JP2024033662A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に設けずに、排ガス中の水素濃度を低減する。【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池スタック12および制御装置20を含む。燃料電池スタック12の目標発電量により定められる発電効率よりも低い効率で燃料電池スタック12が発電する低効率発電中、燃料電池スタック12の発電状態を可変するために、制御装置20は、温度センサ19によって検出される温度に基づいて、酸化剤ガス出力機器14および流量調整弁18の少なくとも一方を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、移動体等に搭載される燃料電池システムに関する。
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する燃料電池システムに関する研究開発が行われている。例えば、燃料電池システムが搭載された燃料電池自動車がある。燃料電池自動車は、燃料電池システムによって発電した電力を利用して電動機を駆動することにより走行する自動車である。燃料電池自動車は、水を排出するだけであるため、CO、NOx、SOx等を排出するガソリン車に比べて環境にやさしい。燃料電池システムは、自動車以外に、船舶、航空機、ロボット等の他の移動体に搭載され得る。
燃料電池システムは、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する。燃料電池スタックでは、発電時に生じる水分が内部に残留する場合がある。この場合、燃料電池スタックが配置されている環境によっては凍結する。
下記の特許文献1では、通常運転に比して発電効率の低い低効率運転により燃料電池スタックを暖機する燃料電池システムが開示されている。燃料電池スタックが暖められることで、燃料電池スタックの内部に残留する水分が蒸発し、燃料電池スタックの内部に残留する水分が抑制され得る。
特開2009-54465号公報
しかし、低効率運転が実施された場合、燃料電池スタック12では、電解質膜をアノード電極からカソード電極に向かって透過する水素イオンが電子と再結合して水素を生成する反応が起こり易い。この場合、燃料電池スタックから排出される酸化剤ガスを含む排ガス中の水素濃度が高くなるという問題が生じ得る。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の態様は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する燃料電池システムであって、前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスを出力する酸化剤ガス出力機器と、前記酸化剤ガス出力機器から出力される前記酸化剤ガスを前記燃料電池スタックに供給するための酸化剤ガス供給流路と、前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスを含む混合ガスを外部に排出するための酸化剤ガス排出流路と、前記酸化剤ガス出力機器と前記燃料電池スタックとの間の前記酸化剤ガス供給流路から分岐し、前記酸化剤ガス排出流路と合流するバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられる流量調整弁と、前記燃料電池スタックの温度を検出する温度センサと、前記燃料電池スタックの目標発電量により定められる発電効率よりも低い効率で前記燃料電池スタックが発電する低効率発電中、前記温度に基づいて、前記酸化剤ガス出力機器および前記流量調整弁の少なくとも一方を制御して、前記燃料電池スタックの発電状態を可変する制御装置と、を備える。
本発明の態様によれば、濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に設けずに、排ガス中の水素濃度を低減することができる。すなわち、燃料電池スタックの温度は、電解質膜を透過した水素イオンと電子との再結合によってカソード電極で生成される水素と相関を有する。したがって、濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に新たに設けなくても、再結合によってカソード電極で生成された水素量の捕捉が可能になる。また、水素量に応じて燃料電池スタックの発電状態の変更が可能になる。その結果、水素濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に設けずに、排ガス中の水素濃度を低減することができる。
図1は、実施形態による燃料電池システムの構成を示す概略図である。 図2は、暖気処理の手順を示すフローチャートである。
