JP2024033653A - 音響処理装置及び音響処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタの自由度を向上させること。【解決手段】音響処理装置は、一対のオーディオ信号間に与える位相差を規定するパラメータの値の入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部により受け付けられた入力値に基づいて、一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出するフィルタ係数算出部と、フィルタ係数算出部により算出されたフィルタ係数群に基づいて一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、入力値により規定された位相差を一対のオーディオ信号間に与えるフィルタ処理部と、を備える。上記のパラメータは、一対のオーディオ信号間に与える位相差の中心周波数及び先鋭度並びに中心周波数における位相差を含む。【選択図】図6
Description
本発明は、音響処理装置及び音響処理方法に関する。
車室内等のリスニング環境では、例えば定在波が干渉して周波数領域でのディップが発生し、音質が劣化したり音圧が低下したりすることがある。
このようなディップを抑制するため、例えば周波数領域における振幅特性をパラメトリックに制御する音響処理装置が知られている。一例として、特許文献1に記載の音響処理装置は、メモリのなかからフィルタ係数群を読み出してフィルタに適用する。このフィルタによるフィルタ処理により、振幅特性が調整されてディップが抑制される。
特許文献1を始めとする従来の音響処理装置では、所定の条件下(例えば、ゲインだけを所定値刻みで変更し他のパラメータを固定するという条件下)で算出されたフィルタ係数群がメモリに予め保存されている。言い換えると、メモリには、限られたフィルタ係数群しか保存されていない。そのため、フィルタの自由度が低い。
フィルタの自由度を向上させるため、各パラメータを細かく変更するという条件下でフィルタ係数群を算出する方法が考えられる。しかし、この場合、パラメータの膨大な組合せを算出する必要がある。算出処理に莫大な時間が必要とされるため、このような方法を採用することは容易ではない。
本発明は上記の事情に鑑み、フィルタの自由度を向上させることができる音響処理装置及び音響処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る音響処理装置は、一対のオーディオ信号間に与える位相差を規定するパラメータの値の入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部により受け付けられた入力値に基づいて、一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出するフィルタ係数算出部と、フィルタ係数算出部により算出されたフィルタ係数群に基づいて一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、入力値により規定された位相差を一対のオーディオ信号間に与えるフィルタ処理部と、を備える。上記のパラメータは、一対のオーディオ信号間に与える位相差の中心周波数及び先鋭度並びに中心周波数における位相差を含む。
本発明の一実施形態によれば、フィルタの自由度を向上させることができる音響処理装置及び音響処理方法が提供される。
以下の説明は、本発明の一実施形態に係る音響処理装置及び音響処理方法に関する。
図1は、本発明の一実施形態に係る音響処理システム1が設置された車両A(一例として右ハンドル車)を模式的に示す図である。図1に示されるように、音響処理システム1は、音響処理装置2、測定器3及び左右一対のスピーカSPFR、SPFLを備える。
音響処理装置2は、コンピュータの一例であり、一対のトランスデューサを対象としてIIR(Infinite Impulse Response)型オールパスフィルタ対による位相制御を行い、音場の位相干渉を低減する。例示的には、音響処理装置2は、定在波が干渉することによる周波数領域でのディップの発生を抑制することにより、音質の劣化や音圧の低下を抑制する。
スピーカSPFR、SPFLは、一対のトランスデューサの一例である。スピーカSPFRは、右ドア部(運転席側ドア部)に埋設された右フロントスピーカである。スピーカSPFLは、左ドア部(助手席側ドア部)に埋設された左フロントスピーカである。
車両Aには、更に別のスピーカ(例えばリアスピーカ)が設置(すなわち3基以上のスピーカが設置)されていてもよい。この場合、処理対象のトランスデューサ対は、スピーカSPFRとスピーカSPFLに限らない。処理対象のトランスデューサ対は、例えば、後部座席の左右位置に設置された2基のリアスピーカであってもよい。また、処理対象のトランスデューサ対は、スピーカSPFRと何れか1基のリアスピーカであってもよく、また、スピーカSPFLと何れか1基のリアスピーカであってもよい。
