JP2024033635A - 推定方法、推定プログラム、および推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車エンジンの燃焼制御では、燃焼状態に応じた高性能な制御を実現する取り組みが行われている。しかしながら、筒内圧センサを用いた制御では、数値変換に多くの時間を要するなど、実時間制御が困難である。【解決手段】コンピュータが、エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、選定されたクランク角度の要素に対応する筒内圧データおよび運転条件を入力、燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより燃焼指標を推定する処理を実行する。【選択図】図9

Description

本発明は、推定方法、推定プログラム、および推定装置に関する。
自動車エンジンの燃焼制御では、運転条件ごとに予め設定された値を使用し制御をおこなうFF(Feed Forward)制御が一般的である。また近年は、筒内圧センサから筒内圧力(以下、単に「筒内圧」という場合がある)を取得し、トルクやCA50などの燃焼指標へ変換し制御に利用することで、燃焼状態に応じた高性能な制御を実現する取り組みが行われている。なお、CA50は、燃焼重心とも呼ばれ、燃焼により発生する熱が全体の半分まで進んだ時点のクランク角度を燃焼指標とするものである。
特開2019-011229号公報 特開2020-059985号公報
しかしながら、筒内圧センサを用いた制御では、例えば、0.1deg.CAごとなど高サンプリングに取得した1サイクル分の筒内圧力を使用するため、数値変換に多くの時間を要する。さらに、1サイクル分のデータを用いて次のサイクルの操作量を導出するため、オンボードでの実時間制御が困難である。
一つの側面では、自動車エンジンの燃焼制御において、燃焼状態に応じた実時間制御を行うことを目的とする。
1つの態様において、コンピュータが、エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、選定されたクランク角度の要素に対応する筒内圧データおよび運転条件を入力、燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより燃焼指標を推定する処理を実行する。
一つの側面では、自動車エンジンの燃焼制御において、燃焼状態に応じた実時間制御を行うことを目的とする。
図1は、本実施形態にかかるエンジン試験システムの構成例を示す図である。 図2は、Chirp信号による試験パターンの一例を示す図である。 図3は、APRBS信号による試験パターンの一例を示す図である。 図4は、網羅率に基づく信号修正の一例を示す図である。 図5は、本実施形態にかかるパラメータの測定位置の一例を示す図である。 図6は、本実施形態にかかるパラメータの取得タイミングの一例を示す図である。 図7は、本実施形態にかかるバーチャルセンサ選定の一例を示す図である。 図8は、本実施形態にかかる重要度分析の一例を示す図である。 図9は、本実施形態にかかるバーチャルセンサの入出力の一例を示す図である。 図10は、燃焼指標推定における計算時間と推定精度との関係を説明するための図である。 図11は、燃焼指標の推定精度の従来法との比較結果の一例を示す図である。 図12は、本実施形態にかかるバーチャルセンサ選定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図13は、本実施形態にかかる推定装置100のハードウェア構成例を示す図である。
以下に、本実施形態に係る推定方法、推定プログラム、および推定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本実施形態が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
[構成例]
図1を用いて、本実施形態に係るエンジン試験システムの構成を説明する。図1は、本実施形態にかかるエンジン試験システムの構成例を示す図である。図1に示すように、エンジン試験システムは、推定装置100およびエンジン300を含む。推定装置100とエンジン300とは、それぞれ相互に通信可能に接続される。なお、図示していないが、推定装置100とエンジン300との間にECU(Engine Control Unit)があってよく、本実施形態におけるエンジン300の制御はECUを介して行われてよい。
推定装置100は、エンジン300を実時間制御するエンジン制御器であってよい。推定装置100は、試験パターン作成部111、時系列データ取得部112、優先度設定部113、クランク角度および筒内圧選定部114、バーチャルセンサ構築部115、バーチャルセンサ選定部116を備える。これらの各処理部は、推定装置100の制御部であるプロセッサによって制御される。また、推定装置100は、記憶部として、試験パターン121、時系列データ122および123、優先度設定値124、筒内圧データ125、バーチャルセンサ候補データ126を備える。
試験パターン作成部111は、例えば、試験パターンを作成し、試験パターン121に記憶する。作成された試験パターンに基づいて、推定装置100は、エンジン300に対してエンジン300を制御するための操作変数を入力してエンジン試験を実施する。なお、試験パターンは、例えば、操作変数の時系列変化を示すChirp信号やAPRBS(Amplitude‐modulated Pseudo Random Binary Sequences)信号である。
図2は、Chirp信号による試験パターンの一例を示す図である。図2において、グラフの横軸が時間であり、縦軸が操作変数の値である。図2に示すように、Chirp信号は、時間経過に応じて周波数成分を連続的に変えることにより、三角関数の特性で試験パターンに対する網羅性の高い試験が実現可能となる。なお、Chirp信号は、例えば、次の式(1)を用いて算出される。
Figure 2024033635000002
また、操作変数は、エンジン回転数、燃料噴射量、タービン開度、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環)バルブ開度、ITH(Intake THrottle:吸気スロットル)バルブ開度などである。そのため、Chirp信号などの試験パターンは、操作変数ごとに作成されることになる。
