐火ケーブル診断方法。
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