JP2024034703A - 非接触送電装置、非接触送電方法および非接触給電システム - Google Patents

非接触送電装置、非接触送電方法および非接触給電システム Download PDF

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Abstract

【課題】送電装置から共振を利用して、送電コイルに磁界結合する受電コイル側に給電する場合、受電コイルとの磁界結合が無い状態で共振回路が動作するといった状態になると、共振回路に過電流が流れ、装置に不具合を生じる場合がある。【解決手段】送電装置50は、受電装置30に設けられた受電コイル31と磁界結合する送電コイル51を含む共振回路53に、主電源装置70から電力線NL1,NL2を介して交流電力を供給し、共振回路を、受電コイルが送電コイルに接近した状態では共振状態とし、受電コイルが送電コイルに接近していない状態では非共振状態とする。その上で、受電装置への給電に関わる異常を検出したとき、電力線を非導通状態に切り換えて、主電源装置から共振回路への交流電力の供給を遮断する。【選択図】図4

Description

本開示は、非接触で送電や給電を行なう技術に関する。
給電対象に、非接触で送電や給電を行なう技術が種々提案されている。給電対象は、移動体である必要は必ずしもないが、非接触給電の利点を生かすという意味で、特許文献1に示すように、移動体に非接触で給電する技術の提案は多い。特許文献1に見られるように、こうした非接触での給電に、磁界結合、特に共振を利用した磁界結合を用いる構成が提案されている。特許文献1では、受電側の受電コイルと磁界結合可能な送電コイルに通電するよう、スイッチを設け、送電をオン・オフしている。
特開2017-51074号公報
しかしながら、こうした共振回路を用いた非接触給電では、何らかの異常が生じ、例えば受電側装置が存在しない状態、つまり磁界結合の相手がいない状態で送電側が動作したままの状態になると、送電側の共振回路に大電流が流れ、不具合を生じる場合があった。こうした不具合としては、受電側装置の存在を誤検出した場合や送電側装置の不具合など、種々の要因が考えられる。送電側の共振回路に大電流が流れると、送電装置に電力を供給している主電源装置の故障などの不具合を生じることも考えられる。
[1]本開示の実施態様の1つは、主電源装置(70)からの電力供給を受けて動作し、給電対象に設けられた受電装置(30)に非接触で送電する送電装置(50)としての態様である。この非接触送電装置は、前記受電装置に設けられた受電コイル(31)と磁界結合する送電コイル(51)を備える共振回路(53)と、前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部(61)と、前記主電源装置から前記共振回路に交流電力を供給する電力線(NL1,NL2)に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部(55,56)と、前記異常検出部によって前記異常が検出されたとき、前記遮断部を動作させて、前記主電源装置から前記共振回路への電力供給を停止する制御部(65)と、を備える。
[2]本開示の他の実施態様は、給電対象に設けられた受電装置に非接触で送電する送電方法としての態様である。この非接触送電方法は、前記受電装置に設けられた受電コイルと磁界結合する送電コイルを含む共振回路に、主電源装置から電力線を介して交流電力を供給し、前記共振回路を、前記受電コイルが前記送電コイルに接近した状態では共振状態とし、前記受電コイルが前記送電コイルに接近していない状態では非共振状態とし、前記受電装置への給電に関わる異常を検出したとき、前記電力線を非導通状態に切り換えて、前記主電源装置からの前記共振回路への前記交流電力の供給を遮断する。
[3]本開示の更にもう一つの態様は、主電源装置と、前記主電源装置からの電力供給を受けて動作する送電装置と、前記送電装置から非接触で送電を受ける受電装置とからなる給電システム(100)としての態様である。この非接触給電システムの受電装置は、受電コイルを含む受電側共振回路(33)と、前記受電側共振回路に誘起された交流を整流して直流の電力を取り出す整流回路(34)と、前記直流の電力で動作する負荷装置(45)と、を備える。他方、この非接触給電システムの送電装置は、記受電コイルと磁界結合する送電コイルを備える送電側共振回路と、前記主電源装置から前記送電側共振回路への電力線に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部と、前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部と、前記異常検出部が前記異常を検出したとき、前記遮断部を動作させて、前記送電側共振回路への電力供給を遮断する制御部と、を備える。
実施形態の受電装置を含む非接触給電システムの概略構成図。 主電源装置の構成を例示するブロック図。 送電装置と受電装置との概略構成を示す説明図。 送電装置の概略構成図。 送電装置の直流電源部および受電装置の第2電源部の構成例を示す回路構成図。 送電装置の詳細構成を示す回路構成図。 制御部が行なう処理の概要を示すフローチャート。 第2実施形態の送電装置の回路構成図。 切換部と送電装置の動作状態を示す説明図。 第2実施形態の変形例を示す回路構成図。 第3実施形態の送電装置の回路構成図。 第4実施形態の送電装置の回路構成図。 第5実施形態の中継回路を備えた送電装置の回路構成図。 切換部と送電装置の動作状態を示す説明図。 第6実施形態の中継回路を備えた送電装置の回路構成図。 第7実施形態の中継回路を備えた送電装置の回路構成図。 第7実施形態の変形例である送電装置の回路構成図。 第8実施形態の送電装置の回路構成図。 切換部と送電装置の動作状態を示す説明図。 第8実施形態の変形例である送電装置の回路構成図。
A.第1実施形態:
(A1)非接触給電システムの全体構成:
第1実施形態の送電装置50を含む非接触給電システム100の概略構成を、図1に示す。図示するように、この非接触給電システム100は、路面RSの下、土中に埋設されて複数の送電装置50と、路面RS上を自走する移動体20に搭載された受電装置30とから構成される。移動体20は、負荷装置45に含まれる図示しないモータにより駆動される駆動輪21、駆動輪21と共に移動体20を路面RS上に移動可能に支持する従動輪22、移動体20の床下に配置された受電コイル31、同じく床下に配設された磁石24を備える。受電コイル31は、路面RS側に用意された送電装置50の送電コイル51と磁界結合して交流電力の供給を受け、負荷装置45に電力を供給する。なお、送電装置50やこれを含む非接触給電システム100は、移動体20の受電装置30に電力を供給するものに限られず、非接触で送電を行なう装置および給電を行なうシステムであれば、受電装置は、携帯端末など、移動体でないものに送電や給電を行なう装置やシステムであって差し支えない。
送電装置50は、路面RSの下に埋設する構成以外に、路面上に設置したり、壁面や天井への設置も可能である。こうした場合には、送電装置50の設置箇所に対応して、受電装置30を移動体20内の所定の位置に配置すればよい。例えば送電装置50が壁面に敷設されていれば、受電装置30は移動体20の側面に配置すればよい。また、送電装置50の敷設位置に合わせて、受電装置30を移動体20内部で移動したり、複数の受電装置30を予め用意し、これを切り換えて使用する様にしてもよい。
移動体20の受電装置30に電力を供給する複数の送電装置50は、それぞれ同一の構成を備え、移動体20の移動経路に沿って配列されている。もとより送電装置50は、移動体20の移動経路に限らず、2次元的に路面RSに配列されていても差し支えない。各送電装置50は、共通の主電力ラインRFPに接続されている。主電力ラインRFPには、主電源装置70から、高周波(例えば85KHz)の交流電力が供給される。本実施形態では、各送電装置50は同一の構成を有するものとしたが、例えば大きさが異なる送電コイル51を交互に配置するなど、送電が可能であれば、構成は同一でなくても差し支えない。もとより、送電装置50は一つであっても差し支えない。
