JP2024034298A - ウェーハの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェーハに不適切な分割起点が形成されることを防止可能なウェーハの検査方法を提供する。【解決手段】ストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを検査するウェーハの検査方法であって、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをストリートと平行な方向に沿って照射することにより、ウェーハの内部に改質層を形成するとともに改質層からウェーハの第1面又は第2面に向かって伸展するクラックを形成するレーザービーム照射ステップと、第1面又は第2面で露出したクラックの伸展方向に基づいて、ストリートが所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する判定ステップと、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを検査するウェーハの検査方法に関する。
デバイスチップの製造プロセスでは、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハをストリートに沿って分割することにより、デバイスを備えるデバイスチップが得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
ウェーハの分割には、環状の切削ブレードでウェーハを切削する切削装置が用いられる。また、近年では、レーザー加工によってウェーハを分割するプロセスの開発も進められている。例えば、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウェーハの内部で集光させつつストリートに沿って走査することにより、ウェーハの内部に改質層をストリートに沿って形成するとともに、改質層からウェーハの表面又は裏面に向かってクラックを伸展させる。ウェーハの改質層又はクラックが形成された領域は、他の領域よりも脆くなる。そのため、ウェーハに外力を付与すると、改質層及びクラックが分割起点として機能し、ウェーハがストリートに沿って分割される(特許文献1参照)。
特開2006-108459号公報
単結晶シリコンウェーハ等の結晶性ウェーハに形成されるデバイスは、デバイスの電気的特性やウェーハの機械的特性等を考慮して、所定の結晶方位に沿って配列される。そして、デバイスの配列に基づいてストリートが設定された後、レーザービームがストリートに沿って照射され、分割起点(改質層及びクラック)が形成される。
ここで、ストリートに沿って形成される分割起点の態様は、ウェーハの結晶方位によって異なることが確認されている。そのため、ウェーハに分割起点を形成する際には、ストリートの長さ方向におけるウェーハの結晶構造に基づいてレーザービームの照射条件が設定される。これにより、ウェーハの結晶方位に応じて適切な分割起点が形成され、ウェーハがストリートに沿って分割されやすくなる。
しかしながら、ストリートが通常とは異なる方向に設定されていると、ウェーハの結晶方位とレーザービームの照射条件とが整合していない状態で改質層が形成される。この場合、改質層から伸展したクラックがストリートに対して蛇行するなどの加工不良が生じやすくなり、分割起点が適切に形成されにくくなる。その結果、ウェーハが意図した通りに分割されず、デバイスチップの品質低下を招くおそれがある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、ウェーハに不適切な分割起点が形成されることを防止可能なウェーハの検査方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、ストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを検査するウェーハの検査方法であって、該ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを該ストリートと平行な方向に沿って照射することにより、該ウェーハの内部に改質層を形成するとともに該改質層から該ウェーハの第1面又は第2面に向かって伸展するクラックを形成するレーザービーム照射ステップと、該第1面又は該第2面で露出した該クラックの伸展方向に基づいて、該ストリートが所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する判定ステップと、を有するウェーハの検査方法が提供される。
なお、好ましくは、該ウェーハは、該デバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲み該デバイスが形成されていない外周余剰領域とを含み、該レーザービーム照射ステップでは、該レーザービームを該外周余剰領域に照射する。また、好ましくは、該ウェーハの検査方法は、該判定ステップにおいて該ストリートが所定の結晶方位に沿って設定されていないと判定された場合に、オペレータに報知する報知ステップを更に有する。