また、試験パターンは、図2に示すように、操作変数の時系列変化を示すパターンデータであるため、推定装置100は、試験パターンに基づいて、エンジン回転数や燃料噴射量などの操作変数の値を変えてエンジン300に入力し、エンジン300を制御する。
また、試験パターンは、APRBS信号であってもよい。図3は、APRBS信号による試験パターンの一例を示す図である。図3も図2同様、グラフの横軸が時間であり、縦軸が操作変数の値である。図3に示すように、APRBS信号は、ランダム化した入力値を時系列に繋ぎ、ランダム性のある入力値により試験パターンに対する網羅性の高い試験が実現可能となる。
また、試験パターン作成部111は、Chirp信号またはAPRBS信号をもとに、複数の操作変数の値の取りうる空間と複数の操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように試験パターンを調整できる。図4を用いてより具体的に説明する。
図4は、網羅率に基づく信号修正の一例を示す図である。試験パターン作成部111は、操作変数ごとに作成されたChirp信号10-1~10-n(nは任意の整数。操作変数の種類の数による。)を、網羅率に基づいて修正し調整する。より具体的には、図4に示すように、Chirp信号10-1~10-nは、それぞれ、操作変数1~nの取りうる空間と、操作変数1~nの変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率を最大化するように調整される。
操作変数1~nの取りうる空間とは、例えば、図4に示すように、各操作変数の組み合わせが取りうる座標空間である。当該座標空間について、操作変数1と操作変数2との組み合わせが取りうる座標空間を例として説明する。操作変数1と操作変数2との組み合わせが、当該座標空間を、それぞれの操作変数の時系列変化を示すChirp信号によって、満遍なく網羅するほど網羅率は高くなる。このように、操作変数の取りうる空間の網羅率がより高くなるように、Chirp信号が修正される。
操作変数の取りうる空間の網羅率は、例えば、図4に示すように、座標空間を複数の領域に分割し、各領域に対する、操作変数の組み合わせの有無の割合によって算出される。
また、図4の領域に×印で示されるように、操作変数の組み合わせによっては、とってはいけない領域が存在する場合がある。そのため、試験パターン作成部111は、座標空間からこのような領域を除外した上で、当該領域に操作変数の組み合わせが含まれないようにChirp信号を修正する。
また、操作変数1~nの変化速度値の取りうる空間については、操作変数1~nの取りうる空間の上記説明と同様である。以上のように、試験パターン作成部111は、Chirp信号10-1~10-nを、各操作変数の取りうる空間と、各操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率を最大化するように、Chirp信号20-1~20-nに修正する。なお、図4は、Chirp信号を例としているが、APRBS信号の場合も同様である。このようにして、試験パターン作成部111は、時系列の過渡的な試験パターンが作成できる。
図1の説明に戻り、時系列データ取得部112は、例えば、試験パターンをエンジン300に入力することにより測定されるパラメータを時系列データとして取得し、時系列データ122および123に記憶する。なお、取得された時系列データについて、筒内圧に関するデータが時系列データ122、運転条件や燃焼指標に関するデータが時系列データ123に記憶されてよい。
なお、運転条件は、例えば、エンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度を含んでよい。また、作動ガスは、例えば、新気流量(MAF:Mass Air Flow)、燃料流量、およびEGR流量の合計値であってよい。
また、燃焼指標は、エンジン筒内の燃焼状態を示すパラメータであり、例えば、図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx(窒素酸化物)、CO2(二酸化炭素)を含んでよい。
時系列データ取得部112によって取得される各パラメータの測定位置について説明する。図4は、本実施形態にかかるパラメータの測定位置の一例を示す図である。図4に示すように、例えば、パラメータである筒内圧や燃料流量は、エンジン300の筒内、すなわちシリンダ内で測定される。なお、筒内圧は、筒内圧センサ(CPS:Cylinder Pressure Sensor)によって測定されてよい。また、例えば、パラメータである酸素濃度は、内燃機関のうちインテークマニホールドの入り口部分で測定される。また、例えば、パラメータであるEGR流量および新気流量は、それぞれ、EGRバルブの出口部分の流路、およびコンプレッサ前の吸気流路で測定される。また、例えば、パラメータであるNOxやCO2は、内燃機関のうちエキゾーストマニホールドによってまとめられた排気流路において測定される。なお、EGR流量が測定可能であれば、酸素濃度は取得対象から除外されてもよく、逆に、酸素濃度が測定可能であれば、EGR流量が取得対象から除外されてもよい。
次に、時系列データ取得部112によって取得される各パラメータの取得タイミングについて説明する。図6は、本実施形態にかかるパラメータの取得タイミングの一例を示す図である。図6は、エンジン燃焼サイクルにおける燃焼工程「吸気→圧縮→燃焼/膨張→排気→吸気→・・・」に対するクランク角度を取得タイミングとして、各パラメータが取得されることを示すものである。なお、燃焼/膨張の燃焼はガソリンエンジンの場合、膨張はディーゼルエンジンの場合の工程である。
図6に示すように、例えば、筒内圧はクランク角度が0.5度ごとにサンプリングされる。なお、筒内圧は、1サイクル分、すなわちクランク角度720度分のデータが別々のデータとして、時系列データ122に記憶されてよい。これは、クランク角度ごとに別々の筒内圧としてバーチャルセンサの入力に使用するためであり、筒内圧データとクランク角度は対応するデータとして管理される。また、サンプリング周期は、0.1度ごとなど、より高速にサンプリングされてよい。