主電源装置70は、主電源90から低周波(例えば60Hz)の交流の供給を受けて、これを高周波の交流に変換する。主電源装置70の回路構成の一例を、図2に示した。主電源装置70は、主電源90から電力を受け取る側から、交流出力用のノイズフィルタ71、PFC回路72、インバータ73、フィルタ74を備える。PFC回路72は、フィルタ71で発生する入力電圧と出力電流との位相差を無くし、高調波を抑制して力率を1に近づけるように改善する周知の回路である。主電源90から供給された電力は、インバータ73により上記の周波数の交流に変換され、主電力ラインRFPに出力される。
送電装置50と受電装置30との概略構成を、図3に示した。図は、複数の送電装置50のうちの一つが、移動体20の受電装置30に電力を供給している状態を示す。このとき、送電装置50の送電コイル51が受電装置30の受電コイル31と磁界結合しており、受電コイル31には誘導電流(交流)が流れる。受電装置30は、第1電源部41と、第2電源部42と、制御回路43と、負荷装置45とを備える。受電コイル31は、第1電源部41に備えられた受電側共振回路33により効率よく電力を受電する。受電側共振回路33の後段には、整流回路34が設けられており、受電コイル31により受電した電力が直流に変換されて負荷装置45に出力される。ここで負荷装置45は、第1電源部41により出力される電力を使用するもの全てを表現しているが、移動体20の場合は、移動体20の移動用モータ48など、移動体で使用される主たる電力を使用するものが含まれる。また、一時的に電力を蓄えるバッテリも、負荷装置45に含まれ場合がある。
第2電源部42は、第1電源部41とは別に直流の小電力を生成する回路であり、受電コイル31の両端に、つまり受電側共振回路33よりも前段から電力の供給を受けで動作する。第2電源部42が出力する直流電圧は、制御回路43などで利用される。第2電源部42の構成や制御回路43の具体的回路構成などについては、後でまとめて説明する。なお、制御回路43用の電源は、負荷装置45側から供給を受けるようにしても差し支えない。
次に、送電装置50の回路構成について、図4を用いて説明する。図では、送電コイル51と共振回路53とは、別体に示しているが、送電コイル51は共振コンデンサCとからなる共振回路53に含まれる。この共振回路53と主電力ラインRFPとの間には、遮断部55が介装されている。遮断部55は、主電力ラインRFPからの高周波電力の共振回路への供給を必要に応じて遮断する回路であり、等価的には、本実施形態では、高周波電力の供給を入り切りするヒューズ、リレーやスイッチング素子などである。各送電装置50は、この遮断部55を制御する制御部65や、送電装置50の過熱や異常電流などの異常を検出する異常検出器61,移動体20の存在を検出する接近センサ62、制御部65に作動用の直流電力を供給する直流電源部60等も備えている。
制御部65や遮断部55を用いた送電装置50の動作については後述するが、全ての送電装置50が常時動作しているのではなく、移動体20が接近した送電装置50のみが動作するようにしている。移動体20の接近は、本実施形態では、移動体20に設けられた磁石24の磁力を、接近センサ62が検出することで行なっている。接近センサ62としては、ホール素子や磁気センサ、近接スイッチなどが採用可能である。接近センサ62により移動体20の接近を検出すると、制御部65が共振回路53の共振条件を変化させ、受電コイル31との間で、共振による効率的な電力の供給を実現する。移動体20の近接・離脱の検出は、他の手法、例えば送電コイル51に受電コイル31が接近することによる相互インダクタンスの変化を検出するといった構成や受電コイルが照射する微小磁束を送電コイルや検出用の検出コイルで検出する構成などを採用しても良い。また、動作する送電装置50は一つに限らず、移動体20が近接している2以上の送電装置50が動作するようにしてもよい。
以上を電力の非接触給電という観点から整理すると、地上側では、電力の供給元は主電源90であり、地上側に設備された主電源装置70により、この主電源90から高周波の交流電力に変換し、これを主電力ラインRFPに供給する。従って、主電力ラインRFPを敷設するだけで、路面RS下部に配設された複数の送電装置50に電力を供給することができる。もとより、送電装置50と情報をやり取りする通信線が敷設される場合もあるが、電力の供給ラインとしては、主電力ラインRFPで足りる。送電装置50では、移動体20へは、図4示したように、共振コンデンサCと送電コイル51とからなる共振回路53を介して非接触で給電が行なわれ、送電装置50内で必要な直流電力は、直流電源部60により賄われる。
他方、移動体20の受電装置30では、送電コイル51に磁界結合された受電コイル31に生じる誘導電流は、受電側共振回路33により効率よく受電され、整流回路34を介して、負荷装置45に供給される。既に説明した第1電源部41は、負荷装置45に直流で電力を供給するこの構成を指す。他方、移動体20で用いられる小電力は既述した第2電源部42により供給される。このように、移動体20に給電され移動体20で用いられる全て電力の非接触給電は、本実施形態では、送電装置50で必要となる電力を含めて、主電力ラインRFPから供給される電力のみによって成し遂げられる。
(A2)直流電源部および第2電源部の構成と働き:
送電装置50における直流電源部60と受電装置30における第2電源部42の具体的な構成と働きについて説明する。直流電源部60と第2電源部42とは、本実施形態では、同一の構成を備える。図5は、直流電源部60および第2電源部42の回路構成を示す回路図である。この回路は、高周波・高電圧の交流電圧ACPを入力し、直流低電圧DCPを出力する。直流電源部60としては、入力は主電力ラインRFPからの高周波・高電圧であり、第2電源部42にとっては、受電コイル31に誘導される高周波・高電圧の交流である。なお、以下の説明は、直流電源部60や第2電源部42の一例を示すものであり、他の回路構成を採用することも容易である。例えば降圧トランスを用いて必要な電圧を用意する絶縁電源としての構成なども採用可能である。また、両電源部は同一の構成を備える必要はなく、別々の回路構成とすることも差し支えない。
両電源部の2つの電源ラインLN1,LN2のそれぞれには、絶縁用コンデンサCC1,CC2が直列に介装され、絶縁用コンデンサCC1,CC2の出力側には、保護用ダイオードPD1が並列に接続されている。絶縁用コンデンサCC1の出力側には、整流用ダイオードRD1が順方向に直列に接続され、絶縁用コンデンサCC2の出力側には、逆止用ダイオードPD2が逆方向に直列に接続されている。両ダイオードPD1,PD2の出力側には、ツェナーダイオードTzDと平滑用コンデンサCFとが並列に接続されている。少なくとも整流用ダイオードRD1を含む回路を整流部REと呼び、ツェナーダイオードTzDと平滑用コンデンサCFとを含む回路を安定化電源部SPと呼ぶことがある。整流部REには、保護用ダイオードPD1や逆止用ダイオードPD2を含める場合がある。
かかる回路構成を有する直流電源部60および第2電源部42は、高周波・高電圧の交流電圧ACPとは、絶縁用コンデンサCC1,CC2により絶縁されており、交流電圧ACPの変化に応じて、両電源ラインLN1,LN2間に交番電圧が生じる。この交番電圧のうち、電源ラインLN1側が他方の電源ラインLN2より高電位になった場合だけ、絶縁用コンデンサCC1,CC2に溜まった電荷は、整流用ダイオードRD1を介して平滑用コンデンサCFを充電するが、交番電圧が、ツェナーダイオードTzDのツェナーブレークダウン電圧(以下、単にツェナー電圧という)を超えた部分は、ツェナーダイオードTzDを流れ、逆止用ダイオードPD2を介して回収されるので、平滑用コンデンサCFの両端電位は、ツェナーダイオードTzDのツェナー電圧を超えることは無い。従って、直流低電圧DCPはツェナー電圧に保たれる。交流電圧ACPが反転すると、電源ラインLN1側と電源ラインLN2側とは保護用ダイオードPD1の順方向降下電圧分の電位差に保たれるので、平滑用コンデンサCFには何ら影響を与えない。直流電源部60,第2電源部42は、高周波・高電圧の交流電圧ACPに接続されているが、交流の1周期に絶縁用コンデンサCC1,CC2に溜まった電荷に対応した分の電流しか、電源ラインLN1,LN2には流れないので、回路が出力する電力量を、絶縁用コンデンサCC1,CC2の容量で容易に調整できる。直流電源部60,第2電源部42が扱う電力量が小さければ、つまり容量を小さくできれば、電源回路で用いられることの多いフィルムコンデンサなどの耐電圧の低いコンデンサに代えて、セラミックコンデンサなど耐電圧の高いコンデンサを絶縁用コンデンサCC1,CC2として利用することができ、交流電圧ACPが高い場合でも、容易に実現できる。
