JP2024036092A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震等によって車両に予期できない揺れが生じた場合であっても、適切なVSCを実行することが可能な車両の制御装置を提供する。【解決手段】ヨーレートの変化量が予め定められた作動閾値より大きい場合に、ブレーキ装置を制御して車輪に横滑りが生じることを抑制するスタビリティコントロールを行う車両の制御装置であって、コントローラは、地震が発生した場合(ステップS2でYES)に、作動閾値を狭くし(ステップS6)、地震が発生した場合(ステップS2でYES)に、制動操作量が制動判定閾値より大きいこと(ステップS3でNO)、および操舵判定値が操舵判定閾値より大きいこと(ステップS5でNO)の少なくとも一方が成立した場合には、作動閾値を狭くする制御を行わない(ステップS7)ように構成されている。【選択図】図2

Description

この発明は、スタビリティコントロール(VSC)を行う車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、路面等の事情により追い越し走行が不安定になることが予想される場合に、横滑り防止装置を含む車両挙動制御装置の特性を、挙動安定性が向上するように変更して追い越し走行を実行する車両の走行制御装置が開示されている。特許文献1の装置では、追い越しを抑制する情報が存在する場合には、横滑り防止装置が作動するための閾値である、実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差を小さな値に変更して横滑り防止装置を作動しやすくし、また、大きな制動力が付与されるように変更している。
特開2016-002978号公報
特許文献1には、追い越し抑制情報がある状態で追い越し走行を行う際に、横滑り防止装置を作動させやすくすることで車両の挙動が安定すると記載されている。一方で、追い越し制御中に地震等で予期しない揺れが生じたときには、障害物を回避するために運転者がステアリングホイールを比較的大きく操作する場合がある。その場合、車両がスピンすることを抑制するために、横滑り防止装置によって車両の進行方向と反対側の車輪に制動トルクが付与される。特許文献1の横滑り防止装置は、追い越し走行制御中に作動しやすくなるので、早く付与される制動トルクが障害物等の回避動作を妨げるように作用する。すなわち、特許文献1の装置では、地震等の発生時に車両の挙動が運転者の意図した挙動とならない可能性があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、地震等によって車両に予期できない揺れが生じた場合であっても、適切なスタビリティコントロールを実行することが可能な車両の制御装置を提供することを目的としている。
この発明は、上記の目的を達成するために、運転者によってブレーキ操作部を操作することにより車両に制動力を発生させるブレーキ装置と、前記運転者によって操作されることにより前記車両の進行方向を調整するステアリングホイールと、を備え、ヨーレートの変化量が予め定められた作動閾値より大きい場合に、前記ブレーキ装置を制御して車輪に横滑りが生じることを抑制するスタビリティコントロールを行う車両の制御装置であって、前記スタビリティコントロールの実行を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、地震の発生を検出する地震判定部と、前記地震の発生時に前記ブレーキ操作部の制動操作量が所定の制動判定閾値より大きいことを判定する制動判定部と、前記地震の発生時に前記ステアリングホイールの操舵量に基づく操舵判定値が所定の操舵判定閾値より大きいことを判定する操舵判定部と、を有し、前記地震が発生した場合に、前記作動閾値を狭くし、地震が発生した場合に、前記制動操作量が前記制動判定閾値より大きいこと、および前記操舵判定値が前記操舵判定閾値より大きいことの少なくとも一方が成立した場合には、前記作動閾値を狭くする制御を行わないように構成されていることを特徴とするものである。