測定器3は、音の周波数特性を測定する周知の機器であり、所定のリスニングポイント(運転席、助手席、後部座席等)に設置される。測定器3は、スピーカSPFR及びSPFLより出力される音をマイクで収音し、収音された音の周波数特性を解析して表示部に表示する。
作業者(ユーザ)は、測定器3の表示部に表示された周波数特性を確認する。作業者は、例えば、ディップが確認される場合、リスニングポイントにおける音場の位相干渉を低減するのに適したパラメータ値を音響処理装置2に入力する。ここで、パラメータは、オールパスフィルタ対に適用されるフィルタ係数群を算出するためのパラメータであり、具体的には、一対のオーディオ信号間に与える位相差の中心周波数及び先鋭度並びに中心周波数における位相差である。
以下、作業者により入力される中心周波数、先鋭度、中心周波数における位相差の各パラメータは、それぞれ、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφと記される。
なお、リスニングポイントに測定器3が設置されなくてもよい。この場合、作業者は、リスニングポイントに着座し、実際に聞こえる音を確認しながら、リスニングポイントにおける音場の位相干渉を低減するのに適したパラメータ値を音響処理装置2に入力する。すなわち、作業者は、自身の聴感を頼りに、リスニングポイントにおける音場の調整を行ってもよい。
以下、スピーカSPFRに対応するRチャンネルのオーディオ信号は、オーディオ信号SRと記される。また、スピーカSPFLに対応するLチャンネルのオーディオ信号は、オーディオ信号SLと記される。
フィルタ係数群が適用されたオールパスフィルタ対により、一対のオーディオ信号間(オーディオ信号SRとオーディオ信号SL間)に位相差が与えられる。以下、中心周波数における位相差(位相差パラメータφ)と区別するため、オーディオ信号SRとオーディオ信号SL間の位相差は、位相差PHと記される。
本実施形態では、作業者は、適切なパラメータ値を音響処理装置2に入力することにより、適切な位相差PHをオーディオ信号SRとオーディオ信号SL間に与えて、定在波が干渉することによる周波数領域でのディップの発生を抑制し、音質の劣化や音圧の低下を抑制することができる。
図2及び図3は、オールパスフィルタ対により与えられる位相差PHの一例を示す図である。図2中、縦軸(線形軸)は位相を示し、横軸(対数軸)は周波数を示す。図2中、符号APF1で示される破線は、Lチャンネルに対応するオールパスフィルタの位相特性を示す。破線APF1と横軸との交点での周波数は、後述する帯域端周波数fC
-である。符号APF2で示される一点鎖線は、Rチャンネルに対応するオールパスフィルタの位相特性を示す。一点鎖線APF2と横軸との交点での周波数は、後述する帯域端周波数fC
+である。
図3中、縦軸(線形軸)は位相差を示し、横軸(対数軸)は周波数を示す。図3は、図2に示される位相特性の差である位相差PHを示す。図3に示されるように、位相差PHは、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの各値で決まる。
ここで、従来構成では、フィルタ処理を実行するにあたり、メモリに予め保存されたフィルタ係数群しか使用することができない。この構成では、限られたフィルタ係数群しか使用できないため、オールパスフィルタ対による位相差PHの調整を高い分解能で実現することが難しい。また、多数のフィルタ係数群を保存するための保存領域をメモリ内に確保する必要がある。
これに対し、音響処理装置2は、作業者が入力した位相差PH(すなわち、図3に例示される、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの各値で規定される位相差)を、一対のオーディオ信号間に、オールパスフィルタ対で与えるように構成される。すなわち、音響処理装置2は、作業者より入力される中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータの各値に基づいてフィルタ係数群を算出し、算出されたフィルタ係数群に基づいてフィルタ処理を行い、作業者が指示した位相差PHをオーディオ信号対に与える。
音響処理装置2では、任意のパラメータ値に基づいてフィルタを設定できるため、フィルタの自由度が従来構成と比べて高い。また、多数のフィルタ係数群を保存するための保存領域をメモリ内に確保する必要がない。
図4は、音響処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示されるように、音響処理装置2は、プレイヤ10、LSI(Large Scale Integration)11、D/Aコンバータ12、アンプ13、表示部14、操作部15及びフラッシュメモリ16を備える。
プレイヤ10は、音源と接続される。プレイヤ10は、音源より入力されるオーディオ信号を再生して、LSI11に出力する。