しかも、絶縁用コンデンサCC1,CC2により、直流電源部60,第2電源部42を交流電圧ACPを供給する側、つまり主電力ラインRFPや第1電源部41の電源ラインと容易に分離でき、ノイズなどの影響を受け難くできる。この結果、直流電源部60,第2電源部42を用いる制御回路等の誤動作の可能性を低減できる。また、高電圧からの降圧を図るトランスなどの降圧部品が必要なく、回路を小型に構成できる。更に、回路構成に抵抗器を用いていないので、抵抗による損失がなく、回路の効率を高めることができる。
(A3)送電装置の構成と働き:
第1実施形態の送電装置50の構成を、図6に示した。図示するように、この送電装置50は、2本の電力ラインNL1,NL2に印加される交流電圧ACPで動作し、既に説明した共振回路53を送電コイル51と共に構成する第1コンデンサCsと第2コンデンサCr、第2コンデンサCrの接続を入り切りする第1スイッチSW1、交流電圧ACPの共振回路53への印加を遮断する遮断部55を備える。第1スイッチSW1がオン(接続状態)となると、第2コンデンサCrは、第1コンデンサCsと並列接続される。この第1スイッチSW1を用いた構成が、変更回路に相当する。この共振回路53では、二つのコンデンサは、送電コイル51に対して直列接続されており、直列共振(SS)回路を形成する。交流電圧ACPの周波数は、本実施形態では、85kHzであり、第1コンデンサCsと第2コンデンサCrとの容量は、第1スイッチSW1がオン、つまり二つのコンデンサが並列に接続されて、送電コイル51のインダクタンスに対する容量が両コンデンサの容量の和になったとき、共振回路53の共振周波数が、交流電圧ACPの周波数に一致する様に設定されている。他方、第1スイッチSW1がオフ状態の時には、送電コイル51と第1コンデンサCsとからなる共振回路53の共振周波数は、交流電圧ACPにより印加される交流電圧の周波数からずれている。2本の電力ラインNL1,NL2は交流が印加されるので、どちらが接地ラインGNDと言うわけではないが、便宜的に、以下の説明では、電力ラインNL2を接地ラインGNDと呼ぶことがある。
送電装置50には、第1スイッチSW1を駆動するドライバ67と、遮断部55を駆動するドライバ68が備えられている。両ドライバは、制御部65の出力用のポートP1,P2に接続され、ポートP1,P2がハイレベルにされると、第1スイッチSW1および遮断部55を駆動する。遮断部55は、交流電圧ACPを共振回路53に印加するか否かを決定する。遮断部55は、リレー接点、ヒューズ、半導体スイッチング素子など、電気的にオン・オフ可能なものであれば、可逆的に動作するものでも非可逆的に動作するものでも差し支えない。第1実施形態では、遮断部55は、リレーまたは半導体スイッチを用いて、可逆的に動作する形態としたが、外部からの信号により不可逆的にオフとなる部品を用いて構成してもよい。例えば、ヒータを備えた熱溶断型ヒューズとし、ドライバ68からの信号でヒータを加熱してヒューズを溶断するものでもよい。あるいはブレーカのように、一旦オフになると手動または制御部65からの復帰処理がなければ、導通状態に戻らないといった構成としてもよい。
送電装置50には、この他、上述した異常検出器61や接近センサ62も設けられている。異常検出器61は、送電装置50の異常を検出するものであり、例えば送電装置50の過熱や、過電流などを検出する電流センサなどであってもよい。電流センサであれば、異常検出器61は、共振回路53に直接設けられる。送電コイル51の過熱などを検出するセンサである場合は、異常検出器61は、検出対象に熱結合されるように設けられる。あるいは、制御部65や受電装置30側の制御回路43とやり取りし、非接触給電システム100としての異常を検出する装置であってもよい。例えば、受電装置30の近接を接近センサ62が誤検出していることを、異常として検出するものであってもよい。こうした場合には、送電装置50は、受電装置30と通信する通信部を備えてもよい。
制御部65は、送電装置50からの受電装置30への送電を制御する。制御部65が実行する送電制御ルーチンを、図7のフローチャートに示した。この送電制御ルーチンは、送電装置50に交流電圧ACPが印加され、直流電源部60が直流電源を制御部65に供給している間、実行される。この処理が開始されると、まず異常検出器61からの信号を読み込む処理をおこなう(ステップS100)。異常検出器61からの読み込んだ信号から、異常の発生について判断し(ステップS110)、特に異常の発生が認められないという場合には、制御部65は、接近センサ62から移動体20からの信号を読み込み(ステップS120)、移動体20が接近しているか否かを判断する(ステップS130)。
移動体20が接近していれば(ステップS130:「YES」)、出力用のポートP1をハイレベルとし、第1スイッチSW1をオンにする(ステップS140)。これにより、第2コンデンサCrが第1コンデンサCsと並列に接続された状態となり、共振回路53は共振状態となる。他方、移動体20が接近していなければ(ステップS130:「NO」)、ポートP1をロウレベルとし、第1スイッチSW1をオフにする(ステップS145)。これにより、第2コンデンサCrと第1コンデンサCsとの接続は解除され、共振回路53は非共振状態となる。
その後、送電終了かを判断し(ステップS150)、送電装置50の動作を終了する場合を除いて、ステップS100に戻って処理を継続する。送電装置50動作を終了する場合とは、例えば予め定められた送電装置50の動作時間が経過した場合などが該当する。また、直流電源部60からの電源の供給がされなくなった場合などを含む。
ステップS100からステップS150の処理が繰り返されるなかで、ステップS110の判断が「YES」、つまり異常検出器61からの出力を読み込むことで、何らかの異常が生じたと判断した場合には、ポートP2をハイレベルとして遮断部55を作動させ、非導通状態とする(ステップS200)。この結果、交流電圧ACPが共振回路53に印加されない状態となる。従って、何らかの異常、例えば送電コイル51の過熱などの異常が生じた場合、遮断部55が作動するため、共振回路53に交流電圧ACPは印加されず、共振による大電流が流れるということがない。このため、異常の発生により、大きな電力負荷が主電源装置70に掛かり、主電源装置70が故障するといった問題の発生を抑制できる。
こうした異常の一つとして、移動体20の受電コイル31が送電コイル51と磁界結合していないにもかかわらず、送電装置50が受電コイル31が送電コイル51に近接しているとして、共振回路53を共振状態としてしまう場合がある。こうした異常は、接近センサ62の故障などにより生じ得る。本実施形態では、こうした場合に、異常検出器61を用いた異常検出(ステップS110)により、遮断部55を動作させて、共振回路53への電力供給を遮断するので、共振回路53に大電流を流してしまうことを抑制できる。この結果、主電源装置70の故障の発生を抑制できる。このため、複数の送電装置50のうち、異常の発生した送電装置50の動作を止め、他の送電装置50はそのまま継続して使用できる。この結果、移動体20を直ちに停止する必要がない。従って、1つの送電装置50の故障によって、主電源装置70に不具合を生じてしまい、結果的に移動体20への給電ができなくなるといった問題の発生を抑制できる。
