JP2024034519A - 制御装置、スイッチングシステム及び制御方法 - Google Patents

制御装置、スイッチングシステム及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズ強調効果による大きな電磁ノイズが発生しないようにする。【解決手段】制御装置は、周辺環境の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、制御装置、スイッチングシステム及び制御方法に関する。
複数台のインバータ装置が交流系統に連系されている場合に、周辺環境のノイズの発生状況に基づいて各インバータ装置のPWM(Pulse Width Modulation)周波数を可変制御する技術が提案されている。
しかしながら、複数台のインバータ装置のPWM周波数を可変制御しても、複数台のインバータ装置内のスイッチング素子のオン又はオフのタイミングが重なってノイズ強調効果により大きな電磁ノイズが発生するおそれがある。
特開2009-189143号公報
そこで、本発明の一実施形態では、ノイズ強調効果による大きな電磁ノイズが発生しないようにした制御装置、スイッチングシステム及び制御方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、周辺環境の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、
前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
第1の実施形態による制御装置及びスイッチングシステムの概略構成を示すブロック図。 電磁ノイズ測定部で測定された周辺環境の電磁ノイズ波形を示す図。 スイッチング部が時刻t2~t3の期間内と、時刻t6~t7の期間内にスイッチング動作を行う例を示す図。 スイッチング制御部の内部構成の一例を示すブロック図。 スイッチング部の内部構成を示すブロック図。 指令信号w1、キャリア信号w2、及びPWM信号W3の信号波形図。 図5とはキャリア信号w2の位相を180度ずらした例を示す図。 第2の実施形態に係る制御装置及びスイッチングシステムの概略構成を示すブロック図。 電磁ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの時系列情報を示す図。 電磁ノイズ予測部が予測する電磁ノイズの時系列情報を示す図。 スイッチング部がスイッチング動作を行うタイミングを示す図。 電磁ノイズ測定部で測定された電源ノイズの波形の他の一例を示す図。
以下、図面を参照して、制御装置、スイッチングシステム及び制御方法の実施形態について説明する。以下では、制御装置及びスイッチングシステムの主要な構成部分を中心に説明するが、制御装置及びスイッチングシステムには、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態による制御装置1及びスイッチングシステム2の概略構成を示すブロック図である。図1のスイッチングシステム2は、スイッチング部3と、制御装置1とを備えている。制御装置1は、電磁ノイズ測定部4と、スイッチング制御部5とを有する。スイッチングシステム2内に、スイッチング部3と制御装置1を組とする複数組が設けられる場合もありうる。
スイッチング部3は、一つ又は複数のスイッチング素子を有し、スイッチング素子を所定のタイミングでオン又はオフさせるスイッチング動作を行う。スイッチング部3は、インバータ、コンバータ、及び変圧器などを有し、電力損失を抑制させた状態で、直流/交流の変換、電圧、電流、周波数、相数などを変換する。
スイッチング部3は、例えば、太陽光発電(PV:Photovoltaic)装置などの再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置に用いられる。この種の電力変換装置は、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning Subsystem)とも呼ばれる。電力変換装置には、図1のスイッチング部3だけでなく、制御装置1が内蔵されることがある。なお、電力変換装置は、直流電圧を交流電圧に変換するモードと、交流電圧を直流電圧に変換するモードとを備えていてもよい。
電磁ノイズ測定部4は、周辺環境の電磁ノイズを測定する。周辺環境とは、図1のスイッチングシステム2の周辺に位置する何らかのノイズ源を指し、ノイズ源の種類は問わない。例えば、電磁ノイズ測定部4は、アンテナを用いて、電磁ノイズを測定する。より詳細には、スイッチング部3の電磁ノイズの影響を受けないように、指向性アンテナを用いて電磁ノイズを測定してもよい。この場合、指向性アンテナの指向性は、スイッチング部3の配置方向とは異なる方向に向けるのが望ましい。
電磁ノイズ測定部4が周辺環境の電磁ノイズを測定する際には、スイッチング部3のスイッチング動作を停止させてもよい。これにより、電磁ノイズ測定部4は、スイッチング部3から電磁ノイズが発生されない状況で周辺環境の電磁ノイズを測定でき、周辺環境の電磁ノイズをより精度よく測定できる。