音源は、例えば、デジタルオーディオデータを格納したCD(Compact Disc)、SACD(Super Audio CD)等のディスクメディア、HDD(Hard Disk Drive)、USB(Universal Serial Bus)等のストレージメディアである。電話機(例えばフィーチャーフォン、スマートフォン)が音源であってもよい。この場合、プレイヤ10は、電話機より入力される通話時の音声信号をLSI11にスルー出力する。
LSI11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。LSI11のCPUは、LSI11のROMに書き込まれたプログラムを実行するシングルプロセッサ又はマルチプロセッサ(言い換えると、少なくとも1つのプロセッサ)を含み、音響処理装置2を統括的に制御する。
LSI11は、RAM等のワークエリアに展開されたプログラムを実行することにより、一対のオーディオ信号間に与える位相差PHを規定するパラメータ(具体的には、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφ)の値の入力を受け付け、受け付けられた入力値に基づいて、一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出し、算出されたフィルタ係数群に基づいて一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、上記の入力値により規定された位相差PHを一対のオーディオ信号間に与える。
このプログラムの実行により、例えば、適切な位相差PHがオーディオ信号SRとオーディオ信号SL間に与えられて、定在波が干渉することによる周波数領域でのディップの発生が抑制されて、音質の劣化や音圧の低下が抑制される。
LSI11によるフィルタ処理後のオーディオ信号SR、SLは、D/Aコンバータ12によりアナログ信号に変換される。このアナログ信号は、アンプ13で増幅されて、スピーカSPFR、SPFLに出力される。これにより、例えば音源に収録された楽曲がスピーカSPFR、SPFLから車室内で再生される。
本実施形態では、車載型の音響処理システム1が例示される。但し、建物の室内等のリスニング環境においても、リスニングポイントにおいて定在波が干渉することによる周波数領域でのディップが発生する虞がある。そのため、音響処理システム1は、車室内以外のリスニング環境に対して実装されてもよい。
表示部14は、設定画面をはじめとする各種画面を表示する装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等のディスプレイを含む。表示部14は、タッチパネルを含む構成としてもよい。
操作部15は、メカニカル方式、静電容量無接点方式、メンブレン方式等のスイッチ、ボタン、ノブ、ホイール等の操作子を含む。表示部14がタッチパネルを含む場合、このタッチパネルも操作部15の一部をなす。
例えば、作業者が操作部15を用いて中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφの各値を入力すると、これらの入力値に応じた位相差PH(図3参照)が表示部14に表示される。作業者は、例えば、位相差PHを示す山なりの曲線の一部をタッチパネル上でタッチしてスライドさせることで、この曲線の形状を変える(言い換えると、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφの少なくとも1つの値を変える)ことができる。
図5は、音響処理装置2の機能ブロック図である。機能ブロック図中の各ブロックに示される機能は、音響処理システム1に備えられるソフトウェアとハードウェアとが協働することにより実行される。
図5に示されるように、音響処理装置2は、機能ブロックとして、入力受付部210、フィルタ係数算出部220、フィルタ処理部230を含む。フィルタ処理部230は、Rフィルタ部232及びLフィルタ部234を含む。
入力受付部210は、操作部15を用いた作業者による入力であって、一対のオーディオ信号間に与える位相差を規定するパラメータの値の入力を受け付ける。
フィルタ係数算出部220は、入力受付部210により受け付けられた入力値に基づいて、一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出する。
具体的には、フィルタ係数算出部220は、操作部15を用いて入力された中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの各値に基づいて、Rチャンネルに対応するフィルタ係数群FCR(第1のフィルタ係数群の一例)、及びLチャンネルに対応するフィルタ係数群FCL(第2のフィルタ係数群の一例)を算出する。
フィルタ処理部230は、フィルタ係数算出部220により算出されたフィルタ係数群に基づいて一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、上記の入力値により規定された位相差PHを一対のオーディオ信号間に与える。