本実施形態において、異常の発生時には、遮断部55を動作させて共振回路53への電圧印加は停止するが、直流電源部60への電力供給は継続される。このため、制御部65も動作を継続できるから、ドライバ68を介した遮断部55の作動を継続できる(ステップS200)。またこの間に、異常の内容を外部に、あるいは送電装置50に備えられた表示部に、例えば異常の発生を報せるようにしてもよい。なお、遮断部55はノーマルオープンのリレーや半導体スイッチなどを用い、交流電圧ACPが送電装置50に供給されても、共振回路53への電力供給がデフォルトでは遮断されているようにすることも有用である。この場合、直流電源部60から電力供給を受けた制御部65がドライバ68を介して遮断部55を動作させ、ノーマルオープンである接点を閉成(クローズ)して、初めて、共振回路53を用いた電力供給を可能とするようにしてもよい。こうすれば、制御部65やドライバ68への電力供給が絶たれた場合には、遮断部55はオープン状態に戻り、異常を検出した送電装置50の共振回路53への電力供給を遮断でき、フェールセーフを実現できる。
異常検出器61が検出する異常としては、例えば、送電コイル51の過熱や、共振回路53に流れる電流が過電流となっている状態、あるいは移動体20側の異常を通信などを用いて取得した場合など、種々の態様を想定できる。
B.第2実施形態:
次に第2実施形態の送電装置50Aについて説明する。図8Aは、送電装置50Aの回路構成図である。第2実施形態の送電装置50Aは、第1実施形態とは、遮断部55に代えて過電流溶断型のヒューズ56を備えること、および切換部58Aを備えること、以外は同一の構成を備える。切換部58Aは、第1実施形態で説明した共振状態を切り換える第1スイッチSW1と、ヒューズ56の出力側を接地ラインGNDと短絡する第2スイッチSW2とを備える。なお、移動体20が接近したとき、受電装置30に非接触で給電するための共振回路53の構成は、第1実施形態と同様である。第2実施形態でも、共振回路53Aの共振周波数は、第1コンデンサCsと第2コンデンサCrとの接続を切り換えることで実現される。この変更回路としての構成は、第2実施形態以下では、切換部58Aの一部として扱う。
第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフと送電装置50Aの動作状態を、図8Bに示した。図示するように、第2スイッチSW2は、デフォルトでオフであり、この状態(正常時)には、ヒューズ56は動作しておらず、共振回路53が必要とする電流を流す。異常の発生を検出して、制御部65がポートP2をハイレベルにしてドライバ68を介して第2スイッチSW2をオンにすると、ヒューズ56と送電コイル51との接続点は、接地ラインGNDに短絡されるので、ヒューズ56には短絡の際の電流(以下、溶断電流という)が流れ、過電流溶断型のヒューズ56は溶断する。この結果、ヒューズ56は、不可逆的にオフとなり、交流電圧ACPが共振回路53に印加されることがない。正常時において、第1スイッチSW1がオンになると共振回路53は共振状態となり、第1スイッチSW1がオフになると共振回路53は非共振状態となることは、第1実施形態と同様である。
以上説明した第2実施形態の送電装置50Aでは、異常が発生したと制御部65が判断すると、ポートP2をハイレベルとし、ドライバ68を介して第2スイッチSW2をオンにする。この結果、ヒューズ56には短絡電流がながれ、ヒューズ56は溶断する。これに伴い、短絡電流は止まり、共振回路53への交流電圧ACPからの電力供給も遮断される。この結果、第1実施形態と同様、送電装置50Aに生じた異常より、共振回路53に過電流が流れ続けるといったことが事態を防止でき、過電流等による主電源装置70への許容範囲を超える過負荷により、主電源装置70に不具合を生じるといった事態の発生を抑制できる。なお、第2実施形態では、ヒューズ56を溶断する溶断電流は、送電コイル51を流れないので、ヒューズ56の溶断の際に、漏洩磁束が生じる心配もない。
第2実施形態の回路構成は、図8Cに示すように、第2スイッチSW2がオンになった場合に流れる溶断電流の通り道に、所定のインピーダンスZを有する電流制限器59を設けるものとしてもよい。図示の回路では、制御部65が異常を検出して第2スイッチSW2をオンにすると、電流制限器59を介して溶断電流が流れ、ヒューズ56は溶断する。従って、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。しかも、溶断電流の大きさを、電流制限器59により、ヒューズ56を溶断できる程度の電流値に制限できるので、短絡電流より小さくでき、ヒューズ56の溶断時に主電源装置70に過大な負荷をかけないように設計することも容易である。電流制限器59としては、抵抗器RやコンデンサCなどの素子単体でもよく、ヒューズ56が溶断すれば、それ以上の電流は流れないから、コイルL単体でもよい。もとより、これらを組み合わせて、溶断電流の時間的変化を所望のプロファイルに調整しても良い。また、抵抗器やコイルを用い、あるいは各種素子を組み合わせて、溶断電流の突入電流値を制限するなど、その最大値を制限すれば、主電源装置70の負担の低減のみならず、第2スイッチSW2の溶着などの可能性も抑制できる。
C.第3実施形態:
第3実施形態の送電装置50Bについて、図9を用いて説明する。第3実施形態の送電装置50Bは、切換部の接続関係を除いて、第2実施形態の送電装置50Aとほぼ同様の構成を備える。この送電装置50Bにおいては、切換部58Bの第2スイッチSW2は、ヒューズ56の出力側を、接地ラインGNDに直接接続するのではなく、第2コンデンサCrを介して接続するよう構成されている点で、第2実施形態と異なる。なお、第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフと送電装置50Bの動作状態との関係は、第2実施形態に関して図8Bに示したものと同様である。
第3実施形態では、第2スイッチSW2がオンとなった場合にヒューズ56に流れる溶断電流の大きさは、交流電圧ACPの周波数における第2コンデンサCrのインピーダンスにより決定される。もとより、図8Bに示したように、正常時においては、第1スイッチSW1がオンになったときに、共振回路53の共振を用いた移動体20への給電電流がヒューズ56を流れるため、
溶断電流>給電時の定格電流 …(式1)
となるように、第2コンデンサCrの容量を設定している。溶断電流を定める第2コンデンサCrのインピーダンスは、第2コンデンサCrの容量のみならず、交流電圧ACPの周波数によるので、上記(式1)を満たすようにすることは可能である。また、第1スイッチSW1の切り換えによって共振回路53を共振状態にするための容量(Cs+Cr)と非共振状態にするための容量(Cs)との関係の最適化と、上記(式1)との両立を図るためには、第2コンデンサCrを直列接続された複数のコンデンサから構成し、第2スイッチSW2がオンになった場合の溶断電流はそのうちの一部のコンデンサのみを流れるようにすればよい。複数のコンデンサが並列接続されている場合には、第2スイッチSW2として、c型接点を用い、a接点がオンになっている場合に全てのコンデンサが並列接続となって共振回路53Bを共振状態とし、b接点に切り換わったとき、複数のコンデンサの一部のコンデンサのみに溶断電流が流れる構成とすればよい。
かかる構成を備えた第3実施形態の送電装置50Bによれば、第2実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する上、更に、溶断電流を短絡電流より小さくできるので、主電源装置70に掛ける負荷を小さくできる。また、ヒューズ56を溶断するために流す電流値を所定の値に設定可能である。
D.第4実施形態:
第4実施形態の送電装置50Cについて、図10を用いて説明する。第4実施形態の送電装置50Cは、切換部の接続関係が、第2,第3実施形態の送電装置50と異なる。この送電装置50Cにおいては、切換部58Cの第2スイッチSW2は、ヒューズ56の出力側に接続されておらず、共振回路53Cの送電コイル51と第1コンデンサCsとの接続点と、接地ラインGNDとを、接続/非接続とする位置に設けられる。なお、第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフと送電装置50Cの動作状態の関係は、第2実施形態に関して図8Bに示したものと同様である。
