JP2024035067A - インプリントシステム内のディストーションの補正を備えたナノ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インプリントシステム内のディストーションを補正するナノ製造方法を提供する。【解決手段】基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、基底関数の線形結合によって表される複数の幾何学モード合計として目標面外変位をモデル化する工程と、モデル化された前記目標面外変位に基づいて成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、テンプレートおよび基板のトポグラフィに基づく液滴パターンに第1液滴パターンを併合することによって第2液滴パターンを生成する工程と、第2液滴パターンに従って基板上に成形可能材料の液滴を供給する工程と、供給された液滴にテンプレートを接触させて膜を形成する工程と、を含む。複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正される。各固有の所定補正係数は、面内ディストーションの解析的に決定された量と面内ディストーションの経験的に決定された量との間の関係を表す。【選択図】図4

Description

本開示は、ナノ製造方法に関し、特に、インプリントシステム内のディストーションを補正するナノ製造方法に関する。
ナノ製造は、100ナノメートル以下のオーダーのフィーチャを有する非常に小さな構造の製造を含む。ナノ製造が大きな影響を与えてきた1つの用途は、集積回路の製造である。半導体プロセス産業は、基板上に形成される単位面積当たりの回路を増加させながら、より大きな生産歩留まりを追求し続けている。ナノ製造の改善は、より大きなプロセス制御を提供すること、および/またはスループットを改善することを含み、同時に、形成される構造の最小フィーチャ寸法の継続的な縮小をも可能にする。
今日使用されている1つのナノ製造技術は、一般的に、ナノインプリント・リソグラフィと呼ばれている。ナノインプリント・リソグラフィは、例えば、基板上に膜(フィルム)を成形することによって集積デバイスの1以上の層(レイヤ)を製造することを含む様々な用途において有用である。集積デバイスの例は、CMOSロジック、マイクロプロセッサ、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、DRAMメモリ、MRAM、3Dクロスポイントメモリ、Re-RAM、Fe-RAM、STT-RAM、MEMS、光学部品などを含むが、これらに限定されない。例示的なナノインプリント・リソグラフィ・システムおよびプロセスは、米国特許第8,349,241号、米国特許第8,066,930号、および米国特許第6,936,194号などの多数の刊行物に詳細に記載されており、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
上記の各特許に開示されたナノインプリント・リソグラフィ技術は、成形可能材料の(重合可能な)層にレリーフパターンを形成することによって基板上に膜を成形することを記載している。そして、この膜の形状は、レリーフパターンに対応するパターンを下地の基板の中および/または上に転写するために使用されうる。
パターニングプロセスは、基板から離間されたテンプレートを使用し、成形可能材料は、テンプレートと基板との間に適用される。テンプレートは、成形可能材料と接触し、成形可能材料を拡げてテンプレートと基板との間の空間を充填させる。成形可能な液体は、固化されて、成形可能な液体と接触するテンプレートの表面の形状に一致する形状(パターン)を有する膜を形成する。固化後、テンプレートは、テンプレートと基板とが離間するように固化層から分離される。
次いで、基板および固化層は、固化層および/または固化層の下にあるパターン化層の一方または両方のパターンに対応する像を基板に転写するために、エッチングプロセスなどの追加のプロセスを受けることがある。パターン化された基板は、例えば、硬化、酸化、層形成、堆積、ドーピング、平坦化、エッチング、成形可能材料の除去、ダイシング、ボンディング、およびパッケージングなどを含む、デバイス(物品)製造のための既知のステップおよびプロセスを更に受けることがある。
米国特許第9,993,962号は、インプリントシステム内のディストーション(歪み)を補正してオーバーレイを改善するためのインプリントに関する方法を開示している。‘962号特許に開示されている方法は、インプリントプロセス中に供給された修正液滴パターンを使用して補正を実行する。しかしながら、‘962号特許に開示されている方法によって達成されるオーバーレイ補正には改善の余地がある。
ナノ製造方法は、基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、前記第2液滴パターンに従って前記基板上に前記成形可能材料の液滴を供給する工程と、供給された前記液滴に前記テンプレートを接触させて膜を形成する工程と、を含み、前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、間の関係を表す。
ナノ製造システムは、テンプレートを保持する第1チャックと、基板を保持する第2チャックと、プロセッサと、第2液滴パターンに従って前記基板上に成形可能材料を供給する流体ディスペンサと、前記成形可能材料に前記テンプレートを接触させる位置決めシステムと、硬化した前記成形可能材料を前記基板上に形成するように、前記テンプレートの下の前記成形可能材料を硬化させる硬化システムと、を備え、前記プロセッサは、前記基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、前記テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって前記第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、を実行し、前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、の間の関係を表す。
物品の作製方法は、基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、前記第2液滴パターンに従って前記基板上に前記成形可能材料の液滴を供給する工程と、供給された前記液滴に前記テンプレートを接触させ、それにより、前記基板上に供給された前記液滴のパターンを形成する工程と、形成された前記パターンまたはレイヤを処理して物品を作製する工程と、を含み、前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、の間の関係を表す。
本開示のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面および提供される特許請求の範囲と併せて、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるのであろう。
本開示の特徴および利点が詳細に理解されうるように、本開示の実施形態のより具体的な説明は、添付の図面に示される実施形態を参照することによってなされうる。但し、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を示しているだけであり、したがって、本開示が他の同等に有効な実施形態を認めるために、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
図1は、例示的な実施形態における例示的なナノインプリント・リソグラフィ・システムの図である。
図2は、例示的な実施形態における例示的なテンプレートの図である。
図3は、例示的な実施形態における例示的なナノ製造方法を示すフローチャートである。
図4は、例示的な実施形態における例示的なナノ製造方法を示すフローチャートである。
図5は、例示的な実施形態における、オーバーレイ計測システムを使用して基板について得られたオーバーレイ偏差計測結果の視覚的表現を示すチャートである。
図6は、例示的な実施形態における、成形可能材料と接触しているテンプレートのメサの概略断面図を示す。
図7は、例示的な実施形態における、成形可能材料と接触しているテンプレートのメサの概略断面図を示す。
図8A~8Fは、例示的な実施形態における様々な幾何学モードの三次元グラフを示す。
図9A~9Fは、様々な幾何学モードから生成された様々なモードの液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。
図10A~10Iは、様々な幾何学モードから生成された様々なモードの液滴パターンについて解析的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示す。
図11は、例示的な実施形態における、x軸上の幾何学モードおよびy軸上の補正係数を示すチャートを示す。
図12A~12Cは、例示的な実施形態におけるインプリントプロセスの概略断面図を示す。
図面全体を通して、同じ参照符号および文字は、別段の記載がない限り、図示された実施形態の同様の特徴、要素、構成要素または部分を示すために使用される。さらに、本開示は、図面を参照して詳細に説明されるが、説明に役立つ例示的な実施形態に関連して行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される主題の開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく、記載された例示的な実施形態に対して変更および修正を行うことができることが意図される。
この開示を通して、主に、ナノインプリント・リソグラフィが参照され、ナノインプリント・リソグラフィは、上述のパターン化されたテンプレートを使用して成形可能な液体にパターンを付与するナノインプリント・リソグラフィについて言及する。但し、後述するように、代替の実施形態では、テンプレートはフィーチャレスであり、この場合、平坦な表面が基板上に形成されうる。平坦な表面が形成されるこのような実施形態では、形成プロセスは平坦化と呼ばれる。したがって、この開示を通して、ナノインプリント・リソグラフィが言及されるたびに、同一の方法が平坦化に適用可能であることを理解されるべきである。スーパーストレートという用語は、テンプレートがフィーチャレスである場合に、テンプレートという用語の代わりに使用される。
上述のように、公知の液滴パターン補正方法(‘962特許に記載されている)は、オーバーレイを改善するためにインプリントシステム内のディストーションを補正する。しかしながら、‘962特許に記載されている方法よりもオーバーレイを改善するために、インプリントシステム内のディストーションをより良好に補正するナノ製造方法が望まれる。