図1は、実施形態による燃料電池システム10の構成を示す概略図である。燃料電池システム10は、車両、船舶、航空機、ロボット等の移動体に搭載される。本実施形態では、燃料電池システム10は、車両に搭載される。燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、酸化剤ガス出力機器14と、燃料ガス出力機器16と、流量調整弁18と、温度センサ19と、制御装置20とを備える。
燃料電池スタック12は、酸化剤ガスと燃料ガスとの化学反応により発電する。酸化剤ガスは、酸素を含有するガスである。燃料ガスは、水素を含有するガスである。酸化剤ガスは、空気であってもよい。燃料電池スタック12の発電によって得られる電流は、蓄電池に充電される。蓄電池への充電により得られる電力は、車両または燃料電池システム10を駆動する駆動電力として用いられる。
燃料電池スタック12は、複数の発電セル21を有する。複数の発電セル21は積層される。各発電セル21は、膜電極構造体22と、当該膜電極構造体22を挟持する一対のセパレータ23とを有する。膜電極構造体22は、電解質膜24と、当該電解質膜24を挟持するカソード電極25およびアノード電極26とを備える。電解質膜24は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜等である。
また、燃料電池スタック12は、カソード流路27と、アノード流路28と、冷媒流路29とを有する。カソード流路27は、セパレータ23とカソード電極25との間に形成される。カソード流路27は、燃料電池スタック12の外部に配置される酸化剤ガス供給流路31および酸化剤ガス排出流路32と連通する。アノード流路28は、セパレータ23とアノード電極26との間に形成される。アノード流路28は、燃料電池スタック12の外部に配置される燃料ガス供給流路33および燃料ガス排出流路34と連通する。冷媒流路29は、隣接する発電セル21の間に形成される。冷媒流路29は、燃料電池スタック12の外部に配置される熱交換冷媒流路35と連通する。熱交換冷媒流路35は、往路35Aと復路35Bとを含む。冷媒流路29には、燃料電池スタック12を冷却するための冷却媒体が流れる。冷却媒体は水であってもよい。
酸化剤ガス出力機器14は、燃料電池スタック12に供給される酸化剤ガスを出力する機器である。酸化剤ガス出力機器14は、制御装置20の制御に応じて、酸化剤ガスの出力量(酸化剤ガスの流量)を調整する。酸化剤ガス出力機器14として、コンプレッサ等が挙げられる。酸化剤ガス出力機器14から出力される酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給流路31を介して、燃料電池スタック12のカソード流路27に供給される。カソード流路27を流れる酸化剤ガスの一部は、オフガスとして、燃料電池スタック12から酸化剤ガス排出流路32に流出する。オフガスは、酸化剤ガスを含む混合ガスである。
燃料ガス出力機器16は、燃料電池スタック12に供給される燃料ガスを出力する機器である。燃料ガス出力機器16は、制御装置20の制御に応じて、燃料ガスの出力量(燃料ガスの流量)を調整する。燃料ガス出力機器16として、インジェクタ等が挙げられる。燃料ガス出力機器16から出力される燃料ガスは、燃料ガス供給流路33を介して、燃料電池スタック12のアノード流路28に供給される。アノード流路28を流れる燃料ガスの一部は、オフガスとして、燃料電池スタック12から燃料ガス排出流路34に流出する。
流量調整弁18は、バイパス流路36に設けられる。バイパス流路36は、燃料電池スタック12に酸化剤ガスを供給させずに酸化剤ガスを排出するための流路である。バイパス流路36は、酸化剤ガス出力機器14と燃料電池スタック12との間の酸化剤ガス供給流路31から分岐し、酸化剤ガス排出流路32と合流する。流量調整弁18は、開度を調整可能に構成される。流量調整弁18の開度は制御装置20によって調整される。流量調整弁18の開度が「0」である場合、酸化剤ガス供給流路31からバイパス流路36に酸化剤ガスは流れない。流量調整弁18の開度が「0」よりも大きくなると、酸化剤ガス供給流路31からバイパス流路36に酸化剤ガスが流れる。流量調整弁18の開度が大きくなるほど、バイパス流路36に流れる酸化剤ガスの流量が増加する。
温度センサ19は、燃料電池スタック12の温度を検出するセンサである。温度センサ19は、燃料電池スタック12に設けられる。温度センサ19によって検出される温度である検出温度は、当該温度が検出された時間である検出時間とともに制御装置20等の記憶媒体に記憶される。検出温度は、燃料電池スタック12における複数の箇所の温度の平均であってもよいし、代表温度であってもよい。代表温度は、例えば、冷媒流路29の出口部分の温度である。
制御装置20は、1以上のプロセッサと記憶媒体とを有する。制御装置20は、プロセッサによる演算により各種の処理を実行する。制御装置20は、車両のECUに備えられてもよい。記憶媒体は、RAM等の揮発性メモリと、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリとを含む。記憶媒体の少なくとも一部は、プロセッサに備えられていてもよい。