第4実施形態では、異常の検出がなされて、制御部65がポートP2をハイレベルとし、ドライバ68を介して第2スイッチSW2をオンにしたとき、送電コイル51を介して溶断電流が流れる。第2スイッチSW2がオンとなった場合にヒューズ56に流れる溶断電流の大きさは、交流電圧ACPの周波数における送電コイル51のインピーダンスにより決定される。もとより、図8Bに示したように、正常時においては、第1スイッチSW1がオンになったときに、共振回路53の共振を用いた移動体20への給電電流がヒューズ56を流れるため、
溶断電流>給電時の定格電流 …(式1)
となるように、送電コイル51のリアクタンスを設定している。第3実施形態で説明したように、共振回路53Cの共振状態と非共振状態との切り換えなどの条件との両立を図るために、溶断電流を定める送電コイル51のインピーダンスを適切なものとするため、送電コイル51に巻線数の異なるタップを設け、第2スイッチSW2をこのタップに接続し、第2スイッチSW2がオンになった場合の溶断電流が送電コイル51の一部を流れるようにすればよい。
かかる構成を備えた第4実施形態の送電装置50Cによれば、第3実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
E.第5実施形態:
第5実施形態の送電装置50Dについて、図11Aを用いて説明する。第5実施形態の送電装置50Dは、中継回路80Dを用いる点、およびドライバ67,68に代えてドライバ69を用いている点、更に接近センサ62に代えて中継回路80Dに設けられた電流センサ85を用いる点で、既述した実施形態の送電装置50と異なる。送電装置50Dの中継回路80Dは、送電コイル51と密結合された中継コイル81、中継コイル81と共に共振回路を形成する第3コンデンサCh、中継コイル81の両端を短絡する第2スイッチSW2、共振電流を検出する電流センサ85等を備える。中継回路80Dは、受電コイル31を備えた移動体20の接近を検出するために設けられている。受電コイル31の接近は、電流センサ85により検出する共振電流の増減により検出される。図示の都合上、電流センサ85から制御部65への接続は示されていないが、制御部65は電流センサ85の出力を読み取り、移動体20の接近を検出する。つまり、電流センサ85は、接近センサとして働く。なお、図11Aでは、各コイルが互いに磁気的に結合された状態にあることを2本の平行な直線により示している。
本実施形態では、第2スイッチSW2は、中継回路80Dに設けられている。このため、切換部58Dは、共振回路53Dの共振用の第2コンデンサCrに接続された第1スイッチSW1と、中継回路80Dに設けられた第2スイッチSW2とを含んだ回路となっている。切換部58Dを構成する第1,第2スイッチSW1,SW2の状態は、制御部65のポートP1,P2の状態に従うドライバ69の出力により切り換えられる。
本実施形態のドライバ69は、図示するように、2つのオアゲートOR1,OR2と、オアゲートOR2の一方の入力端子に接続されたインバータINVとから構成されている。オアゲートOR1の2つの入力端子には、制御部65のポートP1,P2が、それぞれ接続されている。オアゲートOR2の入力端子の一方には制御部65のポートP1が、入力端子の他方にはポートP2が、インバータINVを介して接続されている。この結果、ポートP2がハイレベル(H)となければ、ポートP1の状態にかかわらず、ドライバ69の2つの出力はハイレベルとなり、第1,第2スイッチSW1,SW2はオン状態となる。他方、ポートP2がロウレベル(L)となっていれば、ドライバ69の2つの出力は、ポートP1の状態(ハイ/ロウ)により、排他的にハイレベルまたはロウレベルとなる。
送電装置50Dの切換部58Dは、従前の実施形態と同様、第1,第2スイッチSW1,SW2から構成される。切換部58Dの第1,第2スイッチSW1,SW2は、制御部65により切り換えられるが、制御部65のポートP1,P2の状態と第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフ、延いては送電装置50Dの状態を、図11Bに示した。図示するように、正常時には、制御部65のポートP2はロウレベルに保たれている。このとき、ポートP1がロウレベルであれば第1スイッチSW1がオフ、第2スイッチSW2がオンとなっており、共振回路53Dは待機状態に保たれる。ポートP1がハイレベルであれば第1スイッチSW1がオン、第2スイッチSW2がオフとなり、共振回路53Dは共振状態となる。インバータINVが設けられているので、2つのオアゲートOR1,OR2の出力は排他的にオン・オフとなる。
異常が検出されると、制御部65はポートP2をハイレベルにする。この結果、ドライバ69の2つの出力はともにハイレベルとなり、この結果、第1,第2ス
イッチSW1,SW2は共にオンとなる。この状態となると、共振回路53Dに大きな電流が流れ、ヒューズ56を溶断する。第2スイッチSW2がオンとなったときに、ヒューズ56を溶断するので、第2スイッチSW2が短絡故障を起こしても、異常時に対応できる。このとき、溶断電流は送電コイル51を介して流れるため、ヒューズ56が溶断するまでの間に大きな磁束が発生するが、中継コイル81には送電コイル51が発する磁束を打ち消すように誘導電流が生じるため、漏えい磁束はキャンセルされる。
以上説明した第5実施形態の送電装置50Dによれば、中継回路80Dを用いることで、移動体20の接近を受電コイル31との関係で的確に検出できる。また移動体20の検出のために、磁石24なども必要がなく、他の磁性体などによる誤検出も生じない。その余の作用効果は、第1~第4実施形態と同様である。
F.第6実施形態:
次に第6実施形態の送電装置50Eについて、図12を用いて説明する。第6実施形態の送電装置50Eでは、図示するように、第5実施形態と同様、中継回路80Eを用いるが、この中継回路80Eは、共振回路53Eと電気的に分離されておらず、1つの閉回路を形成している。見かけ上、共振回路53Eと中継回路80Eとは、交流電圧ACPに対して直列に接続された負荷となっている。送電装置50Eにおける切換部58Eや中継回路80Eの構成、ドライバ69の内部構成、ドライバ69の出力と第1,第2スイッチSW1,SW2との接続、接近センサ62に代えて電流センサ85を用いることなどは、第5実施形態と同様である。また、第6実施形態の動作は、図11Bに示した第5実施形態と同様である。
以上説明した第6実施形態の送電装置50Eによれば第5実施形態と同様の作用効果を奏する上、中継回路80Eが共振回路53Eと直接接続されているので、構成を簡素化できる。
G.第7実施形態およびその変形例:
以上説明した第5、第6実施形態では、中継回路80D,80Eを用い、中継回路80D,80Eに設けた第2スイッチSW2を、共振回路53D,53Eに設けた第1スイッチSW1と共にオン(導通状態)とすることで、溶断電流を流してヒューズ56を溶断するものとしたが、中継回路80Dの動作とは無関係に、ヒューズ56を溶断する様にしてもよい。こうした回路構成を第7実施形態の送電装置50Fとして図13に示した。この例では、共振回路53Fおよび切換部58Fは、第3実施形態の共振回路53Bおよび切換部58Bと同一の構成を備える。
他方、この実施形態では、中継回路80Fは、中継回路80Fの共振用コンデンサとして第3コンデンサChに加えて、第4コンデンサCgを有する。共振回路53Fが共振状態と非共振状態とに切り換えられるのに同期して、中継回路80Fも、共振状態と非共振状態とに切り換えられる。このために、共振回路53Fには主第1スイッチSW11が、中継回路80Fには副第1スイッチSW12が、それぞれ設けられている。この2つの主第1スイッチSW11と副第1スイッチSW12とは、制御部65がそのポートP1をアクティプにすることで、ドライバ67を介してオン(導通状態)に切り換えられる。このとき、共振回路53Fの共振コンデンサの容量は、第1コンデンサCsの容量と第2コンデンサCrとを加えたものになり、同様に中継回路80Fの共振用コンデンサの容量は、第3コンデンサChの容量と第4コンデンサCgの容量とを加えたものとなる。両スイッチSW11,SW12がオンになった状態で、共振回路53Fおよび中継回路80Fは、それぞれ共振状態となる。また、主第1スイッチSW11および副第1スイッチSW12がオフ(非導通状態)となれば、共振回路53Fおよび中継回路80Fは、それぞれ非共振状態となる。主第1スイッチSW11および副第1スイッチSW12のオフ・オフは、電流センサ85を用いた移動体20の接近の検出状態により行なわれる。移動体20が接近したときに、共振状態となり、送電装置50Fから移動体20側への給電が行なわれる。