また、例えば、エンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度などの運転条件や、図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、NOx、およびCO2などの燃焼指標は、クランク角度が720度ごとにサンプリングされる。なお、燃焼指標の図示トルク、図示熱効率、および筒内最大圧力上昇率は、1サイクル分、すなわちクランク角度720度分の筒内圧データを用いて時系列データ取得部112によって算出される。このため、時系列データ取得部112は、筒内圧データ以外の運転条件や燃焼指標の排出ガス(NOx、CO2)については、1サイクルごとにデータを取得し、サンプリング周期を合わせる。また、図6は、1気筒分のパラメータを取得する例を示したが、気筒が増加する場合は、パラメータの取得タイミングも増加してよい。
図1の説明に戻り、優先度設定部113は、例えば、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度を優先度設定値124から取得して設定する。当該優先度は、後述するバーチャルセンサの選定で使用される。そのため、計算時間と推定精度のバランスが当該優先度で設定される。当該優先度には、燃焼指標の推定における計算時間を優先するものと、推定精度を優先するものがある。どちらを優先するかが予め決定され、優先度設定値124に設定される。
推定精度より計算時間を優先するものは、所定の推定精度を維持しながら、計算時間をできるだけ削減するものであり、優先度として、最低限順守する推定精度が設定される。一方、計算時間の削減より推定精度を優先するものは、所定の計算時間のもとで、推定精度を最大化するものであり、優先度として、最低限順守する計算時間が設定される。計算時間および推定精度のどちらを優先するかは予め決定され、例えば、順守する閾値が優先度として設定されてよい。
クランク角度および筒内圧選定部114は、燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定する。当該クランク角度の要素は、例えば、時系列データ取得部112によって取得された、筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼/膨張までの行程区間のデータから選定される。
図7は、本実施形態にかかるバーチャルセンサ選定の一例を示す図である。図7に示すように、時系列データ取得部112によって取得され、時系列データ122および123に記憶された、筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データに基づいて、重要度分析により筒内圧データが選定される。選定された筒内圧データは筒内圧データ125に記憶される。この際、図7に示すように、後述する、推定された重要度も併せて記憶されてよい。なお、筒内圧データは、例えばエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼/膨張までの行程区間のデータを分析する前に抽出されてもよい。
筒内圧データを選定するための重要度分析についてより具体的に説明する。図8は、本実施形態にかかる重要度分析の一例を示す図である。図8に示すように、クランク角度および筒内圧選定部114は、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定する。選定は、例えば、燃焼指標に対する重要度に基づいて行われる。図8の例では、0.5度ごとにサンプリングされたクランク角度0~720度の要素のうち、重要度が0.5以上あるクランク角度350~540度の要素が重要度の高い順番に並び替えられ選定されている。なお、重要度の閾値0.5以上は一例であって、それより多くても少なくてもよい。また、図8に示すように、エンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度などの運転条件は重要度が高いため、必ず使用するパラメータとして選定される。クランク角度および筒内圧選定部114によって選定されたパラメータは、バーチャルセンサの構築に用いられる。
重要度分析について、例えば、ランダムフォレストに代表される決定木を用いた特徴量の重要度を算出し、燃焼指標に対して重要度が高い、すなわち寄与率が高いパラメータが選定される。なお、重要度分析は、相関係数などの統計量を用いた手法や、パラメータを増加減し予測精度を確認しながら選定する方法であってもよい。
決定木を用いた重要度分析をより具体的に説明する。本実施形態では、例えば、各パラメータである各特徴量を外した場合に、正解率である予測精度がどれくらい悪化するかを算出し、その差で重要度が推定される。計算過程のイメージは、例えば、(1)データサンプルN個(Nは任意の整数)からN個よりも少ないn個をランダムに抽出して決定木が1つ作成される。なお、抽出されなかったN-n個のデータサンプルをOOB(Out-Of-Bag)と呼ぶ。次に、(2)OOBに対する性能、例えば、予測精度である正解率aが算出される。そして、(3)OOBのデータサンプル内で、あるパラメータである特徴量のみをランダムシャッフルで除外し、その状態で決定木の性能、すなわち正解率が算出される。(1)~(3)の処理を繰り返し、それぞれの重要度が算出される。
図1の説明に戻り、バーチャルセンサ構築部115は、例えば、クランク角度および筒内圧選定部114によって選定されたクランク角度に対応する筒内圧データと運転条件を入力、燃焼指標を出力とする訓練データを決定木に与える。これにより、バーチャルセンサ構築部115は、決定木による複数の学習器で推論するXG-Boostまたはランダムフォレストにより燃焼指標を推定する。そして、バーチャルセンサ構築部115は、図7に示すように、選定されたクランク角度に対応する筒内圧データと運転条件、推定された燃焼指標に基づいて、バーチャルセンサを構築する。なお、バーチャルセンサ構築部115は、図7に示すように、選定された筒内圧データから重要度の最も低いデータを順に削除し、データ数を減らした筒内圧データで複数のバーチャルセンサ候補を構築する。このようなデータ削除およびバーチャルセンサ候補の構築は、選定された筒内圧データが1つになるまで繰り返されてよい。構築されたバーチャルセンサは、バーチャルセンサ候補データ126に記憶される。