ナノ製造システム(成形システム)
図1は、実施形態が実装されうるナノインプリント・リソグラフィ・システム100の図である。ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、基板102上に膜(フィルム)を成形するために使用される。基板102は、基板チャック104に結合されうる。基板チャック104は、真空チャック、ピン型チャック、溝型チャック、静電チャック、電磁チャックなどであってもよいが、これらに限定されない。
基板102および基板チャック104は、基板位置決めステージ106によってさらに支持されうる。基板位置決めステージ106は、x、y、z、θ、およびφ軸の1以上に沿って並進運動および/または回転運動を提供することができる。基板位置決めステージ106、基板102、および基板チャック104は、ベース(不図示)上に位置決めされてもよい。基板位置決めステージは、位置決めシステムの一部でありうる。
基板102から離間しているのがテンプレート108である。テンプレート108は、テンプレート108のフロントサイド(前面)上で基板102に向かって延びるメサ(モールドとも呼ばれる)110を有する本体を含みうる。メサ110は、その上に、テンプレート108のフロントサイドにもパターニング面112を有しうる。あるいは、テンプレート108は、メサ110なしで形成されてもよく、その場合、基板102に対面するテンプレートの表面はモールド110に相当し、パターニング面112は、基板102に対面するテンプレート108の表面である。
テンプレート108は、限定されるものではないが、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボンポリマー、金属、硬化サファイアなどを含む、そのような材料から形成されうる。パターニング面112は、複数の離間したテンプレート凹部(リセス)114および/またはテンプレート凸部(突起)116によって画定されるフィーチャを有しうる。パターニング面112は、基板102上に形成されるパターンの基礎を形成するパターンを画定する。代替の実施形態では、パターニング面112はフィーチャレスであり、この場合、平坦な表面が基板上に形成される。代替の実施形態では、パターニング面112は、フィーチャレス且つ基板と同じサイズであり、平坦な表面が基板全体にわたって形成される。平坦な表面が形成されるこのような実施形態では、形成プロセスは、代替的に平坦化と呼ばれることがあり、フィーチャレスのテンプレートは、代替的にスーパーストレートと呼ばれることがある。
テンプレート108は、テンプレートチャック118に結合されうる。テンプレートチャック118は、真空チャック、ピン型チャック、溝型チャック、静電チャック、電磁チャック、および/または他の同様のチャック型であってもよいが、これらに限定されない。テンプレートチャック118は、テンプレート108にわたって変化する応力、圧力、および/または歪みをテンプレート108に印加するように構成されうる。テンプレートチャック118は、テンプレート108の異なる部分を圧迫および/または引張することができる圧電アクチュエータを含みうる。テンプレートチャック118は、ゾーンベースの真空チャック、アクチュエータアレイ、圧力ブラダなどのシステムを含んでもよく、このシステムは、テンプレートを曲げて変形させる圧力差をテンプレートの背面に印加することができる。
テンプレートチャック118は、位置決めシステムの一部であるインプリントヘッド120に結合されうる。インプリントヘッドは、ブリッジに移動可能に結合されうる。インプリントヘッドは、ボイスコイルモータ、圧電モータ、リニアモータ、ナットおよびねじモータなどの1以上のアクチュエータを含むことができ、これらのアクチュエータは、少なくともz軸方向、および潜在的に他の方向(例えば、x、y、θ、ψ、およびφ軸)において基板に対してテンプレートチャック118を移動させるように構成される。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、流体ディスペンサ122を更に備えうる。流体ディスペンサ122はまた、ブリッジに移動可能に結合されうる。一実施形態では、流体ディスペンサ122およびインプリントヘッド120は、1以上または全ての位置決め構成要素を共有する。代替の実施形態では、流体ディスペンサ122およびインプリントヘッド120は、互いに独立して移動する。流体ディスペンサ122は、液状の成形可能材料124(例えば、重合可能材料)をパターンで基板102上に堆積させるために使用されうる。追加の成形可能材料124はまた、成形可能材料124が基板102上に堆積される前に、ドロップディスペンス、スピンコーティング、ディップコーティング、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜堆積、厚膜堆積などの技法を使用して、基板102に追加されてもよい。成形可能材料124は、設計上の考慮事項に応じて、モールド112と基板102との間に所望の体積が画定される前および/または後に、基板102上に供給(ディスペンス、分配)されてもよい。成形可能材料124は、両方とも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,157,036号および米国特許第8,076,386号に記載されているようなモノマーを含む混合物を含むことができる。
異なる流体ディスペンサ122は、成形可能材料124を供給するために異なる技術を使用することができる。成形可能材料124が噴射可能である場合、インクジェット型のディスペンサが、成形可能材料を供給するために使用されうる。例えば、熱インクジェット、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ベースのインクジェット、バルブジェット、および圧電インクジェットは、噴射可能な液体を供給するための一般的な技術である。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、露光経路128に沿って化学エネルギを導く放射源126を更に備えうる。インプリントヘッドおよび基板位置決めステージ106は、テンプレート108および基板102を露光経路128と重ね合わせて位置決めするように構成されうる。放射源126は、テンプレート108が成形可能材料128と接触した後、露光経路128に沿って化学エネルギを送る。図1は、テンプレート108が成形可能材料124と接触していないときの露光経路128を示しており、これは、個々の構成要素の相対位置を容易に識別することができるように説明の目的で行われている。当業者であれば、テンプレート108が成形可能材料124と接触したときに露光経路128が実質的に変化しないことを理解するであろう。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、テンプレート108が成形可能材料124と接触した後に成形可能材料124の拡がりを見るように配置されたフィールドカメラ136を更に備えうる。図1は、フィールドカメラの撮像フィールドの光軸を破線として示している。図1に示されるように、ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、フィールドカメラによって検出される光に化学線を組み合わせる1以上の光学部品(ダイクロイックミラー、ビームコンバイナ、プリズム、レンズ、ミラーなど)を含みうる。フィールドカメラ136は、テンプレート108の下の成形可能材料の拡がりを検出するように構成されうる。図1に示されるフィールドカメラ136の光軸は直線状であるが、1以上の光学部品によって曲げられてもよい。フィールドカメラ136は、成形可能材料と接触しているテンプレート108の下の領域と、成形可能材料124と接触していないテンプレート108の下の領域との間のコントラストを示す波長を有する光を収集するように構成された、CCD、センサアレイ、ラインカメラ、および光検出器のうち1以上を含みうる。フィールドカメラ136は、可視光の単色画像を収集するように構成されてもよい。フィールドカメラ136は、テンプレート108の下の成形可能材料124の拡がりの画像、硬化した成形可能材料からのテンプレート108の分離の画像を提供するように構成することができ、インプリントプロセスの進行を追跡するために使用することができる。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、フィールドカメラ136とは別個の液滴検査システム138を更に備えうる。液滴検査システム138は、CCD、カメラ、ラインカメラ、および光検出器のうち1以上を含みうる。液滴検査システム138は、レンズ、ミラー、アパーチャ、フィルタ、プリズム、偏光子、ウィンドウ、適応光学系、および/または光源などの1以上の光学部品を含みうる。液滴検査システム138は、パターニング面112が基板102上の成形可能材料124に接触する前に液滴を検査するように配置されうる。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、テンプレート108および基板102の一方または両方に熱放射の空間分布を提供するように構成されうる熱放射源134を更に備えうる。熱放射源134は、基板102およびテンプレート108の一方または両方を加熱して成形可能材料124を固化させない1以上の熱電磁放射源を含んでもよい。熱放射源134は、熱放射の空間的時間分布を変調するために、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、液晶シリコン(LCoS)、液晶デバイス(LCD)などの空間光変調器を含むことができる。ナノインプリント・リソグラフィ・システムは、テンプレート108が基板102上の成形可能材料124と接触したときにインプリントフィールド(インプリント領域)と交差する単一の光路上に、化学線、熱放射、およびフィールドカメラ136によって収集された放射を組み合わせるために使用される1以上の光学部品を更に備えてもよい。熱放射源134は、テンプレート108が成形可能材料124と接触した後、熱放射経路(図1では2つの太い暗線として示されている)に沿って熱放射を送ることができる。図1は、テンプレート108が成形可能材料124と接触していないときの熱放射経路を示しており、これは、個々の構成要素の相対位置を容易に識別することができるように説明の目的で行われている。当業者であれば、テンプレート108が成形可能材料124と接触したときに、熱放射経路が実質的に変化しないことを理解するであろう。図1では、熱放射経路は、テンプレート108で終端するように示されているが、基板102で終端することもできる。代替の実施形態では、熱放射源134は基板102の下にあり、熱放射経路は化学線および可視光と組み合わされない。