本発明の一態様に係るウェーハの検査方法では、ウェーハにレーザービームを照射して改質層及びクラックを形成した後、ウェーハの第1面又は第2面で露出したクラックの伸展方向に基づいてストリートが所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する。これにより、レーザービームが結晶方位に適合しない照射条件で照射されてウェーハに不適切な分割起点が形成されることを防止できる。
ウェーハを示す斜視図である。 ウェーハの検査方法を示すフローチャートである。 レーザー加工装置を示す斜視図である。 ウェーハの外周余剰領域の一部を示す断面図である。 図5(A)は単結晶シリコンの(100)面を示す模式図であり、図5(B)はストリートが劈開方向と平行に設定されたウェーハに形成されるクラックの画像を示す画像図であり、図5(C)はストリートが劈開方向Aに対して45°傾くように設定されたウェーハに形成されるクラックの画像を示す画像図である。 コントローラを示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係るウェーハの検査方法によって検査されるウェーハの構成例について説明する。図1は、ウェーハ11を示す斜視図である。
ウェーハ11は、円盤状に形成された結晶性のウェーハ(基板)であり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。結晶性のウェーハの例としては、単結晶シリコンウェーハ、ヒ化ガリウム(GaAs)等のIII-V族化合物半導体でなる単結晶ウェーハ、サファイアウェーハ等が挙げられる。例えばウェーハ11として、主面(表面11a及び裏面11b)が(100)面によって構成される単結晶シリコンウェーハが用いられる。ただし、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。
ウェーハ11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)13によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、ストリート13によって区画された領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス15が形成されている。ただし、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等に制限はない。
デバイス15は、デバイス15の電気的特性やウェーハ11の機械的特性等を考慮して、所定の結晶方位に沿って配列される。そのため、ストリート13もウェーハ11の結晶方位に対して所定の方向に沿って設定されている。
ウェーハ11は、複数のデバイス15が形成された略円形のデバイス領域17Aと、デバイス領域17Aを囲む環状の外周余剰領域17Bとを備える。外周余剰領域17Bは、表面11aの外周縁を含む所定の幅(例えば2mm程度)の環状領域であり、デバイス15が形成されていない領域に相当する。図1では、デバイス領域17Aと外周余剰領域17Bとの仮想的な境界を二点鎖線で示している。
ウェーハ11をストリート13に沿って格子状に分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。例えば、ウェーハ11にレーザービームを照射することにより、ウェーハ11の内部に改質層をストリート13に沿って形成するとともに、改質層からウェーハ11の表面11a又は裏面11bに向かってクラックを伸展させる。この場合、レーザービームの照射条件は、ウェーハ11のうちレーザービームが照射された領域が多光子吸収によって改質(変質)されるように設定される。
ウェーハ11の改質層又はクラックが形成された領域は、他の領域よりも脆くなる。そのため、ウェーハ11に外力を付与すると、ウェーハ11が改質層及びクラックを起点としてストリート13に沿って分割される。すなわち、改質層及びクラックが分割起点(分割のきっかけ)として機能する。
なお、ストリート13に沿って形成される分割起点の態様は、ウェーハ11の結晶方位によって異なることが確認されている。そのため、ウェーハ11に分割起点を形成する際には、ストリート13の長さ方向におけるウェーハ11の結晶構造に基づいて、レーザービームの照射条件が設定される。しかしながら、ストリート13が通常とは異なる方向に設定されていると、ウェーハ11の結晶方位とレーザービームの照射条件とが整合していない状態で改質層が形成される。この場合、改質層から伸展したクラックがストリート13に対して蛇行するなどの加工不良が生じやすくなり、分割起点が適切に形成されにくくなる。
そこで、本実施形態においては、ストリート13に沿って改質層を形成する前に、ウェーハ11の一部に改質層及びクラックを試験的に形成する。そして、ウェーハ11の表面11a又は裏面11bで露出したクラックの伸展方向に基づいて、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する。これにより、レーザービームが結晶方位に適合しない不適切な照射条件でウェーハ11に照射されることを防止できる。