Rフィルタ部232は、第1のオールパスフィルタの一例であり、フィルタ係数群FCRが適用される。Lフィルタ部234は、第2のオールパスフィルタの一例であり、フィルタ係数群FCLが適用される。Rフィルタ部232及びLフィルタ部234は、例えば直接型I(direct form I)のIIR型オールパスフィルタを構成する。
Rフィルタ部232には、Rチャンネルのオーディオ信号SRがプレイヤ10から入力されるとともに、フィルタ係数群FCRがフィルタ係数算出部220から入力される。Rフィルタ部232は、フィルタ係数群FCRを用いてオーディオ信号SRに対するフィルタ処理を行う。
Lフィルタ部234には、Lチャンネルのオーディオ信号SLがプレイヤ10から入力されるとともに、フィルタ係数群FCLがフィルタ係数算出部220から入力される。Lフィルタ部234は、フィルタ係数群FCLを用いてオーディオ信号SLに対するフィルタ処理を行う。
Rフィルタ部232及びLフィルタ部234による各フィルタ処理により、作業者が指示した位相差PH(中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの各値で規定される位相差)がオーディオ信号対に与えられる。位相差PHが与えられたオーディオ信号SR、SLは、D/Aコンバータ12及びアンプ13を介して、スピーカSPFR、SPFLにより車室内に音として出力される。Rフィルタ部232及びLフィルタ部234において適切な位相差PHが与えられることにより、定在波が干渉することによる周波数領域でのディップの発生が抑制されて、音質の劣化や音圧の低下が抑制される。
フィルタ係数算出部220によるフィルタ係数群の算出方法について具体的に説明する。
Rフィルタ部232及びLフィルタ部234の特性は、z変換の双二次伝達関数(biquad transfer function)H(z)を用いて式1のように示される。式1において、a0、a1、a2は、双二次伝達関数H(z)の分母のフィルタ係数を示す。b0、b1、b2は、双二次伝達関数H(z)の分子のフィルタ係数を示す。フィルタ係数算出部220は、Rチャンネル、Lチャンネルのそれぞれに対して、上記の計6個のフィルタ係数を算出する。
式1においてフィルタ係数a0が1になるように正規化すると、式2が導かれる。更に、式2を変形することにより、直接型Iとして実装されたRフィルタ部232及びLフィルタ部234の特性を、式3で示すことができる。式3において、yは出力信号を示し、xは入力信号を示す。
オールパスフィルタであるRフィルタ部232及びLフィルタ部234は、式4の通り、伝達関数H(s)を持つアナログプロトタイプのフィルタとして表すことができる。
式3及び式4から、次の式5に示されるフィルタ係数群(6個のフィルタ係数a0、a1、a2、b0、b1及びb2)が導かれる。式5を導出するには、例えば既知の双一次変換が用いられるが、式5の導出方法はこれに限られない。
(式5)
b0=1-α
b1=-2cosω0
b2=1+α
a0=1+α
a1=-2cosω0
a2=1-α
b0=1-α
b1=-2cosω0
b2=1+α
a0=1+α
a1=-2cosω0
a2=1-α
更に、式5に含まれる中間変数ω0、αは、それぞれ、式6、7で示される。式6において、f0は、フィルタ係数算出部220により計算上求められるフィルタの中心周波数を示す。式7において、βは、フィルタ係数算出部220により計算上求められるフィルタの帯域幅を示す。
(式6)
ω0=2πf0
ω0=2πf0
図6は、フィルタ係数算出部220において実行されるフィルタ係数算出処理のフローチャートを示す。
フィルタ係数算出部220は、Rチャンネル、Lチャンネルのそれぞれに対応する帯域端周波数fC
+、fC
-を算出する(ステップS101)。
フィルタ係数算出部220は、ステップS101で算出された帯域端周波数fC
+及びfC
-に基づいて、帯域幅βを求める(ステップS102)。
フィルタ係数算出部220は、更に、帯域端周波数fC
+を中心周波数f0として式6に代入して、Rチャンネルに対応する中間変数ω0を算出するとともに、帯域端周波数fC
-を中心周波数f0として式6に代入して、Lチャンネルに対応する中間変数ω0を算出する(ステップS103)。
フィルタ係数算出部220は、帯域幅β及びRチャンネルに対応する中間変数ω0を式7に代入して、Rチャンネルに対応する中間変数αを算出するとともに、帯域幅β及びLチャンネルに対応する中間変数ω0を式7に代入して、Lチャンネルに対応する中間変数αを算出する(ステップS104)。
フィルタ係数算出部220は、Rチャンネルに対応する中間変数ω0及びαを式5に代入してフィルタ係数群FCRを求めるとともに、Lチャンネルに対応する中間変数ω0及びαを式5に代入してフィルタ係数群FCLを求める(ステップS105)。
次に、図6に示されるフィルタ係数算出処理をより具体的に説明する。