成形可能材料124が基板上に供給される前に、基板コーティング132が基板102に塗布されてもよい。一実施形態では、基板コーティング132は接着層でありうる。一実施形態では、基板コーティング132は、基板が基板チャック104上に搬入(ロード)される前に基板102に塗布されてもよい。代替の実施形態では、基板コーティング132は、基板102が基板チャック104上にある間に基板102に塗布されてもよい。一実施形態では、基板コーティング132は、スピンコーティング、ディップコーティングなどによって塗布されうる。一実施形態では、基板102は半導体ウェハでありうる。別の実施形態では、基板102は、インプリントされた後にドーターテンプレート(娘テンプレート)を作成するために使用されうるブランクテンプレート(レプリカブランク)であってもよい。
ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、基板チャック104、基板位置決めステージ106、テンプレートチャック118、インプリントヘッド120、流体ディスペンサ122、放射源126、熱放射源134、フィールドカメラ136、および/または液滴検査システム138などの1以上の構成要素および/またはサブシステムと通信する1以上のプロセッサ140(コントローラ)によって調整、制御、および/または指向されうる。プロセッサ140は、非一時的コンピュータ可読メモリ142に記憶されたコンピュータ可読プログラム内の命令に基づいて動作しうる。プロセッサ140は、CPU、MPU、GPU、ASIC、FPGA、DSP、および汎用コンピュータのうちの1以上でありうるか、またはそれらを含みうる。プロセッサ140は、専用コントローラであってもよいし、またはコントローラであるように適合された汎用コンピューティングデバイスであってもよい。非一時的コンピュータ可読メモリの例は、RAM、ROM、CD、DVD、Blu-Ray、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、イントラネット接続非一時的コンピュータ可読ストレージデバイス、およびインターネット接続非一時的コンピュータ可読記憶デバイスを含むが、これらに限定されない。
インプリントヘッド120、基板位置決めステージ106のいずれか、または両方は、成形可能材料124で充填される所望の空間(三次元における境界のある物理的範囲)を画定するために、モールド110と基板102との間の距離を変化させる。例えば、インプリントヘッド120は、モールド110が成形可能材料124と接触するように、テンプレート108に力を加えてもよい。所望の体積が成形可能材料124で充填された後、放射源126は、成形可能材料124を硬化、固化、および/または架橋(クロスリンク)させる化学線(例えば、UV、248nm、280nm、350nm、365nm、395nm、400nm、405nm、435nmなど)を生成し、基板表面130およびパターニング面112の形状に適合し、基板102上にパターン化層を画定する。成形可能材料124は、テンプレート108が成形可能材料124と接触している間に硬化され、基板102上にパターン化層を形成する。つまり、ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、インプリントプロセスを使用して、パターニング面112のパターンの反転である凹部および凸部を有するパターン化層を形成する。代替の実施形態では、ナノインプリント・リソグラフィ・システム100は、インプリントプロセスを使用して、フィーチャレスのパターニング面112で平面層を形成する。
インプリントプロセスは、基板表面130にわたって広がる複数のインプリントフィールドで繰り返し行われうる。インプリントフィールドの各々は、メサ110と同じサイズであってもよいし、またはメサ110のパターン領域のみと同じサイズであってもよい。メサ110のパターン領域は、デバイスのフィーチャであるパターン、或いは、デバイスのフィーチャを形成するための後続のプロセスで使用されるパターンを基板102上にインプリントするために使用されるパターニング面112の領域である。メサ110のパターン領域は、はみ出し物を防止するために使用される質量速度変動フィーチャを含んでもよいし、含まなくてもよい。代替の実施形態では、基板102は、基板102またはメサ110でパターン化される基板102の領域と同じサイズである1つのインプリントフィールドのみを有する。代替の実施形態では、インプリントフィールド同士が重なり合っている。インプリントフィールドのいくつかは、基板102の境界と交差する部分インプリントフィールドであってもよい。
パターン化層は、各インプリントフィールドにおいて基板表面130とパターニング面112との間の成形可能材料124の最小厚さである残膜厚(RLT)を有する残留層を有するように形成されうる。パターン化層は、厚さを有する残留層の上に延在する突起などの1以上のフィーチャも含みうる。これらの突起は、メサ110の凹部114と一致する。
テンプレート/スーパーストレート
図2は、一実施形態で使用されうるテンプレート108の図である。パターニング面112は、メサ110(図2の破線のボックスによって識別される)上にあってもよい。メサ110は、テンプレートのフロントサイドの凹面244によって囲まれている。メサ側壁246は、凹面244をメサ110のパターニング面112に接続する。メサ側壁246は、メサ110を取り囲む。メサが丸いか、または丸い角を有する実施形態では、メサ側壁246は、角のない連続的な壁である単一のメサ側壁を指す。
別の実施形態では、本明細書でスーパーストレートと呼ばれる代替テンプレートが使用されうる。スーパーストレートの場合、パターニング面112はフィーチャレスである。即ち、一実施形態では、表面112上にパターンが存在しない。パターンのないスーパーストレートは、平坦化プロセスにおいて使用される。このため、平坦化プロセスを行う際には、図1に示すテンプレートの代わりにスーパーストレートが使用される。
インプリント/平坦化プロセス
図3は、1以上のインプリントフィールド(パターン領域またはショット領域とも呼ばれる)上の成形可能材料124にパターンを形成するために使用することができる、ナノインプリント・リソグラフィ・システム100によるインプリントプロセス300のフローチャートである。インプリントプロセス300は、ナノインプリント・リソグラフィ・システム100によって複数の基板102上で繰り返し実行されうる。プロセッサ140は、インプリントプロセス300を制御するために使用されうる。
代替の実施形態では、基板102を平坦化するために同様のプロセスが実行されうる。平坦化の場合、テンプレートの代わりにパターンレスのスーパーストレートが使用されることを除いて、図3に関して本明細書で論じられる実質的に同じステップが実行される。したがって、以下の説明は、平坦化方法にも適用可能であることが理解されるべきである。スーパーストレートとして使用する場合、スーパーストレートは、基板102と同じサイズであってもよいし、または、基板102よりも大きいサイズであってもよい。
インプリントプロセス300の開始は、テンプレート搬送機構にテンプレート108をテンプレートチャック118上に搭載させるテンプレート搭載ステップを含みうる。インプリントプロセスはまた、基板搭載ステップを含んでもよく、プロセッサ140は、基板搬送機構に基板102を基板チャック104上に搭載させてもよい。基板は、1以上のコーティングおよび/または構造を有していてもよい。テンプレート108および基板102がナノインプリント・リソグラフィ・システム100上に搭載される順序は特に限定されず、テンプレート108および基板102は順次搭載されてもよいし、同時に搭載されてもよい。
位置決めステップで、プロセッサ140は、基板位置決めステージ106および/またはディスペンサ位置決めステージの一方または両方に、基板102のインプリントフィールドi(インデックスiは最初に1に設定されうる)を、流体ディスペンサ122の下の流体ディスペンサ位置に移動させうる。基板102は、N個のインプリントフィールドに分割されてもよく、各インプリントフィールドは、インデックスiによって識別される。ここで、Nは、1、10、75などの実数整数である。
供給ステップS302で、プロセッサ140は、流体ディスペンサ122に、成形可能材料をインプリントフィールドi上に供給(ディスペンス、分配)させうる。一実施形態では、流体ディスペンサ122は、成形可能材料124を複数の液滴として供給する。流体ディスペンサ122は、1つのノズルまたは複数のノズルを含むことができる。流体ディスペンサ122は、1以上のノズルから成形可能材料124を同時に吐出することができる。インプリントフィールドiは、流体ディスペンサが成形可能材料124を吐出している間に、流体ディスペンサ122に対して移動されうる。したがって、液滴の一部が基板上に着弾する時間は、インプリントフィールドiにわたって変化しうる。一実施形態では、供給ステップS302の間、成形可能材料124は、液滴(drop)パターンに従って基板上に供給されうる。液滴パターンは、成形可能材料の液滴を配置(堆積)する位置、成形可能材料の液滴の体積、成形可能材料の種類、成形可能材料の液滴の形状パラメータなどのうち1以上の情報を含みうる。
液滴が供給された後、接触ステップS304が開始され、プロセッサ140は、基板位置決めステージ106およびテンプレート位置決めステージの一方または両方に、テンプレート108のパターニング面112をインプリントフィールドiの成形可能材料124と接触させうる。
次に、拡張ステップS306の間、成形可能材料124は、インプリントフィールドiのエッジおよびメサ側壁246に向かって拡がる。インプリントフィールドのエッジは、メサ側壁246によって画定されうる。成形可能材料124がどのように拡がってメサを充填するかは、フィールドカメラ136を介して観察することができ、成形可能材料の流体フロントの進行を追跡するために使用することができる。
硬化ステップS308で、プロセッサ140は、テンプレート108、メサ110、およびパターニング面112を通して化学線の硬化照明パターンを送るための命令を放射線源126に送信しうる。硬化照明パターンは、パターニング面112の下の成形可能材料124を硬化(重合)するのに十分なエネルギを提供する。
分離ステップS310で、プロセッサ140は、基板チャック104、基板位置決めステージ106、テンプレートチャック118、およびインプリントヘッド120のうちの1以上を使用して、基板102上の硬化した成形可能材料からテンプレート108のパターニング面112を分離する。