この発明の車両の制御装置によれば、地震の発生時には、スタビリティコントロール(VSC)を作動させる閾値を小さい値に設定するのでVSCの作動が早くなる。地震の発生時には、予期しない揺れによって車両の挙動が不安定になるので、VSCを比較的早く作動させることにより車両の安定性の低下を抑制することができる。また、運転者によって比較的大きな制動操作もしくは操舵操作が行われている場合には、VSC作動閾値を維持する。そのような場合には、運転者が直ちに車両を停止させたり、障害物等を回避したりしようとしている可能性があるので、VSCが早期に作動することによってそれらの動作の妨げになることを抑制することができる。したがって、車両の挙動や運転者の操作状態に応じて適切にVSCを作動させることができ、ひいては車両の挙動をさらに安定させることができる。
この発明の実施形態における制御装置を搭載した車両を示す図である。 この発明の実施形態における制御装置によって実行される制御の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施形態における制御装置によって実行される制御の他の例を示すフローチャートである。
この発明の実施形態における車両は、カーブを走行したり、運転者によってステアリングホイールが急激に操作されたりした場合に発生する横滑りを抑制するように、各車輪に設けられたブレーキ装置を制御するスタビリティコントロール(VSC)が可能な車両である。図1には、そのように構成された車両Veを模式的に示してある。図1に示すように、車両Veは、駆動力源1、ブレーキ装置2、車輪3、ステアリング装置4、ECU(電子制御装置)5および検出部6を備えている。駆動力源1は、従来知られているエンジンやモータ・ジェネレータなどであり、車両Veの駆動力を発生させるためのトルクを出力する。
ブレーキ装置2は、従来知られているブレーキ装置と同様の装置であって、車両Veの前後の各車輪3のそれぞれに設けられている。ブレーキ装置2は、例えば、ディスクブレーキやドラムブレーキあるいはパウダーブレーキなどの摩擦ブレーキであり、油圧や電磁力などによって摩擦力を生じて各車輪3の回転を止める方向の制動力を生じさせるように構成されている。また、ブレーキ装置2は、運転者によるブレーキペダル(ブレーキ操作部)2aの操作だけでなく、図示しないVSCアクチュエータが作動することにより制動トルクを出力する。VSCアクチュエータは、例えばブレーキオイルの油圧経路上に設けられ、車両Veのヨーレートの変化量が予め定められた閾値より大きい場合に、車両Veの安定性が向上するように各車輪3に付与する制動トルクを個別に制御する。
ステアリング装置4は、運転者がステアリングホイール4aを操作することにより、車両Veの進行方向を調整する。このステアリング装置4は、従来知られているステアリング装置4と同様の装置であり、例えば、電動パワーステアリング装置(EPS)が設けられた、ラックアンドピニオン式のステアリング装置4である。
ECU5は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当し、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成され、検出部6から入力されたデータや予め記憶させられているデータ等を使用して演算を行い、その演算結果を基に制御指令信号を出力するように構成されている。その入力されるデータは、例えば車輪速、車両Veの加速度、ステアリングホイール4aの操舵角、ヨーレート、ブレーキ装置2への油圧などである。また、ECU5は、VSCーECU5a、制動判定部5b、操舵判定部5cおよび地震判定部5dを備えている。
VSCーECU5aは、車両Veの加速度、ヨーレート、および操舵角を取得し、車両Veの挙動を安定化させる制御を行う。VSCーECU5aは、取得した車両Veの挙動に関するデータに基づき、上述したVSCアクチュエータを作動させて制御対象の車輪3に対して状況に応じた制動トルクを出力するように制御する。