以下、本実施形態に係るウェーハの検査方法の具体例について説明する。図2は、ウェーハの検査方法を示すフローチャートである。本実施形態では、ウェーハ11にレーザービームを照射して改質層及びクラックを形成するレーザービーム照射ステップS1、クラックの伸展方向に基づいてストリート13が所望の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する判定ステップS2、判定結果をオペレータに報知する報知ステップS3を順に実施する。
ウェーハ11の検査には、被加工物にレーザー加工を施すレーザー加工装置が用いられる。図3は、レーザー加工装置2を示す斜視図である。なお、図3において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、鉛直方向、上下方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
レーザー加工装置2は、ウェーハ11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)4を備える。チャックテーブル4の上面は、水平方向(XY平面方向)に概ね平行な平坦面であり、ウェーハ11を保持する保持面を構成している。保持面は、チャックテーブル4の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
チャックテーブル4には、移動ユニット(不図示)及び回転駆動源(不図示)が連結されている。移動ユニットは、例えばボールねじ式の移動機構であり、チャックテーブル4をX軸方向及びY軸方向に沿って移動させる。また、回転駆動源は、モータ等によって構成され、チャックテーブル4を保持面と概ね垂直な回転軸の周りで回転させる。
また、レーザー加工装置2は、レーザー照射ユニット6を備える。レーザー照射ユニット6は、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー等のレーザー発振器(不図示)と、チャックテーブル4の上方に配置されたレーザー加工ヘッド8とを備える。レーザー加工ヘッド8には、レーザー発振器から出射したパルス発振のレーザービームをウェーハ11へと導く光学系が内蔵されており、光学系はレーザービームを集光させる集光レンズ等の光学素子を含む。レーザー加工ヘッド8からチャックテーブル4に向かって照射されるレーザービーム10によって、ウェーハ11が加工される。
また、チャックテーブル4の上方には、撮像ユニット(カメラ)12が設けられている。例えば撮像ユニット12は、レーザー加工ヘッド8と隣接するようにレーザー照射ユニット6に装着されている。撮像ユニット12は、CCD(Charged-Coupled Devices)センサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサ等の撮像素子を備え、ウェーハ11を撮像することによってウェーハ11の画像(撮像画像)を生成する。
さらに、レーザー加工装置2は、レーザー加工装置2を制御するコントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)14を備える。コントローラ14は、レーザー加工装置2を構成する構成要素(チャックテーブル4、レーザー照射ユニット6、撮像ユニット12等)に接続されており、各構成要素に制御信号を出力することによってレーザー加工装置2の稼働を制御する。
例えばコントローラ14は、コンピュータによって構成され、レーザー加工装置2の稼働に必要な演算を行う演算部と、レーザー加工装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを含む。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
レーザー加工装置2でウェーハ11を加工する際には、ウェーハ11の取り扱い(搬送、保持等)の便宜のため、ウェーハ11がフレーム19によって支持される。フレーム19は、SUS(ステンレス鋼)等の金属でなる環状の部材であり、フレーム19の中央部にはフレーム19を厚さ方向に貫通する円形の開口19aが設けられている。なお、開口19aの直径はウェーハ11の直径よりも大きい。
ウェーハ11の裏面11b側には、ウェーハ11を支持するシート21が固定される。例えばシート21は、ウェーハ11よりも直径が大きい円形のテープであり、フィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含む。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂であってもよい。
ウェーハ11がフレーム19の開口19aの内側に配置された状態で、シート21の中央部がウェーハ11の裏面11b側に貼着されるとともに、シート21の外周部がフレーム19に貼着される。これにより、ウェーハ11がシート21を介してフレーム19によって支持される。