異常検出器61により、送電装置50Fから移動体20側への給電に、何らかの異常が発生したと判断した場合には、第3実施形態と同様に、第2スイッチSW2をオンにすることで、溶断電流を生じさせ、ヒューズ56を溶断する。第1スイッチSW1(ここでは、SW11とSW12)および第2スイッチSW2のオン・オフと送電装置50Fの動作状態との関係は、図8Bに示したものと同様である。
こうすれば、中継回路80Fを用いても、中継回路80Fの動作とは関係なく、異常の発生時に、ヒューズ56を溶断して、共振回路53Fに過電流が流れることを防止できるので、結果的に、送電装置50Fや主電源装置70に不具合を発生させるといった可能性を抑制できる。なお、中継回路を用いた場合のこうした回路構成は、他にも種々可能であり、例えば、図14に変形例として示した送電装置50Gの構成なども可能である。図示する構成は、既に説明した第7実施形態の中継回路80Fと同様に中継回路80Gを備え、送電装置50Gは、上述した第4実施形態と同様の回路構成を備える。この送電装置50Gにおいては、切換部58Gの第2スイッチSW2は、ヒューズ56の出力側に接続されておらず、共振回路53Gの送電コイル51と第1コンデンサCsとの接続点と、接地ラインGNDとを、接続/非接続とする位置に設けられる。なお、第1スイッチSW1(ここでは、SW11とSW12)および第2スイッチSW2のオン・オフと送電装置50Fの動作状態との関係は、図8Bに示したものと同様である。こうした回路構成でも、第4実施形態と同様の作用効果を奏する。
H.第8実施形態およびその変形例:
次に第8実施形態の送電装置50Hについて説明する。図15は、送電装置50Hの回路構成図である。上述した第1~第7実施形態では、共振回路53等は、直列共振(SS)回路として構成されていたが、第8実施形態では、共振回路は、並列共振回路としても構成されている。第8実施形態の送電装置50Hは、第2実施形態の回路構成とは異なり、共振回路53Hを、送電コイル51とこれに並列に接続された並列共振コンデンサCpとからなる並列共振(P)回路として構成している。また、第8実施形態の送電装置50Hでは、切換部58Hを構成する第1スイッチSW1は、電力ラインNL1のヒューズ56の出力側に設けられており、第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1の出力側において、電力ラインNL1,NL2に接続された共振回路53Hと並列に設けられている。
第8実施形態の送電装置50Hでは、制御部65は、ドライバ68を介して第1スイッチSW1をオン・オフし、ドライバ69を介して第2スイッチSW2をオン・オフする。制御部65による第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフの状態と、送電装置50Hの動作状態を、図16に示す。図示するように、異常検出器61により異常が検出されていない場合、つまり正常時には、第1,第2スイッチSW1,SW2は、排他的にオン・オフされ、接近センサ62により移動体20が接近していないと判断されれば、第1スイッチSW1をオフに、第2スイッチSW2をオンに、それぞれ維持する。この状態では、交流電圧ACPは共振回路53Hに印加されず、かつ送電コイル51の両端は短絡されるから、共振回路53Hを介した受電装置30への送電は生じない。他方、接近センサ62により移動体20が接近した状態にあると判断されれば、第1スイッチSW1をオンに、第2スイッチSW2をオフに、それぞれ切り換える。この状態では、交流電圧ACPは共振回路53Hに印加され、かつ送電コイル51の両端は短絡されていないから、共振回路53Hを介して受電装置30への送電が生じる。この状態では、接近センサ62が移動体20の接近を検出している場合でも、検出していない状態でも、第1,第2スイッチSW1,SW2のいずれか一方はオフになっているので、ヒューズ56の出力側の電力ラインNL1が接地ラインGNDに短絡されることはない。
異常検出器61が何らかの異常を検出すると、制御部65は、2つのポートP1,P2をいずれもハイレベルにして、第1,第2スイッチSW1,SW2を共にオンにする。この結果、ヒューズ56と送電コイル51との接続点は、接地ラインGNDに短絡されるので、ヒューズ56には溶断電流が流れ、過電流溶断型のヒューズ56は溶断する。溶断電流は、送電コイル51には流れないので、溶断の際に漏洩磁束を生じることがない。第8実施形態の送電装置50Hでは、共振回路53Hを並列共振回路としたことで、並列共振回路としての特性を利用でき、また移動体20が接近していない場合には、第1スイッチSW1をオフとするので、共振回路53Hの共振周波数を変更する必要がない。つまり第2実施形態と同様の作用効果を奏する上、第2コンデンサCrを設ける必要がなく、回路構成を簡略化できる。
共振回路は、種々の構成を採用可能である。例えば、図17に示したように、並列共振コンデンサCpと送電コイル51に直列に接続された直列共振コンデンサCqとを備えた直並列共振(SP)回路構成としてもよいし、直列共振コンデンサCqを電源側に配置した並直列共振(PS)回路構成や両方に直列共振コンデンサを配置した直並直列(SPS)共振回路構成としてもよい。いずれの場合でも、切換部58hの動作は、図16に示したものと同じである。
以上説明した第8実施形態(図15)やその変形例(図17)では、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを共にオンにすることでヒューズ56を溶断するので、溶断電流は短絡電流となる。この溶断電流は、第2実施形態の変形例(図8C)に示したように、短絡電流の流路に所定のインピーダンスZを有する電流制限器59を設けることで、ヒューズ56を溶断でき、かつ短絡電流よりも小さな電流値に設定してもよい。
I.その他の実施態様:
(1)本開示は、上記以外の態様で実施可能である。第1の態様は、非接触送電装置としての態様である。この非接触送電装置は、主電源装置からの電力供給を受けて動作し、給電対象に設けられた受電装置に非接触で送電する送電装置であって、前記受電装置に設けられた受電コイルと磁界結合する送電コイルを備える共振回路と、前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部と、前記主電源装置から前記共振回路に交流電力を供給する電力線に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部と、前記異常検出部によって前記異常が検出されたとき、前記遮断部を動作させて、前記主電源装置から前記共振回路への電力供給を停止する制御部と、を備える。こうすれば、異常の発生時に、遮断部が作動するため、共振回路に交流電力は遮断され、共振による大電流が流れることを回避できる。このため、異常の発生により、大きな電力負荷が主電源装置に掛かり、主電源装置が故障するといった問題の発生を抑制できる。
遮断部を動作させる異常としては、送電装置の過熱や共振回路の過電流、受信装置側からの異常報知など、種々のものを想定できる。送電装置の過熱としては、例えば送電コイルが予め設定した温度以上になった場合や、時間当たりの温度上昇が設定値を超えた場合のみならず、共振用のコンデンサが設定した温度以上になった場合や、送電装置内の環境温度が予め定めた閾値以上となった場合などに、過熱と判断するようにしてもよい。