制御装置20は、イグニッションスイッチに基づいて、燃料電池システム10を制御する。イグニッションスイッチは、車両(移動体)の運転を起動(オン)または停止(オフ)するためのスイッチである。イグニッションスイッチがオンにされると、移動体に搭載される電動モータが駆動する。電動モータは、燃料電池スタック12の発電電力を供給する供給先の1つである。
制御装置20は、イグニッションスイッチがオンされてからオフにされるまでの車両運転期間に、燃料電池システム10を運転する。燃料電池システム10の運転中、制御装置20は、燃料電池スタック12に発電を実行させる。この場合、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14を駆動して燃料電池スタック12に酸化剤ガスを供給し、燃料ガス出力機器16を駆動して燃料電池スタック12に燃料ガスを供給する。また、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14および燃料ガス出力機器16を制御して、酸化剤ガスの流量および燃料ガスの流量を調整する。この場合、制御装置20は、燃料ガスに対する酸化剤ガスの比率が目標発電量によって定められる基準比率となるように流量を調整する。
イグニッションスイッチがオフにされると、制御装置20は、燃料電池システム10の運転を停止する。燃料電池システム10の運転停止中、制御装置20は、燃料電池スタック12による発電を停止させる。この場合、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14および燃料ガス出力機器16の駆動を停止する。したがって、燃料電池スタック12に酸化剤ガスおよび燃料ガスは供給されず、燃料電池スタック12では発電が行われない。
制御装置20は、燃料電池システム10の運転停止以降に、温度センサ19によって検出される温度である検出温度が凍結警戒温度以下になると、暖気処理を開始する。暖気処理は、燃料電池スタック12を暖めるための処理である。凍結警戒温度は、燃料電池スタック12の内部に残留する水分が凍結する可能性を警戒するために設定される温度である。
図2は、実施形態による暖気処理の手順を示すフローチャートである。暖気処理は、車両(移動体)の運転が停止されてから次回の起動が完了するまでの間に実行される。暖気処理は、検出温度が凍結警戒温度以下になると、ステップS1に移行する。
ステップS1において、制御装置20は、燃料電池スタック12を暖めるための発電を燃料電池スタック12に実行させる。この場合、制御装置20は、イグニッションスイッチがオフであっても、酸化剤ガス出力機器14および燃料ガス出力機器16を駆動して燃料電池スタック12に酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給する。
本実施形態では、制御装置20は、燃料電池スタック12に低ストイキ発電を実行させる。この場合、制御装置20は、燃料ガスに対する酸化剤ガスの比率が目標発電量により定められる基準比率よりも下がるように、燃料電池スタック12に供給される酸化剤ガスの量を下げる。すなわち、制御装置20は、通常発電時に供給される燃料ガスの量と同じ量の燃料ガスを燃料電池スタック12に供給する。一方、制御装置20は、通常発電時に供給される酸化剤ガスの量よりも少ない量の酸化剤ガスを燃料電池スタック12に供給する。通常発電は、目標発電量により定められる量の燃料ガスおよび酸化剤ガスで行われる発電である。低ストイキ発電では、燃料電池スタック12に供給される酸化剤ガスの量が通常発電に比べて少ないので、燃料電池スタック12の発電効率が下がる。したがって、燃料電池スタック12の昇温速度が通常発電に比べて早い。低ストイキ発電が開始されると、暖気処理はステップS2に移行する。
ステップS2において、制御装置20は、温度閾値を設定する。この場合、制御装置20は、暖気処理の開始時における検出温度よりも高い値に温度閾値を設定する。制御装置20は、温度閾値を設定すると、検出温度を所定の温度閾値と比較する。検出温度が温度閾値を超える場合、暖気処理はステップS3に移行した後に、ステップS4に移行する。一方、検出温度が温度閾値以下である場合、暖気処理は、ステップS3を経ずにステップS4に移行する。
ステップS3において、制御装置20は、第1上昇率閾値および第2上昇率閾値を変更する。第1上昇率閾値および第2上昇率閾値は、単位時間あたりに上昇する温度の上昇率と比較される値である。第2上昇率閾値は、第1上昇率閾値よりも小さい。
第1上昇率閾値は、第1設定値と、第1設定値よりも小さい第2設定値とを有する。第1設定値として、例えば、1℃/secが設定される。第2設定値として、例えば、0.9℃/secが設定される。検出温度が温度閾値を超える場合、第1上昇率閾値は、第1設定値から第2設定値に変更される。一方、検出温度が温度閾値以下である場合、第1上昇率閾値は、第1設定値から第2設定値に変更されない。つまり、第1上昇率閾値は、第1設定値に維持される。