スイッチング制御部5は、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部3をオン又はオフするタイミングを制御する。例えば、電磁ノイズ測定部4が電磁ノイズのレベルを示すノイズ信号を出力する場合、スイッチング制御部5は、ノイズ信号のレベルが所定の閾値以下になるタイミングに合わせて、スイッチング部3のオン又はオフを切替制御する。また、電磁ノイズ測定部4が電磁ノイズの発生タイミングを示すノイズ信号を出力する場合、スイッチング制御部5は、ノイズ信号が発生しないタイミングに合わせて、スイッチング部3のオン又はオフを切替制御する。スイッチング制御部5は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などのデジタル信号処理を行う半導体チップ又はディスクリートのデジタル回路部品でもよいし、アナログ信号処理を行う半導体チップ又はディスクリート部品でもよい。
図2A及び図2Bはスイッチング制御部5の処理制御を説明する図である。図2Aは、電磁ノイズ測定部4で測定された周辺環境の電磁ノイズ波形を示している。図2A及び図2Bの横軸は時間、縦軸は電磁ノイズの信号レベルである。図2Aは、時刻t1~t2と、時刻t3~t4と、時刻t5~t6と、時刻t7~t8とに電磁ノイズが発生する例を示している。
周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングと重なるタイミングで、スイッチング部3にスイッチング動作を行わせると、ノイズ強調効果により、大きな電磁ノイズが発生するおそれがある。そこで、スイッチング制御部5は、図2Bに示すように、周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングで、スイッチング部3にスイッチング動作を行わせる。
図2Bは、スイッチング制御部5の制御により、スイッチング部3が時刻t2~t3の期間内と、時刻t6~t7の期間内にスイッチング動作を行う例を示している。より詳細には、図2Bの例では、スイッチング制御部5は、時刻t2より後で時刻t3より前の時刻tAと、時刻tAより後で時刻t3より前の時刻tBと、時刻t6より後で時刻t7より前の時刻tCと、時刻tCより後で時刻t7より前の時刻tDで、スイッチング部3にスイッチング動作を行わせる。
これにより、スイッチング制御部5がスイッチング制御を行うスイッチング部3の電磁ノイズの発生タイミングを、周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングとずらすことができ、ノイズ強調効果で電磁ノイズが大きくなるおそれはない。
図3はスイッチング制御部5の内部構成の一例を示すブロック図である。図3のスイッチング制御部5は、補償部6と、スイッチタイミング調整部7と、キャリア信号生成部8と、PWM信号生成部9とを有する。
補償部6は、スイッチング部3が出力する交流信号が目標信号に一致するように補償値を生成するとともに、補償値に基づいて指令信号を生成する。本明細書は、補償部6を指令信号生成部と呼ぶことがある。指令信号は、PWM信号生成部9とスイッチタイミング調整部7に入力される。
スイッチタイミング調整部7は、補償部6からの指令信号と電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズの波形から、電磁ノイズが観測される期間以外にスイッチング部3をスイッチング動作させるように、キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つを設定する。
キャリア信号生成部8は、スイッチタイミング調整部7で設定されたキャリア信号の波形形状、周波数又は位相に基づいてキャリア信号を生成する。キャリア信号は、例えば三角波信号である。なお、キャリア信号は、鋸波信号、正弦波信号、矩形波信号などでもよく、波形形状は問わない。
PWM信号生成部9は、スイッチング部3をオン又はオフさせるためのPWM信号を生成する。PWM信号生成部9は、キャリア信号生成部8で生成されたキャリア信号と、補償部6で生成された指令信号との大小関係を比較することにより、PWM信号を生成する。
このように、スイッチング制御部5は、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズに基づいて波形形状、周波数又は位相の少なくとも一方が制御されるキャリア信号により、スイッチング部3のオン又はオフのタイミングを制御する。
図4はスイッチング部3の内部構成を示すブロック図である。スイッチング部3は、昇圧チョッパ回路11と、インバータ回路12と、変圧器13とを有する。
昇圧チョッパ回路11には、例えば太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧Vdcが入力される。昇圧チョッパ回路11は、入力された直流電圧Vdcの電圧振幅の変換を行う。インバータ回路12は、昇圧チョッパ回路11の出力電圧を交流電圧Vacに変換する。インバータ回路12は、後述するキャリア信号と指令信号を用いて生成されるPWM信号に基づいてスイッチング部3をオン又はオフすることで、交流電圧Vacを生成する。変圧器13は、交流電圧Vacの電圧振幅を変換して、例えば100Vの商用電源電圧を生成する。スイッチング制御部5は、昇圧チョッパ回路11とインバータ回路12を制御する。
図5及び図6は、指令信号w1、キャリア信号w2、及びPWM信号W3の信号波形図である。補償部6が生成する指令信号w1は、スイッチング部3が出力する交流信号の周波数(例えば50Hz~60Hz)と同程度の周波数を有する。キャリア信号生成部8が生成するキャリア信号w2は、指令信号w1よりもはるかに周波数が高い信号であり、例えば三角波信号である。PWM信号生成部9は、例えば、指令信号w1の信号振幅がキャリア信号w2の信号振幅より大きい場合はPWM信号W3をハイレベルにし、指令信号w1の信号振幅がキャリア信号w2の信号振幅以下の場合はPWM信号W3をローレベルにする。これにより、図5のように、パルス幅が変化するPWM信号W3が生成される。