共振回路の過電流を異常として検出する場合には、電流センサを共振の際の電流が流れる箇所に設ければよい。もとより電流センサは、回路内に設ける必要は必ずしもなく、共振回路を流れる電流は交流なので、電磁誘導を利用した間接的な電流センサを用いてもよい。こうすれば過電流で電流センサ自体が故障する可能性を抑制できる。送電コイルに密結合したコイルを備える中継回路を用いる場合には、中継回路に設けた電流センサで、過電流を検出してもよい。この他、異常検出は、移動体が接近していないにもかかわらず、共振回路を共振状態とするように回路が切り換えられたとき、など、ロジックが逸脱ないし破綻している場合を異常発生と判断することも可能である。また、非接触給電システムに設けられたダイアグノーシスコンピュータから、システムとして異常の発生を検出したことの報知を受けた場合に異常発生と判断する構成なども採用可能である。
(2)こうした構成において、前記遮断部は、ヒューズ、リレー接点、半導体スイッチング素子のうちの少なくとも一つを備え、前記ヒューズの溶断、前記リレー接点の開放、前記半導体スイッチング素子のオフ動作により、前記電力線を非導通状態とするものとしてよい。こうすれば、既存の回路部品を用いて、容易に遮断部を構成できる。こうした遮断部は、高周波電力の供給を入り切りするヒューズ、リレー、半導体スイッチング素子など、電気的にオン・オフ可能なものであれば、可逆的に動作するものでも非可逆的に動作するものでも差し支えない。また、ヒューズなどの不可逆的な動作するものであっても、過電流溶断型のように、回路を流れる電流を利用して動作するものに限らず、外部からの信号により不可逆的にオフとなるタイプのものも採用可能である。例えば、ヒータを備えた熱溶断型ヒューズのように、ドライバからの信号でヒータを加熱してヒューズを溶断するといったものでもよい。あるいはブレーカのように、一旦オフになると手動または制御部からの復帰処理がなければ、導通状態に戻らないといった構成としてもよい。遮断部として、リレーや半導体スイッチのように可逆的な動作するものを用いる場合には、ノーマルオープンのリレーや半導体スイッチなどを用いることもフェールセーフを実現する上で好適である。また、不可逆的に動作するものとして、過電流溶断型のヒューズを用いる場合には、回路構成を簡略化できるという利点がある。
(3)上記(1)(2)などの構成において、前記共振回路が前記受電装置への送電を行なう共振状態、前記共振回路が前記受電装置への送電を行なわない非共振状態、予め定めた大きさの遮断用電流を流して前記遮断部を動作させる遮断動作状態のいずれかへの切り換えを行なう切換部を備え、前記制御部は、前記異常が検出されたとき、前記切換部を駆動して前記遮断動作状態への切り換えを行なうものとしてよい。こうすれば、切換部により、共振状態、非共振状態、遮断動作状態の切り換えを行なうことができる。一般に、共振回路において、過大な電流が流れるなどの異常な状態は、共振回路が共振状態になっている場合に生じ易いので、こうした共振状態/非共振状態の切り換えと遮断動作状態とを、1つの切換部と切り換えられることは、構成の簡素化や安定動作に資する。切換部は、複数のスイッチング素子やリレーなどの接点の状態の組み合わせなどにより、容易に実現可能である。もとより、その切換は、ディスクリートな回路構成によってもよいし、コンピュータを用いた論理演算により実現してもよい。遮断動作状態を実現するために、遮断部に過電流溶断型のヒューズを用いた場合には、遮断用電流は、ヒューズの溶断電流である。遮断部にリレー接点や半導体のスイッチング素子を用いる場合には、遮断用電流を利用してリレー本体を動作させたり、遮断用電流により発生する電圧によりFETなどの半導体のスイッチング素子を動作させればよい。後者の場合に、フリップフロップ回路を構成し、遮断用電流が流れて、フリップフロップ回路がセット状態あるいはリセット状態にされ、遮断用電流が失われても、その後、フリップフロップ回路のセット状態あるいはリセット状態が維持されるようにすれば、遮断用電流が短時間に流れるだけであっても、遮断動作状態を維持するように構成することも可能である。
(4)上述した(1)から(3)のいずれかの構成において、前記共振回路は、前記送電コイルと共に共振の状態を決定するコンデンサと、前記送電コイルのインダクタンスおよび前記コンデンサの容量の少なくとも一方を変更する変更回路とを備え、前記切換部は、前記変更回路により前記送電コイルのインダクタンスおよび前記コンデンサの容量の少なくとも一方を変更することにより、前記共振状態と前記非共振状態との切り換えを行なうものとしてよい。こうすれば、共振回路を、共振状態と非共振状態とのいずれかに、容易に切り換えることができる。コンデンサの容量は、複数のコンデンサを並列または直列に配列し、その間の接続をオン/オフすることで容易に切り換えられる。また、電子的に可変容量コンデンサを構成してもよい。送電コイルのインダクタンスの変更は、同様に複数の送電コイルを設けてその接続を切り換えてもよいし、送電コイルに複数のタップを設け、タップ切換により実現してもよい。送電コイルがフェライトコアなどの磁性体を備える場合には、フェライトコアが送電コイルに挿入される長さを変えて、インダクタンスを変更するようにしてもよい。
(5)こうした(3)や(4)の構成において、前記切換部は、前記遮断用電流が流れる回路にコンデンサを含むものとしてよい。こうすれば、共振のための高周波電力に対し、コンデンサのインピーダンスによって遮断用電流の大きさを規制できる。
(6)このとき、前記コンデンサは、前記共振回路の共振状態を決定するコンデンサであるものとしてよい。こうすれば、共振用のコンデンサと遮断用電流を規制するためのコンデンサとを兼用でき、構成の簡素化に資する。
(7)上記(3)や(4)の構成において、前記切換部は、前記遮断用電流が流れる回路にコイルを含むものとしてよい。こうすれば、コイルのインダクタンスによって遮断用電流の大きさを規制できる。
(8)このとき、前記コイルは、前記送電コイルの一部であるものとしてよい。こうすれば、共振用の送電コイルと遮断用電流を規制するためのコイルとを兼用でき、構成の簡素化に資する。
(9)上記構成において、前記送電コイルに磁気的に結合された中継コイルを備え、前記受電コイルの接近によって共振の状態が変化する中継回路を、更に備えるものとしてよい。こうすれば中継回路を用いた構成でも、切換部による切換の動作を実現できる。
(10)この場合、前記中継回路は、前記共振回路とは電気的に分離して設けられ、前記切換部は、前記遮断動作状態への切り換えを、前記共振回路を共振状態とし、前記中継回路を非共振状態とすることで行ない、前記共振回路を介して前記遮断用電流を流すことで前記遮断部を動作させるものとしてよい。
(11)あるいは、前記中継回路は、前記共振回路とは直列に接続され、前記切換部は、前記遮断動作状態への切り換えを、前記共振回路を共振状態とし、前記中継コイルを短絡して前記中継回路を非共振状態とすることで行ない、前記共振回路および前記短絡された前記中継回路を介して前記遮断用電流を流すことで、前記遮断部を動作させるものとしてもよい。これらの構成によれば、簡易な構成で遮断用電流により遮断部を動作させることができる。
(12)上記の実施の態様の他、非接触送電方法としての態様も実現可能である。この非接触送電方法によれば、給電対象に設けられた受電装置に非接触で送電する送電方法であって、前記受電装置に設けられた受電コイルと磁界結合する送電コイルを含む共振回路に、主電源装置から電力線を介して交流電力を供給し、前記共振回路を、前記受電コイルが前記送電コイルに接近した状態では共振状態とし、前記受電コイルが前記送電コイルに接近していない状態では非共振状態とし、前記受電装置への給電に関わる異常を検出したとき、前記電力線を非導通状態に切り換えて、前記主電源装置からの前記共振回路への前記交流電力の供給を遮断する。こうすれば、異常の発生時に、電力線を非導通状態に切り換えるため、共振回路への交流電力は遮断され、共振による大電流が流れることを回避できる。このため、異常の発生により、大きな電力負荷が主電源装置に掛かり、主電源装置が故障するといった問題の発生を抑制できる。