制動判定部5bは、運転者によるブレーキペダル2aを踏み込むなどの制動操作に基づく車両Veの制動操作量Bが、予め定められた所定の制動判定閾値Thbより大きいことを判定する。制動判定部5bでは、例えば、センサによってマスターシリンダに作用する油圧を検出したり、ブレーキペダル2aのストローク量(踏み込み量)を検出することにより、制動操作に基づく制動操作量Bを求める。また、制動判定閾値Thbは、例えばブレーキ油圧に対する車輪3の制動力の最大値に基づいて決定される。VSCでは、スピン等を防止するために左右の各車輪3に付与する制動トルクの大きさで車両Veのヨー角を制御する。一方で、ブレーキ油圧あるいは車輪3のスリップ率に対する車輪3の制動力の最大値は決まっている。そのため、VSCでは、車輪3の制動力が最大となっている場合には、左右の各車輪3のいずれかに付与する制動トルクを小さくして車両Veのヨー角を制御することになる。しかしながら、その場合には車輪3におけるトータルの制動力は小さくなるので、車両Veの減速度が低下することになる。したがって、制動判定閾値Thbは、VSCによりそのような事態の生じる可能性があることを判断できる値に設定されている。なお、制動判定閾値Thbは、運転者が車両Veを直ちに停止させることや大幅に減速させることを意図した制動操作であることが判定できる値に設定されていてもよい。そのような所定の制動操作量Bは、予め実験等によって定められても良いし、運転者のブレーキ操作の傾向や癖などのデータに基づいて定められても良い。
操舵判定部5cは、運転者によるステアリングホイール4aの操舵角および操舵速度に基づく操舵判定値Sが予め定められた所定の操舵判定閾値Thsより大きいことを判定する。操舵判定部5cでは、例えば、操舵角センサ6fによってステアリングホイール4aの操舵角および操舵速度を検出して操舵判定値Sを求める。なお、センサによって、ステアリング装置4におけるピニオンギヤの回転運動を直線運動に変換するラックのストローク(ステアリングラックストローク)を検出したり、EPSのアシストモータの回転角を検出したりすることによって操舵判定値Sを求めても良い。また、操舵判定閾値Thsは、運転者が障害物等を回避しようとしていることを判断できるように設定されている。障害物等を回避する場合には、操舵量や操舵速度などが大きくなるので車両Veに横滑りが発生しやすい。その場合、VSCでは、車両Veがスピンしないように進行方向とは反対側の車輪3に比較的大きな制動トルクが付与される。一方で、そのように制動トルクが制御されることにより、運転者の操作に対する車両Veの挙動が運転者の意図した挙動にならない可能性がある。したがって、操舵判定閾値Thsは、VSCによりそのような事態の生じる可能性があることを判断できる値に設定されている。そのような操舵判定閾値Thsは、予め実験等によって定められても良いし、運転者の操舵操作の傾向や癖などのデータに基づいて定められても良い。
地震判定部5dは、検出部6で取得したデータや外部からの通知等に基づいて地震の発生を判定する。この地震の発生の判定は、従来知られている制御によって実行されてよく、例えば、図示しない緊急地震速報受信機によって緊急地震速報を取得した場合や、特開2014-153750号公報に開示されている、車両Veの加速度の変化とその継続時間とに基づいて地震の発生を判定する制御、あるいは、特開2008-224353号公報に開示されている、車載カメラの撮像画像に基づく車両Veの移動量および姿勢と車両Veのセンサに基づく車両Veの移動量および姿勢との相違に基づいて地震の発生を判定する制御などである。
検出部6は、車両Veを制御する際に必要な各種のデータや情報を取得するための機器あるいは装置である。検出部6は、上述した各車輪3の車輪速を検出するための車輪速センサ6a、車輪3の回転速度等から車速を検出する車速センサ6b、車両Veのヨー角の変化の割合を検出するヨーレートセンサ6c、車両Veの加速度を検出する加速度センサ6d、ブレーキ装置2のマスターシリンダに作用する油圧を検出するマスターシリンダ圧センサ6e、ステアリングホイール4aの操舵角を検出する操舵角センサなど6fを含んでいる。このように構成された検出部6、ECU5および各アクチュエータやセンサなどは、例えばCANやワイヤーハーネス等によって互いに電気的に接続されており、検出値または算出値に応じた電気信号を検出データとしてECU5に出力する。
次に、VSCが作動する条件について説明する。VSCーECU4aは、各車輪3の車輪速に基づく車速Vx、車両の横方向の加速度Gy、前側の車輪3の実操舵角θおよび実ヨーレートYrを取得する。それらの値に、いずれも定数であるステビリティファクターKh、ステアリングギヤ比nおよびホイールベースLを含めた下記の式(1)によって基準ヨーレートYr_stdを算出する。なお、実操舵角θは、左に操舵されている場合は正の値となり、反対に右に操舵されている場合は負の値となるように設定されている。