レーザービーム照射ステップS1では、まず、ウェーハ11がチャックテーブル4によって保持される。例えばウェーハ11は、表面11a側が上方を向き裏面11b側(シート21側)がチャックテーブルの保持面に対面するように、チャックテーブル4上に配置される。また、フレーム19が、チャックテーブル4の周囲に設けられた複数のクランプ(不図示)によって固定される。そして、チャックテーブル4の保持面に吸引源の吸引力(負圧)を作用させることにより、ウェーハ11がシート21を介してチャックテーブル4によって吸引保持される。
次に、チャックテーブル4を回転させ、所定のストリート13の長さ方向をX軸方向に合わせる。また、レーザービーム10の集光点とウェーハ11の外周余剰領域17BとのY軸方向における位置が一致するように、チャックテーブル4の位置を調節する。さらに、レーザービーム10の集光点がウェーハ11の内部(表面11aと裏面11bの間)と同じ高さ位置に位置付けられるように、レーザー加工ヘッド8の位置や光学系の配置を調節する。
そして、レーザー加工ヘッド8からレーザービーム10を照射しつつ、チャックテーブル4をX軸方向に沿って移動させる。これにより、チャックテーブル4とレーザービーム10とがX軸方向に沿って所定の速度(加工送り速度)で相対的に移動する。その結果、レーザービーム10は、集光点がウェーハ11の内部に位置付けられた状態で、ウェーハ11の表面11a側からストリート13と平行な方向に沿って外周余剰領域17Bに照射される。
なお、レーザービーム10の照射条件は、ウェーハ11のレーザービーム10が照射された領域が多光子吸収によって改質(変質)されるように設定される。具体的には、レーザービーム10の波長は、少なくともレーザービーム10の一部がウェーハ11を透過するように設定される。すなわち、レーザービーム10は、ウェーハ11に対して透過性を有する波長のレーザービームである。また、他のレーザービーム10の照射条件も、ウェーハ11が適切に改質されるように設定される。例えば、ウェーハ11が単結晶シリコンウェーハである場合には、レーザービーム10の照射条件は下記のように設定できる。
波長 :1064nm
平均出力 :1W
繰り返し周波数:100kHz
加工送り速度 :800mm/s
図4は、ウェーハ11の外周余剰領域17Bの一部を示す断面図である。レーザービーム10を上記の照射条件でウェーハ11に照射すると、ウェーハ11内部のレーザービーム10が集光した領域及びその近傍が多光子吸収によって改質(変質)される。その結果、ウェーハ11の内部に改質層(変質層)23が形成される。
改質層23が形成されると、改質層23でクラック(亀裂)25が発生し、クラック25は改質層23からウェーハ11の厚さ方向に沿って伸展する。そして、クラック25はウェーハ11の表面11a及び/又は裏面11bに到達し、表面11a及び/又は裏面11bで露出する。図4には一例として、クラック25がウェーハ11の表面11a(レーザービーム10が入射する面)に到達した場合を示している。
レーザービーム10が走査されると、改質層23がストリート13と平行な方向(X軸方向)に沿って形成され、改質層23から伸展したクラック25同士が順次連結される。その結果、図3に示すように、ウェーハ11の表面11a及び/又は裏面11bで露出したクラック25がストリート13と平行な方向(X軸方向)に沿って伸展する。
次に、判定ステップS2を実施する。判定ステップS2では、まず、ウェーハ11のレーザービーム10が照射された領域を撮像ユニット12(図4参照)で撮像する。これにより、ウェーハ11の表面11aで露出しているクラック25の画像(撮像画像)が取得される。
なお、クラック25の伸展の態様は、ウェーハ11の結晶方位によって異なる。そのため、撮像ユニット12によって取得される画像には、ストリート13の方向に応じて様々な形状のクラック25が表示され得る。以下では、ウェーハ11が単結晶シリコンウェーハである場合を例にとって、結晶方位とクラック25との関係について説明する。
図5(A)は、単結晶シリコンの(100)面を示す模式図である。例えばウェーハ11は、主面(表面11a及び裏面11b)が(100)面によって構成され、{111}面や{110}面が劈開面となる単結晶シリコンウェーハである。そして、ウェーハ11は、劈開面と平行な劈開方向Aに沿って劈開される。なお、デバイスチップの製造には、ストリート13が劈開方向Aと平行な方向Dに沿って設定された「0度品」と称される単結晶シリコンウェーハや、ストリート13が劈開方向Aに対して45°傾いた方向Dに沿って設定された「45度品」と称される単結晶シリコンウェーハが用いられることが多い。
ストリート13が劈開方向Aと平行に設定されたウェーハ11に改質層23(図4参照)を形成すると、ウェーハ11の表面11aで露出したクラック25(図3参照)は、ストリート13と平行にまっすぐに伸展する傾向がある。そのため、撮像ユニット12によって取得される撮像画像には、直線状のクラック25が表示される。図5(B)は、ストリート13が劈開方向Aと平行に設定されたウェーハ11(0度品)に形成されるクラック25の画像(撮像画像)20Aを示す画像図である。