インプリントすべき追加のインプリントフィールドがある場合、プロセスはステップS302に戻る。一実施形態では、製造物品(例えば、半導体デバイスまたは光学部品)を作製するように、処理ステップS312において追加の処理が基板102に行われる。一実施形態では、各インプリントフィールドは、複数のデバイスを含む。
処理ステップS312における更なる処理は、パターン化層のパターンまたはそのパターンの反転に対応するレリーフ像を基板に転写するためのエッチング処理を含むことができる。処理ステップS312における更なる処理はまた、例えば、硬化、酸化、層形成、堆積、ドーピング、平坦化、エッチング、成形可能材料の除去、ダイシング、ボンディング、およびパッケージングなどを含む、物品製造のための既知のステップおよびプロセスを含みうる。基板102は、複数の物品(デバイス)を製造するために処理されてもよい。
上述のように、インプリントシステム100は、考慮されない限り、オーバーレイに悪影響を及ぼすシステム内のディストーション(歪み)を有することがある。オーバーレイは、1つのパターン層と第2のパターン層とのレジストレーション(registration)またはアライメント(alignment)であり、最終的な製造物品(例えば、電子デバイス)が正しく機能するために重要である。例えば、チャックにおける平坦度または平面度の偏差(deviation)は、基板をチャックに一致させる際に、基板に面内ディストーションを引き起こす可能性がある。チャックが理想的な平坦であっても、基板がチャックされると、面内ディストーションを同様にもたらす平坦度の偏差がウェハ自体に存在しうる。インプリントテンプレートが非平坦な基板に一致する場合には、更なるディストーションが導入され、同様に、テンプレートに面内ディストーションを引き起こす。これらのディストーションは、全て、オーバーレイ精度に影響を及ぼす。米国特許第9,993,962号(以下、‘962号特許)は、これらのディストーションを補償するインプリントプロセスを開示しており、参照により本明細書に組み込まれる。‘962号特許は、インプリントプロセス中に供給される特定の液滴パターンを生成する方法を開示している。一実施形態では、そこで開示されている方法が、ディストーションに少なくとも部分的に基づいて、成形可能材料のための供給パターンを決定することを含み、供給パターンは、成形可能材料が、第1領域内に第1面密度で、および、第2領域内に第2面密度で供給されるように実行され、ディストーションは、テンプレートが第1領域内の成形可能材料に接触するときに、少なくとも1つの凸部と基板の主表面が更に離れることを示し、ディストーションは、テンプレートが第2領域内の成形可能材料に接触するときに、少なくとも1つの凸部と基板の主表面が互いにより近づくことを示し、第1の面密度は第2の面密度よりも大きい。
‘962号特許で説明されるように、本方法は、インプリントシステム内のディストーションを定量化することを含みうる。ディストーションを定量化することは、インプリント装置内の構成要素の表面に沿った平面度の偏差を決定することを含みうる。平面度の偏差は、チャック領域の主表面、基板の主表面、モールドの主表面、またはそれらの任意の組合せに沿った平坦度として計測されうる。平坦度は、基板チャックのチャック領域上に基板があるときに、基板の主表面に沿って計測される。平坦度は、基板の全体または略全体(例えば、全てのインプリントフィールド)、単一のインプリントフィールド、インプリントフィールドの選択された組み合わせ(例えば、特定のインプリントフィールドおよびすぐ隣のインプリントフィールド)などについて計測されうる。エレベーション(elevation)が低い領域では、高い面密度の成形可能材料が供給され、エレベーションが高い領域では、低い面密度の成形可能材料が供給される。
‘962号特許で説明されているように、別のディストーションは、倍率または直交性ディストーションでありうる。基板に予め形成されたパターンは、テンプレートのモールドと比較して小さすぎるか、または大きすぎる場合がある。このような倍率ディストーションは、基板に予め形成されたパターンの外形寸法をモールドの外形寸法と比較することによって定量化されうる。予め形成されたパターンがテンプレートのモールドに対して小さすぎる場合、モールドに凹面をもたらすように、インプリントフィールドの周縁部と比較して中央部付近に高密度の成形可能材料を供給することができ、これは、成形可能材料内にプリントされるフィールドのサイズを減少させる。予め形成されたパターンがテンプレートのモールドに対して大きすぎる場合、モールドに凸面をもたらすように、インプリントフィールドの中心部と比較して周縁部付近に高密度の成形可能材料を供給することができ、これは、成形可能材料内にプリントされるフィールドのサイズを増加させる。同様のアプローチは、スキューおよび台形ディストーションなどの直交性ディストーションを補正するために行うことができる。
‘962号特許で説明されているように、本方法は、成形可能材料の供給パターンを決定することを更に含みうる。モールドのパターン、システム内のディストーション、および潜在的に他の情報に関する情報は、外部ソース(例えば、集積回路レイアウトファイル、GDSIIファイル、またはOASISファイルが不図示の外部メモリ内にある)、露光中の状態情報(温度、湿度、エネルギ源、露光中の面エネルギ密度など)、または成形可能材料のパターニングに影響を及ぼしうる他の適切な情報から、メモリ、計測ツール(例えば、干渉計、プロフィロメータなど)からプロセッサによって受信される。
インプリントシステムのディストーションを考慮するように液滴パターンを生成するための更なる詳細は、‘962号特許に見出すことができる。
ナノ製造方法
図4は、例示的な実施形態における例示的なナノ製造方法400を示すフローチャートである。ナノ製造方法は、基板102の面内ディストーションに関する情報が受信されるステップS402から開始する。図4に示される例示的な方法400では、面内ディストーション情報が既に決定されており、ステップS402において受信されている。しかしながら、別の例示的な実施形態では、ナノ製造方法は、面内ディストーションに関する情報を受信する前に、基板102の面内ディストーションに関する情報を決定するステップを含んでもよい。基板の面内ディストーションを決定することは、「インプリントシステム内のディストーションを定量化すること」の一例である。
基板の面内ディストーションを決定する1つの例示的な方法は、KLA-Tencor Corporationによって製造されるオーバーレイ計測システムなどのオーバーレイ計測システムを使用することを含みうる。既知のオーバーレイ計測システムは、ArcherTM 200、ArcherTM300、ArcherTM 500、ArcherTM600、ArcherTM 700、およびArcherTM750が含まれる。オーバーレイ偏差を定量化するためのオーバーレイ計測システムの使用は、当技術分野で知られている。基板における偏差を解析するために使用される場合、オーバーレイ計測システムは、基準位置と実際の計測位置との間の偏差を示す複数のデータ点を提供する。計測された各データ点は、対応する基準位置に対する特定の実際の位置について、X次元の偏差量およびY次元の偏差量を含む。例えば、実際の点と対応する基準点との間の偏差の計測は、完全フィールド(full field)ごとに100~1500個の異なる位置に対して実行され、部分フィールド(partial field)ごとに50~1000個の異なる位置に対して実行されうる。一実施形態では、完全フィールドについての計測の数は125~150であり、部分フィールドについての計測の数は70~130でありうる。一実施形態では、完全フィールドについての計測の数は143である。当該計測は、基板全体に及ぶ全ての完全フィールドおよび部分フィールドに対して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーレイ計測は、いくつかの部分フィールド(例えば、トータルの部分フィールドのうち10~20%以下)に対して実行されない。
図5は、オーバーレイ計測システムを用いて基板について得られた全てのオーバーレイ偏差計測結果の視覚的表現を示すチャートである。各オーバーレイ偏差計測結果は、X次元要素およびY次元要素を含むため、特定の点に対するオーバーレイ偏差の量は、X-Y平面内の大きさおよび方向を有するベクトルによって表すことができる。図5は、複数の完全フィールド502および複数の部分フィールド504を示す。完全フィールド502および部分フィールド504の個数は、テンプレートのパターニング部分のサイズおよび基板のサイズに依存する。例えば、基板が100~450mmの直径を有し、テンプレートのメサ110が1~225mmの長さLおよび1~225mmの高さHを有する場合、トータルで1~数千の完全フィールド502と1~数千のトータルの部分フィールド504とが存在する。図5には、各完全フィールドおよび各部分フィールドにおける各計測位置でのオーバーレイ偏差がベクトル506として示されている。したがって、各完全フィールドについて計測された143点のオーバーレイ偏差を有する例示的な実施形態では、各完全フィールド502について143個のベクトルが示されている。部分フィールドについては、オーバーレイ偏差の点の数は、部分フィールドが基板上にどれだけあるかに応じて異なる。したがって、図5に示されるように、オーバーレイ偏差の量を表すベクトルの数は、基板上により多くの面積を有する部分フィールドでより大きくなる。また、図5に示されるように、基板上に非常に少ない面積を有する部分フィールド(例えば、部分フィールドの面積の25%以下が基板上にある場合)については、記録されたオーバーレイ計測はなく、したがって、それらの部分フィールド上に現れるベクトルはない。要約すると、図5は、基板102全体についてオーバーレイ計測システムを使用して計測されたオーバーレイ偏差の視覚的表現を提供する。
上述のように、図5に示される各ベクトル506の基礎となるデータは、オーバーレイ計測システムによって計測されたX次元の偏差量、即ちΔx、およびY次元の偏差量、即ちΔyである。1つの特定の基板について計測されたオーバーレイ偏差が図5に示されているが、複数の基板、例えば2~100枚の基板についてのオーバーレイ偏差が計測されうる。基礎となるデータは、1つの基板および/または複数の基板にわたる完全フィールドの計測点の全ての平均偏差を表すデータ点のセットを得るために、1つの基板の完全フィールドの全てにわたって平均化されるか、または、全ての基板の完全フィールドの全てにわたって平均化されうる。部分フィールドについて計測されたオーバーレイ偏差は、上述のようにデータ点の数が各部分フィールドで異なるため、同じ基板内における他の部分フィールドにわたって平均化することができない。しかしながら、複数の基板にわたって計測されたオーバーレイ偏差を平均化する場合、複数の基板にわたって対応する部分フィールドを平均化することができる(例えば、最後の列の最後の行に現れる部分フィールド508は、他の全ての基板の最後の行および最後の列に位置する対応する部分フィールドと平均化することができる)。