Yr_std=(Vx・θ/n・L)-Kh・Gy・Vx …(1)
このようにして算出された基準ヨーレートYr_stdに所定のフィルタ処理を行った値と、検出された実ヨーレートYrとの差異であるヨーレートの偏差ΔYrを算出する。そして、そのヨーレートの偏差ΔYrの絶対値と予め定められているVSCの開始を判定するためのVSC開始閾値(作動閾値)Thとを比較し、ヨーレートの偏差ΔYrの絶対値が大きい場合にVSCが開始される。
このように構成された車両VeのECU5によって実行されるフローチャートの一例を図2に示してある。まず、このフローチャートでは、図2に示すように、ステップS1において、地震の発生を判定する制御を行う。地震発生の判定は、上述したように、緊急地震速報の受信や、車両Veの横(前後、左右)方向や縦方向の加速度の変化、あるいは、車載カメラの画像処理等によって判定される。
ステップS1において、地震の発生を判定する制御が実行されたら、ステップS2に進み、実際に地震が発生しているか否かが判断される。ここでいう実際に地震が発生しているとは、例えば、震度やマグニチュードが所定値より大きいことや、地震におけるいわゆる主要動(S波)が発生している状態などである。例えば、上述したように、車両Veの前後方向、左右方向および上下方向の加速度の変化を示す波形が地震時特有の変化であると判断されたり、あるいは、車載カメラの画像処理に基づく車両Veの移動量および姿勢と検出部6で検出されたデータとによって地震時特有の変化があると判断されたりした場合などである。例えば、これらに緊急地震速報の受信を含めた三つの判断のうちいずれか、もしくは三つの判断のうち二つ以上が成立したことにより、地震が発生していると判定してもよい。地震が発生していないことにより、ステップS2で否定的に判断された場合には、以降の制御を実行することなく、このフローチャートを一旦終了する。
ステップS2において、地震が発生していることにより肯定的に判断された場合には、ステップS3に進み、運転者による制動操作量Bが制動判定閾値Thbより小さいことを判定する。ステップS3では、上述したようにVSCの作動によって車輪3の合計制動力が低下してしまうようなブレーキペダル2aの操作量であることや、運転者の制動操作が地震により車両を停止あるいは徐行させることを意図したものであることが判定される。そのため、制動判定閾値Thbは、予め定められている車輪3の最大制動力に基づいて定められたり、実験や運転者の嗜好などに基づいて設定されている。
制動操作量Bが制動判定閾値Thbより小さいことにより、ステップS3で肯定的に判断された場合には、ステップS4に進み、運転者によるステアリングホイール4aの操舵判定値Sを算出する。操舵判定値Sは、ステアリングホイール4aの操舵角St、操舵速度Sv、操舵角係数K1および操舵速度係数K2に基づき、下記の式(2)によって算出される。
S=K1×|St|+K2×|Sv| …(2)
操舵判定値Sが算出されたらステップS5に進み、操舵判定値Sが操舵判定閾値Thsより小さいか否かが判断される。操舵判定閾値Thsは、運転者が障害物等を回避しようとしていることを判断できるように設定され、予め実験等によって定められている、あるいは運転者の操舵操作の傾向や癖などのデータに基づいて定められている。
操舵判定値Sが操舵判定閾値Thsより小さいことにより、ステップS5で肯定的に判断された場合には、ステップS6に進み、VSCの作動を判定するためのVSC開始閾値Thを地震判定時閾値Th2に設定する。この地震判定時閾値Th2は、地震が発生していない場合にVSCの作動を判定するための基準閾値Th1より小さい値に設定されている。すなわち、ステップS6では、地震が発生していない場合と比較して、VSCが早期に作動するように設定されている。VSC開始閾値Thを地震判定時閾値Th2に設定したことによりこのフローチャートを一旦終了する。
ステップS3において、制動操作量Bが制動判定閾値Thb以上である、もしくは、ステップS5において、操舵判定値Sが操舵判定閾値Ths以上であることにより、ステップS3もしくはステップS5において否定的に判断された場合には、ステップS7に進む。ステップS7では、VSC開始閾値Thを、VSCの作動を判定する通常の閾値である基準閾値Th1に設定する。この基準閾値Th1は、例えば車両Veの横滑りやオーバーステアによって車両の安定性が低下することを検知できる値になっている。VSC開始閾値Thを基準閾値Th1に設定したことによりこのフローチャートを一旦終了する。