図6は図5とはキャリア信号w2の位相を180度ずらした例を示している。図6に示すように、キャリア信号w2の位相がずれると、PWM信号W3がハイレベルになるタイミングがずれる。このように、キャリア信号生成部8にてキャリア信号w2の位相を制御することで、PWM信号W3がハイレベルになるタイミングと期間を制御できる。
PWM信号W3は、スイッチング部3のオン又はオフの切替タイミングを制御するために用いられる。キャリア信号生成部8がキャリア信号w2の周波数又は位相の少なくとも一方を制御することで、PWM信号W3のパルス幅を制御できる。これにより、スイッチング部3がスイッチング動作を行うタイミングを制御でき、電磁ノイズが発生されるタイミングを制御できる。
このように、第1の実施形態では、電源ノイズ測定部にて周辺環境の電磁ノイズを測定し、その測定結果をスイッチタイミング調整部7に供給する。スイッチタイミング調整部7は、補償部6からの指令信号と電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズの波形から、電磁ノイズが観測される期間以外にスイッチング部3をスイッチング動作させるように、キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つを設定する。キャリア信号生成部8は、スイッチタイミング調整部7の設定に従ってキャリア信号を生成する。PWM信号生成部9は、キャリア信号生成部8で生成されたキャリア信号と補償部6で生成された指令信号との大小関係を比較して、PWM信号を生成する。スイッチング部3は、PWM信号に基づいてオン又はオフに切替制御される。これにより、周辺環境の電磁ノイズが小さいタイミングに合わせてスイッチング部3にスイッチング動作を行わせることができ、周辺環境の電磁ノイズとスイッチングの電磁ノイズとのノイズ強調効果が生じるのを防止できる。
(第2の実施形態)
図7は第2の実施形態に係る制御装置1及びスイッチングシステム2の概略構成を示すブロック図である。図7のスイッチングシステム2は、制御装置1の構成が図1とは異なっている。図7の制御装置1は、電磁ノイズ測定部4とスイッチング制御部5の他に、電磁ノイズ予測部14を有する。
電磁ノイズ予測部14は、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズに基づいて、測定時以降の電磁ノイズを予測する。スイッチング制御部5は、電磁ノイズ予測部14で予測された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部3のオン又はオフのタイミングを制御する。スイッチ制御部の内部構成は、図3と同様である。
電磁ノイズ予測部14は、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズの時系列情報に基づいて、測定時以降の電磁ノイズの時系列情報を予測してもよい。ここで、時系列情報は、電磁ノイズの測定時以降の期間における電磁ノイズの予測情報を含んでいる。スイッチング制御部5は、時系列情報に含まれる電磁ノイズの発生予測期間と重ならないタイミングにスイッチング部3をオン又はオフさせる。
電磁ノイズ予測部14は、スイッチング制御部5が出力するスイッチング部3をオン又はオフさせる制御信号に基づいて、スイッチング部3から発生される電磁ノイズを含まない周辺環境の電磁ノイズを予測する。スイッチング制御部5は、スイッチング部3から発生される電磁ノイズのタイミングが電磁ノイズ予測部14で予測された電磁ノイズの発生タイミングと異なるように、スイッチング部3のオン又はオフのタイミングを制御する。
図8A、図8B、及び図8Cは電磁ノイズ予測部14で予測された電磁ノイズの時系列情報を示す図である。これらの図の横軸は時間、縦軸は電磁ノイズの信号レベルである。図8Aは電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズの波形図である。図8Aに示すように、時刻t1~t2、t3~t4、t5~t6、t7~t8で電磁ノイズが発生している。
電磁ノイズ予測部14は、電磁ノイズ測定部4で測定された時刻t8以前の電磁ノイズに基づいて、時刻t9以降の電磁ノイズを予測する。周辺環境の電磁ノイズが周期性を有する場合、電磁ノイズ予測部14は、図8Aに示す時刻t1~t8に測定された電磁ノイズの発生タイミングに基づいて、図8Bに示すように、時刻t10~t11、t12~t13、t14~t15に電磁ノイズが発生することを予測する。図8Bは、電磁ノイズ予測部14が予測する電磁ノイズの時系列情報である。なお、周期性とは、同一又は類似の波形形状の電磁ノイズが同一の時間間隔で出現することを指す。
スイッチング制御部5は、電磁ノイズ予測部14からの電磁ノイズの時系列情報に基づいて、図8Cに示すタイミングにスイッチング部3にスイッチング動作を行わせる。図8Cの時刻tEは時刻t9と時刻t10の間の時刻である。時刻tFは時刻t13と時刻t14の間の時刻である。時刻tGは、時刻tFの後で、かつ時刻t14より前の時刻である。図8Cの時刻tE、tF、tGのいずれも、電磁ノイズ予測部14で予測された電磁ノイズの発生予測期間とはずれており、時刻tE、tF、tGを起点としてスイッチング動作を行わせることで、電磁ノイズのノイズ強調効果を防止でき、電磁ノイズの最大信号振幅レベルを抑制できる。