計測されたオーバーレイ偏差データ点ごとに得られた平均Δx値および平均Δy値は、基板の面内ディストーションに関する情報とみなされうる。即ち、一つの例示的な実施形態では、基板の面内ディストーションに関する情報を受信するステップS402は、計測されたオーバーレイ偏差データ点ごとの平均Δx値および平均Δy値を受信する。計測されたオーバーレイ偏差データ点ごとの平均Δx値および平均Δy値によって表されるディストーションは、X-Y平面内で生じるので、「面内」ディストーションとみなされる。上述のように、計測されたオーバーレイ偏差データ点ごとに平均Δx値および平均Δy値を実際に決定するステップは、一実施形態では全体的なナノ製造方法の一部と見なすこともできる。別の実施形態では、計測されたオーバーレイ偏差データ点ごとの個々のΔx値およびΔy値(即ち、平均化なし)は、面内ディストーションに関する情報とみなされうる。平均化されたデータを使用しない場合、本明細書に記載された方法は、個々のフィールドごとに繰り返される。同様に、部分フィールドは、必ずしも1つの基板内で平均化されるとは限らないため、面内ディストーションに関する情報が部分フィールドに関するものである場合、本明細書に記載された方法は、単一の基板に適用されるのであれば、個々の部分フィールドごとに実行される。別の実施形態では、オーバーレイデータが複数の基板から取得されている場合、複数の基板にわたる対応する部分フィールドの面内ディストーションに関する情報が平均化されうる。要約すると、ステップS402で得られるデータは、1)完全フィールドの平均Δx値および平均Δy値の計測されたオーバーレイ偏差、ここで、データセットは、1つの基板における全ての完全フィールドの平均である、2)完全フィールドの平均Δx値および平均Δy値に関して計測されたオーバーレイ偏差、ここで、データセットは、多くの基板における全ての完全フィールドの平均である、3)部分フィールドの平均Δx値および平均Δy値に関して計測されたオーバーレイ偏差、ここで、データセットは、多くの基板における対応する部分フィールドの平均である(但し、同じ基板内の部分フィールドのデータの平均ではない)、4)Δx値およびΔy値に関して計測されたオーバーレイ偏差、ここで、データセットは、平均化を行わない個々の完全フィールドごとのものである、5)平均することなく、個々の部分フィールドごとにΔx値およびΔy値に関して計測されたオーバーレイ偏差、のうちのいずれか1つまたは組合せでありうる。代替の実施形態では、個々のフィールド(完全および部分)ごとの複数の位置におけるオーバーレイ偏差データ点のセットは、フィールドごとの複数の位置における平均化されたオーバーレイ偏差データ点のセットを生成するために複数の基板にわたって平均化され、これは、基板チャックによって誘発されうるものなどのインプリントフィールドの位置に起因するオーバーレイ誤差を記述するために使用されうる。
次いで、本方法は、ステップS404に進み、テンプレート102のメサ110の目標面外変位が、ステップS402から面内ディストーションに関して受信された情報に基づいてモデル化される。テンプレートのメサ110の目標面外変位は、Z次元の基準点に対する、Z次元におけるメサ110の所望の変位(即ち、湾曲(bending))を指す。特に、テンプレートの目標面外変位は、基板の既存の面外湾曲を実質的に反映する(即ち、実質的な鏡像である)メサの所望の面外湾曲である。図6は、テンプレート108のメサ110が成形可能材料124と接触している概略断面図を示す。図6は、本明細書に開示された本方法を実施した最終結果を示し、供給された成形可能材料124にテンプレート108が接触した後、テンプレート108(より具体的には、メサ110)が、メサ110の面外変位が基板102の面外変位を実質的に反映するように湾曲する。変位の反映は、変位矢印602によって示されている。図7に示される時点では、成形可能材料124は、特定の液滴パターンに従って基板102上に既に供給されている。即ち、成形可能材料124は、基板102の面外変位を実質的に反映するメサ110の所望の面外変位を引き起こす特定の液滴パターンを使用して基板上に供給される。正確に反映することは、x,y位置ごとに、成形可能材料124の中心を通過するX次元中心線704と湾曲したメサの底面との間のZ次元距離(Zm)が、X次元中心線604と基板102の上面との間のZ次元距離(Zs)に等しいことを意味する。実質的に反映することは、x,y位置の大部分(例えば、x,y位置の50%以上、x,y位置の60%以上、x,y位置の70%以上、x,y位置の80%以上、x,y位置の90%以上、x,y位置の95%以上、x,y位置の99%以上、x,y位置の99.5%以上、x,y位置の99.9%以上、またはx,y位置の100%)において、ZmがZsの10%以内にあることを意味する。メサに湾曲を誘発するために成形可能材料を供給するこのプロセスは、以下でより詳細に説明されるが、ステップS404において、メサにおける目標または所望の湾曲がモデル化され、目標/所望の湾曲が、供給された成形可能材料に接触した後において基板の既存の湾曲を実質的に反映する(即ち、対応する)プロファイルであることを理解されるべきである。
図7は、湾曲された後のテンプレート(メサ)の一部の概略断面図を示す。図7に見られるように、メサ110は、厚さtおよび基準線702を有する。メサ110の厚さtは一定であり、基準線702は、湾曲パターニング面112の最高Z次元位置704と最低Z次元位置706との間のZ次元の中点を通る水平線である。特定のxおよびy座標におけるZ次元の線802からの距離は、その特定の位置における面外変位の相対量の数値表現であり、本明細書ではz(x,y)と呼ばれる。線702は、図7の断面図においてX次元に延在する線として示されているが、図7に示す図に対して垂直な断面をとった場合、同じ線がY次元にも現れる。換言すると、全てのz値はxおよびy座標に位置するため、z値についての基準点は、X-Y平面とみなされうる。負であるz値は、基準線/面より下の距離であり、正のz値は、基準線/面より上の距離である。図7は、正である1つの例示的なz距離708と、負である別の例示的なz距離710とを示している。
上述のように、X-Y平面内の複数の点(即ち、基板の面内ディストーション)におけるΔx値(または平均Δx値)およびΔy値(または平均Δy値)は、ステップS402において既に受信されている。これらの値は、z(x,y)、即ち、特定のx,y座標におけるテンプレート(メサ)の目標面外変位zを計算するために使用することができ、これは、上述のタイプの面内ディストーション情報のいずれかまたは全てに対して実行することができる。テンプレートの面外変位は、以下の式1を用いてモデル化されうる。
式1において:
a、b、c、dは、フーリエ係数であり、
1、F2、F3、およびF4は、2Dフーリエ基底関数であり、
mおよびnは、幾何学モードを表す整数であり、
pは、0より大きい整数であり、好ましくは1~6、より好ましくは1~3であり、
Lは、インプリントフィールドの幅の半分であり、これはX次元におけるメサの幅の半分でもあり、
Hは、インプリントフィールドの高さの半分であり、これはY次元におけるメサの高さの半分でもあり、
xは、X次元の位置を表す値であり、
yは、Y次元の位置を表す値であり、
z(x,y)は、最高のz(x,y)値と最低のz(x,y)値との間の中点にある基準線/面802からのZ次元の距離を表す値であり、
m,nは、特定のm,n幾何学モードに対する固有の補正係数である。
式1に見られるように、テンプレートの目標面外変位は、複数の幾何学モードの合計としてモデル化され、ここで、各幾何学モードは、二次元の基底関数の線形結合によって表される。上述のように、mおよびnは、幾何学モードを表す整数である。即ち、各幾何学モードは、m値とn値とによって規定される。いくつかの例示的な幾何学モードは、1,1;2,2;3,3;4,4;5,5;6,6であり、各モードのフォーマットは「m,n」である。式1に見られるように、例示的な実施形態では、各m,nモードを規定する基底関数は、正弦関数または余弦関数、即ちフーリエ級数である。しかしながら、当技術分野で知られている他の関数が使用されてもよい。式3において、上記のように、4つの基底関数、F1、F2、F3、およびF4の線形結合が存在する。
各m,n幾何学モードにおける4つの基底関数の各々について、フーリエ係数が計算される。上記のように、式1において、a、b、c、およびdは、フーリエ係数を表す。a、b、c、およびdの各々は、フーリエ係数が特定の幾何学モードに固有であることを表すために、式1において下付き文字m,nを有する。したがって、例えば幾何学モード1,1について、基底関数の線形結合に関する式1の部分は以下となる。
フーリエ係数は、ステップS402からの基板の面内ディストーションに関する情報を用いて、以下の式2を用いて算出することができる。
ここで、Am,nは、以下の式3で表される。
0,0は、式3においてmが0であり、nが0であるAm,nの特定なケースであり、Ap,pは、式3においてmがpであり、nがpである特定のケースであり、pは、式1のような最終的な幾何学モードを表す。
Bは、以下の式4で表される。
式3において、tはメサの厚さであり、m,nは式1と同じ意味であり、x1は特定のx座標を表し、y1は特定のy座標を表し、xkは最終のx座標を表し、ykは最終のy座標を表す。上記のように、Am,nは、x,y座標の全てにわたる特定のm,n幾何学モードのための基底関数F1~F4の各々の部分導関数から構成される行列である。したがって、Am,nは、2*k行および4列を有する行列である。最終的に、行列[A0,0 … Am,n …Ap,p]は、x,y座標の全てについてpまでの幾何学モードの全てについての値を含み、pは幾何学モードの数である(例えば、pが3であるならば、最終的な幾何学モードは3,3である)。したがって、行列[A0,0 … Am,n … Ap,p]におけるの行の数は2*kであり、列の数は4*(p+1)*(p+1)である。
式4において、x1、y1、xk、ykは、式3と同じ意味を有する。Δx(x1,y1)は、S402で受信されたx1,y1座標のΔx(平均化された、または平均化されていない)オーバーレイ偏差を意味している。同様に、Δy(x1,y1)は、S402で受信されたx1,y1座標のΔy(平均化された、または平均化されていない)オーバーレイ偏差を意味している。上述のように、Bは、ステップS402で受信された、x,y座標ごとに計測されたオーバーレイ偏差の全てを含むベクトルである。したがって、Bは、2*k行を有するベクトル(1列)である。