上述した実施形態によれば、地震の発生時には、VSC開始閾値Thを基準閾値Th1より小さい地震判定時閾値Th2に設定するのでVSCの作動が早くなる。地震の発生時には、予期しない揺れによって車両Veの挙動が不安定になるので、VSCを比較的早く作動させることにより車両Veの安定性が低下することを抑制することができる。一方で、運転者によって比較的大きな制動操作や操舵操作が行われている場合には、VSC開始閾値Thを基準閾値Th1に維持する。そのような場合には、運転者が直ちに車両Veを停止や徐行させる、あるいは、障害物等を回避しようとしている可能性があるので、VSCが早期に作動することにより運転者の意図した挙動にならないおそれがある。したがって、そのような場合にはVSC開始閾値Thを基準閾値Th1に維持することにより、車両の回避性能を担保する、あるいは減速度の低下を抑制することができるので、適切にVSCを実行することができる。
次に、この発明の実施形態におけるECU5によって実行される制御の他の例について、図3を用いて説明する。他の例におけるフローチャートでは、運転者による操舵判定値Sが操舵判定閾値Thsより大きい場合に、カーブや交差点に差し掛かったことなどにより運転者が車両Veの進行方向を変更しようとしている場合を考慮している。なお、以下に説明する他の例におけるフローチャートでは、すでに説明したステップと同様のステップについては同一の符号を付してその説明を省略若しくは簡略化して説明する。
図3に示すように、他の例におけるフローチャートでは、図2に示したフローチャートのステップS1~S4と同様の制御が行われる。その後ステップS8に進み、上述した操舵判定値Sが操舵判定閾値Thsより大きいか否かが判断される。ステップS8において、操舵判定値Sが操舵判定閾値Ths以下であることにより否定的に判断された場合には、障害物等を回避する操作ではないと判断する。その場合には、上述したステップS6に進み、地震の揺れによる車両Veの安定性の低下を早期に抑制するために、操舵判定閾値Thsを小さく設定し、このフローチャートを一旦終了する。
反対に、操舵判定値Sが操舵判定閾値Thsより大きい場合には、障害物等を回避する操作がなされていると判断される。その場合には、ステップS8において肯定的に判断されてステップS9に進み、車両Veの実ヨーレートYrが0より小さいか否かを判定する。ステップS9では、車両Veのヨー角が左に向けて変化しているときはヨーレートが正の値に、反対に車両Veのヨー角が右に向けて変化しているときはヨーレートが負の値になるように設定している。検出された車両Veの実ヨーレートYrが0より小さいことにより、車両Veの進行方向が右であった場合には、ステップS9で肯定的に判断され、ステップS10に進む。
ステップS10では、ヨーレートの偏差ΔYrが0より小さいことが判定される。上述したように、ヨーレートの偏差ΔYrは基準ヨーレートYr_stdと実ヨーレートYrとの偏差であるから、その偏差ΔYrが負の値でありステップS10で肯定的に判定された場合には、車両Veのヨー角の右方向への変化量が運転者の操舵操作に応じた変化量になっておらず、運転者の操舵操作を反映できていない。つまり、さらに車両Veの向きを右に変化させる必要があることから、運転者が車両Veの進路を変更しようとしていると判定される。そのような場合には、VSCの作動によって後側の内輪3に制動トルクが付与されることになり、運転者の操舵操作をアシストすることになる。すなわち、VSCの作動を早くすることが好ましいので、ステップS6に進み、VSC開始閾値Thを地震判定時閾値Th2に設定してこのフローチャートを一旦終了する。