ここで、本実施形態にかかるバーチャルセンサについて説明する。図9は、本実施形態にかかるバーチャルセンサの入出力の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態にかかるバーチャルセンサは、筒内圧データや、エンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度などの運転条件を入力すると、燃焼指標である図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2をそれぞれ出力するものである。これにより、リアルタイムでの測定が困難な燃焼指標をリアルタイムに推定でき、自動車エンジンの燃焼制御において、燃焼状態に応じた実時間制御を行うことができる。なお、図9に示すように、本実施形態にかかるバーチャルセンサは、出力される燃焼指標ごとに構築されてよい。また、作動ガスにEGR流量が含まれる場合、酸素濃度はバーチャルセンサに入力されなくてよく、逆に、酸素濃度が入力される場合は、作動ガスにEGR流量が含まれなくてよい。
図1の説明に戻り、バーチャルセンサ選定部116は、例えば、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度に基づいて、燃焼指標の推定に用いるバーチャルセンサを選定する。バーチャルセンサの選定は、図7に示すように、バーチャルセンサ構築部115によって構築されたバーチャルセンサ候補群から選定される。バーチャルセンサを選定する際に用いられる優先度は、優先度設定部113によって設定された優先度である。当該優先度には、上述したように、燃焼指標の推定における計算時間を優先するものと、推定精度を優先するものがある。
図10は、燃焼指標推定における計算時間と推定精度との関係を説明するための図である。図10の左側は、バーチャルセンサに入力される筒内圧力に対応するクランク角度のパラメータ数と、燃焼指標推定における計算時間および推定精度のそれぞれとの関係を示すグラフである。図10の左側に示すように、バーチャルセンサに入力される筒内圧力に対応するクランク角度のパラメータ数を増加させると、燃焼指標推定における計算時間および推定精度のそれぞれも増加する。したがって、図10の右側に示すように、燃焼指標推定における計算時間と推定精度との関係も比例関係となり、計算時間と推定精度のバランスを考えて、バーチャルセンサが選定される。
推定精度より計算時間を優先する場合、バーチャルセンサ選定部116は、構築したバーチャルセンサの候補から、順守する推定精度について、例えば、R(決定係数)が0.8以上であり、計算時間が最小なものを選定する。一方、計算時間の削減より推定精度を優先する場合、バーチャルセンサ選定部116は、構築したバーチャルセンサの候補から、順守する計算時間が、例えば、1秒以内であり、推定精度が最大なものを選定する。なお、順守する推定精度や計算時間の閾値は、計算時間および推定精度のどちらを優先するかの優先度として、優先度設定値124に予め記憶される。
選定されたバーチャルセンサについて、例えば、エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼/膨張までの行程区間の上死点の前10度から上死点の後5度までの計15度の間の31点の筒内圧データが採用されてよい。また、採用された筒内圧データについて、複数の気筒がある場合、全気筒の筒内圧データを取得し、気筒ごとのバーチャルセンサが構築されてもよい。
このように、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度に基づいて選定されたバーチャルセンサを用いて燃焼指標を推定し、エンジン制御に用いることでエンジンの燃焼状態に応じた実時間制御を行うことができる。
参考のため、燃焼指標の推定精度の従来法との比較結果について説明する。図11は、燃焼指標の推定精度の従来法との比較結果の一例を示す図である。図11は、筒内圧センサから筒内圧データなどを取得し、図示トルクなどの各燃焼指標を導出するまでの計算時間とその精度を示す表である。なお、図11においてRで示される精度については従来法を正解とした場合の従来法との比較結果である。
図11において、従来法は、高サンプリングに取得した1サイクル分の筒内圧データを用いて数値変換を行い、各燃焼指標を導出した場合の計算時間を示す。また、本実施形態は、ランダムフォレストまたはXG-Boostを用いて構築されたバーチャルセンサを用いて燃焼指標を推定した場合の推定精度と計算時間とを示す。本実施形態の推定精度を参照すると、ランダムフォレストまたはXG-Boostを用いた両ケースで高精度に推定できていることがわかる。また、計算時間は、従来法と比較し、ランダムフォレストを用いた場合は約72%(パーセント)、XG-Boostを用いた場合で約95%低減していることがわかる。
[処理の流れ]
次に、図12を用いて、燃焼指標推定のためのバーチャルセンサ選定処理の流れを説明する。図12は、本実施形態にかかるバーチャルセンサ選定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12に示すバーチャルセンサ選定処理は、任意のタイミングで開始される。
まず、推定装置100は、例えば、エンジン300を制御するための各操作変数の時系列変化をChirp信号またはAPRBS信号で表現し、試験パターンを作成する(ステップS101)。
次に、推定装置100は、例えば、ステップS101で作成した試験パターンをエンジン300に入力することにより、筒内圧や運転条件、燃焼指標の時系列データを取得する(ステップS102)。
次に、推定装置100は、例えば、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度を優先度設定値124から取得して設定する(ステップS103)。優先度設定値124には、例えば、計算時間および推定精度のどちらを優先するかが予め決定され、順守する推定精度または計算時間の閾値が設定される。
次に、推定装置100は、例えば、エンジン燃焼サイクルの1サイクルの行程区間の筒内圧データから、燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度を選定する(ステップS104)。
次に、推定装置100は、例えば、ステップS104で選定されたクランク角度に対応する筒内圧データと運転条件、燃焼指標の時系列データよりバーチャルセンサを構築する(ステップS105)。