ステップS101において、帯域端周波数fC
+、fC
-は、それぞれ、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφを変数とする関数f1(ω,θ,φ)、関数f2(ω,θ,φ)を用いて求められる。
関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)により算出される帯域端周波数fC
+とfC
-との周波数軸(対数軸)上の距離Dは、先鋭度パラメータθと負の相関を有し且つ位相差パラメータφと正の相関を有する。関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)により、人間の聴覚特性を考慮した周波数軸(例えば対数軸)上で中心周波数(中心周波数パラメータωの値であり、以下、符号fCを付す。)を中心として対称となる帯域端周波数fC
+及びfC
-が算出される。
図7は、中心周波数fC、帯域端周波数fC
+及びfC
-の関係を示す図である。図7中、横軸は周波数であり、対数軸で表現される。関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)により、図7に示されるように、中心周波数fCを中心として対数軸上で対称となる位置の周波数が帯域端周波数fC
+及びfC
-として算出される。
図8A、図8B、図9A、図9B、図10A及び図10Bを用いて、関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)の特性を説明する。
図8A及び図8Bは、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの値を固定し且つ中心周波数パラメータωの値を変えた場合の、距離Dを示す図である。図8A、図8Bの各図中、縦軸は、距離Dを示し、横軸は、中心周波数パラメータωを示す。
図9A及び図9Bは、中心周波数パラメータω及び位相差パラメータφの値を固定し且つ先鋭度パラメータθの値(Q値)を変えた場合の、距離Dを示す図である。図9A、図9Bの各図中、縦軸は、距離Dを示し、横軸は、先鋭度パラメータθを示す。
図10A及び図10Bは、中心周波数パラメータω及び先鋭度パラメータθの値を固定し且つ位相差パラメータφを変えた場合の、距離Dを示す図である。図10A、図10Bの各図中、縦軸は、距離Dを示し、横軸は、位相差パラメータφを示す。
なお、「Linear diff」が付された図では、線形軸上での距離Dが示される。「Log diff」が付された図では、対数軸上での距離Dが示される。「Linear plot」が付された図では、横軸が線形軸で示される。「log-log plot」が付された図は、両対数グラフ(両対数軸)を示す。
図8Bに示されるように、対数軸上において、距離Dは、中心周波数パラメータωの値に拘わらず一定である。図9A及び図9Bに示されるように、距離Dは、先鋭度パラメータθと(特に両対数軸で)負の相関を有する。図10A及び図10Bに示されるように、距離Dは、位相差パラメータφと正の相関を有する。
ステップS101では、関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)を用いて帯域端周波数fC
+及びfC
-が算出される。これらの関数により算出される帯域端周波数fC
+とfC
-との周波数軸上の距離Dは、先鋭度パラメータθと負の相関を有し且つ位相差パラメータφと正の相関を有する。また、これらの関数により算出される帯域端周波数fC
+及びfC
-は、人間の聴覚特性を考慮した対数軸上で中心周波数fCを中心として対称となる位置に現れる。
このように、フィルタ係数算出部220は、入力値(中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφの各値)に基づいて、帯域端周波数fC
+(一対のオーディオ信号の一方に対する第1の制御対象の周波数の一例)を算出するとともに、帯域端周波数fC
-(一対のオーディオ信号の他方に対する第2の制御対象の周波数の一例)を算出する。
附言するに、フィルタ係数算出部220は、関数f1(ω,θ,φ)(第1の関数の一例)及び関数f2(ω,θ,φ)(第2の関数の一例)に上記の入力値を与えることにより、対数軸上で中心周波数を挟んで対称に位置する一対の周波数の一方(すなわち帯域端周波数fC
+)を、第1の制御対象の周波数として求め、且つ一対の周波数の他方(すなわち帯域端周波数fC
-)を、第2の制御対象の周波数として求める。関数f1(ω,θ,φ)と関数f2(ω,θ,φ)との差分値である距離Dは、先鋭度パラメータθと負の相関を有し且つ位相差パラメータφと正の相関を有する。
なお、関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)に、例えば人間の聴感特性を考慮した定数項(数値的には例えば1/3オクターブバンドを考慮した値)が取り入れられてもよい。