第2上昇率閾値は、第3設定値と、第3設定値よりも小さい第4設定値とを有する。第3設定値として、例えば、0.7℃/secが設定される。第4設定値として、例えば、0.6℃/secが設定される。検出温度が温度閾値を超える場合、第2上昇率閾値は、第3設定値から第4設定値に変更される。一方、検出温度が温度閾値以下である場合、第2上昇率閾値は、第3設定値から第4設定値に変更されない。つまり、第2上昇率閾値は、第3設定値に維持される。
ステップS4において、制御装置20は、検出温度の上昇率(単位時間あたりに上昇する検出温度の変化率)を第1上昇率閾値と比較する。検出温度の上昇率が第1上昇率閾値を超える場合、暖気処理はステップS5に移行する。一方、検出温度の上昇率が第1上昇率閾値以下である場合、暖気処理はステップS6に移行する。
ステップS5において、制御装置20は、検出温度を目標温度と比較する。目標温度は、暖気処理によって燃料電池スタック12を昇温させるための目標として設定される温度である。検出温度が目標温度に達している場合、暖気処理は終了する。一方、検出温度が目標温度に達していない場合、暖気処理はステップS2に戻る。
ステップS6において、制御装置20は、検出温度の上昇率を第2上昇率閾値と比較する。検出温度の上昇率が第2上昇率閾値を超える場合、暖気処理はステップS7に移行する。一方、検出温度の上昇率が第2上昇率閾値以下である場合、暖気処理はステップS8に移行する。
ステップS7において、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14を制御して、酸化剤ガス出力機器14から出力される酸化剤ガスの出力流量を、現在の出力流量から増加させる。さらに、制御装置20は、バイパス流路36に設けられる流量調整弁18の開度を大きくする。燃料電池システム10の運転停止中、流量調整弁18の開度は「0」であるため、制御装置20は、流量調整弁18の開度を「0」よりも大きくする。この場合、制御装置20は、現在の出力流量から増加させた分の酸化剤ガスがバイパス流路36を流れるように、流量調整弁18の開度を設定してもよい。酸化剤ガスの出力流量が現在の出力流量から増加され、かつ、流量調整弁18の開度が大きくされると、暖気処理はステップS5に移行する。
通常発電よりも低効率の発電が燃料電池スタック12で実施される場合、燃料電池スタック12のカソード電極25では、電解質膜24を透過する水素イオンと電子との再結合による水素の生成反応が生じ得る。したがって、燃料電池スタック12から酸化剤ガス排出流路32に流出するオフガス中の水素量が高まる傾向にある。
これに関して、制御装置20は、流量調整弁18の開度を大きくして、酸化剤ガス供給流路31からバイパス流路36を介して酸化剤ガス排出流路32に供給される酸化剤ガスを増加させる。一方、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14からの酸化剤ガス量を増加させる。したがって、制御装置20は、燃料電池スタック12に供給される酸化剤ガスの供給量を概ね変えずに、燃料電池スタック12から酸化剤ガス排出流路32に流出するオフガス中の水素を希釈することができる。その結果、通常発電よりも低効率の発電を燃料電池スタック12に維持させたまま排気水素濃度を低減することができる。
ステップS8において、制御装置20は、燃料電池スタック12による発電を、低ストイキ発電から通常発電に切り替える。この場合、制御装置20は、低効率発電中のガス量よりも多い量の酸化剤ガスを酸化剤ガス出力機器14に出力させる。燃料電池スタック12による発電が通常発電に切り替えられると、暖気処理はステップS9に移行する。
ステップS9において、制御装置20は、検出温度を目標温度と比較する。検出温度が目標温度に達していない場合、暖気処理はステップS9に留まる。一方、検出温度が目標温度に達した場合、暖気処理は終了する。
上記の実施形態は、下記のように変形されてもよい。
(変形例1)
ステップS7において、制御装置20は、酸化剤ガス出力機器14から出力される酸化剤ガスの出力流量を、現在の出力流量から増加させずに、流量調整弁18の開度を大きくしてもよい。
この場合、燃料電池スタック12に供給される酸化剤ガスの供給量が低減し、燃料電池スタック12での発電がより一段と低効率になる。そのため、燃料電池スタック12から酸化剤ガス排出流路32に流出するオフガス中の水素量がより一段と高まるが、燃料電池スタック12から酸化剤ガス排出流路32に流出するオフガス中の水素を希釈することができる。つまり、酸化剤ガス出力機器14から出力される酸化剤ガスの出力流量が増加されない場合であっても、通常発電よりも低効率の発電を燃料電池スタック12に維持させたまま排気水素濃度を低減することができる。
(変形例2)
制御装置20は、燃料電池スタック12による発電を、低ストイキ発電から通常発電に切り替えずに、所定の時間間隔で所定量ずつ段階的に酸化剤ガスを増加させてもよい。
(変形例3)
燃料電池システム10は、燃料電池スタック12に低ストイキ発電を実行させることによって得られた電力を、酸化剤ガス出力機器14および燃料ガス出力機器16の少なくとも1つに、駆動電力として供給してもよい。これにより、エネルギー効率化を図ることができる。