次に、推定装置100は、例えば、ステップS104で選定されたクランク角度に対応する筒内圧データが2つ以上あるか否か判定する(ステップS106)。筒内圧データが2つ以上ある場合(ステップS106:Yes)、推定装置100は、例えば、重要度の最も低いクランク角度と対応する筒内圧データを1つ削除する(ステップS107)。そして、推定装置100は、削除後の筒内圧データと運転条件、燃焼指標の時系列データよりバーチャルセンサを構築し(ステップS105)、筒内圧データが1つになるまでステップS105~107を繰り返す。
一方、筒内圧データが1つの場合(ステップS106:No)、推定装置100は、例えば、ステップS103で設定された優先度が推定精度より計算時間を優先するか否かを判定する(ステップS108)。
優先度が計算時間を優先する場合(ステップS108:Yes)、推定装置100は、ステップS105で構築されたバーチャルセンサの候補から、順守する推定精度以上で計算時間が最小のものを選定する(ステップS109)。
一方、優先度が推定精度を優先する場合(ステップS108:No)、推定装置100は、ステップS105で構築されたバーチャルセンサの候補から、順守する計算時間より速く推定精度が最大のものを選定する(ステップS110)。
ステップS109またはS110の実行後、図12に示すバーチャルセンサ選定処理は終了する。そして、ステップS109またはS110において選定されたバーチャルセンサを用いて燃焼指標を推定することで、エンジン300の実時間制御を行うことができる。
上述したように、推定装置100は、エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、選定されたクランク角度の要素に対応する筒内圧データおよび運転条件を入力、燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより燃焼指標を推定する処理を実行する。
このように、推定装置100は、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度に基づいて構築および選定されたバーチャルセンサを用いて筒内圧と運転条件とで燃焼指標を推定する。これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、燃焼状態に応じた実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100により実行される、クランク角度の要素を選定する処理は、操作変数の時系列変化を示すChirp信号またはAPRBS信号に基づく試験パターンを用いて取得した時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、クランク角度の要素を選定する処理を含む。
このように、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、操作変数の取りうる空間の網羅性を向上させることで、再現性の高い燃焼指標の推定ができる。これにより、推定装置100は、燃焼指標の推定誤差が削減でき、高性能な実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100により実行される、クランク角度の要素を選定する処理は、Chirp信号またはAPRBS信号をもとに、複数の操作変数の値の取りうる空間と複数の操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように調整した時系列の過渡的な試験パターンを用いて取得した時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、クランク角度の要素を選定する処理を含む。
このように、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、操作変数の取りうる空間の網羅性を向上させることで、再現性の高い燃焼指標の推定ができる。これにより、推定装置100は、燃焼指標の推定誤差が削減でき、高性能な実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100によって実行される、クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、筒内圧データ、運転条件としてエンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度の少なくとも1つ、ならびに燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、クランク角度の要素を選定する処理を含む。
これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、より精度の高い実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100によって実行される、クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、筒内圧データ、運転条件、ならびに燃焼指標として図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2の少なくとも1つの時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、クランク角度の要素を選定する処理を含む。
これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、より精度の高い実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100は、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、計算時間の削減より推定精度を優先する場合、バーチャルセンサの候補から、順守する計算時間より速く推定精度が最大のバーチャルセンサを、燃焼指標を推定するバーチャルセンサとして選定する処理を実行する。
これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、計算時間の削減より推定精度を優先した実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100は、燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、推定精度より計算時間の削減を優先する場合、バーチャルセンサの候補から、順守する推定精度以上で計算時間が最小のバーチャルセンサを、燃焼指標を推定するバーチャルセンサとして選定する処理を実行する。
これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、推定精度より計算時間の削減を優先した実時間制御を行うことができる。
また、推定装置100によって実行される、燃焼指標を推定する処理は、XG-Boostおよびランダムフォレストの少なくとも1つを含む機械学習により構築されたバーチャルセンサにより燃焼指標を推定する処理を含む。
これにより、推定装置100は、自動車エンジンの燃焼制御において、より精度の高い実時間制御を行うことができる。
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更されてもよい。また、実施例で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更されてもよい。
また、各装置の構成要素の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。例えば、推定装置100のクランク角度および筒内圧選定部114が複数の処理部に分散されたり、推定装置100のバーチャルセンサ構築部115とバーチャルセンサ選定部116とが1つの処理部に統合されたりしてもよい。つまり、その構成要素の全部または一部は、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合されてもよい。さらに、各装置の各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[ハードウェア]
図13は、本実施形態にかかる推定装置100のハードウェア構成例を示す図である。図13に示すように、推定装置100は、通信部100a、記憶装置100b、メモリ100c、プロセッサ100dを有する。また、図13に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
通信部100aは、例えば、通信インタフェース装置やネットワークインタフェースカードなどであり、ECUなど他の装置などとの通信を行う。記憶装置100bは、図1に示した推定装置100の各機能などを動作させるプログラムやデータを記憶する。
プロセッサ100dは、図1に示した推定装置100の各機能などを動作させるプログラムを記憶装置100bなどから読み出す。そして、プロセッサ100dは、読み出したプログラムをメモリ100cに展開することで、図1に示した推定装置100の各機能を実現するプロセスを実行する。
また、推定装置100は、媒体読取装置によって記録媒体から、図1に示した推定装置100の各機能などを動作させるプログラムを読み出して実行することで各機能を実現させることもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、推定装置100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他の情報処理装置がプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明が同様に適用されてよい。
また、図1に示した推定装置100の各機能などを動作させるプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、当該プログラムは、ハードディスク(HDD)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする推定方法。
(付記2)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記操作変数の時系列変化を示すChirp信号またはAPRBS(Amplitude-modulated Pseudo Random Binary Sequences)信号に基づく前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記3)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記Chirp信号または前記APRBS信号をもとに、複数の前記操作変数の値の取りうる空間と複数の前記操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように調整した時系列の過渡的な前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記2に記載の推定方法。
(付記4)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件としてエンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度の少なくとも1つ、ならびに前記燃焼指標の前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記5)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件、ならびに前記燃焼指標として図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2の少なくとも1つの前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記6)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記計算時間の削減より前記推定精度を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記計算時間より速く前記推定精度が最大の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記7)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記推定精度より前記計算時間の削減を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記推定精度以上で前記計算時間が最小の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記8)前記燃焼指標を推定する処理は、XG-Boostおよびランダムフォレストの少なくとも1つを含む前記機械学習により生成された前記バーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する処理を含むことを特徴とする付記1に記載の推定方法。