図8A、図8B、及び図8Cでは、電磁ノイズが発生しないと予測される期間にスイッチング部3にスイッチング動作を行わせる例を説明した。一変形例として、スイッチング制御部5は、電磁ノイズの発生予測レベルが電子ノイズの平均レベルの例えば半分以下になる期間に、スイッチングにスイッチング動作を行わせてもよい。この場合も、ノイズ強調効果を防止でき、電磁ノイズの最大信号振幅レベルを抑制できる。
電磁ノイズ予測部14による電磁ノイズの予測手法は、自己回帰和分移動平均(ARIMA:Autoregressive Integrated and Moving Average)過程モデルを用いる手法や、機械学習や深層学習を用いた時系列データ予測アルゴリズムを用いる手法などを適用できる。また、例えば、スイッチング制御システムにおいて出力が50Hzの電力系統に接続しており、系統に同期してスイッチング部3が動作する場合、電磁ノイズは20ms(=1/50Hz)の周期で周期的に発生する。このように、電磁ノイズが周期的に発生する場合には、自己相関係数を算出することで、電磁ノイズの周期タイミングが分かり、電磁ノイズを予測することができる。
また、電磁ノイズ予測部14では、スイッチング部3のオン又はオフの切替制御情報を利用し、自身のスイッチング部3の電磁ノイズの発生タイミングから、自身のスイッチング部3から発生する電磁ノイズの発生波形を生成し、この波形を、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズ波形から減ずることで、自身のスイッチング部3における周辺環境の電磁ノイズを検出できる。検出された周辺環境の電磁ノイズに基づいて、スイッチタイミング調整部7にてキャリア信号の周波数等を制御することにより、検出された周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングでスイッチングにスイッチング動作を行わせることができる。
あるいは、電磁ノイズ測定部4は、自身のスイッチング部3で発生される電磁ノイズを測定しないように、指向性アンテナを用いて周辺環境の電磁ノイズを測定してもよい。この場合、自身のスイッチング部3から発生する電磁ノイズの波形を電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズ波形から減ずる処理が不要になる。
図9は電磁ノイズ測定部4で測定された電源ノイズの波形の他の一例を示す図である。太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備から出力された直流電圧Vdcを商用交流電源と連系させる電力変換装置は、直流電圧Vdcを例えば50Hzの交流電圧Vacに変換する。このため、電力変換装置からは、図9に示すように、例えば50Hzの周期で電磁ノイズが発生する。電磁ノイズ予測部14は、電磁ノイズ測定部4による測定で、50Hzの周期で電磁ノイズが発生していることがわかると、測定時以降も、同じ周期で電磁ノイズが発生するものと予測する。そして、スイッチング制御部5は、電磁ノイズ予測部14で予測した電磁ノイズの発生予測期間とは異なる期間にスイッチング部3にスイッチング動作を行わせる。
このように、第2の実施形態では、電磁ノイズ測定部4で測定された電磁ノイズに基づいて、測定時以降の電磁ノイズの時系列情報を電磁ノイズ予測部14で予測する。電磁ノイズは、周期性を持つため、電磁ノイズ予測部14は比較的正確に電磁ノイズの時系列情報を予測できる。スイッチング制御部5は、予測された電磁ノイズの時系列情報に基づいて、電磁ノイズの発生予測期間と重ならないタイミングにスイッチング部3にスイッチング動作を行わせる。これにより、電磁ノイズ測定部4で電磁ノイズを測定する期間が短くても、長期間にわたって電磁ノイズの発生予測期間を精度よく予測でき、その予測結果に基づいてスイッチング部3をスイッチング動作させるタイミングを制御することで、ノイズ強調効果を防止でき、電磁ノイズの最大信号振幅レベルを抑制できる。
[付記]
[項目1]
周辺環境の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、
前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える、制御装置。
[項目2]
前記制御部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングで、前記スイッチング部をオン又はオフに切替制御する、項目1に記載の制御装置。
[項目3]
前記ノイズ測定部は、電磁ノイズのレベルを示すノイズ信号を出力し、
前記制御部は、前記ノイズ信号のレベルが所定の値以下になるタイミングに合わせて、前記スイッチング部のオン又はオフを切替制御する、項目1又は2記載の制御装置。
[項目4]
前記ノイズ測定部は、電磁ノイズの発生タイミングを示すノイズ信号を出力し、
前記制御部は、前記ノイズ信号が発生しないタイミングに合わせて、前記スイッチング部のオン又はオフを切替制御する、項目1又は2記載の制御装置。
[項目5]
前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、測定時以降の電磁ノイズを予測するノイズ予測部を備え、