上記の実施形態および変形例から把握される発明を以下に記載する。
(1)本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック(12)を有する燃料電池システム(10)であって、前記燃料電池スタック(12)に供給される前記酸化剤ガスを出力する酸化剤ガス出力機器(14)と、前記酸化剤ガス出力機器(14)から出力される前記酸化剤ガスを前記燃料電池スタック(12)に供給するための酸化剤ガス供給流路(31)と、前記燃料電池スタック(12)から排出される前記酸化剤ガスを含む混合ガスを外部に排出するための酸化剤ガス排出流路(32)と、前記酸化剤ガス出力機器(14)と前記燃料電池スタック(12)との間の前記酸化剤ガス供給流路(31)から分岐し、前記酸化剤ガス排出流路(32)と合流するバイパス流路(36)と、前記バイパス流路(36)に設けられる流量調整弁(18)と、前記燃料電池スタック(12)の温度を検出する温度センサ(19)と、前記燃料電池スタック(12)の目標発電量により定められる発電効率よりも低い効率で前記燃料電池スタック(12)が発電する低効率発電中、前記温度に基づいて、前記酸化剤ガス出力機器(14)および前記流量調整弁(18)の少なくとも一方を制御して、前記燃料電池スタック(12)の発電状態を可変する制御装置(20)と、を備える。
これにより、濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に設けずに、排ガス中の水素濃度を低減することができる。すなわち、燃料電池スタックの温度は、電解質膜を透過した水素イオンと電子との再結合によってカソード電極で生成される水素と相関を有する。したがって、濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に新たに設けなくても、再結合によってカソード電極で生成された水素量の捕捉が可能になる。また、水素量に応じて燃料電池スタックの発電状態の変更が可能になる。その結果、水素濃度を検出するセンサを酸化剤ガス排出流路に設けずに、排ガス中の水素濃度を低減することができる。
(2)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記制御装置(20)は、単位時間あたりに上昇する前記温度の上昇率に基づいて、前記酸化剤ガス出力機器(14)および前記流量調整弁(18)の少なくとも一方を制御してもよい。これにより、燃料電池スタックの暖気状態に応じて、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスの流量を調整することができる。その結果、排ガス中の水素濃度を低減しながら、燃料電池スタックの発電効率を調整することができる。
(3)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記制御装置(20)は、単位時間あたりに上昇する前記温度の上昇率に基づいて、前記燃料電池スタック(12)の発電状態を可変するか否かを判定し、判定結果に応じて、前記酸化剤ガス出力機器(14)または前記流量調整弁(18)を制御してもよい。電解質膜を透過した水素イオンと電子との再結合によってカソード電極で生成される水素は、燃料電池スタックの温度の上昇率が大きいほど、多くなる。したがって、温度の上昇率に基づいて、排気に不要である水素量を精度よく検知することができ、その結果、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスの流量の不必要な調整を抑制することができる。
(4)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記温度の上昇率が所定の第1上昇率閾値以下であり、前記第1上昇率閾値よりも小さい第2上昇率閾値を超える場合、前記制御装置(20)は、前記流量調整弁(18)の開度を大きくしてもよい。これにより、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスを低減することができ、同時に、燃料電池スタックから排出される排ガス中の水素を希釈することができる。その結果、燃料電池スタックの発電効率を下げて燃料電池スタックの昇温速度を高めながら、排ガス中の水素濃度を低減することができる。
(5)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記制御装置(20)は、前記流量調整弁(18)の開度を大きくし、かつ、前記酸化剤ガス出力機器(14)から出力される前記酸化剤ガスの出力流量を増加させてもよい。これにより、燃料電池スタックで実施される低効率発電の状態を概ね変更させずに、排ガス中の水素濃度を低減することができる。