また、振幅を調整する技術として、パラメトリックイコライザが広く知られている。パラメトリックイコライザでは、例えば、中心周波数、帯域幅、ゲインが入力パラメータとして採用される。そこで、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφの各入力値で決まる山のカーブ(図3参照)を、パラメトリックイコライザの各入力値(中心周波数、帯域幅、ゲイン)で決まるQ値のカーブに近似させるための調整項が関数f1(ω,θ,φ)及び関数f2(ω,θ,φ)に取り入れられてもよい。このような調整項が取り入れられることにより、例えばパラメトリックイコライザの操作に慣れた作業者が音響処理装置2による位相差の調整作業を行いやすくなる。
ステップS102において、帯域幅βは、式8により求められる。
図11A~図11C、図12A~図12C及び図13A~図13Cを用いて、式8の特性を説明する。
図11A、図12A、図13Aは、それぞれ、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの値を固定し且つ中心周波数パラメータωの値を変えた場合の、基準項β0、関数β1、関数β2の各値を示す図である。図11A、図12A、図13Aのそれぞれにおいて、縦軸は、基準項β0、関数β1、関数β2を示す。また、横軸は、中心周波数パラメータωを示す。
図11B、図12B、図13Bは、それぞれ、中心周波数パラメータω及び位相差パラメータφの値を固定し且つ先鋭度パラメータθの値(Q値)を変えた場合の、基準項β0、関数β1、関数β2の各値を示す図である。図11B、図12B、図13Bのそれぞれにおいて、縦軸は、基準項β0、関数β1、関数β2を示す。また、横軸は、先鋭度パラメータθを示す。
図11C、図12C、図13Cは、それぞれ、中心周波数パラメータω及び先鋭度パラメータθの値を固定し且つ位相差パラメータφを変えた場合の、基準項β0、関数β1、関数β2の各値を示す図である。図11C、図12C、図13Cのそれぞれにおいて、縦軸は、基準項β0、関数β1、関数β2を示す。また、横軸は、位相差パラメータφを示す。
これらの図において、中心周波数パラメータωの固定値は1000(kHz)とし、先鋭度パラメータθの固定値は1とし、位相差パラメータφの固定値は180°とする。
図11Aに示されるように、基準項β0は、中心周波数パラメータωの値に拘わらず一定である。また、図11B、図11Cのそれぞれに示されるように、基準項β0は、先鋭度パラメータθ、位相差パラメータφに応じて変わる。より詳細には、帯域端周波数fC
+とfC
-との差分絶対値が先鋭度パラメータθに応じて変わることに伴い、基準項β0が変わる。また、上記の差分絶対値が位相差パラメータΦに応じて変わることに伴い、基準項β0が変わる。従って、基準項β0は、例えば「帯域端周波数fC
+とfC
-との差分絶対値と、中心周波数パラメータωと、により求まる項」と表現することができる。
図12A、図12Bのそれぞれに示されるように、関数β1は、中心周波数パラメータωの値に拘わらず一定であり、また、先鋭度パラメータθの値に拘わらず一定である。但し、関数β1は、図12Cに示されるように、位相差パラメータφに応じて変わる。
図13A、図13Bのそれぞれに示されるように、関数β2も、中心周波数パラメータωの値に拘わらず一定であり、また、先鋭度パラメータθの値に拘わらず一定である。関数β2も、図13Cに示されるように、位相差パラメータφに応じて変わる。
図14は、関数β1と位相差パラメータφとの関係を両対数グラフで示す図である。図14に示されるように、関数β1は、位相差パラメータφと負の相関を有し、両対数軸上でほぼ直線状に減少する。
便宜上、位相差パラメータφが0°のときの、関数β1の値を180とする。この場合、関数β1は、例えば「位相差パラメータφと負の相関を有する関数で、且つ所定の閉区間(本実施形態では[0,180])を定義域及び値域とする位相差パラメータφの関数」と表現することができる。
図15は、関数β2と位相差パラメータφとの関係を線形グラフで示す図である。図15に示されるように、関数β2は、位相差パラメータφと負の相関を有し、線形軸上で、閉区間[√2,2]を値域としてほぼ直線状に減少する。
変形例として、関数β2は、式9又は式10で示すこともできる。
図16は、式9に示される関数β2
(B)と位相差パラメータφとの関係を線形グラフで示す図である。図17は、式10に示される関数β2
(C)と位相差パラメータφとの関係を線形グラフで示す図である。
図15~図17によれば、関数β2は、例えば「位相差パラメータφと負の相関を有する関数で、且つ位相差パラメータφが大きくなるほど2から√2に収束する関数」と表現することができる。
図18は、関数β1と関数β2
(C)との積と、位相差パラメータφと、の関係を両対数グラフで示す図である。図18に示されるように、2つの関数の乗算値も、位相差パラメータφと負の相関を有し、両対数軸上でほぼ直線状に減少する。なお、例えば、位相差パラメータφが1°のとき、関数β1は180となり、関数β2