(13)上記の実施の態様の他、非接触給電システムとしての態様も実現可能である。この非接触給電システムは、主電源装置と、前記主電源装置からの電力供給を受けて動作する送電装置と、前記送電装置から非接触で送電を受ける受電装置とからなる給電システムであって、前記受電装置は、受電コイルを含む受電側共振回路と、前記受電側共振回路に誘起された交流を整流して直流の電力を取り出す整流回路と、前記直流の電力で動作する負荷装置と、を備え、前記送電装置は、前記受電コイルと磁界結合する送電コイルを備える送電側共振回路と、前記主電源装置から前記送電側共振回路への電力線に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部と、前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部と、前記異常検出部が前記異常を検出したとき、前記遮断部を動作させて、前記送電側共振回路への電力供給を遮断する制御部と、を備える。この給電システムは、送電装置から受電装置に、非接触で給電できる上、前記受電装置への給電に関わる異常の発生時に、遮断部を動作させて、前記送電側共振回路への電力供給を遮断するため、送電装置において、共振による大電流が流れることを回避できる。このため、異常の発生により、大きな電力負荷が主電源装置に掛かり、主電源装置が故障するといった問題の発生を抑制できる。
(14)上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。ソフトウェアによって実現されていた構成の少なくとも一部は、ディスクリートな回路構成により実現することも可能である。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…移動体、21…駆動輪、22…従動輪、24…磁石、30…受電装置、31…受電コイル、33…受電側共振回路、34…整流回路、41…第1電源部、42…第2電源部、43…制御回路、45…負荷装置、48…移動用モータ、50,50A~50G…送電装置、51…送電コイル、53,53A~53G…共振回路、55…遮断部、56…ヒューズ、58A~58G…切換部、59…電流制限器、60…直流電源部、61…異常検出器、62…接近センサ、65…制御部、67~69…ドライバ、70…主電源装置、71…ノイズフィルタ、72…PFC回路、73…インバータ、74…フィルタ、80D~80G…中継回路、81…中継コイル、85…電流センサ、90…主電源、100…非接触給電システム、OR1,OR2…オアゲート、P1,P2…ポート、RFP…主電力ライン、RS…路面、SW1…第1スイッチ、SW11…主第1スイッチ、SW12…副第1スイッチ、SW2…第2スイッチ

Claims (14)

  1. 主電源装置(70)からの電力供給を受けて動作し、給電対象に設けられた受電装置(30)に非接触で送電する送電装置(50)であって、
    前記受電装置に設けられた受電コイル(31)と磁界結合する送電コイル(51)を備える共振回路(53)と、
    前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部(61)と、
    前記主電源装置から前記共振回路に交流電力を供給する電力線(NL1,NL2)に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部(55,56)と、
    前記異常検出部によって前記異常が検出されたとき、前記遮断部を動作させて、前記主電源装置から前記共振回路への電力供給を停止する制御部(65)と、
    を備える、非接触送電装置。
  2. 前記遮断部は、ヒューズ(56)、リレー接点、半導体スイッチング素子のうちの少なくとも一つを備え、前記ヒューズの溶断、前記リレー接点の開放、前記半導体スイッチング素子のオフ動作により、前記電力線を非導通状態とする、請求項1記載の非接触送電装置。
  3. 前記共振回路が前記受電装置への送電を行なう共振状態、前記共振回路が前記受電装置への送電を行なわない非共振状態、予め定めた大きさの遮断用電流を流して前記遮断部を動作させる遮断動作状態のいずれかへの切り換えを行なう切換部(58A,58B,58C,58D,58E,58F,58G)を備え、
    前記制御部は、前記異常が検出されたとき、前記切換部を駆動して前記遮断動作状態への切り換えを行なう、
    請求項1に記載の非接触送電装置。
  4. 前記共振回路は、前記送電コイルと共に共振の状態を決定するコンデンサ(Cs,Cr)と、前記送電コイルのインダクタンスおよび前記コンデンサの容量の少なくとも一方を変更する変更回路(SW1,SW11)とを備え、
    前記切換部は、前記変更回路により前記送電コイルのインダクタンスおよび前記コンデンサの容量の少なくとも一方を変更することにより、前記共振状態と前記非共振状態との切り換えを行なう、請求項3に記載の非接触送電装置。
  5. 前記切換部は、前記遮断用電流が流れる回路にコンデンサを含む、請求項3に記載の非接触送電装置。
  6. 前記コンデンサは、前記共振回路の共振状態を決定するコンデンサである、請求項5に記載の非接触送電装置。
  7. 前記切換部は、前記遮断用電流が流れる回路にコイル(51)を含む、請求項3に記載の非接触送電装置。
  8. 前記コイルは、前記送電コイルの一部である、請求項7に記載の非接触送電装置。
  9. 前記送電コイルに磁気的に結合された中継コイル(81)を備え、前記受電コイルの接近によって共振の状態が変化する中継回路(80D,80E、80F、80G)を、更に備える、
    請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の非接触送電装置。
  10. 前記中継回路は、前記共振回路とは電気的に分離して設けられ、
    前記切換部は、前記遮断動作状態への切り換えを、前記共振回路を共振状態とし、前記中継回路を非共振状態とすることで行ない、前記共振回路を介して前記遮断用電流を流すことで前記遮断部を動作させる、
    請求項9に記載の非接触送電装置。
  11. 前記中継回路は、前記共振回路とは直列に接続され、
    前記切換部は、前記遮断動作状態への切り換えを、前記共振回路を共振状態とし、前記中継コイルを短絡して前記中継回路を非共振状態とすることで行ない、前記共振回路および前記短絡された前記中継回路を介して前記遮断用電流を流すことで、前記遮断部を動作させる、
    請求項9に記載の非接触送電装置。
  12. 前記共振回路は、前記送電コイルと共に用いられる共振用コンデンサを備え、前記送電コイルと前記共振用コンデンサとは、直列共振回路、並列共振回路、直並列共振回路、並直列共振回路、および直並直列共振回路のうちの少なくとも1つを構成する、請求項1に記載の非接触送電装置。
  13. 給電対象に設けられた受電装置に非接触で送電する送電方法であって、
    前記受電装置に設けられた受電コイルと磁界結合する送電コイルを含む共振回路に、主電源装置から電力線を介して交流電力を供給し、
    前記共振回路を、前記受電コイルが前記送電コイルに接近した状態では共振状態とし、前記受電コイルが前記送電コイルに接近していない状態では非共振状態とし、
    前記受電装置への給電に関わる異常を検出したとき、前記電力線を非導通状態に切り換えて、前記主電源装置からの前記共振回路への前記交流電力の供給を遮断する、
    非接触送電方法。
  14. 主電源装置と、前記主電源装置からの電力供給を受けて動作する送電装置と、前記送電装置から非接触で送電を受ける受電装置とからなる非接触給電システム(100)であって、
    前記受電装置は、
    受電コイルを含む受電側共振回路(33)と、
    前記受電側共振回路に誘起された交流を整流して直流の電力を取り出す整流回路(34)と、
    前記直流の電力で動作する負荷装置(45)と、
    を備え、
    前記送電装置は、
    前記受電コイルと磁界結合する送電コイルを備える送電側共振回路と、
    前記主電源装置から前記送電側共振回路への電力線に設けられ、前記電力線を非導通状態に切り換え可能な遮断部と、
    前記受電装置への給電に関わる異常を検出する異常検出部と、
    前記異常検出部が前記異常を検出したとき、前記遮断部を動作させて、前記送電側共振回路への電力供給を遮断する制御部と、
    を備える、
    非接触給電システム。
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