(6)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記温度の上昇率が前記第2上昇率閾値以下である場合、前記制御装置(20)は、前記低効率発電中のガス量よりも多い量の前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス出力機器(14)に出力させてもよい。これにより、燃料電池スタックの発電効率を下げた状態の不必要な継続を抑制することができる。
(7)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記制御装置(20)は、前記温度に応じて、前記第1上昇率閾値および前記第2上昇率閾値の値を切り替えしてもよい。これにより、燃料電池スタックの暖気状態に応じて、燃料電池スタックの発電状態を精巧に調整することができる。
(8)本発明は、燃料電池システム(10)であって、前記燃料電池システム(10)が搭載される移動体の運転が停止されてから次回の起動までの間に、前記制御装置(20)は、前記低効率発電を、前記燃料電池スタック(12)に実行させてもよい。これにより、移動体の運転停止中に、燃料電池システムが配置される環境の急激な変化によって温度が下がっても、移動体の運転開始前に、燃料電池スタックの内部に残留する水分の凍結を抑制することができる。
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…酸化剤ガス出力機器 16…燃料ガス出力機器
18…流量調整弁 19…温度センサ
20…制御装置 31…酸化剤ガス供給流路
32…酸化剤ガス排出流路 36…バイパス流路

Claims (8)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックを有する燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスを出力する酸化剤ガス出力機器と、
    前記酸化剤ガス出力機器から出力される前記酸化剤ガスを前記燃料電池スタックに供給するための酸化剤ガス供給流路と、
    前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスを含む混合ガスを外部に排出するための酸化剤ガス排出流路と、
    前記酸化剤ガス出力機器と前記燃料電池スタックとの間の前記酸化剤ガス供給流路から分岐し、前記酸化剤ガス排出流路と合流するバイパス流路と、
    前記バイパス流路に設けられる流量調整弁と、
    前記燃料電池スタックの温度を検出する温度センサと、
    前記燃料電池スタックの目標発電量により定められる発電効率よりも低い効率で前記燃料電池スタックが発電する低効率発電中、前記温度に基づいて、前記酸化剤ガス出力機器および前記流量調整弁の少なくとも一方を制御して、前記燃料電池スタックの発電状態を可変する制御装置と、
    を備える、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、単位時間あたりに上昇する前記温度の上昇率に基づいて、前記酸化剤ガス出力機器および前記流量調整弁の少なくとも一方を制御する、燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、単位時間あたりに上昇する前記温度の上昇率に基づいて、前記燃料電池スタックの発電状態を可変するか否かを判定し、判定結果に応じて、前記酸化剤ガス出力機器または前記流量調整弁を制御する、燃料電池システム。
  4. 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記温度の上昇率が所定の第1上昇率閾値以下であり、前記第1上昇率閾値よりも小さい第2上昇率閾値を超える場合、前記制御装置は、前記流量調整弁の開度を大きくする、燃料電池システム。
  5. 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、前記流量調整弁の開度を大きくし、かつ、前記酸化剤ガス出力機器から出力される前記酸化剤ガスの出力流量を増加させる、燃料電池システム。
  6. 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
    前記温度の上昇率が前記第2上昇率閾値以下である場合、前記制御装置は、前記低効率発電中のガス量よりも多い量の前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス出力機器に出力させる、燃料電池システム。
  7. 請求項4または6に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、前記温度に応じて、前記第1上昇率閾値および前記第2上昇率閾値の値を切り替える、燃料電池システム。
  8. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システムが搭載される移動体の運転が停止されてから次回の起動までの間に、前記制御装置は、前記低効率発電を、前記燃料電池スタックに実行させる、燃料電池システム。
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