式2におけるg以外の全ての項が既知であれば、gを解くことができる。gを解くことは、pまでの全てのモードについてa、b、c、およびdフーリエ係数の全てを含むベクトルを提供する。したがって、gは、4*(p+1)*(p+1)行を有する1つの列となる。例えば、gは、以下の式5で表すことができる。
ここで、最初の項a0,0、b0,0、c0,0、およびd0,0は、幾何学モード0,0についての4つのフーリエ係数であり、最終項ap,p、bp,p、cp,p、およびdp,pは、最終幾何学モードp,pについての4つのフーリエ係数である(例えば、pが3であるとき、フーリエ係数の最終セットは、a3,3;b3,3;c3,3;d3,3である)。要約すると、ステップS402で取得されたオーバーレイ偏差情報(即ち、基板の面内ディストーションに関する情報)は、全ての幾何学モードについてフーリエ係数を見つけるために使用される。
式1に戻ると、式の別の態様は、補正係数「Em,n」である。m,n幾何学モードの各々は、インプリント法を実行するために使用されている特定のインプリントシステムに特有である固有の補正係数を有するため、Eは下付き文字「m,n」を有する。補正係数Em,nは、Bempirical,m,n/Banalytical,m,nの係数(即ち、Em,n=Bempirical,m,n/Banalytical,m,n)であり、ここで、Bempirical,m,nは、特定の幾何学モードに基づいて液滴パターンに従って供給された成形可能材料にテンプレートが接触したときにテンプレートに引き起こされる面外変位の経験的に決定された量であり、Banalytical,m,nは、同じ特定の幾何学モードに基づいて液滴パターンに従って供給された成形可能材料にテンプレートが接触したときにテンプレートに引き起こされる面外変位の解析的に決定された量である。換言すると、経験的に決定されるものは、実際に液滴パターンを供給してディストーションを計測することによってディストーションを決定することを意味し、一方、解析的に決定されるものは、モデル化に基づいてディストーションを決定することを意味する。解析的な決定は、以下により詳細に説明される。
各幾何学モードm,nについて、面外変位の経験的な量は、式1に基づく液滴パターンを生成することによって決定されるが、補正係数の項は省略され、フーリエ係数a、b、c、dが次の値:cm,n=1、am,n=bm,n=dm,n=0に設定される。これらの値は、補正係数が個々の幾何学モードの位相(phase)と2つの直交(X方向、Y方向)モードの相対振幅に依存しないため、a、b、c、およびdについて選択される。但し、フーリエ基底関数は独立しており且つ互いに直交するため、フーリエ係数の他の値を選択することができる。したがって、式1は、以下の式6となる。
例えば、幾何学モード1×1の場合、数式6は以下の式となる。
式6は、各幾何学モードについて、xおよびyの関数としてz値を与える。図8Aは、X、Y、およびZ軸における幾何学モード1,1についての式6の三次元グラフを示す。即ち、図8Aは、mおよびnが両方とも1であるときの、式6の特定のx,y座標ごとのZ値のグラフ表示である。図8Bは、幾何学モード2,2についての式6の三次元グラフを示す。図8Cは、幾何学モード3,3についての式6の三次元グラフを示す。図8Dは、幾何学モード4、4についての式6の三次元グラフを示す。図8Eは、幾何学モード5、5についての式6の三次元グラフを示す。図8Fは、幾何学モード6,6についての式6の三次元グラフを示す。したがって、各モードについて、式6は、任意の特定のx,y座標についてのz(zmodem,n)値を提供する。
次いで、式6は、それぞれの特定の幾何学モード(zmodem,n)について、上記の同じ式2~5を使用してΔxおよびΔyを決定するために使用されうる。特定の幾何学モードn,mについてΔxおよびΔyを解くプロセスは、本質的に、上記xについて解くプロセスとは逆である。この場合、式2は以下のようになる。
ここで、上記のように、特定の幾何学モードのフーリエ係数がcm,n=1およびam,n=bm,n=dm,n=0として設定されているため、フーリエ係数を含むx行列は既知である。したがって、xは以下のようになる。
m,n=bm,n=dm,n=0であるため、行列Am,nにおいて関数F1、F2、およびF4も0になる。したがって、Am,nは以下のようになる。
次いで、ベクトルB、ΔxおよびΔyを解くことによって、オーバーレイ計測システムを使用して計測された同じx,y座標点の各々について値を決定することができる。換言すると、インプリントフィールド内の同じ座標の各々についてのベクトルは、幾何学モードごとに式2~5に基づいて計算される。したがって、式2~5に基づいてΔxおよびΔyを解くことによって、オーバーレイ偏差は、インプリントフィールド内の同じ対応する位置の全てについて解析的に決定される。
図9Aは、幾何学モード1,1から生成されたモード液滴パターン、即ち、幾何学モード1,1について式6に基づいて計算されたΔxおよびΔyについて、解析的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。図9Aのグラフは、オーバーレイ計測装置によって計測された、同じx,y座標の各々についてベクトルとしてのオーバーレイ偏差を表している。したがって、図9Aは、幾何学モード1,1について式6に基づいて生成された液滴パターンが供給されてテンプレートと接触された場合において、経験的に決定された予測オーバーレイ偏差を示す。図9Bは、幾何学モード2、2から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。図9Cは、幾何学モード3、3から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。図9Dは、幾何学モード4、4から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。図9Eは、幾何学モード5、5から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。図9Fは、幾何学モード6、6から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差の二次元グラフを示す。
経験的に決定されたデータは、上述のモデル化に基づいており、実際のオーバーレイ偏差が経験的なモデル化によって予測されたものと異なる要因となりうるインプリントシステムの態様を考慮していない。例えば、使用される特定の成形可能材料と、インプリント力、基板保持真空、テンプレート上の背圧、先端傾斜調整などの特定のインプリントプロセス条件とは、特定の幾何学モードのモード液滴パターンが供給されてテンプレートと接触されるとき、オーバーレイ偏差に影響を及ぼしうる。したがって、補正係数は、経験的なオーバーレイ偏差が実際のオーバーレイ偏差にどれだけ近いかを表す値を提供することによって、これらの要因を考慮している。解析的に決定された面外変位量は、同じ特定の幾何学モードに基づく液滴パターンに従って供給された成形可能材料にテンプレートが接触したときにテンプレートに引き起こされる実際の変位である。
本明細書でモード液滴パターンと呼ばれる液滴パターンは、特定の幾何学モードごとに式6に基づいて生成されうる。モード液滴パターンは、特定の幾何学モードの特定のx,y座標についてz値(zmode)から生成される液滴パターンである。モード液滴パターンは、当技術分野で知られている、即ち‘962号特許に記載されているような液滴パターン生成方法を使用して生成されうる。液滴パターンを生成する方法を議論する他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,119,052号に見出されうる。モード液滴パターンは、幾何学モード、例えば、幾何学モード1,1;2,2;3,3;4,4;5,5;6,6の各々について準備されうる。次いで、図3の方法300に従って、特定のモード液滴パターンが供給され、テンプレートを使用してインプリントされうる。特定の幾何学モードのインプリントが、その特定のモードについて生成されたモード液滴パターンを使用して実行された後、オーバーレイ偏差が、オーバーレイ計測システムを使用して計測されうる。オーバーレイ計測システムは、上述したのと同じ方法でオーバーレイ偏差を計測するために使用される。上記のように、計測値は、他の計測におけるものとX-Y平面内の同じ位置の各々についてΔxおよびΔyを提供する。特定の幾何学モードについてモード液滴パターンを供給した後のオーバーレイ偏差のこれらの計測値は、経験的に決定された面内ディストーションである。
図10Aは、幾何学モード1,1から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)、即ち、幾何学モード1,1について式6から生成されたモード液滴パターンを供給した後に計測されたΔxおよびΔyの二次元グラフを示す。図9Aと同様に、図10Aのグラフは、オーバーレイ計測装置によって計測された同じx,y座標の各々についてのベクトルとしてオーバーレイ偏差を表している。したがって、図10Aは、幾何学モード1,1について式6に基づいて生成されたモード液滴パターンが実際に供給されてテンプレートと接触されたときの、経験的に決定された実際のオーバーレイ偏差を示している。図10Bは、供給されてテンプレートと接触された、幾何学モード2,2から生成されたモード液滴パターンについて、経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示している。図10Cは、供給されてテンプレートと接触された、幾何学モード3,3から生成されたモード液滴パターンについて、経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示している。図10Dは、供給されてテンプレートと接触された、幾何学モード4,4から生成されたモード液滴パターンについて、経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示している。図10Eは、供給されてテンプレートと接触された、幾何学モード5,5から生成されたモード液滴パターンについて、経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示している。図10Fは、供給されてテンプレートと接触された、幾何学モード6,6から生成されたモード液滴パターンについて、解析的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)の二次元グラフを示している。図10Gは、幾何学モード1,1から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)、即ち、幾何学モード1,1について式6から生成されたモード液滴パターンを部分フィールド上に供給した後に計測されたΔxおよびΔyの二次元グラフを示している。図10Hは、幾何学モード2,2から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)、即ち、幾何学モード1,1について式6から生成されたモード液滴パターンを部分フィールド上に供給した後に計測されたΔxおよびΔyの二次元グラフを示している。図10Iは、幾何学モード3,3から生成されたモード液滴パターンについて経験的に決定されたオーバーレイ偏差(面内ディストーション)、即ち、幾何学モード1,1について式6から生成されたモード液滴パターンを部分フィールド上に供給した後に計測されたΔxおよびΔyの二次元グラフを示している。図10G-10Iにおける部分フィールドの二次元グラフは、基板上のいくつかの部分フィールドを平均して等価な完全フィールドを得ることによって計算される。