一方、ストリート13が劈開方向Aに対して傾くように設定されたウェーハ11に改質層23(図4参照)を形成すると、ウェーハ11の表面11aで露出したクラック25(図3参照)は、ランダムに蛇行しながら伸展する傾向がある。そのため、撮像ユニット12によって取得される撮像画像には、非直線状のクラック25が表示される。図5(C)は、ストリート13が劈開方向Aに対して45°傾くように設定されたウェーハ11(45度品)に形成されるクラック25の画像(撮像画像)20Bを示す画像図である。
図5(B)及び図5(C)に示すように、ウェーハ11の表面11a及び/又は裏面11bで露出するクラック25は、ウェーハ11の結晶方位とストリート13の方向との関係に応じて異なる挙動で伸展する。そのため、ウェーハ11の表面11a及び/又は裏面11bに沿って伸展するクラック25を観察することにより、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定することができる。
例えば、前述のレーザービーム照射ステップS1では、ストリート13が劈開方向Aと平行に設定されたウェーハ11に改質層23を形成するための加工条件でウェーハ11が加工される。そのため、ウェーハ11が0度品である場合には、レーザービーム10が改質層23の形成に適した照射条件でウェーハ11に照射される。一方、ウェーハ11が45度品である場合には、レーザービーム10が改質層23の形成に不適切な照射条件でウェーハ11に照射される。
そして、判定ステップS2では、加工後のウェーハ11が撮像ユニット12(図3参照)によって撮像される。このとき、ウェーハ11が0度品である場合は、ストリート13と平行に伸展する直線状のクラック25を表す画像20A(図5(B)参照)が取得される。一方、ウェーハ11が45度品である場合は、蛇行するクラック25を表す画像20B(図5(C)参照)が取得される。そして、取得されたクラック25の画像に基づいて、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否か(ウェーハ11が0度品であるか45度品であるか)が手動又は自動で判定される。
ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かの判定は、例えばコントローラ14によって自動で実施される。図6は、コントローラ14を示すブロック図である。
図6には、コントローラ14の機能的な構成を表すブロックに加えて、レーザー照射ユニット6及び撮像ユニット12を表すブロックを図示している。また、レーザー加工装置2は、各種の情報を表示可能な表示ユニット(表示部、表示装置)30と、オペレータに情報を報知可能な報知ユニット(報知部、報知装置)32とを備える。表示ユニット30及び報知ユニット32は、コントローラ14に接続されている。
表示ユニット30は、各種のディスプレイによって構成でき、例えばタッチパネル式のディスプレイが用いられる。この場合、オペレータは表示ユニット30のタッチ操作によってレーザー加工装置2に情報を入力できる。すなわち、表示ユニット30はレーザー加工装置2に各種の情報を入力するための入力部(入力ユニット、入力装置)としても機能する。ただし、入力部は、表示ユニット30とは別途独立して設けられたマウス、キーボード、操作パネル等の入力装置であってもよい。
報知ユニット32は、例えば表示灯(警告灯)であり、レーザー加工装置2で異常が発生した際に点灯又は点滅してオペレータに報知する。ただし、報知ユニット32の種類に制限はない。例えば報知ユニット32は、音又は音声でオペレータに情報を報知するスピーカーであってもよい。
コントローラ14は、ストリート13の方向を判定する判定部14aと、判定部14aによる判定に用いられる情報(データ、プログラム等)を記憶する判定情報記憶部14bとを含む。改質層23及びクラック25が形成されたウェーハ11(図4参照)が撮像ユニット12によって撮像されると、ウェーハ11の表面11a又は裏面11bで露出したクラック25の画像(撮像画像、図5(B)の画像20A及び図5(C)の画像20B参照)が取得され、判定部14aに入力される。そして、判定部14aは、撮像画像と判定情報記憶部14bに記憶されている情報とに基づいて、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する。
例えば判定部14aは、パターンマッチング等の画像処理によってストリート13の方向を判定する。具体的には、判定情報記憶部14bには、ストリート13がウェーハ11の劈開方向A(図5(A)参照)と平行に設定されている場合に形成されるクラック25の画像(図5(B)の画像20A参照)が、参照用画像として予め記憶されている。そして、撮像ユニット12から判定部14aに撮像画像が入力されると、判定部14aは撮像画像と参照用画像とを比較して類似度を算出する。そして、判定部14aは、算出された類似度と判定情報記憶部14bに記憶されている基準値(閾値)とを比較することにより、ウェーハ11が0度品か否かを判定する。これにより、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かが自動で判定される。