(C)はほぼ2となる。また、例えば、位相差パラメータφが180°のとき、関数β1は1となり、関数β2
(C)は√2となる。そのため、上記の乗算値は、図18に示されるように、位相差パラメータφに応じて360~√2の値を取る。
このように、ステップS102では、フィルタ係数算出部220は、第1の制御対象の周波数及び第2の制御対象の周波数(すなわち帯域端周波数fC
+及びfC
-)に基づいて、フィルタの帯域幅βを算出する。附言するに、フィルタ係数算出部220は、第1の制御対象の周波数及び第2の制御対象の周波数との差分絶対値及び中心周波数パラメータωに基づいて基準項β0を算出し、算出された基準項β0に対し、位相差パラメータφと負の相関を有し且つ所定の閉区間を定義域及び値域とする関数β1(第3の関数の一例)と、位相差パラメータφと負の相関を有し且つ位相差パラメータφが大きくなるほど2から√2に収束する関数β2(第4の関数の一例)と、を乗算することにより、帯域幅βを求める。
ステップS103では、式11により、Rチャンネルに対応する中間変数ω0が求められるとともに、式12により、Lチャンネルに対応する中間変数ω0が求められる。
(式11)
ω0=2πfC +
ω0=2πfC +
(式12)
ω0=2πfC -
ω0=2πfC -
ステップS104では、式13により、Rチャンネルに対応する中間変数αfC
+が求められるとともに、式14により、Lチャンネルに対応する中間変数αfC
-が求められる。なお、式13中、「fC
+」の表記は、正確には、Rチャンネルに対応するω0、すなわち「2πfC
+」である。また、式14中、「fC
-」の表記は、正確には、Lチャンネルに対応するω0、すなわち「2πfC
-」である。
ステップS105では、式11により求められた中間変数ω0及び式13により求められた中間変数αfC
+が式5に代入されることにより、フィルタ係数群FCRが求まる。更に、式12により求められた中間変数ω0及び式14により求められた中間変数αfC
-が式5に代入されることにより、フィルタ係数群FCLが求まる。
このように、ステップS103~S105において、フィルタ係数算出部220は、第1の制御対象の周波数及び帯域幅(すなわち、帯域端周波数fC
+及び帯域幅β)に基づいて、フィルタ係数群FCR(一方のオーディオ信号に対応する第1のフィルタ係数群の一例)を算出し、第2の制御対象の周波数及び帯域幅(すなわち、帯域端周波数fC
-及び帯域幅β)に基づいて、フィルタ係数群FCL(他方のオーディオ信号に対応する第2のフィルタ係数群の一例)を算出する。
このようなフィルタ係数群が与えられたオールパスフィルタ対(Rフィルタ部232とLフィルタ部234)により、作業者が指定した、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの値を満足する位相差PHが、オーディオ信号SR及びオーディオ信号SLに対して与えられる。
本実施形態によれば、中心周波数パラメータω、先鋭度パラメータθ及び位相差パラメータφの任意の値に基づいてフィルタを設定できるため、フィルタの自由度が従来構成と比べて高い。言い換えると、パラメータ値を任意に決められるため、オーディオ信号SR及びオーディオ信号SLに対して設定できる位相差の分解能が高い。また、パラメータ値を入力することで、これに対応する位相差をオーディオ信号SR及びオーディオ信号SLに対してすぐさま与えることができる。また、多数のフィルタ係数を保存するための保存領域をメモリ内に確保する必要がない。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
例えば、上記の説明では、オールパスフィルタを一対だけ備える音響処理装置2を示したが、オールパスフィルタ対は、例えば位相差を付与する対象の帯域毎に必要になる。そのため、音響処理装置2は、複数の帯域に対して位相差を付与できるように、オールパスフィルタを複数対備える構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、フィルタ係数算出部220は、例えば対数を取り入れた計算を行っているが、これと同等の計算を、対数を用いずに行ってもよい。
また、上記の実施形態では、作業者が各パラメータ値を音響処理装置2に入力するが、別の実施形態では、例えば音響処理装置2に実装されたプログラムと異なる上位プログラムが各パラメータ値を音響処理装置2に自動的に与えてもよい。
一例として、上位プログラムが実装された装置は、車載カメラによる撮影画像を取得し、取得された撮影画像のなかから人物を抽出し、抽出された人物毎の着座位置を取得する。この装置は、取得された着座位置に応じたトランスデューサ対を対象として各パラメータ値を音響処理装置2に与える。当該装置は、例えば、運転席に着座する人物のみ抽出された場合、スピーカSPFR及びSPFLを対象として各パラメータ値を音響処理装置2に与える。また、当該装置は、例えば、運転席及び後部座席に着座する人物が抽出された場合、スピーカSPFR及びSPFL並びに2基のリアスピーカ(すなわち、2つのトランスデューサ対のそれぞれ)を対象として各パラメータ値を音響処理装置2に与える。