前記制御部は、前記ノイズ予測部で予測された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部をオン又はオフに切り替えるタイミングを制御する、項目1又は2に記載の制御装置。
[項目6]
前記ノイズ予測部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの時系列情報に基づいて、測定時以降の電磁ノイズの時系列情報を予測する、項目5に記載の制御装置。
[項目7]
前記制御部は、前記時系列情報に含まれる電磁ノイズの発生予測期間と重ならないタイミングに前記スイッチング部をオン又はオフさせる、項目6に記載の制御装置。
[項目8]
前記ノイズ予測部は、前記制御部が出力する前記スイッチング部をオン又はオフさせる制御信号に基づいて、前記スイッチング部から発生される電磁ノイズを含まない周辺環境の電磁ノイズを予測し、
前記制御部は、前記ノイズ予測部で予測された周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングと異なるように、前記スイッチング部をオン又はオフするタイミングを制御する、項目5乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
[項目9]
前記ノイズ測定部は、前記スイッチング部のスイッチング動作を停止させた状態で、前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定する、項目1乃至8のいずれか一項に記載の制御装置。
[項目10]
前記制御部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて波形形状、周波数又は位相の少なくとも一方が制御されるキャリア信号により、前記スイッチング部をオン又はオフするタイミングを制御する、項目1乃至9のいずれか一項に記載の制御装置。
[項目11]
前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングに前記スイッチング部がオン又はオフするように、前記キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つを設定するタイミング制御部と、
前記タイミング制御部で設定された前記キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つに基づいて、前記キャリア信号を生成するキャリア信号生成部と、を備える、項目10に記載の制御装置。
[項目12]
前記スイッチング部の出力信号が目標信号に一致するように、指令信号を生成する指令信号生成部と、
前記指令信号と前記キャリア信号との大小関係を比較してPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM信号生成部と、を備え、
前記スイッチング部は、前記PWM信号によりオン又はオフに切替制御される、項目11に記載の制御装置。
[項目13]
前記ノイズ測定部は、前記スイッチング部の配置方向とは異なる方向に指向性を持つ指向性アンテナで電磁ノイズを測定する、項目1乃至12のいずれか一項に記載の制御装置。
[項目14]
前記ノイズ測定部は、再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置内の前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定する、項目1乃至13のいずれか一項に記載の制御装置。
[項目15]
スイッチング部と、
前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、
前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える、スイッチングシステム。
[項目16]
再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置を備え、
前記電力変換装置は、前記スイッチング部を有する、項目15に記載のスイッチングシステム。
[項目17]
スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定し、
前記測定された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する、制御方法。
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 制御装置、2 スイッチングシステム、3 スイッチング部、4 電磁ノイズ測定部、5 スイッチング制御部、6 補償部、7 スイッチタイミング調整部、8 キャリア信号生成部、9 PWM信号生成部、11 昇圧チョッパ回路、12 インバータ回路、13 変圧器、14 電磁ノイズ予測部

Claims (17)

  1. 周辺環境の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、
    前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える、制御装置。
  2. 前記制御部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングで、前記スイッチング部をオン又はオフに切替制御する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記ノイズ測定部は、電磁ノイズのレベルを示すノイズ信号を出力し、