ただし、ストリート13の方向の判定方法に制限はない。例えば判定部14aは、クラック25の形状公差に基づいてストリート13の方向を判定してもよい。具体的には、判定部14aは、撮像ユニット12から入力された撮像画像に画像処理を施し、クラック25の真直度を算出する。その後、判定部14aは、算出された真直度と判定情報記憶部14bに記憶されている基準値(閾値)とを比較することにより、ウェーハ11が0度品か否かを判定する。
さらに、判定部14aは、機械学習によって構成された学習済みモデル等を用いてストリート13の方向を判定することもできる。例えば、クラック25の画像が入力されるとストリート13の方向の判定結果を出力するように学習されたニューラルネットワークが、判定情報記憶部14bに記憶される。この場合、判定部14aは、判定情報記憶部14bから読み出したニューラルネットワークにクラック25の画像を入力することにより、ストリート13の角度を判定する。
また、コントローラ14は、レーザー加工装置2の各構成要素を駆動させるための制御信号を生成する駆動制御部14cを含む。判定部14aによってストリート13の方向が判定されると、判定部14aから駆動制御部14cに判定結果が入力される。そして、駆動制御部14cは、表示ユニット30や報知ユニット32を作動させることにより、オペレータに判定結果を報知する(報知ステップS3)。また、駆動制御部14cは、判定結果に基づいてレーザー加工装置2の各構成要素に制御信号を出力し、レーザー加工装置2の稼働を制御する。
例えば、レーザービーム10(図3及び図4参照)の照射条件が0度品のウェーハの加工に適合するように設定されている場合において、判定部14aによってウェーハ11が0度品であると判定されると、駆動制御部14cは表示ユニット30に制御信号を出力し、表示ユニット30にウェーハ11が0度品である旨を示す情報(メッセージ、画像等)を表示させる(報知ステップS3)。また、駆動制御部14cからレーザー照射ユニット6等に制御信号が出力され、ウェーハ11が0度品のウェーハの加工条件で加工される。
具体的には、レーザービーム10が0度品のウェーハの加工に適した照射条件でウェーハ11のストリート13に沿って照射される。その結果、ウェーハ11に改質層23(図4参照)がストリート13に沿って格子状に形成される。また、改質層23から伸展したクラック25(図4参照)がウェーハ11の表面11a及び/又は裏面11bに到達し、ストリート13に沿ってまっすぐに進展する。
なお、改質層23は、ウェーハ11の厚さ方向に複数層形成されてもよい。例えば、ウェーハ11が厚さ200μm以上の単結晶シリコンウェーハ等である場合には、2層以上の改質層23を形成することにより、ウェーハ11が適切に分割されやすくなる。複数の改質層23を形成する場合は、ウェーハ11の厚さ方向におけるレーザービーム10の集光点の位置を変えつつ、各ストリート13に沿ってレーザービーム10をそれぞれ複数回ずつ照射する。
その後、ウェーハ11に外力が付与され、ウェーハ11が改質層23及びクラック25を起点としてストリート13に沿って分割される。なお、ウェーハ11に外力を付与する方法に制限はない。例えば、シート21(図3参照)として、外力の付与によって拡張可能なエキスパンドシートが用いられる。この場合、シート21を半径方向外側に向かって引っ張って拡張させることにより、ウェーハ11に外力が付与され、ウェーハ11がストリート13に沿って破断する。シート21の拡張は、作業者が手動で行ってもよいし、専用の拡張装置を用いて自動で実施してもよい。
ただし、レーザービーム10の照射条件、ウェーハ11の厚さ等によっては、改質層23を形成した時点でクラック25がウェーハ11の表面11a及び裏面11bに達することがある。この場合には、改質層23が形成された時点でウェーハ11がストリート13に沿って分割される。
一方、判定部14aによってウェーハ11が0度品ではないと判定されると、駆動制御部14cからレーザー加工装置2の各構成要素に制御信号が出力され、ウェーハ11の加工が一時的に中断される。これにより、ウェーハ11が不適切な加工条件で加工されることを防止できる。
また、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されていない旨がオペレータに報知される(報知ステップS3)。例えば駆動制御部14cは、表示ユニット30に制御信号を出力してウェーハ11が0度品でない旨を示す情報(メッセージ、画像等)を表示させることにより、オペレータにエラーを通知する。また、駆動制御部14cは、報知ユニット32(警告灯、スピーカー等)に制御信号を出力することにより、報知ユニット32に警告を発信させる。これにより、オペレータにストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されていない旨が報知され、オペレータは速やかにウェーハ11の回収やレーザービーム10の照射条件の変更等の措置をとることができる。