反対に、ヨーレートの偏差Δが0以上であり、ステップS10で否定的に判断された場合には、車両Veが運転者の操舵操作に応じたヨー角になっている、もしくは車両Veのヨー角の右方向への変化量が運転者の操舵操作に応じた変化量より大きくなっている(横滑りしている)状態である。つまり、さらに車両Veの向きを右に変化させる必要はなく、また、操舵操作後に直ちに操舵速度Svあるいは操舵角Stの絶対値が小さくなっていることなどから、その操舵操作が障害物等を回避する操作であると判定される。その場合には、ステップS10で否定的に判定されるので、ステップS7に進み、VSC開始閾値Thを基準閾値Th1に設定し、このフローチャートを一旦終了する。すなわち、運転者の意図した回避動作が実行されるように、VSCの作動を早めることなくフローチャートを一旦終了する。
上述したステップS9において、車両Veの実ヨーレートYrが0以上である場合には否定的に判断され、ステップS11に進み、ヨーレートの偏差Δが0以上であることが判定される。ステップS9で否定的に判断された場合には、車両Veの進行方向が左に向けた変化である。そのため、ヨーレートの偏差Δが0以上でありステップS11で肯定的に判定された場合には、車両Veが運転者の操舵操作に応じたヨー角になっている、あるいは車両Veのヨー角の左方向への変化量が運転者の操舵操作に応じた変化量になっておらず、運転者の操舵操作を反映できていない。その場合には、上述したステップS10で肯定的に判断された場合と同様に、早期にVSCを作動させた方が良いので、ステップS6の処理を行いこのフローチャートを一旦終了する。
反対に、ヨーレートの偏差Δが負の値である場合には、操舵操作に対して車両Veのヨー角の左方向への変化量が運転者の操舵操作に応じた変化量より大きくなっている(横滑りしている)状態である。その場合には、運転者が障害物等を回避しようとしていると判定され、ステップS11で否定的に判定される。その場合にはステップS7に進み、VSC開始閾値Thを基準閾値Th1に設定してこのフローチャートを一旦終了する。
上述した他の例における実施形態によれば、地震の発生時に、運転者が比較的大きな操舵操作をした場合であっても、カーブや交差点などを曲がるための操作である場合には、VSC開始閾値Thを地震判定時閾値Th2に設定する。そのような場合には、VSCは、車両Veの後側の内輪3に制動トルクを付与することにより、運転者の意図した動作となるように車両Veのヨー角を変更する、あるいは車両Veを滑らかに旋回させる。そのようなブレーキ制御の場合には、上述したような障害物等を回避する場合と比較して、VSCによる制御が運転者の意図した車両Veの挙動を阻害しにくい。したがって、VSCを早期に開始することにより、地震の揺れによって車両Veの安定性が低下することを抑制することができ、すなわち適切なVSCを実行することができる。
Ve 車両
1 駆動力源
2 ブレーキ装置
2a ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
4a ステアリングホイール
5 ECU(コントローラ)
5b 制動判定部
5c 操舵判定部
5d 地震判定部

Claims (1)

  1. 運転者によってブレーキ操作部を操作することにより車両に制動力を発生させるブレーキ装置と、
    前記運転者によって操作されることにより前記車両の進行方向を調整するステアリングホイールと、を備え、
    ヨーレートの変化量が予め定められた作動閾値より大きい場合に、前記ブレーキ装置を制御して車輪に横滑りが生じることを抑制するスタビリティコントロールを行う車両の制御装置であって、
    前記スタビリティコントロールの実行を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    地震の発生を検出する地震判定部と、
    前記地震の発生時に前記ブレーキ操作部の制動操作量が所定の制動判定閾値より大きいことを判定する制動判定部と、
    前記地震の発生時に前記ステアリングホイールの操舵量に基づく操舵判定値が所定の操舵判定閾値より大きいことを判定する操舵判定部と、を有し、
    前記地震が発生した場合に、前記作動閾値を狭くし、
    前記地震が発生した場合に、前記制動操作量が前記制動判定閾値より大きいこと、および前記操舵判定値が前記操舵判定閾値より大きいことの少なくとも一方が成立した場合には、前記作動閾値を狭くする制御を行わないように構成されている
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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