1 :音響処理システム
2 :音響処理装置
3 :測定器
10 :プレイヤ
11 :LSI
12 :D/Aコンバータ
13 :アンプ
14 :表示部
15 :操作部
16 :フラッシュメモリ
210 :入力受付部
220 :フィルタ係数算出部
230 :フィルタ処理部
232 :Rフィルタ部
234 :Lフィルタ部
2 :音響処理装置
3 :測定器
10 :プレイヤ
11 :LSI
12 :D/Aコンバータ
13 :アンプ
14 :表示部
15 :操作部
16 :フラッシュメモリ
210 :入力受付部
220 :フィルタ係数算出部
230 :フィルタ処理部
232 :Rフィルタ部
234 :Lフィルタ部
Claims (6)
- 一対のオーディオ信号間に与える位相差を規定するパラメータの値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部により受け付けられた入力値に基づいて、前記一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出するフィルタ係数算出部と、
前記フィルタ係数算出部により算出されたフィルタ係数群に基づいて前記一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、前記入力値により規定された位相差を前記一対のオーディオ信号間に与えるフィルタ処理部と、を備え、
前記パラメータは、前記一対のオーディオ信号間に与える位相差の中心周波数及び先鋭度並びに前記中心周波数における位相差を含む、
音響処理装置。 - 前記フィルタ係数算出部は、
前記入力値に基づいて、前記一対のオーディオ信号の一方に対する第1の制御対象の周波数を算出するとともに、前記一対のオーディオ信号の他方に対する第2の制御対象の周波数を算出し、
前記第1の制御対象の周波数及び前記第2の制御対象の周波数に基づいて、フィルタの帯域幅を算出し、
前記第1の制御対象の周波数及び前記帯域幅に基づいて、前記一方のオーディオ信号に対応する第1のフィルタ係数群を算出し、
前記第2の制御対象の周波数及び前記帯域幅に基づいて、前記他方のオーディオ信号に対応する第2のフィルタ係数群を算出する、
請求項1に記載の音響処理装置。 - 前記フィルタ係数算出部は、第1の関数及び第2の関数に前記入力値を与えることにより、対数軸上で前記中心周波数を挟んで対称に位置する一対の周波数の一方を、前記第1の制御対象の周波数として求め、且つ前記一対の周波数の他方を、前記第2の制御対象の周波数として求め、
前記第1の関数と前記第2の関数との差分値は、前記先鋭度のパラメータと負の相関を有し且つ前記中心周波数での位相差のパラメータと正の相関を有する
請求項2に記載の音響処理装置。 - 前記フィルタ係数算出部は、
前記第1の制御対象の周波数と前記第2の制御対象の周波数との差分絶対値及び前記中心周波数に基づいて基準項を算出し、
算出された前記基準項に対し、前記中心周波数での位相差のパラメータと負の相関を有し且つ所定の閉区間を定義域及び値域とする第3の関数と、前記中心周波数での位相差のパラメータと負の相関を有し且つ前記中心周波数での位相差のパラメータが大きくなるほど2から√2に収束する第4の関数と、を乗算することにより、前記帯域幅を求める、
請求項2に記載の音響処理装置。 - 前記フィルタ処理部は、第1のオールパスフィルタと第2のオールパスフィルタを含み、
前記第1のフィルタ係数群は、前記第1のオールパスフィルタに適用されるフィルタ係数群であり、
前記第2のフィルタ係数群は、前記第2のオールパスフィルタに適用されるフィルタ係数群である、
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の音響処理装置。 - 一対のオーディオ信号間に与える位相差を規定するパラメータの値の入力を受け付け、
前記受け付けられた入力値に基づいて、前記一対のオーディオ信号のそれぞれに対応するフィルタ係数群を算出し、
前記算出されたフィルタ係数群に基づいて前記一対のオーディオ信号のそれぞれに対してフィルタ処理を行うことにより、前記入力値により規定された位相差を前記一対のオーディオ信号間に与える、処理を、コンピュータに実行させ、
前記パラメータが、前記一対のオーディオ信号間に与える位相差の中心周波数及び先鋭度並びに前記中心周波数における位相差を含む、
音響処理方法。
Priority Applications (3)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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2022
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