(付記9)エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする推定プログラム。
(付記10)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記操作変数の時系列変化を示すChirp信号またはAPRBS(Amplitude-modulated Pseudo Random Binary Sequences)信号に基づく前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記11)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記Chirp信号または前記APRBS信号をもとに、複数の前記操作変数の値の取りうる空間と複数の前記操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように調整した時系列の過渡的な前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記10に記載の推定プログラム。
(付記12)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件としてエンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度の少なくとも1つ、ならびに前記燃焼指標の前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記13)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件、ならびに前記燃焼指標として図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2の少なくとも1つの前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記14)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記計算時間の削減より前記推定精度を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記計算時間より速く前記推定精度が最大の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記15)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記推定精度より前記計算時間の削減を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記推定精度以上で前記計算時間が最小の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記16)前記燃焼指標を推定する処理は、XG-Boostおよびランダムフォレストの少なくとも1つを含む前記機械学習により生成された前記バーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する処理を含むことを特徴とする付記9に記載の推定プログラム。
(付記17)エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
処理を実行する制御部を有することを特徴とする推定装置。
(付記18)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記操作変数の時系列変化を示すChirp信号またはAPRBS(Amplitude-modulated Pseudo Random Binary Sequences)信号に基づく前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記19)前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記Chirp信号または前記APRBS信号をもとに、複数の前記操作変数の値の取りうる空間と複数の前記操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように調整した時系列の過渡的な前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記18に記載の推定装置。
(付記20)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件としてエンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度の少なくとも1つ、ならびに前記燃焼指標の前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記21)前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件、ならびに前記燃焼指標として図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2の少なくとも1つの前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記22)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記計算時間の削減より前記推定精度を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