オーバーレイ偏差(面内ディストーション)を経験的に決定し、特定の幾何学モードについてオーバーレイ偏差(面内ディストーション)を解析的に決定した後、補正係数Emnを計算することができる。Emnの算出には、以下の式7が用いられうる。
analytical,m,nは、特定の幾何学モードごとに上述の解析的な方法で決定されたΔxおよびΔyオーバーレイ偏差値の全てを含むベクトルである。Bempirical,m,nは、同様に、特定の幾何学モードごとに式5によって決定されたzmode値から生成された液滴パターンにテンプレートを接触させた後に計測されるΔxおよびΔyオーバーレイ偏差値の全てを含むベクトルである。次いで、式7は、Matlab(登録商標)またはOctave functions lsqlin()またはmidivide()など、当技術分野で知られている線形代数ソルバーを使用して、Em,nについて解くことができる。この計算は、全ての幾何学モードについて繰り返され、それによって、幾何学モードごとに固有の補正係数をもたらす。
図11は、例示的な実施形態におけるx軸上の幾何学モードおよびy軸上の補正係数を示すチャートを示す。図11のデータ点は、完全フィールド(1,1;2,2;3,3;4,4;5,5;6,6)に適用されたときの6つの異なる幾何学モード、および同じテンプレートおよび成形可能材料を使用して部分フィールド(1,1;2,2;3,3)に適用されたときの3つの異なる幾何学モードについて上述したステップを実行することによって取得された。完全フィールドと部分フィールドとで補正係数を決定することの唯一の違いは、完全フィールドについてzmodeの式6から生成される液滴パターンが部分フィールドについて定式化され、次いで、成形可能材料が部分フィールド上に供給されてテンプレートに接触されることである。完全フィールドの場合、zmodeの式6から生成される液滴パターンは、完全フィールドについて定式化され、次いで、成形可能材料が完全フィールド上に供給されてテンプレートに接触される。図11のデータ点も、以下の表1にまとめてある。
表1
図11に示すように、mおよびnが大きくなるにつれて補正係数が0に近づくことが分かった。特に、幾何学モード4,4;5,5;および6,6の各々は0.1未満であった。これは、高い幾何学モードが、低い幾何学モードと比較して、液滴パターンが実際に供給されるときに予測されるオーバーレイ偏差から著しく逸脱することを示している。例示的な実施形態では、0.1よりも大きい補正係数を有する幾何学モードのみ、即ち、幾何学モード3,3およびそれよりも低いもののみが、式1において使用される。したがって、一実施形態では、図11の観点で、式1は以下のようになる。
即ち、式6に示すように、合計は、幾何学モード3×3で終了する。
さらに、m=n(1~6)の幾何学モードの補正係数のみが表1および図11において決定されたが、同じデータは、他の幾何学モードの補正係数を、これらの幾何学モードに基づいて液滴パターンを供給する必要なしに外挿するために用いることができる。他の幾何学モードについてのこれらの補正係数は、以下の式8に従って2つの幾何学モードの平方根を計算することによって算出されうる。
以下の表2及び3は、この計算の一例を示している。
表2-完全フィールド-Em,n各々
表3-部分フィールド
表1および表2は、式7を使用して計算された補正係数を報告している。
上記のように補正係数が決定されると、全ての変数は式3において既知となる。したがって、特定のx,y座標のZ値、即ちz(x,y)が推定される目標面外変位のモデルが確立される。即ち、Em,n、a、b、c、およびdの全てが決定されると、基板の面外変位に一致するテンプレートの目標面外変位が式1を介してモデル化される。上述のように、好ましい実施形態では、式3における合計が、m,n=0~n,m=3に制限されうる。別の例示的な実施形態では、式3における合計が、m,n=0~m,n=4に制限されうる。別の例示的な実施形態では、式3における合計が、m,n=0~m,n=5に制限されうる。別の例示的な実施形態では、式3における合計が、m,n=0~m、n=6に制限されうる。別の実施形態では、補正係数Em,nの値が、モードm,nの上限pによってではなく、代わりに補正閾値によって制限される。補正閾値の例示的な値は、0.2または0.1、または補正性能に基づいて実験的に決定される別の値である。補正係数Em,nが補正閾値を下回る場合、1/Em,nは0に設定される。
目標面外変位のモデル化が完了すると(即ち、ステップS404)、本方法は、ステップS406に進みうる。ステップS406では、テンプレートのモデル化された面外変位に基づいて第1液滴パターンが生成される。即ち、上述したのと同じ既知の技術を用いて、完了した式1から生成されたz(x,y)値を使用して液滴パターンが生成される。ステップS402で取得された特定のデータ(例えば、平均オーバーレイ偏差データ、非平均オーバーレイ偏差データ、完全フィールド、部分フィールド)に応じて、式1を使用して、完全フィールドを使用して完全フィールドのz(x,y)値を取得し、次いで、式1を個別に使用して、部分フィールドのz(x,y)値を取得することができる。使用されるEm,n項は、オーバーレイ偏差データが完全フィールドまたは部分フィールドのどちらに対するものかに依存する。したがって、取得されたz(x,y)から生成される液滴パターンは、完全フィールドと部分フィールドとで異なる。
次に、本方法は、ステップS408に進み、第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合(merge)することによって第2液滴パターンが生成される。第3液滴パターンは、オーバーレイ偏差、または面内もしくは面外変位を考慮しない液滴パターンである。第3液滴パターンは、他の態様のうち、基板のパターンとテンプレートのパターンとに基づく標準液滴パターンである。第3液滴パターンは、既知であってもよいし、または本方法の一部として生成されてもよい。第3液滴パターンは、プロセッサ140がテンプレート108のテンプレートパターンと基板102の基板パターンとを受信することによって生成されていてもよい(または生成されてもよい)。テンプレートパターンは、テンプレート108のパターニング面112のトポグラフィに関する情報を含みうる。パターニング面112のトポグラフィは、設計データに基づいて計測および/または生成されうる。パターニング面112は、個々の完全フィールド、複数のフィールド、基板全体、または基板よりも大きいものと同じサイズであってもよい。第3液滴パターンはまた、基板トポグラフィに関する情報を含む、基板に関する情報を考慮に入れてもよい。基板パターンは、代表基板、代表基板のフィールド、および/または代表基板の完全フィールドの基板トポグラフィに関する情報を含みうる。基板トポグラフィは、計測されてもよいし、以前の製造ステップに基づいて生成されてもよいし、および/または設計データに基づいて生成されてもよい。基板トポグラフィは、代表基板の面取りされたエッジまたは丸みを帯びたエッジなど、エッジの形状に関する情報を含んでもよい。基板トポグラフィは、パターンが形成される基板の領域を囲む基準エッジの形状および位置に関する情報を含んでもよい。
プロセッサ140は、基板とパターニング面とがインプリント中にギャップによって分離されるときに基板とパターニング面との間の体積を充填する膜を生成する成形可能材料124の分布を計算しうる。基板上における成形可能材料の分布は、成形可能材料の面密度、成形可能材料の液滴の位置、および/または成形可能材料の液滴の体積の形態をとることができる。成形可能材料の分布を計算することは、成形可能材料の材料特性、パターニング面の材料特性、基板の材料特性、パターニング面と基板表面との間の体積の空間的変動、流体の流れ、蒸発などのうちの1以上を考慮に入れることができる。
ステップS406で生成された液滴パターン(第1液滴パターン)と標準液滴パターン(第3液滴パターン)とを併合し、併合された液滴パターン(第2液滴パターン)を生成するステップS408は、第1液滴パターンを第3液滴パターンに追加することによって実行される。
ステップS408で第2液滴パターンを生成した後、本方法は、ステップS410に進み、第2液滴パターンに従って基板上に成形可能材料の液滴を供給する。即ち、液滴は、式3に基づく液滴パターンと標準液滴パターンとの両方を含む第2液滴パターンに従って供給される。図12Aは、第2液滴パターンに従って成形可能材料124が基板102上に供給されるインプリントプロセスの概略断面図を示す。図12Aに示されるように、基板102は面外ディストーションを有し、成形可能材料124の液滴は、第2液滴パターンに従って供給された後、基板102の表面上に様々な密度で配置される。
成形可能材料124が基板102上に供給された後、本方法は、ステップS412に進み、供給された成形可能材料にテンプレート(メサ)を接触させて膜を形成する。図12Bは、テンプレート108(メサ110)が成形可能材料124に向かう方向1202に移動しているときのインプリントプロセスの概略断面図を示す。あるいは、基板がテンプレートに向かって移動してもよいし、テンプレートと基板とが互いに向かって移動してもよい。図12Cは、テンプレート108(メサ110)が成形可能材料124に接触して膜1204を形成した後のインプリントプロセスの概略断面図を示す。図12Cに示すように、成形可能材料124は第2液滴パターン(即ち、標準液滴パターンと併合された、式1に基づく液滴パターンを含む)に従って供給されたため、テンプレート108(メサ110)は、基板102における面外ディストーションの鏡像である面外ディストーションを含む。
ステップS412を完了した後、本方法は、次いで、全体的なインプリント方法300に関して上述したのと同じ処理ステップに進みうる。即ち、図4のステップS410は図3のステップS302に対応し、図4のステップS412はステップS304およびS306に対応し、その後、S308(硬化)、S310(分離)、およびS312(処理)の同等のステップが実行されうる。