    前記制御部は、前記ノイズ信号のレベルが所定の値以下になるタイミングに合わせて、前記スイッチング部のオン又はオフを切替制御する、請求項1記載の制御装置。
  4. 前記ノイズ測定部は、電磁ノイズの発生タイミングを示すノイズ信号を出力し、
    前記制御部は、前記ノイズ信号が発生しないタイミングに合わせて、前記スイッチング部のオン又はオフを切替制御する、請求項1記載の制御装置。
  5. 前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、測定時以降の電磁ノイズを予測するノイズ予測部を備え、
    前記制御部は、前記ノイズ予測部で予測された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部をオン又はオフに切り替えるタイミングを制御する、請求項1に記載の制御装置。
  6. 前記ノイズ予測部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの時系列情報に基づいて、測定時以降の電磁ノイズの時系列情報を予測する、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記制御部は、前記時系列情報に含まれる電磁ノイズの発生予測期間と重ならないタイミングに前記スイッチング部をオン又はオフさせる、請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記ノイズ予測部は、前記制御部が出力する前記スイッチング部をオン又はオフさせる制御信号に基づいて、前記スイッチング部から発生される電磁ノイズを含まない周辺環境の電磁ノイズを予測し、
    前記制御部は、前記ノイズ予測部で予測された周辺環境の電磁ノイズの発生タイミングと異なるように、前記スイッチング部をオン又はオフするタイミングを制御する、請求項5に記載の制御装置。
  9. 前記ノイズ測定部は、前記スイッチング部のスイッチング動作を停止させた状態で、前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定する、請求項1に記載の制御装置。
  10. 前記制御部は、前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて波形形状、周波数又は位相の少なくとも一方が制御されるキャリア信号により、前記スイッチング部をオン又はオフするタイミングを制御する、請求項1に記載の制御装置。
  11. 前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズの発生タイミングとは異なるタイミングに前記スイッチング部がオン又はオフするように、前記キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つを設定するタイミング制御部と、
    前記タイミング制御部で設定された前記キャリア信号の波形形状、周波数、又は位相の少なくとも一つに基づいて、前記キャリア信号を生成するキャリア信号生成部と、を備える、請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記スイッチング部の出力信号が目標信号に一致するように、指令信号を生成する指令信号生成部と、
    前記指令信号と前記キャリア信号との大小関係を比較してPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM信号生成部と、を備え、
    前記スイッチング部は、前記PWM信号によりオン又はオフに切替制御される、請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記ノイズ測定部は、前記スイッチング部の配置方向とは異なる方向に指向性を持つ指向性アンテナで電磁ノイズを測定する、請求項1に記載の制御装置。
  14. 前記ノイズ測定部は、再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置内の前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定する、請求項1に記載の制御装置。
  15. スイッチング部と、
    前記スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定するノイズ測定部と、
    前記ノイズ測定部で測定された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する制御部と、を備える、スイッチングシステム。
  16. 再生可能エネルギー発電設備で発電された直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置を備え、
    前記電力変換装置は、前記スイッチング部を有する、請求項15に記載のスイッチングシステム。
  17. スイッチング部の周辺の電磁ノイズを測定し、
    前記測定された電磁ノイズに基づいて、前記スイッチング部のオン又はオフのタイミングを制御する、制御方法。
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