記計算時間より速く前記推定精度が最大の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記23)前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記推定精度より前記計算時間の削減を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記推定精度以上で前記計算時間が最小の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記24)前記燃焼指標を推定する処理は、XG-Boostおよびランダムフォレストの少なくとも1つを含む前記機械学習により生成された前記バーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する処理を含むことを特徴とする付記17に記載の推定装置。
(付記25)プロセッサと、
プロセッサに動作可能に接続されたメモリと
を備えた推定装置であって、プロセッサは、
エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
処理を実行することを特徴とする推定装置。
1~n 操作変数
10-1~10-n Chirp信号
20-1~20-n Chirp信号
100 推定装置
100a 通信部
100b 記憶装置
100c メモリ
100d プロセッサ
111 試験パターン作成部
112 時系列データ取得部
113 優先度設定部
114 クランク角度および筒内圧選定部
115 バーチャルセンサ構築部
116 バーチャルセンサ選定部
121 試験パターン
122 時系列データ
123 時系列データ
124 優先度設定値
125 筒内圧データ
126 バーチャルセンサ候補データ
300 エンジン

Claims (10)

  1. エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
    選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする推定方法。
  2. 前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記操作変数の時系列変化を示すChirp信号またはAPRBS(Amplitude-modulated Pseudo Random Binary Sequences)信号に基づく前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  3. 前記クランク角度の要素を選定する処理は、前記Chirp信号または前記APRBS信号をもとに、複数の前記操作変数の値の取りうる空間と複数の前記操作変数の変化速度値の取りうる空間との双方の網羅率が最大化するように調整した時系列の過渡的な前記試験パターンを用いて取得した前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の推定方法。
  4. 前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件としてエンジン回転数、作動ガス、および酸素濃度の少なくとも1つ、ならびに前記燃焼指標の前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  5. 前記クランク角度の要素を選定する処理は、試験パターンを用いて取得した、前記筒内圧データ、前記運転条件、ならびに前記燃焼指標として図示トルク、図示熱効率、筒内最大圧力上昇率、および排出ガスのNOx、CO2の少なくとも1つの前記時系列データにおける前記エンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの前記行程区間のデータから、前記クランク角度の要素を選定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  6. 前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記計算時間の削減より前記推定精度を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記計算時間より速く前記推定精度が最大の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  7. 前記燃焼指標の推定における計算時間および推定精度に対する優先度が、前記推定精度より前記計算時間の削減を優先する場合、前記バーチャルセンサの候補から、順守する前記推定精度以上で前記計算時間が最小の前記バーチャルセンサを、前記燃焼指標を推定する前記バーチャルセンサとして選定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  8. 前記燃焼指標を推定する処理は、XG-Boostおよびランダムフォレストの少なくとも1つを含む前記機械学習により生成された前記バーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  9. エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
    前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする推定プログラム。
  10. エンジン試験に用いる操作変数が時系列に沿って変化する試験パターンを用いて取得した、エンジンに対する筒内圧データ、運転条件、および燃焼指標の時系列データにおけるエンジン燃焼サイクルの圧縮から燃焼または膨張までの行程区間のデータから、前記燃焼指標の推定に寄与する重要度に基づいて、1つ以上の前記筒内圧データに対応するクランク角度の要素を選定し、
    前記選定された前記クランク角度の要素に対応する前記筒内圧データおよび前記運転条件を入力、前記燃焼指標を出力とする訓練データを用いて機械学習により構築されたバーチャルセンサにより前記燃焼指標を推定する
    処理を実行する制御部を有することを特徴とする推定装置。
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