上述のように、本明細書に開示されるナノ製造方法は、オーバーレイを改善するようにインプリントシステムにおける偏差を補償するという利点を提供する。本明細書に記載される製造方法を使用する結果として、第2の硬化層と基板の下地層との間のオーバーレイ誤差が低減される。
様々な態様の更なる修正および代替の実施形態は、この説明を考慮することで当業者には明らかになるのであろう。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきである。本明細書に示され説明される形態は、実施形態の例として解釈されるべきであることを理解されたい。要素および材料は、本明細書に例示され記載されるものと置換されてもよく、部品およびプロセスは逆にされてもよく、特定の特徴が独立して利用されてもよく、これらは全て、本明細書の利点を享受した後に当業者には明らかであろう。

Claims (20)

  1. 基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、
    テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、
    前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、
    前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、
    前記第2液滴パターンに従って前記基板上に前記成形可能材料の液滴を供給する工程と、
    供給された前記液滴に前記テンプレートを接触させて膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、
    a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、
    b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、
    の間の関係を表す、ことを特徴とするナノ製造方法。
  2. 各幾何学モードはフーリエ級数である、ことを特徴とする請求項1に記載のナノ製造方法。
  3. 各フーリエ級数は複数のフーリエ係数を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のナノ製造方法。
  4. 前記複数のフーリエ係数のうち各フーリエ係数は、前記基板の面内ディストーションに関する情報に基づく、ことを特徴とする請求項3に記載のナノ製造方法。
  5. 前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位は、以下の式によって表され、
    m,n、bm,n、cm,n、およびdm,nはフーリエ係数であり
    mおよびnは、前記複数の幾何学モードを表す整数であり、
    pは、0より大きい整数であり、
    Lは、前記テンプレートのインプリントフィールドの幅の半分であり、
    Hは、前記テンプレートの前記インプリントフィールドの高さの半分であり、
    xは、X次元の位置を表す値であり、
    yは、Y次元の位置を表す値であり、
    m,nは、固有の補正係数であり、
    z(x,y)は、特定のx,y位置でのZ次元の距離に関する面外ディストーションを表す値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のナノ製造方法。
  6. pは1~6である、ことを特徴とする請求項5に記載のナノ製造方法。
  7. pは6である、ことを特徴とする請求項5に記載のナノ製造方法。
  8. pは3である、ことを特徴とする請求項5に記載のナノ製造方法。
  9. m,nは、以下の式によって表され、
    analytical,m,nは、前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる複数の位置での面内ディストーションの解析的に決定された量であり、
    empirical,m,nは、前記モード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる前記複数の位置での面内ディストーションの経験的に決定された量である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のナノ製造方法。
  10. m,nは0.1~1である、ことを特徴とする請求項9に記載のナノ製造方法。
  11. empirical,m,nは、
    前記特定の幾何学モードに基づいて前記モード液滴パターンを生成し、
    前記モード液滴パターンに従って前記成形可能材料を供給し、
    前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートを接触させ、
    前記基板の前記面内ディストーションを計測する、
    ことによって決定される、ことを特徴とする請求項9に記載のナノ製造方法。
  12. analytical,m,nは、
    以下の式に従って面外ディストーションを算出し、
    算出された前記面外ディストーションに基づいて面内ディストーションを算出する、
    ことによって決定され、
    zmodem,n(x,y)は、特定のx,y座標での前記特定の幾何学モードについての面外ディストーションである、ことを特徴とする請求項11に記載のナノ製造方法。
  13. m,n、bm,n、cm,n、およびdm,nは、前記基板の面内ディストーションおよび前記テンプレートの厚さに関する情報に基づく、ことを特徴とする請求項5に記載のナノ製造方法。
  14. 前記基板の面内ディストーションに関する情報は、X次元のオーバーレイ偏差およびY次元のオーバーレイ偏差を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のナノ製造方法。
  15. 前記基板の面内ディストーションに関する情報は、前記基板の1以上の完全フィールドおよび/または1以上の部分フィールドの面内ディストーションに関する情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のナノ製造方法。
  16. 前記テンプレートの目標面外変位をモデル化する工程は、前記1以上の完全フィールドおよび/または前記1以上の部分フィールドの面内ディストーションに関する情報に基づく、ことを特徴とする請求項15に記載のナノ製造方法。
  17. 前記1以上の完全フィールドについて前記目標面外変位をモデル化するために用いられる幾何学モードに割り当てられた各固有の所定補正係数は、前記1以上の部分フィールドについて前記目標面外変位をモデル化するために用いられる幾何学モードに割り当てられた各固有の所定補正係数とは異なる、ことを特徴とする請求項15に記載のナノ製造方法。
  18. 前記基板の面内ディストーションに関する情報は、複数の基板の1以上の完全フィールドおよび/または1以上の部分フィールドの面内ディストーションに関する情報を含む、ことを特徴とする請求項15に記載のナノ製造方法。
  19. テンプレートを保持する第1チャックと、
    基板を保持する第2チャックと、
    プロセッサと、
    第2液滴パターンに従って前記基板上に成形可能材料を供給する流体ディスペンサと、
    前記成形可能材料に前記テンプレートを接触させる位置決めシステムと、
    硬化した前記成形可能材料を前記基板上に形成するように、前記テンプレートの下の前記成形可能材料を硬化させる硬化システムと、
    を備え、
    前記プロセッサは、
    前記基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、
    前記テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、
    前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、
    前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって前記第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、を実行し、
    前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、
    a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、
    b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、
    の間の関係を表す、ことを特徴とするナノ製造システム。
  20. 基板の面内ディストーションに関する情報を受信する工程と、
    テンプレートの目標面外変位を複数の幾何学モードの合計としてモデル化する工程であって、前記複数の幾何学モードのうち各幾何学モードは二次元の基底関数の線形結合によって表される、工程と、
    前記テンプレートのモデル化された前記目標面外変位に基づいて、成形可能材料の第1液滴パターンを生成する工程と、
    前記第1液滴パターンを第3液滴パターンと併合することによって第2液滴パターンを生成する工程であって、前記第3液滴パターンは前記テンプレートおよび前記基板のトポグラフィに基づく、工程と、
    前記第2液滴パターンに従って前記基板上に前記成形可能材料の液滴を供給する工程と、
    供給された前記液滴に前記テンプレートを接触させ、それにより、前記基板上に供給された前記液滴のパターンを形成する工程と、
    形成された前記パターンまたはレイヤを処理して物品を作製する工程と、
    を含み、
    前記合計における前記複数の幾何学モードは、複数の固有の所定補正係数を用いて修正され、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、前記複数の幾何学モードのうち特定の幾何学モードに割り当てられ、
    前記複数の固有の所定補正係数のうち各固有の所定補正係数は、
    a)前記特定の幾何学モードに基づくモード液滴パターンに従って供給された成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの解析的に決定された量と、
    b)前記モード液滴パターンに従って供給された前記成形可能材料に前記テンプレートが接触したときに前記テンプレートに引き起こされる面内ディストーションの経験的に決定された量と、
    の間の関係を表す、ことを特徴とする物品の作製方法。
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