以上の通り、本実施形態に係るウェーハの検査方法では、ウェーハ11にレーザービーム10を照射して改質層23及びクラック25を形成した後、ウェーハ11の表面11a又は裏面11bで露出したクラック25の伸展方向に基づいてストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する。これにより、レーザービーム10が結晶方位に適合しない照射条件で照射されてウェーハ11に不適切な分割起点が形成されることを防止できる。
なお、上記実施形態では、ウェーハ11の表面11a側からレーザービーム10を照射する例について説明したが(図3及び図4参照)、レーザービーム10はウェーハ11の裏面11b側から照射することもできる。この場合、ウェーハ11の表面11a側に形成されているデバイス15がレーザービーム10の照射による影響を受けにくくなる。ただし、レーザービーム10をウェーハ11の表面11a側と裏面11b側のどちらから照射するかは、ウェーハ11に施される加工の内容に応じて適宜選択できる。
また、ウェーハ11に対しては、ウェーハ11の裏面11b側を研削砥石で研削してウェーハ11を薄化する処理が施されることがある。この場合には、ウェーハ11の研削前に、ウェーハ11の裏面11b側からデバイス領域17A(図1参照)と重なる領域にレーザービーム10を照射して改質層23及びクラック25(図4参照)を形成してもよい。具体的には、改質層23がデバイス領域17A内のストリート13又はデバイス15と重なる位置に形成される。
なお、レーザービーム10の照射条件は、改質層23から伸展するクラック25がウェーハ11の表面11aに到達しないように設定される。そして、ウェーハ11の裏面11bで露出したクラック25の形状に基づいて、ストリート13の方向が判定される。その後、ウェーハ11の裏面11b側が研削され、ウェーハ11が所定の厚さになるまで薄化されるとともに、改質層23及びクラック25が除去される。そのため、ウェーハ11の検査用に形成された改質層23及びクラック25が最終的に製造されるデバイスチップに残存することはない。
さらに、上記実施形態ではレーザー加工装置2のコントローラ14がストリート13の方向を判定する場合について説明したが(図6参照)、ストリート13の方向の判定は作業者が行ってもよい。例えば作業者は、改質層23及びクラック25が形成されたウェーハ11を直接目視し、又は、表示ユニット30に表示されたクラック25の画像を視認することにより、クラック25の形状を確認する。そして、作業者は、クラック25の形状に基づいて、ストリート13が所定の結晶方位に沿って設定されているか否か(例えば、ウェーハ11が0度品か45度品か)を判定する。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 ウェーハ
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
13 ストリート(分割予定ライン)
15 デバイス
17A デバイス領域
17B 外周余剰領域
19 フレーム
19a 開口
21 シート
23 改質層(変質層)
25 クラック(亀裂)
2 レーザー加工装置
4 チャックテーブル(保持テーブル)
6 レーザー照射ユニット
8 レーザー加工ヘッド
10 レーザービーム
12 撮像ユニット(カメラ)
14 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
14a 判定部
14b 判定情報記憶部
14c 駆動制御部
20A,20B 画像(撮像画像)
30 表示ユニット(表示部、表示装置)
32 報知ユニット(報知部、報知装置)

Claims (3)

  1. ストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを検査するウェーハの検査方法であって、
    該ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを該ストリートと平行な方向に沿って照射することにより、該ウェーハの内部に改質層を形成するとともに該改質層から該ウェーハの第1面又は第2面に向かって伸展するクラックを形成するレーザービーム照射ステップと、
    該第1面又は該第2面で露出した該クラックの伸展方向に基づいて、該ストリートが所定の結晶方位に沿って設定されているか否かを判定する判定ステップと、を有することを特徴とするウェーハの検査方法。
  2. 該ウェーハは、該デバイスが形成されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲み該デバイスが形成されていない外周余剰領域とを含み、
    該レーザービーム照射ステップでは、該レーザービームを該外周余剰領域に照射することを特徴とする請求項1に記載のウェーハの検査方法。
  3. 該判定ステップにおいて該ストリートが所定の結晶方位に沿って設定されていないと判定された場合に、オペレータに報知する報知ステップを更に有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のウェーハの検査方法。
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